JP2000516493A - 骨固定板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 骨固定板は骨に接触する上面（１）下面（２）、二つの縦側面（１３）、上面から下面へ伸びる複数の穴（３）並びに縦軸（１０）を有する。穴（３）の断面は上面から下面へ先細となっており並びに下面はくぼみを有している。上面（１）の表面の穴の近くは残りの上面の表面に比較し島状のくぼみを形成している。下面（２）は骨に接触する為の複数の支持点（１２）を作る二つの異なった型のくぼみ（５；６）を有している。更に、穴（３）は上面から下面へ円錐状に先細となっている。

Description

【発明の詳細な説明】 骨固定板 技術分野 本発明は請求項１の上位概念に基づく骨固定板及び請求項１３の上位概念に基 づく骨固定装置に関する。 背景技術 固定板とそれに挿入される骨固定ねじとのしっかりした結合を可能にする円錐 形の固定板穴を有し、骨との接触が失われてもしっかりした結合が維持される骨 固定板は先行技術ですでに知られている。 凹形に構成され、骨との接触のために用いられる下面を有し、それによって骨 の隠蔽度を減少し、その結果治癒過程の改善をもたらす骨固定板もすでに知られ ている。 最後に、ねじ頭部を幾らか沈めるために、上面に沿って拡張された固定板穴を 有する骨固定板も知られている。 ところが公知のすべての骨固定板は例えば移植体の強度、骨への固定の安定性 又は治癒に関して幾つかの欠点が付随する。 ここで本発明は対応策を提供しようとするものである。本発明の根底にあるの は、最適の治癒性能のほかに、極めて小さな体積（それとともに重量）と、しか も高い強度を有する骨固定板を提供する問題である。 発明の開示 本発明は請求項１の特徴を有する骨固定板及び請求項１３の特徴を有する骨固 定装置によって上記の課題を解決する。 それによって下記の利点が得られる。 −骨固定板の屈曲、骨固定ねじの挿入及び移植状態での荷重の伝達の際の最適の 応力分布による材料の性質の最適な利用 −骨への最適な取付け面 −骨への骨固定板の最小の支持力が最小限の血行障害を保証する。 −円錐形のねじ頭部を円錐形のねじ穴にロックすることによって、骨／固定板複 合体の力の伝達がもはや摩擦によらず、確実固定系を形成する。 好適な改良は、骨固定板の下面の凹陥部が一方では第１の円筒形凹陥部を具備 し、円筒形凹陥部の円筒の軸が縦軸と平行であり、他方では多数の第２の円筒形 凹陥部を具備し、第２の円筒形凹陥部の円筒の軸が個々の固定板穴の間を縦軸に 対して垂直に走るものである。 固定板の骨隠蔽度を最小にするために、２つの縦側面が骨固定板の下面の方向 に収束することが好ましい。 円錐形に細まる固定板穴は５°〜７°、とりわけ５．５°〜６．５°の円錐角 を有することが好ましい。 別の好適な改良は第１の円筒形凹陥部の半径が３．２ないし３．８ｍｍ、とり わけ３．４ないし３．６ｍｍであり、第２の円筒形凹陥部の半径が９ないし１５ ｍｍ、とりわけ１０ないし１２ｍｍである。 最適な強度を得るために、骨固定板は８〜１１ｍｍ、とりわけ９〜１０ｍｍの 幅と１．９〜２．８ｍｍ、とりわけ２．０〜２．４ｍｍの最小厚さを有すること が好ましい。 好適な実施態様では固定板穴に接する予定の外周面を陽極処理した骨固定ねじ （円錐形頭部付き）を使用することが有利であることが判明した。これは、同じ 材料の組合せでよく起こるねじ頭部の固定板穴への固着を防止するのである。 次に、本発明及び本発明の改良を幾つかの実施例の部分概略図でさらに詳述す る。 図面の簡単な説明 図１は本発明による骨固定板の横断面図、 図２は図１の本発明による骨固定板の部分平面図、 図３は図１の本発明による骨固定板の部分縦断面図、 図４は改良された本発明に基づく骨固定板の平面図を示す。 