JP2001018062A - 複合材料の肉盛溶接方法 - Google Patents
複合材料の肉盛溶接方法Info
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- JP2001018062A JP2001018062A JP18994299A JP18994299A JP2001018062A JP 2001018062 A JP2001018062 A JP 2001018062A JP 18994299 A JP18994299 A JP 18994299A JP 18994299 A JP18994299 A JP 18994299A JP 2001018062 A JP2001018062 A JP 2001018062A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 クラックやスポーリング等の欠陥を生じさせ
ることなく、且つ層厚の厚い複合材料の肉盛層を形成す
る方法を提供する。 【解決手段】 セラミック粒子を30重量%以上90重
量%以下含有し、残部実質的に金属からなる複合材料
を、不活性雰囲気下で、金属母材の表面に肉盛溶接する
ことにより、金属マトリックス中にセラミック粒子が略
均一に分散混在した複合組織を有する溶接ビードを複数
積層する方法において、第1層ビードは、母材を図1の
グラフ(A)で示される温度以上に予熱した状態で形成
し、第2層以降のビードは、母材を同図のグラフ(B)
で示される温度以上に保持した状態で形成するようにし
ている。
ることなく、且つ層厚の厚い複合材料の肉盛層を形成す
る方法を提供する。 【解決手段】 セラミック粒子を30重量%以上90重
量%以下含有し、残部実質的に金属からなる複合材料
を、不活性雰囲気下で、金属母材の表面に肉盛溶接する
ことにより、金属マトリックス中にセラミック粒子が略
均一に分散混在した複合組織を有する溶接ビードを複数
積層する方法において、第1層ビードは、母材を図1の
グラフ(A)で示される温度以上に予熱した状態で形成
し、第2層以降のビードは、母材を同図のグラフ(B)
で示される温度以上に保持した状態で形成するようにし
ている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属とセラミック
粒子との複合材料からなる肉盛層を金属母材の表面に形
成する肉盛溶接方法に関するものである。
粒子との複合材料からなる肉盛層を金属母材の表面に形
成する肉盛溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼材圧延用ロール、連続鋳造用ロール、
鋼材熱処理炉内のハースロールやスキッドレール部材等
のように室温・高温域での耐摩耗性や強度を必要とする
部材の表面改質・強化方法として、金属マトリックス中
にセラミック粒子が略均一に分散混在した複合組織を有
する複合材料の肉盛層を金属部材表面に形成することが
行なわれている。肉盛層の形成方法として、金属粉末と
炭化物系セラミック粉末との混合物を肉盛材料とし、テ
ィグ溶接(TIG)やプラズマ粉体溶接(PTA)法等によ
り母材表面にビードを形成することが提案されている
(特開昭61−186190号、特開昭62−1341
93号等)。これら肉盛溶接法によれば、金属母材表面
に融着結合した密着力の高い肉盛層を形成することがで
き、また形成された肉盛層は、セラミック粒子の分散強
化作用により、優れた摩耗抵抗性を有し、かつ高温域に
おいて高い強度を示す。その耐摩耗性や強度はセラミッ
クの配合割合を多くするほど向上する。
鋼材熱処理炉内のハースロールやスキッドレール部材等
のように室温・高温域での耐摩耗性や強度を必要とする
部材の表面改質・強化方法として、金属マトリックス中
にセラミック粒子が略均一に分散混在した複合組織を有
する複合材料の肉盛層を金属部材表面に形成することが
行なわれている。肉盛層の形成方法として、金属粉末と
炭化物系セラミック粉末との混合物を肉盛材料とし、テ
ィグ溶接(TIG)やプラズマ粉体溶接(PTA)法等によ
り母材表面にビードを形成することが提案されている
(特開昭61−186190号、特開昭62−1341
93号等)。これら肉盛溶接法によれば、金属母材表面
