【発明の詳細な説明】
体への改良されたフィットを有する使い捨て引き上げ装着衣類
分野
本発明は、使い捨て引き上げ装着衣類に関する。このような使い捨て引き上げ
装着衣類の例には、使い捨て下着、使い捨て引き上げ装着おむつ及びトレーニン
グパンツ、及び月経用の使い捨てパンティーが含まれる。より特定すれば、本発
明は体への改良されたフィットを有する使い捨て引き上げ装着衣類に関する。
背景
乳幼児及びその他の失禁者は、尿及びその他の体の排泄物を受入れて封じ込め
るための使い捨て衣類、例えばおむつを装着している。固定したサイド部を有す
る使い捨て引き上げ装着衣類は、「パンツ型」衣類とも呼ばれているが、これらは
、歩くことができて、排泄トレーニング中であることが多い子供に装着して用い
るものとして一般的なものになっている。これらの引き上げ装着衣類は、縫い合
わされてふたつの脚部開口部とひとつのウエスト開口部とを形成する縁部を備え
たサイドパネルを有する。体の排泄物を封じ込めるため、並びに非常に多様な体
の形及びサイズに合わせるために、これらの引き上げ装着衣類は、装着者のウエ
スト及び足の周りにしっかりとフィットし、胴体の定位置から垂れたり、たるん
だり、滑り落ちたりすることがないものである必要がある。これらの引き上げ装
着衣類の例は、例えば、1992年12月15日にlgaueらに発行された米国特許第5,171
,239号;1986年9月9日にStrohbeenらに発行された米国特許第4,610,681号;19
90年7月10日にVan Gompelらに発行された米国特許第4,940,464号;1993年9月2
1日にHasseらに発行された米国特許第5,246,433号;1996年10月29日にBuellらに
発行された米国特許第5,569,234号;及び1996年10月10日に公開された第WO96/
31176号(Ashton)に開示されている。
引き上げ装着衣類が、装着者の胴体から垂れたり、たるんだり、滑り落ちたり
するのを防ぐために、適切な力が、引き上げ装着衣類のウエスト及びサイドパネ
ル区域に発生し、この装着者の胴体に加えられるべきであると考えられる。例え
ば1995年5月16日にWatanabeらに発行された米国特許第5,415,649号、どちらも1
997年3月12日に公開された第EP0761193A2(Yamamotoら)及び第EP0761194A2号(Yam
amotoら)は、体に対して制御されたフィット力を与えるために様々な膨張応力を
有する複数の弾性部材の使用を開示している。これらの引き上げ装着衣類は、複
数の弾性部材を使用してこれらを取扱う必要があるので、これらの製造プロセス
は、弾性部材を取扱うために複雑になる傾向がある。
もうひとつの例は、1997年3月26日に公開された第EP0547497B1号(Van Gompel
ら)である。この公開は、改良されたフィットを生じるために、ストレッチ勾配
サイドパネルを有する三角形のストレッチ性サイド部材を用いる使い捨てトレー
ニングパンツを開示している。この引き上げ装着衣類は、三角形のストレッチ性
サイド部材を用いているので、この製造プロセスもまた、これらの部材を取扱う
ために複雑になる傾向がある。
従って現存する技術のどれも、本発明の長所及び効果のすべてを提供するわけ
ではない。
概要
本発明は、長手方向中心線、前部、後部、及び前部と後部との間にある股部を
有する使い捨て引き上げ装着衣類に関している。この使い捨て引き上げ装着衣類
は、前部、後部、及び股部に備えるシャシーを含んでいる。このシャシーは、前
部と後部とに縁線を有しており、液体透過性トップシート、このトップシートと
組合わされた液体不透過性バックシート、及びトップシートとバックシートとの
間に配置された吸収性コアを含んでいる。この使い捨て引き上げ装着衣類はさら
に、前部又は後部においてシャシーから側面方向に外側に延びている少なくとも
一対の延伸性耳パネルを含んでいる。これらの耳パネルの各々は、最も外側の縁
線を有する。
本発明のひとつの側面において、最も外側の縁線の少なくともひとつは、この
衣類の非収縮状態において長手方向中心線から不均一な側面方向の距離を有する
。これらの耳パネルは、対応する縁線に沿ってシャシーに接合されてふたつの脚
部開口部とひとつのウエスト開口部とを形成する。
本発明のもうひとつの側面において、耳パネルの各々は、対応する縁線に沿っ
てシャシーに接合され、シーム線が形成され、これによってふたつの脚部開口部
とひとつのウエスト開口部が形成される。シーム線の少なくともひとつは、この
衣類の非収縮状態において長手方向中心線から不均一な側面方向の距離を有する
。
本発明のこれらの特徴及びその他の特徴、形態、及び利点は、本開示を読めば
当業者には明らかであろう。
図面の簡単な説明
明細書は、本発明を特に指摘して明確にクレームする特許請求の範囲で結論付
けられてはいるが、本発明は添付図面と共に考慮される好ましい実施形態の次の
記載からよりよく理解されると考えられる。図面において同様な記号は、実質的
に同じ要素を示すために用いられる。
図1は、典型的な使用状態における本発明の使い捨て引き上げ装着衣類のひと
つの好ましい実施形態の斜視図である。
図2は、典型的な使用状態における本発明の使い捨て引き上げ装着衣類のもう
ひとつの好ましい実施形態の斜視図である。
図3は、この衣類の様々なパネル又はゾーンを示す、平らな非収縮状態におけ
る図2に示されている実施形態の簡略平面図である。
図4は、図3の断面線4-4に沿う好ましい実施形態の横断面図である。
図5は、図2に示されている前部及び後部耳パネル46及び48のより詳細な平面図
である。
図6は、好ましい実施形態の弾性部材70の横断面図である。
図7は、図4に示されている弾性部材70の断片拡大側面図である。
図8は、好ましい実施形態におけるエラストマー材料の2サイクルのヒステリシ
ス曲線を示すグラフである。
図9は、エラストマー材料のもうひとつの実施形態の断片拡大斜視図である。
図10は、前部耳パネル46のひとつの実施形態の平面図である。
詳細な説明
すべての引例は、全体が参照してここに組込まれる。あらゆる参考文献の引用
は、特許請求されている発明の先行技術としての有効性に関する決定について認
めているわけではない。
ここにおいて「引き上げ装着衣類」とは、画定されたウエスト開口部と、一対の
脚部開口部とを有しており、かつ脚を脚部開口部に挿入し、この製品を引き上げ
てウエストに被せることによって装着者の体に引き上げ装着される装着用製品の
ことを言う。ここにおいて「使い捨て」とは、洗濯されたり、あるいはまた衣類と
して復元又は再使用されるためのものではない衣類について記載する(すなわち
ただ一回の使用後に捨てられ、好ましくはリサイクルされ、堆肥にされるか、あ
るいはまた環境に優しい方法で処分されるものである)。「一体型」引き上げ装着
衣類とは、統合されて調和した物体を形成する別々の部品から形成されている引
き上げ装着衣類のことを言う。しかしながら耳パネルは、別れたシャシーに接合
された別々の要素ではなく、むしろ耳パネルは、これもまたこの衣類のシャシー
を形成する少なくともひとつの層によって形成されている(すなわちこの衣類は
別々に操作されるパネル、例えば別々のシャシーと別々の耳パネルを必要としな
い)。この引き上げ装着衣類はまた、体内から排出される様々な排泄物を吸収し
て封じ込めるために好ましくは「吸収性」である。本発明の引き上げ装着衣類の好
ましい実施形態は、一体型使い捨て吸収性引き上げ装着衣類、すなわち図1に示
されている引き上げ装着衣類120である。ここにおいて「引き上げ装着おむつ」と
は、尿及び大便を吸収して封じ込めるために、乳幼児及びその他の失禁者が一般
に装着する引き上げ装着衣類のことを言う。しかしながら本発明はまた、その他
の引き上げ装着衣類、例えばトレーニングパンツ、失禁用ショーツ、女性用衛生
衣類又はパンティー等にも適用しうる。ここにおいて「パネル」とは、引き上げ装
着衣類のひとつの区域又は要素のことを言う。(パネルは一般的には別個の区域
又は要素ではあるが、パネルは隣接パネルと幾分一致して(機能的に対応して)い
てもよい)。ここにおいて「接合された」又は「接合している」とは、要素をもう一
方の要素に直接付着させることによってひとつの要素が別の要素に直接固定され
ている形状、及び要素をこれ自体がもう一方の要素に付着されているひとつ又は
複数の中間部材に付着させることによって、要素がもう一方の要素に間接的に固
定されている形状を包含する。ここにおいて、「非収縮状態」とは、ここではその
縫い合わされていない(すなわち縫い目が除去されている)、平らな緩和状態にあ
る(ここにおいては用いられているすべての弾性材料が、ここから取り除かれて
いる)引き上げ装着衣類の状態を記載するために用いられている。
図1は、本発明の使い捨て引き上げ装着衣類のひとつの好ましい実施形態(すな
わち一体型使い捨て引き上げ装着おむつ120)を示す。図1を参照すると、本発明
の使い捨て引き上げ装着衣類120は、前部26、後部28、前部26と後部28との間に
ある股部30を有する。シャシー41は、前部26、後部28、及び股部30に設けられて
いる。シャシー41は、液体透過性トップシート24、このトップシート24と組合わ
された液体不透過性バックシート22、及びトップシート24とバックシート22との
間に配置された吸収性コア25(図1には示されていない)を含んでいる。このシャ
シー41は、前部26において縁線222を形成するサイド縁部220を有する。
本発明の引き上げ装着衣類120はさらに、少なくとも一対の延伸性耳パネル45
を含んでおり、これらの各々は、シャシー41の対応するサイド部から側面方向に
外側に延びている。耳パネル45の各々は、最も外側の縁部240を有しており、こ
れは最も外側の縁線242を形成する。最も外側の縁線242の少なくともひとつは、
この衣類120の非収縮状態において長手方向中心線100(図1には示されていない)
から不均一な側面方向の距離を有する。
好ましい実施形態において、耳パネル45は図1に示されているように、後部28
におけるシャシー41の対応するサイド部から、前部26におけるシャシー41の対応
するサイド縁部220まで連続的に延びている。あるいはまた耳パネル45は、前部2
6におけるシャシー41の対応するサイド部から、後部28におけるシャシー41の対
応するサイド縁部まで連続的に延びていてもよい(図1には示されていない)。
本発明の引き上げ装着衣類120は、シャシー41に接合された耳パネル45を有し
、ふたつの脚部開口部34とひとつのウエスト開口部36とを形成する。好ましくは
