JP2000511417A - D異性体のアミノ酸を含む免疫調節化合物 - Google Patents

D異性体のアミノ酸を含む免疫調節化合物

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Abstract

(57)【要約】 免疫調節活性を有する化合物であって、ペプチドタイプ化合物、またはその改変体もしくはフラグメントであり、これは、30アミノ酸までの、そのN末端アシル化ならびにC末端アミド化またはエステル化形態を含み、ここで該ペプチドタイプ化合物が以下の式を含む:(a)R aa76-77L aa79-84または(b) aa84-79L aa77-76Rここで、aa76は、EまたはVであり;aa77は、D、SまたはNであり;aa79は、RまたはGであり;aa80は、IまたはNであり;aa81は、小さいまたは疎水性のアミノ酸であり;aa82は、RまたはLであり;aa83は、GまたはRであり;そしてaa84は、小さいまたは疎水性のアミノ酸であり;ここで、この化合物において、アミノ酸の少なくとも1つは、D異性体である、化合物は、単独または免疫抑制薬と組み合わせて用いられ、CTL活性化(特にトランスプラントに関連したCTL活性化)を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】 D異性体のアミノ酸を含む免疫調節化合物 技術分野 本発明は免疫調節に関する。 背景 免疫系は、病原性生物および異常常在細胞(例えば、新生物形成のような)に 対する哺乳動物宿主の防御において重大な役割を果たす。細胞傷害性Tリンパ球 (「CTL」)が防御機構に含まれ、これは、病原性生物による細胞の感染およ び新生物細胞の存在をモニターするように働く。これはまた、宿主とは異なる主 要組織適合性複合体レパートリーを有する細胞を攻撃する。特定の条件下では、 CTLは、常在細胞を攻撃し、自己免疫疾患と呼ばれる疾患群を生じる。 トランスプランテーションおよび自己免疫疾患については、CTLが組織に攻 撃することを阻害し得ることが望まれる。今日、たいていは、CTLを抑制する ために免疫抑制剤が用いられ得るが、これは一般に免疫系を衰弱させる。結果と して、患者は、偶発的な感染、ならびに薬物(例えば、シクロスポリンAおよび FK506)から生じる多数の副作用によりずっと罹りやすくなる。したがって 、トランスプランテーションの場合および自己免疫疾患における免疫攻撃を阻害 するための代替方法であって、この阻害がより特異的であり、副作用がより少な くなり、そしてより長く持続し得る方法を提供することに、かなりの関心が寄せ られている。 関連文献 Claybergerら、J.Exp.Med.(1985)11:1709-1714は、HLA−Aw68およ びAw69と比較したHLA−A2抗原を記載している。Townsendら、Cell,( 1986)44:959-968は、CTLが、ヘルパーT細胞と同様にして、変性または分解 したタンパク質のセグメントエピトープを認識することを示唆している。Holmes お よびParham、EMBO J.(1985)4:2849-2854は、HLA−A2、Aw68および Aw69の関係を記載している。特に、CTL標的特異性がヒトクラスI分子の 構造における変化に極度に感受性であることが教示されている(DurnaおよびPea se、Transplantation,(1986)41:279-285;Biddisonら、J.Immunol.(1980) 124:548-552;Spitsら、Immunogenetics.(1982)16:503-512;Gastonら、J.E xp.Med.(1983)158:280-293)。 CTLによる認識に影響する変異体がマウス(Nathensonら、Ann.Rev.Immunol .(1986)4:471-502;Schulzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:2007-201 1)およびヒト(Krangel、Biochemistry(1982)21:6313-6321;Krangelら、J.I mmunol.(1983)130:1856-1862;Cowanら、J.Immunol.(1985)135:2835-2841 ;Taketaniら、(同上)(1984)133:816-821;およひVegaら、Proc.Natl.Acad.S ci.USA(1985)82:7394-7398)において研究されている。 これらの報告は、残基147から157の間の領域にかなりの関心を集めてい るが、他の領域もまた機能的差異を生じ得る(Ezquerraら、J.Immunol.(1985 )134:2727-2733)。可変部のクラスターが、第1の細胞外ドメインのカルボキ シ末端および第2の細胞外ドメインのアミノ末端で報告されている(Waysら、J. Biol.Chem.(1985)26:11924-11933)。全てのクラスI分子の残基105〜1 08の配列が、フィブロネクチン結合テトラペプチドの配列に関連し(Auffray およびNovotny、J.Human Immunologyz(1986)15:381-390)、いずれの向きのテ トラペプチドも細胞結合特性を有することが見出されている(Pierschbacherお よびRuoslahti、Nature(1984)309:30-33;YamadaおよびKennedy、J.Cell.Biol .(1985)28:99-104)。HLA−A2の単一モノクローナル抗体規定エピトー プに影響する107位での置換が、Salterら、J.Exp.Med.(1987)166:283-288 によって報告されている。 同時係属中の米国特許出願第08/222,851号(1994年4月5日に出願)およびPC T出願US95/04349(1995年4月5日出願)はそれぞれ、クラスIのMHCペプチ ドを開示している。これは、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)活性を調節する。 同時係属中の米国特許出願第07/844,716号(1992年3月2日出願)およびPCT出 願US93/01758(1993年3月2日出願)はそれぞれ、HLAペプチドによるリンパ 球活性調節を開示している。上記各特許出願の完全な開示は、本明細書中に参考 として援用される。 発明の開示 宿主またはインビトロにおいて、細胞傷害性Tリンパ球(「CTL」)が細胞 に望ましくない攻撃をすることを阻害する、免疫調節のための方法および組成物 が提供される。本発明の組成物は、アミノ酸の非天然の「D」型を含むが、驚く べきことに、これらの組成物は、免疫系を調節することにおいて生物学的活性を 示す。非天然の「D」型を含むことは、このことによって組成物がインビボでの 分解をより受けにくくなるため、好都合である。組成物は、ペプチドタイプ化合 物、改変体またはフラグメント(30アミノ酸までの、そのN末端アシル化およ びC末端アミド化またはエステル化形態を含む)である、免疫調節活性を有する 化合物を含む。ここでペプチドタイプ化合物は以下の式を含む: Raa76-77Laa79-84 または aa84-79Laa77-76R ここで、 aa76は、EまたはVであり; aa77は、D、SまたはNであり; aa79は、RまたはGであり; aa80は、IまたはNであり; aa81は、小さいまたは疎水性のアミノ酸であり; aa82は、RまたはLであり; aa83は、GまたはRであり;そして aa84は、小さいまたは疎水性のアミノ酸であり; ここで アミノ酸の少なくとも1つは、D異性体である。この組成物は、インビ トロおよびインビボでの免疫調節のために有用である。 本発明を実施するための態様 本発明によれば、クラスIHLA−Bα1ドメインに存在する配列を、少なく とも一部分共有するCTL免疫調節組成物が提供される。ここで、この配列は、 少なくとも6アミノ酸からなる。この組成物は、天然に生じるHLA−Bα1ド メインの配列とは、ペプチドの活性に有害に影響しないアミノ酸置換を有する点 で異なり得、そして少なくとも1つのD異性体を含むにちがいない。 化合物は、ほとんど、HLA−B配列の79位〜84位に見出される6アミノ 酸配列に基づくが、HLA−Bの60位〜84位のアミノ酸と関連するアミノ酸 を含み得、そして縦列反復および/または無関係な配列伸長部を含み得る。 上記のアミノ酸配列は、1またはそれ以上の天然に存在するHLA−B組成物 の示された位置に存在するアミノ酸を提供する。しかし、周知のように、活性を 保持しながらの保存的アミノ酸置換は、許される。 本発明の化合物は、免疫調節活性を有し、そして30アミノ酸までを有する。 これらは、以下の式に基づく: Raa76-77Laa79-84 または aa84-79Laa77-76R。 ここで、aa76、aa77およびaa79-84は、上記の定義のとおりである;しか し、本発明の化合物はまた、免疫調節活性を保持する、改変体およびフラグメン トを含む。 