JP2001013788A - 画像形成装置 - Google Patents
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- JP2001013788A JP2001013788A JP11187241A JP18724199A JP2001013788A JP 2001013788 A JP2001013788 A JP 2001013788A JP 11187241 A JP11187241 A JP 11187241A JP 18724199 A JP18724199 A JP 18724199A JP 2001013788 A JP2001013788 A JP 2001013788A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 接触現像方式を採用する際に、十分なベタ濃
度、ドット再現性、階調性等を確保できるような現像コ
ントラスト、潜像コントラスト等の電位設定がなされた
画像形成装置を提供する。 【解決手段】 一定の正の周速差を保って移動しなが
ら、像担持体1上に形成された静電潜像に対応させてト
ナーを付着させるトナー担持体3と;層厚規制手段23
と;トナー供給兼剥ぎ取り手段22とを有する画像形成
装置において、前記トナー担持体は、少なくとも2層構
成を有する弾性体で、その表面層の膜厚を10〜50μ
mとし、前記露光手段による露光後の前記像担持体の表
面電位をVL(V)、前記トナー担持体の表面電位をV
dev(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷
密度をQ/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部
の膜厚をd(μm)、比誘電率をκとした時、(κ/
d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)
2)/|Q/M|>0.5の条件を満たすことを特徴と
する。
度、ドット再現性、階調性等を確保できるような現像コ
ントラスト、潜像コントラスト等の電位設定がなされた
画像形成装置を提供する。 【解決手段】 一定の正の周速差を保って移動しなが
ら、像担持体1上に形成された静電潜像に対応させてト
ナーを付着させるトナー担持体3と;層厚規制手段23
と;トナー供給兼剥ぎ取り手段22とを有する画像形成
装置において、前記トナー担持体は、少なくとも2層構
成を有する弾性体で、その表面層の膜厚を10〜50μ
mとし、前記露光手段による露光後の前記像担持体の表
面電位をVL(V)、前記トナー担持体の表面電位をV
dev(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷
密度をQ/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部
の膜厚をd(μm)、比誘電率をκとした時、(κ/
d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)
2)/|Q/M|>0.5の条件を満たすことを特徴と
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真技術を用
いた画像形成装置における画像形成手段に関するもので
ある。
いた画像形成装置における画像形成手段に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】以下に電子写真技術を用いた画像形成装
置の概略を説明する。
置の概略を説明する。
【0003】一般に、静電潜像上にトナーを保持する像
担持体は、アルミニウム等の金属の基体上に光導電体を
塗布して感光層を形成したドラムあるいはベルトから成
っている。光導電体としては、OPC(有機光半導
体)、a−Si(アモルファスシリコン)、CdS(硫
化カドミウム)、Se(セレン)等を使用することがで
きる。プリント開始の信号により、像担持体は一定方向
に駆動されるようになっている。そうして、像担持体に
当接した帯電ローラにバイアス(帯電バイアス)を印加
することにより、像担持体表面を、一定の電位までチャ
ージアップする(帯電)。この時の像担持体の表面電位
を「VD電位」と呼ぶ。さらに、コントローラからの信
号に基づいて、ON/OFF制御されたレーザー光を長
手方向に走査しながら、像担持体表面に照射する(露
光)。光照射位置は露光量に応じた分だけ、チャージダ
ウンするため、像担持体表面に静電潜像が形成される。
この露光された部分の表面電位を「VL電位」と呼ぶ。
続いて、像担持体に対して、0.3mm程度のギャップ
でもって対峙させ、像担持体の移動速度の150%程度
の速度で順方向に回転している現像スリーブに一定のバ
イアス(現像バイアス)を印加し、現像装置内で所定の
電荷(負極性)を付与され、現像スリーブに薄層コート
されたトナーを、像担持体上の静電潜像に移すことによ
り、静電潜像を可視化する(現像)。現像バイアスとし
ては、AC成分(場合によってはデューティー比を設け
てもよい)に負のDC成分を重畳させる方式がよい。そ
れにより、現像スリーブの表面電位がVD電位とVL電
位の間の適当な値となるようにする。このような現像方
式は一般に「ジャンピング現像」と呼ばれ、像担持体と
現像スリーブの間隙をトナーが行ったり来たりしなが
ら、像担持体上のVL部に必要なトナー量だけが現像す
るように収束させることができる。
担持体は、アルミニウム等の金属の基体上に光導電体を
塗布して感光層を形成したドラムあるいはベルトから成
っている。光導電体としては、OPC(有機光半導
体)、a−Si(アモルファスシリコン)、CdS(硫
化カドミウム)、Se(セレン)等を使用することがで
きる。プリント開始の信号により、像担持体は一定方向
に駆動されるようになっている。そうして、像担持体に
当接した帯電ローラにバイアス(帯電バイアス)を印加
することにより、像担持体表面を、一定の電位までチャ
ージアップする(帯電)。この時の像担持体の表面電位
を「VD電位」と呼ぶ。さらに、コントローラからの信
号に基づいて、ON/OFF制御されたレーザー光を長
手方向に走査しながら、像担持体表面に照射する(露
光)。光照射位置は露光量に応じた分だけ、チャージダ
ウンするため、像担持体表面に静電潜像が形成される。
この露光された部分の表面電位を「VL電位」と呼ぶ。
続いて、像担持体に対して、0.3mm程度のギャップ
でもって対峙させ、像担持体の移動速度の150%程度
の速度で順方向に回転している現像スリーブに一定のバ
イアス(現像バイアス)を印加し、現像装置内で所定の
電荷(負極性)を付与され、現像スリーブに薄層コート
されたトナーを、像担持体上の静電潜像に移すことによ
り、静電潜像を可視化する(現像)。現像バイアスとし
ては、AC成分(場合によってはデューティー比を設け
てもよい)に負のDC成分を重畳させる方式がよい。そ
れにより、現像スリーブの表面電位がVD電位とVL電
位の間の適当な値となるようにする。このような現像方
式は一般に「ジャンピング現像」と呼ばれ、像担持体と
現像スリーブの間隙をトナーが行ったり来たりしなが
ら、像担持体上のVL部に必要なトナー量だけが現像す
るように収束させることができる。
【0004】現像スリーブの表面電位とVL電位の差を
「現像コントラスト」と言い、現像スリーブから像担持
体へのトナーの供給能力により上限は存在するが、一般
に、現像コントラストが大きいほど、像担持体上に現像
されるトナーの乗り量が多くなる。画像形成において
は、最も見栄えのよい画像が出力されるトナー乗り量と
なるような現像バイアスに設定する。トナー乗り量の最
適値は、装置構成にもよるが、例えば、0.65g/c
m2あたりがもっともよいとされている。この場合、こ
の構成で、非磁性トナーを用いた場合には、トナー帯電
量、像担持体表面の誘電層の電気容量、雰囲気温湿度等
により、多少の変動はあるものの現像コントラストを1
00〜250Vぐらいとすればよい。
「現像コントラスト」と言い、現像スリーブから像担持
体へのトナーの供給能力により上限は存在するが、一般
に、現像コントラストが大きいほど、像担持体上に現像
されるトナーの乗り量が多くなる。画像形成において
は、最も見栄えのよい画像が出力されるトナー乗り量と
なるような現像バイアスに設定する。トナー乗り量の最
適値は、装置構成にもよるが、例えば、0.65g/c
m2あたりがもっともよいとされている。この場合、こ
の構成で、非磁性トナーを用いた場合には、トナー帯電
量、像担持体表面の誘電層の電気容量、雰囲気温湿度等
により、多少の変動はあるものの現像コントラストを1
00〜250Vぐらいとすればよい。
【0005】また、実際には、レーザー露光量あるいは
露光時間を変化させたり、特定面積部におけるレーザー
露光のON/OFF比率(VD部/VL部比率)を変化
させるなどの方法により、ハーフトーンに対応させた静
電潜像を形成するということを行う。画像形成におい
て、階調性を確保するためには、像担持体上に形成され
た静電潜像に対し、それに応じたトナー量を現像するこ
とが重要になる。ジャンピング現像においては、上述の
ように、像担持体と現像スリーブの間隙をトナーが行っ
たり来たりしているという特徴から、像担持体上に必要
なトナーのみを供給し、不必要なトナーを回収できるこ
とになり、階調性を確保する上では、非常に有利な方式
であると言える。
露光時間を変化させたり、特定面積部におけるレーザー
露光のON/OFF比率(VD部/VL部比率)を変化
させるなどの方法により、ハーフトーンに対応させた静
電潜像を形成するということを行う。画像形成におい
て、階調性を確保するためには、像担持体上に形成され
た静電潜像に対し、それに応じたトナー量を現像するこ
とが重要になる。ジャンピング現像においては、上述の
ように、像担持体と現像スリーブの間隙をトナーが行っ
たり来たりしているという特徴から、像担持体上に必要
なトナーのみを供給し、不必要なトナーを回収できるこ
とになり、階調性を確保する上では、非常に有利な方式
であると言える。
【0006】像担持体へのトナーの現像終了後は、像担
持体に担持したトナーをコロナ帯電器、転写ローラ等の
既存の転写手段を用いて、転写材に転写する(転写)。
また、転写後の像担持体上の残余トナーは弾性ブレー
ド、ファーブラシ等の既存のクリーニング手段を用い
て、像担持体より除去する(クリーニング)。一方、転
写材はサーフ方式、熱ローラ方式等の既存の定着装置へ
と搬送され、転写材上にトナーが永久固定される(定
着)。
持体に担持したトナーをコロナ帯電器、転写ローラ等の
既存の転写手段を用いて、転写材に転写する(転写)。
また、転写後の像担持体上の残余トナーは弾性ブレー
ド、ファーブラシ等の既存のクリーニング手段を用い
て、像担持体より除去する(クリーニング)。一方、転
写材はサーフ方式、熱ローラ方式等の既存の定着装置へ
と搬送され、転写材上にトナーが永久固定される(定
着)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにジャンピ
ング現像では、像担持体と現像スリーブの間隙をトナー
が行ったり、来たりしている。この際、その過程におい
て、トナーの一部(とりわけ帯電量が不十分であるトナ
ー)がその間隙の外に飛び出してしまうことがある。こ
れらのトナーを「飛散トナー」と呼ぶ。飛散トナーは機
内各所に付着する。これらは、CRG等の消耗部品の交
換の際のユーザの操作性の悪化を引き起こすことをはじ
めとして、ギアヘの積載によるトルクアップ、回転ムラ
の発生、機内各所に配置された光学センサの光路遮断等
の重大な欠陥に繋がることがある。
ング現像では、像担持体と現像スリーブの間隙をトナー
が行ったり、来たりしている。この際、その過程におい
て、トナーの一部(とりわけ帯電量が不十分であるトナ
ー)がその間隙の外に飛び出してしまうことがある。こ
れらのトナーを「飛散トナー」と呼ぶ。飛散トナーは機
内各所に付着する。これらは、CRG等の消耗部品の交
換の際のユーザの操作性の悪化を引き起こすことをはじ
めとして、ギアヘの積載によるトルクアップ、回転ムラ
の発生、機内各所に配置された光学センサの光路遮断等
の重大な欠陥に繋がることがある。
【0008】従来は、これらの重大な欠陥に繋がる部分
にトナーが飛散しないように、機内に防御壁を設けるな
どして対処していた。これらは、コストアップ、装置の
巨大化に繋がるため、最近では、トナー飛散の少ない接
触現像方式を採用する傾向にある。「接触現像方式」と
は、現像スリーブに替えて、中抵抗の弾性ゴムローラ
(以下、「現像ローラ」と呼ぶ)を像担持体に当接配置
し、像担持体の移動速度の180%程度の速度で順方向
に回転しながら、現像ローラ芯がね部にDCバイアスの
みを印加し、現像を行う方式である。この方式によれ
ば、現像ローラと像担持体の間には、間隙はなく、まし
てやトナーが行ったり来たりすることはないので、飛散
トナーは圧倒的に少なくなる。
にトナーが飛散しないように、機内に防御壁を設けるな
どして対処していた。これらは、コストアップ、装置の
巨大化に繋がるため、最近では、トナー飛散の少ない接
触現像方式を採用する傾向にある。「接触現像方式」と
は、現像スリーブに替えて、中抵抗の弾性ゴムローラ
(以下、「現像ローラ」と呼ぶ)を像担持体に当接配置
し、像担持体の移動速度の180%程度の速度で順方向
に回転しながら、現像ローラ芯がね部にDCバイアスの
みを印加し、現像を行う方式である。この方式によれ
ば、現像ローラと像担持体の間には、間隙はなく、まし
てやトナーが行ったり来たりすることはないので、飛散
トナーは圧倒的に少なくなる。
【0009】しかしながら、接触現像方式では、現像バ
イアスとしては、DCバイアスのみの印加であるので、
ジャンピング現像のような現像の促進効果、余分トナー
の引き戻し効果は生まれない。よって、像担持体上への
トナー乗り量は、トナー帯電量、像担持体表面の誘電層
の電気容量、雰囲気温湿度等の要因で大きく変化してし
まうことになる。言い換えれば、ジャンピング現像で
は、これら諸要因が変動した場合でも、現像バイアスを
微調整すれば、十分正確なトナー乗り量を確保できた
が、接触現像方式では、現像バイアスを大きく変化させ
る必要が生じる。ここでいう「現像バイアスの微調整」
というのは、ユーザによるホスト側あるいはパネル操作
での色味調整や光学センサを用いた既存の自動濃度制御
等のことを言う。
イアスとしては、DCバイアスのみの印加であるので、
ジャンピング現像のような現像の促進効果、余分トナー
の引き戻し効果は生まれない。よって、像担持体上への
トナー乗り量は、トナー帯電量、像担持体表面の誘電層
の電気容量、雰囲気温湿度等の要因で大きく変化してし
まうことになる。言い換えれば、ジャンピング現像で
は、これら諸要因が変動した場合でも、現像バイアスを
微調整すれば、十分正確なトナー乗り量を確保できた
が、接触現像方式では、現像バイアスを大きく変化させ
る必要が生じる。ここでいう「現像バイアスの微調整」
というのは、ユーザによるホスト側あるいはパネル操作
での色味調整や光学センサを用いた既存の自動濃度制御
等のことを言う。
【0010】また、同様に、階調性を確保する上でも、
接触現像方式では、促進効果がないことによるハイライ
ト部分の再現不足、引き戻し効果がないことによるベタ
部でのつぶれ等が発生しやすくなるといえる。これら
は、トナー帯電量、像担持体表面の誘電層の電気容量、
雰囲気温湿度等の他、VD電位とVL電位の差(以下、
「潜像コントラスト」と呼ぶ)の要因でも大きく変化す
る。
接触現像方式では、促進効果がないことによるハイライ
ト部分の再現不足、引き戻し効果がないことによるベタ
部でのつぶれ等が発生しやすくなるといえる。これら
は、トナー帯電量、像担持体表面の誘電層の電気容量、
雰囲気温湿度等の他、VD電位とVL電位の差(以下、
「潜像コントラスト」と呼ぶ)の要因でも大きく変化す
る。
【0011】なお、接触現像方式においては、現像ロー
ラが像担持体に対して当接しながら一定の周速差で回転
しているので、ジャンピング現像に比べて、像担持体表
面の感光層へのダメージが大きくなっているといえる。
像担持体表面の感光層の削れ増大、荒れ防止、さらに
は、高圧リーク防止、トナー融着の抑制のため、現像バ
イアスにACを重畳することはできない。
ラが像担持体に対して当接しながら一定の周速差で回転
しているので、ジャンピング現像に比べて、像担持体表
面の感光層へのダメージが大きくなっているといえる。
像担持体表面の感光層の削れ増大、荒れ防止、さらに
は、高圧リーク防止、トナー融着の抑制のため、現像バ
イアスにACを重畳することはできない。
【0012】本発明の目的は、接触現像方式を採用する
際に、十分なベタ濃度、ドット再現性、階調性等を確保
