JP2001003862A - 真空排気システム - Google Patents

真空排気システム

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JP2001003862A
JP2001003862A JP11175488A JP17548899A JP2001003862A JP 2001003862 A JP2001003862 A JP 2001003862A JP 11175488 A JP11175488 A JP 11175488A JP 17548899 A JP17548899 A JP 17548899A JP 2001003862 A JP2001003862 A JP 2001003862A
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vacuum
pump
vacuum chamber
pressure
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JP11175488A
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English (en)
Inventor
Kenichi Inoue
憲一 井上
Takashi Kinoshita
隆 木下
Yukihiro Kusumi
之博 楠見
Toshihiro Kugimiya
敏洋 釘宮
Kohei Suzuki
康平 鈴木
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ガスの流速を増し、選択性の高いプラズマ気
相反応処理を行う。 【解決手段】 プラズマ発生機構が収設された真空チャ
ンバ1に反応原料ガス及びプラズマ発生のキャリアガス
を導入しその後、排気したガスの一部を再び真空チャン
バ内に戻す真空排気装置が備えられる真空システムにお
いて、排気経路に、上流側から前段低圧真空ポンプ4、
後段低圧真空ポンプ5、及び粗引きポンプ6を直列に連
結して備え、両低圧真空ポンプ4,5の連結部から分岐
して真空チャンバに結び、低圧真空ポンプで排気された
ガスの一部を再び真空チャンバ内に戻すためのガス循環
系統3を設ける。前段低圧真空ポンプは、圧縮比が小さ
いときに比較的大きい排気速度を有するポンプであり、
後段低圧真空ポンプは、真空チャンバからの排気ガス流
量と後続の粗引きポンプの能力に対して真空チャンバ内
を所定の圧力に保つのに十分な圧縮能力を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体分野でのプ
ラズマ気相反応処理を目的としたエッチングや化学気相
成長装置(CVD)において、ウエハ表面近傍の流速を
増大させて、選択性の高いエッチング、または良質の蒸
着膜を得るためとして好適な真空排気システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体製造装置、例えばエッチン
グ装置やCVDにあっては、図4に示すように、真空チ
ャンバ1の内部に配置されたウエハWに向けて、半導体
の製造を行うのに必要な、ハロゲン系などの反応原料ガ
ス及びアルゴンなどのプラズマ発生のキャリアガスを、
反応原料ガスボンベ13及びキャリアガスボンベ14、
各マスフロー弁15、16を経由してガス供給管12の
末端に取付けられたノズル(図示せず)から噴出して、
高周波電/磁場によってプラズマ化させて、ウエハ処理
を行うようにしている。ここでは、真空チャンバ1内で
の処理後、廃棄ガス、未反応の残留原料ガス及びキャリ
アガスは、全てゲート弁7を介してターボ分子ポンプや
複合分子ポンプで実現される高真空ポンプ19で真空チ
ャンバ1から排気された後、粗引きポンプ21を介して
図示しない除害設備を通して大気に放出されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし最近に至って、
半導体製造装置ではウエハの大口径化、エッチング速度
及び選択比の向上やCVD成膜の高品質化のために、益
々多量のガスを使用する傾向にある。たとえばエッチン
