JP2001019345A - 自由勾配側溝用吊具 - Google Patents

自由勾配側溝用吊具

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JP2001019345A
JP2001019345A JP11198586A JP19858699A JP2001019345A JP 2001019345 A JP2001019345 A JP 2001019345A JP 11198586 A JP11198586 A JP 11198586A JP 19858699 A JP19858699 A JP 19858699A JP 2001019345 A JP2001019345 A JP 2001019345A
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arm
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JP11198586A
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Tetsushi Murata
哲士 村田
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MATSUZAKA KOSAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自由勾配側溝を容易に且つ安定して搬送、設
置することができると共に、構造が簡単で容易に製造す
ることのできる、新規な自由勾配側溝用吊具を提供する
こと。 【解決手段】 中空パイプ構造の吊具本体(12)と、
該吊具本体において、その長手方向に相互に離間位置し
て複数設けられた吊上部(14)と、前記吊具本体の長
手方向両側に位置して設けられて、それぞれ、前記自由
勾配側溝における上底部の下面に重ね合わされる一対の
支持部(46)と、前記吊具本体における軸方向の少な
くとも一方の側に内挿または外挿されて軸方向に伸縮可
能に取り付けられると共に、伸出方向の先端部分に前記
支持部が固設された伸縮アーム部(42)と、該伸縮ア
ーム部の前期吊具本体に対する伸出量を制限して、該伸
縮アームの該吊具本体からの抜け出しを防止するチェー
ン(56)およびフック(58)と、を設け、自由勾配側
溝における開口部の溝方向寸法よりも軸方向に短くなる
ように収縮可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自由勾配側溝の搬送や施工等に
際して、該自由勾配側溝を容易に吊り上げることの出来
る新規な吊具に関するものである。
【0002】
【背景技術】溝施工のためのコンクリート製品の一種と
して、従来から、特開昭52−56747号公報や特開
平5−148884号公報等に記載されているように、
両側壁部が天板部で連結されて、下底が開口せしめられ
た門形断面を有し、該天板部の中央に窓状の開口部が設
けられた自由勾配側溝が知られている。このような自由
勾配側溝では、現場への配設後に、該開口底部にコンク
リートを打設することによって、水路底面を形成するも
のであり、水路勾配を、水路蓋部分の表面の勾配に関係
なく自由に設定することが可能であることから、例えば
道路側溝等に広く採用されている。
【0003】ところで、かかる自由勾配側溝の搬送や施
工時の取り扱いに際しては、該自由勾配側溝を持ち上げ
る必要がある。特に、搬送や施工時の作業効率を向上さ
せるためには、自由勾配側溝を簡便に且つ速やかに持ち
上げることが要求される。そこで、例えば、自由勾配側
溝の内部を長手方向に延びるように、開口部よりも長尺
の鋼材を側溝の側方から差し込んで、かかる鋼材を、ク
レーン等の建設機械によって吊り上げる吊り上げること
が考えられる。
【0004】しかしながら、このような吊り上げ方法に
おいては、重量が大きくて長尺の鋼材を、側溝にその側
方から差し込む作業が困難であるだけでなく、鋼材を側
溝に差し込んだ後に、かかる鋼材を吊り上げるためのワ
イヤロープを、側溝の溝長方向両側から突出させた鋼材
の軸方向両端部に係止し、側溝の外側から回して、クレ
ーン等に取り付けたり、或いは、鋼材の軸方向中間部分
に係止し、側溝の開口部を通してクレーン等に取り付け
る作業が必要となるために、作業が面倒で、時間がかか
るという大きな問題があった。
【0005】また一方、自由勾配側溝における開口部の
長手寸法よりも僅かに長尺の鋼材を用い、該鋼材を、そ
の中間部分に予めワイヤをかけてクレーン等で吊り上げ
支持せしめて、自由勾配側溝の溝長方向に対して斜めに
して、開口部の対角線方向にむけた状態で、該開口部を
通して側溝内部に入り込ませた後、溝長方向に対して真
っ直ぐにすることにより、鋼材の両端部分を該開口部の
縁部下面に当接させて支持せしめることも考えられる。
【0006】ところが、このような吊り上げ方法におい
ては、鋼材の長さを開口部に対してそれ程大きく出来な
いことから、鋼材両端部における開口部の縁部下面への
当接面積を十分に確保することが困難であり、吊り上げ
時の安定性を確保することが難しくなるだけでなく、吊
り上げ作業の際に開口部縁部に部分的に高い荷重がかか
ることから、側溝の強度上の問題もあった。さらに、側
溝の開口部のサイズが幾つか異なるものがある場合に
は、それらに対応することが、実際に不可能であり、そ
れらに対応した各種のサイズの鋼材を予め準備し、且つ
何れかを選択して用いる必要があるために、その作業も
非常に煩雑で面倒であった。加えて、鋼材を斜めにして
開口窓から側溝内部に差し込む作業は、大変面倒であ
り、該鋼材と開口部との位置合わせ等に人夫の手間と時
間がかかるという問題もあった。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は上述の如き事情を