に融着結合した密着力の高い肉盛層を形成することがで
き、また形成された肉盛層は、セラミック粒子の分散強
化作用により、優れた摩耗抵抗性を有し、かつ高温域に
おいて高い強度を示す。その耐摩耗性や強度はセラミッ
クの配合割合を多くするほど向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記肉盛溶接施工にお
いて、形成しようとする肉盛層の層厚が比較的薄く(例
えば3mm以下)、溶接ビード1層盛りで所要層厚の肉盛
層を形成できる場合は特に問題はないが、2層以上のビ
ードを積層(多層盛り)して肉盛層を形成する場合におい
ては、その溶接施工途中、あるいは施工直後の冷却過
程、若しくはその後の歪取り熱処理時に肉盛層にクラッ
クやスポーリング等の欠陥が生じやすいという問題があ
る。その欠陥発生傾向は、使用する肉盛溶接材料のセラ
ミック粒子配合割合が多いほど顕著となる。肉盛層にク
ラックやスポーリング等が発生すると、肉盛層の母材保
護機能が大きく損なわれてしまう。本発明は、上記問題
点を解決するための肉盛溶接方法を提供するものであ
る。
いて、形成しようとする肉盛層の層厚が比較的薄く(例
えば3mm以下)、溶接ビード1層盛りで所要層厚の肉盛
層を形成できる場合は特に問題はないが、2層以上のビ
ードを積層(多層盛り)して肉盛層を形成する場合におい
ては、その溶接施工途中、あるいは施工直後の冷却過
程、若しくはその後の歪取り熱処理時に肉盛層にクラッ
クやスポーリング等の欠陥が生じやすいという問題があ
る。その欠陥発生傾向は、使用する肉盛溶接材料のセラ
ミック粒子配合割合が多いほど顕著となる。肉盛層にク
ラックやスポーリング等が発生すると、肉盛層の母材保
護機能が大きく損なわれてしまう。本発明は、上記問題
点を解決するための肉盛溶接方法を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック粒
子を30重量%以上90重量%以下含有し、残部実質的
に金属からなる複合材料を、不活性雰囲気下で、金属母
材の表面に肉盛溶接することによって、金属マトリック
ス中にセラミック粒子が略均一に分散混在した複合組織
を有する溶接ビードを複数積層する方法において、第1
層ビードは、母材を図1のグラフ(A)で示される温度以
上に予熱した状態で形成し、第2層以降のビードは、母
材を同図のグラフ(B)で示される温度以上に保持した状
態で形成するようにしたものである。
子を30重量%以上90重量%以下含有し、残部実質的
に金属からなる複合材料を、不活性雰囲気下で、金属母
材の表面に肉盛溶接することによって、金属マトリック
ス中にセラミック粒子が略均一に分散混在した複合組織
を有する溶接ビードを複数積層する方法において、第1
層ビードは、母材を図1のグラフ(A)で示される温度以
上に予熱した状態で形成し、第2層以降のビードは、母
材を同図のグラフ(B)で示される温度以上に保持した状
態で形成するようにしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の複合材料の肉盛溶接施工は、不活性ガス
雰囲気下、母材を一定温度以上に加熱保持した状態で行
なわれる。その母材に対する給熱・保温は、母材を加熱
炉、代表的には抵抗発熱体を具えた炉内に保持すること
により行なわれる。
する。本発明の複合材料の肉盛溶接施工は、不活性ガス
雰囲気下、母材を一定温度以上に加熱保持した状態で行
なわれる。その母材に対する給熱・保温は、母材を加熱
炉、代表的には抵抗発熱体を具えた炉内に保持すること
により行なわれる。
【0006】図1は、本発明の肉盛溶接施工における母
材温度を示している。図中、グラフ(A)は第1層ビード
形成工程での母材の下限温度(即ち、母材予熱温度の下
限値)であり、グラフ(B)は第1層ビードの上に重ねら
れる第2層以降のビード形成工程における母材の下限温
度である。図示のように母材は、使用する肉盛溶接材料
(金属分とセラミック粒子の複合材料)におけるセラミッ
クの配合割合(以下、単に「配合割合」ともいう)が多い
程、高温度に保持されることが要求される。第1層ビー
ドの形成時の母材温度の下限は、配合割合が30〜70
重量%の範囲では、座標a1(30wt%、500℃)とa2
