JP2001012994A - 物品の特定の複数位置における重量の測定装置 - Google Patents

物品の特定の複数位置における重量の測定装置

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JP2001012994A
JP2001012994A JP11186146A JP18614699A JP2001012994A JP 2001012994 A JP2001012994 A JP 2001012994A JP 11186146 A JP11186146 A JP 11186146A JP 18614699 A JP18614699 A JP 18614699A JP 2001012994 A JP2001012994 A JP 2001012994A
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Akira Kawamoto
晟 河本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の重量検出器を用い、物品を位置決め用
の治具上で位置決めした状態で、その治具を各重量検出
器に対してナイフエッジを介して負荷したとき、その治
具の撓み等によって生じる水平方向への内力の影響を無
くし、より正確に物品の特定の複数位置における重量を
測定することのできる測定装置を提供する。 【解決手段】 各重量検出器1,2に対応して設けら
れ、それぞれナイフエッジ3,4を介して被測定物品1
0およびその位置決め用治具5の重量を受けて各重量検
出器1,2に伝達する刃受30,40のうちの少なくと
も一つを、水平方向への剛性を他方向に比して弱くする
機構41を介して重量検出器2に支持することで、刃受
40が水平方向に移動して内力を吸収し、その影響が重
量検出結果に及ばないように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばエンジンの
コネクティングロッドの重量を、大端部と小端部とに分
離して測定することのできる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのコネクティングロッドは、一
般に、その両端部にクランク軸連結用孔とピストンピン
連結用孔が形成された構成を採る。エンジンの静粛性を
追求するため、通常はクランク軸が動的に釣り合わされ
るが、そのクランク軸に対して所要数のコネクティング
ロッドを組み付けた状態での全体のバランスを良好なも
のとするためには、各コネクティングロッドのクランク
軸連結用孔が形成された大端部の重量と、ピストンピン
連結用孔が形成された小端部の重量を知り、全体として
のバランスが良好なものとなるようにクランク軸に対し
て適宜に組み付ける必要がある。
【0003】ここで、大端部の重量および小端部の重量
とは、コネクティングロッドが水平な姿勢において、ク
ランク軸連結用孔の中心およびピストンピン連結用孔の
中心のそれぞれに作用する重量を言う。
【0004】以上のようなコネクティングロッドの大端
部および小端部の重量を測定するに当たっては、従来、
重量検出器の荷重感応部に、クランク軸連結用孔の直径
より若干小さい直径の位置決め用鉛直軸を設けて、その
鉛直軸をクランク軸連結用孔に嵌め込んだ状態で小端部
を別の重量検出器に載せ、その状態で重量検出器の出力
をそれぞれ読み取ることによって大端部の重量と小端部
の重量を測定する方法が採用されている。
【0005】また、本発明者は、既に、上記の従来の測
定方法において生じる誤差や作業性の悪さを改善した測
定装置を提案している。すなわち、上記の従来の測定方
法によると、クランク軸連結用孔と位置決め用鉛直軸と
の間には、両者を嵌め込むために必ず隙間が必要であ
り、しかも、作業能率を向上させるためにはこれら両者
間の隙間を小さくすることはできない。そのため、クラ
ンク軸連結用孔の中心と位置決め用鉛直軸の中心との間
には位置ずれが生じ、その分が重量検出誤差となってい
