JP2001000399A - 生体データ観察システム - Google Patents

生体データ観察システム

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JP2001000399A
JP2001000399A JP2000115269A JP2000115269A JP2001000399A JP 2001000399 A JP2001000399 A JP 2001000399A JP 2000115269 A JP2000115269 A JP 2000115269A JP 2000115269 A JP2000115269 A JP 2000115269A JP 2001000399 A JP2001000399 A JP 2001000399A
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patient
blood pressure
observation system
biological
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JP2000115269A
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Shinji Kondo
針次 近藤
Hirohide Urano
博秀 浦野
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K and S KK
Kyoho Machine Works Ltd
Original Assignee
K and S KK
Kyoho Machine Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者の麻酔深度を迅速かつ正確に観察するこ
とが可能な生体データ観察システムを提供すること。 【解決手段】 患者の発汗量に基づく第1生体データを
測定する第1測定手段30と,第1生体データを連続的
に取り込み,第1生体データを基に発汗量データを求め
るデータ処理手段10と,発汗量データの推移を表示す
る表示手段13とを有する生体データ観察システム10
1。生体データ観察システム101は,発汗量データの
推移から,患者の麻酔深度を観察できるよう構成してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,患者の麻酔深度を観察するため
の生体データ観察システムに関する。
【0002】
【従来技術】手術中の患者には,例えばマスクが宛がわ
れてそこに麻酔ガスが連続供給されるが,この麻酔ガス
の供給量が少なすぎて麻酔深度が浅くなると患者は痛み
を覚え,逆に麻酔深度が深すぎると昏睡状態に陥ってし
まうおそれがある。そして,従来の生体データ観察シス
テムでは,患者の血圧を測定し,その推移をモニタにて
表示しており,麻酔医はこの血圧の推移曲線を参照しつ
つ麻酔の投与量を調節していた。
【0003】
【解決しようとする課題】ところで,血圧のように心臓
動向に関連する生体データは,麻酔投与に遅れて反応す
るものであるので,患者の容態の変化や麻酔深度の変化
への対処が遅れるおそれがあった(図8参照)。また,
患者に刺激を与えても血圧の変化量は非常に少ないので
(図8参照),従来の生体データ観察システムでは,患
者がどれくらい痛みを感じているかを測定できなかっ
た。
【0004】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたものであり,患者の麻酔深度を迅速かつ正確に観
察することが可能な生体データ観察システムを提供しよ
うとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,患者の発
汗量に基づく第1生体データを測定する第1測定手段
と,該第1測定手段により測定した上記第1生体データ
を連続的に取り込み,該第1生体データを基に発汗量デ
ータを求めるデータ処理手段と,該データ処理手段によ
り求めた上記発汗量データの推移を表示する表示手段と
を有し,上記発汗量データの推移から,上記患者の麻酔
深度を観察できるよう構成してあることを特徴とする生
体データ観察システムにある。
【0006】本発明において最も注目すべきことは,上
記生体データ観察システムが,患者の上記発汗量データ
の推移から,患者の麻酔深度を観察できるよう構成して
あることである。
