JPH0867258A - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置

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JPH0867258A
JPH0867258A JP20561694A JP20561694A JPH0867258A JP H0867258 A JPH0867258 A JP H0867258A JP 20561694 A JP20561694 A JP 20561694A JP 20561694 A JP20561694 A JP 20561694A JP H0867258 A JPH0867258 A JP H0867258A
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JP
Japan
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gear
wire
rotation
torque
steering
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JP20561694A
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English (en)
Inventor
Koichi Ikeda
幸一 池田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はワイヤを用いて回転伝達を行う回転伝
達装置に関し、回転方向が逆転した時における応答性の
向上を図ることを目的とする。 【構成】ステアリングシャフト3に設けられた第1のギ
ヤ4と、ピニオン軸5に設けられた第2のギヤ6と、一
端に第1のギヤ4と噛合する駆動ギヤ9,11を設ける
と共に他端に第2のギヤ6と噛合する従動ギヤ10,1
2を設けてなる右回転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8
とを有し、右回転用ワイヤ7と左回転用ワイヤ8とに、
夫々互いに異なる方向に捩れを与えることによりプレロ
ードを付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転伝達装置に係り、特
にワイヤを用いて回転伝達を行う回転伝達装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば回転伝達装置として、自動車等の
ステアリング装置が知られている。一般的なステアリン
グ装置は、ステアリングホイールの回転力をメインシャ
フト,ユニバーサルジョイント等を介してステアリング
ギヤボックスに伝達し、このステアリングギヤボックス
においてステアリングホイールの回転力をピットマンア
ームの水平運動に変換する。この、ピットマンアームの
両端部にはホイールが連結されており、よってホイール
はステアリングホイールの回転力によりその向きを変え
る構成となっている。
【0003】図8は、上記構成とされたステアリング装
置に設けられたメインシャフトのトルク特性を示してい
る。同図において、横軸はメインシャフトの捩じり角で
あり、縦軸はトルクを示している。尚、横軸において、
原点を中心に図中右方向が右回転時の捩じり角を、左方
向が左回転時の捩じり角を示している。更に、縦軸にお
いて、原点を中心に図中上方向が右回転時のトルクを、
下方向が左回転時のトルクを夫々示している。
【0004】同図に示されるように、メインシャフトは
捩じり剛性の高い金属シャフトにより構成されているた
め、大きなトルクがメインシャフトに印加されてもメイ
ンシャフトに発生する捩れ量は小さい。従って、捩じり
角とトルクとの関係は略比例関係となり、またその傾き
は大きいものとなる。
【0005】このような特性を有するステアリング装置
において、先ず右旋回を行い、続いて左旋回を行うステ
アリング操作を行った場合を想定する。いま、右旋回を
行うためにステアリングギヤボックスに対して図8に示
すトルクAの力を印加する必要があり、また左旋回を行
うためにステアリングギヤボックスに対して図8に示す
トルク−Aの力を印加する必要があったとする(マイナ
