JP2000515043A - 吻合的結合手段 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 好ましくは第１の血管６より大きい直径を有する第２の血管８の側面に第１の血管６の端を結合するために、一端部分１２、１２’を環状端フランジ１５、１５’の形成のため拡張されうるスリーブ１１、１１’が使用される。その結果として、第１の血管６は、前記拡張可能端部分の方向へスリーブ１１、１１’内を通過して少なくとも前記拡張可能端部分を越えて折返されたのちカラーに成形され得る。該カラーの両側面は前記第２の血管の内側で前記環状端フランジを包囲してそこに形成された開口を内部に包囲する。

Description

【発明の詳細な説明】 吻合的結合手段 本発明は一般的に血管外科の分野に関するものであり、そしてより明確に言え ば、血管特に冠状血管に対するバイパス手術における大動脈のための結合装置に 関するものである。 様々の冠状血管内の増大した流れ抵抗は、心筋への酸素補給を危うくする可能 性がある。場合によっては、血管内腔の拡張が生じるおそれがある。もし血管内 の血流が完全にまたは事実上完全にブロックされるならば、為される唯一の処置 は、修復不可能な損傷の発生を防止するためにブロック部分をバイパスすること である。通常、そのようなバイパス手術は、新たに採取した血管をブロック部位 の後ろに結合することと、それを他の血管、例えば大動脈、に結合することとに よって行われ、それにより、ブロック箇所の後方で十分な血流が血管に供給され うる。 そのようなバイパス手術には、普通は、心肺装置の使用が要求される、すなわ ち、心臓の一時的な停止が必要とされる。バイパス手術は、例えば２本の関連血 管を結合するとき、心臓が拍動できない状態にあることを要求するからである。 採用される結合技術および心肺装置の使用の結果として、手術には比較的長い時 間が費やされそして危険も皆無ではない。 国際特許出願番号ＰＣＴ／ＳＥ９７／００８０４は、狭窄を生じた冠状血管に 対する新採取血管の結合を相当程度容易にする分枝形成装置を開示するが、この 分枝形成装置は主として血管の直径差の故に例えば大動脈に対する新採取血管の 結合には適さない。 したがって本発明の目的は、血管、例えば大動脈、に対する新採取血管の簡単 でかつ信頼できる結合手段であって狭窄箇所後方で分岐血管を通じて狭窄血管に 対し十分な血流を供給しうるものを提供することである。また心肺装置の使用を 不必要にすることを可能にする方式の結合手段を設計することが可能であること が好ましい。さらに、内視鏡検査技法を使用することによって手術を遂行するこ とが可能であることが最も好ましい。 本発明によれば、前記目的は、前記結合装置が別紙記載請求項１から明らかで ある諸特性を付与されることによって達成される。前記結合装置のいくつかの好 適実施例は別紙記載諸従属請求項から明らかである。 かくして、本発明のスリーブは第１の血管の端からカラー（collar）を形成す ることを可能にする。該カラーは第２の血管に形成された開口の内側のまわりに 延在するようにされうる。その結果として、比較的大きなオーバーラップが第１ の血管と第２の血管との間の結合区域に形成され得、それによって２つの血管の 高信頼性を有する結合が可能にされる。 好適な実施例においては、スリーブの端部分を拡張するため、そして、それに よりカラーを形成するために、バルーン（風船；balloon）が使用されている。 より正確に言えば、バルーンはスリーブに挿通できる差込管を装備されており、 したがってバルーン自体は膨張によって端部分の拡張を達成すると同時に第１の 血管からカラーを形成するために拡張可能端部分に隣接して位置されている。 生じる圧力がスリーブの拡張可能端部分に対して作用するようにバルーンの位 置をその膨張間に固定するため、バルーンの差込管は実質的に非弾性材料から作 られることが好適である。 本発明装置の好適な実施例において、バルーンはさらに非弾性部分を有し、該 部分は差込管に隣接しておりそしてその延伸状態においては環状の端フランジお よび、したがつて、カラーの望ましい形状に一致する形状を有する。