JP2001003028A - 粗面接着性重合性組成物、粗面接合体の製造方法及び粗面へのアンカーボルト取り付け方法 - Google Patents

粗面接着性重合性組成物、粗面接合体の製造方法及び粗面へのアンカーボルト取り付け方法

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JP2001003028A
JP2001003028A JP11177130A JP17713099A JP2001003028A JP 2001003028 A JP2001003028 A JP 2001003028A JP 11177130 A JP11177130 A JP 11177130A JP 17713099 A JP17713099 A JP 17713099A JP 2001003028 A JP2001003028 A JP 2001003028A
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rough
norbornene
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Nobuhiro Goto
信弘 後藤
Masafumi Nakatani
政史 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、変形追従性、特に低温での速硬化
性、機械物性、接着性に優れた粗面接着用重合性組成
物、粗面接合体の製造方法及び粗面へのアンカーボルト
取り付け方法を提供すること。 【解決手段】 ノルボルネン型モノマー、例えば、ジシ
クロペンタジエン等と、、ルテニウム系メタセシス重合
触媒( 特に特定の一般式(a)で表わされるルテニウム
―カルベン錯体である触媒) とを含有することを特徴と
する粗面接着性重合性組成物、及び、これらと、更に、
メタセシス重合の遅延剤としてアミン化合物特に、第3
級複素環アミンと、必要により、無機骨材、無機充填
材、もしくは有機充填材を含有する組成物、及び、粗面
を有する部材同士を、上記粗面接着性重合性組成物の重
合体を介して接合一体化する粗面接合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,コンクリート等の
粗面を有する成形体や構造体の粗面に適用して好適な粗
面接着性重合性組成物、及びこの組成物を用いた粗面接
合体の製造方法、並びに粗面へのアンカーボルト取り付
け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンクリート等の粗面を有す
る成形体や構造体に用いる接着剤として、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のような熱
硬化性樹脂及びその変性体が用いられていた。具体例と
しては、新旧コンクリートの打ち継ぎや嵩上げ、モルタ
ルの打ち継ぎ、コンクリート、タイル、石材同士の接
着、あるいは特開平2−232469号公報記載のよう
にコンクリート構造物の補修部分に対する充填による補
修、更には特公平8−32750号公報のようにコンク
リート構造物や岩盤等にアンカーボルトを固着する用途
等に上記接着剤が使用されていた。
【0003】上記の熱硬化性樹脂の中で、エポキシ樹脂
は、機械物性、接着性等に優れる為に最も良く利用され
ているが、特開平2−232469号公報に記載されて
いるように、伸びが小さいので、気温の変化等によるコ
ンクリート構造物の変形に対して追従できずに、補修部
分周辺のコンクリートにひびわれ等の欠損を生じるとい
う問題があった。すなわち、粗面を有する成形体等の部
材に使用されていた従来の熱硬化性樹脂では、材料の持
つ力学的特性が充分とは言えず、その上、熱硬化性樹脂
を適用する際の作業性にも問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このために特開平2−
232469号公報には気体を強制的に混入させた可と
う性エポキシ樹脂を用いることが開示されているが、可
とう性を付与すると機械物性が低下するので、根本的な
解決策とはなり得ないものであった。一方、特公平8−
32750号公報では不飽和ポリエステル樹脂をアンカ
ーボルトの固着に用いているが、機械物性はエポキシ樹
脂に劣り、水分の混入により硬化不良を起こしてしまう
問題があり、また、養生時間も−5℃で3時間要するの
で、充分な低温硬化性を有しているとは言えないもので
あった。
【0005】また、エポキシ樹脂や不飽和ポリエステル
樹脂は硬化に伴う体積収縮が数%と大きい為に、厚肉の
場合や重合が急激に起こった場合にはクラックが生じや
すい。クラックが入らない場合でも体積収縮は残留応力
として重合体中に残って、将来的なクラックの発生の原
因となるおそれがあった。また、体積収縮を押さえる為
に、スチレン系や酢酸ビニル系の低収縮化材や骨材、充
填材を配合する手法が用いられるが、機械物性の低下は
もちろんのこと、骨材等が水分を含んでいる場合には充
分に乾燥させないと硬化不良を惹起するという問題があ
った。更に、ウレタン樹脂も含めた従来の熱硬化性樹脂
は耐衝撃性が悪い為に、接着面への大きな衝撃やあるい
は繰り返し荷重によって樹脂自体が割れてしまうという
材料に起因する不可避の問題があった。
【0006】本発明は、上記従来のコンクリート等の部
材に適用する接着剤の問題点を解消するべくなされたも
ので、その目的は、耐衝撃性、変形追従性、特に低温で
の速硬化性、機械物性、接着性に優れた粗面接着用重合
性組成物、粗面接合体の製造方法及び粗面へのアンカー
ボルト取り付け方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、ノルボルネン型モノマー、
及びルテニウム系メタセシス重合触媒を含有する粗面接
着性重合性組成物を提供する。
【0008】又、請求項2記載の発明は、ルテニウム系
メタセシス重合触媒が一般式(a)で表わされるルテニ
ウム―カルベン錯体である粗面接着性重合性組成物を提
供する。
【化2】 (式中、Ru はルテニウムを表わし、R1 及びR2 は、
互いに独立に、水素、C 2 〜C20‐アルケニル基、C1
〜C20‐アルキル基、アリール基、C1 〜C20‐カルボ
ン酸エステルもしくはカルボン酸塩、C1 〜C20‐アル