背景としてなされたものであって、その解決課題とする
ところは、自由勾配側溝を容易に且つ安定して搬送、設
置することができると共に、構造が簡単で容易に製造す
ることのできる、新規な自由勾配側溝用吊具を提供する
ことにある。
【0008】
【解決手段】以下、このような課題を解決する為になさ
れた本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態
様は、任意の組み合わせで採用可能である。また、本発
明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定
されることなく、明細書全体および図面に記載され、或
いはそれらの記載から当業者が把握することのできる発
明思想に基づいて認識されるものであることが理解され
るべきである。
【0009】本発明の第一の態様は、両側壁部が天板部
で連結されて、下底が開口せしめられた門形断面を有す
ると共に、該天板部の中央に窓状の開口部が設けられた
自由勾配側溝を吊り上げる為の自由勾配側溝用吊具であ
って、(a)中空パイプ構造の吊具本体と、(b)該吊
具本体において、その長手方向に相互に離間位置して複
数設けられたワイヤロープ等が係止される吊上部と、
(c)前記吊具本体の長手方向両側に位置して設けられ
て、それぞれ、前記自由勾配側溝における上底部の下面
に重ね合わされる一対の支持部と、(d)前記吊具本体
における軸方向の少なくとも一方の側に内挿または外挿
されて軸方向に伸縮可能に取り付けられると共に、伸出
方向の先端部分に前記支持部が固設された伸縮アーム部
と、(e)該伸縮アーム部の前期吊具本体に対する伸出
量を制限して、該伸縮アームの該吊具本体からの抜け出
しを防止する伸出量制限手段と、を設け、前記自由勾配
側溝における開口部の溝方向寸法よりも軸方向に短くな
るように収縮可能としたことを、特徴とする。
【0010】このような態様に従う構造とされた自由勾
配側溝用吊具においては、吊具本体の軸方向の少なくと
も一方の側において、伸縮アーム部が、内挿または外挿
状態で、軸方向に伸縮可能に取りつけられていることか
ら、かかる吊具をワイヤロープ等を用いてクレーン等で
あらかじめ吊り上げた状態で、伸縮アーム部を収縮せし
めることにより、該吊具の軸方向寸法を該開口部の溝方
向寸法よりも短かくし、該吊具を自由勾配側溝の開口部
から溝内へ容易に挿入することが可能となる。従って、
吊具を自由勾配側溝の内部へ挿入する際の作業性が、前
述の如き開口部の溝方向寸法より長尺の鋼材の用いる場
合に比して、飛躍的に向上せしめられ、迅速な作業が可
能となるのである。一方、伸縮アーム部を伸出せしめる
ことにより、支持部における自由勾配側溝天板部の下面
への重ね合わせ面積を十分に確保できるのであり、それ
によって、該吊具による自由勾配側溝の搬送、配設時等
における吊り上げ状態での安定性が飛躍的に向上される
のである。また、本態様の自由勾配側溝吊具において
は、吊具本体が中空パイプ構造とされていることから、
重量を充分に小さくすることが可能となり、優れた取扱
性も実現されるのである。
【0011】しかも、かかる自由勾配側溝用吊具におい
ては、伸縮アームの伸縮量を調整することにより、一対
の支持部相互間の距離を変更、調節することができるこ
とから、様々な開口部寸法を有する種々のサイズや形式
の自由勾配側溝への適用が可能となる。従って、開口部
寸法等に合わせて、多種類の吊具を準備する必要がない
のであり、作業性および作業効率の更なる向上が図られ
得るのである。
【0012】また、本態様において、好ましくは、前記
支持部が、前記吊具本体の幅寸法よりも大きな幅寸法を
持って形成される。これにより、自由勾配側溝天板部の
下面への重ね合わせ面積が、更に増大されて、作業の安
定性および安全性の更なる向上が達成される。
【0013】また、本態様において採用される伸出量制
限手段、伸縮アームの吊具本体からの抜け出しを防止し
得るのもであれば特に限定されるものではないが、例え
ば、伸縮アームと吊具本体を、チェーンやワイヤロープ
等を用いて直接繋ぐことにより、抜け出しを防止した
り、伸縮アームおよび吊具本体の何れか一方に係止ブロ
ックを、もう一方に係止突起を設けそれらの当接によ
り、抜け出しを防止したり、或いはそれらを組み合わせ
て使用する方法等が好適に採用され得る。
【0014】さらに、かかる自由勾配側溝吊具において
は、吊具本体にその長手方向に相互に離間位置する吊上
部が複数設けられていることから、吊具を吊り上げる際
のワイヤロープ等の装着作業等が容易とされると共に、
吊上時における吊具の傾斜も有利に防止される。なお、
吊上部の形状および配設方法等は、特に限定されるもの
ではなく、吊り上げ作業の際に吊上部に掛かる荷重に絶
え得る強度を提供するものであれば何れでもよい。例え
ば、平板状の鋼材の中央部分に貫通孔を設けたものを、
吊具本体の長手方向に相互に離間位置する複数箇所に溶
着すること等によって有利に構成される。また、そのよ
うな平板状の鋼材を採用する場合は、例えば、吊具本体
の幅方向両側から吊上部を挟むようにして一対の山形や
溝形の鋼材を組み付けて溶着した、吊上部の補強構造等
が好適に採用される。
【0015】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた自由勾配側溝用吊具において、
前記吊具本体と前記伸縮アーム部の間に、該伸縮アーム
部を該吊具本体に対して伸縮方向に移動可能に組み付け
るベアリング機構を設けたことを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、比較的大きな重量を有する伸縮
アームの伸出および収縮の作業がスムーズとなり、より
