JP2001018138A - 工具交換アームの工具把持機構 - Google Patents

工具交換アームの工具把持機構

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JP2001018138A
JP2001018138A JP11195764A JP19576499A JP2001018138A JP 2001018138 A JP2001018138 A JP 2001018138A JP 11195764 A JP11195764 A JP 11195764A JP 19576499 A JP19576499 A JP 19576499A JP 2001018138 A JP2001018138 A JP 2001018138A
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Japan
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tool
gripping member
tool gripping
lock pin
main
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JP11195764A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Kanbara
博文 神原
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Nidec Sankyo Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動部の隙間から切粉などが内部に侵入する
のを防止する。 【解決手段】 中心軸3を中心にして回転し工具4を把
持する工具交換アーム1の工具把持機構2に、工具4の
外周に沿って該工具4を把持する主把持部を備えた主工
具把持部材6と、該主工具把持部材6に揺動支点7aに
より揺動可能に取付けられた副工具把持部材7と、該副
工具把持部材7の位置を制御するロックピン9を備えた
制御機構とを備えさせる。また、副工具把持部材7に、
工具4を把持する副把持部7bと、工具4と当接し該工
具4の押圧力により副工具把持部材7を揺動させる当接
部8と、ロックピン9により位置を制御される制御部1
0とを設け、制御機構と副工具把持部材7の制御部10
とを主工具把持部材6の内部に収納するとともに、副工
具把持部材7側を向いて突出する主工具把持部材6の縁
部6bを副工具把持部材7に近接させ、縁部6bに近接
する副工具把持部材7を揺動支点7aを中心とした円弧
面7cに形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工具交換アームの
工具把持機構に関する。さらに詳述すると、本発明は揺
動する部材を有する工具把持機構における内部構造の保
護に関する。
【0002】
【従来の技術】ATC(オート・ツール・チェンジャ)
の工具交換アームは、スピンドルとツールストッカの間
で工具交換を自動的に行うために設けられる装置であ
る。例えば図9に示す工具交換アーム105の工具把持
機構102は、工具把持部材101に対して揺動可能に
設けた工具把持部材103を備え、これを開いたり閉じ
たりすることで工具106をクランプ(把持)するよう
にしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、揺動す
る部材を備えた工具把持機構2では可動部の隙間から切
粉などが侵入することがあるという問題がある。上述し
た工具交換アーム105においても、工具把持部材10
1と揺動可能な工具把持部材103との間の隙間104
は揺動に伴い幅が変わるため切粉の侵入を防止し得ない
場合があり、このような侵入に対する処置を十分に施し
ていなければ、工具106のクランプ不良などといった
不具合が生じてしまうこともある。
【0004】そこで、本発明は、可動部の隙間から切粉
などが内部に侵入するのを防止する工具交換アームの工
具把持機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、中心軸を中心にして回転し
工具を把持するように構成されてなる工具交換アームの
工具把持機構において、工具外周に沿って該工具を把持