できるような現像コントラスト、潜像コントラスト等の
電位設定がなされた画像形成装置を提供することであ
る。
際に、十分なベタ濃度、ドット再現性、階調性等を確保
できるような現像コントラスト、潜像コントラスト等の
電位設定がなされた画像形成装置を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、表層が光導電
体を塗布した感光層を有する移動可能に配置された像担
持体と;前記像担持体表面を帯電する帯電手段と;前記
帯電手段により帯電された前記像担持体上に静電潜像を
形成させるための露光手段と;前記像担持体に当接配置
され、前記像担持体の移動速度に対し順方向で、一定の
正の周速差を保って移動しながら、前記像担持体上に形
成された前記静電潜像に対応させてトナーを付着させる
トナー担持体と;トナーの層厚を規制するための層厚規
制手段と;トナー担持体へのトナーの供給及びトナー担
持体からのトナーの剥ぎ取りを行うためのトナー供給兼
剥ぎ取り手段とを有する画像形成装置において、前記ト
ナー担持体は、少なくとも2層構成を有する弾性体で、
その表面層の膜厚を10〜50μmとし、前記露光手段
による露光後の前記像担持体の表面電位をVL(V)、
前記トナー担持体の表面電位をVdev(V)、前記像
担持体に現像されたトナーの電荷密度をQ/M(μC/
g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚をd(μm)、
比誘電率をκとした時、 (κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q
/M)2)/|Q/M|>0.5 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置に関す
る。
体を塗布した感光層を有する移動可能に配置された像担
持体と;前記像担持体表面を帯電する帯電手段と;前記
帯電手段により帯電された前記像担持体上に静電潜像を
形成させるための露光手段と;前記像担持体に当接配置
され、前記像担持体の移動速度に対し順方向で、一定の
正の周速差を保って移動しながら、前記像担持体上に形
成された前記静電潜像に対応させてトナーを付着させる
トナー担持体と;トナーの層厚を規制するための層厚規
制手段と;トナー担持体へのトナーの供給及びトナー担
持体からのトナーの剥ぎ取りを行うためのトナー供給兼
剥ぎ取り手段とを有する画像形成装置において、前記ト
ナー担持体は、少なくとも2層構成を有する弾性体で、
その表面層の膜厚を10〜50μmとし、前記露光手段
による露光後の前記像担持体の表面電位をVL(V)、
前記トナー担持体の表面電位をVdev(V)、前記像
担持体に現像されたトナーの電荷密度をQ/M(μC/
g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚をd(μm)、
比誘電率をκとした時、 (κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q
/M)2)/|Q/M|>0.5 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置に関す
る。
【0014】また、本発明は、表層が光導電体を塗布し
た感光層を有する移動可能に配置された像担持体と;前
記像担持体表面を帯電する帯電手段と;前記帯電手段に
より帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成させる
ための露光手段と;前記像担持体に当接配置され、前記
像担持体の移動速度に対し順方向で、一定の正の周速差
を保って移動しながら、前記像担持体上に形成された前
記静電潜像に対応させてトナーを付着させるトナー担持
体と;トナーの層厚を規制するための層厚規制手段と;
トナー担持体へのトナーの供給及びトナー担持体からの
トナーの剥ぎ取りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取り手
段とを有する画像形成装置において、前記トナー担持体
は、少なくとも2層構成を有する弾性体で、その表面層
の膜厚を10〜50μmとし、前記露光手段による露光
後の前記像担持体の表面電位をVL(V)、前記帯電手
段による帯電後の前記像担持体の表面電位をVd
(V)、前記トナー担持体の表面電位をVdev
(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷密度を
Q/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚
をd(μm)、比誘電率をκとした時、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) とおき、 (|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5
×|Q/M|−8×d>300 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置に関す
る。
た感光層を有する移動可能に配置された像担持体と;前
記像担持体表面を帯電する帯電手段と;前記帯電手段に
より帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成させる
ための露光手段と;前記像担持体に当接配置され、前記
像担持体の移動速度に対し順方向で、一定の正の周速差
を保って移動しながら、前記像担持体上に形成された前
記静電潜像に対応させてトナーを付着させるトナー担持
体と;トナーの層厚を規制するための層厚規制手段と;
トナー担持体へのトナーの供給及びトナー担持体からの
トナーの剥ぎ取りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取り手
段とを有する画像形成装置において、前記トナー担持体
は、少なくとも2層構成を有する弾性体で、その表面層
の膜厚を10〜50μmとし、前記露光手段による露光
後の前記像担持体の表面電位をVL(V)、前記帯電手
段による帯電後の前記像担持体の表面電位をVd
(V)、前記トナー担持体の表面電位をVdev
(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷密度を
Q/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚
をd(μm)、比誘電率をκとした時、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) とおき、 (|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5
×|Q/M|−8×d>300 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置に関す
る。
【0015】さらに、本発明は、表層が光導電体を塗布
した感光層を有する移動可能に配置された像担持体と;
前記像担持体表面を帯電する帯電手段と;前記帯電手段
により帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成させ
るための露光手段と;前記像担持体に当接配置され、前
記像担持体の移動速度に対し順方向で、一定の正の周速
差を保って移動しながら、前記像担持体上に形成された
前記静電潜像に対応させてトナーを付着させるトナー担
持体と;トナーの層厚を規制するための層厚規制手段
と;トナー担持体へのトナーの供給及びトナー担持体か
らのトナーの剥ぎ取りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取
り手段とを有する画像形成装置において、前記トナー担
持体は、少なくとも2層構成を有する弾性体で、その表
面層の膜厚を10〜50μmとし、前記露光手段による
露光後の前記像担持体の表面電位をVL(V)、前記帯
電手段による帯電後の前記像担持体の表面電位をVd
(V)、前記トナー担持体の表面電位をVdev
(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷密度を
Q/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚
をd(μm)、比誘電率をκとおき、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) とした時、 D>0.5 かつ (|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5
×|Q/M|−8×d>300 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置に関す
る。
した感光層を有する移動可能に配置された像担持体と;
前記像担持体表面を帯電する帯電手段と;前記帯電手段
により帯電された前記像担持体上に静電潜像を形成させ
るための露光手段と;前記像担持体に当接配置され、前
記像担持体の移動速度に対し順方向で、一定の正の周速
差を保って移動しながら、前記像担持体上に形成された
前記静電潜像に対応させてトナーを付着させるトナー担
持体と;トナーの層厚を規制するための層厚規制手段
と;トナー担持体へのトナーの供給及びトナー担持体か
らのトナーの剥ぎ取りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取
り手段とを有する画像形成装置において、前記トナー担
持体は、少なくとも2層構成を有する弾性体で、その表
面層の膜厚を10〜50μmとし、前記露光手段による
露光後の前記像担持体の表面電位をVL(V)、前記帯
電手段による帯電後の前記像担持体の表面電位をVd
(V)、前記トナー担持体の表面電位をVdev
(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷密度を
Q/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚
をd(μm)、比誘電率をκとおき、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) とした時、 D>0.5 かつ (|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5
×|Q/M|−8×d>300 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置に関す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わる画像形成装
置を図面に即してさらに詳しく説明する。
置を図面に即してさらに詳しく説明する。
【0017】(第一の実施例)本発明に関わる画像形成
装置の第一の実施例について、図1〜8、10及び20
により説明する。
装置の第一の実施例について、図1〜8、10及び20
により説明する。
【0018】本発明は、白黒LBP、多重転写方式、中
間転写方式、タンデム方式等のカラーLBPいずれにお
いての実用可能である。本実施例以下、本明細書ではす
べての実施例で、タンデム方式を用いたカラーLBPに
ついて記すこととする。
間転写方式、タンデム方式等のカラーLBPいずれにお
いての実用可能である。本実施例以下、本明細書ではす
べての実施例で、タンデム方式を用いたカラーLBPに
ついて記すこととする。
【0019】図1に示したように、画像形成装置中央部
に直径30mmの像担持体である感光ドラム1を4つ等
間隔で配置し、これら4つの感光ドラム1は、すべて同
方向に外周面が94mm/secのスピードで回転して
いる。そして、それぞれの感光ドラム1に対応させて、
帯電ローラ5、露光装置7、現像装置8、クリーニング
ブレード11を配置する。現像装置8内には、図1の向
かって右(転写上流側)からイエロートナー16、マゼ
ンタトナー16、シアントナー16、ブラックトナー1
6が充填されている。以下、本実施例の画像形成工程に
ついて説明する。
に直径30mmの像担持体である感光ドラム1を4つ等
間隔で配置し、これら4つの感光ドラム1は、すべて同
方向に外周面が94mm/secのスピードで回転して
いる。そして、それぞれの感光ドラム1に対応させて、
帯電ローラ5、露光装置7、現像装置8、クリーニング
ブレード11を配置する。現像装置8内には、図1の向
かって右(転写上流側)からイエロートナー16、マゼ
ンタトナー16、シアントナー16、ブラックトナー1
6が充填されている。以下、本実施例の画像形成工程に
ついて説明する。
【0020】感光ドラム1は、アルミシリンダー上に感
光層を塗布した構造をなしている。感光層は、通常は絶
縁体であり、特定の波長の光を照射することにより、導
電体となるという特徴を有する光導電体であれば特に物
質を規定するものではない。主にOPC(有機光半導
体)、a−Si(アモルファスシリコン)、CdS(硫
化カドミウム)、Se(セレン)等がよく用いられる。
図2は、本実施例で採用したOPCにおける層構成図で
ある。アルミシリンダー1a上に電荷発生層1b及び誘
電層である電荷輸送層1cを塗布した構成となってお
り、光照射により電荷発生層1b内に正孔−電子対が生
成し、それらが電荷の流れの担い手となるようになって
いる。電荷発生層1bは膜厚0.2μm程度のフタロシ
ニアン化合物で、電荷輸送層1cはヒドラゾン化合物を
分散したポリカーボネートで構成されており、膜厚は電
荷発生層1bに対して2オーダー程度厚くするのが一般
的である。本実施例における電荷輸送層1cの膜厚につ
いての詳細は後述することとする。また、場合によって
は、感光層に対して過電流が流れ込むのを防止する目的
で、電荷発生層1bとアルミシリンダー1aの間に複数
の導電層を設けることもある。
光層を塗布した構造をなしている。感光層は、通常は絶
縁体であり、特定の波長の光を照射することにより、導
電体となるという特徴を有する光導電体であれば特に物
質を規定するものではない。主にOPC(有機光半導
体)、a−Si(アモルファスシリコン)、CdS(硫
化カドミウム)、Se(セレン)等がよく用いられる。
図2は、本実施例で採用したOPCにおける層構成図で
ある。アルミシリンダー1a上に電荷発生層1b及び誘
電層である電荷輸送層1cを塗布した構成となってお
り、光照射により電荷発生層1b内に正孔−電子対が生
成し、それらが電荷の流れの担い手となるようになって
いる。電荷発生層1bは膜厚0.2μm程度のフタロシ
ニアン化合物で、電荷輸送層1cはヒドラゾン化合物を
分散したポリカーボネートで構成されており、膜厚は電
荷発生層1bに対して2オーダー程度厚くするのが一般
的である。本実施例における電荷輸送層1cの膜厚につ
いての詳細は後述することとする。また、場合によって
は、感光層に対して過電流が流れ込むのを防止する目的
で、電荷発生層1bとアルミシリンダー1aの間に複数
の導電層を設けることもある。
【0021】感光ドラム1表面を均一に帯電する帯電部
材として、帯電ローラ5を用いる。帯電ローラ5は、例
えば金属の芯がねを厚さ3mm程度の導電弾性ゴムで覆
い、その上に厚さ200〜600μm、体積抵抗率10
6Ω・cm程度の中抵抗層を設け、さらにその上に10
μm程度の保護層を設けて構成する。帯電ローラ5はそ
の両端芯がね部をバネ加圧し、表層を感光ドラム1に当
接させ、感光ドラム1に対して従動回転させる。帯電ロ
ーラ5の芯がね部に放電開始電圧(約550V)以上の
バイアスを印加すると、帯電ローラ5と感光ドラム1の
ニップ近傍で放電が発生する。それにより、感光ドラム
1の電荷輸送層1c表面には電荷が蓄積される。この
時、放電開始電圧(約550V)以上の振幅を持つAC
バイアスに負のDCバイアスを重畳して印加すると、感
光ドラム1の表面電位がDC印加バイアス相当の値に収
束するように電荷が蓄積されることになる。これを「帯
電工程」という。そして、帯電工程後の感光ドラム1表
面電位を「Vd電位」と呼ぶ。ちなみにこのような帯電
方式を「AC帯電方式」と呼ぶ。
材として、帯電ローラ5を用いる。帯電ローラ5は、例
えば金属の芯がねを厚さ3mm程度の導電弾性ゴムで覆
い、その上に厚さ200〜600μm、体積抵抗率10
6Ω・cm程度の中抵抗層を設け、さらにその上に10
μm程度の保護層を設けて構成する。帯電ローラ5はそ
の両端芯がね部をバネ加圧し、表層を感光ドラム1に当
接させ、感光ドラム1に対して従動回転させる。帯電ロ
ーラ5の芯がね部に放電開始電圧(約550V)以上の
バイアスを印加すると、帯電ローラ5と感光ドラム1の
ニップ近傍で放電が発生する。それにより、感光ドラム