【0007】次に,本発明の作用を説明するに先立ち,
生体データとしての発汗量について説明する。発汗に
は,精神性発汗と温熱性発汗とがあり,これらのうち精
神性発汗は,自律神経系の影響を強く受けることが知ら
れている。ここで,本願明細書においては,「発汗」
「発汗量」とは,即ち「精神性発汗及び温熱性発汗」
「精神性発汗量及び温熱性発汗量」を指すものとする。
ところで,麻酔時のように自律神経が抑制された状態で
の発汗量は,自律神経が抑制されていない通常時の発汗
量に比べて減少し,刺激を受けたときに増加する。この
ような精神性発汗量の変化は,一般に自律神経系の制御
によって自覚症状に先だって見られる。
【0008】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,第1測定手段によって患者の発汗量
に基づく第1生体データを測定する。これを上記データ
処理手段により連続的に取り込み,該第1生体データを
基に発汗量データを求め,その推移を推移曲線として表
示手段により表示する。
【0009】ここで,発汗作用は自律神経に支配されて
おり,患者の発汗量は,与えられた刺激や麻酔深度に起
因して敏感に変化する。つまり,本発明によれば,発汗
量データの推移から,麻酔深度の変化の兆候を迅速に検
出することができる。しかも,麻酔時の患者に刺激を与
えて反応を観察するときに,患者が感じる痛みを発汗量
データという定量的なデータで観察できる。そのため,
患者の麻酔深度を正確に観察することができる。
【0010】以上のごとく,本発明によれば,患者の麻
酔深度を迅速かつ正確に観察することが可能な生体デー
タ観察システムを提供することができる。
【0011】次に,請求項2に記載の発明のように,上
記生体データ観察システムは,上記患者の血圧又は脈波
に基づく第2生体データを測定する第2測定手段を有
し,該第2測定手段により測定した上記第2生体データ
を,上記データ処理手段により連続的に取り込むと共に
上記第2生体データを基に血圧データを求め,該血圧デ
ータの推移を上記表示手段により表示し,上記発汗量デ
ータの推移と上記血圧データの推移とから,上記患者の
麻酔深度を観察できるよう構成してあることが好まし
い。
【0012】これにより,上記患者の血圧又は脈波に基
づく第2生体データから得られる血圧データの推移か
ら,麻酔薬による心臓動向を観察することができ,一層
正確に患者の麻酔深度を観察することができる。
【0013】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記データ処理手段は,上記発汗量データと上記血圧デー
タとを合成して合成データを生成し,該合成データの推
移を上記表示手段により表示し,上記合成データの推移
から,上記患者の麻酔深度を観察できるよう構成してあ
ることが好ましい。これにより,一目で,発汗量データ
の推移と,血圧データの推移の両方を観察できるため,
麻酔担当医の負担が減る。
【0014】次に,請求項4に記載の発明のように,上
記生体データ観察システムは,上記患者に麻酔薬を連続
して投与する麻酔器と,上記麻酔薬の投与量を調節する
調節手段と,上記発汗量データ或いは上記合成データに
基づき上記調節手段を制御する麻酔制御手段とを有する
ことが好ましい。即ち,発汗量データ或いは合成データ
に基づいて,麻酔制御手段が自動で麻酔薬を所定の供給
量に調整する。そのため,発汗量の変化,或いは発汗量
と血圧の両方の変化に対応して麻酔薬の供給量を調節で
き,麻酔深度が安定する。
【0015】次に,請求項5に記載の発明のように,上
記生体データ観察システムは,上記発汗量データ,血圧
データ,及び合成データの少なくとも一つが異常値とな
ったときに,警告信号を発する警告手段を有することが
好ましい。これにより,麻酔深度が不適切となったとき
に上記警告手段が作働して,医師,看護婦等の注意を促
すため,大事に至る前に対処することができる。
【0016】上記異常値とは,例えば,発汗量データの
場合には,0.01〜0.005mg/cm2/min
の範囲外をいい,血圧データの場合には,最高血圧値1
10〜130mHg,最低血圧値80〜100mHgの
範囲外をいい,合成データの場合には,指数値(実施形
態例1におけるPSの値)30〜60の範囲外をいう。
ただし,患者の個人差,或いは条件設定により,上記異
常値は変わる。
【0017】次に,請求項6に記載の発明のように,上
記生体データ観察システムは,上記発汗量データ,血圧
