JP2001002647A - ベンゾフェナンスリジニウム誘導体 - Google Patents

ベンゾフェナンスリジニウム誘導体

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JP2001002647A
JP2001002647A JP11177806A JP17780699A JP2001002647A JP 2001002647 A JP2001002647 A JP 2001002647A JP 11177806 A JP11177806 A JP 11177806A JP 17780699 A JP17780699 A JP 17780699A JP 2001002647 A JP2001002647 A JP 2001002647A
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formula
group
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methyl
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JP11177806A
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English (en)
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Takeshi Nakanishi
健 中西
Masanobu Suzuki
政信 鈴木
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規なベンゾフェナンスリジニウム誘導体を有
効成分とする抗腫瘍剤を提供する。 【解決手段】一般式(A) 【化1】 [式中L、M、W、Y、Zはそれぞれ置換又は非置換の
低級脂肪族炭化水素基を示す。或いは、LとMは一緒に
なって、分岐していてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を
形成してもよい。又、YとZは一緒になって、分岐して
いてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を形成してもよい。
は酸残基又は水素酸残基を示す。]で表される新規
なベンゾフェナンスリジニウム誘導体を製造し、本化合
物が抗腫瘍活性を示し、医薬品として有用であることを
見出した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗腫瘍活性を有
し、医薬品として期待される構造式(A)又は(B)で
示される新規なベンゾフェナンスリジニウム誘導体及び
これを有効成分とする抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、癌患者に対する化学療法にはアル
キル化剤、代謝拮抗剤、抗生物質、及び植物アルカロイ
ド等が用いられている。ベンゾフェナンスリジンアルカ
ロイドとして分類される植物アルカロイドの一群は、
2,3−メチレンジオキシ−5−メチル−8,9−ジメ
トキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニウム クロリド
(ニチジン)に代表されるように抗腫瘍活性があること
が知られている。(Abstracts of Pape
rs,162nd National Meeting
of American Chemical Soc
iety:Washington,D.C.,197
1;MEDI 34)。更に、7、8、9位全てに酸素
原子を含んだ官能基をもつベンゾフェナンスリジン誘導
体としては、2,3−メチレンジオキシ−5−メチル−
7,8,9−トリメトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジ
ニウム クロリドが知られており、ザルコーマ180細
胞に対する殺細胞活性が報告されている(Chem.P
harm.Bull.,1985,33,4139)。
又、特開平2−243628号公報及び特開平2−24
3629号公報には、血小板凝集阻害剤及び多剤耐性克
服剤としてのベンゾフェナンスリジンアルカロイドが開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】悪性腫瘍の性質は千差
万別であり、又、上記のアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗
生物質、及び植物アルカロイド等の抗腫瘍剤の使用によ
りそれに対する耐性も出現するため、新規な抗腫瘍剤の
開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはベンゾフェ
ナンスリジニウム誘導体を鋭意研究し、7、8、9位に
酸素原子を含んだ官能基をもつベンゾフェナンスリジニ
ウム誘導体の新規合成法を開発し、構造式(A)又は
(B)で表される新規なベンゾフェナンスリジニウム誘
導体が強い抗腫瘍活性を有することを見出した。即ち、
本発明は、 (1)一般式(A)
【0005】
【化3】
【0006】[式中L、M、W、Y、Zはそれぞれ置換
又は非置換の低級脂肪族炭化水素基を示す。或いは、L
とMは一緒になって、分岐していてもよい炭素数1乃至
5の炭素鎖を形成してもよい。又、YとZは一緒になっ
て、分岐していてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を形成
してもよい。Xは酸残基又は水素酸残基を示す。]で
表される新規なベンゾフェナンスリジニウム誘導体。 (2)一般式(B)
【化4】
【0007】[式中L、M、W、Y、Zはそれぞれ置換
又は非置換の低級脂肪族炭化水素基を示す。或いは、L
とMは一緒になって、分岐していてもよい炭素数1乃至
5の炭素鎖を形成してもよい。又、YとZは一緒になっ
て、分岐していてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を形成
してもよい。]で表される新規なベンゾフェナンスリジ
ニウム誘導体。
【0008】(3)LとMが一緒になって−CH−又
は−CHCH−である上記(1)又は(2)に記載
の化合物。 (4)Y、Zがそれぞれメチル、エチル、アリル、2−
ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、又はトリフル
オロメチルであり、Wがメチル、エチル、又はプロピル
である上記(1)、(2)又は(3)のいずれかに記載
の化合物。
【0009】(5)7−ヒドロキシ−8,9−ジメトキ
シ−5−メチル−2,3−メチレンジオキシベンゾ[c]
フェナンスリジニウム・塩。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の化合物を
有効成分とする抗腫瘍剤。に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における低級脂肪族炭化水
素基としては、好ましくは炭素数1乃至5のアルキル基
又は炭素数1乃至5のアルケニルメチル基が挙げられ
る。炭素数1乃至5のアルキル基としては、例えば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。炭素数1乃至
5のアルケニルメチル基としては、例えば、アリル基、
シス−又はトランス−2−ブテニル基、3−メチル−2
−ブテニル基等が挙げられる。これら低級脂肪族炭化水
素は置換されていてもよく、その置換基としては、水酸
基、炭素数1乃至5のアルコキシ基、炭素数1乃至5の
アルコキシカルボニル基、炭素数1乃至5のアシル基、
ハロゲン、カルバモイル基や、メトキシ基で置換されて
いてもよいフェニル基等が挙げられる。
【0011】さらに、本発明における酸残基とは、正塩
をつくる酸残基、たとえばXが、塩素イオン、臭素イ
オン、ヨウ素イオン、フッ素イオン等のハロゲンイオン
や、硫酸イオン、硝酸イオン、p−トルエンスルホン酸
イオン等を意味する。又、水素酸残基とは1又は2個の
水素イオンを持つ水素塩を作る酸残基を意味し、例え
ば、硫酸水素イオン、リン酸二水素イオン等が挙げられ
る。特に塩素イオン、硫酸水素イオンが好ましい。
【0012】本発明の抗腫瘍剤はヒトの癌、腫瘍等に有
効である。例えば、肝臓癌、腎臓癌、膵臓癌、膀胱癌、
乳癌、胃癌、肺癌、卵巣癌、子宮癌、大腸癌、脳腫瘍等
が挙げられる。
【0013】一般式(A)で示される化合物は例えば以
下の製造方法により得ることができる。一般式(C)
【0014】
【化5】
【0015】[式中Y、Zはそれぞれ前記と同じ。]
【0016】で表される化合物を原料とし、水酸基を適
当な保護基で保護し、通常芳香核を臭素化する方法、例
えば臭素を用いて臭素化を行なうことにより構造式
(D)
【0017】
【化6】
【0018】[式中Y、Zはそれぞれ前記と同じ。Uは
水酸基の保護基を示す。]を得る。
【0019】上記水酸基の保護基は、通常合成反応に用
いられるものなら特に制限はないが、例えば酸で除去で