1の電荷輸送層1c表面には電荷が蓄積される。この
時、放電開始電圧(約550V)以上の振幅を持つAC
バイアスに負のDCバイアスを重畳して印加すると、感
光ドラム1の表面電位がDC印加バイアス相当の値に収
束するように電荷が蓄積されることになる。これを「帯
電工程」という。そして、帯電工程後の感光ドラム1表
面電位を「Vd電位」と呼ぶ。ちなみにこのような帯電
方式を「AC帯電方式」と呼ぶ。
【0022】なお、環境変動により中抵抗層の抵抗は変
化するので、常に感光ドラム1表面を均一に帯電するた
めには、ACバイアスは、定電流制御とするのがよい。
本実施例では、IAC、周波数はそれぞれ1050μ
A,1200Hzとすることにより、均一な帯電性を確
保できた。本実施例におけるVd電位については、後述
することとする。
化するので、常に感光ドラム1表面を均一に帯電するた
めには、ACバイアスは、定電流制御とするのがよい。
本実施例では、IAC、周波数はそれぞれ1050μ
A,1200Hzとすることにより、均一な帯電性を確
保できた。本実施例におけるVd電位については、後述
することとする。
【0023】帯電ローラ5の放電によりVd電位に保た
れた感光ドラム1表面に、露光装置7を用い、コントロ
ーラからの信号に基づいて光源をON/OFF制御しな
がら走査露光することにより、静電潜像が形成される。
すなわち、感光ドラム1上の光照射位置では、電荷発生
層1bに正孔−電子対が形成され、正孔が電荷輸送層1
cを通って感光ドラム1表面に蓄積されている電子と再
結合することにより、その部位のチャージはダウンす
る。つまり、感光ドラム1の表面電位の絶対値が下がる
のである。本実施例では、光源としては半導体レーザー
を用いた。光照射位置の感光ドラム1上の電位を以後
「VL電位」と呼ぶことにするが、VL電位は光照射前
の感光体表面の電荷蓄積量、光照射における電荷発生量
等に依存する。すなわち、Vd電位、電荷輸送層1cの
電気容量、電荷発生層1bの材質、厚み、レーザー露光
量等に依存することとなる。
れた感光ドラム1表面に、露光装置7を用い、コントロ
ーラからの信号に基づいて光源をON/OFF制御しな
がら走査露光することにより、静電潜像が形成される。
すなわち、感光ドラム1上の光照射位置では、電荷発生
層1bに正孔−電子対が形成され、正孔が電荷輸送層1
cを通って感光ドラム1表面に蓄積されている電子と再
結合することにより、その部位のチャージはダウンす
る。つまり、感光ドラム1の表面電位の絶対値が下がる
のである。本実施例では、光源としては半導体レーザー
を用いた。光照射位置の感光ドラム1上の電位を以後
「VL電位」と呼ぶことにするが、VL電位は光照射前
の感光体表面の電荷蓄積量、光照射における電荷発生量
等に依存する。すなわち、Vd電位、電荷輸送層1cの
電気容量、電荷発生層1bの材質、厚み、レーザー露光
量等に依存することとなる。
【0024】その後、感光ドラム1と対向する位置に配
置した現像装置8により、感光ドラム1上の静電潜像を
可視化するという作業を行う。それは、以下のようにし
て行っている。
置した現像装置8により、感光ドラム1上の静電潜像を
可視化するという作業を行う。それは、以下のようにし
て行っている。
【0025】現像装置8内にはトナー16が蓄えられて
いる。本実施例では、トナーは非磁性一成分を用いる。
詳しくは、後述する。これらのトナー16は、撹拌部材
等により、感光ドラム1に対し当接配置され、感光ドラ
ム1回転方向に対して、順方向に180%程度の周速差
でもって回転している現像ローラ3に供給される。現像
ローラ3は例えば金属の芯がねを導電弾性ゴムで覆い、
その上に誘電層をコートしたもの等が用いられる。本実
施例では、誘電層として、シリコン玉を分散した膜厚3
0μmのウレタン樹脂を用いる。このような誘電層構成
とすることにより、離型性が向上するという特徴を有す
るようになる。この利点については後述する。
いる。本実施例では、トナーは非磁性一成分を用いる。
詳しくは、後述する。これらのトナー16は、撹拌部材
等により、感光ドラム1に対し当接配置され、感光ドラ
ム1回転方向に対して、順方向に180%程度の周速差
でもって回転している現像ローラ3に供給される。現像
ローラ3は例えば金属の芯がねを導電弾性ゴムで覆い、
その上に誘電層をコートしたもの等が用いられる。本実
施例では、誘電層として、シリコン玉を分散した膜厚3
0μmのウレタン樹脂を用いる。このような誘電層構成
とすることにより、離型性が向上するという特徴を有す
るようになる。この利点については後述する。
【0026】現像ローラ3上の感光ドラム1当接部の上
流側に、トナー規制ブレード23を線圧20g程度の力
でカウンタ方向に当接させ、現像ローラ3上にトナー1
6を薄層コートする。本実施例では、トナー規制ブレー
ド23のブレード先端位置を調整することにより、現像
ローラ3上のトナーコート量が0.45mg/cm2と
なるように制御した。また、トナー規制ブレード23に
は、トナー16が通過する際に、トナー16を負に帯電
させるという役割もある。なお、この時のトナー16の
帯電量の平均値を以後「トリボ」と呼ぶこととする。ト
リボ(Q/M、単位はμC/g)についての詳細は後述
する。トナー規制ブレード23としては、例えば、リン
青銅やSUS等の弾性を有する金属の板バネ、あるいは
金属板ばねにより支持されたウレタンゴム、シリコンゴ
ム、さらには、ゴム表面をナイロンコートしたもの等が
用いられる。
流側に、トナー規制ブレード23を線圧20g程度の力
でカウンタ方向に当接させ、現像ローラ3上にトナー1
6を薄層コートする。本実施例では、トナー規制ブレー
ド23のブレード先端位置を調整することにより、現像
ローラ3上のトナーコート量が0.45mg/cm2と
なるように制御した。また、トナー規制ブレード23に
は、トナー16が通過する際に、トナー16を負に帯電
させるという役割もある。なお、この時のトナー16の
帯電量の平均値を以後「トリボ」と呼ぶこととする。ト
リボ(Q/M、単位はμC/g)についての詳細は後述
する。トナー規制ブレード23としては、例えば、リン
青銅やSUS等の弾性を有する金属の板バネ、あるいは
金属板ばねにより支持されたウレタンゴム、シリコンゴ
ム、さらには、ゴム表面をナイロンコートしたもの等が
用いられる。
【0027】さらに、現像ローラ3にトナーを供給する
手段として、トナー規制ブレード23当接位置の上流側
にトナー供給ローラ22を現像ローラ3に対して当接配
置する。トナー供給ローラ22は例えば表面に適度な凹
凸を有するポリウレタンフォーム等の材質で構成するこ
とができる。また、トナー供給ローラ22は現像ローラ
3に対し、1.0〜2.0mm程度侵入させるように配
置し、現像ローラの回転速度の60%程度の速度で、逆
方向に回転させることにより、トナーを安定して供給で
きるようにしている。さらに、トナー供給ローラ22の
もう一つの大きな役割として、感光ドラム1に現像され
ずに現像ローラ3上に保持されたままの状態にあるトナ
ーを機械的に剥ぎ取るというものがある。これらのトナ
ーが現像ローラ3上に蓄積したままの状態にあると、現
像ローラ3上のトナーコート量の増加、トナートリボ量
アップ(トナーのチャージアップ)等の状態になる。以
下に示す本実施例の形態は、トナーコート量、トナート
リボ等が安定している時のみ有効な手段である。特に、
トナーコート量に関して言えば、例えば、現像ローラ3
上のトナーコート量が0.5mg/cm2を超えると本
発明の十分な効果を得られなくなってしまう。よって、
トナー供給ローラ22によるトナーの剥ぎ取り性は本発
明にとって非常に重要となってくる。
手段として、トナー規制ブレード23当接位置の上流側
にトナー供給ローラ22を現像ローラ3に対して当接配
置する。トナー供給ローラ22は例えば表面に適度な凹
凸を有するポリウレタンフォーム等の材質で構成するこ
とができる。また、トナー供給ローラ22は現像ローラ
3に対し、1.0〜2.0mm程度侵入させるように配
置し、現像ローラの回転速度の60%程度の速度で、逆
方向に回転させることにより、トナーを安定して供給で
きるようにしている。さらに、トナー供給ローラ22の
もう一つの大きな役割として、感光ドラム1に現像され
ずに現像ローラ3上に保持されたままの状態にあるトナ
ーを機械的に剥ぎ取るというものがある。これらのトナ
ーが現像ローラ3上に蓄積したままの状態にあると、現
像ローラ3上のトナーコート量の増加、トナートリボ量
アップ(トナーのチャージアップ)等の状態になる。以
下に示す本実施例の形態は、トナーコート量、トナート
リボ等が安定している時のみ有効な手段である。特に、
トナーコート量に関して言えば、例えば、現像ローラ3
上のトナーコート量が0.5mg/cm2を超えると本
発明の十分な効果を得られなくなってしまう。よって、
トナー供給ローラ22によるトナーの剥ぎ取り性は本発
明にとって非常に重要となってくる。
【0028】一般には、トナー供給ローラ22の侵入量
をアップする、回転速度を速くする等の手段により、ト
ナーの剥ぎ取り性能を高めることは可能である。しかし
ながら、トナー供給ローラ22劣化、トルクアップ、ト
ナー融着等の弊害発生の恐れがあるため、それらの手段
には限界がある。これらを考慮して、本実施例では、ト
ナー供給ローラ22の侵入量、回転速度を定めている。
をアップする、回転速度を速くする等の手段により、ト
ナーの剥ぎ取り性能を高めることは可能である。しかし
ながら、トナー供給ローラ22劣化、トルクアップ、ト
ナー融着等の弊害発生の恐れがあるため、それらの手段
には限界がある。これらを考慮して、本実施例では、ト
ナー供給ローラ22の侵入量、回転速度を定めている。
【0029】本実施例では、トナー供給ローラ22の侵
入量、回転速度をアップさせることなく、十分な剥ぎ取
り性を確保するための手段として、上述したような現像
ローラ3の誘電層構成とした。すなわち、誘電層をシリ
コン玉を分散したウレタン樹脂とする。このように現像
ローラ表面を加工することにより、現像ローラ3とトナ
ーの離型性がよくなるという効果が生まれる。これによ
り、トナー供給ローラ22による剥ぎ取り能力を大きく
しなくても、十分なトナーの剥ぎ取り効果を確保するこ
とができる。
入量、回転速度をアップさせることなく、十分な剥ぎ取
り性を確保するための手段として、上述したような現像
ローラ3の誘電層構成とした。すなわち、誘電層をシリ
コン玉を分散したウレタン樹脂とする。このように現像
ローラ表面を加工することにより、現像ローラ3とトナ
ーの離型性がよくなるという効果が生まれる。これによ
り、トナー供給ローラ22による剥ぎ取り能力を大きく
しなくても、十分なトナーの剥ぎ取り効果を確保するこ
とができる。
【0030】また、トナーが現像ローラ3表面に保持さ
れている力は、本実施例のように非磁性一成分トナーを
用いた場合には、その主なファクターは、鏡映力という
ことになる。鏡映力の大きさは現像ローラ3の誘電層の
材質や膜厚に依存する。膜厚については、厚くするほど
鏡映力は小さくなる。そして、トナー供給ローラ22に
よるトナーの現像ローラ3からの機械的な剥ぎ取り性
は、鏡映力が小さい程よくなる。本実施例に示した誘電
層の材質を用いた場合には、膜厚を10μm以上とする
ことにより、十分なトナーの剥ぎ取り性を確保すること
ができることがわかった。鏡映力を弱くしすぎると、ト
ナー規制ブレード23によるトナーのコートにムラが生
じ易くなるため、本実施例における重要な要素であるト
ナーのコート量の均一化が阻害されることになる。ある
程度の鏡映力を保つために、膜厚としては、50μm以
下とする。
れている力は、本実施例のように非磁性一成分トナーを
用いた場合には、その主なファクターは、鏡映力という
ことになる。鏡映力の大きさは現像ローラ3の誘電層の
材質や膜厚に依存する。膜厚については、厚くするほど
鏡映力は小さくなる。そして、トナー供給ローラ22に
よるトナーの現像ローラ3からの機械的な剥ぎ取り性
は、鏡映力が小さい程よくなる。本実施例に示した誘電
層の材質を用いた場合には、膜厚を10μm以上とする
ことにより、十分なトナーの剥ぎ取り性を確保すること
ができることがわかった。鏡映力を弱くしすぎると、ト
ナー規制ブレード23によるトナーのコートにムラが生
じ易くなるため、本実施例における重要な要素であるト
ナーのコート量の均一化が阻害されることになる。ある
程度の鏡映力を保つために、膜厚としては、50μm以
下とする。
【0031】そこで、上述したように、本実施例では、
現像ローラ3の誘電層の膜厚を30μmとした。これに
より、現像ローラ3上のトナーコート量はほぼ0.45
mg/cm2で安定させることができ、本発明の十分な
効果を得られるようにした。そうして、現像ローラ3芯
がね部に、VdとVLの間の適当なバイアス(以下「現
像バイアス」と呼ぶ)を印加する。これにより、現像ロ
ーラ3表面電位は現像バイアスの値とほぼ同じとなる。
以後、この現像ローラ3の表面電位を「Vdev」と呼
ぶこととする。そうして、感光ドラム1と現像ローラ3
の間に形成される電界の作用により、感光ドラム1上の
VL部分に対応する現像ローラ3上のトナー16だけ
が、感光ドラム1上に移り、現像が完了する。
現像ローラ3の誘電層の膜厚を30μmとした。これに
より、現像ローラ3上のトナーコート量はほぼ0.45
mg/cm2で安定させることができ、本発明の十分な
効果を得られるようにした。そうして、現像ローラ3芯
がね部に、VdとVLの間の適当なバイアス(以下「現
像バイアス」と呼ぶ)を印加する。これにより、現像ロ
ーラ3表面電位は現像バイアスの値とほぼ同じとなる。
以後、この現像ローラ3の表面電位を「Vdev」と呼
ぶこととする。そうして、感光ドラム1と現像ローラ3
の間に形成される電界の作用により、感光ドラム1上の
VL部分に対応する現像ローラ3上のトナー16だけ
が、感光ドラム1上に移り、現像が完了する。
【0032】次に、本実施例で用いたトナー16につい
て説明する。本実施例で用いたトナー16は、懸濁重合
法によって製造され、かつ重合時に、極性樹脂及び重合
性単量体に対して5〜30重量%の低軟化点物質を添加
して重合された粒径5〜7μmの非磁性一成分のトナー
16である。以後、このトナー16を「重合トナー1
6」と呼ぶ。重合トナー16は、図3に示したように、
エステル系ワックスが内包されたコア16a、スチレン
−ブチルアクリレートから成る樹脂層16b、スチレン
−ポリエステルから成る表層16cで構成されている。
コアに内包されたワックスの効果で、定着ローラ9とト
ナーの離型性が増すため、重合トナー16を用いること
により、従来行っていた定着ローラ9及び加圧ローラ1
0へのオイル塗布を行う必要がなくなった。
て説明する。本実施例で用いたトナー16は、懸濁重合
法によって製造され、かつ重合時に、極性樹脂及び重合
性単量体に対して5〜30重量%の低軟化点物質を添加
して重合された粒径5〜7μmの非磁性一成分のトナー
16である。以後、このトナー16を「重合トナー1
6」と呼ぶ。重合トナー16は、図3に示したように、
エステル系ワックスが内包されたコア16a、スチレン
−ブチルアクリレートから成る樹脂層16b、スチレン
−ポリエステルから成る表層16cで構成されている。
コアに内包されたワックスの効果で、定着ローラ9とト
ナーの離型性が増すため、重合トナー16を用いること
により、従来行っていた定着ローラ9及び加圧ローラ1
0へのオイル塗布を行う必要がなくなった。
【0033】また、重合トナー16の形状が略球形とな
るという特徴を有する。球状物質の形状の丸さの割合を
示す数値である形状係数SF1は、重合トナー16にお
いては100〜120となる。図20に示した様に、
「SF1」とは、球状物質を2次元平面上に投影してで
きる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積A
REAで割って、100・π/4を乗じた値である。
るという特徴を有する。球状物質の形状の丸さの割合を
示す数値である形状係数SF1は、重合トナー16にお
いては100〜120となる。図20に示した様に、
「SF1」とは、球状物質を2次元平面上に投影してで
きる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積A
REAで割って、100・π/4を乗じた値である。
【0034】SF1={(MXLNG)2/AREA}
×(100・π/4)
×(100・π/4)
【0035】このような略球形のトナーは、前述のトナ
ー規制ブレード23対向部通過時に、トナー規制ブレー
ド23との接触面積が増大するため、トリボを高くする
ことが可能であり、また、それも均一になりやすい。
ー規制ブレード23対向部通過時に、トナー規制ブレー
ド23との接触面積が増大するため、トリボを高くする