データ,及び合成データの少なくとも一つが異常値とな
ったときに,患者に電流刺激を与える電流刺激手段を有
することが好ましい。これにより,麻酔深度が不適切と
なったとき,患者に電流刺激が与えられ,その反応が発
汗量データ又は合成データに反映して表れる。そして,
電流刺激に対して発汗量データ又は合成データの値が大
きくならなければ,麻酔深度が深すぎたことを確認する
ことができる。そのため,麻酔深度の判断をより正確に
行える。
【0018】次に,請求項7に記載の発明のように,上
記第2測定手段は,血圧波形連続測定法によって,患者
の脈波を所定の変換式により演算することにより上記第
2生体データを測定する手段であることが好ましい。こ
れにより,容易かつ確実に患者の血圧又は脈波に基づく
第2生体データを測定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる生体データ観察システムに
つき,図1〜図8を用いて説明する。本例の生体データ
観察システム101は,図1に示すように,データ処理
手段としてのデータ処理装置10に,第1測定手段とし
ての発汗量測定装置30と第2測定手段としての血圧測
定装置20の各出力ラインを接続してなる。
【0020】発汗量測定装置30は,本願と同一の発明
者・出願人による特開平10−262958号公報掲載
の発汗量測定装置と基本原理を同じくする。すなわち,
発汗量測定装置30には,図3に示すようなカプセル3
1が備えられ,そのカプセル31に形成した凹所32の
開口32Aを,患者の皮膚面で閉塞するように患者に取
り付けられる。
【0021】そして,カプセル31の側面には,凹所3
2に連通する供給口33と排出口34とが設けられ,供
給口33に連なるゴム管33Aを介して図示しないボン
ベから凹所32内に,例えば低湿度窒素ガスが一定流量
で供給される。一方,排出口34に連なるゴム管34A
の途中には湿度計(図示せず)が設けられ,凹所32を
通過して排出される上記供給された窒素ガス(排出空
気)の湿度を測定している。
【0022】また,このカプセル31には,温度計と加
熱冷却器(例えば,ペルチェ素子)とが内蔵されて,凹
所32内の温度を一定に保つように制御されている。そ
して,湿度計及び温度計の出力結果に基づいて絶対湿度
が第1生体データとして検出され,これがアナログ信号
である発汗量信号として出力される。
【0023】血圧測定装置20は,その基本原理が図2
に示されており,いわゆる血圧波形連続測定法により,
患者の脈波(心拍,脈拍)を所定の変換式により演算す
ることで血圧波形を測定する。具体的には,空気を封入
したカフバンド21を患者の手指に巻き付け,その手指
を挟んだ両側に光電投光器22と光電受光器23を配し
た構成とされている。そして,光電授受光器22,23
でもって光電式容積脈波を検出しつつカフポンプ24の
出力を制御してカフ圧と血管内圧とをつりあわせ,第2
生体データとしての血圧波形を連続測定し,これを例え
ばアナログ信号である血圧信号として出力する。
【0024】データ処理装置10は,図1に示すごと
く,A/Dコンバータ11を備え,上記血圧信号と上記
発汗量信号とをデジタル信号に変換してCPU12のポ
ート1,2に取り込む。CPU12は,電源投入と共
に,データ処理装置10に備えたROM(図示せず)か
らプログラムをロードし,図4のフローチャートに示し
たデータ処理を行い,血圧データP1,発汗量データS
1及び合成データPSを算出する。これらについては,
以下の作用説明で詳細を述べる。
【0025】また,上記ROMには,例えば,患者の年
齢,性別,体重をパラメータとして,通常時及び麻酔時
の血圧データP1,発汗量データS1,及び合成データ
PSの標準データが,例えば図7に示すデータテーブル
形式にして記憶されている。この標準データは,例え
ば,経験豊富な麻酔医が,患者に麻酔を与えるときに,
本生体データ観察システム101を患者に取り付けて実
際に採取した血圧データ,発汗量データ,合成データを
集計して作成したものである。
【0026】また,データ処理装置10には,測定・処
理内容を外部に表示するための表示手段であるモニタ1
3が連なっている。このモニタ13は,例えばCRTで
構成され,図6に示すようにCRT画面の上側から順
に,後述の血圧データP1の推移曲線と,発汗量データ
S1の推移曲線と,合成データPSの推移曲線とを描
く。
【0027】次に,本例の作用について説明する。ま
ず,患者に麻酔を投与する前に,本生体データ観察シス
