JP2001006561A - バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法 - Google Patents

バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法

Info

Publication number
JP2001006561A
JP2001006561A JP17121199A JP17121199A JP2001006561A JP 2001006561 A JP2001006561 A JP 2001006561A JP 17121199 A JP17121199 A JP 17121199A JP 17121199 A JP17121199 A JP 17121199A JP 2001006561 A JP2001006561 A JP 2001006561A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
barrier rib
resin composition
forming
composition layer
rib forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17121199A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sasaki
晶市 佐々木
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Hiroyuki Kawakami
広幸 川上
Yumiko Sugiura
有美子 杉浦
Mariko Shimamura
真理子 島村
Seiji Tai
誠司 田井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP17121199A priority Critical patent/JP2001006561A/ja
Publication of JP2001006561A publication Critical patent/JP2001006561A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネルのバリアリブ製
造工程を短縮化でき、形状の優れたバリアリブを形成で
きるバリアリブ形成用エレメント及びプラズマディスプ
レイパネルのバリアリブ製造工程を短縮化でき、形状の
優れたバリアリブを形成できるバリアリブの製造法を提
供する。 【解決手段】 支持体フィルム上に、無機材料及び有機
材料を含むバリアリブ形成用樹脂組成物層を有してなる
バリアリブ形成用エレメントにおいて、有機材料がエチ
レン性不飽和基を有するポリマとシリル基を有する化合
物を含むバリアリブ形成用エレメント並びに除去可能な
複数のレリーフパターンの設けられた基板上に、前記バ
リアリブ形成用エレメントをバリアリブ形成用樹脂組成
物層が前記基板に接するようして積層し、次いで前記複
数のレリーフパターンの間隙に前記バリアリブ形成用樹
脂組成物層を埋め込んだ後、レリーフパターンを除去し
て基板上にバリアリブ形成用樹脂組成物からなるパター
ンを形成し、このパターンを焼成することを特徴とする
バリアリブの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネルのバリアリブの形成に好適なバリアリブ形成
用エレメント、これを用いたバリアリブの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般にプラズマディスプレイパネルのバ
リアリブは、例えば、信学技報Vol.89No.377 P.69、信
学技報Vol.91 No.407 P.49、特開平2−301934号
公報等に記載されるように、厚膜スクリーン印刷法、又
はサンドブラスト法によって形成されている。しかしな
がら、スクリーン印刷法の場合、100μm以上の高い
障壁を得るためには多数回の繰返し印刷が必要である、
プラズマディスプレイパネルの市場シェアとして期待さ
れる40インチ以上の大画面パネルを形成する際には、
スクリーンメッシュの伸縮により位置精度が低下する、
画素密度の高精細化が難かしい等の問題がある。
【0003】一方、サンドブラスト法は、基材上に一様
に形成した障壁層上にレジストパターンを形成し、基材
上面へブラスト材を噴射することで、レジストパターン
被覆部以外を削り出してバリアリブを形成する。そのた
め画素密度がレジストパターンの解像度に依存し高精細
化が可能であるという特長をもつ。しかしながら、高価
な障壁材を削りだし、廃棄するため、非常にコストが高
くなる、障壁材は一般に鉛化合物を含有しており、削り
だされた障壁材の廃棄による環境汚染の問題がある、高
厚膜の場合には障壁の底部が広がり矩形形状の障壁が得
難い等の問題がある。
【0004】そこで、上記した問題を解消するための、
これらと異なる手法として、厚膜レリーフパターンを製
造し、その間隙に障壁となるバリアリブ材料を埋め込む
ことでバリアリブを製造する、アディティブ法(フォト
埋め込み法)が提案されている。この製造方法の場合、
バリアリブの位置精度に優れ、バリアリブの形状に優
れ、余分なバリアリブ材料が極めて少量のため低コス
ト、低公害である等の特長を持つことが可能となる。
【0005】しかしながら、フォト埋め込み法の場合、
レリーフパターンの間隙へバリアリブ材料を埋め込むた
めには、バリアリブ材料をペースト状にし、スクリーン
印刷法を用いる必要がある。したがって、埋め込み前に
バリアリブ材料を充分撹拌し、バリアリブ材料中に含ま
れる各成分の分散性を確認する必要があり、また、プラ
ズマディスプレイパネルのバリアリブは、100μm〜
250μmの厚膜にしなければならないため、スクリー
ン印刷工程を数回繰り返す必要があり、場合によっては
レリーフパターンを除去する際に、レリーフパターン上
の不必要なバリアリブ材料を研磨等によって除去する必
要があるため、工程が複雑で長いという問題があった。
また、強度の低いバリアリブ材料を用いると、形状の優
れたバリアリブが形成できない、さらに、密着性の低い
バリアリブ材料を用いると、レリーフパターンを現像に
より剥離する際に、バリアリブも同時に剥離しバリアリ
ブが形成できないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、プラズマディスプレイパネルのバリアリブ製造工程
を短縮化でき、形状の優れたバリアリブを形成できるバ
リアリブ形成用エレメントを提供するものである。請求
項2記載の発明は、プラズマディスプレイパネルのバリ
アリブ製造工程を短縮化でき、形状の優れたバリアリブ
を形成できるバリアリブの製造法を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体フィル