ことが可能であり、また、それも均一になりやすい。
【0036】続いて、感光ドラム1上のトナー像の転写
材への転写方法について述べる。4つの感光ドラム1す
べてに対し当接するように静電搬送ベルト4を配置す
る。静電搬送ベルト4は、駆動ローラ14及びテンショ
ンローラ13の二本のローラにより支持されており、適
当なテンションが維持されるようになっている。駆動ロ
ーラ14を駆動させることにより、静電搬送べルト4は
感光ドラム1に対して順方向に略同速度で移動する。静
電搬送ベルト4としては、一例として、厚さ50〜30
0μm,体積抵抗率109〜1016Ω・cm程度のPV
dF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリアミド、ポリイミ
ド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカー
ボネート等の樹脂材料や、厚さ0.5〜2mm,体積低
抗率109〜1016Ω・cm程度のクロロプレーンゴ
ム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、ウレタン
ゴム等のゴム材料が用いられる。また、場合によって
は、これらの材料にカーボン、ZnO、SnO2、Ti
O2等の導電性充填材を分散させて、体積抵抗率を107
〜1011Ω・cm程度に調節することもある。また、静
電搬送ベルト4の裏面感光ドラム1との対向部に、それ
ぞれの感光ドラム1に対応させて四つの転写ローラ12
を当接配置する。転写ローラ12としては、例えば金属
の芯がねを体積抵抗率を106〜108Ω・cmに調整し
たEPDM、ウレタンゴム、CR、NBR等で覆った構
成をしている。トナー像の転写材への転写に際しては、
それぞれに独立で適当な正のDCバイアスを印加するよ
うにする。
材への転写方法について述べる。4つの感光ドラム1す
べてに対し当接するように静電搬送ベルト4を配置す
る。静電搬送ベルト4は、駆動ローラ14及びテンショ
ンローラ13の二本のローラにより支持されており、適
当なテンションが維持されるようになっている。駆動ロ
ーラ14を駆動させることにより、静電搬送べルト4は
感光ドラム1に対して順方向に略同速度で移動する。静
電搬送ベルト4としては、一例として、厚さ50〜30
0μm,体積抵抗率109〜1016Ω・cm程度のPV
dF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリアミド、ポリイミ
ド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカー
ボネート等の樹脂材料や、厚さ0.5〜2mm,体積低
抗率109〜1016Ω・cm程度のクロロプレーンゴ
ム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、ウレタン
ゴム等のゴム材料が用いられる。また、場合によって
は、これらの材料にカーボン、ZnO、SnO2、Ti
O2等の導電性充填材を分散させて、体積抵抗率を107
〜1011Ω・cm程度に調節することもある。また、静
電搬送ベルト4の裏面感光ドラム1との対向部に、それ
ぞれの感光ドラム1に対応させて四つの転写ローラ12
を当接配置する。転写ローラ12としては、例えば金属
の芯がねを体積抵抗率を106〜108Ω・cmに調整し
たEPDM、ウレタンゴム、CR、NBR等で覆った構
成をしている。トナー像の転写材への転写に際しては、
それぞれに独立で適当な正のDCバイアスを印加するよ
うにする。
【0037】給紙された転写材は静電搬送ベルト4へと
運ばれ、静電搬送ベルト4を介して、駆動ローラ14対
向部に静電搬送ベルト4に当接配置した吸着ローラ19
と静電搬送ベルト4のニップ部を通過する。吸着ローラ
19には負のDCバイアスを、さらに駆動ローラ14に
は正のDCバイアスを印加する。これにより転写材は静
電搬送ベルト4に対し静電吸着する。そうして、吸着さ
れたまま、転写材は各感光ドラム1対向部に搬送され
る。そして、転写ローラ12に印加した正のDCバイア
スの作用で、トナー像が順に転写材に転写されることに
なる。四色の転写がすべて完了した後、転写材は、テン
ションローラ13部で曲率分離される。
運ばれ、静電搬送ベルト4を介して、駆動ローラ14対
向部に静電搬送ベルト4に当接配置した吸着ローラ19
と静電搬送ベルト4のニップ部を通過する。吸着ローラ
19には負のDCバイアスを、さらに駆動ローラ14に
は正のDCバイアスを印加する。これにより転写材は静
電搬送ベルト4に対し静電吸着する。そうして、吸着さ
れたまま、転写材は各感光ドラム1対向部に搬送され
る。そして、転写ローラ12に印加した正のDCバイア
スの作用で、トナー像が順に転写材に転写されることに
なる。四色の転写がすべて完了した後、転写材は、テン
ションローラ13部で曲率分離される。
【0038】一方、現在の技術では、感光ドラム1か
ら、転写材にトナー16を100%移し替えることはで
きない。感光ドラム1上に残ったトナー16は、このま
ま放置すると、次回転目に転写材に転写され、画像の乱
れが発生する。それを防止するため、本実施例では、感
光ドラム1の回転方向に対して、カウンターの向きで、
クリーニングブレード11を当接し、転写残トナーを感
光ドラム1から機械的に除去するということを行う。ク
リーニングブレード11により、除去されたトナー16
は廃トナー回収部に回収される。
ら、転写材にトナー16を100%移し替えることはで
きない。感光ドラム1上に残ったトナー16は、このま
ま放置すると、次回転目に転写材に転写され、画像の乱
れが発生する。それを防止するため、本実施例では、感
光ドラム1の回転方向に対して、カウンターの向きで、
クリーニングブレード11を当接し、転写残トナーを感
光ドラム1から機械的に除去するということを行う。ク
リーニングブレード11により、除去されたトナー16
は廃トナー回収部に回収される。
【0039】また転写材は定着ローラ9及び加圧ローラ
10で構成されている定着ユニットヘ連ばれる。既存の
手段を用いて、転写材が定着ローラ9−加圧ローラ10
間のニップを通過することにより、トナー像が転写材に
永久固定されることになる。
10で構成されている定着ユニットヘ連ばれる。既存の
手段を用いて、転写材が定着ローラ9−加圧ローラ10
間のニップを通過することにより、トナー像が転写材に
永久固定されることになる。
【0040】次に、本実施例におけるVdevとVLの
絶対値の差(以後、「現像コントラスト」という)と現
像トナー量の関係について述べる。以後の説明では、V
L部分の現像トナー量を「ベタ濃度」と呼ぶことにす
る。単純には、ベタ濃度は現像コントラストに比例して
高くなる。これは、電界強度が大きくなるからである。
但し、現像ローラ3上のトナー16は上述のように鏡映
力により現像ローラ3に保持されており、鏡映力が大き
いほど電界強度は小さくなる。鏡映力はトナーの電荷の
2乗に比例する。すなわち、トリボ(Q/M)の2乗に
比例することとなる。また、感光ドラム1のVL部分に
トナー16が現像されると、トナー16は電荷を有して
いるため、VL部分の電位の絶対値は大きくなる。感光
ドラム1の電荷輸送層1cの比誘電率をκ、膜厚をd
(μm)、単位面積あたりの感光ドラム1上トナー乗り
量をM(mg/cm2)とおくと、感光ドラム1の電位
の増分量は|Q/M|・M/(κ/d)に比例すること
になる。以上から、現像を促進するための現像ローラ3
及び感光ドラム1間の電界強度Eは、以下の式(1)に
比例することになる。
絶対値の差(以後、「現像コントラスト」という)と現
像トナー量の関係について述べる。以後の説明では、V
L部分の現像トナー量を「ベタ濃度」と呼ぶことにす
る。単純には、ベタ濃度は現像コントラストに比例して
高くなる。これは、電界強度が大きくなるからである。
但し、現像ローラ3上のトナー16は上述のように鏡映
力により現像ローラ3に保持されており、鏡映力が大き
いほど電界強度は小さくなる。鏡映力はトナーの電荷の
2乗に比例する。すなわち、トリボ(Q/M)の2乗に
比例することとなる。また、感光ドラム1のVL部分に
トナー16が現像されると、トナー16は電荷を有して
いるため、VL部分の電位の絶対値は大きくなる。感光
ドラム1の電荷輸送層1cの比誘電率をκ、膜厚をd
(μm)、単位面積あたりの感光ドラム1上トナー乗り
量をM(mg/cm2)とおくと、感光ドラム1の電位
の増分量は|Q/M|・M/(κ/d)に比例すること
になる。以上から、現像を促進するための現像ローラ3
及び感光ドラム1間の電界強度Eは、以下の式(1)に
比例することになる。
【0041】 E∝|Vdev−VL|−α・(Q/M)2−β・|Q/M|・M/(κ/ d) ・・・(1)
【0042】なお、ここで、αは鏡映力の大きさを示す
定数である。鏡映力の大きさは、前述したように現像ロ
ーラ3の構成により決まる。本実施例で述べたような現
像ローラ3構成を採用した場合には、α=0.055と
なることが実験的に確かめられた。また、βも定数であ
り、本実施例で示した感光ドラム1の構成では、β=
1.30となることが実験的に確かめられた。
定数である。鏡映力の大きさは、前述したように現像ロ
ーラ3の構成により決まる。本実施例で述べたような現
像ローラ3構成を採用した場合には、α=0.055と
なることが実験的に確かめられた。また、βも定数であ
り、本実施例で示した感光ドラム1の構成では、β=
1.30となることが実験的に確かめられた。
【0043】ベタ濃度確保のために最低限必要とされる
感光ドラム1上トナー乗り量をM0とすると、少なくと
も、M0のトナー乗り量を確保するためには、M=M0
の時に、電界強度E>0である必要がある。これを式で
あらわすと、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|>1.30・M0 ・・・(2) となる。画像の充実感を実感するためには、画像形成終
了後の転写材上のベタ画像の濃度として、反射型濃度測
定器(Macbeth社製Color Checker
MODEL No.1151)での光学濃度出力値が
最小限1.30以上は必要である。光学濃度出力値と感
光ドラム1上トナー乗り量Mは比例関係にある。すなわ
ち、光学濃度出力値が1.30となる時の感光ドラム1
上トナー乗り量がM0であるわけである。光学濃度出力
値1.30では、M=0.41mg/cm2となること
が実験的に分かっており、(2)式は以下のようにあら
わせる。
感光ドラム1上トナー乗り量をM0とすると、少なくと
も、M0のトナー乗り量を確保するためには、M=M0
の時に、電界強度E>0である必要がある。これを式で
あらわすと、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|>1.30・M0 ・・・(2) となる。画像の充実感を実感するためには、画像形成終
了後の転写材上のベタ画像の濃度として、反射型濃度測
定器(Macbeth社製Color Checker
MODEL No.1151)での光学濃度出力値が
最小限1.30以上は必要である。光学濃度出力値と感
光ドラム1上トナー乗り量Mは比例関係にある。すなわ
ち、光学濃度出力値が1.30となる時の感光ドラム1
上トナー乗り量がM0であるわけである。光学濃度出力
値1.30では、M=0.41mg/cm2となること
が実験的に分かっており、(2)式は以下のようにあら
わせる。
【0044】 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|>0.5 ・・・(3)
【0045】すなわち、接触現像方式を用いた本実施例
においては、Dの値が0.5を上回るように現像コント
ラストを設定することが必要である。好ましくは、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|>0.67 ・・・(15) となるのがよい。これは、ベタ画像の光学濃度出力値が
1.40以上となるための条件に相当する。
においては、Dの値が0.5を上回るように現像コント
ラストを設定することが必要である。好ましくは、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|>0.67 ・・・(15) となるのがよい。これは、ベタ画像の光学濃度出力値が
1.40以上となるための条件に相当する。
【0046】図4は、トリボ−45μC/g、電荷輸送
層1cの比誘電率κ及び膜厚dがそれぞれ3、25μm
におけるDの値と光学濃度出力値の関係を示したもので
ある。低現像コントラスト領域では、D値と光学濃度出
力値には相関関係があるのが分かる。上述したように、
光学濃度が1.30の時にD値が0.5となることがこ
のグラフからも読み取れる。現像コントラストがゼロや
負の領域でも光学濃度はゼロになっていないが、これは
接触現像方式であるため、電界とは無関係に機械的に現
像ローラ3から感光ドラム1ヘトナーが掻き取られてい
ることを示すものである。また、高現像コントラスト領
域では、Dの値に比較して、光学濃度出力値が飽和して
いるように見えるが、これは現像装置8から感光ドラム
1へのトナー供給量に限界があることを示すものであ
る。これは後述する理由から、極端に感光ドラム1上に
トナーが現像するのを抑制しているのである。
層1cの比誘電率κ及び膜厚dがそれぞれ3、25μm
におけるDの値と光学濃度出力値の関係を示したもので
ある。低現像コントラスト領域では、D値と光学濃度出
力値には相関関係があるのが分かる。上述したように、
光学濃度が1.30の時にD値が0.5となることがこ
のグラフからも読み取れる。現像コントラストがゼロや
負の領域でも光学濃度はゼロになっていないが、これは
接触現像方式であるため、電界とは無関係に機械的に現
像ローラ3から感光ドラム1ヘトナーが掻き取られてい
ることを示すものである。また、高現像コントラスト領
域では、Dの値に比較して、光学濃度出力値が飽和して
いるように見えるが、これは現像装置8から感光ドラム
1へのトナー供給量に限界があることを示すものであ
る。これは後述する理由から、極端に感光ドラム1上に
トナーが現像するのを抑制しているのである。
【0047】ちなみに本実施例は、前述したように現像
ローラ3上にトナー16を0.45mg/cm2で薄層
コートしており、現像ローラ3は、感光ドラム1に対し
て、180%の周速で回転している構成であり、感光ド
ラム1上に現像できるトナー量は、最大でも0.45×
1.80=0.81mg/cm2ということになる。
ローラ3上にトナー16を0.45mg/cm2で薄層
コートしており、現像ローラ3は、感光ドラム1に対し
て、180%の周速で回転している構成であり、感光ド
ラム1上に現像できるトナー量は、最大でも0.45×
1.80=0.81mg/cm2ということになる。
【0048】次に、本実施例におけるVdとVLの絶対
値の差(以後、「潜像コントラスト」という)とドット
再現性の関係について述べる。孤立ドットを現像する場
合には、狭い領域にトナーを安定して積み重ねる必要が
ある。図5(a)に示すように、潜像コントラストが小
さいときには、トナーのVL電位に対する吸引力とVd
電位に対する反発力の差が小さくなり、トナーの一部が
VL電位の周りのVd部分に現像してしまい、孤立ドッ
トがきれいに再現できなくなる。すなわち、孤立ドット
を再現するためには、潜像コントラストを大きくする必
要がある。前述のように感光ドラム1のVL部分にトナ
ーが現像されると、感光ドラム1の電位の増分量は1.
30・|Q/M|・M/(κ/d)である。すなわち、 B’=|Vd−VL|−1.30・|Q/M|・M/(κ/d) (4) とおいた時、B’が一定値以上の値を有する時に、孤立
ドットが再現されることになる。さらに、この時B’と
して必要な値は、トナーのトリボ量により異なってい
る。トリボの低いトナーは飛散しやすく、また、Vd部
分に対する反発力も小さいため、Vd部分に付着しやす
くなる。よって、トリボの低いトナーほど周りのVd部
分に飛散してしまい、結果的に孤立ドットの再現を損な
うことになる。
値の差(以後、「潜像コントラスト」という)とドット
再現性の関係について述べる。孤立ドットを現像する場
合には、狭い領域にトナーを安定して積み重ねる必要が
ある。図5(a)に示すように、潜像コントラストが小
さいときには、トナーのVL電位に対する吸引力とVd
電位に対する反発力の差が小さくなり、トナーの一部が
VL電位の周りのVd部分に現像してしまい、孤立ドッ
トがきれいに再現できなくなる。すなわち、孤立ドット
を再現するためには、潜像コントラストを大きくする必
要がある。前述のように感光ドラム1のVL部分にトナ
ーが現像されると、感光ドラム1の電位の増分量は1.