グの場合、プラズマ反応としては、衝突イオンによる物
理スパッタや激しい化学反応と、プラズマ励起で生じた
ラジカルによるウエハ表面での表面化学反応とからなる
が、Si:レジスト選択比が良いのは後者の反応であ
る。
【0004】ところで、エッチング装置の真空度は低圧
といっても数〜数十mTorr であり、ウエハ表面近傍のい
わゆる境界層内では、分子流としてではなく粘性流とし
て扱う必要がある。その場合、ガスはウエハ表面で静止
状態とし、境界層の縁で平均流速を持つ層流として振る
舞う。したがって、後者の表面反応は、境界層の縁から
の分子拡散によるラジカル供給、即ち、物質供給が律則
となっている。
【0005】しかして、境界層の厚みは外部の平均流速
の平方根に反比例することから、後者の反応を促すため
には、ウエハ表面近傍でのガス流速をできるだけ大きく
して、境界層を薄くし、内部に強いせん断流を作り物質
循環/拡散を促進することが肝要であることから、流速
を増す即ちキャリアガスの流量を増大させることとして
いるのである。
【0006】CVD成膜の場合も同じで、プラズマ内で
直接物質化する反応と、一旦、分子量の大きなラジカル
となって表面反応で物質化する反応とから成るものであ
り、前者はパーティクル(微粒子)又は雪だるま的な膜
質に、後者は結晶性の膜となる。後者の反応を促進した
いがためにガス流量を増大させる傾向にあるのは、エッ
チングと同じである。
【0007】ところで、一般に真空ポンプは図6に示さ
れるような排気特性を有することから、図4図示の従来
の排気装置系においてガス流速を増大しようとしてガス
流量を増加させると、同時に圧力が下がってしまうこと
は避けられない。結果としてプラズマ状態が変化して、
エッチングやCVD成膜の条件が変わってしまう。圧力
を一定に保つためには、ガス流量を増やすと同時に排気
速度を大きくする必要があるが、可変バルブ等のコンダ
クタンス制御(流通性:流体抵抗の逆数値の制御)では
限界があり、昨今の流量増に対する要求には過大なサイ
ズの真空ポンプを採用すること以外には応えられない状
況にきている。
【0008】通常、真空ポンプ19には、ターボ分子ポ
ンプや複合分子ポンプが使われるが、数〜数十mTorr の
低圧域では排気速度の低下が起こり、また、後続の粗引
きポンプ21へ引き継ぐ圧縮比が大きいと、図8に示さ
れる特性からも明らかなように、定格の排気速度が確保
できない実情もある。一方で、半導体ウエハ処理装置に
おいては、前提として原料ガス導入を止めた状態でのベ
ース真空を10E −7Torr程度に高くできる、即ち真空
チャンバを清浄化する機能も要求されるので、ターボ分
子ポンプ系以外の選択は実質的に難しい事情もある。
【0009】その他に、省資源の観点でも問題がある。
導入したガスの大半はキャリアガスであり、少量の反応
原料ガスもそのほんの一部がウエハ反応に寄与するに過
ぎず、図4の排気装置系では、ガスの浪費も甚だしい状
況なのである。このようなことから、ガスの浪費を抑え
るべくガス循環系を付加した装置を提案した先行技術が
あり、典型的なものとして特開平10−125657号公報が挙
げられ、その系統図が図5に示される。即ち図5におい
てこの先行技術は、真空ポンプ20と流量調整弁8を直
列に有するガス循環系を図4図示の装置に付設させてな
る構造である。しかし、この先行技術では、省資源の問
題は解決されるものの、ガス流量が1台の真空ポンプ1
9の排気速度に律速されているには変わりないので、上
記の課題は依然として解決されていない。
【0010】本発明は、このような問題点の解消を図る
ために成されたものであり、従って本発明の目的は、こ
の種の真空排気システムにおいて真空チャンバ内の低圧
ガスの流速を増大させながら、ガス圧と流速とを独立的
に制御可能とすることにより、選択性の高いプラズマ気
相反応処理を行わせ得る真空排気システムを提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため以下に述べる構成としたものである。即
ち、本発明における請求項1の発明は、プラズマ処理の
ためのプラズマ発生機構が収設された真空チャンバに反
