JP2001016132A - 移動体識別装置 - Google Patents

移動体識別装置

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JP2001016132A
JP2001016132A JP18128199A JP18128199A JP2001016132A JP 2001016132 A JP2001016132 A JP 2001016132A JP 18128199 A JP18128199 A JP 18128199A JP 18128199 A JP18128199 A JP 18128199A JP 2001016132 A JP2001016132 A JP 2001016132A
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新吉 池田
Kenichi Maeda
憲一 前田
Taku Fujita
卓 藤田
Shinichiro Ueno
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非接触の移動体識別装置においては、複数枚
のタグを短時間に読み取る複数枚同時読み取り技術が必
要とされていた。 【解決手段】 本発明は、移動体識別装置における高効
率な複数枚読み取り技術を開示するものである。本発明
はタイムスロット方式を用いており、簡単なプロトコル
を適用することにより、タグを簡単な回路構成により実
現することができる。タグはトリガ信号にてタイミング
同期をとり、ランダムに選択したスロットにおいて自情
報を送信する。質問器は読み取り成功した場合に正常受
信確認信号を送信する。本発明では、同一IDを持ったタ
グをも計数することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、質問器が構成する
交信領域内を移動または通過または存在する複数の応答
器が、非接触で質問器から放射される電磁波から応答器
内の回路を動作させる電力を得ると共に、非接触で質問
器と交信する移動体識別技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移動体識別装置では、質問器の交信領域
に存在する複数の応答器を識別する複数枚同時読み取り
技術が不可欠である。これは例えば、スーパーマーケッ
トのレジに質問器を配置した料金集計システムにおいて
特に有効である。店内のすべての商品には商品IDと価
格が記録された非接触タグが貼付されており、商品を買
物カゴに入れてレジの質問器にカゴごと近づけると、瞬
時に支払い金額を集計してくれる。
【0003】移動体識別装置のアクセス方式は、複数枚
同時読み取りに大きな影響を与えるものであり、アロハ
方式、タイムスロット方式、FDMA方式、CDMA方
式等について検討が進められている。ここで、FDMA
方式は応答器数が多くなるほど使用する周波数も増加
し、応答器の回路構成が複雑になり大きな電力消費を伴
うことが欠点である。CDMA方式は応答器数に応じた
数の符号を用意する必要があり、さらに高速拡散による
消費電力の増加が欠点となっている。したがって、現在
の複数枚同時読み取りを実現するアクセス方式には、ア
ロハ方式ないしタイムスロット方式のいずれかが用いら
れている。
【0004】ここで複数枚同時読み取りを実現する移動
体識別装置においては、先の料金集計システムのよう
に、大量の応答器を短時間のうちに識別しなくてはなら
ない場合が多く想定される。このようなトラフィックの
大きな通信環境においては、時間的区切りのないアロハ
方式よりも、タイムスロット方式が有利であることが既
にわかっている。次式は各方式のトラフィックに対する
スループットを表す式である。
【0005】アロハ方式:S=Gexp(−2G) タイムスロット方式:S=Gexp(−G) スロット方式のスループットはトラフィックが1のとき
にアロハ方式の2倍となり、総じてタイムスロット方式
の効率がよいことがわかる。
【0006】特開平5−266267号公報では、アロ
ハ方式による複数枚読み取り技術を開示しており、質問
器からの呼出信号に対して応答器は乱時間経過後に応答
信号を送信するものであるが、サイズの大きな応答信号
を送信する場合には、送信途中で他の応答信号と衝突す
る可能性が高くなる。
【0007】また特開平8−181633号公報におい
ては、タイムスロット方式に類似した方式として時間的
な分割を利用した複数枚読み取り技術を開示している。
図20は特開平8−181633における交信手順を示
す概念図である。図20に示すごとく応答器が質問器か
らの質問信号に同期して応答信号である固有ID信号を送
信するまでの待ち時間をランダムに選択する。選択でき
る時間間隔は固定されており、送信途中における他から
の送信信号と衝突する確率を極力少なくすることができ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】さらに特開平8−18
1633号公報では、質問器が応答信号を一定時間受信
した後に、受信された応答器のIDコードを含ませた受
信確認信号を個別に送信する。すなわち応答器は応答信
号を送信してから一定時間後に受信確認信号を受信する
ことになり、時刻管理に対する負担が大きなものとな
る。
【0009】また受信確認信号を受信した際に、それが
自分宛てであるかをIDコードを比較することによって
判定する必要があり、一回の読み取り操作における動作
時間が長くなり、電力消費が大きくなると考えられる。
【0010】また一般に、複雑かつ多種類のコマンドを
質問器が発行する複数枚読み取り方式が多く存在し、そ
れらのコマンドを応答器が解釈するためには複雑な回路
構成が必要となり、さらにその動作に見合った電力が消
費される。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明ではスロット方式を用いることでチャネル利
用効率を高め、また多種類のコマンドは使わずに簡単な
プロトコルを適用することにより応答器の回路構成の簡
単化と消費電力の削減を図る。
【0012】さらに応答器からの応答信号を受信した質
問器は、受信確認信号を直ちに送信することにより応答
器の時刻管理に対する負担を軽減することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、質問器が構成する交信領域内を移動または通過また
は存在する複数の応答器が非接触で質問器から放射され
る電磁波から応答器内の回路を動作させる電力を得ると
共に非接触で質問器と交信する移動体識別装置におい
て、前記質問器は、常時継続して送信される連続搬送波
の被変調信号として連続搬送波信号を発生する連続搬送
波信号発生手段と、一定時間間隔でトリガ信号を定期的
に発生するトリガ信号発生手段と、前記トリガ信号に同
期したフレームの各スロットにおいて前記応答器からの
応答信号を受信復調して識別し応答器情報を抽出する応
答信号受信手段と、受信した応答信号に対する通信誤り
を検出する誤り検出手段と、前記受信した応答信号に対
して通信誤りが検出されなかった場合に正常受信確認信
号を直ちに発生する受信確認信号発生手段と、前記誤り
検出手段の判定により前記連続搬送波信号発生手段と前
記トリガ信号発生手段と前記受信確認信号発生手段を制
御する信号制御手段と、前記連続搬送波信号発生手段と
前記トリガ信号発生手段と前記受信確認信号発生手段の
出力を変調し送信する送信手段を備え、前記応答器は、
応答器情報を記憶するメモリと、前記質問器からの送信
信号を受信復調する受信手段と、受信復調した信号の種
別を判別する受信信号判別手段と、前記受信復調した信
号が前記トリガ信号であった場合にそれに同期して時刻
管理を行う時刻管理手段と、前記時刻管理手段の出力に
応じて前記メモリに記憶された応答器情報と誤り検出あ
るいは訂正符号を含む応答信号を変調して送信する応答
信号送信手段と、前記受信復調した信号が前記正常受信
確認信号であった場合に一定期間送信を停止するよう時
刻管理手段を制御する応答制御手段と、前記時刻管理手
段ならびに前記応答信号送信手段に接続された乱数発生
手段を備えることを特徴とするものであり、これを図7
