JP2001006630A - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池

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JP2001006630A
JP2001006630A JP11179340A JP17934099A JP2001006630A JP 2001006630 A JP2001006630 A JP 2001006630A JP 11179340 A JP11179340 A JP 11179340A JP 17934099 A JP17934099 A JP 17934099A JP 2001006630 A JP2001006630 A JP 2001006630A
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heat
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Tadashi Noda
正 野田
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電槽1の外壁からの放熱効率を高めることに
より、蓄電池内部の温度上昇を防止することができる鉛
蓄電池を提供する。 【解決手段】 電槽1の底面と両端面の外表面に、アル
ミニウム板等からなる放熱板2を張り付けた。また、電
槽1の隔壁1a,1bの内部にも、アルミニウム板等か
らなる熱伝導板6を挿入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や電気自動
車(EV)等に用いられる鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池は、図12に示すような箱型容
器状の電槽1内に、図13に示すような電池エレメント
3を収納している。電槽1は、ポリプロピレン(PP)
やABS樹脂等の合成樹脂材を成形加工したものであ
り、箱型容器状の内部を隔壁1aで仕切ることにより、
長手方向にならんだ6箇所の単電池部に分割されてい
る。そして、これら各単電池部にそれぞれ電池エレメン
ト3が収納される。電池エレメント3は、多数の正極と
負極とセパレータを積層したものであり、上端から突出
した正極と負極の耳部にはそれぞれ集電体4が接続され
ている。各電池エレメント3は、それぞれの集電体4を
隣接する単電池部に収納された別の電池エレメント3の
異なる極性の集電体4と隔壁1aを介して接続すること
により、相互に直列接続となる。また、一方の端の電池
エレメント3に接続された正極側の集電体4と、他方の
端の電池エレメント3に接続された負極側の集電体4に
は、それぞれ極柱5が接続固定されている。
【0003】上記電池エレメント3を収納した電槽1の
上端開口部には、図示しない蓋が熱融着等により取り付
けられる。ただし、両端の電池エレメント3の集電体4
に接続固定された極柱5の上端部は、それぞれこの蓋よ
りも上方に突出して正負の端子となる。また、電槽1内
には、電解液が充填される。このようにして構成された
鉛蓄電池は、6個の電池エレメント3が直列に接続され
るので、12Vタイプのものとなる。
【0004】ここで、開放型の鉛蓄電池の場合には、電
解液が電槽1内をほぼ満たすように注入されるので、電
池エレメント3がこの電解液に完全に漬かった状態とな
る。また、蓋には、排気口を有する液口栓を取り付ける
ことにより、過充電時等に電解液の水分が電気分解して
発生するガスを排気口から外部に放出できるようにする
と共に、このガスの放出により減少した電解液に液口栓
を外して水を補給できるようにしている。
【0005】これに対して、制御弁式の鉛蓄電池は、電
槽1の内部を密閉すると共に、電解液をセパレータが湿
る程度にしか充填しないようにして、正極で発生した酸
素ガスをこのセパレータを通じて負極の海綿状鉛に吸収
させる密閉反応を生じさせることにより、電槽1の内部
でのガスの発生を防止している。このようにガスの発生
がなくなると、電解液も減少しないので、鉛蓄電池に水
を補給する保守が不要となる。ただし、安全のため、蓋
には、内部圧力が高圧となった場合にガス抜きを行う制
御弁が設けられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、鉛蓄電池
は、充放電の際に電池エレメント3の内部で発生する化
