JP2001003330A - 付着物除去具 - Google Patents

付着物除去具

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JP2001003330A
JP2001003330A JP11179896A JP17989699A JP2001003330A JP 2001003330 A JP2001003330 A JP 2001003330A JP 11179896 A JP11179896 A JP 11179896A JP 17989699 A JP17989699 A JP 17989699A JP 2001003330 A JP2001003330 A JP 2001003330A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建造物の水に浸かる柱状部位に付着する貝類等
の付着物を、簡易な構成でコストアップを招くことなく
確実に除去することができると共に、容易に回収するこ
とも可能であり、自然環境に対しても何ら悪影響を及ぼ
すことのない付着物除去具を提供する。 【解決手段】柱状部位Aに周回させる複数の環状体11
と、水上に浮いて各環状体11を所定位置にとどめる浮
体20を有し、各環状体11の内周側に、柱状部位Aの
外周面をこすり付着物を剥ぎ取る除去部12を設ける。
また、最下端の環状体11に、気嚢50を介して袋体4
0を取り付ける。袋体40により、剥ぎ取られた付着物
を回収し得る。また、ホース51から気嚢50に気体を
充填すると、気嚢50が膨脹する圧力により、気嚢50
と環状体11とを連結していた連結索42が引き千切ら
れて、気嚢50の浮力により水面上に浮かんだ袋体40
を容易に水面上より回収することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中あるいは水上
に構築する建造物の水に浸かる柱状部位に装着され、該
柱状部位に付着する貝類等の付着物を除去する付着物除
去具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば海上に架ける橋等の構造物
は、その橋脚や支柱等が海中に略垂直に立設されること
になる。この海中に浸かる柱状部位は各種の貝類等、い
わゆる付着生物の生活の場となり、貝類等の付着により
構造物の土台部分の劣化が進んでしまう虞があった。
【0003】そのため、前記柱状部位に付着した貝類等
を、作業者が定期的に剥ぎ取るような除去作業が必要で
あったが、かかる作業は煩わしく、時間がかかり、人件
費が嵩む等、コストアップの要因となっていた。このよ
うな不都合を解消するために、前記柱状部位に付着生物
が付着しにくいFRP製のシートを被覆したり、あるい
は付着生物が嫌う特殊な塗料を塗布したりする処理も実
施されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の貝類等の除去技術では、柱状部位にFR
P製シートを被覆した場合、確かにシート表面上には貝
類は付着しにくいが、シートの上下端縁の隙間より貝類
が入り込み、シート内面と柱状部位外周との間で貝類が
増殖することにより、シートが剥離してしまう場合が多
々あった。
【0005】また、柱状部位に特殊塗料を塗布した場
合、付着生物に対して毒性があるために忌避効果がある
という事実に鑑みて、自然環境への影響が懸念されてい
た。さらにまた、定期的に剥ぎ取った貝類等の回収作業
も非常に面倒であるという問題もあった。
【0006】本発明は、以上のような従来技術が有する
問題点に着目してなされたもので、建造物の水に浸かる
柱状部位に付着する貝類等の付着物を、簡易な構成でコ
ストアップを招くことなく確実に除去することができる
と共に、容易に回収することも可能であり、自然環境に
対しても何ら悪影響を及ぼすことのない付着物除去具を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ための本発明の要旨とするところは、以下の各項に存す
る。 [1]水中あるいは水上に構築する建造物の水に浸かる
柱状部位(A)に装着され、該柱状部位(A)に付着す
る貝類等の付着物を除去する付着物除去具(10)にお
いて、略垂直に立設された前記柱状部位(A)に周回さ
せる環状体(11)と、該環状体(11)に線材(3
1)を介して連結された状態で水上に浮き、前記環状体
(11)を所定の上下位置にとどめる浮体(20)と、
前記環状体(11)に着脱自在に取り付けられた袋体
(40)とから成り、前記環状体(11)の内周側に、
前記柱状部位(A)の外周面をこするよう当接して付着
