JP2001003287A - リグノセルロース物質の酸素脱リグニン - Google Patents

リグノセルロース物質の酸素脱リグニン

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JP2001003287A
JP2001003287A JP2000176554A JP2000176554A JP2001003287A JP 2001003287 A JP2001003287 A JP 2001003287A JP 2000176554 A JP2000176554 A JP 2000176554A JP 2000176554 A JP2000176554 A JP 2000176554A JP 2001003287 A JP2001003287 A JP 2001003287A
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stage
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alkali
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Jorge Luiz Colodette
ジョージ・ルイース・コロデッテ
Campos Henriques De Brito Ana Sabina De
アナ・サビーナ・デ・カンポス・エンリケス・デ・ブリトー
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Praxair Technology Inc
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    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C9/00After-treatment of cellulose pulp, e.g. of wood pulp, or cotton linters ; Treatment of dilute or dewatered pulp or process improvement taking place after obtaining the raw cellulosic material and not provided for elsewhere
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二段階酸素脱リグニンプラントの1つの段階
を取り除いたパルプの酸素脱リグニン法を提供する。 【解決手段】 パルプ浸漬段階において、パルプ流れを
アルカリ供給物と混合させるのを可能にし、且つパルプ
からの着色物のアルカリ加水分解浸出及びパルプ繊維の
膨潤を許容にするのに十分な時間の間滞留状態に維持す
るのを可能にする。次いで、パルプ流れを酸素供給物と
混合し、そしてミキサーによって処理する。ミキサーの
生成物を過圧容器に送り、ここで酸素はパルプ繊維中の
リグニンと反応する。膨潤したパルプ繊維は、酸素とリ
グニンとの反応及び追加的な着色物の除去を一層容易に
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプの酸素脱リ
グニンに関し、より具体的に言えば、減少した量の資本
設備で済む改良された酸素脱リグニン法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】世界的なパルプ製造業者は、最低インパ
クトミル(MIM)を得るために水の消費量を減少させ
るように努力している。概念上は、最低インパクトミル
は、木材やエネルギーの消費量又は生成物品質に負の影
響を及ぼさずに最小限度の水及び空気放出物を発生する
ものである。MITの功績は、既存のミル作業の多くの
変更調整を要求する緩慢な段階的プロセスである。これ
らは、(1)こぼれの最小限化、(2)木材製造所にお
ける閉水ループ、(3)閉鎖スクリーン室、(4)効率
的な褐色原料洗浄、(5)高収率及び低エネルギー集中
型パルプ化法、(6)拡大された酸素脱リグニン、及び
(7)いくらかの漂白ろ液流れの再使用による部分閉鎖
漂白プラントを包含する。
【0003】バージン(処女)又は再循環繊維から生じ
たリグノセルロースパルプは発色性化合物を含有する
が、これらの化合物は艶のある高品質パルプを製造する
ためには漂白作業の間に除去されなければならない。バ
ージン又は再循環パルプ繊維からのかかる化合物の除去
は、通常、一段階においてしかしより一般的には、次の
化学物質、即ち、酸素、オゾン、塩素、次亜塩素酸塩、
二酸化塩素、過酸化水素、過酸、キレート化剤、アルカ
リ、酵素等のうちの2種又はそれ以上を含むことができ
る一連の化学処理において行われる。漂白プロセスの開
始時にパルプに酸素処理が通常適用されて、リグニン、
抽出物、染料、顔料、インキ等のようなパルプ着色物の
大半が除去される。
【0004】パルプ品質及び二酸化塩素による漂白性に
及ぼす酸素脱リグニンの影響について関心を持っている
人もいるにもかかわらず、酸素脱リグニンの使用は世界
的に広まりつつある。ごく最近の傾向は、いわゆる拡大
酸素脱リグニン法に向けられている。これらの中では、
最も顕著な技術は二段法である。これは、その称すると
ころによれば、通常の一段法よりも効率的で且つ選択的
である。拡大酸素脱リグニンはMIMにとって魅力的で
ある。というのは、それは、漂白プラントで除去される
べきリグニンを少なく残し且つより高いカッパー価での
パルプ化の停止を可能にするからである。カッパー価試
験は、蒸解後にパルプ中に残留するリグニンの量を測定
するのに使用される。カッパー価は1gのパルプによっ
て消費される0.1N過マンガン酸カリウム溶液のミリ
リットル数と規定され、そして初期に添加された過マン
ガン酸カリウムの50%消費に補正される。カッパ−価
が高くなる程、パルプ中に存在するリグニンが多くな
り、また、その逆も言える。
【0005】酸素脱リグニンはパルプ化よりも選択的で
あるので、蒸解をより高いカッパー価で停止させそして
酸素脱リグニンによってできるだけ多くのリグニンを除
去することが賢明である。この方法では、プロセス収率
及びミル処理量が増加され、木材消費量が減少され、苛
性化及び回収負荷が減少され、そしてパルプ品質が維持
される。
【0006】一段法と比較して二段階酸素脱リグニン法
の効率及び選択率改善は明らかである。しかしながら、
定量的値を正確に述べることは困難である。というの
は、それらは場所が特定的であるからである。カッパー
価16〜18のユーカリノキクラフトパルプでのミル経
験は、一段法から二段階酸素脱ニグニン法に切り替えた
ときにプロセスを通してカッパー価降下の5〜10%の
増大を示した。この増大は、その称するところによれ
ば、いかなる有意のパルプ粘度低下も伴わずに達成され
ている。
【0007】理想的には、漂白プラントは、低濃度の金
属、塩化物及び有機物を含有する低容量の流出物を生じ
るべきである。かくして、漂白順序の初期段階は、回収
系に容易に循環されるろ液を生成すべきであり、即ち、
それらは、低い塩化物を含有しそして理想的にはアルカ
リ性であるべきである。この概念は、いわゆる元素状塩
素フリー(ECF)光漂白法をもたらしたが、この方法
では拡大酸素脱ニグニンのある形態を必ず必要とする。
