JP2000516916A - 少なくとも1つの核酸を含有する組成物 - Google Patents

少なくとも1つの核酸を含有する組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1つの核酸を含有しその少なくとも一部分が多重ラメラ小胞に内包されている組成物であって、上記小胞は、少なくとも1つの界面活性剤からなる二重層より構成されるものであり、上記二重層は、同心円状であって、かつ、上記小胞に玉ねぎ様構造を付与するものである組成物に関する。用いる界面活性剤は、非カチオン性界面活性剤である。本発明は、特に、遺伝子治療並びに生体外及び生体内トランスフェクションに関する医薬品での上記組成物の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】少なくとも1つの核酸を含有する組成物 本発明は、少なくとも1つの核酸を含有する新規の組成物、及び、生体医療の 分野、特に遺伝子治療におけるその使用に関する。 80年代の終わりに至るまで、生体医療の分野、より詳細には遺伝子治療の観 点からのリポソームの使用は、余り期待できるように思われていなかった。トラ ンスフェクション(真核細胞による原核又は真核細胞の遺伝子の翻訳及び発現) 、特に一時的なそれの結果は、比較的平凡なものであった。外因性ウイルスのエ ンベロープに依存した結果、多数の生体外細胞系を用いた遺伝子輸送が著しく増 加することとなった。しかしながら、人間の治療や動物の治療におけるそれの使 用は、それらが有する潜在的な医原性の危険という問題を提起することは確実で ある。ここ最近の10年間の終わりにかけて、カチオン性界面活性剤の使用がト ランスフェクションの結果をかなり向上させることが明らかになった。これ以来 、カチオン性ベクターの使用に関係したある種の問題にもかかわらず、数多くの 製剤が提案されており、そのうちのいくつかは特許を付与され市販されている。 一般に、三種類の非ウイルス性ベクターが用いられている: −カチオン性ポリマー、 −細胞の受容体と結合したカチオン性タンパク質から構成される生化学的ベク ター、 −リポソームと関係するか又は関係しないカチオン性脂質。 これらのベクターは全てカチオン性化合物からなるものである。 このようなベクターの使用は、特に、下記の文献に記載されている。 J.P.Behrら、Proc.Nat.Ac.Scienc.、86巻、6 982頁、1989年 M.Cotten及びWagner、Curr.Opin.Cell Bio l.、4巻、705頁、1993年 J.Haensler及びF.C.Szoka、Bioconjug.Che m.、4巻、372頁、1993年 C.P.Hodgson、Bio Technology、13巻、222頁 、 1995年 F.D.Ledley、Hum.Gene Ther.、6巻、1129頁、 1995年 J.S.Remyら、Proc.Nat.Ac.Scienc.、92巻、1 744頁、1995年 V.S.Trubettskoyら、Biochem.Biophys,Ac ta、1131巻、311頁、1992年 カチオン性ベクターの使用から2つの本質的な問題が生じる: 1−これらの界面活性剤は一般に細胞毒性を有するものであり、この毒性を低減 するためにある特定の化合物を開発したとしても、この問題は完全に解決される ものではない、 2−これらのベクターはその電荷のために、タンパク質、例えば、血清中に存在 するタンパク質や、細胞壁と非常に強く相互作用するので、その使用を生体内で 試みることができない。従って、これらは注入箇所付近の細胞に速やかに付着し 、その全身拡散を減少させる。 以上が、これらのベクターが、遺伝子輸送において、培養中の細胞という生体 外で優先的に使用される理由である。 リポソームが、リン脂質化合物からなる1以上の二重層によって外部媒体から 分け隔てられた水性の核からなるコロイド構造であることはよく知られている。 化粧学又は薬理学におけるこれの利用は、1960年代に発見されて以来、これ らのベクターの多数の使用を記載する数多くの特許の対象となっている。 利用の観点からは、単独の二重層からなるリポソーム、「多重層小胞(Mul ti−layered Vesicles)」に対応するMLVという略字で呼 ばれることが多い、いくつかの二重層からなるリポソームが、非常に早くから、 際立っている。多重層小胞は、大きさが余り制御されておらず、一般に、マイク ロメートルよりもはるかに大きい。単ラメラ小胞のなかでは、「小さな単ラメラ 小胞(Small uni−lamellar vesicles)」に対応す るSUVという略字で呼ばれることが多い、大きさが100〜300nmを超え ない小さな小胞が、「大きな単ラメラ小胞(Large uni−lamell ar vesicles)」に対応するLUVという略字で呼ばれることが多い 、大きさが数十マイクロメートルに達することもある大きな小胞と区別されてい る。 その実際的な大きさの観点から、多重ラメラ小胞(MLV)は医療分野ではわ ずかに利用されているにすぎない。実際、大きさがマイクロメートルよりも大き い粒子が血液の循環に入り込むことで生じる塞栓症の危険性のために、静脈注射 でこれを使用することは不可能である。また、大きすぎるサイズのためにこの小 胞は組織障壁を通過することができないので、これを筋内注射又は皮下注射する と血液中に存在することになる。更には、完全に制御された方法でMLVを製造 することの可能な、実際に効率的な方法が存在しない。ほとんどの利用は、生体 治療での使用に必要な安全性及び均一性の基準を満たしたSUVに関して展開さ れている。 界面活性剤、通常は脂質界面活性剤に基づいた小胞への核酸のカプセル封入に ついても文献に既に記載されている。現在までに記載された全ての小胞は、脂質 核を取り囲む界面活性剤のいくつかの層を有するという事実が共通している。こ のような小胞として、特に、特許US4394448号及びWO−95/164 37号に記載されている。 薬剤のベクター化におけるリポソームの使用又は遺伝子治療におけるその使用 で実用上の問題の1つは、効率的にカプセル封入された原料水溶液の割合がまれ に30%を超えるだけであるという事実に起因する低収率という問題である。ま た、一般に次に行う方法は、その製造方法で用いた有機溶媒を蒸発させる工程が 必要となる。更には、実験結果が非常に期待外れであることが明らかになった。 実際に、脂質小胞、又は、DNAを含むカチオン性複合体を細胞に導入するた めに一般的に受け入れられている方法は、エンドサイトーシスの機構を通過する ものである。