JP2001011732A - 低温カバリング性良好な共重合弾性繊維 - Google Patents

低温カバリング性良好な共重合弾性繊維

Info

Publication number
JP2001011732A
JP2001011732A JP11181930A JP18193099A JP2001011732A JP 2001011732 A JP2001011732 A JP 2001011732A JP 11181930 A JP11181930 A JP 11181930A JP 18193099 A JP18193099 A JP 18193099A JP 2001011732 A JP2001011732 A JP 2001011732A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic fiber
cheese
diol
yarn
covering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11181930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4270655B2 (ja
Inventor
Yutaka Honda
豊 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP18193099A priority Critical patent/JP4270655B2/ja
Publication of JP2001011732A publication Critical patent/JP2001011732A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4270655B2 publication Critical patent/JP4270655B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時の弾性繊維のカバリング特性が改良さ
れたポリウレタンウレア系弾性繊維の提供。 【解決手段】 繰り返し単位9以下の環状オリゴマー含
有量が1.5%以下でありメチル基側鎖を有する共重合
ポリアルキレンエーテルジオールをジオール成分とする
低温カバリング性に優れたポリウレタンウレア弾性繊
維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伸長回復性の優れ
て改良されたポリウレタンウレア弾性繊維に係り、詳し
くは弾性繊維が低温下で加工されるにおいても、逆巻き
による糸切断が低減した弾性繊維チーズ巻体の解除、弛
み糸切れの低減した被覆加工弾性糸のチーズ巻きなどが
できるポリウレタンウレア弾性繊維に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】弾性繊維は伸長回復性を要求されるレッ
グ、パンテイーストッキング、おむつカバー等に使用さ
れる。これらの製品では、弾性繊維は通常他の繊維との
複合された糸が用いられている。弾性繊維と他の繊維と
の複合は、弾性繊維の周りに他の糸を単層に被覆するシ
ングルカバードヤーン(以下SCYと略す)、2層の糸
を被覆するダブルカバードヤーン、短繊維糸で被覆した
コアスパンヤーンなどがある。そして、弾性繊維のカバ
リング乃至被覆加工(以下カバリング加工という)は、
弾性繊維を延伸した状態で被覆し、ついで加工糸たるカ
バリング糸もしくは被覆糸は一定比率収縮させられた後
にチーズに巻き取っている。これらのカバリング加工は
連続して行われており、特に、短時間での伸長回復性に
優れた弾性繊維が恒常的に求められている。
【0003】特開平7−278983号公報には、伸長
回復性に優れた弾性繊維を得る目的で、低分子量のポリ
テトラメチレンエーテルグリコール(以降PTMGと略
す)を用いたり、高分子量部分を除去したPTMGを用
いる弾性繊維の製造方法が記載されている。特開平1ー
284518号公報は、テトラヒドロフラン(以降TH
Fと略す)の開環重合に際し、ネオペンチルグリコール
を共重合し、側鎖にメチル基を持たせる事で弾性繊維に
伸長回復性を付与する技術について開示している。
