JP2001002700A - 癌の判定方法 - Google Patents

癌の判定方法

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JP2001002700A
JP2001002700A JP11172486A JP17248699A JP2001002700A JP 2001002700 A JP2001002700 A JP 2001002700A JP 11172486 A JP11172486 A JP 11172486A JP 17248699 A JP17248699 A JP 17248699A JP 2001002700 A JP2001002700 A JP 2001002700A
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ceas
cea
isoelectric
cancer
isoelectric point
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Hideaki Hosokawa
秀明 細川
Kenji Nakamura
賢治 中村
Shinji Satomura
慎二 里村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen、
以下、「CEA」と略記する。)類をマーカーとして用
いた癌の判定方法と、該判定に際し重要な役割を担う新
規な酸性CEA類の提供。 【解決手段】 生体由来試料中に存在する癌胎児性抗原
類を、その等電点の違いに基づいて分別測定し、その結
果に基づいて判定を行うことを特徴とする、癌の判定方
法、及び等電点電気泳動による等電点が5.2以下であ
るか、又は陰イオン交換クロマトグラフィーに於いて、
50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝液
(pH8.0)で緩衝化されたジエチルアミノエチル基を
陰イオン交換基として有する充填剤に吸着する、CEA
類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、癌胎児性抗原(ca
rcinoembryonic antigen、以下、「CEA」と略記す
る。)類をマーカーとして用いた癌の判定方法と、該判
定に際し重要な役割を担う新規な酸性CEA類に関す
る。
【0002】
【従来の技術】CEA類は、癌細胞から産生される胎児
性抗原の一つであり、正常消化器粘膜細胞表面および腫
瘍組織から産生され、分子量20万前後、糖含量が約5
0%の糖蛋白質の一種である。CEA類は、正常ヒトの
血中には存在しないが、大腸癌、肺癌、胃癌、乳癌、肝
癌などの臓器癌になると、細胞中や血中の濃度が上昇す
ることが知られている。そのため、CEA類の血中含量
は広範囲の腫瘍マーカーとして有用であり、血中のCE
A類量の測定は、癌のスクリーニングや術後の経過観
察、再発予防に広く用いられている。しかしながら、血
中のCEA類量の測定だけでは早期癌の判定は困難であ
る。
【0003】そのため、腫瘍組織の早期癌の判定には、
X線診断、内視鏡的診断等がおこなわれている。しか
し、X線診断では早期癌を発見するのは困難であり、内
視鏡的診断では診断技術と知識によって診断が左右され
るという問題がある。
【0004】一方、CEA類産生細胞である正常消化器
粘膜細胞および腫瘍細胞よりCEA類を夫々精製し、そ
の糖鎖構造を解析した結果、正常消化器粘膜細胞と腫瘍
細胞とでは結合している酸性基の存在率が違っているこ
とが判った(Katsuko Yamashita,J.Biol.Chem.,264(3
0),17873-17881(1989)、Katsuko Yamashita,Glycobiolo
gy,5(1),105-115(1995))。そこで、精製されたCEA類
の糖鎖構造を分析し、その違いにより癌を判定する方法
も考えられた。しかしこの方法では、採取した細胞から
CEA類を精製したり、その糖鎖構造を解析するために
長時間かかるので、早期癌の判定に用いるには問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況か
ら、本発明が解決しようとする課題は、CEA類を用い
て容易に且つ簡便に癌を判定し得る方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために成されたものであり、(1)生体由
来試料中に存在するCEA類を、その等電点の違いに基
づいて分別測定し、その結果に基づいて判定を行うこと
を特徴とする、癌の判定方法、及び(2)等電点電気泳
動による等電点が5.2以下であるか、又は陰イオン交