応原料ガスおよびプラズマ発生のキャリアガスを導入
し、該導入ガスを真空チャンバ内から排気した後、その
排気されたガスの一部を再び真空チャンバ内に戻す真空
排気装置が備えられる真空システムにおいて、前記真空
排気装置の排気経路に、上流側から前段低圧真空ポン
プ、後段低圧真空ポンプ、粗引きポンプを直列に連結し
て備える排気系統と、前記両低圧真空ポンプの連結部か
ら分岐して前記真空チャンバにつながらせ、前段低圧真
空ポンプで排気されたガスの一部を再び真空チャンバ内
に戻すためのガス循環系統とが設けられてなり、前段低
圧真空ポンプは、圧縮比が小さいときに比較的大きい排
気速度を有するポンプであり、後段低圧真空ポンプは、
真空チャンバからの排気ガス流量と後続の粗引きポンプ
の能力に対して真空チャンバ内を所定の圧力に保つのに
十分な圧縮能力及び比較的小さな排気速度を有するポン
プであることを特徴とする真空排気システムである。
【0012】また、本発明における請求項2の発明は、
プラズマ処理のためのプラズマ発生機構が収設された真
空チャンバに反応原料ガスおよびプラズマ発生のキャリ
アガスを導入し、該導入ガスを真空チャンバ内から排気
した後、その排気されたガスの一部を再び真空チャンバ
内に戻す真空排気装置が備えられる真空システムにおい
て、前記真空排気装置の排気経路に、上流側から圧力保
持用低圧真空ポンプ、粗引きポンプを直列に連結して備
える排気系統と、前記圧力保持用低圧真空ポンプの吸入
管路から分岐して前記真空チャンバにつながらせる管路
中にガス循環用低圧真空ポンプが備えられ、真空チャン
バから排気され圧力保持用低圧真空ポンプに至るガスの
一部を再び真空チャンバ内に戻すためのガス循環系統と
が設けられてなり、ガス循環用低圧真空ポンプは、圧縮
比が小さいときに比較的大きい排気速度を有するポンプ
であり、圧力保持用低圧真空ポンプは、真空チャンバか
らの排気ガス流量と後続の粗引きポンプの能力に対して
真空チャンバ内を所定の圧力に保つのに十分な圧縮能力
及び比較的小さな排気速度を有するポンプであることを
特徴とする真空排気システムである。
【0013】また、本発明における請求項3の発明は、
上記請求項1記載の発明に係る真空排気システムに関し
て、前段低圧真空ポンプは、駆動系及び排気系に潤滑油
を用いないオイルフリーポンプと、少なくとも排気系に
潤滑油を用いないドライポンプとの何れかである構成と
したことを特徴とする。
【0014】また、本発明における請求項4の発明は、
上記請求項1又は2に記載の発明に係る真空排気システ
ムに関して、前記ガス循環系統に、コンダクタンスが調
節可能な流量可変バルブが介設される構成としたことを
特徴とする。
【0015】また、本発明における請求項5の発明は、
上記請求項1又は2に記載の発明に係る真空排気システ
ムに関して、前記ガス循環系統に、特定の大きさ以上の
微粒子を除去する微粒子除去手段が介設される構成とし
たことを特徴とする。
【0016】また、本発明における請求項6の発明は、
上記請求項1又は2に記載の発明に係る真空排気システ
ムに関して、前記ガス循環系統に、前記キャリアガスを
除き特定のガス成分を除去するガス除去手段が介設され
る構成としたことを特徴とする。
【0017】また、本発明における請求項7の発明は、
上記請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の発明に係
る真空排気システムに関して、真空チャンバ内における
特定のガス成分の濃度を測定する濃度測定手段と、この
濃度測定手段が測定した前記濃度を一定に保つように真
空チャンバに導入する前記反応原料ガスの流量を調整す
るガス流量制御手段とを備える構成としたことを特徴と
する。
【0018】請求項1の発明に係る真空排気システムで
は、所定の反応原料ガス及び少量補給分のキャリアガス
の導入量に対して真空チャンバ内を所定のプロセス圧力
に保つのに必要な排気速度性能を後段の後段低圧真空ポ
ンプに持たせ、一方、前段の前段低圧真空ポンプを用い
て、真空チャンバ内に所望のガス流速を生ぜしめるもの
である。当然、ガス循環系統のコンダクタンスは十分大
きくとり、たとえ請求項4記載の流量可変バルブや請求