物を剥ぎ取る除去部(12)を設け、前記袋体(40)
は、膨脹可能に折り畳まれた気嚢(50)に止着され、
該気嚢(50)は、膨脹した際の圧力で千切れる連結索
(42)により前記環状体(11)に連結され、該気嚢
(50)を介して前記袋体(40)は、剥ぎ取られた付
着物を回収し得る状態に展開すべく前記環状体(11)
に取り付けられ、前記気嚢(50)には、その内部に気
体を充填するホース(51)の下端口が連結され、該ホ
ース(51)の上端口は水面上の適所に延ばされ、該ホ
ース(51)を介して前記気嚢(50)に気体を充填す
ることで前記連結索(42)が千切れた際、気嚢(5
0)の浮力により水面上に浮かんだ前記袋体(40)を
前記ホース(51)を伝って回収可能に構成したことを
特徴とする付着物除去具(10)。
【0008】[2]前記環状体(11)は、柱状部位
(A)の軸心方向に所定間隔をおいて複数連結され、各
環状体(11)のうち最下端に位置する環状体(11)
に、前記袋体(40)を着脱自在に取り付けたことを特
徴とする[1]記載の付着物除去具(10)。
【0009】[3]前記環状体(11)は、柱状部位
(A)の軸心方向に所定間隔をおいて複数連結され、各
環状体(11)に、それぞれ前記袋体(40)を着脱自
在に取り付けたことを特徴とする[1]記載の付着物除
去具(10)。
【0010】[4]前記各環状体(11)の外周側に、
各環状体(11)を相互に連結するための線材(31)
の途中を着脱可能に連結する止着部を設け、線材(3
1)の上端側に前記浮体(20)を連結したことを特徴
とする[2]または[3]記載の付着物除去具(1
0)。
【0011】[5]前記環状体(11)は、廃品である
古タイヤ(11a)の一端を切断して、前記柱状部位
(A)の外周より大きめの径になるよう連結材(11
b)で古タイヤ(11a)の切断箇所を相互につなげて
形成し、前記古タイヤ(11a)の内周側に、前記除去
部(12)として発泡樹脂を吹き付けて構成したことを
特徴とする[1],[2],[3]または[4]記載の
付着物除去具(10)。
【0012】[6]前記気嚢(50)は、廃品である古
タイヤ(11a)のチューブ(50)から成ることを特
徴とする[1],[2],[3],[4]または[5]
記載の付着物除去具(10)。
【0013】次に前述した発明に基づく作用を説明す
る。本発明に係る付着物除去具(10)では、構造物の
水の浸かる柱状部位(A)に、環状体(11)を周回さ
せるように装着するが、環状体(11)は、線材(3
1)を介して連結された浮体(20)の浮力により、柱
状部位(A)途中の所定の上下位置にとどまる。
【0014】潮の満ち引きによる水位の変化や波の発生
等により、浮体(20)が上下変動すると、それに伴い
環状体(11)が柱状部位(A)の軸心方向に移動す
る。このとき環状体(11)の内周側にある除去部(1
2)が、柱状部位(A)の外周面をこするよう当接する
ため付着物は剥ぎ取られる。このように簡易な構成で、
しかも特別な動力を用いることなく自然の力だけで、構
造物に貝類等の付着物が付着するのを確実に防止するこ
とができる。
【0015】また、前記環状体(11)には気嚢(5
0)を介して袋体(40)が取り付けられており、この
袋体(40)は、剥ぎ取られた付着物を回収し得るよう
に展開した状態に維持される。そのため、柱状部位
(A)から剥ぎ取られた付着物は投棄されることなく、
そのまま袋体(40)によって効率よく回収することが
できる。
【0016】袋体(40)内に付着物が相当溜まった
ら、その重量により付着物除去具(10)全体が沈むお
それがあるので、付着物を適宜回収する必要がある。か
かる場合には、先ず水面上の適所に延ばされているホー
ス(51)から前記気嚢(50)に気体を充填する。
【0017】すると気嚢(50)が膨脹する圧力によ
り、気嚢(50)と環状体(11)とを連結していた連
結索(42)が引き千切られて、気嚢(50)に止着さ
れている袋体(40)は環状体(11)から解放され
る。そこで、気嚢(50)の浮力により水面上に浮かん
だ袋体(40)を、前記ホース(51)を手繰って容易
に水面上より回収することができる。
【0018】前記環状体(11)は1つとは限らず、柱
状部位(A)の軸心方向に所定間隔をおいて複数連結し
てもよい。それにより、相当長い柱状部位(A)であっ
ても、その全長に亘り隈無く付着物を除去することがで
きる。かかる場合、前記袋体(40)は、最下端に位置
する環状体(11)だけに設けてもよく、あるいは総て
の環状体(11)にそれぞれ設けてもよい。
【0019】また、各環状体(11)の外周側に、各環
状体(11)を相互に連結するための線材(31)の途
