JP2001000198A - 前立腺癌の予後を決定するための方法およびプローブセット - Google Patents

前立腺癌の予後を決定するための方法およびプローブセット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検体において前立腺癌の予後を決定するため
の方法及びキットを提供する。 【解決手段】被検体において前立腺癌の予後を決定する
ための方法であって、 (a)被検体からの生物学的サンプ
ルにおいて、8番染色体の8p遺伝子座に対するプローブ
と8番染色体の8q24遺伝子座に対するプローブとを含む
染色体プローブセットのハイブリダイゼーションパター
ンを測定すること、および (b)ハイブリダイゼーション
パターンを、被検体の前立腺癌の予後と相関させること
を含む方法、並びにこの方法に使用するためのキット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前立腺癌の予後を
決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】前立
腺癌は男性における最も一般的な悪性腫瘍であり、米国
では1998年にこの癌に関わる死亡者数が約39,000人で
あると推定されている。前立腺癌の症例中約59%以下が
限局的な腫瘍(即ち段階A及びB)として現れ、この腫瘍
は前立腺に限られている。臨床段階Cでは、腫瘍は臨床
的に前立腺周囲の領域に限局しているが前立腺包を介し
て拡大し、精嚢を含むこともあり、症例の約14%〜18%
が段階Cである。
【0003】一般に臨床的に侵襲的な挙動は、ある種の
固形腫瘍(例えば大腸癌や膀胱癌)では遺伝子異常の蓄
積と関連している。類似した複数の遺伝子変化も前立腺
癌で起こり得る。前立腺癌は米国の男性の死亡原因のト
ップであるため、腫瘍が急速に進行する運命にある患者
の識別が現在の研究の主たる目的である。残念ながら、
単一の等級と段階の前立腺癌をもつ男性群においては、
臨床的侵襲を示すマーカーは少ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は8番染色体の8p
遺伝子座、8番染色体の動原体および8q24遺伝子座の欠
損(loss)又は獲得(gain)の評価が前立腺癌の予後の指標
を与えるという知見に一部基いている。これらのマーカ
ーのハイブリダイゼーションパターンを組合わせて評価
することが、前立腺癌の進行と予後を決定する感度の高
い方法となるし、また特定の症例ではより早期の治療に
結びつく。
【0005】本発明は、その一態様において、被検体か
らの生物学的サンプルにおいて染色体プローブセットの
ハイブリダイゼーションパターンを測定することを含む
該被検体において前立腺癌の予後を決定するための方法
を特徴とする。染色体プローブセットは、8番染色体の
8p遺伝子座に対するプローブと8番染色体の8q24遺伝子
座に対するプローブとを含み、さらに8番染色体の動原
体に対するプローブを含むことができる。8p遺伝子座は
さらに8p21-22として特定できるし、また8q24遺伝子座
はさらにc-myc遺伝子として特定され得る。生物学的サ
ンプルは、前立腺の組織切除物、前立腺の組織生検材
料、尿および膀胱洗浄液からなる群から選択され、前立
腺の組織生検材料が特に有用である。
【0006】被検体の予後は、ハイブリダイゼーション
パターンが8p遺伝子座の欠損、8番染色体の獲得、およ
び動原体のコピー数に対するc-mycのコピー数の追加的
増加を示す場合、悪いと決定される。ハイブリダイゼー
ションパターンは、染色体プローブセットを生物学的サ
ンプルにハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプロ
ーブの有無を検出することによって測定できる。プロー
ブを標識してもよく、例えば蛍光標識することができ
る。
【0007】本発明はまた、被検体における癌の予後を
決定するためのキットを特徴とする。このキットは、8
番染色体の8p遺伝子座に対するプローブと8番染色体の
8q24遺伝子座に対するプローブとを含む染色体プローブ
セットを含むが、このセットにはさらに8番染色体の動
原体に対するプローブを含むことができる。8p遺伝子座
はさらに8p21-22として特定できるし、また8q24遺伝子
座はさらにc-myc遺伝子として特定できる。プローブを
標識してもよく、例えば蛍光標識することができる。キ
ットはさらに、染色体プローブセットのハイブリダイゼ
ーションパターンが8p遺伝子座の欠損、8番染色体の獲
得、および動原体のコピー数に対するc-mycのコピー数
の追加的増加を示す場合前記予後は悪いと決定する予後
を示す説明書を含むことができる。
【0008】特に断らない限り、本明細書中で使用する
全ての科学技術用語は本発明が属する当業者が共通に理
解するものと同じ意味を有する。本明細書に記載するも
のと同様の又は等価な方法及び材料を用いて本発明を実
施することができるが、適切な方法及び材料を以下に説
明する。本明細書に記載する全ての刊行物、特許出願、
特許及びその他の参考文献はその全体を参考として本明
細書中に取り入れるものとする。争議の場合には定義を
含む本明細書が支配することになろう。さらに、材料、
方法及び具体例は単に例示であって制限することを意図
したものではない。
【0009】本発明の他の特徴及び利点は下記の詳細な
説明並びに特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、被検体において前立腺
癌の予後を決定するための迅速かつ高感度の方法を提供
する。一般に、染色体プローブセットのハイブリダイゼ
ーションパターンは被検体からの生物学的サンプルにお
いて測定され、前立腺癌の予後と相関させる。
【0011】in situハイブリダイゼーション ハイブリダイゼーションパターンは典型的にはin situ
ハイブリダイゼーションによって評価される。一般にin
situハイブリダイゼーションは生物学的サンプルを固
定する工程、固定された生物学的サンプル内に含まれる
標的DNAに染色体プローブをハイブリダイズさせる工
程、非特異的結合を除くために洗浄する工程、並びにハ
イブリダイズしたプローブを検出する工程を含む。「生
物学的サンプル」は細胞又は細胞物質を含むサンプルで
ある。生物学的サンプルの非限定例は、前立腺の組織切
除物、前立腺の組織生検材料、尿および膀胱洗浄液を含
む。
【0012】組織サンプルは典型的には切片化のための
パラフィン中に固定及び配置されるか、或いは凍結さ
れ、そして薄い切片に切断される。例えば組織サンプル
を酸アルコール溶液、酸アセトン溶液、又はアルデヒド
(例えばホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド及び
グルタルアルデヒド)中に固定することができる。固定