(70wt%、700℃)とを結ぶ直線上に求められる。ま
た、配合割合が70〜90重量%における第1層ビード
形成時の母材温度はその配合割合の増加に拘わらず70
0℃を下限温度としてよい。
材温度を示している。図中、グラフ(A)は第1層ビード
形成工程での母材の下限温度(即ち、母材予熱温度の下
限値)であり、グラフ(B)は第1層ビードの上に重ねら
れる第2層以降のビード形成工程における母材の下限温
度である。図示のように母材は、使用する肉盛溶接材料
(金属分とセラミック粒子の複合材料)におけるセラミッ
クの配合割合(以下、単に「配合割合」ともいう)が多い
程、高温度に保持されることが要求される。第1層ビー
ドの形成時の母材温度の下限は、配合割合が30〜70
重量%の範囲では、座標a1(30wt%、500℃)とa2
(70wt%、700℃)とを結ぶ直線上に求められる。ま
た、配合割合が70〜90重量%における第1層ビード
形成時の母材温度はその配合割合の増加に拘わらず70
0℃を下限温度としてよい。
【0007】他方、第2層以降のビード積層過程におけ
る母材温度の下限は、配合割合が30〜50重量%の範
囲では、座標b1(30wt%、600℃)とb2(50wt
%、800℃)とを結ぶ直線上に求められ、配合割合が
50〜70重量%の範囲では、座標b2(50wt%、80
0℃)とb3(70wt%、900℃)を結ぶ直線上に求める
ことができる。また、配合割合が70〜90重量%の範
囲における母材温度はその配合割合の増加に拘わらず、
900℃を下限温度としてよい。
る母材温度の下限は、配合割合が30〜50重量%の範
囲では、座標b1(30wt%、600℃)とb2(50wt
%、800℃)とを結ぶ直線上に求められ、配合割合が
50〜70重量%の範囲では、座標b2(50wt%、80
0℃)とb3(70wt%、900℃)を結ぶ直線上に求める
ことができる。また、配合割合が70〜90重量%の範
囲における母材温度はその配合割合の増加に拘わらず、
900℃を下限温度としてよい。
【0008】上記のように溶接ビード形成過程の母材温
度について、第1層ビード形成時の母材下限温度(グラ
フA)を、第2層以降のビード形成過程の母材温度(グラ
フB)とは別に規定しているが、無論、このことは第1
層ビード形成時の母材温度を第2層以降のビード形成過
程の母材の下限温度よりも高くしてはならないという意
味ではない。例えばセラミック配合割合が70重量%
(第1層ビード形成時の母材下限温度:700℃、第2
層以降のビード形成時の母材下限温度:900℃)であ
る複合材料を使用する場合において、肉盛溶接開始前の
母材を900℃以上に予熱保持した状態で第1層ビード
の形成を行ない、引き続きその温度(900℃以上)で第
2層以降のビード形成を行なっても全く構わないのであ
る。セラミック配合割合がどのような値であっても、グ
ラフ(A)に示す規定とグラフ(B)に示す規定との関係は
上記に同じである。
度について、第1層ビード形成時の母材下限温度(グラ
フA)を、第2層以降のビード形成過程の母材温度(グラ
フB)とは別に規定しているが、無論、このことは第1
層ビード形成時の母材温度を第2層以降のビード形成過
程の母材の下限温度よりも高くしてはならないという意
味ではない。例えばセラミック配合割合が70重量%
(第1層ビード形成時の母材下限温度:700℃、第2
層以降のビード形成時の母材下限温度:900℃)であ
る複合材料を使用する場合において、肉盛溶接開始前の
母材を900℃以上に予熱保持した状態で第1層ビード
の形成を行ない、引き続きその温度(900℃以上)で第
2層以降のビード形成を行なっても全く構わないのであ
る。セラミック配合割合がどのような値であっても、グ
ラフ(A)に示す規定とグラフ(B)に示す規定との関係は
上記に同じである。
【0009】なお、肉盛溶接施工時の母材温度の上限は
特に規定しないが、下限温度を大きく超えて高温に保持
することは熱経済上無駄である。特に1000℃を越え
る高温度に加熱すると、溶接ビード形成部におけるシー
ルドガスの上昇流の活発化とそれに伴うシールド効果の
不足の原因となるので、1000℃を越えないことが望
ましい。
特に規定しないが、下限温度を大きく超えて高温に保持
することは熱経済上無駄である。特に1000℃を越え