コキシ基、C2 〜C20‐アルケニルオキシ基、アリール
オキシ基、C2 〜C20‐アルコキシカルボニル基、C1
〜C20‐アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5 ‐アル
キル基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって
置換されていても良く、又はC1 〜C5 ‐アルキル基、
ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換され
たフェニル基によって置換されていても良い)を表わ
し、X1 及びX2 は、互いに独立に、任意のアニオン性
配位子を表わし、L1 及びL2 は、互いに独立に、任意
の中性電子供与体を表わし、X1 、X2 、L1 及びL2
の内2個又は3個は、一緒に多座キレート化配位子を形
成していても良い。)又、請求項3記載の発明は、ノル
ボルネン型モノマーがジシクロペンタジエンである請求
項2記載の粗面接着性重合性組成物を提供する。
【0009】又、請求項4記載の発明は、ノルボルネン
型モノマーとして、更に、エチリデンノルボルネン、メ
チルシクロペンタジエン、シクロペンタジエン又はビニ
ルノルボルネンを含有するものであることを特徴とする
請求項3記載の粗面接着性重合性組成物を提供する。
又、請求項5記載の発明は、更に、メタセシス重合の遅
延剤としてアミン化合物を含有する請求項1〜4何れか
1項記載の粗面接着性重合性組成物を提供する。
【0010】又、請求項6記載の発明は、アミン化合物
が第3級複素環アミンである請求項1〜5何れか1項記
載の粗面接着性重合性組成物を提供する。又、請求項7
記載の発明は、更に、無機骨材、無機充填材、又は有機
充填材を含有することを特徴とする請求項1〜6何れか
1項記載の粗面接着性重合性組成物を提供する。又、請
求項8記載の発明は、粗面を有する部材同士の粗面同士
を、請求項1〜6何れか1項記載の粗面接着性重合性組
成物の重合体を介して接合一体化する粗面接合体の製造
方法を提供する。
【0011】又、請求項9記載の発明は、3個以上の部
材をその少なくとも一粗面が相対向するように配置した
後に、粗面間に請求項1〜6何れか1項記載の粗面接着
性重合性組成物を充填し、重合させることにより接合一
体化する請求項8記載の粗面接合体の製造方法を提供す
る。又、請求項10記載の発明は、クラックにより分断
された部分を有する部材の前記クラックに請求項1〜6
何れか1項記載の粗面接着性重合性組成物を充填し重合
させることにより、分断された部分を接合一体化する粗
面接合体の製造方法を提供する。
【0012】又、請求項11記載の発明は、アンカーボ
ルト取り付け用の孔が設けられた部材の前記孔に、請求
項1〜6何れか1項記載の粗面接着性重合性組成物をセ
ットした後にアンカーボルトを挿入し重合させることに
より部材と一体化する粗面へのアンカーボルト取り付け
方法を提供する。
【0013】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明において「粗面」とは、アンカー効果により物理的な
接着力が発現可能な程度の粗さの面をいうが、本発明に
おける粗面の概念は、2次元的な面に形成された凹凸面
を指すにとどまらず、クラック・亀裂・隙間や穴のよう
な立体的な粗い面をも含むものである。具体的には、コ
ンクリート、モルタル、レジンコンクリート、タイル、
石材、木材等により形成された部材が有する表面はもち
ろんのこと、元々平坦な面を有する部材に意図的に凹凸
を設けたものであっても良い。
【0014】本発明においては、ノルボルネン型モノマ
ーとルテニウム系メタセシス重合触媒が必須の成分とし
て含有される。まず、ノルボルネン型モノマーとして
は、ノルボルネンやノルボルナジエンなどの二環体、ジ
シクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンな
どの三環体、テトラシクロドデセン、エチリデンテトラ
シクロドデセン、フェニルテトラシクロドデセンなどの
四環体、トリシクロペンタジエンなどの五環体、テトラ
シクロペンタジエンなどの七環体、及びこれらのアルキ
ル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル
置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エチリデ
ン置換体)、アリール置換体(例えば、フェニル、トリ
ル置換体)、アルケニル置換体(例えばビニル置換体)
はもちろんのこと、エポキシ基、メタクリル基、水酸
基、アミノ基、カルボキシル基、シアノ基、ハロゲン
基、エーテル基、エステル結合含有基等の極性基を有す
る誘導体が挙げられる。これらは、単独で使用しても良
いし、2種以上を混合して用いても良い。
【0015】また、ルテニウム系メタセシス重合触媒と
しては、上記ノルボルネン型モノマーを酸素や水分の存
在する通常雰囲気中でメタセシス重合可能なものなら特
に限定されない。ここに、メタセシス重合とは、代表的
には、2分子の不飽和オレフィンが互いにアルキリデン
基を交換し、新しいオレフィンを生成する反応を意味す
る。ルテニウム系メタセシス重合触媒として、例えば、
ルテニウム金属のアリル錯体、アルキリデン錯体、アル
キン錯体、アルケン錯体、イソシアニド錯体、オキソ錯
体、カルビン錯体、カルベン錯体、カルボニル錯体、ク
ロロ錯体、シアノ錯体、チオカルボニル錯体、ニトロシ
ル錯体、二窒素錯体、ビニリデン錯体が挙げられる。
【0016】この内で、ルテニウム−カルベン錯体は請
求項2記載の如く、一般式(a)で表されるものが好ま
しく用いられ、また、ルテニウム−ビニリデン錯体は、
一般式(b)で表されるものが好ましく用いられる。
【0017】
【化3】
【0018】一般式(a)のルテニウム−カルベン錯体
については、後に詳述する。一般式(b)のルテニウム
−ビニリデン錯体については、L3 はフェニル基、イソ
プロピル基、トリシクロヘキシル基のいずれかを意味
し、R3 及びR4 は互いに独立に水素、t−ブチル基の
いずれかを意味する。この2種類のメタセシス重合性を
示す錯体は空気中の酸素や水分に対して通常雰囲気中で
安定なルテニウム系メタセシス重合触媒であり、同様の
性質を有するルテニウム系メタセシス重合触媒であれ
