JP2001015137A - 固体高分子電解質型燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質型燃料電池

Info

Publication number
JP2001015137A
JP2001015137A JP11180807A JP18080799A JP2001015137A JP 2001015137 A JP2001015137 A JP 2001015137A JP 11180807 A JP11180807 A JP 11180807A JP 18080799 A JP18080799 A JP 18080799A JP 2001015137 A JP2001015137 A JP 2001015137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer electrolyte
electrode
solid polymer
absorbing member
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11180807A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Kabumoto
浩揮 株本
Shuichi Suzuki
修一 鈴木
Takahiro Isono
隆博 礒野
Yasuo Miyake
泰夫 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP11180807A priority Critical patent/JP2001015137A/ja
Publication of JP2001015137A publication Critical patent/JP2001015137A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子電解質膜22の両面に燃料極と酸化
剤極23を接合してなるセルユニット21を具えた固体高分
子電解質型燃料電池において、負荷変動に拘わらず、常
にセルユニットを適度に湿潤させることが出来、然も、
構造が大型化することのない燃料電池を提供する。 【解決手段】 本発明に係る固体高分子電解質型燃料電
池においては、固体高分子電解質膜22は、酸化剤極23の
外周縁よりも外側へ突出する突出部を有し、該突出部の
酸化剤極23側の片面に、吸水部材8が接合されている。
吸水部材8は枠状を呈し、酸化剤極23よりも酸化剤ガス
の上流側に位置する上流辺部81と、酸化剤極23よりも酸
化剤ガスの下流側に位置する下流辺部83と、上流辺部と
下流辺部を互いに連結する連結辺部82とを具えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料極と酸化剤極
の間に固体高分子電解質膜を介在させ、燃料極には燃料
ガスを供給すると共に、酸化剤極には酸化剤ガスを供給
して、電力を発生させる固体高分子電解質型燃料電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギー変換効率が高く、然も
発電反応によって有害物質を発生しない燃料電池が注目
されており、かかる燃料電池の1つとして、100℃以
下の低い温度で作動する固体高分子電解質型燃料電池が
知られている。
【0003】図21は、固体高分子電解質型燃料電池の
発電原理を表わしたものであって、イオン導電性の固体
高分子電解質膜(54)の両側に燃料極(55)と酸化剤極(56)
を配置すると共に、更にその両側に燃料室(57)と酸化剤
室(58)を配置して、セル(50)が形成され、燃料極(55)と
酸化剤極(56)は、外部回路(59)を介して互いに接続され
ている。
【0004】燃料極(55)においては、燃料室(57)に供給
された燃料ガスに含まれる水素Hが水素イオンH
電子eに分解され、水素イオンHは、固体高分子電
解質膜(54)の内部を該膜(54)中の水分子と水和した形で
酸化剤極(56)に向かって移動する一方、電子eは外部
回路(59)を酸化剤極(56)に向かって流れる。又、酸化剤
極(56)では、酸化剤室(58)に供給された酸化剤ガスに含
まれる酸素Oが、燃料極(55)から供給された水素イオ
ンH及び電子eと反応して、水HOが生成され
る。この様にして、電池全体として、水素と酸素から水
が生成されると共に、起電力が発生するのである。
【0005】1つのセル(50)の起電力は低いため、複数
のセル(50)を互いに直列に接続して固体高分子電解質型
燃料電池が構成される。例えば図18に示す固体高分子
電解質型燃料電池(5)は、複数の平板型の単位セル(50)
を積層して一体の電池モジュールを構成したものであっ
て、これらの単位セル(50)に、水素ガス等の燃料ガスを
供給すると共に、空気等の酸化剤ガスを供給して、直列
接続された複数の単位セル(50)が発生する電力を外部へ
取り出すことが可能となっている。
【0006】該固体高分子電解質型燃料電池(5)におい
て、各単位セル(50)には、鉛直方向に伸びる複数の燃料
ガス供給溝(図示省略)と、水平方向に伸びる複数本の酸
化剤ガス供給溝(53)とが開設されている。又、一方の端
部に配置された単位セル(50)には、燃料ガス入口孔(51
a)が形成されると共に、他方の端部に配置された単位セ
ル(50)には、燃料ガス出口孔(52a)が形成され、これら
両端部の単位セルを除く他の複数の単位セル(50)にはそ
れぞれ、燃料ガス供給用貫通孔(51)と燃料ガス排出用貫
通孔(52)が開設されている。そして、複数の単位セル(5
0)が互いに重ね合わされることによって、燃料ガス入口
孔(51a)と複数の燃料ガス供給用貫通孔(51)とが互いに
連通して、1本の燃料ガス供給路が形成されると共に、
複数の燃料ガス排出用貫通孔(52)と燃料ガス出口孔(52
a)とが互いに連通して、1本の燃料ガス排出路が形成さ
れる。
【0007】又、固体高分子電解質型燃料電池(5)は、
上記複数の酸化剤ガス供給溝(53)が露出した側面を覆っ
て、これらの酸化剤ガス供給溝(53)へ酸化剤ガスを供給
するための酸化剤ガス供給マニホールド(6)を具えてい
る。酸化剤ガス供給マニホールド(6)は、例えば下方に
向けて開口すると共に前記側面に向けて開口しており、