きる保護基、好ましくはベンジル基が用いられる。一般
式(D)で表される化合物と特許2748061号公報
に記載の方法で得られる一般式(E)
【0020】
【化7】
【0021】[式中L、Mはそれぞれ前記と同じ。]
【0022】で表される化合物を、特許2748061
号公報に記載の方法でカップリング反応を行ない、一般
式(F)
【0023】
【化8】
【0024】[式中L、M、Y、Z、Uはそれぞれ前記
と同じ。]
【0025】で表される化合物を得る。即ち、トルエン
又はベンゼン中80℃から110℃に1時間から3時間
加熱後濃縮し、アミノ基とアルデヒド基の縮合により副
生する水を、トルエン又はベンゼンとの共沸により効果
的に系外に除く。望ましくは、濃縮残留物に新たにトル
エン又はベンゼンを加えて、加熱後濃縮という上記操作
を2から4回繰り返し、脱水縮合生成物(シッフの塩
基)をほぼ定量的に得る。脱水縮重合生成物の縮合部位
二重結合を還元して、一般式(F)で示される化合物を
得る。還元剤はCN二重結合を還元するものなら特に制
限はないが、好ましくは水素化ホウ素シアノナトリウム
又はジメチルアミンボランを使い、反応温度を−10℃
から40℃の低温にするのが望ましい。次に、一般式
(F)で表される化合物を非プロトン性溶媒、例えばテ
トラヒドロフランに溶解し、冷却したのち、塩基で処理
する。冷却温度は−100℃〜0℃、好ましくは−78
℃〜−50℃であり、使用する塩基は特に制限はない
が、ブチルリチウムやリチウムジイソプロピルアミド
(LDA)等の有機リチウム化合物が好ましい。塩基で
処理した反応液の温度を−20〜50℃、望ましくは0
〜30℃に上昇させ、5分〜10時間、望ましくは30
分〜3時間攪拌し反応させる。
【0026】上記の反応による生成物を必要に応じ酸化
剤により酸化的芳香化して、一般式(G)
【0027】
【化9】
【0028】[式中L、M、Y、Z、Uはそれぞれ前記
に同じ。]
【0029】で表される化合物を得る。この反応には種
々の酸化剤、例えば、二酸化マンガン、四酢酸鉛、ジク
ロロジシアノベンゾキノン(DDQ)を用いることがで
きるが、好ましくは二酸化マンガンが使用される。反応
は0℃〜120℃、好ましくは室温〜100℃にて1〜
120分、好ましくは5〜60分間行なう。
【0030】一般式(G)で表される化合物を特許27
48061号公報に記載の方法に従いN−アルキル化反
応後、水酸基の脱保護を行ない、続いて酸処理して一般
式(A)で表される化合物を得ることができる。即ち、
N−アルキル化は、前記一般式(G)の化合物とアルキ
ル化剤とを無溶媒又は有機溶媒に溶かし、これを無触媒
又はアルカリ金属ハロゲン又は炭酸塩、好ましくは臭化
カリウムや、無水炭酸カリウム、無水炭酸ナトリウム等
の塩基性塩の共存下、加熱し行なわれる。反応温度は通
常50℃〜180℃、好ましくは100℃〜150℃
で、通常1〜24時間、好ましくは2〜10時間かけて
行われる。アルキル化剤は、通常ピリジン環のN−アル
キル化に用いられるものなら特に制限はないが、例えば
低級アルキル置換ベンゼンスルフォネート(例えば、低
級アルキルp−トルエンスルフォネート又は低級アルキ
ル2,4−ジニトロ−ベンゼンスルフォネート、低級ア
ルキル2−ニトロベンゼンスルフォネートのようなより
反応性の高い試薬)のようなアルキル化に用いる低級
(C1〜C4)アルキルスルフォネート類又は低級アル
キルトリハロゲノメタンスルフォネートが望ましい。ア
ルキル化剤としては例えばメチル−p−トルエンスルフ
ォネート、メチル−2−ニトロベンゼンスルフォネー
ト、エチル−2,4−ジニトロベンゼンスルフォネー
ト、n−プロピル−2−ニトロベンゼンスルフォネート
及びメチルトリフルオロメタンスルフォネートが挙げら
れる。脱保護は各々の保護基に合った方法で成される
が、例えばベンジル系保護基の脱離には、濃塩酸等の酸
性下60℃〜150℃、好ましくは80℃〜120℃に
加熱して行われる。反応時間は通常0.1〜10時間、
好ましくは0.5〜3時間である。酸処理は極性溶媒、
例えば低級アルコール、アセトンに、保護基をはずして
得られる化合物を溶かすか、若しくは懸濁させ、これに
酸、例えば塩酸、p−トルエンスルホン酸等を水で希釈
して加える。溶液のpHは4以下にしなくてはならず、
酸の量は通常、化合物1モルに対し約1〜3モルであ
る。更に、この反応溶液にアセトン等の水と良く混和す
る有機溶媒を加え、析出する塩を沈殿、乾燥し、一般式
(A)で表わされる化合物を得る。なお、Xが2価以
上の酸イオン、例えば硫酸イオン等の場合では、添加す
る硫酸量を減少させることも可能である。1.0〜2.