【0008】現在実施されている如き二段階酸素脱リグ
ニンでは、高い資本投下が必要である。かくして、EC
F光漂白の目的を有意に減少された資本経費で達成する
拡大酸素脱リグニンが要求されている。
【0009】二段階酸素脱リグニンは、多数の方法にお
いて中間コンシステンシーで実施されることができる。
この技術を装置するのに高い資本投下が必要とされるに
もかかわらず、たいていのものは、後続のECF光漂白
との組み合わせに好適である。というのは、それらは、
硬質木材で40〜50%そして軟質木材で50〜60%
の範囲内の脱リグニン率をもたらすからである。これら
の例としては、(1)中間洗浄を使用して又は使用せず
に高圧での2つの加圧段階、(2)中間洗浄を使用して
又は使用せずに第一段階を高圧でそして第2段階を低圧
で行う2つの加圧段階、(3)中間洗浄を使用して又は
使用せずに第一段階を低圧でそして第二段階を高圧で行
う2つの加圧段階、(4)事例1〜3におけるような2
つの加圧段階であるが、しかしそれらの間にキレート化
による金属除去工程を介在させた2つの加圧段階、
(5)事例1〜3(中間洗浄を使用して)におけるよう
な2つの加圧段階であって、第二段階において過酸化水
素を添加するようにした2つの加圧段階、(6)事例1
〜3におけるような2つの加圧段階であって、それらの
間に酸化的リグニン活性化を介在させた2つの加圧段
階、及び(7)事例1〜3におけるような2つの加圧段
階であって、それらの間に金属及びヘキセンウロン酸等
を除去するための温和な酸加水分解を介在させた2つの
加圧段階が挙げられる。
【0010】解決法1〜6は工業的に実施されたが、解
決策7はなお卓上規模にある。これらの技術はすべて、
ジェイ・バーナ、ディー・ブイ・シー・サレス、イー・
サルバドール及びジェイ・エル・コロデッテ各氏による
“The Effect of Hydrogen Peroxide Addition in the
Second Stage of a Double Stage Oxygen Delignificat
ion Procss”と題する報文(O Papel 58(8):57-66.199
7))に記載されている。
【0011】二段法は、酸素脱リグニン反応速度論によ
りよく適合する。酸素脱ニグニン反応は2つの段階で行
われることが周知である。第一段階は急速であり、そし
て拡散によって制御される。反応の大部分は、遊離フェ
ノール単位を含有する残留リグニン構造に対する酸素及
び他の遊離基の求電子的作用によって急速に行われる。
第二段階は緩慢であり、そしてリグニンに対する酸素及
び他の中間種の求電子的作用のみならず、反応の第一段
階において生成された過酸化物(有機性及び無機性)の
求核性作用を包含するタイプの化学反応によって制御さ
れる。かくして、反応の第一段階では、有意の脱リグニ
ンが行われそしてパルプの白色化はほとんど全く行われ
ないのに対して、第二段階では脱リグニン及び白色化の
両方が行われる。
【0012】第一及び第二段階で生じる脱リグニンの百
分率は論議される事柄であり、そしてそれは、パルプの
種類及び酸素脱リグニンを実施する方法に依存するよう
である。しかしながら、かなりの数の研究者達は、脱リ
グニンの大部分が実際には第一段階で起るのに対して、
白色化の大部分が第二段階で行われるものと信じてい
る。
【0013】プロセスが2つの段階で行われることを考
慮すると、かかる反応速度論を利用するようにプロセス
を設計することは意味をなす。かくして、酸素脱リグニ
ン法は、二段法として実施したときに反応速度論により
適合する。第一段階又は反応は急速であるので、二段法
の第一段階は第二段階よりも短い時間実施することがで
き、そして残りの反応はより長い時間の間実施される第
二段階反応器において行われる。
【0014】図1は、中間段階洗浄を行わない従来技術
の二段階酸素脱リグニン法の概略図を示す。そこには、
2つの高せん断ミキサー10及び12が必要とされ、そ
の1つは第一反応器14の前にそしてもう1つは第二反
応器16の前に配置されることが分かる。第一反応器1
4の前で、酸素及び酸化ホワイトリカー(OWL)、高
アルカリ性液体、及び/又は苛性が添加されるが、しか
し必要ならば、これらの化学剤を反応器14と16との
間で添加することもできる。2つの反応器間での洗浄工
程は任意選択事項であり、そして通常は必要とされな
い。というのは、その有益な効果が疑わしいからであ
る。
【0015】中間洗浄段階18を含む系の配置が図2に
示されている。しかしながら、場合によっては第二反応
器16で過酸化水素を添加することが必要とされるの
で、中間洗浄段階18の存在は、反応での過酸化物損出
及び部分酸化有機物の持ち越しを回避するのに望まし
い。
【0016】第一酸素脱リグニン段階の選択性はアルカ
リ装入量に対してそれ程敏感でないのに対して、効率は
そうであることが分かった。他方、選択性は第二段階で
のアルカリ装入量に対して敏感であるのに対して、効率
はそうでない。これらの事実を考慮すると、第一酸素反
応器14は、効率を最大限にするために高いアルカリ度
において操作されることが好ましい。他方、第二反応器
器16はプロセス選択性を維持するように低いアルカリ
度において操作されるべきである。また、選択性は反応
の第一段階において酸素圧によって負の影響を受けるの
に対して、効率は正の影響を受けることも分かった。他
方、効率及び選択率の両方とも、第二段階において酸素
圧によって正の影響を受ける。かくして、プロセス選択
性を維持するために、第一酸素反応器14は低い酸素圧
で、そして第二酸素反応器16は高い酸素圧で操作され
なければならない。換言すれば、アルカリ装入量は、第
一反応器14では高く、これに対して第二反応器16で
は低く保たれなければならず、そして酸素装入量(分
圧)ではその反対が有効である。かくして、第一反応器
14においてパルプにアルカリの全量を添加し、そして
第二反応器16において残留アルカリのみを使用するこ
とが意味をなす。他方、酸素は2つの反応器の間で分割
されるべきであり、この場合に大きい方の部分が第二反
応器16において適用される。
【0017】2つの段階の間に配置されたミキサー12
の機能は、第二段階で添加された酸素の混合、及び残留
酸素バブル(これは、場合によっては第一反応器で合体
する)の再混合である。アルカリはパルプと容易に混合
するので、それを再混合する必要は全くない。
【0018】また、選択性は反応の第一段階における温
度によって負の影響を受け、これに対して効率は正の影
響を受けることも分かった。他方、温度は効率に正の影
響を及ぼし、そして第二段階において選択性に何ら影響
を及ぼさない。かくして、第一反応器の温度が第二反応
器におけるよりも低くなるようにしてプロセスを実施す
ることが好ましいであろう。
【0019】従来技術の方法では、所望の脱リグニン速
度は図1及び2に示される形態の二段階酸素脱リグニン
法を使用して達成されている。通常の一段階酸素脱リグ
ニン法と比較して、二段法は、装置を配置するのにより
費用がかかる。というのは、それらは多数の装置を必要
とするからである。図1の場合では、追加的な反応器及
びミキサーが要求される。図2の場合では、追加的な反
応器、ミキサー及び洗浄機が要求される。かくして、二
段階酸素脱リグニンを有する利益は、その装置配置に要