する主把持部を備えた主工具把持部材と、該主工具把持
部材に揺動支点により揺動可能に取付けられた副工具把
持部材と、該副工具把持部材の位置を制御するロックピ
ンを備えた制御機構とを備え、副工具把持部材に、工具
を把持する副把持部と、工具と当接し該工具の押圧力に
より副工具把持部材を揺動させる当接部と、ロックピン
により位置を制御される制御部とを設け、制御機構と副
工具把持部材の制御部とを主工具把持部材の内部に収納
するとともに、副工具把持部材側を向いて突出する主工
具把持部材の縁部を副工具把持部材に近接させるととも
に、縁部に近接する副工具把持部材を、揺動支点を中心
とした円弧面に形成したものである。
【0006】縁部は副工具把持部との間の隙間を狭く
し、副工具把持部材が揺動したときあるいは工具交換ア
ームが回転したときにこの隙間から切粉が侵入するのを
防止する。しかもこの場合、副工具把持部材の表面を揺
動支点を中心とした円弧面に形成していることから、副
工具把持部材が揺動しても隙間幅は常に一定に保たれ
る。したがって、縁部と円弧面との間に僅かな隙間を有
するシーリング機構を構成し、接触抵抗などをなくすよ
うにしながら切粉の侵入を防止することも可能である。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の工
具交換アームの工具把持機構において、円弧面を副工具
把持部材の揺動範囲以上に形成したものである。したが
って、副工具把持部材が揺動可能範囲の一方の端からも
う一方の端まで揺動する間、主工具把持部材との間の隙
間幅が一定に保たれる。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の工具交換アームの工具把持機構において、縁部を
曲面で形成したものである。この場合、切粉は隙間に誘
導され難く、したがって隙間に溜まったりするのが少な
い。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項1から3の
いずれかに記載の工具交換アームの工具把持機構におい
て、ロックピンと、該ロックピンのロック位置を制御す
る制御部材との当接面を移動方向に対して傾斜した傾斜
面としたものである。この場合、傾斜面がくさび効果を
生じさせることから、ロックピンや制御部材に逆方向へ
の力がはたらいてもロック状態は解除してしまうような
ことがない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0011】図1〜図7に、本発明の工具交換アームの
工具把持機構の一実施形態を示す。この工具把持機構2
は、中心軸3を中心にして回転し工具4を把持するよう
に構成したものであり、本実施形態では、主把持部6a
を備えた主工具把持部材6と、該主工具把持部材6に揺
動可能に取付けられた副工具把持部材7と、該副工具把
持部材7の位置を制御するロックピン9を備えた制御機
構とを備えている。また、この工具交換アーム1は、副
工具把持部材7に、工具4を把持する副把持部7bと、
工具4と当接する当接部8と、ロックピン9により位置
を制御される制御部10とを設け、制御機構と制御部1
0とを主工具把持部材6の内部に収納するとともに、副
工具把持部材7側を向いて突出する主工具把持部材6の
縁部6bを副工具把持部材7に近接させるとともに、縁
部6bに近接する副工具把持部材7を、揺動支点7aを
中心とした円弧面7cに形成したものである。
【0012】さらに、本実施形態の工具把持機構2は中
心軸3を中心にして回転する工具交換アーム1の先端部
で工具4を把持し、工作機械のスピンドルとツールスト
ッカの間で工具交換を行うものである。工具交換アーム
1の工具把持機構2は、上述のような構成要素のほか、
さらに制御部材12、調整部材13を備え、この調整部
材13でロックピン9と制御部10とが当接し合う位置
関係を微調整することで工具4を確実に把持できるよう
にしている。
【0013】まず、工具交換アーム1は、工具把持機構
2を備えた一対のアームを中心軸3を中心として対称配
置するとともに中心軸3の周りに旋回可能とし、さらに
この中心軸3の軸方向にも前後動できるようにしたもの
である。したがってこの工具交換アーム1は、ツールス
トッカ(図示省略)や工作機械のスピンドル(図示省
略)によって支持されている工具4を、工具把持機構2