引き上げ装着衣類120はさらに、対応する縁線222及び242に沿って各々シャシー4
1と耳パネル45とを接合してふたつの脚部開口部34とウエスト開口部36とを形成
するシーム232を含んでいる。
好ましい実施形態において、耳パネル45の少なくともひとつは、シーム232に
沿って、ウエスト開口部36から出発する実質的に接着されている部分SBと、脚部
開口部34から出発する非接着部分UBとを有する。好ましくは非接着部分/実質的
に接着されている部分との長さの比は、約4:96と20:80との間である。
図2は、本発明の使い捨て引き上げ装着衣類のもうひとつの好ましい実施形態(
すなわち一体型使い捨て引き上げ装着おむつ20)を示す。図2を参照すると、使い
捨て引き上げ装着衣類20は、各々が前部26においてシャシー41の対応するサイド
部から側面方向に外側に延びている一対の延伸性前部耳パネル46と、各々が後部
28においてシャシー41の対応するサイド部から側面方向に外側に延びている一対
の延伸性後部耳パネル48とを含んでいる。これらの耳パネル46及び48の各々は、
最も外側の縁部240を有しており、これは最も外側の縁線242を形成する。最も外
側の縁線242の少なくともひとつは、衣類20の非収縮状態において長手方向中心
線100から不均一な側面方向距離LDを有している(図2には示されていないが、図3
には示されている)。この引き上げ装着衣類20はさらにシーム32を含んでおり、
これらのシームの各々は、対応する縁線242に沿って前部耳パネル46と後部耳パ
ネル48とを接合してふたつの脚部開口部34とウエスト開口部36とを形成する。
好ましい実施形態において、耳パネル45、46、及び48のペアのうちの少なくと
もひとつ、より好ましくは両方は、少なくとも側面方向に弾性的延伸性がある。
これに代る実施形態において、耳パネル45、46、及び48は、側面方向と長手方向
の両方向に延伸性がある。ここにおいて「延伸性がある」とは、不当な破断を伴な
わずに少なくともひとつの方向においてある程度まで延伸しうる材料のことを言
う。ここにおいて「延伸性」及び「弾性的延伸性」とは、材料を延伸した力が除去さ
れた後、大体そのもとの大きさまで戻る能力を有する延伸性材料のことを言う。
ここにおいて「延伸性がある」として記載されている材料又は要素はまた、他の記
載がなければ弾性的延伸性があるものであってもよい。延伸性耳パネル45、46、
及び48は、当初から引き上げ装着衣類を装着者の形に合わせてフィットさせ、引
き上げ装着衣類に排泄物が負荷されたずっと後でも装着の間中このフィットを持
続させることによって、より快適で輪郭に合ったフィットを与える。これは、耳
パネル45、46、及び/又は48によって、引き上げ装着衣類のサイド部が伸縮しう
るからである。
耳パネル45、46、及び48は、引き上げ装着衣類20又は120の一体型要素によっ
て形成されてもよい(すなわちこれらは、引き上げ装着衣類20又は120に固定され
た別々に操作される要素ではなく、むしろ引き上げ装着衣類の様々な層のひとつ
又はそれ以上の延長部から形成され、かつこれらの延長部である)。好ましい実
施形態において、耳パネル45、46、及び48の各々は、シャシー41の突出部材であ
る(図3により明確に示されている)。好ましくは耳パネル45、46、及び48は、シ
ャシー41の一部を形成し、かつ連続して耳パネル45、46、及び48の中まで延びて
いる少なくともひとつの一体型要素又は連続シート材料(例えば図4における不織
布外側カバー74)を含んでいる。あるいはまた耳パネル45、46、及び48は、シャ
シー41の一部を形成する一体型要素を有しない別々の部材であってもよく(図面
に示されていない)、これらの別々の部材をシャシー41の対応するサイド部に接
合させることによって形成されてもよい。
好ましい実施形態において、引き上げ装着衣類20又は120はさらに、各々耳パ
ネル45、46、及び48の各々から側面方向に外側に延びているシームパネル66を含
んでいる。引裂きオープンタブ(tear open tab)31は、各々シームパネル66から
側面方向に外側に延びている。好ましい実施形態において、シームパネル66の各
々は、対応する耳パネル45、46、及び48の延長部、又はここで用いられている構
成要素の少なくともひとつ、又はこれらの要素のその他のあらゆる組合わせであ
る。より好ましくはこれらの引裂きオープンタブ31の各々はまた、対応するシー
ムパネル66の延長部、又はここで用いられている構成要素の少なくともひとつ、
又はその要素のその他のあらゆる組合わせである。
引裂きオープンタブ31は、引き上げ装着衣類20及び120が汚れた後、シーム32
において意図的な引き裂きオープンを容易にする限りはどんな形状のものであっ
てもよい。好ましい実施形態において、長手方向中心線100からの側面方向距離L
Dは、図10に示されているように脚部開口部34の方へ向かって大きくなる。この
実施形態において、前部耳パネル用に用いられるもとの材料は、上部材料線154
と、この上部材料線154に対して直交するサイド材料線156によって画定される形
状を有する。この最も外側の縁部240と引裂きオープンタブ31は、もとの材
料から縁部部分158を除去する(又は切り取る)ことによって形成される。引裂き
オープンタブ31は、線154及び156によって画定される直角を有するもとの材料の
内部で得ることができるので、効果的な材料の使用を行なうことができる(すな
わちもとの耳パネル材料を効果的に用いることができる)。
好ましい実施形態において、シャシー41及び/又は耳パネル45、46、及び48の
対応する縁部部分は、(例えばシームパネル66を通して)直接又は間接的に重ね合
わせて縫い合わされ、重なり合ったシーム構造が作られる。あるいはまた前部耳
パネル46及び後部耳パネル48は、突合わせシーム方法で(図面では示されていな
い)縫い合わされてもよい。シーム32の接着は、シャシー41及び/又は耳パネル45
、46、及び48に用いられる特定の材料に適したこの技術で知られているあらゆる
適切な手段で実施することができる。従って音波シール、ヒートシール、圧力接
着、接着剤又は凝集接着、縫合、自己接着(autogeneous bonding)等が適切な技
術である。好ましくはシームパネル66は、装着中に衣類20又は120に発生した力
及び応力に耐えうる、予め決められた熱/圧力パターン又は超音波溶接によって
接合される。
連続ベルト38は、図1及び2に示されているようにウエスト開口部36の周りに、
耳パネル45、46、及び48、及びシャシー41の一部によって形成される。好ましく
は弾性化ウエストバンド50は、前部26と後部28との両方に設けられている。連続
ベルト38は、装着者に配置された時に、引き上げ装着衣類20又は120において動
的にフィット力を生じ、これらに体の排泄物が負荷された場合でさえ装着者に対
してこの引き上げ装着衣類20又は120を維持し、従って吸収性コア25(図2には示
されていない)を装着者のすぐ近くに保持し、装着中に動的に発生した力をウエ
ストの周りで分散させ、これによって吸収性コア25を固まらせたり(binding)、
塊にさせたりせずに吸収性コア25に対して補助的支持を与える働きをする。
図3は、(緩和状態に放置されている耳パネル46及び48以外)非収縮状態におけ
る図2の引き上げ装着衣類20の一部切り取られた平面図であり、トップシート24
が見る人の方を向いており、これは耳パネル46及び48がシーム32によって接合さ
れる前のものである。引き上げ装着衣類20は、前部26、この前部26の反対側
にある後部28、前部26と後部28との間に位置する股部30、及び引き上げ装着衣類
20の外側外辺部又は縁部によって画定されている周辺部(ここにおいてサイド縁
部が150及び240、末端縁部又はウエスト縁部が152として示されている)を有する
。トップシート24は、使用中に装着者の体に隣接した位置にある引き上げ装着衣
類20の体側表面を有する。バックシート22は、装着者の体から離れた位置にある
引き上げ装着衣類20の外側表面を有する。引き上げ装着衣類20は、液体透過性ト
ップシート24、トップシート24と組合わされた液体不透過性バックシート22、及
びトップシート24とバックシート22との間に位置する吸収性コア25を含むシャシ
ー41を含んでいる。この衣類20はさらに、シャシー41から側面方向に外側に延び
ている前部耳パネル46及び後部耳パネル48、弾性化レッグカフス52、及び弾性化
ウエストバンド50を含んでいる。トップシート24とバックシート22は、吸収性コ
ア25のものよりも一般に大きい長さと幅のサイズを有する。トップシート24及び
バックシート22は、吸収性コア25の縁部を越えて延びており、これによって衣服
20のサイド縁部150及びウエスト縁部152が形成される。この液体不透過性バック
シート22は、好ましくは液体不透過性プラスチックフィルム68を含んでいる。
引き上げ装着衣類20はまた、ふたつの中心線、すなわち長手方向中心線100と
横断方向中心線110とを有する。ここにおいて「長手方向」とは、引き上げ装着衣
類20が装着されている時に立っている装着者を左半身と右半身とに二分する垂直
平面と一般に一直線になる(例えばほぼ平行になる)引き上げ装着衣類20の平面内
にある線、軸、又は方向のことを言う。ここにおいて「横断方向」及び「側面方向」
とは、長手方向に一般に垂直な引き上げ装着衣類の平面内にある線、軸、又は方
向のことを言う(これは装着者を前半身と後半身とに分けるものである)。引き上
げ装着衣類20及びその構成材料はまた、使用中に装着者の皮膚の方に向いている
体側表面と、体側表面の反対側表面である外側表面とを有する。
本発明の耳パネル45、46、及び48の各々は、最も外側の縁線242を有する。こ
こにおいて「縁線」とは、耳パネル45、46、及び48、又はシャシー41のアウトライ
ンを画定する線のことを言う。ここにおいて「最も外側」とは、長手方向中心線10
0から最も遠い部分のことを言う。縁線242の少なくともひとつは、衣類20の
非収縮状態において長手方向中心線100から不均一な側面方向距離LDを有する。
好ましい実施形態において、最も外側の縁線242は、ウエスト開口部36に最も
近い部分にある第一点251と、脚部開口部34に最も近い部分にある第二点252とを
有し、最も外側の縁線242は、第一点251と第二点252とを連結することによって
画定された直線である。最も外側の縁線242は、耳パネルの最も外側の縁部240の