た。また、重量検出器に対するナイフエッジ等の荷重点
と、位置決め用鉛直軸の軸心との位置ずれは、そのまま
重量検出誤差に繋がり、これらによって正しくクランク
軸連結用孔の中心に作用する重量を測定することができ
なかった。特にコネクティングロッドの長手方向への位
置ずれは、大端部重量の測定結果に大きな誤差をもたら
す原因となる。また、従来の測定方法によると、重量検
出器の位置、あるいはナイフエッジの位置をコネクティ
ングロッドのクランク軸連結用孔とピストン連結用孔の
ピッチが変わるごとに変更する必要があり、その変更に
は手数が掛かって作業性の低下に繋がると同時に、誤差
発生の原因ともなっていた。
【0006】このような従来の測定方法に対し、本発明
者による提案では、2つの重量検出器の荷重感応部の双
方にそれぞれナイフエッジを介して支持され、測定すべ
きコネクティングロッドを位置決めしてその重量を分散
させて各重量検出器に伝達する伝達板と、各重量検出器
からの出力を用いて、コネクティングロッドの大端部お
よび小端部の重量を演算する演算手段を備えた構成を採
用している。そして、伝達板の表面には、クランク軸連
結用孔およびピストンピン連結用孔がそれぞれ僅かな隙
間を以て挿入されることにより、これら各孔をコネクテ
ィングロッド長手方向に直交する方向に位置決めする2
つの位置決め板と、クランク軸連結用孔の内面に対して
周方向1箇所に当接して当該クランク軸連結用孔をロッ
ド長手方向に直交する方向に位置決めする位置決めピン
とを設けている。
【0007】この提案における最大の特徴は、伝達板に
よるコネクティングロッドの位置決め方法にあり、位置
ずれの影響が重量測定結果に大きく影響するロッド長手
方向には、クランク軸連結用孔の内面に位置決めピンを
周方向1箇所に当接させることによって、従来の測定方
法における位置決め用鉛直軸との間に生じる隙間に伴う
計測誤差の問題を解決し、位置ずれの影響が重量測定結
果に殆ど及ばないロッド長手方向に直交する方向には、
各孔に対してある程度の隙間を介して嵌まり込む位置決
め板を用いることで、作業能率を低下させること防止し
ている。
【0008】そして、以上のように位置決めした状態で
コネクティングロッドを2つの重量検出器に負荷するこ
とによって、以下に示す原理に基づいて大端部および小
端部重量を演算によって正確に求めることができ、しか
も、位置決めピンと各重量検出器の位置関係を任意とし
ても、その影響を除去することができる。
【0009】図8にその演算の原理図を示す。例えば電
子天びん等の2つの重量検出器1と2の秤量皿等の荷重
感応部に対し、それぞれナイフエッジ3と4を介して伝
達板5を支持する。伝達板5には、コネクティングロッ
ド10のクランク軸連結用孔11の内面に周方向1箇所
において当接する位置決めピン6と、y方向(紙面に直
交する方向)に伸びる位置決め板(図示せず)が設けら
れ、測定すべきコネクティングロッド10はその長手方
向(x方向)には位置決めピン6に対する当接により厳
密に、また、それに直交するy方向にはクランク軸連結
用孔11およびクランクピン連結用孔12の内側に所定
の隙間を以て位置決め板が嵌まり込むことにより位置決
めされた状態で、伝達板5の上に載せられているものと
する。また、図8における各部の寸法を以下の通りとす
る。
【0010】R1 ;クランク軸連結用孔11の半径 P ;クランク軸連結用孔11とピストンピン連結用孔
12間のピッチ r ;位置決めピン6の半径 S ;大端側に対応するナイフエッジ3と位置決めピン
6の中心とのなす距離(オフセット量) L ;ナイフエッジ3,4間の距離(支持スパン) F1 ;大端部が載せられる重量検出器1の出力 F2 ;小端部が載せられる重量検出器2の出力 W1 ;大端部の重量 W2 ;小端部の重量
【0011】さて、伝達板5を載せた状態で各重量検出
器1,2を風袋引き処理し、その状態における各出力を
0にした後、コネクティングロッド10を上記のように
位置決めしたとき、各重量検出器1,2の出力F1 ,F