30・|Q/M|・M/(κ/d)である。すなわち、 B’=|Vd−VL|−1.30・|Q/M|・M/(κ/d) (4) とおいた時、B’が一定値以上の値を有する時に、孤立
ドットが再現されることになる。さらに、この時B’と
して必要な値は、トナーのトリボ量により異なってい
る。トリボの低いトナーは飛散しやすく、また、Vd部
分に対する反発力も小さいため、Vd部分に付着しやす
くなる。よって、トリボの低いトナーほど周りのVd部
分に飛散してしまい、結果的に孤立ドットの再現を損な
うことになる。
【0049】また、図5(b)に示したように、感光ド
ラム1の電荷輸送層1cの膜厚が厚い場合には、光の散
乱現象により、静電潜像が広がってしまうことがある。
この影響で、潜像コントラストの低下も見られる。よっ
て、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚が厚い場合に
は、トナーのVd部分への飛散を抑制し、VL部分に閉
じ込めておくためには、さらに、B’を大きくする必要
がある。
ラム1の電荷輸送層1cの膜厚が厚い場合には、光の散
乱現象により、静電潜像が広がってしまうことがある。
この影響で、潜像コントラストの低下も見られる。よっ
て、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚が厚い場合に
は、トナーのVd部分への飛散を抑制し、VL部分に閉
じ込めておくためには、さらに、B’を大きくする必要
がある。
【0050】以上のことを踏まえ検討を行い、実験的に
B’として必要な値を算出したところ、300−5×|
Q/M|+8×dで表せることがわかった。
B’として必要な値を算出したところ、300−5×|
Q/M|+8×dで表せることがわかった。
【0051】要するに感光ドラム1への最大トナー乗り
量時に、B’>300−5×|Q/M|+8×Vdを満
足するようにすればよいことが分かる。本体の装置構成
等により様々ではあるが、おおむね転写部でのトナー飛
び散り、定着不良などを抑制するためには、画像形成終
了後の転写材上のベタ画像の濃度の光学濃度出力値を
1.60以下に抑えることが必要となってくる。よっ
て、最大ベタ濃度が1.60を超えないように現像装置
8の構成を調整する。以後の記述では、最大ベタ濃度は
1.60とする。光学濃度が1.60である時、トナー
乗り量M=0.81となる。すなわち、β・M=1.3
0×0.81=1.0となり、図4のとおりとなる。す
なわち、(3)式で表されるDの値が1.0以下である
時には、電位設定上は現像装置8のトナー供給可能範囲
内にあるためβ・M=Dとなり、一方、(3)式で表さ
れるDの値が1.0以上である時には、現像装置8のト
ナー供給能力を逸脱する電位設定にあるため、β・M=
1.0で飽和する。すなわち、 F=D(D≦1.0) =1.0(D>1.0) (13) と置いた時、(4)式は、 B=(|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5×|Q/M|− 8×d>300 ・・・(5) と表すことができる。
量時に、B’>300−5×|Q/M|+8×Vdを満
足するようにすればよいことが分かる。本体の装置構成
等により様々ではあるが、おおむね転写部でのトナー飛
び散り、定着不良などを抑制するためには、画像形成終
了後の転写材上のベタ画像の濃度の光学濃度出力値を
1.60以下に抑えることが必要となってくる。よっ
て、最大ベタ濃度が1.60を超えないように現像装置
8の構成を調整する。以後の記述では、最大ベタ濃度は
1.60とする。光学濃度が1.60である時、トナー
乗り量M=0.81となる。すなわち、β・M=1.3
0×0.81=1.0となり、図4のとおりとなる。す
なわち、(3)式で表されるDの値が1.0以下である
時には、電位設定上は現像装置8のトナー供給可能範囲
内にあるためβ・M=Dとなり、一方、(3)式で表さ
れるDの値が1.0以上である時には、現像装置8のト
ナー供給能力を逸脱する電位設定にあるため、β・M=
1.0で飽和する。すなわち、 F=D(D≦1.0) =1.0(D>1.0) (13) と置いた時、(4)式は、 B=(|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5×|Q/M|− 8×d>300 ・・・(5) と表すことができる。
【0052】ここで分かるように、現像装置8のトナー
供給能力、すなわち、現像ローラ3上のトナーコート量
が変動すると、F値が変動してしまうことなり、(5)
式が意味を成さなくなってしまう。本実施例では、前述
したように、トナーコート量を安定化させるために、現
像ローラ3の表面の誘電層をシリコン玉を分散した30
μmのシリコンで構成している。本発明において、この
構成は、非常に重要なファクターの一つである。
供給能力、すなわち、現像ローラ3上のトナーコート量
が変動すると、F値が変動してしまうことなり、(5)
式が意味を成さなくなってしまう。本実施例では、前述
したように、トナーコート量を安定化させるために、現
像ローラ3の表面の誘電層をシリコン玉を分散した30
μmのシリコンで構成している。本発明において、この
構成は、非常に重要なファクターの一つである。
【0053】すなわち、接触現像方式を用いた本実施例
においては、(5)式を満足するように潜像コントラス
トを設定することが最低限必要である。好ましくは、 B=(|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5×|Q/M|− 8×d>350 ・・・(16) であるのがよい。
においては、(5)式を満足するように潜像コントラス
トを設定することが最低限必要である。好ましくは、 B=(|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5×|Q/M|− 8×d>350 ・・・(16) であるのがよい。
【0054】表1は、トリボ−45μC/g、電荷輸送
層1cの比誘電率及び膜厚がそれぞれ3、13μmにお
けるBの値と孤立ドット再現性の関係を示したものであ
る。孤立ドット再現性を確認する際には、図6に示した
パターンの繰り返しで像形成を行い、感光ドラム1上の
トナーを光学顕微鏡で観察することによって行った。
層1cの比誘電率及び膜厚がそれぞれ3、13μmにお
けるBの値と孤立ドット再現性の関係を示したものであ
る。孤立ドット再現性を確認する際には、図6に示した
パターンの繰り返しで像形成を行い、感光ドラム1上の
トナーを光学顕微鏡で観察することによって行った。
【0055】
【表1】
【0056】次に、本実施例におけるVd,VL,Vd
ev各電位と階調性の関係について述べる。実際の像形
成においては、レーザー露光量あるいは露光時間を変化
させたり、特定面積部におけるレーザー露光のON/O
FF比率(VD部/VL部比率)を変化させるなどの方
法により、ハーフトーンに対応させた静電潜像を形成す
るということを行う。画像形成において、階調性を確保
するためには、像担持体上に形成された静電潜像に対
し、それに応じたトナー量を現像することが重要にな
る。
ev各電位と階調性の関係について述べる。実際の像形
成においては、レーザー露光量あるいは露光時間を変化
させたり、特定面積部におけるレーザー露光のON/O
FF比率(VD部/VL部比率)を変化させるなどの方
法により、ハーフトーンに対応させた静電潜像を形成す
るということを行う。画像形成において、階調性を確保
するためには、像担持体上に形成された静電潜像に対
し、それに応じたトナー量を現像することが重要にな
る。
【0057】本実施例では、階調性確認のため、レーザ
ー露光量及び露光時間を固定して、図7(a)に示した
ように4×4ドットの面積において数字の小さいものか
ら順にレーザー露光を行うという方式、いわゆる面積階
調方式を用いた。例えば、階調レベル8というのは、図
7(b)のように1〜8のドットに対して、レーザー露
光を行うことである。そして、各階調レベルの画像の光
学濃度出力値の計測を行った。図8中の(a)に示した
ように、全階調レベルに対応して、画像の光学濃度出力
値がリニアに変化しているものを「階調性が得られてい
る」といい、図8中の(b)に示したように、階調レベ
ルの一部分でしか、画像の光学濃度出力値がリニアに変
化していないものを「良い階調性が得られていない」と
いう。
ー露光量及び露光時間を固定して、図7(a)に示した
ように4×4ドットの面積において数字の小さいものか
ら順にレーザー露光を行うという方式、いわゆる面積階
調方式を用いた。例えば、階調レベル8というのは、図
7(b)のように1〜8のドットに対して、レーザー露
光を行うことである。そして、各階調レベルの画像の光
学濃度出力値の計測を行った。図8中の(a)に示した
ように、全階調レベルに対応して、画像の光学濃度出力
値がリニアに変化しているものを「階調性が得られてい
る」といい、図8中の(b)に示したように、階調レベ
ルの一部分でしか、画像の光学濃度出力値がリニアに変
化していないものを「良い階調性が得られていない」と
いう。
【0058】濃い側の階調性が損なわれる理由の一つ
に、式(3)のD値で示したVL部に対する過剰な電界
強度にある。すなわち、D値が大きくなると、電界強度
が増すため、現像ローラ3上のVD部に対向しているト
ナーがVL部へ現像してしまい、結果的にVL部のトナ
ー乗り量が増加してしまうことにより、所定濃度以上に
濃度が上昇する、すなわち、ベタ濃度に近づく張り付き
現象が発生してしまう。これが、階調性を損なう一つの
理由である。本構成により検討した結果、式(3)のD
値が、1.4を超えるとこの現象が発生することが明ら
かとなった。すなわち、濃い側での階調性を確保するた
めの一つの条件として、最低限 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|<1.4 ・・・(14) を満たす必要がある。好ましくは、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|<1.1 ・・・(17) であるのがよい。
に、式(3)のD値で示したVL部に対する過剰な電界
強度にある。すなわち、D値が大きくなると、電界強度
が増すため、現像ローラ3上のVD部に対向しているト
ナーがVL部へ現像してしまい、結果的にVL部のトナ
ー乗り量が増加してしまうことにより、所定濃度以上に
濃度が上昇する、すなわち、ベタ濃度に近づく張り付き
現象が発生してしまう。これが、階調性を損なう一つの
理由である。本構成により検討した結果、式(3)のD
値が、1.4を超えるとこの現象が発生することが明ら
かとなった。すなわち、濃い側での階調性を確保するた
めの一つの条件として、最低限 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|<1.4 ・・・(14) を満たす必要がある。好ましくは、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q/M)2)/| Q/M|<1.1 ・・・(17) であるのがよい。
【0059】次に、ある階調レベルkに対して、現像を
行った時に現像ローラ3上のトナーが受けるマクロ的な
電界強度について考えてみることにする。まず、感光ド
ラム上のVL部分について見ると、感光ドラム1の電位
の増分量は(13)式のFを用いて、F・|Q/M|/
(κ/d)となる。よって、現像促進側である電界強度
はVL部分の面積比がκ/16であるので、その値を乗
じて、(|Vdev−VL|−F・|Q/M|/(κ/
d))×k/16となる。一方、VD側部分の抑制側の
電界強度は、|Vd−Vdev|×(16−k)/16
となる。そして、抑制側の電界強度として働くトナーの
現像ローラ3に対する鏡映力0.055×(Q/M)2
を考えると、マクロ的な電界強度Gは、 G=(|Vdev−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))×k/16 −|Vd−Vdev|×(16−k)/16−0.055×(Q/ M)2 =(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))×k/16−|Vd −Vdev|−0.055×(Q/M)2 ・・・(6) で表される。
行った時に現像ローラ3上のトナーが受けるマクロ的な
電界強度について考えてみることにする。まず、感光ド
ラム上のVL部分について見ると、感光ドラム1の電位
の増分量は(13)式のFを用いて、F・|Q/M|/
(κ/d)となる。よって、現像促進側である電界強度
はVL部分の面積比がκ/16であるので、その値を乗
じて、(|Vdev−VL|−F・|Q/M|/(κ/
d))×k/16となる。一方、VD側部分の抑制側の
電界強度は、|Vd−Vdev|×(16−k)/16
となる。そして、抑制側の電界強度として働くトナーの
現像ローラ3に対する鏡映力0.055×(Q/M)2
を考えると、マクロ的な電界強度Gは、 G=(|Vdev−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))×k/16 −|Vd−Vdev|×(16−k)/16−0.055×(Q/ M)2 =(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))×k/16−|Vd −Vdev|−0.055×(Q/M)2 ・・・(6) で表される。
【0060】このことから、濃い側(kが16に近い
側)においては、Gが大きくなる。すなわち、現像促進
側にある。ここで式(6)で表されたG値は、VL部分
への所定濃度の現像が行われた状態後のマクロ的な電界
強度である。このG値が「正の値になる」ということ
は、さらに、現像が行われる(場合によって、VL部分
のトナー像にさらに積算されたり、VD部分に付着して
しまったりする)ことを意味する。これは、所定濃度よ
り濃くなってしまうことを意味する。すなわちベタ画像
の濃度に近づくことになってしまい、結果的に階調性が
得られなくなる。よって、高濃度側で階調性を確保する
ためには、kの値(0<k<16)によらず、 G<0 ・・・(7) であることが望まれる。
側)においては、Gが大きくなる。すなわち、現像促進
側にある。ここで式(6)で表されたG値は、VL部分
への所定濃度の現像が行われた状態後のマクロ的な電界
強度である。このG値が「正の値になる」ということ
は、さらに、現像が行われる(場合によって、VL部分
のトナー像にさらに積算されたり、VD部分に付着して
しまったりする)ことを意味する。これは、所定濃度よ
り濃くなってしまうことを意味する。すなわちベタ画像
の濃度に近づくことになってしまい、結果的に階調性が
得られなくなる。よって、高濃度側で階調性を確保する
ためには、kの値(0<k<16)によらず、 G<0 ・・・(7) であることが望まれる。
【0061】一方、淡い側(kが0に近い側)において
は、Gが小さくなる。すなわち、現像抑制側である。こ
のマクロ的な現像抑制力(トナー反発力)があまりに大
きくなってしまうと、小さい面積であるVL部分に対し
て、所望濃度のトナーを現像することが阻害されてしま
うことになる。すなわち、これはベタ白画像に近づくこ
とになり、結果的に階調性が得られなくなる。本実施例
における構成で検討を行ったところ、kの値(0<k<
16)によらず、低濃度側で階調性を確保するために
は、 G>−300 ・・・(8) であれば良いことが分かった。
は、Gが小さくなる。すなわち、現像抑制側である。こ
のマクロ的な現像抑制力(トナー反発力)があまりに大
きくなってしまうと、小さい面積であるVL部分に対し
て、所望濃度のトナーを現像することが阻害されてしま
うことになる。すなわち、これはベタ白画像に近づくこ
とになり、結果的に階調性が得られなくなる。本実施例
における構成で検討を行ったところ、kの値(0<k<
16)によらず、低濃度側で階調性を確保するために
は、 G>−300 ・・・(8) であれば良いことが分かった。
【0062】しかしながら、現実問題として全階調レベ
ル領域で、 −300<G<0 ・・・(9) を満足させることは非常に厳しい条件となる。また実画
像形成において、それほどの階調性を必要としなくて
も、エンジンあるいはフォーマッタによるハーフトーン
画像処理(詳しい方法は、実施例6で述べる)により、
十分実用に値する画質を得ることが可能である。実際
に、画像を作成して確認を行ったところ、階調レベルk
に対して、 4<k<12において、−300<G<0 ・・・(10) を満たすようにVd,VL,Vdevを決定すれば、階
調性としての最低限の必要レベルには到達することが分
かった。好ましくは、 2<k<14において、−300<G<0 ・・・(18) を満たすようにVd,VL,Vdevを決定するのがよ
い。
ル領域で、 −300<G<0 ・・・(9) を満足させることは非常に厳しい条件となる。また実画
像形成において、それほどの階調性を必要としなくて
も、エンジンあるいはフォーマッタによるハーフトーン
画像処理(詳しい方法は、実施例6で述べる)により、
十分実用に値する画質を得ることが可能である。実際
に、画像を作成して確認を行ったところ、階調レベルk
に対して、 4<k<12において、−300<G<0 ・・・(10) を満たすようにVd,VL,Vdevを決定すれば、階
調性としての最低限の必要レベルには到達することが分
かった。好ましくは、 2<k<14において、−300<G<0 ・・・(18) を満たすようにVd,VL,Vdevを決定するのがよ
い。
【0063】よって、本実施例では、(10)式を満足
するように電位設定を決定するようにした。図10は、
トリボ−13μC/g、電荷輸送層1cの比誘電率κ及
び膜厚dがそれぞれ3、25μmにおける階調レベルと
光学濃度出力値の関係を示したものである。Vdevが
−220Vの時のみ(10)式が満たされており、最低
限の階調性が確保されているのがわかる。
するように電位設定を決定するようにした。図10は、
トリボ−13μC/g、電荷輸送層1cの比誘電率κ及
び膜厚dがそれぞれ3、25μmにおける階調レベルと
光学濃度出力値の関係を示したものである。Vdevが
−220Vの時のみ(10)式が満たされており、最低
限の階調性が確保されているのがわかる。
【0064】上記記述より、ベタ濃度、ドット再現性、
階調性を確保するために、(3)、(5)、(10)、
(14)式を満たすように、電位設定を選択すればよい
ことが分かる。例えば下記のような電位設定を提案する
ことができる。ここで、G2,G4,G12,G14と
は、それぞれ、階調レベル2、4、12、14の時のG
の値である。
階調性を確保するために、(3)、(5)、(10)、
(14)式を満たすように、電位設定を選択すればよい
ことが分かる。例えば下記のような電位設定を提案する
ことができる。ここで、G2,G4,G12,G14と
は、それぞれ、階調レベル2、4、12、14の時のG
の値である。