方向を示している。好ましい実施形態において、縁線242は、引き上げ装着衣類2
0の非収縮状態において、長手方向中心線100の方へ傾いている。より好ましくは
最も外側の縁線242は、引き上げ装着衣類20の非収縮状態において、図3に示され
ているように脚部開口部34の方へ向かって大きくなる、長手方向中心線100から
の側面方向距離LDを有する。あるいはまた最も外側の縁線242は、引き上げ装着
衣類20の非収縮状態において、脚部開口部34の方へ向かって小さくなる、長手方
向中心線100からの側面方向距離LDを有してもよい(図面には示されていない)。
トップシート24、バックシート22、及び吸収性コア25は、非常に多様なよく知
られた形状に組立てられていてもよい。シャシー形状の例は、1975年1月14日に
Kenneth B.Buellに発行された「使い捨ておむつ用の収縮性サイド部分(Contracti
ble Side Portions for Disposable Diaper)」と題する米国特許第3,860,003号;
及び1992年9月29日にKenneth B.Buellらに発行された「予め配置された弾性柔軟
性ヒンジを有する動的弾性ウエスト部材を有する吸収体(Absorbent Article Wit
h Dynamic Elastic Waist Feature Having A Predisposed Resilient Flexural
Hinge)」と題する米国特許第5,151,092号に記載されている。
図4は、図3の断面線4-4に沿う好ましい実施形態の横断面図である。引き上げ
装着衣類20は、液体透過性トップシート24、このトップシート24と組合わされた
液体不透過性バックシート22、及びトップシート24とバックシート22との間に位
置する吸収性コア25を含むシャシー41を含んでいる。この引き上げ装着衣類はさ
らに、各々シャシー41から側面方向に外側に延びている前部耳パネル46と、内側
バリヤーカフス54とを含んでいる。図4は、前部耳パネル46及び前部26における
シャシー41の構造のみを示しているが、好ましくは同様な構造が後部28にも備え
られている。好ましい実施形態において、前部耳パネル46の各々は、
バリヤーフラップ56の延長部分72、弾性部材70、及び不織布外側カバー74のラミ
ネーションによって形成されている。弾性部材70は、平面エラストマー材料124
を含んでいる(図4ではなく、図6に示されている)。ここにおいて「平面エラス
トマー材料」とは、連続的に二次元方向に延びているエラストマー材料のことを
言う。好ましい平面エラストマー材料は、スクリム、穿孔(又は開口成形)フィル
ム、エラストマー織布又は不織布等を含んでいる。好ましい実施形態において、
平面エラストマー材料124は、不均一な側面方向幅を有する少なくともひとつの
部分を含んでいる。
図5は、図2に示されている前部耳パネル46と後部耳パネル48のより詳細な平面
図である。図5において不織布外側カバー74は、耳パネル46及び48から除去され
、弾性部材70とシーム32とを明確に示している。好ましい実施形態において、耳
パネル46及び48の各々は、(例えば図6に示されているもののような)平面エラス
トマー材料124を含む弾性部材70を含んでいる。この弾性部材70はさらに、平面
エラストマー材料124に接合されている延伸性シート又はフィルム材料(例えば不
織布材料)を含んでいてもよい。
好ましい実施形態において、平面エラストマー材料124は、弾性部材70と同じ
形状及び大きさを有する。弾性部材70及び平面エラストマー材料124は、非常に
多様なサイズ及び形状(例えば三角形、長方形、その他の四辺形、及びその他の
多角形)のものであってもよい。好ましい実施形態において、平面エラストマー
材料124は、不均一な側面方向幅LWを有する少なくともひとつの部分を有する。
好ましくは平面エラストマー材料124の側面方向幅LWは、図5に示されているよう
に脚部開口部34の方に向かって大きくなる。あるいはまた平面エラストマー材料
124の側面方向幅LWは、脚部開口部34の方へ向かって小さくなってもよい(図面に
は示されていない)。
好ましい実施形態において、シーム32は、縁線242に沿って予め決定されてい
るシーム線230上に形成されている。シーム線230は、重なり合った区域238にお
いて縁線242間に引くことができるあらゆる直線から決定することができる。よ
り好ましくはシーム線230は、対応する縁線242に沿って形成され、より好ましく
はこれと平行に形成されている。より好ましい実施形態において、重なり合っ
た区域238を等しく分割する直線は、図5に示されているようなシーム線230とし
て選ばれる。
好ましい実施形態において、シーム線230は、この衣類20の非収縮状態におい
て長手方向中心線100の方へ傾いている。好ましくは長手方向中心線100からのシ
ーム線230の側面方向距離は、脚部開口部34の方に向かって大きくなる。あるい
はまた長手方向中心線100からのシーム線230の側面方向距離は、脚部開口部34の
方に向かって小さくなる(図面には示されていない)。
好ましいシーム32は、図5に示されているようにシーム線230上に形成されてい
る複数の間隔があけられている別々のシーム接着部236によって形成されている
。別々のシーム接着部236は、シーム線230上に、ウエスト開口部36から出発する
実質的に接着された部分SBと、脚部開口部34から出発する非接着部分UBとを形成
する。ここにおいて「実質的に接着された部分」とは、他の材料に断続的及び/又
は連続的に接合されて、脚部開口部34及びウエスト開口部36の形成に寄与する部
分のことを言う。ここにおいて「非接着部分」とは、他の材料に接合されていない
部分のことを言う。
もうひとつの実施形態において、シーム32は、シーム線230上で前部耳パネル4
6と48とを連続的に接着する連続接着部によって形成されてもよい(図面に示され
ていない)。連続接着部はまた、シーム線230上において、ウエスト開口部36から
出発する実質的に接着された部分SBと、脚部開口部34から出発する非接着部分UB
とを形成する。
装着者の皮膚に赤い痕がつく問題を避けるために、非接着部分UB/実質的に接
着されている部分SBの長さにおける好ましい比は、約4:96〜約20:80、より好
ましくは約8:92〜約15:85、さらにより好ましくは約10:90〜約13:87である
。乳幼児用の好ましい使い捨て引き上げ装着衣類は、脚部開口部34からの非接着
部分UBの長さが、約4mm〜約20mm、より好ましくは約8mm〜約15mm、さら
により好ましくは約10mm〜約13mmである。
好ましい実施形態において、耳パネル45、46、及び48のうちの少なくともひと
つは、一部造形されて、汚れた後の容易な引裂きオープンのための非接着部分UB
と組合わされた引裂きオープンタブ231を形成する。引裂きオープンタブ231
は、シーム32において意図的引裂きオープンを容易にする限りはあらゆる形状の
ものであってもよい。この実施形態において、耳パネル45、46、及び48は、汚れ
た後、脚部開口部34から引裂きオープンすることができる。従ってもとの引裂き
オープンタブ31は、この実施形態では削除されてもよい。
吸収性コア25は、一般に圧縮可能で形に沿いやすく、装着者の皮膚に刺激を与
えず、液体、例えば尿及びその他のいくつかの体の排泄物を吸収して保持しうる
あらゆる吸収性部材であってもよい。吸収性コア25は、非常に様々なサイズ及び
形状(例えば長方形、砂時計形、「T」形、非対称形等)で、使い捨て引き上げ装着
衣類及びその他の吸収体に通常用いられている非常に様々な液体吸収性材料、例
えば一般にエアフェルトと呼ばれている微粉砕木材パルプから製造することがで
きる。その他の適切な吸収性材料の例には、クレープセルロースワッディング;
コフォームを含むメルトブロウンポリマー;化学的剛化、変性又は架橋セルロー
ス繊維;ティシューラップ及びティシューラミネートを含むティシュー;吸収性
フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー;吸収性ゲル化材料;又はその他
のあらゆる同等の材料又は材料の組合わせが含まれる。
本発明の好ましい実施形態において、吸収性コア25は、引き上げ装着衣類20の
非収縮状態において、コア面積/この衣類の面積の面積比が約25%より大きく、
より好ましくは約40%より大きい。このコア面積は、引き上げ装着衣類20の非収
縮状態における吸収性コア25の体側表面の総面積として規定される。吸収性コア
25の体側表面の周辺部は、吸収性コア25に用いられている第一吸収性材料の集合
体のアウトラインによって決定される。ここにおいて「第一吸収性材料」とは、吸
収性コア25の乾燥状態容積において約80%より大きい部分を占める吸収性材料の
ことを言う。好ましい実施形態において、木材パルプ(例えばエアフェルト)は、
吸収性コア25の第一吸収性材料と考えられており、吸収性コア25の体側表面の周
辺部を画定し、従って吸収性コア25のコア面積を画定する。その他の第一吸収性
材料は、クレープセルロースワッディング;コフォームを含むメルトブロウンポ
リマー;化学的剛化、変性又は架橋セルロース繊維;ティシューラップ及びティ
シューラミネートを含むティシュー;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収
性ポリマー;吸収性ゲル化材料;又はその他のあらゆる同等の材料又は材
料の組合わせを含んでいてもよい。
この衣類の面積は、非収縮状態における引き上げ装着衣類20の体側表面の総面
積として規定される。従って面積比は次のように計算される:
AR=CA/GA×100
ここにおいて、
AR:面積比(%)
CA:コア面積(cm2)
GA:総面積(cm2)
乳幼児用としての好ましい実施形態において、吸収性コア25は、コア面積が約
450cm2より小さく、より好ましくは約425cm2より小さい。好ましくは吸収性
コア25は、最大コア幅が約12cmより小さく、より好ましくは約11cmより小さ
い。ここにおいて「コア幅」とは、ひとつのサイド縁部から吸収性コア25のもう一
方のサイド縁部までの側面方向距離のことを言う。
吸収性コア25の形状及び構成も様々なものであってもよい(例えば吸収性コア2
5は、様々なキャリパーゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又は比較的低い平
均密度及び比較的低い平均坪量の受入れゾーンを有していてもよく;あるいはひ
