JP2002538838A - 黒色腫の検出 - Google Patents

黒色腫の検出

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JP2002538838A JP2000605783A JP2000605783A JP2002538838A JP 2002538838 A JP2002538838 A JP 2002538838A JP 2000605783 A JP2000605783 A JP 2000605783A JP 2000605783 A JP2000605783 A JP 2000605783A JP 2002538838 A JP2002538838 A JP 2002538838A
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ボリス バスチャン,
ダニエル ピンクル,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、患者由来のサンプルにおける、前悪性のメラノサイトの存在をスクリーニングする方法を提供する。この方法は、黒色腫細胞において増幅される染色体領域におけるtoa標的ポリヌクレオチド配列を選択的に結合するプローブを用いて、患者由来の生物学的サンプルからの核酸サンプルを接触する工程を包含する。またこのとき、プローブは、標的ポリヌクレオチド配列と選択的に結合し、安定なハイブリダイゼーション複合体を形成する。このハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程もまた、包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 黒色腫とは、メラノサイトの悪性新生物をいう。その適切な診断および完全切
除による早期の処置が非常に重要である。なぜなら、進行した黒色腫は、不幸な
予後を有し、そしてほとんどの黒色腫は、早期に切除される場合、治癒可能であ
る。ほとんどの場合において、形質転換されたメラノサイトは、増加した量の色
素を産生し、その結果、関与するその領域は、臨床医によって容易に分かり得る
。黒色腫の切除縁は、この肉眼的な外観に基づいて同定されて、そして関与して
いないと思われる皮膚の縁が切除されない場合、黒色腫は、局所的再発の危険を
有する。
【0002】 このことは、一次腫瘍の厚さに依存して0.5cm〜3cmで変動する正常皮
膚の安全縁を除去する勧めに導く(Wingo,P.A.ら、Cancer 8
2:1197−207(1998);Rigel,D.S.ら、J Am Ac
ad Dermatol 34:839−47(1996);McGovern
,V.J.ら、Cancer 32:1446−57(1973))。切除によ
って悩まされる、生じた欠損がかなり重要であることが明らかである。4mmよ
りも大きな厚さを有する、直径で大きさが2cmある黒色腫が現在のガイドライ
ンの下で切除されるべきである場合、生じる欠損は、直径で8cm(2+3+3
cm)である。2−3cmの縁を有する切除の閉鎖は、通常、皮膚移植を必要と
し、そして悪い結果の可能性(例えば不満の残る美容的結果、増加する罹患率お
よび費用ならびにしばしば永久的な機能障害)を有する。「適切」な安全縁をも
ってしても、黒色腫は局所的に再発し得る。
【0003】 明らかに、縁が、個々の患者の腫瘍の必要に合わせられ得る場合が所望される
。不幸なことに、今のところ、腫瘍の程度を正確に検出し得る技術が存在しない
。いくつかの型の黒色腫において、腫瘍の水平方向に増殖した部分は、表皮の基
底層に沿う単一のメラノサイトを主に構成する。これらの黒色腫型は、黒子症(
lentiginous)黒色腫といわれる。これらにおいて、異常な細胞の量
は、縁に向かってしばしば徐々に減少し、その結果、病理学者が黒色腫の境界を
決定することが困難または不可能となり得る。しかし、現在の意見は、ほとんど
の場合において、黒色腫の範囲は、病理学によって評価され得るということを暗
示する。しかし、「健康」な皮膚の縁の除去が、再発率を減少させるという事実
は、この皮膚は実際、健康ではなく、現在の方法によって検出不可能である黒色
腫の残りを含むということを示唆する。
【0004】 黒色腫を形成する能力を有する形態学的に正常な悪性になる前の細胞が同定さ
れ得る有用な手段の同定。本発明は、これらおよび他の必要性に取り組む。
【0005】 (発明の要旨) 本発明は、患者に由来するサンプルにおける、悪性になる前のメラノサイトの
存在についてスクリーニングする方法を提供する。その方法は、患者からの生物
学的サンプルに由来する核酸サンプルを、黒色腫細胞において増幅される染色体
領域上の標的ポリヌクレオチド配列に選択的に結合するプローブに接触させる工
程を包含する。通常、標的配列のコピー数が決定される。その核酸サンプルは、
代表的に、患者における黒色腫病巣に隣接する形態学的に正常な細胞に由来する
【0006】 その方法において、プローブが安定なハイブリダイゼーション複合体を形成す
るように選択的に標的ポリヌクレオチド配列と結合する条件下で、プローブがサ
ンプルと接触されて、そしてハイブリダイゼーション複合体の情報が検出される
。その標的配列は、11p15、11q13、22q12、7p、6p、1q、
12q14、および5pからなる群から選択される。
【0007】 その核酸サンプルの性質は、本発明に対して重要ではない。いくつかの実施形
態において、核酸サンプルは、中期スプレッド(spread)または静止期核
である。代表的に、そのプローブは、例えば蛍光標識を用いて標識される。その
標識は直接標識であり得る。通常、第2染色体領域(例えば、セントロメア)に
対する参照プローブが、内部コントロールとしてこの方法において使用される。
これらの実施形態において、第2のプローブは、標的ポリヌクレオチド配列に選
択的にハイブリダイズするプローブ上の標識と区別可能な蛍光標識で標識される
【0008】 いくつかの実施形態において、そのプローブは、反復配列を含み得る。この場
合において、その方法は、反復配列のハイブリダイゼーション能力をブロッキン
グする工程をさらに包含し得、反復配列(例えば、Cot−1 DNA)を含む
核酸をブロッキングする非標識化プローブが、この目的のためにサンプルと接触
され得る。
【0009】 核酸ハイブリダイゼーションが、多数の形式において実行され得る。例えば、
そのハイブリダイゼーションは、インサイチュハイブリダイゼーションであり得
る。いくつかの実施形態において、そのプローブは、固体基板(substra
te)(例えば、核酸アレイのメンバーとして)に結合される。
【0010】 (定義) 本発明の理解を容易にするために、多数の用語が以下に定義される。
【0011】 本明細書中で使用される用語「アンプリコン」とは、ゲノム核酸のある領域を
いい、これは、変更されたコピー数で存在する場合、癌に関連する。例えば、本
発明は、核酸配列を提供し、異常なコピー数で存在する場合には、黒色腫と関連
する。
【0012】 「動物」とは、動物界のメンバーをいい、多細胞性、神経系の所有、随意運動
、体内消化などによって特徴付けられる。「動物」は、ヒトまたは他の動物であ
り得る。好ましい動物としては、ヒト、非ヒト霊長類、および他の哺乳動物が挙
げられる。従って、本発明の方法は、獣医学的適用ならびにヒトに指向された医
学的適用を意図するということが認識される。
【0013】 動物における「癌」とは、癌原因細胞の代表的な特徴(例えば、非制御化増殖
、不死、転移可能性、急激な増殖および増殖速度ならびに特定の特有の形態学的
特徴)を所有する細胞の存在をいう。しばしば、癌細胞は、腫瘍の形態であるが
、そのような細胞は、動物内に単独で存在するか、または非腫瘍化癌細胞(例え
ば、白血病細胞)であり得る。癌としては、黒色腫、乳癌、肺癌、気管支癌、結
腸直腸癌、前立腺癌、膵臓癌、胃癌、卵巣癌、膀胱癌、脳もしくは中枢神経系癌
、末梢神経系癌、食道癌、頸部癌、子宮または子宮内膜癌、口腔もしくは咽頭の
癌、肝臓癌、腎臓癌、精巣癌、胆道癌、小腸もしくは虫垂癌、唾液腺癌、甲状腺
癌、副腎癌、骨肉腫、軟骨肉腫などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】 語句「癌を検出する」とは、動物(この場合、黒色腫細胞、または前悪性のメ
ラノサイト)における癌の存在または非存在下での確認をいう。「癌を検出する
」とはまた、動物における癌細胞の存在の可能性に関する、または可能性または
癌の発症への偏好に対する間接的な証拠をいう。癌を検出することは、本発明の
方法のみを使用して、あるいは他の方法と組み合わせて、または動物の健康状態
に関する他の情報の観点において、達成され得る。
【0015】 用語「特異的にハイブリダイズする」および「特異的ハイブリダイゼイション
」は、本明細書中で使用される場合、ストリンジェントな条件下で、特定のヌク
レオチド配列に、優先的に、核酸分子を結合するか、二重鎖形成するか、または
ハイブリダイズすることをいう。用語「ストリンジェントな条件」とは、プロー
ブが、その標的サブ配列に優先的にハイブリダイズし、そして他の配列により低
い程度か、または全くハイブリダイズしないことをいう。核酸ハイブリダイゼイ
ション(例えば、アレイ、サザン、またはノーザンハイブリダイゼーションにお
けるように)の観点で「ストリンジェントなハイブリダイゼイション」および「
ストリンジェントなハイブリダイゼイション洗浄条件」は、配列依存性であり、
そして異なる環境パラメータ下で異なる。核酸のハイブリダイゼイションに対す
る広範なガイドは、例えば、Tijssen(1993)Laboratory
Techniques in Biochemistry and Mole
cular Biology--Hybridization with Nuc
leic Acid Probes Part 1、第2章、「Overvie
w of principles of hybridization and
the strategy of nucleic acid probe
assays」、Elsevier、NY(「Tijssen」)に見出される
。一般に、高度にストリンジェントなハイブリダイゼイションおよび洗浄条件は
、所定のイオン強度およびpHにおいて、特異的な配列に対して、熱融点(Tm
)よりも約5℃低くなるように選択される。Tmは、標的配列の50%が完全に
一致した配列にハイブリダイズする温度(所定のイオン強度およびpH下で)で
ある。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブに対してTmと等しく
なるように選択される。サザンまたはノーザンブロットにおいて、アレイまたは
、フィルター上の100より多い相補残基を有する相補核酸のハイブリダイザイ
ションのためのストリンジェントなハイブリダイザイション条件の例は、42℃
であり、標準的なハイブリダイゼイション溶液を使用し(例えば、Sambro
ok(1989)Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual(第2版)1−3巻、Cold Spring Harbo
r Laboratory、Cold Spring Harbor Pres
s、NY、および以下の詳細な議論を参照のこと)、ハイブリダイゼイションは
、一晩実施される。高度にストリンジェントな洗浄条件の例は、72℃で約15
分間の0.15M NaClである。ストリンジェントな洗浄条件の例は、65
℃で15分間の0.2×SSC洗浄である(例えば、SSC緩衝液の記載につい
てのSambrook(前出)を参照のこと)。しばしば、高度なストリンジェ
ンシー洗浄が、バックグラウンドプローブシグナルを除去するために低度のスト
レンジェンシー洗浄の後に行われる。例えば、100より多いヌクレオチドの二
重鎖形成のための、例示的な中程度のストリンジェンシー洗浄は、45℃で15
分間の1×SSCである。例えば、100より多いヌクレオチドの二重鎖形成の
ための低度のストリンジェンシー洗浄の例は、40℃で15分間の4×SSC〜
6×SSCである。
【0016】 本明細書中で使用される場合、用語「検出可能な組成物で標識された」とは、
検出可能な組成物(すなわち、標識)に付着された核酸をいう。検出は、例えば
、分光学的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、物理的手段ま