細胞質では、侵入を果たした物体は、侵入したいかなる遺伝性物質 をも分解しうるDNAse等の酵素を含有するエンドソームに取り込まれる。リ ポソームは、水性の核を取り囲む脂質膜が数少ないために、エンドソームのヌク レアーゼ及びプロテアーゼの分解的作用に抵抗しうるほどの充分な保護を与えな い。このため、細胞質に効率よく侵入したとしても、リポソームはDNAを低い 割合で核酸に到達させることができるにすぎない。 従って、生体内での使用に適応しうる合成ベクターの開発は重要不可欠のこと であり、また、人間及び/又は動物の遺伝子治療に応用することが可能な化合物 のための有効なベクターが現在は存在しないことから、その開発はなおさら重要 である。ウイルスのエンベロープのみが、人間又は動物への応用に適応しうるト ランスフェクションにおいて有効性を発揮している。 リポソームタイプの小胞又は少層ラメラ小胞は、いずれも、水性の核を取り囲 む1以上のラメラ相から構成されていなければならない。この種類の小胞以外で は、「玉ねぎ」構造として知られる構造を有し、かつ、その中心から表面に至る まで、液状の媒体によって分け隔てられたラメラ層の連続から構成されるという 点で、上述のものとは構造的に異なる多重ラメラ小胞も知られている。これらの 小胞は、液晶ラメラ相の製造、及び、剪断力を使用することによるそれの転換か らなる方法によって得ることができる。この方法は、特に、フランス特許FR− 2689418号を基礎とする特許WO93/19735号、又は、ここで引例 として先に述べたWO95/18601号に記載されている。 フランス特許FR−2689418号によれば、上記転換は、液晶層の均一的 剪断工程において行うことができ、これによって、大きさが制御されたマイクロ カプセルとして知られる小胞が得られる。しかしながら、液晶ラメラ相の組成を 調整することで、特に、その組成に配合する界面活性剤の性質を調整することで この液晶相の小胞への転換は、単純な機械的操作、特に構成成分の混合で達成す ることができる。 本発明者らが行った研究では、上述した技術を使用することによって、非カチ オン性のものであって、DNAをカプセル封入し、保護し、細胞に輸送すること が可能な小さいサイズの新規の多重ラメラベクターを開発することができ、これ が高いカプセル封入効率をもって、極めて簡単に製造できることを見出した。 他の利点は、本発明の組成物の製造で用いる化合物が全て市販されているとい う点である。 本発明の組成物の製造を可能にした方法の他の利点は、多くの種類の界面活性 剤を用いることが可能な点である。 他の利点によれば、本発明は、おそらくはその特異的な構造のために、外部か らの攻撃、特に酵素の攻撃から核酸を保護することが可能な小胞を提供する。こ の点については実施例1で例示する。このことは、リポソームと比較して、また 、おそらくはエンドソーム等に存在するDNAseの作用からDNAを保護する ことができないためにトランスフェクションにおいて余り有効なものではない古 典的な少層ラメラ小胞と比較して、明白な利点を構成する。本発明の技術力は、 一部には、このようなヌクレアーゼからの核酸の保護に起因する。これ以外で本 発明者らの現状の知識である程度の説明ができるものとして、多重ラメラ小胞の 第一層がエンドソームにおける酵素作用で効率よく破壊されるが、エンドソーム が破裂しても、充分な量のカプセル封入されたDNAが残留し、細胞質にこのD NAを放出させ、こうして核に到達することが可能になるものと思われる。また 、本発明の小胞内における界面活性剤の高濃度は、放出された界面活性剤の、エ ンドソームの壁に対する作用によって、上記第一層が浸食される間に、エンドソ ームの不安定化を高めることにもなろう。 その利点の他のものによれば、本発明は、必要であれば、その組成に、カチオ ン性の化合物を配合することができる。この化合物は、トランスフェクションに おけるその重要性が既に良く知られているものであり、本発明の組成物における これ以外の成分が上記化合物のカチオン性を遮蔽することができるので、生体内 の利用分野において使用することが可能である。従って、本発明は、更に、トラ ンスフェクションにおけるその使用が知られているカチオン性化合物の有効性を 向上させ、その毒性を低減する手段を提供するものである。実際、用いられるほ とんどのカチオン性化合物が細胞毒性を有するが、この細胞毒性はこれらの化合 物をカプセル封入することで低減することができ、このことは本発明の更なる利 点を構成する。 他の利点は、以下の記載及び実施例から明らかになり、これらから、このタイ プのベクターが上述した全ての課題を実質的に克服することができるものであり 、また、生体内で用いることができる界面活性剤に基づいた小胞という形態の小 胞を初めて提供できるものであることが分かるであろう。 本発明は、その本質的な特徴のひとつによれば、少なくとも1つの核酸を含有 しその少なくとも一部分が多重ラメラ小胞の内部に含まれている組成物であって 、 上記小胞は、少なくとも1つの界面活性剤からなる二重層より構成されるもので あり、上記二重層は、同心円状であって、かつ、上記小胞に玉ねぎ構造を付与す るものである組成物に関する。 「玉ねぎ」構造とは、実質的に球形の小胞が、上述したように、この小胞の中 心から表面に至るまで、同心状の二重層の連続から構成されるものである多重ラ メラ構造を意味するものとして理解されるものであり、このことから、このよう な構造を表現するため、アナロジーとして、玉ねぎ構造という名称が用いられて いる。 このような構造は、少なくとも1つの界面活性剤からなる液晶ラメラ相に、少 なくとも1つの核酸を配合し、次いで、このラメラ液晶相を小さな多重ラメラ小 胞の密な層に転換させることによって好適に得られる。 すなわち、本発明の他の本質的な特徴によれば、本発明は、上述したような、 少なくとも1つの核酸を含有する組成物の製造方法に関するものであり、この方 法によれば、上記核酸を配合するラメラ液晶相を製造し、上記液晶相の多重ラメ ラ小胞への再配列が、剪断力を利用することにより行われる。 上記剪断力は均一的な剪断力であってもよく、これには、大きさが完全に均一 な小胞が得られるという利点がある。しかしながら、単純な機械攪拌でも、本発 明の多重ラメラ小胞を形成させるのに充分であることが分かるであろう。 また別の特徴によれば、本発明は、上記方法によって得ることができる製品に 関する。 フランス特許FR−2689418号によれば、上記転換は、液晶層の剪断と いう均一的な工程でなすことができ、これによって、大きさが制御された小胞又 はマイクロカプセルを得ることができる。