一層の作業性の向上が図られ得る。なお、該ベアリング
機構の構造は、吊具本体と伸縮アームの当接面の摩擦抵
抗を軽減するものであれば、何れの構造も採用可能であ
る。例えば、吊具本体と伸縮アームの間において、伸縮
アームの伸縮方向に延びる一対のレールを設け、各レー
ル内に、該レールの高さ寸法よりも若干大きな外径寸法
を有する鋼球を複数個配した構造のものが採用可能であ
る。かかる構造のベアリング機構を採用した場合には、
ボールの転がりや、吊具本体と伸縮アームの当接面積の
減少により、吊具本体と伸縮アームの当接面間の摩擦抵
抗が軽減される。また、前記複数の鋼球の循環を許容す
るレール構造を採用することも可能であり、それによっ
て、更なる摩擦抵抗の軽減が実現され得る。或いは、吊
具本体または伸縮アームによって、複数個のコロを、該
伸縮アームの伸縮方向に直交する中心軸回りで回転可能
に支持せしめて、それら吊具本体と伸縮アームの間に配
設することも可能であり、このようなコロを用いたベア
リング機構によっても、所望の摩擦抵抗の軽減が達成さ
れ得る。
【0016】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた自由勾配側溝用吊具に
おいて、前記吊具本体に対する前記伸縮アーム部の伸縮
作動時に相互に摺接せしめられる、それら吊具本体と伸
縮アーム部の少なくとも一方の摺接面に低摩擦性の摺接
材を配設したことを、特徴とする。このような本態様に
おいては、吊具本体と伸縮アーム部の摺動抵抗が軽減さ
れることにより、伸縮アーム部の伸縮操作に必要な力が
軽減されて、容易に作業することが可能となる。なお、
低摩擦性の摺接材としては、例えば、摩擦係数の小さい
フッ素系樹脂やテフロン布等の低摩擦繊維、含油樹脂や
含油メタル等が、その耐久性や耐荷重強度等を考慮し
て、何れも採用可能である。また、そのような摺接材
は、例えば、別部材として形成した後に、吊具本体と伸
縮アーム部の摺接面にボルトや接着等で固着したり、か
かる摺接面にコーティング等で一体形成すること等によ
って形成され得る。更にまた、本態様においては、前記
第二の態様に係るベアリング機構を、吊具本体と伸縮ア
ーム部の間の主たる荷重作用面に配設すると共に、側面
等の主たる荷重作用面を除く摺接面に対して、低摩擦性
の摺接材を配設することも可能であり、それによって、
伸縮アーム部の操作抵抗の更なる軽減が図られ得る。
【0017】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされた自由勾配側溝
用吊具において、前記伸縮アーム部を前記吊具本体の軸
方向開口端部から内挿して取付ける一方、該吊具本体の
上壁部分に軸方向に延びる開口窓を設けると共に、前記
伸縮アーム部において該吊具本体の開口窓から外部に突
出する操作ロッドを設けたことを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、該吊具本体に内挿された伸縮ア
ーム部を、操作ロッドを利用して吊具本体外側から伸縮
操作できることから、より一層の作業性の向上が図られ
得る。そこにおいて、操作ロッドの材質、形状、取付方
法等は、何等限定されるものでないが、固定強度や耐久
性等の観点から、鋼材を伸縮アーム部に直接溶着する構
造が好適に採用され得る。しかも、かかる本態様の自由
勾配側溝吊具においては、操作ロッドが吊具本体の開口
窓から外部に突出して設けられていることから、該操作
ロッドを、開口窓の軸方向外方端面に当接させることに
より、前記伸出量制限手段としても機能させることが出
来る。なお、操作ロッドは、吊具本体に内挿された伸縮
アームのみでなく、吊具本体に外挿された伸縮アームに
おいても、採用可能であることは勿論である。この場合
においても、外挿された伸縮アームの操作性が一層向上
され得る。
【0018】更にまた、本発明の第五の態様は、前記第
一乃至第四の何れかの態様に従う構造とされた自由勾配
側溝用吊具において、前記一対の支持部における前記自
由勾配側溝の天板部の底面への当接面に、それぞれ、滑
り止め手段を設けたことを、特徴とする。このような本
態様においては、自由勾配側溝と吊具の支持部との当接
面間における摩擦抵抗が増大せしめられることから、吊
具による自由勾配側溝の吊上、搬送、配設時等における
作業の安定性の更なる向上が図られ得る。なお、滑り止
め手段は、当接面間の摩擦抵抗の増大を実現し得るもの
であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ゴ
ムや樹脂等からなるシートを支持部の当接面に被着する
ことによって、或いは、それらのシートの表面や、支持
部を構成する鋼材の表面(当接面)に凹凸を付すること
等によって、有利に構成される。
【0019】また、本発明の第六の態様は、前記第一乃
至第五の何れかの態様に従う構造とされた自由勾配側溝
吊具において、前記伸縮アーム部の前記吊具本体に対す
る収縮方向の動きを規制して、該伸縮アーム部を所定伸
出位置に保持せしめる収縮制限手段を設けたことを、特
徴とする。このような本態様においては、前記自由勾配
側溝天板部の下面に対する十分な重ね合わせ面を確保す
るよう調整された、前記伸縮アーム部の伸出位置が収縮
制限手段によって保持され、作業中の伸縮アームの位置
ずれ(収縮)を効果的に制限しうるのであり、以って、
吊具による吊上作業の安定性が一層向上される。なお、
収縮制限手段の構造は、伸縮アームが所定の伸出位置か
ら収縮するのを防ぎ得るのもであれば、何等限定される
ものではない。例えば、吊具本体と伸縮アームの相対移
動を、それら吊具本体と伸縮アーム部間の両方に係止さ
れるピンによって規制したり、或いは、それら吊具本体
と伸縮アームの何れか一方に設けられて、他方の当接に
よって、収縮方向の相対移動を規制する乗り越え可能な
