JP2001013323A - 楕円偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

楕円偏光板および液晶表示装置

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JP2001013323A
JP2001013323A JP11183688A JP18368899A JP2001013323A JP 2001013323 A JP2001013323 A JP 2001013323A JP 11183688 A JP11183688 A JP 11183688A JP 18368899 A JP18368899 A JP 18368899A JP 2001013323 A JP2001013323 A JP 2001013323A
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optically anisotropic
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polarizing plate
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Yoji Ito
洋士 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定の光学的性能を有し、かつ容易に製造で
きる楕円偏光板を得る。 【解決手段】 透明支持体上に液晶性分子から形成され
た光学異方性層を有し、透明支持体側または光学異方性
層側のいずれか一方の側に偏光膜が配置されている楕円
偏光板において、光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の
面内透過軸との角度が5゜乃至85゜となるように光学
異方性層および偏光膜を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶性分子から形
成された光学異方性層、透明支持体および偏光膜からな
り、偏光膜が外側に配置されている楕円偏光板およびそ
れを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、CRT(cat
hode ray tube)と比較して、薄型、軽量、低消費電力と
の大きな利点を有する。液晶表示装置は、液晶セルおよ
び液晶セルの両側に配置された一対の偏光素子からな
る。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入するため
の二枚の基板および棒状液晶性分子に電圧を加えるため
の電極層からなる。封入した棒状液晶性分子を配向させ
るため、二枚の基板には配向膜が設けられる。液晶セル
に表示される画像の着色を除去するため、液晶セルと偏
光素子との間に光学補償シート(位相差板)を設けるこ
とが多い。偏光素子(偏光膜)と光学補償シートとの積
層体は、楕円偏光板として機能する。光学補償シート
に、液晶セルの視野角を拡大する機能を付与する場合も
ある。光学補償シートとしては、延伸複屈折フイルムが
従来から使用されている。
【0003】延伸複屈折フイルムに代えて、透明支持体
上に液晶性分子から形成した光学異方性層を有する光学
補償シートを使用することも提案されている。光学異方
性層は、液晶性分子を配向させ、その配向状態を固定す
ることにより形成する。液晶性分子には多様な配向形態
があるため、液晶性分子を用いることで、従来の延伸複
屈折フイルムでは得ることができない光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することができる。液晶性分子
としては、ディスコティック液晶性分子が特に好ましく
用いられている。液晶性分子を用いた光学補償シートに
ついては、特開平3−9325号、同6−214116
号の各公報、および米国特許5583679号、同56
46703号、西独特許公報3911620A1号の各
明細書に記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が、液晶性分
子を用いた光学補償シートを検討したところ、製品間の
ばらつきが大きく、一定の性能が維持できていないこと
が判明した。さらに、本発明者の研究により、従来の技
術では、光学異方性層、透明支持体および偏光膜の配置
に問題があって、光学補償シートのレターデーションム
ラや偏光膜との貼り合わせ角度の微妙なずれにより、製
品の光学性能が大きく左右されていることが判明した。
本発明の目的は、一定の光学的性能を有し、かつ容易に
製造できる楕円偏光板および液晶表示装置を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(10)の楕円偏光板および下記(11)の液
晶表示装置により達成された。 (1)透明支持体上に液晶性分子から形成された光学異
方性層を有し、透明支持体側または光学異方性層側のい
ずれか一方の側に偏光膜が配置されている楕円偏光板で
あって、光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内透過
軸との角度が5゜乃至85゜となるように光学異方性層
および偏光膜が配置されていることを特徴とする楕円偏
光板。 (2)液晶性分子が棒状液晶性分子である(1)に記載
の楕円偏光板。 (3)液晶性分子がディスコティック液晶性分子である
請求項1(1)に記載の楕円偏光板。 (4)光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内透過軸
との角度が5゜乃至40゜となるように光学異方性層お
よび偏光膜が配置されている請求項1(1)に記載の楕
円偏光板。 (5)光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内透過軸
との角度が50゜乃至85゜となるように光学異方性層
および偏光膜が配置されている(1)に記載の楕円偏光
板。
【0006】(6)光学異方性層、透明支持体、そして
偏光膜の順序で積層されている(1)に記載の楕円偏光
板。 (7)さらに透明保護膜を有し、光学異方性層、透明支
持体、偏光膜、そして透明保護膜の順序で積層されてい
る(6)に記載の楕円偏光板。 (7)さらに配向膜を有し、光学異方性層、配向膜、透
明支持体、そして偏光膜の順序で積層されている(6)
に記載の楕円偏光板。 (9)配向膜が、光照射により配向機能が生じた配向膜
である(8)に記載の楕円偏光板。 (10)楕円偏光板が長尺状の形状を有し、配向膜が、
透明支持体の長手方向に対して5゜乃至85゜の方向か
らの光照射により配向機能が生じた配向膜である(9)
に記載の楕円偏光板。
【0007】(11)液晶セルおよび液晶セルの両側に
配置された一対の偏光素子からなる液晶表示装置であっ
て、偏光素子の少なくとも一方が、液晶性分子から形成
された光学異方性層、透明支持体および偏光膜からな
り、偏光膜が最も外側に配置されている楕円偏光板であ
り、光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内透過軸と
の角度が5゜乃至85゜となるように光学異方性層およ
び偏光膜が配置されていることを特徴とする液晶表示装
置。なお、本明細書において、「遅相軸(slow axis) 」
は屈折率が最大となる方向を、そして「透過軸(transm
ission axis)」は透過率が最大となる方向をそれぞれ意
味する。また、遅相軸と透過軸との角度は、遅相軸と透
過軸とを同一平面(支持体表面)に投影し、同一平面内
の直線(遅相軸と透過軸に対応)の間に存在する二種類
の角度のうち小さい方の角度を意味する。
【0008】
【発明の効果】本発明者の研究により、光学異方性層の
面内遅相軸と偏光膜の面内透過軸との角度を垂直でもな
く平行でもない角度(すなわち5゜乃至85゜)に調節
できることが判明した。具体的には、光学異方性層の液
晶性分子の配向方向を、偏光膜の面内透過軸に対して、
垂直でもなく平行でもない角度に調整すれば良い。従来
の技術では、光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内
透過軸とを実質的に垂直(85゜〜90゜)または実質