下方の開口から採り入れられた空気を複数の酸化剤ガス
供給溝(53)へ送り込むようになっている。
【0008】上記固体高分子電解質型燃料電池(5)にお
いて、燃料ガスは、図中に実線の矢印で示す如く燃料ガ
ス入口孔(51a)へ供給され、前記燃料ガス供給路を経
て、各単位セル(50)に形成された複数の燃料ガス供給溝
へ分配され、各燃料ガス供給溝を下向きに流れる過程で
発電反応に供される。一方、酸化剤ガスは、図中に破線
の矢印で示す如く、酸化剤ガス供給マニホールド(6)の
下方の開口から取り入れられ、側方の開口を経て酸化剤
ガス供給溝(53)へ送り込まれ、各酸化剤ガス供給溝(53)
を流れる過程で発電反応に供される。
【0009】図19及び図20は、複数枚の板状部材の
積層体によって構成される単位セル(10)の具体的構造を
表わしている。固体高分子電解質膜(11)の両面に酸化剤
極(12)及び燃料極(13)を配置して、セルユニットを構成
し、酸化剤極(12)の表面を覆って、複数本の酸化剤ガス
供給溝(19)が凹設された酸化剤極側導電性プレート(14)
を配置し、更に酸化剤極側導電性プレート(14)の外側に
導電性のガスセパレータ(16)を配置している。又、燃料
極(13)の表面を覆って、複数本の燃料ガス供給溝(18)が
凹設された燃料極側導電性プレート(17)を配置してい
る。
【0010】上記単位セル(10)においては、酸化剤極側
導電性プレート(14)の酸化剤ガス供給溝(19)に酸化剤ガ
ス(33)が送り込まれると共に、燃料極側導電性プレート
(17)の燃料ガス供給溝(18)へ燃料ガス(31)が送り込まれ
る。これによって、燃料極(13)においては、燃料ガス供
給溝(18)を流れる燃料ガス(31)に含まれる水素が水素イ
オンと電子に分解されて、水素イオンは固体高分子電解
質膜(11)の内部を水和イオンの形で酸化剤極(12)に向か
って移動する。一方、酸化剤極(12)においては、酸化剤
ガス供給溝(19)を流れる酸化剤ガス(33)に含まれる酸素
が、燃料極(13)から供給された水素イオン及び電子と反
応して水が生成される。
【0011】上記の如き固体高分子電解質型燃料電池に
おいては、セルユニットを構成する固体高分子電解質膜
(11)として、陽イオン交換体であるパーフルオロカーボ
ンスルホン酸系高分子膜などが用いられ、この様な電解
質膜が陽イオン電導性を持つためには、電解質膜が充分
に水を含んでいる必要がある。即ち、セルユニットの性
能向上には、電解質膜を湿潤状態に保って陽イオン電導
性を向上させる必要がある。しかし、セルユニット中の
水分が過大になると、電極が水没して、ガスの供給に支
障が生じる虞れがあり、これによってセルユニットの性
能が低下する。従って、セルユニットの性能向上には、
セルユニット内の水分の量を最適化することが重要であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セルユニッ
ト内の水分の量は、酸化剤ガス及び燃料ガスの流量や温
度などの運転条件によって変化するため、水分の量を最
適化するためには、負荷に応じて運転条件を調整する必
要がある。しかしながら、実際の固体高分子電解質型燃
料電池の運用においては、頻繁に負荷が変動するため、
この負荷変動に応じて運転条件を即座に調整することは
極めて困難である。この結果、従来の固体高分子電解質
型燃料電池の運用においては、次のような問題が生じて
いる。
【0013】例えば低負荷にシフトした場合は、生成水
が少なくなって、電解質膜は乾燥するため、電解質膜の
陽イオン電導性が低下し、単位セルの性能は低下する。
逆に、高負荷にシフトした場合は、生成水が多くなっ
て、単位セルは過剰に湿潤される。その結果、電極が水
没してガス拡散が阻害され、単位セルの性能が低下す
る。
【0014】又、セルユニット内には、ガスの流れ方向
に沿って、生成される水分量に勾配が生じ、ガス入口付
近では水分がガス中にさかんに蒸発して水分量が少なく
なる傾向がある。これに対し、ガス出口付近ではガスの
流れに沿って水分が蓄積し、水分量が多くなる傾向があ
る。このような水分量の勾配を考慮すると、低負荷時に
は、ガス入口付近のセルユニットは乾燥して、高負荷時
には、セルユニットのガス出口側は過剰に湿潤されて水
没する。上述の如きセルユニット内おける水分量の勾配
と負荷変動により、電解質膜の湿潤状態が変化して、セ
ル性能が低下することになる。
【0015】そこで、冷却水室から水を供給して、セル
ユニット内の水分の分布を均一化する構造が提案されて
いる(特開平7−65845号)。しかし、該構造におい
ては、冷却水室を設ける必要があるため、電池が大型化
し、出力密度が低下する問題がある。
【0016】本発明の目的は、負荷変動に拘わらず、常
にセルユニットの固体高分子電解質膜を適度に湿潤させ
ることが出来、然も、構造が大型化することのない固体
高分子電解質型燃料電池を提供することである。
【0017】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る固体高分子電
解質型燃料電池においては、セルユニット(21)の両側に
導電性プレート(3)(3)が配備されて、導電性プレート
(3)には、燃料極(24)との対向面に、燃料ガス供給路が
形成されると共に、酸化剤極(23)との対向面に、酸化剤
ガス供給路が形成されている。セルユニット(21)の固体
高分子電解質膜(22)には吸水部材(8)が接合され、該吸
水部材(8)は、酸化剤極(23)よりも酸化剤ガスの上流側
に位置する上流辺部(81)と、酸化剤極(23)よりも酸化剤
ガスの下流側に位置する下流辺部(83)と、上流辺部と下
流辺部を互いに連結する連結辺部(82)とを具えている。
【0018】上記本発明の固体高分子電解質型燃料電池
においては、セルユニット(21)の固体高分子電解質膜(2
2)に直接に吸水部材(8)が接合されているので、固体高
分子電解質膜(22)と吸水部材(8)の間で水が容易に移動
することが可能であり、吸水部材(8)が緩衝機能を発揮
して、水分の過剰及び不足を緩和する。即ち、高負荷シ
フト時において、セルユニット中の水分の量が増大した
場合、吸水部材(8)が過剰な水分を吸収するので、セル
ユニットの水没が防止される。これに対し、低負荷シフ
ト時には、生成水の量が減少するが、吸水部材(8)に含
まれている水分がセルユニットを湿潤させるので、セル