る高温度に加熱すると、溶接ビード形成部におけるシー
ルドガスの上昇流の活発化とそれに伴うシールド効果の
不足の原因となるので、1000℃を越えないことが望
ましい。
【0010】本発明において、複合材料中のセラミック
の配合割合を30重量%以上に限定しているのは、30
重量%に満たない低配合割合の場合の肉盛溶接施工には
特に問題はなく、通常行なわれる母材予熱(予熱温度:
約300〜500℃)で十分であるのに対し、30重量
%以上の高配合割合になると肉盛層のクラック・スポー
リングの問題が大きくなるからである。なお、セラミッ
クの配合割合の上限は特に規定されないが、その配合割
合が多くなることに伴う金属マトリックスの相対的減少
により肉盛層の機械的・熱的衝撃特性が乏しくなるの
で、実用上は約90重量%を上限とするのが適当であ
る。また、溶接ビードの積層数にも本質的な制限はない
が、肉盛溶接層厚を約20mm以上とするメリットは特に
ないので、ビード1層当たりの層厚が3〜5mmであるこ
とからすれば、実用上の肉盛層の形成に要するビード積
層数は多くて約5〜7層程度である。
の配合割合を30重量%以上に限定しているのは、30
重量%に満たない低配合割合の場合の肉盛溶接施工には
特に問題はなく、通常行なわれる母材予熱(予熱温度:
約300〜500℃)で十分であるのに対し、30重量
%以上の高配合割合になると肉盛層のクラック・スポー
リングの問題が大きくなるからである。なお、セラミッ
クの配合割合の上限は特に規定されないが、その配合割
合が多くなることに伴う金属マトリックスの相対的減少
により肉盛層の機械的・熱的衝撃特性が乏しくなるの
で、実用上は約90重量%を上限とするのが適当であ
る。また、溶接ビードの積層数にも本質的な制限はない
が、肉盛溶接層厚を約20mm以上とするメリットは特に
ないので、ビード1層当たりの層厚が3〜5mmであるこ
とからすれば、実用上の肉盛層の形成に要するビード積
層数は多くて約5〜7層程度である。
【0011】本発明の肉盛層の形成に使用されるセラミ
ックは、炭化クロム(Cr3C2、Cr7C3、Cr4C
等)、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)、
炭化ニオブ(NbC)、炭化硼素(B4C)等の炭化物系セ
ラミック粒子である。分散相となるセラミック粒子とし
て炭化物系を使用しているのは、溶融金属とのなじみが
良く、均一分散性にすぐれ、かつ金属マトリックスとの
複合効果としてその肉盛層に高位安定な耐摩耗性、高温
強度が与えられるからである。上記炭化物系セラミック
粒子の粒径は、特に限定されないが、金属マトリックス
中への均一分散性や分散強化作用等の点から概ね100
μm以下のものが好ましい。
ックは、炭化クロム(Cr3C2、Cr7C3、Cr4C
等)、炭化チタン(TiC)、炭化タングステン(WC)、
炭化ニオブ(NbC)、炭化硼素(B4C)等の炭化物系セ
ラミック粒子である。分散相となるセラミック粒子とし
て炭化物系を使用しているのは、溶融金属とのなじみが
良く、均一分散性にすぐれ、かつ金属マトリックスとの
複合効果としてその肉盛層に高位安定な耐摩耗性、高温
強度が与えられるからである。上記炭化物系セラミック
粒子の粒径は、特に限定されないが、金属マトリックス
中への均一分散性や分散強化作用等の点から概ね100
μm以下のものが好ましい。
【0012】マトリックスとなる金属分の材質は限定さ
れず、肉盛層を形成しようとする部材の用途、使用条件
等に応じて任意に選択されるものであり、その選択範囲
は、各種の合金鋼、ニッケル合金、コバルト合金等多岐
に亘る。
れず、肉盛層を形成しようとする部材の用途、使用条件
等に応じて任意に選択されるものであり、その選択範囲
は、各種の合金鋼、ニッケル合金、コバルト合金等多岐
に亘る。
【0013】上記セラミック粒子と金属からなる複合材
料の形態は、例えば両者の粉末の単純な混合物、或いは
金属チューブにセラミック粉末を充填した複合ワイヤ等
であってもよいが、セラミック粒子と金属分との比重差
による分離偏析を可及的に少なくし、両者の均一な混合
状態を確保するために、適当な粒径の造粒粉として使用
することも好ましいことである。また、別法として粉末
混合物を成形し焼成して得られるワイヤないし棒状の焼