スはトルク印加方向が逆になったことを示す)。
【0006】上記のような右旋回から左旋回を行うステ
アリング操作を行った場合、メインシャフトにおいて捩
じり角はB1から−B1に変化する。しかるに、図8か
ら明らかなように、捩じり剛性の高いメインシャフトを
用いたステアリング装置では捩じり角の変化量(図8に
矢印C1で示す)は小さい。この捩じり角の変化期間
は、運転者がハンドルを操作した後、実際に車両が所望
の方向に操舵されるまでの期間(以下、中立期間とい
う)に対応し、この中立期間が短い程応答性の良い操舵
を行えることとなる。従って、捩じり剛性の高い金属シ
ャフトをメインシャフトとして用いたステアリング装置
では、応答性の良好な操舵を行うことができる。
【0007】しかるに、捩じり剛性の高いメインシャフ
トを用いるステアリング装置では、メインシャフトを車
両内に搭載するに際し、メインシャフトを任意に曲げる
わけにはいかないため車両搭載の自由度がない。また、
上記のようにユニバーサルジョイントを用いることによ
り、若干の自由度を持たせることは可能ではあるもの
の、やはり搭載の自由度は低い。
【0008】このため、ステアリングホイールの回転力
をステアリングギヤボックスに伝達する伝達手段とし
て、例えば実開昭59−89768号公報に開示される
ように、フレキシブルなワイヤを用いたステアリング装
置が提案されている。
【0009】同公報に開示されたステアリング装置は、
ステアリングホイールとステアリングギヤボックスとの
間に1本のフレキシブルなワイヤが配設された構成とさ
れている。このように、ステアリングホイールとステア
リングギヤボックスとの間における回転力の伝達をワイ
ヤにより行うことにより、ワイヤは金属シャフトと異な
り比較的任意に曲げることが可能であるため車両搭載の
自由度が高く、よってステアリングホイールとステアリ
ングギヤボックスとの間に他の機構・部品が存在するよ
うな場合においてもこれを避けてワイヤの配置を行うこ
とができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のワイ
ヤを用いて回転の伝達を行うステアリング装置(回転伝
達装置)では、1本のワイヤによってのみ回転の伝達を
行う構成とされていたため、例えば右回転を行っていた
直後に左回転を行わせるような逆転操作を行った場合に
応答性が悪く、直ちに回転力を伝達できないという問題
点があった。
【0011】以下、この問題点の発生する理由を図7を
用いて説明する。図7は、ワイヤのトルク特性を示して
いる。同図において、横軸はワイヤの捩じり角であり、
縦軸はトルクを示している。尚、横軸において、原点を
中心に図中右方向が右回転時の捩じり角を、左方向が左
回転時の捩じり角を示している。更に、縦軸において、
原点を中心に図中上方向が右回転時のトルクを、下方向
が左回転時のトルクを夫々示している。
【0012】上記のように車両搭載の自由度を高めるた
めには、フレキシブルなワイヤを用いることが必要であ
り、このためワイヤの径は前記したメインシャフトに比
べて細くなっており、よってその捩じり剛性も小さくな
っている。従って、このワイヤを用いて一定のトルクを
伝達しようとした場合、ワイヤに発生する捩じり角は大
きな角度となってしまう。このため、ワイヤのトルク特
性は、図7に示されるようにメインシャフトのトルク特
性に比べてなだらかな特性を示す。
【0013】また、ワイヤに発生する捩じり角は一様に
発生するものではない。即ち、一般にワイヤは多数の金
属製の細線を編み上げて束ねた構成を有している。従っ
て、編み上げ方向にトルクが印加された場合には発生す
る捩じり角は小さいが、編み上げ方向と逆方向(編み上
げを緩める方向)にトルクが印加された場合には発生す
る捩じり角が大きくなってしまう(編み上げが緩む分が
捩じり角に反映されてしまうため)。
【0014】図7に示されるワイヤは、左方向に編み上
げられているワイヤである。従って、右回転方向(編み
上げが緩む方向)に回転力が伝達されると、前記のよう
にワイヤの編み上げが緩む分が捩じり角に反映されるた
め、トルク特性は二次曲線状の特性を示す。また、左回
転方向(編み上げ方向)に回転力が伝達された場合に
は、ワイヤの編み上げは緩まないためトルク特性は直線