たは化学的手段によってであり得る。例えば、有用なラベルには、32P、35S、 3 H、14C、125I、131I;蛍光色素(例えば、FITC、ローダミン、ランタ
ニドリン(lanthanide phosphor)、Texas red)
、電子高密度試薬(例えば、金)、例えば、ELISAにおいて通常使用される
ような酵素(ホースラディシュペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシ
フェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、比色分析用標識(例えば、コロイド状
金)、磁気標識(例えば、DynabeadsTM)、ビオチン、ジゴキシゲニン
(dioxigenin)、あるいは抗血清またはモノクローナル抗体が利用で
きるハプテンまたはタンパク質が挙げられる。この標識は、検出される核酸、ペ
プチド、または他の標的に直接組み込まれるか、または標的にハイブリザイズす
るか、または結合するプローブまたは抗体に付着され得る。ペプチドは、第2の
レポーター(例えば、ロイシンジッパー対配列、第2の抗体のための結合部位、
転写アクティベータポリペプチド、金属結合ドメイン、エピトープタグ)によっ
て認識される所定のポリペプチドエピトープを組み込むことによって検出可能と
なり得る。標識は、潜在的な立体障害、あるいは他の有用または所望の特性の対
する影響を減少するために種々の長さのスペーサーアームによって付着される。
例えば、Mansfield(1995)Mol Cell Probes 9
:145−156。
【0017】 用語「黒色腫」または「皮膚黒色腫」は、メラノサイトの悪性新生物をいい、
これらは、通常表皮に、そして時折真皮に存在する色素細胞である。4つの型の
皮膚黒色腫が存在する:悪性黒子黒色腫、皮相拡張黒色腫(SSM)、結節性黒
色腫、および末端部黒子黒色腫(AM)。黒色腫は通常、表皮と真皮の接合部に
おいて、単一のメラノサイトの増殖として開始する。細胞は、最初に、水平方向
に増殖し、そして数ミリメートル〜数センチメートルで変化し得る皮膚の領域に
落ち着く。上記のように、ほとんどの場合において、トランスフォームされたメ
ラノサイトは、色素量の増加を生じ、その結果、関係する領域が臨床医によって
容易に理解され得る。
【0018】 本明細書中で使用される場合、用語「核酸」は、1本鎖形態または2本鎖形態
のいずれかのデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドをいう。この用
語は、核酸(すなわち、オリゴヌクレオチド)を包含し、この核酸は、参照核酸
として、所望の目的のために、類似または改良された結合特性を有する天然のヌ
クレオチドの公知のアナログを含む。この用語はまた、天然のヌクレオチドに類
似した様式で、または所望の目的のために改良された速度で代謝される核酸を含
む。この用語はまた、合成骨格を有する核酸様構造体を包含する。本発明によっ
て提供されるDNA骨格アナログは、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、
ホスホロジチオエート、メチルホスホネート、ホスホラミデート、アルキルホス
ホトリエステル、サルファメート、3’−チオアセタール、メチレン(メチルイ
ミノ)、3’−N−カルバメート、モルホリノカルバメート、およびペプチド核
酸(PNA);例えば、Olignucleotides and Analo
gues,a Practical Approach,F.Eckstein
編、IRL Press at Oxford University Pre
ss(1991);Antisense Strategies、Annals
of the New York Academy of Sciences
,600巻、BasergaおよびDenhardt編(NYAS 1992)
;Milligan(1993)J.Med.Chem.36:1923−19
73;Antisense Research and Applicatio
ns(1993、CRC Press)を参照のこと。PNAは、非イオン性骨
格を含む(例えば、N−(2−アミノエチル)グリシン単位)。ホスホロチオエ
ート結合は、WO 97/03211;WO 96/39154、;Mata(
1997)Toxicol.Appl.Pharmacol.144:189−
197に記載される。この用語によって包含される他の合成骨格には、メチルホ
スホネート結合またはメチルホスホネートおよびホスホジエステルの交互結合(
Strauss−Soukup(1997)Biochemistry 36:
8692−8698)、ならびにベンジルホスホネート結合(Smastag(
1996)Antisense Nucleic Acid Drug Dev
6:153−156)が挙げられる。用語核酸は、遺伝子、cDNA、mRN
A、オリゴヌクレオチドプライマー、プローブ、および増幅産物と交換可能に使
用される。
【0019】 本明細書中で使用される場合、用語「核酸アレイ」とは、複数の標的エレメン
トであり、各標的エレメントは、サンプルの核酸がハイブリダイズされ得る1つ
以上の固体表面上に固定された1つ以上の核酸分子(プローブ)を含む。標的エ
レメントの核酸は、特定の遺伝子またはクローン由来(例えば、ここで同定され
る領域から)の配列を含み得る。例えば、他の標的エレメントは、参照配列を含
み得る。種々の寸法の標的エレメントは、本発明のアレイにおいて使用され得る
。一般に、より小さな標的エレメントが好ましい。代表的に、標的エレメントは
、直径約1cm未満である。一般に、エレメントのサイズは、1μm〜約3mm
、好ましくは、約5μmと約1μmとの間である。このアレイの標的エレメント
は、異なる密度で固体表面上に整列され得る。この標的エレメント密度は、因子
(例えば、標識、固体支持体などの性質)の数に依存する。当業者は、各標的エ
レメントが、異なる長さおよび配列の核酸の混合物を含み得ることを認識する。
従って、例えば、標的エレメントは、1を超えるDNAのクローン断片のコピー
を含み得、そして各コピーは、異なる長さのフラグメントへ切断され得る。標的
エレメント上に固定された核酸の長さおよび複雑性は、本発明にとって重要では
ない。当業者は、これらの因子を調整して、所定のハイブリダイゼーション手順
に、最適なハイブリダイゼーションおよびシグナル生成を提供し、そして異なる
遺伝子またはゲノムの座位の間での必要とされる分離を提供し得る。種々の実施
形態において、標的エレメント配列は、約1kbと約1Mbとの間、約10kb
と約500kbとの間、約200と約500kbとの間および約50kbと約1
50kbとの間の複雑性を有する。
【0020】 本明細書中で使用される場合、用語「核酸サンプル」または「ヒト核酸のサン
プル」とは、ハイブリダイゼーションまたは増幅による検出に適切な形態のヒト
DNAまたはRNAを含むサンプルをいう。代表的には、このサンプルは、黒色
腫を有するかその恐れのある患者由来の組織サンプルから調製される。このサン
プルは、大抵、黒色腫瘍周辺の組織から調製される。
【0021】 多くの場合、核酸サンプルは、以下に記載される標準のインサイチュハイブリ
ダイゼーション方法のために調製される組織または細胞のサンプルである。この
サンプルは、個々の染色体が実質的にインタクトのままであり、そして標準の技
術に従って調製される分裂中期の展開または静止期の核を代表的に含む。あるい
は、この核酸は、単離されるか、クローン化されるかまたは増幅され得る。この
核酸は、例えば、特定の染色体由来のゲノムDNA、mRNAもしくはcDNA
、または選択配列(例えば、特定のプロモーター、遺伝子、増幅フラグメントも
しくは制限フラグメント、cDNAなど)(本明細書に特定の単位複製配列また
は欠失が開示される)であり得る。
【0022】 この核酸サンプルは、特定の細胞または組織(例えば、黒色腫)から抽出され
得る。細胞および組織サンプルを単離する方法は、当業者に周知であり、そして
吸引生検、組織切片化生検、針生検などが挙げられるが、これらに限定されない
。 このサンプルは、しばしば、「臨床的サンプル」であり、これは、組織学的目的
のために取り出された凍結切片またはパラフィン切片のような組織の切片を含む
、患者からのサンプルである。このサンプルはまた、組織培養物由来の(細胞の
)上清またそれらの細胞、組織培養物由来の細胞自体、および染色体異常性を検
出するかまたは単位複製配列コピー数を決定することが望ましくあり得る他の培
地に由来し得る。いくつかの場合、核酸は、ハイブリダイゼーションの前に、P
CRのような標準の技術を使用して増幅され得る。このサンプルは、固体上に固
定される単離された核酸であり得る。
【0023】 「前悪性のメラノサイト」は、悪性黒色腫瘍を形成する能力を有する形態学的
に正常な細胞である。このような細胞は、代表的に黒色腫瘍に近接して見出され
る。本明細書で使用する場合、「近接」は、腫瘍における最も近い異型細胞から
5cm未満、通常3cm未満を意味する。
【0024】 本明細書中で使用する場合、用語「プローブ」または「核酸プローブ」は、サ
ンプルへのハイブリダイゼーションが検出可能な1つ以上の核酸フラグメントの
コレクションであると規定される。このプローブは、以下に記載するように非標
識または標識され得、その結果、標的またはサンプルへのその結合は、検出され
得る。このプローブは、ゲノムの1つ以上の特定の(予め選択された)部分から
の核酸の供給源(例えば、1つ以上のクローン、単離された全染色体もしくは染
色体フラグメント、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅生成物のコレク
ション)から生成される。本発明のプローブは、本明細書中に記載される領域に
おいて見出される核酸から生成される。プローブまたはゲノム核酸サンプルは、
いくつかの様式で(例えば、反復核酸のブロッキングもしくは除去、または固有
の核酸での富化により)加工され得る。語「サンプル」は、検出された核酸のみ
ではなく、これらが標的に適用される(例えば、ブロッキング核酸などを有する
)形式における検出可能な核酸をいうために本明細書中で使用され得る。ブロッ
キング核酸とはまた、別々にいわれる。特に「プローブ」がいうことは、この語
が使用される文脈から明らかである。プローブはまた、アレイにおける場合、固
体表面(例えば、ニトロセルロース、ガラス、水晶、石英スライド)上に固定さ
れた単離された核酸であり得る。いくつかの実施形態において、プローブは、例
えば、WO 96/17958に記載されるように核酸にアレイのメンバーであ
り得る。高密度なアレイを生成し得る技術はまた、この目的のために使用され得
る(例えば、Fodor(1991)Science 767−773;Joh
nston(1998)Curr.Biol.8:R171−R174;Sch
ummer(1997)Biotechniques 23:1087−109
2;Kern(1997)Biotechniques 23:120−124
;米国特許第5,143,854号を参照のこと)当業者は、本明細書中に記載
される特定のプローブの正確な配列が、開示されるプローブに対して「実質的に
同一」であるプローブを産生するためにある程度まで改変し得ることを認識する
が、これらが誘導されたプローブから(上記の議論を参照のこと)プローブとし
て同じ標的またはサンプルに特異的に結合する(すなわち、特異的にハイブリダ
イズする)能力は保持する。このような改変は、本明細書中に記載される個々の
プローブを参照することにより特異的にカバーされる。
【0025】 「核酸サンプルを提供する(こと)」は、本発明に記載される方法における使
用のために生物学的サンプルを得ることを意味する。最も頻繁には、動物由来の
細胞のサンプルを取り出すことにより行われるが、事前に単離された(例えば別
の人により単離された)細胞を使用するかまたはインビボでの本発明の方法の実
施により達成され得る。
【0026】 「組織生検」とは、診断分析のために生物学的サンプルを取り出すことをいう
。癌を有する患者において、組織が癌から取り出され得、腫瘍中の細胞の分析を
可能にする。
【0027】 (特定の実施形態の説明) 黒色腫の発症率は、最近の50年にわたり有意に増加している。(Wingo
,P.A.ら、Cancer 82:1197−1207(1998);Rig