これはスリ ーブの拡張可能端部分が、環状フランジの適正な形状を得るため適正な様式で影 響されることをさらにより一層保証する。 本発明に基づいて、２本の血管を固定するため締付リングを使用するのが有利 である。締付リングはスリーブを受容しそれに沿って環状フランジに隣接する位 置へと変位され得、それらの間に第１と第２の血管の相互にオーバーラップする 部分が位置される。締付リングと一体的に形成されてスリーブに対して軸線方向 に指向されうる好適な固定手段、例えばあご付き刺を有するピン、の助けによっ て、互いにオーバーラップする第１と第２の血管部分は、第２の血管に形成され た開口のまわりに簡単かつ信頼できる様式で相互に結合されうる。 スリーブ全体しかし好ましくは単にその拡張可能端部分がネット状可撓材料か ら作られるのが有利であるが、代替的に端部分はスリーブの一端から複数の軸方 向スロットを作ることによって形成され得る。 次ぎに添付図面を参照して、より詳細に本発明を説明する。図面において、 図１は、おのおのブロッキングを有する冠状血管の概略的に示された２つのバ イパスを配されている心臓を示す斜視図であり、 図２は、本発明による装置の一実施例およびそれと結合されることが好ましい 諸部品を示す斜視図であり、 図３および図４は、図２に図示した発明装置の実施例を取付ける方法を説明す るための斜視図であり、 図５はその端部分が拡張されて環状フランジになっている発明スリーブの斜視 図であり、 図６ａ−図６ｃは、血管によって包囲されるにつれて発明スリーブ上にフラン ジを形成するときの手順を概略的に図示し、そして 図７は図５におけるスリーブの一代替実施例を示す斜視図である。 図１に示される心臓１は狭窄または閉塞形態のブロッキング４、５をそれぞれ 有する２本の冠状血管２、３を有する。図１はこれらブロッキングを、患者自身 から採取しうる２本の血管６、７によって、どのようにしてバイパスするかを概 略的に図解している。さらに明確に言えば、血管６の一端は、血管２内の正常流 れ方向で見たときブロッキング４の後方で結合されそしてその他端は大動脈８に 結合されており、したがって、すでにブロックされている冠状血管２に対して十 分な量の酸素豊富な血液が、血管２内のブロッキング４の後方で供給されうる。 前記手順は冠状血管３に対しても適用される。 冠状血管２に対する血管６の結合を行うために、国際特許出願番号ＰＣＴ／Ｓ Ｅ９７／００８０４に記載の分枝形成装置が使用されうる。 本発明に基づく結合装置は、したがって、前記ブロッキング４、５の後方にお いて冠状血管２、３に十分な酸素を補給するのに十分な血液の流れを提供すべき 血管、例えば大動脈８、に対する血管６または７の他端９、１０の結合に関係を 有する。 図２に示されるように、本発明による結合装置は、身体組織によって拒絶され ない金属またはプラスチックから成るスリーブ１１を有する。スリーブ１１は複 数の軸方向スロット１３と複数の軸方向に指向された中間リブ１４とを有する端 部分１２を含む。端部分１２を除いて、スリーブ１１は相対的に剛性である。端 部分１２のリブ１４もまた相対的に剛性であるが、図２におけるそれらの軸方向 から、図５において最も明らかに認められるように、半径方向外方に撓曲自在で ある。外方へ撓曲された状態において、これらリブ１４は、やはり図５で最も明 らかであるように、環状の半径方向端フランジ１５を形成する。 図５に示したスリーブ１１の一代替形式が図７に示されている。スロット１３ とリブ１４とを設けることに代えて、図７におけるスリーブ１１’は、少なくと もその端部分１２’を、スリーブ１１’のフランジ１５’に図７に概略的に示さ れる外観を付与するように、例えばステント（stent）型のネット状可撓材料か ら作られている。 前記結合装置はさらにバルーン１６と、締付リング１７と、締付スリーブ１８ とを用いている。図２はさらに第１の血管６のその端９に隣接する部分を示して いる。より正確に言えば、血管６はその端９をまずスリーブ１１に通して該スリ ーブ１１の端部分１２の方向に通過せしめ次いでその突出した部分をそれがスリ ーブ１１の周面に接して位置するように折返されたき得られる外形で示されてい る。 