学反応と充放電電流の抵抗損により熱が発生する。もっ
とも、開放型の鉛蓄電池の場合には、電池エレメント3
内の熱が電槽1内に満たされた電解液を通じて、比較的
円滑に電槽1の外壁から外部に放出される。しかし、制
御弁式の鉛蓄電池の場合には、電解液が電池エレメント
3のセパレータを湿らす程度に充填されているだけなの
で、電槽1内の隙間はガスで満たされる。このため、電
池エレメント3内の熱は、ガスの断熱効果によって電槽
1の外壁に伝わり難くなり、放熱効率が低下する。ま
た、図12では、電池エレメント3を1列に並べて収納
する電槽1について示したが、例えば図14に示すよう
に、電池エレメント3を2列に並べて収納する電槽1を
用いる場合には、各列の電池エレメント3の間で発生し
た熱が放熱され難くなって、中央部に熱がこもりがちと
なる。しかも、例えば図15に示すように、電槽1内を
隔壁1aによって18箇所の単電池部に仕切ることによ
り、18個の電池エレメント3を2列に並べて収納する
36Vタイプの鉛蓄電池の場合には、多数の電池エレメ
ント3によって発熱量が多くなる。
【0007】このため、従来の鉛蓄電池は、特に制御弁
式の場合に、充放電を繰り返すことにより、蓄電池内部
の温度が上昇して熱逸走を起こすおそれがあるという問
題があった。鉛蓄電池が熱逸走を起こすと、電池寿命が
短くなるだけでなく、電槽1が膨れて電池を破損するお
それも生じる。
【0008】なお、開放型の鉛蓄電池の場合にも、電槽
1が内部に熱のこもり易い構造の場合や、電池エレメン
ト3の数が多くなり発熱量も大きくなった場合には、上
記と同様の問題を生じ得る。
【0009】本発明は、かかる事情に対処するためにな
されたものであり、電槽の外表面に金属製の放熱板を張
り付けることにより、この電槽の外壁からの放熱効率を
高めることができる鉛蓄電池を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、絶縁
性の素材からなる容器状の電槽内に電池エレメントを収
納して電解液を充填し、この電槽の上端開口部に蓋を取
り付けた鉛蓄電池において、電槽における少なくとも1
面以上の外表面に金属製の放熱板が張り付けられたこと
を特徴とする。
【0011】請求項1の発明によれば、絶縁性を有する
ポリプロピレンやABS樹脂等の素材からなる熱伝導性
の比較的低い電槽の外表面に、熱伝導性の高い金属製の
放熱板が張り付けられるので、この電槽の外表面からの
放熱効率を高めることができる。この放熱板は、電槽の
底面に張り付けるのが最も効果的である。しかし、他の
面に張り付けても十分に放熱効率を高める効果はあり、
複数の面に張り付けるようにすることができる。
【0012】なお、この請求項1でいう電槽は、内部に
1個の電池エレメントを収納するだけでなく、容器状の
内部を隔壁で仕切り複数の単電池部を形成して、各単電
池部にそれぞれ電池エレメントを収納するようにしたも
のであってもよい。
【0013】また、放熱板は、外表面に微細な凹凸を設
けたりフィン状の突起を設けることにより、放熱効率を
さらに高めることができ、これは以降の請求項でも同様
である。
【0014】請求項2の発明は、前記放熱板が、一枚の
金属板の両端部を屈曲させたものからなり、この金属板
を電槽の底面と向かい合う両端面とに張り付けたもので
あることを特徴とする。
【0015】請求項2の発明によれば、放熱板が電槽の
底面と両端面に張り付けられるので、例えば電槽の底面
だけに張り付けた場合よりも、放熱効率を高めることが
できる。また、電池エレメントは、通常積層された電極
やセパレータが圧迫された状態で電槽内に収納されるの
で、この反発力によって電槽の両端面が膨らむことがあ
る。しかし、このようにして放熱板が電槽の底面と両端
面とを抱え込むように張り付けられると、電槽の両端面
の膨らみを防止することもできるようになる。
【0016】請求項3の発明は、容器状の内部を隔壁で
仕切り複数の単電池部を形成した絶縁性の素材からなる
電槽におけるこれら各単電池部に、それぞれ電池エレメ
ントを収納して電解液を充填し、この電槽の上端開口部
に蓋を取り付けた鉛蓄電池において、電槽における少な
くとも1面以上の外表面に金属製の放熱板が張り付けら
れると共に、少なくとも1枚の隔壁の内部に、この放熱
板と繋がった金属製の熱伝導板が挿入されたことを特徴
とする。
【0017】請求項3の発明によれば、電槽の隔壁の内