しかしながら、液晶ラメラ相の形成を 調節することで、特に、その組成に配合する界面活性剤の性質を調節することで 、この液晶相の小胞への転換は、単純な機械操作、特に、構成成分の混合で達成 することができる。 その組成は、好ましくは、界面活性剤の混合物を含む。一般には、相異なる親 水性親油性バランスを有する少なくとも2つの別種の界面活性剤が用いられ、こ のことによって、二重層の性質を連続的に規制することが可能になり、多重ラメ ラ小胞の形成を支配する不安定性の出現を制御することが可能になる。 ある好適な態様によれば、本発明の組成物を構成する小胞は、1μm未満、好 ましくは0.1〜1μmの範囲の大きさを持つ。 本発明の他の好適な態様によれば、小胞の二重層を構成する界面活性剤は、非 カチオン性界面活性剤であり、このことは、既に記載したように、カチオン性化 合物を利用する先行技術の組成物を上回る大きな利点を有する。 ある好適な態様によれば、本発明の組成物に含有される小胞の膜は、好ましく は、 −水素化された又は水素化されていないリン脂質、 −酸、又は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアミン塩の形態を採 る、飽和の又はモノ−若しくはポリ不飽和の、直鎖状又は分枝状のC6〜C18の 脂肪酸、 −上記脂肪酸と ・ショ糖の ・ソルビタンの ・マンニトールの ・グリセロール又はポリグリセロールの ・グリコールの エトキシ化された又はエトキシ化されていないエステル、 −上記脂肪酸のモノ−、ジ−若しくはトリグリセリド又はグリセリドの混合物 −飽和の又はモノ−若しくはポリ不飽和の、直鎖状又は分枝状のC6〜C18の脂 肪アルコール、 −上記脂肪アルコールと ・ショ糖の ・ソルビタンの ・マンニトールの ・グリセロール又はポリグリセロールの ・グリコールの エトキシ化された又はエトキシ化されていないエステル、 −水素化された又は水素化されていないポリエトキシ化植物油、 −ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックポリマー[ポロキサマ ー(poloxamer)]、 −ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート、 −コレステロール又はシトステロール等のステロール骨格のアルコール からなる群より選択された少なくとも1つの界面活性剤を含有する。 ある好適な態様によれば、小胞の二重層の組成に配合される界面活性剤は、非 カチオン性界面活性剤から構成される。 選択された界面活性剤、特に上掲の界面活性剤は、投与形態に応じて医薬用使 用のため、法律で許可された界面活性剤の分類から好適に選択される。 比較的異なる性質を有する2つの界面活性剤は、上述した界面活性剤、特に相 異なる親水性親油性バランス(HLB)を有する界面活性剤から好適に選択する ことができる。第一の界面活性剤は、1〜6の範囲の親水性親油性バランスを有 することが好ましく、第二の界面活性剤は、3〜15の範囲の親水性親油性バラ ンスを有する。 上で述べたように、多重ラメラ小胞の大きさのより良い制御は、フランス特許 2689418号に従って実行することで達成することができる。 液晶ラメラ相を多重ラメラ小胞に転換した後に得られた調製品を、特に水性溶 媒で希釈することにより、小胞の水性懸濁液を得てもよい。 上述したように、現在まで知られている核酸ベクター、特にリポソームタイプ のベクターの欠点の1つは、カプセル化率が30%を超えることがほとんどない という点である。本発明による小胞の製造で用いられる方法では、これ自身で、 およそ100%にもなりうるカプセル化率を達成することが可能になる。しかし ながら、このようなカプセル化率は、本発明の小胞の特殊な構造のために高い活 性が得られることを考慮すれば、必ずしも必要でないことが分かる。 従って、本発明の組成物における核酸のカプセル化率は、少なくとも10%で あることが好適であり、少なくとも40%であることが好ましいが、60〜10 0%の範囲にあることもでき、このことは先行技術の方法と比較して更なる利点 に値する。 少なくとも1つの核酸を含む小胞を含有する本発明の組成物は、特に細胞系を 形質転換させるために、特に1以上の遺伝子の発現を不死化又は修飾させるため に、生体外の利用分野で用いてもよい。 本発明は、核酸のベクター化を行う手段を提供するものであり、生体外と同様 に、生体内でもこのベクター化を実施することが可能である。 これらの小胞は、また、遺伝子治療で用いることが可能な医薬用組成物の製造 において用いることもできる。 本発明の小胞に含まれていてもよい核酸の例として、DNA又はDNA由来の ヌクレオチド配列を挙げることができる。 上記小胞は、また、特定の遺伝子又はこの遺伝手由来の配列、より具体的には 所定のタンパク質をコードする配列を含んでいてもよい。 本発明の組成物は、また、上記小胞に、RNA又はRNA由来のヌクレオチド 配列を含んでいてもよい。 他の態様によれば、上記小胞にオリゴヌクレオチドも含まれていてよく、この オリゴヌクレオチドはセンス型のものであってよく、及び/又は、アンチセンス 型のものであってもよい。 本発明の小胞は、大きさが1μm未満であることが好ましく、0.1〜1μm の範囲にあることがより好ましい。特許FR−2689418号又はWO/FR 93/19735号の方法によれば、この大きさは、液晶相に対して均一な剪断 力をかけることによって制御し限定することができるであろう。 本発明の特に興味深い態様によれば、特に、核酸の活性条件を向上させること 、又は、カプセル封入した化合物に補足的な機能を付与することを目的として、 各種の化合物を上記核酸とともにカプセル封入することが可能である。 このような組成物は、核酸とともにカプセル封入したい化合物を液晶層に配合 し、上述した方法によって製造することが可能である。 核酸とともに好適にカプセル封入することができる化合物としては、特に、核 酸とある種の複合体を形成して、核酸鎖の「折りたたみ」を促進し、このことが ヌクレアーゼの存在下におけるその安定性を高めるような「凝集剤」タイプの化 合物を挙げることができる。 ヒストンはタンパク質であって、DNAを凝集するために自然な状態で核内に 存在するものであり、凝集剤の好ましい例として挙げることができる。ヒストン は、完全にDNAと結合した状態にあるという特殊性を有しており、このことか ら、多数のゲノム反応で重要な役割を果たすことができる。