el,D.S.ら、J Am Acad Dermatol 34:839−8
47(1996))。黒色腫の臨床的および組織学的な提示が全体的に同種では
ないが、解剖学的位置、太陽曝露のタイプ、年齢ならびに民族性の間の関連のパ
ターンを示すことが長い間注目されてきた。これらのパターンは、原発性皮膚黒
色腫の異なるタイプの分類の提唱に至った:悪性黒子、表在性展開(super
ficial spreading)、結節性黒色腫および肢端黒色腫(McG
overn,V.J.ら、Cancer 32:1446−1457(1973
))。しかし、これらの黒色腫のタイプの特定の組織学的特色が重複し、そして
これらのタイプの間の独立した予知的な差異が記載されていないので(Krem
entz,E.T.ら、Ann Surg 195:632−645(1982
);Panizzon,R.ら、Schweiz Med Wochensch
r 112:612−618(1982);Brauninger,H.ら、H
autarzt 45:529−531(1994))、このような分類につい
ての正当化は、議論されるようになった(Ackerman,A.B.ら、Hu
m Pathol 17:438−440(1986);Flotte,T.J
.ら、Hum Pathol 17:441−442(1986))。従って、
これらは、黒色腫を扱う臨床家および病理学者の間で傾向が増大しているようで
あり、原発性皮膚黒色腫が単一の疾患要素としてみなされる。さらに、基礎研究
において使用されるヒト黒色腫細胞株は、通常これらが由来する黒色腫に基づい
て同定されない。従って、黒色腫のタイプの間の潜在的な差異を考慮しない黒色
腫についての基礎研究は、特定のタイプにのみに関する関連を見過ごす素因にな
り得、そしてそれにより研究の前進を妨害する。
【0028】 本発明は、領域(染色体11p15、11q13、22q12、7p、6p、
1q、12q14、5p)のマーカーが黒色腫において増大することが頻繁に見
出されるというこの知見に基づき、これは、従来の方法よりも高度な感受性を伴
って、切除検体の縁の、形態学的に正常であるが遺伝的に異常である細胞(本明
細書では前悪性のメラノサイトという)を検出するために使用され得る。
【0029】 (コピー数の検出) 1つの実施形態では、前悪性のメラノサイトの存在は、本明細書で同定される
領域のコピー数の決定により、単純に評価される。代表的に、評価された領域は
、11p15、11q13、22q12、7p、6p、1q、12q14および
5pである。特定の遺伝子または染色体の領域のコピー数を評価する方法は、当
業者に周知である。
【0030】 (ハイブリダイゼーションに基づくアッセイ) 好ましいハイブリダイゼーションに基づくアッセイとしては、伝統的な「直接
的プローブ」方法(例えば、サザンブロットまたはインサイチュハイブリダイゼ
ーション(例えば、FISH)、および「比較プローブ」方法(例えば、比較ゲ
ノムハイブリダイゼーション(CGH)))が挙げられるが、これらに限定され
ない。これらの方法は、広範な種々の形式(以下に記載されるような、基板−(
例えば、膜またはガラス)結合方法またはアレイに基づく試みが挙げられるが、
これらの限定されない)で使用され得る。
【0031】 インサイチュハイブリダイゼーションアッセイは、周知である(例えば、An
gerer(1987)Meth.Enzymol 152:649)。一般に
、インサイチュハイブリダイゼーションは、以下の主要な工程を包含する:(1
)分析するための組織または生物学的構造体の固定化;(2)標的DNAの接触
性を増加し、そして非特異的結合を減少するための生物学的構造体の前ハイブリ
ダイゼーション処理;(3)生物学的構造体または組織中の核酸への、核酸の混
合物のハイブリダイゼーション;(4)ハイブリダイゼーションにおいて結合し
なかった核酸フラグメントを除去するためのハイブリダイゼーション後の洗浄、
および(5)ハイブリダイズした核酸フラグメントの検出。これらの工程の各々
において使用される試薬および使用のための条件は、特定の適用に依存して変化
する。
【0032】 代表的なインサイチュハイブリダイゼーションアッセイにおいて、細胞は、固
体支持体(代表的にはガラススライド)に固定される。核酸が検出される場合、
細胞は、代表的に熱またはアルカリで変性される。次いで、この細胞は、温和な
温度でハイブリダイゼーション溶液と接触させられ、タンパク質をコードする核
酸配列に特異的な標識プローブにアニーリングさせる。次いで、標的(例えば、
細胞)は、代表的には、事前に決定されたストリンジェンシーまたは適切なシグ
ナル対ノイズ比が得られるまで増加したストリンジェンシーで洗浄される。
【0033】 このプローブは、代表的には、例えば、放射性同位体または蛍光レポーターで
標識される。二本鎖のニックトランスレーションされた核酸について、好ましい
サイズ範囲は、約200bp〜約1000塩基、より好ましくは、約400〜約
800bpの間である。
【0034】 いくつかの適用において、反復配列のハイブリダイゼーション能力をブロック
することが必要である。従って、いくつかの実施形態では、ヒトゲノムDNAま
たはCot−1 DNAが非特異的ハイブリダイゼーションをブロックするため
に使用される。
【0035】 比較ゲノムハイブリダイゼーション方法において、(サンプル)核酸(例えば
、生じ得る腫瘍由来)の第1のコレクションは、第1の標識で標識され、一方、
第2の(コントロール)核酸のコレクション(例えば、健康な細胞/組織由来)
は、第2の標識で標識される。核酸のハイブリダイゼーションの比は、アレイ中
の各ファイバーに結合する2つ(第1および第2)の標識の比により決定される
。染色体の欠損または増殖が存在する場合、2つの標識に由来するシグナルの比
における差異が検出され、そしてその比は、コピー数の尺度を提供する。
【0036】 本発明の方法を用いる使用に適切なハイブリダイゼーションプロトコールは、
例えば、Albertson(1984)EMBO J.3:1227〜123
4;Pinkel(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
85:9138〜9142;欧州公開番号430,402号;Methods
in Molecular Biology,第33巻:In Situ H
ybridization Protocols,Choo編、Humana
Puress,Totowa,NJ(1994)などに記載されている。1つの
特に好ましい実施形態では、Pinkelら(1998)Nature Gen
etics 20:207〜211またはKallioniemi(1992)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5321〜5325(
1992)のハイブリダイゼーションプロトコールが使用される。
【0037】 本発明の方法は、特に、アレイに基づくハイブリダイゼーション形式に十分に
適している。1つの好ましいアレイに基づくハイブリダイゼーション系の記載に
ついては、Pinkelら(1998)Nature Genetics,20
:207〜211を参照のこと。
【0038】 アレイは、1以上の表面(例えば、固体、膜、またはゲル)に付着した、多様
な異なる「プローブ」または「標的」核酸(または他の化合物)である。好まし
い実施形態において、多様な核酸(または他の部分)は、1つの連続する表面ま
たは互いに並列の多用な表面に付着される。
【0039】 アレイ形式において、多数の異なるハイブリダイゼーション反応が、本質的に
「並列」して実行される。これは、1回の「実験」において、多数のハイブリダ
イゼーションの迅速で本質的に同時の評価を提供する。アレイ基づく形式におい
て、ハイブリダイゼーション反応を実行する方法は、当業者に周知である(例え
ば、Pastinen(1997)Genome Res.7:606〜614
;Jackson(1996)Nature Biotechnology 1
4:1685;Chee(1995)Science 274:610;WO9
6/17958を参照のこと)。
【0040】 アレイ、特に核酸アレイは、当業者に周知の広範な種々の方法に従って生成さ
れ得る。例えば、単純な実施形態において、「低密度」アレイは、単純に、固体
支持体(例えば、ガラス表面、膜など)上の異なる位置に、異なる核酸をスポッ
トすることによって(例えば、ピペットを手動で使用することによって)生成さ
れ得る。
【0041】 この単純なスポッティングアプローチは、高密度にスポットされたアレイを生
成するために自動化されている(例えば、米国特許第5,807,522号を参
照のこと)。この特許は、低容量の生物学的サンプルを沈着させるために、表面
に対してマイクロキャピラリーをタップ(tap)する自動化システムの使用を
記載している。このプロセスは、高密度アレイを作製するために繰り返される。
アレイはまた、オリゴヌクレオチド合成技術を使用して生成され得る。従って、
例えば、米国特許第5,143,854号ならびにPCT特許公開番号WO90
/15070およびWO92/10092は、高密度オリゴヌクレオチドアレイ
の光指向性コンビナトリアル合成の使用を教示している。
【0042】 別の実施形態において、アレイ、特にスポットされたアレイとしては、ゲノム
DNA(例えば、目的の領域に対応するアンプリコンの高解像度スキャンを提供
する重複クローン)が挙げられ得る。アンプリコン核酸は、例えば、MAC、Y
AC、BAC、PAC、P1、コスミド、プラスミド、ゲノムクローンのAlu
間PCR産物、ゲノムクローンの制限消化物、cDNAクローン、増幅(例えば
、PCR)産物などから入手され得る。
【0043】 種々の実施形態において、アレイ核酸は、以下に記載されるように、本発明の
標的配列にわたるかまたはこの標的配列を含むクローンの以前にマッピングされ
たライブラリー、ならびにゲノムの他の領域からのクローンに由来する。アレイ
は、サンプルの核酸の単一集団とハイブリダイズされ得るか、または2つの差示
的に標識されたコレクション(試験サンプルおよび参照サンプルに関する)を用
いて使用され得る。
【0044】 種々の固体表面上に核酸を固定化するための多くの方法は、当該分野で公知で
ある。広範な種々の有機ポリマーおよび無機ポリマー、ならびに他の材料(天然
および合成の両方)が、固体表面の材料として用いられ得る。例示的な固体表面
としては、例えば、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、クォーツ、ジアゾ化
された膜(紙もしくはナイロン)、シリコーン、ポリホルムアルデヒド、セルロ
ース、およびセルロースアセテートが挙げられる。さらに、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)が使用され得る。用い
られ得る他の材料としては、紙、セラミック、金属、非金属、半導体材料、サー
メットなどが挙げられる。さらに、ゲルを形成する物質が、使用され得る。この
ような材料としては、例えば、タンパク質(例えば、ゼラチン)、リポポリサッ
カリド、ケイ酸塩、アガロースおよびポリアクリルアミドが挙げられる。固体表
面が多孔性である場合には、種々の孔サイズが、系の性質に依存して用いられ得
る。
【0045】 表面の調製において、複数の異なる材料(特に積層物)が、種々の特性を得る
ために用いられ得る。例えば、タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)また
は高分子の混合物(例えば、デンハート溶液)は、非特異的結合を回避し、共有
結合の結合体化を単純化し、シグナル検出を増強するためなどに用いられ得る。
化合物と表面との間の共有結合が所望される場合、この表面は、通常、多重官能
性(polyfunctional)であるか、または多重官能化され得る。表
面上に存在し、そして連結のために使用され得る官能基としては、カルボン酸、
アルデヒド、アミノ基、シアノ基、エチレン基、ヒドロキシル基、メルカプト基
などが挙げられる。種々の表面に広範な種々の化合物を連結する様式は、周知で
あり、そして文献に十分に例示されている。
【0046】 例えば、分子に種々の官能基を導入することによって核酸を固定化するための
方法が、公知である(例えば、Bischoff(1987)Anal.Bio
chem.,164:336〜344;Kremsky(1987)Nucl.
