JP2001001907A - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置

Info

Publication number
JP2001001907A
JP2001001907A JP17653899A JP17653899A JP2001001907A JP 2001001907 A JP2001001907 A JP 2001001907A JP 17653899 A JP17653899 A JP 17653899A JP 17653899 A JP17653899 A JP 17653899A JP 2001001907 A JP2001001907 A JP 2001001907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
shaft
linear member
twisting
inner shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17653899A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuhiro Makita
光弘 牧田
Yoshiteru Minagawa
芳輝 皆川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP17653899A priority Critical patent/JP2001001907A/ja
Publication of JP2001001907A publication Critical patent/JP2001001907A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D1/00Steering controls, i.e. means for initiating a change of direction of the vehicle
    • B62D1/02Steering controls, i.e. means for initiating a change of direction of the vehicle vehicle-mounted
    • B62D1/16Steering columns
    • B62D1/163Part of the steering column replaced by flexible means, e.g. cable or belt

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Steering Controls (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】設計自由度を高めて車両内への収納を容易と
し、組み立てが簡単な構造として装置コストの低減化を
図る車両用操舵装置を提供する。 【解決手段】ステアリングホイール22とステアリング
ギアボックス32の間にフレキシブルシャフト28を接
続した。このフレキシブルシャフトは、上部フレキシブ
ルシャフト36及び下部フレキシブルシャフト38とが
直列に接続した構成となっている。上部フレキシブルシ
ャフトは、可撓性を有する上部インナーシャフトと、こ
の上部インナーシャフトの外周を被覆している可撓性を
有するアウターチューブとを備えた部材であり、下部フ
レキシブルシャフトも、下部インナーシャフトとアウタ
ーチューブとを備えた部材である。上部インナーシャフ
トは、複数の細線を特定の撚り方向に撚り合わせて形成
され、下部インナーシャフトは、複数の細線を前記特定
の撚り方向に対して逆方向となる撚り方向に撚り合わせ
て形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両用操舵装置に係
わり、特に、ステアリングホイールの操舵量を可撓性を
有する線状部材のトルクを利用して操舵輪に伝達するよ
うにした操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の操舵装置として、特開平08−0
67258号公報に記載の先行技術が知られている。こ
の先行技術に記載されているステアリング装置1は、図
10に示すように、ステアリングホイール2のステアリ
ングシャフト3に、第一のギア4が同軸に固定されてい
る。また、図示しないステアリングギアボックスに設け
たピニオン軸5の先端部には、第2のギア6が取り付け
られている。前記ステアリングギアボックスは、ピニオ
ン軸5の回転力をホイルが連結したピットマンアームの