的に平行(0゜〜5゜)に調節していた。しかし、本発
明者の研究によれば、光学異方性層の面内遅相軸と偏光
膜の面内透過軸との角度は、垂直でもなく平行でもない
角度(すなわち5゜乃至85゜)に調節しても、光学的
性質が優れた楕円偏光板が得られる。さらに、従来の技
術よりも容易に一定の光学的性能を有する楕円偏光板が
製造できる。従って、本発明によれば、一定の光学的性
能を有し、かつ容易に製造できる楕円偏光板および液晶
表示装置が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】[楕円偏光板]楕円偏光板は、液
晶性分子から形成された光学異方性層、透明支持体およ
び偏光膜を有する。光学異方性層および透明支持体の光
学的性質としては、下記式(1)で定義されるReレタ
ーデーション値および下記式(2a)または(2b)で
定義されるRthレターデーション値が重要である。 (1) Re=(nx−ny)×d (2a)Rth=[(n2+n3)/2−n1]×d (2b)Rth=[(nx+ny)/2−nz]×d 式中、nxは、光学異方性層または透明支持体の面内遅
相軸の屈折率であり;nyは、光学異方性層または透明
支持体の面内進相軸の屈折率であり;n1は、光学異方
性層の屈折率主値の最小値であり;n2およびn3は、
光学異方性層のその他の屈折率主値であり;nzは、透
明支持体の厚さ方向の屈折率であり;そして、dは光学
異方性層または透明支持体の厚さである。光学異方性層
のReレターデーション値は、10乃至1000nmで
あることが好ましい。光学異方性層のRthレターデーシ
ョン値は、40乃至1000nmであることが好まし
い。また、光学異方性層では、屈折率の主値の最小値の
方向とフイルム法線との角度(β)が、20乃至50゜
であることが好ましい。
【0010】透明支持体(二枚以上の透明支持体を用い
る場合は、それらの積層体)のReレターデーション値
は、0乃至100nmであることが好ましく、Rthレタ
ーデーション値は、10乃至1000nmであることが
好ましい。本発明の液晶表示装置には、光学補償作用の
波長依存性が低いとの特徴がある。光学補償作用の波長
依存性が低いとは、具体的には、液晶表示装置に使用す
る光学異方性層と透明支持体のReレターデーションの
合計値(二枚の楕円偏光板を使用する場合は、全ての光
学異方性層と透明支持体の合計値)と液晶セルのReレ
ターデーションとの差は、400乃至700nmの範囲
のいずれの波長においても、10nm以下であることを
意味する。本発明に従い、楕円偏光板の光学異方性層と
偏光膜を、光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内透
過軸との角度が5゜乃至85゜となるように配置するこ
とで、この値は容易に達成できる。光学異方性層の面内
遅相軸と偏光膜の面内透過軸との角度は、5゜乃至40
゜または50゜乃至85゜であることが好ましい。
【0011】[光学異方性層]光学異方性層は液晶性分
子から形成した層である。光学異方性層は、後述する配
向膜によって液晶性分子を配向させ、その配向状態の液
晶性分子を固定することによって形成することが好まし
い。液晶性分子は、重合反応により固定することが好ま
しい。なお、液晶性分子が重合あるいは架橋により液晶
性を失っても、本発明における光学異方性層として機能
する。液晶性分子としては、棒状液晶性分子またはディ
スコティック液晶性分子が好ましく用いられる。光学異
方性層の液晶性分子の配向状態は、液晶セル中の棒状液
晶性分子の配向状態に対応して、最適な光学補償の関係
となるように決定する。配向状態の例には、ホモジニア
ス配向、ホメオトロピック配向、ハイブリッド配向およ
びカイラルネマティック配向が含まれる。棒状液晶性分
子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェ
ニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル
類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シ
アノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピ
リミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フ
ェニルジオキサン類、トラン類およびアルケニルシクロ
ヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。な
お、棒状液晶性分子には、金属錯体も含まれる。棒状液
晶性分子については、季刊化学総説第22巻液晶の化学
(1994年)日本化学会編の第4章、第7章および第
11章、および液晶デバイスハンドブック日本学術振興
会第142委員会編の第3章に記載がある。棒状液晶性
分子の複屈折率は、0.001乃至0.7であることが
好ましい。棒状液晶性分子は、重合性基を有することが
好ましい。重合性基の例は、ディスコティック液晶性分
子の重合性基(Q)の例と同様である。以下に(非重合
性)棒状液晶性分子の例を示す。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】さらに、重合性棒状液晶性分子の例を示
す。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】ディスコティック液晶性分子は、様々な文
献(C. Destrade et al., Mol. Crysr. Liq. Cryst., v
ol. 71, page 111 (1981) ;日本化学会編、季刊化学総
説、No.22、液晶の化学、第5章、第10章第2節
(1994);B. Kohne et al., Angew. Chem. Soc. Chem. C
omm., page 1794 (1985);J. Zhang et al., J. Am.Che
m. Soc., vol. 116, page 2655 (1994))に記載されて
いる。ディスコティック液晶性分子およびその重合反応
については、特開平8−5837号、同8−2728
4、同8−334621号、同9−104656号の各
公報に記載がある。ディスコティック液晶性分子を重合
により固定するためには、ディスコティック液晶性分子
の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必
要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させる
と、重合反応において配向状態を保つことが困難にな
る。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を
導入する。従って、重合性基を有するディスコティック
液晶性分子は、下記式で表わされる化合物であることが
好ましい。
【0024】D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】上記式において、二価の連結基(L)は、
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
【0033】L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO− L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO−
【0034】 L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0035】液晶セルがSTNモードの場合、AL(ア
ルキレン基またはアルケニレン基)に不斉炭素原子を導
入し、ディスコティック液晶性分子を螺旋状にねじれ配
向させることが好ましい。不斉炭素原子を含むAL*の
例を以下に挙げる。左側が円盤状コア(D)側であり、
右側が重合性基(Q)側である。*印を付けた炭素原子
(C)が不斉炭素原子である。光学活性は、SとRのい
ずれでもよい。
【0036】 AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 − AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
