JP2001002747A - 芳香族ポリカルボジイミド及びそのシート - Google Patents

芳香族ポリカルボジイミド及びそのシート

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JP2001002747A JP11170518A JP17051899A JP2001002747A JP 2001002747 A JP2001002747 A JP 2001002747A JP 11170518 A JP11170518 A JP 11170518A JP 17051899 A JP17051899 A JP 17051899A JP 2001002747 A JP2001002747 A JP 2001002747A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒への溶解性が高く加工性が良好で、
かつ優れた耐熱性、耐湿性を有するポリカルボジイミド
を得る。 【解決手段】 本発明は下式(I): 【化1】 (式中、nは2〜300の整数を意味する。)で表され
る構成単位を有する芳香族ポリカルボジイミドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は新規な芳香族ポリカルボジイミ
ドに関する。本発明の芳香族ポリカルボジイミドは、高
耐熱性、低吸湿性、低誘電率など種々の優れた特性を有
するシート(フィルム)や接着剤、成形物として用いるこ
とができる。
【0002】芳香族ポリカルボジイミドには、従来ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)やトリレンジイ
ソシアネート(TDI)などをモノマーとし、これを重合
したものが知られている。このようなポリカルボジイミ
ドは、その優れた耐熱性により耐炎化フィルムや耐熱性
接着剤として使用されている。
【0003】
【発明の目的及び概要】これらポリカルボジイミドフィ
ルムは、400℃以上の高温に曝しても揮発性ガスや分
解モノマーを生成しないという点では耐熱性を有する
が、耐湿性が低かったり、200℃以上で熱処理すると
自己保持性がなく、脆くなり実用に耐えない。また、有
機溶媒に対する溶解性が乏しく加工性も低い。
【0004】本発明者らは、このような従来のポリカル
ボジイミドの欠点を解消すべく種々の検討を重ねた。そ
の結果、下記の新規な骨格を有するポリカルボジイミド
により前記課題が解決し得るとの知見を得て本発明を完
成するに至った。
【0005】即ち、本発明は下式(I):
【化2】 (式中、nは2〜300の整数を意味する。)で表され
る構成単位を有する芳香族ポリカルボジイミドを提供す
るものである。
【0006】このポリマーは新規な高分子化合物であ
り、優れた溶解性と共に高い耐熱性を有し、また接着
性、低温加工性及び耐湿性にも優れる。
【0007】
【発明の詳細な開示】本願発明のポリカルボジイミド
は、下式(II):
【化3】 で表されるジイソシアネートをモノマーとし、これをリ
ン系触媒の存在下、それ自体は公知の方法で重合するこ
とにより得られる。なお、本発明のポリカルボジイミド
の原料となるモノマー式(II)は新規化合物である。
【0008】本発明のポリカルボジイミドは、特開平3
−90052号に開示の下式(III)で示されるジアミン
を原料とし、これを公知の方法によりイソシアネート化
し、ついで重合を行い製造できる。
【0009】
【化4】
【0010】(モノマーの製造)このようなジアミンか
ら前記式(II)で表されるジイソシアネートを得る方法と
しては、対応するジアミンにホスゲン、ジフェニルカー
ボネート、又はカルボニルジイミダゾールを作用させる
方法、あるいはジカルボン酸からクルチウス転位により
製造する方法が挙げられる。さらに、他の方法として、
ジアミン化合物にハロゲン化アルキルホルメートまたは
ハロゲン化アリールホルメートなどのハロゲン化ホルメ
ートを作用させてジカーバメートを合成し、これに活性
化試薬としてクロロシランなどのハロゲン化ケイ素化合
物を用いて熱分解によりジイソシアネート化する方法
(特開平10-158394号、G. Greber. et. al., Angew. Che
m. Int. Ed., Vol. 17, No.12, 941(1968))やカテコー
ルボランを用いてジイソシアネート化する方法(V.L.K.V
alli.et.al.,J.Org.Chem.,Vol.60,257(1995))があり、
これらの方法は収率及び安全性の点からより好ましい。
【0011】(カーバメートの製造)まず、カーバメー
トを製造するにあたっては、ジアミンに三級アミンの存
在下で直接ハロゲン化ホルメートを反応させてもよい
し、ジアミンをシリル化ジアミンとして活性化した後に
ハロゲン化ホルメートを反応させてもよい。以下では、
シリル化ジアミンを活性中間体としてイソシアネートを
得る方法についてさらに詳細に述べる。
【0012】(シリル化ジアミンの合成)かかるジアミン
化合物のシリル化方法としては、塩基性化合物の存在下
において、対応するジアミンに有機ハロゲン化ケイ素化
合物を作用させる方法が用いられる(Oishi, et. al. Ma
cromoleculesx, 21, 547 (1988)、Oishi, et. al. J. of
