JP2001016442A - 画像処理方法及び装置 - Google Patents

画像処理方法及び装置

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JP2001016442A
JP2001016442A JP11180838A JP18083899A JP2001016442A JP 2001016442 A JP2001016442 A JP 2001016442A JP 11180838 A JP11180838 A JP 11180838A JP 18083899 A JP18083899 A JP 18083899A JP 2001016442 A JP2001016442 A JP 2001016442A
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Japan
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line
signal
unit
color
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JP11180838A
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Shigeo Yamagata
茂雄 山形
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 RGB3つのラインセンサを使用して読み取
った画像信号におけるR,G,B信号のMTF特性のア
ンバランスを発生させることなくR,G,B信号の位相
補正を行う。 【解決手段】 互いに等しいオフセットを持って配置さ
れたR,G,Bの3本のラインセンサにより原稿画像を
読み取るスキャナ部1と、スキャナ部1による走査速度
を変えることにより走査方向に変倍した画像信号を生成
するカラー複写機において、その変倍率に応じて、3本
のラインセンサにより読み取られた画像信号の各位相が
整数ライン分となるように位相補正する位相補正部2
と、位相補正部2により位相補正された画像信号に対し
て画像処理を実行する色空間変換部4,8、色判定部
5、空間フィルタ6、色抑圧部7等を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、センサにより読み
取ったカラー画像信号を処理する画像処理方法及び装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック
の4色のトナーを用いてカラー画像を記録するカラー複
写機では、スキャナ部で原稿画像を走査することにより
得られたR,G,Bの画像信号を処理し、これら4色の
トナーによりカラー画像を印刷するように構成されてい
る。また、このスキャナ部における読み取りセンサとし
て、R,G,Bそれぞれに対応した、3本のラインセン
サが用いられ、これら3本のラインセンサは各々の所定
間隔のオフセットをもって配置されている。
【0003】このようなスキャナ部を有するカラー複写
機では、一般に、原稿画像を拡大、縮小した画像をプリ
ントする機能を有している。このような複写機において
原稿画像を拡大縮小する際には、スキャナ部のミラー、
光学系の走査速度を変えることにより、原稿走査方向
(副走査方向)に関する変倍処理を行い、原稿走査方向
と直交する方向(主走査方向)に関しては、その変倍率
にかかわらず原稿画像読み取り速度を一定(等倍時の速
度)に保ち、等倍イメージで読み取られた主走査方向の
画像データに対して、間引き、平均値補間等の画像処理
を行うことにより、主走査方向の変倍処理を実現してい
るものがある。
【0004】上記従来例では、原稿画像の拡大・縮小処
理を行う際には、主走査方向の読み取り速度を変化させ
ることなく副走査方向の走査速度を変化させて、副走査
方向の変倍処理を行っている。このため所定のオフセッ
トを有して配置されたR,G,B3本のラインセンサの
間隔に対応する走査ライン数が、拡大縮小の倍率によっ
て変化することになる。
【0005】一例を挙げると、等倍時換算で、R,G,
B、3本のラインセンサ間隔に対応するライン数が8ラ
イン分の場合、25%縮小処理を行う際には、走査速度
が4倍となるため、ラインセンサ間隔は2ライン相当と
なり、400%拡大処理を行う際には、走査速度が1/
4となるため、ラインセンサ間隔は32ライン相当とな
る。一般に変倍率をn%とすると、各ラインセンサ間隔
Dは、 D=8×n/100 で表される。
【0006】これらR,G,B各色のラインセンサより
読み取られた画像信号は、変倍率に応じて変化する各ラ
インセンサ間隔の長さに応じた遅延処理が行われ、R,
G,B各色の読み取り位置の位相合わせが行われる。以
下に、この位相合わせの例を詳細に説明する。
【0007】R,G,Bラインセンサの配置例を図3
に、R,G,B各色の位相合わせのブロック図を図8に
示す。
【0008】図3において、21、22、23はそれぞ
れ、R信号、G信号、B信号に対応した光信号を光電変
換して電気信号を発生するためのCCDラインセンサ
で、それぞれがnライン分間を空けて配置されている。
原稿台に置かれた原稿の読み取りに際しては、固定され
た原稿台上の原稿を、不図示のミラー光学系を移動させ
てCCDセンサにより読取ることにより行われる。図8
において、21、22、23は、図3に示す3ライン分
のCCDを表わしている。図8において、81、82、
86、87のそれぞれは、各CCDラインセンサから出
力された電気信号を遅延するためのラインメモリ、8
3、84、88、89のそれぞれは乗算器、85、90
は加算器である。ラインメモリ81はB用CCDライン
センサ21から出力される信号が入力され、(2n−
1)ライン分入力信号を遅延させた信号を出力する。こ
の(2n−1)ラインメモリの出力信号は、乗算器8
3、1ラインメモリ82に入力される。この1ラインメ
モリ82に入力された信号は、1ラインの遅延が与えら
れて出力される。この1ラインメモリ82の出力信号は
乗算器84に入力される。乗算器83、84では、それ
ぞれ係数p、(1−p)と入力信号との乗算が行われ、
それぞれの乗算結果が加算器85に入力される。こうし
て加算器85の出力が位相補正後のB信号となる。例と
して、等倍の画像読み取りを行う場合を以下に説明す
る。
【0009】等倍画像の読み取り時には、乗算器83の
係数p=0、乗算器84の係数(1−p)=1、と設定
される。従って、加算器85より出力される位相補正後
のB信号は、B用CCD23の出力信号を(2n−1)
ラインメモリ81、1ラインメモリ82により、2nラ
イン分遅延させた信号となる。よって、加算器85より
