JP2024014565A - バイタルサイン測定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度が低くなってしまう可能性のある測定器であっても、精度の高いバイタルサインを取得可能にする。【解決手段】バイタルサイン測定システム1は、第1測定器10と、第2測定器20A~20Dと、第1測定器10及び第2測定器20A~20Dが通信可能に接続され、バイタルサインを受信するシステム本体30と、第1測定器10で測定されたバイタルサインに基づいて、第2測定器20A~20Dで測定されたバイタルサインを補正する補正部と、補正後のバイタルサインを出力する出力部とを備えている。【選択図】図1

Description

本開示は、人体のバイタルサインを測定するバイタルサイン測定システムに関する。
従来より、例えばある処理を行った患者のバイタルサインを取得し、取得したバイタルサインに基づいて、患者に行った処置による効果指標を取得するモニタリングシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のシステムでは、バイタルセンサーとして、パルスオキシメータ、呼吸回数を測定する呼吸センサ、血圧を測定する血圧センサ、体温を測定する体温計、脈波を測定する脈波センサ、心拍数を測定する心拍数センサ等が使用可能なセンサ類として挙げられている。
特開2019-122476号公報
ところで、各種医療機関や介護施設等では、パルスオキシメータを用いて動脈血酸素飽和度、脈拍数を測定している。一方、近年、例えば、バイタルサインを測定するためのセンサを腕時計型の端末に搭載した測定器、バイタルサインを測定するためのセンサを鏡に内蔵した鏡内蔵型の測定器、バイタルサインを測定するためのセンサをベッドの上方に設置し、ベッド上の患者のバイタルサインを測定する測定器等が知られている。
しかしながら、腕時計型の測定器、鏡内蔵型の測定器、ベッド上方の測定器のいずれも、バイタルサインを光学的に測定するセンサを用いることになるので、環境光の強度の影響を受けてしまうおそれがある。また、腕時計型の測定器では、腕の皮膚を介して血流等を測定することになるが、皮膚の色等に起因する測定誤差が生じやすい。また、鏡内蔵型の測定器及びベッド上方の測定器は、患者から離れていることが前提になるので、測定精度の点で改善の余地があると考えられる。
本開示は、かかる点に鑑みたものであり、その目的とするところは、測定精度が低くなってしまう可能性のある測定器であっても、精度の高いバイタルサインを取得可能にすることにある。
上記目的を達成するために、本開示の一態様では、生体のバイタルサインを測定する第1測定器及び第2測定器と、前記第1測定器及び前記第2測定器が通信可能に接続され、前記第1測定器及び前記第2測定器で測定されたバイタルサインを受信するシステム本体とを備えたバイタルサイン測定システムを前提とすることができる。バイタルサイン測定システムは、前記第1測定器で測定されたバイタルサインに基づいて、前記第2測定器で測定されたバイタルサインを補正する補正部と、前記補正部により補正された補正後のバイタルサインを出力する出力部とを備えている。
この構成によれば、第2測定器よりも高精度にバイタルサインを測定可能な第1測定器を準備できる場合には、第1測定器で測定されたバイタルサインに基づいて、第2測定器で測定されたバイタルサインを補正することが可能になる。そして、補正後のバイタルサインを出力するので、高精度なバイタルサインが得られる。
また、生体の口腔内に挿入され、口腔内で生体のバイタルサインを測定する口腔内センサを有する第1測定器と、生体の口腔外に設けられ、生体のバイタルサインを口腔外から測定する口腔外センサを有する第2測定器と、前記第1測定器及び前記第2測定器が通信可能に接続され、前記口腔内センサで測定された口腔内バイタルサイン及び前記口腔外センサで測定された口腔外バイタルサインを受信するシステム本体とを備えたバイタルサイン測定システムを前提とすることもできる。バイタルサイン測定システムは、前記口腔内バイタルサインに基づいて、前記口腔外バイタルサインを補正する補正部と、前記補正部により補正された補正後のバイタルサインを出力する出力部とを備えている。システム本体と第2測定器とは一体化されていてもよく、例えば第2測定器にシステム本体が内蔵されていてもよいし、システム本体に第2測定器が内蔵されていてもよい。
この構成によれば、第1測定器が口腔内センサを有しているので、皮膚に比べて薄い粘膜を介して血流等の測定が可能になるとともに、環境光の影響が殆ど無い口腔内で測定が行え、よって、バイタルサインの測定精度が向上する。一方、第2測定器が口腔外センサを有しているので、粘膜よりも厚い皮膚を介した測定になるとともに、環境光の影響を受けやすくなり、よって、口腔内センサを有する第1測定器よりも測定精度が低下することがある。
ここで、口腔内センサを有している第1測定器を口腔内に常時挿入したままにするのは難しい場合があり、このような場合には、口腔外センサを有する第2測定器でバイタルサインを測定する。第2測定器の口腔外センサは、上述したように環境光等の影響によって測定誤差が大きくなるおそれがあるが、本態様では、比較的高精度な口腔内バイタルサインに基づいて口腔外バイタルサインを補正し、補正後のバイタルサインを出力するので、高精度なバイタルサインが得られる。
別の態様に係る補正部は、第1の時刻に測定された口腔内バイタルサインに基づいて、第1の時刻と同時刻に測定された口腔外バイタルサインを補正することができる。
別の態様に係る補正部は、第1の環境で測定された口腔内バイタルサインに基づいて、第1の環境と同環境で測定された口腔外バイタルサインを補正することができる。第1の環境には、環境光の強度、雰囲気温度及び気圧が含まれていてもよい。すなわち、バイタルサインを測定するセンサは、環境光の強度、雰囲気温度、気圧等によって測定値が変化するおそれがある。環境光の強度、雰囲気温度、気圧等が同一である時に測定された口腔内バイタルサインに基づいて口腔外バイタルサインを補正することで、補正後の精度がより一層向上する。
また、補正部は、1日に複数回、口腔内バイタルサインに基づいて、口腔外バイタルサインを補正することもできる。これにより、補正後のバイタルサインの精度がより一層向上する。
別の態様に係るバイタルサイン測定システムは、出力部から出力された補正後のバイタルサインを所定期間継続して記憶する記憶部を備えていてもよい。これにより、バイタルサインの測定後に、バイタルサインの変化を見ることや、バイタルサインの検証を行うことができる。
以上説明したように、比較的高精度な測定が可能な第1測定器で測定されたバイタルサインに基づいて、第2測定器で測定されたバイタルサインを補正し、補正後のバイタルサインを出力可能にしたので、精度の高いバイタルサインを継続的に取得できる。
本発明の実施形態に係るバイタルサイン測定システムの全体図である。 口腔内測定器の斜視図である。 口腔内測定器の断面図である。 口腔内測定器の使用状態を示す被測定者の口腔及びその付近の説明図である。 口腔内測定器のブロック図である。 口腔外測定器のブロック図である。 システム本体のブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るバイタルサイン測定システム1の全体図である。バイタルサイン測定システム1は、口腔内測定器(第1測定器)10と、口腔外測定器(第2測定器)20A~20Dと、システム本体30とを備えている。口腔内測定器10は、生体としての被測定者100(図4に示す)の口腔101内で被測定者100のバイタルサインを測定するための測定器である。一方、口腔外測定器20A~20Dは、被測定者100の口腔101外で被測定者100のバイタルサインを測定するための測定器である。システム本体30と口腔外測定器20A~20Dとは一体化されていてもよく、例えばシステム本体30に口腔外測定器20A~20Dが内蔵されているもの、システム本体30が口腔外測定器20A~20Dに内蔵されているものも本発明に含まれる。また、口腔外測定器20A~20Dは、例を示しているだけであり、どのような形態のものであってもよい。口腔外測定器20A~20Dは、任意の1つのみを用いてもよいし、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態では、第1測定器が口腔内測定器10である場合について説明するが、これに限らず、口腔外測定器20A~20Dよりも測定精度の高い測定器を第1測定器とすることもできる。例えば、医療機器として認定されている血圧計、パルスオキシメータ、体温計、心電計、カプノメータ(呼気中揮発性ガスの二酸化炭素を測定する機器)等を第1測定器としてもよい。