ば、本発明において好適に使用できる。
【0019】また、本発明のボルネン系モノマーの1種
以上と共に開環重合可能なシクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロドデ
センなどの単環シクロオレフィンなどを、本発明の目的
を損なわない範囲で使用することができる。また、本発
明の粗面接着性重合性組成物には、エラストマーを配合
しても良く、エラストマーとしては、例えば、天然ゴ
ム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン‐ブタ
ジエン共重合体(SBR)、スチレン‐ブタジエン‐ス
チレンブロック共重合体(SBS)、スチレン‐イソプ
チレン‐スチレンブロック共重合体(SIS)、エチレ
ン‐プロピレン‐ジエンターポリマー(EPDM)、エ
チレン酢酸ビニル共重合体(EVA)及びこれらの水添
加物等が挙げられる。
【0020】本発明の粗面接着性重合性組成物には、消
泡剤、揺変性付与剤、酸化防止剤、帯電防止剤、分子量
調整剤、着色剤、高分子改質剤、難燃剤などの各種添加
剤を配合しても良い。
【0021】上記メタセシス重合触媒としての一般式
(a)で表わされるルテニウム−カルベン錯体は、メタ
セシス重合活性に優れるので、速硬化性に優れ、水分に
よる硬化不良の生じない粗面接着用重合性組成物を提供
することが可能となる。次に、一般式(a)のルテニウ
ム―カルベン錯体について以下に詳細に記述する。式
中、Ru はルテニウムを表わし、R1 及びR2 は、互い
に独立に、水素、C 2 〜C20‐アルケニル基、C1 〜C
20‐アルキル基、アリール基、C1 〜C20‐カルボン酸
エステルもしくはカルボン酸塩、C1 〜C20‐アルコキ
シ基、C2 〜C20‐アルケニルオキシ基、アリールオキ
シ基、C2 〜C20‐アルコキシカルボニル基、C1 〜C
20‐アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5 ‐アルキル
基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換
されていても良く、又はC1 〜C5 ‐アルキル基、ハロ
ゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換されたフ
ェニル基によって置換されていても良い)を表わし、X
1 及びX2 は、互いに独立に、任意のアニオン性配位子
を表わし、L1 及びL2 は、互いに独立に、任意の中性
電子供与体を表わし、X1 、X2 、L1 及びL2 の内2
個又は3個は、一緒に多座キレート化配位子を形成して
いても良い。
【0022】C2 〜C20‐アルケニル基、C1 〜C20
アルキル基、アリール基、C1 〜C 20‐カルボン酸エス
テルもしくはカルボン酸塩、C1 〜C20‐アルコキシ
基、C 2 〜C20‐アルケニルオキシ基、アリールオキシ
基、C2 〜C20‐アルコキシカルボニル基、C1 〜C20
‐アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5 ‐アルキル
基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換
されていても良く、又はC 1 〜C5 ‐アルキル基、ハロ
ゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換されたフ
ェニル基によって置換されていても良い)を表わし、X
1 及びX2 は、互いに独立に、任意のアニオン性配位子
を表わし、L1 及びL2 は、互いに独立に、任意の中性
電子供与体を表わし、X1 、X2 、L1 及びL2 の内2
個又は3個は、一緒に多座キレート化配位子を形成して
いても良い。好ましい一般式(a)のルテニウム―カル
ベン錯体としては、式中、R1 及びR2 は、互いに独立
に、水素、C2 〜C5 ‐アルケニル基、C1 〜C5 ‐ア
ルキル基、フエニル基、C1 〜C5 ‐カルボン酸エステ
ルもしくはカルボン酸塩、C 1 〜C5 ‐アルコキシ基、
フェノキシ基、C2 〜C5 ‐アルコキシカルボニル基
(これらは、C1 〜C5 ‐アルキル基、ハロゲン、C1
〜C5 ‐アルコキシ基によって置換されていても良く、
又はC1 〜C5 ‐アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5
アルコキシ基によって置換されたフェニル基によって置
換されていても良い)であり、X1 及びX2 は、互いに
独立に、Cl、Br、C1 〜C5 ‐カルボン酸エステル
もしくはカルボン酸塩、C1 〜C5 ‐アルコキシ基、フ
ェノキシ基、C1 〜C5 アルキルチオ基(これらは、C
1 〜C5 ‐アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコ
キシ基によって置換されていても良く、又はC1 〜C5
‐アルキル基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基に
よって置換されたフェニル基によって置換されていても
良い)の群からのアニオン性配位子であり、L1 及びL
2 は、互いに独立に、アリール基又はC1 〜C10‐アル
キルホスフィン基(これらは、C1 〜C5 ‐アルキル
基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換
されていても良く、又はC1 〜C5 ‐アルキル、ハロゲ
ン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換されたフェ
ニル基によって置換されていても良い)の群からの中性
配位子であるルテニウム―カルベン錯体である。
【0023】更に好ましい一般式(a)のルテニウム―
カルベン錯体としては、式中、R1及びR2 は、お互い
に独立に、水素、メチル基、エチル基、フェニル基、又
はメチル基、エチル基もしくはフェニル基によって置換
されたビニル基であり、X1及びX2 は、互いに独立
に、Cl、Brであり、L1 及びL2 は、互いに独立
に、トリメチルホスフィン基、トリエチルホスフィン
基、トリフェニルホスフィン基又はトリシクロヘキシル
ホスフィン基であるルテニウム―カルベン錯体である。