ユニットの乾燥が防止される。
【0019】更に、ガスの下流側で生成される多量の水
が、吸水部材(8)の下流辺部(83)によって吸収され、こ
の水が連結辺部(82)を経て上流辺部(81)側へ移動し、上
流辺部(81)側から蒸発して、ガスの上流側における湿潤
の不足を補うので、セルユニット内の水分量の勾配が緩
和され、この結果、負荷変動によるセルユニットの性能
低下が抑制される。
【0020】具体的には、セルユニット(21)の固体高分
子電解質膜(22)は、酸化剤極(23)の外周縁よりも外側へ
突出する突出部を有し、該突出部の酸化剤極(23)側の片
面に、吸水部材(8)が接合されている。該具体的構成に
よれば、セルユニット(21)の固体高分子電解質膜(22)と
吸水部材(8)との間に十分な接触面積を確保することが
出来、これによって、吸水部材(8)と固体高分子電解質
膜(22)の間の水の移動を迅速に行なわしめることが出来
る。
【0021】更に具体的には、吸水部材(8)は、酸化剤
極(23)を包囲する枠状を呈しているおり、吸水部材(8)
の上流辺部(81)は、酸化剤ガスの流れに平行な方向の幅
が酸化剤極(23)の同方向の長さの0.05倍以上に形成
されている。これによって、吸水部材(8)の上流辺部(8
1)における水の蓄積量が増大するので、低負荷時におけ
る電解質膜の乾燥が効果的に防止される。
【0022】又、吸水部材(8)の下流辺部(83)は、酸化
剤ガスの流れに平行な方向の幅が酸化剤極(23)の同方向
の長さの0.05倍以上に形成されている。これによっ
て、吸水部材(8)の下流辺部(83)による水の吸収量が増
大するので、高負荷時における電極の水没が効果的に防
止され、電極のガス拡散性が維持される。
【0023】更に具体的には、吸水部材(8)の下流辺部
(83)は、酸化剤ガスの流れに平行な方向の幅が中央部か
ら両端部へ向けて拡大する形状を有しており、下流辺部
(83)の両端部の幅が中央部の幅の2倍以上に設定されて
いる。これによって、高負荷シフト時の吸水部材ガス出
口側電極両端部における電極の水没は、吸水部材付近の
水の滞留を解消することができる。その結果、電極のガ
ス拡散を維持し、セルユニットの性能を向上することが
できる。この場合、電極の外形を吸水部材(8)の形状に
応じた外形に形成することによって、電極の面積を拡大
することが可能であって、これによってセルユニットの
出力密度を向上させることが出来る。
【0024】尚、吸水部材(8)は、吸水率が140重量
%以上、吸水速度が15mm/min以上の吸水材から
形成することが有効であって、吸水材としては、ナイロ
ン、ポリエステル、レーヨン、綿、ポリエステル/レー
ヨン、ポリエステル/アクリル、レーヨン/ポリクラー
ルの何れかを主成分とする織布、不織布、若しくはフェ
ルトを採用することが出来る。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る固体高分子電解質型燃料電
池によれば、セルユニット内の水分の分布を均一化させ
るための冷却室の如き大がかりな構成を付加することな
く、単にセルユニット(21)と導電性プレート(3)の間に
吸水部材(8)を介在させる簡易な構成によって、負荷変
動によるセルユニットの部分的な乾燥や水没を防止する
ことが出来、セルユニットが均一に湿潤される結果、セ
ルユニットの性能が向上する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面に沿って具体的に説明する。本発明に係る固体
高分子電解質型燃料電池は、図1に示す如く、複数の単
位セル(2)を積層して、該積層体を一対の集電プレート
(7)(7)によって両側から挟持し、更にその両側に締結
板(6)(6)を配置して、両締結板(6)(6)を複数本の締
結ボルト(61)と締結ナット(62)によって締め付けること
により、一体の燃料電池モジュール(1)を構成してい
る。
【0027】各締結板(6)には、上端部に、燃料ガス
(水素ガス)と加湿水を各単位セル(2)へ供給するための
2本の燃料ガス供給管(63)(63)が連結されると共に、下
端部には、各単位セル(2)を通過した未反応ガスを排出
するための2本の未反応ガス排出管(64)(64)が連結され
ている。又、一対の集電プレート(7)(7)には、燃料電
池モジュール(1)の発生電力を外部に取り出すための一
対の電極端子(71)(71)が突設されている。尚、図1に示
す燃料電池モジュール(1)の背面側には、酸化剤ガスで
ある空気を供給するためのマニホールド(図示省略)が配
備されている。
【0028】各単位セル(2)は、図2に示す如く、セル
ユニット(21)を導電性プレート(3)(3)によって両側か
ら挟持した構造を有しており、両導電性プレート(3)
(3)の間には絶縁シート(25)が介在して、両導電性プレ
ート(3)(3)の間の電気的絶縁とガスシールを施してい
る。又、セルユニット(21)と左側の導電性プレート(3)
との間には、酸化剤極(23)を包囲する枠状の吸水部材
(8)が介在している。
【0029】導電性プレート(3)は、炭素や金属などの
導電性材料から形成され、図2並びに図4〜図7に示す
様に、上端部には、前記燃料ガス供給管(63)(63)に繋が
る左右一対の供給側貫通孔(34)(34)が開設されると共
に、下端部には、前記未反応ガス排出管(64)(64)に繋が
る左右一対の排出側貫通孔(35)(35)が開設されている。
左右一対の供給側貫通孔(34)(34)は、導電性プレート
(3)内を水平に伸びる集合流路(36)を介して互いに連結
され、左右一対の排出側貫通孔(35)(35)は、導電性プレ
ート(3)内を水平に伸びる集合流路(37)を介して互いに
連結されている。
【0030】又、導電性プレート(3)には、セルユニッ
ト(21)の燃料極(24)との対向面に、燃料極(24)が係合す
る凹部(31)が形成されると共に、該凹部(31)の底部に
は、燃料ガス(水素ガス)を垂直方向に流すための複数本
の溝(32)が、互いに平行に凹設されており、各溝(32)の
両端はそれぞれ、導電性プレート(3)内を上下に伸びる
分岐流路(38)(39)に繋がっており、これらの分岐流路(3
8)(39)は、前記集合流路(36)(37)に繋がっている
【0031】一方、セルユニット(21)の酸化剤極(23)と