項5記載の微粒子除去手段といえども、圧損は1桁の値
を超えないものとするのが望ましい。
【0019】このように前段低圧真空ポンプと後段低圧
真空ポンプとに分けて、ガスを排気する上での役割を分
担することにより、前段低圧真空ポンプは排気速度達成
のため外径は大きくなるが圧縮能力は比較的小さくてよ
いので高さが低くなり、後段低圧真空ポンプは大きな圧
縮能力を達成するため高さは大きくなるが排気速度は小
さくてよいので外径を小さくすることができる。これを
一台のポンプで達成しようとするとポンプ外径及び高さ
寸法の双方が大きくなってしまうので、本発明の実施に
よって、真空排気装置全体としてのコンパクト化をも達
成することが可能である。
【0020】具体的な例として、前段低圧真空ポンプに
3000l/sの排気速度が場合では、この低圧真空ポ
ンプの外径寸法は約400mmになるが、圧縮比は10
以下で良いので同ポンプの高さ寸法は300mm以下に
することができる。そして、後段低圧真空ポンプは少量
補給されたキャリアガスのみを排気するものであるか
ら、排気速度は60〜300l/s程度で良いことにな
り、ポンプの外径寸法は約100〜170mmになるの
で、後段低圧真空ポンプの径寸法は前段低圧真空ポンプ
に比べて大幅に小さくすることができる。そして、後段
低圧真空ポンプの高さ寸法が、必要な排気量に見合うも
として例えば500mmだとすると、前段と後段の両真
空ポンプの占める容積の合計は42〜49lになる。
【0021】これに対して、一台の低圧真空ポンプで所
望の圧力及び流速を得ようとすると、真空ポンプとして
は100lの容積を占めることになり、本発明によっ
て、真空排気装置の容積を50〜60%も縮小でき、即
ち、装置コストも低減することが可能となる。
【0022】請求項2の発明に係る真空排気システムで
は、請求項1の発明に係る上記真空排気システムがポン
プ直列配置式であるのに対して、並列的に配置したもの
であって、原理的には等価になる。但し、排気能力、到
達能力の点では劣ることが考慮される。
【0023】請求項3の発明に係る真空排気システムに
関して、オイルフリーポンプとは、ルーツ型ポンプ、ス
クロール型ポンプ、スクリュー型ポンプ、ターボ分子ポ
ンプ、ロータの軸方向下流側にねじ溝を形成したターボ
分子ポンプ(複合分子ポンプ)、モレキュラードラッグ
ポンプ、或いは渦流式ロータを有する真空ポンプなどの
ドライポンプ(排気系に潤滑油を用いない構造のポン
プ)であって、更に駆動系として磁気軸受等を用いて一
切オイルを使用しない形式のポンプのことである。
【0024】請求項4の発明に係る真空排気システムに
関して、ガス循環系統に介設される流量可変バルブと
は、バタフライ・バルブのように比較的圧損が小さく、
かつコンダクタンスを連続的に調整可能なバルブのこと
である。
【0025】請求項5の発明に係る真空排気システムに
関して、ガス循環系統に介設される微粒子除去手段につ
いては、エッチングの場合には、ウエハからスパッタさ
れた微粒子が、CVDの場合には、空中で固体化凝集し
た数ミクロン以下のパーティクルが、排気ガスと共に排
出され、それをガス循環配管を経由して真空チャンバに
戻すと、サブミクロンの微細構造を持つウエハに致命的
なダメージを与えることになるので、微粒子(パーティ
クル)を除去するフィルタをガス循環配管に介挿するこ
とが望ましい。微粒子除去手段としては、物理的フィル
タの他に、電子や、紫外線でイオン化して静電集塵的に
不要な微小粉末を除去するもの等が適用される。
【0026】請求項6の発明に係る真空排気システムに
関して、ガス循環系統に介設されるガス除去手段につい
ては下記の点を考慮して設けられるものである。真空チ
ャンバ内のプラズマによって分解またはウエハと反応さ
せることを目的に真空チャンバに導入された反応原料ガ
スは、この反応によってガスの成分が一部変化してしま
う。変化したガス成分の中に反応を阻害する成分が混入
している場合には、そのままガスの全成分を循環させて
しまうと、真空チャンバ内での反応が正しく行われなく
なってしまう可能性が考えられる。そこで、ガス循環系
統に循環するガスに含まれる特定の成分を除去する手段
を設けてなることによって、真空チャンバ内での反応に