した組織サンプルを、脱水及び洗浄の後にパラフィン又
は他の包埋媒体中に埋め込むことができる。一般に、水
溶液中に固定された組織は一連のアルコール洗浄、例え
ば70%、95%及び無水アルコールの各々での洗浄により
脱水される。パラフィンのような包埋め媒体と混和性の
例えばキシレン、トルエン、クロロホルム又はその他の
物質を用いて脱水剤を除去した後、組織を包埋媒体中に
埋め込む。パラフィンに埋め込まれた組織を例えば、ミ
クロトーム(microtome)を使用して約3μm〜約8μmの
ような適当な厚さに切片化し、スライド上に置く。パラ
フィン包埋媒体の代替例は例えばメタクリル酸メチル、
メタクリル酸グリコール、アラルデート(araldete)及び
エポン(epon)のようなプラスチックである。あるい
は、組織サンプルを約-20℃〜約-70℃で急冷凍結(snap
frozen)してもよい。凍結組織はクリオスタットを用
いて適当な厚さに切片化されスライド上に配置されう
る。
【0013】in situ ハイブリダイゼーション前に、包
埋媒体は、埋め込まれた組織から除去されねばならな
い。脱パラフィン化は例えばキシレン、アルコール及び
水での一連の濯ぎによって行われる。脱パラフィン化さ
れた組織は脱水され、クエン酸とペプシンで処理された
後、変性される。
【0014】尿や膀胱洗浄液のようなサンプルは、標準
技法を用いてハイブリダイゼーション用に調製される。
例えば生物学的サンプルを遠心分離し細胞ペレットを再
懸濁することによって細胞を採集する。一般に細胞はリ
ン酸緩衝塩水(PBS)中に再懸濁される。細胞懸濁液を
遠心分離して細胞ペレットを得た後、組織サンプルにつ
いて上記したように細胞を固定することができる。例え
ば、メタノール若しくはエタノール、クロロホルム及び
氷酢酸をそれぞれ6:3:1の比で含むCarnoy固定液
(fixative)を固定液として用いることができる。中性
に緩衝化したホルマリン溶液も使用可能であり、リン酸
ナトリウム水溶液中1%から10%の37〜40%ホルムアル
デヒドを含む。大部分の固定液を除去し、その溶液の一
部のみに懸濁された濃縮細胞を残すことによって、細胞
を有するスライドを調製することができる。
【0015】生物学的サンプル内に含まれる染色体プロ
ーブ及び染色体DNAの各々を変性する。変性は一般に、
高pH、熱(例えば約70℃〜約95℃の温度)、有機溶媒
(例えばホルムアミド及びハロゲン化テトラアルキルア
ンモニウム)、及びそれらの組合わせの存在下でインキ
ュベーションすることによって行われる。例えば染色体
DNAは、70℃以上(例えば約73℃)の温度と、70%ホルム
アミド及び2xSSC(0.3M塩化ナトリウム及び0.03Mクエ
ン酸ナトリウム)を含有する変性緩衝液との組合わせに
よって染色体DNAを変性しうる。変性条件は一般に細胞
形態が維持されるように確立される。染色体プローブは
熱によって変性可能であり、例えば約70℃〜約75℃に約5
分間プローブを加熱することができる。
【0016】変性薬剤又は条件を排除した後、ハイブリ
ダイゼーション条件下で染色体DNAにプローブをアニー
リングする。「ハイブリダイゼーション条件」とは、プ
ローブと標的染色体DNAとのアニーリングを容易にする
条件である。このハイブリダイゼーション条件は、プロ
ーブの濃度、塩基組成、複雑度及び長さ、並びに塩濃度、
温度及びインキュベーションの長さに応じて変化する。
プローブの濃度が高まると、ハイブリッドを形成する確
率が高くなる。一般にハイブリダイゼーション溶液は硫
酸デキストラン、ホルムアミド及びSSCを含む。例えば
約55%ホルムアミド、10%硫酸デキストラン及び2xSSC
を含有する溶液が使用できる。一般にハイブリダイゼー
ション条件は、約25℃〜約55℃の温度、及び約0.5時間
〜約96時間のインキュベーション長さを含む。より具体
的には、ハイブリダイゼーションは約32℃〜約40℃で約
2〜約16時間行うことができる。
【0017】標的領域外のDNAへの染色体プローブの非
特異的結合は一連の洗浄によって排除できる。各洗浄で
の塩濃度と温度は所望のストリンジェンシィに依存す
る。例えば高ストリンジェンシィ条件については1.5M尿
素と0.1xSSC、pH7.2を用いて約45℃で洗浄を行うことが
できる。或いは、洗浄は、0.2xSSC〜約2xSSC及び約0.1
%〜約1%の非イオン性界面活性剤(例えばNonidet P-4
0 (NP40))を用いて約50℃〜約80℃で行うことができ
る。洗浄温度を下げるとか、洗浄での塩濃度を高めると
かによってストリンジェンシィを低下させることができ
る。
【0018】核の対比染色はヨウ化プロピジウム又は
4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール二塩酸塩(DAP
I)の溶液を使用して行うことができる。ヨウ化プロピ
ジウムは赤色蛍光性DNA特異的染料であり、614nmの発光
ピーク波長で観察可能である。一般にヨウ化プロピジウ
ムは約0.4μg/ml〜約5μg/mlの濃度で使用される。DA
PI、即ち452nmの発光ピーク波長で観察できる青色蛍光性
DNA特異的染色、は一般に約125ng/ml〜約1000ng/mlの範
囲の濃度で使用される。
【0019】染色体プローブ 本発明によるin situハイブリダイゼーションに適した
プローブは、8番染色体の動原体と結合した反復DNAとハ
イブリダイズする(すなわち、二重らせんを形成す
る)。霊長類染色体の動原体はDNAの長い縦列配列の複
合体ファミリー(約171塩基対のモノマー反復長からな
り、アルファサテライトDNAと呼ばれる)を含む。分離
染色体領域にハイブリダイズする染色体遺伝子座特異的
なプローブもまた適している。”分離(critical)染色体
領域”とは、異型接合性の欠損または癌中の増幅と関連
する染色体領域をいう。”異型接合性の欠損”とは、腫
瘍中の母性または父性の対立遺伝子の欠損をいう。例え
ば、前立腺癌の分離染色体領域としては、8pおよび8q2
4、そしてより特定すると、8p21〜22および8q24.1が挙
げられる。8p21〜22領域は、とりわけリポタンパク質リ
パーゼ(LPL)遺伝子を含む。8q24.1領域は、前立腺癌に
おいて頻繁に過剰発現され、しばしば増幅されるc-myc
を含む(Cherら、Gene Chromosomes Cancer、1994, 11:1
53-162)。前立腺癌腫の進行に重要な他の遺伝子が8q24
内に存在する可能性もある。例えば,前立腺幹細胞抗原
(PSCA)は、8q24内に位置し、これもまた、悪性度が高く
末期の前立腺癌において、頻繁に過剰発現される(Reite
rら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A, 1998, 95:1735-174
0)。