図１−３に示した骨固定板はおおむね上面１、骨との接触のための下面２、２ つの縦側面１３、上面１から下面２へ伸びる複数個の固定板穴３及び縦軸１０を 具備する。 発明を実施するための最良の形態 図１で明らかなように、固定板穴３の横断面は上面１から下面２に向かって円 錐形に細まり、その際円錐角αは５．７２°である。固定板穴３の最大断面積は １２．８ｍｍ²である。 固定板穴３に隣接する上面１の表面は、上面１の残余の表面に対して島状のく ぼみ４を有する。島状のくぼみ４はそれが取囲む固定板穴３の面積を含めて４２ ．８ｍｍ²の総面積を有する。 図２に示す円環状の形状の代わりに、骨固定板の上面１の島状のくぼみ４が− 図４に示すように−縦軸１０の方向に走る２個の燕尾状部を備えた蝶形を有する こともできる。意外なことに島状のくぼみ４のこの形状は固定板の特に良好な強 度を（しかも同じ重量で）もたらすことが判明した。 骨固定板の下面２は−図１及び３に示すように−２つの異なる種類の凹陥部５ ；６を備えている。これらの凹陥部は骨との接触のための多数の尖頭状ささえ１ ２を形成する。尖頭状ささえは多かれ少なかれ鈍形に形成することができる。こ の点で重要なのは、これによって骨固定板の全骨接触面の減少が得られることで ある。骨固定板の下面２の凹陥部５；６は一方で第１の円筒形凹陥部５を有し、 第１の円筒形凹陥部５の円筒の軸は縦軸１０と平行であり、他方では多数の第２ の円筒形凹陥部６を具備し、第２の円筒形凹陥部６の円筒の軸８は個々の固定板 穴３の間を縦軸１０に対して垂直に走る。 第１の円筒形凹陥部５の半径９は約３．５ｍｍであり、第２の円筒形凹陥部６ の半径１１は約１５ｍｍである。 骨固定板の幅は９．５ｍｍ、その最小厚さは２．２ｍｍである。個々の固定板 穴３の間隔は１３ｍｍである。 島状のくぼみ４は−それが取囲む固定板穴３の面積を含めて−約３８ないし４ ８ｍｍ²とりわけ４１ないし４４ｍｍ²の総面積を有する。島状のくぼみ４はそれ が取囲む固定板穴３の面積ｆを含めて２．５ｆ＜Ｆ＜４．１ｆ、とりわけ３．０ ｆ＜Ｆ＜３．６ｆの総面積Ｆを有することが好ましい。 固定板穴の区域を含む島状のくぼみ４の容積は少なくとも２０ｍｍ³、とりわ け少なくとも２５ｍｍ³であることが好ましく、最高で５０ｍｍ³とりわけ最高で ４０ｍｍ³の大きさであることが好ましい。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年６月３０日（１９９８．６．３０） 【補正内容】 明細書 骨固定板 技術分野 本発明は請求項１の上位概念に基づく骨固定板及び請求項１４の上位概念に基 づく骨固定装置に関する。 背景技術 固定板とそれに挿入される骨固定ねじとのしっかりした結合を可能にする円錐 形の固定板穴を有し、骨との接触が失われてもしっかりした結合が維持される骨 固定板はEP-B 0 355 035ですでに知られている。この知られた固定板は、骨との 接触に用いる凹面の構造を示し、骨の隠蔽度を減少し、治癒方法の改善をもたら す 。 EP-A 0 684 017から上面に広がった固定板穴を示す、骨固定板を同様に知るこ とができ る。 ところが公知のすべての骨固定板は例えば移植体の強度、骨への固定の安定性 又は治癒に関して幾つかの欠点が付随する。 ここで本発明は対応策を提供しようとするものである。本発明の根底にあるの は、最適の治癒性能のほかに、極めて小さな体積（それとともに重量）と、しか も高い強度を有する骨固定板を提供する問題である。 発明の開示 本発明は請求項１の特徴を有する骨固定板及び請求項１４の特徴を有する骨固 定装置によって上記の課題を解決する。 