換クロマトグラフィーに於いて、50mMトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン緩衝液(pH8.0)で緩衝化
されたジエチルアミノエチル基(DEAE)を陰イオン
交換基として有する充填剤に吸着する、酸性CEA類、
に関する。
【0007】即ち、本発明者らは、上記した如き課題を
解決するために鋭意研究した結果、生体由来試料中に存
在するCEA類を、その等電点の違いに基づいて分別測
定し、その結果に基づいて判定を行えば、癌を簡便に判
定できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】本発明に於いて、CEA類を等電点の違い
に基づいて分別する方法としては、等電点の違いにより
分別できる方法であれば何れの方法でも良く、特に限定
されるものではないが、例えばイオン交換クロマトグラ
フィーや等電点電気泳動法等の分離方法が特に好ましい
ものとして挙げられる。
【0009】また、分離後の夫々の画分のCEA類、総
CEA類等のCEA類の測定は、従来より行われている
自体公知のCEA類の測定方法で行えばよく、特に限定
されないが、例えば酵素等の標識化合物で修飾した抗C
EA類抗体(以下、「標識化された抗CEA類抗体と」
略記する。)を用いるイムノアッセイ法が簡便であり実
用的なものとして挙げられる(Ole P.Bormer,The Norwe
gian Cancer SocietyPress,Oslo,Norway,1992)。
【0010】本発明に係る標識化された抗CEA類抗体
に用いられる抗CEA類抗体としては、例えばCEA類
の不変領域に結合する抗体が挙げられる。尚、CEA類
の不変領域とは、生体試料中の全てのCEA類に共通な
構造領域のことを指す(MASAHIDE KUROKI, HYBRIDOMA,4
(11),391-407(1992))。
【0011】また、抗CEA類抗体には、変異した糖鎖
構造を有するCEA類の当該変異した糖鎖構造に特異的
に結合する抗CEA類抗体、変異した糖鎖構造を有する
CEA類の当該変異した糖鎖構造に特異的に結合する蛋
白質(特定糖鎖結合蛋白質)が結合したCEA類とは結
合しない性質を有する抗CEA類抗体、特定糖鎖結合蛋
白質の結合の有無に関わらず、全てのCEA類と結合し
うる性質を有する抗CEA類抗体等も含まれる。これら
は単独で用いても、適宜組み合わせて用いても良い。
【0012】上記の抗CEA類抗体は、このような性質
を有する抗体であれば、常法、例えば[免疫実験学入
門、第2刷、松橋直ら、(株)学会出版センター、198
1]等に記載の方法に従って、例えば馬、牛、羊、兎、
山羊、ラット、マウス等の動物に測定対象を免疫して作
製されるポリクローナル抗体でも、或いはまた常法、即
ちケラーとミルスタイン(Nature、256巻,495頁,1975)
により確立された細胞融合法に従って、例えばマウスの
腫瘍ラインからの細胞と測定対象物で予め免疫されたマ
ウスの脾臓細胞を融合させて得られるハイブリドーマが
産出するモノクローナル抗体でもよい。
【0013】本発明に係る標識化された抗CEA類抗体
に於いて、抗CEA類抗体に結合させる標識物質として
は、例えばEIA(酵素免疫測定法)に於いて用いられ
るアルカリホスファターゼ,β-ガラクトシダーゼ,パ
ーオキシダーゼ(以下、「POD」と略記する。),マ
イクロペルオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ,グ
ルコース-6-リン酸脱水素酵素,アセチルコリンエステ
ラーゼ,リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素
類、例えばRIA(放射免疫測定法)で用いられる99m
Tc,131I,125I,14C,3H等の放射性同位元素、例
えばFIA(蛍光免疫測定法)で用いられるフルオレセ
イン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,ユーロ
ピウム,ナフチルアミン或はこれらの誘導体等の蛍光性
物質、例えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノー
ル,ビス(2,4,6-トリフロロフェニル)オキザレート等の
発光性物質、例えばフェノール,ナフトール,アントラ
セン或はこれらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物
質、例えば4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-
1-オキシル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジ
ン-1-オキシル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル
-4-オキソ-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)-p-ト
リルオキシル等のオキシル基を有する化合物に代表され
るスピンラベル化剤としての性質を有する物質等が挙げ
られる。
【0014】また、上記した如き標識物質を、抗CEA
類抗体に結合させる(標識する)方法としては、自体公
知のEIA、RIA或はFIA等に於いて一般に行われ
ている自体公知の標識方法に準じて行えばよい。また、
標識方法として、アビジン(又はストレプトアビジン)
とビオチンの反応を利用した常法を利用しても良い。
【0015】本発明に於いて用いられる生体由来試料と
しては、血液、血清、髄液、組織切片、糞便、尿等が挙
げられる
【0016】CEA類を等電点の違いに基づいて分別測
定する方法に於いて、等電点電気泳動法を用いる方法
は、例えば以下のようにして行えばよい。即ち、先ず上
記した如き生体由来試料について常法により等電点電気
泳動を行いCEA類を分別する。電気泳動後のゲルに膜
を載せ、プロッティングを行ない、膜を洗浄後、ブロッ
キング処理を行なう。次いで、POD等の標識物質で標
識したCEA類の不変領域に結合する抗CEA類抗体
(以下、標識抗CEA類抗体と略記する。)で処理し
て、膜上の各種CEA類画分に結合させる。膜を洗浄等
して遊離の標識抗CEA類抗体を除去した後、等電点が
5.2を越えるCEA類と、等電点が5.2以下のCEA
類(即ち、本発明に係る酸性CEA類)の膜上の標識物
質量を、その標識物質の性質に従って、適当な方法によ
り分別測定する。
【0017】CEA類を等電点の違いに基づいて分別測
定する方法に於いて、イオン交換クロマトグラフィー法
を用いる方法は、例えば以下のようにして行えばよい。
即ち、試料を、50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミ
ノメタン緩衝液(pH8.0)で緩衝化されたジエチルア
ミノエチル基(以下、DEAEと略記する。)を陰イオ
ン交換基として有する充填剤を充填したカラムにかけ、
吸着されなかったCEA類を適当な方法、例えば標識抗
CEA類抗体を用いる方法等により測定する。次いで塩
濃度を変えて、吸着したCEA類(即ち、本発明に係る
酸性CEA類)を溶出させ、これを上記した如き適当な
方法で測定することにより、酸性CEA類量を分別測定
し得る。尚、試料と標識抗CEA類抗体とを先に反応さ
せた後に上記の方法を用いてCEA類を分別測定しても
良い。
【0018】本発明に於ける癌の判定方法としては、ま
ず試料中のCEA類を上記の方法等によって等電点の違
いに基づいて分別測定する。次いで、分別測定した複数
のCEA類のうち、酸性CEA類量が正常試料を用いた
場合に得られる量よりも有意に高い場合、或いは酸性C
EA類量の総CEA類量に対する比率を求め、酸性CE
A類量の総CEA類量に対する比率が正常試料を用いた
場合のその値よりも有意に高い場合に、癌の危険性が高
いと判定される。
【0019】より具体的には、例えば等電点電気泳動に
より試料中のCEA類を分離した場合は、等電点が5.
2を越えるCEA類と5.2以下の酸性CEA類に分別
し、等電点が5.2以下の酸性CEA類量が正常試料を
用いた場合に得られる量よりも有意に高い場合、或いは
酸性CEA類量の総CEA類量に対する比率を求め、酸
性CEA類量の総CEA類量に対する比率が正常試料を
用いた場合のその値よりも有意に高い場合に、癌の危険
性が高いと判定される。
【0020】また、陰イオン交換クロマトグラフィー法
を用いる場合は、50mMトリス(ヒドロキシメチル)ア
ミノメタン緩衝液(pH8.0)で緩衝化されたDEAE
を陰イオン交換基として有する充填剤に吸着する酸性C
EA類量が正常試料を用いた場合に得られる量よりも有
意に高い場合、或いは酸性CEA類量の総CEA類量に
対する比率を求め、酸性CEA類量の総CEA類量に対
する比率が正常試料を用いた場合のその値よりも有意に
高い場合に、癌の危険性が高いと判定される。
【0021】癌の判定には、酸性CEA類量を測定する
だけでも判定可能であるが、糞便を試料として用いる場
合には、採取量にロット差が出やすいため、上記の如き
比率をもとに判断する方が好ましい。この際、CEA類
の絶対量を求める必要はなく、分別されたCEA類に結
合させた標識抗CEA類抗体由来の標識物質の測定値に
基づいて、その比率を求めてもよい。
【0022】尚、本発明の等電点電気泳動による等電点
が5.2以下であるか、或いは陰イオン交換クロマトグ