中を着脱可能に連結する止着部を設ければ、何れか一の
環状体(11)やその除去部(12)が破損した場合
に、当該環状体(11)が各環状体(11)の間にあっ
ても、破損した環状体(11)だけを簡単に外すことが
でき、新しいものと容易に交換することができる。
【0020】このように複数の環状体(11)を線材
(31)で連結するような場合には、線材(31)の上
端側をそのまま水面まで延ばして上端に前記浮体(2
0)を連結すればよい。なお、環状体(11)全体が相
当の重量を有する場合には、各環状体(11)自体に適
度な浮力を持たせるように設定してもよい。
【0021】また、前記環状体(11)は廃品である古
タイヤ(11a)の一端を切断して、前記柱状部位
(A)の外周より大きめの径になるように、連結材(1
1b)で古タイヤ(11a)の切断箇所を相互につなげ
て形成すれば、製造コストがより低減され、しかも処分
に困る廃品を有効利用することができる。
【0022】ここで前記古タイヤ(11a)の内周側
に、前記除去部(12)として発泡樹脂を吹き付けれ
ば、除去部(12)を柱状部位(A)の断面形状に合致
する最適な形状に容易に成形でき、また、環状体(1
1)自体に浮力を持たせることができる。なお、発泡樹
脂としては、発泡ウレタンが優れる。
【0023】さらにまた、前記気嚢(50)も、廃品で
ある古タイヤ(11a)のチューブ(50)を用いれ
ば、よりいっそうと製造コストが低減されると共に、処
分に困る廃品を有効利用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明を代表
する実施の形態を説明する。図1〜図7は本発明の実施
の形態を示している。図1に示すように、付着物除去具
10は、海中あるいは海上に構築する建造物の水に浸か
る柱状部位Aに装着され、該柱状部位Aに付着する貝類
等の付着物を除去するものである。
【0025】付着物除去具10は、略垂直に立設された
柱状部位Aに周回させる環状体11と、この環状体11
にチェーン(線材)30を介して連結された状態で海上
に浮き、前記環状体11を所定の上下位置にとどめる浮
体20と、前記環状体11に着脱自在に取り付けられた
袋体40とから成る。
【0026】図2,図5に示すように、環状体11は、
廃品である古タイヤ11aの一端を切断して、前記柱状
部位Aの外周より大きめの径になるよう連結材11bで
古タイヤ11aの切断箇所を相互につなげて形成されて
いる。
【0027】連結材11bも古タイヤの切れ端から成
り、連結材11bは所望の長さに切断された後、その両
端が古タイヤ11aの切断箇所にボルト止めされる。連
結材11bの一端側は柱状部位Aに装着してからボルト
止めすればよく、あるいは予め環状に形成しておいた環
状体11を、柱状部位Aの端部より挿通させるように装
着してもよい。
【0028】環状体11の内周側には、柱状部位Aの外
周面をこするよう当接して付着物を剥ぎ取る除去部12
が設けられている。この除去部12は、本実施の形態で
は図5に示す如く、古タイヤ11aの内周側にそのまま
発泡ウレタン(発泡樹脂)を吹き付けて成る。
【0029】前記除去部12は、柱状部位Aの外周面を
傷付けない程度の弾性ないし固さがあり、貝類等にぶつ
かって剥ぎ取ることができるものであれば何でもよい。
また、図6に示すように、古タイヤ11aの内周側に、
細幅である自転車の古タイヤ11c等を絡ませるように
巻き付けた上に、発泡ウレタンを吹き付けて除去部12
を形成してもよい。この場合、除去部12の強度と弾性
を高めることができる。
【0030】図1に示すように、環状体11は、柱状部
位Aの軸心方向に所定間隔をおいて複数連結されてい
る。本実施の形態では、環状体11は3個連結されてい
るが、環状体11の個数やそれぞれの間隔は、柱状部位
Aの長さや潮の満ち引き等を考慮して、適宜設定すれば
よい。
【0031】図2に示すように、各環状体11の外周側
に、各環状体11を相互に連結するためのチェーン30
の途中を着脱できる止着部31が設けられている。詳し
く言えば、止着部31は、丸カンボルト32と、そのボ
ルト部に貫装させてナットで締結する角座金33と、丸
カンボルト32のカン部につなげた状態で、チェーン3
0途中に止着するシャックル34とから成る。
【0032】チェーン30の上端には浮体20が連結さ
れている。浮体20は、図1および図7に示すように、
各環状体11やこれらを連結するチェーン30を所定位
置に支えうる浮力を有するものであり、その形や大きさ
は浮力を考慮した上で任意に設定すればよい。
【0033】図1に示すように、各環状体11のうち最
下端に位置する環状体11には、剥ぎ取られた付着物を