出力されるB信号の位相は、図3に示したR用CCD2
1との、CCD配置のオフセットが2nライン分となる
ことより、R用CCD21の出力信号の読み取り位相と
一致したものとなる。同様に、G用CCD22の出力信
号は、乗算器88の係数r=0、乗算器89の係数(1
−r)=1、と設定されることにより、加算器90の出
力にて、nライン分の遅延を与えられた信号となり、こ
れもR用CCD21の出力信号の読み取り位相と一致し
たものとなる。
【0010】以上のように、R,G,B信号の位相補正
は、最も時間的に最後に読み取られるCCDラインセン
サ(図3の例ではR用CCDラインセンサ21)の読み
取り位置に対して、他のCCDラインセンサ出力信号の
位相を合わせるように動作させている。
【0011】更に、変倍により、各CCDライン間隔が
整数倍にならない場合の例を、変倍率が53%の時の動
作に関して説明する。変倍率が53%の時には、R用C
CD21とG用CCD22のライン間隔は、 n×53/100=0.53nライン R用CCD21とB用CCD23のライン間隔は、 2n×53/100=1.06nライン となる。ここで、n=8の場合を考えると、、R用CC
D21とG用CCD22のライン間隔は、 0.53×8=4.24ライン R用CCD21とB用CCD23のライン間隔は、 1.06×8=8.48ライン となる。この時、(2n−1)ラインメモリ81には上
記ライン間隔「8.48ライン」の整数部である「8ラ
イン」、(n−1)ラインメモリ86にはライン間隔
「4.24ライン」の整数部である「4ライン」の遅延
量が与えられる。また、ライン間隔の少数分である
「0.48ライン」、「0.24ライン」に相当する量
に関しては、乗算器83、84、88、89、及び、加
算器85、90による演算により補正する。上記の例で
は、乗算器83に与えられる係数pはp=0.52、乗
算器84に与えられる係数(1−p)は1−p=0.4
8となる。よって、加算器85出力信号Bは、 8ライン遅延信号(2n−1ラインメモリ81出力)×
0.52+9ライン遅延信号(1ラインメモリ82出
力)×0.48 となり、B用CCD23の出力信号を「8.48ライ
ン」分遅延させた信号が加算器85より出力される。こ
のとき与えられる遅延分である「8.48ライン」は、
R用CCD23とB用CCD23のライン間隔に相当
し、加算器85より出力されるB信号の位相は、R用C
CD21の出力信号位相と一致する。同様に、乗算器8
8、乗算器89に与えられる係数は、それぞれ、r=
0.76、1−r=0.24と与えられ、加算器90の
出力信号Gは、 4ライン遅廷信号(n−1ラインメモリ88出力)×
0.76+5ライン遅延信号(1ラインメモリ87出
力)×0.24 となり、G用CCD22の出力信号を「4.24ライ
ン」分遅延させた信号となる。以上より、加算器90の
出力信号Gの位相はR用CCD21の出力信号位相と一
致する。
【0012】以上のように従来の複写機においては、変
倍率により変化するR,G,B3ラインCCDセンサの
間隔に応じて、(2n−1)ラインメモリ81、(n−
1)ラインメモリ87の遅延量、及び乗算器83、8
4、88、89の係数を変更することにより、最も遅れ
て同一の原稿位置を読み取るCCDセンサの読み取り位
相(上記の場合はR用CCDセンサ読み取り位相)に、
他のCCDラインセンサ出力信号位相合わせる様に、構
成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、変倍時に発生する3つのラインセンサの間隔に
おける1ライン未満の量に対する補正として、前後のラ
インを使用した、リニア補間を行っている。このため、
3つのラインセンサのそれぞれの間隔が読み取りライン
数の整数倍にならない様な倍率の場合には、リニア補間
を行った信号のMTFが変化するという問題がある。ま
た、G,B信号に対してリニア補間を行う際の係数がそ
れぞれ異なるため、G,B信号間でのMTF特性の違い
も発生する。上記従来例における変倍率が53%の場合
を例にとると、位相補正後のG,B信号のMTF特性
は、リニア補間前に比較して大きく変化したものとな
る。この様子を図9に示す。
【0014】図9に示したように、3つのラインCCD
より出力されたR,G,B信号のうち、G,B信号は、
その時の変倍率に応じてリニア補間が行われることによ
り、MTFの低下が発生する。これに対し、R出力信号
に関しては、どのような変倍率の場合でもR信号に対す
るリニア補間は行われない。このためR用CCD出力信
号のMTF特性は変化することなく出力される。その結
果、R,G,B信号のMTF特性に大きな開きが発生
し、空間周波数の高い、無彩色画像等に対するR,G,
Bの各読み取り信号のバランスが崩れ、色付きが発生し
たりして画像品質を著しく劣化させるという問題があっ
た。更に、この種の装置には、読み取り信号の周波数特
性を強調する空間フィルタを有しているものが多く、こ
の空間フィルタ処理により、上記無彩色画像等において
発生するR,G,B読み取り信号のアンバランスが強調
され、色付きが強調されるという問題があった。
【0015】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、RGB3つのラインセンサを使用して読み取った画
像信号におけるR,G,B信号のMTF特性のアンバラ
ンスを発生させることなくR,G,B信号の位相補正を
行って画像を形成できる画像処理方法及び装置を提供す
ることを目的とする。
【0016】また本発明は、変倍率に応じてMTF特性
を調整し、無彩色の線画における色付きの発生を防止し
た画像処理方法及び装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像処理装置は以下のような構成を備える。
即ち、互いに等しいオフセットを持って配置されたR,
G,Bの3本のラインセンサにより原稿画像を読み取る
原稿読取り手段と、前記原稿読取り手段による走査速度
を変えることにより走査方向に変倍した画像信号を形成
する画像変倍手段とを有する画像処理装置であって、前
記画像変倍手段における変倍率に応じて、前記3本のラ
インセンサにより読み取られた画像信号の各位相が整数
ライン分となるように位相補正する位相補正手段と、前
記位相補正手段により位相補正された画像信号に対して
画像処理を実行する画像処理手段と、前記画像処理手段
により処理された画像信号に基づいて画像を形成する画
像形成手段と、を有することを特徴とする。
【0018】上記目的を達成するために本発明の画像処
理方法は以下のような工程を備える。即ち、互いに等し
いオフセットを持って配置されたR,G,Bの3本のラ
インセンサにより原稿画像を読み取る原稿読取り手段
と、前記原稿読取り手段による走査速度を変えることに