本発明のすべての化合物において、少なくとも1つのアミノ酸は、D異性体で ある。好ましくは、すべてのアミノ酸がD型である。驚くべきことに、これらの ペプチド様化合物は、その立体化学が標的生物に対して珍しくあっても、免疫調 節活性を保持する。確かに、いくつかの化合物は、対応するジアステレオマーま たはエナンチオマーより効果的である。 いくつかの化合物は、実質的に純粋な形態で調製され得る。本明細書で使用さ れる場合、用語「実質的に純粋」とは、通常、ペプチドが天然に関連し得る物質 の約70%以上を含まない、好ましくは、これらの物質の約80%以上を含まな い化合物の調製物を意味する。しかし、「これらの物質」には、薬学組成物の調 製においてペプチドと混合され得る物質は含まれない。 「ペプチドタイプ」の化合物とは、アミノ酸配列から誘導された化合物を意味 する。しかし、ここで、随意に、1つまたはそれ以上のペプチド結合が、本明細 書において以下にさらに記載される等量式によって置換される。したがって、「 ペプチドタイプ」化合物は、等量式が存在するペプチドおよび化合物を含む。 「免疫調節活性」とは、化合物が、以下の実施例1に示される細胞傷害性アッ セイにおいてCTL媒介性溶解を阻害すること、および/またはその実施例にお いて記載されるアッセイに従って抗CD3に対して精製T細胞の増幅を阻害する ことを示され得ることを意味する。 本発明の化合物はまた、「改変体」、すなわち、その化合物の免疫調節活性を 破壊しない保存的置換によって、上記に具体的に示したものとは異なるペプチド タイプ化合物を含む。 改変体に関しては、「保存的置換」とは、置換されるアミノ酸の一般群と同じ 一般群のアミノ酸が、そのアミノ酸と置き換わることを意味する。置き換わるア ミノ酸は、遺伝子にコードされてもよく、されないくてもよい。これらはまた、 適切な場合、DまたはL異性体のいずれも含み得る。したがって、保存的置換は 、以下に規定する群内での置換である: 酸性:この残基は、生理学的pHでのHイオンの喪失に起因して負電荷を有し 、そしてこの残基は、それが含まれるペプチドが生理学的pHの水性媒体中にあ る場合、このペプチドのコンホメーション中の表面位置を探し求めるように、水 性溶液により引き寄せられる。 塩基性:この残基は、生理学的pHでのHイオンとの会合に起因して正電荷を 有し、そしてこの残基は、それが含まれるペプチドが生理学的pHの水性媒体中 にある場合、このペプチドのコンホメーション中の表面位置を探し求めるように 、水性溶液により引き寄せられる。 疎水性:この残基は、生理学的pHで荷電しておらず、そしてこの残基は、そ れが含まれるペプチドが水性媒体中にある場合、このペプチドのコンホメーショ ン中の内部位置を探し求めるように、水性溶液により排斥される。 中性/極性:この残基は、生理学的pHで荷電していないが、この残基は、そ れが含まれるペプチドが水性媒体中にある場合、このペプチドのコンホメーショ ン中の内部位置を探し求めるに十分には水性溶液により排斥されない。 この記載はまた、特定のアミノ酸を、「小さい」として特徴付ける。なぜなら 、これらの側鎖は、たとえ、極性基を欠いても、疎水性を与えるに十分大きくな いからである。「小さな」アミノ酸とは、少なくとも1つの極性基が側鎖に存在 する場合、カルボキシルを含めて4つ以下の炭素を有するアミノ酸であり、そし てそうでない場合3つ以下の炭素を有するアミノ酸である。 もちろん、個々の残基分子の実質的な集団において、いくつかの分子が荷電し 、いくつかの分子が荷電しておらず、そして、より大きなもしくはより小さな程 度の、水性媒体への引力もしくは排斥力が存在することが理解される。「荷電し た」の定義に適合させるため、かなりの割合(少なくとも約25%)の個々の分 子が、関連するpHで荷電している。極性もしくは非極性としての分類に必要と される引力または排斥力の程度は、任意であり、したがって、本発明によって具 体的に企図されるアミノ酸は、一方または他方として分類された。具体的に命名 されないほとんどのアミノ酸は、既知の挙動に基づいて分類され得る。 アミノ酸残基は、環式もしくは非環式、および芳香族もしくは非芳香族といっ た、残基の側鎖置換基に関して自明の分類にさらに細かく分類され得る。 天然に生じるタンパク質アミノ酸については、上記のスキームに従う細分類は 、以下の通りである; 酸性: アスパラギン酸およびグルタミン酸 塩基性: アルギニン、リジン、ヒスチジン 小さい グリシン、セリン、アラニン、スレオニン、システイン 極性/大きい アスパラギン、グルタミン 疎水性 チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、 フェニルアラニン、トリプトファン 遺伝子によりコードされる第二級アミノ酸プロリンは、ペプチド鎖の二次コン ホメーションに対する公知の効果のために特別な場合であり、したがって群には 含まれない。 本願において、標準的な3文字表記または標準的な1文字表記のいずれも、遺 伝子によりコードされるアミノ酸を示すために使用される。D異性体については 、1文字表記記号の右に上付のダガー()を用いる;したがって、Dは、D −aspと同様に、Dアスパラギン酸を表し、L、D−leuと同様にD−ロ イシンを表す。 遺伝子コードによってコードされない、特定の通常に遭遇するアミノ酸には、 例えば、β−アラニン(β−Ala)、または他のω−アミノ酸(例えば、3ア ミノプロピオン酸、2,3ジアミノプロピオン酸(2,3−diaP)、4アミ ノ酪酸など)、α−アミノイソ酪酸(Aib)、サルコシン(Sar)、オルニ チン(Orn)、シトルリン(Cit)、tブチルアラニン(tBuA)、tブ チルグリシン(tBuG)、Nメチルイソロイシン(NMeIle)、フェニル グリシン(Phg)、およびシクロヘキシルアラニン(Cha)、ノルロイシン (Nle)、2ナフチルアラニン(2Nal);1,2,3,4−テトラヒドロ イソキノリン−3カルボン酸(Tic);β2−チエニルアラニン(Thi); メチオニンスルホキシド(MSO);およびホモアルギニン(Har)が含まれ る。これらもまた、上記のカテゴリーに簡便に分類される。 上記の定義に基づいて、 Sar、β−Ala、2,3−diaPおよびAibは、小さい; tBuA、tBuG、NMeIle、Nle、Mvl、Cha、Phg、Na l、ThiおよびTicは、疎水性; OrnおよびHarは、塩基性; Cit、アセチルLys、およびMSOは、中性/極性。 適切な場合、非遺伝子コードアミノ酸のD異性体は、その非遺伝子コードアミ ノ酸が、3文字表記を一般に使用する配列中に現れる場合、D−を頭に付けるこ とによって示す;しかし、その非遺伝子コードアミノ酸が、遺伝子コードアミノ 酸が1文字表記によって示される配列中に現れる場合、上付のダガー()が用 いられる。 種々のωアミノ酸は、サイズに従い、小さい(β−Alaおよび3アミノプロ ピオン酸)または大きくてしかも疎水性(他のすべてのアミノ酸)と分類される 。 遺伝子にコードされるアミノ酸との他のアミノ酸置換もまた、本発明の範囲内 のペプチド化合物に含まれ、そしてその構造に従ってこの一般的なスキームにお いて分類され得る。 一般に、本発明の範囲内となる改変体を提供する、上記に示す基本配列と比較 した置換の数は、比較的少数の置換を含む。以前に示したように、たとえ特定の アミノ酸または限定された数のアミノ酸が各部位で示されていたとしても、個々 のアミノ酸置換を作製してどのアミノ酸が必須であるかを決定し得る。通常、置 換の数は、配列のアミノ酸の総数の20%を越えず、通常は15%を越えず、よ り普通には10%を越えず、一般的には3つの置換を越えず、より通常には2つ の置換を越えず;そしてさらにより普通には1つの置換を越えない。 全ての場合、置換の結果は、本明細書中上記で定義したように免疫調節活性を 保持しなければならない。 化合物のアミノ末端は、遊離アミノ形態であり得るか、または式RCO−の基 によりアシル化され得、ここで、Rは1〜6Cのヒドロカルビル基を示す。ヒド ロカルビル基は、飽和または不飽和であり、そして代表的には、例えば、メチル 、エチル、i−プロピル、t−ブチル、N−ペンチル、シクロヘキシル、シクロ ヘキセン−2−イル、ヘキセン−3−イル、ヘキシン−4−イルなどである。 本発明の化合物のC末端は、遊離酸または受容可能な塩(例えば、無機イオン または有機イオン(例えば、カフェイン)のカリウム、ナトリウム、カルシウム 、マグネシウム、または他の塩)のいずれかとしての、非誘導体化カルボキシル 基の形態であり得る。カルボキシル末端はまた、式ROHのアルコールとのエス テルの形成により誘導体化され得るか、または式NH3もしくはRNH2もしくは R2NHのアミンによるアミド化され得、ここで、各Rは独立して、上記で定義 したように1〜6Cのヒドロカルビルである。C末端が式CONH2を有するペ プチドのアミド化形態が好ましい。 本発明の化合物が塩基性アミノ酸を含む場合、本発明のペプチドは、酸付加塩 の形態で供給され得る。