ム上に、無機材料及び有機材料を含むバリアリブ形成用
樹脂組成物層を有してなるバリアリブ形成用エレメント
において、有機材料がエチレン性不飽和基を有するポリ
マとシリル基を有する化合物を含むバリアリブ形成用エ
レメントに関する。また、本発明は、除去可能な複数の
レリーフパターンの設けられた基板上に、前記バリアリ
ブ形成用エレメントをバリアリブ形成用樹脂組成物層が
前記基板に接するようして積層し、次いで前記複数のレ
リーフパターンの間隙に前記バリアリブ形成用樹脂組成
物層を埋め込んだ後、レリーフパターンを除去して基板
上にバリアリブ形成用樹脂組成物からなるパターンを形
成し、このパターンを焼成することを特徴とするバリア
リブの製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のバリアリブ形成用エレメ
ントは、支持体フィルム上に、バリアリブ形成用樹脂組
成物層を有してなる。本発明におけるバリアリブ形成用
エレメントは、バリアリブ形成用樹脂組成物層を構成す
る各成分を有機溶剤に均一に溶解又は分散した溶液(バ
リアリブ形成用樹脂組成物溶液)を、支持体フィルム上
に塗布、乾燥し、バリアリブ形成用樹脂組成物層を形成
することにより得られる。
【0009】前記支持体フィルムとしては、例えば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等からなる厚さ5〜100μm
程度のフィルムが挙げられる。前記塗布方法としては、
公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート
法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコー
ト法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられ
る。前記乾燥の温度は、60〜130℃とすることが好
ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好まし
い。
【0010】前記した支持体フィルム及びバリアリブ形
成用樹脂組成物層を有するバリアリブ形成用エレメント
は、バリアリブ形成用樹脂組成物層の上に、さらにカバ
ーフィルムが積層されていてもよい。そのようなカバー
フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等からな
る厚さ5〜100μm程度のフィルムが挙げられる。こ
のようにして得られるバリアリブ形成用エレメントは、
ロール状に巻いて保管し、あるいは使用できる。
【0011】バリアリブ形成用樹脂組成物層の厚さは、
レリーフパターン上面を覆うバリアリブ形成用樹脂組成
物層の厚さを1μm以下と極めて薄くでき、後の工程で
レリーフパターンの除去前にレリーフパターン上面を覆
うバリアリブ形成用樹脂組成物層を除去することを不必
要にできるかあるいは容易に除去することができる点か
ら、レリーフパターンが設けられた基板の単位面積当た
りのレリーフパターンとレリーフパターンの空隙の容積
(V2)と単位面積当たりのバリアリブ形成用樹脂組成
物層の体積(V1)の比((V1)/(V2))が、1
〜1.2の範囲となるような厚さにすることが好まし
く、1.02〜1.18の範囲となるような厚さにする
ことがより好ましく、1.05〜1.15の範囲となる
ような厚さにすることが特に好ましい。ここで、(V
1)/(V2)が1未満である場合には、レリーフパタ
ーンとレリーフパターンの間隙にバリアリブ形成用樹脂
組成物を充分に埋め込めない傾向があり、また、(V
1)/(V2)が1.2を越える場合には、レリーフパ
ターン上面を覆う不必要なバリアリブ形成用樹脂組成物
層の厚さが大きくなる傾向がある。上記の点を考慮した
バリアリブ形成用樹脂組成物層の厚さは、概ね10〜2
00μmである。
【0012】バリアリブ形成用樹脂組成物層は、100
℃での粘度が1〜1×107Pa・secであることが好まし
く、2〜1×106Pa・secであることがより好ましく、
5〜1×105Pa・secであることが特に好ましく、10
〜1×104Pa・secであることが極めて好ましい。この
100℃での粘度が、1Pa・sec未満では、室温での粘度
が低くなりすぎてバリアリブ形成用エレメントとした場
合に、バリアリブ形成用樹脂組成物層が流動により端部
から滲み出す傾向があり、フィルム形成性が低下する傾
向がある。また、1×107Pa・secを超えると、レリー
フパターンの間隙へのバリアリブ形成用樹脂組成物層の
埋め込み性が低下する傾向がある。
【0013】本発明のバリアリブ形成用エレメントの製
造に用いられるバリアリブ形成用樹脂組成物層用溶液
は、無機材料、有機材料、有機溶剤等を含んでなる。
【0014】上記無機材料としては、ガラス粉末、アル
ミナ(Al23)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化バリウ
ム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化カルシウム、
酸化ジルコニウム、酸化カドミウム、酸化銅、酸化マグ
ネシウム、酸化マンガン、酸化ビスマス等の金属酸化
物、顔料などが使用される。上記ガラス粉末のガラス組
成としては、PbO・B23・SiO2、PbO・B2
3、ZnO・B23・SiO2等が挙げられる。これら無
機材料の軟化点は、350〜1,000℃、粒度は、
0.1〜30μmであることが、作業性、障壁の強度等
の点から好ましい。
【0015】有機材料は焼成前までパターン状に形成さ
れたバリアリブ形成用樹脂組成物の形状を保持する目的
で使用されるもので、エチレン性不飽和基を有するポリ
マ及びシリル基を有する化合物を必須成分として使用す
る。
【0016】上記エチレン性不飽和基を有するポリマと
しては、例えば、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、
イソシアネート基、オキシラン環、酸無水物等の官能基
を有するビニル共重合体に、少なくとも1個のエチレン
性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸
基、カルボキシル基等の1個の官能基を有する化合物を
付加反応させて得られる側鎖にエチレン性不飽和基を有
するラジカル重合性共重合体等が挙げられる。
【0017】前記カルボキシル基、水酸基、アミノ基、
オキシラン環、酸無水物等の官能基を有するビニル共重
合体の製造に用いられる必須のビニル単量体としては、
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸、ケイ皮酸、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、イソシアン酸エチルメタ
クリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタ
クリレート、無水マレイン酸等のカルボキシル基、水酸
基、アミノ基、オキシラン環、酸無水物等の官能基を有
するビニル単量体等が挙げられる。これらは単独で又は
2種以上を組み合わせて使用される。
【0018】また、このビニル共重合体の製造に必要に
応じて用いられるその他のビニル単量体としては、例え
ば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、メタクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロ
ピル、メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブ
チル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチ
ル、メタアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチ
ル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチ
ル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、
メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸
オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、ア
クリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシ
ル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシ
ル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシ
ル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシ
ル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メ
タクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタ
クリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチ
ル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチル、メタク
リル酸メトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレン
グリコール、メタクリル酸メトキシジエチレングリコー
ル、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタ
クリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸
メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキ
シトリエチレングリコール、アクリル酸ジメチルアミノ
エチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル
酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノ
エチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエ
チル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−
フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチル、ア
クリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエ
チル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、
フダジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは、
単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0019】ビニル共重合体に付加反応させる少なくと
も1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシ
アネート基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、酸無
水物等の1個の官能基を有する化合物としては、例え
ば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリルグ
リシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸
グリシジル、イソクロトン酸グリシジル、イソシアン酸
エチルメタクリレート、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ケ
イ皮酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレ
イン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0020】また、上記シリル基を有する化合物として
は、例えば、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸
塩、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキ
シエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング
剤が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み
合せて用いられる。
【0021】シリル基を有する化合物として、これらの
シランカップリング剤とアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルとを共重合して得られる共重合体を用い
ることもでき、かかる共重合体の使用はマイグレーショ
ンによるレリーフパターンの侵されを防止する点から好
ましい。シランカップリング剤を用いた場合の使用量
は、有機材料の10重量%以下とすることが好ましい。
この使用量が10重量%を超えると、マイグレーション
によりレリーフパターンが侵され、レリーフパターン除
去後のバリアリブ形状が不均一になる傾向がある。
【0022】また、有機材料として上記以外の公知のポ
リマ、オリゴマー、モノマー等も使用できる。前記ポリ
マとしては、例えば、ポリメチルアクリレート、ポリメ
チルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポ
リ酢酸ビニル、エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチ
レンとアクリル酸エステルとの共重合体、塩化ビニルと
酢酸ビニルとの共重合体、スチレンとアクリル酸エステ
ル又はメタクリル酸エステルとの共重合体、ビニルトル
エンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
の共重合体、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステ
ルとの共重合体、エチレングリコールジグリシジルエー
テルやトリメチロールプロパントリグリシジルエーテル
等のオリゴマーとアクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステルとの共重合体、グリシジルメタクリレートやブ
チルアクリレート等のモノマーとアクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルとの共重合体等が挙げられる。
さらに、ポリエチレングリコールジアセタート、ポリプ
ロピレングリコールジアセタート等の可塑剤とアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体を用
いることもできる。
【0023】有機材料に用いられるポリマ、共重合体等
の各種成分の重量平均分子量は、1,000以上とする
ことが好ましい。この重量平均分子量が1,000未満
であると、マイグレーションによりレリーフパターンが
侵され、レリーフパターン除去後のバリアリブ形状が不
均一になる傾向がある。なお、重量平均分子量は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、
標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値である。ま
た、ポリマ、共重合体のガラス転移温度は、バリアリブ
形成用樹脂組成物層のレリーフパターンの間隙への埋め
込み性を向上する点から、有機材料のガラス転移温度を
30℃以下とすることが好ましく、20℃以下とするこ
とがより好ましく、10℃以下とすることが特に好まし
く、0〜−100℃とすることが極めて好ましい。
【0024】有機材料の使用量は、無機材料の100重
量部に対して、10〜300重量部とすることが好まし
い。この配合量が10重量部未満であると、バリアリブ
形成用樹脂組成物をパターン状に形成することが困難と
なる傾向があり、300重量部を超えると、バリアリブ
形成用樹脂組成物中の有機物を焼成により消失させる工
程での熱分解、消失前の溶融段階で流動性が過大となり
バリアリブ形成用樹脂組成物の形状保持性が劣る傾向が
ある。
【0025】上記有機溶剤としては、例えば、トルエ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、γ−ブ
チロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルム
アミド、テトラメチルスルホン、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエ
ーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチルアルコー
ル、エチルアルコール等が挙げられる。これらは単独で
又は2種類以上を組み合わせて使用される。有機溶剤の
使用量は、バリアリブ形成用樹脂組成物溶液の粘度が2
0〜200ポイズとなるような量とすることが好まし
く、そのような使用量は、概ね無機材料100重量部に
対して10〜100重量部程度である。有機溶剤の使用
量が10重量部未満であるとバリアリブ形成用樹脂組成
物溶液の粘度が大きすぎて塗布性が低下する傾向があ
り、100重量部を超えると乾燥後の目減りが大きすぎ
て所望の膜厚を得にくくなる傾向がある。また有機材料
として、ベンゾフェノン、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、過酸化ベンゾイル、ジアミノジフェニルメタン等の
有機材料を硬化系とするための触媒あるいは硬化剤など
使用することもできる。
【0026】また有機材料として、フィルム性を良好な
ものとするために可塑剤を使用することができる。可塑
剤としては、一般式(I)
【化1】 (式中、Rは水素原子、メチル基を示し、Y1は水素原
子、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基若しく
はポリアルキレングリコール残基を示し、Y2は、水酸
基、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基若しく
はポリアルキレングリコール残基を示し、nは1〜20
の整数を示す)で表される化合物、ポリプロピレングリ
コール及びその誘導体、ポリエチレングリコール及びそ
の誘導体、ジオクチルフタレート、ジヘプチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェー
ト、クレジルジフェニルフォスフェート、ビフェニルジ
フェニルフォスフェート等が挙げられる。
【0027】これらの触媒あるいは硬化剤、可塑剤の使
用量は有機材料の10重量%未満とすることが好まし
く、10重量%を超えると、マイグレーションによりレ
リーフパターンが侵され、レリーフパターン除去後のバ
リアリブ形状が不均一になる傾向がある。
【0028】バリアリブは、除去可能な複数のレリーフ
パターンの設けられた基板上にバリアリブ形成用エレメ
ントをバリアリブ形成用樹脂組成物層が前記基板に接す
るようにして積層して前記複数のレリーフパターンの間
隙に前記バリアリブ形成用樹脂組成物層を埋め込んだ
後、レリーフパターンを除去して基板上にバリアリブ形
成用樹脂組成物からなるパターンを形成し、このパター
ンを焼成することにより製造することができる。
【0029】上記基板は、例えば、セラミック板、プラ
スチック板、ガラス板等が挙げられる。この基板上に
は、絶縁層、電極、保護層等が設けられていてもよい。
基板上にレリーフパターンを形成する方法は、所定の樹
脂組成物を用い、印刷法を適用するか写真法を適用する
ことにより行いうるが、レリーフパターンの精度の点か
らは写真法が好ましい。写真法は、基板上に感光性樹脂
組成物を形成し、この感光性樹脂組成物層をパターン状
に露光し、現像して基板上にレリーフパターンを形成す
る方法である。
【0030】基板上に感光性樹脂組成物層を形成する方
法としては、感光性樹脂組成物を基板上に直接塗布し、
必要に応じて乾燥する方法、感光性フィルムを用い、ラ
ミネータにより感光性フィルムの感光性樹脂層を基板上