を用いて説明すると、質問器が送信するトリガ信号61
Aによって応答器はフレーム同期をとり、それに続くタ
イムスロットをランダムに選択して応答器情報と誤り符
合を含む応答信号を送信する。例えば図7では、トリガ
信号61Aの直後のスロットにおいて応答信号63Aが
送信され、その次のスロットにおいて応答信号63Bが
送信されている。応答信号を受信した質問器は誤り符合
による誤り検出を行い、誤りが検出されなかったとき、
すなわちそのスロット内で他応答器からの応答信号との
衝突がなく、また通信誤りも発生しなかった場合に正常
受信確認信号65A(65B)を応答器に送信する。応
答器は応答信号を送信した直後に正常受信確認信号を受
信した場合、識別が正常に行われたと認識し、以後トリ
ガ信号(例えば61B)を受信しても応答信号の送信を
行わない応答停止状態に一定期間入る。タイムスロット
方式により応答信号の送信途中の衝突を防ぐことがで
き、また識別された応答器を順次識別対象から外してい
くことにより、効率的な複数枚同時読み取りを実現する
ことができる。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記トリガ信号
内容が1と0の繰り返しであることを特徴とするもの
で、交信手続きの簡単化のため応答器は受信したトリガ
信号を用いてクロック再生を行い、スロットタイミング
をとることができる。なおトリガ信号に続いて連続搬送
波(連続1パターン)が送信されるので、トリガ信号の
終端は応答器において判別可能である。
【0015】請求項3に記載の発明は、前記正常受信確
認信号内容がすべて0であることを特徴とするもので、
質問器はトリガ信号あるいは受信確認信号の送信時以外
は常時連続搬送波を送信しており、これは応答器での復
調が簡単なASKで考えると連続して信号内容1を受信
復調していることに他ならない。また応答器の回路構成
を簡単にするために、受信確認信号は単純であることが
望ましく、複雑なビットパターンは避けるべきと考え
る。すなわち正常受信確認信号を最も単純なビットパタ
ーンで表現する場合に、1が連続するパターンと0が連
続するパターンの2通りが考えられる。ここで1が連続
するパターンは応答器においては連続搬送波と区別がつ
かないため、好ましくない。したがって正常受信確認信
号として連続して0を送信することにより、確実に正常
受信確認信号を判別することができるものである。
【0016】請求項4に記載の発明は、前記受信確認信
号発生手段が、受信した応答信号に対して通信誤りが検
出されなかった場合に正常受信確認信号を直ちに発生し
て変調送信し、さらに通信誤りが検出された場合に受信
失敗確認信号を直ちに発生して変調送信することを特徴
とするもので、応答器は受信確認信号の判定を確実に行
うことができる。すなわち正常受信確認信号を受信した
場合にのみ正常に識別されたと認識し、受信失敗確認信
号を受信した場合にのみ衝突が発生したことにより識別
が失敗したと認識する。
【0017】請求項5に記載の発明は、前記正常受信確
認信号内容がすべて0であり、前記受信失敗確認信号内
容がすべて1であることを特徴とするもので、正常受信
確認信号として連続した0パターンを送信することによ
って確実に信号判別をおこなうことができるのは先の通
りであるが、さらに受信失敗確認信号として連続した1
パターンを適用することにより、質問器は特定の受信失
敗確認信号を送信する必要がなくなり、質問器の処理負
荷を軽減することができる。つまり連続した1というビ
ットパターンは連続搬送波に等しく、質問器は常時これ
を送信しているので、応答信号の正常受信時のみ特定信
号パターン(連続0パターン)を送信するだけで、後は
連続搬送波の送信を行っていれば、自動的に受信失敗確
認信号を送ったことになるものである。
【0018】請求項6に記載の発明は、前記正常受信確
認信号内容がすべて1であり、前記受信失敗確認信号内
容がすべて0であることを特徴とするもので、質問器が
応答信号の受信に失敗したことを応答器に確実に通知す
るため、受信失敗確認信号内容を連続搬送波とは異なる
ビットパターンにするものである。
【0019】請求項7に記載の発明は、前記応答器情報
を前記乱数発生手段の出力に応じたオフセットをもって
応答信号に含ませることを特徴とするもので、応答器情
報がIDコードである場合に、同じIDを持った応答器
が同一スロットに対して応答信号を送信することを考え
ると、応答信号の先頭ビットからIDコードを記述した
場合に、同一の応答信号が送られることになり、質問器
側ではこれらが重なって一つの信号として受信されてし
まい誤識別の原因となる。
【0020】これを避けるために応答器では、乱数発生
手段によって発生した乱数に基づいて応答信号先頭ビッ
トからのオフセットを決め、そのオフセット箇所から応
答器情報を記述することにより、同一IDでも異なる応
答信号を生成することができ、質問器側で誤り検出処理
を行うだけで同一IDの場合の衝突検出を可能とする。
したがって同一IDの識別を可能とする。
【0021】請求項8に記載の発明は、前記質問器は、
交信領域内にあるすべての応答器の送信停止を解除する
ために前記トリガ信号の代わりに励起信号を送信する励
起信号発生手段を備え、前記応答器は、前記励起信号を
受信すると送信停止を解除するよう前記時刻管理手段を
制御することを特徴とするもので、識別を完了した応答
器は一定期間の応答停止状態に入るが、この期間を長く
設定しておき、必要に応じて質問器からの励起信号によ
って応答を再開させることにより、柔軟な制御が可能と
なる。
【0022】請求項9に記載の発明は、交信領域内を移
動または通過または存在する前記応答器の数に応じてフ
レームあたりのスロット数を(数2)により求め、設定
することを特徴とするもので、交信領域内の応答器数が
あらかじめわかっている場合に、最短時間での読み取り
が可能となる。
【0023】請求項10に記載の発明は、無線伝送路特
性に合わせて前記フレームあたりのスロット数を調整す
ることを特徴とするもので、例えば誤りの多い無線伝送
路においては請求項9において求めたフレームあたりの
スロット数よりも多いスロット数を設定することによ
り、伝送路誤りにより再送を促された応答器によるスロ
ット消費の影響を削減することができる。
【0024】請求項11に記載の発明は、質問器が前記
トリガ信号に続けてあるいは前記トリガ信号の一部とし
てフレームあたりのスロット数情報を前記応答器に送信
し、前記応答器は受信した前記スロット数情報をもとに
前記応答信号を送信するスロットの選択幅を設定するこ
とを特徴とするもので、質問器においてフレームあたり
のスロット数を最適化した結果をトリガ信号とほぼ同時
の期間に応答器に送信することにより、応答器はフレー
ムの開始時点において、そのフレームに割り当てられた
スロット数を知ることができ、またそこで通知されたス
ロット数は、質問器において最適化された値であること
から、その値の範囲において応答器は応答信号を送信す
るスロットを選択することにより、最も効率よく複数枚
読み取りを達成することができる。
【0025】請求項12に記載の発明は、交信領域内を
移動または通過または存在する応答器の数を質問器と接
続されたカメラ等を用いて計数し、フレームあたりのス
ロット数を算出することを特徴とするもので、質問器に
交信領域内に存在する応答器を計数する手段を併設し、
その計数結果よりフレームあたりのスロット数を最適値
に設定することで、より効率的に複数枚読み取りを行う
ことができる。
【0026】請求項13に記載の発明は、前記応答信号
に含まれる前記応答器情報が他と重複しない一意の応答
器IDであり、前記質問器は正常に受信した応答器ID
を用いて、応答器と個別に交信を行うことを特徴とする
もので、比較的サイズが小さいと想定される応答器ID
だけを上記請求項にある方法を用いて読み取り、以後読
み取ったIDを用いて個々の応答器からサイズの大きい
その他の応答器情報を読み取ることにより、短時間での
複数枚読み取りをより確実に行うことができる。
【0027】以下に、本発明の実施の形態として、図1
から図17を用いて説明する。
【0028】(実施の形態1)第一の実施の形態につい
て図1〜3、5、7、8、9を用いて説明する。
【0029】図1は本発明による移動体識別装置の全体