5倍モル過剰の硫酸処理で硫酸水素塩(水素酸残基X
は、HSO4 -)が生成し、1/2量の硫酸を使用した場合
は正塩型の硫酸塩(酸残基Xは、1/2(SO4 2-)が生成
する。
【0031】本発明化合物、一般式(A)で示されるベ
ンゾフェナンスリジニウム誘導体は、塩基処理により容
易に分子内から酸1当量を放出し、下記一般式(B)
【0032】
【化10】
【0033】[式中L、M、W、Y、Zはそれぞれ前記
に同じ。]で表される新規なベンゾフェナンスリジニウ
ム誘導体を得ることが可能である。
【0034】あるいは、逆に、この一般式(B)の化合
物を酸処理することにより、容易に一般式(A)の化合
物とすることが可能である。一般式(B)の化合物は一
般式(A)の化合物より脂溶性である。生体内では一般
式(A)の化合物が一般式(B)の化合物として薬効発
現しているとも考えられ、一般式(B)の化合物も抗腫
瘍活性を有する。又、一般式(B)の化合物は一般式
(A)を合成する上での中間体としての役割も成す。本
発明の一般式(A)又は(B)で示されるフェナンスリ
ジニウム誘導体を医薬品として使用する場合の製剤化及
び投与方法は、従来公知の種々の方法が適用できる。即
ち、投与方法は注射、経口、直腸投与等が可能である。
製剤形態としては注射剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤、座剤
等の形態をとり得る。製剤化に際しては主薬に悪影響を
与えない限り、医薬品に用いられる種々の補助剤、即
ち、担体やその他の助剤、例えば安定化剤、防腐剤、無
痛化剤、乳化剤等が必要に応じて使用され得る。製剤に
おいて一般式(A)又は(B)で示されるフェナンスリ
ジニウム誘導体の含量は製剤形態により広範囲に変える
ことが可能であり、一般には0.01から100%(重
量)、好ましくは0.1から50%(重量)含有し、残
りは通常の医薬用に使用される担体やその他の助剤から
なる。一般式(A)又は(B)で示されるフェナンスリ
ジニウム誘導体の投与量は症状等により異なるが、成人
一人一日当たり50から500mg程度である。
【0035】
【作用】以下に本発明化合物の抗腫瘍活性試験例を示
す。 <癌細胞に対する増殖抑制活性>ヒト子宮癌由来の腫瘍
細胞HeLa S3を24時間、37℃、5%炭酸ガス
下で培養したのち、被験薬を72時間作用させる。その
後、0.05%メチレンブルーで細胞を染色し、染色さ
れた細胞から色素を抽出し、660nmにおける吸光度
から細胞の増殖阻害度を求めた。
【0036】<表1> 化合物番号 50%増殖阻害濃度(IC50値) (1) 0.23μg/mL (2) 0.82μg/mL
【0037】化合物(1)は一般式(A)においてW=
Y=Z=Me、LとMは一緒になって−CH−、X=
Clであり、化合物(2)はChem.Pharm.B
ull.,1985,33,4139に記載されている
2,3−メチレンジオキシ−5−メチル−7,8,9−
トリメトキシ−ベンゾ[c]フェナンスリジニウム クロ
リドである。
【0038】表1に示した通り、本発明の化合物(A)
は従来知られている7,8,9−トリメトキシ化合物
(2)に比べ約4倍抗腫瘍活性が向上している。
【0039】
【発明の効果】本発明の一般式(A)、又は(B)で示
されるベンゾフェナンスリジニウム誘導体は、顕著な抗
腫瘍活性を有し、癌の治療薬として期待される。
【0040】
【実施例】次に、実施例を挙げて一般式(A)に示され
るベンゾフェナンスリジニウム誘導体(LとMは一緒に
なって−CH−の場合)の製造について具体的に説明
するが、本発明化合物がこれらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0041】実施例1 2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシベンズアルデヒド
(C;Y=Z=Me)の合成 2,3,4−トリメトキシベンズアルデヒド(25.5
3g、0.13mol)をN,N−ジメチルホルムアミ
ド(511mL)に溶解し、塩化リチウム(27.58
g、0.65mol)を加え、110℃で24時間加熱
攪拌する。24時間後、48時間後に塩化リチウム(2
7.58g、0.65mol)をそれぞれ加え、反応を
続ける。72時間後、反応溶媒を減圧下留去し、1N
NaOH(500mL)を加え、トルエン(500m
L)で抽出する。水層を6N HClで中和した後、ト
ルエン(500mL)で抽出を行なう。有機層を水で洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過により
硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下溶媒を留去し、得
られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン−酢酸エチル、4:1)により精製し、2−ヒド
ロキシ−3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(C;Y
=Z=Me)15.77g(67%)を得た。
【0042】H−NMR(200MHz,CDC
)δ:3.91(s,3H),3.96(s,3
H),6.11(d,1H,J=8.7Hz),7.3
0(d,1H,J=8.7Hz),9.76(s,1
H),11.21(s,1H)
【0043】実施例2 2−ベンジルオキシ−3,4−ジメトキシベンズアルデ
ヒドの合成 2−ヒドロキシ−3,4−ジメトキシベンズアルデヒド
(C;Y=Z=Me)10.19g(55.95mmo
l)をメタノール(776mL)に溶解し、炭酸カリウ
ム(19.33g、139.9mmol)、ヨウ化カリ
ウム(9.29g、55.95mmol)、塩化ベンジ
ル(21.25g、167.9mmol)を加えた後、
浴温80℃で4時間加温攪拌する。炭酸カリウム(7.