【0024】上記一般式(a)のルテニウム―カルベン
錯体については、ノルボルネン系モノマーに対する分散
性の面から溶媒に希釈して用いることが好ましく、溶媒
の例としては、トルエン、ベンゼン、m−キシレン、p
−キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロ
メタンなどが挙げられる。活性水素のある溶媒あるいは
酸に溶解させるのは錯体の安定性を損なうので好ましく
ない。ルテニウム―カルベン錯体のノルボルネン型モノ
マー1モルに対する混合量は1/5〜1/100000
モルの範囲が好ましい。更に好ましくは、1/1000
〜1/20000モルの範囲である。この範囲で必要な
ポットライフ及び硬化時間を基に、触媒の混合量を設定
すれば良い。
【0025】又、本発明の重合性組成物については、常
温で硬化させても良いし、加熱により硬化させても良
い。加熱する場合には、40℃から120℃程度に加熱
すると、迅速に硬化させることができる。上記、ノルボ
ルネン型モノマーとしては、請求項3記載の如く、ジシ
クロペンタジエンが価格・反応性・物性・入手の容易さ
の点から好適に用いられる。またその重合体は耐衝撃
性、耐熱性等の機械物性に優れるという特徴を有してい
る。
【0026】ジシクロペンタジエンは融点が33.6℃
であり常温で固体状であるが,他のノルボルネン型モノ
マーを添加することによって,常温において液体状で取
り扱うことが出来る。ジシクロペンタジエンに添加する
ノルボルネン型モノマーとしては、請求項4記載の如
く、エチリデンノルボルネン,メチルシクロペンタジエ
ン、シクロペンタジエン又はビニルノルボルネンが好ま
しい例として挙げられる。
【0027】本発明の粗面接着性重合性組成物について
は、請求項5記載の如く、更にアミン化合物を含有させ
ることにより、メタセシス重合の遅延剤として作用させ
ることができる。アミン化合物としては特に限定され
ず、飽和であっても不飽和であっても良いし、脂肪族で
あっても芳香族であっても良い。また、環を構成する窒
素原子の数は限定されず、さらに、別種の複素原子と環
を共有していても良い。この様なアミン化合物として
は、アリルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミ
ン,イソプロピルアミン,3,3’- イミノビス(プロ
ピルアミン),ジイソブチルアミン,t- ブチルアミ
ン,2- エチルヘキシルアミン,トリエチレンジアミ
ン,テトラメチルエチレンジアミン等の脂肪族アミン,
アニリン,p- アミノ安息香酸,p- アミノ安息香酸エ
チルエステル,o- アミノフェノール,m- アミノフェ
ノール,p- アミノフェノール,p- アミノベンズアル
デヒド,p- アミノベンゾニトリル等の芳香族アミンが
挙げられる。
【0028】アミン化合物の例として、更に、N−メチ
ルピペリジン,ピリジン,γ- シアノピリジン,γ- ピ
コリン,ピラジン,ピペラジン,ピペリジン,ピロリジ
ン,1,3,5- トリアジン,イミダゾール,2- アミ
ノチアゾール等の複素環式アミン、及びピリジン-N- オ
キシド等のアミン誘導体が挙げられる。これらのアミン
化合物は単独で用いても良いし,2種類以上のものを併
用して用いることもできる。これらの中でも、請求項6
記載の如く、第3級複素環アミンは、非常に優れた遅延
効果を得ることができる点で好ましく用いられる。第3
級複素環アミンとしては、飽和化合物であっても不飽和
化合物であってもよく、さらに別種の複素原子と環を共
有していても良く、また,環を構成する窒素原子の数も
限定されない。第3級複素環アミンの例としては、ピリ
ジン,γ-シアノピリジン,γ- ピコリン,ピラジン,
ピペラジン,ピペリジン,ピロリジン,1,3,5- ト
リアジン,イミダゾール,2- アミノチアゾール等が挙
げられる。
【0029】また、アミン化合物は配合する温度におい
て組成物に対する均一分散性を考慮すると液状であるこ
とが好ましく、固体状の場合には、液状にする方が好ま
しい。そのために溶媒に希釈することが好ましく、溶媒
の例としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラ
ン(THF)、m−キシレン、p−キシレン、ジクロロ
メタン等が挙げられる。
【0030】また、アミン化合物の混合タイミングにつ
いては、ノルボルネン型モノマーとルテニウム系メタセ
シス重合触媒を混合する際に、予め少なくとも一方に混
合しておいても良いし、ノルボルネン型モノマーとルテ
ニウム系メタセシス重合触媒の混合と同時に混合しても
良い。また、場合によっては、ノルボルネン型モノマー
とルテニウム系メタセシス重合触媒を混合してしばらく
してから混合することもできる。ルテニウム系メタセシ
ス重合触媒1モルに対するアミン化合物の混合量は10
000〜1/100モルの範囲が好ましい。更に好まし
くは、1000〜1/10モルの範囲である。但し、ノ
ルボルネン型モノマー1モルに対するアミン化合物の混
合量は1〜1/100000モルの範囲が好ましく、更
に好ましくは1/2〜1/50000モルの範囲であ
る。アミン化合物の混合量が多すぎるとメタセシス重合
反応が充分に進行せず、良好な物性を有する重合体を得
られないという問題があるし、逆にアミン化合物の混合
量が少ないと充分な遅延効果が得られないからである。
【0031】本発明の粗面接着性重合性組成物について
は、請求項7記載の如く、更に、無機骨材、無機充填
材、又は有機充填材を含有させることができる。本発明
の粗面接着性重合性組成物はあらゆる粗面を有する部材
同士を接着することが可能であるが、塗布面が垂直面や
天井等の場合には、ダレの問題により、接着性能が充分
に発揮できない可能性がある。そこで、請求項7記載の
如く、無機骨材、無機充填材又は有機充填材を配合する
のが有効である。また、無機骨材や無機充填材を添加す
ることにより、引張強度や曲げ強度もしくは接着力を大
幅に向上させることが可能である。更に、場合によって
は、粗面接着性重合性組成物を低コスト化の目的で使用
しても構わない。
【0032】無機骨材の例としては、硅砂、鉄系粒、バ
ライト、砂鉄、リン鉄、褐鉄鉱、磁鉄鉱、赤鉄鉱等が挙
げられる。次に、無機充填材の例としては、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸水