代表的な酸付加塩は、無機イオン(例えば、塩素、臭素 、ヨウ素、フッ素など)、硫酸塩、硝酸塩、またはリン酸塩の酸付加塩を含むか 、または有機性アニオンの塩(例えば、酢酸塩、蟻酸、安息香酸塩など)であり 得る。このような塩の各々の許容性は、一般に理解されるように、意図される用 途 に依存する。 本発明の全ての化合物では、1つ以上のペプチド結台(−CO−NH−)が、 必要に応じて、−CH2NH−、−CH2S−、−CH2CH2、−CH=CH−( シスおよびトランス)、−COCH2−、−CH(OH)CH2−および−CH2S O−のような同配体である別の結合で置換され得る。この置換は、当該分野で公 知の方法により行われ得る。以下の参考文献は、これらの代替結合部分を含むペ プチドアナログの調製を記載する:Spatola,A.F.、Vega Data(1983年3月)第 1巻、第3刷、「Peptide Backbone Modifications」(総説);Spatola,A.F. 「Chemistry and Biochemistry of Amino Acids Peptides and Proteins」、B.W einstein編、Marcel Dekker,New York,267頁(1983)(総説);Morley,J.S. 、Trends Pharm Sci(1980)463-468頁(総説);Hudson,D.ら、Int J Pept Pro t Res(1979)14:177-185(−CH2NH−、−CH2CH2−);Spatola,A.F.ら 、Life Sci(1986)38:1243-1249(−CH2−S);Hann,M.M.、J Chem Soc Per kin Trans I(1982)307-314(−CH−CH−、シスおよびトランス);Almqui st,R.G.ら、J Med Chem(1980)23:1392-1398(−CO-CH2−);Jennings-Wh ite,C.ら、Tetrahedron Lett(1982)23:2533(−COCH2−);Szelke,M.ら 、欧州特許出願第EP 45665(1982)CA:97;39405(1982)(−CH(OH)C H2−);Holladay,M.W.ら、Tetrahedron Lett(1983)24:4401-4404(−C(O H)CH2−);およびHruby,V.J.、Life Sci(1982)31:189-199(−CH2−S −)。 上記式におけるαおよび/またはβの基礎として好ましいのは、HLA−B0 701(B7)またはB2702からのペプチドであり、ここで、1つ以上のア ミノ酸が置換され得るがCTL調節活性を保持している。75〜84位でのB0 701(B7)およびB2702の部分は、75位、76位、78位、79位、 および84位で相同性を有しながら、77位、80位、81位、82位、および 83位で異なる。77位、81位、および84位でのアミノ酸は、免疫調節活性 の喪失を伴わずに置換され得ることが見出される。したがって、コンセンサス配 列はREX1LRX23456であり、ここで、X1は、極性または非極性の 、好ましくは極性の、荷電または非荷電のいずれかの任意のアミノ酸であり 得;X2は、好ましくは少なくとも5炭素原子のアミノ酸であり、これは極性ま たは非極性、特にアスパラギンおよびイソロイシンであり得;X3は、2〜6炭 素原子の(すなわち、疎水性または小さい)、より詳細には3〜5炭素原子の非 極性脂肪族、特にイソロイシンであり得;X4は、任意のアミノ酸、詳細には荷 電または非荷電のいずれかの脂肪族、好ましくは少なくとも約5炭素原子、例え ば、アルギニンおよびロイシンであり得;X5は、任意のアミノ酸、好ましくは 荷電または非荷電、極性または非極性の脂肪族、詳細にはグリシンおよびアルギ ニンであり得、より詳細にはX4およびX5の1つはアルギニンである。X6は、 任意のアミノ酸、好ましくは疎水性または小さい。好ましくは、X1 〜6は、それ ぞれ、S、N、L、R、G、Y、またはN、I、A、L、R、Y、またはD、I 、L、L、R、Yであり、ここで1つの群におけるアミノ酸の1つは、他の群の アミノ酸を同じ部位で置換し得る。 配列は、N末端またはC末端のいずれかまたは両方で、規定されたペプチドの 活性を妨害しない、HLA配列におけるさらなるアミノ酸または他のアミノ酸に より伸長され得る。 本発明の化合物は、少なくとも6アミノ酸、より通常には少なくとも8アミノ 酸、一般的には少なくとも10アミノ酸、好ましくは少なくとも約12以上のア ミノ酸、一般的には30を越えないアミノ酸、より通常には約25を越えないア ミノ酸を有する。本発明に含まれるフラグメントは、少なくとも部分aa79 〜84 またはaa84 〜79を含む。 好ましい化合物は、 RIALY R RILLRY R SLAIR Y SRLLIR Y ならびに伸長された、それらのN末端アシル化およびC末端アミド化またはエス テル化形態を含む。 本化合物は、広範な種々の方法において改変され得る。ペプチドは、異なる目 的のために、ペプチドに沿った任意の便利な部位での種々の他の化合物への共有 結合により連結され得る。したがって、ペプチドは、抗体産生のための免疫のた めの宿主への投与のために免疫原に連結され得るか、あるいは特定のMHC抗原 の非隣接MHC配列へ、合成、合成遺伝子の発現などの手段により連結され得る か;脂質もしくはポリアルキレンオキシ基に連結され得るか;糖類に連結され得 るか;または核酸に連結され得る。特に興味深いのは、本ペプチドを、合成また は合成遺伝子の発現により別のペプチドへ連結することであり、ここで他のペプ チドは、宿主へ投与した場合に本ペプチドに長期安定性を提供する。免疫グロブ リン定常領域のような種々のペプチド(例えば、IgGFc)が使用され得る。 あるいは、本ペプチドは、トキシン(例えば、ジフテリアトキシン、リシン、ア ブリンなど)に連結され得、特に、結合鎖が除去または不活化されている場合、 その結果、細胞への結合鎖の非特異的結合が防がれる。 配列は、それらの最終的な目的に依存して種々の方法により改変され得る。固 体基体または他の分子へのペプチドの連結を可能にする異なるN末端基またはC 末端基が導入され得る。合成手順では、その後の反応を可能にする任意の分子が 、ペプチドが調製される目的に依存して、N末端またはC末端で導入され得る。 診断目的のためには、直接的または間接的に、検出可能なシグナルを提供し得 る広範な種々の標識が、末端に連結され得る。例えば、蛍光剤が、末端または標 識(例えば、蛍光剤、酵素、粒子など)への連結を提供する他の分子へ導入され 得る。例えば、連結は、末端で導入され得る(例えば、酵素または蛍光剤を有す るアビジン結合体に結合する、ビオチン)。あるいは、種々の反応部位が、粒子 、固体基体、高分子などへの連結のために末端で導入され得る。例えば、固体基 体に結合し、中間側鎖基が保護されている成長鎖の内部アミノ部分は、メチルジ チオ安息香酸(MDTB)で結合され得る。次いで、活性化されたオレフィンと 結合させるために、遊離メカプタン基を用い得る。したがって、タンパク質(例 えば、血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン、ウシβ-グロブリ ン など)は、ペプチドに結合されて、免疫アッセイ、アフィニティークロマトグラ フィーなどにおいて使用するためのこのペプチドに対する抗体を産生するための 免疫原を提供し得る。あるいは、ペプチドは、N末端、C末端、またはタンパク 質の内側にペプチドを有するDNA配列を調製することにより、別のポリペプチ ドへ結合され得、その結果、目的の結合ペプチドを含む融合タンパク質を提供し 得る。このような様式で、酵素活性を有する融合タンパク質が産生され得、この 酵素活性は、目的のペプチドへ結合している高分子(例えば、抗体)により調節 され得る。したがって、本発明のペプチドは、広範な種々の方法において、種々 の最終目的のために、依然として生物学的活性を保持したまま改変され得る。 (「生物学的活性」とは、ネイティブなタンパク質の同じエピトープに対する抗 体に対して特異的親和性(>106-1)で結合する能力を意図する。) 本ペプチドはまた、目的の抗原性ペプチドまたはタンパク質と組み合わせて使 用されてCTLを活性化し得る。したがって、本ペプチドは、タンパク質に対し て直接的または間接的に結合され得、その結果、CTLに対して2つのエピトー プ(これにCTLが結合して活性化され得る)を提示し得る。特に興味深いのは 、本ペプチドは、リポソームまたは脂質二重層膜に、他の決定部位を提供するペ プチドまたはタンパク質とともに結合され得る場合である。 リポソーム表面上でペプチドまたはタンパク質の存在を提供するために、ペプ チドまたはタンパク質を脂質、特にリン脂質に連結するための種々の技術が利用 可能である。ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、または 他の脂質が、二官能性連結剤(例えば、MBSE、グルタルアルデヒド、メチル ジチオ安息香酸など)とともに用いられ得る。