【0037】 AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH2
【0038】 AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2 CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2 CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH2 CH2
【0039】前記式の重合性基(Q)は、重合反応の種
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0040】
【化18】
【0041】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。二種類以上のディス
コティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、二価
の連結基に不斉炭素原子を有する分子と有していない分
子を併用することができる。また、重合性基(Q)を有
する分子と有していない分子を併用してもよい。
【0042】非重合性ディスコティック液晶性分子は、
前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基
(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物
であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコテ
ィック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物である
ことが好ましい。 D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)
の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変
更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子
の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、
前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様であ
る。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40である
ことが好ましく、1乃至30であることがさらに好まし
い。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好まし
く、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル
基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が
1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好まし
い。
【0043】光学異方性層は、液晶性分子、さらに必要
に応じて不斉炭素原子を含む化合物、下記のセルロース
エステル、あるいは下記の重合開始剤や他の添加剤を含
む塗布液を、垂直配向膜の上に塗布することで形成す
る。光学異方性層の空気界面側の液晶性分子の配向を安
定化させるため、セルロースエステルを添加することが
好ましい。セルロースエステルとしては、セルロースの
低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。セルロー
スの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」とは、
炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子数
は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4であるこ
とがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロキ
シ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセル
ロースとエステルを形成していてもよい。セルロースの
低級脂肪酸エステルの例には、セルロースアセテート、
セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セ
ルロースヒドロキシプロピオネート、セルロースアセテ
ートプロピオネートおよびセルロースアセテートブチレ
ートが含まれる。セルロースアセテートブチレートが特
に好ましい。セルロースアセテートブチレートのブチリ
ル化度は、30%以上であることが好ましく、30乃至
80%であることがさらに好ましい。セルロースアセテ
ートブチレートのアセチル化度は、30%以下であるこ
とが好ましく、1乃至30%であることがさらに好まし
い。セルロースエステルは、0.005乃至0.5g/
2 の範囲の量で使用することが好ましく、0.01乃
至0.45g/m2 の範囲であることがより好ましく、
0.02乃至0.4/m2 の範囲であることがさらに好
ましく、0.03乃至0.35/m2 の範囲であること
が最も好ましい。また、ディスコティック液晶性分子の
量の0.1乃至5重量%の量で使用することも好まし
い。
【0044】塗布液の調製に使用する溶媒としては、有
機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミ
ド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシ
ド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物
(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサ
ン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロ
メタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、
ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテ
ル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ま
しい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。
【0045】塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出
しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング
法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティン
グ法、バーコーティング法)により実施できる。配向さ
せた液晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定
化は、液晶性分子に導入した重合性基(Q)の重合反応
により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合
開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重
合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開
始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許236
7661号、同2367670号の各明細書記載)、ア
シロインエーテル(米国特許2448828号明細書記
載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国
特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物
(米国特許3046127号、同2951758号の各