【0004】弾性繊維の利用が増加するのにともなっ
て、弾性繊維のカバリング加工における糸切れの問題が
クローズアップされている。特に寒冷期の朝にカバリン
グ加工が行われる場合の加工の始動期に発生する弾性繊
維チーズの逆巻きによる弾性繊維の糸切れの多発とカバ
リング糸のチーズ巻き取り工程でのカバリング糸のたる
みによるカバリング糸切れの多発の問題が深刻である。
【0005】ここで「逆巻き」とは、よく知られている
ように、弾性繊維がチーズから解除されるとき、チーズ
の表面からの糸離れが悪くなり糸が逆方向に巻き取れれ
る現象である。一方、弛みによる糸切れは、寒冷期下の
加工のスタートアップ期での弾性繊維の短時間内におけ
る伸長回復性の低下に起因する。汎用のポリウレタン弾
性糸の伸長回復速度の温度依存性を観測すると、以下に
例示するように、0〜20℃の室温下でも、伸長後10
秒以内の期間中に観測される弾性回復速度が弾性繊維の
温度が低温側にシフトするにしたがって劇的に低下する
ことが判明した。
【0006】例えば、20dの弾性繊維を初期長100
mm採取し、これを200mmに伸ばした状態で所定温度下
で16時間放置した後に張力を解き、10秒後の長さ
(L)を測定し(L−100)(mm)の値(以下、伸
長回復性という:数値が小さい程回復速度特性が大き
い)を比較すると、20℃で低温伸長回復率が10mmで
ある数平均分子量1900であるPTMGを、ジオール
成分とし4−、4’ジフェニルメタンジイソシアネート
をソフトセグメントとし、鎖延長剤としてエチレンジア
ミンを用い、乾式紡糸したポリウレタンウレア弾性繊維
は、高分子量PTMG含量が多く、10℃で53.4m
m、0℃では81mmと急激に大きくなり、温度の低下と
ともに伸長弾性回復性が急激に低下する。
【0007】このように、弾性繊維の伸長回復性は温度
の低下によって急激に低下するとの知見から、問題点は
以下のように推察される。寒冷時の夜間気温によって弾
性繊維チーズは温度の低下をきたし、弾性繊維の伸長回
復性は大幅に低下している。また弾性繊維チーズは、カ
バリング開始時の暖房でチーズ表面の弾性糸は暖まるも
のの、内部は依然として冷えており、かかる部分がカバ
リング糸のチーズ巻き取り工程で低収縮となり、瞬く間
にたるみを生じ、隣接する突起物に引っかかったり、た
るみ部が絡まってガイドに引っかかったり、弛み部が一
度にローラに取り込まれカバリング糸を切断してしま
う。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、弾性繊維の
カバリング加工が寒冷期に遭遇する低温の下で行われて
も、チーズ巻体が解除に逆巻きを起こさず、かつ被覆後
に弛み糸切れを起こさないで巻き上げチーズ上に安定し
て引き取ることができるポリウレタンウレア弾性繊維の
提供を課題とするものである。
【0009】本発明の具体的な課題は、弾性繊維の温度
低下に伴う、急激な伸長回復性、特に伸長回復速度の低
下を改善し、粘着にともなうチーズでの逆巻きが少ない
ポリウレタンウレア系弾性繊維を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、特にメチル基
側鎖を有するアルキレンジオールをソフトセグメント形
成成分として用い、繊維を形成するポリウレタンウレア
中に存在する環状オリゴマーの上限許容量を極めて精緻
に制御することによって達成することができる。
【0011】すなわち本発明は、繰り返し単位が9以下
である環状オリゴマーの含有量が1.5重量%以下であ
りメチル基側鎖を有する共重合ポリアルキレンエーテル
ジオールをジオール成分として構成されたポリウレタン
ウレアからなる低温カバリング性に優れたポリウレタン
ウレア弾性繊維である。本発明の弾性繊維を構成するポ
リウレタンウレアは、メチル基側鎖を有するポリアルキ
レンエーテルジオールと有機ジイソシアネートとのウレ
タン結合を有するソフトセグメントと、ソフトセグメン
ト両末端のイソシアネートと2官能有機ジアミンとのウ
レア結合よりなるハードセグメントからなる。
【0012】このハードセグメントは、相互に水素結合
を形成し、分子相互結合点、ゴムで言う架橋点を形成
し、弾性性能を繊維に発現せしめている。本発明では、
重合体のソフトセグメント形成成分としてメチル基側鎖