73g、55.95mmol)を追加し、さらに1時間
攪拌した後、減圧下溶媒を留去し、水(500mL)を
加え、トルエン(500mL)で抽出を行なう。有機層
を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ
過により硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下溶媒を留
去し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン−酢酸エチル、85:15)により精製
し、2−ベンジルオキシ−3,4−ジメトキシベンズア
ルデヒド14.95g(98%)を得た。
【0044】H−NMR(200MHz,CDC
)δ:3.92(s,3H),3.95(s,3
H),5.22(s,2H),6.77(dd,1H,
J=0.8,8.8Hz),7.32−7.45(m,
5H),7.59(d,1H,J=8.8Hz),1
1.11(d,1H,J=0.8Hz)13 C−NMR(25MHz,CDCl)δ:56.
2,61.1,76.7,107.7,123.9,1
24.0,128.5,128.6×4,136.4,
141.8,155.5,159.3,188.9
【0045】実施例3 2−ベンジルオキシ−5−ブロモ−3,4−ジメトキシ
ベンズアルデヒド(D;Y=Z=Me、U=Bzl)の
合成 2−ベンジルオキシ−3,4−ジメトキシベンズアルデ
ヒド(12.75g、46.83mmol)、酢酸ナト
リウム(5.76g,70.24mmol)を酢酸(4
6mL)に溶解し、臭素(3.62mL,70.24m
mol)を酢酸(6.38mL)で希釈したものを加
え、50℃で3時間加温攪拌する。水100mLで反応
液を希釈しチオ硫酸ナトリウム水溶液で過剰の臭素を還
元した後、6N NaOHで中和し、トルエン(400
mL)で抽出する。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した。ろ過により硫酸ナトリウムを除
去した後、減圧下溶媒を留去し、5−ブロモ−2−ベン
ジルオキシ−3,4−ジメトキシベンズアルデヒド
(D;Y=Z=Me、U=Bzl)16.09g(98
%)を得た。
【0046】H−NMR(200MHz,CDC
)δ:3.96(s,3H),4.03(s,3
H),5.21(s,2H),7.38(s,5H),
7.76(s,1H),10.05(s,1H)13 C−NMR(25MHz,CDCl)δ:61.