テム101を患者にセットする。具体的には,血圧測定
装置20に備えたカフバンド21と,発汗量測定装置3
0に備えたカプセル31を,患者の体に取り付けて各装
置10,20,30の電源を投入する。そして,患者の
年齢,性別,体重をキーボード41でデータ処理装置1
0に入力する。
【0028】本生体データ観察システム101が起動す
ると,血圧測定装置20から出力された血圧信号と,発
汗量測定装置30から出力された発汗量信号とが,デー
タ処理装置10に,A/Dコンバータ11を介すことで
デジタル信号に変換されて取り込まれる。また,CPU
12は,電源投入と共にROMからプログラムをロード
しており,入力された血圧信号及び発汗量信号を,それ
ぞれ,変数P1および変数S1として所定のメモリ領域
に書き込む。以下,これらのデータを,「血圧データP
1」及び「発汗量データS1」という(図4,STEP
1)。
【0029】CPU12は,血圧データP1と発汗量デ
ータS1とを合成する(図4,STEP2)。本例で
は,以下の式(1)〜(4)に基づいて,合成データP
Sを算出する。 P2=C1×P1 ・・・(1) S2=C2×S3 ・・・(2) S3=1−exp(C3×S1)・・・(3) PS=P2+S2 ・・・(4) ここで,C1及びC2は,正の数であり,C3は負の数
である(C1>0,C2>0,C3<0)。上記発汗量
データS1と上記の式(3)により求められるS3との
関係を,図5に示す。
【0030】合成データPSを計算すると,CPU12
は,データ処理装置10に連なるモニタ13に,血圧デ
ータP1,発汗量データS1,合成データPSの時間推
移を描かせる(図4,STEP3参照)。その具体例
が,図6に示されており,上側から順に,血圧データP
1の推移曲線と,発汗量データS1の推移曲線と,合成
データPSの推移曲線となっている。また,モニタ13
には,キーボード41によってデータ処理装置10に入
力された個人データ(年齢,体重等)が表示されるとと
もに(図示せず),その個人データに基づいた血圧デー
タP1,発汗量データS1,合成データPSの通常時と
麻酔時の標準データが,ROMに焼き付けられたデータ
テーブルから引き出されて表示される(図示せず)。
【0031】モニタ13上に表示された各曲線が安定し
たら,血圧データP1,発汗量データS1,合成データ
PSのすべてを標準データと比較する。そして,患者の
個人差により,実際の測定値が標準データと大きく異な
る場合は,その差をキーボード41にてデータ処理装置
10に入力しておく。すると,これが例えばモニタ13
上に補正値として表示される。なお,本例では,患者の
実際の測定値と標準データとがほぼ一致していたものと
して説明する。
【0032】次いで,麻酔器42に備えたマスク43を
患者に宛い,麻酔器42を起動させる。すると,マスク
43から麻酔ガスが供給され,呼吸器系を介して患者の
血液内に麻酔薬が入り込む。そして,その血液が患者の
脳に達すると,脳から自律神経に信号が送られて発汗量
が減少する。すると,カプセル31の凹所32内の湿が
度が下がり,これが図6の初期段階X1に示された発汗
量データS1及び合成データPSの推移曲線の右下がり
現象として表れる。なお,このとき血圧は,麻酔投与か
ら遅れて反応を示すため,図6の初期段階X1に示され
ているように,血圧データP1の推移曲線は水平になる
場合が多い。
【0033】患者の体内に麻酔薬が多く取り込まれるに
伴い,麻酔深度が深まると,図6の途中段階X2に示す
ように,発汗量データS1及び合成データPSがかなり
低くなる。
【0034】さて,麻酔の供給量が過剰になると,発汗
量データS1が標準データよりも下がる。これが,図6
の時間Y1のときの発汗量データS1及び合成データP
Sの推移曲線に表れ,容態変化の兆候を知ることができ
る。
【0035】ここで,本例では,前述したように発汗量
データS1から,上記式(3)に示す指数関数によって
S3を求めており,このS3は発汗量データS1に対応
して図5に示すグラフのように変化する。すなわち,発
汗量データS1が小さい範囲では,S3は急激に立ち上
がって変化するから,発汗量データS1が少ない範囲に
おける僅かな変化もS3に反映させることができる。
【0036】そして,このS3が血圧データP1に上乗
せされて合成データPSが生成されるから,図6(C)
に示すように,発汗量の小さな変化も合成データPSの
変化としてモニタ13上に表示される。なお,S3が描
く曲線の立ち上がり度合い(図5の破線Lの傾き)は,