より走査方向に変倍した画像信号を形成する画像変倍手
段とを有する画像処理装置における画像処理方法であっ
て、前記画像変倍手段における変倍率に応じて、前記3
本のラインセンサにより読み取られた画像信号の各位相
が整数ライン分となるように位相補正する位相補正工程
と、前記位相補正工程で位相補正された画像信号に対し
て画像処理を実行する画像処理工程と、前記画像処理工
程で処理された画像信号に基づいて画像を形成する画像
形成工程とを有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】[実施の形態1]図2は、本発明の実施の
形態1に係るカラー複写機の構成を示すブロック図であ
る。
【0021】図2において、1はスキャナ部で、図示し
ない原稿台上に置かれた原稿を走査し、その原稿面上の
画像情報をR,G,Bの3つのCCDラインセンサにて
読み取り、R,G,B各8ビットの電気信号として出力
する。2は位相補正部で、スキャナ部1より出力された
R,G,B信号の読み取り位相を補正する。この位相補
正部2の出力信号は、入力マスキング回路3に入力され
る。この入力マスキング回路3は、位相補正部2より出
力されたR,G,B信号の色バランスを補正するための
回路であり、ここでは以下に示す公知の3×3のマトリ
クス演算を使用したマスキング処理が行われる。
【0022】 Rout=K00×Rin+K01×Gin+K02×Bin Gout=K10×Rin+K11×Gin+K12×Bin Bout=K20×Rin+K21×Gin+K22×Bin 但し、K00〜K22は定数である。
【0023】このマスキング回路3の出力信号は色空間
変換部4に入力される。この色空間変換部4は、入力マ
スキング回路3から入力されたR,G,B信号のそれぞ
れを、以下の変換式に従って、明度を表す信号(L)
と、色を表す信号(Ca,Cb)とに変換する。
【0024】 L=(R+2×G+B)/4 Ca=(R−G)/2 Cb=(R+G−2×B)/4 …式(1) 次に、この色空間変換部4の出力信号Ca,Cbは、色判
定部5と、空間フィルタ部6とに入力され、色空間変換
部4の出力信号Lは空間フィルタ部6に入力される。色
判定部5は、色空間変換部4より出力された色を表す信
号(Ca,Cb)を参照して、入力信号が有彩色か無彩色
かの色判定を行う。この色判定の結果はBk信号として
後述する色抑圧部7に入力される。また空間フィルタ部
6では、色空間変換部4より出力された明度を表す信号
Lに対して空間フィルタ処理を行う。この空間フィルタ
処理の際に使用されるフィルタ係数は、2種類設定可能
に構成されており、それぞれのフィルタ係数は、後述す
る文字検出部14の出力信号により切り替え制御され
る。この空間フィルタ6の出力信号は色抑圧部7に入力
される。色抑圧部7では、色判定部5からの信号Bk
と、後述する文字判定部14からの出力信号Mjに基づ
いて色信号の抑圧を行う。この色抑圧部7の出力信号
(L,Ca,Cb)は、色空間変換部8に入力され、ここ
で、以下の変換式に従って、明度を現す信号(L)と、
色を表す信号(Ca,Cb)から、R,G,B信号への変
換がおこなわれる。
【0025】 R=(4×L+5×Ca+2×Cb)/4 G=(4×L−3×Ca+2×Cb)/4 B=(4×L+Ca−6×Cb)/4 …式(2) 色空間変換部8の出力信号は更にLOG変換部9に入力
される。このLOG変換部9に入力されたR,G,B信
号は公知の対数変換により、濃度信号Y,M,Cに変換
され、出力マスキング回路10に入力される。この出力
マスキング回路10では、入力されたY,M,C信号に
対して、プリント時に使用される色材の特性、プリンタ
部13における記録特性を考慮したマスキング補正処理
を行って、Y,M,C,K信号を生成して出力する。但
し、本実施の形態では、後述する制御部15による制御
により、出力マスキング回路10より出力される信号
は、上記Y,M,C,Kのうちの1色分が選択的に出力
されるように構成されている。即ち、スキャナ部1が原
稿をスキャンするごとに、出力マスキング回路10より
出力される信号がY,M,C,Kと切り替えて出力さ
れ、スキャナ部1の1回毎のスキャンにより、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色材に対応する画
像信号が出力されることになり、スキャナ部1が同一原
稿を4回スキャンすることによって、後述するプリンタ
部13よりフルカラーの画像が記録されて出力されるこ
とになる。
【0026】また、この出力マスキング回路10におい
てマスキング補正が行われる際に使用する補正係数は、
後述する文字検出部14の出力信号により切り替え制御
されるよう構成されている。この出力マスキング回路1
0の出力信号は、主走査変倍部11に入力される。ここ
では、スキャナ部1により読み取られた画像信号の主走
査方向の変倍処理が行われる。この主走査変倍部11の
出力信号は、更に出力変換部12に入力される。ここで
は、プリンタ部13の階調特性に合わせた濃度信号レベ
ルの補正(γ補正)が行われ、更に、入力される8ビッ
ト多値のY,M,C,K信号を擬似中間調処理により、
1ビット2値の信号に変換してプリンタ部13に出力し
ている。このプリンタ部13では、出力変換部12から
出力された1ビットのY,M,C,K信号に応じてプリ
ント用紙への記録が制御されて画像が形成される。文字
検出部14は、位相補正部2から出力されたGm信号が
入力され、このGm信号を参照し、注目画素に関するエ
ッジ量の大きさと、注目画素周辺の所定領域中に存在す
るエッジ数に基づいて、注目画素が文字、線画領域を形
成するのか、または網点画像、連続階調画像等の連続階
調領域を形成するのかを判別している。
【0027】この文字検出部14は、注目画素が文字線
画領域を形成すると判断したか否かを示す信号Mjを、
空間フィルタ部6、色抑圧部7及び出力マスキング回路
10に出力している。15はこのカラー複写機全体を制
御する制御部であり、図示していない操作部からの入力
に従って、前述した各ブロックの動作を制御するもので
ある。
【0028】以下に、本実施の形態の動作に関して詳細
に説明する。
【0029】図2において、スキャナ部1は、R,G,
Bそれぞれ3本のCCDラインセンサを含み、これによ
り原稿画像を光電変換するよう構成されている。
【0030】図3は、本実施の形態における3本のCC
Dラインセンサの構成を示すブロック図である。
【0031】図3において、21、22、23は、それ
ぞれR信号、G信号、B信号に対応した読み取り信号を
光電変換するためのCCDラインセンサで、それぞれ6
00dpiの読み取り解像度を有している。また本実施
の形態では、原稿台に置かれた原稿の読み取りは、固定
