JP2001011094A - 乳ホエ−タンパク中の生理活性物質およびその製造法ならびにその使用法 - Google Patents

乳ホエ−タンパク中の生理活性物質およびその製造法ならびにその使用法

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JP2001011094A
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milk whey
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不活化ウイルスなどで産乳動物を免疫して得ら
れる牛初乳もしくは常乳中に生産される生理活性物質で
あって、関節リウマチ患者の滑膜細胞増殖抑制に効果が
ある生理活性物資を、経済的に大量入手可能な牛乳中に
ある関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有する生理活
性物質を提供すること。また、初乳ホエー蛋白中に含有
する関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制因子を有する生理活
性物質を提供する。 【解決手段】不活化ウイルスとアジュバンドを混合して
エマルジョン化する。これを乳牛に免疫をして搾乳した
牛乳を脱脂、殺菌、ろ過膜で分離する。分子量1000
以下の除去と分子量30000以上を除去した物質中に
関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用がある生理活性物質
を得た。また、免疫していない牛初乳を脱脂、殺菌、ろ
過膜で分離して分子量1000以下の除去と分子量30
000以上を除去した物質中に関節リウマチ滑膜細胞増
殖抑制作用がある生理活性物質を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、関節リウマチ滑
膜細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質およびその製
造方法ならびに使用方法に関するものである。更に詳細
には、この発明は、かかる生理活性物質は、飲食品用、
医薬品用、化粧品用もしくは飼料用などの素材として有
用であり、特に、かかる生理活性物質に含有されている
関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制因子は、関節リュ−マチ
などを含む滑膜細胞増殖抑制に有用である。
【0002】
【従来の技術】リウマチなどに起因する関節の痛みの治
療法は、ステロイドホルモン剤を投与する薬物療法が一
般的である。ステロイドホルモン剤はその関節リウマチ
滑膜細胞増殖抑制作用が強い反面、骨や軟骨に悪影響を
及ぼすという副作用も併せ持っている。最近では、関節
の炎症が起きている部分のみを切除する手術と薬剤投与
とが併用されている。しかし、かかる慢性持続性の関節
炎の治療においては、短期的な痛みや炎症の抑制も重要
であるが、関節破壊の防止による長期的な機能保持が治
療の上で重視されるようになってきている。このような
観点からステロイドホルモン剤や、非ステロイドホルモ
ン剤などの薬物療法を考えた場合、かかる薬物を長期投
与することは副作用の面から好ましくない。したがっ
て、長期投与に耐える関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作
用を有する薬剤の開発が要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる観点から、本発
明者らは、乳中に含有される生理活性物質について鋭意
研究をした結果、不活化ウイルスなどで産乳動物を免疫
して得られた牛乳中ばかりではなく、免疫していない産
乳動物由来の初乳に、関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作
用を有する生理活性物質が産生されていることを見出
し、かつ、かかる生理活性物質が乳と一緒にまたは乳製
品の形で摂取できることを見出して、この発明を完成す
るに至った。したがって、この発明は、その1つの態様
として、免疫していない産乳動物由来の初乳の乳ホエ−
タンパク成分中に含有される関節リウマチ滑膜細胞増殖
抑制作用を有する生理活性物質からなる乳ホエ−タンパ
ク中の生理活性物質を提供する。また、この発明は、別
の態様として、免疫していない産乳動物由来の初乳の乳
ホエ−タンパク成分中に含有される関節リウマチ滑膜細
胞増殖抑制作用を有する生理活性物質からなる乳ホエ−
タンパク中の生理活性物質を製造する製造方法を提供す
る。更なる態様として、この発明は、不活化ウイルス、
不活化細菌もしくはアジュバンドまたはその混合物など
を産乳動物を免疫して生産される生理活性物質であっ
て、該生理活性物質には関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制
作用を有する生理活性物質が含有されている乳ホエ−タ
ンパク中の生理活性物質を製造する方法を提供する。こ
の発明はまた、その更なる態様として、上記態様におけ
る乳ホエ−タンパク中の生理活性物質または上記態様の
製造方法によって得られる乳ホエ−タンパク中の生理活
性物質を含有する飲食品用、医薬品用、化粧品用もしく
は飼料用の各種素材を提供する。その上、この発明は、
更なる別の態様として、上記態様における乳ホエ−タン
パク中の生理活性物質もしくは上記態様の製造方法によ
って得られる乳ホエ−タンパク中の生理活性物質または
上記各種素材を飲食品用、医薬品用、化粧品用もしくは
飼料用に使用することからなる乳ホエ−タンパク中の生
理活性物質の使用方法を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記態様における目的を
達成するために、この発明は、免疫していない産乳動物
由来の初乳の乳ホエ−タンパク成分中に含有される関節
リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有する分子量1Kない
し30Kの範囲からなる乳ホエ−タンパク中の生理活性
物質を提供している。この発明は、その好ましい態様と
して、乳ホエ−タンパク中の生理活性物質において、前
記生理活性物質が分子量12,500〜14,700及
び/または分子量17,000〜19,000である生
理活性物質を提供している。また、そのより好ましい態
様として、かかる生理活性物質は、分子量13,000
〜14,500及び/または分子量17,500〜1
9,000であって、下記のようなアミノ酸組成比を有
している。更に、そのより好ましい態様として、かかる
生理活性物質は、牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳、豚乳、犬
乳または猫乳のいずれかの乳から得られる。
【0005】この発明のいずれの態様においても、得ら
れる乳ホエ−タンパク中の生理活性物質は、特に、かか
る生理活性物質に含有されている関節リウマチ滑膜細胞
増殖抑制因子が、関節リュ−マチなどを含む炎症に有用
である。また、この発明のより好ましい態様では、その
有用性が、より改善されかつ具体化されることになる。
【0006】この発明は、別の態様として、上記態様の
乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を製造する製造法を
提供している。この態様の発明の好ましい態様において
は、分子量12,500〜14,700及び/または分
子量17,000〜19,000である乳ホエ−タンパ
ク中の生理活性物質の製造法が提供される。また、より
好ましい態様として、この発明に係る製造法は、分子量
12,500〜14,700及び/または分子量17,
000〜19,000であって、下記のようなアミノ酸
組成比を有する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を製
造している。更に、より好ましい態様として、かかる乳
ホエ−タンパク中の生理活性物質は、牛乳、ヤギ乳、羊
乳、馬乳、豚乳、犬乳または猫乳のいずれかの乳中から
得ることができる。
【0007】この発明のいずれの態様における製造方法
においても、特に、得られる乳ホエ−タンパク中の生理
活性物質に含有されている関節リウマチ滑膜細胞増殖抑
制因子が、関節リュ−マチなどを含む滑膜細胞増殖抑制
に有用である乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を、簡
単にかつ大量に製造することができる。また、この発明
のより好ましい態様では、その有用性がより改善されか
つ具体化された乳ホエ−タンパク中の生理活性物質をよ
り簡単にかつ大量に製造することができる。
【0008】この発明の更なる態様においては、不活化
ウイルス、不活化細菌もしくはアジュバンドまたはその
混合物などからなる抗体産生体で産乳動物を免疫して生
産される生理活性物質であって、前記生理活性物質が関
節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質
を有する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質の製造方法
が提供される。この更なる態様における好ましい態様と
して、この発明は、かかるアジュバンドに免疫賦活剤が
含有されていること、または、かかる混合物がエマルジ
ョンの形態で使用されることからなる乳ホエ−タンパク
中の生理活性物質の製造方法を提供している。この更な
る態様における好ましい態様として、この発明は、分子
量1Kないし30Kの範囲から構成されている乳ホエ−
タンパク中の生理活性物質を製造することからなる製造
法を提供している。また、この態様の好ましい態様とし
て、この発明は、分子量12,500〜14,700及
び/または分子量17,000〜19,000とである
乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を製造することから
なる製造法を提供している。更に、この態様のより好ま
しい態様として、この発明に係る製造法は、乳ホエ−タ
ンパク中の生理活性物質が分子量12,500〜14,
700及び/または分子量17,000〜19,000
とであって、下記に示すようなアミノ酸組成比を有する
乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を製造することであ
る。その上、この態様の更により好ましい態様として、
かかる乳ホエ−タンパク中の生理活性物質は、産乳動物
の初乳もしくは常乳を使用して製造することができ、更
には、かかる乳が、牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳、豚乳、
犬乳または猫乳のいずれかを使用してもよい。
【0009】この発明のいずれの態様における製造方法
においても、特に、得られる乳ホエ−タンパク中の生理
活性物質に含有されている関節リウマチ滑膜細胞増殖抑
制作用が、関節リュ−マチなどを含む滑膜細胞増殖抑制
に有用である乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を、簡
単にかつ大量に製造することができる。また、この発明
のより好ましい態様では、その有用性がより改善されか
つ具体化された乳ホエ−タンパク中の生理活性物質をよ
り簡単にかつ大量に製造することができる。
【0010】この発明は、その更なる態様として、上記
に記載する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質またはそ
の製造法によって得られる乳ホエ−タンパク中の生理活
性物質を含有する素材を提供する。かかる素材は、飲食
品用、医薬品用、化粧品用もしくは飼料用の素材として
