JP2001004537A - センサの検出方法およびその装置 - Google Patents

センサの検出方法およびその装置

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JP2001004537A
JP2001004537A JP17801899A JP17801899A JP2001004537A JP 2001004537 A JP2001004537 A JP 2001004537A JP 17801899 A JP17801899 A JP 17801899A JP 17801899 A JP17801899 A JP 17801899A JP 2001004537 A JP2001004537 A JP 2001004537A
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sensor
urine
sensor element
element surface
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JP17801899A
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Ariyoshi Ogami
有美 大神
Shinichi Yagi
晋一 八木
Keisuke Kanzaki
景介 神▲ざき▼
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料中の標的物質を捕捉物質が担持されたセン
サ素子を用いて検出するセンサにおいて、使用者が簡単
に測定が行えるとともに、安定した検出性能を有する検
出方法およびそれを用いた装置を提供すること。 【構成】試料中の標的物質を捕捉物質が担持されたセン
サ素子を用いて検出する方法において、間欠的にセンサ
素子表面に試料を供給する際、センサ素子表面上に試料
が供給される時間をT1、滞留する時間をT2とすると
き、その時間比はT1>T2と設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、試料中の
標的物質をセンサ素子表面に担持した捕捉物質を用いて
検出するセンサの検出方法およびそれを用いたセンサ装
置さらにはそれを用いた尿成分検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】測定試料中の標的物質を捕捉物質が担持
されたセンサ素子表面に接触させ、試料の検出を行う分
析装置が市販されている。(BIACORE−100
0)この種の分析装置においては、捕捉物質をセンサ素
子に担持してセンサ素子表面を洗浄した後、試料溶液を
接触させ標的物質の検出を行うものであり、主に多数の
試料溶液を測定する検査機関等で利用される装置となっ
ている。
【0003】一方、家庭やオフィス等のトイレに設置し
て尿試料を分析し、個人の健康チェックを行う分析装置
も提案されている。(特開平9−15203)この種の
分析装置においては、捕捉物質として酵素を担持したセ
ンサ素子を用いてグルコースの検出を行うものであり、
溶液は分析装置の非使用時においてはポンプを停止させ
分析に際しては、間欠的にセンサ素子に移送するという
間欠的フローインジェクション法なる方法にて分析装置
を小型化している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、市販の自動
分析装置においては、多数の試料を測定する装置である
が、装置本体が高価であり、その取り扱いが難しく検査
機関等の専門家でないと測定できなかった。
【0005】また、特開平9−15203に開示されて
いるセンサ装置においては、試料溶液が接触しピーク検
出後の流速についての技術が開示されているが、被験試
料溶液とセンサ素子表面との接触時間についての技術に
ついては、述べられていない。
【0006】従って本発明の目的は、試料中の標的物質
を捕捉物質が担持されたセンサ素子を用いて検出するセ
ンサにおいて、使用者が簡単に測定が行えるとともに、
安定した検出性能を有する検出方法およびそれを用いた
装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
