JP2001007409A - 熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換素子

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JP2001007409A
JP2001007409A JP11173410A JP17341099A JP2001007409A JP 2001007409 A JP2001007409 A JP 2001007409A JP 11173410 A JP11173410 A JP 11173410A JP 17341099 A JP17341099 A JP 17341099A JP 2001007409 A JP2001007409 A JP 2001007409A
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JP
Japan
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film
conversion element
thermoelectric conversion
thermoelectric
interface
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JP11173410A
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English (en)
Inventor
Yoshimasa Nishio
好正 西尾
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱電特性を高める。 【解決手段】 材料組成を交互に変化させて積層してな
る多層膜構成を有しているとともに、膜1と膜2との界
面における荒れを膜厚に対して所定の割合になるように
設定して、低エネルギー・キャリアから輸送過程への寄
与を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は冷却・発電装置に
用いられる熱電変換素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、冷却・発電装置に用いられる
熱電変換素子として、材料組成を交互に変化させて積層
してなる多層膜構成を採用したものが提案されている。
そして、この場合には、電子の移動度を減少させないよ
うにするために、完全な平坦面に近い界面を有する超格
子熱電材料を用いたものが採用される{例えば、”Ex
perimental study of the e
ffect of quantum−well str
uctures on the thermoelec
tric figure pf merit”,L.
D.Hicks et. al.,Phys.Rev.
B.Volume53(1996)R10493−R1
0496参照}。
【0003】このように提案されている熱電変換素子に
おいては、膜の低次元性(2次元性)に起因する電子輸
送特性の変化に着目した性能向上効果を利用している。
この場合、電子に2次元的な運動をさせるために、熱電
効果を担う薄膜内に電子を閉じ込める必要がある。この
ため、薄膜の両側を絶縁層で挟む構成を採用する。
【0004】上記の構成を採用すれば、低次元性によっ
て、熱電効果を担う薄膜の特性を向上させることができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の構成の熱電変換
素子においては、熱電効果を担う薄膜の特性を向上され
ることができるものの、薄膜の両側の絶縁層は熱電効果
に寄与せず特性を落とす効果を持つため、多層膜全体と
してのエネルギー変換効率の改善は著しく少なく、ひい
ては、最終的に得られる熱電変換素子の熱電変換効率を
余り高めることができないという不都合がある。
【0006】また、完全な平坦面に近い界面を有する超
格子熱電材料を作製するためには、製膜速度を遅くして
製膜プロセスを精密に制御する必要があるため、多層膜
全体の厚みを大きくすることができないという不都合も
ある。
【0007】さらに、実際に作製された超格子熱電材料
薄膜の界面はある程度荒れているので、薄膜内に閉じ込
められた電子の移動度を減少させてしまい、多層膜全体
としてのエネルギー変換効率の低下を招き、ひいては、
最終的に得られる熱電変換素子の熱電変換効率の低下を
招いてしまうという不都合もある。
【0008】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、熱電特性を高めることができる熱電変換
素子を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の熱電変換素子
は、材料組成を交互に変化させて積層してなる多層膜構
成を有しているとともに、膜と膜との界面における荒れ
を膜厚に対して所定の割合になるように設定してあるも
のである。
【0010】請求項2の熱電変換素子は、膜に平行な方
向に電流を流すように電極端子が設けられたものであ
る。
【0011】請求項3の熱電変換素子は、膜に垂直な方
向に電流を流すように電極端子が設けられたものであ
る。
【0012】
【作用】請求項1の熱電変換素子であれば、材料組成を
交互に変化させて積層してなる多層膜構成を有している
とともに、膜と膜との界面における荒れを膜厚に対して
所定の割合になるように設定してあるので、低エネルギ
ー・キャリアから輸送過程への寄与を減少させ、熱電特
性を高めることができる。
【0013】請求項2の熱電変換素子であれば、膜に平
行な方向に電流を流すように電極端子が設けられている
ので、両電極端子を通して電流を流すことによって、低
エネルギー・キャリアが膜の厚みを越えない荒れによっ
て散乱され、ひいては低エネルギー・キャリアから輸送
過程への寄与を減少させ、熱電特性を高めることができ
る。
【0014】請求項3の熱電変換素子であれば、膜に垂
直な方向に電流を流すように電極端子が設けられている
ので、両電極端子を通して電流を流すことによって、低
エネルギー・キャリアが膜の全範囲にわたって存在する
荒れによって散乱され、ひいては低エネルギー・キャリ
アから輸送過程への寄与を大幅に減少させ、熱電特性を
一層高めることができる。ただし、この場合には、請求
項2と比較して、膜と膜との界面における荒れの影響を
大きく受けるので、熱電特性を一層高めることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明の熱電変換素子の実施の態様を詳細に説明する。
【0016】図1はこの発明の熱電変換素子の要部の構
成を示す縦断面図である。
【0017】この熱電変換素子は、材料Aからなる膜1
と、材料Bからなる膜2とを交互に積層形成してなる多
層膜構造を採用している。
【0018】前記材料Aとしては、例えば、Bi2Te