素ナトリウム、粉末シリカ、クレー、タルク、マイカ、
カオリン、フライアッシュ、ガラスバルーン等が挙げら
れる。更に有機充填材の例としては、木粉、合成樹脂
粉、天然ゴム粉、合成ゴム粉、プラスチック廃材の粉砕
物等が挙げられる。これらは、単独で用いても2種類以
上のものを併用しても良い。
【0033】配合量に関しては、接着剤として粗面に適
用した際にアンカー効果を発現可能な配合量であれば特
に限定されない。配合量が多すぎると、接着剤組成物の
粘度が高くなりすぎ、粗面に対して充分な浸透性がなく
なり、充分な接着強度が得られない可能性があるからで
ある。
【0034】次に、本発明の粗面接着性重合性組成物を
用いた、粗面接合体の製造方法及び粗面へのアンカーボ
ルト取り付け方法について図面を参照しながら説明す
る。
【0035】上述のとおり、本発明において「粗面」と
は、アンカー効果により物理的な接着力が発現可能な程
度の粗さの面をいうが、本発明における粗面の概念は、
2次元的な面に形成された凹凸面を指すにとどまらず、
クラック・亀裂・隙間や穴のような立体的な粗い面をも
含むものである。具体的には、コンクリート、モルタ
ル、レジンコンクリート、タイル、石材、木材等により
形成された部材が有する表面はもちろんのこと、元々平
坦な面を有する部材に意図的に凹凸を設けたものであっ
ても良い。
【0036】通常、コンクリート・モルタル・レジンコ
ンクリート製品、タイル、石材、木材等はアンカー効果
により物理的な接着力が発現可能な程度の粗面を有して
おり、この様な粗面を少なくとも1面有する部材(1)
同士の少なくとも片側に粗面接着性重合性組成物(2)
を塗布あるいは吹き付けし、接合させた状態の一例が図
1であり、接合させた状態で粗面接着性重合性組成物を
重合・硬化させることにより、少なくとも1つの粗面を
有する部材(1)同士を良好に接着することができる。
【0037】塗布させるか吹き付けるかはどちらでも良
く、大面積を接着する場合には、吹き付けの方が有利で
ある。また、接着される粗面接着性重合性組成物は必ず
しも同一でなくて良く、具体的な例を挙げれば、コンク
リートと木材のような異種材料でも良い。また、このよ
うな少なくとも1つの粗面を有する部材(1)同士を連
続的に接着して多数枚積層することも本発明の範疇に含
まれる(図2、請求項9参照)。無論、場合によって
は、4個の部材(1)を予め所定の位置に配置しておい
て、その間隙に粗面接着性重合性組成物(2)を充填す
るか流し込んで部材(1)同士を接合しても良い。
【0038】また、図3のように、外表面が粗面になさ
れた円筒状の部材(11)と、それを囲む様に配置された
パイプ状の内表面が粗面である部材(3)との間に、粗
面接着性重合性組成物(2)を充填させ、粗面接着性重
合性組成物(2)を重合・硬化させることによっても、
良好な接着体を得ることができる。また、図4のよう
に、予め一定の間隔を置いて並べておいた2個以上のタ
イル状体の側部が粗面とされた部材である被接合体(3
1)に対して、粗面接着性重合性組成物を上記間隔に流
し込んで充填し、重合・硬化させることにより、複数の
被接合面が粗面である被接合体(31)を一度に接着によ
って一体化させることができる。
【0039】図4の例にとどまらず、本発明の粗面接着
性重合性組成物(2)は流し込むことによって、複雑な
形状の粗面を有する部材である被接合体同士を良好に接
着一体化することができる。また、複数の被接合体を同
時に接着一体化できることも実用的に有用な点である。
本発明の粗面接着性重合性組成物はその使用される状況
に応じて粘度や反応性を最適化することにより、どのよ
うな粗面を有する部材(被接合体)同士も迅速かつ良好
に接着することができる。
【0040】次に、請求項10記載の発明の粗面接合体
の製造方法について説明する。図5は、請求項10記載
の発明の粗面接合体の製造方法の一実施形態を示す断面
図である。クラック等の欠陥部(5)により分断された
部分を有する部材(4)の前記クラックに粗面接着性重
合性組成物(2)を充填し重合・硬化させることによ
り、前記分断された部分を接合一体化した粗面接合体を
製造すると共に、クラック等の欠陥がこれ以上進展しな
いように補修するのである。このような使用方法につい
ては、コンクリートのクラック補修が最も適用頻度が高
いと考えられる。
【0041】また、本発明の粗面接着性重合性組成物
(2)はノルボルネン型モノマーを主成分とすることか
ら、引張強度・弾性率に優れるのはもちろんのこと、耐
衝撃性や変形追従性に優れることから、補修部分に短期
間で再度クラックが発生するようなことがない。また、
使用される部位に応じてノルボルネン型モノマーの配合
及び架橋密度を設計することにより、最も適した欠陥部
の補修を施すことが可能である。粗面接着性重合性組成
物のクラック等の欠陥部に対する充填方法は、欠陥部が
部材の内部にまで進行している場合には、補修材注入用
カートリッジ等により圧入して充填することが好まし
い。
【0042】次に、請求項11記載の発明の粗面へのア
ンカーボルト取り付け方法について説明する。アンカー
ボルト取り付け用の孔(8)が設けられた部材である被
接合体(6)の孔内部に粗面接着性重合性組成物(2)
をセットしてから、アンカーボルト(7)を据えつけ、
組成物(2)を重合・硬化させることにより、孔(8)
が設けられた被接合体(6)とアンカーボルト(7)を
強固に一体化させるのである。
【0043】具体的な例を挙げると、コンクリート打設
硬化後に、穿孔した孔にアンカーボルトを据えつけコン
クリートと一体化させるアンカー工事に利用することが
可能である。従来のコンクリート打設前、養生前にアン
カーボルトを据え付けたものに比べて取り付け精度を大
幅に向上させることができる。また、機械設備台座の据
えつけ工事にも利用できる。その他、棒状部材(断面が
円形であると四角形であるとを問わない)と穿孔された
被接合体の接着一体化に本発明の粗面接着性重合性組成
物を適用することが可能である。また、孔内部に粗面接
着性重合性組成物をセットする方法としては、粗面接着
性重合性組成物をそのまま孔の中に充填しても良いが、
別の一例を以下に示す。
【0044】例えば、ノルボルネン型モノマーとルテニ
ウム系メタセシス重合触媒とをガラス管または合成樹脂
管からなる二重構造の容器に、ノルボルネン型モノマー