部にも熱伝導性の高い熱伝導板が挿入されるので、複数
の電池エレメントが収納された鉛蓄電池の場合に、各電
池エレメントの間にこもりがちな熱をこの熱伝導板を通
じて円滑に放熱板に伝えることができ、放熱効率をさら
に高めることができる。この熱伝導板は、電槽の隔壁の
内部に一体成形によって埋め込むことが好ましいが、予
め隔壁の内部にスリットを設けておき、ここに挿入する
ようにしてもよい。
【0018】請求項4の発明は、前記金属がアルミニウ
ムであることを特徴とする。
【0019】請求項4の発明によれば、放熱板や熱伝導
板が、比較的安価で熱伝導性が特に高いアルミニウム
(アルミニウム合金を含む)で構成されるので、放熱効
率の向上に貢献することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0021】図1〜図11は本発明の一実施形態を示す
ものであって、図1は放熱板を張り付けた鉛蓄電池の電
槽を示す斜視図、図2は中央の隔壁の内部に熱伝導板を
挿入した鉛蓄電池の電槽を示す斜視図、図3は全ての隔
壁の内部に熱伝導板を挿入した鉛蓄電池の電槽を示す斜
視図、図4は電池エレメントを2列に配置する電槽に放
熱板を張り付けた場合の斜視図、図5は電池エレメント
を2列に配置する電槽の縦の隔壁の内部に熱伝導板を挿
入した場合の斜視図、図6は電池エレメントを2列に配
置する電槽の横の隔壁の内部に熱伝導板を挿入した場合
の斜視図、図7は電池エレメントを2列に配置する電槽
の縦と横の隔壁の内部にそれぞれ熱伝導板を挿入した場
合の斜視図、図8は18個の電池エレメントを2列に配
置する電槽に放熱板を張り付けた場合の斜視図、図9は
18個の電池エレメントを2列に配置する電槽の縦の隔
壁の内部に熱伝導板を挿入した場合の斜視図、図10は
18個の電池エレメントを2列に配置する電槽の横の隔
壁の内部に熱伝導板を挿入した場合の斜視図、図11は
18個の電池エレメントを2列に配置する電槽の縦と横
の隔壁の内部にそれぞれ熱伝導板を挿入した場合の斜視
図である。なお、図12〜図15に示した従来例と同様
の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0022】本実施形態は、制御弁式の鉛蓄電池につい
て説明する。この鉛蓄電池の電槽1は、図1に示すよう
に、絶縁性のポリプロピレンやABS樹脂等の合成樹脂
材を成形加工することにより箱型容器状としたものであ
る。また、この箱型容器状の内部は、隔壁1aで仕切る
ことにより、長手方向にならんだ6箇所の単電池部に分
割されている。この電槽1の底面と長手方向の両端面の
外表面には、縁部を除くほぼ全面に放熱板2が張り付け
られている。放熱板2は、方形のアルミニウム板の両端
部を折り曲げて横向きのコの字状とし、電槽1の底面と
両端面を抱えるように嵌め付けたものである。この放熱
板2は、電槽1の外表面との間の隙間に空気層が生じる
と熱伝導が悪くなるので、電槽1の合成樹脂材と共に一
体成形したり、接着や熱融着等によってこの外表面に密
着させることが好ましい。
【0023】電池エレメント3は、図13に示したもの
と同様の構成である。従って、多数の正極と負極とセパ
レータが積層され、これらが圧迫された状態で電槽1の
隔壁1aで仕切られた各単電池部に収納される。また、
各単電池部に収納された6個の電池エレメント3は、隔
壁1aの開口部を通じて異なる極性の集電体4同士が接
続されるので、2Vの電池エレメント3が6個直列接続
された12Vタイプの鉛蓄電池を構成する。これらの電
池エレメント3には、制御弁式であるため、セパレータ
を湿らせる程度に電解液が充填される。
【0024】上記のようにして電池エレメント3が収納
された電槽1は、上端開口部に図示しない蓋が熱融着等
により取り付けられて内部が密閉される。そして、両端
部の電池エレメント3に接続された集電体4の極柱5の
みがこの蓋よりも上方に突出して正負の端子となる。た
だし、蓄電池内部の圧力が異常に高くなった場合の危険
を防止するために、蓋には、内部圧力が高圧となった場
合にガス抜きを行う制御弁が設けられている。
【0025】上記構成の鉛蓄電池は、充放電時に電池エ
レメント3内で発生した熱が、電槽1の底面、両端面及
び両側面、並びに、蓋を通じて外部に放出される。ただ
し、電池エレメント3と蓋との間には、集電体4等を配
置するための空間があるので、この空間のガスの断熱効
果によって蓋からの放熱量は非常に小さい。また、通常