少なくとも1つの核 酸、特にDNAとともに好適にカプセル封入できるヒストンとしては、ヌクレオ ソームヒストンとして知られるヒストンであって、ヌクレオソームの中にDNA を折りたたむ役割を有するもの、より具体的にはヒストンH2A、H2B、H3 及びH4、並びに、ヌクレオソームでのDNAの複製に直接的には関与しないが ヌクレオソームの折りたたみには関与するヒストンH1を挙げることができる。 DNA1μgあたり全タンパク質で1μgという割合で用いられる、ヒストンH 1、H2A、H2B、H3及びH4の混合物(仔牛の胸腺由来)の使用は、最大 のカプセル封入率をもって、本発明の小胞にDNA50μgを凝集することを可 能にした。 本発明の他の態様によれば、各種の酵素、特に組込み酵素、組換え酵素、又は 、トポイソメラーゼ若しくはヘリカーゼ等の、カプセル封入された核酸の複製を 最適化するための酵素が、本発明の多重ラメラ小胞に、好適にカプセル封入され る。 従って、本発明のある態様によれば、細胞に導入された遺伝子を宿主細胞にお いて発現させることを可能にし、とりわけ、導入された遺伝子がもたらす機能を 保持する嬢細胞系を与えるために、ゲノムの組み込みを可能にするという機能を 有する組込み酵素を、多重ラメラ小胞にカプセル封入することができる。現在ま では、DNAベクターとしてレトロウイルスの使用のみが、宿主細胞へのウイル スゲノムの組み込みを経て、遺伝子の安定かつ効率的な輸送を可能にした。しか しながら、生体医療の分野においてレトロウイルスの使用に関連する全ての問題 を無視することができるわけではない。従って、本発明の技術力は、DNAとと もに、タンパク質、特に、上記組込みを可能にする酵素(この酵素は「組み込み 酵素」といわれる)をカプセル封入することができるという点である。従って、 DNA、及び、その組み込みに必要なツールを、同一のベクターで運搬すること ができる。 従って、所定のヌクレオチド配列を部位特異的に導入し、更には除去すること も可能な組み換え酵素の添加によって、上記ゲノム組み込みを促進することが可 能である。インテグラーゼと呼ばれる組み換え酵素が、宿主細胞のDNAに対し て組み換えを行えるDNAベクターに配合することのできるヌクレオチド配列を 認識することから、この種の組み換えは「部位特異的組み換え」と呼ばれる。こ の組み換え酵素は特異的な部位に接近して、DNAを切断し結合させる反応を開 始する。 他の酵素ツールを更にベクターに配合してもよい。DNAは、カプセル封入さ れたDNAの量を最適化するために本発明で用いることもできるタンパク質、ヒ ストンとDNAが強力に結びついているクロマチンとして、真核生体で複製され る。折りたたまれたヌクレオソームの凝集された構造が、複製作用を持つ酵素等 を停止させるであろう障壁として作用するのであれば、トポイソメラーゼやヘリ カーゼ等の酵素と、凝集されたDNAとの組み合わせは、ヘリックスの巻きやそ れを開くといった最終的な問題を解決することを可能にする。 上述したように、本発明の組成物の利点の1つは、カチオン性の化合物を全く 含有しない核酸小胞を提供する点である。 しかしながら、本発明のある態様によれば、ある種のカチオン性アジュバント を含むことが可能である。本発明の多重ラメラ小胞の存在が、その細胞毒性を遮 蔽するか又はその活性を増加させることを可能にするからである。ある種のカチ オン性アジュバントの効果は、小胞を細胞壁に静電気的に固定化できる点である ように考えられており、このことから、ベクターの有効性の向上が説明できる。 更に、カチオン性化合物の一部をカプセル封入するという事実は、その細胞毒性 の低下を可能にして、カプセル封入が、隣接細胞と接触しながら侵入するカチオ ン性化合物の割合を減少させることは明らかである。 このカプセル封入は、その有効性を増加させる相助作用のために、カチオン性 化合物の使用濃度を減少させることもできる。 以上のことから、このような化合物の使用で先行技術において知られる欠点を 防止することで、本発明の小胞にカチオン性アジュバントをカプセル封入するこ とが可能になる。 また、本発明の特に興味深い態様によれば、核酸を含む小胞は、所望のターゲ ットにより良く認識されることを目的として、その表面が修飾されてもよいであ ろう。この態様によれば、一般にはタンパク質である化合物を小胞に付着させて もよく、これにより、生体中のある種のターゲットによって特異的に認識される ことが可能になるので、一方ではトランスフェクションの選択性を、他方ではそ の有効性を高めることができる。いくつかの方法、特にモノクローナル抗体に依 存して行うことができる。全てのケースで、認識効率が最大となるように、小胞 の表面にターゲット系を固定化することが必要である。この固定化は、物理的方 法(吸着)で又は化学的方法でも行うことができる。いずれのケースでも、本発 明の小胞を入手して操作する際の容易さが、ベクターの表面にうまく機能を付け 足すための主要な利点である。生体治療分野での重要な用途の1つは、表面にモ ノクローナル抗体又はFabフラグメントを有する小胞の使用である。これらは 、例えば、ウイルス粒子(ヘルペスウイルス・・)の認識に関与する、細胞表面 の受容体に特異的なものであり、細胞応答の変換器として作用するものである。 本発明は、他の本質的な特徴によれば、薬理学的に許容される媒体中の懸濁液 の状態で、各種核酸を含有する上述した小胞を含有する医薬用組成物に関する。 本発明は、また、上記組成物を使用する治療的処置方法に関する。 所望の生物学的又は薬理学的な活性に応じて、各種の核酸をカプセル封入する ことができる。 従って、完全遺伝子のカプセル封入を、欠失している遺伝子又は欠損している 遺伝子を与えることを目的とした医薬用組成物を提供するために実施することが 可能である。例として、このような使用を膵臓線維症の治療でなすことが可能で ある。 特定の遺伝子の過剰発現又は活性の低減を誘発することを目的とした、オリゴ ヌクレオチド等の核構成成分のカプセル封入が、ガン学又はウイルス学の分野で 用いることができる。 抗原タンパク質をコードするDNAから採取するワクチンのモデルに、上記ベ クターを用いることもできる。 相補的ヌクレオチド配列のベクター化は、リボソームによるmRNAの読み取 りを阻害し、活性タンパク質へのその翻訳を阻止するので、RNAをベクター化 することもできる。 本発明は、また、細胞系を形質転換することを目的とした薬剤としての、上述 した組成物の使用にも関する。 従って、本発明は、上述した組成物で細胞系を処理することからなる、上記細 胞系の生体外形質転換方法に関する。 