段差を設けることによって、収縮規制手段が有利に構成
され得る。
【0020】また、本発明の第七の態様は、前記第一乃
至第六の何れかの態様に従う構造とされた自由勾配側溝
吊具において、前記支持部から、前記吊具本体の軸直角
方向に伸縮可能に伸び出す安定用アーム部を設けると共
に、該安定用アーム部の伸出方向の先端部分に、前記自
由勾配側溝における天板部の下面に対して、該支持部か
ら該天板部の幅方向に離れた位置で重ね合わされる安定
用支持部を設けたことを、特徴とする。このような態様
においては、自由勾配側溝を吊り上げる際、自由勾配側
溝用吊具が、支持部と、支持部から自由勾配側溝の天板
部の幅方向に離れた位置に位置せしめられる安定用支持
部と、によって支持せしめられることから、吊具の自由
勾配側溝に対する当接面積の増大が図られると共に、吊
具の天板部に対する当接位置を、天板部の幅方向に離間
して複数設けることが可能となることから、吊具による
自由勾配側溝の吊上状態での安定性がより一層向上され
る。なお、安定用支持部の構造、材質等は特に限定され
るものではないが、例えば、支持部から自由勾配側溝の
幅方向に向って、伸縮可能に装着される構造のものや、
支持部における自由勾配側溝の溝幅方向端部に、ボルト
等の締結手段により固定される別体の部材であってもよ
い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の実施形態について、図面を参
照しつつ、詳細に説明する。
【0022】先ず、図1乃至図3には、本発明の一実施
形態としての自由勾配側溝用吊具10が示されている。
かかる吊具10は、中空パイプ構造の吊具本体12と、
該吊具本体12の長手方向両端部から、吊具本体12内
に伸縮可能に挿入された一対のアーム部42,42とを
有している。なお、図1及び図2においては、左側半分
において、アーム部42がその伸出端位置まで延び出さ
れた状態を示し、右側半分において、アーム部42がそ
の収縮端位置まで収縮された状態を示している。
【0023】より詳細には、吊具本体12は、矩形枠体
断面を有する直管形状とされており、例えば、角形鋼管
を適当な長さ寸法で切断することによって製造され得
る。また、この吊具本体12の長手方向両端部には、そ
の上壁部11上に突出して、一対の吊上部14,14が
設けられている。各吊上部14は平板形状を有する鋼材
から成り、その中央部分には、円形の貫通孔16が設け
られている。この貫通孔16に対して、ワイヤロープ1
7(図9参照)が挿入されることにより、ワイヤロープ
17を介して、吊具10が図示しないクレーン等の建設
機械によって吊り上げられるようになっている。なお、
各吊上部14は、吊具本体12の長手方向の各端部にお
いて、吊具本体12の幅方向中央部分を長手方向に延び
るように固設されている。そこにおいて、各吊上部14
は肉盛溶接により、吊具本体12に固設されているので
ある。また、自由勾配側溝を吊り上げる際に大きな荷重
が作用する溶接部付近の強度を向上させる為、各吊上部
14の肉盛溶接部18は、吊具本体12の軸直角方向両
側に配されて、肉盛溶接部18を両側から挟むようにし
て溶接された、山形鋼材からなる一対の補強プレート2
0,20によって補強されている。
【0024】更に、図4には、吊具本体12の単体図が
示されているが、吊具本体12の上壁部11には、軸方
向に相互に離間した一対の開口窓22,22が、上壁部
11を貫通して設けられている。各開口窓22は、吊具
本体12の軸方向に延びる細長の矩形形状を有してお
り、前記一対の吊上部14,14間に位置せしめられて
いる。そして、この開口窓22を通って、後述するアー
ム部42に取り付けられた操作ロッド50(図7・8参
照)が、吊具本体12の外方に突出せしめられるように
なっている。なお、開口窓22,22の開口部はゴムカ
バー24によって覆蓋され、吊具本体12内部への、
泥、塵等の異物の進入が防止され得るようになってい
る。ゴムカバー24は、ゴム弾性体によって平板形状で
形成されて、開口窓22,22の全体を覆う寸法をもっ
て、吊具本体12の上壁部11に重ね合わされており、
その軸方向の両端部と中央部分の計3ヶ所で、それぞ
れ、吊具本体に溶接された溝型鋼からなるクリップ28
によって、吊具本体12に対して、狭圧固定されてい
る。また、ゴムカバー24の開口窓22,22に対応す
る位置に、スリット26,26が設けられており、後述
する操作ロッド50の吊具本体12の外方への突出が許
容されるようになっている。ここにおいて、開口窓22
を覆蓋する部材は前述の如きゴムカバー24に限定され
るものではなく、各種の覆蓋手段が採用可能であること
は、言うまでもない。また、ゴムカバー24は、吊具本
体12に溶接されたクリップ28以外にも、各種手段を
用いて固定が可能であることは、勿論である。例えば、
ゴムカバー24の外周縁部を吊具本体12に対してビス
止めする構造等も好適に採用され得る。
【0025】さらに、図5には、吊具本体12の縦断面
図が示されている。かかる図からも明らかな通り、吊具
本体12の内部には、吊具本体12の底壁部30の軸方
向両端部分において、それぞれ一対のベアリング部32
が配されており、底壁部30の幅方向両縁に沿って軸方
向に平行に固設されている。各ベアリング部32は、下
部開口が底壁部30によって覆蓋されて、吊具本体内に
開口する長手矩形形状の箱体34と、該箱体34内に移
動可能に収容された多数の鋼球36とから成る。なお、
このような箱体34は、例えば鋼球36の直径寸法より
僅かに小さい高さ寸法を有する平板鋼材を用い、底壁部
30上に矩形枠体状に並べて、底壁部30に溶接するこ
とによって、形成され得る。なお、箱体34の寸法は特
に限定されるものではないが、吊具本体12の長手方向
で、1/4以上の長さに亘って配されるようにするのが
好ましい。