【0020】染色体プローブは、典型的には、長さで約
50〜約1x105 ヌクレオチドであり、より長いプローブ
は、典型的には長さが約100〜約500ヌクレオチドの、よ
り小さな断片を含む。動原体DNAおよび遺伝子座特異的D
NAとハイブリダイズするプローブは、例えば、Vysis,In
c.(Downers Grove,IL)、Molecular Probes,Inc.(Eugen
e,OR)、またはCytocell(Oxfordshire,UK)から市販のも
のが手に入る。あるいは、染色体またはゲノムDNAを用
いて標準的な技術により、プローブを作製することがで
きる。例えば、DNA源としては、ゲノムDNA、クローン化
DNA配列、DNAのまたはその一部を含有する体細胞ハイブ
リッド、宿主細胞の正常な染色体相捕体をともなうヒト
染色体、および、フローサイトメトリーまたは顕微解剖
によって精製した染色体が挙げられる。目的の領域は、
クローニングまたはPCRによる部位特異的増幅によりた
単離することができる。例えば、Nath およびJohnson,
Biotechnic Histochem, 1998, 73(1):6-22, Wheeless
ら、Cytometry, 1994, 17:319-326, および米国特許第
5,491,224号を参照されたい。
【0021】染色体プローブは、典型的には、蛍光団
(光エネルギーを吸収すると放射線、例えば光を放出す
る有機分子)により直接標識され、第2の検出分子なし
でも該プローブは可視化される。蛍光団がヌクレオチド
に共有結合した後、該ヌクレオチドは、ニックトランス
レーション、ランダムプライミング、および、PCR標識
のような標準的な技術によって、プローブに直接組み込
むことができる。あるいは、プローブ中のデオキシシチ
ジンヌクレオチドをリンカーでアミノ基転位してもよ
い。そして、蛍光団を、アミノ基転位したデオキシシチ
ジンヌクレオチドに共有結合させる。米国特許第5,491,
224号を参照されたい。
【0022】蛍光団は、セットになっている各染色体プ
ローブが、区別されて可視化されるように選択する。し
たがって、セットの染色体プローブのそれぞれを、他の
蛍光団の色と対比可能な色の光を放出する蛍光団で標識
する。例えば、次の蛍光団の組み合わせを用いてもよ
い。:7-アミノ-4-メチルクマリン-3-酢酸(AMCA)、Tex
as RedTM(Molecular Probes,Inc., Eugene, OR)、5-(お
よび-6)-カルボキシ-X-ロダミン、リサミンロダミンB、
5-(および-6)-カルボキシフルオレセイン、フルオレセ
イン-5-イソチオシアネート(FITC)、7-ジエチルアミノ
クマリン-3-カルボン酸、テトラメチルロダミン-5-(お
よび-6)-イソチオシアネート、5-(および-6)-カルボキ
シテトラメチルロダミン、7-ヒドロキシクマリン-3-カ
ルボン酸、6-[フルオレセイン5-(および-6)-カルボキシ
アミド]ヘキサン酸、N-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-
4-ボラ-3a,4aジアザ-3-インダセン(indacenc)プロピオ
ン酸、エオシン-5-イソチオシアネート、エリトロシン-
5-イソチオシアネート、およびCascadeTMブルーアセチ
ルアジド(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR)。プロ
ーブを蛍光顕微鏡および各蛍光団に適したフィルター、
または複数の蛍光団を観察するための2重または3重バン
ドパスフィルターセットを用いて観察する。例えば、米
国特許第5,776,688号を参照されたい。あるいは、フロ
ーサイトメトリーのような技術を用いて染色体プローブ
のハイブリダイゼーションパターンを調査してもよい。
【0023】プローブは、ビオチンまたはジゴキシゲニ
ンで間接的に標識してもよいし、32Pおよび3Hのような
放射性同位体で標識してもよい。ただしその場合には、
プローブを視覚化するために第2の検出分子または更な
る次のプロセシングが必要とされる。例えば,ビオチン
で間接的に標識されたプローブは、検出可能なマーカー
にコンジュゲートしたアビジンによって検出できる。ア
ビジンは、例えば、アルカリホスファターゼまたは西洋
わさびペルオキシダーゼのような酵素マーカーにコンジ
ュゲートできる。酵素マーカーは、その酵素の基質およ
び/または触媒を用いて標準的な比色反応で検出でき
る。アルカリホスファターゼの触媒には、5-ブロモ-4-
クロロ-3-インドリル(indolyl)ホスフェートおよびニト
ロブルーテトラゾリウムがある。ジアミノベンゾエート
を西洋わさびペルオキシダーゼの触媒として用いてもよ
い。
【0024】予後決定 生物学的サンプル中の染色体プローブのセットのハイブ
リダイゼーションパターンは、“欠損”、“獲得”、お
よび“追加的増加”というカテゴリーを用いて評価でき
る。“欠損”は、細胞核が特定のプローブに対する2未
満のハイブリダイゼーションシグナルを有することを指
し、一方、“獲得”は、特定のプローブに対する3以上
のシグナルをいう。追加的増加(AI)は、動原体コピー数
に関連するc-mycコピー数をいう。
【0025】一般的に、適用したプローブに対して上皮
細胞核の約10%未満が“獲得”を有するとき、および上
皮細胞核の約55%未満が “欠損”を有するときは、サ
ンプルを正常と分類する。従って、動原体プローブにつ
いては、10%以上の上皮細胞核が適用したプローブに対
して3以上のシグナルを有するときは染色体数において
獲得を有すると分類し、55%以上の上皮細胞核が2未満
のシグナルを有するときは、染色体数において欠損を有
すると分類する。具体的には、8pの8番染色体に対する
比率の全平均が約0.85未満のときは、サンプルは8pの欠
損を有するとして分類できる。c-mycの8番染色体に対す
る比率の全平均が約0.90未満のときは、サンプルはc-my
cの欠損を有するとして分類できる。c-mycの8番染色体
に対する比率の全平均が約1.3より大きく、10%以上の
上皮細胞核がc-mycに対して3以上のシグナルを有すると
きは、サンプルはAIカテゴリーに分類できる。
【0026】ハイブリダイゼーションパターンは、次の
ガイドラインを用いて、被験体の前立腺癌予後に関連づ
けることができる。例えば、8p(LPL遺伝子)、動原体8
(8cen)、および144パソロジカルステージC前立腺癌(す
なわち、T3N0M0,腫瘍は前立腺芙膜を突きぬけて伸びて
いるが,局所的リンパ節または遠隔の転位はない)内のc
-mycのDNAプローブとのデュアル‐プローブ蛍光団in si
tuハイブリダイゼーション(FISH)により、およそ79%の
前立腺癌が8番染色体に頻繁な遺伝的異常を有していた
ことが観察された。8番染色体が獲得を有し、かつc-myc