(口腔内測定器)
図2、図3及び図5に示すように、口腔内測定器10は、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16を備えている。血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16は、被測定者100の口腔101内に挿入され、口腔101内で被測定者100のバイタルサインを測定するための口腔内センサである。さらに、口腔内測定器10は、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16を保持するセンサ保持部200を備えている。
この実施形態の説明では、口腔内測定器10の使用状態、即ち口腔内測定器10を被測定者100の口腔101内に挿入した状態で、挿入方向手前側を前といい、挿入方向奥側を後というものとする。したがって、口腔内測定器10の前側は被測定者100の前歯110、111が位置する側であり、後側は舌根部103が位置する側である。また、口腔内測定器10を被測定者100の口腔101内に挿入した状態で被測定者100の右側を単に右といい、被測定者100の左側を単に左というものとする。
また、バイタルサインには、身体の状態を示す情報、生体情報が含まれている。バイタルサインとは、例えば、動脈血酸素飽和度の測定値、体温(深部体温)、心拍、脈拍、血圧、血中酸素、呼吸数、呼吸音、唾液中の含有成分、呼気中の揮発性ガス成分等があり、人間が生存していることを示す信号、人間が正常な状態であるか否かを示す信号である。また、被測定者100は、健康な者であってもよいし、入院患者、在宅患者、介護を受けている者であってもよい。したがって、口腔内測定器10が使用される現場は、自宅、医療機関、介護機関等を挙げることができる。
図4は、被測定者100の口腔101及びその付近を示している。舌102の後側の約1/3が舌根部103であり、舌根部103よりも前の約2/3が舌可動部(舌体)108である。舌102の位置を変える働きをする筋肉を外下筋といい、外下筋には、舌102を後方に引く茎突舌筋、舌102を下に引く舌滑舌筋、舌外側縁に付いて舌背を持ち上げる口蓋舌筋、舌102を前に突出させるオトガイ舌筋がある。また、軟口蓋105及び口蓋垂106の奥に気道104がある。また、図4では、上側の前歯110と下側の前歯111と口唇112も示している。
図2及び図3に示すように、センサ保持部200は、装着部210と延出部220とを有している。装着部210及び延出部220は、例えば樹脂材等によって構成することができる。装着部210に延出部220を一体成形してもよいし、装着部210と延出部220を別部材で形成した後、装着部210に延出部220を取り付けて一体化してもよい。装着部210及び延出部220を構成する樹脂材は、弾性を有する樹脂材であってもよいし、軟質樹脂材であってもよいし、硬質樹脂材であってもよい。装着部210と延出部220とを異なる樹脂材で構成してもよい。本実施形態では、装着部210及び延出部220をシリコンゴム製としている。
装着部210は、環状をなしている。すなわち、装着部210は、被測定者100の舌102の表面(上面)から左側方、裏面(下面)、右側方を経て表面まで連続して延びている。舌102の左右方向の断面形状に対応するように、装着部210を左右方向に長い楕円形もしくは長円形に形成することができる。装着部210は、円形であってもよいが、この場合、装着部210は舌102を挿入することによって容易に変形可能な材料で構成するのが好ましい。
装着部210の内側の周長は、舌102の舌可動部108における前後方向中間部の周長と略等しく設定されている。これにより、装着部210を舌102に装着する際、舌可動部108の先を装着部210に差し込んでから舌可動部108の中間部まで装着部210に挿入することができ、装着部210を舌可動部108に容易に装着することができる。装着部210の周長が異なる複数種の口腔内測定器10を用意しておき、被測定者100の舌可動部108の周長に合う口腔内測定器10を選択して使用することもできる。
装着部210は、樹脂製のバンドや帯状の部材で構成されていてもよい。この場合、装着部210の周長を被測定者100の舌可動部108の周長に合わせて調整することができる。装着部210が例えばゴムやエラストマー等の弾性材からなる場合、被測定者100の舌可動部108を装着部210に挿入すると、舌可動部108の周長に合うように装着部210が伸びることによって装着部210の内周面が舌可動部108に密着する。
装着部210の幅は、例えば2mm以上20mm以下の範囲で設定することができる。装着部210の幅は、後述する口腔内センサ11~16の種類や数等に応じて設定することができる。装着部210は周方向に連続した環状であってもよいし、周方向の一部が途切れていてもよい。
延出部220は、装着部210の上部かつ左右方向中央部から前方へ延出する棒状または板状をなしている。延出部220は、装着部210から被測定者100の上側の前歯(上歯)110及び下側の前歯(下歯)111の間へ延びている。延出部220の前側部分は、被測定者100は上側の前歯110と下側の前歯111とで上下方向に噛んで固定することが可能な部分である。延出部220の前端部(先端部)は、被測定者100の口腔101内に位置していてもよいし、口腔101外へ位置していてもよい。延出部220を硬質樹脂材で構成することにより、前歯110、111で噛んだ際に変形を抑制することができる。延出部220の厚み(上下方向の寸法)は、例えば1mm以上5mm以下の範囲で設定することができる。延出部220の左右方向の寸法は、例えば1mm以上30mm以下の範囲で設定することができる。延出部220は、必要に応じて設ければよく、省略してもよい。延出部220は、複数設けられていてもよい。口腔内測定器10の形状は特に限定されるものではなく、いわゆるマウスピース形状とすることもできる。
口腔内測定器10を装着したままでは、会話がし難くなることが考えられるが、簡単で短い会話程度なら問題とならない。また、口腔内測定器10を装着したままで、体の各部のリハビリテーションを行うことも可能である。これにより、リハビリテーションのバイタルサインを正確に把握できる。例えば、リハビリテーション時の心拍数、動脈血酸素飽和度、血圧、呼吸、深部体温などのバイタルサイン、さらに動脈圧波形から心収縮力、心拍出量などの数値化されたデータも得ることができ、これらのバイタルサインは、例えば心臓リハビリテーションの効果の指標として、数値化・グラフ化して表現できるので、患者の励み、モチベーションを高める事にも使用できる。
また、口腔内測定器10を装着したままで、例えばウォーキング、ランニング等の運動も可能である。装着していない時には、装着部210及び延出部220が弾性を持っているので、装着部210及び延出部220を折り畳んで小型化することもできる。使用後は、口腔内から口腔内測定器10を取り出し、水洗いをして、紫外線270~280nmを照射する消毒機器で細菌・ウイルスを殺菌しておく。
次に、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16について説明する。本実施形態では、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16を設けた例について説明するが、これらセンサ11~16のうち、任意の1つのみまたは任意の複数を設けて口腔内測定器10を構成してもよい。例えば、音センサ14、唾液成分測定センサ15、呼気中揮発性ガス測定センサ16が不要であれば、これらセンサ14~16を省略してもよい。また、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16以外にも、口腔101内で被測定者100のバイタルサインを測定可能なセンサを設けてもよい。