種々の用途に適するように加工して使用することができ
る。
【0011】上記更なる態様における目的を達成するた
めに、この発明は、上記生理活性物質または上記した製
造方法によって得られる上記生理活性物質を滑膜細胞増
殖の治療と予防のために飲用ならびに塗布して使用する
ことを特徴とする生理活性物質の使用方法を提供してい
る。また、上記目的を達成する好ましい態様としては、
この発明は、上記生理活性物質が初乳もしくは常乳また
は上記初乳もしくは常乳から抽出もしくは精製された状
態で上記飲用ならびに塗布に使用することからなる生理
活性物質の使用方法を提供している。更にまた、この発
明は、更に別の態様を達成するために、上記生理活性物
質を、ペット、家畜、競走馬等に飲用ならびに塗布する
ことにより動物の滑膜細胞増殖の治療と予防を特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の態様】この発明において、産乳動物を免
疫するための免疫原としては、不活化ワクチン、不活化
細菌もしくはアジュバンドまたはその混合物などからな
る抗体産生体が使用される。不活性されたウイルスは、
特に限定されるものではなく、産乳動物に免疫したとき
にこの発明に係る生理活性物質、特にこの発明に係る関
節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質
を産生することができるウイルスであればいずれでもよ
い。特に好ましいウイルスとしては、例えば、コクサッ
キ−ウイルス、エコ−ウイルスなどのエンテロウイル
ス、イヌパルボウイルスなどのパルボウイルス、ジステ
ンパ−ウイルスなどのモルビリウイルス、狂犬病ウイル
スなどのリサウイルスアデノ2型ウィルスなどのマスタ
デノウイルス、イヌヘルペスウイルスなどのシンプレッ
クスウイルス、パラインフルエンザウイルスなどのイン
フルエンザウイルス、イヌコロナウイルスなどのコロナ
ウイルス、レプトスピラ・イクテロヘモラギ−、レプト
スピラ・カニコ−ラ、レプトスピラ・コベンハゲニ−な
どのレプトスピラウイルスなどのウイルスを挙げること
ができる。この他、ネコ、ブタ、ウシ、馬などの下痢も
しくは心筋炎などを誘発するウイルスや細菌などの関節
リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質を
産生する事として挙げることができる。また、かかる不
活化細菌としては、例えば、Corynebacter
ium anaerobium,C.paruumなど
の嫌気性のコリネバクテリウムなどが挙げられる。この
他に、ミコバクテリウムや腸内細菌、緑膿菌などが挙げ
られる。更に、アジュバンドとしては、例えば、生体内
の抗原が速やかに処理されることなく、長期間残留する
ことによって抗原刺激を持続することができる型式のア
ジュバンド、例えば、不溶性フロイドアジュバント、油
アジュバントなどと、免疫関連細胞に対して直接的に作
用して抗体産生量を増加させることができる型式のアジ
ュバンド、たとえば個体成分、核酸類似体、界面活性剤
などとが挙げられる。更に、かかる不溶性フロイドアジ
ュバンドとしては、例えば、カリミョウバン、クロムミ
ョウバン、アルミナ、水酸化アルミニウムなどが用いら
れる。また、かかる油アジュバントとしては、鉱物油
(流動パラフィン)と界面活性剤とを所定の割合で混合
した不完全フロインドアジュバンドが多用されている
が、この他に、かかる不完全フロインドアジュバンドに
結核菌の死菌体を加えた完全フロインドアジュバンドな
ども使用することができる。なお、上記アジュバンドに
は、免疫賦活剤も含まれていてもよい。かかる免疫賦活
剤としては、例えば、死活牛酪菌、死活牛型結核菌、死
活人型結核菌、アスカリス、死活百日咳菌、カリミョウ
バン、エンドトキシン等などが挙げられる。これらの免
疫賦活剤は1種もしくは異なる種類を2種以上混合して
同時にもしくは別個に産乳動物に対して免疫することが
できる。なお、上記抗体産生体は、産乳動物に対して免
疫することが可能であれば、いずれの形態でも適用する
ことができるが、例えばエマルジョンの形態で免疫する
のが好都合である。
【0013】この発明において、産乳動物に対する免疫
原としての免疫は、常法に従って行うことができる。一
般には、産乳動物に対する免疫は、所定量の免疫原を抗
原として所定の間隔をおいて、例えば、2週間ないし4
週間の間隔で注射などによって行うのが普通である。免
疫期間は所定の間隔をおいて、搾乳した乳中の抗体力価
を測定しながら、所望の抗体力価になるまで継続して行
うのがよい。免疫原として使用されるウイルスの量は、
免疫動物、免疫原の種類などによって適宜変えることが
できるが、一般には0.001mgないし100mg/
1回、好ましくは0.01mgないし50mg/1回の
範囲であればよい。
【0014】この発明において免疫動物として利用でき
る産乳動物としては、乳汁を分泌できる産乳動物であれ
ばいずれも利用することができるが、通常乳用動物とい
われている牛、ヤギ、ヒツジなどの哺乳動物がその乳産
生量などの観点からしても好ましい。同様に免疫をして
いない牛の初乳の産乳動物としては、乳汁を分泌できる
産乳動物であればいずれも利用することができるが、通
常乳用動物といわれている牛、ヤギ、ヒツジなどの哺乳
動物がその乳産生量などの観点からしても好ましい。次
ぎに、この発明に従って免疫原としての上記ウイルスで
免疫した産乳動物は常法に従って飼育することができ
る。産乳動物の免疫期間中ならびに飼育期間中には、該
産乳動物から定期的にミルクを搾乳して、該ミルク中の
抗体力価を測定する。
【0015】この発明において、免疫原としての上記ウ
イルスを産乳動物に免疫することによって得られる生理
活性物質ならびに免疫していない牛初乳に含有される関
節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用因子はHPLC分析と
SDS−PAGE電気泳動分析により特定することがで