がAIであることは、染色体異形数の増加ととも増加する
グリーソンスコアに有意に関連づけられた。グリーソン
スコアは、前立腺腫瘍を悪性度分類する一つの手段であ
る。スコアは2〜10の範囲にあり、スコアが高いほど腫
瘍の悪性度が高いことを示す。さらに、c-mycのAIは全
身的な進行および患者の生存率に関連するが、一方、8
pの欠損は関連しない。腫瘍が図1に示すような提案し
た経路にそって進行するに従って、前立腺癌の全身的な
進行および全体的な患者の生存率は有意に悪化した。
【0027】多変量解析は、正常‐正常‐正常(8p,8ce
n,c-myc)、欠損-正常-正常、欠損-獲得-獲得および欠損
-獲得-AIの組み合わせは、この腫瘍のセットにおける主
要なパターンであることを示した。欠損-獲得-AIパター
ンは、全身の癌の進行の高い危険度を持ち、全体的な患
者の生存率を減じる有意かつ独立の予後的因子であっ
た。さらに、8pの欠損は前立腺発癌の初期の遺伝的事
象であると考えられた。8pの欠損は高い頻度で起こる
が,全身的な進行および全体的な患者の生存率に対する
予後的な有意は8pの欠損単独に基づいては見られなかっ
た。前立腺癌内の染色体8p-armについての過去の研究
はこれらの知見と一致する。
【0028】本明細書に記載されたFISH異形パターンの
頻度に基づき、前立腺癌内の遺伝子異常の蓄積は、主要
な3段階で起こり得る(図1の太い矢印)。第1の段階
では、8p-armが抹消され得る。FISHでは検出できない8p
上の1以上の遺伝子の突然変異、または小さな欠失も起
こり得る。2番目に、8番染色体の全体が得られる(お
そらく第1の8p欠損を受けた8番染色体)。3番目に8q-ar
mが得られ、正常な8番染色体のうちの一つがおそらく同
位染色体8qの形成を行い、同時に得られた8qだけでなく
正常な8p領域も抹消する。続いて、c-mycを含むより小
さな領域が増幅される。正常-正常-AIパターンも、めっ
たにないが観察されたため、c-myc遺伝子の増幅は、pT3
N0M0前立腺癌における第1番目の遺伝的事象として起こ
り得、この段階の前立腺癌はDNAを増幅するにはすでに
十分に遺伝的に不安定であることが示される。特に8p-a
rmの欠損と動原体8の獲得をともなう、c-myc遺伝子の実
質的な増幅は、全身的な進行を予兆するものと考えら
れ、前立腺癌患者の早期の補助的治療の十分な根拠と成
り得る。本明細書に記載したように、前立腺元癌は8q24
の余分なコピーが蓄積するとき(すなわちc-mycのAI)
に、実質的により攻撃的である。
【0029】本明細書で記載したように、c-myc遺伝子
は前立腺癌の悪性の潜在性のマーカーである。c-myc遺
伝子の過剰発現は前立腺癌で発見されており、c-myc遺
伝子の実質的増幅は、c-mycタンパク質過剰発現の免疫
組織化学的な証拠と強く関連付けられる。c-mycタンパ
ク質の過剰発現はp27kip iの分解を起こし、サイクリン
E/cdk2の活性化を導き、次に細胞の増殖をもたらすとの
仮説が有る。最近、p27ki p iのレベルが、前立腺癌のグ
リーソンスコア、腫瘍再発、および患者の生存率と関連
することが示された。例えば、Chevilleら、Mod tatho
l, 1998, 11:324-328を参照されたい。in vivoでの前立
腺癌細胞へのアンチセンスc-mycの導入を用いた研究
は、腫瘍の成長がc-mycタンパク質を抑制することによ
り逓減されることを示した(Steinerら、Hum Gene The
r., 1998, 9:747-755)。まとめると、これらの観察は、
増加したコピー数を通じたc-mycの過剰発現は細胞増殖
の制御の統制を失わせ、前立腺癌細胞の増殖をもたらす
ことを示唆する。
【0030】事後調査を受けた130の患者のなかで、治
療のための外科手術の後、35に全身進行があり、28の疾
患特異的な死亡があり、これらの患者には手術の前にす
でに臨床上検出不可能な転位があったことを示した。AI
c-mycを有する腫瘍を持つ患者は、急速な進行を受け、
癌の早期に死亡し、これは、AI c-mycが転位した腫瘍細
胞の増殖を増強することを示す。この場合、およそ10〜
12年における後期の全身的な進行が、前立腺癌に8cenの
獲得とc-mycの獲得のあった患者にみられ、これは転位
腫瘍細胞の新規な遺伝的事象として起こったc-mycのAI
に起因するかもしれない。残念なことに、そのような後
期の転位病変からの標本を得ることは困難である。8q24
などの8qDNA配列の増幅は、転位リンパ節病変4のうちの
3(75%)で観察され、一方、原発の前立腺癌44のうちの4
(9%)で観察された。転位病巣のc-myc遺伝子(21%)は、原
発の病巣(8%)にくらべ、頻繁に増幅された。したがっ
て、c-myc遺伝子の状態は、転位前立腺癌病巣が進行す
るかどうかを決定し得る。
【0031】さらに、その腫瘍が正常かまたは獲得した
c-mycを有し、全身的な進行を受けた患者もおり、前立
腺癌の転位はc-myc遺伝子の増幅がなくても起こり得、
転位の誘発に関与するその他の遺伝子が存在し得ること
を示唆した。
【0032】本発明は、次の実施例に詳細に記載する
が、請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するもの
ではない。
【0033】
【実施例】実施例1−材料と方法 染色体腕7q、8p、16q、および18qの対立遺伝子平衡異常
の解析は、かなりの群の病理学的ステージC(pT3N0M0)の
前立腺癌において以前から行われてきた(Jenkinsら、Ge
nes Chromosomes Cancer、1998、21:131−143)。これら
の腫瘍のうち、ブロックに十分な数の腫瘍細胞をもつ15
7の腫瘍を選択した。全患者は1966年〜1987年において
骨盤リンパ節切除を同時期に受けており、骨盤リンパ節
に転移性付着物がないとわかっていた。この患者集団の
平均フォローアップは7.7年だった(中央値7.5年)。
【0034】これらの患者から得られる臨床病理学的デ
ータには、患者の年齢、グリーソン腫瘍分類スコア、精
嚢併発(ある場合には)、辺縁状態(margin statu
s)、および手術後の補助的療法(実施した場合には)
が含まれた。手術前血清前立腺特異抗原(PSA)レベル(1
987年頃利用可能となった)は含まれていなかった。ホ
ルマリン固定パラフィン包埋前立腺切除標本(formalin-
fixed paraffin-embeddedprostatectomy specimen)にお
けるフローサイトメトリ(FCM)分析をPersonsらによって
記載(J. Urol., 1993, 150:120-125)のように行った。
正式に進行中のMayo Clinic Radical Prostatectomy Tu
mor Registryによる電話または筆記により、看護婦が毎