状となる。しかるに、前記のようにワイヤはメインシャ
フトに比べて捩じり剛性が低いため捩れやすく、よって
トルク特性の傾きは図8に示したメインシャフトのトル
ク特性の傾きに比べて小さくなっている。
【0015】ここで、図8を用いて説明した例と同様
に、フレキシブルなワイヤを用いたステアリング装置に
おいて、先ず右旋回を行い、続いて左旋回を行うステア
リング操作を行った場合を想定する。また、右旋回を行
うためにステアリングギヤボックスに対して図7に示す
トルクAの力を印加する必要があり、また左旋回を行う
ためにステアリングギヤボックスに対して図7に示すト
ルク−Aの力を印加する必要があったとする(マイナス
はトルク印加方向が逆になったことを示す)。
【0016】上記のような右旋回から左旋回を行うステ
アリング操作を行った場合、従来のステアリング装置
(回転伝達装置)では、ワイヤが1本しか設けられてい
なかったため、この1本のワイヤのみにより回転力の伝
達が行われる。また、上記のようにワイヤは捩じり剛性
がメインシャフトに比べて小さいため、ワイヤを用いて
一定のトルクを伝達しようとした場合にワイヤに発生す
る捩じり角は大きな角度となってしまう。
【0017】このため、ステアリングギヤボックスに印
加されるトルクをAから−Aに変化させるためには、図
7に示されるように、捩じり角をB2から−B2に変化
させる必要がある。しかるに、図7から明らかなよう
に、捩じり剛性の低いワイヤを用いたステアリング装置
では、このB2から−B2への捩じり角の変化量(図7
に矢印C2で示す)は大きい。
【0018】前記のように、この捩じり角の変化期間
は、運転者がハンドルを操作した後、実際に車両が所望
の方向に操舵されるまでの期間(中立期間)に対応す
る。このため、捩じり剛性の低いワイヤ用いたステアリ
ング装置では、B2から−B2への捩じり角の変化量C
2が大きいことにより応答性が悪くなり、運転性基が低
下してしまうという問題点があった。
【0019】また前記したように、ワイヤは編み上げ方
向等に起因して印加される回転力の方向によってトルク
特性に左右差が存在するため、右回転時と左回転時でス
テアリングホイールの回転操作に差が生じてしまうとい
う問題点もあった。
【0020】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、駆動部側と従動部側との間に少なくとも2本以上
のワイヤを配設すると共に、各ワイヤにプレロードを付
与しておくことにより、回転方向が逆転した時における
応答性の向上を図った回転伝達装置を提供することを目
的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、第1のシャフトに設けられた第1のギ
ヤと、第2のシャフトに設けられた第2のギヤと、一端
に第1のギヤと噛合する駆動ギヤを設けると共に、他端
に第2のギヤと噛合する従動ギヤを設けてなるワイヤと
より構成される回転伝達装置おいて、上記ワイヤを、上
記第1のギヤと第2のギヤとの間に少なくとも2本配設
し、かつ、上記少なくとも2本のワイヤに、予め互いに
異なる方向に捩れを与えてなることを特徴とする回転伝
達装置。
【0022】また、上記第1のシャフトをステアリング
シャフトとし、かつ上記第2のシャフトをラックアンド
ピニオン機構のピニオン軸とした構成としてもよい。
【0023】
【作用】上記構成とされた回転伝達装置によれば、第1
のギヤと第2のギヤとの間に少なくとも2本のワイヤを
配設するため、複数のワイヤにより回転の伝達が行われ
る。また、各ワイヤは夫々独立しているため、夫々のワ
イヤに別個の捩じりを付与することができる。
【0024】ワイヤに予め捩じりを付与しておくことに
より、捩じりを付与した方向に対する回転伝達の応答性
を向上させることができる。これについて図2及び図8
を用いて説明する。尚、図8におていは、ワイヤに予め
右方向の捩じりを付与した場合を例に挙げて説明する。
【0025】上記したように、捩じりを付与しないワイ
ヤのトルク特性は図7に示した特性となる。これに対
し、予めワイヤに捩じり角B3の捩じりを付与すること
により、ワイヤのトルク特性は図8に示される特性とな
る。同図から明らかなように、予めワイヤに捩じりを付
与することにより、図7に示されるトクル特性が全体に