とルテニウム系メタセシス重合触媒が混じらないように
別々に充填しておいて、コンクリート構造物や岩盤等の
被接合体に設けられた孔に容器のまま挿入され、これに
アンカーボルトが回転挿入されて容器が砕かれることに
より、ノルボルネン型モノマーとルテニウム系メタセシ
ス重合触媒が混合され、重合硬化してアンカーボルトが
固着される。以上の例の他、予め設けられた孔とアンカ
ーボルトを強固に接着一体化できるセット方法であれ
ば、どのような方法であってもよい。又、平坦な面を有
する材料に意図的に凹凸を設けたものであっても良い。
【0045】(作用)本発明の粗面接着性重合性組成物
は、ノルボルネン型モノマーとルテニウム系メタセシス
重合触媒を必須の成分として含有しているので、低温に
おける重合・硬化性に優れていると共に、酸素や水分の
存在する通常雰囲気下での重合が阻害され難いため、コ
ンクリート・モルタル製品等に多い、粗面を有する部材
の粗面に適用する際に、環境条件に左右されず作業性の
良好なるものである。また、ノルボルネン型モノマーの
重合接着後は、重合体の特性から耐衝撃性及び変形追従
性に優れ、クラック・剥離・亀裂等が発生し難く、長期
にわたって良好な接着硬化状態を保持することができ
る。請求項2の如く、メタセシス重合触媒として一般式
(1)で表わされるルテニウム―カルベン錯体を用いる
場合は上記作用が一層確実なものとなる。請求項3の如
く、ノルボルネン型モノマーとしてジシクロペンタジエ
ンを用いた場合は、反応性・物性・価格・入手の容易さ
の点から好ましい。請求項4の如く、ノルボルネン型モ
ノマーとして、更に、エチリデンノルボルネン、メチル
シクロペンタジエン、シクロペンタジエン又はビニルノ
ルボルネンを含有させた場合は、常温下で液体状で取扱
いが可能となり、作業性良く、粗面に対して良好に浸透
もしくは充填されつつ重合・効果してアンカー効果によ
り良好な接着接合強度を発現できる。請求項5の如く、
アミン化合物を含有させた場合は、メタセシス重合反応
を遅延させることができる。アミン化合物は、エポキシ
樹脂やウレタン樹脂の例からも明らかなように、通常は
重合反応を促進する効果を有する化合物として知られて
いるが、本発明においてメタセシス重合反応を遅延する
効果があることは非常に興味深いことである。請求項6
の如く、アミン化合物が第3級複素環アミンである場合
は、特に優れた遅延効果を奏する。例えば、コンクリー
ト製品等の大面積の部材に本発明の粗面接着性重合性組
成物を適用する場合や、予め組成物を配合しておいて暫
くしてから施工する場合は、ポットライフが長いことが
必要となるので、懸かる場合に、本発明の組成物及びこ
れを用いた本発明の粗面接合体の製造方法やアンカーボ
ルト取り付け方法は、非常に有用なものとなる。請求項
7の如く、更に、無機骨材、無機充填材、又は有機充填
材を含有させた場合は、粗面接着性重合性組成物を垂直
面や天井等にも適用可能となる。本発明の粗面接合体の
製造方法は、粗面を有する部材同士の粗面同士に、上記
粗面接着性重合性組成物を適用する方法であるので、重
合体を介して接合一体化された粗面接合体は、粗面との
接着性に優れ、耐衝撃性及び変形追従性に優れ、クラッ
ク・剥離・亀裂が発生し難く、長期に渡って良好な性能
を保持することができる。従来、この分野で用いられて
いたエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂に比較する
と、硬化収縮が非常に小さく、またポリマー自体の伸び
も大きいことから、厚肉で充填・注入してもクラックが
入りにくい点が特徴的である。請求項11の如く、アン
カーボルト取り付け用の孔が設けられた粗面形成体の前
記孔に、粗面接着性重合性組成物をセットした後にアン
カーボルトを挿入し重合させることにより粗面形成体と
一体化する場合は、粗面へのアンカーボルト取り付け
が、確実・容易に行われる。
【0046】
【実施例】(実施例1)ノルボルネン型モノマーとし
て,ジシクロペンタジエンモノマーと5-エチリデン2-ノ
ルボルネンモノマーを、ルテニウム系メタセシス反応触
媒として上述の一般式(a)で表わされるルテニウム−
カルベン錯体であるビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリドを、第3級複素
環アミンとしてピリジンを用いて、粗面接着性重合性組
成物を調製した。
【0047】すなわち、ノルボルネン系モノマーとして
は、ジシクロペンタジエンモノマーと5-エチリデン2-ノ
ルボルネンモノマーとをモル比で9:1に混合したもの
を用い、予め,ピリジンをこのノルボルネン系モノマー
混合物に対するモル比が6/10000になるように混
合撹拌しておいた。次に、この混合物100重量部に対
して、炭酸カルシウムを45重量部配合した。
【0048】更に、非極性溶媒であるトルエン200部
にビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデン
ルテニウムジクロリド10部を溶解させた溶液を、ビス
(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニ
ウムジクロリドのジシクロペンタジエン/ エチリデンノ
ルボルネン混合物に対するモル比が1/ 10000にな
るように、混合撹拌を行った。
【0049】この組成物を5℃の温度雰囲気下で、コン
クリートブロック(200×200×50mm)に厚さ
1mmで塗布し、同じ大きさのコンクリートブロックを
貼りつけた。そして、1時間後、6時間後、24時間後
のサンプルの硬化状態の確認及び引張り試験による接着
性の評価(n=5)を行った。評価した各種物性を表1
に示した。
【0050】(比較例1)ビスフェノールA型エポキシ
樹脂30重量部、可とう性エポキシ樹脂70重量部、変
性脂肪族ポリアミン50重量部、無水けい酸微粉末2重
量部、メチロハイドロジェンポリシロキサン1重量部よ
りなる組成物を、実施例1と同様に評価した結果を表1
に示した。 注:上段はサンプルの硬化状態で下段は接着性の評価結
果である。以上より、本発明の粗面接着性重合性組成物
はエポキシ樹脂と比較して低温での硬化性に優れ、ま
た、コンクリートとの界面剥離がなく、良好な接着性を
示すことが明らかになった。
【0051】
【表1】
【0052】(実施例2)ノルボルネン型モノマーとし