年連絡を取ることで臨床的にフォローアップデータを得
た。簡単にいうと、全身性の前立腺癌の進行および前立
腺癌特異的死を臨床的終末点として用いた。全身性進行
は遠隔転移性疾患の臨床的証拠として定義され、骨スキ
ャンまたは他の放射線学的臨床画像法における陽性の所
見によって確認される。前立腺癌特異的死は患者の死亡
時に死亡証明検査、主治医との接触、および必要であれ
ば患者の家族との話し合いを組み合わせて確定する。
【0035】患者のリストは無作為化し、FISH分析は臨
床病理学的所見の知識および患者の生存情報のない腫瘍
標本で行った。
【0036】各組織試料のために、組織学的グレードの
最も高い前立腺癌を含む単一の前立腺標本ブロックを用
いた。これらのパラフィン包埋腫瘍ブロックそれぞれか
ら15の5μm厚さの組織切片を切り取り、ガラススライド
にのせた。目的の領域を突き止めるため、第一組織切片
をヘマトキシリンとエオシン(H&E)で染色した。
【0037】動原体8および部位特異的プローブを有す
る二重プローブFISH法 簡単にいうと、組織切片をパラフィン除去し、脱水し、
クエン酸(10mM、pH6.0)中で10分間マイクロウェーブで
処理し、ペプシン溶液(0.9%NaCl中で4mg/ml、pH1.5)中
で12分間37℃で分解し、2X SSC(pH7.2)中で室温ですす
ぎ、空気乾燥した。染色体8の動原体(Vysis Inc., Down
ers Grove, IL)に対する染色体計数プローブ(CED)を、
遺伝子座特異的プローブ(LSP)、すなわち8pプローブ(LP
L gene Vysis, Inc.)か又はan 8q24.1プローブ(c-myc)
(Vysis Inc.)のどちらかと共に用いて二重プローブハイ
ブリダイゼーションを行った。プローブおよび標的DNA
を80℃で2分間共に変性し、50℃で30分間アニール化
し、その後一晩37℃でインキュベートした。ハイブリダ
イゼーション後に1.5M 尿素/0.1X SSC、pH7.2中で45℃
で30分間洗浄した。157例の腫瘍をFISH分析にかけ、c-m
yc/CEP 8に対し144(91.7%)、8p/CEP 8に対し143(91.1
%)において首尾よくFISH法を行った。その後核を4,6-
ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)およびアンチ
フェード(antifade)化合物p-フェニレンジアミンで対比
染色した。
【0038】三重パス(triple-pass)フィルターを備え
るディアプラン(Diaplan)顕微鏡を使用して、良性の上
皮および腺癌の病巣から、それぞれのプローブにつき30
0の非重複間期核が数えられた。隣接切片の参照H&E染色
スライドを用いて、同一優性腫瘍病巣をそれぞれのプロ
ーブで評価した。いくつかの場合においては、1つの腫
瘍病巣中のFISH所見に多様性がみられた。これらの場合
において、初期のグリーソンパターン(Gleason patter
n)を有する腫瘍細胞増殖巣を評価した。ストローマ要素
からの核は計数しなかった。それぞれの核に対して、遺
伝子座特異的プローブシグナル(8pまたはc-myc)およびC
EP 8シグナル数を数えた。
【0039】c-myc/CEP 8および8p/CEP 8プローブ対の
症例37(ステージpT3N0M0)から得た代表的な腫瘍病巣に
ついての一般的な表にしたデータをそれぞれ図2Aおよび
2Bに示す。この腫瘍に関して、8p:CEP 8比で示したよう
に、動原体8数に対する8pシグナル数の欠損があり、CEP
8シグナル数は増加していた。動原体8の計数データ
は、8p/CEP 8およびc-myc/CEP 8の2つの二重プローブハ
イブリダイゼーションの試験間において、類似であっ
た。図2の結合したデータ表における横列は、異なる数
のCEP 8シグナルを有する核の百分率を示している。0〜
1および3以上のCEP 8シグナルを有する核は、それぞれC
EP 8の明らかな欠損(−CEP 8)および獲得(+CEP 8)があ
る細胞を明確にした。結合したデータ表における縦列
は、異なる数のLSPシグナルを有する核の百分率を示し
ている。0〜1および3以上のLSPシグナルを有する核は、
それぞれLSPの明らかな欠損(−LSP)および獲得(+LSP)
がある細胞を明確にした。最終的にLSP:CEP 8シグナル
比の平均値を、各細胞増殖巣の各LSPについて計算し
た。これらの変化量(−CEP 8、+CEP 8、−LSP、+LSP、
およびLSP:CEP比の平均値)は、染色体動原体および/ま
たは染色体領域が獲得(増加)または欠損されたかどうか
を確定するのに用いてもよい。重要なのは、これらそれ
ぞれの変化量の正常範囲を、外見上わかる正常前立腺上
皮を評価することによって確立できるはずである。
【0040】統計的な分析 ピアソンχ2検定およびスチューデントt検定(student’
s t test)を用いて前立腺癌におけるFISH異常の頻度お
よび分布を比較した。グリーソン腫瘍分類スコアとFISH
異常の関係は、ピアソンχ2検定で評価した。全身性無
進行生存または原因特異的死を推定するためにカプラン
・メイアー曲線(Kaplan-Meier curve)および対数順位検
定を用いた。対数順位検定を用いて生存曲線の一変量の
比較をした。コックスプロポーショナルハザードモデル
(Cox proportional hazards model)を用いて進行または
生存に対する全危険率を推定した。予測因子は、FISH所
見、グリーソン腫瘍分類スコア、精嚢併発、外科的辺縁
状態(surgical margin status)、補助的療法、およびFC
M倍数性パターン(FCM ploidy pattern)であった。全統
計学的検定は、0.05%の有意水準(alpha level)で両側
試験された。全検定において、0.05以下のp値は有効で
あるとみなした。
【0041】実施例2. 対照のFISH分析 10患者の組織学的正常前立腺上皮核におけるC-mycおよ
びCEP 8シグナルを数えた。おそらく核切断(nuclear tr
uncation)によって、これらの核のc-mycおよびCEP 8プ
ローブのうちどちらか一つまたは両方においてシグナル
の欠損(2未満シグナル)が頻繁にみられた。しかし、3以
上のシグナルを有する核は各プローブにおいてまれであ
った。二つのc-mycシグナルおよび二つのCEP 8シグナル
を有する上皮核の百分率は、54.1〜82.4%(平均値±標
準偏差;68±79.2%)の範囲であった。0~1、2、3、およ
び3以上のc-mycシグナルを有する上皮核の百分率の範囲
は、それぞれ12.5~39.5%、59.3~85.6%、0.0~1.2%、およ
び0.0~1.9%であった。0~1、2、3、および3以上のCEP 8
シグナルを有する上皮核の百分率の範囲は、それぞれ1
3.4~37.4%、61.7~84.7%、0.0~1.0%、および0.0~1.9%で