捩じり角B3分だけ左方向(左回転方向)にシフトした
状態となる。
【0026】よって、ワイヤにはこの捩じれ角に対応し
たトルクAPRE が発生する。このように、予めワイヤに
捩じり角B3の捩じりを付与し、この捩じれ角に対応し
たトルクAPRE を発生させた状態で、ワイヤに右方向の
回転力を印加してトルクAを得ようとした場合を想定す
る。
【0027】すると、図7に示す捩じりを予め付与しな
い従来構成においては、ワイヤが捩じり角B2まで捩じ
られないとトルクAを伝達することができなかったもの
が、図8に示す捩じりを予め付与した構成では、ワイヤ
が捩じり角B4だけ捩じられる回転力を付与することに
よりトルクAを発生させることができる。よって、ワイ
ヤに予め捩じりを付与しておくことにより、捩じりを付
与した方向に対する回転伝達の応答性を向上させること
ができる。
【0028】しかるに、従来のように1本のワイヤによ
り回転力を伝達する回転伝達装置では、捩じりを付与し
た方向と逆方向に対する回転伝達を行おうとした場合
(図8では−Aのトルクを発生させる場合を示してい
る)には、捩じり角をB4から−B5に変化させる必要
が生じる。捩じり角をB4から−B5に変化させる変化
量は、図7で説明した変化量C2と等価である。従っ
て、1本のワイヤにより回転力を伝達する回転伝達装置
において、ワイヤに予め捩じりを付与しておいても、捩
じりを付与した方向に対する回転伝達の応答性は向上す
るが、回転方向が切り替わる時においては応答性が悪く
なってしまう。
【0029】本発明においては、回転伝達を行うのに少
なくとも2本のワイヤを用い、この各ワイヤに方向の異
なる捩じりを付与した構成とされている。本発明におけ
るワイヤのトルク特性を図2に示す。尚、図2において
は、説明の便宜上、2本のワイヤを用いた例を示してい
るが、ワイヤ数は2本に限定されるものではない。
【0030】図2において、実線で示すのは右方向に予
め捩じりを付与した第1のワイヤのトルク特性であり、
図9に示したトルク特性と等価である。また、一点鎖線
で示すのは左方向に予め捩じりを付与した第2のワイヤ
のトルク特性であり、同図に示す例ではワイヤに捩じり
角B3の捩じりを付与している。
【0031】よって、本発明の構成によれば、第1のギ
ヤ(或いは第2のギヤ)が右回転した場合には、右回転
方向に捩じれを付与した第1のワイヤが主として回転伝
達を行い、第1のギヤ(或いは第2のギヤ)が左回転し
た場合には左回転方向に捩じれを付与した第2のワイヤ
が主として回転伝達を行うこととなる。
【0032】ここで、本発明に係る回転伝達装置におい
て、第1のギヤ(或いは第2のギヤ)を先ず右回転し、
その後に左回転する処理を行った場合を想定する。ま
た、右回転においてトルクAの力を伝達する必要があ
り、左回転においてトルク−Aの力を伝達する必要があ
ったとする。
【0033】上記したように、本発明に係る回転伝達装
置においては第1のギヤ(或いは第2のギヤ)が右回転
した場合には、右回転方向に捩じれを付与した第1のワ
イヤが主として回転伝達を行い、第1のギヤ(或いは第
2のギヤ)が左回転した場合には左回転方向に捩じれを
付与した第2のワイヤが主として回転伝達を行う。この
ように、各ワイヤが回転方向に応じて回転の伝達を分担
して行うため、回転力が印加された場合には即座に回転
力(トルク)を伝達することが可能となる。このため、
第1のギヤ(或いはと第2のギヤ)が正回転方向から逆
回転方向に回転方向を変化させた場合においても、第1
のギヤと第2のギヤとの間で応答性よく回転力を伝達さ
せることができる。
【0034】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0035】図1は本発明の一実施例である回転伝達装
置を示す構成図であり、本実施例においては、回転伝達
装置をステアリング装置1に適用した例を示している。
また、同図においてはステアリング装置1の回転伝達を
行う構成のみを示している。
【0036】同図において、2はステアリングホイール
であり、運転者により回転操作されるものである。この
ステアリングホイール2は、第1のシャフトとなるステ
アリングシャフト3の一端に固定されており、またステ