バルーン１６は弾性材料から形成されているが、事実上非弾性の差込管１９を 有する。差込管１９は、例えば血管６が前述した様態でスリーブ１１内に配置さ れた後に、血管６に通されるようにされている。さらにバルーン１６は、以下に おいて説明される目的のために、差込管１９に隣接した事実上非弾性部分２０を 有する。 前記締付リング１７は複数の軸方向に指向されたピン２１を有する事実上平面 リングであり、これらピン２１は該締付リングの一平坦側から同一方向に突出し ている。各ピン１は、１本以上のあご付き刺２２であって、以下においてより詳 細に説明するように、該ピンがいったん物質、この場合は血管６と端フランジ１ ５、に対し刺突されたならば決して離脱しないことを保証するものを有する。 前記締付スリーブ１８は前記スリーブ１１上で折返されて端部分１２を通り過 ぎた血管６の部分をスリーブ１１の周面に安全に保持する働きをする。より明確 に言えば、締付スリーブ１８は、それが開かれて前記スリーブ１１上で折返され た血管６の部分上へと横方向内方に移動されたのち締付けられ、したがって、血 管６の一部に配置された締付スリーブ１８の内面が前記スリーブ１１に対して締 付けられうるように構成されている。代替的に、締付スリーブ１８は締付リング １７と一体的に形成されうる。 以下、図３および図４を参照して、発明装置によって血管６を血管８に結合す る方法を説明する。 まず血管６の端９がスリーブ１１に挿通されて端部分１２の上でかつ多少それ を通り越えた位置で折返される。血管６の該折返し部分は、締付スリーブ１８に よってスリーブ１１の表面に固定される。バルーン１６の差込管１９が血管６に 挿通され、そして締付リング１７が血管６の外面に沿ってバルーン１６と反対の その端から内方へと移動される。 血管８の管壁に開口が形成された後、スリーブ１１は、血管６が片側へ引寄せ られて締付リング１８によって締付けられそしてバルーン１６がスリーブ１１内 に配置された状態でその端部分１２が完全に血管８の内部に位置されるまで移動 される。次いでバルーン１６がその差込管１９を通じて膨張させられる。バルー ン１６はリブ１４がそれらの軸線方向から多少半径方向へと外方へ屈曲されてい る位置に在る。端部分１２のこのような変形は永久的であり、かくして端フラン ジ１５が形成される。差込管１９が弾性を有しないことは、バルーン１６がリブ １４に対してその望ましい外曲げのための正しい様態で作用するのを容易にする 。端フランジ１５のまわりに血管６から形成されるカラー2３の望ましい形状、 すなわち端フランジ１５の形状、はやはり事実上非弾性に作られている差込管１ ９に隣接するバルーン部分２０によって補助的に保証されうる。 バルーン１６を膨張させるにともなって、スリーブ１１の形状は図３に示すそ れから図４（そしてまた図５）に示すそれに変化する。 前記形状の変化は図６ａ−図６ｃにさらに詳細に示されており、これら図面に おいては、スリーブ１１および第１の血管６は長手方向断面図で示されるが、バ ルーン１６は図解を明快にするため含まれていない。 図６ａは出発位置を示し、そこでは第１の血管６がスリーブ１１内に挿通され そして、実際上、端部分１２とは反対の側のスリーブ１１端まで折返されそして そこで締付リング１８が第１の血管６の前記折返された部分をスリーブ端に固定 する。 図６ｂはスリーブ１１の端部分１２の拡張開始後における位置を示す。第１の 血管６は、スリーブ１１の内部において、端部分１２の内側に事実上当接し、一 方、スリーブ１１の外側においては締付リング１８と端部分１２の自由端との間 に事実上一直線に延びている。この自由端は第１の血管６に対しては固定されて いないから、かなりの程度まで損傷されることなしに第１の血管６の拡張を可能 にするために要求される相対運動が可能である。 図６ｃはスリーブ１１の端部分１２の拡張の最終位置を示す。この場合におい てもまた、第１の血管６は前記端部分１２の内側に随伴するが、スリーブ１１と その外側における拡張された端部分１２との間の角には入らない。