【0026】また、図6には、図4のVI−VI断面に
おける要部拡大図が示されている。かかる図からも明ら
かなように、複数の鋼球36は、その上端部が箱体34
から上方に突出するように収容されている。従って、図
3に示されるように、吊具本体12の内部に収容された
アーム部42は、複数の鋼球36の突出先端部によって
当接支持せしめられることとなり、各鋼球36の回転お
よび、アーム部42への当接面積の減少等により、アー
ム部42の伸縮動作に伴って発生する摩擦抵抗が軽減さ
れ、アーム部42の吊具本体12に対する引き出し、収
容の操作を容易に行い得るようになっている。ここにお
いて、箱体34に収容される鋼球36の数は、要求され
る支持強度を確保しつつ、若干の各鋼球の回転を許容す
る隙間が箱体内の長手方向に設けられる程度が望まし
い。なお、鋼球36の材質は、アーム部42を支持する
強度およびアーム部42との摩擦に絶え得る耐久性を有
すものであれば、何ら限定されるものではない。
【0027】さらに、図5乃至図6に示されるように、
吊具本体12の長手方向両端縁部には、底壁部30の幅
方向中央部分において、ベアリング部32,32間にま
たがって延びる、第一の当接ブロック37が固設されて
いる。かかる第一の当接ブロック37は、鋼材からな
り、底壁部30にたいして溶着されている。ここにおい
て、該第一の当接ブロック37は、後述するアーム部4
2の吊具本体12の内部に収容される側の端部に設けら
れた第一の係止突起52と協働して、アーム部42の吊
具本体からの抜け出しを防止する伸縮量制限手段を構成
するものである。
【0028】更にまた、図1および図2に示されるよう
に、吊具本体12の上壁部11には、各吊上部14と隣
接位置する各クリップ28との間において、上壁部11
を貫通する差込ホール40,40がそれぞれ設けられて
いる。また、この差込ホール40,40に対して抜き差
し可能とされた収縮防止ピン38,38が、対応する差
込ホール40の近くにおいて、上壁部11に固定された
チェーンに繋がれて、吊具本体12に装着されている。
【0029】一方、一対のアーム部42は、吊具本体1
2よりも一回り小さい外形形状を有すると共に、吊具本
体12の長手方向寸法の略半分強の軸方向寸法を有する
アーム部本体44と、アーム部本体44の軸方向の一方
の伸出側端部に取り付けられて、軸直角方向に延び出す
支持部46とからなっている。アーム部本体44は、矩
形枠体断面を有する直管形状とされており、例えば、角
形鋼管を適当な長さで切断することによって製造され得
る。特に、本実施形態では、自由勾配側溝の吊上時に作
用する荷重を考慮して、アーム部本体44の両側壁部の
全面に亘って、鋼板等からなる平板形状の補強板45,
45が溶着されている。
【0030】また、支持部46は、アーム部本体44と
同様、矩形枠体断面を有する中空パイプ構造とされてお
り、例えば、角形鋼管を適当な長さで切断することによ
って製造され得る。また、支持部46の軸方向寸法は、
吊具本体12の幅寸法よりも大きくされており、吊具本
体12の軸直角方向両側にそれぞれ突出されている。な
お、支持部46には、アーム部本体44が直交せしめら
れる両側壁の中央部分において、アーム部本体44より
若干大きな外形形状の貫通孔47,47(図7参照)が
設けられており、アーム部本体44の端部が、これらの
貫通孔47,47を通じて、支持部46に対して、貫挿
されるようになっている。即ち、アーム部本体44の端
部は、かかる貫通孔47,47を通じて、支持部46の
幅方向(軸直角方向)全長に亘って貫通するように挿入
されており、支持部46が、貫通孔47,47の内周縁
部においてアーム部本体44に溶接されることにより、
両部材44および46が相互に固定されている。なお、
各支持部46の上壁部表面においては、その全面に亘っ
て、滑り止め用のクッション48が固設されている。こ
のクッション48は平板形状のゴムシートからなり、凹
凸形状の表面を有しており、自由勾配側溝の天板部下面
との摩擦抵抗が充分に大きく確保されると共に、自由勾
配側溝の支持部当接面の損傷等が効果的に防止されるよ
うになっている。ここにおいて、クッション48の材
質、形状等は上記のものに限定されることはなく、摩擦
係数の増大等が図られるものであれば、何れでもよく、
特に凹凸形状の表面を有する必要もないが、樹脂製の凹
凸表面を有するシート、各種繊維から成るシート、平板
形状のゴムシート等が好適に用いられる。
【0031】そして、かかる構造の一対のアーム部4
2,42は、支持部46が設けられていないもう一方の
端部において、吊具本体12の長手方向の両端部から、
それぞれ吊具本体12の内部に挿入されて、該吊具本体
12の両端部から、支持部46が突出して位置する状態
で収容され、吊具本体12に対して組み付けられてい
る。
【0032】さらに、図7乃至図8に示されるように、
各アーム部42において、吊具本体12内に収容される
側の端部には、アーム部本体44の上壁部に溶接され
て、上方に延び出す丸棒形状を有する鋼材からなる操作
ロッド50が固設されている。前述の通り、かかる操作
ロッド50は、吊具本体12の開口窓22およびゴムカ
バー24のスリット26を貫通して、吊具本体12の外
部に突出するように設けられており、吊具本体12の内
部に収容されたアーム部42を、吊具本体12の外部か
ら操作可能とすることにより、吊具10の操作性を向上
せしめ得るものである。また、かかる一対の操作ロッド
50,50は、各アーム部42,42において、吊具本
体12に収容される側の端部近くにそれぞれ固設されて
いることから、吊具本体12に組み付けられた状態下で
の操作ロッド50,50間の離間距離を短く設定でき、
操作性の更なる向上が図られ得るのである。なお、操作
ロッド50のアーム部42への溶接は、例えば、操作ロ