血圧センサ11は、いわゆる電子血圧計で用いられているオシロメトリック方式で血圧を検出することができるようになっている。具体的には、図5に示すように、血圧センサ11は、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b、第3膨張部材11c、ポンプ11d、圧力センサ11e、配管11f及び血圧測定部11gを有している。図2に示すように、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cは、装着部210の内周面の下側部分に、装着部210の周方向に並ぶように設けられている。第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cは、例えばゴムやエラストマー等の弾性材からなる袋状のものであり、空気等の流体を内部に注入することで膨張し、内部の流体を排出することで収縮するように構成されている。血圧センサ11を設ける場合には、装着部210が伸縮しない、または伸縮し難い部材で構成されており、一方、血圧センサ11を設けない場合には、装着部210が伸縮する部材で構成されていてもよい。尚、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11c以外にも、図示しないが、第4膨張部材や第5膨張部材が設けられていてもよい。また、膨張部材が1つであってもよい。膨張部材が1つである場合、装着部210の左右方向に連続した長い形状とすることができる。また、膨張部材は、装着部210の右側と左側のそれぞれに設けることもできる。
ポンプ11dは、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cに空気を給排するための機器である。ポンプ11dは口腔101外に設けられており、ポンプ11dと第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cとは配管11fによって接続されている。配管11fは延出部220の内部を通すことができる。ポンプ11dには、内部の圧力室を大気開放した状態と、密閉した状態とに切り替える切替弁(図示せず)が設けられており、この切替弁は制御部18によって制御される。尚、ポンプ11dは口腔101内に挿入可能な小型のポンプであってもよい。この場合、口腔101内の空気(呼気を含む)をポンプ11dによって第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cに注入することができる。
ポンプ11dを作動させることで、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの内部に空気が注入されて膨張する。このとき、装着部210が環状でかつ伸縮しない部材、または伸縮し難い部材で構成されているので、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの膨張方向が装着部210によって規制され、装着部210の内方へ向けてのみ膨張するようになる。
圧力センサ11eは、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cに連通する配管11f内の圧力を検出可能に構成されていてもよいし、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの任意の1つの内圧を検出可能に構成されていてもよく、従来から周知の圧力センサで構成することができる。圧力センサ11eの検出値は制御部18の一部で構成される血圧測定部11gに出力される。
血圧測定部11gは、ポンプ11dを制御する。装着部210を舌102に装着した状態で、例えば制御部18に接続された測定開始スイッチ18Aを操作すると、血圧測定部11gがポンプ11dを作動させて第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cを膨張させる。第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cが膨張すると、装着部210が環状をなしているので、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの膨張力が逃げにくく、舌102を第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cによって確実に圧迫することができる。第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cが圧迫するのは舌深動脈である。この舌深動脈は、舌102の下面に沿って舌120の先端に向かう動脈である。どの程度まで第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cに空気を注入するかは、圧力センサ11eの検出値に基づいて決定することができ、例えば圧迫した部分(舌深動脈)の血流が止まった段階で加圧を止めるように制御できる。
これにより舌深動脈の血液の流れが止められる。その後、血圧測定部11gはポンプ11dの圧力室を開放することで、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの内部の空気をゆっくりと抜く。舌深動脈に血液が流れ始めるまで第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cをゆっくりとしぼませると、小さな心拍(脈拍現象)を確認することができる。これは圧力センサ11eの検出値に基づいて確認可能である。この脈動は第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cによる締め付けが緩くなればなるほど大きくなり、最も大きな振幅になった後、再び小さくなり、このことも圧力センサ11eの検出値に基づいて確認可能である。この脈動の振幅波形情報を血圧測定部11gが所定のアルゴリズムで解析することで、血圧を算出することができる。つまり、舌深動脈を利用してオシロメトリック方式による血圧測定ができるので、コロトコフ音ではよくとらえきれない低血圧の被測定者100でも血圧を測定可能である。このようにして時間軸方向に連続した血圧の変動波形を得ることができる。
オシロメトリック法により最高血圧と最低血圧を測定することができる。血管の血流を止めた後、第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの内部の空気を抜いていくと、最初に血液が流れた時点で脈拍が起こるとともに振動が発生する。第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cの内部の空気をさらに抜いていくと血管が広がり、流れる血液量は多くなる。これに伴って振動も大きくなり、最大の振動を記録した後、徐々に減少して消滅する。振動幅が急速に高くなる時点を最高血圧、振動幅が急速に低くなる時点を最低血圧とみなすことができる。尚、上述したポンプ11dの制御方法や圧力センサ11eの検出値の解析方法は従来から電子血圧計で採用されている方法を用いることができる。血圧測定中の第1膨張部材11a、第2膨張部材11b及び第3膨張部材11cを測定位置から動かないように配置しておくことができるので、口腔101内で血圧を高精度に検出できる。
次に、光学式センサ12について説明する。光学式センサ12は、舌102の舌可動部108の裏面に接触するように配置され、舌可動部108へ光を照射する発光素子(発光体)12aと、舌可動部108に照射された発光素子12aの光を受光する受光素子(受光体)12bとを備えている。発光素子12aは、例えば赤外光を照射する発光ダイオード等で構成されており、従来から血流測定等に用いられている発光素子とすることができる。受光素子12bは、これも従来から血流測定等に用いられているフォトダイオード等の受光素子で構成することができる。舌可動部108へ照射する光は、例えば近赤外光を挙げることができるが、これに限らず、動脈血酸素飽和度や脈拍数等を検出可能な光であればよい。受光素子12bから出力された信号は制御部18に入力される。受光素子12bから出力された信号に基づいて、制御部18が従来から周知の手法を用いて、動脈血酸素飽和度や脈拍数等を取得できる。