の対向面には、酸化剤極(23)が係合する凹部(41)が形成
されると共に、該凹部(41)の底部には、酸化剤ガス(空
気)を水平方向に流すための複数本の溝(42)が、互いに
平行に凹設されており、各溝(42)の両端はそれぞれ、導
電性プレート(3)内を左右に伸びる流路(43)(43)に繋が
っており、これらの流路(43)は導電性プレート(3)の両
端面にて開口している。又、セルユニット(21)の酸化剤
極(23)との対向面には、凹部(41)を包囲して、吸水部材
(8)を嵌めるための溝(45)が凹設されている。更に、導
電性プレート(3)の両面には、それぞれ凹部(31)(41)を
包囲して、Oリング(28)を嵌めるための溝(33)(40)が凹
設されている。
【0032】セルユニット(21)は、図3に示す如く、固
体高分子電解質膜(22)の両面に酸化剤極(23)と燃料極(2
4)を配備して構成される。ここで、固体高分子電解質膜
(22)は、酸化剤極(23)及び燃料極(24)よりも大きな外形
寸法に形成されている。
【0033】酸化剤極(23)及び燃料極(24)はそれぞれ、
電極基材上に電極触媒作用を有する触媒層を形成して構
成されている。電極基材は、一般に、カーボンペーパー
等の電導性多孔質材にフッ素樹脂等の撥水性物質を添加
して作製されるものであって、ガス拡散層としての機能
を発揮して、燃料ガスや、酸化剤ガス及び水蒸気の供給
・排出を行なうと同時に、集電の機能をも発揮する。触
媒層は、一般に、白金微粒子を含む触媒とフッ素樹脂等
の撥水性物質とを混合し、これに溶媒を混合して、ペー
スト状或いはインク状とした後、これを固体高分子電解
質膜と対向すべき電極基材の片面に塗布して形成され
る。
【0034】吸水部材(8)は、ナイロン、ポリエステ
ル、レーヨン、綿、ポリエステル/レーヨン、ポリエス
テル/アクリル、レーヨン/ポリクラールのいずれかを
主成分とする織布、不織布、若しくはフェルトを材料と
して形成され、酸化剤極(23)の外形よりも大きな中央開
口を有すると共に、酸化剤極(23)の外周縁から突出する
固体高分子電解質膜(22)の表面に接触することが可能な
枠状を呈しており、酸化剤極(23)よりも酸化剤ガスの上
流側に位置する上流辺部(81)と、酸化剤極(23)よりも酸
化剤ガスの下流側に位置する下流辺部(83)と、上流辺部
と下流辺部を互いに連結する連結辺部(82)(82)とを具え
ている。
【0035】絶縁シート(25)は、フッ素樹脂、ゴム等の
絶縁性材料から形成され、前記導電性プレート(3)と略
同一の外形寸法を有すると共に、セルユニット(21)の固
体高分子電解質膜(22)が嵌まり込む開口部(26)を有して
いる。又、絶縁シート(25)の上端部及び下端部には、前
記導電性プレート(3)の供給側貫通孔(34)(34)及び排出
側貫通孔(35)(35)に合致する4つの貫通孔(27)〜(27)が
開設されている。
【0036】集電プレート(7)は、炭素、金属などの導
電性材料から形成され、図8に示す如く、上端部及び下
端部には、前記導電性プレート(3)の供給側貫通孔(34)
(34)及び排出側貫通孔(35)(35)に合致する4つの貫通孔
(72)〜(72)が開設されている。又、集電プレート(7)の
端面に、前記一対の電極端子(71)(71)が突設されてい
る。
【0037】従って、図2に示す如く、2枚の導電性プ
レート(3)(3)の間に、セルユニット(21)、吸水部材
(8)及び絶縁シート(25)を挟み込むことによって、セル
ユニット(21)の酸化剤極(23)が左側の導電性プレート
(3)の凹部(41)に係合すると共に、セルユニット(21)の
燃料極(24)が右側の導電性プレート(3)の凹部(31)に係
合し、更に、固体高分子電解質膜(22)の周辺部が、Oリ
ング(28)(28)を介して、左右の導電性プレート(3)(3)
の周辺部によって両側から挟持されることになる。又、
セルユニット(21)の固体高分子電解質膜(22)に吸水部材
(8)が密着すると共に、左右の導電性プレート(3)(3)
の接合部に絶縁シート(25)が介在することになる。この
結果、右側の導電性プレート(3)の溝(32)を流れる燃料
ガスと、左側の導電性プレート(3)の溝(42)を流れる酸
化剤ガスとのシールが施されると同時に、左右の導電性
プレート(3)(3)間の電気的絶縁が施される。斯くし
て、セルユニット(21)、絶縁シート(25)及び導電性プレ
ート(3)の組み合わせから、1つの単位セル(2)が構成
される。
【0038】図1の如く複数の単位セル(2)を積層し、
その両側に集電プレート(7)(7)を配置し、更にその両
側に締結板(6)(6)を配置して、両締結板(6)(6)を複
数本の締結ボルト(61)と締結ナット(62)によって締め付
けることにより、一体の燃料電池モジュール(1)を組み
立てる。この様にして組み立てられた燃料電池モジュー
ル(1)においては、複数の燃料電池モジュール(1)の供
給側貫通孔(34)が互いに連結されて、燃料ガス供給管(6
3)(63)と繋がる1本のガス供給路が形成されると共に、
複数の燃料電池モジュール(1)の排出側貫通孔(35)が互
いに連結されて、未反応ガス排出管(64)(64)と繋がる1
本のガス排出路が形成される。
【0039】従って、燃料ガス供給管(63)(63)から燃料
ガス及び加湿水を供給すると、この燃料ガス及び加湿水
は、供給側貫通孔(34)によって形成されるガス供給路を
流れつつ、各単位セル(2)の供給側貫通孔(34)から集合
流路(36)へ流れ込み、更に複数本の分岐流路(38)に分配
されて、各単位セル(2)に形成されている複数本の溝(3
2)へ流れ込み、各単位セル(2)にて電極反応及び加湿に
供されることになる。未反応の燃料ガス及び水は、複数
本の分岐流路(39)を経て集合流路(37)へ流れ込み、更に
排出側貫通孔(35)によって形成されるガス排出路を経
て、未反応ガス排出管(64)(64)から排出されることにな
る。
【0040】上記固体高分子電解質型燃料電池において
は、セルユニット(21)の酸化剤極(23)側から移動してき
た加湿水及び/又は生成水が、先ず、吸水部材(8)の下
流辺部(83)にて吸収され、次に連結辺部(82)(82)を伝わ
って、最終的に上流辺部(81)に達する。そして、上流辺
部(81)に蓄積された水は、上流辺部(81)から蒸発して、