構成を示しており、1は質問器、2は質問器に接続され
たアンテナ、3、5,7、9は応答器、4、6,8、1
0はそれぞれ応答器に接続されたアンテナ、11は質問
器1からすべての応答器に対する無線下り回線、11は
各応答器から質問器1への無線上り回線を表わしてい
る。
【0030】図2は本発明による移動体識別装置におけ
る質問器の第一の構成例を示しており、28はアンテ
ナ、27は送受信の切り替えを行う送受信切替手段でサ
ーキュレータを使用してもよい。25は連続搬送波発生
手段、23はトリガ信号発生手段、22は受信確認信号
発生手段であり、これらの送信手段の切り替えを信号制
御手段20において行う。また、26は応答信号受信手
段、21は受信した応答信号の誤り検出を行う誤り検出
手段であり、誤り検出の結果を受けて送信制御20が次
に送信する信号を制御する。
【0031】図3は本発明による移動体識別装置におけ
る応答器の構成例を示しており、30はアンテナ、31
は送受信の切り替えを行う送受信切替手段でサーキュレ
ータを使用してもよい。32は受信手段、35は受信信
号判別手段、36は受信信号の判別結果を受けて応答信
号の送信制御を行う応答制御手段、37は受信信号の判
別結果を受けて応答信号の送信タイミングを決定する時
刻管理手段、38は応答信号の送信タイミングを決定す
るのに使用する乱数を発生する乱数発生手段、33は時
刻管理手段37の出力を受けて応答器情報と誤り符号を
含む応答信号を送信する応答信号送信手段、34は応答
器情報を記憶するメモリを表わしている。
【0032】図5は本発明による移動体識別装置におけ
る第一の交信手順を示しており、51は質問器側の交信
手順、52は応答器側の交信手順、53と58はトリガ
信号、54−Aはトリガ信号53に対する応答器#1か
らの応答信号、54−Bはトリガ信号53に対する応答
器#2からの応答信号、56はトリガ信号53に対する
応答器#3からの応答信号、57は応答信号56に対す
る正常受信確認信号を表わしている。
【0033】図7は本発明による移動体識別装置におけ
る交信フォーマット例を示しており、70はフレーム期
間、71は第一のスロット期間、72は第二のスロット
期間、61A、Bは質問器によるトリガ信号の送信期
間、62A、Bはそれぞれトリガ信号61A、Bに対す
る応答器におけるトリガ信号受信期間、63A、Bは応
答器による応答信号の送信期間、64A,Bはそれぞれ
応答信号63A、Bに対する質問器における応答信号受
信期間、65A、Bは質問器による受信確認信号の送信
期間、66A、Bはそれぞれ受信確認信号65A、Bに
対する応答器における受信確認信号の受信期間を表わし
ている。
【0034】図8は本発明による移動体識別装置のトリ
ガ信号を説明するための概念図であり、応答器における
受信信号を復調したビットにより図示されているが、質
問器においては同様のビットパターンを変調送信する。
81はトリガ信号直前の受信復調ビット、82は受信復
調したトリガ信号のビットパターン。83はトリガ信号
直後の受信復調ビットを表わしている。
【0035】図9は本発明による移動体識別装置の正常
受信確認信号を説明するための概念図であり、応答器に
おける受信信号を復調したビットにより図示されている
が、質問器においては同様のビットパターンを変調送信
する。84は正常受信確認信号直前の受信復調ビット、
90は受信復調した正常受信確認信号のビットパター
ン、85は正常受信確認信号直後の受信復調ビットを表
わしている。
【0036】本発明による移動体識別装置は図1に示す
構成において、その作用を発揮する。すなわち質問器1
がアンテナ2を介して、下り回線11を通じて複数の応
答器3、5、7、9に信号を送信することができ、応答
器3、5、7、9はそれぞれアンテナ4、6、8、10
を介して、上り回線12を通じて質問器1に信号を送信
することができる。ここで各応答器は小型化に対する要
求より、バックスキャタ等の反射変調方式を利用するこ
とが望ましい。すなわち下り回線11より受信した連続
搬送波を送信情報で変調し送信信号を得て、上り回線1
2に送信する。
【0037】図2、図3、図7を用いて複数枚同時読み
取りのための交信シーケンスについて説明する。交信開
始にあたり質問器はトリガ信号発生手段23によってト
リガ信号61Aを交信領域内のすべての応答器に対して
送受信切替手段27とアンテナ28を介して送信する。
応答器はアンテナ30および送受信切替手段31を経て
受信手段32によってトリガ信号61Aを受信し(62
A)、受信信号判別手段35においてトリガ信号である
ことを判別する。トリガ信号によってフレーム期間70
が規定され、トリガ信号に続けて一つ以上のスロット期
間71、72が連続して配置され、一つの応答器はいず
れか一つのスロット期間に応答信号を送信する。
【0038】受信信号判別手段の出力を受けて時刻管理
手段37は乱数発生手段38より乱数を取得し、それを
もとに応答信号を送信する一つのスロット期間を決定す
る。続いて時刻管理手段37は送信スロットまでの時間
管理を行い、送信時刻に達すると応答信号送信手段33
に制御を移す。例えば図7では、トリガ信号受信62A
後の乱数によるスロット選択の結果、第一のスロット期
間71での送信が決定したため直ちに応答信号送信手段
33に制御が移され、第一のスロット71において応答
信号63Aを送信している。このとき応答信号送信手段
33は、自応答器情報をメモリ34から読み出し、誤り
符号を付加して応答信号63Aを生成し、送受信切替手
段31およびアンテナ30を介して送信する。
【0039】ここで処理時間削減のためメモリ33には
あらかじめ自応答器情報と誤り符号を記憶しておいても
よい。質問器はアンテナ28および送受信切替手段27
を経て応答信号受信手段26により応答信号63Aを受
信すると(64A)、誤り検出手段21において受信応
答信号64Aの誤り検出演算を行う。
【0040】演算の結果、誤りなく信号が受信されてい
ると判定されると、信号制御手段20を介して受信確認
信号発生手段22に契機が与えられ、受信確認信号65
Aとして正常受信確認信号が送受信切替手段27および
アンテナ28を介して送信される。
【0041】応答器はアンテナ30および送受信切替手
段31を介して受信手段32において受信確認信号65
Aを受信すると(66A)、受信信号判別手段35にお
いて正常受信確認信号であることを判別する。この結果
を受けて応答制御手段36は、一定期間送信を停止する
ため時刻管理手段37を停止させる制御を行い、応答器
は一定期間一切の送信を行わなくなる。
【0042】すなわちそれ以降の読み取りシーケンスに
参加する応答器数を削減することが可能であり、これに
よって大幅に読み取り効率を向上させることができる。
【0043】さて、図7では続く第二のスロット期間7
2においても応答信号が送信されており、この場合の応
答器においては、時刻管理手段37が1スロット分の時
間遅延をもって応答信号送信手段33に制御を移すこと
によって、以下同様の操作により一連の交信シーケンス
を達成する。なお、あらかじめ定められた数のスロット
期間を終了すると、質問器はあらためてトリガ信号61
Bを送信し、以下同様の操作により交信シーケンスを展
開する。
【0044】なお質問器は、トリガ信号あるいは受信確
認信号の送信時以外は、連続搬送波発生手段25によっ
て連続搬送波が送信されており、これによって応答器へ
の電力と被変調波の供給が行われる。なおこれら送信信
号の切替制御は、すべて信号制御手段20によって成さ
れるものである。
【0045】以上の交信シーケンスを図5を用いてより
具体的に説明する。図5では、質問器51の送信するト
リガ信号53を受けて、応答器#1と#2がそれぞれ応
答信号54−Aと54−Bを第一スロットにおいて送信
している。これを質問器51が受信して誤り検出演算を
行った結果は、異なる応答器情報が衝突して受信された
ことにより、誤り受信と判定される。
【0046】したがって、正常受信確認信号は送信され
ず、応答器#1と#2は受信確認信号を受信することが
できず、次のトリガ信号受信58まで待機状態に入る。
続く第二スロットにおいて応答器#3が応答信号56を
送信している。これを受信した質問器51は受信応答信