求される実質的な資本投下によって妨げられる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、二段階酸素
脱リグニンプラントのうちの1つの段階を取り除いたパ
ルプ脱ニグニン法を提供しようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】発明の概要 具体的に言えば、パルプ浸漬段階において、パルプ流れ
を、アルカリ供給物と混合し、且つパルプからの着色物
のアルカリ加水分解浸出及びパルプ繊維の膨潤を許容に
するのに十分な時間滞留状態に保持するのを可能にす
る。次いで、パルプ流れを酸素供給物と混合し、そして
ミキサーによって処理する。ミキサーの生成物を加圧反
応器に送り、そこで酸素がパルプ繊維のリグニンと反応
する。膨潤したパルプ繊維は、酸素とリグニンとの反応
及び追加的な着色物の除去を一層容易にする。
【0022】本法を実施する第一の好ましい態様では、
中間段階洗浄工程は全く必要とされない。第二具体例で
は、プロセス効率を向上させるために浸漬段階と酸素反
応段階との間で洗浄工程が導入されるが、しかし資本経
費が追加される。
【0023】
【発明の実施の形態】発明の具体的な説明 本発明は、アルカリ及び酸素を使用してリグノセルロー
ス物質から着色化合物を除去する方法における改良に関
するものである。この方法では、パルプは、先ずアルカ
リで処理され、次いで酸素で更に処理される。本発明の
重要な特徴点は、酸素脱リグニンに先立ってパルプをア
ルカリで処理することである。パルプ繊維のアルカリ浸
漬(ソーキング)は、容易に接近可能な着色物のアルカ
リ加水分解/浸出をもたらし、またパルプ繊維の膨潤も
もたらし、かくして後続の酸素脱リグニン段階での着色
物の除去を一層容易にする。その結果、従来の酸素脱リ
グニン法と比較して、着色物の除去速度の5〜10%向
上が達成される。本発明は、従来技術の二段階酸素脱リ
グニン法(ずっと多くの資本投下を必要とする)と同じ
脱リグニン速度の達成を可能にする。
【0024】更に、本発明の方法は、通常よりも高いリ
グニン含量を有するリグノセルロース物質を脱リグニン
するのに特に効果的である。例えば、次のカッパー価、
即ち、軟質木材クラフトパルプでは30〜40、硬質木
材クラフトパルプでは17〜25、そして再循環繊維で
は15〜30のカッパー値を有するパルプに対して本発
明の方法を施すのが好ましい。本明細書では、特に記し
ていなければ、すべての組成は重量百分率で表わされて
いる。
【0025】本発明は、容器においてリグノセルロース
パルプをアルカリで大気圧において処理することを包含
する。この処理(以後、パルプ浸漬と称する)は、約9
〜14そして有益には約101〜12の範囲内のpHで
実施される。パルプ浸漬(ソーキング)のための好まし
い条件は、70〜90℃の温度、10〜12%のコンシ
ステンシー、0.5〜1時間の保持時間、及びパルプ乾
燥重量を基にして1〜2%のアルカリ使用量である。ア
ルカリ使用量は、処理しようとするリグノセルロース物
質の種類に応じて実質上変動することができる。パルプ
浸漬を制御するための好ましい方法は、アルカリ使用量
よりもスラリーのpHを監視することによるものであ
る。カッパー価によって測定したときの浸漬間のリグニ
ン除去は、パルプの初期リグニン含量の関数である。初
期パルプカッパー価が高くなる程、特にパルプを浸漬後
に洗浄又はプレスしたときに、浸漬プロセス間のリグニ
ン除去が効率的になる。
【0026】アルカリ浸漬後、パルプは、後続の酸素脱
リグニン段階に直接送られてもよく、又は通常の洗浄機
で洗浄してもよく、又は洗浄プレスにおいて約30〜3
5%のコンシステンシーに増稠されてもよい。
【0027】浸漬されたパルプは、次いで、中間コンシ
ステンシー酸素脱リグニン段階(以後、O−段階と称す
る)において酸素で処理される。このO−段階は、10
〜12%のコンシステンシー、11〜12のpH、60
〜95℃、60〜90分反応時間、400〜600kP
aの圧力、及び1.2〜2.5%の酸素使用量で操作さ
れる。アルカリ誘発劣化に対してパルプ炭水化物を保護
するために、硫酸マグネシウム等のようなマグネシウム
塩をMg0.01〜0.1重量%(乾燥パルプを基にし
て)そして最も有益にはMg約0.02〜0.03の使
用量で添加することができる。
【0028】マグネシウム塩は、塩とパルプとの混合を
容易にするためにアルカリ添加の前に添加されるべきで
ある。アルカリ及びマグネシウム塩の使用量は、パルプ
浸漬とO−段階との間に洗浄又はプレス工程があるか否
かに左右されることを理解されたい。
【0029】本発明の方法は、図3〜7を参照すること
によってより明確に理解することができよう。図3は、
パルプ浸漬とO−段階との間で洗浄を省いた本発明の方
法を示す。この方法は、パルプ浸漬段階50とO−段階
52との2つの別個の段階を含み、そしてこれらの間で
洗浄又はプレス操作が全く行われない。褐色原料洗浄操
作から生じるパルプは、供給管51を通るMgSO4
及び源54からポンプ56を通るアルカリ(例えば、酸
化ホワイトリカー又は未酸化ホワイトリカーを含むNa
OH)の両方を受け取る。次いで、パルプ/アルカリス
ラリーは高濃度浸漬容器58に大気圧で入り、そこでそ
れは所望の滞留時間留まる。
【0030】次いで、パルプスラリーはO−段階52に
送られ、ここでポンプ60の吸引で追加的なアルカリ及
びマグネシウム塩を添加することができる(必要なら
ば)。しかる後、スラリーは高せん断ミキサー62に入
り、そこで中間圧スチーム及び酸素がそれぞれ供給管6
4及び66によってパルプスラリーに添加される。次い
で、パルプスラリーは加圧反応器68にポンプ送りさ
れ、ここでスラリーは所望の反応時間維持される。反応
が完了した後、パルプはブロー管に排出され、そして後
O−段階洗浄機(図示せず)にポンプ送りされる。
【0031】図4は、パルプスラリーをパルプ浸漬段階
50とO−段階52との間で洗浄する場合の本発明の第
二具体例を示す。この場合では、浸漬後、パルプスラリ
ーはポンプ70によって洗浄機72にポンプ送りされ、
次いで先に記載したように通常のO−段階52に送られ
る。図5は、浸漬段階50での浸漬後に、パルプをレギ
ュラー洗浄機の代わりに洗浄プレス80にポンプ送りす
る場合の第三具体例を示す。この場合では、スラリーは
35〜40%のコンシステンシーまで脱水され、次いで
立て管82に送られ、ここでそれは後続のO−段階から
のろ液で10〜14%のコンシステンシーに希釈され
る。立て管において、パルプは、供給管84によって追
加的なアルカリ及びマグネシウム塩を受け取り、次いで
先に記載したようにして処理するためにO−段階52に
入る。
【0032】本発明の更なる具体例は図6及び7に示さ
れている。図6には、2つの別個の段階、即ち、先ずア
ルカリ浸漬段階100と次いでO−段階102とを含
み、そしてこれらの間で洗浄又はプレス作業を行わない
パルプ処理順序が示されている。図7に示される具体例
は、アルカリ浸漬段階と酸素脱ニグニン段階との間でパ
ルプを洗浄又はプレスするという事実を除いて同じであ
る。これらの方法間の主な差異は、図3〜5に関して先
に記載したものと比較して、酸素処理をより低い反応圧
(静水圧)即ちミニ−Oで実施されることである。この
段階は、10〜12%のコンシステンシー、11〜12
のpH、70〜80℃、60〜120分の反応時間、1
50〜300kPaの圧力(過圧又はヘッド圧)、0.