結体として使用してもよい。なお、溶接方法は任意で、
TIG溶接やPTA溶接等を適用すればよく、その溶接
施工は、前記のように母材温度の制御下に行なわれる点
を除いて特別の条件の付加を必要としない。
料の形態は、例えば両者の粉末の単純な混合物、或いは
金属チューブにセラミック粉末を充填した複合ワイヤ等
であってもよいが、セラミック粒子と金属分との比重差
による分離偏析を可及的に少なくし、両者の均一な混合
状態を確保するために、適当な粒径の造粒粉として使用
することも好ましいことである。また、別法として粉末
混合物を成形し焼成して得られるワイヤないし棒状の焼
結体として使用してもよい。なお、溶接方法は任意で、
TIG溶接やPTA溶接等を適用すればよく、その溶接
施工は、前記のように母材温度の制御下に行なわれる点
を除いて特別の条件の付加を必要としない。
【0014】
【実施例】複合材料として、平均粒径50μmの炭化物
系セラミック粒子(Cr3C2、NbC、SiC等)とCo
基合金粉末(27%Cr−17%Ni−Co、但し重量
%)との湿式混練物をスプレードライヤーで造粒し、焼
成後解砕処理して得られた造粒粉(50〜300メッシ
ュ)を使用した。肉盛溶接は、下記(I)〜(VI)の条件でプ
ラズマ粉体溶接法により実施し、ロール表面(Co基合
金製)に層厚10mm(5層盛り)の肉盛層を形成した。な
お、その肉盛溶接は何れも抵抗発熱体を具えた密閉炉中
にロールを装入し、炉壁開口を介して炉外からロール表
面に溶接トーチを指向させて行なった。溶接電流及び電
圧は100〜200A及び30〜45Vとし、溶接速度
は70〜300mm/分とした。
系セラミック粒子(Cr3C2、NbC、SiC等)とCo
基合金粉末(27%Cr−17%Ni−Co、但し重量
%)との湿式混練物をスプレードライヤーで造粒し、焼
成後解砕処理して得られた造粒粉(50〜300メッシ
ュ)を使用した。肉盛溶接は、下記(I)〜(VI)の条件でプ
ラズマ粉体溶接法により実施し、ロール表面(Co基合
金製)に層厚10mm(5層盛り)の肉盛層を形成した。な
お、その肉盛溶接は何れも抵抗発熱体を具えた密閉炉中
にロールを装入し、炉壁開口を介して炉外からロール表
面に溶接トーチを指向させて行なった。溶接電流及び電
圧は100〜200A及び30〜45Vとし、溶接速度
は70〜300mm/分とした。
【0015】
【0016】上記I〜VIの各肉盛施工において、施工例
V及びVI(何れも第2層以降のビード形成時の母材温度
不足)では、第2層〜第5層のビード形成工程でクラッ
ク、スポーリングが生じたのに対し、施工例I〜IV(発明
例)では何れクラックやスポーリングの発生は皆無で健
全な複合組織を有する所定層厚の肉盛施工が達成され
た。
V及びVI(何れも第2層以降のビード形成時の母材温度
不足)では、第2層〜第5層のビード形成工程でクラッ
ク、スポーリングが生じたのに対し、施工例I〜IV(発明
例)では何れクラックやスポーリングの発生は皆無で健
全な複合組織を有する所定層厚の肉盛施工が達成され
た。
【0017】
【発明の効果】本発明方法によれば、セラミック配合割
合が多く、かつ層厚の厚い複合材料の肉盛層を、クラッ
クやスポーリング等の欠陥を生じさせずに形成すること
ができる。従って、本発明は各種設備・機器の構成部
材、例えば圧延用ロール、連続鋳造用ロール、加熱炉内
ハースロール、炉床構成部材、圧延ラインのガイド部
材、その他の耐摩耗性や高温強度等を必要とする部材の
表面改質・強化等に有用であり、複合材料の肉盛層のす
ぐれて安定した部材保護作用により部材の耐久性の向
上、メンテナンスの軽減等の効果が得られる。
合が多く、かつ層厚の厚い複合材料の肉盛層を、クラッ
クやスポーリング等の欠陥を生じさせずに形成すること
ができる。従って、本発明は各種設備・機器の構成部
材、例えば圧延用ロール、連続鋳造用ロール、加熱炉内
ハースロール、炉床構成部材、圧延ラインのガイド部
材、その他の耐摩耗性や高温強度等を必要とする部材の
表面改質・強化等に有用であり、複合材料の肉盛層のす
ぐれて安定した部材保護作用により部材の耐久性の向
上、メンテナンスの軽減等の効果が得られる。
【0018】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【図1】本発明の肉盛溶接における複合材料のセラミッ