発光素子12aは、装着部210の内周面の下側において上方へ向けて光を照射するように当該装着部210に取り付けられている。発光素子12aを装着部210の内周面の下側に設けることで、発光素子12aから照射された光が舌可動部108の裏面に確実に届く。本実施形態では、発光素子12aの表面が舌可動部108の裏面に接触するように配置されている。この舌可動部108の裏面には多くの動脈が走行しており、この動脈及びその近傍の組織を発光素子12aによって照明できる。発光素子12aは、1つだけ設けてもよいし、2つ以上設けてもよい。発光素子12aを複数設ける場合には、装着部210の周方向または幅方向に間隔をあけて設けるのが好ましい。
受光素子12bも装着部210の内周面の下側において受光面が上方に向くように配置され、当該装着部210に取り付けられている。受光素子12bの表面は舌可動部108の裏面に接触するように配置されている。受光素子12bが受光する光の強度は、動脈の血流状態、血液の脈動、血液の酸素飽和度に応じて変化する。
光を用いた血流や、血液の酸素飽和度の測定方式は、発光素子12aから照射された光が組織や血液に当たって反射した光(反射光)を受光する反射光方式と、発光素子12aから照射されて組織や血液を透過した透過光を利用した透過光方式とがあるが、本実施形態ではどちらの方式も利用することができ、採用した方式に合わせて、発光素子12aと受光素子12bの位置を決定すればよい。
光学式センサ12は、発光素子12aと受光素子12bとを用いることで、動脈血酸素飽和度、脈拍数を測定でき、同時に動脈の拍動である脈波も測定可能である。制御部18は、周知のアルゴリズムを用いて脈波を解析することも可能に構成されている。例えば、この脈波には、心拍出量、心収縮力、循環血液量、末梢血管抵抗、脱水状態、動脈硬化、服薬後の循環器系の変化、血管壁の硬さ等の情報も含まれており、制御部18はこれら情報も解析によって取得でき、時間軸方向に連続した変動波形が得られる。
温度センサ13は、例えば装着部210の内周面の下側部分に設けられている。これにより、温度センサ13の温度検出面を舌102の下面に確実に押し当てることができ、深部体温の測定が可能になる。特に、舌下部は、環境温度の影響を受けにくく、外頸動脈部領域に存在し血管収縮の影響を受けにくく中枢温に近い体温を測定できる箇所である。温度センサ13としては、従来から周知の体温計等に搭載されているセンサを用いることができる。温度センサ13から出力される信号は、制御部18に入力される。体温についても、時間軸方向に連続した変動波形が得られる。尚、温度センサ13を装着部210の外周面または延出部220に設けてもよい。
音センサ14は、延出部220の上面に設けられているが、装着部210の外周面に設けてもよい。音センサ14は、例えば防水性の集音器(マイクロフォン)のような振動を電気信号に変換する機器等で構成されている。音センサ14は、口腔101内の音を集音可能であるため、例えば呼吸音の検出が可能である。音センサ14から出力される信号は制御部18に入力される。制御部18では、音センサ14から出力された信号に基づいて、呼吸数(単位時間あたりの呼吸回数)の測定が可能である。これにより、呼吸回数の変動を検出することができ、例えば呼吸回数の増加は病状の急変の予兆、合併症の早期発見のための重要な身体所見で、呼吸数の把握は喚起障害の早期発見を可能にすることができる。
また、音センサ14によって呼吸の音質を把握することもできる。呼吸の音質については、例えば、気管呼吸音・気管支呼吸音・肺胞呼吸音で周波数の違いや呼吸音の減弱・消失、副雑音の断続性や連続性等、音の測定値に特徴があり、胸部・背部に聴診器をあてて行う肺聴診の肺音(呼吸音と副雑音)に類似で肺の病態を現すものである。制御部18が呼吸の音質を判定するように構成されていてもよいし、呼吸音を例えば音声データにして医療従事者に提供し、医療従事者によって上記病態の診断を行うようにしてもよい。呼吸数、呼吸音等についても時間軸方向に連続した変動波形が得られる。
唾液成分測定センサ15は、延出部220の上面に設けられているが、装着部210の外周面に設けてもよい。唾液成分測定センサ15は、唾液成分(例えばタンパク質、炭水化物、脂肪、ブドウ糖、多種な癌マーカー等)を検出可能に構成されたセンサである。唾液中の成分を分析して各バイオマーカーの高低を測定することで様々な症状の早期発見が可能になる。さらに、唾液中には、血液よりもはるかに微量ながらグルコースも含まれており、この唾液中に含まれるグルコースの量を測定可能なセンサを設けることで血糖値を推定することができる。すなわち、血液の代わりに唾液を採取することで糖尿病の診断を行うことができる。上記バイオマーカーやグルコースの測定方法は、各種学術文献等に記載された方法を用いることができる。この場合、唾液成分測定センサ15としては、発光体や、磁力を発生するもの等を挙げることができる。唾液成分測定センサ15から出力される信号は、制御部18に入力される。唾液成分の変化についても、時間軸方向に連続した波形が得られる。
呼気中揮発性ガス測定センサ16は、延出部220の上面に設けられているが、装着部210の外周面に設けてもよい。呼気中揮発性ガス測定センサ16は、呼気中に含まれる揮発性ガス等を測定可能なセンサであり、例えば、二酸化炭素濃度、肝臓疾患と相関する揮発性ガス等を測定することができる。このようなセンサは従来から周知である。呼気中揮発性ガス測定センサ16から出力される信号は、制御部18に入力される。例えば、ある病気にかかると、呼気に特定の成分が含まれることが知られており、このように呼気に含まれる特定の成分を検出することで、病気を特定することができる。呼気中揮発性ガス測定センサ16は、呼気に含まれる複数の成分をそれぞれ検出可能に構成することもできる。呼気中のガス成分の変化についても、時間軸方向に連続した波形が得られる。
図5に示すように、口腔内測定器10は、通信モジュール19及び電源18Bを備えている。制御部18、電源18B及び通信モジュール19は、装着部210や延出部220の内部に埋設してもよいし、外部に配設してもよい。制御部18、電源18B及び通信モジュール19を外部に配設する場合には、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16と、制御部18とを信号線で接続すればよい。信号線は延出部220の内部を基端から先端まで通すことができる。
電源18Bは小型の電池や充電池等で構成されており、制御部18に対して必要な電力を供給する。制御部18は、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16を制御するとともに、電力が必要なセンサに対しては、電源18Bの電力を供給して各センサを作動させる。例えば、被測定者100が医療従事者によって測定開始スイッチ18Aが操作されると、制御部18は測定開始スイッチ18Aが操作されたことを検出し、各センサを作動状態にする。
例えば、発光素子12aから照射された光は受光素子12bで受光される。このときの光の強度は時間の経過に伴って変化しており、この光の強度の変化を受光素子12bで取得できる。制御部18は、受光素子12bで受光した光の強度に基づいて舌102の血流を得るように構成されている。例えば血管を流れる血液は心臓の拍動によって脈動しており、この血管に発光素子12aから測定用の光を照射すると、受光素子12bでは、血液の脈動に対応して光の強度が変化する。これを制御部18の処理部18aが利用して所定の演算を行うことで、上述した心拍や脈拍、血中酸素(動脈血酸素飽和度)、動脈圧波形、加速度脈波等の生体情報に変換することができる。受光素子12bで取得した光の強度変化も生体情報の一部である。尚、光を照射して心拍や脈拍、血中酸素等を測定する手法は、様々な機器で使用されており、その手法も様々あり、これらのうち、どの構成であっても本実施形態で使用することができる。
同様に、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16から出力された信号を処理部18aが処理することで、上述したような生体情報を取得できる。血圧センサ11の場合は、血圧測定部11gにより被測定者100の血圧を数値で取得できる。