式(3)の定数C3の値を変更することで調節できる。
【0037】また,S3は図5に示すグラフのように変
化し,発汗量がどんなに多くても1を越えない。そし
て,このS3が血圧データP1に上乗せされて合成デー
タPSが生成されるから,図6(C)に示すように,合
成データPSは,血圧の推移曲線(図6(C)の二点鎖
線A)と,その血圧の推移曲線をオフセットさせた曲線
(図6(C)の鎖線B参照)との間で推移する。従っ
て,たとえ発汗量が大きく変化しても,合成データPS
の推移曲線には,全体的な変化として血圧の推移が表さ
れる。
【0038】患者の血圧データP1,発汗量データS
1,合成データPSが,麻酔時の標準データとほぼ同じ
になって安定したら,患者に例えば電流刺激を与えてみ
る。この電流刺激は,図6においては時刻Y2,Y3で
与えられ,その結果が発汗量データS1と合成データP
Sに表れる。このように,本例では発汗量データという
定量的なもので患者の容態の観察を行うことができる。
そして,発汗量データS1が大きすぎるようであれば患
者は痛みを感じていると判断して,麻酔の供給量を若干
増やす。これにより,患者の表情で患者の痛み具合を観
察していた従来の方法に比べ,より的確に患者の容態を
観察することができる。
【0039】麻酔の深度が安定したら,手術が開始さ
れ,患部が電気メス44にて切開される。ここで,本生
体データ観察システム101では,モニタ13が血圧デ
ータP1と発汗量データS1との合成データPSの推移
曲線を表示するから,一目で,発汗量の推移による麻酔
深度の変化の兆候と,血圧の推移による麻酔深度自体と
を同時に観察できる。
【0040】従って,医師等は,合成データPSの推移
曲線だけをみればよく,手術中の負担が減る。また,手
術中に本生体データ観察システム101を用いれば,発
汗量データS1の変化の表示から手術中の患者の容態の
変化に早急に気づくことができ,迅速に対応することが
できる。即ち,例えば,発汗量データS1が所定の範囲
から外れた場合に,患者の容態の変化を早急に把握し,
対応することができる。また,対応後においても,血圧
の推移を観察することで,その対処の結果により患者の
容態がどのように変化したかを知ることができる。な
お,本例において,合成データPSの推移曲線のみをモ
ニタ13に表示してもよい。
【0041】また,図8に,実際の手術において,本例
の生体データ観察システム101により観察された,発
汗量データS1の推移と血圧データP1の時間推移を示
す。図8において,実線が発汗量データS1の推移であ
り,破線が血圧データP1の推移である。発汗量データ
S1は,初期値を100とする発汗指数で表し,血圧デ
ータP1は,血圧を水銀柱メートル(mHg)で表し
た。そして,図8のグラフにおいて,下方へ行くほど,
発汗量及び血圧は低下し,麻酔深度は深まる。
【0042】図8より分かるように,麻酔を患者に導入
すると,発汗量データS1が即座に減少し始める。一
方,血圧データP1は,麻酔導入から遅れて減少し始め
る。また,手術中の刺激に対しても,発汗量データS1
は,敏感に反応している。手術が完了し,カーテルを吸
入して麻酔を覚醒させる際にも,発汗量データS1は,
血圧データP1に比べ,即座に増加し始める。
【0043】即ち,本生体データ観察システム101に
おいて発汗量データS1を用いることにより,迅速かつ
正確に患者の容態を把握し,対処することができること
が分かる。なお,図8の実施例では,適性麻酔深度時に
発汗指数が45〜50になるよう調整された状態を示し
ている。
【0044】実施形態例2 本例は,図9に示すごとく,麻酔器42とマスク43と
の間の麻酔ガス供給を受け,その指令に基づいて電磁弁
45の開閉度を調節するよう構成した生体データ観察シ
ステム102の例である。なお,ここでは,実施形態例
1と異なる構成についてのみ説明する。
【0045】本例の生体データ観察システム102に
は,図9に示すごとく,麻酔器42とマスク43との間
の麻酔ガス供給ライン42Aの途中に,麻酔ガスの流量
を調節する電磁弁45が備えられている。該電磁弁45
は,弁駆動回路46により駆動される。また,弁駆動回
路46は,CPU12から受ける指令に基づいて上記電
磁弁45の開度を調節する。
【0046】本例の生体データ観察システム102は,
例えば,麻酔深度が安定し,手術を開始するときに,そ
の制御が自動モードに切り換えられる。そして,例え
ば,合成データPSが所定の範囲から外れ,異常に大き