ク配合割合と母材温度の関係を示すグラフである。
ク配合割合と母材温度の関係を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B23K 35/32 B23K 35/32 B // B23K 103:02 103:08 103:16
Claims (1)
- 【請求項1】 セラミック粒子を30重量%以上90重
量%以下含有し、残部実質的に金属からなる複合材料
を、不活性雰囲気下で、金属母材の表面に肉盛溶接する
ことによって、金属マトリックス中にセラミック粒子が
略均一に分散混在した複合組織を有する溶接ビードを複
数積層する方法において、 第1層ビードは、母材を図1のグラフ(A)で示される温
度以上に予熱した状態で形成し、 第2層以降のビードは、母材を同図のグラフ(B)で示さ
れる温度以上に保持した状態で形成するようにしたこと
を特徴とする複合材料の肉盛溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18994299A JP2001018062A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | 複合材料の肉盛溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18994299A JP2001018062A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | 複合材料の肉盛溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001018062A true JP2001018062A (ja) | 2001-01-23 |
Family
ID=16249797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18994299A Withdrawn JP2001018062A (ja) | 1999-07-05 | 1999-07-05 | 複合材料の肉盛溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001018062A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010022883A1 (de) | 2008-08-28 | 2010-03-04 | Hochschule Für Angewandte Wissenschaften - Fachhochschule Kempten | Oberfläche des werkstücks und eine relative bewegung zwischen dem werkstück und dem beschichtungselement |
-
1999
- 1999-07-05 JP JP18994299A patent/JP2001018062A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010022883A1 (de) | 2008-08-28 | 2010-03-04 | Hochschule Für Angewandte Wissenschaften - Fachhochschule Kempten | Oberfläche des werkstücks und eine relative bewegung zwischen dem werkstück und dem beschichtungselement |
US8734892B2 (en) | 2008-08-28 | 2014-05-27 | Hochschule Fuer Angewandte Wissenschaften-Fachhochschule Kempten | Surface of the workpiece and a relative motion between the workpiece and the coating element |
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