結合したタンパク質を有するリポ ソームの形成については、文献に豊富な支持が見出せる。例えば、米国特許第3, 887,698号;同第4,261,975号、および同第4,193,983号を参照。改変されたペプ チドまたはタンパク質は、水性培地中で脂質と組み合わされ、そして超音波処理 されて所望のリポソームを提供する。次いで、リポソームは、収集され、そして 示された方法において使用され得る。 トランスプランテーションおよび自己免疫抑制における処方および使用 本発明の化合物の免疫調節活性は、トランスプラントの拒絶の防止および自己 免疫疾患の処置においてそれらを有用にする。主として、同種間のインプラント に関するが、器官の異種の供給源、例えば、ブタ、ヒト以外の霊長類、例えば、 ヒヒなどを使用することに実質的な利益がある。目的の器官は、心臓、肺、腎臓 、血管、眼、腸、骨髄、肝臓などが挙げられる。 トランスプランテーションのために、器官は、最初に、本発明の1種以上の化 合物(これは、個別に、または他の薬物と組み合わせて使用され得る)に浸され 得る。一般的に、本発明の化合物の濃度は、その特定の活性に依存し、一般的に 、約0.1μg/ml〜1mg/mlの範囲である。本発明の組成物は、トランス プラントの処置に拘わらず、レシピエント宿主に直接投与され得る。特定のペプ チドが、広い範囲のクラスI MHC抗原を有するCTLに作用する。ペプチド が様々な回数および様々な期間で投与される場合、ボーラス、除放、デポ剤、連 続注入または他の投薬形態のいずれが採用されるか;投与態様(経口、非経口、 吸入などのいずれか);投与について、選択される特定の回数;ドナーとレシピ エントとのトランスプランテーション抗原間の相違の程度などに依存するレジメ ンを提供することにより、これらの化合物は、トランスプランテーション拒絶に 対する保護に特定の用途を見いだす。 ペプチドの投与は、トランスプランテーションの日の前、当日、および後、ま たはそれらの組合せであっても良い。様々なレジメンが有効に採用され得、その 結果、特定のレジメンが具体的に規定され得ないことがわかる。ペプチドがトラ ンスプランテーションの前に投与される場合、投与を、トランスプランテーショ ンの少なくとも3日前、好ましくは少なくとも約5日前に、そしてより好ましく はトランスプランテーションの少なくとも約7〜20日前に、始めるべきである 。しかし、ペプチドがトランスプランテーションの始め、またはその後に投与さ れる場合、好ましくは、投与は、トランスプランテーションの1日以内に開始さ れ、好ましくはトランスプランテーションの当日であり、そして、グラフトプロ セス中に投与され得る。通常、複数の投与が存在し、通常は、約10以下であり 、より普通には、約6以下であり、一般的には、少なくとも約2であり、しばし ば、 約2〜6の範囲の投与であり、ここで、投与は、毎日でもよく、1日おきでも良 く、通常は、3日以内の間隔であり、好ましくは、2日以内の間隔である。 1日に複数回の投薬が与えられ得るが、1日あたり1回の用量が十分であるこ とがわかる。したがって、全体のレジメンは、グラフト手術前の20日間および グラフト手術後の約10日間までの間の投与を含む。通常は、最初の用量が−2 0日から+1日の期間に始まる。ここで、(−)は、手術の日の前を意図し、そ して(+)は、手術の日の後を意図し、そして0は手術の日を意図する。投与が 主に、手術前である場合、好ましくは、最初の用量は、手術の7日前よりも早く はない。最初の用量が手術の後である場合、手術後の1日以内である。所望であ れば、投与は、インプラントの生存(life)の間、継続され得る。 レジメンの一部として、免疫抑制薬物もまた、一般的には、トランスプラント の際にかまたは後に、それ単独でか、またはペプチドが特にトランスプランテー ション後に投与される場合にはペプチドと組み合わせて、投与され得る。免疫抑 制剤化合物の亜治療用量(subtherapeutic dose)が採用され、ここで、免疫抑 制剤は、単独の薬剤であり得、または複数の薬剤の組合せであり得、ここで組合 せは、亜治療投薬量未満である。亜治療投薬量とは、ペプチドの非存在下では、 グラフトが、大多数の患者において100日以内、通常30日以内、そしてより 普通には20日以内に拒絶されるであろうことを意図する。様々な免疫抑制剤が 知られ、例えば、シクロスポリンA、FK506、グラフト拒絶に関する原形質 膜タンパク質に対する抗体(例えば、CD4、CD8、CD2、LFA−1、I CAM−1、CD28に対する抗体)などである。 亜治療用量は、治療投薬量の約5%以上であり、通常、約10%以上であり、 より普通には約25%以上であり、そして通常、約75%以下であり、より普通 には約60%以下である。組合せが使用される場合、亜治療投薬量は、主に、免 疫系に対する効果を最小化する実質的な利点を有するが、顕著な副作用を有する 薬物に関する。亜治療投薬量について言及するときは、ボーラス量を意図する。 なぜなら直接の比較が困難だからである。ここで本レジメンは、トランスプラン テーションの短い期間内に終わる。本レジメンは、毎日または毎日より少なくて もよく、そして他のレジメンは、繰り返し毎日投与を含み得る。本レジメンは、 患者の一生にわたる他の免疫抑制剤レジメンと対照してみると、トランスプラン テーションの約20日間以内、通常約10日間以内、に終わり得ると言えば十分 である。 一般的に、投与されるペプチドの量は、約0.1〜50、より普通には、約1 〜25mg/kg宿主である。この量は、ペプチド化合物の半減期が6時間より も短い、より具体的には、4時間よりも短く、そして約1分間よりは長い場合に 、ペプチド化合物に使用される。より低い部分の範囲の投薬量、およびさらに低 い投薬量が採用され得る。この場合、ペプチドが増強された半減期を有するか、 またはデポ剤(例えば、長期間にわたってペプチドを維持するマトリックス(例 えば、コラーゲンマトリックス)に導入された粒子を含む除放性組成物)として 提供されるか、実質的に連続的な速度で長期間にわたってペプチドを連続的に注 入するポンプを使用するなどである。 ペプチドがトランスプランテーションの前に投与される時期に依存して、免疫 抑制剤レジメンは、変化し得る。例えば、ペプチドが−7および−1日に与えら れる場合、1回の亜治療投薬量のシクロスポリンAは、ほんのわずかの保護能を 有し得る。一方、0〜4日、毎日のシクロスポリンAの投与は、保護的であり得 る。−14、−12、−10、および−7日のペプチドの投与に続いて、トラン スプラント0〜4日後のシクロスポリンAの投与のレジメンはまた、実質的な保 護効果を有し得る。あるいは、トランスプラント0〜4日後の亜治療投薬量のシ クロスポリンAおよびこれらのペプチドの組合せ投薬を使用することにより、グ ラフトの維持が、非常に増強され得る。 本発明の組成物は、組成物が生理学的に受容可能な媒体中にあり得る場合、直 接投与のための処方物として調製され得る。他の薬物が存在する場合、特別な処 方が使用され得、他の薬物の安定な分散を確実にする。使用され得る媒体として は、水、生理食塩水、リン酸緩衝化生理食塩水、エタノール、植物油などが挙げ 他の従来の媒体もまた用途を見いだし得る。さらに、例えば、安定剤、抗生物質 、界面活性剤、分散剤、乳化剤、リポソームなどの他の成分もまた含まれ得る。 一般的に、同様な処方物が使用され得、そして自己免疫疾患の処置のためのプ ロトコルでの使用について最適化され得る。このような処置は、ルーチン的に設 計され得、そして標準的な医学的実践およびまず少なくとも動物モデルに基づい て最適化され得る。たくさんの自己免疫疾患について動物モデルがある。例えば 、NODマウスは、自己免疫糖尿病の調査のためのマウスモデルとして広く使用さ れている。なぜなら、それらは、約8週齢で自然に糖尿病を発症させるからであ る。B2702.75−84由来の様々なペプチドが、最近、3週齢で始めて、 毎週3回のip注入を含むプロトコルでテストされている。これらのモデルの結果 は、糖尿病の適切な治療プロトコルの設計に役に立つ。同様のモデルが、他の自 己免疫疾患(例えば、慢性関節リウマチおよび紅斑性狼蒼)のプロトコルの開発 に有用である。 合成 本発明の組成物は、様々な様式で、生産され得る。本発明のペプチドタイプ化 合物は、少なくとも1つのD−アミノ酸を含むので、標準的なペプチド合成方法 (固相または液相のいずれか)が好ましい。自動合成機(例えば、Beckman、App lied Biosystems Inc.)などが使用され得る。遺伝子にコードされるアミノ酸の みを含み、そしてペプチド結合のみを含む化合物の部分は、標準的な組換え技術 を用いて調製され得、そしてこれらの部分は、D−アミノ酸または遺伝子にコー ドされない他のアミノ酸に連結される。このような方法において、発現系は、従 来の方法を用いて構築され、ここで、所望のペプチドをコードするヌクレオチド 配列は、適切な宿主細胞でその発現を達成し得る制御配列に作動可能に連結する 。