JP2001003250A - 過熱処理した不織布構造体およびその製造方法 - Google Patents
過熱処理した不織布構造体およびその製造方法Info
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Abstract
期圧縮後の回復性が高い素材を提供する。 【解決手段】構成繊維に少なくともマトリクス繊維とバ
インダー繊維とを含む不織布構造体であって、前記バイ
ンダー繊維はバインダー繊維とバインダー繊維またはバ
インダー繊維と他の構成繊維との一交点と他の一交点と
の間に、バインダー繊維径よりも太い節状部を有するこ
とを特徴とする不織布構造体。
Description
なるクッション材、特に自動車用シート用クッション材
に好適に用いられるものである。
はじめとして、住宅や病院で用いられているベットマッ
ト用のクッション材として合成繊維からなる不織布構造
体が多く使用されている。一般的に、マトリックス繊維
として、熱可塑性合成繊であるポリエステルを使用し、
バインダー繊維として、融点を低下させたブレンドポリ
エステル等の熱融着ポリマーを使用し、マトリックス繊
維の軟化点温度未満、バインダー繊維の融着性発現温度
以上で熱処理を行うことにより不織布構造体を製造す
る。
製造された不織布構造体は、バインダー繊維のポリマー
に通常の熱可塑性低融点ポリマーを使用しているため、
常温での回復性は良好なものの、そのポリマーの融点近
辺の高温雰囲気下においては長期圧縮後の回復性が悪化
するという問題点がある。特に自動車等のシート用クッ
ション材の場合、夏場の直射日光下でドアを閉めた状態
では室内が70〜100℃まで上昇するため、高温雰囲
気下で長期荷重をかけた後の回復率が高い素材が求めら
れている。
に、本発明の請求項1にかかる発明は、構成繊維に少な
くともマトリクス繊維とバインダー繊維とを含む不織布
構造体であって、前記バインダー繊維はバインダー繊維
とバインダー繊維またはバインダー繊維と他の構成繊維
との一交点と他の一交点との間に、バインダー繊維径よ
りも太い節状部を有することを特徴とする不織布構造体
である。また請求項2にかかる発明は、前記バインダー
繊維が芯鞘型繊維であって、前記節状部が鞘部の溶融塊
であることを特徴とする請求項1記載の不織布構造体で
ある。
の過熱処理された不織布構造体およびその製造方法につ
いて説明する。不織布構造体は、芯鞘型のバインダー繊
維を含んでなるものであって、鞘部の低融点成分が溶融
し、繊維どうしの交点以外の部分で節状の形態を有する
ものである。
は、少なくともマトリックス繊維と熱融着性バインダー
繊維を含んでなり、特に熱融着性バインダー繊維は不織
布構造体の5重量%〜80重量%含まれることが好まし
い。5重量%〜80重量%の含有率の場合、かかる熱融
着性バインダー繊維は、バインダー繊維と交わる構成繊
維との交点の一部において熱融着し、所定形状に成形さ
れた不織布構造体を安定化するので良好である。
繊維、レーヨン等の半合成繊維、綿等の天然繊維が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。熱可塑性
合成繊維を使用する場合、例えばポリプロピレンやポリ
エチレンのようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフ
タレートやポリブチレンテレフタレートのようなポリエ
ステル、ナイロン6やナイロン66などのポリアミドお
よびこれらの共重合体などを使用することができる。ま
た、これら2種以上の繊維の混合であっても構わない。
いはブレンドポリマー、例えば、イソフタル酸等の共重
合成分によって融点を低下させた共重合、あるいはブレ
ンドポリエステル等の熱融着ポリマーが好適に使用され
る。
よりなる単一成分繊維でもよいが、鞘成分に低融点のポ
リマー、芯成分にそれより高融点のポリマーを持つシー
ス・コア型コンジュゲート繊維を用いれば、芯成分の支
持機能を維持したまま熱融着機能を果たすことができる
のでさらに好適である。かかるバインダー繊維としては
通常のポリエチレンテレフタレートポリマーを芯成分
に、低融点の共重合ポリエチレンテレフタレートポリマ
ーを鞘成分に持つものが知られているが、これらのみに
限定はしない。
混綿される他の繊維の素材は特に限定しない。用途によ
り適宜選択すれば良い。一般的な合成繊維、天然繊維、
再生繊維が使用できる。
満、バインダー繊維の融着性発現温度以上で行われる
が、単独の工程としてもあるいは加熱成形工程に伴って
行うこともできる。かかる熱処理により、バインダー繊
維と交わる構成繊維は交点において接着し不織布構造体
に形態安定性を付与する他、バインダー繊維はマトリッ
クス繊維の支持機能と共同して不織布構造体に適度な剛
性を与える。さらに、バインダー繊維の使用により、不
織布の面に添設される凹凸形状を吸収したり、意図的に
凹凸を不織布表面に付与することも可能となる。
の形状とした後に過熱処理および冷却処理を行い、短繊
維どおしを熱融着させた構造を有する。その形状は、使
用時の端部や取り付け部の特殊な箇所を除いた主体部分
の平均の厚みが5mm以上であることが好ましい。平均
の厚みが5mm以上であると、支持体としての十分な剛
性が保持でき、固定感や安定感およびクッション性が得
られるため良好である。
0.50g/cm3であることが好ましい。この範囲内
であると支持体として十分な強度が得られ、また触感も
良く適度なクッション性が得られるため良好である。
する形態について説明する。短繊維どおしは、熱処理に
より所望の形状にされた状況の下で、短繊維どうしが互
いに密着しあい、構成繊維であるバインダー繊維の熱溶
融により短繊維どおしが接着されるものとなる。
インダー繊維を用い、湿熱で熱処理をした不織布構造体
は、顕著に良好な評価を有する。これは、図1に示す電
子顕微鏡写真で明らかなように、バインダー繊維(10
2)は、バインダー繊維(102))とバインダー繊維
(102)またはバインダー繊維(102)と他の構成
繊維との一交点と他の一交点との間に、熱処理前のバイ
ンダー繊維(102)よりも太い部分が節状部(10
4)となって発現する。
が、この場合高結晶性バインダー繊維の融点よりもかな
り高温(たとえば30〜50℃)にする必要があり、高
温のためマトリックスの主体繊維であるポリエステル繊
維や、芯鞘型バインダー繊維の芯のレギュラーポリエス
テルまで熱劣化を起こしやすい欠点がある。よって前述
のバインダー繊維を用いてかつ160℃、10分の湿熱
処理をすることにより、より効果的に発現するものであ
る。