より具体的には、この場合、その適正な発現及び/若しくは1以上のタンパク 質をコードする他の遺伝子の発現を修飾するため、又は、ウイルスの遺伝子及び /若しくはウイルスのがん遺伝子の組み込みによって細胞系を不死化するために 、核内及び/又は染色体内に存在するように、細胞の核のレベルにまで、遺伝子 が運び込まれる。 本発明の手法の更なる利点によれば、本発明は、血清の存在下でトランスフェ クションを実施することが可能な小胞を提供するが、このことは、先行技術の小 胞では実施不可能であった。このことは、界面活性剤に基づく小胞の、生体内に おける使用を試みることを初めて可能にしたという長足の進歩を構成する。 この点は、細胞系、及び、分化したヒト細胞の初代培養に対する生体外トラン スフェクション実験で証明された。現時点で公知の他の人工的なベクター(カチ オン性脂質)が同じ培地で作用しない場合に、ウシ胎児血清の存在下でウシ胎児 血清が存在しない場合と同程度に良好な、トランスフェクションの結果を得るこ とができた。後者の結果は生体内の使用に必要不可欠な条件であるので、基本的 なことである。 最初の生体内トランスフェクションの結果は極めて有望なものである。この結 果は、遺伝子の移動が腫瘍点及び全身注入で生起しうることを示した。β−ガラ クトシダーゼをカプセル封入した本発明の小胞の、動物への静脈注射によって、 種々の器官(心臓、肺及び肝臓)で、ガラクトシダーゼ活性を誘導することがで きる。この点は、本方法の治療目的での使用に関して極めて有望な点である。 従って、本発明は、また、特にガン学若しくはウイルス学の分野又は骨の欠損 の修復において、欠失若しくは欠損した細胞機能を修復し若しくは改善すること 、又は、細胞に新しい機能を付与することを目的とした医薬用組成物の製造にお ける、玉ねぎ構造の多重ラメラ小胞の使用にも関する。 すなわち、上記ベクターの使用は、いくつかの生体医療の研究分野、特にガン 学に関連する。この分野では、最初の結果が、腫瘍を持つマウスで得られた。リ ポーター遺伝子をカプセル封入した小胞の注入を行った後、腫瘍において遺伝子 活性が確認された。従って、腫瘍の後退に対して遺伝子の上記移動が与える影響 を研究するために、細胞分裂阻止因子をコードする遺伝子か、又は、アポトーシ ス(細胞死)に関与する遺伝子を持っているようなベクターの使用を試みること が可能になる。 更には、上記ベクターの他の利点は、所定の注入部位において生体内でも作用 することである。上記ベクターの他の利用分野は、骨移植という活発な方法に関 する。「骨形態形成タンパク質(Bone Morphogenetic Pr oteins)」に相当する略号「BMP」で知られる骨誘導タンパク質をコー ドする遺伝子を有する小胞を骨損傷において注入すれば、骨形成を促進するであ ろう。整形外科分野でのこれら骨誘導因子の未来が非常に期待できるものであっ ても、現時点では、全身に何ら影響を及ぼさずに、注入部位での輸送システムを 制限する、ベクター化という大きな問題が依然として解決されずに残っている。 本発明は、初めて、許容可能なベクターを提供する。更に、β−ガラクトシダー ゼ遺伝子を有する小胞の全身注入、及び、最初の生体内分散実験は、種々の器官 における遺伝子活性を示した。上述したように、ターゲティングとともに、この ような方法の使用は、治療分野で明るい前途を開くものである。 以下に掲げる実施例は図1〜3に関して示すものである。 −図1:実施例1で調製した多重ラメラ小胞の、nmで表示した光線のヒスト グラム。 −図2:実施例3に関して掲げたもので、本発明による2種類の相異なる調剤 及び1つの市販ベクターに関して、ヒト皮膚の繊維芽細胞に対するβ−ガラクト シダーゼ遺伝子のトランスフェクションの効率。 −図3:実施例4に関して掲げたもので、市販ベクターと比較して、カチオン 性アジュバントを含むか又は含まない、本発明による微小小胞の各種調剤を用い た、ヒト繊維芽細胞に対するβ−ガラクトシダーゼ遺伝子のトランスフェクショ ンの効率に関する比較結果。 実施例 実施例で記載した量及び割合は、他に記載がなければ、重量を基準にしたもの である。実施例1 DNAseに対する保護 本実施例の目的は、DNAをカプセル封入し、これを酵素DNAseの作用か ら保護するために、本発明の多重ラメラ微小小胞の有効性を実証することである 。このために、DIG化DNA(DNA−DIG)を本発明の方法に従ってカプ セル封入した。次いで、DNAを含有するミクロ小胞を、遊離のDNAと同様に 、酵素の作用に付する。次に、相補的DNAのハイブリッド形成及び染色によっ てDNAが無傷なことを明らかにした。こうして、本方法に従ってカプセル封入 されたDNAは無傷であり、遊離のDNAは酵素に分解されたことが分かった。 a)サンプルの調製 DNA−DIGの1μg/50μg溶液(Boehringer Mannh eim)10μl、すなわちDNA−DIG200ngを、水375μl、エチ レンオキサイド4分子を有するエトキシ化ラウリルアルコール(ラウレス4、例 えば、Lauropal−4−Witco)100mg、及び、ホスファチジル コリン(Phospholipon P90、Natterman)90%を有 する大豆レシチン525mgと混合した。あらかじめ水を0.25μmフィルタ ーでろ過して滅菌し、界面活性剤をUV光線で処理した。全てのサンプルに対し て均一かつ均質な剪断力を与えるよう注意しつつ常温で混合した後、液晶層に相 当するペーストであって、微小小胞というコンパクトな形態に配列したものが得 られた。このペーストを24時間静置した。 使用に当たって、ペースト50mmolgを滅菌水1mlで希釈することで微 小小胞の分散体を調製した。 b)特性評価 ペーストの水中1%分散体に対する動的光散乱で微小小胞の大きさを測定した 。約0.2μmという値の大きさが得られた。この値は電子顕微鏡(定温破壊) で確認した。顕微鏡で測定された大きさの分布のヒストグラムを与える図1で、 大きさの測定の結果を示した。大きさのより正確な調査は、特許WO−A−93 19735号に記載の方法を用いて行うことができる。 c)試験方法 DNA含有微小小胞の塩基性分散体は、水1mlに分散させたペースト50m gから調製した。次いで、この塩基性分散体を水で希釈して、10倍ごとの変化 をつけて10ng/ml〜1pg/mlのDNAを含有する5つの試験用分散体 を得た。コントロール溶液として用いるために、同濃度の遊離DNA−DIG溶 液を調製した。 これらの分散体を37℃で1時間、DNA1μgあたりDNAseが2単位と いう比率のDNAse Iの溶液(Boehringer Mannheim) と接触させて放置した。次の工程では、ニトロセルロース膜(Hybond−C super)に固定し、次いで「ドットブロット」法を用いて相補的DNA− DIGとハイブリッドを形成させることにより、DNA−DIGが存在するか否 かを明らかにした。