【0065】 G2=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))/8−|Vd− Vdev|−0.055×(Q/M)2 ・・・(19) G4=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))/4−|Vd− Vdev|−0.055×(Q/M)2 ・・・(11) G12=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))×3/4−| Vd−Vdev|−0.055×(Q/M)2 ・・・(12) G14=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))×7/8−| Vd−Vdev|−0.055×(Q/M)2 ・・・(20)
【0066】
【表2】
【0067】表2からも類推できるが、トリボが低い場
合には、トリボが高い場合に比べて、(3)、(5)、
(10)、(14)式を満たす電位設定の選択のラチチ
ュードは狭くなる。今回使用したトリボ−13μC/g
のトナーでは、好ましい条件(17)、(18)、(1
9)、(20)式すべてを満たすようには、電位設定す
ることができなかった。さらに、表2に示した電位設定
は、あくまでもトリボ分布が均一である場合の例であ
る。しかしながら、実際には、次の第二の実施例の図1
1に示すとおり、トリボは適当な標準偏差で正規分布を
している。よって、このトリボ分布全域にわたるトナー
に対して、ベタ濃度、ドット再現性、階調性を確保する
ためには、本実施例によれば、トリボ分布の平均が−2
5μC/g以下であるものを用いるのが良いと考えられ
る。
合には、トリボが高い場合に比べて、(3)、(5)、
(10)、(14)式を満たす電位設定の選択のラチチ
ュードは狭くなる。今回使用したトリボ−13μC/g
のトナーでは、好ましい条件(17)、(18)、(1
9)、(20)式すべてを満たすようには、電位設定す
ることができなかった。さらに、表2に示した電位設定
は、あくまでもトリボ分布が均一である場合の例であ
る。しかしながら、実際には、次の第二の実施例の図1
1に示すとおり、トリボは適当な標準偏差で正規分布を
している。よって、このトリボ分布全域にわたるトナー
に対して、ベタ濃度、ドット再現性、階調性を確保する
ためには、本実施例によれば、トリボ分布の平均が−2
5μC/g以下であるものを用いるのが良いと考えられ
る。
【0068】(第二の実施例)本発明に関わる画像形成
装置の第二の実施例について、図11及び12により説
明する。
装置の第二の実施例について、図11及び12により説
明する。
【0069】第一の実施例で述べた方式によれば、トナ
ーのトリボ、感光ドラム1の電荷輸送層1cの比誘電率
κ、膜厚dが安定していれば、(3)、(5)、(1
0)、(14)式により、最適なVd,VL,Vdev
算出することができ、十分な効果が得られる。但し、実
使用においては、機内雰囲気温湿度の変化、現像装置8
の使用履歴等の変動要因があり、それによりトナートリ
ボも変化してしまう。また、球形トナー16を用いて、
トナーのトリボ分布ができるだけそろうようにしている
ものの、まだ十分ではない。図11中の(a)に示した
のは、第一の実施例の構成におけるトリボQ/M=−2
5μC/gのトナーのトリボ分布の温湿度変動を示した
一例である。実線は低温低湿環境(15℃,10%R
H)、破線は高温高湿環境(30℃,80%RH)にお
ける結果である。よって、第一の実施例の構成では、予
め、表2で示したVd,VL,Vdevに設定しておい
ても、状況の変化により、トリボが変化してしまった場
合には、安定した画質を得られなくなってしまうことが
ありうる。
ーのトリボ、感光ドラム1の電荷輸送層1cの比誘電率
κ、膜厚dが安定していれば、(3)、(5)、(1
0)、(14)式により、最適なVd,VL,Vdev
算出することができ、十分な効果が得られる。但し、実
使用においては、機内雰囲気温湿度の変化、現像装置8
の使用履歴等の変動要因があり、それによりトナートリ
ボも変化してしまう。また、球形トナー16を用いて、
トナーのトリボ分布ができるだけそろうようにしている
ものの、まだ十分ではない。図11中の(a)に示した
のは、第一の実施例の構成におけるトリボQ/M=−2
5μC/gのトナーのトリボ分布の温湿度変動を示した
一例である。実線は低温低湿環境(15℃,10%R
H)、破線は高温高湿環境(30℃,80%RH)にお
ける結果である。よって、第一の実施例の構成では、予
め、表2で示したVd,VL,Vdevに設定しておい
ても、状況の変化により、トリボが変化してしまった場
合には、安定した画質を得られなくなってしまうことが
ありうる。
【0070】本実施例では、トナートリボの変動を抑制
し、トリボ分布がさらに均一になる構成について説明す
る。図12に示すように、現像装置8内のトナー規制ブ
レード23対向部の下流側でかつ感光ドラム1当接部の
上流側に現像ローラ3に当接してトナーチャージローラ
6を配置する。トナーチャージローラ6は、例えば金属
の芯がねを厚さ1.5mm程度の導電弾性ゴムで覆い、
その上に厚さ200μm程度、体積低抗率106Ω・c
m程度の中抵抗層を設け、さらにその上に10μm程度
の保護層を設けて構成する。トナーチャージローラ6は
その両端芯がね部をバネ加圧し、表層を現像ローラ3に
当接させ、現像ローラ3に対して従動回転させる。トナ
ーチャージローラ6の芯がね部に放電開始電圧(0.5
〜1kV)以上のバイアスを印加すると、トナーチャー
ジローラ6と現像ローラ3のニップ近傍で放電が発生す
る。それにより、現像ローラ3上のトナー16が帯電さ
れる。このように、強制的にトナーに同一量の電荷を与
える手段を追加することにより、トナートリボは、機内
雰囲気温湿度の変化、現像装置8の使用履歴等の変動に
よらず略一定となる。また、非常にシャープなトリボ分
布を得ることができる。
し、トリボ分布がさらに均一になる構成について説明す
る。図12に示すように、現像装置8内のトナー規制ブ
レード23対向部の下流側でかつ感光ドラム1当接部の
上流側に現像ローラ3に当接してトナーチャージローラ
6を配置する。トナーチャージローラ6は、例えば金属
の芯がねを厚さ1.5mm程度の導電弾性ゴムで覆い、
その上に厚さ200μm程度、体積低抗率106Ω・c
m程度の中抵抗層を設け、さらにその上に10μm程度
の保護層を設けて構成する。トナーチャージローラ6は
その両端芯がね部をバネ加圧し、表層を現像ローラ3に
当接させ、現像ローラ3に対して従動回転させる。トナ
ーチャージローラ6の芯がね部に放電開始電圧(0.5
〜1kV)以上のバイアスを印加すると、トナーチャー
ジローラ6と現像ローラ3のニップ近傍で放電が発生す
る。それにより、現像ローラ3上のトナー16が帯電さ
れる。このように、強制的にトナーに同一量の電荷を与
える手段を追加することにより、トナートリボは、機内
雰囲気温湿度の変化、現像装置8の使用履歴等の変動に
よらず略一定となる。また、非常にシャープなトリボ分
布を得ることができる。
【0071】例として、図11中の(b)に、トナーチ
ャージローラ6に−1.5kV高圧を印加した場合のト
ナートリボ分布を示す。本実施例を用いれば、トナート
リボの変動を抑えられ、トリボ分布を均一に維持できる
ため、例えば表2に示したような電位設定にしておけ
ば、常にベタ濃度、ドット再現性、階調性が確保された
画像を確保することができる。
ャージローラ6に−1.5kV高圧を印加した場合のト
ナートリボ分布を示す。本実施例を用いれば、トナート
リボの変動を抑えられ、トリボ分布を均一に維持できる
ため、例えば表2に示したような電位設定にしておけ
ば、常にベタ濃度、ドット再現性、階調性が確保された
画像を確保することができる。
【0072】(第三の実施例)本発明に関わる画像形成
装置の第三の実施例について、図9、13及び14によ
り説明する。
装置の第三の実施例について、図9、13及び14によ
り説明する。
【0073】第二の実施例で述べた方式により、トナー
のトリボの変動要因を取り除くことができた。本実施例
では、画質を不安定化するもう一つの要因である、使用
による感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚の減少に対
する対処法について説明する。
のトリボの変動要因を取り除くことができた。本実施例
では、画質を不安定化するもう一つの要因である、使用
による感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚の減少に対
する対処法について説明する。
【0074】感光ドラム1表面には種々の部材が当接し
ており、常に機械的な力を受けていることになる。特
に、転写残トナーを除去するためのクリーニングブレー
ド11などは、感光ドラム1に対する当接圧が大きい。
そして、一般に、これらの当接物により感光ドラム1の
表面の電荷輸送層1cは徐々に削られる。特に、本実施
例のように感光ドラム1に対して、帯電ローラ5による
AC放電を行う系においては、像担持体表面が大きなダ
メージを受けるため、削れ量が増大するという傾向があ
る。電荷輸送層1cの膜厚が一定の値以上減少すると、
レーザー露光に対して所定の感度を得られなくなった
り、帯電を均一に行えなくなったりという弊害が発生す
る。場合によっては、帯電ローラ5と感光ドラム1の間
で高圧リークが発生することもあり、本体の破損の可能
性も出てくる。そのため、一般的には、電荷輸送層1c
の残膜厚を検出する何らかの手段を講じておき、電荷輸
送層1cの残膜厚が所定値以下となった時には、ユーザ
に感光ドラム1の交換を警告する機構を有する。但し、
本体内で直接残膜厚を測定するのは、大幅なコストアッ
プに繋がり、また精度を確保するのも難しい。よって、
間接的に膜厚を検知するというのが一般的である。
ており、常に機械的な力を受けていることになる。特
に、転写残トナーを除去するためのクリーニングブレー
ド11などは、感光ドラム1に対する当接圧が大きい。
そして、一般に、これらの当接物により感光ドラム1の
表面の電荷輸送層1cは徐々に削られる。特に、本実施
例のように感光ドラム1に対して、帯電ローラ5による
AC放電を行う系においては、像担持体表面が大きなダ
メージを受けるため、削れ量が増大するという傾向があ
る。電荷輸送層1cの膜厚が一定の値以上減少すると、
レーザー露光に対して所定の感度を得られなくなった
り、帯電を均一に行えなくなったりという弊害が発生す
る。場合によっては、帯電ローラ5と感光ドラム1の間
で高圧リークが発生することもあり、本体の破損の可能
性も出てくる。そのため、一般的には、電荷輸送層1c
の残膜厚を検出する何らかの手段を講じておき、電荷輸
送層1cの残膜厚が所定値以下となった時には、ユーザ
に感光ドラム1の交換を警告する機構を有する。但し、
本体内で直接残膜厚を測定するのは、大幅なコストアッ
プに繋がり、また精度を確保するのも難しい。よって、
間接的に膜厚を検知するというのが一般的である。
【0075】本実施例は、間接的に検知された電荷輸送
層1cの残膜厚を元に、電位設定を可変制御するという
ものである。まず、本実施例で用いた電荷輸送層1cの
残膜厚検知法について説明する。図9に示すように本実
施例においては、感光ドラム1、帯電ローラ5、現像装
置8、クリーニングブレード11等の部材を一体成形型
の交換可能なプロセスCRG18として、本体内に配置
できるようにする。そうして、プロセスCRG18内に
は、記憶手段17を設ける。記憶手段17としては、情
報を記憶、保持するものならば特に制限は受けないが、
例えばRAMや、書き換え可能なROM等の電気的な記
憶手段、磁気記録媒体や磁気バブルメモリ、光磁気メモ
リ等の磁気的記憶手段、また、検知コマなどの機械的手
段などが使用される。本実施例においては、取扱い安さ
やコストの点からNV(NonVolatile)RA
Mを使用した。記憶手段17には、感光ドラム1の使用
状況を明確化できる情報、例えば、感光ドラム1の回転
時間、帯電ローラ5にバイアスを印加した時間、レーザ
ー露光時間等を記録しておく。これらの情報から場合に
よっては、演算を行い感光ドラム1の電荷輸送層1cの
残膜厚を類推する。
層1cの残膜厚を元に、電位設定を可変制御するという
ものである。まず、本実施例で用いた電荷輸送層1cの
残膜厚検知法について説明する。図9に示すように本実
施例においては、感光ドラム1、帯電ローラ5、現像装
置8、クリーニングブレード11等の部材を一体成形型
の交換可能なプロセスCRG18として、本体内に配置
できるようにする。そうして、プロセスCRG18内に
は、記憶手段17を設ける。記憶手段17としては、情
報を記憶、保持するものならば特に制限は受けないが、
例えばRAMや、書き換え可能なROM等の電気的な記
憶手段、磁気記録媒体や磁気バブルメモリ、光磁気メモ
リ等の磁気的記憶手段、また、検知コマなどの機械的手
段などが使用される。本実施例においては、取扱い安さ
やコストの点からNV(NonVolatile)RA
Mを使用した。記憶手段17には、感光ドラム1の使用
状況を明確化できる情報、例えば、感光ドラム1の回転
時間、帯電ローラ5にバイアスを印加した時間、レーザ
ー露光時間等を記録しておく。これらの情報から場合に
よっては、演算を行い感光ドラム1の電荷輸送層1cの
残膜厚を類推する。
【0076】本実施例の構成では、図13に示すとお
り、感光ドラム1の電荷輸送層1cの累積削れ量は、帯
電ローラ5にACバイアスを印加した時間+感光ドラム
1の総回転時間/8によく比例することが分かった。よ
って、この演算結果により、感光ドラム1の電荷輸送層
1cの残膜厚を類推するという方式を採用することとし
た。
り、感光ドラム1の電荷輸送層1cの累積削れ量は、帯
電ローラ5にACバイアスを印加した時間+感光ドラム
1の総回転時間/8によく比例することが分かった。よ
って、この演算結果により、感光ドラム1の電荷輸送層
1cの残膜厚を類推するという方式を採用することとし
た。
【0077】図14に、トリボQ/M=−45μC/
g、感光ドラム1の電荷輸送層1cの比誘電率κ=3の
条件下における感光ドラム1の電荷輸送層1cの残膜厚
と電位設定の可変制御の関係を示す。電位設定は、Vd
については、帯電ローラ5に印可するDCバイアス値を
変化させ、Vdevについては、現像バイアスを変化さ
せて対応している。VLについては、本実施例では、レ
ーザー光量は一定としたため、Vdの変化に対応した変
化をしている。場合によっては、レーザー光量も変化さ
せて、VLを独自に変化させる方式を採用してもよい。
g、感光ドラム1の電荷輸送層1cの比誘電率κ=3の
条件下における感光ドラム1の電荷輸送層1cの残膜厚
と電位設定の可変制御の関係を示す。電位設定は、Vd
については、帯電ローラ5に印可するDCバイアス値を
変化させ、Vdevについては、現像バイアスを変化さ
せて対応している。VLについては、本実施例では、レ
ーザー光量は一定としたため、Vdの変化に対応した変
化をしている。場合によっては、レーザー光量も変化さ
せて、VLを独自に変化させる方式を採用してもよい。
【0078】表3に、図14における各ポイントでのベ
タ濃度、ドット再現性、階調性を示す(3)、(5)、
(10)、(14)式の値を示す。本実施例によれば、
いずれのポイントでもベタ濃度、ドット再現性、階調性
が確保されていることが分かる。
タ濃度、ドット再現性、階調性を示す(3)、(5)、
(10)、(14)式の値を示す。本実施例によれば、
いずれのポイントでもベタ濃度、ドット再現性、階調性
が確保されていることが分かる。
【0079】
【表3】
【0080】(第四の実施例)本発明に関わる画像形成
装置の第四の実施例について、図15により説明する。
装置の第四の実施例について、図15により説明する。
【0081】第三の実施例では、感光ドラム1の電荷輸
送層1cの残膜厚に応じて、電位設定を可変制御とする
ことにより、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚の減
少による画質の不安定化要因を取り除いた。本実施例で
は、感光ドラム1の電荷輸送層1cの削れ自体を少なく
する方法について説明する。
送層1cの残膜厚に応じて、電位設定を可変制御とする
ことにより、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚の減
少による画質の不安定化要因を取り除いた。本実施例で
は、感光ドラム1の電荷輸送層1cの削れ自体を少なく
する方法について説明する。
【0082】本実施例では、帯電ローラ5に対してAC
バイアスは印加せず、放電開始電圧(約550V)+|
Vd|相当の負のDCバイアスを印加する。これによ
り、感光ドラム1表面をVd電位までチャージアップす
るようにする。ACバイアス印加を廃止したことによ
り、感光ドラム1に対する放電回数、全放電量を減らす
ことができ、感光ドラム1の受けるダメージは大幅に少
なくなるため、感光ドラム1の電荷輸送層1cの削れも
少なくなる。本実施例の系では、AC帯電系に比べて、
削れ量は1/5になった。
バイアスは印加せず、放電開始電圧(約550V)+|
Vd|相当の負のDCバイアスを印加する。これによ
り、感光ドラム1表面をVd電位までチャージアップす
るようにする。ACバイアス印加を廃止したことによ
り、感光ドラム1に対する放電回数、全放電量を減らす
ことができ、感光ドラム1の受けるダメージは大幅に少
なくなるため、感光ドラム1の電荷輸送層1cの削れも
少なくなる。本実施例の系では、AC帯電系に比べて、
削れ量は1/5になった。
【0083】但し、本実施例のDC帯電系は、AC帯電
系に比べて帯電の均一性に劣るという欠点がある。特
に、帯電前の感光ドラム1の表面電位にムラがある場合
ほど、均一な放電ができなくなり、結果として均一な帯
電ができなくなる。そのため、本実施例では、図15に
示すように、転写部の下流側で、帯電部の上流側の感光
ドラム1対向部に長手全域にLED等の前露光装置15
を配設し、全面露光を行うことにより、転写後の感光ド
ラム1の表面電位にムラがある状態を均してやるという
ことを行うことにする。これにより、帯電ムラを抑制す
ることができるようになった。
系に比べて帯電の均一性に劣るという欠点がある。特
に、帯電前の感光ドラム1の表面電位にムラがある場合
ほど、均一な放電ができなくなり、結果として均一な帯
電ができなくなる。そのため、本実施例では、図15に
示すように、転写部の下流側で、帯電部の上流側の感光
ドラム1対向部に長手全域にLED等の前露光装置15
を配設し、全面露光を行うことにより、転写後の感光ド
ラム1の表面電位にムラがある状態を均してやるという
ことを行うことにする。これにより、帯電ムラを抑制す
ることができるようになった。
【0084】また、本実施例のDC帯電系は、AC帯電
系に比べて、帯電メモリ、露光メモリ、転写メモリ等が
発生しやすいということがある。これらのメモリは、い
ずれも感光ドラム1の感光層に余分な正電荷や負電荷が
トラップされることによって生じるものである。AC帯
電系においては、その性質上、それらトラップされた正
電荷や負電荷を吐き出すことができるという効果があ
る。前述の前露光装置15による全面露光は、これらの
メモリを常に同一状態に保つようにすることにより、実
質上問題をなくすことができるという効果はあるもの
の、それでも十分でないこともある。これらメモリを消
滅させるためには、帯電時における感光ドラム1内の電
界強度が強くなるようにして、トラップされている電荷
が解放されるようにすればよい。そのために、感光層の
電気容量を大きくする、すなわち電荷輸送層1cの膜厚
を小さくすることは非常に効果がある。例えば、本実施
例のように、OPCからなる感光ドラム1を用いた系に