で把持した後に前方にスライドすることによって抜き出
すことができる。このように把持して抜き出した工具4
は、工具交換アーム1を半回転旋回させてから再び後方
にスライドさせることによってツールストッカ等に装着
することができる。
【0014】主工具把持部材6は把持部5の一方を構成
するもので、工具交換アーム1の先端部に一体的に設け
られている。この主工具把持部材6の内側の面には工具
4の外周面に係合可能な形状の主把持部6aが形成され
ている。例えば本実施形態の主把持部6aは、円筒形状
の工具外周に設けられた溝4aに係合する帯状の突起に
よって構成されている。
【0015】把持部5のもう一方を構成する副工具把持
部材7は、工具4と当接する内側の面が主工具把持部材
6の内側面と対向するよう、工具交換アーム1の主工具
把持部材6に揺動支点7aを中心として揺動可能となる
ように設けたものである。この副工具把持部材7が揺動
すると把持部5は開閉し、開いた状態のときに工具4を
掴んだり離したりすることが可能となる一方、閉じた状
態で工具4を把持する。副工具把持部材7の内側面に
は、上述した主工具把持部材6と同様に帯状の突起を副
把持部7bとして設けている。
【0016】また、副工具把持部材7の一端には工具4
と直接当接するように突出させた当接部8を設け、副工
具把持部材7が揺動するのに伴い揺動支点7aを中心と
して揺動するようにしている。この当接部8は、図2に
示すように、副工具把持部材7が閉じたときは工具4の
外側に退避するが、副工具把持部材7が開いたときは想
像線で示すように内側にせり出し、ツールストッカなど
に保持された工具4の外周と当接可能な状態となる。工
具交換アーム1が旋回して当接部8と工具4とが衝突し
合うと、この当接部8は押圧力によって押し込まれ、副
工具把持部材7を揺動させて閉じた状態にする。
【0017】さらに、この副工具把持部材7の中心軸3
側には、その方向に突出した制御部(以下「突出部」と
いう)10を形成してロックピン9の先端部9aに当接
させている。突出部10は図2に示すようにこのロック
ピン9によって押し上げられ、左右いずれかに押し出さ
れる。この突出部10は、副工具把持部材7が揺動する
ときはロックピン9を一旦押し下げ、その先端部9aを
乗り越えて反対側へと移動する。本実施形態では、図2
に示すようにこの突出部10にローラ体11を取り付
け、これを突出部10の一部として機能させ、ロックピ
ン9の先端部9aに当接させるようにしている。ローラ
体11は例えば図示するような円形の部材で、その円周
でロックピン9と滑らかに摺接することができる。
【0018】このローラ体11は、通常、その中心が回
転中心となるようにして図2に実線で示すように設けら
れることが多いが、本実施形態では、ロックピン9と突
出部10との間の位置調整を簡単に行い得るようにする
ため、想像線で示すように偏心させた状態で取り付ける
ようにしている(便宜上、ここでは大きさも異ならせて
表示している)。したがって、ローラ体11を回転させ
ると径が変化し、ロックピン9の先端部9aに接触させ
ることもこの先端部9aから離れさせることも可能であ
る。そこで、ローラ体11を好適な位置まで回転させた
ら固定手段を用いて回転不能に固定し、その状態を保持
する。固定するための手段は特に限定されないが、本実
施形態では図示するようにローラ体11のおねじをナッ
ト22で留めて固定するようにしている。
【0019】なお、本実施形態では上述のようにローラ
体11を偏心カムとし、これをナット22で留めること
で位置調整するようにしたが調整部材13の構成は特に
これに限られることはない。例えば上述のように回転中
心を円の中心からずらしたもののほか、いわゆるカム形
状のものを用いるなど、回転に伴い径を変えることがで
きれば調整部材13として使用可能である。
【0020】また、本実施形態の工具把持機構2では主
工具把持部材6、副工具把持部材7、ロックピン9など
で工具把持機構の動きを制御する制御機構を構成し、図
2などに示すように、この制御機構を副工具把持部材7
の突出部10とともに主工具把持部材6の内部に収納す
るようにしている。この場合、工具交換時に切粉などが
内部に侵入するのを防ぐようにするため、主工具把持部
材6と副工具把持部材7などの間における隙間はなくす
か、あっても小さいものとすることが好ましい。本実施