アリングシャフト3の他端には第1のギヤ4が配設され
ている。従って、第1のギヤ4はステアリングホイール
2と一体的に回転する構成とされている。
【0037】また、5はステアリングギヤボックス22
(図4に現れる)に設けられ、第2のシャフトとなるピ
ニオン軸である。前記したように、ステアリングギヤボ
ックス22は、ピニオン軸5の回転力をホイールが連結
されたピットマンアームの水平運動に変換する機能を有
しており、よってピニオン軸5が回転されるとホイール
はその向きを変え車両の操舵が行われる構成となってい
る。このピニオン軸5の先端部には、第2のギヤ6が取
り付けられている。
【0038】上記した第1のギヤ4と第2のギヤ6との
間には、本発明の要部となる右回転用ワイヤ7、及び左
回転用ワイヤ8が配設されている。この右回転用ワイヤ
7のステアリングホイール寄りの端部には右回転用駆動
ギヤ9が取り付けられており、またステアリングギヤボ
ックス側の端部には右回転用従動ギヤ10が取り付けら
れている。また、左回転用ワイヤ8のステアリングホイ
ール寄りの端部には左回転用駆動ギヤ11が取り付けら
れており、またステアリングギヤボックス側の端部には
左回転用従動ギヤ12が取り付けられている。
【0039】上記の右回転用駆動ギヤ9及び左回転用駆
動ギヤ11は、共に第1のギヤ4と噛合しており、従っ
て第1のギヤ4の回転に伴い回転する構成となってい
る。また、右回転用従動ギヤ10及び左回転用従動ギヤ
12は、共に第2のギヤ6と噛合しており、従って第2
のギヤ6の回転に伴い回転する構成となっている。
【0040】従って、ステアリングホイール2が回転操
作されると、この回転力はステアリングシャフト3を介
して第1のギヤ4に伝達され、これにより右回転用駆動
ギヤ9及び左回転用駆動ギヤ11は回転駆動される。右
回転用駆動ギヤ9が回転すると、この回転力は右回転用
ワイヤ7,右回転用従動ギヤ10を介して第2のギヤ6
に伝達され、これにより第2のギヤ6に接続されたピニ
オン軸5は回転する。
【0041】また同様に、第1のギヤ4を介して左回転
用駆動ギヤ11が回転すると、この回転力は左回転用ワ
イヤ8,左回転用従動ギヤ12を介して第2のギヤ6に
伝達され、これにより第2のギヤ6に接続されたピニオ
ン軸5は回転する。即ち、本実施例に係るステアリング
装置1では、第1のギヤ4の回転力は右回転用ワイヤ7
及び左回転用ワイヤ8の2本のワイヤにより第2のギヤ
6に伝達される構成となっている。
【0042】ここで、第1のギヤ4と右回転用駆動ギヤ
9,左回転用駆動ギヤ11との噛合機構(駆動側機構)
13を図3に、また第2のギヤ6と右回転用従動ギヤ1
0,左回転用従動ギヤ12との噛合機構(従動側機構)
14を図4に示し、以下詳述する。
【0043】図3は、第1のギヤ4と右回転用駆動ギヤ
9とを噛合させる駆動側機構13を示している。尚、第
1のギヤ4と左回転用駆動ギヤ11とを噛合させる機構
は図3に示す構成と同一であるため、その説明は省略す
る。
【0044】同図に示されるように、ステアリングホイ
ール2及び第1のギヤ4が取り付けられるステアリング
シャフト3は、固定ハウジング15に軸承されている。
具体的には、固定ハウジング15内には一対のベアリン
グ16,17が配設されており、この一対のベアリング
16,17によりステアリングシャフト3は軸承されて
いる。
【0045】また、固定ハウジング15の図中下部位置
にはサブハウジング18が取り付けられている。このサ
ブハウジング18にも一対のベアリング19,20が配
設されており、この一対のベアリング19,20に右回
転用駆動ギヤ9は軸承されている。上記の固定ハウジン
グ15及びサブハウジング18の位置関係は、第1のギ
ヤ4と右回転用駆動ギヤ9とが適宜な状態で噛合できる
よう構成されている。
【0046】また、右回転用ワイヤ7のステアリングホ
イール側の端部7aは、右回転用駆動ギヤ9の軸部9a
に固定部材21を用いて固定されている。これにより、
右回転用駆動ギヤ9と右回転用ワイヤ7とは一体的に回
転する構成とされている。
【0047】一方、図4は第2のギヤ6と右回転用従動
ギヤ10とを噛合させる従動側機構14を示している。
尚、第2のギヤ6と左回転用従動ギヤ12とを噛合させ
る機構は図4に示す構成と同一であるため、その説明は
省略する。