された原稿台に対して、図示していないミラー光学系を
移動させることにより行われる。本実施の形態では、C
CDラインセンサのならび方向を主走査方向、ミラー光
学系の移動方向を副走査方向とし、1主走査方向を1ラ
インとする。
【0032】ミラー光学系の移動速度は、制御部15に
より制御され、その移動速度を変化させることにより、
副走査方向の解像度が150dpi〜2400dpiに
設定可能となっている。このミラー光学系の移動速度と
して、副走査方向の読み取り解像度が600dpiとな
る速度で原稿を読み取った場合、主走査、副走査方向の
倍率が等しい原稿読み取り信号が得られる。これが、等
倍スキャン時の移動速度となる。また、移動速度を1/
2とした場合には、副走査方向の読み取り解像度は12
00dpiとなり、この時に得られる原稿読み取り信号
は、副走査方向に2倍の倍率で拡大されたものとなり、
副走査方向にのみ200%拡大された、片変倍画像が得
られることになる。以上のように本実施の形態では、ミ
ラー光学系の移動速度を、4倍〜1/4倍までの範囲に
おいて任意に変化させることにより、副走査方向に、2
5%〜400%の変倍画像信号が得られるよう構成され
ている。
【0033】更に、RGB3本のCCDラインセンサ
は、副走査方向にnライン(本実施の形態では、8ライ
ン)のオフセットを持って配置されている。そして原稿
台上に置かれた原稿を読み取る際には、RGB各ライン
センサの配置がnラインのオフセットを持っていること
により、同一時刻に読み取られたRGB信号は、原稿上
の同一位置に対応するものではなく、それぞれnライン
異なる位置に対応するものとなっている。図2における
位相補正部2は、これを補正し、原稿上の同一位置に対
応するRGB信号を得るためのものである。この位相補
正部2の詳細を図1に示す。
【0034】図1において、31はB用CCD23の出
力信号が入力され、入力されたB用CCD23出力信号
を(2n−1)ライン分遅延させるための(2n−1)
ラインメモリ、32は(2n−1)ラインメモリ31の
出力信号が入力され、その入力された信号を1ライン分
遅延させるための1ラインメモリ、33は、制御部15
により設定される係数pと(2n−1)ラインメモリ3
1の出力信号とを乗算する乗算器、34は、制御部15
により設定される係数(1−p)と1ラインメモリ32
の出力信号とを乗算する乗算器、35は乗算器33、3
4の出力信号を加算する加算器で、この加算器35の出
力がB信号出力となる。また36はG用CCD22の出
力信号が入力され、この入力されたG用CCD22の出
力信号を(n−1)ライン分遅延させるための(n−
1)ラインメモリ、37は(n−1)ラインメモリ36
の出力信号が入力される1ラインメモリ、38は、1ラ
インメモリ37の出力信号が入力される1ラインメモ
リ、39は、制御部15により設定される係数rと(n
−1)ラインメモリ36の出力信号とを乗算する乗算器
である。40は、制御部15により設定される係数(1
−2r)と1ラインメモリ37の出力信号とを乗算する
乗算器、41は、制御部15により設定される係数rと
1ラインメモリ38出力信号とを乗算する乗算器、42
は乗算器39、40、41の出力信号を加算する加算器
で、この加算器42の出力がG信号出力となり、1ライ
ンメモリ37の出力がGm信号出力となる。また43は
R用CCD21の出力信号が入力され、その入力された
R用CCD21の出力信号を1ライン分遅延させるため
の1ラインメモリ、44は、制御部15により設定され
る係数qとR用CCD21の出力信号とを乗算する乗算
器、45は、制御部15により設定される係数(1−
q)と1ラインメモリ43の出力信号とを乗算する乗算
器、46は乗算器44、45の出力信号を加算する加算
器で、この加算器46の出力がR信号出力となる。な
お、(2n−1)ラインメモリ31、(n−1)ライン
メモリ36の遅延量は、係数p、r、qと同様に、制御
部15により変更可能に構成されている。
【0035】以下に、図1の動作に関して説明する。
【0036】まず、主走査、副走査方向に等しい解像度
(等倍)にて走査を行う場合に関して説明する。
【0037】図1において、R,G,B3本のCCD2
1〜23は、図3に示すようにn=8ラインのオフセッ
トを有して配置されている。これにより、原稿台上に置
かれた原稿を主走査、副走査ともに600dpiの解像
度で読み取る場合、R,G,BそれぞれのCCDが同一
時刻で読み取った原稿上の位置は、副走査方向に関して
8ラインずれている。即ち、同一時刻においてR用CC
D21の出力に対応する原稿上の位置は、副走査方向8
ライン前に、G用CCD22が読み取りを行った位置で
あり、また16ライン前にB用CCD23が読み取りを
行った位置に対応している。ここでB用CCD23より
出力されたB読み取り信号は、(2n−1)ラインメモ
リ31に入力される。このとき(2n−1)ラインメモ
リ31、(n−1)ラインメモリ36の遅延量、及び、
乗算器の係数p、r、qは制御部15により以下の様に
設定される。
【0038】(2n−1)ラインメモリ(31):遅延
量:15ライン (n−1)ラインメモリ(39) :遅延量:7ライン p=0,r=0,q=1 以上より、B用CCD23の出力信号は、(2n−1)
ラインメモリ31により15ライン分の遅延が与えら
れ、更に、1ラインメモリ32により、1ライン分の遅
延が与えられることにより、1ラインメモリ32の出力
において、16ライン分の遅延が与えられる。更に、乗
算器33の係数p=0、乗算器34の係数(1−p)=
1が設定されているため、乗算器33の出力信号は
“0”となり、乗算器34の出力信号は、1ラインメモ
リ32の出力信号と等しくなる。また、加算器35は、
乗算器33、34からの出力が入力され、これら2つの
入力を加算した結果をB信号として出力する。このとき
加算器35の出力B信号は、B用CCD23の出力信号
を16ライン分遅延させた信号となる。
【0039】また、G用CCD22の出力信号は、(n
−1)ラインメモリ36により、7ライン分の遅延が与
えられ、更に、1ラインメモリ37により、1ライン分
の遅延が与えられることにより、1ラインメモリ37の
出力においては8ライン分の遅延が与えられる。更に、
乗算器39、41の係数r=0、乗算器40の係数(1
−2r)=1が設定されていることにより、乗算器3
9、40、41の出力信号が入力される加算器42の出
力信号は、1ラインメモリ37の出力信号と等しくな
る。従って、加算器42の出力G信号は、G用CCD2
2の出力信号を8ライン分遅延させた信号となる。ま
た、1ラインメモリ37の出力信号がGm信号として出
力される。
【0040】更に、R用CCD21の出力信号は、乗算