あった。正常上皮核におけるc-myc:CEP 8比の平均値は
1.00±0.00(0.98〜1.02の範囲)であった。良性上皮核は
5以上のc-mycまたはCEP 8シグナルをもたなかった。
【0042】8pおよびCEP 8プローブに対する同様の評
価が行われた(表1)。0~1、2、3、および3以上のCEP 8シ
グナルを有する上皮核の百分率は、8pシグナルおよびc-
myc/CEP 8二重プローブハイブリダイゼーションのシグ
ナルと同様であった(全比較のp値、0.05未満、t検
定)。二つの8pシグナルおよび二つのCEP 8シグナルを
有する上皮核の百分率は、51.77〜77.66%(平均値±標
準偏差;67±17.4%)の範囲であった。正常上皮核におけ
る8p:CEP 8比の平均値は0.98±0.02(0.95〜1.00の範囲)
であった。良性上皮核は5以上の8pまたはCEP 8シグナル
をもたなかった
【0043】
【表1】
【0044】実施例3 - 前立腺癌患者におけるFISH異
腫瘍病巣の8p、c-mycおよびCEP 8コピー数の状態を、健
常者の研究および腫瘍病巣におけるFISHシグナルの分布
検査に基づいて正常、獲得、または欠損と特徴づけた。
さらに、セントロメアコピー数に対するc-mycコピー数
のAIというカテゴリーもまた用いた。これらのカテゴリ
ーに対する閾値は、誤った陽性変化の検出を最小限にす
るように選択された。正常は、上皮核の<10%が適用し
たプローブに対して≧3個のシグナルを有すること、お
よび上皮核の<55%が0-1 個のシグナルを有することを
必要とした。獲得は、上皮核の>10%が適用したプロー
ブに対して≧3個のシグナルを有することを必要とし
た。CEP 8の欠損は、上皮核の>55% がCEP 8に対して0-
1 個のシグナルを有することを必要とした。8pの欠損
は、総合平均8p:CEP 8の比が<0.85であることを必要と
した。c-mycの欠損は、総合平均c-myc:CEP 8の比が<0.
90であることを必要とした。AIはc-mycにのみ適用さ
れ、これは総合平均c-myc:CEP 8の比が>1.3であるこ
と、および≧10% の上皮核がc-mycに対して≧3個のシ
グナルを有することを必要とした。
【0045】図2は、癌症例の代表的な例としての症例
37に由来するデータ一覧を提供する。この癌病巣につい
ては、c-mycおよびCEP 8に対して≧3個のシグナルを有
する上皮核の百分率はそれぞれ73.4% および50.9% であ
った(図2A)。c-mycおよびCEP 8に対して0-1 個のシ
グナルを有する上皮核の百分率はそれぞれ0.3%および7.
0%であった(図2A)。総合平均c-myc:CEP 8の比は1.3
2であった。上に規定した基準に基づくならば、この病
巣は8cenの獲得、c-mycのAIを有すると分類された。
【0046】同様の方法で症例37の8pおよびCEP 8に関
するFISH結果を分析した。8pおよびCEP 8に対して≧3
個のシグナルを有する上皮核の百分率はそれぞれ23.9%
および51.4% であった(図2B)。8pおよびCEP 8に対
して0-1 個のシグナルを有する上皮核の百分率はそれぞ
れ38.7% および6.7%であった(図2B)。総合平均8p:C
EP 8の比は0.69であった。したがって、この病巣は8cen
の獲得、8pの欠損を有すると規定された。これらの結果
を組み合わせると、この患者の前立腺癌は8pの欠損、8
cenの獲得、およびc-mycのAIを有すると規定された。
【0047】各腫瘍について、総合平均c-myc:CEP 8の
比、および≧3個のCEP 8シグナルを有する上皮核の百
分率を図3Aにプロットする。この表示法は同一のFISH
異常を共有する腫瘍グループを目立たせる。上記の区分
(cut off)値を適用することによって、144の前立腺癌の
うち78(54.2%)がc-myc遺伝子コピー数の獲得を有する
と規定された。これら78の前立腺癌のうち、8cenの獲得
およびc-mycの比例的に類似した獲得を示す50(34.7%)
(図3Aの黄色いダイヤモンド型)は、c-mycのAIを有
する28 (19.4%)(図3Aのオレンジ色および赤色のダイ
ヤモンド型)から明確に区別された。c-mycのAIを有す
る症例のうち、8cenの獲得およびc-mycのAIを有する16
症例(11.1%)(オレンジ色のダイヤモンド型)もまた、c
-mycのAIのみを有する12症例(8.3%)(赤色のダイヤモン
ド型)から区別できた。c-mycのAIのみを有するグルー
プは、8cenの欠損を有する2症例の腫瘍および8cenにつ
いて何ら外見的異常を示さない10症例の腫瘍からなって
いた。c-mycの欠損は全く見いだされなかった。8cenの
欠損と規定された2症例の腫瘍(1.4%)は、8cenの欠損の
ためc-myc :CEP 8の比が高く(1.28 および1.68、図3A
の緑色のダイヤモンド型)、核あたりc-mycシグナル≧
3個という実際の獲得はなかった。
【0048】各腫瘍について、総合平均8p:CEP 8の比お
よび0-1 個のCEP 8シグナルを有する上皮核の百分率を
図3Bにプロットした。8pの欠損を有する腫瘍は、8p:C
EP 8の区分比0.85によって、8pの欠損を有さない腫瘍か
ら明確に分離された。143の前立腺癌のうち109 (76.2%)
は8p異常を有すると規定された。これらの症例のうち、
89 (62.2%)は8pの欠損を示し、20 (14.0%)は8pの獲得を
示した。この試験では、8pの明らかなホモ接合欠失は見
いだされなかった。
【0049】c-mycおよび8pに対する二重プローブハイ
ブリダイゼーション実験によって規定されるCEP 8コピ
ー数の状態は類似していて、2つの実験の間でCEP 8のF
ISH分類は完全に一致していた。66人の患者(45.8%)が8c
enの獲得を示す腫瘍を有し、4人の患者(2.7%) が8cen
の欠損を示す腫瘍を有していた。
【0050】表2は全144名の患者について8p、8cenお
よびc-mycのFISH所見を要約したものである。FISH異常
は11のパターンに分類された。全3個の遺伝子座に対す
る正常なFISH所見(8p-8cen-c-myc: 正常-正常-正常)
が31症例(21.5%) に観察された。異常なFISH所見を有す
る113の腫瘍が、他の10個のパターン(78.5%) に分類さ
れた。
【0051】
【表2】
【0052】実施例4 - 染色体異常と病理学的特徴と
の相関性 FISH結果とGleasonスコアとの関係を評価した(表3A
および3B)。患者数を示し、括弧内にパーセントを示
す。Gleasonスコアを5-6、7および8-10という3つのグ
ループに分けた。高度の腫瘍を選択したので、144の前
立腺癌のうちGleasonスコアが5-6 だったものは16(11.