形態では、副工具把持部材7側を向いて突出する主工具
把持部材6の縁部6bを副工具把持部材7に近接させる
ことで切粉の侵入防止を図るようにしている。この場
合、縁部6bを図1に示すように工具交換アーム1の旋
回方向にそれぞれ設け、いずれの箇所からも切粉が侵入
しないようにしている。
【0021】さらに本実施形態では、縁部6bに近接す
る副工具把持部材7を揺動支点7aを中心とした円弧面
7cに形成し、副工具把持部材7が揺動しても縁部6b
との隙間幅を一定に保ち得るようにしている。この場
合、この円弧面7cは副工具把持部材7の揺動範囲以上
に形成し、限界位置まで揺動しても常に隙間幅が一定と
なるようにしている。
【0022】なお、このような構成とする場合、主工具
把持部材6と副工具把持部材7とは互いに接触させるこ
ともあるいは僅かに隙間を設けておくことも可能であ
る。本実施形態では、副工具把持部材7の滑らかな動き
を確保し、かつ揺動時の接触音をなくすなどの観点から
僅かな隙間を設けておき、隙間を有したシーリング機構
を構成するようにしている。
【0023】また、縁部6bの形状は特に限定されるこ
とはないが、切粉を隙間に誘導しないような形状として
おくことが好ましい。すなわち、平坦面を円弧面7cに
近接させたような場合には切粉が隙間に誘導されやすく
侵入機会が多くなり得るので、本実施形態のようにこの
縁部6bを曲面を備えた形状に形成するなどの対処をす
ることが侵入を防ぐ上で好適である。また、この場合に
は縁部6bを先細り形状とし、さらには外側への逃がし
を形成しておくようにすれば切粉の侵入をより効果的に
防止することができる。
【0024】また、副工具把持部材7の位置を制御する
ロックピン9は、工具交換アーム1の長手方向に沿って
移動可能となるように設け、かつ付勢手段14によりア
ームの先端側へ付勢したものである。このロックピン9
の先端部9aは上述した副工具把持部材7の突出部10
に当接して付勢し、副工具把持部材7が開いている状態
のときは閉じないように、また閉じている状態のときは
開かないようにしている。また副工具把持部材7が揺動
するとき、ロックピン9は突出部10によって押し下げ
られて一旦後退する。このとき、突出部10がロックピ
ン9を乗り越えやすいように、先端部9aは半球形状と
するなど滑らかに摺接し得るように形成したものである
ことが好ましい。
【0025】制御部材12は上述のロックピン9のロッ
ク位置を制御するものであり、本実施形態においては、
図3に示すようにアーム保持部材15の前面に取り付け
たカム部材16と、該カム部材16の前面形状に沿って
移動しロックピン9のロック状態を変える摺動部材(以
下「仲介部材」という)17と、この仲介部材17をカ
ム部材16側に向けて付勢する付勢手段18とから構成
している。なお、アーム保持部材15は図示するように
中心軸3を回転可能に保持している部材で、かつ中心軸
3が軸方向に移動するのを許容するものである。
【0026】まず仲介部材17は、軸方向(アーム1が
前後に移動する方向)へ移動することによりロックピン
9の移動を許容しまたは規制するものである。この仲介
部材17の形状は特に限定されることはないが、本実施
形態では図4に示すような形状のストッパーピンを使用
している。この仲介部材17は、ロックピン9をロック
してそのスライド幅を制限するよう、各工具交換アーム
1,1に中心軸3と平行に設けられてロックピン9と垂
直に係合する。仲介部材17は付勢手段18によりカム
部材16側へ付勢され、その後端17aは工具交換アー
ム1の後側面から突出している。そしてこの仲介部材1
7が工具交換アーム1の内側に押し込まれると、図4に
示す低い段17bがロックピン9の直下に位置する一方
で、押し込まれていないときは当接面17cがロックピ
ン9の直下に位置して係合する。このように、仲介部材
17の当接面17cがロックピンの当接面9bと係合し
ているとロックピン9は動きが規制されてスライド不可
能であり、したがって、アーム1の旋回時に工具4の慣
性力が副工具把持部材7を押し開くように作用しても、
この副工具把持部材7を決して開かないよう保持するこ
とができる。
【0027】また、ロックピン9と制御部材12の互い
の当接面9b,17cは、移動方向に対して傾斜した傾
斜面とすることで規制時におけるロックピン9の動きを
封じることが好ましい。例えば図4に示すように、仲介