器44、1ラインメモリ43に入力されるが、乗算器4
4の係数q=1、乗算器45の係数(1−q=)0によ
り、加算器46の出力信号Rは、R用CCD21の出力
信号と等しい信号となる。即ち、加算器46の出力信号
Rと加算器35の出力信号Bとは、R用CCD21とB
用CCD23の配置における16ライン分のオフセット
が補正された、原稿上の同一位置に対応する読み取り信
号となる。同様に、加算器42の出力信号Gは、R用C
CD21、G用CCD22の配置における8ライン分の
オフセットが補正された、原稿上の同一位置に対応する
読み取り信号となる。以上のように、図1に示す位相補
正部2からのR,G,B出力信号は、RGB3ラインC
CDの配置におけるオフセット分が補正された原稿上の
同一位置に対する読み取り信号となる。
【0041】このようにして位相補正部2より出力され
たR,G,B信号は、入力マスキング回路3に入力され
る。この入力マスキング回路3では、前述したマトリク
ス演算により色補正を行っている。この入力マスキング
回路3によるマスキング処理の後のRGB信号が色空間
変換部4に入力される。この空間変換部4では、前述し
た変換式に従って、RGB信号からL,Ca,Cb信号に
変換している。また、位相補正部2より出力されたGm
信号は文字検出部14に入力され、ここで入力画像信号
が文字領域を構成する画素か否かの判定が行われる。文
字検出部14では、入力信号における注目画素に関する
エッジの大きさ、また、注目画素の周辺領域のエッジ数
に基づいて文字検出を行い、エッジの大きさが所定値よ
りも大きく、かつ注目画素の周辺領域のエッジ数が所定
値よりも大きい場合には、その注目画素を網点画像領域
と判定し、エッジの大きさが所定値よりも大きく、かつ
注目画素の周辺領域のエッジ数が所定値よりも小さい場
合には、その注目画素を文字、線画領域と判定する。更
に、注目画素のエッジの大きさが所定値よりも小さい場
合には連続階調領域と判断する。そして、この文字検出
部14からは、注目画素が文字、線画領域と判定された
場合はレベル“1”で、文字、線画領域以外と判定され
た場合にはレベル“0”となるMj信号として出力され
る。
【0042】色空間変換部4の出力信号が入力される空
間フィルタ部6は、入力信号の5×5の領域を使用して
空間フィルタ処理を行う。また、この空間フィルタの係
数は、制御部15により、文字、線画領域画素に適用さ
れるものと、文字線画領域以外の画像領域に適用される
ものとが設定されている。これら、空間フィルタ係数の
切り替えは、前述した文字検出部14から出力される信
号Mjにより、入力画素毎に切り替え制御され、図6に
示す周波数特性を示す空間フィルタ処理が行われる。
【0043】図6において、文字、線画領域と検出した
画素に関しては文字用の空間フィルタ特性が、また文
字、線画領域と判定されなかった画素に関しては画像用
の空間フィルタ特性が適用され、文字、線画領域に関し
てはゲインを高くして解像度を重視し、画像用の空間フ
ィルタ特性としては、モワレの発生を抑圧するためゲイ
ンを抑えた特性としている。
【0044】次に、色判定部5では、色空間変換部4か
ら入力されたCa,Cb信号に基づいて、入力信号の色判
定を行う。ここでは色を表す信号Ca,Cbの大きさが信
号の彩度成分を表す性質を利用して、注目画素が無彩色
画素か否かを判定する。
【0045】ここでは、等倍で原稿画像の読み取りを行
う場合には、図7(a)に示す斜線部にCa,Cb信号が
分布する場合には、その注目画素を無彩色信号と判定
し、斜線部以外に分布する場合には有彩色と判定する。
なお、この無彩色か否かを判定する際の斜線領域は、図
7(a)に示した円形に限定されるものではなく、例え
ば図7(b)に示すような矩形領域としてもよい。
【0046】そして色判定部5は、その注目画素が無彩
色と判定した場合にレベル“1”の信号を、無彩色でな
いと判定した場合にはレベル“0”を示す無彩色判定結
果信号Bkを色抑圧部7に出力する。
【0047】色抑圧部7では、文字検出部14、色判定
部5、制御部15からの出力信号に基づいて、入力画像
信号に対する色抑圧の制御が行われる。この色抑圧の制
御方法は、文字検出部14より出力された信号Mjがレ
ベル“0”(文字、線画でない)の場合には、L,C
a,Cb信号ともにスルーで出力する。また、文字検出部
14の出力信号Mjがレベル“1”(文字、線画)で、
かつ色判定部5の出力信号が無彩色を示す信号(Bk=
1)の場合、即ち、無彩色の文字領域に属すると判定さ
れた画素の画像信号は、入力されたCa,Cb信号の値に
関わらずCa=Cb=0として出力する。また、文字検出
部14の出力信号Mjがレベル“1”(文字、線画)
で、かつ色判定部5の出力信号が無彩色を示す信号でな
い場合(Bk=0)には、Ca,Cb信号ともにスルーで
出力する。尚、上記いずれの場合にも、L信号はスルー
で出力されるように制御される。
【0048】この色抑圧部7の出力信号は色空間変換部
8に入力される。この色空間変換部8では、上記(2)
式に従って、L,Ca,Cb信号よりR,G,B信号に変
換する。ここで、Ca=Cb=0の場合には、上記(2)
式に従って変換されたR,G,B信号はR=G=B=L
の関係が成り立つ。よって、色抑圧部7にて、Ca=Cb
=0とされた無彩色の文字、線画領域画素(以降、黒文
字画素とする)は、色空間変換部8により、R=G=B
=Lを示す画素値に変換される。
【0049】この色空間変換部8の出力信号は次にLO
G変換部9に入力され、ここで対数変換により、輝度信
号から濃度信号への変換が行われて、R,G,B信号が
それぞれY,M.C信号に変換される。
【0050】このLOG変換部9の出力信号は出力マス
キング回路10に入力される。ここで、プリンタ部13
にて使用される色材の分光特性、プリンタ部13におけ
る記録特性等を考慮したマスキング処理が行われ、入力
されるY,M,C信号のそれぞれをプリンタ部13にお
いて使用されるイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの
色材に対応したY,M,C,K信号に変換する。また、
この出力マスキン回路10は、そのマスキング係数とし
て2種類の係数を有し、文字検出部14の出力信号Mj
により注目画素が文字、線画領域の画素と判定された画
素(Mj=1の場合)と、文字、線画以外の領域と判定
された画素(Mj=0の場合)のそれぞれに対して個別
のマスキング処理を行うよう制御される。
【0051】即ち、文字、線画領域の画素に対しては1
00%UCRによりマスキング処理が行われ、黒文字画
素は、色抑圧部7にてCa=Cb=0とされていることに
より、色空間変換部8にて、R=G=Bと変換されてお
り、LOG変換部9の出力においてもY=M=Cとな