5〜1.05%の酸素使用量で実施される。パルプ炭水
化物をアルカリ誘発劣化に対して保護するために、硫酸
マグネシウム等のマグネシウム塩(0.02〜0.03
%Mgの使用量)を添加することができる。マグネシウ
ム塩は、塩とパルプとの混合を一層促進させるためにア
ルカリ添加の前に添加されなければならない。アルカリ
及びマグネシウム塩の使用量は、パルプ浸漬とO−段階
との間に洗浄又はプレス工程があるか否かに左右される
ことを理解されたい。
【0033】パルプを洗浄しない場合(図6)では、ア
ルカリ所要量は最小限であって、要求される全量の僅か
約10〜20%で済む。この追加的なアルカリは、浸漬
段階間に消費される部分を補充するのに必要である。他
方、パルプを浸漬後にプレス又は洗浄する場合(即ち、
図7)には、追加的なアルカリが要求される。1〜1.
5%のアルカリ使用量が添加されるべきである。アルカ
リ所要量は、リグノセルロース物質の種類に実質上依存
して変動することを理解されたい。
【0034】浸漬後、パルプスラリーはO−段階に直接
送られ、ここで追加的なアルカリ及びマグネシウム塩が
ポンプの吸引で添加される。その後、スラリーは高せん
断又はスタティックミキサーに入り、ここで中間圧スチ
ーム及び酸素がパルプに添加される。次いで、パルプは
予備保持管104に次いで順流塔106に(又は上流搭
に直接)ポンプ送りされ、ここでそれは所望の反応時間
維持される。予備保持管104は、通常、200kPa
まで加圧され、そして順流塔106が大気圧で操作され
る。逆流搭は大気圧でしかし塔のヘッド圧で操作され
る。酸素が注入されるところの塔の底部における圧力は
塔の高さに左右される。反応の完了後、パルプは後段階
洗浄機にポンプ送りされる(図6)。図7は、中間段階
洗浄系の存在を例示する。
【0035】図3〜7に関して記載した技術の主な利益
は次の通りである。(1)それらは、二段法よりも少な
い資本集中型である。というのは、それらは、パルプ品
質及びプロセス効率を維持しながら、1つ少ないパルプ
洗浄機、高せん断ミキサー及び加圧反応器で済むからで
ある。(2)それらは、大きな資本投下を必要とせずに
一段階酸素脱リグニン設備に容易に変更され、この場合
に脱リグニン効果を5〜10%程向上させるという利益
が得られる。(3)それらは、最小限の資本投下で速度
を5〜10%程向上させるミニ−O法(低圧酸素脱リグ
ニン)に適用することもできる。
【0036】かくして、本発明の方法と従来技術の方法
との間の相違点は、二段階酸素脱リグニン法と比較して
全資本投下が減少することである。また、それらは、通
常の一段法及びミニ−O酸素脱リグニン法の両方に関連
して適用したときに脱リグニンを5〜10%程向上させ
ることができる。
【0037】要約すると、本発明は、リグノセルロース
パルプを大気圧条件においてアルカリで処理し、次いで
加圧容器においてパルプを酸素に高圧又は低圧で暴露さ
せるものである。本発明は、クラフト、ソーダ、亜硫
酸、マグネファイト、コールドソーダ、NSSC等の如
き方法によって製造されたパルプを含めてすべての種類
の繊維質原料に対して適用することができる。これらの
繊維は、硬質木材、軟質木材、竹、バガス、麦わら及び
他の非木材繊維供給材料から得ることができる。また、
本法は、脱インキ再循環繊維及びある種の等級の褐色再
循環繊維にも適用される。
【0038】本発明の方法の各段階を実施することがで
きる別の方法及び条件の範囲、並びにそれらを実施する
好ましい方法は以下に記載されている。
【0039】パルプアルカリ処理は、大気圧容器及び加
圧容器そして好ましくは大気圧容器において実施するこ
とができる。使用するアルカリは、純NaOH、酸化ホ
ワイトリカー(OWL)、未酸化ホワイトリカー(W
L)等を含めて幾つかの源のものであってよい。最も有
益には、反応は0.5〜5重量%NaOHで行われる。
容器は、専用の容器、又はたいていのパルプミルに既に
存在する高濃度搭であってよい。パルプ浸漬(S)と称
され得る処理は、約6〜14重量%のパルプコンシステ
ンシーで実施される。少なくとも11のpHはアルカリ
浸漬を一層促進する。最も有益には、浸漬は約11〜1
2のpHで行われる。浸漬温度を40〜95℃に向上さ
せると、リグノセルロースパルプの膨潤が促進される。
最も有益には、浸漬は、反応を促進させるために70〜
95℃の温度で行われる。有益なこととして、15〜2
40分の浸漬時間は、繊維を膨張させて酸素とリグニン
との間の反応をより一層促進させる。最も有益には、約
20又は30分と60分との間の浸漬時間が浸漬を達成
する。アルカリ使用量は、有益には約0.5〜5%のN
aOH、最も有益には約1〜2%のNaOHよりなる。
しかしながら、アルカリ使用量は、使用しようとするリ
グノセルロース物質の種類に応じて実質上変動すること
ができる。
【0040】アルカリ浸漬後、パルプは、後続の酸素処
理に直接送ることができ、又は通常の洗浄機で洗浄する
ことができ、又は洗浄プレスにおいて約30〜35%の
コンシステンシーに増稠させることもできる。パルプを
洗浄又は増稠させるのに必要とする装置は標準形のもの
であって、市場で入手することができる。この操作は、
本発明の直接及び間接コスト全体に影響を及ぼす。パル
プを浸漬後に洗浄するときには、後続の酸素処理の前に
金属を除去するためのキレート化やヘキセンウロン酸及
び金属を除去するための温和な酸処理の如き追加的なパ
ルプ処理を実施することができる。
【0041】次いで、浸漬されたパルプは、段階と段階
との間でパルプを洗浄するか否かによって、酸素による