を有するアルキレンジオールを用いる。メチル基側鎖を
有するアルキレンジオールを採用することで、重合体に
結晶の成長を阻害して、得られる弾性繊維の伸度を大き
くすると共に、低温時の伸長回復性が顕著に維持するこ
とができる。一方メチル基側鎖を有するポリアルキレン
エーテルジオールの共重合では、環状オリゴマーの生成
が増加する傾向にあり、環状オリゴマーの弾性繊維表面
へのブリードによって弾性繊維表面の粘着性が上昇し、
特に表面へのブリード量が一定以上になると、急激に弾
性繊維同士の粘着性が強くなり、粘着によるチーズでの
逆巻きによる糸切れが起こりやすくなる。
【0013】寒冷時の低温度下において、カバリング性
の良好な弾性繊維を得るためには、用いられるジオール
のメチル基側鎖が、低温伸長時に結晶形成をする共重合
量以上であり、また弾性繊維の粘着性を大きくする環状
オリゴマー含有量を少なくすることが重要であるが、
1.5重量%以下にすることが特に重要である。共重合
に使用するアルキレン基としては、得られるポリウレタ
ン弾性繊維の耐水性、耐光性、耐摩耗性、および弾性機
能の観点から、アルキレン基の1つがテトラメチレン基
であり、他のアルキレン基と共重合していることが好ま
しい。共重合するアルキレン基として、2,2−ジメチ
ルプロピレン基、3−メチルペンタメチレン基および3
−メチルテトラメチレン基が好ましい。特に好ましく
は、2,2−ジメチルプロピレン基である。
【0014】また、テトラメチレン基以外のアルキレン
エーテルユニットは、4モル%以上、かつ40モル%以
下含むことが好ましい。好ましくは8モル%以上、かつ
30モル%以下である。4モル%未満では、低温伸長時
テトラメチレン基が結晶を形成しやすく、伸長回復性が
低下しカバリング糸のたるみを生じ、40モル%を超え
ると弾性繊維の強度または伸度が低下する傾向がある。
【0015】共重合ポリアルキレンエーテルジオール
は、繰り返し単位9以下のオリゴマー含有量が1.5重
量%以下であり、特に好ましくは1.0重量%以下であ
る。オリゴマー含有量が1.5重量%以下では弾性繊維
表面の粘着性が急激に低下し、逆巻きの改善が著しい。
またテトラメチレン基以外のアルキレンエーテルユニッ
トが、上記のモル%の範囲内で存在する混合ポリアルキ
レンエーテルジオールであっても、環状オリゴマーの含
有量が1.5重量%以下であればこれを使用してもよ
い。
【0016】本発明で使用される共重合ポリアルキレン
エーテルジオールの数平均分子量(Mn)は、1000
〜40000が好ましい。Mnが1000より小さい場
合繰り返し単位9以下の環状オリゴマー量が多くなり、
4000より大きいとヒステリシスロスや低温下の伸長
回復性が悪くなり好ましくない。本発明の弾性繊維は、
数平均分子量が1000〜40000、繰り返し単位が
9以下である環状オリゴマーの含有量が1.5重量%を
超えないメチル基側鎖を含む共重合ポリアルキレンエー
テルジオールをジオール成分とし、これに過剰の有機ジ
イソシアネート 、例えば4、4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートを反応させ両末端イソシアネートプレ
ポリマーを常法によって合成する。ジオールとジイソシ
アネートのモル比は1.2〜1.8であり、ソフトセグ
メントの分子量は4000〜8000の範囲に調整でき
る。環状オリゴマーはジイソシアネートと反応せず、そ
のままプレポリマーの中に取り込まれる。次いで、両末
端イソシアネートプレポリマーと2官能有機ジアミンを
適当量の1官能有機アミンの存在下に反応せしめること
によってポリウレタンウレアを得る。プレポリマー、ジ
アミンは溶剤に溶かし、混合する事でポリウレタンウレ
ア紡糸原液とすることができ、汎用の乾式もしくは湿式
紡糸を適用することでポリウレタンウレア弾性繊維を得
ることができる。
【0017】上述のポリウレタンウレア重合体の調整に
おいて、用いられるメチル基側鎖を有する共重合ポリア
ルキレンエーテルジオールは、いかなる方法で製造され
たものであってもよい。特開昭58−95036号公報
に開示されているヘテロポリ酸を触媒とし、THFとネ
オペンチルグリコール、3−メチル−1、5−ペンタン
ジオール、またはそれらの脱水環状化合物、例えば3、