る。よって、このような信号レベルを有する黒文字画素
に対して100%UCRを行うことにより、黒文字画素
はY=M=C=0となり、黒(K)単色の信号として出
力される。また、文字、線画以外の領域に関しては、
C,M,Yの濃度、比率により黒(K)信号の値が変化
するUCR処理が行われ、色再現性を重視したマスキン
グ処理が行われる。更に、黒文字以外の文字、線画の画
像領域画素に対するマスキング処理においても100%
UCRが適用されるが、プリンタ部13における記録ド
ットの飛び散り防止のため、最大の色数を画像用のマス
キング処理に比較して抑えた1.8色に制限し、文字細
線の再現性を向上させている。また、出力マスキング回
路10から出力される信号(Y/M/C/K)は、制御
部15により制御され、スキャナ部1が原稿をスキャン
する毎に、Y,M,C,Kと切り替えられる面順次信号
となる。そしてスキャナ部1が原稿を4回スキャンする
ことにより、Y,M,C,K4色の色材によるフルカラ
ー画像が後述するプリンタ部13より得られる。
【0052】次に、この出力マスキング回路10より出
力されたY,M,C,K信号は、主走査変倍部11に入
力される。この主走査変倍部11は、主走査方向の画像
信号をディジタル変倍するブロックであり、副走査方向
の読み取り解像度に等しくなるように、主走査方向の読
み取り解像度を制御するように、制御部15により主走
査方向の変倍率が制御される。尚、副走査方向の読み取
り解像度が、主走査方向の読み取り解像度に等しい場合
には、主走査変倍部11の入力画像信号の解像度を変化
させることなく、そのまま出力することになる。
【0053】この主走査変倍部11の出力信号は出力変
換部12に入力され、ここで、プリンタ部13において
階調のリニア特性が得られるよう、プリンタ部13にお
けるドットゲイン等による階調特性のずれに対する補正
が行われる。更に、階調特性の補正が行われた画像信号
を擬似中間処理により2値の画像信号に変換してプリン
タ部13に出力する。このプリンタ部13は、出力変換
部12より出力される2値の面順次Y,M,C,K信号
に応じて、それぞれに対応した色材にてプリント用紙
(記録媒体)に記録を行い、フルカラーのプリント画像
を形成するように制御部15にて制御される。
【0054】次に、原稿画像を拡大、縮小した印刷出力
を得る場合に関して説明する。
【0055】本実施の形態では、原稿画像の拡大・縮小
率(変倍率)として、1%刻みにて25%から400%
まで設定可能に構成されている。但し、この変倍率の範
囲、刻み幅は、これに限定されるものではないことはも
ちろんである。
【0056】図4は、設定された変倍率と、R,G,B
用のCCDラインセンサの間隔、及び、図1における
(2n−1)ラインメモリ31、(n−1)ラインメモ
リ36、及び各乗算器に設定される係数p、r、qの対
応を説明する図である。
【0057】ここで、倍率100%の場合には、前述し
たように、R,G,B用のCCDラインセンサ21〜2
3はそれぞれ8ライン分のオフセットを有していること
により、(2n−1)ラインメモリ(31)の遅延量は
15ライン、(n−1)ラインメモリ(36)の遅延量
は7ライン、それぞれp=0、r=0、q=1と設定さ
れる。
【0058】次に、倍率53%と設定された場合の例を
以下に説明する。
【0059】等倍時におけるスキャナ部1の走査速度を
∨0とすると、倍率56%時の走査速度V56は以下のよ
うになる。
【0060】V56=V0×100/53 ここでは、変倍率53%時の走査速度は、等倍時の走査
速度の「100/53」倍となるため、R,G,B用の
CCDラインセンサのオフセット間隔は等倍時の間隔8
ラインに対して、倍率53%時のCCDラインセンサの
オフセット間隔は(8×53/100=)4.24ライ
ン相当となる。
【0061】次に、倍率53%時における、各CCDラ
インセンサ間の、このオフセット間隔「4.24ライ
ン」の補正方法に関して説明する。
【0062】図4より、変倍率53%時の(2n−1)
ラインメモリ31の遅延量は、制御部15により9ライ
ン分、また、乗算器33の係数pは「0.76」と設定
される。更に(n−1)ラインメモリ36の遅延量は4
ライン、乗算器への係数rは「0.11」、係数qは
「0.24」と設定される。このとき加算器35、4
2、46の出力信号は、それぞれ以下のようになる。
【0063】 加算器35の出力信号(B)=B用CCD23の出力の9ライン遅延信号×(0.7 6)+B用CCD23の出力の10ライン遅延信号×(0.24) …式(3) 加算器42の出力信号(G)=G用CCD22の出力の4ライン遅延信号×(0.1 1)+G用CCD22の出力信号の5ライン遅延信号×(0.78)+G用CCD23の出力 信号の6ライン遅延信号×(0.11) …式(4) 加算器46の出力信号(R)=R用CCD21の出力信号×(0.24)+R用CCD 21の出力信号の1ライン遅延信号×(0.76) …式(5) 上記演算式により、加算器46の出力信号(R)は、1
ライン前の信号とのリニア補間により0.76ライン分
位相の遅れた信号となる。またこの時、加算器42の出
力G信号は、G用CCD22の出力信号に対して、5ラ
イン分の遅延が与えられた信号に係数(1−2r)=
0.78を乗算した値と、1ライン前と1ライン後の信
号に等しい係数r(=0.11)を乗算した値が加算さ
れた結果であるため、読み取り位相としては、G用CC
D22の出力信号に対して5ライン分の遅延が与えられ
た位相となる。
【0064】よってこの場合の加算器46のR出力信号
と、加算器42のG出力信号の位相差は、5−0.76
=4.24ラインとなり、R用CCD21とG用CCD
22のオフセット間隔である4.24ラインが補正され
ることになる。
【0065】同様に、加算器35の出力信号は、B用C
CD23の出力信号に対して9.24ライン分の遅延が
与えられる。よって、加算器42のG出力信号との位相
差は9.24−5=4.24となり、B用CCD21と
G用CCD22のオフセット間隔である4.24ライン
が補正される。
【0066】以上のように、G用CCDラインセンサ2
2の出力信号に対して、4.24ライン先行して原稿画
像を読み取っているB用CCDラインセンサ23の出力
信号、及び4.24ライン遅れて原稿画像を読み取って
いるR用CCDラインセンサ21の出力信号との位相が
補正され、図1に示す位相補正部2からのR,G,B出
力信号は、RGB3ラインCCD21〜23の配置にお
けるオフセット分が補正された、原稿上の同一位置に対
する読み取り信号となる。
【0067】次に、上記(3)〜(5)式で示される演
算処理におけるMTF特性を算出した結果を図5に示
す。
【0068】ここでは乗算器33で使用される係数p