3,61.4,76.8,112.8,126.4,1
26.6,128.6×2,128.75×2,12
8.81,135.8,147.2,155.3,15
6.6,187.8
【0047】実施例4 N−(2’−ベンジルオキシ−5’−ブロモ−3’,
4’−ジメトキシベンジル)−6,7−メチレンジオキ
シ−1−ナフチルアミン(F;Y=Z=Me、U=Bz
l)の合成 5−ブロモ−2−ベンジルオキシ−3,4−ジメトキシ
ベンズアルデヒド(1.053g,3mmol)、6,
7−メチレンジオキシ−1−ナフチルアミン(0.56
2g,3mmol)をトルエン(32mL)に溶解し、
120℃で2時間加熱還流する。加熱温度を140℃に
上昇させ、トルエン20mLを留去した後、トルエン
(50mL)を加え、140℃で加温し、さらにトルエ
ン30mLを留去する。反応液を室温に戻した後、ジメ
チルアミンボラン(0.177g、3mmol)、酢酸
(4.3mL)を加え、室温で3時間攪拌する。6N
NaOHで反応液を中和した後、水(100mL)を加
え、トルエン(100mL)で抽出する。有機層を水で
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過によ
り硫酸ナトリウムを除去した後、減圧下溶媒を留去す
る。得られた残さを酢酸エチル(2mL)に溶解した後
エタノール(10mL)を加え、析出した結晶をろ過、
乾燥することによりN−(2’−ベンジルオキシ−5’
−ブロモ−3’,4’−ジメトキシベンジル)−6,7
−メチレンジオキシ−1−ナフチルアミン(F;Y=Z
=Me、U=Bzl)1.177g(75%)を得る。
【0048】H−NMR(200MHz,CDC
)δ:3.93(s,3H),3.97(s,3
H),4.27(s,2H),5.13(s,2H),
6.01(s,2H),7.13−7.20(m,4
H),7.24−7.41(m,6H)13 C−NMR(25MHz,CDCl)δ:43.
5,61.1,61.2,75.4,97.3,10
1.0,104.8×2,111.8,117.8,1
19.8,125.0,126.7,128.4,12
8.5×2,128.6×2,130.0,131.
2,137.0,142.6,147.1,147.
3,147.6,150.0,150.6
【0049】実施例5 7−ベンジルオキシ−8,9−ジメトキシ−2,3−メ
チレンジオキシベンゾ[c]フェナンスリジン(G;Y=
Z=Me、U=Bzl)の合成 乾燥したテトラヒドロフラン(THF)にジイソプロピ
ルアミン(0.637mL,4.5mmol)を加え、
ドライアイス−アセトン浴で冷却する。この溶液にn−
ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.88mL、3mm
ol)を滴下し、1時間攪拌することでリチウムジイソ
プロピルアミド(LDA)を調製する。次にN−(2’
−ベンジルオキシ−5’−ブロモ−3’,4’−ジメト
キシベンジル)−6,7−メチレンジオキシ−1−ナフ
チルアミン(0.522g、1mmol)のTHF(6
mL)溶液をLDA溶液にゆっくり滴下し、1時間攪拌
する。反応液を室温まで昇温し更に1時間攪拌する。減
圧下溶媒を留去し、残った残さをクロロホルム(20m
L)に溶解させる。活性二酸化マンガン(0.522
g)を加え2時間攪拌した後、ろ過により二酸化マンガ
ンを除去する。ろ液を減圧下濃縮し、得られた残さをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エ
チル、4:1)により精製し、7−ベンジルオキシ−
8,9−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシベンゾ
[c]フェナンスリジン(G;Y=Z=Me、U=Bz
l)0.069g(16%)を得た。
【0050】H−NMR(200MHz,CDC
)δ:4.04(s,3H),4.13(s,3
H),5.36(s,2H),6.12(s,2H),
7.23(s,1H),7.30−7.45(m,3
H),7.55−7.62(m,2H),7.68
(s,1H),7.78(d,1H,J=9.0H
z),8.24(d,1H,J=9.0Hz),8.6
9(s,1H),9.61(s,1H)13 C−NMR(25MHz,CDCl)δ:56.