3−ジメチルオキセタンを反応させることによって製造
される。その共重合ジオールは、所定の分子量、共重合
比となるように、反応の方法および条件を種々変化させ
ることによって、繰り返し単位9以下の環状オリゴマー
含有量が1.5重量%以下のジオールを得ることができ
る。
【0018】繰り返し単位9以下の環状オリゴマー含有
量の低減は、薄膜減圧処理における圧力と温度、時間に
よって調整できる。またオクタン洗浄によっても環状オ
リゴマー含有量を減少せしめることができる。本発明の
ポリウレタンウレア重合体の合成に使用される有機ジイ
ソシアネート化合物は、4、4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2、4−トルエンジイソシアネート、
1、4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−シク
ロヘキシルメタンジイソシアネ−ト等があげられる。
【0019】2官能有機ジアミンとしては、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、1、2−プロピレンジアミン、
1、4−ブチルジアミン、1、6−ヘキサメチレンジア
ミン、1、3−シクロヘキシルジアミン、4、4’ジア
ミノジフェニルメタン、4、4’−ジアミノジシクロヘ
キシルメタンがあげられる。これらジアミンのうち、良
好な物性を与えるものとして、エチレンジアミン、1,
2−プロピレンジアミン、1、6−ヘキサメチレンジア
ミン、またはこれらの混合物が好ましい。
【0020】本発明で用いられる1官能有機アミンとし
ては、ジエチルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミ
ン、ジエタノールアミン等を用いることができる。ポリ
ウレタンウレア重合体の合成に用いられる不活性極性溶
媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。
【0021】以上のようにして調整された紡糸原液に
は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、黄変防止剤などが添加
される。各種添加剤を混合した紡糸原液はフィルターで
異物を除去した後、一定量を送液し、加熱した空気、或
いは不活性ガスなどの気流中に、ノズルを通し押し出
す。紡糸原液が押し出され形成されフィラメント(繊
維)は、紡口下熱気流で極性溶媒が蒸散して、糸状とな
った後、仮撚の適用をうけて収束させられた後、油剤を
付与され所定の特性を有する弾性繊維が得れる。
【0022】
【実施例】以下に実施例等に基づいて本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例等により何ら制
限を受けるものではない。なお、以下の実施例における
測定値は、以下に説明する測定方法によりもとめられた
ものである。 (1)重量平均分子量、数平均分子量、及びその比であ
る多分散度dの測定:ゲルパーミッションクロマトグラ
フィー(GPC)により以下の条件で測定した。PTM
G固体を3mLのTHFに溶解し、その溶液1mLをG
PCに注入し、測定した。GPC測定条件及び装置概要
は以下の通りである。溶媒はTHF、溶媒流速1mL/m
in、カラム温度40℃でおこなった。装置はシステムコ
ントローラーとしてSCL−6B(島津製)カラムオー
ブンとしてCTO−6A(島津製)、検出器は示差屈折
計RID−6A(島津製)、カラムはTSK−gelG
3000HXL×2本(東ソー製)を用い計測し、データ
ー処理を行って平均分子量、多分散度を算出した。 (2)弾性繊維のカバリング時の糸切性評価:弾性繊維
チーズはポリエチレンの袋の中で25℃・1ヶ月間貯蔵
し、しかる後カバリングを行う。カバリング加工はオゼ
キテクノ(株)製カバリングマシンON−741Sに、
20デニールの2フィラメントの弾性繊維を85mm
φ、幅50mmの紙管に巻き取とった弾性繊維チーズ、
ポリアミド繊維(旭化成工業(株)製、レオナ10d/
5f)のチーズを取り付け、16時間10℃に保つ。し
かる後15℃に外気温を上げ、5分後に弾性繊維のカバ
リングを開始する。カバリング条件はドラフト率2.