(p=0)と、乗算器45で使用される係数(1−q)
(=0:q=1)とが一致していることより、上記
(3)式及び(5)式のリニア補間演算におけるMTF
特性への影響は、R,B信号で一致している。これは、
図4に示すように、全倍率において成り立つ関係であ
る。従って、全倍率において、R,B信号に対するリニ
ア補間のMTF特性への寄与は等しくなる。従って、B
用CCD23及びR用CCD21より出力されるB信
号、R信号のMTF特性が等しい場合には、位相補正部
2により、読み取り位相の補正が行われた結果の出力信
号においても、R,B信号のMTF特性は等しくなる。
更に、乗算器39、40、41の係数において、係数3
9、41の係数rを等しくし、加算器42の出力に得ら
れる信号のMTF特性が、加算器35、46の出力信号
のMTF特性とおおよそ等しくなるように設定したもの
であり、加算器42の出力信号位相と、1ラインメモリ
37の出力信号位相は一致したものとなっている。
【0069】以上説明したように、設定可能な全倍率に
亙って、位相補正部2にて行われる位相補正処理により
発生するR,G,B信号に対するMTFの変化成分は一
致した特性を示す。従って、空間周波数の高い無彩色画
像の読み取り信号に関しても、R,G,B信号のMTF
特性の差が大きくなることによるR,G,B信号の読み
取りレベルのアンバランスは発生しなくなる。更に、図
2における色判定部5の動作も、変倍率に拘わらず安定
した性能を示すことができる。更に、図6に示した空間
フィルタ部6の特性により、サンプリング周波数の1/
4の周波数で最も大きなゲインが与えられるが、このゲ
インを与えることにより、高周波無彩色部分の色付きが
目立つという現象も発生することはない。
【0070】この位相補正部2の出力信号は、前述した
信号の流れに従って図2の各ブロックの処理をうける。
【0071】主走査変倍部11は、面順次で入力される
Y/M/C/K信号に対する主走査方向の変倍処理を行
う。この主走査変倍部11では、入力される信号の副走
査方向の変倍率53%に等しくなるように、主走査方向
の補間間引き処理を行い、主走査方向に53%縮小され
た信号が出力変換部12に入力され、プリント部13に
より、原稿画像の53%縮小画像がプリントされる。
【0072】また、位相補正部2から文字検出部13へ
の出力信号Gmは、図1に示す1ラインメモリ37の出
力信号であり、G用CCD22の出力信号のMTF特性
を保ったものとなっている。よって、文字検出部13で
行っているエッジ検出等の検出精度に影響を与えること
なく、良好なエッジ検出が可能となっている。
【0073】[他の実施の形態]前述の実施の形態で
は、変倍率53%の場合を例に動作を説明したが、拡大
時を含む他の倍率においても同様に、R,G,B信号の
MTF特性が等しくなるように位相補正が可能であるこ
とは明らかである。
【0074】更に、G用CCD22を中央に配し、この
G用CCD22と、両側に配されたR,B用CCD2
1、23との間に発生する1ライン未満の端数の距離に
対する補正を、B,R信号に対するリニア補間処理にて
行い、G信号の読み取り位相調整後の出力信号を、G用
CCD22の出力信号を整数ライン分だけ遅延させた信
号としているが、R,G,BCCDラインセンサ21〜
23の配列はこれに限定されるものではなく、中心に配
置されるCCDラインセンサに対して等しい距離に配置
された2つのCCDラインセンサを使用するものであれ
ば同様の効果が得られる。
【0075】更に、3つのCCDラインセンサのMTF
特性と、中心に配置したCCDラインセンサのMTF特
性と、両端に配置されるCCDセンサのMTF特性に相
違がある場合には、その中心に配置されたCCDセンサ
より出力された信号に対するMTF補正係数(図1中の
係数r)を、予め前記相違分を含めて補正する設定とし
てもよい。
【0076】なお本発明は、複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0077】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても達成され
る。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコ
ード自体が前述した実施形態の機能を実現することにな
り、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明
を構成することになる。また、コンピュータが読み出し
たプログラムコードを実行することにより、前述した実
施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラム
コードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働している
オペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部
または全部を行い、その処理によって前述した実施形態
の機能が実現される場合も含まれる。
【0078】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0079】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、R,G,B、3ラインCCDより読み出された信号
の位相補正に、各CCDから出力された信号に対するリ
ニア補間を用いるものにおいて、リニア補間によるMT
F特性への影響を2色間で等しくし、他の1色は、前記
2色に対して行われた、リニア補間によるMTF特性へ
の影響と略等しい補正処理を行うことによって、R,
G,B、3色間のMTF特性の変化を略等しくすること
が可能となり、変倍率にかかわらず、空間周波数の比較
的高い、無彩色画像等に対するR,G,B読み取り信号
のバランスを良好に保つことが可能となった。更に、空
間周波数の比較的高い、有彩色画像等に関しても、原稿
色の忠実な色再現が可能となり、出力画像の品位を向上
させることが可能となった。
【0080】更に、画像の変倍時に生じるR,G,B信
号のMTF特性の差分がなくなったことにより、全変倍
率に亙って、空間周波数の高い画像領域に対しても、安
定した色判定が可能となり、高周波の黒細線、黒文字領
域画像を安定して無彩色画素と判定することが可能とな
った。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、R
GB3つのラインセンサを使用して読み取った画像信号
におけるR,G,B信号のMTF特性のアンバランスを
発生させることなくR,G,B信号の位相補正を行って
画像を形成できる。
【0082】また本発明によれば、変倍率に応じてMT