号56に対する誤りが検出されなかったので、正常受信
確認信号57を送信する。応答器#3は受信確認信号と
して正常受信確認信号57を受信できたので、一定期間
送信を行わない送信停止状態に入る。これによって応答
器#3は、次のトリガ信号58を受信しても応答信号の
送信は行わない。
【0047】ここでトリガ信号は応答器が簡単に判別で
きることが重要であり、最も簡単なビット0と1の繰り
返しパターンによるトリガ信号を用いることが好まし
い。図8を用いてトリガ信号について説明する。図8は
Mビットのトリガ信号を表わしており、そのビットパタ
ーン82は「0101...0101」である。トリガ信
号直前の数ビット81は連続搬送波であり、81から8
2へ遷移するビットの立ち下がりを検出することによっ
てトリガ信号を検出できる。ビット立ち下がり検出後、
一定期間(Mビット)ビット「01」の繰り返しを確認
した後、トリガ信号直後の数ビット83は再度連続搬送
波が受信されるので、トリガ信号の終了を判定すること
ができる。なお、トリガ信号がビット「10」の繰り返
しであることにより、同時にクロック再生を行うことも
可能であり、実際トリガ信号前半の数ビットでクロック
再生は完了することがわかっている。
【0048】また図9ではNビットの正常受信確認信号
90について示しており、正常受信確認信号直前の信号
84は連続搬送波であることが好ましい。さらに正常受
信確認信号はビット0がNビット連続していることが好
ましく、応答器は応答信号送信して一定期間後に、ビッ
ト0が少なくともNビット連続した場合に正常受信確認
信号を受信できたと判定できる。あるいは判定のための
Nビット以下の閾値を設けて、受信確認信号期間に閾値
以上ビット0が連続した場合に正常受信確認信号を受信
できたと判定することもできる。
【0049】以上の仕様は質問器が常時連続搬送波を送
信していることによるもので、正常受信確認信号が送信
されない場合は、連続搬送波であるビット1の連続が応
答器において受信される。
【0050】以上のように本実施の形態によれば、ビッ
ト「10」の繰り返しや、ビット0あるいはビット1の
連続など単純な信号パターンを用いることにより、簡単
なプロトコルによる交信シーケンスで、同時に交信領域
に存在する複数の応答器のデータを読み取れる移動体識
別装置を実現することができる。また、これまで応答器
において複雑なコマンドの識別等で消費していた電力を
削減し、同時に回路規模を縮小することが可能となり、
受信波を通じて電力供給を受ける小型且つ無電池型の応
答器を備えた移動体識別装置を実現することができる。
【0051】(実施の形態2)第二の実施の形態につい
て図6、10を用いて説明する。
【0052】図6は本発明による移動体識別装置におけ
る第一の交信手順を示しており、51は質問器側の交信
手順、52は応答器側の交信手順、53と58はトリガ
信号、54−Aはトリガ信号53に対する応答器#1か
らの応答信号、54−Bはトリガ信号53に対する応答
器#2からの応答信号、55は応答信号54−A、Bに
対する受信失敗確認信号、56はトリガ信号53に対す
る応答器#3からの応答信号、57は応答信号56に対
する正常受信確認信号を表わしている。
【0053】図10は本発明による移動体識別装置の受
信確認信号を説明するための概念図であり、応答器にお
ける受信信号を復調したビットにより図示されている
が、質問器においては同様のビットパターンを変調送信
する。84は受信確認信号直前の受信復調ビット、91
は受信復調した第一の受信確認信号のビットパターン、
92は受信復調した第二の受信確認信号のビットパター
ン、85は受信確認信号直後の受信復調ビットを表わし
ている。
【0054】第二の実施の形態における移動体識別装置
の基本的な構成は、第一の実施の形態にて説明したもの
と同じである。
【0055】以上のような構成で、以下その動作を説明
する。
【0056】図6を用いて質問器と応答器の具体的な交
信シーケンスについて説明する。図6では、質問器51
の送信するトリガ信号53を受けて、応答器#1と#2
がそれぞれ応答信号54−Aと54−Bを第一スロット
において送信している。これを質問器51が受信して誤
り検出演算を行った結果は、異なる応答器情報が衝突し
て受信されたことにより誤り受信と判定され、受信確認
信号として受信失敗確認信号55を送信する。応答器#
1と#2はこれを受信して衝突ないし通信エラーの発生
を認識し、次のトリガ信号受信58まで待機状態に入
る。
【0057】続く第二スロットにおいて応答器#3が応
答信号56を送信している。これを受信した質問器51
は受信応答信号56に対する誤りが検出されなかったの
で、正常受信確認信号57を送信する。応答器#3は受
信確認信号として正常受信確認信号57を受信できたの
で、一定期間送信を行わない送信停止状態に入る。これ
によって応答器#3は、次のトリガ信号58を受信して
も応答信号の送信は行わない。
【0058】ここで図10ではNビットの受信確認信号
について示しており、第一の受信確認信号パターンにお
いては、正常受信確認信号パターン92と受信失敗確認
信号パターン91が用いられる。これは第一の実施の形
態において説明した正常受信確認信号と等しいものであ
る。
【0059】また第二の受信確認信号パターンにおいて
は、正常受信確認信号パターン91と受信失敗確認信号
92が用いられる。ここでは、応答器は応答信号送信し
てから一定期間後に少なくともNビット連続してビット
0を受信した場合に受信失敗確認信号であると判断す
る。これにより受信失敗確認信号を確実に受信できる。
【0060】以上のように本実施の形態によれば、受信
確認信号として正常受信、受信失敗の二通りの信号種別
を設け、全く逆の特性を示す信号パターンをそれぞれに
与えることにより、応答器における判別による負担を軽
減することができ、簡単な回路構成の応答器を備える移
動体識別装置を実現することができる。
【0061】(実施の形態3)第三の実施の形態につい
て図11を用いて説明する。
【0062】図11は本発明による移動体識別装置の応
答信号を説明するための概念図であり、質問器における
受信信号の復調ビットにより図示されているが、応答器
においては同様のビットパターンを変調送信する。10
1は応答信号直前の受信復調ビット、102、103は
受信復調したランダムオフセットのビットパターン、1
04は受信復調した応答器情報のビットパターン、10
5は受信復調したパディングのビットパターン、106
は受信復調した誤り符号のビットパターン、107は応
答信号直後の受信復調ビットを表わしている。
【0063】第三の実施の形態における移動体識別装置
の基本的な構成は、第一の実施の形態にて説明したもの
と同じである。
【0064】以上のような構成で、以下その動作を説明
する。
【0065】図11において、応答信号直前の数ビット
101は連続搬送波信号であることが好ましい。また応
答信号直後の信号107は連続搬送波信号であってもよ
いし、そうでなくてもよい。応答器において応答信号送
信手段33が時刻管理手段37によって応答信号の送信
契機を与えられると、乱数発生手段38より取得した乱
数をもとにランダムオフセットのビット数を決定する。
【0066】図11ではランダムオフセットがI+1ビ
ットの場合について示してある。応答信号送信手段33
は、応答信号の先頭Iビットを連続0とし(102)、
I+1ビット目103を1とする。そしてI+2ビット
以降のJビットに応答器情報104を記述し、最後のL
ビットに誤り符号105を記述する。応答器情報104
と誤り符号105の間の無情報領域Kビットにはパディ
ング105を施す。
【0067】ここでランダムオフセットの最大ビット数
は、応答信号サイズにしたがって決定するものであるこ
とに注意しなければならない。
【0068】以上のように本実施の形態によれば、ラン
ダムオフセットを設けて応答信号内への応答器情報の書
き込み位置を変化させることにより、例えば応答器ID
のように同一の応答器情報を送信する場合でも、質問器
側で一つの信号に重なって受信される確率が低くなるた
め高い確率で誤認識を防ぐことができ、同一情報を送信
する複数の応答器が交信領域内に存在する場合でも、応
答器のデータをよみ取れる移動体識別装置を実現するこ