3(1-x)Se3x,x=0〜0.4(n型材料)、もしくは
Bi2(1-x)Sb2xTe3,x=1.0〜0.6(p型材
料)を採用し、前記材料Bとしては、例えば、Bi2
3(1-x)Se3x,x=0.3〜0.8(n型材料)、も
しくはBi2(1-x)Sb2xTe3,x=0.7〜0.3
(p型材料)を採用する。ただし、材料A、材料Bとし
て上記以外の組成のものを採用してもよいが、材料Aと
材料Bとでは、有限の組成差を持たせておくことが必要
である。
【0019】また、前記膜1の膜厚は、例えば、0.1
μm〜0.01μmに設定され、前記膜2の膜厚は、例
えば、0.1μm〜0.01μmに設定される。
【0020】さらに、膜1と膜2との界面の荒れは、η
=0.05μm〜0.005μm(ただし、膜1、膜2
の膜厚未満)に設定される。具体的には、例えば、製膜
速度を速くし、製膜プロセスの制御をラフにすることに
より、界面の荒れを大きくすることができる。また、製
膜プロセスとしては、従来公知の種々の方法(真空蒸着
法、電解析出法など)を採用することが可能である。
【0021】上記の構成の熱電変換素子に対して、多層
膜の膜面に垂直な方向、もしくは平行な方向に電圧を印
加し、あるいは温度勾配を与えることにより、熱電変換
動作を実現することができる。
【0022】そして、このように熱電変換動作を行わせ
たところ、高い熱電特性を実現できる。
【0023】さらに詳細に説明する。
【0024】図1に示すように、材料Aからなる膜と材
料Bからなる膜との界面が荒れている場合において、膜
の積層方向をz方向とし、z=0で理想的に接合が形成
された場合からの界面のずれを変数ζ(x,y)とすれ
ば(図2参照)、このずれの統計分布はガウス分布ex
p[−ζ2(x,y)/2η2]/(2π)1/2ηにより
特徴づけられる。すなわち、界面の統計的性質は、<ζ
(x,y)>=0、<ζ2(x,y)>=η2により特徴
づけられる。ここで、<A(x,y)>は上記のガウス
分布により物理量A(x,y)の平均をとる操作を意味
する。
【0025】そして、この荒れた界面によりキャリア
(電子、ホール)は散乱を受ける。また、キャリアは、
強制的に2次元動作を行わせられるのではなく、3次元
的に動作するのであるから、従来の超格子熱電変換素子
とは熱電変換の動作原理が全く異なる。
【0026】このような統計的性質を有する界面の荒れ
によるキャリアの散乱確率はexp[−8m*η2ε/Π
2]に比例することが知られている。ここで、m*はキャ
リアの有効質量、εはキャリアの運動エネルギーのz成
分、Πはプランク定数を2πで割った値である。したが
って、キャリアのエネルギーが小さいほど界面の荒れに
よって散乱を頻繁に受ける。このため、低エネルギー・
キャリアから輸送過程への寄与は減少する。
【0027】また、低エネルギー・キャリアから輸送過
程への寄与が減少すると熱電特性が改善されることが知
られている{”Methods of improvi
ngthe Efficiency of Therm
oelectric Energy Conversi
on and Characteristic Ene
rgy Range of Carriers”,Yo
shimasa Nishio and Tohru
Hirano,Jpn.J.Appl.Phys.Vo
l.36(1997),pp.5181−5182参
照}。
【0028】したがって、上述のように界面の荒れによ
り低エネルギー・キャリアから輸送過程への寄与が減少
し、熱電特性が向上する。また、この界面の荒れは格子
熱伝導率も減少させる。そして、格子熱伝導率の減少も
熱電特性の向上に寄与する。
【0029】この結果、界面の荒れに起因するこの2つ
の効果により、熱電変換素子の熱電特性の向上を達成す
ることができる。
【0030】また、多層膜の膜面に垂直な方向に電圧を
印加した場合と多層膜の膜面に平行な方向に電圧を印加
した場合とで熱電特性を比較したところ、多層膜の膜面
に垂直な方向に電圧を印加した場合の方が高い熱電特性
を実現できる。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明は、低エネルギー・キャ
リアから輸送過程への寄与を減少させ、熱電特性を高め
ることができるという特有の効果を奏する。
【0032】請求項2の発明は、両電極端子を通して電
流を流すことによって、低エネルギー・キャリアが膜の
厚みを越えない荒れによって散乱され、ひいては低エネ
ルギー・キャリアから輸送過程への寄与を減少させ、熱
電特性を高めることができるという特有の効果を奏す
る。
【0033】請求項3の発明は、両電極端子を通して電
流を流すことによって、低エネルギー・キャリアが膜の
全範囲にわたって存在する荒れによって散乱され、ひい
ては低エネルギー・キャリアから輸送過程への寄与を大
幅に減少させ、熱電特性を一層高めることができるとい
う特有の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の熱電変換素子の要部の構成を示す縦
断面図である。
【図2】界面の荒れのモデルを示す図である。
【符号の説明】
1、2 膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材料組成を交互に変化させて積層してな
    る多層膜構成を有しているとともに、膜と膜との界面に
    おける荒れを膜厚に対して所定の割合になるように設定
    してあることを特徴とする熱電変換素子。
  2. 【請求項2】 膜に平行な方向に電流を流すように電極
    端子が設けられている請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 【請求項3】 膜に垂直な方向に電流を流すように電極
    端子が設けられている請求項1に記載の熱電変換素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004064169A1 (ja) * 2003-01-09 2004-07-29 Japan As Represented By President Of Kanazawa University 構造傾斜材料とこれを用いた機能素子
JP2010147465A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd フリップチップ半導体素子の熱電冷却器
JP2012235113A (ja) * 2011-05-04 2012-11-29 Consorzio Delta Ti Research ナノメートル(nm)級の厚さの導電層と誘電体層を交互に積層したセーベック/ペルティ効果を利用した熱−電気変換装置
JP2015043412A (ja) * 2013-07-22 2015-03-05 国立大学法人山梨大学 熱電素子及びその製造方法

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