Polym. Sci., Part A, 25, 2493 (1987)、Oishi, et. a
l. Macromol. Chem., Rapid Commun., 12, 465 (199
1))。即ち、対応するジアミン化合物に有機ハロゲン化
ケイ素化合物、具体的にはトリメチルクロロシラン、ト
リエチルクロロシラン、トリメトキシクロロシランなど
のクロロシラン類などを作用させることにより合成され
るが、扱いやすさや経済性の面から、トリメチルクロロ
シランが最も好適である。また、ヘキサメチルジシラザ
ンを用いる方法を採用することもできる。
【0013】これらの有機ハロゲン化ケイ素化合物は単
独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
有機ハロゲン化ケイ素化合物の使用量はジアミンのモル
数の1.5〜3.4倍がよく、1.8〜3.0倍がより
好ましい。使用量がこれより少ないと、反応が完全に進
行しないため好ましくない。一方、前記範囲より多いと
未反応の有機ハロゲン化ケイ素化合物を反応終了後に除
去するのが困難であり好ましくない。
【0014】これら反応に用いられる溶媒はジアミンを
溶解させるものであればよい。例えばテトロヒドロフラ
ン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエー
テル系化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンなどのケトン系化合物;酢酸エチルな
どのエステル系化合物;トルエン、キシレン、ベンゼン
などの芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム、塩化メチ
レン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素
などが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよ
く、2種以上混合して用いてもよい。
【0015】反応混合物中のジアミン濃度は1〜50
%、好ましくは5〜40%、最適には10〜30%であ
る。上記濃度が低すぎると反応に時間を要し、実用的で
ない。濃度が高すぎると好ましくない副反応を招いた
り、反応の制御が困難になる恐れがある。反応温度は0
〜150℃、好ましくは20〜130℃である。反応温
度がこれより低いと反応が進行しにくく実用的でない。
また、これより高い反応温度は溶剤の選択が困難であ
り、縮合などの副反応を生ずる可能性がある。
【0016】反応により生成する塩化水素をトラップす
る塩基性化合物としては、用いた溶媒に溶解し反応を阻
害しないものであればよく、有機塩基、無機塩基をいず
れも用いることができる。溶媒に溶解しやすいという点
から有機塩基が好ましい。反応を阻害しない点から特に
トリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、コリジン、ピコリン、ル
チジンなどの三級アミンが好ましい。塩基の使用量はジ
アミンの使用モル数の1.5〜3.4倍がよく、1.8〜
3.0倍がより好ましい。
【0017】(シリル化ジアミンからジイソシアネート
の合成)次にシリル化ジアミンにハロゲン化ホルメート
を反応させ、カーバメート化合物とする。ハロゲン化ホ
ルメートとしては、メチルクロロホルメート、エチルク
ロロホルメート、フェニルクロロホルメート、p−ニト
ロフェニルクロロホルメートなどが用いられるが、ポリ
カルボジイミドを得るための充分に活性化したウレタン
を得るためには、フェニルクロロホルメートまたはp−
ニトロフェニルクロロホルメートがより適している。こ
れらのハロゲン化ホルメート類は単独で用いてもよい
し、2種以上を用いてもよい。あるいは2種以上のハロ
ゲン化クロロホルメートを用いることにより、片方がイ
ソシアネート化に対し不活性な非対称のウレタン化合物
を予め生成させておき、これを末端封止剤の代替化合物
として用いることもできる。
【0018】反応温度は−40℃〜100℃、好ましく
は−20℃〜80℃であるが、副反応を防ぐために、氷
浴等で適宜冷却しながら反応を行ってもよい。ハロゲン
化ホルメート類の使用量はジアミンのモル数の1.5〜
3.4倍がよく、最適には1.8〜3.0倍がよい。使用
量が少なすぎると、系中に未反応ジアミンまたはシリル
化ジアミンが残存し、次いで生成するイソシアネートと
尿素生成などの副反応を引き起こすため、好ましくな
い。多すぎると反応終了後に系中から取り除くことが困
難である。シリル化ジアミンとハロゲン化ホルメートの
反応が進行するに伴い、有機ハロゲン化ケイ素化合物が
再生する。ここで再生した有機ハロゲン化ケイ素化合物
は、次のイソシアネート化反応の活性化試薬として作用
する。カーバメート化合物からイソシアネートを生成す
る際に反応を促進する塩基性化合物としては、トリエチ
ルアミンなど比較的塩基性の高い3級アミンがより好ま
しい。イソシアネート化の反応温度は0℃〜160℃、
好ましくは20℃〜140℃である。0℃以下の低温で
は反応が進行しない場合があり、160℃以上の高温で
は反応生成物が分解するなどの副反応が生じたりする場
合がある。塩基の使用量は用いるジアミンのモル数の
1.5〜3.4倍がよく、最適には1.8〜3.0倍がよ