次に、Boehringer Mannheimが開発した 方法でGenius、Applications Manuel、Boehri nger Mannheim Biochemicals Indianapo lis 5〜7、1989に記載の方法に従い、NBT/BCIPで染色してそ の膜を可視化した。 d)結果 「ドットブロット」法で以下のことが分かった: ・DNAseで処理されていない遊離のDNAは、「ドットブロット」法で可視 化された、 ・DNAseで処理された遊離のDNAは、全濃度で、全体的に分解されていた 、 ・本発明の方法でカプセル封入され、DNAseで処理されていないDNAは、 同法で可視化された、 ・本発明の方法でカプセル封入され、DNAseで処理されたDNAは、明らか に可視化されたままであったので、酵素作用から保護された、そして ・(DNAを含まない)空の微小小胞は、この分析で可視化反応を与えなかった ので、誤った陽性という危険性は除かれた。 「ドットプロット」イメージの比較強度のより詳細な分析から、DNAの約8 0%が酵素作用から保護されたことを評価することができた。分解された20% がカプセル封入されずに残存したDNAに相当するものと推定することができ、 このことから、カプセル封入のレベルを約80%と評価することができる。これ らの結果は、DNAの劣化を示さなかったアガロースゲル上での電気泳動実験で 確認された。実施例2 カプセル封入されたDNAと培養細胞との相互作用 この実施例の目的は、本発明の方法でカプセル封入されたDNAが、細胞内部 に侵入し、そこから放出され、更には核に到達しうることを証明することである 。この目的のために、プラスミドのDNAを蛍光プローブに結合させた。これに よって、蛍光顕微鏡で細胞内への取込みを可視化することでできるであろう。 a)サンプルの調製 0.1μg/mlの濃度のプラスミドDNA(pBR322、4363個の塩 基対、Promega)をフルオレセイン(YoYo−1プローブ、Molec ular Probe社)に結合させて、次に、実施例1と同様の方法で、 DNA YoYoの水溶液:37.5% 4モルのEOでエトキシ化されたエトキシ化ラウリルアルコール:10% 大豆レシチン(ホスファチジルコリン90%):52.5% を用いて、多重ラメラ微小小胞にカプセル封入した。 b)細胞の培養: 37℃の5%CO2雰囲気下で仔ウシ血清(Gibco、Life tech nology)10%、ペニシリン−ストレプトマイシン(Gibco、Lif e technology)10000Uを含有する正統的培養条件下(IMD M、Gibco,Life technology)において、各種の細胞系、 ヒト繊維芽細胞(初代培養)、NIH 3T3(ATCC)を保持した。これら の細胞を、IMDM培地のみにおいて、DNA含有微小小胞の分散体10%の存 在下で5分間放置した。この培養時間の後、細胞を洗浄して小胞分散体を除去し 、次いで可視化した。 c)結果 様々な培養継続時間の後、これらの細胞を蛍光顕微鏡で可視化した。 ・t=0(コントロール、洗浄前)で、微小小胞が蛍光点として上澄み液で観察 された。 ・t=5分で、蛍光微小小胞が細胞の接触面で可視化された。蛍光の細胞質内で の拡散が始まった。 ・t=1時間で、蛍光の細胞質内での拡散が認められた。核の周囲がはっきりと 見えており、核での蛍光の開始が見られる。 ・t=2〜8時間の間で、蛍光が核内で見えだした。蛍光は細胞質内で強力なま まである。 ・t=48時間で、蛍光は弱まり、核の近辺に存続するのみである。 この実施例は、DNAが繊維芽細胞に取り込まれ、細胞質を通過して核に到達 することができることを証明した。実施例3 遺伝子のカプセル封入、並びに、この遺伝子の輸送及び一時的な発現の証明 この実施例の目的は、本発明の多重ラメラ微小小胞にカプセル封入された遺伝 子が細胞の核に取り込まれて発現できることを証明することである。行われた実 験は、β−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子を使用したものであり、その発 現は、トランスフェクションのなされた細胞の核がX−GAL試薬との反応で青 く着色することによって確認した。この実施例では、トランスフェクションの効 率を、市販のベクターであるLipofectAce(登録商標)(Life Technology)のものと比較した。 a)微小小胞の調製 10mg/mlの遺伝子水溶液を用いて、実施例1の方法に従って、β−ガラ クトシダーゼ(LacZ)をコードする遺伝子を含有する微小小胞を調製した。 修飾LacZタイプの3種類の遺伝子:pRSCLacZ、pCHLacZ及び pRSVLacZ−Sal−1をテストした。各遺伝子を、分子量が3.5kD a又は10kDaで濃度が100μMのポリリシンとともにカプセル封入した。 微小小胞の比較は以下の通りである: ホスファチジルコリン90%を含有する大豆レシチン・・・・41.5% コレステロール(Sigma)・・・・・・・・・・・・・・・3.5% オレイン酸カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5% DNAとポリリシンの水溶液・・・・・・・・・・・・・・・49.5% 細胞を培養するにあたり、微小小胞を水に分散させて、DNA10μg/ml を含有する培養培地を得た。 b)トランスフェクション 細胞(ヒト繊維芽細胞、初代培養)を、実施例2と同様の正統的培養条件下で 保持した。培養にあたって、培地を、クロロキン100μMを含有し血清を含有 しないIMDM培地と交換した。微小小胞とともに、2〜12時間培養を行った 。次いで、細胞を洗浄した後、完全な培地(IMDM、血清、ペニシリン−スト レプトマイシン)で48時間培養した。 細胞を洗浄し、固定し、X−GAL試薬(Biosynth AG)を添加す ることにより、トランスフェクションの可視化を行った。この試薬は、β−ガラ クトシダーゼ遺伝子に対応する酵素によって分断されて、「核局在化シグナル」 (nuclear localisation signal)という用語に従 って<nls>と一般に呼ばれる核内シグナルのために、もっぱら核内のもので ある濃紺の沈殿物を与える。 同濃度の遺伝子とともに、市販のベクターLipofectAce(登録商標 )(Life Technology)を製造業者の方法に従って用いて、比較 のために、同じ実験を行った。 c)結果 結果は、トランスフェクションのなされた細胞の割合として、図2で示した。 