3つの異なる方法で、即ち、(1)以後“(EO)”と
称する方法において低圧(ミニ−O)で、(2)通常の
MC(中間コンシステンシー)一段階酸素脱リグニン法
(以後、Oと称する)で、そして(3)MC二段階酸素
法(以後、O/O又はOOと称する)で処理される。こ
の処理で使用される酸素は、80〜100%好ましくは
90〜100%の純度を有するものであってよい。
【0042】低圧酸素処理又はミニ−O(EO)は、8
〜14重量%そして好ましくは10〜12重量%のコン
システンシーで実施することができる。他のパラメータ
ーについての好ましい条件は、10〜14好ましくは1
1〜12のpH、1〜4%好ましくは1〜2%のアルカ
リ使用量、50〜120℃好ましくは70〜90℃の温
度、30〜180分好ましくは60〜90分の反応時
間、100〜600kPa好ましくは150〜300k
Paの反応圧、及び0.2〜2%好ましくは0.5〜1
%の酸素使用量である。この段階において、アルカリ誘
発劣化に対してパルプ炭水化物を保護するために硫酸マ
グネシウム等のようなマグネシウム塩を添加することが
できる。マグネシウム塩は、塩とパルプとの混合を一層
容易にするためにアルカリの前に又はアルカリと一緒
に、しかし好ましくはアルカリの前に添加することがで
きる。マグネシウム塩の使用量は、パルプ乾燥重量を基
にして約0.01〜0.1%好ましくは約0.02〜
0.03%(Mgとして)の範囲内であってよい。脱リ
グニンを促進させるために(EO)段階において過酸化
水素を0.2〜4%好ましくは0.5〜1%の使用量で
添加することもできる。過酸化物の添加は、パルプを浸
漬後に洗浄するときにのみ実施可能である。
【0043】通常の一段階酸素処理(O)は、8〜14
%そして好ましくは10〜12%のコンシステンシーで
実施することができる。他のパラメーターについての好
ましい条件は、10〜14好ましくは11〜12のp
H、1〜4%好ましくは1〜2%のアルカリ使用量、5
0〜140℃好ましくは80〜100℃の温度、30〜
180分好ましくは60〜90分の反応時間、100〜
800kPa好ましくは400〜600kPaの反応
圧、及び0.5〜4%好ましくは1〜2%の酸素使用量
である。この段階において、アルカリ誘発劣化に対して
パルプ炭水化物を保護するために硫酸マグネシウム等の
ようなマグネシウム塩を添加することができる。マグネ
シウム塩は、塩とパルプとの混合を一層容易にするため
にアルカリの前に又はアルカリと一緒に、しかし好まし
くはアルカリの前に添加することができる。マグネシウ
ム塩の使用量は、パルプ乾燥重量を基にして約0.01
〜0.1%好ましくは約0.02〜0.03%(Mgと
して)の範囲内であってよい。脱リグニンを促進させる
ために(O)段階において過酸化水素を0.2〜4%好
ましくは0.5〜1%の使用量で添加することもでき
る。過酸化物の添加は、パルプを浸漬後に洗浄するとき
にのみ実施可能である。
【0044】二段階酸素処理(O/O又はOO)は、8
〜14%そして好ましくは10〜12%のコンシステン
シーで実施することができる。他のパラメーターについ
ての好ましい条件は、10〜14好ましくは11〜12
のpH、1〜4%好ましくは(1.5/0.5%)のア
ルカリ使用量、50〜140℃好ましくは(85/9
5)℃の温度、30〜180分好ましくは(30/6
0)分の反応時間、100〜800kPa好ましくは4
00〜600kPaの反応圧、及び0.5〜4%好まし
くは(1.5/0.5%)の酸素使用量である。この段
階において、アルカリ誘発劣化に対してパルプ炭水化物
を保護するために硫酸マグネシウム等のようなマグネシ
ウム塩を添加することができる。マグネシウム塩は、塩
とパルプとの混合を一層容易にするためにアルカリの前
に又はアルカリと一緒に、しかし好ましくはアルカリの
前に添加することができる。マグネシウム塩の使用量
は、パルプ乾燥重量を基にして約0.01〜0.1%
(Mgとして)好ましくは(0.02/0.0%)の範
囲内であってよい。脱リグニンを促進させるために二段
階酸素処理において過酸化水素を0.2〜4%好ましく
は(0.0/0.5%)の使用量で添加することもでき
る。過酸化物の添加は、パルプを浸漬後に洗浄するとき
にのみ実施可能である。
【0045】本明細書に関して、記号“/”は、第一段
階添加又は条件を第二段階又は条件から区別するもので
ある。例えば、(0.03/0%Mg)は、第一段階へ
の0.03%Mg添加、及び第二段階への0%Mg添加
を表わす。
【0046】実験 本発明の確認及びその最も良い理解のために、異なる種
類のリグノセルロース物質に上記の工程を実施した。本
発明の方法と従来技術の方法との比較は、各プロセスに
よるカッパー価降下、粘度降下及び白色度向上(bright
ness gain )の結果に基づく。カッパー価降下、粘度降
下及び白色度向上は、次の等式:カッパー価降下=(カ
ッパーイン−カッパーアウト)/カッパーイン、粘度降
下=(粘度イン−粘度アウト)/粘度イン、及び白色度
向上=(白色度イン−白色度アウト)で計算された。カ
ッパー価、粘度及び白色度の値は、“Technical Associ
ation of the Pulp and Paper Industry(Tappi) standa
rd procedures ”に従って測定された。記載したすべて
の実験は二回反復して実施され、そしてその結果は平均
値を表わす。
【0047】特に記載した場合を除いて、先に記載した
各方法に対して使用した手順及び操作条件は以下に記載
したものである。
【0048】パルプアルカリ浸漬(S):これは、1.