ッド50が設けられていないアーム部42を吊具本体1
2内に挿入した後、吊具本体12の開口窓22から所定
寸法に切断した丸鋼を挿入し、アーム部本体44の上壁
部に溶接することによって為され得る。
【0033】また、各アーム部42には、操作ロッド5
0が固設された軸方向端部において、更に、第一の係止
突起52が、アーム部本体44の底壁部から下方へ突出
して形成されている。かかる第一の係止突起52は、平
板形状を有する鋼材からなり、アーム部本体44の底壁
部の幅方向中央部分に対して、溶着されている。なお、
該第一の係止突起52は、吊具本体12に固設された第
一の当接ブロック37に対して、軸方向で対向位置せし
められるようになっており、該第一の当接ブロック37
との当接により、前述の伸出量制限手段として機能し得
るものである。
【0034】さらに、各アーム部本体44の上壁部にお
いては、吊具本体12にチェーンにより繋がれた収縮防
止ピン38を差し込まれる複数の位置決め穴54が、該
アーム部本体44の長手方向に相互に離間して、該上壁
部を貫通して設けられている。そして、図1乃至図2に
示されるように、アーム部42を所望の位置まで引き出
し、吊具本体12に形成された差込ホール40とアーム
部42に形成された何れかの位置決め穴54とを位置合
わせした状態で、収縮防止ピン38を、それら差込ホー
ル40と位置決め穴54に挿入することが出来るように
なっている。これにより、収縮防止ピン38が吊具本体
12とアーム部42に係止されて、所望の位置まで引き
出されたアーム部42の吊具本体12に対する収縮およ
び伸出が制限され、アーム部42が、所望の伸出位置に
保持され得るのである。このことから明らかなように、
本実施形態では、収縮防止ピン38、差込ホール40お
よび位置決め穴54によって協働して、収縮制限手段が
形成されている。
【0035】また、各アーム部42の支持部46には、
吊具本体12と対向する側面の長手方向両端部におい
て、所定の長さを有する一対のチェーン56,56が取
り付けられている。更に、これらのチェーン56,56
は、その先端部において、吊具本体12の両側面に溶着
等で固設されたフック58,58に掛けられるようにな
っている。要するに、吊具本体12とアーム部42の間
には、一対のチェーン56,56が掛け渡されており、
アーム部42が吊具本体12から伸び出された際、チェ
ーン56,56が突っ張って、アーム部42の伸出量が
予め定められた最大量に制限されるようになっているの
である。なお、このことから明らかなように、本実施形
態においては、各チェーン56や、各フック58を含ん
で、アーム部の伸出量制限手段が形成されている。
【0036】上述の如き構造とされた自由勾配側溝吊具
10を用いて、図9に示されるように、自由勾配側溝6
0の搬送、施工等を行うに際しては、先ず、一対の吊上
部14,14の貫通孔16,16にワイヤロープ17を
挿通し、このワイヤロープ17を介して、図示しないク
レーン等の建設機械によって、自由勾配側溝吊具10を
吊上げる。そこにおいて、吊上時には、図1乃至図2の
右半面に示される如く、各アーム部42を、吊具本体1
2に対して、その収縮端まで収縮せしめる。即ち、この
ように、両アーム部42,42を収縮位置に保持せしめ
ることにより、自由勾配側溝吊具10の全長を、吊り上
げようとする側溝60の開口部64の溝長方向寸法より
も小さくすることができるのである。そして、次に、こ
の長手寸法を小さくした自由勾配側溝吊具10を、開口
部64を通して自由勾配側溝60の内部へ挿入する。そ
の後、図9に示される如く、各アーム部42を吊具本体
12から、所定の伸出位置まで引き出す。更に、その
後、この伸出位置を保持するように、差込ホール40お
よび位置決め穴54を位置合わせして、収縮防止ピン3
8を挿入することにより、各アーム部42を吊具本体1
2に位置決め保持する。
【0037】かかる状態で、吊具10を吊り上げること
によって、吊具本体12の長手方向両側に位置せしめら
れた各支持部46が、自由勾配側溝60の天板部62の
下面に十分な当接面積を持って当接され、以って、自由
勾配側溝60の吊り上げ、搬送,設置等の作業が高い安
定性を持って行われ得るのである。
【0038】従って、上述の如き構造とされた自由勾配
側溝用吊具10においては、吊具本体12に伸縮可能に
内挿された一対のアーム部42,42を備えていること
から、自由勾配側溝60の開口部64の溝方向寸法より
も小さく収縮させて、開口部64を通じて自由勾配側溝
10内に、容易に挿入せしめることが可能であり、側溝
60内への吊具10の設置にかかる作業性が大幅に向上
せしめられる。また、アーム部42を伸出させることに
より、支持部46を、自由勾配側溝60の天板部62の
下面に対して、大きな当接面積で重ね合わせることが出
来ることから、自由勾配側溝60の搬送作業を安全に行
うことが可能となり、単なる鋼材を使用する場合等に比
して、自由勾配側溝60の搬送作業の安全性が飛躍的に
向上され得るのである。
【0039】また、本実施形態においては、吊具本体1
2およびアーム部24が中空パイプ構造とされているこ
とから、吊具10の重量が押さえられ、操作性が向上す
ると共に、自由勾配側溝の吊り上げ時に要求される強度
も十分に確保され得るのである。
【0040】しかも、吊具本体12およびアーム部24
は鉄等の鋼材からなり、上述の各種部材を溶接等により
配設することが可能なことから、構造が簡単で容易に製
造し得るものである。
【0041】さらに、本実施形態においては、アーム部
42の伸縮量を調節することにより異なる開口部寸法を
有する各種の自由勾配側溝に対応が可能となることか
ら、開口部寸法の大きさ等に応じて各種の異なるサイズ
のものを取り揃えておく必要がある鋼材等を用いる場合
に比して、作業効率の飛躍的な向上が達成され得るので