の鉛蓄電池は、電池エレメント3の両側面と電槽1の両
側面との間にも隙間があるので、この隙間のガスの断熱
効果によって電槽1の両側面からの放熱量も小さくな
る。これに対して、電槽1の底面には、全ての電池エレ
メント3の底面側に突出したセパレータが密着するの
で、このセパレータに充填した電解液を通じて熱が比較
的円滑に伝わる。また、電槽1の両端面にも、両端の単
電池部に配置された電池エレメント3の一番外側に配置
されたセパレータの端面が密着するので、このセパレー
タに充填した電解液を通じて熱が比較的円滑に伝わる。
そして、このように電槽1の底面と両端面に伝わった熱
は、これら底面と両端面の外表面に張り付けた熱伝導性
の高い放熱板2に伝わり、ここから外部に効率よく放熱
される。
【0026】従って、本実施形態の鉛蓄電池によれば、
電池エレメント3内で発生した熱が比較的円滑に伝わり
温度が上昇し易い電槽1の底面と両端面に放熱板2が張
り付けられているので、この熱の放熱効率を高めて蓄電
池内部の温度が上昇するのを防止することができるよう
になる。
【0027】また、本実施形態の鉛蓄電池は、電池エレ
メント3の圧迫によって電槽1の両端面が膨らむのを防
止することもできる。即ち、上記鉛蓄電池は、各電池エ
レメント3が圧迫に反発して電極やセパレータの積層方
向、即ち電槽1の両端面方向に広がろうとする。しか
し、電槽1の両端面の外表面には、底面を介して繋がっ
た放熱板2が張り付けられているので、この放熱板2の
剛性によって壁面が膨らむのを防止することができる。
また、これにより、電槽1の壁面を薄く構成することが
できるので、熱伝導性が比較的低いこの電槽1から放熱
板2に至る放熱効率を向上させることもできる。
【0028】なお、上記実施形態では、電槽1の底面と
両端面の外表面に放熱板2を張り付ける場合について説
明したが、この放熱板2は、電槽1の少なくともいずれ
かの面に張り付けられていればよく、例えば底面の外表
面のみに放熱板2を張り付けても、十分に放熱効率の向
上を図ることができる。そして、これとは逆に、電槽1
の底面と両端面に加えて、両端面にも放熱板2を張り付
けるようにすれば、さらに放熱効率を高めることができ
る。
【0029】また、上記放熱板2は、両面が平坦なアル
ミニウム板でもよいが、電槽1の外表面に接する側とは
逆の表面に、小さな凹凸を設けたりフィン状の突起を設
ける等により、表面積を大きくして放熱効率をさらに向
上させるようにすることもできる。しかも、放熱板2を
電槽1の外表面に一体成形や熱融着等により密着させる
場合には、この電槽1の外表面に接する側の表面にも小
さな凹凸等を設けて、これらの間の熱伝導が円滑になる
ようにしてもよい。
【0030】さらに、上記実施形態では、電槽1の外表
面に放熱板2を張り付ける場合について説明したが、図
2に示すように、この電槽1の中央の隔壁1aの内部に
熱伝導板6を挿入することもできる。熱伝導板6は、放
熱板2と同様に熱伝導性の高いアルミニウム板であり、
下端が放熱板2に溶接やろう付け等によって固着されて
繋がっている。また、放熱板2を中央部で折り返し、2
枚のアルミニウム板を密着させて立設することにより熱
伝導板6を形成したり、横向きのコの字状の2枚の放熱
板2の端面の外側同士を重ね合わせて、このアルミニウ
ム板同士が重なった部分を熱伝導板6とすることもでき
る。この熱伝導板6は、隔壁1aからの熱伝導をよくす
るために、電槽1を成形加工する際に、隔壁1aの内部
に一体成形によって埋め込むことが好ましい。そして、
この場合には、放熱板2も一体成形によって電槽1の外
表面に密着させることが好ましい。また、予め隔壁1a
の内部にスリット等を設けておき、ここに熱伝導板6を
挿入するようにしてもよい。この場合、熱伝導板6は、
隔壁1aとの密着をよくするために、圧入を行うことが
好ましく、挿入後に加熱して熱融着させてもよい。
【0031】本実施形態のように電槽1内に複数の電池
エレメント3を収納する場合、これらの電池エレメント
3が重なった中央部分に最も熱がこもり易くなる。しか
しながら、上記のように各電池エレメント3を仕切る隔
壁1aの内部に熱伝導板6が挿入されていれば、この熱
伝導板6を通じて熱が放熱板2から外部に円滑に放出さ
れるので、特に蓄電池内部からの放熱効率を高めること
ができる。しかも、図3に示すように、全ての隔壁1a
の内部に熱伝導板6を挿入すれば、さらに放熱効率を高
めることができる。
【0032】また、上記実施形態では、6個の電池エレ