それによって下記の利点が得られる。 −骨固定板の屈曲、骨固定ねじの挿入及び移植状態での荷重の伝達の際の最適の 応力分布による材料の性質の最適な利用 −骨への最適な取付け面 −骨への骨固定板の最小の支持力が最小限の血行障害を保証する。 −円錐形のねじ頭部を円錐形のねじ穴にロックすることによって、骨／固定板複 請求の範囲 １．上面（１）、骨との接触のための下面（２）、２つの縦側面（１３）、上 面（１）から下面（２）へ伸張する複数個の固定板穴（３）及び縦軸（１０）を 有し、固定板穴（３）の横断面が上面（１）から下面（２）に向かって細まり、 下面（２）が凹陥部を備え、そこで固定板穴（３）が上面（１）から下面の方へ 円錐形に細まりそして下面が２つの異なる種類の凹陥部（５；６）を備えている 骨固定板において、固定板穴（３）に隣接する上面（１）の表面が上面（１）の 残余の表面に対して島状のくぼみ（４）として形成されることを特徴とする骨固 定板 。 ２．下面（２）の凹陥部（５；６）が −一方では第１の円筒形凹陥部（５）を具備し、第１の円筒形凹陥部（５）の円 筒の軸（７）が縦軸（１０）と平行であり、 −他方では多数の第２の円筒形凹陥部（６）を具備し、第２の円筒形凹陥部（６ ）の円筒の軸（８）が個々の固定板穴（３）の間で縦軸（１０）に対して垂直又 は斜めに走ることを特徴とする請求項１に記載の骨固定板。 ３．２つの縦側面（１３）が下面（２）に向かって収束することを特徴とする 請求項１又は２に記載の骨固定板。 ４．円錐形に細まる固定板穴（３）が５°〜７°、とりわけ５．５°〜６．５ °の範囲の円錐角αを有することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記 載の骨固定板。 ５．第１の円筒形凹陥部（５）の半径（９）が３．２ないし３．８ｍｍ、とり わけ３．４ないし３．６ｍｍであることを特徴とする請求項２〜４のいずれか１ つに記載の骨固定板。 ６．第２の円筒形凹陥部（６）の半径（１１）が９ないし１５ｍｍ、とりわけ １０ないし１２ｍｍであることを特徴とする請求項２〜５のいずれか１つに記載 の骨固定板。 ７．幅が８〜１１ｍｍ、とりわけ９〜１０ｍｍであることを特徴とする請求項 １〜６のいずれか１つに記載の骨固定板。 ８．最小厚さが１．９〜２．８ｍｍ、とりわけ２．０〜２．４ｍｍであること を特徴とする請求項１〜７のいずれか１つに記載の骨固定板。 ９．固定板穴の区域を含む島状のくぼみ（４）が少なくとも２０ｍｍ³、とり わけ少なくとも２５ｍｍ³の容積を有することを特徴とする請求項１〜８のいず れか１つに記載の骨固定板。 １０．固定板穴の区域を含む島状のくぼみ（４）が最高で５０ｍｍ³、とりわけ 最高で４０ｍｍ³の容積を有することを特徴とする請求項１〜９のいずれか１つ に記載の骨固定板。１１ ．島状のくぼみ（４）がそれによって取囲まれる固定板穴（３）の面積を含 めて３８〜４７ｍｍ²、とりわけ４１〜４４ｍｍ²の総面積を有することを特徴と する請求項１〜９のいずれか１つに記載の骨固定板。１２ ．島状のくぼみ（４）がそれによって取囲まれる固定板穴（３）の面積ｆを 含めて２．５ｆ＜Ｆ＜４．２ｆ、とりわけ３．０ｆ＜Ｆ＜３．６ｆの総面積Ｆを 有することを特徴とする請求項１−１０のいずれか１つに記載の骨固定板。１３ ．上面（１）の島状のくぼみ（４）がとりわけ縦軸（１０）の方向に走る２ 個の燕尾状部を備えた蝶形を有することを特徴とする請求項１〜１１のいずれか １つに記載の骨固定板。１４ ．円錐形の頭部を備えた少なくとも２個の骨固定ねじを具備したことを特徴 とする請求項１〜１３のいずれか１つに記載の骨固定板を有する骨固定装置 。１５ ．