5%アルカリを使用して12%コンシステンシー、85
℃、30分で実施された。反応は、温度及び圧力制御
器、並びにガスの注入及び釈放のための装置を有するハ
ステロイ製高せん断ミキサー/反応器において実施され
た。混合は、1分おきに2000rpmで4秒間断続的
に行われた。アルカリ使用量、温度及び反応時間を変動
させたが、しかしそれらは適当な実施例に記載されてい
る。
【0049】一回O−段階(O):これは、1.5%酸
素、1.5%NaOH及び0.03%マグネシウムをそ
のまま使用して10%コンシステンシー、95℃、60
分、600kPa圧力で実施された。反応は、アルカリ
浸漬の項目において先に記載したと同じ装置及び設定で
実施された。
【0050】二回O−段階(O/O及びOO):第一O
−段階は、1.5%酸素、1.5%NaOH及び0.0
3%マグネシウムをそのまま使用して10%コンシステ
ンシー、85℃、60分、600kPa圧力で実施され
た。第二段階は、10%コンシステンシー、95℃、6
0分、600kPa圧力、1.5%NaOH及び0.5
%酸素で実施された。2つの段階間で洗浄を実施したと
きには、これは、以下に記載した如くしてプレス洗浄に
よって行われた。中間洗浄を行わない二回O−段階はO
/O−段階と称され、そして中間洗浄を行った場合はO
O−段階と称される。反応は、アルカリ浸漬の項目にお
いて先に記載したと同じ反応器/ミキサー及び設定で実
施された。
【0051】低圧又はミニ−O−段階(EO):この段
階は、1.0%酸素、1.5%NaOH及び0.03%
マグネシウムをそのまま使用して10%コンシステンシ
ー、85℃、60分、600のkPa圧力で実施され
た。圧力は、静水圧塔をまねて、60分間の反応間に2
00kPaからゼロ圧に降下された。反応は、アルカリ
浸漬の項目においてに関して先に記載したと同じ反応器
/ミキサー及び設定で実施されたが、但し、圧力は、5
分間隔で200kPaからゼロ圧に手動で降下された。
【0052】プレス洗浄:段階と段階との間のプレス洗
浄は、段階後のパルプを4%のコンシステンシーに希釈
し次いでそれを約35%のコンシステンシーにプレスす
ることによって実施された。これは、例えば洗浄段階に
10%コンシステンシーで入るパルプを考慮すると、約
80%の洗浄効率に相当する。段階と段階との間の洗浄
は何ら表示を有しないのに対して、洗浄が行われない場
合は斜線記号(/)によって通常表わされている。
【0053】
【実施例】次の実施例は、本発明を例示するために提供
される。
【0054】例1:浸漬時間及び温度の最適化 本例で使用したクラフトパルプ試料は、実験室において
ユーカリノキ木材から得られた。パルプ化後、褐色パル
プは、19.6の初期カッパー価(kappa number)、5
8.7mPa.sの粘度及び28.9%ISOの白色度
(brightness)を有していた。浸漬(ソーキング)は、
65、75及び85℃で15、30、60及び180分
間の間実施された。他の条件は、先に記載した如くして
一定に維持された。浸漬後、パルプを十分に洗浄し、次
いでカッパー価、粘度及び白色度について分析した。表
1に示される結果は、カッパー降下によって測定したと
きの浸漬効率が時間及び温度の両方によって正の影響を
受けることを示している。しかしながら、浸漬の利益
は、特に85℃の温度において30分の反応後に幾分減
少する。時間を30分から240分に延長すると、カッ
パー降下の僅か1%増加がもたらされた。かくして、8
5℃の温度では30分の時間で十分であると見なされ
た。温度はパルプ粘度に対して有意の影響を及ぼさなか
ったので、85℃の値が最も適当なものと見なされた。
というのは、実際には、後続のO−段階は、この値と同
じ又はそれよりも高い温度において通常実施されるから
である。浸漬段階を通しての白色度の向上は極めて低
く、カッパー価降下に従わなかった。同様に、暖かい温
度でのアルカリへのパルプ暴露は、部分リグニン除去か
ら得られる予測白色度向上に勝るリグニン暗色化反応の
きっかけになった。
【0055】
【表1】
【0056】例2:浸漬pHの最適化 例1で使用したと同じクラフトパルプ試料を0.5、
1.0、1.5、2.5及び4%NaOHのアルカリ使
用量で浸漬した。他の浸漬条件は、先に記載の如く一定
に維持された。浸漬後、パルプを蒸留水で十分に洗浄
し、そしてカッパー価、粘度及び白色度の値を測定し
た。表2の結果によれば、浸漬pHを12よりも高くす
ると、カッパー価降下の面でごく僅かな利益が得られる
が、しかしパルプ粘度は幾分不利な面が生じることを示
している。かくして、pH12(これは、このパルプ試
料では、1.5%のアルカリ装入量と同等である)が最
も満足なものであると見なされた。
【0057】
【表2】
【0058】例3:パルプ脱リグニン度の影響 この例で使用した各種硬質木材クラフトパルプ試料は、
ユーカリノキ木材から得られた。硬質木材基準として
低、中、及び高脱リグニン度のパルプを得るためにパル
プ化条件を調整した。パルプ化後、低脱リグニン度の試
料は、16.8カッパー価、47.5mPa.s粘度及
び32.3%ISO白色度を有していた。高脱リグニン
度の試料は、19.6カッパー価、58.7mPa.s
粘度及び28.9%ISO白色度を有していた。浸漬
は、先に記載した条件下で実施された。浸漬後、パルプ
を蒸留水で十分に洗浄し、そしてカッパー価、粘度及び
白色度の値を測定した。
【0059】表3に示される結果によれば、浸漬は、よ
り高い初期カッパー価のパルプに適用したときにカッパ
ー価を下げるのにより効果的であることが示されてい
る。これは、より高い初期カッパー価のパルプ中にアル
カリで潜在的に加水分解可能/浸出可能なリグニンがよ
り高い含量で含まれていることによって説明することが
できる。パルプ粘度及び白色度向上に及ぼす影響は無視
することができ、そして明らかにパルプの初期カッパー
価に無関係であった。
【0060】
【表3】
【0061】例4:リグノセルロース材料の種類の影響 4種のリグノセルロース材料を比較した。これらは、1
7.1カッパー価、43.4mPa.s粘度及び36.
8%ISO白色度を有する工業用硬質木材クラフトパル
プ(HWD)、32.2カッパー価、42.7mPa.