セルユニット(21)の固体高分子電解質膜(22)を湿潤せし
める。この様に、セルユニット(21)のガス出口部分で
は、吸水部材(8)によって加湿水及び/又は生成水が回
収されて、セルユニット(21)の過剰な湿潤状態を抑制す
ると同時に、セルユニット(21)のガス入口部分では、吸
水部材(8)が水を蒸発させて、固体高分子電解質膜(22)
の乾燥を防ぐ。
【0041】上述の如く、本発明に係る固体高分子電解
質型燃料電池によれば、負荷変動を緩衝し、電解質膜を
均一に湿潤させることが出来るので、セルユニットの性
能を向上させることが可能である。又、セルユニット内
部で水を循環させるので、コンパクトな固体高分子電解
質型燃料電池を構成することが出来る。
【0042】
【実施例】第1実施例 上記本発明の燃料電池モジュール(1)の性能を確認する
べく、次の様にして、試験セルを作製した。先ず、固体
高分子電解質膜(22)としてデュポン社製の“Nafio
n112”(厚さ50μm、7cm角)を用意すると共
に、燃料極(24)及び酸化剤極(23)として、スクリーン印
刷法によって触媒層を塗布したカーボンペーパー(5c
m角、電極厚さ200μm)を用意した。ここで触媒層
としては、白金担持カーボンにNafion溶液を20
重量%混合したスラリーを用いた。次に、固体高分子電
解質膜(22)の両面に酸化剤極(23)及び燃料極(24)を配置
し、これらを150℃でホットプレスして、セルユニッ
ト(21)を得た。
【0043】又、吸水部材(8)として、厚さ200μ
m、内形寸法44×55mm、外形寸法60×60mm
の枠状のポリエステル部材を用意し、該吸水部材(8)を
導電性プレート(3)の溝(45)に嵌めた。一対の導電性プ
レート(3)(3)の間に、セルユニット(21)、吸水部材
(8)、及び絶縁シート(25)を挟み込んで、試験セルとし
た。
【0044】尚、試験セルとしては、表1に示すよう
に、吸水速度が76mm/min、吸水率が84〜40
7%である吸水部材(8)を用いた本発明試験セル1〜5
と、吸水率が168%、吸水速度が8〜82mm/mi
nである吸水部材(8)を用いた本発明試験セル6〜10
とを作製した。又、吸水部材(8)を具えない以外は同様
の構造を有する比較例試験セルを作製した。尚、吸水部
材の吸水率は、吸水前の質量に対する吸水後の質量の比
率(%)を表わしている。吸水速度は、幅20mm、長さ
100mmの吸水部材の先端を水中に浸し、30秒間で
水が浸透した長さから算出した。
【0045】
【表1】
【0046】本発明試験セル、比較例試験セルともに、
酸化剤極(23)側に酸化剤ガスとして空気を供給し、燃料
極(24)側に燃料ガスとして水素を供給した。全ての試験
セルとも、500mA/cmにおいて酸化剤ガス利用
率20%、燃料ガス利用率60%でガスを試験セルに供
給した。試験セルの運転温度を燃料極及び酸化剤極でそ
れぞれ80℃、76℃に設定して、発電試験を行なっ
た。
【0047】先ず電流密度500mA/cmにて試験
セルを運転した。試験セル電圧と吸水部材の吸水率、吸
水速度の関係をそれぞれ図13及び図14に示す。この
結果から明らかな様に、本発明試験セル1〜10は何れ
も比較例試験セルよりも電圧が高くなった。これは、本
発明試験セル1〜10では、吸水部材の設置により、均
一な電解質膜の湿潤が実現された結果、電極の反応性が
向上したことによる。この結果から、本発明はセルユニ
ット性能の向上に有効であることが裏付けられる。
【0048】次に電流密度500mA/cmにて試験
セルを運転し、ガス流量等の条件を変えずに電流密度を
300mA/cmに切り換え、試験セルの電圧変化を
調べた。続いて、電流密度を500mA/cmから7
00mA/cmに切り換え、試験セルの電圧変化を調
べた。本発明試験セル3と比較例試験セルについての電
圧変化を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】表2から明らかな様に、電流密度を500
mA/cmから300mA/cm に変化させたとき
の本発明試験セル3の電圧変化量は、比較例試験セルの
電圧変化量よりも大きくなった。これは、本発明試験セ
ル3では、吸水部材によって吸収された生成水が、セル
ユニットの加湿に利用されて、生成水の減少及び電解質
膜の乾燥による試験セルの性能低下が抑制されたためと
考えられる。また電流密度を500mA/cmから7
00mA/cmに変化させたとき、本発明試験セル3
の電圧変化量は比較例試験セルの電圧変化量よりも小さ
くなった。これは、本発明試験セル3では、増加した生
成水が吸水部材によって吸収され、電極水没によるガス
拡散性の低下が抑制されたためと考えられる。
【0051】以上の様に、本発明試験セルでは、吸水部
材の設置によって、負荷変動に対する暖衝作用と電解質
膜の均一な湿潤が実現されて、セルユニットの性能が向
上しており、この結果から、本発明はセルユニット性能
の向上に有効であることが裏付けられる。
【0052】尚、セルユニットの性能を十分に向上させ
るためには、吸水部材は、吸水率が140重量%以上で
あって、吸水速度が15mm/min以上であることが
好ましい。又、本実施例では、電極を5cm角、電解質
膜を7cm角としたセルユニットを示したが、その他の
大きさのセルユニットやその他の形状のセルユニットを
採用することも可能である。
【0053】又、本実施例のセルユニットにおいては、
酸化剤極(23)と燃料極(24)をそれぞれ1枚ずつ電解質膜
に接合しているが、これに限らず、複数枚の酸化剤極(2
3)及び/又は燃料極(24)から構成することも可能であっ
て、それに応じて吸水部材の形状を変えることが出来
る。例えば図9に示す如く、固体高分子電解質膜(22)上
に2枚の酸化剤極(23a)(23b)を併設し、吸水部材(8)
は、これらの酸化剤極(23a)(23b)の周囲及び中間部を伸
びる形状に形成することが可能である。本構成は、特に
電極面積の大きなセルユニットに有効である。
【0054】第2実施例 本実施例では、図10に示す吸水部材(8)の形状におい
て、上流辺部(81)の幅Aと下流辺部(83)の幅Bの最適範
囲について検討した。先ず、固体高分子電解質膜(22)と
してデュポン社製の“Nafion112”(厚さ50
μm、10cm角)を用意すると共に、燃料極(24)及び
酸化剤極(23)として、スクリーン印刷法によって触媒層