Acids Res.15:2891〜2910を参照のこと)。改変された核
酸は、改変された塩基を含むPCRプライマーを使用してか、または改変された
ヌクレオチドを用いる酵素による末端標識によって、標的上に配置される。本発
明の核酸アレイに対するガラス支持体または膜支持体(例えば、ニトロセルロー
ス、ナイロン、ポリプロピレン)の使用は、比較的に高いエレメント密度で標的
を整列する手動方法およびロボットを利用する方法を用いる十分に開発された技
術のために有利である。このような膜は、一般的に入手可能であり、そして膜へ
のハイブリダイゼーションについてのプロトコールおよび装置は、周知である。
【0047】 種々のサイズ(1mmの直径から1μmまでの範囲)の標的エレメントが、使
用され得る。少量の濃縮され固定されたプローブDNAを含むより小さな標的エ
レメントが、高い複雑性の比較ハイブリダイゼーションに使用される。なぜなら
各標的エレメントに結合するために利用可能なサンプル全体量が、制限されるか
らである。従って、入手されるシグナルが高度に局在し、そして輝くように、少
量の濃縮されたプローブDNAを含む小さなアレイの標的エレメントを有するこ
とは、利点である。このような小さなアレイの標的エレメントは、代表的には、
104/cm2よりも大きな密度のアレイで使用される。1個の画像において多数
の標的エレメントからのデータの取得を許容する、1cm2の面積を定量的に蛍
光画像化し得る比較的簡単なアプローチが、記載されている(例えば、Witt
rup(1994)Cytometry 16:206〜213を参照のこと)
【0048】 膜よりもかなり低い蛍光の固体表面基板(例えば、ガラス、クォーツもしくは
小さなビーズ)上のアレイは、より良好な感度を達成し得る。基板(例えば、ガ
ラスもしくは融合シリカ)は、非常に低い蛍光の基板、および高度に効率的なハ
イブリダイゼーション環境を提供するという点で有利である。ガラスもしくは合
成融合シリカへの標的核酸の共有結合による付着は、多数の公知の技術(上記)
に従って達成され得る。核酸は、市販の試薬を使用してガラスに都合よく結合さ
れ得る。例えば、多数の官能基を有するシラン化されたガラスの調製のための材
料は、市販されているか、または標準的な技術を使用して調製され得る(例えば
、Gait(1984)Oligonucleotide Synthesis
:A Practical Approach,IRL Purss,Wash
.,D.C.を参照のこと)。ガラスよりも少なくとも10倍低い自己蛍光を有
するクォーツスライドガラスもまた、シアル化され得る。
【0049】 あるいは、プローブはまた、コーティングされた市販のビーズまたは他の表面
上に固定化され得る。例えば、ビオチン末端標識核酸は、アビジンでコーティン
グされた市販のビーズに結合され得る。ストレプトアビジンまたは抗ジゴキシゲ
ニン抗体もまた、例えば、標準的技術(例えば、Smith(1992)Sci
ence 258:1122〜1126を参照のこと)に従ってプロテインAを
使用する、タンパク質媒介結合技術によって、シアル化されたガラススライドに
付着され得る。ビオチンまたはジゴキシゲニン末端標識核酸は、標準的な技術に
従って調製され得る。ビーズに付着した核酸へのハイブリダイゼーションは、ハ
イブリダイゼーション混合液でこれらを懸濁し、次いで洗浄後の分析のためにガ
ラス基板上にこれらを沈着させることによって達成される。あるいは、アビジン
でコーティングされたか、またはされていない、常磁性粒子(例えば、酸化鉄(
III)粒子)が、使用され得る。
【0050】 1つの特に好ましい実施形態において、プローブ核酸は、表面(例えば、ガラ
スまたはクォーツ表面)上にスポットされる。この核酸は、ジメチルスルホキシ
ド(DMSO)およびニトロセルロースの混合液中に溶解され、そしてアミノシ
ランでコーティングされたガラススライド上にスポットされる。小さなキャピラ
リーチューブが、プローブ混合液を「スポット」するために使用され得る。
【0051】 種々の他の核酸ハイブリダイゼーション形式が、当業者に周知である。例えば
、一般的な形式としては、サンドイッチアッセイおよび競合または置換アッセイ
が挙げられる。ハイブリダイゼーション技術は、一般に、HamesおよびHi
ggins(1985)Nucleic Acid Hybridizatio
n,A Practical Approach,IRL Press;Gal
lおよびPardue(1969)Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 63:378〜383;ならびにJohnら(1969)Nature
223:582〜587に記載されている。
【0052】 サンドイッチアッセイは、核酸配列を検出または単離するために一般的に有用
なハイブリダイゼーションアッセイアッセイである。このようなアッセイは、固
体支持体に共有結合により固定化された「捕捉」核酸、および溶液中の「シグナ
ル」核酸を利用する。このサンプルは、標的核酸を提供する。「捕捉」核酸よび
「シグナル」核酸プローブは、標的核酸とハイブリダイズして、「サンドイッチ
」ハイブリダイゼーション複合体を形成する。最も効率的にするために、シグナ
ル核酸は、捕捉核酸とハイブリダイズするべきではない。
【0053】 ハイブリダイゼーション複合体の検出は、標的およびプローブのポリヌクレオ
チドまたは核酸の二重鎖へのシグナル生成複合体の結合を必要とし得る。代表的
には、このような結合は、リガンド結合体化プローブとシグナルに結合体化した
抗リガンドとの間のように、リガンドおよび抗リガンドの相互作用を通じて生じ
る。
【0054】 ハイブリダイゼーションアッセイの感度は、検出される標的核酸を増加する核
酸増幅系の使用を通じて増強され得る。このような系の例としては、ポリメラー
ゼ連鎖反応(PCR)系およびリガーゼ連鎖反応(LCR)系が挙げられる。当
該分野で最近記載されている他の方法は、核酸配列に基づく増幅(NASBAO
,Cangene,Mississauga,Ontario)およびQβレプ
リカーゼ系である。
【0055】 核酸ハイブリダイゼーションは、単純に、変性プローブおよび標的核酸を、こ
のプローブおよびその相補標的が相補的な塩基対合を通じて安定なハイブリッド
二重鎖を形成し得る条件下で提供することを包含する。次いで、ハイブリッド二
重鎖を形成しない核酸は、代表的には、付着された検出可能な標識の検出を通し
て検出されるハイブリッドされた核酸を残して洗浄によって除去される。核酸が
、温度の増大または核酸を含む緩衝液の塩濃度の減少、あるいは化学的因子の添
加またはpHの上昇によって変性されるということは、一般的に認識される。低
いストリンジェンシー条件(例えば、低温ならびに/または高塩濃度下および/
もしくは高標的濃度)下では、ハイブリッド二重鎖(例えば、DNA:DNA、
RNA:RNA、またはRNA:DNA)は、アニールした配列が完全に相補的
でない場合でさえも形成する。従って、ハイブリダイゼーションの特異性は、よ
り低いストリンジェンシーで減少される。反対に、より高いストリンジェンシー
(例えば、より高い温度またはより低い塩)の首尾のよいハイブリダイゼーショ
ンは、より少ないミスマッチを必要とする。
【0056】 当業者は、ハイブリダイゼーション条件が任意の程度のストリンジェンシーを
提供するように選択され得ることを理解する。好ましい実施形態において、ハイ
ブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーションを保障するために低いストリン
ジェンシーで行われ、次いでその後の洗浄が、ミスマッチしたハイブリッド二重
鎖を除去するためにより高いストリンジェンシーで行われる。首尾のよい洗浄は
所望のレベルのハイブリダイゼーション特異性が得られるまで、ますますより高
いストリンジェンシー(例えば、37℃〜70℃で0.25 X SSPE−T
程度の低さまで下げられる)で行われ得る。ストリンジェンシーはまた、因子(
例えば、ホルムアミド)の添加によって増大され得る。ハイブリダイゼーション
特異性は、試験プローブへのハイブリダイゼーションと存在し得る種々のコント
ロールへのハイブリダイゼーションとの比較によって評価され得る。
【0057】 一般的に、ハイブリダイゼーション特異性(ストリンジェンシー)とシグナル
強度の間には交換条件(tradeoff)が存在する。従って、好ましい実施
形態において、洗浄は、整合した結果を生じ、かつバックグランド強度よりもお
よそ10%高いシグナル強度を提供する最高のストリンジェンシーで行われる。
従って、好ましい実施形態において、ハイブリダイズされたアレイは、首尾のよ
いより高いストリンジェンシー溶液で洗浄され得、そして各洗浄間を読み取る。
従って、生じたデータセットの分析は、ハイブリダイゼーションパターンがかな
り変更されておらず、かつ目的の特定のプローブについて適切なシグナルを提供
する洗浄ストリンジェンシーを示す。
【0058】 好ましい実施形態において、バックグラウンドシグナルは、界面活性剤(例え
ば、C−TAB)またはブロッキング剤(例えば、精子DNA、cot−1 D
NAなど)をハイブリダイゼーションの間に使用して、非特異的結合を減少させ
ることにより、減少される。特に好ましい実施形態において、ハイブリダイゼー
ションは、約0.1〜約0.5mg/ml DNA(例えば、cot−1 DN
A)の存在下で実施される。ハイブリダイゼーションにおけるブロッキング剤の
使用は、当業者に周知である(例えば、P.Tijssen、前出の第8章を参
照のこと)。
【0059】 ハイブリダイゼーション条件を最適化する方法は、当業者に周知である(例え
ば、Tijssen(1993)Laboratory Techniques
in Biochemistry and Molecular Biolo
gy、第24巻:Hybridization With Nucleic A
cid Probes、Elsevier,N.Y.を参照のこと)。
【0060】 最適な条件はまた、物質型、蛍光色素、励起および発光バンド、スポットサイ
ズなどの異なる組み合わせに関して検出される標識(例えば、蛍光)の感度の関
数である。低い蛍光バックグラウンド膜が、使用され得る(例えば、Chu(1
992)Electrophoresis 13:105−114を参照のこと
)。候補膜上の種々の直径のスポット(「標的エレメント」)の検出のための感
度は、例えば、蛍光的に末端標識したDNAフラグメントの希釈系列をスポッテ
ィングすることにより、容易に決定され得る。次いで、これらのスポットを、従
来の蛍光顕微鏡を使用して、画像化する。従って、蛍光色素および固体表面(例
えば、膜、ガラス、溶融シリカ)の種々の組み合わせから達成可能な感度、線形
性、および動的範囲が、決定され得る。既知の相対割合での蛍光色素の対の系列
希釈物もまた、分析され得る。これは、どの蛍光比測定が、検出器およびプロー
ブが固定された基板の蛍光により許容される動的範囲にわたって、実際の蛍光色
素比を反映するかに関する正確さを決定する。
【0061】 (核酸の標識および検出) 好ましい実施形態において、ハイブリダイズした核酸が、サンプルまたはプロ
ーブの核酸に付着した1つ以上の標識を検出することにより、検出される。この
標識は、当業者に周知の多数の手段のいずれかにより、組み込まれ得る。標識を
核酸に付着させる手段としては、例えば、核酸のキナーゼ化(kinasing
)によるニックトランスレーションまたは末端標識(例えば、標識RNAを用い
る)および引き続く、サンプル核酸を標識(例えば、蛍光団)に連結させる核酸
リンカーの付着(連結)が挙げられる。標識を核酸に付着させるための広範な種