試料中の標的物質を捕捉物質が担持されたセンサ素子を
用いて検出する方法において、センサ素子表面に試料、
洗浄液を順次供給し、前記洗浄液供給後にセンサ出力値
を検出するとともに、センサ素子表面上に試料が供給さ
れる時間をT1、前記洗浄液が供給されるまで前記試料
が滞留する時間をT2とするとき、その時間比はT1>
T2とすることを特徴とする。
【0008】試料がセンサ素子表面に供給され連続的に
流れている状態では、試料中の標的物質の濃度は実質常
に一定であるため、試料濃度とセンサレスポンスとの相
関は直線性が確保でき精度よい検出を行うことができ
る。しかしながら、この場合、捕捉物質とは結合してお
らず捕捉物質の近傍に位置する標的物質の量を上乗せし
て検出することがある。
【0009】そこで、このような捕捉物質に結合してい
ない標的物質の影響を取り除くために、試料の供給後に
洗浄液の供給が行われる。しかしながら、この場合、図
7に示すように免疫反応の濃度曲線として一般的にみら
れるシグモイド(S字)型曲線となり、試料濃度とセン
サレスポンスとの相関は直線性が確保できない。
【0010】すなわち、校正液の検量線(直線)に対し
て低濃度側では実測値(J)が直線より下側に、高濃度
側では直線より上側になり、実測値を結ぶと直線でなく
S字型の曲線となる。 これは、標的物質と捕捉物質の
結合速度が、高濃度側では滞留により増加し、低濃度側
では滞留により低下するためだと考えられる。
【0011】そこで本発明では、試料が滞留している時
間T2を試料を供給する時間T1に比べて小さくするこ
とにより、試料濃度とセンサレスポンスとの相関は直線
性に近いものとなり安定した検出を行うことが可能とな
る。
【0012】また、この時間比は、T1>2T2、さら
に好ましくはT1>5T2とすることが好ましい。
【0013】ここで、標的物質と親和性を有するセンサ
素子表面上に担持された捕捉物質の具体例としては、蛋
白質、ペプチド、抗生物質、色素、核酸、農薬、微生
物、ホルモン、もしくはウィルス、またはそれらの構成
成分の抗原;これらの抗原を認識するポリクローナル、
モノクローナル、組み換え抗体、一本鎖抗体、もしくは
これら抗体種の改変修飾体;または活性部位を破壊し結
合部位の機能のみを有する酵素、レクチン、核酸、もし
くは生体内のシグナル伝達に関わるレセプターレガンド
等の生体関連物質があげられる。
【0014】このような生体関連物質を利用すること
で、本発明による検出方法においては、臨床試料を対象
とする場合に蛋白質であれば、アルブミン、ヘモグロビ
ン等が、ホルモンであればhCG、LH等の測定が検出
可能となる。
【0015】また、環境試料を対象とする場合において
は、水、食品中の残留農薬、抗生物質等の検出や表面抗
原と認識することでサルモネラ菌、病原大腸菌等に代表
される病原微生物の検出も可能となる。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載のセ
ンサの検出方法において、前記検出方法は、試料中の標
的物質とセンサ素子表面の捕捉物質との結合に由来する
屈折率の変化を検出することを特徴とする。
【0017】本発明においては、検出方法として試料中
の標的物質とセンサ素子表面の捕捉物質との結合に由来
する屈折率の変化を検出しているので、精度のよい検出
が可能となる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1記載のセ
ンサの検出方法において、試料中の標的物質とセンサ素
子表面の捕捉物質との結合に由来するキャパシタンスの
変化を検出することを特徴とする。
【0019】本発明においては、検出方法として試料中
の標的物質とセンサ素子表面の捕捉物質との結合に由来
するキャパシタンスの変化を検出しているので、精度の
よい検出が可能となる請求項4記載の発明は、請求項1
記載のセンサの検出方法において、前記検出方法は、試
料中の標的物質とセンサ素子表面の捕捉物質との結合に
由来する質量の変化を検出することを特徴とする。
【0020】本発明においては、試料中の標的物質とセ
ンサ素子表面の捕捉物質との結合に由来する質量の変化
を検出しているので、精度よい検出を行うことができ