原核生物、酵母、哺乳動物細胞、鳥細胞、昆虫細胞および植物細胞を含む広範 な種々の宿主細胞が使用され得る。適切な制御配列の選択は、もちろん、組換え 宿主の選択に支配される。ペプチドを生産するためには、所望の発現系を含むDN A分子を含むように改変された組換え細胞は、所望のペプチドが生産される条件 下で培養され、そしてペプチドが培養物から回収される。標準的な精製プロセス は、ペプチドまたは細胞上清を回収するために使用され得、あるいはライセート が特定の状況において次の連結のために粗製形態で使用され得る。1つの実施態 様において、メチオニン(これは、Met残基における切断を可能にする)のよ うな アミノ酸により分離されて、縦列に、化合物の所望の部分をコードするヌクレオ チド配列の複数のコピーを含み、そのことにより主題の部分が単離され得るよう に、発現系は設計され得る。タンパク質分解性酵素の基質であるアミノ酸配列も また、コードされた縦列タンパク質の部分を分離するのに使用され得る。 抗体 本発明のペプチドタイプ化合物と「特異的に免疫反応性」または「免疫特異的 」である抗体もまた、調製され得る。「特異的に免疫反応性」とは、本発明の化 合物と反応するが、HLA対立遺伝子(D型異性体を含む化合物はこれに基づく )中の配列によって表されるネイティブなペプチドとは反応しない抗体を意味す る。これらの抗体の調製のために、標準的な免疫化技術が使用され得、それによ って適切な動物は抗体が所望される化合物を投与され、そして適切な力価の所望 の抗体が血清または血漿において見出されるまで、投与は適切なプロトコル下で 続けられる。当該分野で理解されるように、十分な力価を提供するために、免疫 原を適切なキャリアと会合させることが必要であり得る。いくつかの目的につい ては、抗血清が直接使用され得る;他の使用については、免疫グロブリン画分を 精製すること、または適切な特異性を有するこれらの抗体のモノクローナル形態 を調製することが所望され得る。モノクローナル抗体の調製のために、適切な抗 体産生細胞(例えば、牌細胞または末梢血リンパ球)が採集され、代表的には腫 瘍細胞とのポリエチレングリコール融合によって不死化され、そして得られた不 死化細胞は個々に培養され、所望の抗体の産生についてスクリーニングされ得る 。上記のように調製された抗体がインタクトで使用され得るか、またはそれらの 免疫特異性を保持するフラグメントが使用され得る。代表的なそのようなフラグ メントは、Fab、Fab,、またはF(ab')2フラグメントである。 さらに、抗体は、標準的な組換え技術を使用して、不死化細胞から関連遺伝子 を回収することによって調製され得る。これらの状況下で、遺伝子はまた、上記 のフラグメントを提供するように、または本発明のペプチドの1つに免疫特異的 な重鎖/軽鎖の組合せと別のものに免疫特異的な同様の組合せとを連結すること により、多価形態で抗体を提供するように操作され得る。あるいは、抗体は、単 鎖形態(例えば、FV形態)で調製され得る。種々のさらなる改変(例えばマウ スに由来する抗体のヒト化)もまた行われ得る。 本発明のペプチドタイプ化合物に免疫特異的な抗体は、これらのペプチドを精 製するにおいて、本発明のペプチドを定量する際の診断ツールとして、そしてイ ンビボで本発明のペプチドタイプ化合物の活性を追跡する診断アッセイにおいて 有用である。 以下の実施例は、限定のためではなく例証のために提供される。 実施例1 免疫調節活性についてのアッセイ 本発明の化合物は、簡便なインビトロアッセイによって、免疫系を調節する能 力について評価され得る。以下の実施例は、これらのアッセイを例証し、そして 本発明の化合物およびコントロールペプチドについての結果を提供する。この実 施例において、種々のペプチドを、樹立されたCTLによる溶解を阻害する能力 について、抗CD3に応答する精製T細胞の増殖を阻害する能力について、およ び細胞内カルシウムレベルに影響する能力について試験した。以下の段落は、ア ッセイにおいて使用された種々の物質の調製、および実施されたアッセイの特定 の特徴を記載する。 材料および方法 細胞および細胞培養物。PBLを、Ficoll-Hypaqueでの遠心分離によって正常な ドナーから単離した。いくつかの場合には、T細胞を、Secristら[J.Exp.Med. (1993)178:2123]の方法を使用してこの調製物から精製した。簡潔には、Fico 11-Hypaqueで単離された細胞を、ペトリ皿中で1時間インキュベートした。非接 着細胞を、ナイロンウールカラムを通過させ、そして得られた集団はFACS分 析によって>90%CD3+であった。HLA−A2、B7、B27、B48、ま たはCw4に特異的なCD8+CTL株を作製し、そして以前に記載のように[ Buxtonら、J.Exp.Med.(1992)175:809;Wesleyら、Hum.Immunol.(1993)36:1 49]、長期培養において維持した。Jurkat E6−1、およびT細胞レセ プターネガティブJurkatであるJRT3−T3.5を、アメリカンタイプ カルチャーコレクション(ATCC;Rockville,MD)から入手した。使用された他 の細胞株には、以下が含まれた:EBV形質転換B細胞株JY、MS、ClR、 および721.221;赤白血病細胞株K562およびHEL;T細胞腫瘍Pe er、Hut−78、およびHSB;Burkittリンパ腫細胞株Daudi 、およびSUPB17[Wrightら、J.Exp.Med.1989)169:1557];ならびにNK 様細胞株YT2C2。全ての形質転換細胞を、培養培地[10%ウシ胎児血清を補 充したRPMI−1640(Hyclone,Inc.,Logan,UT)、2mML−グルタミ ン、10OU/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシン]中 で増殖させた。 細胞傷害性アッセイ。CTLアッセイを、標的としての適切なHLA対立遺伝 子を発現する51Cr標識されたEBV形質転換B細胞を使用して、記載されるよ うに実施した[Krenskyら、J.Immunol.(1982)129:2001]。 増殖アッセイ。105の細胞を、抗CD3(Sigma,St.Louls,MO)でコート されたマイクロタイターウェルに5μg/mlで添加した。プレートを、5%C O2中37℃でインキュベートした。48時間後、1μCiの[3H]チミジンを各 ウェルに添加した。プレートをPHD Cell Harvesterで24時間後に収集し、そし て[3H]チミジン取り込みをシンチレーション計数によって決定した。 ペプチド。ペプチドを、Stanfoad Medical CenterのProtein and Nucleic Aci d Facilityにおいて、Fmoc化学を使用して、Applied Biosystems Milligen/ Biosearch 9050自動ペプチド合成機によって合成した。ペプチドをHPLCによ って精製し、そして各々の均質性を分析逆相HPLAによって確認した。アミノ 酸含量を、アミノ酸分析によって確認した。ペプチドを、DMSO中に40mg /mlで溶解させ、次いで、アッセイのために培養培地中でさらに希釈した。 結果 以下のペプチドを試験のために調製した: 表1 合成ペプチドのアミノ酸分析。 横線は、B2702.75−84またはB2702.84−75/75−84配列 中に見出された残基との同一性を示す。 アミノ酸配列の機能としての樹立されたCTLによる溶解の阻害 A.集中置換 HLA−B2702.60−84が樹立されたCTLによる溶解を阻害するこ とは以前に示されているが(Claybergerら、Transplant Proc(1993)25:477) 、一方でHLA−B2705.60−84は阻害しない。 このプロトコルでは、HLA−A2に特異的なCD8+CTL細胞株を、51C r標識されたJY標的の溶解について、種々のペプチドの存在下で試験した。ペ プチドを、4時間のアッセイの開始時に、100μg/mlの最終濃度で添加し た。各測定は、3連のウェルの平均であった。以下に記載のような同様の結果を 、HLA-B27または−B48に特異的なCTLを使用して得た。 HLA−B2702.75−84は、このアッセイにおいて、樹立されたCT Lによる溶解を阻害した。しかし、B2702.60−84は、細胞傷害性の5 0%阻害を達成するに必要な濃度に基づいて、B2702.75−84よりも約 5倍強力であった。それゆえ、ペプチドを、ペプチド長の効果を評価するために 調製した。15マーのHLA-B2702.70−84は、細胞溶解を阻害するに おいてB2702.75-84と同等に効果的であった。しかし、逆方向反復ダイマーであ るB2702.84−75/75−84(YRLAIRLNERRENLRIAL RY)は、細胞溶解の50%阻害を達成するに必要な濃度に関してB2702.6 0−84と同様に強力であり(約3μM)、そしてそれが完全に細胞溶解を阻害 した点において、このペプチドよりも優れていた。B2702.75−84/75 −84は、同様の活性を示した。 