F特性を調整し、無彩色の線画における色付きの発生を
防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー複写機の信号
位相補正部の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態に係るカラー複写機の構成を示す
ブロック図である。
【図3】本実施の形態のRGBCCDラインセンサの配
置例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係る変倍率とラインメモリの遅
延量及び補間係数(乗算器への係数)の対応を説明する
図である。
【図5】本実施の形態に係る縮小率53%時のR,G,
B信号のMTF特性を示すグラフ図である。
【図6】本実施の形態に係る空間フィルタ特性を示す図
である。
【図7】本実施の形態に係る無彩色判定領域を説明する
図である。
【図8】従来のR,G,B読取り信号の位相補正部の構
成を示すブロック図である。
【図9】従来の位相補正方式における縮小率53%時の
R,G,B信号のMTF特性を示すグラフ図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 5C072 AA01 BA09 BA19 EA05 FA07 QA16 QA20 TA05 UA12 UA18 UA20 XA01 XA04 5C076 AA21 AA22 AA27 AA31 BA05 BA06 BB31 CA10 CB01 5C077 LL03 LL19 MM03 MM15 MP06 MP07 MP08 PP03 PP12 PP20 PP27 PP28 PP31 PP32 PP33 PP36 PP37 PP38 PP43 PP47 PP55 PP65 PP68 PQ04 PQ08 TT02 TT06 5C079 HB01 HB08 HB12 JA03 LA03 LA06 LA15 LA23 LA31 LA37 LB04 MA03 NA03 PA02 PA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに等しいオフセットを持って配置さ
    れたR,G,Bの3本のラインセンサにより原稿画像を
    読み取る原稿読取り手段と、前記原稿読取り手段による
    走査速度を変えることにより走査方向に変倍した画像信
    号を形成する画像変倍手段とを有する画像処理装置であ
    って、 前記画像変倍手段における変倍率に応じて、前記3本の
    ラインセンサにより読み取られた画像信号の各位相が整
    数ライン分となるように位相補正する位相補正手段と、 前記位相補正手段により位相補正された画像信号に対し
    て画像処理を実行する画像処理手段と、 前記画像処理手段により処理された画像信号に基づいて
    画像を形成する画像形成手段と、を有することを特徴と
    する画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記位相補正手段は、前記3本のライン
    センサからの画像信号をライン単位で遅延する遅延手段
    と、前記遅延手段により遅延された画像信号に対して前
    記変倍率に応じた係数を乗算する乗算手段と、前記乗算
    手段の出力信号を加算する加算手段を有することを特徴
    とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記画像処理手段は、 前記原稿読取り手段からの画像信号を基に線画像かどう
    かを判定する判定手段と、 前記原稿読取り手段からの画像信号が有彩色か無彩色か
    を判定する色判定手段と、 前記判定手段により線画像と判定され、かつ前記色判定
    手段により無彩色と判定されると前記位相補正された画
    像信号の色差或は色相成分を全て0にする色抑圧手段
    と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の
    画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記ラインは前記3本のラインセンサの
    それぞれの長手方向の長さに相当する画像信号を含み、
    前記オフセットは前記長手方向に直交する方向のライン
    数に相当することを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
  5. 【請求項5】 互いに等しいオフセットを持って配置さ
    れたR,G,Bの3本のラインセンサにより原稿画像を
    読み取る原稿読取り手段と、前記原稿読取り手段による
    走査速度を変えることにより走査方向に変倍した画像信
    号を形成する画像変倍手段とを有する画像処理装置にお
    ける画像処理方法であって、 前記画像変倍手段における変倍率に応じて、前記3本の
    ラインセンサにより読み取られた画像信号の各位相が整
    数ライン分となるように位相補正する位相補正工程と、 前記位相補正工程で位相補正された画像信号に対して画
    像処理を実行する画像処理工程と、 前記画像処理工程で処理された画像信号に基づいて画像
    を形成する画像形成工程と、を有することを特徴とする
    画像処理方法。
  6. 【請求項6】 前記位相補正工程では、 前記3本のラインセンサからの画像信号をライン単位で
    遅延する遅延工程と、 前記遅延工程で遅延された画像信号に対して前記変倍率
    に応じた係数を乗算する乗算工程と、 前記乗算工程の乗算結果を加算する加算工程とを有する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理方法。
  7. 【請求項7】 前記画像処理工程では、 前記原稿読取り手段からの画像信号を基に線画像かどう
    かを判定する判定工程と、 前記原稿読取り手段からの画像信号が有彩色か無彩色か
    を判定する色判定工程と、 前記判定工程線画像と判定され、かつ前記色判定工程で
    無彩色と判定されると前記位相補正された画像信号の色
    差或は色相成分を全て0にする色抑圧工程と、を有する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の画像処理方
    法。
  8. 【請求項8】 前記ラインは前記3本のラインセンサの
    それぞれの長手方向の長さに相当する画像信号を含み、
    前記オフセットは前記長手方向に直交する方向のライン
    数に相当することを特徴とする請求項5に記載の画像処
    理方法。
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