い。つぎにこのように合成したジイソシアネートを単
離、精製するか、またはそのまま重合してポリカルボジ
イミドを得る。
【0019】(ジイソシアネートからのポリカルボジイ
ミドの製造)本発明のポリカルボジイミドを製造するに
は、前記式(II)で表されるジイソシアネートモノマーを
単独で用いてもよく、本発明のポリカルボジイミドの特
性を損なわない範囲で他の有機ジイソシアネート、例え
ば4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソ
シアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシ
アネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジ
イソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、o−トリレンジイソシア
ネート、2,2−ビス[4−(4−イソシアネートフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
[4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル]プロパ
ンなどと共重合してもよい。
【0020】共重合比は式(II)で表されるジイソシアネ
ートモノマーに対し、1〜90mol%、より好ましくは
1〜70mol%、最も好ましくは1〜50mol%である。
共重合比が90mol%を超えると、本発明のポリカルボ
ジイミドの特性が失われる可能性がある。また、本発明
のポリカルボジイミドに対して1/100〜100/1
の割合で他のポリカルボジイミドをワニス状態で混合し
て用いてもよい。
【0021】重合温度は40〜150℃が好ましく、5
0〜140℃がより好ましい。反応温度が40℃より低
いと反応時間が長くなりすぎ実用的でない。また150
℃を越える反応温度は溶媒の選択が困難である。
【0022】ポリカルボジイミド合成におけるジイソシ
アネートモノマー濃度は1〜70重量%(以下、単に%
という)、好ましくは5〜60%、最も好ましくは15
〜50%である。モノマー濃度が1%より低いとカルボ
ジイミド化が進行しない場合がある。また70%を越え
ると反応の制御が困難になる。
【0023】ポリカルボジイミドの合成時及びポリカル
ボジイミド溶液に用いられる有機溶媒は、従来公知のも
のであってよい。具体的にはテトラクロロエチレン、
1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタ
ンなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンな
どのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳
香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらは単独で用い
てもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0024】カルボジイミド化に用いる触媒としては公
知のリン系触媒がいずれも好適に用いられ、例えば1−
フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル
−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホ
スホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−
2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−
ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドが挙げられ
る。
【0025】なお、前記のジアミンのカーバメート化、
ジイソシアネート化及びカルボジイミド化にあたって
は、それぞれの工程で単離、精製を行い、段階的に進め
てもよく、1つの反応容器中でこれらの工程を続けて一
連の反応として行ってもよい。
【0026】また重合反応の末期、中期、初期のいずれ
か、もしくは全般にわたり、モノイソシアネートを加え
て末端封鎖処理をしてもよい。このようなモノイソシア
ネートとしては、フェニルイソシアネート、p−ニトロ
フェニルイソシアネート、p−及びm−トリルイソシア
ネート、p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イ
ソプロピルフェニルイソシアネート、1−ナフチルイソ
シアネートなどを用いることができる。このようにして
得られたポリカルボジイミド溶液は、溶液の保存安定性
に優れている。
【0027】また、反応終了後にメタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール、ヘ
キサン、ヘプタン、ペンタンなどの低級炭化水素等貧溶
媒に反応液を投入し、ポリカルボジイミドを沈澱として
析出させ、未反応のモノマーや触媒を取り除いてもよ
い。ポリカルボジイミドの溶液を調製するには、沈殿と
して析出したポリマーを所定の操作により洗浄、乾燥を