悪影響を及ぼす成分を該チャンバに戻す前に除去するこ
とができるので、真空システムが目的とする反応が正し
く行われることが可能となる。なお、このガス除去手段
としては、吸着フィルタや、低温を利用した吸着ポン
プ、又はトラップ機構が適用可能である。
【0027】請求項7の発明に係る真空排気システムに
関して、濃度測定手段と、ガス流量制御手段とが該シス
テムに設けられてなることを特徴とする。ガス循環を行
う過程で特定のガス成分を除去すると、真空チャンバ内
の反応原料ガスの濃度が、ガス供給流量一定では漸次変
化していってしまう。特に、ガス循環配管に介挿したガ
ス流量制御手段としての流量調整弁の動作によって大き
く変化するものである。この影響を避けるために、真空
チャンバに質量分析型センサなどを設けて、ガス濃度を
連続的に測定し、その値の変化に応じて反応原料ガスの
マスフローを調整するようにして、真空チャンバ内の反
応原料ガスの濃度の一定化を図らせている。
【0028】このような本発明に係る真空排気システム
は、真空チャンバ内に導入したガスと該チャンバ内にあ
る材料ガスを反応させるプロセスを含む真空システムで
使用されることを主要な用途としており、前段低圧真空
ポンプと後段低圧真空ポンプとを直結するか、または一
体のケーシングに組込む形態とすることにより、真空排
気装置が占める容積を最小にすることも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付図面を参照しながら具体的に説明する。
【0030】図1には、本発明の第1の実施の形態に係
る真空排気システムの系統図が示される。図1に示すよ
うに、1は真空チャンバであり、該チャンバ1はその内
部に配置されたウエハWに向けて、半導体製造を行うの
に必要なハロゲン系などの反応原料ガス及びアルゴンな
どのプラズマ発生のキャリアガスを、反応原料ガスボン
ベ13、キャリアガスボンベ14及びマスフロー弁1
5、16を経由してガス供給管12の先端に設けられた
図示しないノズルから噴出して、高周波電/磁場によっ
てプラズマP化させて、ウエハW処理を行うようになっ
ている。そして、この真空チャンバ1内のウエハW処理
後のガスは、ゲート弁7を介して排気系統2によって該
チャンバ1から排気される。
【0031】この真空チャンバ1において、その排気経
路には、上流側となる排気口部のゲート弁7に接続され
た排気系統2と、該排気系統2から分岐して真空チャン
バ1につながらせるガス循環系統3とが設けられてい
る。排気系統2は、上流側から前段低圧真空ポンプ4、
後段低圧真空ポンプ5及び粗引きポンプ6を直列に連結
して備え、ゲート弁7に対し下流側において連結される
前段低圧真空ポンプ4は、圧縮比が小さいとき比較的排
気速度の大きい真空ポンプであり、前段低圧真空ポンプ
4に対し下流側において連結される後段低圧真空ポンプ
5は、真空チャンバ1からの排気ガス流量と後続の粗引
きポンプ6能力に対して真空チャンバ1内を所定の圧力
に保つのに十分な圧縮能力及び比較的小さな排気速度を
有する真空ポンプである。
【0032】一方、ガス循環系統3は、前記両真空ポン
プ4、5の連結部配管から分岐して真空チャンバ1に至
る配管路に、上流側となる前記分岐部から流量調整弁8
で実現される流量可変バルブ、微粒子フィルタ9で実現
される微粒子除去手段、吸着フィルタ10で実現される
ガス除去手段を直列に連結して備えて、真空チャンバ1
の外壁またはガス供給ノズルに接続されてなり、更に、
微粒子フィルタ9と吸着フィルタ10の連結部配管に分
岐接続して吸着ポンプ11を備えてなる構成となってい
る。
【0033】このような構成になる真空排気システムに
おいて、前段低圧真空ポンプ4の駆動に伴って、流量調
整弁8を介してガス循環系統3内を大きな流量ガスが循
環して真空チャンバ1内に導入され、ウエハW近傍に大
きな流速が生じる。一方、後段低圧真空ポンプ5の駆動
に伴って、供給管12から供給される補充ガスと同じ流
量が該真空ポンプ5によって排気され、真空チャンバ1
内の圧力が一定に保たれ、この排出ガスは、後続の粗引
きポンプ6を経由し、更に図示しない除害設備を通して