【0048】同図に示されるように、第2のギヤ6が取
り付けられるピニオン軸5は、ステアリングギヤボック
ス22のハウジング23に軸承されている。このハウジ
ング23には一対のベアリング24,25が配設されて
おり、この一対のベアリング24,25によりピニオン
軸5は軸承されている。
【0049】また、ピニオン軸5のハウジング23の内
部には、ピニオンギヤ26が形成されており、このピニ
オンギヤ26はピットマンアームに一体的に形成された
ラックギヤ27と噛合している。従って、ピニオン軸5
が回転すると、この回転はピニオンギヤ26とラックギ
ヤ27とにより構成されるラック・アンド・ピニオン機
構によりラックギヤ27(ピットマンアーム)の直線運
動に変換され、よってピットマンアームに結合されたホ
イールがその向きを変える構成となっている。
【0050】一方、ハウジング23の図中下部位置には
サブハウジング28が取り付けられている。このサブハ
ウジング28にも一対のベアリング29,30が配設さ
れており、この一対のベアリング29,30に右回転用
従動ギヤ10は軸承されている。上記の固定ハウジング
23及びサブハウジング28の位置関係は、第2のギヤ
6と右回転用従動ギヤ10とが適宜な状態で噛合できる
よう構成されている。
【0051】また、右回転用ワイヤ7のステアリングギ
ヤボックス側の端部7bは、右回転用従動ギヤ10の軸
部10aに固定部材31を用いて固定されている。これ
により、右回転用従動ギヤ10と右回転用ワイヤ7とは
一体的に回転する構成となり、従って右回転用駆動ギヤ
9,右回転用ワイヤ7及び右回転用従動ギヤ10は一体
的に回転する。
【0052】続いて、上記とされたステアリング装置1
において、右回転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8に予
め付与される捩じれ角(プレロード)について説明す
る。
【0053】本実施例においては、右回転用ワイヤ7に
は予め右方向へ捩じり角B3の捩じり(図1に矢印X1
で示す)を与えており、また左回転用ワイヤ8には予め
左方向へ捩じり角B3の捩じり(図1に矢印X2で示
す)を与えた構成とされている。このように、右回転用
ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8に予め捩じりを付与して
おくことにより、各ワイヤ7,8のトルク特性は図5に
示される特性を示す。図中、一点鎖線で示すのは右回転
用ワイヤ7のトルク特性であり、破線で示すのは左回転
用ワイヤ8のトルク特性である。また、図中、実線で示
すのは右回転用ワイヤ7のトルク特性と左回転用ワイヤ
8のトルク特性とを合成した、ステアリング装置1全体
としてのトルク特性を示している。
【0054】また、図7を用いて説明したように、各ワ
イヤ7,8は多数の金属製の細線を編み上げて束ねた構
成を有している。従って、編み上げ方向にトルクが印加
された場合には発生する捩じり角は小さいが、編み上げ
方向と逆方向(編み上げを緩める方向)にトルクが印加
された場合には発生する捩じり角が大きくなってしま
う。このため、図7に示されるように、回転方向によっ
てワイヤのトルク特性は異なる。
【0055】本実施例におては、右回転用ワイヤ7にお
いては細線の編み上げ方向が右方向となるよう構成され
ており、また左回転用ワイヤ8においては細線の編み上
げ方向が左方向となるよう構成されている。このように
右回転用ワイヤ7と左回転用ワイヤ8とで細線の編み上
げ方向を異ならせることにより、図5に示されるよう
に、右回転用ワイヤ7のトルク特性と左回転用ワイヤ8
のトルク特性とは原点を中心として点対象となったトル
ク特性を示す。このように構成することにより、右回転
用ワイヤ7に右回転力が印加された場合、及び左回転用
ワイヤ8に左回転力が印加された場合は、各回転力は細
線の編み上げる方向に印加されるため、捩じれ角の発生
は抑制され、これによっても回転伝達の応答性を向上さ
せることができる。
【0056】ここで、図5を用いて本実施例に係るステ
アリング装置1の回転伝達特性(トルク特性)について
考察する。
【0057】本実施例に係るステアリング装置1では、
第1のギヤ4が右回転した場合には、右回転方向に捩じ
れを付与した右回転用ワイヤ7が主として回転伝達を行