明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp
−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許35
49367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジ
ン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許
4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール
化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含ま
れる。
【0046】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。液晶性分
子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ま
しい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J
/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ
/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促
進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光
学異方性層の厚さは、0.1乃至50μmであることが
好ましく、1乃至30μmであることがさらに好まし
く、5乃至20μmであることが最も好ましい。なお、
液晶表示装置に光学補償シートを二枚用いる場合は、一
枚使用する場合に必要とされる光学異方性層の厚さの半
分の厚さでよい。保護層を、光学異方性層の上に設けて
もよい。
【0047】[配向膜]配向膜は、液晶性分子の配向方
向を規定する機能を有する。配向膜は、有機化合物(好
ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方
蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、あるいはラ
ングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合
物(例、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアン
モニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のよ
うな手段で、設けることができる。さらに、電場の付
与、磁場の付与あるいは光照射により、配向機能が生じ
る配向膜も知られている。配向膜は、ポリマーのラビン
グ処理または光照射により形成することが好ましい。ポ
リビニルアルコールが、好ましいポリマーである。疎水
性基が結合している変性ポリビニルアルコールが特に好
ましい。疎水性基は光学異方性層の液晶性分子と親和性
があるため、疎水性基をポリビニルアルコールに導入す
ることで、液晶性分子を均一に配向させることができ
る。疎水性基は、ポリビニルアルコールの主鎖末端また
は側鎖に結合させる。疎水性基は、炭素原子数が6以上
の脂肪族基(好ましくはアルキル基またはアルケニル
基)または芳香族基が好ましい。ポリビニルアルコール
の主鎖末端に疎水性基を結合させる場合は、疎水性基と
主鎖末端との間に連結基を導入することが好ましい。連
結基の例には、−S−、−C(CN)R1 −、−NR2
−、−CS−およびそれらの組み合わせが含まれる。上
記R1 およびR2 は、それぞれ、水素原子または炭素原
子数が1乃至6のアルキル基(好ましくは、炭素原子数
が1乃至6のアルキル基)である。
【0048】ポリビニルアルコールの側鎖に疎水性基を
導入する場合は、ポリビニルアルコールの酢酸ビニル単
位のアセチル基(−CO−CH3 )の一部を、炭素原子
数が7以上のアシル基(−CO−R3 )に置き換えれば
よい。R3 は、炭素原子数が6以上の脂肪族基または芳
香族基である。市販の変性ポリビニルアルコール(例、
MP103、MP203、R1130、クラレ(株)
製)を用いてもよい。配向膜に用いる(変性)ポリビニ
ルアルコールのケン化度は、80%以上であることが好
ましい。(変性)ポリビニルアルコールの重合度は、2
00以上であることが好ましい。ラビング処理は、配向
膜の表面を、紙や布で一定方向に、数回こすることによ
り実施する。長さおよび太さが均一な繊維を均一に植毛
した布を用いることが好ましい。
【0049】光照射によって配向機能が付与される配向
膜は、フォトクロミック化合物または感光性ポリマーを
用いて形成する。フォトクロミック化合物は、光の作用
で化学構造に変化が生じ、それにより光に対する挙動
(例えば色調)も変化する化合物である。一般に、それ
らの変化は可逆的である。液晶セルについて従来提案さ
れたフォトクロミック化合物には、アゾベンゼン化合物
(K. Ichimura et al., Langmuir, vol. 4, page 1214
(1988);K. Aokiet al., Langmuir, vol. 8, page 1007
(1992);Y. Suzuki et al., Langmuir,vol. 8, page 2
601 (1992);K. Ichimura et al., Appl. Phys. Lett.,
vol. 63, No. 4, page 449 (1993);N. Ishizuki, Lan
gmuir, vol. 9, page 3298 (1993) ;N. Ishizuki, Lan
gmuir, vol. 9, page 857 (1993))、ヒドラゾノ−β−
ケトエステル化合物(S. Yamamura et al., Liquid Cry
stals, vol. 13, No. 2, page 189 (1993))、スチルベ
ン化合物(市村國宏他、高分子論文集、第47巻、10
号、771頁(1990))およびスピロピラン化合物(K. I
chimura et al., Chemistry Letters, page 1063 (199
2) ;K. Ichimura et al., Thin Solid Films, vol. 23
5, page 101 (1993) )が含まれる。
【0050】C=C、C=NまたはN=Nからなる二重
結合構造を含むフォトクロミック化合物が、特に好まし
い。二重結合構造を有するフォトクロミック化合物は、
下記(1)および(2)の必須要素と、下記(3)〜
(5)の任意要素からなる。 (1)C=C、C=NまたはN=Nからなる二重結合構
造 (2)上記(1)の結合の両側に(直結しなくてもよ
く)存在する環状構造 (3)任意の(1)と(2)との間の連結基 (4)任意の(1)の炭素原子の置換基 (5)任意の(2)の環状構造の置換基 上記(1)の二重結合構造は、シス型よりもトランス型
が好ましい。二重結合構造は、分子内に二つ以上存在し
ていてもよい。複数の二重結合構造は、共役の関係にあ
ることが好ましい。上記(2)の環状構造の例には、ベ
ンゼン環、ナフタレン環および含窒素複素環(例、ピリ
ジニウム環、ベンゾピリジニウム環)が含まれる。含窒
素複素環の場合、環を構成する(窒素原子ではなく)炭
素原子が(1)の二重結合構造の炭素原子または窒素原
子と結合することが好ましい。ベンゼン環が特に好まし
い。
【0051】上記(3)の連結基の例には、−NH−お
よび−CO−が含まれる。ただし、(3)の連結基がな
く、(1)と(2)とが直結していることが好ましい。
上記(4)の置換基の例には、アリール基(例、フェニ
ル)およびシアノが含まれる。ただし、(4)の置換基
がなく、二重結合構造に含まれる炭素原子が、(2)と
の結合以外は無置換(−CH=CH−または−CH=N
−)であることが好ましい。上記(5)の置換基の例に
は、アルコキシ基(例、メトキシ、ヘキシルオキシ)、
シアノ、アルキル基(例、ブチル、ヘキシル)およびア
ルキルアミノ基(例、ジメチルアミノ)を挙げることが
できる。(2)の環状構造がベンゼン環の場合、パラ位
に置換基が結合することが好ましい。なお、後述するよ
うに、フォトクロミック化合物をポリマーに化学的結合