々のリンカーもまた、公知である。さらに、介在色素および蛍光ヌクレオチドも
また、使用され得る。
【0062】 本発明における使用に適した検出可能な標識としては、分光学的、光化学的、
生化学的、免疫化学的、電気的、光学的および化学的な手段により検出可能な任
意の組成物が挙げられる。本発明において有用な標識としては、標識ストレプト
アビジン結合体での染色のためのビオチン、磁気ビーズ(例えば、Dynabe
adsTM)、蛍光色素(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド、ローダミン
、緑色蛍光タンパク質など、例えば、Molecular Probes、Eu
gene、Oregon、USAを参照のこと)、放射線標識(例えば、3H、1 25 I、35S、14C、または32P)、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ
、アルカリホスファターゼ、およびELISAにおいて通常使用される他のもの
)ならびにコロイド金(例えば、40〜80nmの直径のサイズ範囲の金粒子は
高効率で緑色光を散乱する)または着色されたガラスもしくはプラスチック(例
えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)のビーズのような比色
定量標識が挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特
許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,35
0号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,275
,149号;および同第4,366,241号が挙げられる。
【0063】 蛍光標識は、低いバックグラウンドを伴う非常に強いシグナルを提供するので
、好ましい。これはまた、迅速な走査手順によって、高い解像度および感度で光
学的に検出可能である。核酸サンプルは、単一の標識(例えば、単一の蛍光標識
)を用いて、全て標識され得る。あるいは、別の実施形態においては、異なる核
酸サンプルが、同時にハイブリダイズされ得、ここで、各核酸サンプルが、異な
る標識を有する。例えば、1つの標識は、緑色蛍光標識を有し得、そして第2の
標的は、赤色蛍光標識を有し得る。走査する工程は、赤色標識の結合部位を、緑
色蛍光標識を結合する部位から区別する。各核酸サンプル(標的核酸)は、互い
に独立して分析され得る。
【0064】 使用され得る適切な色素原としては、区別可能な波長範囲において光を吸収し
、その結果、色が観察され得るか、あるいは、特定の波長もしくは波長範囲の放
射線で照射される場合に光を放出する、分子および化合物(例えば、蛍光剤)が
挙げられる。
【0065】 望ましくは、蛍光剤は、約300nm、好ましくは約350nm、より好まし
くは約400nmより大きな光を吸収し、通常は吸収した光の波長より約10n
m高い波長より大きな波長で発光するべきである。結合した色素の吸収および発
光の特性は、結合していない色素とは異なり得ることに、注目するべきである。
従って、種々の波長範囲および色素の特性を参照する場合には、使用される場合
の色素を示し、そして任意の溶媒中で共役せず、そして特徴付けされる色素を示
さないことが意図される。
【0066】 蛍光剤は、一般に好ましい。なぜなら、蛍光剤を光で照射することによって、
複数の発光を得られるからである。従って、単一のラベルが、複数の測定可能な
事象に関して提供され得る。
【0067】 検出可能なシグナルはまた、化学発光源および生物発光源により、提供され得
る。化学発光源としては、化学反応により電子的に励起され、そして次いで検出
可能なシグナルとして働く光を放出し得るか、または蛍光アクセプターにエネル
ギーを供与する、化合物が挙げられる。あるいは、ルシフェリンが、ルシフェラ
ーゼまたはルシゲニンと共に使用されて、生物発光を提供し得る。スピン標識が
、不対電子スピンを有するレポーター分子により提供され、これは、電子スピン
共鳴(ESR)分光計により検出され得る。例示的なスピン標識としては、有機
フリーラジカル、遷移金属錯体(特に、バナジウム、銅、鉄、およびマンガンな
ど)が挙げられる。例示的なスピン標識としては、窒素酸化物フリーラジカルが
挙げられる。
【0068】 標識は、ハイブリダイゼーションの前または後に、標的(サンプル)核酸に付
加され得る。いわゆる「直接標識」とは、ハイブリダイゼーションの前に標的(
サンプル)核酸に直接付着されるかまたは取り込まれる、検出可能な標識である
。対照的に、いわゆる「間接標識」とは、ハイブリダイゼーション後にハイブリ
ッド二重鎖に連結される。しばしば、間接標識は、ハイブリダイゼーション前に
標的核酸に付着された結合部分に付着される。従って、例えば、標的核酸は、ハ
イブリダイゼーション前にビオチニル化され得る。ハイブリダイゼーション後に
、アビジン結合体化蛍光団が、ハイブリッド二重鎖を保有するビオチンに結合さ
れて、容易に検出される標識を提供する。核酸を標識する方法、および標識され
たハイブリダイズされた核酸を検出する方法の、詳細な概説については、Lab
oratory Techniques in Biochemistry a
nd Molecular Biology、第24巻:Hybridizat
ion With Nucleic Acid Probes、P.Tijss
en編、Elsevier、N.Y.、(1993)を参照のこと。
【0069】 蛍光標識は、インビトロ転写反応の間に容易に付加される。従って、例えば、
蛍光標識したUTPおよびCTPは、インビトロ転写において産生されるRNA
に、組み込まれ得る。
【0070】 その標識は、リンカー部分に直接的に、またはリンカー部分を通して結合され
得る。一般的に、標識またはリンカー−標識結合の部位は、いかなる特定の位置
にも限定されない。例えば、標識は、所望されるような検出またはハイブリダイ
ゼーションを妨害しない任意の位置で、ヌクレオシド、ヌクレオチド、またはそ
れらのアナログに結合され得る。例えば、Clontech(Palo Alt
o,CA)からの特定のLabel−ON Reagentは、オリゴヌクレオ
チドのリン酸骨格を通して分散する標識および3’末端および5’末端での末端
標識を提供する。本明細書中の実施例に示されるように、標識は、リボース環上
の位置で結合され得るか、またはそのリボースは、所望されるように、改変され
そして除去さえされ得る。有用な標識試薬の塩基部分は、天然に存在するか、ま
たはそれらが置かれた目的を妨害しない様式で改変されるものを含み得る。改変
された塩基は、7−デアザ Aおよび7−デアザ G、7−デアザ−8−アザ
Aおよび7−デアザ−8−アザ G、ならびに他の複素環式部分を含むがそれら
に限定されない。
【0071】 蛍光標識は、単一種の有機分子に限定されないが、無機分子、有機分子および
/または無機分子の複数の分子の混合物、結晶、ヘテロポリマーなどを含むこと
が認識される。従って、例えば、シリカシェル中に封入されるCdSe−CdS
コア−シェルナノクリスタルは、生物学的分子に結合されるために容易に誘導体
化され得る(Bruchezら(1998)Science 281:2013
−2016)。同様に、高度な蛍光量子ドット(硫化亜鉛キャップされたセレン
化カドミウム)は、超高感度生物学的検出における使用のために生物分子に共有
結合的された(WarrenおよびNie(1998)Science、281
:2016−2018)。
【0072】 (増幅に基づくアッセイ) 別の実施形態において、増幅に基づくアッセイは、コピー数を測定するために
使用され得る。このような増幅に基づくアッセイにおいて、核酸配列は、増幅反
応(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))における鋳型として働く。定量
的増幅において、増幅産物の量は、もともとのサンプル中の鋳型の量に比例する
。適切な(例えば、健常組織)コントロールとの比較は、所望の標的核酸配列の
コピー数の測定を提供する。「定量的」増幅の方法は、当業者に公知である。例
えば、定量的PCRは、同時に、同じプライマーを使用してコントロール配列の
既知の量を同時増幅する工程を包含する。これは、PCR反応を較正するために
使用され得る内部標準を提供する。定量的PCRについての詳細なプロトコルは
、Innisら(1990)PCR Protocols、A Guide t
o Methods and Applications、Academic
Press,Inc.N.Y.において提供される。
【0073】 他の適切な増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)(WuおよびWall
ace(1989)Genomics 4:560、Landegrenら(1
988)Science 241:1077、およびBarringerら(1
990)Gene 89:117)、転写増幅(Kwohら(1989)Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173)、および自己保持
配列複製(Guatelliら(1990)Proc.Nat.Acad.Sc
i.USA 87:1874)が含まれるがこれに限定されない。
【0074】 (遺伝子発現の検出) 以下に示すように、多数の癌遺伝子が、本明細書に開示される増幅の領域中で
見出される。従って、癌遺伝子活性は、例えば、遺伝子転写物(例えば、mRN
A)のレベルを測定することによって、または翻訳されたタンパク質の量を測定
することによって、検出され得る。
【0075】 (遺伝子転写物の検出) 核酸ハイブリダイゼーション技術を用いて、遺伝子転写物を検出および/また
は定量する方法は、当業者に公知である(Sambrookら、前出を参照のこ
と)。例えば、ノーザン転写を使用して、所望のmRNAの検出のために直接的
に使用され得る。手短に言えば、例えば、酸グアニジウム−フェノール−クロロ
ホルム抽出法を用いて、mRNAが所定のタンパク質から単離される。次いで、
このmRNAは、mRNA種を分離するために電気泳動され、そしてそのmRN
Aは、ゲルからニトロセルロースメンブレンに転写される。サザンブロットを用
いる場合、標識されたプローブは、標的mRNAを同定および/または定量する
ために使用される。
【0076】 別の好ましい実施形態において、遺伝子転写物は、標的配列のコピー数を直接
的に評価するために、上記のような増幅(例えば、PCR)に基づく方法を用い
て測定され得る。
【0077】 (発現されたタンパク質の検出) 標的癌遺伝子(onocgene)の「活性」はまた、発現されたポリペプチ
ドを検出または定量することによって検出および/または定量され得る。このポ
リペプチドは、当業者に周知の多数の手段のいずれかによって検出および定量さ
れ得る。これらは、分析的な生化学的方法(例えば、電気泳動、キャピラリー電
気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(
TLC)、超拡散クロマトグラフィーなど)、または種々の免疫学的方法(例え
ば、液体またはゲルの沈降素反応、免疫拡散(一重または二重)、免疫電気泳動
法、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)
、免疫蛍光アッセイ、ウェスタンブロッティングなど)を含み得る。
【0078】 (診断的および予後的適用における使用のためのキット) 上記で示された、診断的、研究的、および治療的適用における使用のために、
キットもまた、本発明によって提供される。診断的および研究的適用において、