2 は、 F1 +F2 =W1 +W2 ・・(1) である。大端部がの重量検出器1に対する荷重点(ナイ
フエッジ3の位置)と、大端部中心(クランク軸連結用
孔11の中心)との距離をeとすると、W1 点における
モーメントの釣合いより、 W2 P=F2 (L−e)−F1 e ・・(2) となる。ここで、 e=S+r−R1 ・・(3) であるから、 W2 P=F2 {L−(S+r−R1 )}−F1 (S+r−R1 ) ・・(4) であり、この(4)式から、
【0012】
【数1】
【0013】を導出することができ、この(5)式を用
いた演算により、コネクティングロッド10の大端部の
重量W1 と小端部の重量W2 を求めることができる。そ
して、この手法によれば、クランク軸連結用孔11は、
その内面が位置決めピン6に周方向1箇所において当接
した状態で、位置ずれの影響の出やすいx方向に位置決
めされるため、従来の手法のようにクランク軸連結用孔
11の位置決め時における位置決め用部材との間の隙間
の影響を無くすることができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上の本発
明者による提案の採用によって、作業性が向上するとと
もに、各重量検出器に対する着力点が一定となって測定
の再現性が大幅に向上するが、それだけではより精密な
測定を行うには不十分であることが判明した。
【0015】その理由は、被測定物品の重量等により、
測定用の治具としての伝達板や、重量検出器として天び
んを用いた場合にその荷重感応部である秤量皿の撓み等
に起因する水平方向への内力が生じ、これが鉛直方向に
作用する荷重に干渉するためであることが判った。
【0016】本発明の目的は、このような内力の発生に
よる誤差をも解消して、コネクティングロッドの大端部
と小端部の重量など、被測定物品の特定の複数位置にお
ける重量を精密に測定することのできる装置を提供する
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の物品の特定の複数位置における重量測定装
置は、互いに独立した複数の重量検出器を用いて、被測
定物品の重量を、あらかじめ定められた特定の複数位置
に分離して測定する測定装置であって、上記各重量検出
器と被測定物品との間に設けられ、被測定物品を位置決
めしてその重量を上記各重量検出器に伝達する治具と、
上記各重量検出器からの出力を用いて被測定物品の特定
の複数位置における重量を演算する演算手段を有し、上
記治具には、それぞれ各重量検出器に対応して複数のナ
イフエッジが設けられ、その各ナイフエッジが該当の重
量検出器に対してそれぞれ刃受を介して支持されること
によって被測定物品の重量が各重量検出器に対して伝達
されるよう構成されているとともに、その各刃受のう
ち、少なくとも1つは、水平方向への剛性を他方向に比
して弱くする手段を介して重量検出器に支持されている
ことによって特徴づけられる。
【0018】本発明は、被測定物品を位置決め用の治具
を介して各重量検出器に負荷したときに生じる、当該治
具や各重量検出器としての天びんの秤量皿に生じる水平
方向への内力を、位置決め用の治具と重量検出器の間に
介在するナイフエッジの刃受のうちの少なくとも1つに
ついて、水平方向への剛性を他方向に比して弱くする手
段を介在させて重量検出器に支持することで、その刃受
については僅かな力の作用によって水平方向に移動可能
とし、しかも鉛直方向への荷重の伝達は高い剛性のもと
に行うことで、所期の目的を達成しようとするものであ
る。
【0019】すなわち、水平方向への剛性を他方向に比
して弱くした状態で刃受を重量検出器に支持することに
より、被測定物品の負荷時に位置決め用の治具や重量検
出器としての天びんの秤量皿に水平方向への内力が生じ
たとき、その内力によって刃受が水平方向に移動する。
この刃受の移動により内力は解消し、鉛直方向に作用す
る荷重のみが重量検出器の荷重感応部に伝わり、内力に
よる重量測定誤差を解消することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の