回収する袋体40が着脱可能に取り付けられている。こ
こで袋体40は、網の目が付着物よりも細かいメッシュ
製のものであり、その開口縁41の大きさは、環状体1
1の外径よりもやや大きめに形成されている。
【0034】図1,3に示すように、袋体40の開口縁
41の一部は、膨脹可能に折り畳まれた気嚢50に止着
されている。気嚢50は、前記古タイヤ11aの内部に
あったチューブをそのまま利用したものであり、空気を
減らして2つ折りに予め折り畳んだ状態で連結索42に
より結束されている。
【0035】気嚢50は、膨脹した際の圧力で千切れる
連結索42により環状体11の外周に沿うように連結さ
れている。すなわち、前記袋体40は、気嚢50を介し
て環状体11に取り付けられている。ここで袋体40
は、環状体11から剥ぎ取られた付着物を回収し得る状
態に展開される。
【0036】詳しくは図4に示すように、袋体40の開
口縁41の一部は、環状体11の外周に沿った気嚢50
に一体に止着されているが、開口縁41の他の部分が、
なるべく柱状部位Aの外周に沿って展開するようになっ
ている。
【0037】また、図1に示すように、袋体40の底に
は、該袋体40を最良な形状に維持するための錘60が
入れられている。この錘60も、古タイヤ11aの切れ
端をそのまま用いたものである。
【0038】気嚢50は、膨脹した際の圧力で千切れる
連結索42により環状体11に連結されているが、この
連結索42は、折り畳まれた気嚢50の長手方向におけ
る3箇所に結束されている。連結索42は、例えばアル
ミニウムあるいは亜鉛製の細目のワイヤーであり、具体
的には気嚢50に対する空気圧が0.2kg/立方cm
位で千切れる程度の強度のものが選択される。
【0039】また、気嚢50には、その内部に空気(気
体)を充填するためのホース51の下端口が連結されて
おり、該ホース51の上端口は水面上の適所に延ばされ
ている。ここでホース51の全長は余裕を持った長さに
設定され、ホース51の上端口は、浮体20あるいは柱
状部位A等に、水が入らぬようキャップ等を付けた状態
で止着しておくとよい。
【0040】気嚢50は、前記ホース51を介して空気
を充填することで前記連結索41が千切れた際に、その
浮力により前記袋体40共々水面上に浮かぶように設定
されている。すなわち、袋体40は、前記ホース51を
手繰ることで気嚢50と共に容易に回収できるようにな
っている。なお、ホース51とは別に、袋体40または
気嚢50に誘導用のロープ等を予め結束しておき、この
ロープの一端を水面上の適所に延ばしておいてもよい。
【0041】次に作用を説明する。付着物除去具10の
環状体11は、廃品である古タイヤ11aの一端を切断
して、実際装着する柱状部位Aの外周より大きめの径に
なるよう連結材11bで、古タイヤ11aの切断箇所を
相互につなげて形成する。ここで連結材11bも古タイ
ヤの切れ端を利用すればよい。このように古タイヤを材
料として使うことにより、製造コストが大幅に低減さ
れ、しかも処分に困る廃品を有効利用することができ
る。
【0042】連結材11bの長さを変えることで、様々
な大きさの柱状部位Aの外径に適宜対応させることがで
きる。もちろん古タイヤ11aの内径が柱状部位Aの外
径に最初から合う場合は、切断せずにそのまま利用すれ
ばよい。連結材11bの両端は、古タイヤ11aの切断
箇所にボルト止めするが、連結材11bの一端のみ予め
ボルト止めしておき、他端は柱状部位Aに装着した後で
ボルト止めすれば、柱状部位Aを周回させた状態で容易
に装着することができる。
【0043】図5において、環状体11の内周側には、
スプレーガンBを使って発泡ウレタンを吹き付け除去部
12を形成すれば、かかる除去部12を柱状部位Aの断
面形状に合致する最適な形状に容易に成形することがで
きる。ここで発泡ウレタンを吹き付ける際には、前記連
結材11bの後から止着する一端側と、これを止着する
古タイヤ11aの止着箇所には発泡ウレタンがかからな
いようにするとよく、あるいは後から発泡ウレタンを部
分的に除去してもよい。
【0044】また、図6に示すように、古タイヤ11a
の内周側に、細幅である自転車の古タイヤ11c等を絡
ませるように巻き付けた上に、発泡ウレタンを吹き付け
て除去部12を形成してもよい。この場合、除去部12
の強度と弾性を高めることができる。なお、除去部12
を発泡ウレタンで形成したことにより、発泡ウレタンの
性質上、環状体11自体に適度な浮力を付与することが
できる。
【0045】図1に示すように、前記環状体11は、柱
状部位Aの軸心方向に所定間隔をおいて複数連結する。
本実施の形態では、環状体11は3個連結されている
が、環状体11の個数やそれぞれの間隔は、図7に示す