ラフィーに於いて、50mMトリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン緩衝液(pH8.0)で緩衝化されたDEA
Eを陰イオン交換基として有する充填剤に吸着する、酸
性CEA類は、新規物質である。
【0023】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例により何等制限され
るものではない。
【0024】
【実施例】実施例1 等電点電気泳動法を用いた大腸癌
の判定 (POD標識抗CEA類抗体)抗CEA類抗体(和光純
薬工業(株)製)とPODとを常法により結合させてPO
D標識抗CEA類抗体とした。 (試料)ヒト糞便0.1g(湿重量、大腸癌患者糞便又は
正常者糞便)を、夫々50mMリン酸緩衝液(pH6.5、0.9%N
aCl,1% BSA含有、以下「PBS」と略す)1ml中に分散
後、4℃、8000g、15分間遠心分離を行い、得られた上清
を試料とした。 (大腸癌の判定)上記試料について、ファルマシア社の
「ファーストシステム(Phast System)」を用い、マニ
ュアルに従って下記の通り等電点電気泳動法を実施し
た。まずファーストシステムに等電点電気泳動用ゲルを
装着し、操作手順に従い、試料5μlについて電気泳動を
行った。電気泳動終了後、ゲルにPVDF膜(polyvinyl
idene difluoride 膜,バイオラッド社製)を載せ、ブロ
ッティングを行った。ブロッティング後の膜はフ゛ロッティンク
゛ハ゛ッファー(25mM Tris、192mMグリシン含有)にてよく洗
浄後、フ゛ロッキンク゛ハ゛ッファー[ブロックエース(大日本製薬
(株))、0.05%Tween 20含有]で洗浄した後、ブロッキ
ング処理を行った。次いで、POD標識抗CEA類抗体
溶液(抗体濃度:1×10 7M)に膜を浸し、20℃で3時
間反応させた。反応終了後、当該膜を洗浄し、よく脱水
した後、Nitro Blue Tetorazorium(和光純薬工業(株)
製)溶液に膜を含浸させ、各画分を染色した。膜を水
洗、乾燥後、目視にて判定を行った。等電点電気泳動の
測定結果を図1に示す。
【0025】図1から明らかな如く、大腸癌糞便では正
常人糞便に比べ 等電点が5.2以下のCEA類が多く分
布し、CEA類が酸性化していることが判る。このこと
から、大腸癌糞便中では糖鎖の変化したCEA類、即ち
酸性化したCEA類が正常人に比べ増大すること、即ち
酸性CEA類測定は大腸癌の早期判定に非常に有用であ
ることが判った。
【0026】実施例2 陰イオン交換クロマトグラフィ
ー法による大腸癌の判定 (POD結合抗CEA類抗体)実施例1と同じ。 (試料)ヒト糞便0.1g(湿重量、大腸癌患者糞便、ポ
リープ患者糞便、正常者糞便)を、夫々50mMリン酸緩衝
液(pH6.5、0.9%NaCl、1% BSA含有、以下「PBS」と略
す)1ml中に分散後、4℃、8000gで15分間遠心分離を行
い、得られた上清を試料とした。 (分析方法) 1. 総CEA類量測定 [HPLC条件] 分析機器:高速液体クロマトグラフィー(LC−9A
(株)島津製作所) 分析カラム:Diol-300(φ8.0mm×300mm、和光純薬工業
(株))、ゲルろ過分画分子量 22,000〜660,000 溶離液:ポンプA 50mM PBS pH7.5 基質液:25mM アセトアミドフェノール(15mMクエン酸
緩衝液、pH5.5) 流 速:溶離液 1ml/min、基質液 0.1ml/min 検 出:Em 328nm、Ex 432nm, 試料30μlにPOD標識抗CEA類抗体溶液30ul(1×1
0 8M)を加え、30℃で30分反応させた。反応後、30μl
を、上記条件のHPLCに注入し、分離しながら溶出液
にオンラインで基質液を添加し、60℃、30秒反応により
生成する蛍光量を検出して、島津クロマトパックC-R4A
にてピーク面積を測定し、これを総CEA類量とした。
【0027】 2. 酸性CEA類量測定 [HPLC条件] 分析機器:高速液体クロマトグラフィー(LC−9A (株)島津製作所) 分析カラム:陰イオン交換カラム(POROS 50 DEAE PerSeptive Biosystems社 製) 溶離液:ポンプA 50mM Tris pH8.0 ポンプB 50mM Tris pH8.0, 3M NaCl 基質液:25mM アセトアミドフェノール(15mMクエン酸緩衝液、pH5.5) 流 速:溶離液 2ml/min、基質液 0.2ml/min 検 出:Em 328nm、Ex 432nm, 試料30μlにPOD標識抗CEA類抗体溶液30ul(1×1
0 8M)を加え、30℃で30分反応させた。反応後、30μl
を上記条件のHPLCに注入し、CEA類を充填剤に吸
着させた。次いで塩濃度グラジエント(50mM Tris pH8.