くなったとき,即ち,血圧と発汗量とが共に大きくなっ
たときに,麻酔の供給量を増加させる。一方,合成デー
タPSが所定の範囲から外れ,異常に小さくなったと
き,即ち,血圧と発汗量とが共に小さくなったときに,
麻酔の供給量を減少させる。これにより,自動で麻酔ガ
スを所定の供給量に調整することができ,手術医の負担
が減りかつ患者の麻酔深度を安定状態に保持することが
できる。その他,実施形態例1と同様の作用効果を有す
る。
【0047】なお,本例においては,より高精度で制御
を行うため,合成データPSの変化の異常に基づいて,
麻酔の供給量を変更したが,血圧データP1又は発汗量
データS1のうち,どちらか一方が異常な変化を示した
場合に麻酔の供給量を変更してもよい。
【0048】実施形態例3 本例は,図10に示すごとく,警告手段としての警告灯
47と,電流刺激手段としての刺激装置48とを有する
生体データ観察システム103の例である。なお,ここ
では,実施形態例1と異なる構成についてのみ説明す
る。上記生体データ観察システム103におけるデータ
処理装置10に備えたCPU12は,合成データPSが
異常値となったときに,警告灯47と刺激装置48とを
共にオンする。これにより患者に電流刺激が与えられる
と,その反応が血圧測定装置20と発汗量測定装置30
によって検出される。そして,電流刺激に対して合成デ
ータPSが大きくならなければ,麻酔深度が深すぎたこ
とを確認することができる。
【0049】それ故,麻酔深度の判断をより正確に行え
る。また,警告灯47の点灯により,医師,看護婦等の
注意が促されて,大事に至る前に対処できる。その他,
実施形態例1と同様の作用効果を有する。なお,本例に
おいて,合成データPSではなく,血圧データP1又は
発汗量データS1のうち,どちらか一方が異常値となっ
たと場合に,警告灯47と刺激装置48を作動させても
よい。
【0050】実施形態例4 本例は,図11に示すごとく,脳波計51と,血流計5
2と,体温計53とを有する生体データシステム104
の例である。なお,ここでは実施形態例1と異なる構成
についてのみ以下説明する。本例のデータ処理装置10
は,脳波計51と,血流計52と,体温計53とが接続
され,これらの出力データ,上記血圧データP1,発汗
量データS1,合成データPSのうち例えば少なくとも
3つのデータが異常値を示したときに,異常があったと
判断し,警告音を発する。このように,複数のデータを
参照することで,異常値の検出をより正確に行うことが
できる。その他,実施形態例1と同様の作用効果を有す
る。
【0051】本発明は,上記各実施形態例に限定される
ものではなく,例えば,以下に説明するような実施形態
も本発明の技術的範囲に含まれ,さらに,下記以外にも
要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが
できる。 (1)上記実施形態例1では,血圧データP1及び発汗
量データS1が合成データPSが共にモニタ13に表示
されていたが,例えば,合成データPSのみをモニタ1
3に表示する構成としてもてもよい。 (2)上記実施形態例1では,麻酔薬を麻酔ガスとして
供給していたが,点滴で麻酔薬を投与するものに本発明
を適用してもよい。 (3)上記実施形態例1では,脈波から変換した血圧値
をデータとして用いたが,心拍など脈波のデータを直接
用いてもよい。
【0052】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,患者の
麻酔深度を迅速かつ正確に観察することが可能な生体デ
ータ観察システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,生体データ観察システ
ムのブロック図。
【図2】実施形態例1における,血圧測定装置の原理を
示すブロック図。
【図3】実施形態例1における,発汗量検出装置のカプ
セルの部分破断斜視図。
【図4】実施形態例1における,血圧信号と発汗重信号
を合成する手順を示すフローチャート。
【図5】実施形態例1における,データ処理の途中段階
を説明するためのグラフ。
【図6】実施形態例1における,(A)血圧データの推
移を示すグラフ,(B)発汗量データの推移を示すグラ
フ,(C)合成データの推移を示すグラフ。
【図7】実施形態例1における,データテーブルを示す
概念図。
【図8】実施形態例1における,手術中の発汗量データ
と血圧データの推移を示すグラフ。
【図9】実施形態例2における,生体データ観察システ