各ヒストグラムは、1つの遺伝子に対応する(左から右へ:pRSCLacZ、 pCHLacZ及びpRSVLacZ−Sal−1)。各々において、得られた トランスフェクションの割合は、左から右へ、LipofectAce(登録商 標)、3.5kDaのポリリシンの入った微小小胞、及び、10kDaのポリリ シンの入った微小小胞で得られたものである。 全ての場合で、市販のベクターよりも微小小胞を用いたほうが結果が良好であ ることが分かった。微小小胞の場合では、25〜35%のトランスフェクション 率が得られた。 「ドットブロット」法で32P標識cDNAを用いて、このリポーター遺伝子に 対して、実施例1で記載したものと同じDNAse実験を行った。これで、実施 例1と同じように、本発明に従って微小小胞にカプセル封入されたDNAはDN Aseに分解されないことが分かった。これに対して、観察されたカプセル封入 率は低いものである。市販品でベクター化された同遺伝子に関して、DNAse からの保護という同じ実験を行ったが、この種のベクターは保護を示さず、この ことから、この市販品で得られたトランスフェクションが低いレベルにあること が分かるであろう。実施例4 遺伝子のカプセル封入、並びに、この遺伝子の輸送及び一時的な発現の証明: カチオン性アジュバントの効果 この実施例の目的は、トランスフェクションの効率を向上させるための、カチ オンタイプのアジュバントの使用可能性を証明することである。使用するアジュ バントは、ポリマー、ポリエチレンイミンである。ポリリシンを用いないこと以 外は、実施例3(β−ガラクトシダーゼ遺伝子のトランスフェクション)の条件 と類似した条件下でいくつかの実験を行った。比較として、ポリリシンを含むが アジュバントを含まない2つの調剤を調製した。一つは実施例3(レシチン、オ レイン酸カリウム、コレステロール)のものと同じものであり、他方は実施例1 (レシチン、ラウレス4)のものと同じものである。最後に、コントロールとし て、市販のベクターLipofectAce(登録商標)(Life Tech nology)か、又は、ポリエチレンイミンと複合化した、カプセル封入して いないDNAのいずれかを使用して、3つのトランスフェクション実験を行った 。 a)微小小胞の調製 本方法は、遺伝子としてpRSVLacZを用いて、実施例3で用いられた方 法と全く同一である。濃度が10mM又は100μMである、カプセル封入以前 のDNAの水溶液に、ポリエチレンイミン(モル質量50kDa、Sigma) を添加した。 実施例3(レシチン、コレステロール、オレイン酸カリウム)又は実施例1( レシチン、ラウレス4)の方法に従って、ポリエチレンイミンを含まないコント ロールを調製した。 b)トランスフェクション 本方法は実施例3の方法と同じものである。ヒト繊維芽細胞(初代培養)でト ランスフェクションを行った。全ての場合で、培養培地における遺伝子濃度は1 0μg/mlである。 本発明による小胞の分散体の代わりに、DNA及びポリエチレンイミンを含有 する予め混合した溶液を、培養培地に導入して、カプセル封入していないDNA を用いた実験を行った。 c)結果 結果は、トランスフェクションのなされた細胞の割合を示すヒストグラムとし て表し、表3で示す。この結果は、左から右の順序で、以下の試験に対応する: 1−レシチン及びオレイン酸カリウムに基づく微小小胞 2−レシチン、及び、エチレンオキサイド4モルを有するラウリルアルコール( ラウレス4)に基づく微小小胞 3−10mMの濃度でポリエチレンイミンもともにカプセル封入した、レシチン 及びオレイン酸カリウムに基づく微小小胞 4−100μMの濃度でポリエチレンイミンもともにカプセル封入した、レシチ ン及びオレイン酸カリウムに基づく微小小胞 5−ポリマー濃度が10mMであるポリエチレンイミンと複合化したDNA 6−ポリマー濃度が100μMであるポリエチレンイミンと複合化したDNA 7−市販のベクターLipofectAce(登録商標)(Life Tech nology)の使用 ポリエチレンイミンをともにカプセル封入したために、トランスフェクション のなされた細胞の割合が35%に達したことが分かる。カプセル封入されておら ず、単にポリエチレンイミンと複合化したDNAもトランスフェクションがなさ れるが、トランスフェクションの割合がそれほど良好ではない。アジュバントの 有無に関わらず、オレイン酸カリウムに基づくベクターを用いて行った全試験は 、市販のベクターよりも良好な結果を与えた。実施例5 遺伝子のカプセル封入、並びに、この遺伝子の輸送及び一時的な発現の証明: 非カチオン性アジュバントの効果 この実施例の目的は、トランスフェクションの効率を向上させるため、DNA 凝集を行う非カチオン性アジュバントの共カプセル封入の可能性を証明すること である。用いるアジュバントは、子牛の胸腺から採取した、ヒストンH1、H2 a、H2b、H3、H4の混合物(提供者:Boehringer)である。用 いるDNAは、実施例4で用いたものと同じである。 a)ヒストンによるDNAの凝集 等量のDNAと、子牛の胸腺から採取した、ヒストンH1、H2a、H2b、 H3、H4の混合物とを同時に溶液(水12μlにDNA50μgとヒストン5 0μg)に投入し、混合物を10分間37℃で培養することにより、DNAを予 め凝集した。 b)微小小胞の調製 本方法は、遺伝子溶液の代わりに、DNA/ヒストン混合物の溶液を用いて、 実施例3で用いられた方法と全く同じである。 小胞の重量による組成を以下に示す: ホスファチジルコリン90%を有する大豆レシチン: 31.5% コレステロール 6.5% 4EOを有するエトキシ化されたラウリルアルコール 2% DNA/ヒストン混合物の水溶液 60% c)カプセル封入率の測定 DNA1μgを(ランダムプライミングとして知られる方法に従って)32Pで 標識し、(DNAの量が50μgになるように)標識していないDNA49μg と混合した。このDNAをカプセル封入した後、小胞を水に分散した。この懸濁 液を45分間30000rpmで超遠心分離にかけた。上澄み液を固形物から分 離し、存する放射能を評価するために、それぞれをβ−カウンターで計測した。 測定したカプセル封入率は常に80%以上であった。 d)トランスフェクション 実施例3で記載したものと同じ培養及び計測方法に従って、ヒト皮膚繊維芽細 胞でトランスフェクション実験を行った。細胞と接触させて放置した分散体で用 いられたDNAの濃度は5μg/mlであった。 