行い、再度有機溶媒に溶解する。このような操作を行う
ことにより、ポリカルボジイミドの溶液安定性を向上さ
せることができる。
【0028】また、ポリマー溶液中に含まれる副生成物
を、適当な吸着剤などに吸着させ、精製してもよい。吸
着剤としては例えばアルミナゲル、シリカゲル、活性
炭、ゼオライト、活性酸化マグネシウム、活性ボーキサ
イト、フラースアース、活性白土、分子ふるいカーボン
などを単独もしくは併用して用いることができる。
【0029】本発明のポリカルボジイミドの重合度nは
2〜300、好ましくは4〜100である。nがこれよ
り大きいと、常温での放置においても数分から数時間で
容易にゲル化し実用上好ましくない。また、分子量がこ
れより小さいと皮膜の信頼性に欠け好ましくない。
【0030】(フィルム及び接着シートの製造)本発明
のポリカルボジイミドフィルム(又はシート)は、ポリカ
ルボジイミドワニスを公知の方法(キャスティング、ス
ピンコーティング、ロールコーティングなど)を用いて
適当な厚さに製膜することにより得られる。このフィル
ムは、通常、溶媒の除去に必要な温度で乾燥すればよ
く、硬化反応をあまり進行させずに乾燥させるよう、塗
工温度は例えば20〜350℃、好ましくは50〜30
0℃である。乾燥温度が20℃より低いと、フィルム中
に溶剤が残存し、フィルムの信頼性が乏しくなり好まし
くない。また乾燥温度が350℃より高いと、フィルム
の熱硬化が進みやすい。
【0031】本発明のポリカルボジイミド樹脂組成物に
は、その加工性、耐熱性を損なわない範囲で微細な無機
充填剤を配合してよい。また表面平滑性を出すための平
滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加剤を必要に
応じて添加してもよい。
【0032】本発明のポリマーをフィルム状に成形した
成形物は、耐熱性接着シートとして用いることができ
る。フィルム、又は接着シートに成形することができる
シート厚としては、一般には1〜200μmであるが、
これに限定されるものではなく目的に応じて適宜選択す
ることができる。またシートの形状や大きさについて
も、リードフレームや半導体チップなど、被着体に応じ
て適宜に決定することができる。
【0033】接着シートを製造する場合、導電性の付与
や熱伝導性の向上、弾性率の調節、特に高弾性率化など
をはかるため、例えばアルミニウム、銅、銀、金、ニッ
ケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田などの
金属、あるいは合金、アルミナ、シリカ、マグネシア、
窒化ケイ素などのセラミック、その他カーボンなどから
なる種々の無機粉末を必要に応じ1種または2種以上配
合してもよい。
【0034】さらに、これらのフィルムを支持体上に形
成して接着シートとしてもよい。このような構成の接着
シートを製造するには、支持体上にワニスを塗工しても
よく、あらかじめフィルムを形成し、これをプレスなど
によりラミネートして製造してもよい。
【0035】ここで用いられる支持体としては金属箔、
絶縁性フィルムなどが挙げられる。金属箔としてはアル
ミニウム、銅、銀、金、ニッケル、インジウム、クロ
ム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム等がいずれも用いられて
よく、これらを単独で、あるいは合金として用いてもよ
い。また、絶縁性フィルムとしては、ポリイミド、ポリ
エステル、ポリエチレンテレフタレートなど、耐熱性や
耐薬品性を有するフィルムであればいずれも用いること
ができる。
【0036】また金属箔と絶縁性フィルムは、それぞれ
単独で用いてもよく、また両者を2層以上積層した、例
えば金属箔/絶縁性フィルムなどの2層基材を用いても
よい。このような2層基材としては、例えば銅/ポリイ
ミド2層基材などが挙げられる。
【0037】本発明のシート状接着剤は、加熱処理によ
り熱硬化して強固な接着力を発現すると共に、低吸湿性
の硬化物となる。加熱処理を行うには、例えばヒータ
ー、超音波、紫外線などの適宜の方法が用いられてよ
い。従って本発明の接着シートは、種々の材料の接着処
理に好ましく、特に高信頼性の固着処理が要求され、そ
のため低吸湿性であることを要する半導体チップやリー
ドフレームなどで代表される電気・電子部品の固着処理
に好ましい。本発明の接着シートは低吸湿性であるこ
と、可撓性に富み取り扱いやすいこと、半導体素子に対
して接着性がよいこと、保存安定性がよいことなどの点
で優れている。
【0038】(用途)このようにして製造されたポリカ
ルボジイミド樹脂は、その耐熱性を利用して電子部品用
の接着剤や被覆材料として用いることもできる。
【0039】
【実施例】つぎに本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明する。反応はすべて窒素気流下で行っ
た。なお、得られたポリカルボジイミドの特性は次のよ
うにして測定した。
【0040】IR 日本電子製FT/IR−230を用いて測定した。熱硬化温度及びガラス転移温度(Tg) DSC−200((株)セイコー電子工業製)を用いて測定
し、三量体化の発熱ピークを熱硬化温度とした。
【0041】数平均分子量(Mn) 装置としてHLC8120((株)東ソー製)、カラムにGMH