させて使用する場合は、ポリマーに化学的結合させるた
めの官能基を、(5)の置換基としてフォトクロミック
化合物に導入する。
【0052】配向膜の形成において、フォトクロミック
化合物は、何らかの手段を用いて支持体表面に対して固
定して使用する必要がある。フォトクロミック化合物の
固定手段としては、(a)ポリマーとフォトクロミック
化合物の混合物塗布による固定、(b)フォトクロミッ
ク化合物のポリマーへの化学的結合、(c)フォトクロ
ミック化合物の支持体表面への吸着および(d)フォト
クロミック化合物の支持体表面への化学的結合がある。
液晶セルでは、(c)または(d)の手段を用いて、液
晶セルの基板である石英ガラス表面に、フォトクロミッ
ク化合物を吸着または結合させる手段が普通に用いられ
ていた。しかし、光学補償シートでは、液晶表示装置の
軽量化のため、ガラス板よりもプラスチックフイルムを
支持体として用いることが好ましい。そのため、光学補
償シートでは、(a)または(b)の手段を用いること
が好ましい。フォトクロミック化合物を安定に固定する
ため、(b)の手段を用いることが特に好ましい。
【0053】(a)または(b)の手段に使用するポリ
マーは、親水性ポリマー(例、ゼラチン、ポリビニルア
ルコール)であることが好ましい。ポリビニルアルコー
ルが特に好ましく用いられる。(b)の手段における、
フォトクロミック化合物とポリマーとの反応は、ポリマ
ーの種類(特に官能基の種類)に応じて決定する。ポリ
ビニルアルコールのような水酸基を有するポリマーの場
合は、酸ハライドと水酸基との反応を利用して、フォト
クロミック化合物をポリマーと結合させることができ
る。具体的には、ハロゲン化アシル基(−COX、Xは
ハロゲン)を、フォトクロミック化合物に置換基として
導入し、ハロゲン化アシル基とポリマーの水酸基との反
応(Ph−COX+HO−Pl→Ph−CO−O−Pl
+HX、Phはフォトクロミック化合物、Plはポリマ
ーの主鎖)により化学的に結合させる。
【0054】感光性ポリマーは、光異性化ポリマー、光
二量化ポリマーおよび光分解ポリマーに分類できる。光
異性化ポリマーとしては、上記のようにフォトクロミッ
ク化合物を結合させたポリマーが代表的(実質的には同
義)である。光二量化ポリマーの例には、ポリビニルシ
ンナメートが含まれる。光分解ポリマーの例には、ポリ
イミドが含まれる。光分解型ポリイミドについては、特
開平5−34699号、同6−289399号、同8−
122792号の各公報および第22回液晶討論会講演
予稿集、1672頁A17(1996)に記載がある。フォト
クロミック化合物または感光性ポリマーを含む膜は、適
当な溶媒を用いた溶液または分散液の塗布により、透明
支持体上に形成することができる。なお、配向膜の構成
成分は、液晶としての性質を示さないことが好ましい。
配向膜の厚さは、0.1乃至5μmであることが好まし
く、0.2乃至2μmであることがさらに好ましい。以
上のようにフォトクロミック化合物または感光性ポリマ
ーを含む膜を形成してから、単一方向からの光照射によ
り膜に配向機能を付与する。照射する光は、X線、電子
線、紫外線、可視光線または赤外線(熱線)が用いられ
る。紫外線を用いることが特に好ましい。光源として
は、低圧水銀ランプ(殺菌ランプ、蛍光ケミカルラン
プ、ブラックライト)、高圧放電ランプ(高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ)あるいはショートアーク放
電ランプ(超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キ
セノンランプ)が好ましく用いられる。
【0055】光は、可能な限り単一方向に揃えて膜に照
射する。この単一方向とは、膜平面(光の方向を膜平面
に投影した向き)において単一の方向であることを意味
し、膜平面に対して水平または垂直の方向も含む。光照
射の方向は、製造される光学補償シートの光軸が、ロー
ル状シートの長手方向と一致するように調整することが
好ましい。そのためには、光照射の方向は、一般にロー
ル状シートの長手方向とは異なる角度になる。具体的な
角度は、配向膜とディスコティック液晶性化合物の種類
によって決定される。なお、液晶セルに関する従来技術
では、両面配向膜の間に液晶層を設けてから、光照射を
実施していた。そのため、従来は、基板(支持体)通し
て光を照射していた。これに対して、光学補償シートの
作成では、液晶性化合物を含む層を設ける前に、光照射
を実施することが可能であり、かつ好ましい。よって、
透明支持体側からではなく、直接、フォトクロミック化
合物または感光性ポリマーを含む膜に対して光を照射で
きる。また、液晶セルに関する従来技術では、一般に、
直線偏光を照射していたが、光学補償シートの作成で
は、偏光していない自然光を照射してもよい。露光量
は、2000乃至6000mJ/cm2 であることが好
ましく、3000乃至5000mJ/cm2 であること
がさらに好ましく、4000mJ/cm2 程度であるこ
とが最も好ましい。短時間で膜に配向機能を付与するた
めには、加熱しながら光を照射することが好ましい。加
熱温度は、40乃至250℃であることが好ましい。
【0056】液晶性分子の光軸、すなわち光学異方性層
の面内の遅相軸は、一般にラビング方向または光照射方
向と同じか直交する方向である。従って、長尺状フイル
ムの搬送方向に対して、ラビング軸または光照射方向が
斜め(5゜乃至85゜)になるように、ラビング処理ま
たは光照射を実施することが好ましい。液晶性分子が光
感応性(光異性化性、光架橋性)を有する場合には、液
晶性分子を含む光学異方性層に直接、光(好ましくは偏
光)を照射することで、液晶性分子を配向させることも
できる。なお、光学異方性層の液晶性分子を配向膜を用
いて配向後、配向膜を除去しても、液晶性分子の配向状
態を保つことができる。すなわち、配向膜は、液晶性分
子を配向するため楕円偏光板の製造において必須である
が、製造された楕円偏光板においては必須ではない。配
向膜を透明支持体と光学異方性層との間に設ける場合
は、さらに下塗り層(接着層)を透明支持体と配向膜と
の間に設けることが好ましい。
【0057】[透明支持体]透明支持体は、正の固有複
屈折を有する透明なポリマーから形成することが好まし
い。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上で
あることを意味する。正の固有複屈折を有するポリマー
を面配向させて得たポリマーフイルムは、一般に負の屈
折率楕円を有する。その光軸は、法線方向に一本または
法線を挟んで同一の角度で二本存在することが好まし
い。ポリマーの例には、ポリカーボネート、ポリアリレ
ート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリスチ
レン(例えば、特開平8−239497号公報記載のシ
ンジオタクティックポリスチレン)およびセルロースエ
ステル(例、ジアセチルセルロース、トリアセチルセル
ロース)が含まれる。ポリカーボネートおよびセルロー
スエステルが好ましい。セルロースエステルがさらに好
ましく、トリアセチルセルロースが特に好ましい。ポリ
マーフイルムは、ソルベントキャスト法により形成する
ことが好ましい。
【0058】透明支持体は光学異方性を有していてもよ
い。セルロースエステルフイルムは、一般に光学等方性
とされるが、レターデーション上昇剤を使用すること
で、光学異方性のセルロースエステルフイルムをえるこ
とができる。芳香族環を少なくとも二つ有し、二つの芳
香族環の立体配座を立体障害しない分子構造を有する化
合物を、セルロースエステルフイルム用レターデーショ
ン上昇剤として使用することができる。「レターデーシ
ョン上昇剤」とは、ブリードアウトのような多量添加に
よる問題を生じない範囲の量で使用した場合に、セルロ
ースエステルフイルムのレターデーション(具体的に
は、波長550nmにおける厚み方向のレターデーショ
ン値=Rth550 )を、無添加の場合の2倍以上(通常
は、2倍乃至10倍)に上昇させる機能を有する化合物
を意味する。レターデーションが充分に上昇し、多量添
加による問題を生じない範囲の量は、一般に、セルロー
スエステル100重量部に対して、0.3乃至20重量
部である。レターデーション上昇剤の使用により得られ