そのようなキットは、以下のいずれかまたはすべてを含み得る:標的配列ならび
に他のハイブリダイゼーションプローブおよび/またはプライマーを検出するた
めの、アッセイ試薬、緩衝液、核酸。治療的産物は、滅菌生理食塩水または別の
薬学的に受容可能な乳濁液および懸濁ベースを含み得る。
【0079】 さらに、このキットは、本発明の方法の実施についての指針(すなわち、プロ
トコル)を含む使用説明書を含み得る。この使用説明書は、代表的には、書かれ
たものまたは印刷されたものを含み得るが、そのようなものに限定されない。こ
のような使用説明書を保存し得、かつエンドユーザに使用説明書の情報を提供し
得る任意の媒体が、本発明によって意図される。このようなメディアには電子的
保存媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体
(例えば、CD−ROM)などが含まれるが、これらに限定されない。このよう
な媒体は、このような使用説明書を提供するインターネットサイトへのアドレス
を含み得る。
【0080】 (実施例) 本実施例は、末端部黒色腫における染色体異常の領域の検出を記載する。
【0081】 末端部黒色腫(AM)は、おそらく最も顕著な特徴を示す黒色腫の1つの型で
あり、この特徴は、皮膚黒色腫のより一般的な他の形態から末端部黒色腫を分け
る。これは、手掌、足底および爪下の皮膚において発症する(Arringto
n,J.H.dら、Am J Surg Pathol 1:131−343(
1977))。発症に好ましい部位は、日光への曝露をほとんど有さず、そして
厚い角質層によって紫外線放射(UV)から保護されている。このことにより、
(UV)は、AMの病因において役割を果たしていないようである。興味深いこ
とに、AMは、黒人の中で最も一般的な型の黒色腫である(Coleman,W
.P.d.ら、Arch.Dermatol 116:773−6(1980)
;Kukita,A.ら、J Invest Dermatol 92:21O
S−213S(1989))が、その全体の発生数は、すべての人種の群にわた
って同様であるらしい(Elwood,J.M.J Invest Derma
tol 92:214S−221S(1989))。比較的なゲノムハイブリダ
イゼーション(CGH)を使用する、無作為に選択した32の皮膚の初代黒色腫
の研究において(Kallioniemi,A.ら、Science 258:
818−21(1992))、遺伝子増幅は、黒色腫において低い頻度で発生す
るが、末端部黒色腫は、頻度の高い増幅を有するかもしれないことが注目された
(Bastian,B.C.ら、Cancer Res 58:2170−5(
1998))。ここで本発明者らは、末端部黒色腫が初代皮膚黒色腫の異なる型
を構成し、この黒色腫は、癌遺伝子を標的化する小さなゲノム領域の高頻度の高
レベルの増幅によって発現されるゲノムの不安定性の独特な型によって特徴付け
られることを実証する。
【0082】 (結果) (CGHを使用するAMおよびSSMの一組み合わせ分析(matched−
pair analysis)) 原発性皮膚黒色腫の無作為選択の本発明者らの最初の研究(Bastian,
B.C.ら、Cancer Res 58:2170−5(1998))は、小
さな染色体部分領域に関与する複数回高レベル増幅の存在による他の場合とは異
なるAMの単一の場合を含んだ。AMとSSM(黒色腫の最も頻繁な型)との間
の染色体異常のパターンにおける潜在的な違いを研究するために、本発明者らは
、全部で15対のこれらの2つの型の黒色腫を選択した。患者の年齢および腫瘍
の厚さによる任意の偏り(本発明者らは、以前に異常の総数に相関することを見
出した)を排除するために、両群は、年齢および腫瘍の厚さを調和した。AM群
における平均年齢および腫瘍の厚さは、72.2歳(44〜87歳の範囲)およ
び4.6mm(1.3〜14mmの範囲)であり、一方、SSM群においては、
70.8歳(40〜84歳の範囲)および5.0mm(1.2〜20mmの範囲
)であった。
【0083】 CGHによって検出された異常は、図1に要約した。2つの群の間の類似性は
、容易に明らかである。両群における最も頻繁な変化は、本発明者らの最新の発
見と一致した(Bastian,B.C.ら、Cancer Res 58:2
170−5(1998))。第9p染色体および第10q染色体の欠失は、それ
ぞれAMの10/15(67%)および7/15(47%)ならびにSSMの9
/15(60%)および7/15(47%)に存在した。対照的に、第7p染色
体、第5p染色体の獲得および第6q染色体の欠失を、AM群においてより頻繁
に見出した(それぞれ、53%対13%、33%対0%、および47%対7%)
。しかし、これらの違いは、総数39の比較(すなわち、全ての常染色体のアー
ム)を行った統計的に有意に与えられなかった。
【0084】 AMとSSMとの有意な違いを、両群における異常の総数および型を分析した
時に見出した。まず、表1に示したように、異常の総数は、先端部黒色腫におい
て有意により高かった。これは、獲得、欠失の真実であり、そして増幅で最も明
らかであった(定義のための方法を参照のこと)。全ての先端黒色腫は、少なく
とも1つの増幅を有したが、多くが、複数回増幅(平均1.9)であった。AM
群においては、AMにおける総数29回の増幅が、少なくとも14の分離遺伝子
座(separate loci)に関与した。最も頻繁に、増幅は第11q染
色体および第22q染色体に関与した。しかし、図1に示し得るように、染色体
領域5p15、5p13、12q13〜22、および16q21〜22を、1つ
より多くの腫瘍において増幅した。対照的に、2回のみの増幅を、SSMの完全
なセットにおいて見出した(2つの腫瘍の各々に1つ)。
【0085】
【表1】 (FISHによる増幅のインサイチュ検出) 増幅のコピー数および組織分布の情報を得るために、本発明者らは、CGHに
より増幅を示された腫瘍の組織切片上で二色(dual−color)FISH
を実行した。腫瘍の倍数性を、CGHによる正常なコピー数を有した領域のため
の参照プローブを使用することによって評価した。増幅をCGHによって検出し
た18の異なる遺伝子座を含む総数61のFISH測定を、17の状況において
実行した。
【0086】 FISHは、CGH比が染色体アームの部分領域について1.3を越える場合
、腫瘍がその遺伝子座では、非常に高いコピー数を含んでいることを示した。例
えば、2つの場合(AM61およびAM63)において、CGHは、腫瘍を示し
た:それぞれ1.5および1.3の染色体帯11q13での参照の比。FISH
シグナルの対応する平均数は、腫瘍内の位置に依存して、AM61においては6
〜20より多くのシグナルの範囲である11q13.2(RMC11p005)
にマッピングされるプローブで決定し、そしてAM63の場合において7のシグ
ナルで比較的安定であった。両方の場合において、参照プローブは、二倍体の核
型に近いこと(すなわち、切片の通常のケラチノサイトに類似のシグナルの総数
)を示した。FISHおよびCGHにより見出された明らかなコピー数の違いは
、2つの主要な因子のためである。まず、CGHは、分析される細胞の群内の配
列の平均コピー数を測定する。従って、正常細胞によるサンプルの汚染および腫
瘍内の増幅レベルの不均一性は、存在する高レベルを過小評価する比を生じる。
しかし、CGHはまた、増幅された領域が小さい場合、増幅のレベルを過小評価
する(Piper,J.ら、Cytometry 19:10−26(1995
))。これは、プローブがハイブリダイズする中期の染色体におけるDNAの複
合的なパッキングのためである。この後者の理由は、これらの測定においておそ
らく支配的な要因である。なぜなら、いくつかの場合においては、CGHピーク
の明らかな位置に基いて選択されたFISHプローブが、増幅された領域のピー
クを失うからである。これは、CGHによって第5p染色体および第6p染色体
の末端部分の増幅を有するAM104の場合によって例証される。核あたり1〜
2のシグナルを示す6p25−pter(RMC06B005)にマッピングさ
れるプローブは、このアンプリコンが、第6染色体の完全な末端p−アームに関
与しなかったことを示す。第5p染色体の末端アームをCGHにより同レベルま
で増幅し、そして第5p15染色体(RMC05B3326A)のプローブを用
いて核あたり平均10コピーを示した。
【0087】 ほとんどの場合、腫瘍内での増幅のレベルにおける限定的な不均一性があった
。新生物の放射状部分が存在した場合、その細胞は、侵襲な部分の細胞において
見出されるシグナル総数とは有意に異ならないシグナル総数を有した。1つの場
合のみ(AM51)、第7p21染色体(RMC07B3078A)および第1
2q14染色体(12B014)のプローブを用いてシグナルの核から核への高
いバリエーションを示した(すなわち、それぞれ、4〜40より多くおよび6〜
20より多くのシグナルのバリエーション)。この場合においては、12q14
プローブの高いコピー数を有する細胞は、腫瘍のより深い部分でより頻繁であっ
たが、7p21のシグナル数は、完全な腫瘍にわたって変化する。
【0088】 興味深いことには、単離されたAMのうち5つの場合において、高シグナル数
を有する細胞が、腫瘍の侵襲部分から5mmまでの表皮の基底層において検出さ
れ得る。4つの場合において、この発見は、わずかに拡大された高色素性の核を
組織学的に示された散在した単一のメラノサイトの存在に相関した。AM59の
場合は、第5q11.2−pter染色体、第11p15−pter染色体、お
よび第16q22−qter染色体に関与する増幅を有した。H−ras癌遺伝
子は、11p15アンプリコンの標的であるようであり、そして本発明者らは、
H−ras遺伝子(RMC11B022)を含む緑標識プローブを使用してFI
SHを実行した。CGHによって不変化した第11q染色体についての赤標識プ
ローブ(RMC11P014)を参照として使用した。10より多くの緑シグナ
ルおよび2〜3の参照シグナルを有する多くの単一細胞は、現存の腫瘍から5m
mの距離にわたって基底層において見られた。野生型および変異体(val−1
2)H−rasを検出する抗体での免疫染色は、この領域内でのメラノサイトに
よる強いH−ras発現を示した。標識した細胞に見られ得るように、異常な核
は有しなかった。この領域(増幅を有する細胞)の外側では、基底のメラノサイ
ト内のH−ras発現が、検出され得ないことを見出した。
【0089】 (H−rasの変異分析) H−rasは、おそらくAM59の場合の第11p15染色体の増幅の標的で
ある。この概念を支持するために、本発明者らは、配列分析によりH−rasの
コドン12、13および61の変異について調査した。本発明者らは、Gly1
2Cys変化を引き起こす34位でコドン12のG→T変異を見出した。野生型
配列は、検出されなかった。他の場合、情報の配列データは、22個の腫瘍(1
2AMおよび10SSMa)から得られた。AM61の場合は、Gln61Ar
g変化を引き起こすコドン61のヘテロ接合性のA→G変異を有した。残りの2
1個の場合は、野生型配列を有した。
【0090】 (AMインサイチュにおける増幅の検出) 全てのAMにおける増幅の発見およびFISHによるいくつかのAMのインサ
イチュ部分における増幅の実証は、増幅がAMの進行において初期に起ることを
示唆した。この事象において、これは、侵襲段階に進行しなかったAMにおける
増幅を見出すことを予期する。従って、本発明者らは、AMインサイチュの5つ
のさらなる場合を選択した。それらの障害は、CGHによって研究され得なかっ
た。なぜなら、これは、正常の細胞によって有意な汚染なしに十分な腫瘍細胞を