7、撚り数1600T/m、シングルカバーS撚り、Z
撚りとする。カバリングされたSCYの巻き取り比率
は、カバリング出ロール速度に対し、0.95倍とし
た。合計10錘のカバリング機にチーズを仕掛け、カバ
リング開始後10分運転させ、逆巻きや弛みなどで糸が
切れて、加工機が停止する錘数を数え停止錘数が10%
を超える弾性繊維は不適当であると判定する。 (3)環状オリゴマーの測定:共重合PTMGを2倍量
のクロロホルムで希釈し、ガスクロ{カラム:シリコン
SE−30 10wt%/クロモソルブWHP×1m
(ガラス)カラム温度295℃}で行った。 (4)組成比率の測定 1 H.13C−NMR(日本電子(株)製 JEOL−G
X 400)によって求めた。 [ 実施例1] (ポリウレタンウレア弾性繊維の製造)攪拌装置と環流
冷却器とを付けた容器に、THF500gとネオペンチ
ルグリコール56gを仕込む。340℃で3時間加熱し
て無水状態にした隣タングステン酸を500g加え、乾
燥窒素ガス雰囲気下、60℃に保持して10時間攪拌し
反応させた後、室温で静置すると二相に分離する。上層
を分離し、未反応のTHF、ネオペンチルグリコールを
蒸留により除き、透明で粘性のあるポリアルキレンエー
テルジオール140gを得た。分析の結果数平均分子量
は2000、側鎖含有単位の比率15%、繰り返し単位
9以下の環状オリゴマーの含有量は4%であった。
【0023】該ポリアルキレンエーテルジオール100
gに純水100g を加え、30℃で20分攪拌した。そ
の後室温で18時間放置し、上層に共重合PTMGを、
下層に水層を分離し触媒を除去した。上層液中のポリア
ルキレンエーテルジオールは薄膜減圧加熱下でオリゴマ
ーを除去し、数平均分子量、側鎖含有単位の比率、繰り
返し単位9以下の環状オリゴマー含有量を測定し、表1
の結果を得た。
【0024】該共重合ポリアルキレンエーテルジオール
2、000gと4,4−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(以下MDIと略記)400g(1.6モル)とを
乾燥窒素下で80℃で3時間、攪拌下で反応させて、プ
レポリマーを得た。これを室温に冷却した後、ジメチル
アセトアミド4、457gを加え、室温で攪拌しながら
溶解し、均一なプレポリマー溶液とした。
【0025】一方、エチレンジアミン34.2g(0.
57モル)、ジエチルアミン4.38g(0.06モ
ル)をジメチルアセトアミド1、233gに溶解した溶
液を、上記プレポリマー溶液に高速攪拌下で一気に加
え、さらに室温下1時間反応させ、ポリウレタンウレア
を得た。この溶液に、酸化防止剤、黄変防止剤、等の添
加剤を所定量添加混合して乾式紡糸原液とした。紡糸原
液全体の固形分濃度は、約35%とした。この紡糸原液
を乾式紡糸機に供給し、800m/分の巻き取り速度
で、20デニールの2フィラメント弾性繊維を85mm
φ、幅50mmの紙管に450g巻き取った。 (カバリング加工)上記弾性繊維チーズをポリエチレン
袋中で25℃・1ヶ月放置後、カバリング加工を行っ
た。カバリング加工機の停止台数が0%であった。カバ
リング加工時の糸切れ性評価試験を10回繰り返した
が、10回ともスタート後10分以内は糸切れが生じな
かった。本実施例では、メチル基側鎖を15%有し、低
温伸長時の結晶化が小さく、低温度での伸長回復性が阻
害されなかったと思われる。また環状オリゴマーの含有
量も、原料ジオールで0.8重量%と低く、弾性繊維表
面へのブリードが少なく、粘着性が弱く逆巻きが起こら
なかったと思われる。 [ 実施例2] (ポリウレタンウレア弾性繊維の製造)実施例1と同様
の方法で共重合ポリアルキレンエーテルジオールを重合
し、薄膜減圧加熱下でオリゴマーを除去し、数平均分子
量、側鎖含有単位の比率、繰り返し単位9以下の環状オ
リゴマー含有量を測定し、表1の結果を得た。
【0026】実施例1と同様に、重合・紡糸を行い弾性
繊維を得、これを1ヶ月放置後カバリング加工を行っ
た。カバリング加工機の停止台数が0%であった。カバ
リング加工時の糸切れ性評価試験を10回繰り返した
が、10回ともスタート後10分以内は糸切れが生じな
かった。 [ 比較例1] (ポリウレタンウレア弾性繊維の製造)実施例1と同様
の方法で共重合ポリアルキレンエーテルジオールを重合
し、薄膜減圧加熱下でオリゴマーを除去し、数平均分子
量、側鎖含有単位の比率、繰り返し単位9以下の環状オ
リゴマー含有量を測定し、表1の結果を得た。
【0027】実施例1と同様に、重合・紡糸を行い弾性
繊維を得、これを1ヶ月放置後カバリング加工を行っ
た。カバリング加工機の停止台数が30%であった。カ
バリング加工時の糸切れ性評価試験を10回繰り返し、
10回のうち10分以内での糸切れは3回起こった。本
比較例では、メチル基側鎖を16%有し、低温伸長時の
結晶化が小さく、低温度での伸長回復性が阻害されなか
ったと思われる。その一方環状オリゴマーの含有量は原
料ジオールで3.8重量%と高く、弾性繊維表面の粘着
性が大きくなり、逆巻きのため糸切れ率が高くなったと
思われる。 [ 実施例3] (ポリウレタンウレア弾性繊維の製造)攪拌装置と環流