きる。この発明に係る生理活性物質は、SDS−PAG
E画分中の分子量1Kないし30Kに含有されている。
この発明に係る乳ホエ−タンパク中の生理活性物質は、
分子量が12,500〜14,700及び/または分子
量17,000〜19,000とである関節リウマチ滑
膜細胞増殖抑制作用を有する物質であって、下記のよう
なアミノ酸組成比を有することを特徴としている。
【0016】上記のようにして得られたこの発明に係る
生理活性物質は、免疫動物である産乳動物から初乳もし
くは常乳を搾乳された生乳ならびに免疫していない牛初
乳から搾乳してそのまま使用することも可能であるけれ
ども、実用的には、かかる生乳を脱脂、カゼイン除去、
低温殺菌、膜で1Kないし30Kの画分を回収して液状
または乾燥してスキムミルクパウダーに加工するのが好
ましい。つまり、かかる免疫初乳もしくは常乳ならびに
免疫していない牛初乳を処理してこの発明に係る生理活
性物質を抽出もしくは精製した加工物も、この発明の目
的を構成する1態様であると理解すべきである。この態
様における特に好ましい具体的な実施例としては、食品
が挙げられる。かかる生理活性物質を、生乳を加工して
得た凍結乾燥物として食品に使用する場合には、該乾燥
品を、例えば成人1日乾燥品として0.002gから6
0g程度、好ましくは0.02gないし6g程度飲用す
ればよい。以下、この発明を実施例により更に詳細に説
明する。
【0017】実施例 (実施例1)乳牛(ジャ−ジ−種)を1週間予備飼育し
た後、市販イヌパルボウイルス感染症不活化ワクチン
(犬パルボ不活化ワクチン”化血研”:化血研社製)を
1回1mLと/完全アジュバンド3mL(カペル社製)
を1回目から8回目まで2週間間隔で乳牛の前足付け根
部分に剃毛後、皮膚をアルコ−ル消毒して皮下注射し
た。なお、免疫期間中に搾乳をしてその乳中の抗体価を
ELISA法により測定し、力価がこれ以上上昇しなく
なった日より搾乳を開始した。搾乳した各牛乳を混合し
て抗体価をELISA法により測定した。
【0018】(実施例2)実施例1で生産した免疫牛乳
の抗体価は次のようにして測定した。まず、市販イヌパ
ルボウイルス感染症不活化ワクチン(犬パルボ不活化ワ
クチン”化血研”:化血研社製)を生理食塩水(PB
S)1mL当たり2.8x10の濃度になるように希
釈し、得られた溶液を各ウエルに50μLづつ入れて、
25℃で2時間コーテイングした後、ウエルを0.05
%ツイ−ン20/PBSで3回洗浄した。次いで、各ウ
エルに25%ブロック・エ−スを250μLづつ添加し
後、ウエルを0.05%ツイ−ン20/PBSで3回洗
浄した。更に、免疫ミルクを生理食塩水(PBS)で所
定の濃度に希釈し、得られた希釈液を各ウエルに50μ
Lづつ入れて、25℃で2時間反応した。その後、ウエ
ルを0.05%ツイ−ン20/PBSで3回洗浄し、各
ウエルに、HRP結合抗牛IgG(H+L)x5000
/PBSを50μLづつ入れて、25℃で2時間反応し
た。次いで、ウエルを0.05%ツイ−ン20/PBS
で3回洗浄した後、各ウエルに展開液50μL(4mg
/1tOPD(シグマ社)/5.2mLクエン酸バッフ
ァ−25mM、pH4.5−30%過酸化水素3μL)
を添加して15分間反応させた。反応後、1M硫酸を各
ウエルに50μLづつ添加して反応を停止させた。この
ようにして得られた各ウエルを492nm/600nm
で抗体価を測定した。この結果は、図1に示すとおりで
ある。なお、図中において、力価測定に使用したサンプ
ルは次の通りである。 Cont.Milk(35%): 免疫した牛乳をホエ
−蛋白にした後、35%まで濃縮後、濃縮前の量に戻し
たものを力価測定。 スプレ−150/180℃: 35%濃縮後スプレ−ド
ライヤで乾燥後、濃縮前の量に戻したものを力価測定。 Normal Milk: 免疫していない牛乳をホエ
−蛋白にしたものを力価測定。 Immuno Milk: 免疫した牛乳を毎日搾乳し
て各牛乳を混合してホエ−蛋白にしたものを力価測定。
【0019】(実施例3)実施例1により生産した免疫
牛から搾乳し遠心後ホエ−タンパクを回収した。さら
に、各50mLにガラス遠心管に分注して60度の湯漕
の中に30分浸けて低温殺菌を行った。続いて、限外濾
過器(アドバンテック社製攪拌型ウルトラホルダ−UH
P−43K)に限外濾過膜を使用して分子量1000
(ミリポア製フイルタ−:YM−10)以下を除去、分
子量30000(ミリポア製フイルタ−:YM−30)
以上を除去した。最後に凍結乾燥機で乾燥した生理活性
物質を得た(原料名:DB−1)。同様に免疫していな
い牛初乳8頭分を混合して得た混合液を上記免疫牛乳と
同様に加工して生理活性物質を得た(原料名:初乳)。
比較の為に、免疫していない出産後1ヶ月以上経過して
いる牛乳を得た。(原料名:ノ−マル牛乳)。
【0020】(実施例4)実施例3で生産した生理活性
物質(DB−1、初乳、ノ−マル牛乳)のHPLCでゲ
ル濾過分析を行った。HPLC分析条件は下記の通りで
す。DB−1をSuperdex200HR10−30
(アマシャム・ファルマシアバイオテック社製)を充填
したカラムに注入し、50mMリン酸ナトリウム、15
0mM塩化ナトリウム(pH7)溶液からなる緩衝液を
フロ−レ−ト0.25mL/分でカラム中に流した。得
られた分画を吸光度280nmと254nmで分析し
た。機器としてはAKTAexplorer(アマシャ
ム・ファルマシアバイオテック社製)を使用した。DB
−1のHPLC分析結果は、図2に示すとおりである。
初乳のHPLC分析結果は図3に示すとおりである。ノ
−マル牛乳のHPLC分析結果は図4に示すとおりであ
る。これらの結果から、254nmの波長において、図
4のf−4画分の面積が、図2および図3のf−4画分
の面積と異なることが明らかである。更に、免疫牛乳と
初乳とのf−4画分が大きくなっていることが明確に判
る。
【0021】(実施例5)実施例3で生産した生理活性
物質(DB−1、初乳)をさらにf−4画分のみ分画し
た。DB−1を20mMリン酸バッファ−(pH7.