とができる。
【0069】(実施の形態4)第四の実施の形態につい
て図4、12を用いて説明する。
【0070】図4は本発明による移動体識別装置におけ
る質問器の第二の構成例を示しており、28はアンテ
ナ、27は送受信の切り替えを行う送受信切替手段でサ
ーキュレータを使用してもよい。25は連続搬送波発生
手段、24は励起信号発生手段、23はトリガ信号発生
手段、22は受信確認信号発生手段であり、これらの送
信手段の切り替えを信号制御手段20において行う。ま
た、26は応答信号受信手段、21は受信した応答信号
の誤り検出を行う誤り検出手段であり、誤り検出の結果
を受けて送信制御20が次に送信する信号を制御する。
【0071】図12は本発明による移動体識別装置を用
いた第一のシステム例を示しており、112はベルトコ
ンベア、1は質問器、2は質問器に接続されたアンテ
ナ、110はアンテナ2による交信エリアで励起信号が
放射されており、111はアンテナ2による交信エリア
でトリガ信号をはじめとする交信シーケンスが展開され
る。また113、115は荷物、114、116は荷物
に貼付された応答器を表わしている。
【0072】第四の実施の形態における移動体識別装置
の基本的な構成は、第一の実施の形態にて説明したもの
と同じである。
【0073】以上のような構成で、以下その動作を説明
する。
【0074】図4は図2で説明した構成に励起信号発生
手段24を付加しただけのものであり、励起信号発生手
段24は他の送信手段同様、信号制御手段20によって
制御される。励起信号手段24は任意のタイミングでト
リガ信号に代わって励起信号を送信するもので、励起信
号によって送信停止状態にあった応答器は再度質問器と
の交信が可能な状態に戻ることができる。
【0075】図12では励起信号の有効な応用について
示している。図12において交信エリア110と111
は一つの質問器1によって形成されている印象を受ける
が、実際これは複数の異なる質問器によるものであって
もよい。ただし図12において、交信エリア110では
励起信号だけが放射され、交信エリア111でトリガ信
号をはじめとする複数枚同時読み取りのための交信シー
ケンスが展開されていることが重要である。
【0076】すなわち交信エリア110に進入する以前
に送信停止状態に入った応答器114が、交信エリア1
10において励起信号を受信することにより送信停止状
態が解除され、次に交信エリア111に進入した応答器
116はトリガ信号を受信して質問器1との交信シーケ
ンスを開始する。これによりアプリケーションが任意の
時点において送信停止状態を解除することができ、柔軟
な応答器制御が可能となる。
【0077】以上のように本実施の形態によれば、励起
信号を用いることにより、一度送信停止状態に入った応
答器の自動的に停止状態が解除される一定期間を待つこ
となく任意の時点において送信可能状態に復帰させるこ
とが可能である移動体識別装置を実現できる。
【0078】さらに、上記述べたベルトコンベアを用い
たシステムにおいては、交信領域直前に励起信号受信領
域を別途設けることにより、以前の交信において送信停
止状態に入った応答器を順次送信可能状態に復帰させ、
続く交信領域において読み取り動作を開始することがで
き、またこのとき同時に再初期化動作を促すことも可能
であり、柔軟な応答器制御により交信領域内に存在する
複数の応答器からデータを読み取れる移動体識別装置を
実現できる。
【0079】(実施の形態5)第五の実施の形態につい
て図13、14、16〜19、21を用いて説明する。
【0080】図13は本発明による移動体識別装置の最
適スロット数を説明するための第一の図であり、フレー
ムあたりのスロット数に対する読み取り時間を様々なス
ロットサイズについて示している。すなわち、交信領域
内の応答器数が20であるときのフレームあたりのスロ
ット数121に対するすべての応答器の情報を読み終わ
るまでの読み取り時間120を6つの応答信号データサ
イズ(4バイト122、8バイト123、16バイト1
24、32バイト125、64バイト126、128バ
イト127)ごとに示しており、この場合の最適スロッ
ト数が128に示すポイントである。
【0081】図14は本発明による移動体識別装置の最
適スロット数を説明するための第二の図であり、交信領
域内の応答器数に対する最適スロット数を示している。
すなわち交信領域内の応答器数131に対して読み取り
時間が最小となるようなフレームあたりの最適スロット
数130を示しており、その関係は線形関数132によ
って表わされる。
【0082】図21は本発明による移動体識別装置の最
適スロット数の範囲を説明するための図であり、362
は(数2)においてX=0.51、Y=1.7としたと
きの算出スロット数360と、そのときの平均読み取り
時間361を示している。
【0083】
【数2】
【0084】同様に363はX=0.50、Y=2.
0、364はX=0.49、Y=1.3、365はX=
0.55、Y=2.1、366はX=0.55、Y=
1.3、367はX=0.50、Y=2.1としたとき
のそれぞれの数値を示している。
【0085】なお、図21では応答器数が30のときに
スロットあたり8バイトのデータを伝送する場合を例示
している。
【0086】図16は本発明による移動体識別装置にお
ける質問器の第三の構成例を示す概念図であり、304
はカメラ等の外部装置、302は外部装置に接続された
応答器計数手段、301は最適スロット数算出手段、3
03は第二のトリガ信号発生手段を示している。なお、
その他の数字を付与した構成は図1あるいは図4に示し
たものと同じである。
【0087】図17は本発明による移動体識別装置を用
いた第二のシステム例を示す概念図であり、112はベ
ルトコンベア、1は質問器、2は質問器1に接続された
アンテナ、111は質問器1による交信領域、116は
応答器、115は応答器116が貼付された荷物、31
1はカメラ等の撮像装置で質問器1に接続されている。
【0088】図18は本発明による移動体識別装置のス
ロット数情報を説明するための図であり、350はトリ
ガ信号期間、351はスロット数情報期間、354はス
ロット期間、352はトリガ信号のビットパターン、3
53はスロット数情報のビットパターン、355はスロ
ットのビットパターンを示している。
【0089】図19は本発明による移動体識別装置にお
ける応答器の第二の構成例を示す概念図であり、305
はスロット数情報抽出手段を示している。なお、その他
の数字を付与した構成は図3に示したものと同じであ
る。
【0090】第五の実施の形態における移動体識別装置
の基本的な構成は、第一の実施の形態にて説明したもの
と同じである。
【0091】以上のような構成で、以下その動作を説明
する。
【0092】図13よりわかるように、スロット数12
1が少ないときには応答器による輻輳の頻度が大きくな
るため読み取り試行回数が増加して読み取り時間120
が増大する傾向にある。また、逆にスロット数121が
多いときには輻輳は減るものの使用されないスロットに
よる時間消費が大きくなり、結果として読み取り時間1
20が増大する傾向にある。これらの間に読み取り時間
120が最小となるスロット数が存在し、これを最適ス
ロット数128と呼ぶ。
【0093】最適スロット数は交信領域内に存在する応
答器の数、すなわち同時読み取り対象となる応答器数に
応じて決まる。図14では応答器数131に対する最適
スロット数130の関係を示しており、(数2)に示す
線形関数132によって表わすことができる。
【0094】すなわち交信領域内の応答器数が固定であ
る、あるいはあらかじめわかっている場合には、(数
2)より最適スロット数を算出し、その最適スロット数
をもって質問器と応答器間の交信を行わせることによっ
て、最短時間での読み取りを実現することが可能とな
る。
【0095】ここで、XとYの範囲について、図21で
は362と363にXおよびYが(数2)に示した範囲
内であるもの、364〜367にXおよびYが(数2)
に示した範囲外であるものの算出スロット数360と平
均読み取り時間361を例示している。
【0096】XYが(数2)範囲内である362、36
3では読み取り時間がともに820msecとなってい