ように、柱状部位Aの長さや潮の満ち引き等を考慮し
て、適宜設定すればよい。
【0046】各環状体11を連結するには、各環状体1
1の外周側に設けた止着部31にチェーン30の途中を
つなげればよい。詳しく言えば、図2において、丸カン
ボルト32のカン部につなげてあるシャックル34によ
り、チェーン30の途中を適当な位置で動かぬように止
着すればよい。
【0047】このような止着部31によれば、シャック
ル34をチェーン30途中から外すだけで、個々の環状
体11を容易に取り外すことができる。従って、何れか
一の環状体11やその除去部12が破損した場合には、
当該環状体11が各環状体11の間にあっても、破損し
た環状体11だけを簡単に外すことができ、新しいもの
と容易に交換することができる。
【0048】図7,図1に示すように、各環状体11
は、チェーン30の上端に連結された浮体20の浮力に
より、柱状部位A途中の所定の上下位置にとどまる。か
かる状態にて、潮の満ち引きによる水位の変化や波の発
生等により、浮体20が上下変動すると、それに伴い各
環状体11は柱状部位Aの軸心方向に移動する。このと
き各環状体11の内周側にある除去部12が、柱状部位
Aの外周面をこするよう当接するため付着物は剥ぎ取ら
れる。
【0049】以上のように、本実施の形態に係る付着物
除去具10によれば、簡易な構成でしかも特別な動力を
用いることなく自然の力だけで、相当長い柱状部位Aで
あっても、その全長に亘り隈無く、貝類等の付着物が付
着することを確実に防止することができる。
【0050】また、前記環状体11には気嚢50を介し
て袋体40が取り付けられており、図4に示すように袋
体40は、剥ぎ取られた付着物を回収し得るように展開
した状態に維持される。そのため、柱状部位Aから剥ぎ
取られた付着物は投棄されることなく、そのまま袋体4
0によって効率よく回収することができる。
【0051】袋体40内に付着物が相当溜まったら、そ
の重量により付着物除去具10全体が沈むおそれがある
ので、付着物を適宜回収する必要がある。かかる場合に
は、先ず水面上の適所に延ばされているホース51から
前記気嚢50に気体を充填する。
【0052】すると気嚢50が膨脹する圧力により、気
嚢50と環状体11とを連結していた連結索42が引き
千切られて、気嚢50と共に袋体40は環状体11から
解放される。そこで、気嚢50の浮力により水面上に浮
かんだ袋体40を、前記ホース51を手繰って容易に水
面上より回収することができる。
【0053】もちろん、袋体40か気嚢50に予めロー
プ等をつないでおき、これにより袋体40等を引っ張る
ようにしてもよい。また前記気嚢50も、廃品である古
タイヤ11aのチューブをそのまま用いているので、よ
りいっそう製造コストが低減されると共に、処分に困る
廃品を有効利用することができる。
【0054】また、前記実施の形態では、前記袋体40
を最下端に位置する環状体11だけに設けたが、別の実
施の形態として、各環状体11間の間隔を大きくとっ
て、総ての環状体11に袋体40を取り付けるように構
成してもよい。さらにまた、前記実施の形態では、複数
の環状体11を柱状部位Aの軸心方向に所定間隔をおい
て連結したが、環状体11を1つだけで構成してもよ
い。
【0055】なお、本発明に係る付着物除去具は、前述
した各種実施の形態に限定されるものではなく、例え
ば、環状体は必ずしも古タイヤを利用しなければならな
いものではなく、柱状部位の断面形状に合わせて合成樹
脂等で成形してもよい。また、除去部を成す発泡樹脂
は、発泡ウレタンに限定されるものではない。また、袋
体40は、下方に落下する付着物を受け取れる構造のも
のであればよく、例えばネット材を筒状に結束して形成
したものでもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る付着物除去具によれば、柱
状部位に周回させる環状体と、水上に浮いて環状体を所
定の上下位置にとどめる浮体とから成り、環状体の内周
側に、柱状部位の外周面をこすって付着物を剥ぎ取る除
去部を設けたから、潮の満ち引きによる水位の変化や波
の発生等により、浮体が上下変動すると、それに伴い環
状体が柱状部位の軸心方向に移動し、除去部が柱状部位
の外周面をこするよう当接するため、このように簡易な
構成で、しかも特別な動力を用いることなく自然の力だ
けで、柱状部位に貝類等が付着することを確実に防止す
ることができる。
【0057】また、前記環状体には気嚢を介して袋体が
取り付けられており、この袋体は、剥ぎ取られた付着物
を回収し得るように展開した状態に維持されるため、柱
状部位から剥ぎ取られた付着物は投棄されることなく、