メント3を1列に並べて電槽1に収納する鉛蓄電池につ
いて説明したが、この電池エレメント3の配置はこれに
限定されることなく任意である。例えば図4に示すよう
に、電池エレメント3を3個ずつ2列に並べて電槽1に
収納する鉛蓄電池の場合にも、同様に電槽1の外表面に
放熱板2を張り付ければ、放熱効率を高めることができ
る。ただし、このように電池エレメント3を2列に並べ
て収納する場合には、電槽1の両端面のみならず、両側
面に沿った方向にも隔壁1bを設けて単電池部を仕切る
ことになり、この隔壁1bで仕切られた各列の電池エレ
メント3の間にも熱がこもり易くなる。そこで、図5に
示すように、電槽1の両側面に沿った隔壁1bの内部に
熱伝導板6を挿入したり、図6に示すように、電槽1の
両端面に沿った2枚の隔壁1aの内部に熱伝導板6を挿
入することにより、放熱効率をさらに高めるようにして
もよい。また、図7に示すように、電槽1の両側面に沿
った隔壁1bと、両端面に沿った2枚の隔壁1aの内部
にそれぞれ熱伝導板6を挿入すればより効果的である。
【0033】さらに、本発明は、電槽1に収納する電池
エレメント3の個数も任意である。例えば図8に示すよ
うに、18個の電池エレメント3を9個ずつ2列に並べ
て電槽1に収納する36Vタイプの鉛蓄電池の場合に
も、同様に電槽1の外表面に放熱板2を張り付ければ、
放熱効率を高めることができる。また、このように多数
の電池エレメント3を収納する場合には、発熱量も多く
なるので、図9に示すように、電槽1の両側面に沿った
隔壁1bの内部に熱伝導板6を挿入したり、図10に示
すように、電槽1の両端面に沿った例えば2枚の隔壁1
aの内部に熱伝導板6を挿入することにより、放熱効率
をさらに高めることができる。また、図11に示すよう
に、電槽1の両側面に沿った隔壁1bと、両端面に沿っ
た隔壁1aの内部にそれぞれ熱伝導板6を挿入すればよ
り効果的である。
【0034】さらに、上記実施形態では、放熱板2や熱
伝導板6にアルミニウム板を用いたが、熱伝導性の高い
金属板であれば、鉄板等の他のものを用いることもでき
る。また、電解液等による腐食のおそれがある場合に
は、熱伝導性は多少低下するが、ステンレス鋼板を用い
ることもできる。さらに、上記実施形態では、電槽1に
合成樹脂材を用いる場合について説明したが、適当な剛
性と水密性を備えた絶縁性の素材であれば、必ずしも合
成樹脂材に限定されない。
【0035】さらに、上記実施形態では、蓄電池内部を
密閉した制御弁式の鉛蓄電池について説明したが、開放
型の鉛蓄電池の場合にも、電池エレメント3の個数が多
い場合や配置が密集している場合には、同様の問題が生
じ得るので、これらに本発明を実施することも可能であ
る。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の鉛蓄電池によれば、比較的熱伝導性が低い電槽の外表
面に、熱伝導性の高い金属製の放熱板が張り付けられる
ので、この電槽の外表面からの放熱効率を高めることが
できる。また、電槽の隔壁の内部に熱伝導性の高い金属
製の熱伝導板を挿入すれば、さらに放熱効率を高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、放熱
板を張り付けた鉛蓄電池の電槽を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、中央
の隔壁の内部に熱伝導板を挿入した鉛蓄電池の電槽を示
す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態を示すものであって、全て
の隔壁の内部に熱伝導板を挿入した鉛蓄電池の電槽を示
す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態を示すものであって、電池
エレメントを2列に配置する電槽に放熱板を張り付けた
場合の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態を示すものであって、電池
エレメントを2列に配置する電槽の縦の隔壁の内部に熱
伝導板を挿入した場合の斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態を示すものであって、電池
エレメントを2列に配置する電槽の横の隔壁の内部に熱