い、第1のギヤ4が左回転した場合には左回転方向に捩
じれを付与した左回転用ワイヤ8が主として回転伝達を
行うこととなる。
【0058】いま、図5に示す回転伝達特性を有するス
テアリング装置1において、ステアリングホイール2を
先ず図6(A1),(A2)に示されるように右回転操
作することにより車両を右旋回させ、続いて直ぐに図6
(B1),(B2)に示されるようにステアリングホイ
ール2を左回転操作することにより左旋回させる動作を
行った場合を想定する。また、右回転においてトルクA
の力を伝達する必要があり、左回転においてトルク−A
の力を伝達する必要があったとする。
【0059】上記のようにステアリングホイール2を切
り返す操作を行った場合には、図6(A1),(A2)
に示される右回転方向トルクAが印加され右回転用ワイ
ヤに捩じり角B6が生じている状態より、ステアリング
ホイール2が左回転操作されることにより右回転用ワイ
ヤ7による右回転方向のトルクは減少していき、これと
逆に左回転用ワイヤ8により左回転方向のトルクは増大
していく。
【0060】そして、ステアリングホイール2が中立位
置まで回転した状態で、右回転用ワイヤ7による右回転
方向トルクと左回転用ワイヤ8により左回転方向のトル
クとは相殺されて、ピニオン軸5に印加されるトルクは
零となる。
【0061】更にステアリングホイール2が左回転操作
されると、右回転用ワイヤ7に代わって左回転用ワイヤ
8が主として回転伝達を行うようになり、図6及び図6
(B1),(B2)に示されるように、左回転用ワイヤ
8に捩じれ角B7が生じた時点でピニオン軸5にトルク
−Aを伝達することができる。
【0062】このように、本実施例に係るステアリング
装置1では、右回転用ワイヤ7及び左回転用ワイヤ8が
回転方向に応じて回転の伝達を分担して行う構成とされ
ているため、右回転時にはトルク特性は右回転用ワイヤ
7のトルク特性に従い、左回転時にはトルク特性は左回
転用ワイヤ8のトルク特性に従うこととなる。
【0063】このため、ステアリングホイール2が切り
返されて第1のギヤ4が右回転から左回転に回転方向を
変化させた場合における捩じれ角の変化量は、各図に矢
印C3で示す変化量となり、この変化量C3は図7及び
図9を用いて説明した1本のワイヤを用いて回転伝達を
行う構成における捩じれ角の変化量C2に比べて小さな
値となる。よって、第1のギヤ4と第2のギヤ6との
間、換言すればステアリングホイール2とステアリング
ギヤボックス22との間で応答性よく回転力を伝達させ
ることができ、従って運転性の向上を図ることができ
る。
【0064】また、複数のワイヤ7,8を用いて回転伝
達を行うため、1本のワイヤのみを用いて回転伝達を行
う構成に比べて各ワイヤ7,8に印加される回転力は軽
減されるため、各ワイヤ7,8として径寸法の小さなも
のを用いることが可能となる。このように、径寸法の小
さなワイヤは曲げやすくフレキシビリティが向上するた
め、車両への搭載性を向上させることができる。
【0065】更に、上記のように右回転用ワイヤ7及び
左回転用ワイヤ8に予め捩じりを付与しておくことによ
り、各ワイヤ7,8にはこの捩じりの反力(弾性復元
力)が発生し、この反力は各駆動用ギヤ9,11を第1
のギヤ4に押圧する力として、また各従動用ギヤ10,
12を第2のギヤ6に押圧する力として作用する。この
押圧力により、第1のギヤ4と各駆動用ギヤ9,11と
の間、及び第2のギヤ6と従動用ギヤ10,12との間
におけるバックラッシュを除去することができ、これに
よっても回転伝達特性を向上することができる。
【0066】尚、上記した実施例においては、ステアリ
ングシャフト3と各ワイヤ7,8との接続部位に各駆動
ギヤ9,11を用い、またピニオン軸5と各ワイヤ7,
8との接続部位に各従動ギヤ10,12を用いた構成を
示した。しかるに、ステアリングシャフト3と各ワイヤ
7,8、及びピニオン軸5と各ワイヤ7,8との接続は
ギヤによる接続に限定されるものではなく、例えばロー
ラ等を圧接することにより回転力を伝達する構成として
もよい。
【0067】また、本実施例においては、ワイヤ7,8
の構成を多数の細線を編み上げた構成のものを用いた例
を示したが、ワイヤ7,8はこれに限定されるものでは