水平運動に変換する機能を有しており、ピニオン軸5が
回転するとホイールはその向きを変えて車両の操舵を行
う。
【0003】そして、第1のギア4と第2のギア6との
間には、右回転用ワイヤ7、左回転用ワイヤ8が配設さ
れている。右回転用ワイヤ7のステアリングホイール側
端部には、右回転用駆動ギア9が取り付けられており、
ステアリングギアボックス側の端部には、右回転用従動
ギア10が取り付けられている。また、左回転用ワイヤ
8のステアリングホイール側端部には、左回転用駆動ギ
ア11が取り付けられており、ステアリングギアボック
ス側の端部には、左回転用従動ギア12が取り付けられ
ている。
【0004】右回転用駆動ギア9及び左回転用駆動ギア
11は、共に第1のギア4と噛合しており、右回転用従
動ギア10及び左回転用従動ギア12は、共に第2のギ
ア6と噛合している。したがって、ステアリングホイー
ル2を回転操作すると、この回転力がステアリングシャ
フト3を介して第1のギア4に伝達され、右回転用駆動
ギア9及び左回転用駆動ギア11が回転する。そして、
右回転用駆動ギア9が回転すると、この回転力は右回転
用ワイヤ7、右回転用従動ギア10を介して第2のギア
6に伝達され、これによりピニオン軸5が回転する。ま
た、第1のギア4を介して、左回転用駆動ギア11が回
転すると、この回転力は左回転用ワイヤ8、左回転用従
動ギア12を介して第2のギア6に伝達されてピニオン
軸5が回転する。このように、第1のギア4の回転力
は、右回転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8のワイヤに
より第2のギア6に伝達されるようになっている。
【0005】ところで、上記先行技術の右回転用ワイヤ
7は、多数の金属製の細線を右方向に編み上げて束ねた
構成としており、左回転用ワイヤ8は、多数の金属製の
細線を左方向に編み上げて束ねた構成としている。そし
て、右回転用ワイヤ7は予め右方向(図10のX1
向)に捩じりが与えられ、左回転用ワイヤ8も予め左方
向(図10のX2 方向)に捩じりが与えられている。こ
れにより、ステアリング装置1全体のワイヤのトルク特
性は、右回転用ワイヤ7のトルク特性と左回転用ワイヤ
8のトルク特性とを合成した特性となり、ステアリング
ホイール2からステアリングギアボックスに回転力を伝
達する際に、右回転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8に
捩れ角の発生を抑制し、ステアリングホイール7の逆転
操作を直ぐに行っても、回転伝達の応答性を向上させる
ようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この先願技術のステア
リング装置は、例えばステアリングシャフトを使用した
装置と比較して、右回転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ
8を使用することによって比較的任意に曲げることがで
き、車両内に収納する際の設計自由度がある程度向上す
る。
【0007】しかし、先願技術は、2本のワイヤ(右回
転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8)を車両内の他の部
品に干渉しないように配置しなければならないので、車
両内への装置組み付けに手間がかかり、装置コストが高
くなるおそれがある。また、この先願技術のステアリン
グ装置1のワイヤ全体のトルク特性は、並列に配置した
右回転用ワイヤ7のトルク特性と左回転用ワイヤ8のト
ルク特性とを合成した特性としており、その合成したト
ルク特性を設定するのに多くの時間と手間を要すること
が考えられる。
【0008】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、設計自由度を高めて車両内への収納を容易と
するとともに、組み立てが簡単な構造として装置コスト
の低減化を図ることができる車両用操舵装置を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、ステアリングホイールの
操舵量を、操舵量伝達部材を介してステアリングギアボ
ックスに伝達した後に操舵輪を操舵するようにした車両
用操舵装置において、前記操舵量伝達部材を、前記ステ
アリングホイール及びステアリングギアボックスの間に
接続した1系統の可撓性を有する線状のトルク伝達部材
により構成した。
【0010】この請求項1記載の発明によると、1系統
の可撓性を有する線状のトルク伝達部材により操舵量伝
達部材を構成したことから、車両内に操舵量伝達部材を
収納する際の設計自由度が向上する。また、請求項2記