を塗布したカーボンペーパー(5cm角、電極厚さ20
0μm)を用意した。ここで触媒層としては、白金担持
カーボンにNafion溶液を20重量%混合したスラ
リーを用いた。次に、固体高分子電解質膜(22)の両面に
酸化剤極(23)及び燃料極(24)を配置し、これらを150
℃でホットプレスして、セルユニット(21)を得た。
【0055】又、吸水率221%、吸水速度76mm/
minのポリエステル部材を用いて、厚さ200μm、
内形寸法55×55mm、連結辺部(82)の幅Cが2.5
mmの吸水部材(8)を用意し、該吸水部材(8)を導電性
プレート(3)の溝(45)に嵌めた。そして、一対の導電性
プレート(3)(3)の間に、セルユニット(21)、吸水部材
(8)、及び絶縁シート(25)を挟み込んで、試験セルとし
た。尚、吸水部材(8)の上流辺部(81)及び下流辺部(83)
の幅A、Bは、表3に示す様に変化させて、試験セル1
〜9を作製した。又、吸水部材(8)を具えないこと以外
は同様の構造を有する比較例試験セルを作製した。
【0056】
【表3】
【0057】試験セルには酸化剤極(23)側に酸化剤ガス
として空気を供給し、燃料極(24)側には燃料ガスとして
水素を供給した。全てのセルとも酸化剤ガス利用率を2
0%、燃料ガス利用率を60%とし、セルユニット外部
からの加湿は行なわず、電流密度500mA/cm
て発電試験を行なった。更に、高負荷シフト並びに低負
荷シフトを想定して、ガス流量等の運転条件を変えず
に、電流密度を500mA/cmから700mA/c
と300mA/cmに変化させた。
【0058】図15は、酸化剤極(23)のガス流れに平行
な辺の長さLに対する吸水部材(8)の下流辺部(83)の幅
Bの比率と、試験セル電圧の変化との関係を表わしたも
のである。図4から、本発明試験セル2〜5では比較例
よりも高い電圧が得られていることが判る。これは、本
発明試験セルでは、吸水部材(8)の下流辺部(83)がスム
ーズに水を吸収するので、電極の水没が回避され、セル
ユニットの性能が向上したためである。従って、吸水部
材(8)の下流辺部(83)の幅は、酸化剤極(23)のガス流れ
に平行な辺の長さLの0.05倍以上であることが好ま
しいと言える。
【0059】図16は、酸化剤極(23)のガス流れに平行
な辺の長さLに対する吸水部材(8)の上流辺部(81)の幅
Aの比率と、試験セル電圧の変化の関係を表わしたもの
である。図6から、本発明試験セル7〜9では、比較例
よりも高い電圧が得られていることが判る。これは、本
発明試験セルでは、吸水部材(8)の上流辺部(81)の幅が
大きいために、吸水部材(8)が十分な量の水を保有し、
セルユニットの乾燥を防止して、セルユニット(21)の性
能が向上したものと考えられる。従って、吸水部材(8)
の上流辺部(81)の幅は、酸化剤極(23)のガス流れに平行
な辺の長さLの0.05倍以上であることが好ましいと
言える。
【0060】以上の結果から、吸水部材(8)の上流辺部
(81)及び/又は下流辺部(83)の幅を大きく形成すること
によって、下流辺部(83)は高負荷シフト時における電極
の水没を解消し、上流辺部(81)は低負荷シフト時におけ
るセルユニットの乾燥を防止するので、セルユニットの
性能向上に有効であることがわかる。但し、セルユニッ
トのコンパクト化及び出力密度の向上を考慮すると、吸
水部材の幅が過大となることは好ましくない。従って、
下流辺部(83)の幅は電極のガス流れに平行な辺の長さの
0.05〜0.5倍、上流辺部(81)の幅は電極のガス流れ
に平行な辺の長さの0.05〜0.5倍であることが望ま
しい。
【0061】第3実施例 次に、吸水部材(8)の下流辺部(83)の形状について検討
した。セルユニットは第2実施例と同様に作製し、吸水
部材(8)はポリエステル製で、厚さを200μm、内形
寸法を55×55mm、連結辺部(82)の幅を2.5m
m、上流辺部(81)の幅を5mmに形成した。又、吸水部
材(8)の下流辺部(83)は、図11に示すように、中央部
から両端部へ向かって幅が拡大する形状とした。具体的
には、下流辺部(83)の中央部の幅B1を2.5mm、両
端部の幅B2を5〜15mmの範囲で変化させて、表4
に示す試験セル10〜14を作製した。また、吸水部材
(8)の下流辺部(83)の幅が2.5mmで一定の比較例試
験セルを作製した。
【0062】
【表4】
【0063】試験セルの運転においては第2実施例と同
様に、酸化剤極(23)側に酸化剤ガスとして空気を供給
し、燃料極(24)側に燃料ガスとして水素を供給した。全
てのセルとも酸化剤ガス利用率を20%、燃料ガス利用
率を60%とし、セルユニット外部からの加湿は行なわ
ず、電流密度500mA/cmにて発電試験を行なっ
た。更に、高負荷シフトを想定して、ガス流量等の運転
条件を変えずに、電流密度を500mA/cmから7
00mA/cmに変化させた。
【0064】図17は、吸水部材(8)の下流辺部(83)の
中央部に幅B1に対する両端部の幅B1に比率と、試験
セル電圧の変化との関係を表わしたものである。図6か
ら明らかな様に、本発明試験セル10〜14においては
比較例試験セルよりも電圧の変化が小さくなっている。
これは、吸水部材(8)の下流辺部(83)が中央部から両端
部へ向かって幅が拡大しているために、吸水部材(8)が
水をスムーズに吸収し、下流辺部(83)の両端部における
水の滞留が防止されて、電極の水没が解消され、この結
果、セルユニットの性能が向上したためである。
【0065】但し、セルユニットのコンパクト化及び出
力密度の向上を考慮すると、吸水部材(8)の下流辺部(8
3)の両端部の幅が過大となることは好ましくない。従っ
て、吸水部材(8)の形状については、下流辺部(83)の両
端部の幅B2が中央部の幅B1の2〜5倍であることが
望ましい。
【0066】更に、セルユニットの出力密度を考慮する
と、図12に示す様に、吸水部材(8)の下流辺部(83)の
形状に応じて、酸化剤極(23)の形状を変更して、電極面
積を拡大することが有効である。
【0067】尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に
限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の