s粘度及び26.4%ISO白色度を有する工業用軟質
木材クラフトパルプ(SWD)、14.4カッパー価、
11.9mPa.s粘度及び55.1%ISO白色輝度
を有する脱インキ低級混合事務廃棄物(MOW)から得
られた工業用リサイクル繊維試料、並びに、69.8カ
ッパー価及び42.5%ISO白色度を有する脱インキ
カーブサイド(curbside)材料(RCM)から得られた
工業用リサイクル繊維試料である。浸漬は、先に記載し
た如き固定条件において実施された。浸漬後、パルプを
蒸留水で十分に洗浄し、そしてカッパー価、粘度及び白
色度の値を測定した。表4に示される結果によれば、ア
ルカリ浸漬操作の作用効果は、リグノセルロース物質の
種類に実質上依存することが示されている。最高のカッ
パー価降下は、硬質木材クラフトパルプ(これは、この
物質が最大量のアルカリ促進リグニン浸出分/加水分解
分を含有することを示す)で得られた。加えて、硬質パ
ルプの粘度は、浸漬処理間に実質上変化されなかった。
軟質木材クラフト及びRCMパルプの両方とも、それら
のより高いリグニン含量にもかかわらず、浸漬処理に対
してたいして敏感でなかった。これらのパルプは、HW
D試料と比較して浸漬によってより低いカッパー価降下
をもたらした。更に、SWDは、そのHWD対応物より
も大きい粘度損失を生じた。RCM及びMOW試料の両
方とも浸漬によって白色度を失ったが、このことはアル
カリ促進暗色化反応の発生を示す。MOW試料の場合に
は、浸漬はカッパー価降下に少しも影響を及ぼさなかっ
た。MOW試料中に存在する着色物は大部分が非リグニ
ン性のものであり、そしてアルカリ加水分解/浸出に対
して抵抗性のようである。
【0062】
【表4】
【0063】次の例は、中間洗浄を行う又は行わない幾
つかのタイプの後続の酸素漂白段階の全作用効果に及ぼ
すパルプアルカリ浸漬(S)の影響を示すものである。
【0064】例5:硬質クラフトパルプに対する異なっ
たタイプの酸素脱ニグニンの全作用効果に及ぼすパルプ
浸漬の影響 この例で使用した硬質木材クラフトパルプは、例1に記
載したものと同じであった。浸漬は、先に記載した如き
固定条件において実施された。後続の酸素脱リグニン処
理は、先に記載した如くして、次の条件下に、即ち、 O:10%コンシステンシー、95℃、60分、600
kPa過圧、1.5%NaOH、1.5%O2、0.0
3%Mg、 (EO):10%コンシステンシー、85℃、60分、
200kPa圧力、1.5%NaOH、0.8%O2
(0.03%Mg)、 O/O:10%コンシステンシー、(85/95℃)、
(30/60分)、600kPa圧力、(1.5/0%
NaOH)、(1.5/0.5%O2)、(0.03/
0%Mg)、 OO:10%コンシステンシー、(85/95℃)、
(30/60分)、600 kPa圧力、(1.5/
1.0%NaOH)、(1.5/0.5%O2)、
(0.02/0.02%Mg)、 の下に実施された。
【0065】表5における結果によれば、浸漬によって
引き起こされるリグニン除去の量は、考慮中の酸素適用
態様に関係なく、後続の酸素処理で得られた量に対して
付加的でないことが示されている。しかしながら、浸漬
による利益の半分以上は後続の酸素脱リグニン段階に移
される。例えば、浸漬単独では8.9%カッパー価降下
をもたらし、そして通常のO−段階は37.5%をもた
らした。もしもその利益が追加的であったならば、S/
O処理後に46.4%の脱リグニンが予測されよう。そ
の代わり、実験で43.7%の値が得られた。また、こ
の正に同じ傾向がS/(EO)、S/(OO)、S/O
/O及びS/OO処理でも見られた。この相違は、初期
には、浸漬処理と各酸素処理との間における洗浄工程の
不在によるものとされていた。しかしながら、これらの
処理間への洗浄工程の挿入は、各処理の利益を付加的に
するにはなお十分でなかった。同様に、浸漬処理は、さ
もなければ後続の酸素処理で除去されるはずのリグニン
部分を除去する。付加的利益は予測されるべきではない
けれども、浸漬を適用する際の利益がなお存在する。と
いうのは、この技術で全脱リグニンがなお7.4%まで
程向上されることができるからである。
【0066】浸漬+一回O−段階S/O及びSOは、パ
ルプ粘度及び白色度向上に対するいかなる有意の不利益
も及ぼさずに、二段階酸素脱リグニンO/O及びOOで
得られるものと同様の脱リグニン速度をもたらした。浸
漬+一回O−段階は、装置を設置するのに二段階酸素脱
リグニン法よりもずっと少ない資本費用で済むことは特
に価値のあるものである。
【0067】表5に示される他の興味深い面は、浸漬+
低圧(ミニ−O)酸素脱リグニンであるS/(EO)及
びS(EO)法に関してである。浸漬処理は、(EO)
段階に対して余分な5〜7%カッパー価減少を付加す
る。この利益は、EO(酸素抽出)操作が通常のO−段
階よりも低い脱リグニンレベルを達成するように設計さ
れているという事実を仮定すれば有意義なものである。
(EO)−段階での5%向上(これは、20〜25%の
脱リグニン速度を与える)は、35〜40%脱リグニン
速度を与えるO−段階での8%向上よりも有意義であ
る。この利益は、パルプ品質に対して全く不利益を及ぼ
さずにしかも極めて低い資本投下で得られることに注目
された。
【0068】
【表5】
【0069】例6:軟質木材クラフトパルプに対する異
なるタイプの酸素脱リグニンの全作用効果に及ぼすパル
プ浸漬の影響 この例で使用した硬質木材クラフトパルプ試料は、西北
アメリカパルプミルから得られ、そしてスプルース(Sp
ruce)から作られた。パルプ化後、褐色パルプは、3
2.2カッパー価、42.7mPa.s粘度及び26.
4%ISO白色度を有していた。浸漬は、先に記載した
如き固定条件において実施された。後続の酸素脱リグニ
ン処理は、次の条件下に、即ち、 O:10%コンシステンシー、95℃、60分、600
kPa圧力、2.0%NaOH、2.0%O2、0.0
3%Mg、 (EO):10%コンシステンシー、85℃、60分、
200kPa圧力、2.0%NaOH、1.0%O2
0.03%Mg、 O/O:10%コンシステンシー、(85/95℃)、
(30/60分)、600kPa圧力、(2.0/0%
NaOH)、(1.5/0.5%O2)、(0.03/
0%Mg)、 OO:10%コンシステンシー、(85/95℃)、
(30/60分)、600 kPa圧力、(1.5/
1.0%NaOH)、(1.5/0.5%O2)、
(0.02/0.02%Mg)、 の下に実施された。
【0070】軟質木材クラフトパルプ試料について各酸
素脱リグニン処理で得られた結果は、硬質木材処理で観
察されたと同じ傾向になった。しかしながら、浸漬の利
益は、表6に例証されるように軟質試料の方が顕著でな
かった。浸漬によってもたらされる利益は、低圧酸素段
階の前にS/(EO)及びS(EO)法で行うと特に僅
かであった。浸漬の利益は硬質木材試料と比較して軟質
木材試料の方が低かったけれども、酸素脱リグニン段階
の作用効果は、軟質木材試料ではずっと高かった。しか
しながら、この事実は、文献においてそして世界的にミ
ル規模操作で十分に裏付けされている。
【0071】
【表6】
【0072】例7:順序D(EPO)Dでの全パルプ漂
白性に及ぼす浸漬の影響 例5及び6にそれぞれ記載した酸素処理硬質木材及び軟
質木材クラフトパルプ試料を、順序D(EPO)Dでの
ECF(元素状塩素不含)漂白法によって更に漂白し