0, 0M-3Mリニアグラジエント)により分離しながら、溶
出液に基質液を添加し、60℃、30秒反応により生成する
蛍光量を検出して、島津クロマトパックC-R4AにてCE
A類の溶出ピーク面積を測定し、これを酸性CEA類量
とした。
【0028】3.結果 図2は、上記の方法により大腸癌患者、ポリープ患者、
正常者から得られた糞便について、得られた酸性CEA
類量の、先に求めた総CEA類量に対する割合を百分率
で示した値を夫々グラフにしたものである。図2より、
大腸癌患者糞便では正常者糞便に比べ検体中の総CEA
類量中の酸性CEA類量比(%)が、二標本t検定によ
る統計解析で両者に有意差(p<0.0001)が認められ
た。また、ポリープ患者糞便と正常者糞便との間には、
二標本t検定による統計解析で両者に有意差(p<0.00
1)が認められた。また、大腸癌患者糞便とポリープ患
者糞便との間には、二標本t検定による統計解析で両者
に有意差(p<0.2)が認められなかったが、大腸癌患
者糞便の方が、比が高い傾向が見られた。以上のことか
ら大腸癌患者糞便中には酸性化したCEA類が正常者に
比べ増大すること、即ち酸性CEA類測定は早期大腸癌
発見及びその悪性度の判定に非常に有用であることが判
った。
【0029】
【発明の効果】本発明は、CEA類をマーカーとして用
いた癌の判定方法に関し、本発明の方法により、CEA
類を等電点の違いに基づいて分別測定し、その結果に基
づいて判定を行うことにより、早期大腸癌発見及びその
悪性度の判定を容易に且つ簡便に行うことができる。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた、等電点電気泳動の泳動パ
ターンを示す。
【図2】実施例2で得られた、陰イオン交換クロマトグ
ラフィー法に基づいて得られた分析結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/88 G01N 33/50 Z 33/50 33/574 E C12N 15/00 A 33/574 G01N 27/26 301A Fターム(参考) 2G045 AA22 AA26 BA13 BB10 CB04 DA78 FA34 FB01 FB03 FB06 FB07 GC15 JA06 4B024 AA11 FA10 HA15 4B063 QA01 QA19 QQ96 QS03 QS33 4H045 AA11 BA10 CA41 DA86 EA50 FA82 GA23 GA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体由来試料中に存在する癌胎児性抗原
    (以下、CEAと略記する。)類を、その等電点の違い
    に基づいて分別測定し、その結果に基づいて判定を行う
    ことを特徴とする、癌の判定方法。
  2. 【請求項2】CEA類に標識化された抗CEA類抗体を
    結合させた後に、その等電点の違いに基づいて分別測定
    する、請求項1に記載の判定方法。
  3. 【請求項3】分別測定された複数のCEA類中の特定C
    EA類の総CEA類に対する比率を求め、その比率に基
    づいて判定を行う、請求項1又は2に記載の判定方法。
  4. 【請求項4】CEA類の分別を等電点電気泳動により行
    う、請求項1〜3の何れかに記載の判定方法。
  5. 【請求項5】等電点電気泳動による等電点が5.2を越
    えるCEA類と、5.2以下のCEA類とに分別する、
    請求項4に記載の判定方法。
  6. 【請求項6】CEA類の分別をイオン交換クロマトグラ
    フィーにより行う、請求項1〜3の何れかに記載の判定
    方法。
  7. 【請求項7】アルカリ性緩衝剤を用い、陰イオン基を有
    する充填剤を用いて分別し、その結果に基づいて判定を
    行う、請求項6に記載の判定方法。
  8. 【請求項8】等電点電気泳動による等電点が5.2以下
    であるか、又は陰イオン交換クロマトグラフィーに於い
    て、50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩
    衝液(pH8.0)で緩衝化されたジエチルアミノエチル
    基(以下、DEAEと略記する。)を陰イオン交換基と
    して有する充填剤に吸着する、CEA類。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006284298A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Hamamatsu Kagaku Gijutsu Kenkyu Shinkokai 大腸腫瘍の診断方法
JP2013512454A (ja) * 2009-12-01 2013-04-11 メディミューン,エルエルシー Ceaを発現する癌を検出および治療するための改善された方法および組成物

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