次いで、個々のアミノ酸を置換することの、免疫調節ペプチドにおける効果を 試験した。ペプチド02.75−84L81(ロイシンが81位のアラニンを置換 する)は、02.75−84と同等に溶解を阻害した。しかし、ペプチド02.7 5−84D77(アスパラギン酸が77位のアスパラギンを置換する)およびペプ チド02.75−84T80(スレオニンが80位のイソロイシンを置換する)は 、溶解を阻害しなかった。B2702の80位のイソロイシン残基は、それのス レオニンによる置換が阻害活性の完全な消失をもたらす点で、重要であるようで ある;77位のアスパラギンを置換することの効果は、より劇的でないようであ った。 本発明のダイマーに関して、逆方向反復におけるIle80残基のいずれかのス レオニンによる置換は、完全に阻害を抑止した。B7.75−84またはB7.8 4−75/75−84に対応する合成ペプチドは、試験されたいかなる濃度にお いても、CTL媒介溶解を阻害しなかった。 B.セリンスキャン さらに、ダイマーB2702.84−75/75−84およびB2702.84 −79/79−84を、ダイマーの両方の側で各位置で順番に天然の残基をセリ ンで置換することにより、「スキャン」した。樹立されたCTLによる溶解の阻 害について本アッセイで試験した場合、80位のイソロイシンならびに/または 78位および/もしくは82位のロイシンをセリンで置換したダイマーのみが、 もはや活性を有さなかった。この分子の他の位置でのセリンの置換は、有意な効 果を有さなかった。ダイマーにおける対応するアミノ酸をセリン残基で体系的に 置換し、次いで活性について試験する技術を、「セリンスキャン」という。 C.D−アミノ酸での置換 これらの決定では、上記のような細胞溶解の阻害は、HLA−A2に特異的な 長期CD8+CTL株であるCTL細胞株AJYを用い、そして標的細胞はBリン パ芽球細胞株JY(HLA−A2、B7)であった。細胞傷害性アッセイを、Clay bergerら、J.Exp.Med.(1984)162:1709-1714;およびReissら、Proc Natl Ac ad Sci USA(1980)77:5432-5436により記載されたように実施した。ペプチドを 、1〜3×103CTLとともに30分間プレインキュベートし、その後10351 Cr標識Bリンパ芽球標的細胞を添加した。結果を、変化する比の2つの細胞株 を用いて、変化する濃度のペプチドについて報告する。 表2 したがって、B2702.75−84を示すペプチド(ここで、全ての残基は D−異性体により置換された)は、天然のL−アミノ酸形態のB2702.60 −84よりもさらに活性であるようであった。 D.必要とされる遊離ペプチド 阻害における有効性は、細胞結合HLA分子としてよりむしろ、ペプチドそれ 自体を提供することに依存するようであった。本発明者らのグループによる以前 の研究は、Bw4aモチーフを表すHLA分子が、Bw4特異的CTLにより認 識され得ることを実証した[Claybergerら、J.Immunol.(1990)144:4172]。 それゆえ、2つの異なる型の実験を用いて、Bw4a決定基を表す細胞表面HL A分子がHLA−A2に特異的なCTLによる溶解を阻害し得るか否かを決定し た。第1に、HLA−B2702を発現するトランスフェクタントを、HLA− A2特異的CTLの非放射性標的インヒビターとして用いた。あるいは、HLA −A2およびHLA−B58(Bw4a+である対立遺伝子)の両方を発現する トランスフェクタントを、HLA−A2特異的CTLの標的として用いた。HL A−A2特異的溶解の阻害は、いずれの場合も観察されなかった。このことは、 Bw4a配列が、可溶性形態でのみ阻害性であることを示す。 T細胞増殖の阻害 A.集中置換 ペプチドを、固定化抗CD3抗体により刺激された精製T細胞の増殖に対する 効果について評価した。3H-チミジンの取込みの減少により測定する場合、B270 2.84-75/75-84はこの増殖を阻害するが、B2702.75-84およびB7.75-84は阻害しな い。逆方向反復配列B2702.84-75/75-84が、Ile80残基のいずれかまたは両方にお いてThrで置換される場合、増殖が阻害された。同様の結果が2702.84-79/79-84 で得られた。 B.セリンスキャン 実施例Iに記載される技術に従ったこれらのダイマー(B2702.84-75/75-84お よびB2702.84-79/79-84)のセリンスキャンは、先述の増殖アッセイにおける活 性が、80位の両方のIle残基ならびに/または78位および/もしくは82位の両方のL eu残基が置換された場合にのみ、有意に減少または消去されたことを示した。 C.D−アミノ酸での置換 増殖に対するD−置換の効果を測定するために、正常なドナー由来のPBLを、 5×105細胞/丸底マイクロタイターウェルで、10%ウシ胎児血清およびL-グルタ ミンを補充したRPMI-1640中で培養した。培養物に、コンアグルチニンA(Conag glutinin A)を補充した。細胞を37℃にて3日間インキュベートし、この時点で3 H-チミジン(1μCi/ウェル)を添加した。24時間後、ウェルを収集し、そ して3H-チミジンの取込みを、シンチレーションカウンターにより決定した。 以下の表は結果を示す: 表3 表3の結果は、近似に過ぎない。なぜなら、種々のペプチドの純度が樹立され ていないからである。 D.機構の研究 これらのペプチドの存在下で抗CD3抗体により剌激されたT細胞への組換え IL-2の添加は、阻害を逆転させない。このことは、不応答性の基礎をなす機構は 、JenkinsおよびSchwartz[Schwartzら、Cold Spring Harb.Symp.Quant.Biol. (1989)2:605;Jenkinsら、Adv.Exp.Med.Biol.(1991)292:167]により最初 に定義されたような、「古典的な」T細胞アネルギーではないことを示す。 B2702.84-75/75-84ペプチドの存在下で観察された、CTL溶解およびT細胞 増殖の欠如は、T細胞死にもアポトーシスにも起因しなかった。T細胞株および 新たに単離された末梢血リンパ球を、1〜50μMのペプチドとともに培養した。 これらの培養物のアリコートを、ヨウ化プロピジウムを用いて染色し、そしてFA CSにより蛍光について評価した。培養物中の生存細胞の総数の減少も割合の減少 も、1週間の期間にわたって検出されなかった。 実施例2 ラットモデルにおける同種異系グラフト防御の防止 材料および方法 動物 成体雄性で特定病原体を有さない(SPFの)ACI(RTla)、PVG(RTlc)、Brown Norway(BN)(RTln)、およびLewis(Lew)(RTll)ラット(体重200〜250g )を、これらの研究に用いた。ラットを、Bantin and Kingman,Fremont,CA(P VG)またはCharles River,Boston,MA(ACI、BN、およびLew)から購入した。A CIラットを、BNまたはLewドナーからの心臓または皮膚の同種異系グラフトのレ シピエントとした。動物を、Falk Cardiovascular Research Buildingにおいて 標準的な条件下で協会ガイドラインに従って維持した。 ペプチド ペプチドを、Protein and Nucleic Acid Facility、Beckman Center、Stanfor d University School of Medicineで、またはMultiple Peptide Systems(San D iego,CA)により、自動化ペプチド合成機によりFmoc化学を用いて合成した。ペ プチドを調製用逆相HPLCにより精製し、そして>98%均質であることが分析的逆 相HPLCにより示された。アミノ酸含量を、アミノ酸分析により確認した。 CTL前駆体についての限界希釈アッセイ 脾臓細胞におけるCTL前駆体頻度に対するペプチドの効果を、以下の通りに 試験した。限界希釈分析を、本質的に記載された(Moellerら、1993,前出;Ski nnerおよびMarbrook、J.Exp.Med.(1976)143:1562)ように実施した。手短に は、脾臓を、未処理の動物または最低60日前に同種異系グラフトを受けた動物か ら取り出し、次いで細かく裂いて単細胞懸濁液にした。応答細胞を、1ウェルあ たり1000〜40,000細胞(1濃度あたり24連)で丸底マイクロタイターウェルに、 10%ウシ胎児血清(Hyclone,Logan,UT)、2mM L-グルタミン、5×10-5Mβ- メルカプトエタノール、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、 コンカナバリンA活性化ラット牌臓細胞からの20%上清、および50μM α-メチ ルマ ンノシドを補充したRPMI 1640中でプレートした。次いで、5×105の照射(2000 rad)刺激細胞を各ウェルに添加し、そしてプレートを、加湿CO2インキュベータ 一中でインキュベートした。