るのに対して、(数2)範囲外である364〜367で
はいずれも820msecより大きな読み取り時間を必
要としており、図21の例では362、363に示すX
Y値に従って最適スロット数を算出することが効果的で
あることがわかる。
【0097】応答器数が30の場合、Xを0.49〜
0.54、Yを1.4〜2.0の範囲に設定すれば読み
とり時間は820msec以内であった。この範囲に
X、Yを設定すれば良い。
【0098】なお、ここでは応答器数が30であるとき
の数値のみを示したが、(数2)に示したXY範囲は異
なる応答器数の場合についても読み取り時間が小さく抑
えられるものである。
【0099】簡単な回路構成による応答器を実現するた
めには、あらかじめ同時読み取り対象とする応答器数を
固定として、その固定数に対する最適スロット数をあら
かじめ算出しておき、質問器と応答器の双方にそのスロ
ット数を設定しておいてもよい。
【0100】また、無線通信環境においては、外因によ
る信号劣化等による符号誤りが発生するため、(数2)
より算出した最適スロット数をそのまま利用して短時間
の読み取りを達成することは非常に困難である。
【0101】したがって符号誤りの度合いにより、例え
ば信号劣化が多く発生する無線伝送路に対しては、(数
2)から求めた数値より若干多めのものを最適スロット
数として設定し、劣化が少ない良好な伝送路の場合には
(数2)から求めた数値をそのまま最適スロット数とす
る等、いくらかの調整を行うことによって複雑な通信環
境においても柔軟に対応することができる。
【0102】以上のような最適スロット数の計算は、例
えば図16の最適スロット数算出手段301において行
われ、計算されたスロット数情報は第二のトリガ信号発
生手段303に転送され、応答器に送信するトリガ信号
に続くフィールドあるいはトリガ信号の一部に記述され
る。応答器では図19に示す受信信号判別手段35の受
信信号に対する判別結果がトリガ信号であった場合に、
受信信号がスロット数情報抽出手段305に転送され、
トリガ信号に続くフィールドあるいはトリガ信号の一部
として質問器が送信したスロット数情報を抽出し、時刻
管理手段37に転送する。時刻管理手段37では、転送
されたスロット数情報をもとに応答信号を送信するため
のスロット選択幅を設定し、その設定値の範囲でスロッ
ト選択を行う。
【0103】算出した最適スロット数は、質問器自身の
時間監視においても利用される。
【0104】なお、図16では質問器が励起信号発生手
段を備える構成について示したが、必要に応じてこれを
割愛することも可能である。
【0105】図18を例にスロット数情報の交信につい
て説明する。
【0106】図18(i)はトリガ信号に続けてスロッ
ト数情報を記述するフィールドを設けてスロット数を質
問器から応答器に通知する場合を示している。トリガ信
号期間350のトリガ信号ビット352を送った直後に
スロット数情報期間351を設けてスロット数情報ビッ
ト353を変調送信する。スロット数情報ビットをすべ
て変調送信し終わったら、応答器が応答信号を送信する
ためのスロット期間354に入る。ここで、図14よ
り、例えば応答器数131が50のときの最適スロット
数130が約30スロットであることから、スロット数
情報期間351のビット数は6〜7ビット程度が適当で
あると思われる。
【0107】また、図18(ii)はトリガ信号期間3
50中にスロット数情報も変調送信してしまう場合であ
る。すなわちトリガ信号期間350の間にトリガ信号ビ
ット352とスロット数情報ビット353を変調送信
し、その後でスロット期間354に入る。
【0108】トリガ信号期間350中にスロット数情報
を挿入することにより、トリガ信号期間350の範囲内
でトリガ信号ビット352とスロット数情報ビット35
3のビット数を柔軟に調節可能であるが、あらかじめ応
答器にトリガ信号期間350におけるスロット数情報ビ
ット353の開始タイミングを指示しておかなければな
らない。簡単な回路構成の応答器を実現するためには、
あらかじめスロット数情報期間351の開始タイミング
が明らかとなっている図18(i)の方法を用いること
が望ましい。
【0109】以上の構成を用いた移動体識別システムの
一例を、図16と17を用いて説明する。
【0110】図17に示すカメラ等の撮像手段311
は、図16に示す外部装置304と同じものである。撮
像手段311は、質問器1に接続されたアンテナ2がベ
ルトコンベア112上に形成する交信領域111の様子
を撮影し、その映像をもとに応答器計数手段302が交
信領域111に存在する荷物115の個数を計数する。
すべての荷物115には応答器116がそれぞれ貼付さ
れており、交信領域111内においては質問器1と交信
を行うことができる。
【0111】応答器計数手段302による交信領域11
1内の荷物115の計数結果は最適スロット数算出手段
301に転送され、(数2)により応答器数に応じた最
適スロット数を計算して第二のトリガ信号発生手段30
3と信号制御手段20に結果を転送する。このとき、最
適スロット数算出手段301では、それまでの無線伝送
路の状況(伝送路誤り率等)により最適スロット数の調
整を行うことがある。
【0112】最適スロット数の報告を受けて、第二のト
リガ信号発生手段303は、トリガ信号に続くスロット
数情報フィールドにおいて、あるいはトリガ信号に含め
る形で変調送信することにより、最適スロット数を応答
器116に知らしめる。
【0113】応答器116は受信復調信号よりスロット
数情報抽出手段305においてスロット数を抽出し、受
信したトリガ信号に続くスロット数を知る。抽出したス
ロット数は時刻管理手段37に転送され、応答信号を送
信するためのスロット選択時に使用される。
【0114】以降の読み取り交信処理はこれまでに説明
した実施の形態と同じものである。
【0115】以上のようにして、常時あるいは任意のタ
イミングにおいて交信領域111内に存在する荷物11
5の個数を計数し、その都度最適スロット数を算出して
応答器116に知らしめることにより、交信領域111
に複数の応答器が存在する場合にも最短時間ですべての
読み取りを完了する効率的な移動体識別システムを実現
することができる。
【0116】以上のように本実施の形態によれば、交信
領域内の同時読み取りの対象となる応答器の数に応じた
最適なフレームあたりのスロット数を設定し、また応答
器においても最適スロット数に合わせて応答信号送信ス
ロットを選択することにより、最短時間ですべての読み
取りを完了する効率的な移動体識別装置を実現すること
ができる。
【0117】(実施の形態6)第六の実施の形態につい
て図15を用いて説明する。
【0118】図15は本発明による移動体識別装置の第
三の交信手順を示す概念図であり、201は質問器側の
交信手順、202は応答器側の交信手順、203は第一
のトリガ信号、204−Aは応答器#1からの応答信
号、204−Bは応答器#2からの応答信号、204−
Cは応答器#3からの応答信号、205は受信失敗確認
信号、206は正常受信確認信号、207は第二のトリ
ガ信号、208−Aは応答器#2からの応答信号、20
8−Bは応答器#1からの応答信号、209、210は
正常受信確認信号、211は第三のトリガ信号、212
−Aは応答器#1に対する読み出し信号、213−Aは
応答器#1からの応答器情報、212−Bは応答器#2
に対する読み出し信号、213−Bは応答器#2からの
応答器情報、212−Cは応答器#3に対する読み出し
信号、213−Cは応答器#3からの応答器情報を表わ
している。
【0119】第六の実施の形態における移動体識別装置
の基本的な構成は、第一の実施の形態にて説明したもの
と同じである。
【0120】以上のような構成で、以下その動作を説明
する。
【0121】トリガ信号に契機付けられる交信手順はこ
れまでに述べた実施の形態と同様のものであるが、異な
る点は、一連の読み取り手順の後に個別の読み取り手順
を行うところである。
【0122】すなわち図15に示す交信手順に従って説
明すると、質問器は第一のトリガ信号203を交信領域
内に存在するすべての応答器(この場合#1、#2、#
3)にむけて送信する。応答器#1、#2、#3ではト
リガ信号203を受信すると、これまでの実施の形態に