伝導板を挿入した場合の斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態を示すものであって、電池
エレメントを2列に配置する電槽の縦と横の隔壁の内部
にそれぞれ熱伝導板を挿入した場合の斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態を示すものであって、18
個の電池エレメントを2列に配置する電槽に放熱板を張
り付けた場合の斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態を示すものであって、18
個の電池エレメントを2列に配置する電槽の縦の隔壁の
内部に熱伝導板を挿入した場合の斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態を示すものであって、1
8個の電池エレメントを2列に配置する電槽の横の隔壁
の内部に熱伝導板を挿入した場合の斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態を示すものであって、1
8個の電池エレメントを2列に配置する電槽の縦と横の
隔壁の内部にそれぞれ熱伝導板を挿入した場合の斜視図
である。
【図12】従来例を示すものであって、放熱板を張り付
けた鉛蓄電池の電槽を示す斜視図である。
【図13】鉛蓄電池の電池エレメントを示す斜視図であ
る。
【図14】従来例を示すものであって、電池エレメント
を2列に配置する電槽を示す斜視図である。
【図15】従来例を示すものであって、18個の電池エ
レメントを2列に配置する電槽を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電槽 1a 隔壁 1b 隔壁 2 放熱板 3 電池エレメント 6 熱伝導板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の素材からなる容器状の電槽内に
    電池エレメントを収納して電解液を充填し、この電槽の
    上端開口部に蓋を取り付けた鉛蓄電池において、 電槽における少なくとも1面以上の外表面に金属製の放
    熱板が張り付けられたことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記放熱板が、一枚の金属板の両端部を
    屈曲させたものからなり、この金属板を電槽の底面と向
    かい合う両端面とに張り付けたものであることを特徴と
    する請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 容器状の内部を隔壁で仕切り複数の単電
    池部を形成した絶縁性の素材からなる電槽におけるこれ
    ら各単電池部に、それぞれ電池エレメントを収納して電
    解液を充填し、この電槽の上端開口部に蓋を取り付けた
    鉛蓄電池において、 電槽における少なくとも1面以上の外表面に金属製の放
    熱板が張り付けられると共に、少なくとも1枚の隔壁の
    内部に、この放熱板と繋がった金属製の熱伝導板が挿入
    されたことを特徴とする鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記金属がアルミニウムであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の鉛蓄
    電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007273404A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Gs Yuasa Corporation:Kk 鉛蓄電池
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JP2019067759A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 ドクター エンジニール ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフトDr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft メインバッテリ用バッテリモジュール
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