載の発明は、請求項1記載の車両用操舵装置において、
前記トルク伝達部材を、複数の細線を特定の撚り方向に
撚り合わせて形成した第1の線状部材と、複数の細線を
前記特定の撚り方向に対して逆方向となる撚り方向に撚
り合わせて形成した第2の線状部材とを直列に接続して
構成した。
【0011】この請求項2記載の発明によると、複数の
細線を撚り合わせた第1及び第2の線状部材からなるト
ルク伝達部材は、全体の剛性が低下して自由に曲げた状
態でステアリングホイールの操舵量をステアリングギア
ボックスに伝達することが可能となり、車両内の余裕の
ある空間を通過させることができ、設計自由度が大幅に
向上する。また、第1及び第2の線状部材の撚り方向を
互いに逆にしたことで、回転方向の剛性が長手方向の一
端側から他端側まで略均一に設定される。
【0012】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の車両用操舵装置において、前記第1の線状部材に、
前記特定の撚り方向にプレロードを加えておき、前記第
2の線状部材に、前記特定の撚り方向に対して逆方向と
なる撚り方向にプレロードを加えておくようにした。ス
テアリングホイールからトルク伝達部材(第1及び第2
の線状部材)に対して右回転或いは左回転の入力トルク
が伝達すると、第1及び第2の線状部材の一方の部材の
撚りが緩むおそれがあるが、この請求項3記載の発明の
ように第1及び第2の線状部材に互いに逆方向の撚り方
向にプレロードを加えておくと、ステアリングホイール
から右回転或いは左回転の入力トルクが伝達しても、第
1及び第2の線状部材の撚りが緩まず、ステアリングギ
アボックスに伝達する出力トルクがリニアに変化する。
これにより、本発明のトルク伝達部材は、ステアリング
ホイールからステアリングギアボックスへの操舵量の応
答性が良好となる。
【0013】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3に記載の車両用操舵装置において、前記線状部材の
外周に、当該線状部材を回転自在として被覆する可撓性
を有するアウターチューブを配置した。この請求項4記
載の発明によると、線状部材は可撓性を有するアウター
チューブに被覆されているので、車両内の他の部品に線
状部材が干渉せず、線状部材に伝達されたトルクが確実
にステアリングギアボックスに伝達される。
【0014】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載の車両用操舵装置において、前記線状部材の外周と前
記アウターチューブとの間の空間に潤滑剤を充填した。
この請求項5記載の発明によると、潤滑剤を充填したこ
とによって線状部材とアウターチューブとの間のフリク
ションが低減し、線状部材の摩耗による劣化が防止され
る。
【0015】また、請求項6記載の発明は、請求項4又
は5記載の車両用操舵装置において、前記第1の線状部
材と前記第2の線状部材の接続部を、前記第1の線状部
材及び前記第2の線状部材どうしの端部と同軸に固着し
た接続軸と、前記アウターチューブと同軸に固着して前
記接続軸を被覆している円筒形状の接続外筒部と、前記
接続軸及び前記接続外筒部の間に配置した軸受部材とを
備えた構造とした。
【0016】この請求項6記載の発明によると、第1の
線状部材と第2の線状部材との間のトルク伝達を簡便な
構造で確実に行わせることが可能となる。さらに、請求
項7記載の発明は、請求項2乃至6の何れかに記載の車
両用操舵装置において、前記第1の線状部材及び前記第
2の線状部材を、同一材料の細線を使用して同一の直径
とし、しかも、同一寸法の長さに設定した。
【0017】この請求項7記載の発明によると、トルク
伝達部材の回転方向の剛性特性を容易に把握し、ステア
リングホイールの操舵によってトルク伝達部材に入力す
る入力トルク、ステアリングギアボックスに出力するト
ルク伝達部材の出力トルクを的確に設定することができ
るので、車両操舵装置の取り付け調整作業が容易とな
る。
【0018】
【発明の効果】請求項1記載の車両用操舵装置による
と、1系統の可撓性を有する線状のトルク伝達部材によ
り操舵量伝達部材を構成したことから、車両内に操舵量
伝達部材を収納する際の設計自由度を向上させることが
できる。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の
効果を得ることができるとともに、複数の細線を撚り合
わせた第1及び第2の線状部材からなるトルク伝達部材
は、全体の剛性が低下して自由に曲げた状態でステアリ
ングホイールの操舵量をステアリングギアボックスに伝