おいて説明した手段により応答信号を送信するスロット
を乱数に基づき決定する。図15においては、応答器#
1と応答器#2が最初のスロットにおいて同時にIDと
誤り符号だけを記述した応答信号204−Aと204−
Bを送信している。質問器側ではこれらの信号は互いに
干渉した信号として受信され、誤り検出によって受信失
敗であると判定される。このとき、図15では質問器が
受信失敗確認信号205を送信しているが、あるいは何
も送信しなくてもよいことは先の実施の形態において説
明した通りである。応答器#1と#2は受信確認信号と
して受信失敗確認信号205が受信された(あるいは正
常受信確認信号が受信されなかった)ので、読み取り失
敗したことを認識し、次のトリガ信号207を待機す
る。
【0123】続くスロットにおいて応答器#3だけが応
答信号204−Cを送信すると、質問器側では誤りが検
出されないので、正常受信確認信号206を送信する。
応答器#3は受信確認信号として正常受信確認信号20
6を受信したので、以降のトリガ信号207、211に
対しては何も応答しない。
【0124】質問器は第一のトリガ信号203を送信し
てから所定のスロット数期間を経過したら第二のトリガ
信号207を送信する。これに対して読み取りの完了し
ていない応答器#1と#2はそれぞれ異なるスロットに
おいてIDと誤り符号だけを記述した応答信号208−
A、208−Bを送信し、質問器はそれぞれに対して正
常受信確認信号209、210を送信する。応答器は#
1は正常受信確認信号209を、また応答器#2は正常
受信確認信号210を受信することによって読み取りが
成功したことを認識し、以降のトリガ信号211に対し
ては何も応答しない。
【0125】質問器は続く第三のトリガ信号211を送
信するが交信領域内のすべての応答器#1、#2、#3
のIDを応答信号として読み取ったので、応答信号を送
信する応答器はない。ここで質問器は、応答信号がない
ことから交信領域内のすべての応答器に対するID読み
取りが完了したことを認識して、次の手順に移行しても
よいし、あらかじめトリガ信号の送信回数を指定してお
いて、その所定数だけトリガ信号を送信してから次の手
順に移行してもよい。
【0126】すべての応答器からIDを読み取ったと認
識した質問器は、読み取ったIDを記述した読み取り信
号を送信して、該当する応答器から応答器情報を読み取
る手順に移る。図15では、応答器#1に対する読み取
り信号212−Aを送信し、応答器#1は自IDと比較
し、自分宛の読み取り信号であることを認識し、応答器
情報213−Aを送信する。このとき応答器情報にID
を含めてもよく、より確実な交信を実現することができ
る。また質問器は応答器情報を受信して正常に読み取り
が完了した場合に、ACK信号を返送してもよい。
【0127】同様にして応答器#2に対する読み取り信
号212−Bを送信したときに応答器#2だけが応答器
情報213−Bを送信し、応答器#3に対する読み取り
信号212−Cを送信したときに応答器#3だけが応答
器情報213−Cを送信する。
【0128】最初のトリガ信号に契機付けられる応答器
IDを読み取るための交信手順は、複数の応答器による
輻輳を伴いながらIDを読み取る手順であり、幾度かの
送信試行を繰り返しながらすべての応答器IDを読み取
るものである。このとき一つのスロット期間に送信され
るデータサイズが大きいとき、送信試行回数に応じて読
み取り時間が増大する。
【0129】したがって応答器情報のデータサイズが大
きい場合に、輻輳を伴いながらすべてを読み取るより、
先にIDだけを読み取っておいて、その後に応答器情報
全体を順列に読み取った方が明らかに短い時間内にすべ
ての読み取りを完了できるのは容易に推定されることで
ある。
【0130】例えば32kbpsのデータレートでスロ
ット数が11、交信領域内の応答器数が20である場合
に、4バイトの情報を輻輳を伴いながら読み取る平均時
間はおよそ200ミリ秒であり、同様に128バイトを
読み取る平均時間は2秒である。
【0131】ここで応答器情報が128バイトでそのう
ち4バイトがIDであると仮定すると、先にIDを輻輳
を伴いながら読んでおき、後にそのIDを用いて128
バイトを順次読み出す場合のおおよその所要時間は、2
00+32×20=840ミリ秒であることがわかる。
【0132】すなわち128バイトを輻輳を伴いながら
読み取る場合の約40%の効率で読み取りを達成するこ
とができる。
【0133】以上のように本実施の形態によれば、デー
タサイズの小さい応答器IDを輻輳を伴いながらも短時
間で読み取り、続けて各応答器と個別に交信して応答器
情報を読み取ることにより、応答器情報のデータサイズ
が大きい場合に応答器情報全体を輻輳を伴いながら読み
取る場合に比べて極めて効率のよい移動体識別装置を実
現することができる。
【0134】
【発明の効果】本発明による移動体識別装置では、簡単
なプロトコルを適用することにより応答器の消費電力の
削減を図り、さらに受信確認に応答器IDを使用しない
ことにより同一IDを持った応答器に対する同時読み取
りが可能となり、高効率かつ幅広い分野への応用が可能
な複数枚同時読み取りを実現できる。
【0135】また、比較的小さいサイズである応答器の
IDを先に読み取った後に、読み取ったIDを用いて個
々の応答器と順次交信して応答器情報を読み取ることに
より輻輳期間が短縮され、あらかじめ規定された読み取
り時間を効率的に使うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による移動体識別装置の全体構成例を示
す概念図
【図2】本発明による移動体識別装置における質問器の
第一の構成例を示す概念図
【図3】本発明による移動体識別装置における応答器の
構成例を示す概念図
【図4】本発明による移動体識別装置における質問器の
第二の構成例を示す概念図
【図5】本発明による移動体識別装置における第一の交
信手順を示す概念図
【図6】本発明による移動体識別装置における第二の交
信手順を示す概念図
【図7】本発明による移動体識別装置における交信フォ
ーマット例を示す概念図
【図8】本発明による移動体識別装置のトリガ信号を説
明するための概念図
【図9】本発明による移動体識別装置の正常受信確認信
号を説明するための概念図
【図10】本発明による移動体識別装置の受信確認信号
を説明するための概念図
【図11】本発明による移動体識別装置の応答信号を説
明するための概念図
【図12】本発明による移動体識別装置を用いた第一の
システム例を示す概念図
【図13】本発明による移動体識別装置の最適スロット
数を説明するための第一の図
【図14】本発明による移動体識別装置の最適スロット
数を説明するための第二の図
【図15】本発明による移動体識別装置の第三の交信手
順を示す概念図
【図16】本発明による移動体識別装置における質問器
の第三の構成例を示す概念図
【図17】本発明による移動体識別装置を用いた第二の
システム例を示す概念図
【図18】本発明による移動体識別装置のスロット数情
報を説明するための図
【図19】本発明による移動体識別装置における応答器
の第二の構成例を示す概念図
【図20】従来の移動体識別装置を説明するための概念
【図21】本発明による移動体識別装置の最適スロット
数範囲を説明するための概念図
【符号の説明】