部材17の当接面17cには、ロックピン9をストロー
ク端に押し上げたとき当接するような勾配を設けてい
る。また、ロックピン9の当接面9bも移動軸心に対し
て勾配する傾斜面としたものである。本実施形態の当接
面9bは、当たり面を安定させながら当接面17cと接
触し得るよう例えば図4に示すような円錐形状であり、
これにより、ロックピン9が軸周りに回転しても制御部
材12と常に同じ状態で当接するようにしている。ま
た、このように円錐形状とすることは仲介部材17によ
る円滑かつ確実なロック動作を実現することからしても
好適である。
【0028】なお、両当接面9b,17c間における摩
耗や発生音を極力減少させるという点からすれば各面を
傾斜させることが好ましいが、特にこれに限定されるこ
とはなく、少なくとも一方が傾斜して形成されているも
のであればくさび効果を生じさせることができる。例え
ば特に図示してはいないが当接面9bを軸線に対して傾
斜した一平面としても良いし、あるいは仲介部材17を
テーパ状に形成し、当接面9bと接する部分を当接面1
7cとして用いるようにしても良い。なお、当接面9b
を傾斜した一平面とした場合のロックピン9は、キー溝
やスプラインなどを設けることによって中心軸周りの回
転を規制するようにしたものに限られる。さらに、両当
接面9b,17cが図4に示すように当接し合っている
とき、ロックピン9に下方向への荷重がかかっても仲介
部材17は付勢される方向と反対側へ押し戻されること
がないよう、仲介部材17への付勢力や当接面9b,1
7cの傾斜などは適宜好適な値に設定されていることは
いうまでもない。
【0029】このように、ロックピン9と制御部材12
は互いの当接面9b,17cを傾斜面とすることでくさ
び効果を生じさせ、当接時はロックピン9が軸方向への
力を受けても摺動しないようにしている。なお、互いの
当接面9b,17cの形状は上述のものに特に限られる
ことはなく、当接時においてロックピン9が摺動しない
ように規制し得るものであればよい。例えば、当接面9
bを端面全体が平坦な斜面となるようにしたものであっ
ても構わない。
【0030】カム部材16は、所定の位置において仲介
部材17に当接しこれを工具交換アーム1内に押し込む
ようにするもので、中心軸3を中心として一周するよう
にかつ常に仲介部材17と対向するよう図3に示すよう
にアーム保持部材15の前端部に固定して設けられてい
る。このカム部材16は、図5に示すように、谷部であ
る阻止部19、山部である許容部20、そしてこれらを
連ならせる斜面部21からなる一連の環状面を有し、こ
のように高低差を有する環状面で仲介部材17の後端1
7aを軸方向に出し入れする。許容部20は前方に張り
出すように形成することで仲介部材17と当接可能な位
置に設けたものであり、一方、阻止部19は仲介部材1
7と当接することがないよう軸方向後方に引っ込んだ位
置に形成したものである。阻止部19と許容部20とは
90度おきに2つずつ交互に設けることとし、さらに、
斜面部21により滑らかに連結している。
【0031】なお、このカム部材16の取り付け角度は
上述した仲介部材17などとの位置関係によって適宜定
められるものであり、取り付け方が特に限定されること
はない。例えば本実施形態においては、許容部20が中
心軸3のほぼ上下に位置するように設けている。このた
め、工具交換アーム1が上下方向を向いているときは、
この工具交換アーム1が図3の実線に示すように後方に
位置していれば仲介部材17はカム部材16と当接して
内部に押し込まれる。
【0032】以上のように構成された工具交換アーム1
の工具把持機構2は、以下のように作動する。
【0033】まず、工具4を把持する前の工具把持機構
2は図6に示すように開いた状態にあり、副工具把持部
材7はロックピン9によって閉じないように付勢されて
いる。このときの工具交換アーム1は工具4と当接しな
いよう図3に実線で示すように軸方向後方までスライド
し、さらに、アーム長手方向が水平となる位置(図6に
示す状態から90度旋回した位置)まで退避している。
この状態における仲介部材17はカム部材16の阻止部
19と対向しているため、工具交換アーム1に押し込ま
れずに突出したままである。したがって、ロックピン9
の下部の当接面9bには仲介部材17の傾斜した当接面
17cが図4に示すように係合し、ロックピン9は移動