5日後、アリコートを取り出し、そして51Cr標識コ ンカナバリンA活性化芽細胞の溶解について試験した。上清のアリコートを、ガ ンマカウンターにおいて計数し、そしてCTL前駆体頻度を直線回帰(Skinner およびMarbrook、1976,前出)により決定した。比放出が>10%であった場合、 ウェルを陽性と判断した。 リンパ節増殖アッセイ ACIまたはPVGラット(200g)に、生理食塩水に溶解させたペプチドを0日目に 静脈内注射した。その後の示した日に、ラットの左後肢掌に同系のドナー由来の 5×106個の脾細胞を注射し、そしてその右後肢掌に同種のLewドナー由来の5× 106個の脾細胞を注入した(Moellerら Transplantation(1993)55:650)。Twi stおよびBarnes Transplantation(1973)15:182;FanslowらScience(1990)24 8:739も参照。肢掌注射後7日目に、動物を屠殺し、そして膝窩リンパ節を取り 出した。単一の細胞調節液を調製し、そして細胞数を血球計算盤を使用して測定 した。 器官トランスプランテーション 血管が新生した心臓同種異系グラフトを、OnoおよびLindsayの技術(Onoおよ びLindsey J.Thorac.Cardiovasc.Surg.(1969)57:225)の改変を使用してレ シピエントラットの腹部にヘテロタイプにトランスプラントした。腹部同種異系 グHEAラフトを、グラフトの機能を評価するために毎日触診し、そして触知可能 な心室の収縮が終止した場合、拒絶が完了したと判断した。 全厚皮膚グラフトを、BillinghamおよびMedawar(J.Exp.Biol.(1951)28:38 5)によって記載される技術の改変を使用して行った。ドナーおよびレシピエン トの両方を剃毛し、そしてドナー皮膚を標準的な2×2cmの小片に切断し、そし て皮下脂肪を外科的に除去した。複数のグラフトを単一のドナーから得、冷却し た生理食塩水中で保存し、そして同一日にトランスプラントした。ドナーグラフ トと同じ大きさの1片の皮膚を、レシピエントの脇腹から除去し、そして弛んだ 結合組織を筋膜から外科的に除去した。次いで、同種異系グラフトを4-O vicryl 縫合糸でレシピエントの筋膜に合わせた。粗いガーゼの1つの層およびきめの細 かいガーゼスポンジの8つの層を、2-Ovicryl縫合糸を使用してグラフトの周り のレシピエントの皮膚および筋膜に縫った。これによって、ドナー皮膚をレシピ エントの筋膜にしっかりと固定し、そしてグラフトに血管再新生させた。手術後 6日目に、手当用具を取り除き、次いでグラフトを拒絶の形跡について毎日調べ た。拒絶は、紅斑、持続的な漿液の滲出、潰瘍、またはグラフトの壊死によって 証明した。 免疫抑制 オリーブ油に溶解させたシクロスポリンA(CsA、Sandoz Phrmaceuticals Cor poration,Base,Switzerland)を、示した用量で栄養管を介して経口的に与え た。ペプチドを水または生理食塩水に溶解し、そして示すように静脈内にまたは 栄養管によって与えた。 統計分析 スチューデントのt検定を、異なる群内の同種異系グラフトの生存を比較する ために、Graphpad InStat統計プログラムを使用して計算した。p値が<0.05の 場合、差異を有意とみなした。 結果 A.CTL前駆体についてのCTL分化インビトロ限界希釈アッセイに対するイ ンビボ投与の効果 最初の研究は、B7.75-84およびB2702.75-84ペプチドの両方が、インビトロで ラット脾細胞の同種特異的CTLへの分化をブロックしたことを示したが、A2.7 5-84ペプチドまたはラットMHCクラスI分子由来の同一の残基に対応するペプ チド、RTIaのいずれもがインビトロでラット脾細胞の同種特異的CTLへの分化 をブロックしなかったことを示した。したがって、本発明者らは、インビボでペ プチドで処理したラットから得られた脾細胞がエキソビボでCTLへ分化し得る か否か試験した。予備的な研究で、B7.75-84ペプチドの半減期をラットにおいて 2〜3時間であると測定した。したがって、本発明者らは、1投与量当たり2〜 20mgペプチド(6〜60mg/kg)(ウンデカペプチドCsA(10〜20mg/kg)の投与量 に匹敵する量)を投与することを選んだ。 PVG(RTIc)またはACI(RTIa)ラットを、生理食塩水または2mgのA2.75-84、 B7.75-84、B2702.75-84、またはRTIa75-84ペプチドの一回の静脈注射で処理した 。それらの脾臓を、ペプチド処理後の異なる日に取り除き、限界希釈条件下にて Le wisラットからの放射線照射(2000R)した脾細胞(すなわち、Lew(RTII)刺 激細胞)と供に5日間培養し、そして51Cr標識Lew芽細胞の溶解についてアッセ イした。CTL前駆体頻度を直線回帰分析よって決定した。表4に示すように、 生理食塩水、A2.75-84ペプチド、またはRTIa.75-84ペプチドのいずれかで処理し たPVGラット(2/群)から単離した牌細胞におけるLew特異的細胞の前駆体頻度 は、脾臓を除去した日に依存せず、約55.000分の1であった。同一頻度を、脾臓 切除の日または24時間前にB7.75-84、B2702.75-84ペプチドのいずかで処理した 動物由来の脾細胞において見出した。しかし、脾臓切除の7または10日前にB7.7 5-84またはB2702.75-84ペプチドで処理したラットから得た脾細胞は、Lew特異的 CTLの前駆体頻度において8〜10倍の減少を示した。 表4 生理食塩水または種々のペプチドの注射後にラットから単離した脾細胞における CTL前駆体頻度 したがって、結論として、B7.75-84およびB2702.75-84の両方を、ラットに注 射した場合、インビトロで同種チャレンジに応答しなかった脾細胞を生じた。A2 . 75-84またはコントロールペプチドのいずれもこの効果を有さなかった。 B. 同種反応性インビボ−リンパ節増殖アッセイに対する効果 ペプチドがインビボで同種反応性に影響し得るかどうか否か評価するために、 本発明者らは、上記のように、肢掌への非自己脾細胞の注射後の排出リンパ節に おける細胞の蓄積に対するそれらの効果を試験した。 PVGまたはACIラット(1群当たり3匹)に4つのペプチドの各々2mgまたは生 理食塩水の単回静脈内注射を与えた。処理の日、処理後1日目、7日目、または 10日目に右の肢掌に5×106個の同系脾細胞を注射し、一方、左肢掌には、5×1 06個の同種Lew脾細胞を注射した。肢掌注射後7日目に排出リンパ節を取り出し 、単一細胞懸濁液を調製し、そして細胞数を測定した。 (同種細胞を注射した側から回収した細胞の数)対(同系細胞を注射した側か ら回収した細胞の数)の比は生理食塩水、A2.75-84ペプチド、またはRTIa.75-84 ペプチドで処理したラットにおいておよそ3:1であった。同様な比を、肢掌注 射の24時間以内にB7.75-84またはB2702.75-84ペプチドで処理したラットから得 たリンパ節において観察した。しかし、肢掌チャレンジの7日または10日前にB7 .75-84ペプチドで処理したラットにおける比は、1:1まで落ちていた。肢掌注 射の7日または10日前にB2702.75-84ペプチドで処理したラットにおける比は、 およそ2:1であった。 したがって、B7.75-84およびB2702.75-84の両方を、予めラットに注射した場 合、インビボでの同種チャレンジに対する応答を阻害するに有効であったが、A2 .75-84または別のコントロールペプチドのいずれもが有効ではなかった。B7.75- 84は、B2702.75-84よりいくらか有効であるようであった。 C.心臓同種異系グラフト生存に対するペプチドの静脈内投与ならびにCsAの短 期治療の効果 B7.75-84およびB2702.75-84ペプチドが、インビボで細胞性免疫をブロックし たので、本発明者らは、ラットにおいて同種異系グラフト生存に対するそれらの 効果を調べた。ACI(RTIa)レシピエントに、Lewドナーからの異所性心臓同種異 系グラフトを腹部に与えた(Moellerら、1993、前出;OnoおよびLindsey、1969 、前出)。グラフトの機能を、毎日の腹部の触診によってモニターし、そして拒 絶を、触知可能な心室の収縮が終わった場合、完了したと記録した。 グラフトは、治療を受けていないコントロールラットにおいて9〜12日間生存 した。トランスプラントの2週間前またはトランスプラント後4日目のいずれか に2〜5投与量のB7.75-84で処理したレシピエントにおける同種異系グラフト生 存は、同様であった(7〜13日間)。 したがって、本発明者らは、ペプチド治療をCsAの副治療レジメと組み合わせ ることを選んだ。CsAを単一用量(20mg/kg)でトランスプランテーション後2日 目に投与した場合、17匹のラットの内の16匹が23日目までにそれらのグラフトを 拒絶した。