た。白色度の目標は、HWD試料で90%ISO、そし
てSWD試料で89%であった。Technical Associatio
n of Pulp and Industry (Tappi)の推薦に従えば、“ r
ecommended pulp bleaching stage designation metho
d”と題するTappi 刊行物 TIS 0606-21に詳細に記載さ
れるように、D(EOP)Dの表示は、3つの別個の段
階、即ち、第一D−段階、(EOP)段階及び他のD−
段階を含み、これらの段階の間に洗浄又はプレス工程を
介在させた順序を表わす。(EOP)段階では、アルカ
リ、酸素及び過酸化水素が互いに数分の幾つか程離して
同じ段階に注入される。各漂白段階で使用した条件は、 第一D−段階:10%コンシステンシー、75℃、60
分、3.0最終pH及び0.24のカッパー係数、 (EOP):10%コンシステンシー、85℃、(15
/75)分、200kPa圧力、10.5最終pH、
1.4%NaOH、0.5%O2、0.5%H2 2
0.03%Mg、 第二D−段階:10%コンシステンシー、75℃、24
0分、3.8最終pH、及びパルプの予備処理及びタイ
プに依存した可変量のClO2、 であった。第一及び第二D−段階でのpHの制御は、各
段階において必要時に少量のNaOH又はH2SO4を添
加することによって達成された。
【0073】硬質木材パルプ試料について表7に示す結
果は、浸漬+通常の酸素脱リグニンの組み合わせである
S/O又はSO法が二段階酸素脱リグニンであるO/O
又はOO法と同じ程度の二酸化塩素節約をもたらすこと
を示している。ClO2 節約は、ある種の処理と基準と
の間の差違によって計算される。一回O−段階(O)と
比較すると、S/O及びSO法は、パルプ odt当たり
1.1〜1.3kgのClO2 を節約した。他方、低圧
酸素脱リグニン(EO)と比較すると、S(EO)及び
S(EO)法も、パルプ odt当たりClO2 1.2〜
1.4kg程度の二酸化塩素節をもたらした。軟質木材
パルプ試料(表7)でも同様の傾向が観察されたが、し
かし二酸化塩素節約の絶対値は同じでなかった。
【0074】上記の考慮事項を考慮すると、浸漬+通常
の酸素脱リグニンは、二段階酸素脱リグニンと同様の結
果を生じると結論づけることができる。他方、S/O、
SO、S/(EO)又はS(EO)法におけるように通
常の又は低圧酸素脱リグニンの前に適用すると、浸漬
は、完全漂白パルプの絶乾トン当たりClO2 1〜1.
5kg程度の二酸化塩素節約を可能にする。浸漬と高−
又は低圧酸素段階との間の洗浄段階は経済的利益を示し
ているが、しかしそれらは費用のかかる洗浄系の設置を
正当化するには低いようである。洗浄装置系が既に設置
されているような場合では、段階と段階との間での洗浄
が勧められる。
【0075】
【表7】
【0076】例8:漂白パルプの強度特性に及ぼすパル
プ浸漬の影響 粘度及び白色度戻り(reversion )によって測定する
と、表7ではパルプ品質に及ぼす浸漬の有意の影響が全
く認められない。このことを更に確認するために、例5
に記載されそしてそこに記載の如くして処理し、更に例
7に記載の如くして漂白した硬質木材試料を叩解性及び
強度特性試験に供した。PFIミルを0、1500、3
000、4500及び6000回転において使用してネ
バードライド(never dried )パルプ試料について叩解
曲線を形成した。漂白パルプの強度特性は、Tappi
標準操作を使用して測定された。表8に報告される値
は、40°SRにおけるものである。
【0077】アルカリ浸漬は高温で且つアルカリ条件下
に実施されるので、パルプの強度特性は幾分損なわれる
だろうと仮定される。しかしながら、表8の結果は、浸
漬処理によって強度特性もパルプ叩解性も変わらなかっ
たことを示している。更に、酸素処理を単独で又は浸漬
と組み合わせて実施すると、パルプの強度特性及び叩解
性に対して負の影響が全く及ぼされなかった。かくし
て、浸漬を十分に最適化した条件下で実施すると、パル
プ強度に負の影響が及ぼされないと結論づけられる。
【0078】
【表8】
【0079】上記の説明は、本発明を単に例示するもの
にすぎないことを理解されたい。当業者には、本発明か
ら逸脱せずに幾多の別法及び変更修正が創意工夫される
ことができよう。従って、本発明は、特許請求の範囲内
に入るかかる別法、変更及び修正をすべて包含するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】パルプ流れの中間段階洗浄を行わない従来技術
の二段階酸素脱ニグニンプラントの概略図である。
【図2】パルプ流れの中間段階洗浄を行う従来技術の二
段階酸素脱ニグニンプラントの概略図である。
【図3】本発明を具体化した酸素脱リグニンプラントで
あって、パルプ流れの中間段階洗浄を行わない場合の概
略図である。
【図4】本発明を具体化した酸素脱リグニンプラントで
あって、パルプ流れの中間段階洗浄を行う場合の概略図
である。
【図5】本発明を具体化した酸素脱リグニンプラントで
あって、パルプ流れの中間段階プレス洗浄を行う場合の
概略図である。
【図6】本発明を具体化した酸素脱リグニンプラントの
他の具体例の概略図である。
【図7】本発明を具体化した酸素脱リグニンプラントの
更に他の具体例の概略図である。
【符号の説明】
50:パルプ浸漬段階 52、102:酸素脱リグニン段階(O−段階) 56、60、70:ポンプ 58、100:アルカリ浸漬容器 62:ミキサー 68:加圧反応器 72:洗浄機 80:洗浄プレス 104:予備保持管 106:順流塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アナ・サビーナ・デ・カンポス・エンリケ ス・デ・ブリトー ブラジル国アールジェイ、22250−060、リ オデジャネイロ、アーヴェー・オスヴァル ド・クルース、149/1801

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)パルプ浸漬段階において、セルロ
    ース繊維に結合したリグニンを含有するリグノセルロー
    スパルプにアルカリを混合して混合物を作り、そして該
    混合物をそこに所定の時間滞留状態のままにして混合物
    からの着色物のアルカリ加水分解浸出及びパルプ繊維の
    膨潤を可能にし、 (b)該パルプ浸漬段階からの該混合物の供給物に酸素
    及びスチームの両方を混合して混合流れを形成し、そし
    て (c)該混合流れを加圧酸素脱リグニン段階に送って酸
    素とリグノセルロースパルプ中のリグニンとの間の反応
    を可能にし、ここで膨潤した繊維は、酸素とリグノセル
    ロースパルプ中のリグニンとの間の反応及び該リグノセ
    ルロースパルプからの着色物の更なる除去を一層容易に
    する、各工程を含むリグノセルロースパルプの処理法。
  2. 【請求項2】 工程(b)が、パルプ浸漬段階の生成物
    を洗浄する処置を更に含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 工程(a)が、アルカリの前に硫酸マグ
    ネシウムを添加する処置を更に含む請求項1記載の方
    法。
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