不可能にロックされ、これにより把持部5は開いた状態
のままでロックされている。
【0034】そして、工具交換アーム1を把持部5の開
いている側(図6で時計回り)へ旋回させ、ツールスト
ッカや工作機械のスピンドルの工具4を図7に示すよう
に掴ませる。ここで、工具交換アーム1の旋回の途中で
仲介部材17の後端17aはカム部材16の斜面部21
に当接し、さらにこの斜面部21を駆け上がり許容部2
0に達することによって工具交換アーム1内に押し込ま
れる。これにより、仲介部材17の低い段17bがロッ
クピン9の直下に位置してロックピン9のロックが解除
され、揺動不能であった副工具把持部材7は揺動可能と
なる。そして、工具4に副工具把持部材7の当接部8が
衝突すると、その押圧力により副工具把持部材7が工具
4を掴む方向に揺動する。また、このように副工具把持
部材7が揺動し、図7に示すように把持部5によって工
具4を把持したところで工具交換アーム1はその旋回を
停止する。
【0035】次に、工具交換アーム1を図3に示すよう
に軸方向前方にスライドさせ、把持した工具4をツール
ストッカやスピンドルから抜き出す。このとき、カム部
材16の許容部20に当接して押し込まれていた仲介部
材17はこのカム部材16から離れるため、付勢手段1
8により工具交換アーム1から突出するように押し出さ
れる。これに伴いロックピン9の当接面9bに仲介部材
17の当接面17cが接触して係合するため、ロックピ
ン9は再び摺動できないようにロックされ、これによっ
て副工具把持部材7が揺動不可能にロックされる。
【0036】そして、工具交換アーム1が工具4を把持
したまま180度旋回し、上下の工具4を入れ替えた
後、軸方向後方にスライドして入れ替えた工具4をそれ
ぞれツールストッカやスピンドルに装着する。工具交換
アーム1が後方にスライドすると、仲介部材17は再び
カム部材16の許容部20に当接して押し込まれるため
ロックピン9と仲介部材17の係合も再び解除され、ロ
ックピン9が摺動可能となって副工具把持部材7のロッ
クが解除される。
【0037】最後に、工具交換アーム1を逆旋回させて
工具4から把持部5を離すようにするのだが、上述のよ
うに副工具把持部材7のロックはすでに解除されている
ため、工具交換アーム1を逆旋回させると工具4によっ
て副工具把持部材7は押し広げられる方向へ揺動し、開
いた状態となって工具4から分離する。このとき、工具
交換アーム1はツールストッカ等から十分な距離とるよ
うに、例えば水平となるような位置まで逆旋回する。こ
のように工具4から離れてから工具交換アーム1がさら
に逆旋回すると、仲介部材17と対向するカム部材16
の形状が許容部20から斜面部21を経て阻止部19へ
と変わるので、許容部20と当接して押し込まれていた
仲介部材17は付勢手段14によって押し出され、工具
交換アーム1から突出する。これによりロックピン9の
当接面9bに仲介部材17の当接面17cが係合し、ロ
ックピン9が再びスライド不可能となり、副工具把持部
材7は開いた状態のままでロックされる。
【0038】なお、把持部5を開いた状態または閉じた
状態でロックするとき、ロックピン9と突出部10の間
における当接位置の調整は調整部材13を利用して行い
得る。この場合、まず固定手段(ナット22など)を緩
め、調整部材13を回転させて径を変化させることでロ
ックピン9との間の距離を適正値に調整し、好適な位置
関係となったところで固定手段を締め直して固定すれば
よい。本実施形態の調整部材13は偏心カムであり、回
転させることで突出量を微調整できるので、ロック時に
おける両部材間の位置関係を適正に保って副工具把持部
材7のがたつきを排除することができる。
【0039】以上説明したように、本実施形態の工具交
換アーム1の工具把持機構2では、副工具把持部材7は
工具4を把持している間は常にその状態でロックされる
ことに加えて、工具4を掴んだり離したりするために揺
動するとき以外は開いた状態のままでロックされてお
り、不必要な揺動を行わないようになっている。したが
って、工具4の交換を終えて開いた状態の副工具把持部
材7が、次の交換動作を行う前に誤って揺動し閉じた状
態になることがない。これにより、閉じた状態の副工具
把持部材7が工具4に衝突して互いに破損してしまうと
いう事態を回避している。
【0040】また、このように副工具把持部材7が動く