1%)にすぎなかった。残りの128 腫瘍のうち、64 (44.4
%)はGleasonスコアが8-10であった。表3に示すよう
に、Gleasonスコアと8p状態の間に有意な関連は何ら存
在しなかった(p=0.74)。しかし、高いGleasonスコアは
8cenの獲得、c-mycの獲得、およびc-mycのAIと有意に関
連していた(それぞれp<0.01, 0.03および0.01)。8p、8
cenおよびc-myc の組み合わせたFISH所見を考慮する
と、獲得-獲得-獲得パターンを有する腫瘍はより高いGl
easonスコアと関連していた (p<0.03)。Gleasonスコア
が8-10である腫瘍の百分率は優勢なFISH異常パターンで
ある正常-正常-正常、欠損-正常-正常、欠損-獲得-獲得
および欠損-獲得-AIのそれぞれについて、29.0% から3
6.4%、50.0%、63.6%に増加した。
【0053】
【表3】
【0054】手術時の総合平均年齢(範囲)は66才で、
53〜59才の範囲であった。前立腺切除に先立ってホルモ
ン療法を受けた14人の患者は、予後研究から除外した。
予後研究に適格な130人の患者のうち、78人(60%)に精嚢
併発が観察された。外科手術辺縁は50人(39%) の患者に
おいて腫瘍陽性であった。29人(24%) および22人(17%)
の患者は手術後にそれぞれ補助的ホルモン療法および放
射線療法を受け、2人(2%) の患者は両方を受けた。
【0055】これら130人の患者のうち、35人(26.0%)
は全身性の進行を示し、28人(21.5%)は前立腺癌のため
死亡した。c-mycのAIは、全身性進行の確率の増大(p=0.
024)および総合生存(overall survival)の確率の低下(p
=0.039) と有意に関連していた。正常なc-mycを有する
グループ、8cenの獲得およびc-mycの獲得を有するグル
ープ、およびc-mycのAIを有するグループにおいて、10
年間無進行(progression-free)生存率はそれぞれ80.6
%、71.3%および57.5%であった(図4A)。同様に、正
常なc-mycを有するグループ、8cenの獲得およびc-mycの
獲得を有するグループ、およびc-mycのAIを有するグル
ープにおける10年間原因別(cause-specific)生存率はそ
れぞれ87.6%、83.3%および63.7%であった(図4B)。
【0056】8pの欠損が患者の予後に及ぼす影響を評価
するため、予後データを正常な8p、8pの欠損、及び8pの
獲得の間で比較した。8pの変化は全身性進行(p=0.63)と
も患者の死亡(p=0.14)とも関連していなかった。正常な
8pを有するグループ、8pの欠損を有するグループ、およ
び8pの獲得を有するグループにおいて、10年間無進行生
存率はそれぞれ77.1%、72.9%および69.7%であった。他
方、正常な8pを有するグループ、8pの欠損を有するグル
ープ、および8pの獲得を有するグループにおける10年間
原因別生存率はそれぞれ90.3%、76.4%および94.1%であ
った。
【0057】変化のパターンを考慮に入れて、8p-8cen-
c-myc 遺伝子座について組み合わせられた遺伝子変化を
有する腫瘍の間で予後の結果を比較した。正常-正常-正
常、欠損-正常-正常、欠損-獲得-獲得および欠損-獲得-
AIというパターンを有する優勢なグループにおいて、10
年間無進行生存率はそれぞれ78.2%、82.3%、78.4%およ
び30.0%であった(図5A)。正常-正常-正常、欠損-正
常-正常、欠損-獲得-獲得および欠損-獲得-AIというパ
ターンを有する優勢なグループにおいて、10年間原因別
生存率はそれぞれ89.3%、85.7%、82.0%および40.0%であ
った(図5B)。欠損-獲得-AIというパターンを有する
患者は、無進行生存率(p=0.0002)および原因別生存率(p
=0.008)が他のパターンを有する患者と比較して有意に
低かった。
【0058】多変量解析は、欠損-獲得-AIというパター
ンがそれぞれ危険率(risk ratio)4.18 [95% 信頼区間(C
I) 1.69-10.30; p=0.0019]および2.97 (95% CI, 1.12-
7.89;p=0.029)で全身性進行および総合生存を予測する
重大な予言物であることを示した。欠損-獲得-AIという
パターンは、全身性進行および総合生存を予測する上で
Gleasonスコア、精嚢併発、外科手術辺縁の状態、およ
び手術後の補助的療法から独立していた(図4Aおよび
4B、モデル1)。
【0059】標準的FCM DNA 倍数性分析が119人の患者
に対して可能であった。42人(35%)は二倍体、62人(52%)
は三倍体、そして15人(13%) は異数体腫瘍であった。
これらのFCM 倍数性パターンを多変量解析に含めた場合
でも、欠損-獲得-AIというパターンはなお全身性進行お
よび原因別生存に対してそれぞれ5.53(95% CI, 2.02-1
5.12; p=0.0009) および3.50 (95% CI, 1.20-10-19; p=
0.021)という最も高い危険率を有していた。FCM 異数体
パターンを有する患者グループは、全身性進行および原
因別生存に対してそれぞれ2.51(p=0.67) および3.01
(p=0.037)という危険率を有していた(図4Aおよび4
B、モデル2)。
【0060】
【表4】
【0061】図1において欠損-正常-正常パターン(22.