おいては、電荷輸送層1cの膜厚を20μm以下とすれ
ば、帯電メモリ、露光メモリ、転写メモリ等は発生しな
いことが分かった。よって、本実施例では、電荷輸送層
1cの膜厚を20μm以下とする。
系に比べて、帯電メモリ、露光メモリ、転写メモリ等が
発生しやすいということがある。これらのメモリは、い
ずれも感光ドラム1の感光層に余分な正電荷や負電荷が
トラップされることによって生じるものである。AC帯
電系においては、その性質上、それらトラップされた正
電荷や負電荷を吐き出すことができるという効果があ
る。前述の前露光装置15による全面露光は、これらの
メモリを常に同一状態に保つようにすることにより、実
質上問題をなくすことができるという効果はあるもの
の、それでも十分でないこともある。これらメモリを消
滅させるためには、帯電時における感光ドラム1内の電
界強度が強くなるようにして、トラップされている電荷
が解放されるようにすればよい。そのために、感光層の
電気容量を大きくする、すなわち電荷輸送層1cの膜厚
を小さくすることは非常に効果がある。例えば、本実施
例のように、OPCからなる感光ドラム1を用いた系に
おいては、電荷輸送層1cの膜厚を20μm以下とすれ
ば、帯電メモリ、露光メモリ、転写メモリ等は発生しな
いことが分かった。よって、本実施例では、電荷輸送層
1cの膜厚を20μm以下とする。
【0085】先に、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜
厚が一定の値以上減少すると、レーザー露光に対して所
定の感度を得られなくなったり、帯電を均一に行えなく
なったりという弊害が発生すると述べた。このような弊
害が発生する時の電荷輸送層1cの膜厚は、感光層の材
質等により変動する。今仮に、感光ドラム1の電荷輸送
層1cの膜厚が13μm以下でこのような弊害が発生す
ると仮定する。感光ドラム1の電荷輸送層1cの初期膜
厚をいくつ以上にすればよいかということは、当然感光
ドラム1の寿命スペックによって変わる。例えば、AC
帯電系において、感光ドラム1を確保するために感光ド
ラム1の電荷輸送層1cの初期膜厚を25μmに設定し
ていたとすると、本実施例では、上述したように感光ド
ラム1の電荷輸送層1cの削れ量は1/5に抑えること
ができるため、感光ドラム1の電荷輸送層1cの初期膜
厚16μmで十分であることが分かる。第三の実施例で
は、感光ドラム1の使用を通して、感光ドラム1の電荷
輸送層1cの削れ量は12μmあるため、感光ドラム1
の電荷輸送層1cの残膜厚により、電位設定を可変制御
していたが、本実施例によれば、感光ドラム1の使用を
通して、感光ドラム1の電荷輸送層1cの削れ量は3μ
mですむため、図14を見れば分かるように、第三の実
施例で示した制御を行わなくても、電位設定は十分固定
値でベタ濃度、ドット再現性、階調性を満足することが
できる。
厚が一定の値以上減少すると、レーザー露光に対して所
定の感度を得られなくなったり、帯電を均一に行えなく
なったりという弊害が発生すると述べた。このような弊
害が発生する時の電荷輸送層1cの膜厚は、感光層の材
質等により変動する。今仮に、感光ドラム1の電荷輸送
層1cの膜厚が13μm以下でこのような弊害が発生す
ると仮定する。感光ドラム1の電荷輸送層1cの初期膜
厚をいくつ以上にすればよいかということは、当然感光
ドラム1の寿命スペックによって変わる。例えば、AC
帯電系において、感光ドラム1を確保するために感光ド
ラム1の電荷輸送層1cの初期膜厚を25μmに設定し
ていたとすると、本実施例では、上述したように感光ド
ラム1の電荷輸送層1cの削れ量は1/5に抑えること
ができるため、感光ドラム1の電荷輸送層1cの初期膜
厚16μmで十分であることが分かる。第三の実施例で
は、感光ドラム1の使用を通して、感光ドラム1の電荷
輸送層1cの削れ量は12μmあるため、感光ドラム1
の電荷輸送層1cの残膜厚により、電位設定を可変制御
していたが、本実施例によれば、感光ドラム1の使用を
通して、感光ドラム1の電荷輸送層1cの削れ量は3μ
mですむため、図14を見れば分かるように、第三の実
施例で示した制御を行わなくても、電位設定は十分固定
値でベタ濃度、ドット再現性、階調性を満足することが
できる。
【0086】もっとも、第三の実施例で述べた制御を施
せば、なおよくなることには間違いない。表4は、本実
施例において提案できる固定値の電位設定とベタ濃度、
ドット再現性、階調性の関係をまとめたものである。
せば、なおよくなることには間違いない。表4は、本実
施例において提案できる固定値の電位設定とベタ濃度、
ドット再現性、階調性の関係をまとめたものである。
【0087】
【表4】
【0088】ここで、感光ドラム1の電荷輸送層1cの
膜厚dに関して補足する。感光ドラム1の電荷輸送層1
cの膜厚dが大きくなると、概してベタ濃度確保のた
め、|Vdev|が大きくなり、また、ドット再現性確
保のために、|Vd|も大きくしなければならない傾向
にある。これは、現像バイアス、帯電バイアスのDC成
分等のDC高圧を高くする必要があり、コスト的にもま
た高圧リーク等の不具合を考えてもあまり良い方向とは
いえない。また、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚
dは、長手方向で完全に均一であるわけではない。膜厚
のムラは感光層の塗工時や感光ドラムの使用につれて発
生するものであり、電荷輸送層1cの膜厚dが厚いほ
ど、そのムラも大きくなる。この点からしても、安定し
た画質を得るためには、感光ドラム1の電荷輸送層1c
の膜厚dは、できるだけ薄く(20μm以下)とするの
が良いと考えられる。
膜厚dに関して補足する。感光ドラム1の電荷輸送層1
cの膜厚dが大きくなると、概してベタ濃度確保のた
め、|Vdev|が大きくなり、また、ドット再現性確
保のために、|Vd|も大きくしなければならない傾向
にある。これは、現像バイアス、帯電バイアスのDC成
分等のDC高圧を高くする必要があり、コスト的にもま
た高圧リーク等の不具合を考えてもあまり良い方向とは
いえない。また、感光ドラム1の電荷輸送層1cの膜厚
dは、長手方向で完全に均一であるわけではない。膜厚
のムラは感光層の塗工時や感光ドラムの使用につれて発
生するものであり、電荷輸送層1cの膜厚dが厚いほ
ど、そのムラも大きくなる。この点からしても、安定し
た画質を得るためには、感光ドラム1の電荷輸送層1c
の膜厚dは、できるだけ薄く(20μm以下)とするの
が良いと考えられる。
【0089】(第五の実施例)本発明に関わる画像形成
装置の第五の実施例について、図16により説明する。
装置の第五の実施例について、図16により説明する。
【0090】第二の実施例で述べたように、トナーチャ
ージローラ6の芯がね部に放電開始電圧(0.5〜1k
V)以上のDCバイアスを印加することにより、図11
中の(b)に示すとおり、トリボ分布を均一化すること
ができる。しかしながら、この場合には、同時にトリボ
の絶対値も大きくなってしまっている。感光ドラム1上
にトナーを現像するという動作に関して言えば、第二の
実施例でも述べたように、トリボの絶対値いかんに関わ
らず、(3)、(5)、(10)、(14)式により、
最適な電位を設定することができる。
ージローラ6の芯がね部に放電開始電圧(0.5〜1k
V)以上のDCバイアスを印加することにより、図11
中の(b)に示すとおり、トリボ分布を均一化すること
ができる。しかしながら、この場合には、同時にトリボ
の絶対値も大きくなってしまっている。感光ドラム1上
にトナーを現像するという動作に関して言えば、第二の
実施例でも述べたように、トリボの絶対値いかんに関わ
らず、(3)、(5)、(10)、(14)式により、
最適な電位を設定することができる。
【0091】しかしながら、トリボが高い系は、鏡映力
が大きくなることになる。第一の実施例で述べたよう
に、転写工程においては、静電搬送ベルト4を介した転
写ローラ12に正のDCバイアス(転写バイアス)を印
加することにより、トナー16を静電的に転写材に転移
させている。
が大きくなることになる。第一の実施例で述べたよう
に、転写工程においては、静電搬送ベルト4を介した転
写ローラ12に正のDCバイアス(転写バイアス)を印
加することにより、トナー16を静電的に転写材に転移
させている。
【0092】当然、感光ドラム1に対する鏡映力が高い
トナーを転写材に転移させるためには、高い転写バイア
スを必要とすることになる。しかしながら、転写バイア
スを高くすると、感光ドラム1との間で異常放電が起き
やすくなる。異常放電が発生するとその部分の画像が乱
れるということが起きてしまう。これらの現象を抑える
ためできるだけ転写バイアスは低くしておいた方がよ
い。転写バイアスの絶対値については、転写材の種類等
により変動するが、本実施例で述べた構成によれば、ト
ナーのトリボを−25μC/g→−40μC/gとする
ことにより、転写バイアスは一律500V上乗せする必
要があることが分かった。
トナーを転写材に転移させるためには、高い転写バイア
スを必要とすることになる。しかしながら、転写バイア
スを高くすると、感光ドラム1との間で異常放電が起き
やすくなる。異常放電が発生するとその部分の画像が乱
れるということが起きてしまう。これらの現象を抑える
ためできるだけ転写バイアスは低くしておいた方がよ
い。転写バイアスの絶対値については、転写材の種類等
により変動するが、本実施例で述べた構成によれば、ト
ナーのトリボを−25μC/g→−40μC/gとする
ことにより、転写バイアスは一律500V上乗せする必
要があることが分かった。
【0093】また、感光ドラム1上の転写残トナーは、
第一の実施例あるいは第三の実施例で述べたように、感
光ドラム1に対してカウンタ方向に40〜90g/cm
程度の線圧で当接させたポリウレタンゴム等のクリーニ
ングブレード11によって、機械的に掻き取る構成とな
っている。しかしながら、感光ドラム1に対する鏡映力
の強いトナーの場合、十分に掻き取ることができず、一
部のトナーがすり抜けてしまうことがある。いわゆるク
リーニング不良といわれる現象である。
第一の実施例あるいは第三の実施例で述べたように、感
光ドラム1に対してカウンタ方向に40〜90g/cm
程度の線圧で当接させたポリウレタンゴム等のクリーニ
ングブレード11によって、機械的に掻き取る構成とな
っている。しかしながら、感光ドラム1に対する鏡映力
の強いトナーの場合、十分に掻き取ることができず、一
部のトナーがすり抜けてしまうことがある。いわゆるク
リーニング不良といわれる現象である。
【0094】本実施例では、転写部での画像乱れ、クリ
ーニング不良などの弊害発生を抑制するために、トリボ
分布は均一なままでトリボの絶対値を低くするような装
置構成について説明する。
ーニング不良などの弊害発生を抑制するために、トリボ
分布は均一なままでトリボの絶対値を低くするような装
置構成について説明する。
【0095】トナーチャージローラ6の芯がね部に、放
電開始電圧(0.5〜1.0kV)以上の振幅を持つA
Cバイアスに負のDCバイアスを重畳して印加する。こ
の時、現像ローラ3上に薄層コートされたトナー16
は、DC印加バイアスに応じた帯電量(トリボ)に収束
するようになる。図16は、周波数2kHz,Vpp
1.2kV,DC成分0.5kV印加した時のトリボ分
布を示した図である。トリボはほぼ−30μC/gに収
束していることが分かる。表5は、このトナーにおける
電位設定の一例を示したものである。
電開始電圧(0.5〜1.0kV)以上の振幅を持つA
Cバイアスに負のDCバイアスを重畳して印加する。こ
の時、現像ローラ3上に薄層コートされたトナー16
は、DC印加バイアスに応じた帯電量(トリボ)に収束
するようになる。図16は、周波数2kHz,Vpp
1.2kV,DC成分0.5kV印加した時のトリボ分
布を示した図である。トリボはほぼ−30μC/gに収
束していることが分かる。表5は、このトナーにおける
電位設定の一例を示したものである。
【0096】
【表5】
【0097】(第六の実施例)本発明に関わる画像形成
装置の第六の実施例について、図17〜19により説明
する。
装置の第六の実施例について、図17〜19により説明
する。
【0098】トナートリボや感光ドラム1の光感度(V
L電位)は、機内雰囲気温湿度の変化や本体の使用状態
(例えば長期間放置後とか多くの転写材の連続プリント
後)等によって、場合により多少変化してしまうことが
ある。本実施例では、これらの変化を補正しうる装置に
ついて説明する。
L電位)は、機内雰囲気温湿度の変化や本体の使用状態
(例えば長期間放置後とか多くの転写材の連続プリント
後)等によって、場合により多少変化してしまうことが
ある。本実施例では、これらの変化を補正しうる装置に
ついて説明する。
【0099】本実施例では、図17に示したように静電
搬送ベルト4対向部に濃度検知センサ2を配置する。本
実施例では、各色のトナーで静電搬送ベルト4上に濃度
検知用トナー像(パッチ)を試験的にそれぞれ作成し、
それらの濃度を濃度検知センサ2で検知し、その検知結
果から現像バイアスを補正する画像濃度制御を行う。濃
度検知センサ2は、図18に示すようにLED等の発光
素子2a、フォトダイオード等の受光素子2b及びホル
ダーからなっており、発光素子2aからの赤外光を静電
搬送ベルト4上のパッチPに照射させ、そこからの反射
光を受光素子2bで測定することによりパッチの濃度を
測定する。パッチPからの反射光には正反射成分と乱反
射成分とが含まれている。正反射成分は、パッチの下地
となる静電搬送ベルト4表面の状態や濃度検知センサ2
とパッチとの距離の変動により、光量が大きく変動する
ために、測定するパッチからの反射光に正反射成分が含
まれていると、検知精度が著しく低下してしまう。そこ
で、この濃度検知センサ2では、受光素子2bにパッチ
Pからの正反射光が入射しないように、法線Iを基準に
すると、パッチPへの照射角度を45°、パッチPから
の反射光の受光角度を0°として乱反射光のみを測定す
るようにしている。
搬送ベルト4対向部に濃度検知センサ2を配置する。本
実施例では、各色のトナーで静電搬送ベルト4上に濃度
検知用トナー像(パッチ)を試験的にそれぞれ作成し、
それらの濃度を濃度検知センサ2で検知し、その検知結
果から現像バイアスを補正する画像濃度制御を行う。濃
度検知センサ2は、図18に示すようにLED等の発光
素子2a、フォトダイオード等の受光素子2b及びホル
ダーからなっており、発光素子2aからの赤外光を静電
搬送ベルト4上のパッチPに照射させ、そこからの反射
光を受光素子2bで測定することによりパッチの濃度を
測定する。パッチPからの反射光には正反射成分と乱反
射成分とが含まれている。正反射成分は、パッチの下地
となる静電搬送ベルト4表面の状態や濃度検知センサ2
とパッチとの距離の変動により、光量が大きく変動する
ために、測定するパッチからの反射光に正反射成分が含
まれていると、検知精度が著しく低下してしまう。そこ
で、この濃度検知センサ2では、受光素子2bにパッチ
Pからの正反射光が入射しないように、法線Iを基準に
すると、パッチPへの照射角度を45°、パッチPから
の反射光の受光角度を0°として乱反射光のみを測定す
るようにしている。
【0100】図19に実際のパッチPの濃度検知方式に
ついて説明する。パッチパターンとしては、14mm×
14mm程度の四角状のパターンを使用し、例えば図7
で示した面積階調パターンの階調レベル6〜10のハー
フトーンパターンとするのがよい。本実施例の制御法に
ついて、以下説明する。まず、表2〜5に示してあるよ
うな各条件(電位設定、トリボ、膜厚等)下での、その
パターンの光学濃度を予め実験あるいは計算によりに求
めておく。以後、この濃度をDNとおく。そして、この
条件下での最適なVdev(表2〜5等参照)値を中心
として、Vdev値を一定間隔で変化しながら、感光ド
ラム1上にそれぞれに対応したパッチパターンを現像す
る。例えば、変化させるVdev値の間隔を50Vと
し、パッチパターンを5つ作成する。なお、Vdev値
は現像バイアスにより変化させる。濃度検知センサ2に
より、パッチパターンの濃度を検出する。その検出値を
基に、線形補間等の手段を用いて、パッチパターンの濃
度がDNになるような現像バイアスを算出する。そうし
て、このようにして求まった現像バイアスを画像形成時
に用いる。これらを各色について行う。これを「現像バ
イアス制御」という。このような制御を装備することに
より、トナートリボや感光ドラム1の光感度(VL電
位)の不規則的な変動しても、Vdev値の補正が可能
となるため常に安定した画質を提供することが可能とな
る。本実施例では、Vd,VL電位は固定して、Vde
vだけを変化させる方式を用いたが、場合によっては、
帯電バイアス、レーザー露光量等を変化させることによ
り、Vd,VL電位の補正も行えるようにしてもよい。
ついて説明する。パッチパターンとしては、14mm×
14mm程度の四角状のパターンを使用し、例えば図7
で示した面積階調パターンの階調レベル6〜10のハー
フトーンパターンとするのがよい。本実施例の制御法に
ついて、以下説明する。まず、表2〜5に示してあるよ
うな各条件(電位設定、トリボ、膜厚等)下での、その
パターンの光学濃度を予め実験あるいは計算によりに求
めておく。以後、この濃度をDNとおく。そして、この
条件下での最適なVdev(表2〜5等参照)値を中心
として、Vdev値を一定間隔で変化しながら、感光ド
ラム1上にそれぞれに対応したパッチパターンを現像す
る。例えば、変化させるVdev値の間隔を50Vと
し、パッチパターンを5つ作成する。なお、Vdev値
は現像バイアスにより変化させる。濃度検知センサ2に
より、パッチパターンの濃度を検出する。その検出値を
基に、線形補間等の手段を用いて、パッチパターンの濃
度がDNになるような現像バイアスを算出する。そうし
て、このようにして求まった現像バイアスを画像形成時
に用いる。これらを各色について行う。これを「現像バ
イアス制御」という。このような制御を装備することに
より、トナートリボや感光ドラム1の光感度(VL電
位)の不規則的な変動しても、Vdev値の補正が可能
となるため常に安定した画質を提供することが可能とな
る。本実施例では、Vd,VL電位は固定して、Vde
vだけを変化させる方式を用いたが、場合によっては、
帯電バイアス、レーザー露光量等を変化させることによ
り、Vd,VL電位の補正も行えるようにしてもよい。
【0101】また、さらに、現像バイアスを算出された
値に固定して、今度は、特定のディザ処理を施したハー
フトーンパターンの階調(露光量)を一定間隔で変化さ
せながら、複数個のパッチパターンを作成し、濃度検知
センサ2により、それらの濃度を検出するということを
行ってもよい。これらの検出値をもとに、滑らかな階調
性が得られるようにディザ処理を行う場合の露光量に補
正を加えるという制御を施すこともある。これを「ハー
フトーン制御」という。なお、パッチパターンの濃度は
濃度制御実行に先立って行う静電搬送ベルト4の下地単
独での反射光の受光値とパッチパターンを介した反射光
の受光値の差分から計算される。
値に固定して、今度は、特定のディザ処理を施したハー
フトーンパターンの階調(露光量)を一定間隔で変化さ
せながら、複数個のパッチパターンを作成し、濃度検知
センサ2により、それらの濃度を検出するということを
行ってもよい。これらの検出値をもとに、滑らかな階調