達することが可能となり、車両内の余裕のある空間を通
過させることができて設計自由度を大幅に向上させるこ
とができる。また、第1及び第2の線状部材の撚り方向
を互いに逆にしたことで、回転方向の剛性を長手方向の
一端側から他端側まで略均一に簡単に設定することがで
きる。
【0019】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載の効果を得ることができるとともに、第1及び第2の
線状部材に互いに逆方向の撚り方向にプレロードを加え
ておくと、ステアリングホイールから右回転或いは左回
転の入力トルクが伝達しても、第1及び第2の線状部材
の撚りが緩まず、ステアリングギアボックスに伝達する
出力トルクがリニアに変化するので、本発明のトルク伝
達部材が、ステアリングホイールからステアリングギア
ボックスへの操舵量の応答性を良好とする。
【0020】また、請求項4記載の発明は、請求項2又
は3に記載の効果を得ることができるとともに、車両内
の他の部品に線状部材が干渉せず、線状部材に伝達され
たトルクを確実にステアリングギアボックスに伝達する
ことができる。また、請求項5記載の発明は、請求項4
記載の効果を得ることができるとともに、潤滑剤を充填
したことによって線状部材とアウターチューブとの間の
フリクションが低減し、線状部材の摩耗による早期劣化
を防止するとができる。
【0021】また、請求項6記載の発明は、請求項4又
は5記載の効果を得ることができるとともに、第1の線
状部材と第2の線状部材との間のトルク伝達を簡便な構
造で確実に行わせることができる。さらに、請求項7記
載の発明は、請求項2乃至6の何れかに記載の効果を得
ることができるとともに、トルク伝達部材の回転方向の
剛性特性を容易に把握し、ステアリングホイールの操舵
によってトルク伝達部材に入力する入力トルク、ステア
リングギアボックスに出力するトルク伝達部材の出力ト
ルクを的確に設定することができるので、車両操舵装置
の取り付け調整作業を容易とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係る1実施形態
を示すものである。本実施形態の車両用操舵装置20
は、ステアリングホイール22に、内周ギア24aを設
けた増速リングギア24が同軸に連結しており、その内
周ギア24aに、内周ギア24aより歯数の少ない駆動
ギア26が噛合している。
【0023】この駆動ギア26には、1本のフレキシブ
ルシャフト28の一端が同軸に固着されており、このフ
レキシブルシャフト28の他端に、従動ギア30が同軸
に固着されている。そして、前記従動ギア30は、ステ
アリングギアボックス32の減速ギア34に噛合してい
る。なお、前記減速ギア34は、従動ギア30より歯数
の多いギアである。
【0024】前記ステアリングギアボックス32は、減
速ギア30から回転力が伝達されるピニオン(図示せ
ず)と、このピニオンに噛合しているステアリングシャ
フトのラック(図示)と、車速に応じた正逆方向の回転
力を前記ピニオンに伝達するパワーアシスト電動モータ
35とを備えている。また、図示しないが、本実施形態
の車両は、操舵角センサや車速センサ等のセンサ類と、
これらセンサの出力に基づいてパワーアシスト電動モー
タ35を駆動制御する制御装置とを設置している。
【0025】そして、車両が低速状態で走行している場
合には、ステアリングホイール24の操舵量が、増速リ
ングギア24、駆動ギア26、フレキシブルシャフト2
8及び従動ギア30を介してピニオンに回転力として伝
達されるが、制御装置は、操舵角センサや車速センサ等
に基づいてパワーアシスト電動モータ35に大きな出力
値を出力し、このパワーアシスト電動モータ35からピ
ニオンに大きな回転力を伝達してステアリングシャフト
のラックが大きく直線動を行うので、舵角比(ステアリ
ングホイールの操舵角:操舵輪の切れ角)1:1より大
きな舵角比で操舵輪が操舵される。また、車両が高速状
態で走行している場合には、制御装置がパワーアシスト
電動モータ35に小さな出力値を出力し、このパワーア
シスト電動モータ35からピニオンに小さな回転力を伝
達してステアリングシャフトのラックが小さく直線動を
行うので、舵角比1:1より小さな舵角比で操舵輪が操
舵される。
【0026】ところで、前記フレキシブルシャフト28
は、上部フレキシブルシャフト36及び下部フレキシブ
ルシャフト38とが直列に接続した構成となっている。
すなわち、上部フレキシブルシャフト36は、図2に示
すように、可撓性を有する上部インナーシャフト36a
と、この上部インナーシャフト36aの外周を被覆して
いる可撓性を有するアウターチューブ36bとを備えた