ある。
【0042】更にまた、本実施形態の自由勾配側溝用吊
具10は、操作ロッド50、チェーン56、第一の係止
突起52と第一の当接ブロック37が、それぞれ、アー
ム部42の抜け出しを防止する伸出量制限手段として機
能することから、アーム部42の抜け落ちが、何重にも
亘って防止され得るのであり、吊具10の高い安全性が
保証されるのである。
【0043】また、本実施形態の自由勾配側溝用吊具1
0は、収縮防止ピン38、差し込みホール40,位置決
め穴54によって、収縮量制限手段が構成されているこ
とから、所望の伸出位置に位置合わせしたアーム部42
の収縮、或いは位置ずれが効果的に防止され得、側溝搬
送中等における作業安定性が更に向上され得る。
【0044】以上、本発明の第一の実施形態としての自
由勾配側溝用吊具10について詳述してきたが、本発明
は、その他、各種の態様において実施可能である。以下
にその代表例を挙げて説明を加えるが、以下に示す実施
形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部
材および部位については、第一の実施形態と同一の符号
を図中に付することにより、それらの詳細な説明を省略
する。
【0045】先ず、図10には、本発明の第二の実施形
態としての自由勾配側溝用吊具におけるアーム部70の
単体平面図が示されている。かかるアーム部70におい
ては、アーム部本体44に固設された支持部46に対し
て、一対の安定用アーム部71が、該支持部46の長手
方向の両端部から伸縮可能に内挿されている。各安定用
アーム部71は、その一方の端部において支持部46内
に挿入される軸部72を有しており、該軸部72には、
挿入側と反対の端部において、安定用支持部74が、溶
接等により固着されている。かかる安定用アーム部71
の支持部46に対する収縮端は、支持部46に内挿され
る軸部72の端部が、アーム部本体44に当接すること
により、決定される。一方、安定用アーム部71の伸出
端部は、軸部72の端部両側面に突出して設けられた一
対の第二の係止突起76と、支持部46の両側面内部に
設けられた一対の第二の当接ブロック78の相互の当接
により決定されるようになっている。なお、安定用支持
部74の上壁部表面においても、前記第一の実施形態と
同様の滑り止め用クッション80が固設されている。
このような構造とされたアーム部70,70を備えた自
由勾配側溝用吊具においては、第一の支持部46の長手
方向両側に配された一対の安定用アーム部71,71
が、該吊具の長手方向に直行する方向に延び出され、自
由勾配側溝が、開口部の溝長方向両側部分において、そ
れぞれ、該側溝の溝幅方向に相互に離間して広がる3箇
所の支持面48,80,80において支持されることか
ら、側溝の吊り上げ、搬送、設置等の作業において、更
なる安定性、延いては安全性の向上が達成され得るので
ある。また、かかる安定用アーム部71は、支持部46
の長手方向両側に配されていることから、該吊具の長手
方向の収縮量に何ら影響を与えずして、側溝搬送の安定
性を効果的に向上せしめ得るのである。
【0046】以上、本発明の実施の形態について詳述し
てきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明
は、上述の第一及び第二の実施形態における具体的記載
によって、何等限定的に解釈されるものではない。
【0047】例えば、前記実施形態で示された各ベアリ
ング部32の箱体34を2段に形成すると共に、上下段
を連通し、前記複数の鋼球の循環を可能にしたボールベ
アリング機構とすることも可能である。また、箱対34
に収容される鋼球36は、所定の強度及び耐久性を有す
るものであれば、鋼以外の材料によって構成されてもよ
い。或いは、前記箱体34をレールとして利用し、該レ
ール内を、アーム部底面の箱体34に対応する位置に配
されたコロを移動させることによりベアリング機構を構
成することも可能である。
【0048】また、前記実施例においては、一対のアー
ム部42,42、70,70が、吊具本体12のの軸方
向両側に配設されていたが、必ずしも両側である必要は
なく、吊具本体の長手方向片側から伸縮可能に内挿或い
は外挿された一つのアーム部を設けても、前記実施例と
同様の効果が得られることは言うまでもない。この場
合、一対の第一の支持部46の一方が、吊具本体12の
上壁部11の長手方向端部に固設され、もう一方の第一
の支持部46が、吊具本体12に伸縮可能とされたアー
ム部42に固設されることとなる。
【0049】更にまた、前記実施形態においては、アー
ム部42の移動が、操作ロッド50,50を用いての手
作業で行われるようになっていたが、吊具本体12内に
電動モータ等の駆動手段を配設することにより、自動で
行うことも可能である。この場合、電動モータ等の駆動
手段のON/OFFを、リモートコントローラ等を使用
する遠隔操作によって行うことも可能であり、側溝搬送
における作業効率の更なる向上が図られ得る。
【0050】また、前記実施形態では、操作ロッド50
が、吊具本体12の上壁面に形成された開口窓22を通
じて鉛直上方に突出されていたが、吊具本体12の側壁
や底壁に開口窓を形成して、操作ロッド50を、吊具本
体12の側方や鉛直下方に突出させることも可能であ
る。これにより、例えば、吊具本体12の側方や下方か
らアーム部42の伸縮操作を人手によって容易に行なう
ことが可能となる。
【0051】さらに、本発明にかかる自由勾配側溝用吊
具においては、吊具を自由勾配側溝内に挿入し、吊り上
げる際に、該側溝の開口部の溝方向に相互に離間して、
開口部の溝方向対向端面にそれぞれ隣接位置するよう
に、吊具から上方に突出して設けられた、一対の振れ止
め突起を採用することも可能である。このような振れ止