そのまま袋体によって効率よく回収することができる。
【0058】さらにまた、ホースから前記気嚢に気体を
充填すると、気嚢が膨脹する圧力により、気嚢と環状体
とを連結していた連結索が引き千切られて、気嚢に止着
されている袋体は環状体から解放されるため、気嚢の浮
力により水面上に浮かんだ袋体を、前記ホースを手繰っ
て容易に水面上より回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具を示
す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具の要
部を拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具の袋
体の取付構造を拡大して示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具の袋
体の取付構造を拡大して示す平面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具を構
成する環状体の製造工程を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具を構
成する環状体の製造工程を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る付着物除去具の作
用を説明するための模式図である。
【符号の説明】
A…柱状部位 10…付着物除去具 11…環状体 11a…古タイヤ 11b…連結材 12…除去部 20…浮体 30…チェーン 31…止着部 32…丸カンボルト 33…角座金 34…シャックル 40…袋体 41…開口縁 42…連結索 50…気嚢 51…ホース 60…錘

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水中あるいは水上に構築する建造物の水に
    浸かる柱状部位に装着され、該柱状部位に付着する貝類
    等の付着物を除去する付着物除去具において、 略垂直に立設された前記柱状部位に周回させる環状体
    と、該環状体に線材を介して連結された状態で水上に浮
    き、前記環状体を所定の上下位置にとどめる浮体と、前
    記環状体に着脱自在に取り付けられた袋体とから成り、 前記環状体の内周側に、前記柱状部位の外周面をこする
    よう当接して付着物を剥ぎ取る除去部を設け、 前記袋体は、膨脹可能に折り畳まれた気嚢に止着され、
    該気嚢は、膨脹した際の圧力で千切れる連結索により前
    記環状体に連結され、該気嚢を介して前記袋体は、剥ぎ
    取られた付着物を回収し得る状態に展開すべく前記環状
    体に取り付けられ、 前記気嚢には、その内部に気体を充填するホースの下端
    口が連結され、該ホースの上端口は水面上の適所に延ば
    され、該ホースを介して前記気嚢に気体を充填すること
    で前記連結索が千切れた際、気嚢の浮力により水面上に
    浮かんだ前記袋体を前記ホースを伝って回収可能に構成
    したことを特徴とする付着物除去具。
  2. 【請求項2】前記環状体は、柱状部位の軸心方向に所定
    間隔をおいて複数連結され、 各環状体のうち最下端に位置する環状体に、前記袋体を
    着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の
    付着物除去具。
  3. 【請求項3】前記環状体は、柱状部位の軸心方向に所定
    間隔をおいて複数連結され、 各環状体に、それぞれ前記袋体を着脱自在に取り付けた
    ことを特徴とする請求項1記載の付着物除去具。
  4. 【請求項4】前記各環状体の外周側に、各環状体を相互
    に連結するための線材の途中を着脱可能に連結する止着
    部を設け、線材の上端側に前記浮体を連結したことを特
    徴とする請求項2または3記載の付着物除去具。
  5. 【請求項5】前記環状体は、廃品である古タイヤの一端
    を切断して、前記柱状部位の外周より大きめの径になる
    よう連結材で古タイヤの切断箇所を相互につなげて形成
    し、前記古タイヤの内周側に、前記除去部として発泡樹
    脂を吹き付けて構成したことを特徴とする請求項1,
    2,3または4記載の付着物除去具。
  6. 【請求項6】前記気嚢は、廃品である古タイヤのチュー
    ブから成ることを特徴とする請求項1,2,3,4また
    は5記載の付着物除去具。
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