選択することは可能ではないからである。実際には、本発明者らは、侵襲AM(
すなわち、11q13)(RMC11P008)および22q12(RMC22
P004)において最も頻繁に増幅された領域のマーカーでFISHを使用した
。5つのAMインサイチュのうち3つは、11q13の増幅を示し、そして一つ
の場合は、22q12のさらなる増幅を有した。この増幅シグナルの平均数は、
1つの場合における6個から2つの他の場合における10個より多い範囲であっ
た。参照プローブは、上昇したコピー数を示さなかった。
【0091】 (考察) 本発明者らのデータは、皮膚黒色腫の他の型においてよりも末端部黒色腫(A
M)において遺伝子増幅の十分により高い頻度を実証する(100%対15%)
。他のヒト癌(例えば、神経膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、および乳癌)は、この
場合の50%までの増幅を有することを示した(Brodeur,G.M.ら(
Vogelstein,B.およびKinzler,K,W.編)(McGra
w−Hill,New York,1998))。他の癌における増幅は、わず
かな予後を示し得るので(Seeger,R.C.ら、N Engl J Me
d 313:1111−6(1985))、増幅は、ヒト癌における後期の事象
を示すと現在考えられている(Lengauer,C.ら、Nature 39
6:643−649(1998))。対照的に、AMインサイチュにおける増幅
の検出は、この癌型の進行における増幅の初期の発生を実証する。
【0092】 これまでに研究した16の全ての侵襲性AM(AMの指針症例を含む(Bas
tian,B.C.ら、Cancer Res 58:2170−5(1998
)))における染色体部分領域の少なくとも1つ(主にいくつか)ならびに5つ
のインサイチュAMの少なくとも3つの増幅の存在は、遺伝子増幅が、この癌に
おける基本的な役割を果たすことを示唆する。腫瘍形成において初期に起る特定
の欠損症が、メラノサイト形質転換において重要な遺伝子の増幅を引き起こすと
いう推測を導いている。頻繁な増幅は、従って、腫瘍の進行を誘導する染色体の
不活性化の新規の型を示し得る(結腸直腸癌における有糸分裂紡錘体チェックポ
イントの不活性化のための異数性に類似する)(Lengauer,C.ら、N
ature 386:623−7(1997))。この仮説の支持において、本
発明者らの場合におけるアンプリコンは、一般的にメラノサイトの増殖または細
胞の増殖の制御において確立された経路に属する遺伝子を頻繁に含むことは事実
である。最も頻繁に増幅される領域(11q13)は、線維芽細胞増殖因子(F
GF)3および4、ならびにサイクリンD1を含む。基本的なFGFは、周知で
あり、そしてメラノサイトのマイトジェンに非常に効果的であり(Halaba
n,R.ら、In Vitro Cell Dev Biol 23:47−5
2(1987))、そしてヒト黒色腫におけるオートクライン増殖因子として作
用し得る(Halaban,R.ら、Oncogene Res 3:177−
86(1988))。血小板由来増殖因子(PDGF)は、同様にオートクリン
マイトジェン特性を有し(Behl,C.ら、Biochem Bioshys
Res Commun 193:744−51(1993))、そしてPDG
FAおよびPDGFBは、本発明者らのAMにおいて頻繁に獲得または増幅され
る7p22および22q12−13の両領域に位置付けられることが示された。
黒色腫の別の強力な増殖因子であるエンドセリン−1(Yada,Yら、J B
iol Chem 266:18352−7(1991))は、共通に獲得され
る領域である6p23−34に位置付ける。他のアンプリコンは、これらの因子
(例えば、H−ras(1p13.2)、H−ras(11p15)、ならびに
細胞周期の正のレギュレーター(CDK4(12q14)、ETF4(16q2
2)およびサイクリンE(19q13))の可能性のある下流標的を保有する。
これらの関連およびアンプリコン内の変異H−rasの本発明者らの発見に基い
て、本発明者らは、他の増幅された領域が、無作為ゲノム「ノイズ」を示さない
ことを予測することが適切であると感じるが、黒色腫の発生において重要な遺伝
子を含むことを見出す。アンプリコンの構造のより高い分解図は、CGHのマッ
ピングされたクローンのマクロアレイへの使用により現在得られている(Pin
kel,D.ら、Nat.Genet.20:207−211(1998))。
【0093】 新生物メラノサイトが、表皮の基底層にのみ単一の単位として整列される、ほ
とんどの末端黒色腫は、放射状の増殖層を示す。このパターンは、黒子といわれ
、そしてSSMにおいて真皮表皮接合部(dermoepidrmal jun
ction)上の単一細胞のより頻繁な発見と対照的である。従って、AMはま
た、末端黒子黒色腫といわれる。しかし、全てのAMが、黒子増殖パターンを示
さず、そして実際にSSMおよび結節性黒色腫はまた、末端皮膚上に存在すると
いくらか考える(Feibleman,C.E.ら、Cancer 46:24
92−504(1980);Sondergaard,K.ら、Acta Pa
thol Microbiol Scand[A]88:275−83(198
0))。種々の型の黒色腫に関与する表皮内のパターン間の違いは、完全にほど
遠く、そしてAMおよび悪性黒子黒色腫は両方、小さな増殖および侵襲性の病巣
(focci)上の基底層上の細胞の領域をしばしば示す。この発見は、病理学
者は、光学顕微鏡により黒色腫の型を確実に分類することにおいていくつかの違
いを説明し得る。本発明者らのAMのうち12が、黒子放射状増殖期を有し、そ
して2つの場合において、放射状増殖期が、このような分類を可能にしないよう
にブロックに相当していなかった。1つの場合は、主に小さな放射状増殖期を有
した。増幅は、全てのAMにおいて見出され、増幅部表現型が、増殖パターンの
非依存性を示すことが示された。本シリーズの全てのAMの場合は、末端に位置
された;しかし、3つの増幅を有しなかった徴候の場合(Bastian,B.
C.ら、Cancer Res 58:2170−5(1998))は、指由来
の爪下黒色腫であった。これは、この増幅部表現型が、足底黒色腫(plant
ar melanoma)に限定されないことを示す。無毛皮膚上の存在は、A
Mの共通の特徴であるようであるが、さらなる研究が、それらのより完全な範囲
を定義する保証とされる。
【0094】 現在まで、明確に認識可能なAMの放射状腫瘍部分を越えた、わずかな異型性
を有するかまたは有さないメラニン形成細胞の数のわずかな増加が、インサイチ
ュメラノーマ(in−situ melanoma)または「活性化メラニン形
成細胞」を表すか否かについての議論が存在する(Mishima,Y.ら、P
athology 17:258〜65(1985))。FISHによる侵襲性
の腫瘍部分から5mmまでの単一のメラニン形成細胞の増殖についての本発明者
らの発見は、この現象が反応性の現象よりもむしろインサイチュで黒色腫を表す
ことを明らかに提案する。黒色腫は、正常な皮膚の縁とともに切り取られない場
合、局所的に再発する、十分に記載された傾向を有する(Day,C.L.,J
r.ら、J Dermatol Surg Oncol 9:797〜801(
1983))。FISHが、異型性の細胞が組織学的に明かである領域を越えて
異常な細胞をよく検出するので、これらの「衛星」細胞が再発の供給源を表す可
能性がある。この観察が黒色腫における切除縁のサイズについての議論の解決に
役立ち得るか否かを決定するためにさらなる研究が必要とされる(Heenan
,P.J.J Am Acad Dermatol 35:281〜2(199
6))。
【0095】 本発明者らのデータは、AMにおける染色体異常性のタイプにおける、他のタ
イプの黒色腫と比較した定性的な差異を示す。対照的に、染色体獲得および損失
の表示の全体のパターンが考慮される場合、AMおよびSSMは、差異よりも類
似性をより示す。5p、6q、および7pのような少数のゲノム領域は、異なる
頻度の関与を示した。異常性のパターンのこの類似性は、同じ経路/チェックポ
イントにおいて作動する遺伝子が黒色腫サブタイプにおいて冒されるが、異なる
遺伝子活性化のモードであることを示すとして解釈され得る。遺伝子増幅は、A
Mにおけるオンコジーン活性化の優性なモードであり得るが、他のタイプにおい
て、これは変異および再配列であり得る。サブタイプの腫瘍経過は、後に、共通
の最終経路に収束し得、一旦この疾患が転移する場合の黒色腫サブタイプの類似
の臨床的課程を説明する。この課程が正しい場合、AMにおける「増幅表現型」
は、黒色腫経過における生物学的に関連した遺伝子を同定するための独特の機会
を提供し得る。なぜなら、冒されたゲノム領域が、少量の増幅によって強調され
るからである。
【0096】 (材料および方法) (研究個体群) ALMの診断下で保管された15のケースを、the Department
of Dermatolocy,University of Wurzbu
rg、the Dermatopathology Section of t
he Departments of Patholocy and Derm
atology、およびthe Melanoma Center of th
e University of California, San Fran
ciscoの保管材料からランダムに選択した。2個の末端部黒色腫(AM)が
足指由来であり、10個が足の裏由来であり、そして3個がさらなる詳細のない
足由来であった。組織学によって、12個のAMが、末端部黒子タイプであり、
2個のAMが腫瘍の放射状部分がサンプルに表されなかったので分類不可能であ
り、1個のAMがSSMと重なる特徴を有した。コントロールとして、患者の年
齢(±5才)および腫瘍厚さ(<1.5mm、1.5〜4.0mmおよび>4.
0mm)について一致させ、そしてSSMとして保管された15のケースを回収
した。組織学的再評価によって、全ての15個のコントロールにおいてSSMの
典型的な特徴を示した。重篤な慢性の太陽による損傷を示す有意な日光弾力線維
症を有する腫瘍は無かった。
【0097】 AMインサイチュの分析について、5個の腫瘍をSan Francisco
のthe University of Californiaのthe Me
lanoma Centerのデータベースから選択した。
【0098】 (比較ゲノムハイブリダイゼーション) DNA抽出。30μmのセクションをパラフィンブロックから切り出し、H&
Eのために5セクションごとに5μmで切り出した。染色されていない30μm
のセクションをガラススライド上に置き、目的の領域を脱パラフィンすることな
く、顕微解剖した。顕微解剖を解剖顕微鏡下で手動で実施した。腫瘍の大きさに
依存して、3〜20の染色していないセクションを使用し、そして高密度の腫瘍
細胞を有する領域を正常な細胞から分離した。解剖された腫瘍部分をチューブに
おいて回収し、キシレンおよびエタノールで洗浄することによって脱パラフィン
した。DNA抽出および標識化を、Isolaら、9Isola、J.ら、Am
J Pathol 145:1301〜8(1994)によって公開されるよ
うに実施した。手短には、組織を、プロテイナーゼK(Life Techno
logy,Inc.,Gaithersburg,MD)を用いて、50mM
Tris pH8.5、1mM EDTA、0.5% Tween 20緩衝液
中で完全に消化する(3日)までインキュベートした。DNAをフェノール−ク
ロロホルム−イソアミルアルコール(25:24:1、v/v)で抽出し、7.