9%) は獲得-獲得-獲得パターン(10.4%)(太い矢印)より
も頻度が高いので、腫瘍は8pの欠損を有する傾向がある
のかもしれない。次に、染色体8の獲得(23.6%)は8pの
欠損に続いて起こるようであり、欠損-獲得-獲得パター
ンをもたらす。最後に腫瘍はc-mycのAIを獲得した時に
欠損-獲得-AIパターンを達成する。平行した経路で(図
1の細い矢印)、最初に染色体8を獲得させる腫瘍もま
た、8pの欠損およびc-mycのAIを獲得した時に欠損-獲得
-AIパターンを達成するであろう。
【0062】少数の患者からなる他の組合せの中で(表
2参照)、欠損-欠損-正常パターンを有する2人の患者
は8pの欠損の変異型として主要経路に入れることが可能
であろう。他方、c-mycのAIを有する他の組合せはその
ような経路には適さないかもしれない。
【0063】他の実施形態 本発明をその詳細な説明と関連させて記述してきたが、
これまでの記述は説明的なものであって本発明の範囲を
限定するものではない。本発明の範囲は添付の請求の範
囲によって規定される。他の態様、利点および改変は以
下の請求項の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、前立腺癌における可能な遺伝子経路
を示す概略図である。括弧は患者数を示す。-8pは8pの
欠損(loss)を、+8は染色体8の獲得(gain)を、AI c-myc
はc-myc遺伝子の追加的増加(additional increase)をそ
れぞれ示す。8pの欠損と8番染色体の獲得(獲得8p-獲得
8cen-獲得c-mycパターン)は前立腺癌における2つの可
能な最初の8番染色体遺伝子事象である。
【図2】この図は、8pとc-myc用の遺伝子座特異的プロー
ブ及び動原体8のプローブを使用した症例37のデータを
表で示したものである。図2Aには種々のCEP8及びc-myc
シグナル組合わせをもつ核のパーセント(%核)が示さ
れている。図2Bには種々のCEP8及び8pシグナル組合わせ
をもつ核のパーセント(%核)が示されている。
【図3】この図は、144(3A)及び143(3B)段階pT3N0M0患者
の群についての動原体8、c-myc及び8pのコピー数の分
布を示す点図表である。図3Aは(3以上のCEP8シグナル
をもつ%核)対(c-myc:CEP8の比)を示す。CEP8及びc-
mycドットのこの点図表は、8cenとc-mycに明らかな異常
がない(青色の菱形)、8cenの獲得およびc-mycの獲得
(黄色の菱形)、8cenの獲得及びc-mycのAI(橙色の菱
形)、並びにc-mycだけのAI(赤色の菱形)をもつ腫瘍
群を強調して示す。この図はまた8cenの欠損(緑色の菱
形)をもつ2つの腫瘍を示す。8cenの欠損とc-mycのAI
をもつ2つの腫瘍はc-myc単独群(赤色の菱形)に含め
た。図3Bは(0〜1のCEP8シグナルをもつ%核)対(8
p:CEP8の比)を示す。CEP8及び8pドットのこの点図表
は、8cenと8pに明らかな異常がない(青色の菱形)、8c
enの獲得および8pの獲得(黄色の菱形)、8cenの獲得及
び8pの欠損(赤色の菱形)、並びに8pだけの欠損(橙色
の菱形)をもつ腫瘍群を強調して示す。この図はまた、
8cenの欠損(緑色の菱形)をもつ4つの腫瘍も示す。
【図4】この図は、腫瘍がc-mycの正常、獲得又はAIを
もつ患者についての無進行(progression-free)Kaplan-M
eier生存曲線(A)及び原因特異的(cause-specific)Kap
lan-Meier生存曲線(B)である。括弧は5年と10年での
危険性のある患者の数を示す。
【図5】無進行Kaplan-Meier生存曲線(A)及び原因特異
的Kaplan-Meier生存曲線(B)であり、それぞれ腫瘍が8
p-8cen-c-mycについて正常-正常-正常、欠損-正常-正
常、欠損-獲得-獲得又は欠損-獲得-AIパターンをもつ患
者についてのものである。括弧は5年と10年での危険性
のある患者の数を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 A (72)発明者 カズナリ サトー アメリカ合衆国 55902 ミネソタ州,ロ チェスター,アパートメント 6,5ティ ーエイチ アベニュー エスダブリュ 217 (72)発明者 ジュンキ,キアン アメリカ合衆国 55901 ミネソタ州,ロ チェスター,ダイアモンド リッジ レー ン エヌダブリュ 819

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体において前立腺癌の予後を決定する
    ための方法であって、 (a) 該被検体からの生物学的サンプルにおいて、8番染
    色体の8p遺伝子座に対するプローブと8番染色体の8q24
    遺伝子座に対するプローブとを含む染色体プローブセッ
    トのハイブリダイゼーションパターンを測定すること、
    および(b) 該ハイブリダイゼーションパターンを、該
    被検体の前立腺癌の予後と相関させること、を含む、前
    記方法。
  2. 【請求項2】前記8p遺伝子座がさらに8p21-22として特
    定される、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記セットがさらに8番染色体の動原体に
    対するプローブを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記8q24遺伝子座がさらにc-myc遺伝子と
    して特定される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記生物学的サンプルが前立腺の組織切除
    物、前立腺の組織生検材料、尿および膀胱洗浄液からな
    る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記生物学的サンプルが前立腺の組織生検
    材料である、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記ハイブリダイゼーションパターンが8p
    遺伝子座の欠損、8番染色体の獲得、および動原体のコ
    ピー数に対するc-mycのコピー数の追加的増加を示す場
    合、前記予後は悪いと決定する、請求項4に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】前記ハイブリダイゼーションパターンの測
    定が、前記染色体プローブセットを前記生物学的サンプ
    ルにハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプローブ
    の有無を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記プローブが標識されている、請求項1
    に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記プローブが蛍光標識されている、請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】被検体において前立腺癌の予後を決定す
    るためのキットであって、8番染色体の8p遺伝子座に対
    するプローブと8番染色体の8q24遺伝子座に対するプロ
    ーブとを含む染色体プローブセットを含む、前記キッ
    ト。
  12. 【請求項12】前記プローブが標識されている、請求項
    11に記載のキット。
  13. 【請求項13】前記プローブが蛍光標識されている、請
    求項12に記載のキット。
  14. 【請求項14】前記8p遺伝子座が8p21-22として特定さ
    れる、請求項11に記載のキット。
  15. 【請求項15】前記セットがさらに8番染色体の動原体
    に対するプローブを含む、請求項11に記載のキット。
  16. 【請求項16】前記8q24遺伝子座がさらにc-myc遺伝子
    として特定される、請求項15に記載のキット。
  17. 【請求項17】前記キットがさらに、前記染色体プロー
    ブセットのハイブリダイゼーションパターンが8p遺伝子
    座の欠損、8番染色体の獲得、および動原体のコピー数
    に対するc-mycのコピー数の追加的増加を示す場合前記
    予後は悪いと決定する予後を示す説明書を含む、請求項
    16に記載のキット。
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