性が得られるようにディザ処理を行う場合の露光量に補
正を加えるという制御を施すこともある。これを「ハー
フトーン制御」という。なお、パッチパターンの濃度は
濃度制御実行に先立って行う静電搬送ベルト4の下地単
独での反射光の受光値とパッチパターンを介した反射光
の受光値の差分から計算される。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
帯電手段により像担持体の帯電を行い、さらに露光手段
により、像担持体上に静電潜像を形成し、像担持体に対
し当接配置されたトナー担持体により、像担持体上に形
成された静電潜像にトナーを付着させ、顕在化する画像
形成装置において、実施例記載の(3)、(5)、(1
0)、(14)式を満たすように、帯電手段による帯電
後の前記像担持体の表面電位VD、露光手段による露光
後の像担持体の表面電位VL、トナー担持体の表面電位
Vdevを決定することにより、十分なベタ濃度、ドッ
ト再現性、階調性等を確保できる安定した画質を提供で
きるようになる。
帯電手段により像担持体の帯電を行い、さらに露光手段
により、像担持体上に静電潜像を形成し、像担持体に対
し当接配置されたトナー担持体により、像担持体上に形
成された静電潜像にトナーを付着させ、顕在化する画像
形成装置において、実施例記載の(3)、(5)、(1
0)、(14)式を満たすように、帯電手段による帯電
後の前記像担持体の表面電位VD、露光手段による露光
後の像担持体の表面電位VL、トナー担持体の表面電位
Vdevを決定することにより、十分なベタ濃度、ドッ
ト再現性、階調性等を確保できる安定した画質を提供で
きるようになる。
【図1】本発明に関わる第一の実施例における画像形成
装置の構成図である。
装置の構成図である。
【図2】本発明に関わる第一の実施例における感光ドラ
ムの層構成図である。
ムの層構成図である。
【図3】本発明に関わる第一の実施例におけるトナーの
層構成図である。
層構成図である。
【図4】本発明に関わる第一の実施例におけるDの値と
光学濃度出力値の相関図である。
光学濃度出力値の相関図である。
【図5】本発明に関わる第一の実施例におけるドットが
再現していない状態の模式図である。
再現していない状態の模式図である。
【図6】本発明に関わる第一の実施例におけるドット再
現性確認のためのパターン図である。
現性確認のためのパターン図である。
【図7】本発明に関わる第一の実施例における面積階調
パターンの説明図である。
パターンの説明図である。
【図8】本発明に関わる第一の実施例における階調性の
模式図である。
模式図である。
【図9】本発明に関わる第三の実施例における画像形成
装置の構成図である。
装置の構成図である。
【図10】本発明に関わる第一の実施例における階調レ
ベルと光学濃度出力値の相関図である。
ベルと光学濃度出力値の相関図である。
【図11】本発明に関わる第一及び第二の実施例におけ
るトリボ変動、トリボ分布の関係図である。
るトリボ変動、トリボ分布の関係図である。
【図12】本発明に関わる第二の実施例における画像形
成装置の構成図である。
成装置の構成図である。
【図13】本発明に関わる第三の実施例における感光ド
ラム使用履歴と電荷輸送層の削れ量の相関図である。
ラム使用履歴と電荷輸送層の削れ量の相関図である。
【図14】本発明に関わる第三の実施例における電位設
定の可変制御図である。
定の可変制御図である。
【図15】本発明に関わる第四の実施例における画像形
成装置の構成図である。
成装置の構成図である。
【図16】本発明に関わる第五の実施例におけるトリボ
の分布図である。
の分布図である。
【図17】本発明に関わる第六の実施例における画像形
成装置の構成図である。
成装置の構成図である。
【図18】本発明に関わる第六の実施例における濃度検
知センサの構成図である。
知センサの構成図である。
【図19】本発明に関わる第六の実施例における画像濃
度制御のしくみ図である。
度制御のしくみ図である。
【図20】本発明に関わる第一の実施例における形状係
数SF1の説明図である。
数SF1の説明図である。
1 感光ドラム(像担持体) 1a アルミシリンダー 1b 電荷発生層 1c 電荷輸送層 2 濃度検知センサ 2a 発光素子 2b 受光素子 3 現像ローラ(トナー担持体) 4 静電搬送ベルト 5 帯電ローラ 6 トナーチャージローラ 7 露光装置 8 現像装置 9 定着ローラ 10 加圧ローラ 11 クリーニングブレード 12 転写ローラ 13 テンションローラ 14 駆動ローラ 15 前露光装置 16 トナー 16a コア 16b 樹脂層 16c 表層 17 記憶手段 19 吸着ローラ 22 トナー供給ローラ 23 トナー規制ブレード
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H077 AC04 AD02 AD06 AD13 AD31 AD35 AD36 DA04 DA31 DA63 DB08 EA11 EA15 FA22 FA25 GA13
Claims (24)
- 【請求項1】 表層が光導電体を塗布した感光層を有す
る移動可能に配置された像担持体と;前記像担持体表面
を帯電する帯電手段と;前記帯電手段により帯電された
前記像担持体上に静電潜像を形成させるための露光手段
と;前記像担持体に当接配置され、前記像担持体の移動
速度に対し順方向で、一定の正の周速差を保って移動し
ながら、前記像担持体上に形成された前記静電潜像に対
応させてトナーを付着させるトナー担持体と;トナーの
層厚を規制するための層厚規制手段と;トナー担持体へ
のトナーの供給及びトナー担持体からのトナーの剥ぎ取
りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取り手段とを有する画
像形成装置において、 前記トナー担持体は、少なくとも2層構成を有する弾性
体で、その表面層の膜厚を10〜50μmとし、 前記露光手段による露光後の前記像担持体の表面電位を
VL(V)、前記トナー担持体の表面電位をVdev
(V)、前記像担持体に現像されたトナーの電荷密度を
Q/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電層部の膜厚
をd(μm)、比誘電率をκとした時、 (κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q
/M)2)/|Q/M|>0.5 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項2】 前記露光手段による露光後の前記像担持
体の表面電位をVL(V)、前記帯電手段による帯電後
の前記像担持体の表面電位をVd(V)、前記トナー担
持体の表面電位をVdev(V)、前記像担持体に現像
されたトナーの電荷密度をQ/M(μC/g)、前記感
光層のうち誘電層部の膜厚をd(μm)、比誘電率をκ
とおき、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) G=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))
×k/16−|Vd−Vdev|−0.055×(Q/
M)2 とした時、4<k<12を満たすすべてのkの値におい
て、 −300<G<0 の条件を満たし、かつ (κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q
/M)2)/|Q/M|<1.4 の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の画像
形成装置。 - 【請求項3】 トナー電荷密度Q/Mが−25μC/g
以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画
像形成装置。 - 【請求項4】 前記トナー規制手段対向部の下流側でか
つ前記像担持体当接部の上流側にある前記トナー担持体
に隣接あるいは当接してトナー電荷付与手段を配置し、
前記トナー電荷付与手段により、前記トナー担持体上の
トナーを帯電することを特徴とする請求項1乃至3のい
ずれかに記載の画像形成装置。 - 【請求項5】 前記トナー電荷付与手段として、前記ト
ナー担持体に当接配置した弾性ゴムローラAを用い、前
記弾性ゴムローラAにバイアスを印加することより、ト
ナーを帯電することを特徴とする請求項4に記載の画像
形成装置。 - 【請求項6】 前記帯電手段として、前記像担持体に当
接配置した弾性ゴムローラBを用い、前記弾性ゴムロー
ラBに放電開始電圧以上のDCバイアスを印加し、前記
弾性ゴムローラBと前記像担持体間で放電を行うことに
より、前記像担持体をVd電位まで帯電することを特徴
とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装
置。 - 【請求項7】 前記像担持体として、有機光半導体(O
PC)を用いた場合に、前記誘電層の膜厚を20μm以
下とすることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装
置。 - 【請求項8】 トナーとして、形状係数SF1が100
〜120であるトナーを用いることを特徴とする請求項
1乃至7のいずれかに記載の画像形成装置。 - 【請求項9】 表層が光導電体を塗布した感光層を有す
る移動可能に配置された像担持体と;前記像担持体表面
を帯電する帯電手段と;前記帯電手段により帯電された
前記像担持体上に静電潜像を形成させるための露光手段
と;前記像担持体に当接配置され、前記像担持体の移動
速度に対し順方向で、一定の正の周速差を保って移動し
ながら、前記像担持体上に形成された前記静電潜像に対
応させてトナーを付着させるトナー担持体と;トナーの
層厚を規制するための層厚規制手段と;トナー担持体へ
のトナーの供給及びトナー担持体からのトナーの剥ぎ取
りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取り手段とを有する画
像形成装置において、 前記トナー担持体は、少なくとも2層構成を有する弾性
体で、その表面層の膜厚を10〜50μmとし、 前記露光手段による露光後の前記像担持体の表面電位を
VL(V)、前記帯電手段による帯電後の前記像担持体
の表面電位をVd(V)、前記トナー担持体の表面電位
をVdev(V)、前記像担持体に現像されたトナーの
電荷密度をQ/M(μC/g)、前記感光層のうち誘電
層部の膜厚をd(μm)、比誘電率をκとした時、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) とおき、 (|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5
×|Q/M|−8×d>300 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項10】 前記露光手段による露光後の前記像担
持体の表面電位をVL(V)、前記帯電手段による帯電
後の前記像担持体の表面電位をVd(V)、前記トナー
担持体の表面電位をVdev(V)、前記像担持体に現
像されたトナーの電荷密度をQ/M(μC/g)、前記
感光層のうち誘電層部の膜厚をd(μm)、比誘電率を
κとおき、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) G=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))
×k/16−|Vd−Vdev|−0.055×(Q/
M)2 とした時、4<k<12を満たすすべてのkの値におい
て、 −300<G<0 の条件を満たし、かつ (κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q
/M)2)/|Q/M|<1.4 の条件を満たすことを特徴とする請求項9に記載の画像
形成装置。 - 【請求項11】 トナー電荷密度Q/Mが−25μC/
g以下であることを特徴とする請求項9又は10に記載
の画像形成装置。 - 【請求項12】 前記トナー規制手段対向部の下流側で
かつ前記像担持体当接部の上流側にある前記トナー担持
体に隣接あるいは当接してトナー電荷付与手段を配置
し、前記トナー電荷付与手段により、前記トナー担持体
上のトナーを帯電することを特徴とする請求項9乃至1
1のいずれかに記載の画像形成装置。 - 【請求項13】 前記トナー電荷付与手段として、前記
トナー担持体に当接配置した弾性ゴムローラAを用い、
前記弾性ゴムローラAにバイアスを印加することより、
トナーを帯電することを特徴とする請求項12に記載の
画像形成装置。 - 【請求項14】 前記帯電手段として、前記像担持体に
当接配置した弾性ゴムローラBを用い、前記弾性ゴムロ
ーラBに放電開始電圧以上のDCバイアスを印加し、前
記弾性ゴムローラBと前記像担持体間で放電を行うこと
により、前記像担持体をVd電位まで帯電することを特
徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の画像形成
装置。 - 【請求項15】 前記像担持体として、有機光半導体
(OPC)を用いた場合に、前記誘電層の膜厚を20μ
m以下とすることを特徴とする請求項14に記載の画像
形成装置。 - 【請求項16】 トナーとして、形状係数SF1が10
0〜120であるトナーを用いることを特徴とする請求
項9乃至15のいずれかに記載の画像形成装置。 - 【請求項17】 表層が光導電体を塗布した感光層を有
する移動可能に配置された像担持体と;前記像担持体表
面を帯電する帯電手段と;前記帯電手段により帯電され
た前記像担持体上に静電潜像を形成させるための露光手
段と;前記像担持体に当接配置され、前記像担持体の移
動速度に対し順方向で、一定の正の周速差を保って移動
しながら、前記像担持体上に形成された前記静電潜像に
対応させてトナーを付着させるトナー担持体と;トナー
の層厚を規制するための層厚規制手段と;トナー担持体
へのトナーの供給及びトナー担持体からのトナーの剥ぎ
取りを行うためのトナー供給兼剥ぎ取り手段とを有する
画像形成装置において、前記トナー担持体は、少なくと
も2層構成を有する弾性体で、その表面層の膜厚を10
〜50μmとし、前記露光手段による露光後の前記像担
持体の表面電位をVL(V)、前記帯電手段による帯電
後の前記像担持体の表面電位をVd(V)、前記トナー
担持体の表面電位をVdev(V)、前記像担持体に現
像されたトナーの電荷密度をQ/M(μC/g)、前記
感光層のうち誘電層部の膜厚をd(μm)、比誘電率を
κとおき、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) とした時、 D>0.5 かつ (|Vd−VL|−F・|Q/M|/(κ/d))+5
×|Q/M|−8×d>300 の条件を満たすことを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項18】 前記露光手段による露光後の前記像担
持体の表面電位をVL(V)、前記帯電手段による帯電
後の前記像担持体の表面電位をVd(V)、前記トナー
担持体の表面電位をVdev(V)、前記像担持体に現
像されたトナーの電荷密度をQ/M(μC/g)、前記
感光層のうち誘電層部の膜厚をd(μm)、比誘電率を
κとおき、 D=(κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×
(Q/M)2)/|Q/M| F=D(D≦1.0) F=1.0(D>1.0) G=(|Vd−VL|−F×|Q/M|/(κ/d))
×k/16−|Vd−Vdev|−0.055×(Q/
M)2 とした時、4<k<12を満たすすべてのkの値におい
て、 −300<G<0 の条件を満たし、かつ (κ/d)×(|Vdev−VL|−0.055×(Q
/M)2)/|Q/M|<1.4 の条件を満たすことを特徴とする請求項17に記載の画
像形成装置。 - 【請求項19】 トナー電荷密度Q/Mが−25μC/
g以下であることを特徴とする請求項17又は18に記
載の画像形成装置。 - 【請求項20】 前記トナー規制手段対向部の下流側で
かつ前記像担持体当接部の上流側にある前記トナー担持
体に隣接あるいは当接してトナー電荷付与手段を配置
し、前記トナー電荷付与手段により、前記トナー担持体
上のトナーを帯電することを特徴とする請求項17乃至
19のいずれかに記載の画像形成装置。 - 【請求項21】 前記トナー電荷付与手段として、前記
トナー担持体に当接配置した弾性ゴムローラAを用い、
前記弾性ゴムローラAにバイアスを印加することより、
トナーを帯電することを特徴とする請求項20に記載の
画像形成装置。 - 【請求項22】 前記帯電手段として、前記像担持体に
当接配置した弾性ゴムローラBを用い、前記弾性ゴムロ
ーラBに放電開始電圧以上のDCバイアスを印加し、前
記弾性ゴムローラBと前記像担持体間で放電を行うこと
により、前記像担持体をVd電位まで帯電することを特
徴とする請求項17乃至21のいずれかに記載の画像形
成装置。 - 【請求項23】 前記像担持体として、有機光半導体
(OPC)を用いた場合に、前記誘電層の膜厚を20μ
m以下とすることを特徴とする請求項22に記載の画像
形成装置。 - 【請求項24】 トナーとして、形状係数SF1が10
0〜120であるトナーを用いることを特徴とする請求
項17乃至23のいずれかに記載の画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11187241A JP2001013788A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11187241A JP2001013788A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001013788A true JP2001013788A (ja) | 2001-01-19 |
Family
ID=16202531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11187241A Withdrawn JP2001013788A (ja) | 1999-07-01 | 1999-07-01 | 画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001013788A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8488995B2 (en) | 2009-07-27 | 2013-07-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
-
1999
- 1999-07-01 JP JP11187241A patent/JP2001013788A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8488995B2 (en) | 2009-07-27 | 2013-07-16 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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