る。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1記載のセ
ンサの検出方法において、試料中の標的物質とセンサ素
子表面の捕捉物質との結合に由来するインピーダンスの
変化を検出することを特徴とする。
【0022】本発明においては、試料中の標的物質とセ
ンサ素子表面の捕捉物質との結合に由来するインピーダ
ンスの変化を検出しているので、精度よい検出を行うこ
とができる。
【0023】請求項6記載の発明は、試料中の標的物質
の検出が可能なセンサ装置であって、センサ素子表面上
に被験試料を間欠的に移送するポンプ手段と、センサ素
子表面と被験試料との接触時間を制御する制御手段とを
備えてなることを特徴とする。
【0024】本発明においては、センサ素子表面上に被
験試料を間欠的に移送するポンプ手段と、センサ素子表
面と被験試料との接触時間を制御する制御手段とを備え
てなるため、センサ素子表面と被験試料との接触時間を
制御することができ、測定精度のよい安定した検出を行
うことができる。
【0025】請求項7記載の発明は、請求項6記載のセ
ンサ装置において、前記ポンプ手段は、シリンジポンプ
とすることを特徴とする。
【0026】本発明においては、ポンプ手段としてシリ
ンジポンプを用いているため、ポンプ手段が小型化で
き、ひいてはセンサ装置全体の小型化が可能となる。
【0027】請求項8記載の発明は、請求項7記載のセ
ンサ装置においてシリンジポンプと多方弁が一体となっ
ていることを特徴とする。
【0028】本発明においては、シリンジポンプと多方
弁が一体となっているため、部品点数が減少し、組立時
の作業が容易となる。
【0029】請求項9記載の発明は、請求項6乃至8い
ずれか一項記載のセンサ装置において、前記制御手段
は、前記シリンジポンプの流入あるいは排出速度を制御
することを特徴とする。
【0030】本発明においては、制御手段としてシリン
ジポンプの流入あるいは排出速度を制御するため、試料
の流量が変動しても試料とセンサ素子が接触する時間T
1とセンサ素子表面上に滞留する時間T2の調整を行う
ことができる。
【0031】請求項10記載の発明は、請求項6乃至8
いずれか一項記載のセンサ装置において、前記制御手段
は試料の流量を制御することを特徴とする。
【0032】本発明においては、制御手段として試料の
流量を制御するため、試料の流速が変動しても試料とセ
ンサ素子が接触する時間T1とセンサ素子表面上に滞留
する時間T2の調整を行うことができる。
【0033】請求項11記載の発明は、尿成分検査装置
において、便器に取り付ける採尿手段と、採尿手段から
の尿をセンサ装置へ搬送する搬送手段と、該搬送手段よ
り送られる尿に含まれる測定対象物を定量する請求項6
乃至10いずれか一項記載のセンサ装置と、前記採尿手
段と搬送手段、センサ装置等の各手段を制御する制御手
段と、センサ装置のセンサ素子表面を洗浄するための溶
液貯留手段とを備えたことを特徴とする。
【0034】本発明においては、オフィスや家庭等のト
イレに設置でき、かつ安定した検出性能を有する装置を
得ることができる。
【0035】請求項12記載の発明は、検査装置におい
て、複数の試料を採取する試料採取手段と、試料採取手
段からの試料をセンサ装置へ搬送する搬送手段と、該搬
送手段より送られる試料に含まれる測定対象物を検出す
る請求項6乃至10いずれか一項記載のセンサ装置と、
前記試料採取手段と搬送手段、センサ装置等の各手段を
制御する制御手段と、センサ装置のセンサ素子表面を洗
浄するための溶液貯留手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0036】本発明においては、複数の試料を連続して
容易に検出することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面により詳細に説明する。
【0038】まず、本発明の検出方法を実施するセンサ
装置を用いた尿成分検査装置の全体構成を説明するにあ
たって、図1はセンサ装置をトイレに装着した状態を示
す外観図を示し、図2は図1に示したセンサ装置の概略
を表した図、図3は図1に示した尿成分検査装置の採尿
手段を表した図を示す。
【0039】尿成分検査装置としては、便器にとりつけ