る、セルロースエステルフイルムの波長550nmにお
ける厚み方向のレターデーション値は、一般に50乃至
400nmである。
【0059】少なくとも二つの芳香族環を有する化合物
は、炭素原子7個分以上のπ結合性の平面を有する。二
つの芳香族環の立体配座を立体障害しなければ、二つの
芳香族環は、同一平面を形成する。本発明者の研究によ
れば、セルロースエステルフイルムのレターデーション
を上昇させるためには、複数の芳香族環により同一平面
を形成することが重要である。本明細書において、「芳
香族環」は、芳香族炭化水素環に加えて、芳香族性ヘテ
ロ環を含む。芳香族炭化水素環は、6員環(すなわち、
ベンゼン環)であることが特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環は一般に、不飽和ヘテロ環である。芳香族性ヘテロ
環は、5員環、6員環または7員環であることが好まし
く、5員環または6員環であることがさらに好ましい。
芳香族性ヘテロ環は一般に、最多の二重結合を有する。
ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子および硫黄原
子が好ましく、窒素原子が特に好ましい。芳香族性ヘテ
ロ環の例には、フラン環、チオフェン環、ピロール環、
オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアゾール環、
イソチアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、フ
ラザン環、トリアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピ
リダジン環、ピリミジン環、ピラジン環および1,3,
5−トリアジン環が含まれる。芳香族環としては、ベン
ゼン環、フラン環、チオフェン環、ピロール環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、イミダゾール環、トリアゾー
ル環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環および
1,3,5−トリアジン環が好ましい。
【0060】レターデーション上昇剤が有する芳香族環
の数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至12
であることがより好ましく、2乃至8であることがさら
に好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。3以
上の芳香族環を有する場合、少なくとも二つの芳香族環
の立体配座を立体障害しなければよい。二つの芳香族環
の結合関係は、(a)縮合環を形成する場合、(b)単
結合で直結する場合および(c)連結基を介して結合す
る場合に分類できる(芳香族環のため、スピロ結合は形
成できない)。レターデーション上昇機能の観点では、
(a)〜(c)のいずれでもよい。ただし、(b)また
は(c)の場合は、二つの芳香族環の立体配座を立体障
害しないことが必要である。
【0061】(a)の縮合環(二つ以上の芳香族環の縮
合環)の例には、インデン環、ナフタレン環、アズレン
環、フルオレン環、フェナントレン環、アントラセン
環、アセナフチレン環、ビフェニレン環、ナフタセン
環、ピレン環、インドール環、イソインドール環、ベン
ゾフラン環、ベンゾチオフェン環、インドリジン環、ベ
ンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミ
ダゾール環、ベンゾトリアゾール環、プリン環、インダ
ゾール環、クロメン環、キノリン環、イソキノリン環、
キノリジン環、キナゾリン環、シンノリン環、キノキサ
リン環、フタラジン環、プテリジン環、カルバゾール
環、アクリジン環、フェナントリジン環、キサンテン
環、フェナジン環、フェノチアジン環、フェノキサチイ
ン環、フェノキサジン環およびチアントレン環が含まれ
る。ナフタレン環、アズレン環、インドール環、ベンゾ
オキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾ
ール環、ベンゾトリアゾール環およびキノリン環が好ま
しい。(b)の単結合は、二つの芳香族環の炭素原子間
の結合であることが好ましい。二以上の単結合で二つの
芳香族環を結合して、二つの芳香族環の間に脂肪族環ま
たは非芳香族性複素環を形成してもよい。
【0062】(c)の連結基も、二つの芳香族環の炭素
原子と結合することが好ましい。連結基は、アルキレン
基、アルケニレン基、アルキニレン基、−CO−、−O
−、−NH−、−S−またはそれらの組み合わせである
ことが好ましい。組み合わせからなる連結基の例を以下
に示す。なお、以下の連結基の例の左右の関係は、逆に
なってもよい。 c1:−CO−O− c2:−CO−NH− c3:−アルキレン−O− c4:−NH−CO−NH− c5:−NH−CO−O− c6:−O−CO−O− c7:−O−アルキレン−O− c8:−CO−アルケニレン− c9:−CO−アルケニレン−NH− c10:−CO−アルケニレン−O− c11:−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン− c12:−O−アルキレン−CO−O−アルキレン−O−CO−アルキレン−O− c13:−O−CO−アルキレン−CO−O− c14:−NH−CO−アルケニレン− c15:−O−CO−アルケニレン−
【0063】芳香族環および連結基は、置換基を有して
いてもよい。ただし、置換基は、二つの芳香族環の立体
配座を立体障害しないことが必要である。立体障害で
は、置換基の種類および位置が問題になる。置換基の種
類としては、立体的に嵩高い置換基(例えば、3級アル
キル基)が立体障害を起こしやすい。置換基の位置とし
ては、芳香族環の結合に隣接する位置(ベンゼン環の場
合はオルト位)が置換された場合に、立体障害が生じや
すい。置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、B
r、I)、ヒドロキシル、カルボキシル、シアノ、アミ
ノ、ニトロ、スルホ、カルバモイル、スルファモイル、
ウレイド、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
脂肪族アシル基、脂肪族アシルオキシ基、アルコキシ
基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルア
ミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、脂肪
族アミド基、脂肪族スルホンアミド基、脂肪族置換アミ
ノ基、脂肪族置換カルバモイル基、脂肪族置換スルファ
モイル基、脂肪族置換ウレイド基および非芳香族性複素
環基が含まれる。
【0064】アルキル基の炭素原子数は、1乃至8であ
ることが好ましい。環状アルキル基よりも鎖状アルキル
基の方が好ましく、直鎖状アルキル基が特に好ましい。
アルキル基は、さらに置換基(例、ヒドロキシ、カルボ
キシ、アルコキシ基、アルキル置換アミノ基)を有して
いてもよい。アルキル基の(置換アルキル基を含む)例
には、メチル、エチル、n−ブチル、n−ヘキシル、2
−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、2−メト
キシエチルおよび2−ジエチルアミノエチルが含まれ
る。アルケニル基の炭素原子数は、2乃至8であること
が好ましい。環状アルケニル基よりも鎖状アルケニル基
の方が好ましく、直鎖状アルケニル基が特に好ましい。
アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。ア
ルケニル基の例には、ビニル、アリルおよび1−ヘキセ
ニルが含まれる。アルキニル基の炭素原子数は、2乃至
8であることが好ましい。環状アルキケニル基よりも鎖
状アルキニル基の方が好ましく、直鎖状アルキニル基が
特に好ましい。アルキニル基は、さらに置換基を有して
いてもよい。アルキニル基の例には、エチニル、1−ブ
チニルおよび1−ヘキシニルが含まれる。
【0065】脂肪族アシル基の炭素原子数は、1乃至1
0であることが好ましい。脂肪族アシル基の例には、ア
セチル、プロパノイルおよびブタノイルが含まれる。脂