通信モジュール19は、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16による測定結果(バイタルデータ、生体情報)をシステム本体30に送信するためのものである。通信モジュール19は、上記測定結果を有線または無線によってシステム本体30に送信可能に構成されている。有線による場合は、通信モジュール19とシステム本体30とを通信線によって接続すればよい。無線による場合は、通信モジュール19とシステム本体30とを既存の無線通信規格に準拠した方式で通信可能に接続すればよく、例えば無線LAN通信、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)を利用することができる。尚、通信モジュール19は、システム本体30からの制御信号を受信するように構成することもできる。この場合、制御部18をシステム本体30から制御し、ポンプ11d、血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16を自動で作動状態にしたり、非作動状態にすることができる。
(口腔外測定器)
次に、図1に示している口腔外測定器20A~20Dについて説明する。口腔外測定器20Aは、腕時計型の端末である。図6にブロック図を示すように、口腔外測定器20Aは、光学式センサ22、温度センサ23、制御部28、通信モジュール29、電源28B等を備えており、被測定者100の腕に常時装着可能なウェアラブル端末である。光学式センサ22、温度センサ23、通信モジュール29及び電源28Bは、制御部28に接続されている。口腔外測定器20Aは、手首に装着してもよいし、足首に装着してもよい。
光学式センサ22は、上記口腔内測定器10の光学式センサ12と同様に構成されており、発光素子22aと受光素子22bとを有している。口腔外測定器20Aが腕に装着されるものであることから、発光素子22a及び受光素子22bは皮膚に押し付けられた状態で保持され、発光素子22aは皮膚に向けて光を照射し、受光素子22bは皮膚を透過した光を受光する。動脈血酸素飽和度や脈拍数等を取得するアルゴリズムは、上記口腔内測定器10の光学式センサ12と同様であり、処理部28aによって時間軸方向に連続した波形からなる生体情報を取得できる。
温度センサ23は、被測定者100の体温を腕の皮膚上から測定するためのセンサである。温度センサ23から出力された信号を処理部28aが処理することで、生体情報の一つである体温を取得できる。光学式センサ22及び温度センサ23は、生体の口腔外に設けられ、生体のバイタルサインを口腔外から測定する口腔外センサである。これにより、体温についても、時間軸方向に連続した波形が得られる。
口腔外測定器20Aの通信モジュール29は、光学式センサ22及び温度センサ23による測定結果(バイタルデータ、生体情報)をシステム本体30に送信するためのものである。通信モジュール29は、口腔内測定器10の通信モジュール19と同様に構成されており、上記測定結果を有線または無線によってシステム本体30に送信可能に構成されている。有線による場合は、通信モジュール29とシステム本体30とを通信線によって接続すればよい。無線による場合は、通信モジュール29とシステム本体30とを既存の無線通信規格に準拠した方式で通信可能に接続すればよく、例えば無線LAN通信、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)を利用することができる。尚、通信モジュール29は、システム本体30からの制御信号を受信するように構成することもできる。この場合、制御部28をシステム本体30から制御することが可能になる。
電源28Bは、小型の電池や充電池等で構成されており、制御部28に対して必要な電力を供給する。制御部28は、光学式センサ22及び温度センサ23を制御するとともに、電力が必要なセンサに対しては、電源28Bの電力を供給して各センサを作動させる。光学式センサ22及び温度センサ23は、被測定者100や医療従事者が設定することにより、常時測定を実行するように構成されている。尚、光学式センサ22及び温度センサ23による測定は、必要時のみ実行可能であってもよく、この場合、測定開始スイッチ(図示せず)の操作状態を検出し、制御部28が光学式センサ22及び温度センサ23による測定を実行する。
また、口腔外測定器20Aの制御部28をシステム本体30から制御し、光学式センサ22及び温度センサ13を自動で作動状態にしたり、非作動状態にすることもできる。
図1に示す口腔外測定器20Bは、指に装着可能なリング型の端末で構成されている。口腔外測定器20Bも、腕時計型の口腔外測定器20Aと同様に、光学式センサ、温度センサ、制御部、通信モジュール、電源等を有している。
口腔外測定器20Cは、鏡型の測定器であり、鏡Aと筐体Bとを有するとともに、図示しないが、光学式センサ、制御部、通信モジュール、電源等も有している。光学式センサの発光素子及び受光素子は鏡Aの裏側に配設されている。鏡Aは、光学式センサの発光素子から照射された光を裏面から表面へ透過させて被測定者100に投光可能に構成されている。被測定者100から反射した光は、鏡Aを表面から裏面へ透過して受光素子で受光可能に構成されている。受光素子から出力される信号に基づいて、動脈血酸素飽和度や脈拍数等を取得するアルゴリズムは、鏡型の測定器において従来から周知のアルゴリズムを用いることができる。口腔外測定器20Cの光学式センサも、生体の口腔外に設けられ、生体のバイタルサインを口腔外から測定する口腔外センサである。
口腔外測定器20Dは、ベッドEの上方に設置されるベッド用測定器であり、ケースCを有するとともに、図示しないが、光学式センサ、制御部、通信モジュール、電源等も有している。光学式センサの発光素子及び受光素子はケースCに設けられている。光学式センサの発光素子から照射された光はケースCの下面からベッドE上の被測定者100に投光可能に構成されている。ベッドE上の被測定者100から反射した光は、受光素子で受光可能に構成されている。受光素子から出力される信号に基づいて、動脈血酸素飽和度や脈拍数等を取得するアルゴリズムは、ベッド用測定器において従来から周知のアルゴリズムを用いることができる。口腔外測定器20Dの光学式センサも、生体の口腔外に設けられ、生体のバイタルサインを口腔外から測定する口腔外センサである。また、光学式センサにより、ベッドE上の被測定者100の呼吸数も測定可能になっている。
(システム本体)
次に、システム本体30について説明する。システム本体30は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等で構成されている。図7はシステム本体30のブロック図を示しており、システム本体30は、通信モジュール31、制御部32、記憶部33、表示部34及び操作部35を備えている。通信モジュール31は、図5に示す口腔内測定器10の通信モジュール19、及び、図6に示す口腔外測定器20A~20Dの通信モジュール29と通信可能に構成されている。すなわち、システム本体30の通信モジュール31は、有線、無線LAN通信、近距離無線通信規格のいずれの通信形態であってもよく、口腔内測定器10及び口腔外測定器20A~20Dと通信可能に接続されればよい。これにより、口腔内測定器10の血圧センサ11、光学式センサ12、温度センサ13、音センサ14、唾液成分測定センサ15及び呼気中揮発性ガス測定センサ16で測定されたバイタルサインと、口腔外測定器20A~20Dの光学式センサ22及び温度センサ23で測定されたバイタルサインとがシステム本体30で受信される。受信されるバイタルサインは、生体情報を示すデータとなっており、アナログデータであってもよいし、デジタルデータであってもよい。
また、通信モジュール31は、インターネット回線にも接続可能になっている。通信モジュール31で受信されたバイタルサインは、インターネット回線を利用して例えば医療機関や介護機関が保有するサーバ等にアップロードすることもできる。サーバではバイタルサインを蓄積して利用することができる。
制御部32により、後述する入力部32a、誤差抽出部32b、補正部32c及び出力部32dが構成されている。入力部32a、誤差抽出部32b、補正部32c及び出力部32dは、制御部32を構成しているハードウェアのみで構成されていてもよいし、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成されていてもよい。例えば、CPUが所定のプログラムを実行することで、入力部32a、誤差抽出部32b、補正部32c及び出力部32dの各機能を制御部32が実行可能になる。
表示部34は、例えば液晶ディスプレイ装置や有機ELディスプレイ装置等で構成されている。表示部34は、制御部32に接続されており、制御部32によって制御され、各種設定画面、入力画面、確認画面等の表示が可能になっている。