2,61.4,76.3,97.9,101.3,10
2.3,104.4,117.3,118.3,11
9.4,126.5,128.4,128.5,12
8.6,129.1,129.9,130.8,13
7.0,141.0,141.2,146.0,14
8.4,149.0,156.9
【0051】実施例6 7−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−5−メチル−
2,3−メチレンジオキシベンゾ[c]フェナンスリジニ
ウム塩酸塩(A;W=Y=Z=Me、X=Cl)の合成 7−ベンジルオキシ−8,9−ジメトキシ−2,3−メ
チレンジオキシベンゾ[c]フェナンスリジン461mg
(1.049mmol)、メチル−2−ニトロベンゼン
スルフォネート456mg(2.098mmol)をト
ルエン9.2mLに懸濁し、110℃で20時間攪拌す
る。反応液を室温に戻した後、析出している結晶をろ過
し、トルエンで洗浄する。ろ取した結晶に0.02N水
酸化ナトリウム100mLを加え、塩化メチレン100
mLを用いて抽出する。有機層を水で洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過により硫酸ナトリウム
を除去した後、減圧下溶媒を留去する。得られた残さを
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CHCl
ら10%MeOH−CHClへグラジエント)によ
り精製する。目的の分画を濃縮後、アセトンに溶解し、
1N塩酸を加える。析出する結晶をろ過し、アセトンで
洗浄後乾燥し、7−ベンジルオキシ−8,9−ジメトキ
シ−5−メチル−2,3−メチレンジオキシベンゾ[c]
フェナンスリジニウム塩酸塩433mg(82%)を得
る。続いて脱ベンジル化を行なう。7−ベンジルオキシ
−8,9−ジメトキシ−5−メチル−2,3−メチレン
ジオキシベンゾ[c]フェナンスリジニウム塩酸塩149
mg(0.30mmol)を酢酸(3mL)、濃塩酸
(1.5mL)に溶解し、60℃で2時間攪拌する。反
応液を室温に戻した後、アセトン(3mL)を加える。
析出した結晶をろ過し、アセトンで洗浄後、乾燥し7−
ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−5−メチル−2,3
−メチレンジオキシベンゾ[c]フェナンスリジニウム塩
酸塩(A;W=Y=Z=Me、X=Cl)120mg
(99%)を得た。
【0052】H−NMR(200MHz,DMSO−
)δ:3.87(s,3H),4.23(s,3
H),4.86(s,3H),6.34(s,2H),
7.75(s,1H),7.96(s,1H),8.2
5(d,1H,J=9.1Hz),8.27(s,1
H),8.83(d,1H,J=9.1Hz),9.8
5(s,1H),11.65−11.80(br s,
1H)13 C−NMR(25MHz,DMSO−d)δ:5
1.7,57.9,61.5,96.9,103.2,
104.9,106.1,112.3,119.9,1
20.5,124.3,130.3,133.1,13
3.2,133.3,136.6,148.9,14
9.2,150.4,163.2
【0053】実施例7(製剤例) 7−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−5−メチル−
2,3−メチレンジオキシベンゾ[c]フェナンスリジニ
ウム塩酸塩(A;W=Y=Z=Me、X=Cl)を1
g、ポリソルベートを1g、マクロゴール400を1
g、それぞれ計量後、注射用蒸留水100gに分散溶解
し、メンブランフィルターにてろ過した。アンプルに分
注し、常法により凍結乾燥して1アンプルあたり50m
gの化合物(A;W=Y=Z=Me、X=Cl)を含有
する注射用製剤を得た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(A) 【化1】 [式中L、M、W、Y、Zはそれぞれ置換又は非置換の
    低級脂肪族炭化水素基を示す。或いは、LとMは一緒に
    なって、分岐していてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を
    形成してもよい。又、YとZは一緒になって、分岐して
    いてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を形成してもよい。
    は酸残基又は水素酸残基を示す。]で表される新規
    なベンゾフェナンスリジニウム誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(B) 【化2】 [式中L、M、W、Y、Zはそれぞれ置換又は非置換の
    低級脂肪族炭化水素基を示す。或いは、LとMは一緒に
    なって、分岐していてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を
    形成してもよい。又、YとZは一緒になって、分岐して
    いてもよい炭素数1乃至5の炭素鎖を形成してもよ
    い。]で表される新規なベンゾフェナンスリジニウム誘
    導体。
  3. 【請求項3】LとMが一緒になって−CH−又は−C
    CH−である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】Y、Zがそれぞれメチル、エチル、アリ
    ル、2−ヒドロキシエチル、2−メトキシエチル、又は
    トリフルオロメチルであり、Wがメチル、エチル、又は
    プロピルである請求項1、2又は3のいずれかに記載の
    化合物。
  5. 【請求項5】7−ヒドロキシ−8,9−ジメトキシ−5
    −メチル−2,3−メチレンジオキシベンゾ[c]フェナ
    ンスリジニウム・塩。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の化合物を
    有効成分とする抗腫瘍剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107266459A (zh) * 2017-06-15 2017-10-20 梁辉 辣椒碱类化合物、其提取方法及其应用

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