長尺な部材であり、上部インナーシャフト36aの外周
とアウターチューブ36bの内周との間の空間部に潤滑
剤が封入されている。また、この上部フレキシブルシャ
フト36の一端部には、図3に示すように、上部インナ
ーシャフト36aと同軸に回転伝達軸40aが固着し、
アウターチューブ36bと同軸に円筒形状の外筒部40
bが固着し、これら回転伝達軸40a及び外筒部40b
の間にベアリング40cを配置した駆動ギア側連結部4
0が設けられており、外筒部40aに車体(図示せず)
の一部が固定され、回転伝達軸40aに駆動ギア26が
同軸に固着されている。 また、下部フレキシブルシャ
フト38も、図2に示すように、可撓性を有する下部イ
ンナーシャフト38aと、この下部インナーシャフト3
8aの外周を被覆している可撓性を有するアウターチュ
ーブ38bとを備えた構造であり、一端側に、前記駆動
ギア側連結部40と同一構造で従動ギア30に連結して
いる従動ギア側連結部(図示せず)が設けられている。
【0027】そして、上部フレキシブルシャフト36及
び下部フレキシブルシャフト38の他端部どうしは、図
2に示すように、上部インナーシャフト36a及び下部
インナーシャフト38aと同軸に固着している接続軸4
2aと、アウターチューブ36b、38bと同軸に固着
している円筒形状の接続外筒部42bと、接続軸42a
及び接続外筒部42bの間に配置したベアリング42c
とで構成したシャフト接続部42により直列に接続して
いる。
【0028】すなわち、上部フレキシブルシャフト36
の上部インナーシャフト36a、下部フレキシブルシャ
フト38の下部インナーシャフト38aは、細線をコイ
ル状に幾重にも撚り合わせて形成した線状部材である。
上部インナーシャフト36aは、図4に示すように、撚
り方向をS撚りとした線状部材であり、図6に示すよう
に、入力角A1 で右回転の入力トルクを加えると、入力
角A1 と略同一の値の出力角B1 (A1 =B1 )となる
ようにリニア変化の出力トルクが発生し、入力角−A2
でS撚り方向と逆方向(S撚りが緩む方向)の左回転の
入力トルクを加えると、入力角−A2 より小さな値の出
力角−B 2 (−A2 >−B2 )となるように略曲線的変
化の出力トルクが発生するトルク特性を有している。
【0029】また、下部インナーシャフト38aは、図
5に示すように、撚り方向をZ撚りとした線状部材であ
り、図7に示すように、入力角A3 でZ撚り方向と逆方
向(Z撚りが緩む方向)の右回転の入力トルクを加える
と、入力角A3 より小さな値の出力角B3 (A3
3 )となるように略曲線的変化の出力トルクが発生
し、入力角A4 で左回転の入力トルクを加えると、入力
角A4 と略同一の値の出力角B4 (A4 =B4 )となる
ようにリニア変化の出力トルクが発生するトルク特性を
有している。なお、上部インナーシャフト36a、下部
インナーシャフト38aは、同一材料の細線を使用して
同一の直径とされており、しかも、同一寸法の長さに設
定されている。
【0030】ここで、上述のトルク特性を有する上部イ
ンナーシャフト36a及び下部インナーシャフト38a
は、それぞれのシャフトの撚り方向に予め捩じりを加え
た状態、つまり、プレロードを付与した状態で互いに直
列に接続されている。 すなわち、S撚りとした上部イ
ンナーシャフト36aは、右回転方向に所定の入力角A
PRE でプレロードが付与されているが、その入力角A
PRE の値は、上部インナーシャフト36aに左回転方向
(S撚りが緩む方向)の入力トルクが加わっても、出力
トルクがリニアに変化して発生するように設定されてい
る。
【0031】また、Z撚りとした下部インナーシャフト
38aは、左回転方向に所定の入力角BPRE でプレロー
ドが付与されているが、その入力角BPRE の値は、下部
インナーシャフト38aに右回転方向(Z撚りが緩む方
向)の入力トルクが加わっても、出力トルクがリニアに
変化して発生するように設定されている。このように構
成すると、直列に接続した上部インナーシャフト36a
及び下部インナーシャフト38aの合成トルク特性は、
図8に示すように、右回転及び左回転の入力トルクが加
わっても出力トルクがリニアに変化するトルク特性を示
す。
【0032】次に、本実施形態の車両用操舵装置20の
作用効果について、図面を参照しながら説明する。運転
者がステアリングホイール22を操舵すると、ステアリ
ングホイール24の操舵量は、図9に示すように、増速
リングギア24、駆動ギア26、フレキシブルシャフト
28、従動ギア30及び減速ギア34を介してステアリ
ングギアボックス32のピニオンに回転力として伝達さ
れる。
【0033】この際、図1の矢印H1 方向にステアリン