る採尿手段1と、採尿手段によって採取された尿をセン
サ装置へ搬送する搬送手段2と、搬送手段によって送ら
れた尿に含まれる測定対象物を検出するセンサ3と、前
記採尿手段と搬送手段、センサ等の各手段を制御する制
御手段4と、センサのセンサ素子表面を洗浄するための
溶液貯留手段5とを有している。
【0040】採尿手段1は、便器本体に取り付けられる
支持体11と、便器の横断方向に延長しリム側部の上面
から上方に離間した水平な回転軸線を中心として揺動可
能に前記支持体に支持された揺動アーム12と、前記揺
動アームの自由端に担持された採尿容器13と、便器リ
ムの内側に近接する休止位置と便鉢空間内に位置する採
尿位置との間で前記採尿容器を移動させるべく前記揺動
アームを揺動させる駆動手段14とを備えており、この
構成によって、検査装置の使用者から排泄された尿を採
取するようになっている。
【0041】搬送手段2は、採尿手段1とセンサ装置
3、溶液貯留部5との間に流路切り替え弁を有するシリ
ンジポンプ21と、流路切り替え弁22と採尿手段1、
溶液貯留部5、センサ装置3等を連結するための配管と
なる可しょう性チューブ231、232、233、23
4、235とから構成されている。
【0042】そして、シリンジポンプはシリンダとピス
トンを有しており、このピストンはステッピングモータ
の回転をリードスクリュー機構によって直線運動に変換
することにより上下動される。このピストンの上下動に
よってシリンダ内に溶液が吸引あるいは排出されるが、
シリンジポンプは溶液が吸引されている間は送液が行え
ないためにシリンジポンプ下流側では直前に送った溶液
が滞留することとなり、吸引動作終了後に送液がなされ
るという動作を繰り返すことによって、間欠的に送液す
る。
【0043】また、このシリンジポンプ内に設けられた
制御ユニットは、ステッピングモータを駆動することに
よりシリンジポンプの動作と送液速度等を制御する。こ
こで、この制御ユニットは尿検査装置本体に設けられた
制御手段4と通信されており、各々信号をやりとりする
ことによってシリンジポンプの動作は制御される。
【0044】また、シリンジポンプ21を用いることに
より、採尿手段1で採尿された試料溶液を溶液貯留部内
のpH緩衝液で挟んでセンサ装置へ送る流路内例えばシ
リンダ内で希釈を行うことが可能となるため、別の希釈
手段を設けることがなく搬送および希釈手段としても利
用でき、装置の小型化が可能となる。
【0045】本実施例においてはセンサ3として、試料
中の標的物質とセンサ素子表面の捕捉物質との結合に由
来する屈折率の変化を検出する表面プラズモン共鳴を用
いて尿試料中のアルブミンを検出するセンサについて説
明する。
【0046】センサ素子としては、光透過性物質として
利用する樹脂性のプリズム表面に金薄膜層を形成し、該
金表面に捕捉物質として抗ヒトアルブミン抗体を担持し
たリガンド層が形成されている。
【0047】そして、センサ素子表面が試料溶液と接触
することにより、試料溶液中の標的物質(アルブミン)
と捕捉物質(抗ヒトアルブミン抗体)が結合し、その結
合に由来する試料溶液の誘電率延いては屈折率の変化に
よってプリズム表面と金薄膜とで形成されるエバネッセ
ント波結合によって、表面プラズモン現象が起きる。そ
の反射光のエネルギー変化の割合や共振角の変化によっ
て、試料溶液中の標的物質を検出することが可能とな
る。
【0048】溶液貯留手段5には、前記採尿手段によっ
て採取された尿を希釈したり、センサ素子表面を洗浄す
るためのpH緩衝液がタンク内に貯留されている。
【0049】さらには、センサによって検出された値を
定量値として算出するための標的物質を含んだ既知濃度
の校正液と、標的物質と捕捉物質との結合を解離させる
再生液もタンク内に貯留されている。また、それぞれの
タンクは溶液毎に別体としてもよいし、単一のタンク内
を分画して貯留するようにしてもよい。
【0050】ここで、使用される緩衝液としては、蒸留
水を主成分として、センサのセンサ素子表面に試料等を
供給する流路であるフローセルの安定な作動に必要なK
2PO4やNa2HPO4のようなpH調節剤や、KCl
のようなイオン強度調節剤、防腐剤、界面活性剤等が添
加されており、この緩衝液によって尿は希釈され希釈サ