好適な実施の形態について説明する。図1は本発明をコ
ネクティングロッドの大端部および小端部の重量測定装
置に適用した実施の形態の全体構成図で、機械的構成の
主要部分の部分断面正面図と電気的構成を表すブロック
図を併記して示す図である。また、図2はその一方の刃
受40の拡大断面図であり、図3は伝達板5の平面図で
ある。
【0021】装置は、2つの電子天びん1および2と、
その電子天びんの秤量皿1aおよび2a上にナイフエッ
ジ3とその刃受30、およびナイフエッジ4とその刃受
40を介して載せられる伝達板5と、各電子天びん1,
2の出力F1 ,F2 を取り込んで前記(1)式の演算に
より大端部重量W1 および小端部重量W2 を算出するコ
ンピュータを主体とする演算部8によって構成されてい
る。
【0022】伝達板5の表面には、測定すべきコネクテ
ィングロッド10のクランク軸連結用孔11の内面にそ
の周方向1箇所において当接することによって、そのク
ランク軸連結用孔11をx方向(コネクティングロッド
10の長手方向)に位置決めするための位置決めピン6
と、クランク軸連結用孔11およびピストンピン連結用
孔12のそれぞれが嵌まり込むことによって、これら各
孔11,12のy方向(コネクティングロッド10の長
手方向に直交する方向)の位置決めを行うための2つの
位置決め板7a,7bが設けられている。
【0023】位置決めピン6は、この実施の形態におい
て、クランク軸連結用孔11に対して充分に小径の断面
円形のピンであり、一方の位置決め板7aに隣接して、
他方の位置決め板7bとの間に設けられ、下端部に一体
的に形成された雄ねじ部を伝達板5に設けられた雌ねじ
にねじ込む等によって、伝達板5に対して固定されてい
る。また、各位置決め板7aおよび7bは、測定すべき
コネクティングロッド10のクランク軸連結用孔11と
ピストンピン連結用孔12のピッチPと略等しい距離だ
けx方向に離れた位置に、それぞれy方向に沿って伸び
ている。そのy方向への各位置決め板7a,7bの寸法
は、一方の位置決め板7aはクランク軸連結用孔11の
直径2R1 よりも僅かに短く、他方の位置決め板7bは
ピストンピン連結用孔12の直径2R2 よりも僅かに短
い。この各位置決め板7a,7bについても、ねじ等に
よって伝達板5に対して固定される。
【0024】測定すべきコネクティングロッド10は、
図3に示すように、本体部10aに対してクランク軸連
結用孔11の一部を構成するキャップ部材10bをねじ
止めした状態、つまりクランク軸に対する装着状態とし
て状態で、そのクランク軸連結用孔11内に一方の位置
決め板7a並びに位置決め用ピン6が嵌まり込み、か
つ、ピストンピン連結用孔12内に他方の位置決め板7
bが嵌まり込むように、伝達板5上に載せられる。その
状態では、各位置決め板7a,7bがクランク軸連結用
孔11,ピストンピン連結用孔12の内側にそれぞれ僅
かな隙間を以て嵌まり込んでいるため、各孔11,12
はy方向に上記隙間の範囲内で位置決めされた状態とな
る。そして、重量計測に際しては、クランク軸連結用孔
11の内面を位置決めピン6に当接させる。これによ
り、全体としてのコネクティングロッド10は、伝達板
5に対して、y方向にクランク軸連結用孔11およびピ
ストンピン連結用孔12がそれぞれ位置決め板7a,7
bの隙間の範囲内でほぼ位置決めされることによって、
x軸にほぼ沿った状態となり、かつ、x方向には位置決
めピン6に対するクランク軸連結用孔11の当接によ
り、隙間の影響なく正確に位置決めされた状態となる。
【0025】伝達板5の裏面には、2つのナイフエッジ
3および4が設けられており、そのうちの一方のナイフ
エッジ3は一方の電子天びん1の秤量皿1a上に固定さ
れたV字形の刃受30に、他方のナイフエッジ4は他方
の電子天びん2の秤量皿2aに設けられた平面形の刃受
40に支持される。このうち、平面形の刃受40に支持
される側のナイフエッジ4は、その稜線の向きを調節す
るための調節機構4aを有している。
【0026】そして、平面形の刃受40は、水平方向へ