血管６と前記 拡張端部分に隣接するスリーブ１１の外側との間の隙間は、第２の血管８に対し て必要な封止にとって有利である。これにより、血管８に形成された開口の縁の 内側に対して圧力が及ぼされるからである。 血管８に対して血管６を最終的に固定するため、締付リング１７がスリーブ１ １の外側に沿って端フランジ１５へと下げられ、一方、ピン２１が、少なくとも 血管８の壁と、前記端部分１２上で折返され且つカラー２３の一つの層を形成す る血管６の部分の壁とを貫通する。あご付き刺２２のために、望ましい固定が達 成される。またピン２１は外方に向かって端フランジ１５とカラー２３の他の一 つの層とを貫通してバルーン１６と接触するように有利に作られることが可能で ある。しかしバルーン１６はピン２１によって穿刺されえないくらい可撓性を有 する。 血管６が血管８に対し完全に結合されたならば、バルーン１６内の圧力は最終 的に解放され得、それによりバルーンを差込管１９によって血管６を通じて引出 すことを可能にする。 専門家は結合装置の前記実施例のいくつかの修正形式が、別紙記載の請求項に 定義されるごとき本発明の範囲内で案出できることを十分に理解するであろう。 例えば、端フランジ１５のリブ１４が図５に基づいて有する扇形はまた扇状の端 部分１２の材料を折曲げることによって、スロット１３を設けることなしに形成 されうる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，Ｆ Ｉ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ， ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 好ましくは第１の血管（６）より大きい直径を有する第２の血管（８） の側面に対して第１の血管（６）の端部を結合するための装置であって、第２の 血管（８）を結合するためのカラー（２３）を形成するため前記第１の血管（６ ）の前記端部によって両側において包囲されるようにされている環状端フランジ （１５、１５’）の形成のためその一端部分（１２、１２’）が拡張可能である スリーブ（１１、１１’）を有することを特徴とする装置。 ２． 前記拡張可能端部分（１２、１２’）に隣接して配置されそしてその膨 張間に前記端部分を拡張して前記カラー（２３）を形成するようにされているバ ルーン（１６）を有することを特徴とする請求項１に記載の装置。 ３． 前記バルーン（１６）が事実上非弾性材料から成る差込管（１９）を有 することを特徴とする請求項２に記載の装置。 ４． 前記バルーン（１６）が、前記差込管（１９）に隣接しそして延伸状態 においてカラー（２３）にとって望ましい形状を有する事実上非弾性の部分（２ ０）を有することを特徴とする請求項３に記載の装置。 ５． 前記スリーブ（１１、１１’）の端部分（１２、１２’）が永久変形可 能材料から作られていることを特徴とする請求項１から４までの何れか１つの項 に記載の装置。 ６． 前記スリーブ（１１、１１’）の外径より大きい内径を有し且つ軸方向 に指向された固定手段（２１）を有する締付リング（１７）であって前記第２の 血管（８）の壁の内側に前記カラー（２３）を固定するために適応されるものを 有することを特徴とする請求項１から５までの何れか１つの項に記載の装置。 ７． 前記固定手段（２１）があご付き刺（２２）を有するピンから構成され ていることを特徴とする請求項６に記載の装置。 ８． 前記スリーブ（１１、１１’）の外側面に対し前記第１の血管（６）の 一部を固定するようにされた締付手段（１８）を有することを特徴とする請求項 １から７までの何れか１つの項に記載の装置。 ９． 前記スリーブ（１１’）の拡張可能端部分（１２’）がネット状材料か ら作られていることを特徴とする請求項１から８までの何れか１つの項に記載の 装置。 １０． 前記スリーブ（１１、１１’）が金属材料またはその他の可撓材料か ら作られていることを特徴とする請求項９に記載の装置。 １１． 前記スリーブ（１１、１１’）の拡張可能端部分（１２、１２’）が 扇形に外方へ折曲自在であることを特徴とする請求項１から８までの何れか１つ の項に記載の装置。