に積層することにより基板上に感光性樹脂層を設ける方
法があるが、環境衛生の点、レリーフパターンの膜厚
(高さ)を大きくできる点から、後者の感光性フィルム
を用いる方法が好ましい。感光性フィルムは、支持フィ
ルム及び感光性樹脂組成物層を有するもので、例えば、
ポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持フィルム
上に、感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて乾燥し
て感光性樹脂組成物層を形成することにより製造され
る。前記感光性樹脂組成物は、特に制限なく公知のもの
を使用でき、例えば、ポジ型感光性樹脂組成物、ネガ型
感光性樹脂組成物等を挙げることができる。
【0031】ポジ型感光性樹脂組成物としては、特に制
限なく公知のものを使用できるが、例えば、1,2−ナ
フトキノンジアジド系化合物、o−ニトロベンジル系化
合物等を用いた光可溶性基生成型の組成物、オニウム塩
等を用いた光酸発生・酸分解型の組成物等が挙げられ
る。ネガ型感光性樹脂組成物としては、特に制限なく公
知のものを使用できるが、例えば染料又はその他添加
物、有機溶剤を含んだ光重合型の組成物が挙げられる。
【0032】このような感光性樹脂組成物を用いて基板
上に形成された感光性樹脂組成物層は、所定パターンの
ネガマスクを通して活性光線を照射する等により、パタ
ーン状に露光され、必要に応じて加熱された後、現像に
より感光性樹脂組成物層が選択的に除去されて基板上に
複数のレリーフパターンが形成される。現像方法として
は、特に制限されず、ウェット現像、ドライ現像等が挙
げられる。ウェット現像の場合は、感光性樹脂組成物に
対応した現像液を用いる。現像液としては、例えば、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム等の弱アルカリ性の希薄水
溶液が挙げられ、現像方式は、浸漬現像、スプレー現像
等が挙げられる。また、現像後に基板上に形成されたレ
リーフパターンを、強度、耐溶剤性等の向上の目的で、
加熱及び/又は露光してもよい。
【0033】得られるレリーフパターンの厚さ(高さ)
は、50〜250μm程度であり、ストライプ型又は長
方形型のレリーフパターンであれば、その幅は50〜5
00μmである。
【0034】このようにして形成されたレリーフパター
ンを有する基板上へのバリアリブ形成用エレメントの積
層は、バリアリブ形成用エレメントにカバーフィルムが
存在しているときは、そのカバーフィルムを除去後、レ
リーフパターンの設けられた面に、バリアリブ形成用樹
脂組成物層が接するようにして、ラミネーターを使用し
て圧着ロールで圧着すること等により行うことができ
る。
【0035】圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱
手段を備えたものであってもよく、圧着する場合の加熱
温度は、10〜200℃とすることが好ましく、20〜
180℃とすることがより好ましく、30〜160℃と
することが特に好ましい。この加熱温度が、10℃未満
では、バリアリブ形成用樹脂組成物層のレリーフパター
ンの間隙への埋め込み性が低下する傾向があり、200
℃を超えると、バリアリブ形成用樹脂組成物層が熱硬化
する傾向がある。また、圧着時の圧着圧力は、線圧で5
0〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×10
2〜5×104N/mとすることがより好ましく、5×102
〜4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧着圧
力が、50N/m未満では、バリアリブ形成用樹脂組成物
層のレリーフパターンの間隙への埋め込み性が低下する
傾向があり、1×105N/mを超えると、レリーフパター
ンが破壊される傾向がある。
【0036】バリアリブ形成用樹脂組成物層のレリーフ
パターンの間隙への埋め込み性を向上させる目的で、レ
リーフパターンの設けられた基板を30〜140℃で
0.5〜20分間程度予熱処理することが好ましい。ま
た、同様の目的で、5×104Pa・sec以下の減圧下で、
上記した圧着及び加熱圧着による積層の操作を行うこと
もできる。また、積層が終了した後、30〜200℃の
範囲で、1〜120分間加熱することもでき、この時、
バリアリブ形成用樹脂組成物層上に支持体フィルムが存
在する場合には、その支持体フィルムを必要に応じて除
去してもよい。
【0037】本発明のバリアリブ形成用エレメントの前
記した加熱圧着時の加熱条件、圧着圧力条件及びレリー
フパターンが設けられた基板の予備加熱条件や、バリア
リブ形成用樹脂組成物の膜厚等の各条件の組み合わせを
適宜選択することにより、レリーフパターン上面を覆う
バリアリブ形成用樹脂組成物層の厚さを1μm以下と極
めて薄くすることができる。
【0038】このようにして基板上のレリーフパターン
の間隙にバリアリブ形成用樹脂組成物を埋め込み、埋め
込まれたバリアリブ形成用樹脂組成物を必要に応じて加
熱又は露光して硬化し、次いで、レリーフパターンを除
去する。なお、レリーフパターンを除去する前に、レリ
ーフパターン上面を覆う不必要なバリアリブ形成用樹脂
組成物を薬液処理、研磨等により除去してもよい。レリ
ーフパターンは種々の方法で除去できるが、例えば、レ
リーフパターンの除去を剥離液を用いて行う場合、使用
する剥離液としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
ウムの1〜10重量%水溶液が挙げられる。この濃度が
1重量%未満の場合、剥離の効果が小さいために剥離時
間がかかりすぎる傾向があり、また、10重量%を超え
る場合には、バリアリブ形成用樹脂組成物を侵す傾向が
ある。剥離液の温度については、特に限定されず、レリ
ーフパターンの剥離を好適に行う条件を適宜設定すれば
よく、剥離方式としては、浸漬方式、スプレー方式のい
ずれも好適であり、浸漬方式及びスプレー方式を併用し
てもよい。なお、レリーフパターンをバリアリブ形成用
樹脂組成物とともに焼成することにより除去することも
可能である。
【0039】レリーフパターンの除去後、基板上に残っ
たパターン状のバリアリブ形成用樹脂組成物から樹脂材
料等の有機物を除去して、強度、ガス不透過性等を向上
する目的で、パターン状のバリアリブ形成用樹脂組成物
を焼成する。この焼成の温度と時間は、350〜580
℃、1〜20時間程度である。
【0040】このようにして製造された基板上のバリア
リブの厚さ(高さ)は、50〜250μm程度であり、
その幅は20〜150μm程度である。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 製造例1 〔(a)エチレン性不飽和基を有するポリマ溶液(a−
1)の作製〕撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及