操作部35は、例えば被測定者100や医療従事者等がバイタルサイン測定システム1を操作するための機器で構成されている。操作部35には、例えばキーボード35a及びマウス35bが含まれているが、これら以外にも表示部34に組み込まれたタッチ操作パネルや、各種ポインティングデバイス等が含まれていてもよい。操作部35は、制御部32に接続されており、操作部35による操作が制御部32で検出可能になっている。
記憶部33は、バイタルサイン等の各種データやプログラム等を記憶可能なSSD(ソリッドステートドライブ)、ハードディスクドライブ、メモリカード等で構成されている。記憶部33は制御部32に接続されており、制御部32からの指示に従い、送られてきたデータの記憶、及び記憶されているデータの読み出しを実行する。記憶部33は、システム本体30の筐体内に内蔵されていてもよいし、筐体の外部に設けられていてもよい。また、記憶部33は、外部のサーバや、いわゆるクラウド型のストレージシステムであってもよい。また、記憶部33の一部のみ筐体に内蔵し、他を外部に設けてもよい。
システム本体30で受信されたバイタルサインは、それぞれ、入力部32aで受け付けられ、口腔内測定器10で測定された口腔内バイタルサインと、口腔外測定器20A~20Dで測定された口腔外バイタルサインとに識別可能にされた状態で、記憶部33に記憶される。例えば、口腔内バイタルサインには口腔内で測定されたことを示す属性情報を付与し、また、口腔外バイタルサインには口腔外で測定されたことを示す属性情報を付与しておき、各属性情報とバイタルサインとを関連付けておく。これにより、口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとを個別に読み出すことが可能になる。
システム本体30の誤差抽出部32bは、口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出する部分である。口腔内測定器10によって第1の時刻に測定された口腔内バイタルサインと、口腔外測定器20A~20Dによって第1の時刻と同時刻に測定された口腔外バイタルサインとを比較する。第1の時刻は、いつであってもよく、被測定者100の起床時、活動時、就寝時等であってもよい。
また、誤差抽出部32bは、1日に複数回、同時刻に測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出する。例えば、朝、昼、夕方、夜のそれぞれで口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出してもよい。尚、1日に1回のみ同時刻に測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出してもよい。また、誤差抽出部32bは、1週間に複数回、同時刻に測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出してもよい。
誤差抽出部32bは、口腔内測定器10によって第1の環境で測定された口腔内バイタルサインと、口腔外測定器20A~20Dによって第1の環境と同じ環境で測定された口腔外バイタルサインとを比較する。第1の環境には、環境光の強度、雰囲気温度及び気圧が含まれており、従って、被測定者100の周囲の環境光の強度が同じ、雰囲気温度が同じ、気圧が同じ場所で測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出する。これにより、同じ測定条件で測定されたバイタルサイン同士を比較できるので、抽出された誤差が後述する補正に用いる情報として適切なものになる。基本的に、同時刻に測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインの測定時の環境は同じになる。
口腔内バイタルサイン及び口腔外バイタルサインは、時間軸方向に連続して測定可能であるため、口腔内バイタルサインの脈波の波形と、口腔外バイタルサインの脈波の波形とを比較することで、両者の差分を算出できる。算出された差分が誤差になる。脈波以外にも、血圧、動脈血酸素飽和度、脈拍数、体温等についても、同様に口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差を抽出できる。また、波形同士の比較でなくてもよく、ある時刻におけるピンポイントの血圧同士、動脈血酸素飽和度同士、脈拍数同士、体温同士を比較してもよい。
ここで、口腔内測定器10は上述したように、口腔内で口を閉じて測定可能であることから、周囲の環境光の影響を受けにくい。このため、口腔内測定器10の光学式センサ12による測定精度が口腔外のものに比べて高まる。また、口腔内測定器10による測定は、皮膚よりも薄い粘膜を介した測定であることから、光学式センサ12及び温度センサ13による測定精度が高まる。特に、舌深動脈を利用することで、バイタルサインの測定精度の更なる向上が可能になる。
一方、口腔外測定器20A~20Dによる測定は皮膚を介した測定であることから、粘膜を介した測定に比べて測定精度が低下してしまう。例えば被測定者100の皮膚の色、圧迫による血流障害、激しい体動、循環不全等による誤差も生じやすい。また、直射日光、照明光の強さによって光学式センサ22の受光強度が変動することになり、環境光の影響を受けやすい。このため、口腔外測定器20A~20Dの光学式センサ22による測定精度が口腔内のものに比べて低下する。
このように、口腔内の測定精度が比較的高く、口腔外の測定精度が比較的低くなるので、殆どの場合、誤差抽出部32bでは、口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインとの誤差が抽出される。そして、抽出された誤差は、口腔内バイタルサインを正とし、この口腔内バイタルサインに対する口腔外バイタルサインの誤差として特定される。尚、誤差抽出部32bは、口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインが取得されている時間中、連続して誤差の抽出処理を実行してもよい。また、誤差抽出部32bは、被測定者100や医療従事者の指示を受けた時にのみ、誤差の抽出処理を実行してもよいし、定期的に誤差の抽出処理を実行してもよい。
補正部32cは、口腔内測定器10により測定された口腔内バイタルサインに基づいて、口腔外バイタルサインを補正する部分である。具体的には、誤差抽出部32bにより抽出された誤差を使用する。例えば口腔内測定器10により測定された動脈血酸素飽和度と、口腔外測定器20A~20Dにより測定された動脈血酸素飽和度との誤差を抽出した際、口腔外測定器20A~20Dにより測定された動脈血酸素飽和度の方が所定値だけ小さかった場合、その所定値を口腔外測定器20A~20Dにより測定された動脈血酸素飽和度に加える補正を行う。また、口腔外測定器20A~20Dにより測定された動脈血酸素飽和度の方が所定値だけ大きかった場合、その所定値を口腔外測定器20A~20Dにより測定された動脈血酸素飽和度から減じる補正を行う。これにより、口腔外測定器20A~20Dにより測定された動脈血酸素飽和度が補正されるので、被測定者100の実際の状態に近い測定値になる。血圧、動脈血酸素飽和度、脈拍数、体温等についても、同様に補正できる。
口腔外測定器20A~20Dは、口腔外バイタルサインを連続して測定しているので、補正部32cは、その連続した口腔外バイタルサインに対して補正処理を実行する。補正処理による補正量は、誤差に応じて設定される。誤差抽出部32bが1日に複数回、誤差を抽出すると、例えば朝に誤差が大きくなり、夕方は誤差が小さくなるような傾向を取得することも可能である。このような場合、補正部32cは、誤差抽出部32bが取得した誤差の傾向に対応させるように、朝の補正量を大きくし、夕方の補正量を小さくする。1日のうちの全体について誤差の傾向を取得することもでき、この場合、補正部32cは、終日、適切な補正処理を実行できる。尚、補正部32cによる補正は、1回のみ実行してもよいし、複数回実行してもよい。