とつ又はそれ以上の層又は構造を備えていてもよい)。さらには吸収性コア25の
サイズ及び吸収能力も、乳幼児から大人までの様々な装着者に合わせて様々なも
のであってもよい。しかしながら吸収性コア25の総吸収能力は、この衣類20の設
計負荷及び意図された用途に適合したものであるべきである。
この衣類20の好ましい実施形態は、前部ウエスト部26及び後部ウエスト部28に
耳部を有する、非対称修正砂時計形吸収性コア25を有する。広く受入れられて商
品としても成功を収めた、吸収性コア25として用いるための吸収構造のその他の
例は、1986年9月9日にWeismanらに発行された「高密度吸収構造(High-Density
Absorbent Structures)」と題する米国特許第4,610,678号;1987年6月16日にWeis
manらに発行された「二重層コアを有する吸収体(Absorbent Articles With Dual-
Layered Cores)」と題する米国特許第4,673,402号;1989年12月19日にAngstadtに
発行された「ダスチング層を有する吸収性コア(Absorbent Core Having A Dustin
g Layer)」と題する米国特許第4,888,231号;及び1989年5月30日
にAlemanyらに発行された「比較的低い密度及び比較的低い坪量の受入れゾーンを
有する高密度吸収性部材(High Density Absorbent Members Having Lower Densi
ty and Lower Basis Weight Acquisition Zones)」と題する米国特許第4,834,735
号に記載されている。
シャシー41はさらに、吸収性コア25の上に配置された化学的剛化繊維の受入れ
/分配コア84を含み、これによって二重コアシステムが形成されてもよい。好ま
しい実施形態において、これらの繊維は化学的剛化親水性セルロース繊維である
。ここにおいて「化学的剛化繊維」とは、乾燥及び水性の両方の条件下に、繊維の
剛性を増すための化学手段によって剛化されたあらゆる繊維を意味する。このよ
うな手段には、例えば繊維を被覆及び/又は含浸する化学的剛化剤の添加が含ま
れる。このような手段にはまた、繊維それ自体の化学構造を変えることによる、
例えばポリマー鎖を架橋することによる繊維の剛化が含まれる。
受入れ/分配コア84に用いられる繊維はまた、化学反応によって剛化すること
もできる。例えば架橋剤が繊維に塗布されてもよく、これによって塗布後に化学
的に繊維内架橋接着が形成するようにされる。これらの架橋接着は、繊維の剛性
を増加させることができる。繊維を化学的に剛化させるための繊維内架橋結合の
使用が好ましいが、これは繊維の化学的剛化のためのその他の種類の反応を除外
するものではない。
より好ましい剛化繊維において、化学的加工処理は、このような繊維が相対的
に脱水され、繊維が離解され(すなわち個別化され)、撚り合わされ、カールされ
た条件にある間の架橋剤での繊維内架橋が含んでいる。適切な化学剛化剤は、こ
れに限定されるわけではないが、C2-C8ジアルデヒドを含むモノマー架橋剤を含
み、架橋溶液を形成するために、酸官能基を有するC2-C8モノアルデヒドを用い
ることができる。これらの化合物は、単一のセルロース鎖内にあるか、又は単一
繊維内において近くに位置するセルロース鎖上にある少なくともふたつのヒドロ
キシル基と反応しうる。剛化セルロース繊維の調製に用いることが考えられてい
るこのような架橋剤には、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ホルムアルデ
ヒド、及びグリオキシル酸が含まれるがこれらに限定されるわけではない。その
他の適切な剛化剤は、ポリカルボキシレート、例えばクエン酸である。ポリカル
ボキル剛化剤及びこれらからの剛化繊維の製造方法は、1993年3月2日にHerron
に発行された「個別化されたポリカルボン酸架橋繊維の調製方法(Process for Pr
eparing Individualized,Polycarboxylic Acid crosslinked Fibers)」と題する
米国特許第5,190,563号に記載されている。このような条件下における架橋の効
果は、剛化され、かつここでの吸収体としての使用中にその撚り合わされカール
された形状を保持する傾向がある繊維を形成することである。このような繊維及
びこれらの製造方法は、組込まれている前記特許に引用されている。
好ましい二重コアシステムは、1993年8月10日にAlemanyらに発行された「弾性
ウエスト部材及び向上した吸収性を有する吸収体(Absorbent Article With Elas
tic Waist Feature and Enhanced Absorbency)」と題する米国特許第5,234,423号
;及び1992年9月15日にYoung、LaVon、及びTaylorに発行された「失禁管理のた
めの高効率吸収体(High Efficiency Absorbent Articles For Incontinence Man
agement)」と題する米国特許第5,147,345号に開示されている。好ましい実施形
態において、受入れ/分配コア84は、化学処理された剛化セルロース繊維材料を
含んでいる。これは、ウエイヤーホイザー社(Weyerhaeuser Co.)(米国)からCMC
という商品名で入手しうるものである。好ましくはこの受入れ/分配コア84は、
坪量が約40g/m2〜約400g/m2、より好ましくは約75g/m2〜約300g/m2である。
より好ましくはシャシー22はさらに、図4に示されているように、トップシー
ト24と受入れ/分配コア84との間に受入れ/分配層82を含んでいる。受入れ/分配
層82は、トップシート24の表面湿潤傾向を減らすのを助けるために設けられてい
る。受入れ/分配層82は、好ましくはカード樹脂ボンドハイロフト不織布材料を
備えている。これは例えば、北米ポリマー・グループ社(Polymer Group,Inc.No
rth America)(米国ニュージャージー州ランディシビル(Landisiville,New Jers
ey,U.S.A.)からコード番号FT-6860として入手しうるものであり、これは6dtexの
ポリエチレンテレフタレート繊維からできており、約43g/m2の坪量を有する。受
入れ/分配層82及び受入れ/分配コア84の好ましい例は、1997年10月1日に公開さ
れた第EP 0797968A1(Kurtら)に開示されている。
トップシート24は、好ましくは柔軟で感触が柔らかく、装着者の皮膚に刺激を
与えない。さらにはトップシート24は液体透過性であり、液体(例えば尿)がその
厚さを容易に透過することができる。適切なトップシート24は、広い範囲の材料
から製造することができる。例えば織布及び不織布材料;ポリマー材料、例えば
開口成形熱可塑性フィルム、開口プラスチックフィルム、及び油圧成形熱可塑性
フィルム;多孔質フォーム;網状化フォーム;網状化熱可塑性フィルム;及び熱
可塑性スクリムである。適切な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば木材繊
維又は綿繊維)、合成繊維(例えばポリマー繊維、例えばポリエステル、ポリプロ
ピレン、又はポリエチレン繊維)から構成されていてもよく、あるいは天然繊維
と合成繊維との組合わせから構成されていてもよい。トップシート24は、トップ
シート24を通過して吸収性コア25に含じ込められた液体から装着者の皮膚を隔離
するため(すなわち再湿潤を防ぐため)に、好ましくは疎水性材料からできている
。トップシート24が疎水性材料からできている場合、トップシート24の少なくと
も上部表面は、液体がより素早くトップシートを通って移動するように親水性に
なるように処理されている。これによって、体の排泄物がトップシート24を通っ
て引き込まれて、吸収性コア25によって吸収されるのではなく、トップシート24
から流れ落ちる可能性が減る。トップシート24は、これを界面活性剤で処理する
ことによって親水性にされてもよい。トップシート24を界面活性剤で処理するの
に適した方法には、トップシート24の材料に界面活性剤をスプレーすること、及
びこの材料を界面活性剤中に浸漬することが含まれる。このような処理及び親水
性についてのより詳細な考察は、1991年1月29日にReisingに発行された「多数層
吸収層を有する吸収体(Absorbent Articles with Multiple Layer Absorbent La
yers)」と題する米国特許第4,988,344号、及び1991年1月29日にReisingに発行さ
れた「急速受入れ吸収性コアを有する吸収体(Absorbent Articles with Rapid Ac
quiring Absorbent Cores)」と題する米国特許第4,988,345号に含まれている。
好ましい実施形態において、トップシート24は、表面湿潤性が減少する傾向を
与え、その結果、湿潤後このコア25によって吸収された尿を使用者の皮膚から離
しておくことが容易にできる不織布ウエブである。好ましいトップシート材料の
ひとつは、ファイバーウエブ北米社(Fiberweb North America,Inc.)(米国サウス
カロライナ州シンプソンビル(Simpsonville,South Carolina,U.S.A.))からコー
ド
番号P-8として入手しうる熱接着カードウエブである。もうひとつの好ましいト
ップシート材料は、日本国のハビックス社(Havix Co.)からコード番号S-2355と
して入手しうるものである。この材料は二層複合材材料であり、カード及び通風
技術を用いて二種類の合成界面活性剤処理された二成分繊維からできている。さ
らにもうひとつの好ましいトップシート材料は、アモコ・ファブリックス社(Amo
co Fabrics,Inc.)(ドイツ国グロナウ(Gronau,Germany))から、コード番号プロフ
リース・スタイル(Profleece Style)040018007として入手しうる熱接着カードウ
エブである。
好ましい実施形態において、トップシート24は、ウエスト縁部152に沿って、
及び/又は引き上げ装着衣類20又は120のその他の部分において換気孔を形成する
ために、その設計/プロセスの点で、この引き上げ装着衣類20又は120に用いられ
ているその他の材料(例えばバックシート22における構成材料)と適合しうるも