肪族アシルオキシ基の炭素原子数は、1乃至10である
ことが好ましい。脂肪族アシルオキシ基の例には、アセ
トキシが含まれる。アルコキシ基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。アルコキシ基は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。アルコ
キシ基の(置換アルコキシ基を含む)例には、メトキ
シ、エトキシ、ブトキシおよびメトキシエトキシが含ま
れる。アルコキシカルボニル基の炭素原子数は、2乃至
10であることが好ましい。アルコキシカルボニル基の
例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニル
が含まれる。アルコキシカルボニルアミノ基の炭素原子
数は、2乃至10であることが好ましい。アルコキシカ
ルボニルアミノ基の例には、メトキシカルボニルアミノ
およびエトキシカルボニルアミノが含まれる。
【0066】アルキルチオ基の炭素原子数は、1乃至1
2であることが好ましい。アルキルチオ基の例には、メ
チルチオ、エチルチオおよびオクチルチオが含まれる。
アルキルスルホニル基の炭素原子数は、1乃至8である
ことが好ましい。アルキルスルホニル基の例には、メタ
ンスルホニルおよびエタンスルホニルが含まれる。、脂
肪族アミド基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族アミド基の例には、アセトアミドが含
まれる。脂肪族スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃
至8であることが好ましい。脂肪族スルホンアミド基の
例には、メタンスルホンアミド、ブタンスルホンアミド
およびn−オクタンスルホンアミドが含まれる。脂肪族
置換アミノ基の炭素原子数は、1乃至10であることが
好ましい。脂肪族置換アミノ基の例には、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノおよび2−カルボキシエチルアミノ
が含まれる。脂肪族置換カルバモイル基の炭素原子数
は、2乃至10であることが好ましい。脂肪族置換カル
バモイル基の例には、メチルカルバモイルおよびジエチ
ルカルバモイルが含まれる。脂肪族置換スルファモイル
基の炭素原子数は、1乃至8であることが好ましい。脂
肪族置換スルファモイル基の例には、メチルスルファモ
イルおよびジエチルスルファモイルが含まれる。脂肪族
置換ウレイド基の炭素原子数は、2乃至10であること
が好ましい。脂肪族置換ウレイド基の例には、メチルウ
レイドが含まれる。非芳香族性複素環基の例には、ピペ
リジノおよびモルホリノが含まれる。
【0067】透明支持体の厚さは、20乃至500μm
であることが好ましく、50乃至200μmであること
がさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層
(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改
善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処
理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)
を実施してもよい。グロー放電処理またはコロナ放電処
理を実施することが好ましい。二種類以上の表面処理を
組み合わせて実施してもよい。透明支持体の上に、接着
層(下塗り層)を設けてもよい。接着層は、親水性ポリ
マー(例、ゼラチン)の塗布により形成することが好ま
しい。接着層の厚さは、0.1乃至2μmであることが
好ましく、0.2乃至1μmであることがさらに好まし
い。保護層を、透明支持体の裏面に設けてもよい。
【0068】[偏光膜]偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光
膜の透過軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当
する。偏光膜は、一般に保護膜を有する。ただし、本発
明の楕円偏光板では、透明支持体を偏光膜の一方の保護
膜として機能させることができる。透明支持体とは別
に、偏光膜の保護膜を用いる場合は、保護膜として光学
的等方性が高いセルロースエステルフイルム、特にトリ
アセチルセルロースフイルムを用いることが好ましい。
一対の偏光素子の一方のみを本発明に従う楕円偏光板と
する場合は、他方の偏光素子は、偏光膜と保護膜との積
層体とすることが好ましい。
【0069】[楕円偏光板の製造]楕円偏光板は、以下
のように連続して製造することができる。まず、長尺状
の透明支持体上に配向膜を形成し、透明支持体の搬送方
向に対して斜め(5゜乃至85゜)の角度で配向膜にラ
ビング処理または光照射(好ましくは偏光照射)を施
す。次に、配向膜の上に光学異方性層を形成して配向さ
せた後、配向状態を架橋(光重合または熱重合)させて
巻き取る。光学異方性層を形成したフイルムと透明保護
膜とに接着剤を塗り、フイルムと透明保護膜都で偏光膜
を挟むようにして巻き取り、長尺状の楕円偏光板を製造
する。透明支持体と配向膜との密着性を改善するため、
中間層(支持体下塗り層)を設けることが好ましい。偏
光膜は一般にポリビニルアルコール系フイルムであるた
め、接着剤としては親水性ポリマーを用いることが好ま
しい。また、透明保護フイルムおよび透明支持体の偏光
膜側の面は、親水性化処理しておくことが好ましい。親
水化処理は、グロー放電処理、コロナ放電処理あるいは
アルカリ液によるケン化処理で実施できる。
【0070】[液晶セル]本発明の楕円偏光板は、複屈
折モードの液晶セルと組み合わせた液晶表示装置として
用いると特に効果がある。複屈折率モードの液晶セルと
しては、STNモードおよびECBモードが既に市販さ
れている。その他の複屈折率モードの液晶セルとして
は、πセル方式が学会で提案されている(SID'93 Diges
t P273, 277 記載)。液晶表示装置は、液晶セルおよび
液晶セルの両側に配置された一対の偏光素子からなる。
少なくとも一方、好ましくは両方の偏光素子として、本
発明の楕円偏光板を用いる。液晶セルの面内レターデシ
ョン値と、楕円偏光板の光学異方性層の面内レターデー
ション値とは、実質的に等しい値であることが好まし
い。
【0071】
【実施例】[実施例1] (透明支持体の作製)厚さ100μmのトリアセチルセ
ルロースフイルムに、厚さ0.1μmのゼラチン下塗り
層を設けて、透明支持体を作製した。
【0072】(配向膜の形成)下記のポリマーAをメタ
ノールとアセトンとの混合溶媒(容量比=50/50)
に溶解して、5重量%溶液を調製した。この溶液を透明
支持体の上に24ml/m2 塗布した。塗布層を、60
℃の温風で20秒、さらに100℃の温風で120秒乾
燥した。配向膜の表面をフイルムの搬送方向(長手方
向)に対して10゜の角度でラビング処理した。
【0073】
【化19】
【0074】(光学異方性層の形成)配向膜の上に、以
下の組成の塗布液を6ml/m2 塗布した。塗布層を、
60℃の温風で30秒乾燥し、さらに130℃の温風で
20分間加熱することで光学異方性層を形成した。
【0075】 ──────────────────────────────────── 光学異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 変性アクリレートモノマー(V−360、大阪有機化学(株)製) 10重量部 下記のディスコティック液晶性化合物(1) 90重量部 セルロースアセテートブチレート(CAB551−0.5、イーストマンケミ カル社製) 0.5重量部 光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製) 0.2重量部 メチルエチルケトン 185重量部 ────────────────────────────────────
【0076】
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】(楕円偏光板の作製)透明支持体、配向膜
および光学異方性層の積層体およびセルロースアセテー
トフイルム(透明保護膜)とを、アルカリ浴漕でケン化
処理し、それぞれに接着剤を塗布した。積層体とフイル