ムのブロック図。
【図10】実施形態例3における,生体データ観察シス
テムのブロック図。
【図11】実施形態例4における,生体データ観察シス
テムのブロック図。
【符号の説明】
101,102,103,104...生体データ観察
システム,10...データ処理装置(データ処理手
段),12...CPU(合成出力手段,麻酔制御手
段),13...モニタ(表示手段),20...血圧
測定装置(第2測定手段),30...発汗量測定装置
(第1測定手段),42...麻酔器,45...電磁
弁(調節手段),46...弁駆動回路,47...警
告灯(警告手段),48...刺激装置(電流刺激手
段),P1...血圧データ,S1...発汗量デー
タ,PS...合成データ,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61B 5/02 338M

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の発汗量に基づく第1生体データを
    測定する第1測定手段と,該第1測定手段により測定し
    た上記第1生体データを連続的に取り込み,該第1生体
    データを基に発汗量データを求めるデータ処理手段と,
    該データ処理手段により求めた上記発汗量データの推移
    を表示する表示手段とを有し,上記発汗量データの推移
    から,上記患者の麻酔深度を観察できるよう構成してあ
    ることを特徴とする生体データ観察システム。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記生体データ観察
    システムは,上記患者の血圧又は脈波に基づく第2生体
    データを測定する第2測定手段を有し,該第2測定手段
    により測定した上記第2生体データを,上記データ処理
    手段により連続的に取り込むと共に上記第2生体データ
    を基に血圧データを求め,該血圧データの推移を上記表
    示手段により表示し,上記発汗量データの推移と上記血
    圧データの推移とから,上記患者の麻酔深度を観察でき
    るよう構成してあることを特徴とする生体データ観察シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記データ処
    理手段は,上記発汗量データと上記血圧データとを合成
    して合成データを生成し,該合成データの推移を上記表
    示手段により表示し,上記合成データの推移から,上記
    患者の麻酔深度を観察できるよう構成してあることを特
    徴とする生体データ観察システム。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記生体データ観察システムは,上記患者に麻酔薬を連
    続して投与する麻酔器と,上記麻酔薬の投与量を調節す
    る調節手段と,上記発汗量データ或いは上記合成データ
    に基づき上記調節手段を制御する麻酔制御手段とを有す
    ることを特徴とする生体データ観察システム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記生体データ観察システムは,上記発汗量データ,血
    圧データ,及び合成データの少なくとも一つが異常値と
    なったときに,警告信号を発する警告手段を有すること
    を特徴とする生体データ観察システム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記生体データ観察システムは,上記発汗量データ,血
    圧データ,及び合成データの少なくとも一つが異常値と
    なったときに,患者に電流刺激を与える電流刺激手段を
    有することを特徴とする生体データ観察システム。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6のいずれか一項において,
    上記第2測定手段は,血圧波形連続測定法によって,患
    者の脈波を所定の変換式により演算することにより上記
    第2生体データを測定する手段であることを特徴とする
    生体データ観察システム。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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