2,0.3MNaCl)を等量添加して混合液を攪拌す
る。混合液をカラムクロマトにより精製した。 (精製条件) カラム:Superdex200HR10−30(アマ
シャム・ファルマシアバイオテック社製) バッファ−:10mMリン酸バッファ−(pH7.2,
0.15MNaCl)フロ−レ−ト:0.7mL/分 波長:254nm、280nm 装置:AKTAexplorer(アマシャム・ファル
マシアバイオテック社製) (精製方法)40mg/mLのDB−1を上記精製条件
で精製してDB−1よりf−4画分を分画した(分画
名:DB−1f−4)。同様に、初乳50mg/mLを
上記精製条件で精製して初乳よりf−4画分を分画した
(分画名:初乳f−4)。
【0022】(実施例6)実施例3の免疫牛乳由来生理
活性物質(DB−1)、免疫牛乳由来生理活性物質の分
画(DB−1f−4)、初乳由来生理活性物質(初
乳)、初乳由来生理活性物質の画分(初乳f−4)の4
サンプルを用いて、SDS−PAGE電気泳動分析を実
施した。 (SDS−PAGE分析条件) 使用ゲル: SDS−PAGE mini(TEFCO製) ゲル濃度:4−20% ゲル厚:1.0mm 泳動バッファ−:トリス−30g、グリシン14.4g、SDS1.0gを蒸 留水を加えて1000mLにした。 サンプルバッファ−: 蒸留水 5.0mL 0.5Mトリス−HCl(pH6.8) 1.25mL グリセロ−ル 0.1mL 10%SDS 2.0mL 2−メルカプトエタノ−ル 0.5mL 0.1%プロモフエノ−ルブル− 0.25mL 全量 10mL 染色液:クマシ−ブリリアントブル−R−250 脱色液:7.5%酢酸、10%メタノール水溶液 (電気泳動方法)サンプルバッファ−を次のように調整
した。サンプルのタンパク濃度が高い場合は、約1μg
/mL以上、また、サンプルのタンパク濃度が低い場合
は、約1μg/mL以下になるように調整して、泳道サ
ンプルを得た。この泳動サンプルを混合した後80℃で
3分間加熱する。その後、泳動層にゲルカセットをセッ
トし、泳動バッファ−を各ウエルに25μLづつ注入
し、18mAで約1.5時間電気泳動を行なう。泳動終
了後、ゲルをカセットから外し、染色液で約20分間染
色した後、脱色液で脱色した。こららのサンプルのSD
S−PAGE分析結果を図5および図6に示す。図5に
おいて、左側レ−ンは免疫牛乳由来生理活性物質(DB
−1)を示し、左側から2番目のレ−ンは初乳由来生理
活性物質(初乳)を示し、また、右側のレ−ンは分子量
マ−カ−(BIO−RAD製SDS−PAGE分子量ス
タンダ−ドを示す。(Low:分子量97400、ウサ
ギ筋肉由来フォスフォリネ−スB;分子量66200、
ウシ由来血清アルブミン;分子量45000、ニワトリ
卵白由来オバルブミン;分子量31000、ウシ由来カ
ルボニックアンハイドレ−ス;分子量21500、大豆
由来トリプシンインヒビタ−;分子量14400、ニワ
トリ卵白由来ライソザイム) 図5で示す通り、免疫牛乳由来生理活性物質(DB−
1)中には、分子量12,500〜14,700及び/
または分子量17,000〜19,000とである関節
リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用因子が含まれる。また、
初乳由来生理活性物質(初乳)中にも、関節リウマチ滑
膜細胞増殖抑制作用がある分子量が12,500〜1
4,700及び/または17,000〜19,000と
である生理活性物質が含有されていることが判明した。
図6において、左側レ−ンは、分子量マ−カ−(ペプチ
ド分子量マ−カ−「第一」、第一化学(株)販売、分子
量16950;ウマ骨格筋由来ミオグロビン、分子量1
4410;ウマ骨格筋由来ミオグロビンIおよびII、
分子量10704;ウマ骨格筋由来ミオグロビンIおよ
びIII)を示し、左側から2番目のレーンは免疫牛乳
由来生理活性物質のf−4画分(DB−1f−4)を示
し、左側から3番目のレ−ンは免疫牛乳由来生理活性物
質(DB−1)を示し、他方、右側のレ−ンは分子量マ
−カ−(BIO−RAD製SDS−PAGE分子量スタ
ンダ−ド、分子量97400;ウサギ筋肉由来フォスフ
ォリネ−スB、分子量66200;ウシ由来血清アルブ
ミン、分子量45000;ニワトリ卵白由来オバルブミ
ン、分子量31000;ウシ由来カルボニックアンハイ
ドレース、分子量21500;大豆由来トリプシンイン
ヒビタ−、分子量14400;ニワトリ卵白由来ライソ
ザイム)。図6の結果から、免疫牛乳由来生理活性物質
(DB−1)と免疫牛乳由来生理活性物質のf−4分画
(DB−1f−4)中には、関節リウマチ滑膜細胞増殖
抑制作用がある分子量12,500〜14,700及び
/または分子量17,000〜19,000とである生
理活性物質が含有されていることが分かる。また、初乳
由来生理活性物質(初乳)と初乳由来生理活性物質のf
−4分画(初乳f−4)中にも、関節リウマチ滑膜細胞
増殖抑制作用がある分子量12,500〜14,700
及び/または分子量17,000〜19,000とであ
る生理活性物質が含有されていることが分かる。
【0023】(アミノ酸分析)上記実施例で得られた初
乳f−4をHPLCゲルろ過にて精製してf−4画分を
分画後、SDS−PAGEで更に分画してサンプルを得
た(初乳f−4Lowバンド:F−L)。SDS−PA
GE分析から、このサンプルの分子量は約13500で
あった。このサンプルを次のようにして調製した。上記
サンプル(PVDF膜)をさっと50%メタノ−ル水溶
液に浸した後、軽く風乾した。ついで、このPVDF膜
を水解試験管に移し、6NHCl105μLと2%フェ
ノ−ル/6NHCl5μLとを添加した後、減圧脱気封
管して、110℃で22時間加熱して加水分解した。水
解後開封して、塩酸相を別の試験管に移し、残りのPV
DF膜を50%メタノ−ル/0.1NHCl100μL
で2回抽出した。得られた抽出液を上の塩酸相と合わせ
て、窒素気流下で蒸発乾固した後、その残査にアミノ酸
分析用緩衝液0.23mLを添加して溶解してろ過し、
アミノ酸分析用サンプルを調製した。得られたアミノ酸
分析用サンプル(注入量:180μL)を下記分析条件
でアミノ酸分析を、JLC−300型全自動アミノ酸分
析装置(日本電子(株)製)を用いて行った。 クロマト条件 カラムサイズ: 6.0mmIDx90.0mm 固定相: JEOLレジンLCR−6 移動相: 0.2Nクエン酸ナトリウム緩衝液(pH