び温度計を備えたフラスコに、表1に示す(1)を仕込
み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を8
0℃±2℃に保ちながら、表1に示す(2)を4時間か
けて均一に滴下した。(2)の滴下後、80℃±2℃で
6時間撹拌を続けた後、表1に示す(3)を添加した。
(3)を添加後、反応系を100℃に昇温し、0.5時
間かけて表1に示す(4)を滴下した。(4)の滴下
後、100℃で20時間撹拌を続けた後、室温に冷却し
て、重量平均分子量が60,000、酸価が0.5KOHm
g/gの側鎖にエチレン性不飽和基を有するポリマ溶液
(固形分濃度40.1重量%)(a−1)を得た。
【0042】
【表1】
【0043】製造例2 〔シリル基を有する化合物溶液(a−2)の作製〕撹拌
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、表2に示す(1)を仕込み、窒素ガス雰囲
気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ち
ながら、表2に示す(2)を4時間かけて均一に滴下し
た。(3)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け
た後、表2に示す(3)を添加し、シリル基を有する化
合物(共重合体)溶液(固形分濃度50.2重量%)
(a−2)を得た。
【0044】
【表2】
【0045】製造例3 〔熱可塑性ポリマ溶液(a−3)の作製〕撹拌機、還流
冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコ
に、表3に示す(1)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で8
0℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、
表3に示す(2)を4時間かけて均一に滴下した。
(2)の滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続けた
後、表2に示す(3)を添加し、重量平均分子量が8
0,000の熱可塑性ポリマ(a−3)を得た。
【0046】
【表3】
【0047】実施例1 〔バリアリブ形成用エレメント(i)の製造〕表4に示
す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、バリア
リブ形成用樹脂組成物層用溶液(A−1)を作製した。
【0048】
【表4】
【0049】得られた、バリアリブ形成用樹脂組成物層
用溶液(A−1)を、50μmの厚さのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱
風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、バリ
アリブ形成用樹脂組成物層を形成した。得られたバリア
リブ形成用樹脂組成物層の厚さは50μmであった。次
いで、バリアリブ形成用樹脂組成物層の上に、さらに、
25μmの厚さのポリエチレンフィルムを、カバーフィ
ルムとして張り合わせて、バリアリブ形成用エレメント
(i)を作製した。
【0050】実施例2 〔バリアリブ形成用エレメント(ii)の製造〕表5に示
す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、バリア
リブ形成用樹脂組成物層用溶液(A−2)を作製した。
【0051】
【表5】
【0052】得られた、バリアリブ形成用樹脂組成物層
用溶液(A−2)を、50μmの厚さのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱
風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、バリ
アリブ形成用樹脂組成物層を形成した。得られたバリア
リブ形成用樹脂組成物層の厚さは50μmであった。次
いで、バリアリブ形成用樹脂組成物層の上に、さらに、
25μmの厚さのポリエチレンフィルムを、カバーフィ
ルムとして張り合わせて、バリアリブ形成用エレメント
(ii)を作製した。
【0053】比較例1 〔バリアリブ形成用エレメント(iii)の製造〕表6に
示す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、バリ
アリブ形成用樹脂組成物層用溶液(A−3)を作製し
た。
【0054】
【表6】
【0055】得られた、バリアリブ形成用樹脂組成物層
用溶液(A−3)を、50μmの厚さのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱
風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、バリ
アリブ形成用樹脂組成物層を形成した。得られたバリア
リブ形成用樹脂組成物層の厚さは50μmであった。次
いで、バリアリブ形成用樹脂組成物層の上に、さらに、
25μmの厚さのポリエチレンフィルムを、カバーフィ
ルムとして張り合わせて、バリアリブ形成用エレメント
(iii)を作製した。
【0056】比較例2 〔バリアリブ形成用エレメント(iv)の製造〕表7に示
す材料を、ライカイ機を用いて15分間混合し、バリア
リブ形成用樹脂組成物層用溶液(A−4)を作製した。
【0057】
【表7】
【0058】得られた、バリアリブ形成用樹脂組成物層
用溶液(A−4)を、50μmの厚さのポリエチレンテ
レフタレートフィルム上に均一に塗布し、110℃の熱
風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤を除去し、バリ
アリブ形成用樹脂組成物層を形成した。得られたバリア
リブ形成用樹脂組成物層の厚さは50μmであった。次
いで、バリアリブ形成用樹脂組成物層の上に、さらに、
25μmの厚さのポリエチレンフィルムを、カバーフィ
ルムとして張り合わせて、バリアリブ形成用エレメント
(iv)を作製した。
【0059】実施例3 〔レリーフパターンの形成〕メタクリル酸メチル/アク
リル酸エチル/メタクリル酸共重合体(重量比53/3
0/17、重量平均分子量10万)の41重量%メチル
セロソルブ/トルエン(重量比8:2)溶液137g
(固形分55g)、ビスフェノールAポリオキシエチレ
ンジメタクリート34g、γ−クロロ−β−ヒドロキシ
プロピル−β−メタクリロイルオキシエチル−O−フタ
レート11g、安定剤(AW−500、川口化学株式会
社製)0.1g、トリブロモメチルフェニルスルフォン
1.2g、シリコーンレベリング剤(SH−193、ト
ーレシリコン株式会社製)0.04g、1,7−ビス−
(9−アクリジニル)ヘプタン0.2g、ベンジルジメ
チルケタール3g、ロイコクリスタルバイオレット1.