HR-H+GMHHR-H+G2000HHR((株)東ソー製)を用い、テトラ
ヒドロフランを展開溶媒として測定した。弾性率(E') DMS210((株)セイコー電子工業製)を用いて測定
した。接着力 島津オートグラフAGS−100Dを用いて180°ピ
ール強度を測定した。
【0042】
【実施例1】攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却器を取り付
けた四つ口フラスコに下式(IV)のジアミン(11.25
g,20.0mmol)、トリエチルアミン(4.05g,40.0mmo
l)、トリメチルクロロシラン(4.35g,40.0mmol)、
トルエン58gを仕込み、80℃で3時間攪拌してシリル化
ジアミンを得た。
【化5】 室温まで冷却後、滴下漏斗にフェニルクロロホルメート
(6.26g,40.0mmol)を入れ、水浴中でおよそ10分かけ
て滴下し、室温で一晩攪拌した。カーバメートの生成を
IRで確認した後、トリメチルクロロシラン(0.87g、
8mmol)、トリエチルアミン(4.87g、48mmol)を仕込
み、80℃で、3時間攪拌して、イソシアネート化を行っ
た。IRによりイソシアネートの生成を確認した(図
1)後、室温まで冷却してカルボジイミド化触媒(3−
メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシ
ド)(0.19g、1.00mmol)と末端封止剤(p−イソプロ
ピルフェニルイソシアネート)(0.74g、4.60mmol)を
仕込み、80℃、3時間重合した。
【0043】IRスペクトルによりカルボジイミド化を
確認し(図2)、生成したトリエチルアミン塩酸塩を濾
過により除去し、ワニスを得た。このポリカルボジイミ
ドの数平均分子量(Mn)は、4170(n=7)であっ
た。上記ワニスの保存安定性は、10日以上であり、ワニ
スをガラス板上にキャスティングし、90℃にて30分間、
さらに200℃で60分間乾燥したところ、かとう性を有す
るフィルムが得られた。また、ワニスをイソプロピルア
ルコールで再沈殿し、析出した固体を集めて乾燥して得
られた粉末はTg=216℃、Tc=320℃であった。
【0044】
【実施例2】実施例1で製造したワニスを厚さ105μm
の銅箔上に塗工し、90℃で30分、次いで250℃で30分乾
燥して接着剤層の厚みが30μmの接着シートを得た。こ
れを42アロイ板に貼り付け、300℃、50kg/cm2の圧力で
1秒間プレスして貼り合わせた。接着力は1200g/cmであ
った。この基材の半田耐熱試験(260℃×10分)を行った
ところ、良好な接着性を示した。接着剤層のTgは150℃
で、240℃における弾性率は0.80Gpa、吸水率は0.1%で
あった。
【0045】[比較例1]2,4−トリレンジイソシアネ
ート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物(混合割合
90:10)5g(28.7mmol)をテトラヒドロフラン20g中でカ
ルボジイミド化触媒(3−メチル−1−フェニル−2−ホ
スホレン−1−オキシド)43mg(0.22mmol)とともに60
℃で15時間攪拌し、ポリカルボジイミド溶液を得た。こ
のポリマーの数平均分子量は6,700(n=52)であった。
ワニスをガラス板上にキャスティングし、90℃にて30分
間乾燥、次いで250℃で30分間乾燥したところ得られた
フィルムは黒色の非常に脆いフィルムであった。このフ
ィルムの熱的特性を評価したところ、Tc=300℃、T
g=227℃であった。
【0046】
【発明の効果】本発明のポリカルボジイミドは有機溶媒
への溶解性が高く加工性が良好で、優れた耐熱性、耐湿
性を示し、電子部品製造時のハンダ付け工程における耐
熱性被覆材料などとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたジイソシアネートの赤外
吸収スペクトルである。
【図2】 実施例1で得られたポリカルボジイミドの赤
外吸収スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 三隅 貞仁 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 薩摩 道夫 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA60 BB02 BC01 4J002 CM051 EA056 EB006 ED026 EE026 EL066 EL106 GJ01 GQ00 HA05 4J034 AA05 HA01 HA07 HA11 HC12 HC65 HC67 HC70 HC71

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I): 【化1】 (式中、nは2〜300の整数を意味する。)で表される
    構成単位を有する芳香族ポリカルボジイミド。
  2. 【請求項2】 請求項1の芳香族ポリカルボジイミドを
    有機溶媒に溶解してなるポリカルボジイミド溶液。
  3. 【請求項3】 請求項1の芳香族ポリカルボジイミドか
    らなるポリカルボジイミドシート。
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