ときは、この副工具把持部材7に近接するように設けた
主工具把持部材6の縁部6bがシーリング機構として機
能することから、それらの間の隙間から切粉などが侵入
するのを防ぐことができる。しかも、副工具把持部材7
には揺動支点7aを中心とする円弧面7cを設けている
ため、副工具把持部材7が揺動したときに隙間幅が変化
せず、したがって副工具把持部材7の位置にかかわらず
切粉の侵入を常に防止することができる。
【0041】また仲介部材17を形成する仲介部材17
とロックピン9とについては、各当接面17c,9bに
それぞれ勾配を設け傾斜面を形成することによってくさ
び効果を得、両当接面17c,9b間の隙間をなくして
がたつかないようにし、一層確実に工具4を把持し得る
ようにしている。したがって自動工具交換装置の作動中
の振動や音を極力小さく抑えることができるようにな
り、工具4をスピンドルに高速で、しかも確実に装着す
ることが可能となる。
【0042】しかも、本実施形態では偏心部材を利用し
たローラ材11で突出部10の一部を構成し、ロックピ
ン9の先端部9aとの間の当接位置を調整可能としてい
ることから、位置合わせが簡単である。このため、組立
時における調整作業が簡単で、かつロックピン9や突出
部10の加工精度もそれほど高くなくて済み、また製品
化後の調整も容易である。
【0043】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば本実施形態では突出部10に偏心カムを設
け、これを回転させることによって突出量を調整できる
ようにしたが、簡単な調整を可能とするための構成はこ
のようなものに限られることはない。例えば、図8に示
すように、単に円形のローラ体11を偏心させずに取り
付け、突出部10に縦溝23を設けることでこのローラ
体11を溝方向に移動可能としてもよい。この場合、固
定手段を緩めれば縦溝23の長さの範囲内でローラ体1
1をナット22などの固定手段ごと移動させることが可
能であり、偏心カムを用いた場合と同様に突出量を無段
階で微調整することができる。
【0044】あるいは、特に図示していないが、このよ
うな円形ローラ体11の背後(例えばこの円形ローラ体
11と揺動支点7aの間となる位置)に円形ローラ体1
1と接触する偏心カムを設け、この偏心カムを適量回転
させることで円形ローラ体11の突出量を変化させるよ
うにしてもよい。この場合、本実施形態の場合と同様に
突出量の調整は簡単に行い得る上、ローラ体11がロッ
クピン9と摺接するので接触が滑らかである。
【0045】また本実施形態では、主工具把持部材6と
副工具把持部材7との間に僅かな隙間を有するシーリン
グ機構によって切粉などの侵入を防ぐようにしたが、例
えばエラストマ材によって縁部6bを形成し、円弧面7
cと常に接触させるようにしても切り粉などの侵入を十
分に防止することが可能である。この場合、副工具把持
部材7の接触面は揺動支点7aを中心とした円弧面7c
であるから、この縁部6bを、円弧面7cに回転接触す
るローラ体によって構成しても切粉の侵入を防ぐことが
可能である。
【0046】また、本実施形態では主工具把持部材6上
に縁部6bを設けて副工具把持部材7に近接させるよう
にしたが、これを逆にした構成としてもよい。すなわ
ち、副工具把持部材7の方に縁部を設け、かつ主工具把
持部材6には揺動支点7aを中心とした内側円弧面を設
け、これらを互いに近接するように構成しても隙間幅を
一定に保ち切粉の侵入を防ぐことができる。
【0047】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の工具交換アームの工具把持機構によれば、主工
具把持部材の縁部を副工具把持部材に近接させたことか
ら、副工具把持部との間の隙間を狭くして副工具把持部
材が揺動したときあるいは工具交換アームが回転したと
きにこの隙間から切粉が侵入するのを防止することがで
きる。しかも副工具把持部材の表面を揺動支点を中心と
した円弧面に形成したことから、接触抵抗をなくしつ
つ、副工具把持部材が揺動したときの隙間幅を常に一定
に保つことができる。これにより、制御機構や副工具把
持部材を収納した主工具把持部材の内部に切粉が侵入す
るのを防ぎ、内部機構の動作不良を防止することができ
る。
【0048】また請求項2記載の工具交換アームの工具
把持機構によれば、円弧面を副工具把持部材の揺動範囲