て観察すると、交点では接着点として十字型の溶融点を
有し、次の交点との間には、芯部のみからなる部分と、
過溶融により鞘部が流れだし芯部に鞘部が玉となった形
状(以下節状構造物という)を有する。
とくその内部には節状構造物を有する場合には、バイン
ダー繊維と交わる構成繊維は交点において接着し不織布
構造体に形態安定性を付与する。バインダー繊維はマト
リックス繊維の支持機能と共同して不織布構造体に適度
な剛性を与える。さらに、過酷な条件下における荷重に
対しては、交点の熱融着点のみではなく、芯部に鞘部が
溶融した節状構造物とその前後の芯部のみからなる複合
構造形態により、顕著な形態の復元性を発現する。
以上の雰囲気下において圧縮荷重が付与された場合にお
いても、その荷重の解放後、一様に均等な太さでなく所
々に太くなった節状部分を有することにより一様な太さ
である構造物とは異なる剛性を有するものと考えられ
る。その一方で節状構造物は、剛性を付与するのみでは
なく、バネ構造に近い働きをするものと推察される。
価の結果を示す。性能評価は、この不織布をクッション
材として使用する場合の圧縮荷重に対する回復特性であ
る、一定条件下でサンプル上面に荷重を一定期間かけそ
の後除重したときの回復率である残留歪み率をもって評
価した。この結果を表5に示す。
評価方法)10cm×10cmにサンプルを切り出し、
初期厚さを測定する。この後サンプルを鉄板に挟んで初
期厚さの50%まで圧縮する。このまま22℃、65%
RHにて15時間放置する。15時間放置後、除重し圧
縮後厚さを測定し、下記の式より歪み率を算出する。
/初期厚さ×100 評価は歪み率5%未満を○、5%以上15%未満を△、
15%以上を×とした。
評価方法)10cm×10cmにサンプルを切り出し、
初期厚さを測定する。この後サンプルを鉄板に挟んで初
期厚さの50%まで圧縮する。このまま乾燥機中70℃
にて15時間放置する。15時間放置後、除重し圧縮後
厚さを測定し、下記の式より歪み率を算出する。
/初期厚さ×100 評価は歪み率25%未満を○、25%以上35%未満を
△、35%以上を×とした。
法)30cm×30cmにサンプルを切り出し、高分子
計器株式会社製自動硬さ試験機「アスカーAF200」
にて直径200mmφの円板で50mm/minの一定
速度で初期厚さの65%まで圧縮及び除重を行い、その
時のS−S曲線を測定する。評価は25%圧縮時の硬さ
が10kgf以上20kgf未満を○、20kgf以上
30kgf以上を△、10kgf未満又は30kgf以
上を×とした。10kgf以上20kgf未満である
と、自動車等のシート用クッション材に用いた場合、適
度なクッション性が得られる。また荷重変動によるクッ
ション材の過剰圧縮変形が抑えられ、底付き感も少なく
なるため、特に好ましい。
従来の不織布構造体と本発明にかかる不織布構造体とで
は、顕著な差異を有する。この差異を発現させている理
由は、節状部が不織布構造体の構成要素となりかつ繊維
どうしが所望の接点で接着されてること、およびその節
状部がバネ構造に近い作用効果を有することが相俟って
発現することが挙げられる。
の特徴として、バインダー繊維がその繊維状の所々に節
状の形態を有するものであり、その節状形態がバネ構造
の作用効果を発現し、長時間高温状態で荷重がかかって
も、形態安定性に優れた挙動を示すこととなる。
理を施したものの電子顕微鏡写真
Claims (3)
- 【請求項1】 構成繊維に少なくともマトリクス繊維と
バインダー繊維とを含む不織布構造体であって、前記バ
インダー繊維はバインダー繊維とバインダー繊維または
バインダー繊維と他の構成繊維との一交点と他の一交点
との間に、バインダー繊維径よりも太い節状部を有する
ことを特徴とする不織布構造体。 - 【請求項2】 前記バインダー繊維が芯鞘型繊維であっ
て、前記節状部が鞘部の溶融塊であることを特徴とする
請求項1記載の不織布構造体。 - 【請求項3】 前記節状部の直径が溶融する前のバイン
ダー繊維直径の1.5倍以上であることを特徴とする請
求項1乃至請求項2記載の不織布構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17081299A JP2001003250A (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 過熱処理した不織布構造体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17081299A JP2001003250A (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 過熱処理した不織布構造体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001003250A true JP2001003250A (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=15911803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17081299A Pending JP2001003250A (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 過熱処理した不織布構造体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001003250A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4795235B2 (ja) * | 2003-08-07 | 2011-10-19 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 非感圧液体処理特性を有するラテックス結合捕捉層 |
-
1999
- 1999-06-17 JP JP17081299A patent/JP2001003250A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4795235B2 (ja) * | 2003-08-07 | 2011-10-19 | ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー | 非感圧液体処理特性を有するラテックス結合捕捉層 |
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