て大気に放出されるようになっている。
【0034】ここで、前段低圧真空ポンプ4は、例えば
磁気軸受を使用することによってオイルフリーを達成し
たターボ分子ポンプまたはロータの下流側にねじ溝型の
ロータを備えたオイルフリーのターボ分子ポンプ(複合
分子ポンプ)であり、ガス循環系統3を介して真空チャ
ンバ1内に大きなガス流速を生ぜしめるために必要な排
気速度性能を持たせることにより、排気速度達成のため
外径は大きくなるものの、圧縮能力は小さくて良いので
高さを小さくすることができる。
【0035】また、後段低圧真空ポンプ5は、前段低圧
真空ポンプ4によって排気されたガスを、後続の粗引き
ポンプ6の排気能力に整合するために必要な圧縮比を持
たせるべく、大きな圧縮能力を達成するため高さは大き
くなるものの、排気速度は小さくて良いので外径を小さ
くすることができる。
【0036】このように、真空排気システムを役割を分
担してなる前段低圧真空ポンプ4と後段低圧真空ポンプ
5とで構成することにより、システム全体としてのコン
パクト化、かつ合理的な機器構成を達成することができ
る。また、真空チャンバ1内での反応によって微小粉末
が生じる場合には、ガス循環系統3に、物理的な分級フ
ィルタや、電子または紫外線により微小粉末をイオン化
させる方式の静電集塵フィルタを設けることにより、不
要な微小粉末を除去することができる。
【0037】さらに、図中の吸着フィルタ10として、
アルミニウムのエッチングを行う半導体製造装置にあっ
ては、低温トラップを設けることが望ましい。真空チャ
ンバ1内での反応によって蒸気圧が低く固化しやすい性
質を持った塩化アルミ(0.1Torrでは約80度以下で
固化する)が生じて、これが循環するガス内に含まれる
ことになる。このため、一般にアルミニウムのエッチン
グを行う装置では、ポンプ内のガス通路や配管を昇温す
ることによって、塩化アルミがポンプ内で固化して付着
しないようにしている。そこで、前段低圧真空ポンプ4
に対しては、このような昇温手段を施し、ガス循環系統
3に低温面を有するトラップを設けることにより、この
トラップの低温面に塩化アルミを付着させることがで
き、これによって、循環するガスから不要な成分である
塩化アルミを効果的に除去することができる。
【0038】また、図示の第1の実施の形態に係る真空
排気システムには、真空チャンバ1に導入する前記反応
原料ガスの流量を調整することによって、真空チャンバ
1内における特定のガス成分の濃度を一定に保持させる
ようにした制御手段が設けられている。この制御手段
は、真空チャンバ1内における特定のガス成分の濃度を
測定する質量分析型センサなどの濃度計17で実現され
る濃度測定手段と、この濃度計17が測定した濃度信号
が導入されることによって前記流量調整弁8の弁開閉駆
動部に対して弁開度の調整出力を与えて、前記濃度を一
定に保つようにするコントローラ18で実現されるガス
流量制御手段とにより形成される。
【0039】このような制御手段が設けられてなること
により、真空チャンバ内の反応原料ガスの濃度を一定さ
せてウエハW処理を高精度下で安定的に行わせることが
可能である。
【0040】図2には、本発明の第2の実施の形態に係
る真空排気システムの系統図が示される。図示の実施の
形態において、前記第1の実施の形態に類似し、対応す
る部材には同一の参照符号を付してそれぞれの詳細な説
明は省略する。
【0041】上記の第2の実施形態に関して特徴とされ
る構成について述べると、この真空排気システムは、ダ
イヤモンド薄膜をマイクロ波プラズマCVD合成するの
に用いられる円筒型石英管で真空チャンバ1を形成した
装置の例である。この場合、真空チャンバ1内では円筒
軸方向(図2上では水平方向)に大きなガス流速が生じ
ることになり、したがって、プラズマP発生個所の上流
側(図2上では右側壁部)から反応原料ガス及びプラズ
マ発生のキャリアガスの供給と循環ガスの導入を行わせ
ながら、下流側(図2上では左側壁部)から排気を行わ
せるとともに、ウエハW位置をプラズマP発生個所の下
流に少し離して設定することによって、プラズマP中で
生成される特定寿命のラジカル/プリカーサーを選択的
に、ウエハW表面に反応させることが可能となり、より