て,ジシクロペンタジエンモノマーと5-エチリデン2-ノ
ルボルネンモノマーを、ルテニウム系メタセシス反応触
媒として上述の一般式(a)で表わされるルテニウム−
カルベン錯体であるビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ベンジリデンルテニウムジクロリドを用いて粗面接
着性重合性組成物を調製した。尚、ノルボルネン型モノ
マーとしては、ジシクロペンタジエンとエチリデンノル
ボルネンを90:10のモル比で混合したものを用い
た。すなわち、ジシクロペンタジエンとエチリデンノル
ボルネンとの混合物4gに対して、砕石(粒径2から4
mm)8gを均一に混合したものを、外径13mm、肉
厚0. 7mm,長さ85mmのガラス管(外管)に充填
し、これに対して、予め、トルエン200部にビス(ト
リシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウム
ジクロリド10部を溶解させた溶液を0. 5g充填した
ガラス管(内管)を装填し、管の開口部に合成樹脂製の
栓をして粗面接着性重合性組成物を調製した。
【0053】この組成物をガラス管に充填したまま、圧
縮強度240kg/cm2のコンクリートブロックに設
けた直径15mm、深さ105mmの穴に挿入し、これ
に直径12mm、長さ150mmの全ネジボルトをハン
マードリルで回転撹拌してガラス管を砕きながら打設
し、−5℃×1時間、−5℃×24時間、−5℃×6ケ
月の条件で養生して硬化させたものについて、その固着
強度を測定した。固着強度は、上記と同じ温度条件で油
圧ジャッキによる最大引抜力で示し、これを3回ずつ測
定した。その結果を表2に示した。また、組成物の20
℃での硬化時間を同じく表2に示した。ここでの硬化時
間とは、混合してから最高発熱温度になるまでの時間を
指す。
【0054】
【表2】
【0055】(比較例2)不飽和ポリエステル樹脂10
0重量部とジメチルアニリン1重量部とナフテン酸錫
0. 1重量部を均一に混合した混合物4gに砕石(粒径
2から4mm)8gを均一に混合したものを、外径13
mm、肉厚0. 7mm,長さ85mmのガラス管(外
管)に充填し、これに対して、予め過酸化ベンゾイルを
硫酸カルシウムで30重量%に希釈した硬化剤0. 8g
を充填したガラス管(内管)を装填し、管の開口部に合
成樹脂製の栓をして粗面接着用重合性樹脂組成物を調製
した。
【0056】この組成物をガラス管に充填したまま、圧
縮強度240kg/ cm2のコンクリートブロックに設
けた直径15mm、深さ105mmの穴に挿入し、これ
に直径12mm、長さ150mmの全ネジボルトをハン
マードリルで回転撹拌してガラス管を砕きながら打設
し、−5℃×1時間、−5℃×24時間、−5℃×6ケ
月の条件で養生して硬化させたものについて、その固着
強度を測定した。固着強度は、上記と同じ温度条件で油
圧ジャッキによる最大引抜力で示し、これを3回ずつ測
定した。その結果を表2に示した。また、組成物の20
℃での硬化時間を同じく表2に示した。ここでの硬化時
間とは、混合してから最高発熱温度になるまでの時間を
指す。*以上からわかるように、本発明の粗面接着用重
合性樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂に比べて硬
化時間が短いので、施工後の短時間で充分に硬化して良
好な固着強度を発現することができる。
【0057】
【発明の効果】本発明の粗面接着性重合性組成物は、ノ
ルボルネン型モノマーとルテニウム系メタセシス重合触
媒を必須の成分として含有しているので、低温における
重合・硬化性に優れ、粗面との接着性に優れ、耐衝撃性
及び変形追従性に優れ、クラック・剥離・亀裂等が発生
し難く、長期にわたって良好な接着硬化状態を保持する
ことができる。従って、耐クラック性、耐熱性、耐薬品
性の面から、従来のエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル
樹脂が使えなかった用途やあるいは長期信頼性の要求さ
れる用途に利用することが可能となった。更には、低温
での硬化性に優れることから、特別な加熱手段を必要と
しない施工面のメリットも挙げられる。又、請求項2の
如く、一般式(a)で表わされるルテニウム―カルベン
錯体を用いた場合は上記作用が一層確実なものとなり、
請求項3の如く、ノルボルネン型モノマーとしてジシク
ロペンタジエンを用いた場合は、反応性や物性等と価格
等のバランスの点から好ましく、請求項4の如く、更
に、特定のノルボルネン型モノマーを含有させた場合
は、作業性良く、良好な接着接合強度を発現できる組成
物を提供し得る。又、請求項5の如く、更にアミン化合
物、特に請求項6の如く第3級複素環アミンを用いた場
合は、メタセシス重合反応に対して特に優れた遅延効果
を奏する。従って、例えば、コンクリート製品等の大面
積の部材に本発明の粗面接着性重合性組成物を適用する
場合や、予め組成物を配合しておいて暫くしてから施工
する場合は、ポットライフがながいことが必要となるの
で、懸かる場合に、本発明の組成物及びこれを用いた本
発明の粗面接合体の製造方法やアンカーボルト取り付け
方法は、非常に有用なものとなる。又、請求項7の如
く、更に無機充填材等を含有させた場合は、粗面接着性
重合性組成物を垂直面や天井等にも適用可能となる。本
発明の粗面接合体の製造方法は、粗面を有する部材同士
の粗面同士に、上記粗面接着性重合性組成物を適用する
方法であるので、低温における重合・硬化性に優れ、工
事現場を始めとする施工性の向上に寄与することができ
ると共に、重合体を介して接合一体化された粗面接合体
は、粗面との接着性に優れ、耐衝撃性及び変形追従性に
優れ、クラック・剥離・亀裂が発生し難く、長期に渡っ
て良好な性能を保持することができる。粗面形成体に粗
面接着性重合性組成物を適用する場合は、請求項9の如
く、3個以上の部材をその少なくとも一粗面が相対向す
るように配置した後に、組成物を充填しても良く、請求
項10の如く、クラックにより分断された部分を有する
部材のクラックに組成物を充填してもよく、いずれの場
合も、被接合体である部材が組成物の重合・硬化により
接合一体化されて、耐衝撃性及び変形追従性等の良好な
性能を長期に渡って保持することとなる。請求項11の
如く、アンカーボルト取り付け用の孔が設けられた部材