1 質問器 2 質問器アンテナ 3、5、7、9 応答器 4、6、8、10 応答器アンテナ 11 下り無線回線 12 上り無線回線 20 信号制御手段 21 誤り検出手段 22 受信確認信号発生手段 23 トリガ信号発生手段 24 励起信号発生手段 25 連続搬送波信号発生手段 26 応答信号受信手段 27 送受信切替手段 28 質問器アンテナ 29 送信手段 30 応答器アンテナ 31 送受信切替手段 32 受信手段 33 応答信号送信手段 34 メモリ 35 受信信号判別手段 36 応答制御手段 37 時刻管理手段 38 乱数発生手段 51 質問器側手順 52 応答器側手順 53 トリガ信号 54A、B 応答信号 55 受信失敗確認信号 56 応答信号 57 正常受信確認信号 58 トリガ信号 61A、B トリガ信号送信期間 62A、B トリガ信号受信期間 63A、B 応答信号送信期間 64A、B 応答信号受信期間 65A、B 受信確認信号送信期間 66A、B 受信確認信号受信期間 70 フレーム期間 71、72 スロット期間 81 トリガ信号直前のビット 82 トリガ信号ビット 83 トリガ信号直後のビット 84 受信確認信号直前のビット 85 受信確認信号直後のビット 90 正常受信確認信号ビット 91 第一の受信確認信号ビット 92 第二の受信確認信号ビット 101 応答信号直前のビット 102 ランダムオフセットビット 103 ランダムオフセット終了ビット 104 応答器情報ビット 105 パディングビット 106 誤り符号ビット 106 応答信号直後のビット 110、111 交信エリア 112 ベルトコンベア 113、115 荷物 114、116 応答器 120 スロット数 121 読み取り時間 122 4バイト時の関係曲線 123 8バイト時の関係曲線 124 16バイト時の関係曲線 125 32バイト時の関係曲線 126 64バイト時の関係曲線 127 128バイト時の関係曲線 128 最適スロット数 130 応答器数 131 最適スロット数 132 関係直線 201 質問器側手順 202 応答器側手順 203、207、211 トリガ信号 204A、B、C 応答信号 205 受信失敗確認信号 206、209、210 正常受信確認信号 208A、B 応答信号 212A、B、C 読み出し信号 213A、B、C 応答器情報 301 最適スロット数算出手段 302 応答器計数手段 303 第二のトリガ信号発生手段 304 外部装置 305 スロット数情報抽出手段 311 撮像手段 350 トリガ信号期間 351 スロット数情報期間 352 トリガ信号ビットパターン 353 スロット数情報ビットパターン 354 スロット期間 355 スロットビットパターン 360 算出スロット数 361 平均読み取り時間
フロントページの続き (72)発明者 藤田 卓 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内 (72)発明者 植野 進一郎 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質問器が構成する交信領域内を移動また
    は通過または存在する複数の応答器が非接触で質問器か
    ら放射される電磁波から応答器内の回路を動作させる電
    力を得ると共に非接触で質問器と交信する移動体識別装
    置において、 前記質問器は、常時継続して送信される連続搬送波の被
    変調信号として連続搬送波信号を発生する連続搬送波信
    号発生手段と、一定時間間隔でトリガ信号を定期的に発
    生するトリガ信号発生手段と、前記トリガ信号に同期し
    たフレームの各スロットにおいて前記応答器からの応答
    信号を受信復調して識別し応答器情報を抽出する応答信
    号受信手段と、受信した応答信号に対する通信誤りを検
    出する誤り検出手段と、前記受信した応答信号に対して
    通信誤りが検出されなかった場合に正常受信確認信号を
    直ちに発生する受信確認信号発生手段と、前記誤り検出
    手段の判定により前記連続搬送波信号発生手段と前記ト
    リガ信号発生手段と前記受信確認信号発生手段を制御す
    る信号制御手段と、前記連続搬送波信号発生手段と前記
    トリガ信号発生手段と前記受信確認信号発生手段の出力
    を変調し送信する送信手段を備え、 前記応答器は、応答器情報を記憶するメモリと、前記質
    問器からの送信信号を受信復調する受信手段と、受信復
    調した信号の種別を判別する受信信号判別手段と、前記
    受信復調した信号が前記トリガ信号であった場合にそれ
    に同期して時刻管理を行う時刻管理手段と、前記時刻管
    理手段の出力に応じて前記メモリに記憶された応答器情
    報と誤り検出あるいは訂正符号を含む応答信号を変調し
    て送信する応答信号送信手段と、前記受信復調した信号
    が前記正常受信確認信号であった場合に一定期間送信を
    停止するよう時刻管理手段を制御する応答制御手段と、
    前記時刻管理手段ならびに前記応答信号送信手段に接続
    された乱数発生手段を備えることを特徴とする移動体識
    別装置。
  2. 【請求項2】 前記トリガ信号内容が1と0の繰り返し
    であることを特徴とする請求項1記載の移動体識別装
    置。
  3. 【請求項3】 前記正常受信確認信号内容がすべて0で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の移動体識
    別装置。
  4. 【請求項4】 前記受信確認信号発生手段が、受信した
    応答信号に対して通信誤りが検出されなかった場合に正
    常受信確認信号を直ちに発生して変調送信し、さらに通
    信誤りが検出された場合に受信失敗確認信号を直ちに発
    生して変調送信することを特徴とする請求項1または2
    記載の移動体識別装置。
  5. 【請求項5】 前記正常受信確認信号内容がすべて0で
    あり、前記受信失敗確認信号内容がすべて1であること
    を特徴とする請求項4記載の移動体識別装置。
  6. 【請求項6】 前記正常受信確認信号内容がすべて1で
    あり、前記受信失敗確認信号内容がすべて0であること
    を特徴とする請求項4記載の移動体識別装置。
  7. 【請求項7】 質問器が構成する交信領域内を移動また
    は通過または存在する複数の応答器が非接触で質問器か
    ら放射される電磁波から応答器内の回路を動作させる電
    力を得ると共に非接触で質問器と交信する移動体識別装
    置において、 前記応答器は乱数発生手段を有し、前記乱数発生手段で
    得られた乱数に基づき、前記質問器に応答信号を送る際
    に、前記応答信号にオフセットを含ませ、質問器は、前
    記応答信号に含まれている前記オフセットを判別する手
    段を有し、前記オフセットを用いて前記応答器の誤識別
    を防止することを特徴とする移動体識別装置。
  8. 【請求項8】 前記質問器は、交信領域内にあるすべて
    の応答器の送信停止を解除するために前記トリガ信号の
    代わりに励起信号を送信する励起信号発生手段を備え、
    前記応答器は前記励起信号を受信すると送信停止を解除
    するよう前記時刻管理手段を制御することを特徴とする
    請求項1から7のいずれかに記載の移動体識別装置。
  9. 【請求項9】 同時に交信領域内を移動または通過また
    は存在する前記応答器の数に応じてフレームあたりのス
    ロット数を(数1)により求め、設定することを特徴と
    する請求項1から8のいずれかに記載の移動体識別装
    置。 【数1】
  10. 【請求項10】 無線伝送路特性に合わせて前記フレー
    ムあたりのスロット数を調整することを特徴とする請求
    項9記載の移動体識別装置。
  11. 【請求項11】 質問器が前記トリガ信号に続けてある
    いは前記トリガ信号の一部としてフレームあたりのスロ
    ット数情報を前記応答器に送信し、前記応答器は受信し
    た前記スロット数情報をもとに前記応答信号を送信する
    スロットの選択幅を設定することを特徴とする請求項9
    から10のいずれかに記載の移動体識別装置。
  12. 【請求項12】 交信領域内を移動または通過または存
    在する応答器の数を質問器に接続されたカメラ等を利用
    した計数装置を用いて計数し、フレームあたりのスロッ
    ト数を算出することを特徴とする、請求項11に記載の
    移動体識別装置。
  13. 【請求項13】 前記応答信号に含まれる前記応答器情
    報が他の応答器のものと重複しない一意の応答器IDで
    あり、前記質問器は正常に受信した応答器IDを用い
    て、応答器と個別に交信を行うことを特徴とする請求項
    1から11のいずれかに記載の移動体識別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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