のである。
もうひとつの好ましいトップシート24は、開口成形フィルムを含んでいる。開
口成形フィルムがトップシート24には好ましいが、その理由は、これらが体の排
泄物に対して透過性があるのに非吸収性であり、液体が逆流して装着者の皮膚を
再び濡らす傾向が少なくなるからである。従って体と接触している成形フィルム
の表面は乾いたままであり、これによって体が汚れることが少なくなり、装着者
にとってより快適な感触が生じる。適切な成形フィルムは、1975年12月30日にTh
ompsonに発行された「先細り毛管を有する吸収構造(Absorptive Structures Havi
ng Tapered Capillaries)」と題する米国特許第3,929,135号;1982年4月13日に
Mullaneらに発行された「汚れ抵抗性トップシートを有する使い捨て吸収体(Dispo
sable Absorbent Article Having A Stain Resistant Topsheet)」と題する米国
特許第4,324,246号;1982年8月3日にRadelらに発行された「繊維様特性を示す
弾性プラスチックウエブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Prope
rties)」と題する米国特許第4,342,314号;1984年7月31日にAhrらに発行された「
光沢のない可視表面及び布様触感を示す巨視的膨張三次元プラスチックウエブ(M
acroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glo
ssy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」と題する米国特許
第
4,463,045号;及び1991年4月9日にBairdに発行された、「多層ポリマーフィル
ム(Multilayer Polymeric Film)」と題する米国特許第5,006,394号に記載されて
いる。
好ましい実施形態においてバックシート22は、例えば図4に示されているよう
な液体不透過性フィルム68を含んでいる。好ましくは液体不透過性フィルム68は
、前部26、後部28、及び股部30において長手方向に延びている。より好ましくは
液体不透過性フィルム68は、耳パネル46又は48のうちの少なくともひとつの中ま
で側面方向に延びていない。液体不透過性フィルム68は、体側表面79と外側表面
77とを有している。液体不透過性フィルム68は、液体(例えば尿)不透過性であり
、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造される。しかしながらより好ま
しくは、プラスチックフィルムは蒸気をこの衣類20から逃がすことができる。好
ましい実施形態において、この液体不透過性フィルム68には、微孔質ポリエチレ
ンフィルムが用いられる。適切な微孔質ポリエチレンフィルムは、日本国名古屋
の三井東圧化学(Mitsui Toatsu Chemicals,Inc.)によって製造され、PG-Pという
商品として販売されているものである。好ましい実施形態において、使い捨てテ
ープ(図面には示されていない)はさらに、バックシート22の外側表面に接合され
、汚れた後の処分に都合がよい。
液体不透過性フィルム68に適した材料は、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051m
m(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムであり、好ましくはポリエチレン
又はポリプロピレンを含んでいる。好ましくはこの液体不透過性フィルムは、約
5g/m2〜約35g/m2の坪量を有する。しかしながらその他の柔軟性液体不透過性材
料も用いることができることに注目すべきである。ここで用いられている用語「
柔軟性」は、柔軟性があり、かつ装着者の体の一般的形状及び輪郭に沿いやすい
材料のことを言う。
好ましくはバックシート22はさらに、液体不透過性フィルム68の外側表面と接
合されてラミネート(すなわちバックシート22)を形成する不織布外側カバー74を
含んでいる。不織布外側カバー74は、この衣類20の最も外側の部分に配置され、
この衣類20の最も外側の部分の少なくとも一部を覆っている。好ましい実施形態
において不織布外側カバー74は、この衣類20の最も外側の部分の面積のほとんど
全部を覆っている。不織布外側カバー74は、この技術で知られているあ
らゆる適切な接着手段によって液体不透過性フィルム68に接合されてもよい。例
えば不織布外側カバー74は、均一連続接着剤層、パターン接着剤層、あるいは一
列の別々の接着剤線、螺旋、又はスポットによって液体不透過性フィルム68に固
定されていてもよい。適切な接着剤には、日本国大阪のニッタ・フィンドレイ株
式会社(Nitta Findley Co.,Ltd.)からH-2128として入手しうるホットメルト接着
剤、及び日本国大阪のエイチ・ビー・フラー・ジャパン株式会社(H.B.Fuller Ja
pan Co.,Ltd.)からJM-6064として入手しうるホットメルト接着剤が含まれる。
好ましい実施形態において、不織布外側カバー74は、例えば日本国岐阜のハビ
ックス株式会社(Havix Co.,Ltd.)からE2341として入手しうるカード不織布ウエ
ブである。不織布外側カバー74は、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)との
二成分繊維からできている。PE/PP比は約50/50である。PE/PP二成分繊維は、2d
×51mmの大きさを有する。もうひとつの好ましいカード不織布ウエブは、日本
国モリヤマ(Moriyama)のチッソ社(Chisso Corp.)から入手しうる。不織布外側カ
バー74もまた、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)との二成分繊維からでき
ている。PE/PP比は約50/50である。
もうひとつの好ましい実施形態において、この不織布ウエブは、例えば日本国
東京の三井石油化学工業(Mitsui Petrochemical Industries,Ltd.)から入手しう
るスパンボンド不織布ウエブである。この不織布ウエブは、ポリエチレン(PE)と
ポリプロピレン(PP)との二成分繊維からできている。PE/PP比は約80/20である。
PE/PP二成分繊維は、約2.3dの厚さを有する。
好ましい実施形態において、バックシート22は、ウエスト縁部152に沿って換
気孔を形成するために、及び/又は引き上げ装着衣類20又は120にシーム32を形成
するために、その設計/プロセスの点で、この引き上げ装着衣類20又は120に用い
られているその他の材料(例えばトップシート24における構成材料)と適合しう
るものである。
バックシート22は、好ましくは吸収性コア25の外側表面に隣接して配置されて
おり、好ましくはこの技術で知られているあらゆる適切な接着手段によってこれ
に接合されている。例えばバックシート22は、均一連続接着剤層、パターン接着
剤層、あるいは一列の別々の接着剤線、螺旋、又はスポットによって吸収性コ
ア25に固定されていてもよい。満足すべきことが分っている接着剤は、米国ミネ
ソタ州セントポール(St.Paul,Minnesota)のエイチ・ビー・フラー社(H.B.Fuller
Company)によって製造され、HL-1358Jとして販売されているものである。接着
剤フィラメントのオープンパターンネットワークを含む適切な接着手段の一例は
、1986年3月4日にMinetolaらに発行された「使い捨て排泄物封じ込め衣類(Disp
osable Waste-Containment Garment)」と題する米国特許第4,573,986号に開示さ
れている。渦巻き状に螺旋パターンにされた接着剤フィラメントのいくつかの線
を含むもうひとつの適切な接着手段は、1975年10月7日にSprague Jr.に発行さ
れた米国特許第3,911,173号;1978年11月22日にZieckerらに発行された米国特許
第4,785,996号;及び1989年6月27日にWereniczに発行された米国特許第4,842,6
66号に示されている装置及び方法によって例証されている。あるいはまた接着手
段は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、あるいはこの技術で知
られているその他のあらゆる適切な手段又はこれらの接着手段の組合わせを含ん
でいてもよい。
もうひとつの実施形態において、吸収性コア25は、前部26及び後部28により大
きい延伸性を与えるために、バックシート22及び/又はトップシート24に接合さ
れていない。
引き上げ装着衣類20は好ましくはさらに、液体及びその他の体の排泄物の改良
された封じ込めを与えるために、弾性化レッグカフス52を含んでいる。弾性化レ
ッグカフス52は、脚部において体の排泄物の漏れを減らすために、いくつかの様
々な実施形態を含んでいてもよい。(レッグカフスは、レッグバンド、サイドフ
ラップ、バリヤーカフス、弾性カフス、又はガスケットカフスであってもよく、
そう呼ばれることもある。)1975年1月14日にBuellに発行された「使い捨ておむ
つ用の収縮可能なサイド部分(Contractable Side Portions for Disposable Dia
per)」と題する米国特許第3,860,003号は、サイドフラップ及びひとつ又はそれ以
上の弾性部材を有する収縮性脚部開口部を備えて、弾性化レッグカフスを生じる
使い捨ておむつについて記載している。1990年3月20日にAzizらに発行された「
弾性化フラップを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having
Elasticized Flaps)」と題する米国特許第4,909,803号は、脚部の封じ込めを改
良す
るために、「立ち上った」弾性化フラップ(バリヤーカフス)を有する使い捨ておむ
つについて記載している。1987年9月22日にLawsonに発行された「二重カフスを
有する吸収体(Absorbent Article Having Dual Cuffs)」と題する米国特許第4,69
5,278号;及び1989年1月3日にDragooに発行された「漏れ抵抗性二重カフスを有
する吸収体(Absorbent Article Having Leakage-Resistant Dual Cuffs)」と題す