の剛性を他方向に比して弱くするための機構である水平
剛性低減機構41を介して電子天びん2の秤量皿2aに
支持されている。水平剛性低減機構41は、この例にお
いて、電子天びん2の秤量皿2aの上面に固定された外
れ止めカバー41aと、その外れ止めカバー41aの内
部に収容され、秤量皿2aに上面に対して転動自在に転
がり接触する2個または適宜の複数個のスチールボール
41bと、その各ボール相互の位置関係を保つリテーナ
41cと、そのリテーナ41cと外れ止めカバー41a
の間に介在して、リテーナ41cおよび各ボール41b
が無負荷時において外れ止めカバー41a内の略中心に
位置するように弱い力で付勢する複数の弱い圧縮コイル
ばね41dによって構成されている。なお、スチールボ
ール41bを2個用いる場合は、x軸に沿って並べるこ
とにより、後述する内力の吸収機能のほか、ナイフエッ
ジ3,4間の平行度の狂いを吸収することができて好ま
しい。
【0027】演算部8は、前記した(5)式の演算に供
されるデータを記憶するメモリ81と、これらのデータ
の値等を入力するためのキーボード82を備え、伝達板
5の上に、位置決めピン6および位置決め板7a,7b
によってx,y方向に位置決めした状態でコネクティン
グロッド10を載せたときの各電子天びん1,2の出力
1 ,F2 と、あらかじめキーボード82によって入力
されてメモリ81に格納されている各データ値を用いた
(5)式の演算によって、コネクティングロッド10の
大端部の重量W1 および小端部の重量W2 を算出し、表
示器83に表示するとともにプリンタ84に印字させ
る。
【0028】さて、本発明の実施の形態において最も特
徴とするところは、水平剛性低減機構41を介して刃受
40を秤量皿2a上に支持した点にあり、この構成の採
用によって、演算部8により求められる大端部の重量W
1 および小端部の重量W2 は内力の影響を受けない正確
なものとなる。
【0029】すなわち、ナイフエッジ3,4上の荷重に
起因する伝達板5や秤量皿1a,2aの撓み等による水
平方向への内力は、刃受40がスチールボール41b上
で水平方向に移動することによって吸収される。また、
一方の刃受30は剛体であって直接的に秤量皿1aに固
定され、他方の刃受40は水平方向剛性低減機構41を
介して秤量皿2aに支持されているものの、この水平方
向剛性低減機構41は鉛直方向への力に対しては刃受4
0とスチールボール41bを介して剛的に秤量皿2aに
伝達するため、各ナイフエッジ3,4と各刃受30,4
0を介して秤量皿1a,2aに対して鉛直方向に伝わる
荷重は、高い剛性のもとに各秤量皿1a,2aに伝達さ
れる。従って、秤量皿1a,2aに対して鉛直方向に作
用する荷重に対して水平方向への内力が干渉することが
なくなり、各電子天びん1,2の出力値は、秤量皿1
a,2aに鉛直に作用する荷重を再現性よく正確に表し
たものとなる。
【0030】実験によると、水平方向剛性低減機構41
を設けない場合の再現性が0.1gであったのに対し、
水平方向剛性低減機構41を設けることによって0.0
2gにまで向上した。
【0031】なお、以上の実施の形態では、水平方向剛
性低減機構41をコネクティングロッド10の小端部側
に位置する電子天びん2の刃受40に設けたが、これに
代えて、大端部側に位置する電子天びん1の刃受3に水
平方向剛性低減機構を設けてもよい。V字形の刃受30
に適用される水平方向剛性低減機構としては、上記の実
施の形態において用いた水平方向剛性低減機構41と同
等のものを用いることができ、その具体例を図4(A)
に外れ止めカバー31aの一部を切り欠いて示す平面
図、同図(B)にはそのB−B断面図を示す。この例に
おける水平方向剛性低減機構31は、電子天びん1の秤
量皿1aの上面に固定された外れ止めカバー31a、そ
の外れ止めカバー31aの内部に収容され、秤量皿1a
に上面に対して転動自在に転がり接触する4個のスチー
ルボール31b、その各ボール相互の位置関係を保つリ
テーナ31cと、そのリテーナ31cと外れ止めカバー