グホイール22を操舵すると、図9に示すように、増速
リングギア24を介して駆動ギア26に左回転の回転力
が伝達される。この駆動ギア26の左回転の回転力は、
上部フレキシブルシャフト36の上部インナーシャフト
36aからシャフト接続部42の接続軸42aを介して
下部フレキシブルシャフト38の下部インナーシャフト
38aまで左回転の入力トルクとして伝達されるが、前
述したように上部インナーシャフト36a及び下部イン
ナーシャフト38aは、互いにプレロードが付与されて
出力トルクがリニアに変化する合成トルク特性に従うの
で、駆動ギア26と従動ギア30の間、換言すればステ
アリングホイール22とステアリングギアボックス32
との間で応答性良く左回転の回転力を伝達することがで
きる。
【0034】また、図1の矢印H2 方向にステアリング
ホイール22を操舵すると、増速リングギア24を介し
て駆動ギア26に右回転の回転力が伝達されるが、この
際にも、上部インナーシャフト36a及び下部インナー
シャフト38aは互いにプレロードが付与されて出力ト
ルクがリニアに変化する合成トルク特性に従うので、ス
テアリングホイール22とステアリングギアボックス3
2との間で応答性良く右回転の回転力を伝達することが
できる。
【0035】このように、本実施形態の車両用操舵装置
20は、撚り方向が互いに逆方向の上部インナーシャフ
ト36a及び下部インナーシャフト36bをそれぞれの
撚り方向にプレロードを付与した状態で直列に接続して
なるフレキシブルシャフト28を備えているので、応答
性の良好な操舵を行うことができる。また、本実施形態
の車両操舵装置20は、図10で示した従来装置のよう
に2本のワイヤを使用せずに、1本のフレキシブルシャ
フト28を自由に曲げて車両内の余裕のある空間を通過
させてステアリングホイール22側の駆動ギア26とス
テアリングギアボックス32側の従動ギア30との間に
接続し、上部インナーシャフト36a及び下部インナー
シャフト36bのトルク伝達でステアリングホイール2
2の操舵量をステアリングギアボックス32に伝達する
ようにしているので、設計自由度が大幅に向上して車両
内に容易に収納することができる。
【0036】また、フレキシブルシャフト28の構成部
材である上部インナーシャフト36a及び下部インナー
シャフト38aは、それぞれアウターチューブ36b、
38bに被覆されているので、インナーチューブ36
a、38aに伝達されたトルクを、車両内の他の部品に
干渉せずに確実にステアリングギアボックス32に伝達
することができる。
【0037】また、上部インナーシャフト36aの外周
とアウターチューブ36bとの間の空隙部、下部インナ
ーシャフト38aの外周とアウターチューブ38bとの
間の空隙部に潤滑剤を充填したことから、インナーシャ
フト36a、38aとアウターチューブ36a、38b
との間のフリクションが低減し、インナーシャフト36
a、38aの摩耗による早期劣化を防止することができ
る。
【0038】また、上部フレキシブルシャフト36及び
下部フレキシブルシャフト38のシャフト接続部42
を、上部インナーシャフト36a及び下部インナーシャ
フト38aの端部どうしと同軸に固着した接続軸42a
と、アウターチューブ36a、38aと同軸に固着して
接続軸42aを被覆している接続外筒部42bと、接続
軸42a及び接続外筒部42bの間に配置したベアリン
グ42cとで構成したので、上部フレキシブルシャフト
36と下部フレキシブルシャフト38との間のトルク伝
達を簡便な構造で確実に行わせることができる。
【0039】さらに、本実施形態の上部インナーシャフ
ト36a及び下部インナーシャフト38aは、同一材料
の細線を使用して同一の直径とし、しかも、同一寸法の
長さに設定されている。このようにすると、フレキシブ
ルシャフト28の回転方向の剛性特性を容易に把握し、
ステアリングホイール22の操舵によってフレキシブル
シャフト28に入力する入力トルク、ステアリングギア
ボックス32に出力するフレキシブルシャフト28の出
力トルクを的確に設定することができるので、車両操舵
装置20の取り付け調整作業を容易にすることができ
る。
【0040】なお、上部インナーシャフト36a及び下
部インナーシャフト38aの長さは単純に同一である必
要はなく、フレキシブルシャフト28を構成している上
部フレキシブルシャフト36及び下部フレキシブルシャ
フト38の一方が車両内で曲がった状態で取り付けられ
ている場合、例えば、車両内の取り付けの都合によって
下部フレキシブルシャフト38が大きな曲率を有してい
る場合には、上部インナーシャフト36aと下部インナ
ーシャフト38aの回転方向の剛性が微妙に異なる。こ