冷却器とを付けた容器に、THF500gと水1.6g
を仕込む。340℃で3時間加熱して無水状態にした隣
タングステン酸を50g加え、乾燥窒素ガス雰囲気下、
60℃に保持して、攪拌下、3、3−ジエチルオキセタ
ン90gを0.75g/分の速度で滴下した後、60℃
に保ちたまま、6時間攪拌下で反応させる。室温で静置
すると二相に分離し、上澄み液か未反応のTHF、3,
3−ジメチルオキセタンを除去し、透明で粘性のあるポ
アルキレンエーテルジオール153gを得た。
【0028】該ポリアルキレンエーテルジオール100
gに純水100g を加え、30℃で20分攪拌した。そ
の後室温で18時間放置し、上層に共重合PTMGを、
下層に水層を分離し触媒を除去した。上層液中のポリア
ルキレンエーテルジオールは薄膜減圧加熱下でオリゴマ
ーを除去し、数平均分子量、側鎖含有単位の比率、繰り
返し単位9以下の環状オリゴマー含有量を測定し、表1
の結果を得た。
【0029】該共重合ポリアルキレンエーテルジオール
を実施例1同様にMDIと反応させプレポリマーとし、
ジメチルアセトアミドにエチレンジアミン、ジエチルア
ミンを溶解した溶液を、上記プレポリマー溶液に高速攪
拌下で一気に加え、さらに室温下1時間反応させポリウ
レタンウレアを得た。この溶液に、酸化防止剤、黄変防
止剤、等の添加剤を所定量添加混合して乾式紡糸原液と
した。紡糸原液全体の固形分濃度は、約35%とした。
この紡糸原液を乾式紡糸機に供給し、800m/分の巻
き取り速度で、20デニールの2フィラメント弾性繊維
を85mmφ、幅50mmの紙管に450g巻き取っ
た。
【0030】カバリング加工時の糸切れ性評価試験を1
0回繰り返し、10回のうち10分以内での糸切れは0
回と良好であった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、低温度の下での急激な
伸長回復性、特に伸長回復速度の低下が改善されてお
り、また繊維に粘着によっておこるチーズの逆巻きに発
生が少ないポリウレタンウレア系弾性繊維を得ることが
できる。本発明のポリウレタンウレア弾性繊維を用いる
ことにより、カバリング加工が寒冷期に低温下で行われ
ても、チーズ巻体が解除に逆巻きを起すことがなく、か
つまた被覆後に被覆弾性糸を弛み糸切れを起すことなく
安定してチーズ上に巻取ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 CA15 CB03 CB07 CC03 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC67 CE03 DA01 DB04 DB07 DG02 DG06 DG09 HA01 HA02 HA07 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 JA02 JA14 QB15 RA09 4L035 BB02 CC13 FF04 FF07 GG04 MH02 MH09 MH13 4L036 MA39 PA46 RA24 UA21

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繰り返し単位9以下の環状オリゴマー含
    有量が1.5%以下でありメチル基側鎖を有する共重合
    ポリアルキレンエーテルジオールをジオール成分として
    なるポリウレタンウレア系弾性繊維。
JP18193099A 1999-06-28 1999-06-28 低温カバリング性良好な共重合弾性繊維 Expired - Lifetime JP4270655B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18193099A JP4270655B2 (ja) 1999-06-28 1999-06-28 低温カバリング性良好な共重合弾性繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18193099A JP4270655B2 (ja) 1999-06-28 1999-06-28 低温カバリング性良好な共重合弾性繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001011732A true JP2001011732A (ja) 2001-01-16
JP4270655B2 JP4270655B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=16109392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18193099A Expired - Lifetime JP4270655B2 (ja) 1999-06-28 1999-06-28 低温カバリング性良好な共重合弾性繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4270655B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018220983A1 (ja) * 2017-05-30 2018-12-06 保土谷化学工業株式会社 バイオポリエーテルポリオールの製造方法、バイオポリエーテルポリオール及びバイオポリウレタン樹脂