ンプルとしてセンサ装置に供給される。この緩衝液のp
Hとしては生理的pH範囲に準じる弱酸性〜中性〜弱ア
ルカリ性の範囲より選択される。より具体的に述べれ
ば、pH6〜8の範囲で好適な測定を行うことができ
る。
【0051】また、解離溶液としては、抗原抗体反応の
ような免疫反応を利用している場合においては、pHが
免疫反応の解離する範囲に緩衝能を有するpH緩衝液
や、酸、アルカリ溶液等から選択できるが、本実施例に
おいては10mM以上100mM以下のHClを利用し
たことで1000μg/ml程度のアルブミンを含有す
る尿成分を希釈して定量した場合においても確実に解離
できた。
【0052】制御手段4としては、マイコンが内蔵され
ており、センサ使用開始時に使用者が装置上部に設けら
れた操作部6を操作すると、操作部から使用開始の信号
が採尿手段に送られ、採尿手段や搬送手段、センサ等の
一連の動作を制御することができる。また、必要に応じ
て、センサでの検出結果を濃度として定量値の算出等も
行うこともできる。
【0053】また、制御手段4からの信号を受けて、検
出結果を表示する表示部を尿成分検査装置本体上部に設
けてもよいし、制御手段4内に検出結果記憶部を設けて
検出結果を蓄積し、蓄積したデータを装置外の表示手段
によって表示するようにしてもよい。
【0054】次に、本装置を用いた一連の動作を説明す
る。
【0055】採尿手段1によって採取された尿は、セン
サへと搬送手段2によって搬送され、シリンジポンプ2
1で溶液貯留手段5内に貯留されているpH緩衝液によ
って希釈された後、センサ3に移送され、尿成分の例え
ばアルブミン検出に付される。センサ3に移送された試
料や測定時に使用した溶液等は順次センサより排出され
て配管236を介して便器内に排出される。
【0056】アルブミン検出を行った共振角の変化を、
表面プラズモン共鳴センサの検出用CCDの対応画素番
号として図4に示す。上記のセンサ素子表面に、尿を希
釈する溶液と同様の緩衝液をシリンジポンプによって供
給し、そのときの共振角を測定して検出信号のシグナル
の基準値(ベースライン)とした(t0)。
【0057】次に、前記搬送手段によって採取された尿
が緩衝液で希釈され、シリンジポンプに設けられたピス
トンを作動させるステッピングモータの周波数を、例え
ば6パルス/秒に設定し約1.8ml/分の流速で流量2
mlとする送液条件で、尿成分中の標的物質としてアル
ブミンに親和性を有する捕捉物質である抗ヒトアルブミ
ン抗体が担持されたセンサ素子表面に供給される(t
1)。
【0058】ここで、緩衝液によって希釈された尿試料
溶液がセンサ素子表面を通過するにあたって、尿中のア
ルブミンがセンサ素子表面の抗ヒトアルブミン抗体に捕
捉され、尿試料溶液がシリンジポンプから全て排出され
た(時間t1=67秒)後、センサ素子表面に存在する
未結合状態のアルブミンを洗浄するための前記と同様の
緩衝液を、シリンジポンプ内にステッピングモータの周
波数を30パルス/秒と設定して流速9ml/分、流量1
ml(時間t2=6.7秒)として吸引(t2)後、セ
ンサ素子表面に供給して洗浄する(t3)。
【0059】このとき、試料はフローインジェクション
法によって間欠的にセンサに供給されているため、シリ
ンジポンプが緩衝液を吸引している際には、センサ素子
表面上には尿試料が滞留することとなり、緩衝液がセン
サ素子表面に供給されるまでの時間T2においては、尿
試料中の遊離状態のアルブミン濃度は変化しているが、
尿試料中のアルブミンとセンサ素子表面の抗ヒトアルブ
ミン抗体が反応するのに十分な接触時間T1がとれてお
り、滞留している時間T2は、T1に比べて小さく設定
されているために、安定した検出値が得られる。
【0060】そして、検出信号のシグナルの基準値(t
0時点での共振角)とアルブミンー抗ヒトアルブミン抗
体との結合体量(t3時点での共振角)との差をとりア
ルブミンのピークを検出後、標的物質とセンサ素子表面
の捕捉物質とを解離する溶液が溶液貯留手段からシリン
ジポンプを用いて供給されてセンサ素子表面のアルブミ
ンー抗ヒトアルブミン抗体との結合体を解離させセンサ
素子表面を再生し(t4)、次の測定のために緩衝液に
よって表面を洗浄され(t5)、繰り返し測定が可能と