る米国特許第4,795,454号は、ガスケットカフスとバリヤーカフスとを含む二重
カフスを有する使い捨ておむつについて記載している。1987年11月3日にBuell
に発行された「使い捨てウエスト封じ込め衣類(Disposable Waist Containment G
arment)」と題する米国特許第4,704,115号は、遊離液体を衣類内部に封じ込める
ような形状のサイド縁部漏れガード溝部を有する使い捨ておむつ又は失禁用衣類
を開示している。
各弾性化レッグカフス52は、前記のようなレッグバンド、サイドフラップ、バ
リヤーカフス、又は弾性カフスのどれかに似ているような形状であってもよいが
、弾性化レッグカフス52は図3に示されているようなひとつ又はそれ以上の弾性
ストランド64を有する弾性ガスケットカフス62を含むのが好ましい。これは、前
記引例の米国特許第4,695,278号及び第4,795,454号に記載されている。各弾性化
レッグカフス52はさらに、各々が前記引例の米国特許第4,909,803号に記載され
ているバリヤーフラップ56と間隔あけ手段58とを含んでいる内側バリヤーカフス
54を含んでいる。
引き上げ装着衣類20は好ましくはさらに、改良されたフィット及び封じ込めを
与える弾性化ウエストバンド50を含んでいる。この弾性化ウエストバンド50は、
装着者のウエストに動的なフィットを与えるように弾性的に伸縮するための、引
き上げ装着衣類20の部分又はゾーンである。弾性化ウエストバンド50は、好まし
くは引き上げ装着衣類20のウエスト縁部から吸収性コア25のウエスト縁部の方へ
長手方向に外側に延びている。好ましくは引き上げ装着衣類20は、ふたつの弾性
化ウエストバンド50を備えており、ひとつが後部28に位置しており、ひとつが前
部26に位置している。但し単一の弾性化ウエストバンドを備えたその他の引き上
げ装着おむつの実施形態を構成することもできる。弾性化ウエストバンド50は、
いくつかの異なる形状に構成されていてもよい。これらの形状には、
1985年5月7日にKievitらに発行された「弾性的収縮性ウエストバンドを有する
使い捨ておむつ(Disposable Diapers with Elastically Contractible Waistban
ds)」と題する米国特許第4,515,595号、及びBuellに発行された前記引例の米国特
許第5,151,092号に記載されているものも含まれる。
ウエストバンド50は、「予備歪された(prestralned)」又は「機械的に予備歪され
た」(すなわち材料を永久伸びさせるために、ある程度の局部化パターン機械的ス
トレッチに付された)材料を含んでいてもよい。これらの材料は、この技術で知
られている深いエンボス技術を用いて予備歪されていてもよい。あるいはまたこ
れらの材料は、1994年7月19日にBuellらに発行された「機械的に予備歪された部
分を有する弾性部材を備えた吸収体(Absorbent Article With Elastic Feature
Having A Portion Mechanically Prestrained)」と題する米国特許第5,330,458号
に記載されているようなインクリメンタルな機械的ストレッチ装置に材料を通し
て予備歪されてもよい。ついでこれらの材料は、その実質的に非張力の状態に戻
され、従って少なくとも当初ストレッチ点まで延伸性のあるゼロ歪ストレッチ材
料が形成される。ゼロ歪材料の例は、1937年3月30日にGalliganに発行された米
国特許第2,075,189号;1962年3月13日にHarwoodに発行された米国特許第3,025,
199号;各々1978年8月15日と1980年6月24日にSissonに発行された米国特許第4
,107,364号と第4,209,563号;1989年5月30日にSabeeに発行された米国特許第4,
834,741号;及び1992年9月29日にBuellらに発行された米国特許第5,151,092号
に開示されている。
耳パネル45、46、及び48のうちの少なくともひとつは、図4に示されている弾
性部材70を含んでいる。前部耳パネル46の弾性部材70は、装着者のウエスト及び
サイド区域において最適な保持(又は持続)力を発生させることによって良好なフ
ィットを与えるために、好ましくはシャシー41から側面方向に外側に延びている
エラストマー材料124(図4に示されていない)を含んでいる。好ましくはエラス
トマー材料124は、少なくともひとつの方向に、好ましくは側面方向に延伸性が
あり、引き上げ装着衣類20が装着者の皮膚に赤い痕を生じることなく、胴部の定
位置から垂れ下がったり、たるんだり、滑り落ちたりするのを防ぐのに最適な保
持(又は持続)力を発生させる。好ましい実施形態において、耳パネル45、46、
及び48の各々は、エラストマー材料124を備えている。
弾性部材70は、耳パネル45、46、及び48において不織布ウエブ72及び74のうち
の少なくともひとつに操作によって(operatively)接合され、弾性部材70が少な
くとも側面方向に弾性的延伸性があるようにされる。好ましい実施形態において
、弾性部材70は、実質的に非張力(ゼロ歪)状態にある間、不織布ウエブ72及び74
のうちの少なくともひとつ、好ましくは両方にこれらを固定することによって不
織布ウエブ72及び74に操作によって接合される。
弾性部材70は、断続的接着形状又は実質的に連続した接着形状のどちらかを用
いて、不織布ウエブ72及び74に操作によって接合することができる。ここで用い
られている「断続的に」接合されたラミネートウエブとは、プライが間隔があけら
れている離散地点において当初から互いに接合されているラミネートウエブ、又
はプライが間隔があけられている離散区域において互いに実質的に接合されてい
ないラミネートウエブを意味する。逆に「実質的に連続的に」接着されたラミネー
トウエブとは、プライが界面区域全体において当初から互いに実質的に連続的に
接合されているラミネートウエブを意味している。非弾性ウエブ(すなわち不織
布ウエブ72及び74)が、破断を生じることなく伸びるかあるいは引張られるよう
に、ストレッチラミネートがこのストレッチラミネートの全部又はかなり大きい
部分において接着されているのが好ましく、かつストレッチラミネートの層が、
好ましくはインクリメンタルな機械的ストレッチ操作後にストレッチラミネート
の層のすべてを互いに対して相対的に密接な接着に維持する形状において接着さ
れている。従って弾性パネル部材及びストレッチラミネートのその他のプライは
、接着剤を用いて好ましくは実質的に連続的に互いに接着されている。特に好ま
しい実施形態において、選定された接着剤は、制御被覆スプレーパターンで、約
7.0グラム/平方mの坪量で塗布される。この接着剤パターンの幅は約6.0cmであ
る。接着剤は好ましくは、日本国大阪のニッタ・フィンドレイ株式会社(Nitta F
indley Co.,Ltd.)から、H2085Fという名称で入手しうる接着剤である。あるいは
また、弾性パネル部材及びストレッチラミネートのその他のあらゆる要素は、熱
接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又はこの技術で知られているそ
の他のあらゆる方法を用いて、互いに断続的又は連続的に接着されてもよい。
弾性部材70が、不織布ウエブ72及び74のうちの少なくともひとつに操作によっ
て接合された後、ついで結果として生じた複合材ストレッチラミネートの少なく
とも一部は、例えば不織布ウエブ72及び74である非弾性要素を永久伸びさせるの
に十分なほどの機械的ストレッチに付される。ついで複合材ストレッチラミネー
トはその実質的に非張力の状態に戻される。従って耳パネル45、46、及び48の少
なくとも一対、好ましくは両方が、「ゼロ歪」ストレッチラミネートに成形される
。(あるいはまた弾性部材70は、張力状態において操作によって接合し、つい
で機械的ストレッチに付すこともできよう。但しこれは「ゼロ歪」ストレッチラミ
ネートほど好ましくない。)ここにおいて「ゼロ歪」ストレッチラミネートとは、
実質的に非張力(「ゼロ歪」)状態にある間に、その同一の広がりを持つ表面の少な
くともひとつの部分に沿って互いに固定されている少なくとも2プライの材料か
ら構成されるラミネートのことを言う。これらのブライのひとつはストレッチ性
がありかつエラスマー性がある(すなわち加えられた引張り力が解放された後で
実質的にその非張力の大きさに戻るものである)材料を含んでおり、第二のプラ
イは、伸長性があり(elongatable)(しかしながら必ずしもエラストマー性ではな
い)、従ってストレッチした時に第二プライは少なくともある程度まで永久伸び
がなされ、従って加えられた引張り力が解放された時に、これはそのもとの非変
形形状に完全には戻らないものである。結果として生じたストレッチラミネート
はこれによって、当初のストレッチ方向に、少なくとも当初ストレッチ点まで弾
性的延伸性があるものにされる。ストレッチラミネートの特に好ましい製造方法
及び装置は、要素を機械的にストレッチするためにかみ合い波形ロールを利用し
ている。特に好ましい装置及び方法は、1992年12月1日にWeberらに発行された
米国特許第5,167,897号;1990年10月20日にBuellらに発行された米国特許第5,15
6,793号;及び1992年9月1日にWeberらに発行された米国特許第5,143,679号に
開示されている。
弾性部材70は、好ましくは図4に示されている接着剤76によって液体不透過性
フィルム(すなわち液体不透過性フィルム68)の各縁部78に接合され、より好まし
くはこれに直接固定される。好ましい実施形態において、液体不透過性フィルム
68は、前部26、後部28、及び股部30において長手方向に延びているが、延伸
性耳パネル45、46、及び48のうちの少なくともひとつ、好ましくはこれらの各々
の中までは側面方向に延びていない。より好ましい実施形態において、弾性部材
70は、図4に示されているように、外側表面77において、液体不透過性フィルム6
8の各縁部78に接合されている。もうひとつの実施形態において、弾性部材70は
、体側表面79において(図面では示されていない)液体不透過性フィルム68の各縁
部78に接合されてもよい。好ましくは接着剤76は、螺旋グルーパターンとして塗
布される。好ましい実施形態において、接着剤76は非晶質の結晶化成分を備えた