以上に形成したことから、副工具把持部材が揺動可能範
囲の一方の端からもう一方の端まで揺動する間、主工具
把持部材との間の隙間幅を一定に保ち、切粉などが侵入
するのを防止することができる。
【0049】さらに請求項3記載の工具交換アームの工
具把持機構では、縁部を曲面で形成して切粉が隙間に誘
導されないようにしたため、切粉などが隙間に溜まって
内部に侵入するのを防止することができる。
【0050】また請求項4記載の工具交換アームの工具
把持機構によると、ロックピンと制御部材との当接面を
移動方向に対して傾斜した傾斜面としていることから、
傾斜面がくさび効果を生じさせ、ロックピンや制御部材
に逆方向への力がはたらいてもロック状態を保つことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す工具交換アームの主
要部の部分拡大図である。
【図2】工具交換アームの主要部の正面図である。
【図3】工具交換アームの全体側面図である。
【図4】ロックピン摺動部材(仲介部材)の形状の一例
を示す部分図である。
【図5】カム部材の形状を示す(A)正面図と(B)側
面図である。
【図6】工具交換アームおよび把持機構の動きを示す工
具交換アームの正面図である。
【図7】工具交換アームおよび把持機構の動きを示す工
具交換アームの正面図である。
【図8】突出部の突出量を調整するための別の実施形態
を示す部分拡大図である。
【図9】従来の工具交換アームの工具把持機構のロック
機構を示す正面図である。
【符号の説明】
1 工具交換アーム 2 工具把持機構 3 中心軸 4 工具 5 把持部 6 主工具把持部材 6a 主把持部 6b 縁部 7 副工具把持部材 7a 揺動支点 7b 副把持部 7c 円弧面 8 当接部 9 ロックピン 10 制御部(突出部) 11 調整部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心軸を中心にして回転し工具を把持す
    るように構成されてなる工具交換アームの工具把持機構
    において、工具外周に沿って該工具を把持する主把持部
    を備えた主工具把持部材と、該主工具把持部材に揺動支
    点により揺動可能に取付けられた副工具把持部材と、該
    副工具把持部材の位置を制御するロックピンを備えた制
    御機構とを備え、上記副工具把持部材に、上記工具を把
    持する副把持部と、上記工具と当接し該工具の押圧力に
    より上記副工具把持部材を揺動させる当接部と、上記ロ
    ックピンにより位置を制御される制御部とを設け、上記
    制御機構と上記副工具把持部材の制御部とを上記主工具
    把持部材の内部に収納するとともに、上記副工具把持部
    材側を向いて突出する上記主工具把持部材の縁部を上記
    副工具把持部材に近接させるとともに、上記縁部に近接
    する上記副工具把持部材を、上記揺動支点を中心とした
    円弧面に形成したことを特徴とする工具交換アームの工
    具把持機構。
  2. 【請求項2】 上記円弧面は、上記副工具把持部材の揺
    動範囲以上に形成されてなることを特徴とする請求項1
    記載の工具交換アームの工具把持機構。
  3. 【請求項3】 上記縁部を曲面で形成したことを特徴と
    する請求項1または2記載の工具交換アームの工具把持
    機構。
  4. 【請求項4】 上記ロックピンと、該ロックピンのロッ
    ク位置を制御する制御部材との当接面を移動方向に対し
    て傾斜した傾斜面としたことを特徴とする請求項1から
    3のいずれかに記載の工具交換アームの工具把持機構。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102615537A (zh) * 2012-04-01 2012-08-01 北京邮电大学 数控加工中心换刀机械手锁紧装置
CN103894860A (zh) * 2012-12-27 2014-07-02 东芝机械株式会社 热压配合保持架用自动工具更换系统
JPWO2019053829A1 (ja) * 2017-09-13 2020-04-23 株式会社牧野フライス製作所 工作機械

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