め突起を採用することにより、吊具の開口部に対する位
置決めが容易になると共に、位置決め作業において、吊
具の溝方向に対するゆれを、有利に制止することが出来
る。
【0052】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々成る変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内にふくまれるものであるこ
とは、言うまでもない。
【0053】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた自由勾配側溝用吊具においては、吊
具全体の長手方向寸法が、アーム部の伸縮により可変と
されていることから、自由勾配側溝内への挿入時には、
吊具の長手寸法を、側溝の開口部から挿入可能にまで小
さくすることにより、吊具の側溝内への挿入作業が容易
となって、作業効率が飛躍的に向上され得るのであり、
また、自由勾配側溝の吊り上げおよび搬送時には、吊具
の側溝内への挿入後に吊具の長手方向寸法を大きくする
ことにより、吊具支持部の自由勾配側溝天板部への十分
な当接面積を確保せしめて、側溝を安定して確実に吊上
げることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例としての自由勾配側溝用
吊具の平面図である。
【図2】図1に示された構造の自由勾配側溝用吊具の正
面図である。
【図3】図2におけるIII−III断面図である。
【図4】図1に示される構造の自由勾配側溝吊具の吊具
本体の単体平面図である。
【図5】図4に示される構造の吊具本体の縦断断面図で
あって、図6におけるV−V断面に相当する図である。
【図6】図4におけるVI−VI断面における要部拡大
図である。
【図7】図1に示される構造の自由勾配側溝吊具のアー
ム部の単体平面図である。
【図8】図7にしめされる構造のアーム部の側面図であ
る。
【図9】図1に示される構造の自由勾配側溝用吊具の使
用状態を示す斜視図である。
【図10】本発明の第二の実施形態としての自由勾配側
溝吊具に使用されるアーム部の平面図である。
【符号の説明】
10 自由勾配側溝用吊具 12 吊具本体 14 吊上部 22 開口窓 37 第一の当接ブロック 42 アーム部 52 第一の係止突起 46 支持部 50 操作ロッド 56 チェーン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両側壁部が天板部で連結されて、下底が
    開口せしめられた門形断面を有すると共に、該天板部の
    中央に窓状の開口部が設けられた自由勾配側溝を吊り上
    げるための自由勾配側溝用吊具であって、 中空パイプ構造の吊具本体と、 該吊具本体において、その長手方向に相互に離間位置し
    て複数設けられた、ワイヤロープが係止される吊上部
    と、 前記吊具本体の長手方向両側に位置して設けられて、そ
    れぞれ、前記自由勾配側溝における天板部の下面に重ね
    合わされる一対の支持部と、 前記吊具本体における軸方向の少なくとも一方の側に内
    挿または外挿されて軸方向に伸縮可能に取り付けられる
    と共に、伸出方向の先端部分に前記支持部が固設された
    伸縮アーム部と、 該伸縮アーム部の前記吊具本体に対する伸出量を制限し
    て、該伸縮アームの該吊具本体からの抜け出しを防止す
    る伸出量制限手段と、 を設け、前記自由勾配側溝における開口部の溝方向寸法
    よりも軸方向に短くなるように収縮可能としたことを特
    徴とする自由勾配側溝用吊具。
  2. 【請求項2】 前記吊具本体と前記伸縮アーム部の間
    に、該伸縮アーム部を該吊具本体に対して伸縮方向に移
    動可能に組み付けるベアリング機構を設けた請求項1に
    記載の自由勾配側溝用吊具。
  3. 【請求項3】 前記伸縮アーム部を前記吊具本体の軸方
    向開口端部から内挿して取り付ける一方、該吊具本体の
    上壁部分に軸方向に延びる開口窓を設けると共に、前記
    伸縮アーム部において該吊具本体の開口窓から外部に突
    出する操作ロッドを設けた請求項1又は2に記載の自由
    勾配側溝用吊具。
  4. 【請求項4】 前記一対の支持部における前記自由勾配
    側溝の天板部の下面への当接面に、それぞれ、すべり止
    め手段を設けた請求項1乃至3の何れかに記載の自由勾
    配側溝用吊具。
  5. 【請求項5】 前記伸縮アーム部の前記吊具本体に対す
    る収縮方向の動きを規制して、該伸縮アーム部を所定の
    伸出位置に保持せしめる収縮制限手段を設けた請求項1
    乃至4の何れかに記載の自由勾配側溝用吊具。
  6. 【請求項6】 前記支持部から、前記吊具本体の軸直角
    方向に伸縮可能に延び出す安定用アーム部を設けると共
    に、該安定用アーム部の伸出方向の先端部分に、前記自
    由勾配側溝における天板部の下面に対して、該支持部か
    ら該天板部の溝幅方向に離れた位置で重ね合わされる安
    定用支持部を設けた請求項1乃至5の何れかに記載の自
    由勾配側溝用吊具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012046337A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Sumitomo Heavy Ind Ltd 吊りビーム装置
JP2017114664A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 鹿島建設株式会社 吊り上げ装置

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