3.15;日本電子(株)製) 流速: 0.72mL/分 カラム温度: 54−57℃(0→15分)、60℃
(15→36分) 検出条件 試薬: ニンヒドリン試液200Aセット(和光純薬
(株)製) 反応試薬流速: 0.36mL/分 反応温度: 120℃ 検出波長: 570nm、440nm 標準アミノ酸 試薬: アミノ酸カリブレ−ションミクスチャ−(味の
素(株)製) 濃度: 各100nmol/mL(ただし、Proは2
00nmol/mL) 注入量: 100μL(10nmol/mL) 希釈緩衝液: 0.2Nクエン酸ナトリウム緩衝液(p
H2.20) 得られたアミノ酸分析結果に基づいて、そのアミノ酸組
成比を表1に示す。
【0024】
【表1】 アミノ酸 組成比 ASP 20 THR 8.85 SER 22.1 GLU 24.7 ALA 1.8 1/2CYS 22.9 VAL 31.4 MET 2.41 ILE 5.43 LEU 11.2 TYR 5.56 PHE 5.15 HIS 4.05 LYS 10.25 ARG 5.45 合計 181.25
【0025】上記実施例で得られた初乳f−4をHPL
Cゲルろ過にて精製してf−4画分を分画後、SDS−
PAGEで更に分画してサンプルを得た(初乳f−4H
ighバンド:F−H)。SDS−PAGE分析から、
このサンプルの分子量は約18400であった。このサ
ンプルを上記のように調製した。得られたサンプルは上
記と同様にしてアミノ酸分析をした。その結果のアミノ
酸組成比を表2に示す。
【0026】
【表2】 アミノ酸 組成比 ASP 20 THR 10.3 SER 16.8 GLU 30.6 ALA 7.52 1/2CYS 15.9 VAL 27.4 MET 1.16 ILE 11.4 LEU 24.1 TYR 5.82 pHE 5.05 HIS 2.85 LYS 15.9 ARG 4.8 合計 199.6
【0027】上記実施例で得られた免疫ミルクDB−1
f−4をHPLCゲルろ過にて精製してf−4画分を分
画後、SDS−PAGEで更に分画してサンプルを得た
(DB−1f−4Highバンド:DB−1−H)。こ
のサンプルを上記のように調製した。SDS−PAGE
分析から、このサンプルの分子量は約18400であっ
た。得られたサンプルは上記と同様にしてアミノ酸分析
をした。その結果のアミノ酸組成比を表3に示す。
【0028】
【表3】 アミノ酸 組成比 ASP 20 THR 10.7 SER 23.5 GLU 29 ALA 6.47 1/2CYS 17.5 VAL 29.5 MET 2.59 ILE 7.74 LEU 16.1 TYR 5.66 PHE 5.62 HIS 3.62 LYS 13 ARG 5.48 合計 196.48
【0029】上記実施例で得られた免疫ミルクDB−1
f−4をHPLCゲルろ過にて精製してf−4画分を分
画後、SDS−PAGEで更に分画してサンプルを得た
(DB−1f−4Lowバンド:DB−1−L)。SD
S−PAGE分析から、このサンプルの分子量は約13
500であった。このサンプルを上記のように調製し
た。得られたサンプルは上記と同様にしてアミノ酸分析
をした。その結果のアミノ酸組成比を表4に示す。
【0030】
【表4】 アミノ酸 組成比 ASP 20 THR 10.6 SER 31.5 GLU 28.8 ALA 2.4 1/2CYS 29.7 VAL 41.4 MET 2.04 ILE 6.88 LEU 11.5 TYR 6.76 PHE 6.13 HIS 3.4 LYS 8.44 ARG 6.6 合計 216.15
【0031】(関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用の評
価)実施例3の免疫牛乳由来生理活性物質(DB−
1)、免疫牛乳由来生理活性物質のf−4分画(DB−
1f−4)、初乳由来生理活性物質(初乳)の3つのサ
ンプルを慢性関節リウマチ患者の骨膜組織由来単核細胞
で培養して関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用の評価を
した。関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用の評価法は、
滑膜細胞を主とした移入細胞の現状と実際(SCID・
疾患モデル研究 安倍千之編集 日本医学館 199
7)ならびに抗リウマチ薬の効果評価方法(特開平07
−289288)に準じて実施した。つまり、ヒト慢性
関節リウマチ患者の滑膜切除術または人工関節置換術施
行時に得られた滑膜組織を細切し、10%ヒトAB血清
を含むRPMI−1640培地で培養した。培養開始3
〜5日目に浮遊細胞を回収し、1−2x10/mLの
濃度で初代混合培養し経時的に形態観察した。 (1)組織の再構成(肉眼的所見) コントロ−ルは患者滑膜由来単核細胞を、刺激物質を添
加することなく基礎培地のみで初代混合培養したとこ
ろ、1週間後より、培養皿の片隅に集族しはじめ、その
周囲に細胞がなくなった空白域ができた。2週間より細
胞がさら集族すると、それを包むようにマトリスク様の
構造が形成された。次いで、組織は、徐々に増大して厚
みを増し、4週には肉眼的にも観察可能となった。この
培養系に免疫牛乳由来生理活性物質10μg(DB−1
−10)と30μg(DB−−30)、免疫牛乳由来生
理活性物質のf−4分画10μg(DB−1f−4−1
0)と30μg(DB−1f−4−30)、初乳由来生
理活性物質10μg(FM−10)と30μg(FM−
30)を患者滑膜由来単核細胞に添加して培養した。ま
た、比較として、抗リウマチ剤(Antiflammi
n)とDEXをそれぞれの患者滑膜由来単核細胞に添加
した。 (2)培養細胞の形態変化の半定量化 培養後の細胞の形態変化を半定量的に表す為に、以下の
ように点数化した。24穴の培養皿3穴の点数の平均値
を組織化スコアとした。 細胞の集族と空白域の出現: 1点 マトリクス様構造の形成: 2点 肉眼的観察可能な組織形成: 3点 図7はかかる組織化スコアを表す。基礎倍地のみで培養
したコントロ−ルと評価サンプル群を4週間培養した時
点で比較すると、免疫牛乳由来生理活性物質30μg
(DB−1−30)、免疫牛乳由来生理活性物質のf−
4分画10μg(DB−1f−4−10)と30μg
(DB−1f−4−30)、初乳由来生理活性物質10
μg(FM−10)と30μg(FM−30)が組織増
殖を抑制した。
【0032】
【発明の効果】この発明に係る乳ホエ−タンパク中の生