31aの間に介在して、リテーナ31cおよび各ボール
31bが無負荷時において外れ止めカバー31a内の略
中心に位置するように弱い力で付勢する複数の弱い圧縮
コイルばね31dによって構している。なお、スチール
ボール31bの数は3個としてもよい。
【0032】また、大端部側および小端部側の各刃受3
0および40のそれぞれに、水平方向剛性低減機構3
1,41を設けた構成を採用してもよく、この場合、コ
ネクティングロッド10の載せ降ろしの際の水平方向へ
のショックを吸収し、また、コネクティングロッド10
の位置決めピン6への押しつけの時、伝達板5を一時的
に水平方向に拘束して行うが、このときに電子天びん
1,2に対して余分な力が加わらずに好都合である。こ
のとき、一方の刃受30をスチールボール4個、他方の
刃受40をスチールボール2個で支える構成とすること
が望ましい。
【0033】本発明において採用可能な水平方向剛性低
減機構は、以上の各例に限られることなく、例えば以下
に列挙するような機構を採用することができる。
【0034】図5(A)に平面図を、同図(B)にその
B−B断面図を示す例は、薄体ばね91を用いたもので
あり、薄板ばね91は、x方向両端部が秤量皿2a(ま
たは1a)に対してねじ止めされ、その両端近傍は中央
部に比して幅が狭く、かつ、U字形の折り曲げ部91a
が形成されているとともに、中央部のy方向両端に立ち
上げ部91bを形成している。また、中央部分の下面は
秤量皿2a(または1a)に対して非接触としている。
ナイフエッジ4(または3)を受ける刃受40(または
30)は、その薄板ばね91の略中央に載せられる。こ
のような構成によると、薄板ばね91は折り曲げ部91
aにおいて容易に撓み、従ってx方向への剛性は弱く、
かつ、立ち上げ部91bの存在によってy方向への剛性
は高くなる。
【0035】図6に正面断面図を示す例は、秤量皿2a
(または1a)の裏面側に、中央部分に凹所92aを設
けたブロック92を固定するとともに、そのブロック9
2の凹所92aにピアノ線等の曲げ方向に弾性を有する
線材93の複数本を固定して鉛直上方に伸ばし、その各
先端部に刃受40(または30)を装着した構成を有
し、線材93の撓みによって刃受40(または30)が
水平方向に移動しやすいようにしている。線材93の数
および配置は、図2または図4におけるスチールボール
41bまたは31bと同等とすればよい。
【0036】図7(A)に平面図、同図(B)にそのB
−B断面図を示す例は、複数個のスチールボール94
と、リテーナ兼外れ止めとしてのスポンジ95を用いた
例であり、スポンジ95には各スチールボール94を収
容するためのポケット95aを形成している。また、ス
ポンジ95は、両面テープ等を用いて、その上下両面を
それぞれ刃受40(または30)および秤量皿2a(ま
たは1a)に接着している。この構成では、スチールボ
ール94の転動によって刃受40(または30)が水平
方向に移動しやすくするとともに、そのスチールボール
94の転動に際してはスポンジ95は移動せずに変形す
ることで、スチールボール94の移動を妨げず、かつ、
その移動範囲に限界を設けることができる。このスチー
ルボール94の個数並びに配置についても、図2または
図4の例と同等とすることができる。
【0037】また、本発明は、コネクティングロッドの
大端部および小端部の各重量のみならず、任意の物品の
特定の複数位置における重量を測定し得ることは勿論で
あり、更には、全く同じハード構成のもとに、演算部8
で用いる演算式を変えるだけで、その物品の重心を算出
することもできる。すなわち、コネクティングロッドを
例にとって図8を参照して説明すると、コネクティング
ロッド10の大端部中心、つまりクランク軸連結用孔1
1の中心から重心Gまでのx方向への距離Xは、
【0038】
【数2】
【0039】によって求めることができ、この重心の演
算結果についても、前記した水平方向剛性低減機構を設
けることによって、内力の影響を受けない正確なものと