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018220983A1 (ja) * 2017-05-30 2018-12-06 保土谷化学工業株式会社 バイオポリエーテルポリオールの製造方法、バイオポリエーテルポリオール及びバイオポリウレタン樹脂
JPWO2018220983A1 (ja) * 2017-05-30 2020-04-16 保土谷化学工業株式会社 バイオポリエーテルポリオールの製造方法、バイオポリエーテルポリオール及びバイオポリウレタン樹脂
US11279792B2 (en) 2017-05-30 2022-03-22 Hodogaya Chemical Co., Ltd. Method for producing a biopolyether polyol, biopolyether polyol, and biopolyurethane resin
JP2022079647A (ja) * 2017-05-30 2022-05-26 保土谷化学工業株式会社 バイオポリエーテルポリオールの製造方法、バイオポリエーテルポリオール及びバイオポリウレタン樹脂

Also Published As

Publication number Publication date
JP4270655B2 (ja) 2009-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100942359B1 (ko) 열세트성이 향상된 폴리우레탄우레아 탄성사의 제조방법
JP4764335B2 (ja) 高生産性スパンデックス繊維プロセスおよび製品
WO1997000982A1 (fr) Fibres de polyurethane elastiques et procede de production de ces dernieres
MXPA05014237A (es) Monofilamento o cinta elastica de hilado fundido y proceso.
JP2006176772A (ja) 低いヒートセット温度を有するスパンデックスおよびその製造のための物質
JP4343351B2 (ja) ポリウレタン繊維
JP6093090B2 (ja) 均一性と熱硬化性に優れるポリウレタンウレア弾性糸
US6399003B1 (en) Process for making melt-spun spandex
JP3826375B2 (ja) ポリウレタン糸およびその製法
JP2001011732A (ja) 低温カバリング性良好な共重合弾性繊維
WO2022034868A1 (ja) ポリウレタン弾性繊維及びその巻糸体、ギャザー部材、並びに衛生材料
KR101167377B1 (ko) 열세트성이 향상된 폴리우레탄우레아 탄성사의 제조방법
KR101578156B1 (ko) 파워 및 균제도가 우수한 폴리우레탄우레아 탄성사 및 이의 제조방법
EP0977790B1 (en) Spandex production method and the spandex so made
JP5853065B1 (ja) ギャザー部材
JP4191848B2 (ja) 低温カバリング性の優れた弾性繊維
JP2001172822A (ja) 耐熱性に優れたポリウレタンウレア弾性繊維
KR100807041B1 (ko) 세트성이 우수한 탄성사 및 그 제조 방법
KR20150043906A (ko) 응력유지율이 우수한 폴리우레탄우레아 탄성사 및 이의 제조방법
KR100615780B1 (ko) 응력 유지율이 높은 스판덱스 섬유
EP4372132A1 (en) Thermoplastic polyurethane elastic fiber, wound body of same, gather and sanitary materials containing said thermoplastic polyurethane elastic fiber, and method for producing said polyurethane elastic fiber
KR20180044532A (ko) 높은 신도를 갖는 폴리우레탄우레아 탄성사 및 이의 제조방법
JP3968738B2 (ja) ポリウレタン糸の製法
JPH0376856A (ja) ポリウレタン極細繊維不織布の製造方法
JP2001226823A (ja) ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060607

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4270655

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term