柔軟性接着剤である。このような好ましい接着剤は、日本国大阪のニッタ・フィ
ンドレイ株式会社から、H2085Fという名称で製造されているものである。あるい
はまた弾性部材70は、この技術で知られているその他のあらゆる接着手段によっ
て、液体不透過性フィルム68の各縁部78に接合されてもよい。これらの手段には
、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又はこれらの接着手段の組
合わせが含まれる。
図6を参照すると、弾性部材70は、第一表面150とこの第一表面150の反対側の
第二表面152とを有するエラストマー材124、及びこのエラストマー材料124の第
一表面150に接合されている第一カバー素材(coverstock)層122を含んでいる。好
ましい実施形態において、第一カバー素材層122は、例えば図7に示されているよ
うに接着剤160によって、エラストマー材料124の第一表面150に接合されている
。より好ましくはエラストマー部材70はさらに、接着剤164によってエラストマ
ー材料124の第二表面152に接合されている第二カバー素材層126を含んでいる。
好ましくは弾性部材70は、図4に示されているように、外側表面77において、
液体不透過性フィルム68の各縁部78に接合されている。もうひとつの実施形態に
おいて、弾性部材70は、体側表面79において(図面では示されていない)液体不透
過性フィルム68の各縁部78に接合されてもよい。
エラストマー材料124は、非常に多様なサイズ、形態、及び形状に形成されて
いてもよい。好ましい実施形態において、エラストマー材料124は連続平面層の
形態にある。連続平面層の好ましい形態には、スクリム、穿孔(又は開口形態)フ
ィルム、エラストマー織布又は不織布等が含まれる。連続平面層は、耳パネルに
適切に備えうるあらゆる形状を有していてもよい。連続平面層の好ましい形状に
は、長方形及び正方形を含む四辺形、台形、及びその他の多角形が含まれる。も
うひとつの実施形態においてエラストマー材料124は、互いに連結されていない
離散ストランド(又はストリング)の形態にある。
エラストマー材料124に特に適していることが分かっているエラストマー材料
は、スチレンブロックコポリマー系スクリム材料、穿孔(又は開口)弾性フィルム
であり、好ましくは厚さが約0.05mm〜約1.0mm(0.002インチ〜0.039インチ)
のものである。エラストマー材料124に適したその他の適切なエラストマー材料
には、「生きた(live)」合成又は天然ゴム、その他の合成又は天然ゴムフォーム、
エラストマーフィルム(熱収縮性エラストマーフィルムを含む)、エラストマー織
布又は不織布ウエブ、エラストマー複合材等が含まれる。
好ましい実施形態において、エラストマー材料124は、図9に示されているよう
な多孔質巨視的膨張三次元エラストマーウエブ172である。このウエブ172は、連
続第一表面174と、第一表面174から離れている不連続第二表面176とを有する。
エラストマーウエブ172は、好ましくは少なくともふたつのポリマー層を有する
成形フィルムを備えている。これらの層の少なくともひとつはエラストマー層17
8であり、その他の層の少なくともひとつは、実質的にエラストマー性がより小
さいエラストマースキン層182である。このエラストマーウエブは、ウエブ172の
第一表面174において多数の第一開口部184を示し、これらの第一開口部184は、
相互連結部材186の連続ネットワークによって第一表面174の平面において画定さ
れている。各相互連結部材186は、その長さに沿って上向き凹形状横断面を示す
。相互連結部材186は、実質的に互いに同時に終了して、ウエブの第二表面の平
面において第二開口部188を形成する。第一開口部184は、あらゆる形状であって
もよい。このような構造及び製造方法の詳細は、1997年3月14日に出願された米
国特許出願第08/816,106号に開示されている。好ましい多孔質エラストマー材料
124は、トレデガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products)によってX
-25007という名称で製造されているものである。
サイドエラストマー材料124の延伸特性、例えば100%延伸における第一サイク
ル延伸力(FCEF100%)、200%延伸における第一サイクル延伸力(FCEF200%)、50
%延伸における第二サイクル回復力(SCRF5O%)、及び10〜
12時間後の50%における持続負荷は、使い捨て衣類の性能における重要な考慮事
項である。サイドエラストマー材料124は、好ましくはここにおいて規定された
範囲内にある延伸特性を有する。FCEF100%及びFCEF200%は、使い捨て衣類の装
着/除去の間に全体として感知される「ストレッチ性」の尺度である。これらのふ
たつの特性はまた、装着させる人が適切な程度の装着ストレッチを得ることがで
きるかどうかにも影響を与える。相対的に高いFCEF100%及びFCEF200%を有する
サイドエラストマー材料124は、使い捨て衣類を装着者に装着させるのを難しく
させることがある。他方で相対的に低いFCEF100%及びFCEF200%を有するサイド
エラストマー材料124は、適切なレベルのボディフィット/適合性を得ることがで
きない。SCRF50%はまた、装着者に対する使い捨て衣類のボディフィット/適合
性と密接な関連がある。相対的に高いSCRF50%を有するサイドエラストマー材料
124は、装着者の皮膚に赤い痕を付ける傾向があり、使用中装着者にとって不快
なことがある。相対的に低いSCRF50%を有するサイドエラストマー材料124は、
おむつを装着者の定位置に維持するのに十分な弾性力を与えることはできず、良
好なボディフィットを与えることもできない。10〜12時間後の50%における持続
負荷は、時間経過による力の減少(decay)を評価するものである。この力の減少
は制限されるべきであり、さもなければかなりなたるみが生じるであろう。
FCEF100%、FCEF200%、及びSCRF50%の値は、引張り試験機を用いて測定する
ことができる。引張り試験機は、上部ジョーとこの上部ジョーの下に位置する下
部ジョーとを含んでいる。上部ジョーは移動可能であり、延伸力測定手段に連結
されている。下部ジョーは、デスク(又は床)に固定されている。幅が約2.54cm
(1.0インチ)、長さが約12.75cm(5インチ)のテスト標本(すなわち測定されるエ
ラストマー材料)が準備され、上部ジョーと下部ジヨーとの間で圧締めされる。
従って効果的標本長さ(L)(すなわちゲージ長)は約5.08cm(2.0インチ)である。
延伸力は上部ジョーを通してテスト標本に加えられる。延伸力がテスト標本に加
えられない時、テスト標本はそのもとの長さにある(すなわち0%延伸)。ここで
用いるのに適した引張り試験機は、インストロン社(Instron Corporation)(米国
MA02021カントン、ロイヤルストリート100番地(100 Royal
Street,Canton,MA02021,U.S.A))から、コード番号インストロン(Instron)5564と
して入手しうるものである。
図8は、エラストマー材料124の2サイクルヒステリシスに関する延伸力及び回
復力の曲線のひとつの好ましい例を示している。曲線E1は、第一サイクルにおけ
る延伸力を示すが、一方曲線R1は第一サイクルにおける回復力を示している。曲
線E2(破線で示されている)は、第二サイクルにおける延伸力を示すが、一方曲線
R2は第二サイクルにおける回復力を示す。延伸特性及び回復特性は次のように測
定される。
第一サイクルにおいてテスト標本は、約23℃においてクロスヘッド速度50.8cm
/分(20インチ/分)で当初延伸力に付され、200%延伸で30秒間維持される。つい
でテスト標本は同じ速度でもとの状態に緩和される(すなわち0%延伸)。テスト
標本は、同じ速度及び条件で(第二サイクルの場合)第二延伸力に付される前、1
分間非拘束状態(unconstrained)にされる。
好ましい実施形態において、サイドエラストマー材料124のFCEF100%は、少な
くとも約100グラム/インチである。より好ましくはFCEF100%は、約120と約220
グラム/インチの間であり、最も好ましくは約150と190グラム/インチの間である
。FCEF200%は、好ましくは約160グラム/インチと約450グラム/インチの間であ
り、より好ましくは約180グラム/インチと約300グラム/インチの間であり、さら
になお好ましくは約200グラム/インチと約240グラム/インチの間である。サイド
エラストマー材料124のSCRF50%は、好ましくは約40グラム/インチと約130グラ
ム/インチの間であり、より好ましくは約65グラム/インチと約105グラム/インチ
の間であり、さらになお好ましくは約75グラム/インチと約95グラム/インチの間
である。10〜12時間後の50%における持続負荷は、好ましくは約40グラム/イン
チと約130グラム/インチの間であり、より好ましくは約65グラム/インチと約105
グラム/インチの間であり、さらになお好ましくは約75グラム/インチと約95グラ
ム/インチの間である。
図6に示されている好ましい実施形態において、エラストマースクリム124は、
複数の第一ストランド125と複数の第二ストランド127とを有している。複数の第
一ストランド125は、複数の第二ストランド127と、予め決定された角度αで
ノード130において交差し、複数の開口部132を有するネット様開放構造を形成す
る。各開口部132は、少なくともふたつの隣接第一ストランドと少なくともふた
つの隣接第二ストランドとによって画定され、従って開口部132は実質的に形状
が長方形である。開口部132のその他の形状、例えば平行四辺形、正方形、ある
いは円弧セグメントも備えることができる。好ましくは第一ストランド125と第
二ストランド127は実質的に真っ直ぐであり、互いに実質的に平行である。好ま
しくは第一ストランド125は第二ストランド127と、角度αが約90°になるように
ノード130において交差する。第一ストランド125と第二ストランド127とは、好
ましくはノード90において接合されるか又は接着されている。
好ましいエラストマースクリム124は、コンウェド・プラスチックス社(Conwed
Plastics Company)(米国ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis,Minn.U.S.A.))