なる。
【0061】この装置においては、既知濃度のヒトアル
ブミン溶液を含む校正液を、緩衝液と再生液とを有する
溶液タンク内に設けており、制御手段によって校正液濃
度の検出値と尿試料のピーク検出値とを比較して定量値
を算出する。
【0062】上述した装置を用いて、既知アルブミン濃
度溶液(10−800μg/ml)を試料として、測定
を行った結果を図5に示す。図5よりt2をt1より大
きく設定することにより、校正液から得られる検量線の
値と比較して測定値とほぼ同等の値となることが確認さ
れ、精度よく定量できることが確認された。
【0063】また、本実施例においては、T1、T2の
時間を調整するために、シリンジポンプの流入あるいは
排出速度と、シリンジポンプの流量との両方を調整して
いるが、速度あるいは流量のどちらか一方を一定とし
て、他方のみを調整してもよい。
【0064】さらに、他の実施例として、検出方法とし
て試料中の標的物質とセンサ素子表面の捕捉物質との結
合に由来するキャパシタンスの変化、質量の変化、ある
いはインピーダンスの変化等いずれかのセンサを利用し
ても、同様の効果を奏する。
【0065】次に、本発明のセンサの検出方法を用い
て、複数の試料を連続して測定する場合の試料採取手段
の構成を図6に示す。
【0066】本実施例においては、図1における尿成分
検査装置の採尿手段を複数試料採取手段とするものであ
り、図2のその他の共通する同一の符号については説明
を省略する。
【0067】この試料採取手段10は、シリンジポンプ
と移送管23によって連通しており、複数の試料容器を
支持する試料ホルダー100と、その試料ホルダーを支
持する支持体101と、前記試料ホルダー内の試料を採
取するための横手方向及び長手方向に水平移動可能にそ
の支持体101に支持された稼働アーム部102と、前
記移送管23に連通し稼働アーム部101に担持された
上下方向に揺動可能な試料採取ノズル103と、前記試
料ホルダー100内に設けられた試料容器104と、前
記試料採取ノズル103と可動アーム部を稼働させる駆
動手段(図示せず)と、検出装置本体からの信号を受け
試料の採取等の動作を制御する制御ユニット(図示せ
ず)を備える。
【0068】そして、この制御ユニットが検出装置本体
に設けられた制御手段4からの試料採取の信号を受け取
ると、駆動手段(図示せず)により稼働アーム部102
が試料ホルダー内にセットされた試料容器104の上部
へと試料採取ノズル103を移動する。次に、試料容器
104内の試料を採取するために試料採取ノズル103
が試料液面下まで下降し、シリンジポンプによって試料
が一定量吸引され、移送管23を介してセンサ装置3へ
と移送された後、試料の測定が行われるとともに、試料
採取ノズル103は上昇してアーム部によって指定位置
まで移動され、次の試料採取の信号を受け取るまで待機
する。
【0069】検出装置にとりつける試料採取手段を上記
の構成とすることにより、複数の試料を連続して容易に
検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の尿成分検査装置をトイレ内に設置した
図。
【図2】本発明の尿成分検査装置の概略を表した図。
【図3】本発明の尿成分検査装置の採尿手段を表した
図。
【図4】本発明のセンサ検出方法に表面プラズモン共鳴
法を利用して、標的物質としてアルブミンを検出した場
合の共振角の変化を検出用CCDの対応画素番号の変化
として表した図。
【図5】本発明のセンサの検出方法に表面プラズモン共
鳴法を利用して、標的物質として既知濃度のアルブミン
を検出した場合の定量値と検量線から得られる値との比
較を表した図。
【図6】本発明のセンサの検出方法を用いて、複数の試
料を連続して測定する場合の試料採取手段の構成を表し
た図。
【図7】表面プラズモン共鳴法を利用して、標的物質と
して既知濃度のアルブミンを検出した場合の定量値と検
量線から得られる値との比較を表した図。(従来例)
【符号の説明】
A…検査装置、1…採尿手段、2…搬送手段、3…セン
サ、4…制御手段、5…溶液貯留手段、6…操作部、1
0…試料採取手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の標的物質を捕捉物質が担持さ