のような場合には、上部インナーシャフト36aの回転
方向の剛性と下部インナーシャフト38aの回転方向の
剛性との間の差を解消するように、上部フレキシブルシ
ャフト36及び下部フレキシブルシャフト38の長さを
変化させてもよい。
【0041】また、本実施形態では、上部インナーシャ
フト36aをS撚り方向の線状部材、下部インナーシャ
フト38aをZ撚り方向の線状部材としたが、S撚り及
びZ撚り方向が逆であっても同様の効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用操舵装置の概略を示す図であ
る。
【図2】本発明に係るフレキシブルシャフトの構造を示
す図である。
【図3】フレキシブルシャフトの端部とステアリングホ
イール側との連結構造を示す図である。
【図4】本発明に係る上部フレキシブルシャフトの構成
部材である上部インナーシャフトを示す図である。
【図5】本発明に係る下部フレキシブルシャフトの構成
部材である下部インナーシャフトを示す図である。
【図6】上部インナーシャフトのトルク特性を示す図で
ある。
【図7】下部インナーシャフトのトルク特性を示す図で
ある。
【図8】プレロードを加えた上部インナーシャフト及び
下部インナーシャフトの合成トルク特性を示す図であ
る。
【図9】本発明に係るフレキシブルシャフトのトルク伝
達を示す模式図である。ステアリングホイールを操舵し
たときの第1実施形態の舵角比可変機構と、ピニ
【図10】従来の操舵装置を示す図である。
【符号の説明】
20 車両用操舵装置 22 ステアリングホイール 24 増速リングギア 26 駆動ギア 28 フレキシブルシャフト(トルク伝達部材) 30 従動ギア 32 ステアリングギアボックス 34 減速ギア 35 パワーアシスト電動モータ 36 上部フレキシブルシャフト 36a 上部インナーシャフト(第1の線状部材) 36b アウターシャフト 38 下部フレキシブルシャフト 38a 下部インナーシャフト(第2の線状部材) 38b アウターシャフト 42 シャフト接続部(接続部) 42a 接続軸 42b 接続外筒部 42c ベアリング(軸受部材)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの操舵量を、操舵
    量伝達部材を介してステアリングギアボックスに伝達し
    た後に操舵輪を操舵するようにした車両用操舵装置にお
    いて、 前記操舵量伝達部材を、前記ステアリングホイール及び
    ステアリングギアボックスの間に接続した1系統の可撓
    性を有する線状のトルク伝達部材により構成したことを
    特徴とする車両用操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記トルク伝達部材を、複数の細線を特
    定の撚り方向に撚り合わせて形成した第1の線状部材
    と、複数の細線を前記特定の撚り方向に対して逆方向と
    なる撚り方向に撚り合わせて形成した第2の線状部材と
    を直列に接続して構成したことを特徴とする請求項1記
    載の車両用操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の線状部材に、前記特定の撚り
    方向にプレロードを加えておき、前記第2の線状部材
    に、前記特定の撚り方向に対して逆方向となる撚り方向
    にプレロードを加えておくことを特徴とする請求項2記
    載の車両用操舵装置。
  4. 【請求項4】 前記線状部材の外周に、当該線状部材を
    回転自在として被覆する可撓性を有するアウターチュー
    ブを配置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の
    車両用操舵装置。
  5. 【請求項5】 前記線状部材の外周と前記アウターチュ
    ーブとの間の空間に、潤滑剤を充填したことを特徴とす
    る請求項4記載の車両用操舵装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の線状部材と前記第2の線状部
    材の接続部は、前記第1の線状部材及び前記第2の線状
    部材どうしの端部と同軸に固着した接続軸と、前記アウ
    ターチューブと同軸に固着して前記接続軸を被覆してい
    る円筒形状の接続外筒部と、前記接続軸及び前記接続外
    筒部の間に配置した軸受部材とを備えていることを特徴
    とする請求項4又は5記載の車両用操舵装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の線状部材及び前記第2の線状