変形が可能である。例えば、吸水部材(8)は、セルユニ
ット(21)の酸化剤極(23)側に限らず、燃料極(24)側に接
合することも有効である。また、吸水部材(8)にガスシ
ール性を与えることも可能であり、この場合、吸水部材
(8)は水を含むことによってガス透過性を失って、ガス
シール性を発揮する。これによって、Oリング(28)を省
略することが可能となり、単位セル(2)の構成が簡易と
なる。
【0068】本実施例では、燃料を水素、酸化剤ガスを
空気として運転する燃料電池を示しているが、これに限
らず、燃料としては、メタノール等の炭化水素系燃料か
ら得られる改質水素を使用することが出来る。また、酸
化剤ガスとしては、酸素を使用することも可能である。
更に本発明は、酸化剤極(23)側のみを加湿する方式の固
体高分子電解質型燃料電池、若しくは燃料極(24)側のみ
を加湿する方式の固体高分子電解質型燃料電池、或いは
酸化剤極(23)側及び燃料極(24)側の何れをも加湿しない
方式の固体高分子電解質型燃料電池に実施することが可
能である。加えて、燃料ガス及び酸化剤ガスの供給方向
は、実施例に記載の方向に限るものではなく、例えば燃
料ガスと酸化剤ガスの供給方向を同一方向としてもよい
し、或いは燃料ガスを水平方向に供給し、酸化剤ガスを
垂直方向に供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体高分子電解質型燃料電池モジ
ュールを示す側面図である。
【図2】単位セルを分解した状態の正面図である。
【図3】セルユニット、吸水部材及び絶縁シートの分解
斜視図である。
【図4】導電性プレートの酸化剤極との対向面を表わす
斜視図である。
【図5】導電性プレートの燃料極との対向面を表わす斜
視図である。
【図6】導電性プレートの酸化剤極との対向面を表わす
正面図である。
【図7】導電性プレートの燃料極との対向面を表わす正
面図である。
【図8】集電プレートの正面図である。
【図9】複数の酸化剤極を配備したセルユニットにおけ
る吸水部材の形状を表わす正面図である。
【図10】第2実施例における吸水部材の形状を表わす
正面図である。
【図11】第3実施例における吸水部材の形状を表わす
正面図である。
【図12】酸化剤極の他の形状を表わす正面図である。
【図13】第1実施例における複数の試験セルの吸水率
と電圧との関係を表わすグラフである。
【図14】第1実施例における他の複数の試験セルの吸
水率と電圧との関係を表わすグラフである。
【図15】第2実施例における吸水部材の下流辺部の幅
と電圧との関係を表わすグラフである。
【図16】第2実施例における吸水部材の上流辺部の幅
と電圧との関係を表わすグラフである。
【図17】第3実施例における吸水部材の下流辺部の両
端部の幅と電圧との関係を表わすグラフである。
【図18】従来の固体高分子電解質型燃料電池モジュー
ルの外観を示す斜視図である。
【図19】該固体高分子電解質型燃料電池モジュールを
構成する単位セルの要部を表わす断面図である。
【図20】該単位セルの分解斜視図である。
【図21】固体高分子電解質型燃料電池の発電原理を説
明する図である。
【符号の説明】
(1) 燃料電池モジュール (2) 単位セル (21) セルユニット (22) 固体高分子電解質膜 (23) 酸化剤極 (24) 燃料極 (3) 導電性プレート (34) 供給側貫通孔 (35) 排出側貫通孔 (63) 燃料ガス供給管 (64) 未反応ガス排出管 (8) 吸水部材 (81) 上流辺部 (82) 連結辺部 (83) 下流辺部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 礒野 隆博 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 (72)発明者 三宅 泰夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内 Fターム(参考) 5H026 AA06 CC03 CC08 CX03 EE18 HH00 HH03 HH05 5H027 AA06

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体高分子電解質膜(22)の両面に、燃料
    極(24)及び酸化剤極(23)からなる一対の電極を接合して
    なるセルユニット(21)を具え、燃料極(24)及び酸化剤極
    (23)にはそれぞれ燃料及び酸化剤となるガスを供給する
    固体高分子電解質型燃料電池において、セルユニット(2
    1)の固体高分子電解質膜(22)には吸水部材(8)が接合さ
    れ、該吸水部材(8)は、セルユニット(21)へ供給される
    前記ガスの入口部の近傍から出口部の近傍へ伸びている
    ことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池。
  2. 【請求項2】 セルユニット(21)の固体高分子電解質膜
    (22)は、酸化剤極(23)の外周縁よりも外側へ突出する突
    出部を有し、該突出部の酸化剤極(23)側の片面に、吸水
    部材(8)が接合されている請求項1に記載の固体高分子
    電解質型燃料電池。
  3. 【請求項3】 セルユニット(21)の両側には、導電性プ
    レート(3)(3)が配備され、導電性プレート(3)には、
    燃料極(24)との対向面に、燃料ガス供給路が形成される
    と共に、酸化剤極(23)との対向面に、酸化剤ガス供給路
    が形成され、吸水部材(8)は、導電性プレート(3)の酸
    化剤極(23)との対向面と、固体高分子電解質膜(22)の前
    記突出部との間に挟持されている請求項2に記載の固体
    高分子電解質型燃料電池。
  4. 【請求項4】 吸水部材(8)は、酸化剤極(23)よりも酸
    化剤ガスの上流側に位置する上流辺部(81)と、酸化剤極
    (23)よりも酸化剤ガスの下流側に位置する下流辺部(83)
    と、上流辺部と下流辺部を互いに連結する連結辺部(82)
    とを具えている請求項2又は請求項3に記載の固体高分
    子電解質型燃料電池。
  5. 【請求項5】 吸水部材(8)は、酸化剤極(23)を包囲す
    る枠状を呈し、上流辺部(81)は、酸化剤ガスの流れに平