膜質の高い成膜が実現する可能性が大きくなる利点があ
る。
【0042】図3には、本発明の第3の実施の形態に係
る真空排気システムの系統図が示される。図示の実施の
形態において、前記第1の実施の形態に類似し、対応す
る部材には同一の参照符号を付してそれぞれの詳細な説
明は省略する。
【0043】上記の第2の実施形態に関して特徴とされ
る構成について以下に述べると、この真空排気システム
は、真空チャンバ1の排気口に設けられるゲート弁7の
流出ポートで排気系統2とガス循環系統3とに分岐し
て、排気系統2には圧力保持用低圧真空ポンプ5を、ガ
ス循環系統3にはガス循環用低圧真空ポンプ4を、それ
ぞれ並列的関係に配設した回路構成とした点が特徴付け
られるところであり、原理的には低圧真空ポンプが直列
的関係に設けられてなる前記第1の実施形態と等価とな
る。但し、第1の実施形態に比較して配管系などが大掛
かりにならざるを得なくまた、ガス供給/補給を止めて
ベース真空を出す動作での排気能力、到達能力が直列系
に比して劣ることを除いては、第1の実施形態のものと
同効を奏するものである。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0045】本発明によれば、プラズマ処理を目的とし
たプラズマ発生機構が収設された真空チャンバに反応原
料ガスおよびプラズマ発生のキャリアガスを導入し、該
導入ガスを真空チャンバ内から排気した後、その排気さ
れたガスの一部を再び真空チャンバ内に戻す真空排気装
置が備えられる真空システムにおいて、ガス循環によっ
て真空チャンバ内に大きなガス流速を生ぜしめるととも
に、真空チャンバ内の圧力をガス流速とは独立に一定値
に安定化でき、しかも真空排気装置をコンパクトに実現
化することができる。
【0046】さらに、循環させたガスから不要な成分を
除去することによって真空チャンバ内での反応を正しく
行わせることが可能となり、真空システムの信頼性及び
経済性を高揚する優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る真空排気シス
テムの系統図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る真空排気シス
テムの系統図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る真空排気シス
テムの系統図である。
【図4】従来例の真空排気システムの系統図である。
【図5】先行技術に係る真空排気システムの系統図であ
る。
【図6】一般の真空ポンプの排気特性を示す流量−吸気
圧力関係線図である。
【図7】一般の真空ポンプの排気特性を示す圧縮比−排
気速度関係線図である。
【符号の説明】
1…真空チヤンバ 2…排気系統 3
…ガス循環系統 4…前段(ガス循環用)低圧真空ポンプ 5…後段(圧力保持用)低圧真空ポンプ 6
…粗引きポンプ 7…ゲート弁 8…流量調整弁 9
…微粒子フィルタ 10…吸着フィルタ 11…吸着ポンプ 1
2…ガス供給管 13…反応原料ガスボンベ 14…キャリア
ガスボンベ 15…マスフロー弁 16…マスフロー弁 1
7…濃度計 18…コントローラ 19…真空ポンプ 2
0…真空ポンプ 21…粗引きポンプ G…ガス流
P…プラズマ W…ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 楠見 之博 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 釘宮 敏洋 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 鈴木 康平 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 3H031 DA01 DA02 DA07 EA00 EA03 EA11 EA15 FA00 FA37 FA38 3H076 AA16 AA21 AA37 AA38 AA40 BB11 BB13 BB33 BB38 BB43 CC41 CC51 CC91 CC94 CC95 CC99