の孔に、粗面接着性重合性組成物をセットした後にアン
カーボルトを挿入し重合させて粗面形成体と一体化する
場合は、粗面へのアンカーボルト取り付けが、確実・容
易に行われる。尚、本発明の粗面接着用重合性樹脂組成
物は、従来、この分野で用いられていたエポキシ樹脂や
不飽和ポリエステル樹脂に比較すると、硬化収縮が非常
に小さく、またポリマー自体の伸びも大きいことから、
厚肉で充填・注入してもクラックが入りにくく、また、
不飽和ポリエステル樹脂に比べて硬化時間が短いので、
施工後の短時間で充分に硬化して良好な固着強度を発現
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項8記載の発明の粗面接合体の製造方法の
一実施形態を説明するための模式的側面図である。
【図2】請求項9記載の発明の粗面接合体の製造方法の
一実施形態を説明するための模式的側面図である。
【図3】請求項8記載の発明の粗面接合体の製造方法の
他の実施形態を説明するための模式的側面図である。
【図4】請求項9記載の発明の粗面接合体の製造方法の
他の実施形態を説明するための模式的側面図である。
【図5】請求項10記載の発明の粗面接合体の製造方法
の一実施形態を説明するための模式的断面図である。
【図6】請求項11記載の発明の粗面へのアンカーボル
ト取り付け方法の一実施形態を説明するための模式的断
面図である。
【符号の説明】
1 部材(被接合体) 11 円筒状部材(被接合体) 2 粗面接着性重合性組成物 3 パイプ状部材(被接合体) 31 タイル状部材(被接合体) 4 クラックを有する部材(被接合体) 5 クラック 6 アンカーボルト取り付け用孔が設けられた部材
(被接合体) 7 アンカーボルト 8 アンカーボルト取り付け用孔
フロントページの続き Fターム(参考) 2E125 AA76 AF01 AG10 AG13 BA13 BB08 CA84 CA85 2E176 AA01 BB14 BB16 4J032 CA24 CA25 CA34 CA38 CA43 CA45 CD02 CE21 CE22 4J040 FA191 HA366 HC01 HC20 HD43 KA14 KA17 KA42 LA05 LA06 MA06 MB09

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノルボルネン型モノマー、及びルテニウ
    ム系メタセシス重合触媒を含有することを特徴とする粗
    面接着性重合性組成物。
  2. 【請求項2】 ルテニウム系メタセシス重合触媒が一般
    式(a)で表わされるルテニウム―カルベン錯体である
    ことを特徴とする粗面接着性重合性組成物。 【化1】 (式中、Ru はルテニウムを表わし、R1 及びR2 は、
    互いに独立に、水素、C 2 〜C20‐アルケニル基、C1
    〜C20‐アルキル基、アリール基、C1 〜C20‐カルボ
    ン酸エステルもしくはカルボン酸塩、C1 〜C20‐アル
    コキシ基、C2 〜C20‐アルケニルオキシ基、アリール
    オキシ基、C2 〜C20‐アルコキシカルボニル基、C1
    〜C20‐アルキルチオ基(これらは、C1 〜C5 ‐アル
    キル基、ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって
    置換されていても良く、又はC1 〜C5 ‐アルキル基、
    ハロゲン、C1 〜C5 ‐アルコキシ基によって置換され
    たフェニル基によって置換されていても良い)を表わ
    し、X1 及びX2 は、互いに独立に、任意のアニオン性
    配位子を表わし、L1 及びL2 は、互いに独立に、任意
    の中性電子供与体を表わし、X1 、X2 、L1 及びL2
    の内2個又は3個は、一緒に多座キレート化配位子を形
    成していても良い。)
  3. 【請求項3】 ノルボルネン型モノマーがジシクロペン
    タジエンであることを特徴とする請求項2記載の粗面接
    着性重合性組成物。
  4. 【請求項4】 ノルボルネン型モノマーとして、更に、
    エチリデンノルボルネン、メチルシクロペンタジエン、
    シクロペンタジエン又はビニルノルボルネンを含有する
    ものであることを特徴とする請求項3記載の粗面接着性
    重合性組成物。
  5. 【請求項5】 更に、メタセシス重合の遅延剤としてア
    ミン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4何
    れか1項記載の粗面接着性重合性組成物。
  6. 【請求項6】 アミン化合物が第3級複素環アミンであ
    ることを特徴とする請求項1〜5何れか1項記載の粗面
    接着性重合性組成物。
  7. 【請求項7】 更に、無機骨材、無機充填材、又は有機
    充填材を含有することを特徴とする請求項1〜6何れか
    1項記載の粗面接着性重合性組成物。
  8. 【請求項8】 粗面を有する部材同士の粗面同士を、請
    求項1〜6何れか1項記載の粗面接着性重合性組成物の
    重合体を介して接合一体化することを特徴とする粗面接
    合体の製造方法。
  9. 【請求項9】 3個以上の部材をその少なくとも一粗面
    が相対向するように配置した後に、粗面間に請求項1〜
    6何れか1項記載の粗面接着性重合性組成物を充填し、
    重合させることにより接合一体化することを特徴とする
    請求項8記載の粗面接合体の製造方法。
  10. 【請求項10】 クラックにより分断された部分を有す
    る部材の前記クラックに請求項1〜6何れか1項記載の
    粗面接着性重合性組成物を充填し重合させることによ
    り、分断された部分を接合一体化することを特徴とする
    粗面接合体の製造方法。
  11. 【請求項11】 アンカーボルト取り付け用の孔が設け
    られた部材の前記孔に、請求項1〜6何れか1項記載の
    粗面接着性重合性組成物をセットした後にアンカーボル
    トを挿入し重合させることにより部材と一体化すること
    を特徴とする粗面へのアンカーボルト取り付け方法。
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