理活性物質は、関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有
することから、特に関節リュ−マチ疾患、皮膚の炎症な
どの予防ならびに治療に有効に使用することができる。
したがって、この関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を
高度に含有する組成物は特に関節リュ−マチ疾患、皮膚
の炎症などの予防ならびに治療効果を付与することがで
きるヒト、ウマ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツ
ジ等の飲食品、医薬品,飼料等の素材としても有用であ
る。また、この発明に係る乳ホエ−タンパク中の生理活
性物質の製造法は、かかる有用な作用効果を有するこの
発明に係る乳ホエ−タンパク中の生理活性物質を容易に
かつ効率的に製造することができる。更に、この発明に
よって得られる乳ホエ−タンパク中の生理活性物質は、
関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制作用を有することから、
特に関節リュ−マチ疾患、皮膚の炎症などの予防ならび
に治療効果を付与するためのヒト、ウマ、ブタ、ウシ、
ネコ、イヌ、ヤギ、ヒツジ等の飲食品、医薬品、飼料等
の素材ならびに組成物としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】免疫牛乳の抗体価を示すグラフ。
【図2】免疫牛乳のHPLC分析結果を示すグラフ。
【図3】免疫しない牛初乳のHPLC分析結果を示すグ
ラフ。
【図4】ノ−マル牛乳のHPLC分析結果を示すグラ
フ。
【図5】免疫牛乳由来生理活性物質(DB−1)と初乳
由来生理活性物質のSDS−PAGE分析結果を示す
図。
【図6】DB−1とDB−1f−4のSDS−PAGE
分析結果を示す図。
【図7】培養細胞形態変化のスコア表を示すグラフ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23G 3/00 101 A23G 3/00 101 4B032 3/30 3/30 4C083 9/02 9/02 4C087 A23K 1/16 304 A23K 1/16 304A 4H003 A23L 1/30 A23L 1/30 A 4H045 2/52 A61K 7/00 K A61K 7/00 7/16 7/16 31/00 629A 31/00 629 35/20 35/20 C07K 1/16 C07K 1/16 C11D 7/46 C11D 7/46 A23L 2/00 F Fターム(参考) 2B150 AA01 AA02 AA03 AA06 AB10 CC13 DC23 4B001 BC04 BC99 EC05 4B014 GB06 GB07 GB13 GB18 GG11 GK12 GL09 4B017 LC03 LK15 LK18 4B018 LB07 LB08 LE05 MD20 MD71 ME14 4B032 DB05 DB28 DK21 DK42 DK44 DL20 4C083 AA071 AA072 CC23 CC38 CC41 EE50 FF01 4C087 AA01 AA02 AA03 AA04 BB33 BB39 CA16 CA32 CA45 CA46 MA01 ZA89 ZB15 ZC61 4H003 AB03 DA02 EB44 FA33 4H045 AA10 AA20 AA30 CA43 DA86 EA01 EA07 EA15 EA22 FA71 GA10 GA15 GA22 HA05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】免疫していない産乳動物由来の初乳の乳ホ
    エ−タンパク成分中に含有される関節リウマチ滑膜細胞
    増殖抑制作用を有する分子量1Kないし30Kの範囲か
    らなる生理活性物質であることを特徴とする乳ホエ−タ
    ンパク中の生理活性物質。
  2. 【請求項2】請求項1に記載する乳ホエ−タンパク中の
    生理活性物質において、前記生理活性物質が分子量1
    2,500〜14,700及び/または分子量17,0
    00〜19,000とであることを特徴とする乳ホエ−
    タンパク中の生理活性物質。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載する乳ホエ−タン
    パク中の生理活性物質において、前記生理活性物質が分
    子量12,500〜14,700及び/または分子量1
    7,000〜19、000とであって、下表に示すよう
    なアミノ酸組成比を有することを特徴とする乳ホエ−タ
    ンパク中の生理活性物質。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに1項に記載
    する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質において、前記
    乳が牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳、豚乳、犬乳または猫乳
    であることを特徴とする乳ホエ−タンパク中の生理活性
    物質。
  5. 【請求項5】免疫していない産乳動物由来の初乳の乳ホ
    エ−タンパク成分中から関節リウマチ滑膜細胞増殖抑制
    作用を有する分子量1Kないし30Kの範囲からなる生
    理活性物質を得ることを特徴とする乳ホエ−タンパク中
    の生理活性物質製造法。
  6. 【請求項6】請求項5に記載する乳ホエ−タンパク中の
    生理活性物質製造法において、前記生理活性物質が分子
    量12,500〜14,700及び/または分子量1
    7,000〜19,000とであることを特徴とする乳
    ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載する乳ホエ−タン
    パク中の生理活性物質製造法において、前記生理活性物
    質が分子量12,500〜14,700及び/または分
    子量17,000〜19,000とであって、下表に示
    すようなアミノ酸組成比を有することを特徴とする乳ホ
    エ−タンパク中の生理活性物質製造法。