なく、例えば樹脂ケーブル等を用いることも可能であ
る。
【0068】更に、ワイヤの本数も2本に限定されるも
のではなく、複数本(3本以上)設けた構成としてもよ
い。
【0069】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、第1のギヤ
と第2のギヤとの間に少なくとも2本のワイヤを配設す
るため、夫々のワイヤに別個のプレロードを付与するこ
とができるため、各ワイヤには予め所定の捩じり角が発
生しており、回転力が印加された場合には即座に回転力
(トルク)を伝達することが可能となる。このため、第
1のギヤ或いは第2のギヤが正回転方向から逆回転方向
に回転方向を変化せた場合においても、第1のギヤと第
2のギヤとの間で応答性よく回転力を伝達させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である回転伝達装置(ステア
リング装置)を示す構成図である。
【図2】本発明の原理を説明するための図である。
【図3】駆動側機構を示す断面図である。
【図4】従動側機構を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施例である回転伝達装置に設けら
れる右回転用ワイヤ及び左回転用ワイヤのトルク特性を
示す図である。
【図6】本発明の一実施例である回転伝達装置の動作を
説明するための図である。
【図7】従来におけるワイヤを用いた回転伝達装置のワ
イヤのトルク特性を示す図である。
【図8】従来における金属製シャフト用いた回転伝達装
置のワイヤのトルク特性を示す図である。
【図9】1本のワイヤを有する回転伝達装置において、
ワイヤに予め捩じりを付与した場合にトルク特性を示す
図である。
【符号の説明】
1 ステアリング装置 2 ステアリングホイール 3 ステアリングシャフト 4 第1のギヤ 5 ピニオン軸 6 第2のギヤ 7 右回転用ワイヤ 8 左回転用ワイヤ 9 右回転用駆動ギヤ 10 右回転用従動ギヤ 11 左回転用駆動ギヤ 12 左回転用従動ギヤ 13 駆動側機構 14 従動側機構 15 固定ハウジング 18,28 サブハウジング 21,31 固定部材 22 ステアリングギヤボックス 23 ハウジング 26 ピニオンギヤ 27 ラックギヤ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のシャフトに設けられた第1のギヤ
    と、 第2のシャフトに設けられた第2のギヤと、 一端に該第1のギヤと噛合する駆動ギヤを設けると共
    に、他端に該第2のギヤと噛合する従動ギヤを設けてな
    るワイヤとより構成される回転伝達装置おいて、 該ワイヤを、該第1のギヤと該第2のギヤとの間に少な
    くとも2本配設し、 かつ、該少なくとも2本のワイヤに、予め互いに異なる
    方向に捩れを夫々与えてなることを特徴とする回転伝達
    装置。
  2. 【請求項2】 該第1のシャフトはステアリングシャフ
    トであり、 かつ該第2のシャフトはラックアンドピニオン機構のピ
    ニオン軸であることを特徴とする請求項1記載の回転伝
    達装置。
JP20561694A 1994-08-30 1994-08-30 回転伝達装置 Pending JPH0867258A (ja)

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JP20561694A JPH0867258A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 回転伝達装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7798279B2 (en) 2007-10-18 2010-09-21 Trw Automotive U.S. Llc Steer-by-wire steering apparatus with actuatable mechanism
WO2011074443A1 (ja) * 2009-12-16 2011-06-23 Ntn株式会社 可撓性ワイヤ

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