上述したように、誤差抽出部32bが、第1の時刻に測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインの誤差を抽出しているので、補正部32cは、第1の時刻に測定された口腔内バイタルサインに基づいて、第1の時刻と同時刻に測定された口腔外バイタルサインを補正することができる。すなわち、同時刻に測定された動脈血酸素飽和度は、本来なら同じ値または近い値になるはずであるが、その値が異なるということは、原理上、測定精度が低くなってしまう口腔外測定器20A~20Dによる測定結果を補正する必要があるということである。脈波や体温等についても同様である。よって、口腔内バイタルサインと同時刻に測定された口腔外バイタルサインを補正することで、補正結果が適切なものになる。
また、補正部32cは、誤差抽出部32bと同様に、1日に複数回、口腔内バイタルサインに基づいて、口腔外バイタルサインを補正する。補正の頻度を高めることで、口腔外バイタルサインを実際の被測定者100の値により一層近づけることができる。補正のタイミングは、特に限定されるものではないが、誤差抽出部32bが誤差を抽出したタイミングであってもよい。
上述したように、誤差抽出部32bが、第1の環境で測定された口腔内バイタルサインと口腔外バイタルサインの誤差を抽出しているので、補正部32cは、第1の環境で測定された口腔内バイタルサインに基づいて、第1の環境と同環境で測定された口腔外バイタルサインを補正することができる。すなわち、同じ環境で測定された動脈血酸素飽和度は、本来なら同じ値または近い値になるはずであるが、その値が異なるということは、原理上、測定精度が低くなってしまう口腔外測定器20A~20Dによる測定結果を補正する必要があるということである。脈波や体温等についても同様である。よって、口腔内バイタルサインと同じ環境で測定された口腔外バイタルサインを補正することで、補正結果が適切なものになる。尚、補正時における第1の環境にも、環境光の強度、雰囲気温度及び気圧が含まれている。また、位置情報(経度、緯度)、高度によってもバイタルサインの測定値が僅かに変化する可能性があるので、必要に応じて、これらも同じにした状態で測定する。また、周囲の騒音の影響によってもバイタルサインの測定値が僅かに変化する可能性があるので、騒音が無いときに測定するといった条件を合わせてもよい。
補正部32cは、機械学習器を備えていてもよい。口腔外測定器20A~20Dの測定誤差には、測定器に固有の誤差、経時的変化に起因する誤差、上述した測定時の環境に起因する誤差等が含まれている。各誤差を機械学習器に入力し、口腔内バイタルサインを教師データとすることで、どのような補正処理が適切であるかを学習させることができる。同時刻、同環境の測定結果を、何回も機械学習器に入力して学習させることで、補正処理がよい一層適切なものになり、ひいては補正後のバイタルサインが被測定者100の状態を表すものに近くなる。
使用例について説明する。被測定者100が、朝、鏡型の口腔外測定器20C(図1に示す)の前で口腔外バイタルサインを測定しながら、口腔内に口腔内測定器10を挿入して口腔内バイタルサインを測定する。鏡型の口腔外測定器20Cで測定したバイタルサインは、例えば蛍光灯の光の影響で、脈波の基線も不安定で、波形の起伏も不安定で不明瞭な場合がある。これをアルゴリズムで処理してもよいが、本実施形態では、口腔内測定器10によって被測定者100から直接得られた精度の高いバイタルサインと対にして、同時刻・同環境で測定された口腔外バイタルサインと口腔内バイタルサインとを比較し、鏡型の口腔外測定器20Cの誤差要因の誤差値(例えば、蛍光灯の照度を数値化する)を判断し誤差値を補正することができる。この同時刻・同環境(温度・湿度・気圧・明るさ)の数値を把握し、誤差の補正時の操作に反映させる。時刻・環境状況のデータも併せて、誤差を機械学習器で学習して解析することで、被測定者100が鏡の前に立つだけで、精度の高いバイタルサインを取得できる。また、使用者の定期的な身体のアンケート情報も数値化して、解析時の他のデータに反映させてもよい。
補正処理を行うことで、その後、口腔外測定器20A~20Dを単独で使用しても、口腔外測定器20A~20Dで測定されたバイタルサインが自動的に補正されて、精度の高いバイタルサインを継続的に取得できる。よって、口腔内測定器10を装着していなくても、被測定者100の状態を正確に把握できる。
また、元データを1回から2回微分し、臨床判断などに活用することもできる。例えば、光学式センサ22の測定データから動脈圧波形が得られ、この波形の角度や波形の下線の面積を計算し、心臓の臨床状態を判断できる。このとき、元データとなる口腔外測定器20A~20Dで測定されたバイタルサインの精度が低いと、臨床判断に影響してしまうが、本実施形態のように、口腔外測定器20A~20Dで測定されたバイタルサインを補正することで、臨床判断の精度も高めることができる。
また、単体の測定器のデータだけでなく、2種類以上の測定器の複数のデータを、複合的に解析する場合も、元データの精度が低ければ、データのばらつきは大きくなり、臨床判断に影響することが考えられるが、本実施形態のように、口腔外測定器20A~20Dで測定されたバイタルサインを補正することで、この影響も小さくできる。
また、測定精度の異なる2種類以上の測定器がある場合、測定精度が比較的低い測定器では、測定されたバイタルサインの信頼性が低くなってしまうが、本発明のように、測定精度が比較的低い測定器で測定されたバイタルサインを、測定精度が比較的高い測定器で測定されたバイタルサインに基づいて補正することで、測定精度が比較的低い測定器であっても被測定者の健康状態を把握するのに十分なバイタルサインを得ることができる。
例えば、本発明の第2測定器によってバイタルサインの測定が行われている入院患者で異常値が出ている場合、医師や看護師が医療現場で従来から使用している高精度な血圧計、パルスオキシメータ(医療機器として認定されている医療用測定器)で測定したバイタルサインに基づいて、第2測定器によって測定されたバイタルサインを補正することができる。このとき、医療用測定器(第1測定器)と第2測定器との測定時刻を同一とし、測定環境も同一にすることで、補正の精度を高めることができ、本当に異常値であるか否かを検証できる。
このように、第1測定器と第2測定器の組み合わせは実施形態に記載した組み合わせに限られるものではなく、測定精度が比較的高い測定器と、測定精度が比較的低い測定器の組み合わせであってもよい。測定精度が比較的高い測定器の例としては、口腔内測定器10、医療用測定器、医療現場で使用されることが許可された測定器(所定の機関によって認定された測定器)等を挙げることができる。
また、例えば、呼気中揮発性物質、唾液成分、皮膚の揮発性ガス、汗の成分を測定可能なセンサを、第1測定器及び第2測定器が備えていてもよい。これら成分を測定可能なセンサは、従来から周知である。呼気中揮発性物質、唾液成分、皮膚の揮発性ガス、汗の成分の4つの測定対象には、同一成分、相関関係のある成分が含まれている。相関関係のある成分が含まれている場合、測定器は、同一成分、相関する成分の補正も行うことができる。
また、例えば、唾液中のグルコースの測定、舌の血液に赤外線を照射することによるグルコースの測定、口腔外測定器20Aの赤外線を血液に照射することによるグルコースの測定、医療現場で行っている採血による血糖値の測定についても、これら測定を同一時刻、同一環境で測定を行うことで、相互に補正することができる。現在、口腔外測定器20Aで血糖値を測定する際の精度は、モニターを取る程度(高低を見る程度)であれば問題はないが、食後の血糖値が急激に高くなる場合の測定は困難である。患者自身が指先の血液から血糖値を測定する自己血糖測定器も1日1回以上、食前や食後1時間、2時間に測定するが、この測定器と同一時刻、同一環境の口腔内測定器10や口腔外測定器20A、口腔外測定器20Bによる同時測定を行うことで、他の時間帯の測定値も補正できる。
出力部32dは、補正部32cにより補正された補正後のバイタルサインを制御部32の外部へ出力する部分である。補正後のバイタルサインは、口腔外バイタルサインが測定される間、生成されるので、時間軸方向に連続した波形等で示すことができる。例えば、出力部32dが補正後のバイタルサインを補正部32cから受け取った後、記憶部33へ所定期間継続して出力することで、記憶部33に、補正後のバイタルサインを所定期間継続して記憶させることができる。