0g、マラカイトグリーン0.05g、トルエン7g、
メチルエチルケトン13g及びメタノール3gを配合
し、感光性樹脂組成物の溶液を得た。この感光性樹脂組
成物の溶液を20μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルム上に均一に塗布し、110℃の熱風対流式乾燥
機で約10分間乾燥して感光性フィルムを得た。感光性
樹脂層の乾燥後の膜厚は50μmであった。
【0060】次いで、得られた感光性フィルムを基板の
上に3層貼り合わせて、150μm厚さの感光性樹脂層
を形成した。基板として、ガラス板(3.0mm厚)を用
いた。ラミネートはラミネートロール温度130℃、ロ
ール圧4.0kgf/cm2、速度1.0m/分の条件で行っ
た。次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム上にネ
ガマスクを載置し、3KW高圧水銀灯(HMW−590、
オーク製作所製)で80mJ/cm2の露光を行った。露光後
5分以内に80℃で10分加熱した。次いで、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムを剥がした後、30℃、1
重量%炭酸ソーダ水溶液でスプレー現像を行った。次い
で、20℃、0.5重量%塩化水素水溶液で浸漬処理
し、水洗、水切り、80℃で5分乾燥後、7KWメタルハ
ライドランプ(HMW−680、オーク製作所製)で2
J/cm2露光した。次いで、150℃で100分加熱し
た。これにより、断面形状が矩形で厚膜のレリーフパタ
ーンが設けられた基板(板ガラス3mm厚、縦10cm×横
10cm、ライン/スペース=150/70μm、レリー
フ厚150μm)を製造できた。
【0061】〔バリアリブの形成〕このようなレリーフ
パターンが設けられた基板のレリーフパターン形成され
た側に、実施例1で得られたバリアリブ形成用エレメン
ト(i)のポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミ
ネータ(日立化成工業(株)製、商品名HLM−1500
型)を用いて、ラミネート温度が100℃、ラミネート
速度が0.5m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)が4×
105Pa・sec(厚さが3mm、縦10cm×横10cmの基板
を用いたため、この時の線圧は9.8×103N/m)で、
ポリエチレンテレフタレートフィルムを介してバリアリ
ブ形成用樹脂組成物層を圧着して積層し、バリアリブ形
成用樹脂組成物層をレリーフパターンの間隙に埋め込ん
だ。なお、この時の(V1)/(V2)は1.05であ
った。
【0062】次に、バリアリブ形成用エレメント(i)
のレリーフパターンと接していない面のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを剥離し、160℃、45分間加
熱し、バリアリブ形成用樹脂組成物を硬化した。次い
で、45℃、5重量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬、
レリーフパターンを剥離して除去し、基板上にバリアリ
ブ形成用樹脂組成物からなるパターンを形成した。次い
で、このパターンをマッフル炉を使用し、空気中で焼成
してバリアリブを得た。焼成条件は、室温から400℃
まで昇温速度が3℃/分で昇温し、400℃で30分間
保持、さらに、550℃まで昇温速度が5℃/分で昇温
し、550℃で30分間保持、室温まで冷却するものと
した。以上において、レリーフパターンを剥離して除去
する際のバリアリブの密着状態の観察及びレリーフパタ
ーン剥離除去後のバリアリブの断面形状を、実体顕微鏡
及び電子顕微鏡で観察し、その形成状況を評価し、結果
を表8に示した。
【0063】実施例4 実施例3において、実施例1で得られたバリアリブ形成
用エレメント(i)を、実施例2で得られたバリアリブ
形成用エレメント(ii)に代え、バリアリブ形成用樹脂
組成物層をレリーフパターンの間隙に埋め込んだ後、7
KWメタルハライドランプ(HMW−680、オーク製作
所製)で3J/cm2露光した以外は、実施例3と同様に行
い、結果を表8に示した。
【0064】比較例3 実施例3において、実施例1で得られたバリアリブ形成
用エレメント(i)を、比較例1で得られたバリアリブ
形成用エレメント(iii)に代えた以外は、実施例3と
同様に行い、結果を表8に示した。
【0065】比較例4 実施例3において、実施例1で得られたバリアリブ形成
用エレメント(i)を、比較例2で得られたバリアリブ
形成用エレメント(iv)に代えた以外は、実施例3と同
様に行い、結果を表8に示した。
【0066】
【表8】
【0067】表8中、密着性が良好とは、レリーフパタ
ーン剥離時にバリアリブが基板上に密着していることを
意味する。表8中、バリアリブ形状が良好とは、レリー
フパターンとレリーフパターンの間隙の形状に対応した
形状が得られていることを意味する。
【0068】表8から、実施例3及び実施例4は、レリ
ーフパターンを剥離した際のバリアリブの密着性及びレ
リーフパターン剥離除去後のバリアリブ形状に優れるこ
とが分かった。一方、本発明の範囲外の有機材料を用い
た比較例3及び比較例4は、良好な密着性又はバリアリ
ブ形状を得ることができないことが分かった。
【0069】
【発明の効果】請求項1記載のバリアリブ形成用エレメ
ントは、プラズマディスプレイパネルのバリアリブ製造
工程を短縮化でき、形状の優れたバリアリブを形成でき
るものである。請求項2記載のバリアリブの製造法は、
プラズマディスプレイパネルのバリアリブ製造工程を短