    れたセンサ素子を用いて検出する方法において、 センサ素子表面に試料、洗浄液を順次供給し、前記洗浄
    液供給後に、前記標的物質と前記捕捉物質の結合量をセ
    ンサ出力値として検出するとともに、 センサ素子表面上に試料が供給される時間をT1、前記
    洗浄液が供給されるまで前記試料が滞留する時間をT2
    とするとき、その時間比をT1>T2とすることを特徴
    とするセンサの検出方法。
  2. 【請求項2】 前記検出方法は、試料中の標的物質と
    センサ素子表面の捕捉物質との結合に由来する屈折率の
    変化を検出することを特徴とする請求項1記載のセンサ
    の検出方法。
  3. 【請求項3】 前記検出方法は、試料中の標的物質と
    センサ素子表面の捕捉物質との結合に由来するキャパシ
    タンスの変化を検出することを特徴とする請求項1記載
    のセンサの検出方法。
  4. 【請求項4】 前記検出方法は、試料中の標的物質と
    センサ素子表面の捕捉物質との結合に由来する質量の変
    化を検出することを特徴とする請求項1記載のセンサの
    検出方法。
  5. 【請求項5】前記検出方法は、試料中の標的物質とセン
    サ素子表面の捕捉物質との結合に由来するインピーダン
    スの変化を検出することを特徴とする請求項1記載のセ
    ンサの検出方法。
  6. 【請求項6】 試料中の標的物質の検出が可能なセン
    サ装置であって、センサ素子表面上に被験試料を間欠的
    に移送するポンプ手段と、センサ素子表面と被験試料と
    の接触時間を制御する制御手段とを備えてなることを特
    徴とするセンサ装置。
  7. 【請求項7】 前記ポンプ手段は、シリンジポンプと
    することを特徴とする請求項6記載のセンサ装置。
  8. 【請求項8】 前記ポンプ手段は、シリンジポンプと
    多方弁が一体となっていることを特徴とする請求項7記
    載のセンサ装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、前記シリンジポンプ
    の吸引あるいは排出速度を制御することを特徴とする請
    求項6乃至8いずれか一項記載のセンサ装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、前記試料の流量を
    制御することを特徴とする請求項6乃至8いずれか一項
    記載のセンサ装置。
  11. 【請求項11】 便器に取り付ける採尿手段と、採尿
    手段からの尿をセンサ装置へ搬送する搬送手段と、該搬
    送手段より送られる尿に含まれる測定対象物を検出する
    請求項6乃至10いずれか一項記載のセンサ装置と、前
    記採尿手段と搬送手段、センサ装置等の各手段を制御す
    る制御手段と、センサ装置のセンサ素子表面を洗浄する
    ための溶液貯留手段とを備えた尿成分検査装置。
  12. 【請求項12】 複数の試料を採取する試料採取手段
    と、試料採取手段からの試料をセンサ装置へ搬送する搬
    送手段と、該搬送手段より送られる試料に含まれる測定
    対象物を検出する請求項6乃至10いずれか一項記載の
    センサ装置と、前記試料採取手段と搬送手段、センサ装
    置等の各手段を制御する制御手段と、センサ装置のセン
    サ素子表面を洗浄するための溶液貯留手段とを備えた試
    料検査装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007121058A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Seiko Instruments Inc マイクロリアクタおよび該マイクロリアクタを用いた測定装置
JP2011107069A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Omron Corp 表面プラズモン共鳴センシングシステム及び、表面プラズモン共鳴インライン測定方法

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