  8. 【請求項8】請求項5ないし7のいずれかに1項に記載
    する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法におい
    て、前記乳が牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳、豚乳、犬乳ま
    たは猫乳であることを特徴とする乳ホエ−タンパク中の
    生理活性物質製造法。
  9. 【請求項9】免疫原を不活化ウイルス、不活化細菌もし
    くはアジュバンドまたはその混合物で産乳動物に免疫し
    て得られる乳ホエ−のタンパク中に産生する関節リウマ
    チ滑膜細胞増殖抑制作用を有する生理活性物質を得るこ
    とを特徴とする乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造
    法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載する乳ホエ−タンパク中
    の生理活性物質製造法において、前記アジュバンドが免
    疫賦活剤を含んでいることを特徴とする乳ホエ−タンパ
    ク中の生理活性物質製造法。
  11. 【請求項11】請求項9または10に記載する乳ホエ−
    タンパク中の生理活性物質製造法において、前記混合物
    がエマルジョンの形態であることを特徴とする乳ホエ−
    タンパク中の生理活性物質製造法。
  12. 【請求項12】請求項9ないし11のいずれか1項に記
    載する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法におい
    て、前記生理活性物質が分子量1Kないし30Kの範囲
    から構成されていることを特徴とする乳ホエ−タンパク
    中の生理活性物質製造法。
  13. 【請求項13】請求項9ないし12のいずれか1項に記
    載する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法におい
    て、前記生理活性物質が分子量12,500〜14,7
    00及び/または分子量17,000〜19,000と
    であることを特徴とする乳ホエ−タンパク中の生理活性
    物質製造法。
  14. 【請求項14】請求項9ないし13のいずれか1項に記
    載する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法におい
    て、前記生理活性物質が分子量12,500〜14,7
    00及び/または分子量17,000〜19,000と
    であって、下表に示すようなアミノ酸組成比を有するこ
    とを特徴とする乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造
    法。
  15. 【請求項15】請求項9ないし14のいずれかに1項に
    記載する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法にお
    いて、前記牛乳が産乳動物の初乳もしくは常乳であるこ
    とを特徴とする乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造
    法。
  16. 【請求項16】請求項9ないし15のいずれかに1項に
    記載する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質製造法にお
    いて、前記乳が牛乳、ヤギ乳、羊乳、馬乳、豚乳、犬乳
    または猫乳であることを特徴とする乳ホエ−タンパク中
    の生理活性物質製造法。
  17. 【請求項17】請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質または請求項5
    ないし16のいずれか1項に記載する乳ホエ−タンパク
    中の生理活性物質の製造法によって得られる乳ホエ−タ
    ンパク中の生理活性物質を含有することを特徴とする素
    材。
  18. 【請求項18】請求項17に記載する素材において、前
    記素材が飲食品用、医薬品用、化粧品用もしくは飼料用
    の素材であることを特徴とする素材。
  19. 【請求項19】請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質または請求項5
    ないし16のいずれか1項に記載する乳ホエ−タンパク
    中の生理活性物質製造法によって得られる乳ホエ−タン
    パク中の生理活性物質を飲食品用、医薬品用、化粧品用
    もしくは飼料用の素材として使用することを特徴とする
    乳ホエ−タンパク中の生理活性物質の使用法。
  20. 【請求項20】請求19項に記載する乳ホエ−タンパク
    中の生理活性物質の使用法において、前記素材をその活
    性が失活しない方法で加工することを特徴とする乳ホエ
    −タンパク中の生理活性物質の使用法。
  21. 【請求項21】請求項19または20に記載する乳ホエ
    −タンパク中の生理活性物質の使用法において、前記素
    材が前記生理活性物質単独でまたは他の素材に混合した
    形、たとえば、飲用の場合としては牛乳、加工乳、乳飲
    料、発酵乳、乳酸菌飲料、練乳、粉乳、アイスクリー
    ム、アイスキャンデイ、ジュース、グミキャンデイー、
    ガム、トローチ、プリン、ふりかけ、ケーキ、ウエハー
    ス等並びに塗布する場合はゼリー、クリーム、シャンプ
    ー、石鹸、歯磨き等の形に加工することを特徴とする乳
    ホエ−タンパク中の生理活性物質の使用法。
  22. 【請求項22】請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    する乳ホエ−タンパク中の生理活性物質または請求項5
    ないし16のいずれか1項に記載する乳ホエ−タンパク
    中の生理活性物質製造法によって得られる乳ホエ−タン
    パク中の生理活性物質が関節リウマチ滑膜細胞増殖の抑
    制もしくは緩和のために使用することを特徴とする乳ホ
    エ−タンパク中の生理活性物質の使用法。
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