骨固定ねじの固定板穴（３）に接する予定の外周面がとりわけ陽極処理さ れていることを特徴とする請求項１４に記載の装置 。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．上面（１）、骨との接触のための下面（２）、２つの縦側面（１３）、上 面（１）から下面（２）へ伸張する複数個の固定板穴（３）及び縦軸（１０）を 有し、固定板穴（３）の横断面が上面（１）から下面（２）に向かって細まり、 下面（２）が凹陥部を備えている骨固定板において、Ａ）固定板穴（３）に隣接 する上面（１）の表面が上面（１）の残余の表面に対して島状のくぼみ（４）と して形成され、Ｂ）下面（２）が２つの異なる種類の凹陥部（５；６）を備えて おり、これらの凹陥部が骨との接触のための多数の尖頭状ささえ（１２）を生じ 、Ｃ）固定板穴（３）が上面（１）から下面（２）の方へ円錐形に細まる ことを特徴とする骨固定板。 ２．下面（２）の凹陥部（５；６）が −一方では第１の円筒形凹陥部（５）を具備し、第１の円筒形凹陥部（５）の円 筒の軸（７）が縦軸（１０）と平行であり、 −他方では多数の第２の円筒形凹陥部（６）を具備し、第２の円筒形凹陥部（６ ）の円筒の軸（８）が個々の固定板穴（３）の間で縦軸（１０）に対して垂直又 は斜めに走ることを特徴とする請求項１に記載の骨固定板。 ３．２つの縦側面（１３）が下面（２）に向かって収束することを特徴とする 請求項１又は２に記載の骨固定板。 ４．円錐形に細まる固定板穴（３）が５°〜７°、とりわけ５．５°〜６．５ °の範囲の円錐角αを有することを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記 載の骨固定板。 ５．第１の円筒形凹陥部（５）の半径（９）が３．２ないし３．８ｍｍ、とり わけ３．４ないし３．６ｍｍであることを特徴とする請求項２〜４のいずれか１ つに記載の骨固定板。 ６．第２の円筒形凹陥部（６）の半径（１１）が９ないし１５ｍｍ、とりわけ １０ないし１２ｍｍであることを特徴とする請求項２〜５のいずれか１つに記載 の骨固定板。 ７．幅が８〜１１ｍｍ、とりわけ９〜１０ｍｍであることを特徴とする請求項 １〜６のいずれか１つに記載の骨固定板。 ８．最小厚さが１．９〜２．８ｍｍ、とりわけ２．０〜２．４ｍｍであること を特徴とする請求項１〜７のいずれか１つに記載の骨固定板。 ９．固定板穴の区域を含む島状のくぼみ（４）が少なくとも２０ｍｍ³、とり わけ少なくとも２５ｍｍ³の容積を有することを特徴とする請求項１〜８のいず れか１つに記載の骨固定板。 １０．固定板穴の区域を含む島状のくぼみ（４）が最高で５０ｍｍ³、とりわけ 最高で４０ｍｍ³の容積を有することを特徴とする請求項１〜９のいずれか１つ に記載の骨固定板。 １０．島状のくぼみ（４）がそれによって取囲まれる固定板穴（３）の面積を含 めて３８〜４７ｍｍ²、とりわけ４１〜４４ｍｍ²の総面積を有することを特徴と する請求項１〜９のいずれか１つに記載の骨固定板。 １１．島状のくぼみ（４）がそれによって取囲まれる固定板穴（３）の面積ｆを 含めて２．５ｆ＜Ｆ＜４．２ｆ、とりわけ３．０ｆ＜Ｆ＜３．６ｆの総面積Ｆを 有することを特徴とする請求項１−１０のいずれか１つに記載の骨固定板。 １２．上面（１）の島状のくぼみ（４）がとりわけ縦軸（１０）の方向に走る２ 個の燕尾状部を備えた蝶形を有することを特徴とする請求項１〜１１のいずれか １つに記載の骨固定板。 １３．円錐形の頭部を備えた少なくとも２個の骨固定ねじを具備し、骨固定ねじ の固定板穴（３）に接する予定の外周面がとりわけ陽極処理されていることを特 徴とする請求項１〜１２のいずれか１つに記載の骨固定板を有する骨固定装置。