縮化でき、形状の優れたバリアリブを形成できるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 広幸 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 杉浦 有美子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 島村 真理子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 Fターム(参考) 5C027 AA09 5C040 GF18 GF19 JA15 JA19 JA20 JA22 KA04 KA08 KA11 KA14 KA16 KA17 MA23 MA26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体フィルム上に、無機材料及び有機
    材料を含むバリアリブ形成用樹脂組成物層を有してなる
    バリアリブ形成用エレメントにおいて、有機材料がエチ
    レン性不飽和基を有するポリマとシリル基を有する化合
    物を含むバリアリブ形成用エレメント。
  2. 【請求項2】 除去可能な複数のレリーフパターンの設
    けられた基板上に、請求項1記載のバリアリブ形成用エ
    レメントをバリアリブ形成用樹脂組成物層が前記基板に
    接するようして積層し、次いで前記複数のレリーフパタ
    ーンの間隙に前記バリアリブ形成用樹脂組成物層を埋め
    込んだ後、レリーフパターンを除去して基板上にバリア
    リブ形成用樹脂組成物からなるパターンを形成し、この
    パターンを焼成することを特徴とするバリアリブの製造
    法。
JP17121199A 1999-06-17 1999-06-17 バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法 Pending JP2001006561A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17121199A JP2001006561A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17121199A JP2001006561A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001006561A true JP2001006561A (ja) 2001-01-12

Family

ID=15919106

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17121199A Pending JP2001006561A (ja) 1999-06-17 1999-06-17 バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001006561A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001006561A (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP3838724B2 (ja) 感光性樹脂組成物およびその用途
JP2001006534A (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP4240641B2 (ja) プラズマディスプレイの製造方法およびペースト塗布装置
JP2001006560A (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP3520663B2 (ja) 感光性ペースト
JP4013093B2 (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP2001176402A (ja) バリアリブ形成用樹脂組成物、バリアリブ形成用樹脂組成物エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP2001135224A (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP2002008542A (ja) バリアリブ形成用樹脂組成物、バリアリブ形成用樹脂組成物エレメント、これを用いたバリアリブの製造法
JP4423521B2 (ja) バリアリブ形成用樹脂組成物、バリアリブ形成用樹脂組成物エレメント、これを用いたバリアリブの製造法及びプラズマディスプレイパネル用基板の製造法
JP2001202894A (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JP2001033985A (ja) パターン形成方法
JP2001176404A (ja) バリアリブ形成用エレメント及びこれを用いたバリアリブの製造法
JPH11153860A (ja) プラズマデイスプレイパネル用基板の製造法
JP2002025432A (ja) 誘電体層及び障壁形成用樹脂組成物エレメント及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル用基板の製造法
JPH11191377A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁及びその製造法
JP2002025431A (ja) 障壁形成用樹脂組成物エレメント及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル用基板の製造法
JPH1184638A (ja) 感光性ガラスペーストおよびプラズマディスプレイの製造方法
JPH09306343A (ja) プラズマディスプレイの製造方法
JP2001068017A (ja) バリアリブの製造法及びバリアリブ形成用樹脂組成物エレメント
JP3995172B2 (ja) 薄膜電極の形成法
JPH11185644A (ja) プラズマディスプレイパネルの障壁及びその製造法
JP2002008526A (ja) 誘電体層及び障壁形成用樹脂組成物エレメント及びこれを用いたプラズマディスプレイパネル用基板の製造法
JP2001006533A (ja) バリアリブの製造法及びバリアリブ形成用樹脂組成物エレメント