ムとで偏光膜を挟むようにして巻き込み、長尺状の楕円
偏光板を作製した。作製した楕円偏光板のうち、光学異
方性層の部分(透明支持体上に形成した光学異方性層)
について、分光エリプソ(日本分光(株)製)を用い
て、遅相軸の角度を面内で20点測定した。結果は、第
1表に示す。
【0079】[実施例2]配向膜のラビング処理の角度
を30゜に変更した以外は、実施例1と同様にして楕円
偏光板を作製して評価した。結果は、第1表に示す。
【0080】[実施例3]配向膜のラビング処理の角度
を50゜に変更した以外は、実施例1と同様にして楕円
偏光板を作製して評価した。結果は、第1表に示す。
【0081】[実施例4]配向膜のラビング処理の角度
を70゜に変更した以外は、実施例1と同様にして楕円
偏光板を作製して評価した。結果は、第1表に示す。
【0082】[実施例5] (配向膜の形成)下記のポリマーB10量部をアノン4
90重量部に溶解して溶液を調製した。この溶液を実施
例1で作製した透明支持体の上に24ml/m2 塗布し
た。塗布層を、60℃の温風で20秒、さらに100℃
の温風で120秒乾燥した。配向膜を140℃で2時間
加熱し、フイルムの搬送方向(長手方向)に対して10
゜の角度で偏光照射した。
【0083】
【化22】
【0084】(光学異方性層の形成)配向膜の上に、以
下の組成の塗布液を6ml/m2 塗布した。塗布層を、
60℃の温風で30秒乾燥し、さらに130℃の温風で
20分間加熱することで光学異方性層を形成した。
【0085】 ──────────────────────────────────── 光学異方性層塗布液 ──────────────────────────────────── 下記の液晶性ポリエステル 8重量部 テトラクロロエタン 92重量部 ────────────────────────────────────
【0086】
【化23】
【0087】(楕円偏光板の作製)透明支持体、配向膜
および光学異方性層の積層体およびセルロースアセテー
トフイルム(透明保護膜)とを、アルカリ浴漕でケン化
処理し、それぞれに接着剤を塗布した。積層体とフイル
ムとで偏光膜を挟むようにして巻き込み、長尺状の楕円
偏光板を作製した。作製した楕円偏光板について、分光
エリプソ(日本分光(株)製)を用いて、遅相軸の角度
を面内で20点測定した。結果は、第1表に示す。
【0088】[実施例6]配向膜の偏光照射の角度を3
0゜に変更した以外は、実施例1と同様にして楕円偏光
板を作製して評価した。結果は、第1表に示す。
【0089】[実施例7]配向膜の偏光照射の角度を5
0゜に変更した以外は、実施例1と同様にして楕円偏光
板を作製して評価した。結果は、第1表に示す。
【0090】[実施例8]配向膜の偏光照射の角度を7
0゜に変更した以外は、実施例1と同様にして楕円偏光
板を作製して評価した。結果は、第1表に示す。
【0091】[比較例1]セルロースアセテートフイル
ム(透明保護膜)二枚を、アルカリ浴漕でケン化処理
し、それぞれに接着剤を塗布した。二枚のフイルムで偏
光膜を挟むようにして巻き込み、長尺状の偏光板を作製
した。市販の一軸延伸ポリカーボネートフイルム(帝人
(株)製)を、遅相軸が偏光膜の偏光軸と30゜に交差
するように正方形に打ち抜き、偏光板に貼り付けて楕円
偏光板を作製した。作製した楕円偏光板について、分光
エリプソ(日本分光(株)製)を用いて、遅相軸の角度
を面内で20点測定した。結果は、第1表に示す。
【0092】 第1表 ──────────────────────────────────── 楕円偏光板 配向膜 遅相軸と長手方向の平均角度 角度の標準偏差 ──────────────────────────────────── 実施例1 10゜ラビング 80゜ 0.5 実施例2 30゜ラビング 60゜ 0.3 実施例3 50゜ラビング 40゜ 0.4 実施例4 70゜ラビング 20゜ 0.6 実施例5 10゜偏光照射 80゜ 0.7 実施例6 30゜偏光照射 60゜ 0.3 実施例7 50゜偏光照射 40゜ 0.4 実施例8 70゜偏光照射 20゜ 0.9 比較例1 なし 30゜ 2.3 ────────────────────────────────────
【0093】[実施例9]市販のSTN液晶表示装置を
分解し、偏光板と位相差フイルムを剥離した。偏光板と
位相差フイルムの代わりに、実施例3で作製した楕円偏
光板を、剥離した偏光板の偏光軸と同じ向きで貼り合わ
せた。目視で表示品位を確認したところ、市販状態より
もコントラストが向上しており、さらに視野によるコン
トラスト変化や色味の変化も少なかった。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上に液晶性分子から形成され
    た光学異方性層を有し、透明支持体側または光学異方性
    層側のいずれか一方の側に偏光膜が配置されている楕円
    偏光板であって、光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の
    面内透過軸との角度が5゜乃至85゜となるように光学
    異方性層および偏光膜が配置されていることを特徴とす
    る楕円偏光板。
  2. 【請求項2】 液晶性分子が棒状液晶性分子である請求
    項1に記載の楕円偏光板。
  3. 【請求項3】 液晶性分子がディスコティック液晶性分
    子である請求項1に記載の楕円偏光板。
  4. 【請求項4】 光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面
    内透過軸との角度が5゜乃至40゜となるように光学異
    方性層および偏光膜が配置されている請求項1に記載の
    楕円偏光板。
  5. 【請求項5】 光学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面
    内透過軸との角度が50゜乃至85゜となるように光学
    異方性層および偏光膜が配置されている請求項1に記載
    の楕円偏光板。
  6. 【請求項6】 光学異方性層、透明支持体、そして偏光
    膜の順序で積層されている請求項1に記載の楕円偏光
    板。
  7. 【請求項7】 さらに透明保護膜を有し、光学異方性
    層、透明支持体、偏光膜、そして透明保護膜の順序で積
    層されている請求項6に記載の楕円偏光板。
  8. 【請求項8】 さらに配向膜を有し、光学異方性層、配
    向膜、透明支持体、そして偏光膜の順序で積層されてい
    る請求項6に記載の楕円偏光板。
  9. 【請求項9】 配向膜が、光照射により配向機能が生じ
    た配向膜である請求項8に記載の楕円偏光板。
  10. 【請求項10】 楕円偏光板が長尺状の形状を有し、配
    向膜が、透明支持体の長手方向に対して5゜乃至85゜
    の方向からの光照射により配向機能が生じた配向膜であ
    る請求項9に記載の楕円偏光板。
  11. 【請求項11】 液晶セルおよび液晶セルの両側に配置
    された一対の偏光素子からなる液晶表示装置であって、
    偏光素子の少なくとも一方が、液晶性分子から形成され
    た光学異方性層、透明支持体および偏光膜からなり、偏
    光膜が最も外側に配置されている楕円偏光板であり、光
    学異方性層の面内遅相軸と偏光膜の面内透過軸との角度
    が5゜乃至85゜となるように光学異方性層および偏光
    膜が配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002267840A (ja) * 2001-03-08 2002-09-18 Fuji Photo Film Co Ltd 光学補償シート、偏光板、楕円偏光板および液晶表示装置
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JP2014010220A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Dainippon Printing Co Ltd 光学フィルム、画像表示装置及び光学フィルムの製造用金型

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