    部材を、同一材料の細線を使用して同一の直径とし、し
    かも、同一寸法の長さに設定したことを特徴とする請求
    項2乃至6の何れかに記載の車両用操舵装置。
JP17653899A 1999-06-23 1999-06-23 車両用操舵装置 Pending JP2001001907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17653899A JP2001001907A (ja) 1999-06-23 1999-06-23 車両用操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17653899A JP2001001907A (ja) 1999-06-23 1999-06-23 車両用操舵装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001001907A true JP2001001907A (ja) 2001-01-09

Family

ID=16015359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17653899A Pending JP2001001907A (ja) 1999-06-23 1999-06-23 車両用操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001001907A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007099054A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Toyota Motor Corp 車両用操舵装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007099054A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Toyota Motor Corp 車両用操舵装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3531712B2 (ja) 車両用操舵装置
US20170137088A1 (en) Bicycle drive unit
EP0528200B1 (en) Speed reduction device for steering devices
US11780491B2 (en) Electric recirculating ball power steering system
US5762162A (en) Electric power steering apparatus
JP4075751B2 (ja) アクティブスタビライザ装置
JP2001001907A (ja) 車両用操舵装置
JP2004042829A (ja) 車両用操舵装置
JP3950695B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4515834B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
KR101031059B1 (ko) 유격 보상 구조를 구비한 조향장치
JP4428100B2 (ja) ステアリング装置
JP4936052B2 (ja) 車両用操舵装置
JP5040474B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2023042552A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4734945B2 (ja) 車両用操舵装置
JP3935371B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH0867258A (ja) 回転伝達装置
US7159690B2 (en) Electric power steering apparatus
JP3591043B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPH0214971A (ja) 車両用操舵装置
JP4604725B2 (ja) 電動アクチュエータ装置
JPH038534Y2 (ja)
JP2003252217A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3966859B2 (ja) ケーブル式ステアリング装置