    行な方向の幅が酸化剤極(23)の同方向の長さの0.05
    倍以上に形成されている請求項4に記載の固体高分子電
    解質型燃料電池。
  6. 【請求項6】 吸水部材(8)は、酸化剤極(23)を包囲す
    る枠状を呈し、下流辺部(83)は、酸化剤ガスの流れに平
    行な方向の幅が酸化剤極(23)の同方向の長さの0.05
    倍以上に形成されている請求項4に記載の固体高分子電
    解質型燃料電池。
  7. 【請求項7】 吸水部材(8)は、酸化剤極(23)を包囲す
    る枠状を呈し、下流辺部(83)は、酸化剤ガスの流れに平
    行な方向の幅が中央部から両端部へ向けて拡大する形状
    を有し、下流辺部(83)は、前記両端部の幅が中央部の幅
    の2倍以上に形成されている請求項4に記載の固体高分
    子電解質型燃料電池。
  8. 【請求項8】 吸水部材(8)は、吸水率が140重量%
    以上、吸水速度が15mm/min以上の吸水材から形
    成されている請求項1乃至請求項7の何れかに記載の固
    体高分子電解質型燃料電池。
  9. 【請求項9】 吸水材は、ナイロン、ポリエステル、レ
    ーヨン、綿、ポリエステル/レーヨン、ポリエステル/
    アクリル、レーヨン/ポリクラールの何れかを主成分と
    する織布、不織布、若しくはフェルトである請求項1乃
    至請求項8の何れかに記載の固体高分子電解質型燃料電
    池。
JP11180807A 1999-06-25 1999-06-25 固体高分子電解質型燃料電池 Pending JP2001015137A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11180807A JP2001015137A (ja) 1999-06-25 1999-06-25 固体高分子電解質型燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11180807A JP2001015137A (ja) 1999-06-25 1999-06-25 固体高分子電解質型燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001015137A true JP2001015137A (ja) 2001-01-19

Family

ID=16089706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11180807A Pending JP2001015137A (ja) 1999-06-25 1999-06-25 固体高分子電解質型燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001015137A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7316860B2 (en) 2001-03-07 2008-01-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell and production method of the same
JP2008529210A (ja) * 2005-01-20 2008-07-31 ルノー・エス・アー・エス 燃料電池のモジュールの作動の管理方法及び管理装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7316860B2 (en) 2001-03-07 2008-01-08 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Polymer electrolyte fuel cell and production method of the same
JP2008529210A (ja) * 2005-01-20 2008-07-31 ルノー・エス・アー・エス 燃料電池のモジュールの作動の管理方法及び管理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4233208B2 (ja) 燃料電池
WO2004004055A1 (ja) 固体高分子型セルアセンブリ
KR20030026934A (ko) 양자교환막 연료전지의 양극측에서의 물 회수장치 및방법
JP3882735B2 (ja) 燃料電池
JPH08273687A (ja) 燃料電池の供給ガス加湿装置
JP4956870B2 (ja) 燃料電池および燃料電池の製造方法
JP2001110432A (ja) 高分子電解質型燃料電池
JPH09283153A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JPH10284096A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JPH10284095A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JPH11135133A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JP3738956B2 (ja) 燃料電池
JP3354550B2 (ja) 固体高分子型燃料電池および固体高分子型燃料電池スタック
JP2006294603A (ja) 直接型燃料電池
JP3843838B2 (ja) 燃料電池
US7811718B2 (en) Fuel cell
JP2001015137A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JP3736475B2 (ja) 燃料電池
JPH1021944A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池
JP2009043688A (ja) 燃料電池
JPH11111311A (ja) 固体高分子型燃料電池
JP3423241B2 (ja) 燃料電池用セルユニット及び燃料電池
JP2001338656A (ja) 燃料電池
JP3615508B2 (ja) 燃料電池スタック
JP2000251910A (ja) 固体高分子電解質型燃料電池