出力部32dは、補正後のバイタルサインを表示部34に出力することもできる。これにより、補正後のバイタルサインを表示部34に表示させて医療従事者等に提供できる。また、制御部32は、多種類のバイタルサインを複合的に解析し、グラフ化、波形等の可視化した情報とすることもできる。これら可視化した情報は表示部34に出力されて表示される。また、バイタルサインが異常であるか否かを制御部32が判定し、異常であると判定される場合には、アラートを発するように構成することも可能である。
このように、個別の継時的なバイタルサインの活用が可能になるので、医療従事者が早期に症状の悪化に気付きやすくなり、対応策を早期に実施でき、症状の悪化を予防できる。また、医療従事者は、補正後のバイタルサインを継続して観察することで、被測定者100である患者の記憶が曖昧であったことや、意識していない異変まで気付くことができる。一方で、患者は主観的な症状を医療従事者に伝えやすくなる。
(補正部よる補正の具体例)
パルスオキシメータから出力される波形(動脈圧波形)はバイタルサインの一種であり、この動脈圧波形を例にすると、波形の立ち上がりの角度は、心収縮力を表している。また、パルスオキシメータから出力される1つの波形の時間軸方向の中間あたりには小さい波形が形成され、この小さい波形は大動脈弁が閉鎖した点を示している。その小さい波形の立ち上がりの点までの波形下の面積が心臓の1回拍出量となる。この小さな波形(dicrotic wave)が存在すれば体血管抵抗は高く、dicrotic waveが存在しなければ血管抵抗は低いと評価する。また、パルスオキシメータから出力される波形のうち、基線に届く部分の波形の角度は体血管抵抗の大きさを表している。また、波形の高さは脈圧を表している。このように、パルスオキシメータから出力される波形には、重要なポイントが複数あり、上述したポイント以外にも重要なポイントがある。
これらの波形の角度、高さ、小さな波形、波形下の面積等は、心臓機能を現しているので、患者の診断に用いられており、従って、補正部32cが第2測定器で測定されたバイタルサインを補正する際の重要なポイントになる。補正部32cは、第1測定器で測定された動脈圧波形と、第2測定器で測定された動脈圧波形とを比較し、動脈圧波形の重要ポイント(重要な部分)への絞り込みを行い、絞り込んだ部分について、回帰分析法を使用して波形の角度、高さ、小さな波形、波形下の面積等の補正を行う。
また、心電計から出力される心電図では、例えば、P波、Q波、R波、S波、T波の振幅値や、P波、Q波、R波、S波、T波の波幅値や、P Q時間(間隔)、Q R S時間(間隔)、S T部分、T波幅、Q T時間(間隔)の波幅値(時間)や、P波、Q波、R波、S波、T波形下の面積、波形の角度、波形の高さ等が重要ポイントとなり得る。補正部32cは、第1測定器で測定された心電図データと、第2測定器で測定された心電図データとを比較し、心電図データの重要ポイントへの絞り込みを行い、絞り込んだ部分について、回帰分析法を使用して補正する。
回帰分析法による補正は一例であり、他の方法を用いて補正することもできる。また、動脈圧波形、心電図以外の他のバイタルサインについても、患者の診断に用いられている部分を重要ポイントとして絞り込み、その絞り込んだ部分について、補正することが可能である。
(個人認証)
被測定者100は、使用する口腔内測定器10及び口腔外測定器20A~20Dに対して固有のアカウント及びパスワードを設定することができる。例えばシステム本体30の制御部32は、口腔内測定器10及び口腔外測定器20A~20Dで測定される数種類のバイタルサインから特定のパラメータを導き出すことができる。同一時刻、同一環境で測定された複数種のバイタルサインから導き出されるパラメータは、測定される度にアップデートされる。このパラメータは、バイタルサインから導き出されたものであることから、個人を特定できるものであり、よって、個人認証に使用できる。測定するたびにアップデートされるので、セキュリティはさらに高まる。
例えば、個人のアカウント・パスワードが設定された口腔内測定器10と口腔外測定器20A~20Dとが提供されている場合、1日に数回、同一時刻、同一環境でバイタルサインを測定するが、例えば腕時計型の口腔外測定器20Aを被測定者100が常時身につけておくことで、バイタルサインを24時間測定できる。また、被測定者100が患者の場合、バイタルサインから導き出されるパラメータを利用して、例えば入院患者を特定できる。また、図示しないが、口腔外測定器は被測定者100の腰に巻くベルトであってもよく、この場合も入院患者を特定するのに用いることができる。
また、自動車の運転時の個人認証にも用いることができる。例えば、腕時計型の口腔外測定器20Aを被測定者100が身に付けておき、自動車に接近、ないし自動車の一部に接触すると、口腔外測定器20Aと自動車とが通信し、自動車側が、バイタルサインから導き出されるパラメータを取得する。自動車側は、自動車の運転を許可された者のパラメータを予め記憶しておき、取得したパラメータが自動車の運転を許可された者のパラメータであるか否かを判定し、許可された者である場合には解錠、走行可能状態にする一方、許可された者でない場合には、施錠したままにする。これにより、自動車の盗難対策にもなる。
また、自動車を運転している時にもバイタルサインを取得することができる。バイタルサインから得られる身体情報に基づいて、居眠り運転、意識消失、高血圧・心臓疾患による症状等を事前に知らせることもできる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るバイタルサイン測定システムは、例えば病院、介護施設、自宅等で被測定者のバイタルサインを測定する場合に利用できる。
1 バイタルサイン測定システム
10 口腔内測定器(第1測定器)
12 光学式センサ(口腔内センサ)
20A~20D 口腔外測定器(第2測定器)
22 光学式センサ(口腔外センサ)
30 システム本体
32c 補正部
32d 出力部
33 記憶部

Claims (7)

  1. 生体のバイタルサインを測定する第1測定器及び第2測定器と、
    前記第1測定器及び前記第2測定器が通信可能に接続され、前記第1測定器及び前記第2測定器で測定されたバイタルサインを受信するシステム本体とを備えたバイタルサイン測定システムであって、
    前記第1測定器で測定されたバイタルサインに基づいて、前記第2測定器で測定されたバイタルサインを補正する補正部と、
    前記補正部により補正された補正後のバイタルサインを出力する出力部とを備えていることを特徴とするバイタルサイン測定システム。
  2. 請求項1に記載のバイタルサイン測定システムにおいて、
    前記第1測定器は、生体の口腔内に挿入され、口腔内で生体のバイタルサインを測定する口腔内センサを有し、
    前記第2測定器は、生体の口腔外に設けられ、生体のバイタルサインを口腔外から測定する口腔外センサを有し、
    前記補正部は、前記口腔内センサで測定された口腔内バイタルサインに基づいて、前記口腔外センサで測定された口腔外バイタルサインを補正するように構成されていることを特徴とするバイタルサイン測定システム。
  3. 請求項2に記載のバイタルサイン測定システムにおいて、
    前記補正部は、第1の時刻に測定された前記口腔内バイタルサインに基づいて、前記第1の時刻と同時刻に測定された前記口腔外バイタルサインを補正することを特徴とするバイタルサイン測定システム。
  4. 請求項2に記載のバイタルサイン測定システムにおいて、
    前記補正部は、第1の環境で測定された前記口腔内バイタルサインに基づいて、前記第1の環境と同環境で測定された前記口腔外バイタルサインを補正することを特徴とするバイタルサイン測定システム。
  5. 請求項4に記載のバイタルサイン測定システムにおいて、
    前記第1の環境には、環境光の強度、雰囲気温度及び気圧が含まれていることを特徴とするバイタルサイン測定システム。
  6. 請求項2に記載のバイタルサイン測定システムにおいて、
    前記補正部は、1日に複数回、前記口腔内バイタルサインに基づいて、前記口腔外バイタルサインを補正することを特徴とするバイタルサイン測定システム。
  7. 請求項2に記載のバイタルサイン測定システムにおいて、
    前記出力部から出力された前記補正後のバイタルサインを所定期間継続して記憶する記憶部を備えていることを特徴とするバイタルサイン測定システム。
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