なる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、複数の重量検出器に対
応して設けられて、それぞれ物品を位置決めするための
治具をナイフエッジを介して受け止める複数の刃受のう
ちの少なくとも1つを、水平方向への剛性を他方向に比
して低くするための機構を介して重量検出器の荷重感応
部に支持しているから、物品の重量等によって生じる治
具等の撓みの発生による水平方向への内力を吸収して、
その内力の影響が重量検出器に及ばないようにすること
が可能となる結果、水平方向への剛性を低減させない場
合に比して、その再現性を大幅に向上させ、測定精度を
高精度化することが可能となった。しかも、その効果を
得るために追加すべき機構は簡単でよく、大きなコスト
アップを伴うこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をコネクティングロッドの大端部および
小端部の重量測定装置に適用した実施の形態の全体構成
図で、機械的構成の主要部分の部分断面正面図と電気的
構成を表すブロック図を併記して示す図である。
【図2】図1における一方の刃受40の拡大断面図であ
る。
【図3】図1の伝達板5の平面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の説明図で、一方の電
子天びん1側のV字形の刃受30に水平方向剛性低減機
構を設ける場合の構成例を示す一部切り欠き平面図
(A)およびそのB−B断面図である。
【図5】本発明において採用可能な水平方向剛性低減機
構の他の構成例の説明図で、(A)は平面図、(B)は
そのB−B断面図である。
【図6】本発明において採用可能な水平方向剛性低減機
構の更に他の構成例を示す正面断面図である。
【図7】本発明において採用可能な水平方向剛性低減機
構の更にまた他の構成例の説明図で、(A)は平面図、
(B)はそのB−B断面図である。
【図8】本発明者が既に提案し、かつ、本発明の実施の
形態においても採用されるコネクティングロッドの大端
部および小端部の重量の計算原理の説明図である。
【符号の説明】
1,2 電子天びん 1a,2a 秤量皿 3,4 ナイフエッジ 30,40 刃受 31,41 水平方向剛性低減機構 31a,41a 外れ止めカバー 31b,41b スチールボール 31c,41c リテーナ 31d,41d 圧縮コイルばね 5 伝達板 6 位置決めピン 7a,7b 位置決め板 8 演算部 10 コネクティングロッド 11 クランク軸連結用孔 12 ピストンピン連結用孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに独立した複数の重量検出器を用い
    て、被測定物品の重量を、あらかじめ定められた特定の
    複数位置に分離して測定する測定装置であって、 上記各重量検出器と被測定物品との間に設けられ、被測
    定物品を位置決めしてその重量を上記各重量検出器に伝
    達する治具と、上記各重量検出器からの出力を用いて被
    測定物品の特定の複数位置における重量を演算する演算
    手段を有し、上記治具には、それぞれ各重量検出器に対
    応して複数のナイフエッジが設けられ、その各ナイフエ
    ッジが該当の重量検出器に対してそれぞれ刃受を介して
    支持されることによって被測定物品の重量が各重量検出
    器に対して伝達されるよう構成されているとともに、そ
    の各刃受のうち、少なくとも1つは、水平方向への剛性
    を他方向に比して弱くする手段を介して重量検出器に支
    持されていることを特徴とする物品の特定の複数位置に
    おける重量の測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013092507A (ja) * 2011-10-27 2013-05-16 Toyota Motor Corp 荷重検出装置及び歩行補助装置
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