5m 酢酸アンモニウムおよび100%エタノールで沈澱させ、そして水中で再
懸濁させた。得られたDNAの量は、2〜12μgの範囲であった。
【0099】 CGH。全ての腫瘍をフルオレセイン−12−dUTP(Dupont In
c.,Boston,MA)で標識された腫瘍DNA、およびTexas re
d−5−dUTP(「標準」標識)で標識された参照DNAと、逆にして標識し
たDNAとの両方で測定した。ニックトランスレーションによって標識を実施し
た。ニックトランスレーション条件は、標識後のプローブフラグメントサイズが
800bpと1500bpの間の範囲であるように調節した。ハイブリダイゼー
ション混合物は、10μlハイブリダイゼーション緩衝液(50%ホルムアルデ
ヒド、10%デキストラン硫酸、および2×SSC、pH7.0)中に溶解した
、200〜1000ngの標識腫瘍DNA、末梢血リンパ球由来の200ngの
逆標識標準ヒト参照DNA、および25 3c、ヒトCot−1 DNA (L
ife Technologies,Inc.,Gaithersburg,M
D)からなった。ハイブリダイゼーションを2〜3日間37℃で正常中期まで実
施した(Kallionlemi,A.ら,Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.91:2156〜60(1994))。全てのサンプルを単
一のバッチの中期スライドを用いて調査した。スライドを洗浄溶液(2×SSC
中の50%ホルムアルデヒド、pH)で3回、PN緩衝液(0.1M NaH2
PO4、0.1M Na2FIPO4、および0.1%Nonidet P40、
pH8.0)中で1回、そして蒸留水(ともに10分間室温で)中で1回、洗浄
した。ハイブリダイゼーション後、スライドを抗退色(anti−fade)溶
液中の4,6−ジアミノ−2−フェニルインドールで対比染色した。ハイブリダ
イゼーションの質を、以前に公開された(Bastian,B.C.ら,Can
cer Res 58:2170〜5(1998))のように評価した。デジタ
ル画像を標準蛍光顕微鏡上でCCDカメラ(Microimager 1400
,Xiliix Technologies,Vancouver,Briti
sh Columbia,Canada)を用いて5個の中期から集めた。各染
色体に沿った平均腫瘍/参照蛍光比を、カスタムCGH分析ソフトウェアを用い
て計算した。各常染色体の少なくとも4個のコピーで測定を行った。
【0100】 コントロールおよび閾値の定義。正常なDNAおよび既知の異常を有する腫瘍
細胞株由来のDNAを、コントロールとして使用した。本発明者は、1)標準標
識または逆標識のいずれかが、<0.80または>1.2の腫瘍/参照蛍光比を
生じた場合、あるいは2)標準標識と逆標識の両方が、<0.85または>1.
15の腫瘍:参照蛍光比を生じた場合、領域を異常としてみなした。
【0101】 (蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)) 二重色(dual−color)FISHを、CGHによる増幅を示した腫瘍
の組織セクション上で行った。増幅領域にマッピングするプローブおよびCGH
分析によって変化しない領域に対する参照プローブを、Laboratorie
s resource(http://rmc−www.lbl.gov)から
選択した。プローブを、ニックトランスレーションにより、Cy3(Amers
ham,Arlincton Heights,IL)またはDigoxige
nin(Boehringer Mannheim,Indianapolis
IN)を用いて標識した。6μmのセクションを正に荷電したガラススライド
(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)上に載
せ、脱パラフィンし、そして減少する濃度のエタノールによって水和させた。セ
クションを、1Mチオシアン酸ナトリウム中80℃で2〜4分間、0.2N H
Cl中の4mg/ml Pepsin中37℃で4〜8分間インキュベートし、
増加する濃度のエタノールで脱水し、そして空気乾燥した。スライドを70%ホ
ルムアミド、2×SSC pH7.0中5分間72℃で変性させ、勾配をつけた
一連のエタノールで脱水した。2.5〜25ngのそれぞれの標識プローブを、
20μg Cot−1 DNA(Life Technologies,Inc
.,Gaithersburg,MD)とともに、10μlのハイブリダイゼー
ション緩衝液(50%ホルムアミド、10%デキストラン硫酸、および2×SS
C、pH7.0)中に溶解させ、10分間72℃で変性させた。ハイブリダイゼ
ーションを48〜72時間37℃で行った。スライドを、洗浄溶液(2×SSC
中の50%ホルムアミド、pH7.0)中45℃で3回、2×SSC中45℃で
1回、2×SSC中室温(RT)で1回、そして4×SSC中の0.1% Tr
itonX100中室温で1回、洗浄した。引き続いて、セクションを37℃で
湿室中、4×SSC中の10%BSAでインキュベートし、次いで、10%BS
Aを有する4×SSC中で希釈されたFITC標識抗ジゴキシゲニン抗体(Bo
ehringer Mannheim,Indianapolis IN)でイ
ンキュベートした。セクションを抗退色溶液中、4,6−ジアミノ−2−フェニ
ルインドール(Sigma,St.Louis,MS)で対比染色した。
【0102】 全ての実験において、病巣に隣接した表皮のケラチノサイトを、内部コントロ
ールとして使用した。ハイブリダイゼーションを6μmの厚さのセクション上で
行った場合、多くの核は、スライド中には完全には提示されなかった。ハイブリ
ダイゼーションシグナルをカウントするために、本発明者らは、顕微鏡の焦点が
わずかに変化した場合に最小に切断されたように見える核を選択した。ケラチノ
サイト中の核シグナルカウントは、平均値1.6〜1.9の範囲であった。その
範囲内の平均シグナルカウントを有した腫瘍細胞を、近接二倍体と見なした (増幅の定義) CGH測定に基づいて、領域は、染色体アームの別個のセグメントの腫瘍/参
照比が1.5を越えた場合、または比の高さが染色体アームの鋭く区別されたセ
グメントを強調した場合、増幅した呼ばれた。大部分の場合において、両方の基
準は満たされが、いくつかの腫瘍において、増幅された染色体セグメントは、狭
すぎて、>1.5の比を生じることができなかった。ALM群のいくつかの腫瘍
は、全染色体を含む、1.5の腫瘍/参照比を越えるコピー数の増加を有した。
これらの変化は、増幅とみなさなかった。
【0103】 FISH実験に基づいて、参照プローブの平均シグナル数の少なくとも三倍を
示す領域を、増幅したと呼んだ。
【0104】 (免疫組織化学) ヒトc−H−rasの免疫染色を、色原体としてジアミノベンジジンを使用す
るアビジン−ビオチン免疫ペルオキシダーゼ法を用いる標準的な手順に従って、
組換えc−H−ras(val−12)(Dako Corp.,Calpin
teria,CA,Code No.M637,希釈1:100)に対するマウ
スモノクローナル抗体を使用して実施した。
【0105】 (DNA配列分析) H−rasコドン12プライマーは、5’AGGAGACCCTGTAGGA
GGA−3’(順)および5’−CGCTAGGCTCACCTCTATAGT
G−3’(逆)であり、そしてコドン61プライマーは、5’−CTGCAGG
ATTCCTACCGGA−3’および5’−ACTTGGTGTTGTTGA
TGGCA−3’であった。PCRを、Gene Amp PCR Syste
m 9700 Thermal Cycler (Perkin Elmer)
中、25μlの反応体積で実施した。各PCR反応は、3.5mMのMgCl2
、0.2mMのdNTP、0.625U Taq Gold Polymera
se(Perkin Elmer)、1×PCR Buffer II、それぞ
れ0.5μMの順プライマーおよび逆プライマー(forward and r
everse primer)、ならびに50〜300ngのゲノムDNAを含
んだ。PCRサイクル条件は、以下の通りであった:95℃15分間、続く35
サイクルの95℃15秒間、55℃30秒間、そして72℃で60秒間、そして
72℃で10分間の最終維持。
【0106】 配列決定の前に、PCR産物をPCR産物Presequencingキット
(Amersham,Arlington Heights,IL)を使用して
精製し、過剰のプライマーおよびヌクレオチドを除去した。蛍光DNA配列決定
を、Big Dye dye terminator sequencing
chemistry(PE Applied Biosystems)を使用し
て実施した。手短には、30〜50ngの精製PCR産物および3.2ピコモル
の配列決定プライマーを製造業者の指示に従って15μl反応物中で配列決定す
るために使用した。配列決定産物を、Sephadex G50カラムを使用し
て精製し、減圧濃縮器で乾燥し、3μlのゲル充填緩衝液(83%脱イオン化ホ
ルムアミド、17%ゲル充填色素)(PE Applied Biosyste
ms)中で再懸濁させた。次いで、0.5μlのサンプルをABI自動DNAシ
ークエンサーの変性配列ゲルに充填した。データをPE Applied Bi
osystemsからのSequnce Analysis3.0ソフトウェア
を使用して分析し、全てのサンプルを順方向および逆方向の両方で配列決定し、
変異の存在/非存在を確かめた。
【0107】 本明細書中に記載される実施例および実施形態が例示の目的のみのためであり
、それらを考慮して種々の改変または変化が当業者に提案され、そして本出願お
よび添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれることが理解される。本
明細書中に引用される全ての出版物、特許、および特許出願は、全ての目的につ
いてその全体において参考として本明細書によって援用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、CGHにより検出される15 AMおよび15 SSMのDNA配列
コピー数の変化の染色体局在化を示す。染色体イデオグラムの右側のラインはゲ
インを表し、左側のラインは、欠損を表す。太いラインは増幅を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピンクル, ダニエル アメリカ合衆国 カリフォルニア 94595, ウォールナット クリーク, マンザニ タ コート 31 Fターム(参考) 4B024 AA12 BA80 CA01 CA04 CA09 CA11 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ08 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR56 QR62 QR82 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者由来のサンプルにおける前悪性のメラノサイトの存在を
    スクリーニングする方法であって、該方法は、以下: 黒色腫細胞において増幅され、そして11p15、11q13、22q12、
    7p、6p、1q、12q14、および5pからなる群から選択される、染色体
    領域における標的ポリヌクレオチド配列に対して選択的に結合するプローブと、
    患者由来の核酸サンプルを接触する工程であって、ここで該プローブが、該標的
    ポリヌクレオチド配列と選択的に結合し、安定なハイブリダイゼーション複合体
    を形成する条件下で、サンプルと接触される、工程;および ハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記核酸サンプルが中期スプレッドまたは間期核である、請
    求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記核酸サンプルが前記患者の黒色腫病巣に隣接する形態学
    的に正常な細胞由来である、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記プローブが標識される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記標識が蛍光標識である、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記蛍光標識がFITCである、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記プローブがジゴキシゲニンまたはビオチンを用いて標識
    される、請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記標識が直接標識である、請求項4に記載の方法。
  9. 【請求項9】 第2染色体領域に対する参照プローブと、前記サンプルを接
    触する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第2染色体領域がセントロメアである、請求項3に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第2プローブが、前記標的ポリヌクレオチド配列に対
    して選択的にハイブリダイズするプローブ上の前記標識とは区別できる蛍光標識
    を用いて標識される、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記ハイブリダイゼーション複合体を検出する工程が、前
    記標的ポリヌクレオチド配列のコピー数を決定する工程を包含する、請求項1に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 核酸の第1および第2コレクションにおいて、反復配列の
    ハイブリダイゼーション能力をブロックする工程をさらに包含する、請求項1に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 反復配列を含む、非標識の、ブロックしている核酸がサン
    プルと接触される、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記非標識の、ブロックしている核酸がCot−1 DN
    Aである、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 プローブが固体基板に結合される、請求項1に記載の方法
  17. 【請求項17】 前記プローブがアレイのメンバーである、請求項16に記
    載の方法。
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