によって、XO2514という名称で製造されている。この材料は、構造方向Bにおい
て1インチあたり約12の弾性ストランドを有し(すなわち第一ストランド125)、構
造方向Dにおいて1インチあたり約7の弾性ストランドを有する(すなわち第二スト
ランド127)。
図6に示されている実施形態において、弾性部材70は、第一カバー素材層122及
び第二カバー素材層126、及び第一カバー素材層122及び第二カバー素材層126に
配置されたエラストマー材料124を含んでいる。第一カバー素材層122は、内側表
面142と外側表面144とを有する。第一カバー素材層122の内側表面142は、エラス
トマー材料124に面した位置にある表面である。第二カバー素材層126もまた、内
側表面146と外側表面148とを有する。第二カバー素材層126の内側表面146は、エ
ラストマー材料124に面した位置にある表面である。エラストマー材料124はまた
、ふたこつの平らな表面、すなわち第一表面150と第二表面152とを有する。これ
らの各々は、第一カバー素材層122及び第二カバー素材層126の平面と実質的に平
行である。第一表面150は、第一カバー素材層122の内側表面142の最も近くに隣
接したエラストマー材料124の平らな表面である。第二表面152は、第二カバー素
材層126の内側表面146の最も近くに隣接したエラストマー材料124の平らな表面
である。
弾性部材70は、使用前及び使用中に機械的ストレッチに付されるものであるの
で、第一カバー素材層122及び第二カバー素材層126は、不当な引裂きも破れも(
好ましくは全く)伴なわずに、好ましくは相対的に高い破断伸びを有するもので
あり、より好ましくはストレッチ性があるか又は伸長性があり、さらになお好ま
しくは圧伸性がある(drawable)(しかしながら必ずしもエラストマー性はない)。
さらには第一カバー素材層122及び第二カバー素材層126は、好ましくは柔軟で感
触が柔らかく、装着者の皮膚に刺激を与えず、この製品に、布の衣服の感触と快
適性を与えるものである。第一カバー素材層122及び第二カバー素材層126に適し
た材料は、非常に様々な材料から製造することができる。例えばプラスチックフ
ィルム、開口プラスチックフィルム、天然繊維(例えば木材又は綿繊維)、合成繊
維(例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、又はポ
リプロピレン繊維)の織布又は不織布ウエブ、又は天然繊維及び/又は合成繊維の
組合わせ、被覆織布又は不織布ウエブである。
好ましくは第一カバー素材層122及び第二カバー素材層126の各々は、同一の圧
縮(consolidated)不織布材料である。好ましい不織布材料の例は、ファイバーウ
エブ北米社(Fiberweb North America,Inc.)(米国サウス・カロライナ州シンプソ
ンビル(Simpsonville,South Carolina,U.S.A.))によってソフスパン(Sofspan)20
0という名称で製造されているものである。この材料は、圧縮前の坪量が25g/m2
であり、圧縮後の坪量が約63g/m2である。ここにおいて「坪量」とは、1平方メ−
トルの平らなウエブ材料の重量である。あるいはまた高度に歪可能な(strainabl
e)不織布材料を用いてもよい。あるいはまた第一カバー素材層122及び第二カバ
ー素材層126は、所望の性能要件、例えば弾性性能、柔らかさ、柔軟性、通気性
、及び耐久性が満たされる限り、同一材料のものである必要はない。ここにおい
て「圧縮不織布材料」とは、材料が低い力の下で構造方向Dに伸びることができる
ように、構造方向Dにおいて機械的張力下にギャザーが寄せられるか、あるいは
ネックされた不織布材料を意味する。
図7は、ラミネート120(すなわち弾性部材70)の構造方向Bを見ている断片拡大
側面図を示している。サイドアンカーゾーンAが生じるようにラミネート120が接
着されるか、あるいはアンカー留めされている(anchored)場合、このようなラミ
ネート120は高度に弾性があると同時に実質的に離層及びクリープがなく、
一方ですべての性能カテゴリーにおいて非常に良好な性能特徴を与え、必要とさ
れる性能特徴間にトレードオフがないことが分かった。サイドアンカー留めは、
ラミネーションプロセスの一部としてカバー素材層122と126との間でエラストマ
ー材料124をアンカー留めするために、好ましくは接着剤ビーズでのサイドグル
ーイングによって実施される。あるいはまたサイドアンカー留めは、縫合、ヒー
トシール、超音波接着、ニードルパンチ、これに代るグルーイングプロセスによ
って、あるいは当業者に知られているその他のあらゆる手段によって実施されて
もよい。もうひとつの方法は、エラストマー及びカバー素材要素のラミネーショ
ンが実施された後、ラミネート構造の層をサイドアンカー留めすることである。
好ましくはラミネート120は、特に装着者及び消費者に非常に良好な柔らかい
感触を与えることができる。消費者は柔らかさを評価するのでこのことは重要で
ある。通常のラミネートにおいて、クリープを除去する試みは、柔らかさを許容
しえないほど減少させる必要があることが多く、活性化能力の許容しえないほど
の低下を伴なうことが多かった。その理由は、このような以前の試み(クリープ
の除去に至らなかった)は、追加のメルトブロウン接着剤の塗布に焦点が当てら
れ、全体的被覆パターンを生じることが多く、接着を強化しようとしたからであ
る。一般にこの結果として、ラミネートの望ましくない全体的剛化が生じた。し
かしながら好ましい実施形態のラミネートは、消費者が望む柔らかい感触を失な
わず、活性化能力と妥協することもなく、クリープの除去を生じる。
図7を参照すると、第一接着剤170は、ラミネート構造120の外側縁部180の各々
と対応する位置において、第二カバー素材層126の内側表面146に塗布されている
。あるいはまた、又はこれに加えて、第一接着剤170は第一カバー素材層122の内
側表面142に塗布されてもよい。例証しやすくするために、説明及び図面は、第
二カバー素材層126のみへの塗布に関するものである。
このパターンによってサイドアンカーゾーンAが生じる。このことによって以
前に知られていたラミネートと関連する離層及びクリープが排除され、これによ
ってラミネート120がクリープも離層も伴なわずにより高い歪を受けることがで
きる。第一接着剤170をラミネート構造120の縁部区域180に限定することによっ
て、ラミネート120の延伸性を妨げることが避けられ、同様にカバー素材層122
及び126において引裂けが避けられることも発見された。好ましくは第一接着剤1
70は、図7に示されているように、複数のビーズ168として塗布される。好ましく
は第一接着剤170は、非晶質及び結晶化要素を有する柔軟性接着剤である。この
ような好ましい接着剤は、日本国大阪のニッタ・フィンドレイ株式会社によって
H9224という名称で製造されている。
より好ましくはラミネート120は、第二接着剤164を含んでいる。第二接着剤16
4は、好ましくはエラストマー材料124の第二表面152に塗布されるが、あるいは
またエラストマー材料124の第一表面150に塗布されてもよいであろう。第二接着
剤164は好ましくは螺旋スプレーパターン166で塗布され、これによって、線状ス
プレー塗布によって形成されるものよりも離散した接着点167bが形成される。理
論に結び付けられるわけではないが、第二接着剤164の大部分は、構造方向Dにス
プレーされると考えられる(図6)。従って螺旋スプレーの結果、非常に良好な活
性化特性が生じることが分かった。ここにおいて「活性化」とは、ストレッチ能力
のことを言う。
エラストマー材料124の第二表面152に第二接着剤164の層を直接スプレーする
ことは、第二接着剤164を反対側の(すなわち第二)カバー素材層126へ塗布するよ
り好ましいことが分かった。その理由は、第二接着剤164が、エラストマー材料1
24の表面に残留することがあるあらゆる残留加工剤又はオイルを通って浸透する
傾向があるからである。このような残留材料は、エラストマー材料124に残った
ままにされるならば、時間がたつにつれて接着剤接着を弱め、従ってラミネート
構造120を弱めることがある。例えばこれらの残留材料がそのまま残されるなら
ば、ラミネート120を形成するために用いられた接着剤は、消費者がこの製品を
購入する前の期間に弱まることがある。
螺旋接着剤区域におけるラミネート120についての剥離値(peel value)は、螺
旋166が反対側(すなわち第二)カバー素材層126に塗布される場合よりもエラスト
マー材料124に直接塗布される場合に、一般により高い。ここにおいて「剥離値」
とは、ふたつのカバー素材材料層122及び126を互いから分離するのに必要な力の
量のことを言う。一般に剥離値が高くなればなるほど、使用中に離層の機会が少
なくなる。
第三接着剤160も、好ましくは第一カバー素材層122の内側表面142に塗布され
てもよい。好ましくは第三接着剤160はエラストマー接着剤である。第二螺旋接
着剤塗布166に関連して記載されている方法と同様に、第一接着剤160は、好まし
くは螺旋スプレーパターン162で塗布され、これによって、線状スプレー塗布に
よって形成される場合よりもより離散した接着点167aが形成される。理論に結び
付けられるわけではないが、このようにスプレーされた第一接着剤160の大部分
は、構造方向Dに一直線になると考えられる。
好ましくは第二及び第三接着剤160及び164は、同じエラストマー接着剤である
。第二及び第三接着剤螺旋スプレー162及び166に用いるのに好ましい接着剤は、
日本国大阪のニッタ・フィンドレイ株式会社によってH2120という名称で製造さ
れているものである。好ましくは第二及び第三螺旋スプレー162及び166の各々に
ついての添加レベルは、1平方インチあたり約4〜約12ミリグラム、より好まし
くは1平方インチあたり約8ミリグラムである。
ここに記載された実施形態は、例証を目的とするだけであり、様々な修正又は
変更も、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には示唆されるものと理解
される。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ
,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,
NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L
S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ
,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL
,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,
BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E
E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU
,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M
D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,
SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U
Z,VN,YU,ZW
【要約の続き】
ーム線が形成され、これによってふたつの脚部開口部と
ひとつのウエスト開口部が形成される。シーム線の少な
くともひとつは、この衣類の非収縮状態において長手方
向中心線から不均一な側面方向の距離を有する。