上記条件下でトランスフェクションの割合は、(培養された細胞に対して、ト ランスフェクションのなされた細胞の数で規定すると)20〜30%の範囲内で ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/00 A61K 39/395 Y 39/395 L A61P 1/18 19/00 A61P 1/18 31/12 19/00 35/00 31/12 A61K 37/24 35/00 37/54 C12N 5/10 C12N 15/00 A 15/09 5/00 B (72)発明者 ルネ ラヴエルサンヌ フランス国 33600 ペサック 62,アヴ ニュー ドュ パルク デスパーニュ (72)発明者 ジョエル アメデ フランス国 33600 ペサック 10,リュ デ アンシエン エコール (72)発明者 オリビエ フロインド フランス国 33000 ボルドー 48,リュ ブリザール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも1つの核酸を含有しその少なくとも一部分が多重ラメラ小胞の 内部に含まれている組成物であって、前記小胞は、少なくとも1つの界面活性剤 からなる二重層より構成されるものであり、前記二重層は、同心円状であって、 かつ、前記小胞に玉ねぎ構造を付与するものであることを特徴とする組成物。 2. 小胞は、1μm未満、好ましくは0.1〜1μmの範囲の大きさを有する ものである請求項1記載の組成物。 3. 小胞の二重層を構成する界面活性剤は、非カチオン性界面活性剤である請 求項1又は2記載の組成物。 4. 非カチオン性界面活性剤は: −水素化された又は水素化されていないリン脂質、 −酸、又は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアミン塩の形態を採 る、飽和の又はモノ−若しくはポリ不飽和の、直鎖状又は分枝状のC6〜C18の 脂肪酸、 −上記脂肪酸と ・ショ糖の ・ソルビタンの ・マンニトールの ・グリセロール又はポリグリセロールの ・グリコールの エトキシ化された又はエトキシ化されていないエステル、 −上記脂肪酸のモノ−、ジ−若しくはトリグリセリド又はグリセリドの混合物 −飽和の又はモノ−若しくはポリ不飽和の、直鎖状又は分枝状のC6〜C18の脂 肪アルコール、 −上記脂肪アルコールと ・ショ糖の ・ソルビタンの ・マンニトールの ・グリセロール又はポリグリセロールの ・グリコールの エトキシ化された又はエトキシ化されていないエステル、 −水素化された又は水素化されていないポリエトキシ化植物油、 −ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのブロックポリマー[ポロキサマ ー(poloxamer)]、 −ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート、 −コレステロール又はシトステロール等のステロール骨格のアルコール からなる群より選択されるものである請求項3記載の組成物。 5. 小胞の二重層は、少なくとも2つの界面活性剤からなるものであって、そ のうちの1つは、1〜6の範囲の親水性親油性比(HLB)を有し、その他は、 3〜15の範囲の親水性親油性比(HLB)を有する請求項1〜4のいずれか1 項に記載の組成物。 6. 核酸の10%以上、好ましくは40%以上が、多重ラメラ小胞の内部に含 まれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。 7. 核酸の60〜100%が、小胞に含まれる請求項1〜6のいずれか1項に 記載の組成物。 8. 核酸は、DNA又はDNA由来のヌクレオチド配列である請求項1〜7の いずれか1項に記載の組成物。 9. 核酸は、特定の遺伝子又は前記遺伝子由来の配列、特に所定のタンパク質 をコードする配列である請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。 10. 核酸は、RNA又はRNA由来のヌクレオチド配列である請求項1〜7 のいずれか1項に記載の組成物。 11. 核酸は、センスオリゴヌクレオチド及び/又はアンチセンスオリゴヌク レオチドである請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。 12. 小胞は、更に、核酸とともにカプセル封入されたカチオン性アジュバン ト、特にポリエチレンイミンを含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の 組成物。 13. DNA凝集剤、特に、ヒストン、組込み又は組換え酵素、トポイソメラ ーゼ又はヘリカーゼ等の、カプセル封入された核酸の複製を最適化するための酵 素、からなる群より選択された少なくとも1つのカプセル封入された化合物を含 有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。 14. 小胞は、生体内のターゲットに特異的に認識されることが可能な化合物 の添加、特に、モノクローナル抗体又はFabフラグメントの添加によって、表 面が修飾されたものである請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。 15. 核酸を配合したラメラ液晶相を製造し、剪断力を用いて前記液晶相を多 重ラメラ小胞に再配列させることからなることを特徴とする、請求項1〜14の いずれか1項に記載の組成物の製造方法。 16. 薬理学的に許容される媒体中の懸濁液の状態で、請求項1〜14のいず れか1項に記載の小胞を含有する医薬用組成物。 17. カプセル封入された核酸は、完全遺伝子、特に、欠失又は欠損している 遺伝子を補うことを目的とした遺伝子、である請求項16記載の医薬用組成物。 18. 核酸は、特定の遺伝子の過剰発現又は活性の低減を誘発することを目的 としたオリゴヌクレオチドである請求項16記載の医薬用組成物。 19. 核酸は、抗原タンパク質をコードするDNAである、ワクチンとしての 請求項16記載の医薬用組成物。 20. 特にガン学若しくはウイルス学の分野又は骨の欠陥の修復において、欠 失若しくは欠損した細胞機能を修復し若しくは改善すること、又は、細胞に新し い機能を付与することを目的とした医薬用組成物の製造における、請求項1〜1 4項のいずれか1項に記載の玉ねぎ構造の多重ラメラ小胞の使用。 21. 請求項1〜14項のいずれか1項に記載の組成物で細胞系を処理するこ とからなることを特徴とする、前記細胞系の生体外形質転換方法。
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