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ処理のためのプラズマ発生機構
    が収設された真空チャンバに反応原料ガスおよびプラズ
    マ発生のキャリアガスを導入し、該導入ガスを真空チャ
    ンバ内から排気した後、その排気されたガスの一部を再
    び真空チャンバ内に戻す真空排気装置が備えられる真空
    システムにおいて、前記真空排気装置の排気経路に、上
    流側から前段低圧真空ポンプ、後段低圧真空ポンプ、粗
    引きポンプを直列に連結して備える排気系統と、前記両
    低圧真空ポンプの連結部から分岐して前記真空チャンバ
    につながらせ、前段低圧真空ポンプで排気されたガスの
    一部を再び真空チャンバ内に戻すためのガス循環系統と
    が設けられてなり、前段低圧真空ポンプは、圧縮比が小
    さいときに比較的大きい排気速度を有するポンプであ
    り、後段低圧真空ポンプは、真空チャンバからの排気ガ
    ス流量と後続の粗引きポンプの能力に対して真空チャン
    バ内を所定の圧力に保つのに十分な圧縮能力及び比較的
    小さな排気速度を有するポンプであることを特徴とする
    真空排気システム。
  2. 【請求項2】 プラズマ処理のためのプラズマ発生機構
    が収設された真空チャンバに反応原料ガスおよびプラズ
    マ発生のキャリアガスを導入し、該導入ガスを真空チャ
    ンバ内から排気した後、その排気されたガスの一部を再
    び真空チャンバ内に戻す真空排気装置が備えられる真空
    システムにおいて、前記真空排気装置の排気経路に、上
    流側から圧力保持用低圧真空ポンプ、粗引きポンプを直
    列に連結して備える排気系統と、前記圧力保持用低圧真
    空ポンプの吸入管路から分岐して前記真空チャンバにつ
    ながらせる管路中にガス循環用低圧真空ポンプが備えら
    れ、真空チャンバから排気され圧力保持用低圧真空ポン
    プに至るガスの一部を再び真空チャンバ内に戻すための
    ガス循環系統とが設けられてなり、ガス循環用低圧真空
    ポンプは、圧縮比が小さいときに比較的大きい排気速度
    を有するポンプであり、圧力保持用低圧真空ポンプは、
    真空チャンバからの排気ガス流量と後続の粗引きポンプ
    の能力に対して真空チャンバ内を所定の圧力に保つのに
    十分な圧縮能力及び比較的小さな排気速度を有するポン
    プであることを特徴とする真空排気システム。
  3. 【請求項3】 前段低圧真空ポンプは、駆動系及び排気
    系に潤滑油を用いないオイルフリーポンプと、少なくと
    も排気系に潤滑油を用いないドライポンプとの何れかで
    ある請求項1記載の真空排気システム。
  4. 【請求項4】 前記ガス循環系統に、コンダクタンスが
    調節可能な流量可変バルブが介設される請求項1又は2
    に記載の真空排気システム。
  5. 【請求項5】 前記ガス循環系統に、特定の大きさ以上
    の微粒子を除去する微粒子除去手段が介設される請求項
    1又は2に記載の真空排気システム。
  6. 【請求項6】 前記ガス循環系統に、前記キャリアガス
    を除き特定のガス成分を除去するガス除去手段が介設さ
    れる請求項1又は2に記載の真空排気システム。
  7. 【請求項7】 真空チャンバ内における特定のガス成分
    の濃度を測定する濃度測定手段と、この濃度測定手段が
    測定した前記濃度を一定に保つように真空チャンバに導
    入する前記反応原料ガスの流量を調整するガス流量制御
    手段とを備える請求項1、2、3、4、5又は6に記載
    の真空排気システム。
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US20120132800A1 (en) * 2009-08-14 2012-05-31 Edwards Limited Vacuum system
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