しかし、外科手術前の2週間に10mgのB7.75-84での4回の処理および 手術後2日目に単一用量のCsAを受けた7匹のラットの内の4匹がそれらのグラ フトを限りなく(>200日)維持した(CsAのみと比較してp=.0023)。トランス プランテーション前の7日目および1日目に20mgのB7.75-84で処理し、次いで手 術後2日目に単一投与量のCsAで処理した全てのラットがl6m日目までにそれらの グラフトを拒絶した。これらの結果は、与えたB7.75-84の総投与量は2つの群内 で同一であるので、ペプチド投与の時期が重要であることを示す。 ラットにCsA(10mg/kg)を手術後0日目〜4日目に毎日与える代替の処置プロ トコルもまた評価された。これらのグラフトの大半(14/17)が、トランスプラ ンテーション後30日までに拒絶された。トランスプランテーション前の−7日目 および−1日目に20mgのB7.75-84で処置され、次いでCsAを0日目〜4日目に与 えられた動物の50パーセント(4/8)が、それらのグラフトを>200日間維持した (CsA単独に比較して、p=.0849)。これは、2日目に単回用量のCsAと組み合わ せた同一のペプチドレジメンを与えられたラットが、それらのグラフトを16日目 までに拒絶した知見とは対照的である。−14日目、−12日目、−10日目、および −7日目に10mgのB7.75-84で、およびその後、トランスプランテーション後0日 目〜4日目にCsAでの動物の処置は、23/29動物(80%)における寛容性を生じた (CsA単独に比較して、p<.0001)。最後に、トランスプランテーション後0〜 4日目にB7.75-84ペプチドおよびCsAで同時に処置された7/11のラットは、それ らのグラフトを>200日間維持した(CsA単独に比較して、p=.0090)。 まとめると、これらの結果は、B7.75-84ペプチドが、亜治療用量のCsAとの組 合せで用いられた場合、グラフト寛容性を誘導し得ることを示す。ペプチド処置 は、トランスプランテーションの前または後の期間に投与される場合に効果的で ある。 CsAおよびペプチドの同種異系グラフト生存に対する相乗効果は、ペプチド配 列に依存する:トランスプランテーション前の2週間または手術後の4日間に、 0〜4日目でのCsAと組み台わせてB2702.75-84ペプチドで処置されたラットにお けるグラフトは、CsA単独で処置された動物において同種異系グラフトに対して 同様に拒絶された。 これらの結果は、上記で試験されたプロトコルにおいて、B7.75-84(しかし、 B2702.75-84ではない)は、前述のラットのプロトコルにおいて同種異系グラフ トの拒絶を防止することに有用であったことを示す。 D.寛容性のドナー特異性の実証 B7.75-84+CsAの組合せで処置された大半のラットが、これらのグラフトを拒 絶しなかったが、動物が寛容性でない可能性はまだ残った。処置は、一般的な免 疫抑制状態を産生したかもしれないし、またはグラフトが、抗原提示機能もしく はダウンレギュレートされたMHCを失ったのかもしれない。寛容性とこれらの 他の可能性とを識別するために、グラフトを最低100日間維持したラットに、最 初のグラフトとは遠位の第二の腹部心臓同種異系グラフトを再びトランスプラン トした。さらなるペプチドまたはCsA処置は与えなかった。Brown Norway(BN)(RT ln)ドナー(n=4)由来の第二の心臓同種異系グラフトを受けたラットは、14日ま でにBN同種異系グラフトを拒絶したのに対し、元のドナーと同一の株由来の第二 の心臓グラフトを受けたラット(n=3)は、第二の同種異系グラフトを無期限に 受容した。 この寛容性の組織特異性を評価するために、それらの心臓グラフトを>100日 間維持した動物に、2つの全厚腹部皮膚同種異系グラフトを与えた(n=4):左 側のグラフトは、BNドナーから、そして右側のグラフトは、Lewドナーからであ った。再び、さらなるペプチドまたはCsAは投与しなかった。BN皮膚グラフトは 、11日目までに拒絶されたのに対し、Lew皮膚グラフトは、拒絶の徴候を示さな かった(>200日)。興味深いことに、第二の同種異系グラフト(心臓または皮 膚)の拒絶は、元の心臓グラフトの機能に影響を与えなかった。 したがって、B7.75-84ペプチド+亜治療用量のCsAで処置したラットは、ドナ ー特異的寛容性を示した。 E.経口投与の効果 薬物が与えられる経路は、その強度にしばしば影響を与え得る。Carpenterお よびその共同研究者らは、ラットMHCクラスII分子の非ラセン領域に対応する 合成ペプチドの胸腺内注射が、血管が新生したグラフトの生存を延長したことを 報告している(Sayeghら、Transplant Proc.(1993)25:357)。対照的に、Fab reおよびその共同研究者らは、RT1Aa分子の残基57〜80に対応する合成ペプチド が、完全フロイントアジュバント中で投与される場合、寛容原性というよりもむ しろ免疫原性であることを見出した(Fangmannら、Transplant Proc.(1993)2 5:183)。B7.75-84ペプチドの経口投与が、同種異系グラフトに対する寛容性を 誘導するか否かを決定した。 ペプチド単独で経口的に処置されたラットは、正常なキネティクスでグラフト を拒絶した。しかし、ペプチドを経口的にトランスプランテーション前の−14、 −12、−10、−7日目に与えられた8/12の動物、および手術の0〜4日後に0〜 4日目にCsAと組み合わせて処置された9/12の動物は、そのグラフトを>200日間 維持した(CsA単独に比較して、それぞれp=.005および.0007)。さらに、その心 臓同種異系グラフトを維持したラットに引き続いてドナーおよび第三者からの皮 膚同種異系グラフトを与えた場合、それらは第三者のグラフトを拒絶したが、ド ナーの皮膚グラフトは拒絶しなかった。 したがって、B7.75-84ペプチドの免疫調節性効果は、経口または静脈内投与の いずれかによって達成され得る。 F.B7.75-84ペプチド誘導寛容性の機構 B7.75-84ペプチドが同種抗原に対する応答を改変する機構を調査するために、 いくつかの免疫学的パラメータを試験した。蛍光励起セルソーター分析は、ペプ チド処置ラット対ナイーブラットから単離された胸腺または脾臓における細胞の 絶対数またはCD4+およびCD8+サブセットのパーセントに差異がなかった ことを示した。ペプチドで処置されたラットから得られた脾臓細胞の分裂促進因 子または同種抗原によって誘導された増殖は、コントロールの増殖と同一であっ た。さらに、寛容性ラット由来の脾細胞は、ナイーブラットにおいて同種応答を 直接抑制し得なかった。このことは、「サプレッサー」細胞が関与していなかっ たことを示している。しかし、ドナー応答性細胞は、寛容性ラットにおいて実証 され得た。限界希釈分析を用いて、本発明者らは、ナイーブACI動物から得られ た脾細胞におけるLew特異的CTLの前駆体頻度が、303,611中1であることを見 出した。Lewis心臓同種異系グラフトを100日間を超えて維持したACIラットから 得られた脾細胞におけるLew特異的CTL前駆体の頻度は、98,646中1であった 。これらの結果は、アネルギードナー応答性細胞が、インビボで存在し、そして これらの細胞は、インビトロで限界希釈培養物に添加された外因性のサイトカイ ンによってアネルギーから放出されたことを示唆する(JenkinsおよびMiller Fa seb J.(1992)6:2428;Atteisら、J.Exp.Med.(1991)175:491)。ラットM HCクラスI分子について入手可能な唯一の配列は、RT1A分子であり、これはB7 .75-84と10アミノ酸のうち7において同一であり、これは、RT1A配列に10残基の うちわずか5において同一であるB2702.75-84ペプチドとは対照的であることに 留意されたい(RT1A.75-84RVDLRTLRGY)。 G.抗体応答 これらのペプチドのいずれも、ラットにおいて可溶性タンパク質抗原であるキ ーホールリンペットヘモシアニン(KLH)に対する抗体応答を調節し得なかった 。KLHでの免疫の前の、それと同時の、またはその後の、ペプチドのラットへの 投与は、7または14日後に得られた血清において検出された抗KLH抗体の力価を 変更しなかった。 実施例3 マウスにおける同種異系グラフト拒絶に対するペプチドの効果 実施例3Cにおけるプロトコルに従って、CsAと組み合わせてB2702.75-84ペプ チドで処置したラットは、異種グラフト拒絶の防止を示さなかった。マウスにお いて行われた類似のプロトコルは、B2702.75-84ペプチドがこのような寛容性を 与え得ることを示す。 実施例3Cに示す手順に従って、B2702.75-84(80mg/kg/日;ip)の、(H-2b )マウス心臓同種異系グラフトでのC57B1/6の(H-2k)レシピエントを伴うCBAマ ウスへの毎日の投与は、グラフト生存を、未処置コントロール動物における7.5 ±1.2日に比較して、11.4±2.6日に延長した(n=8;p<0.01,Mann-Whitney U検 定)。トランスプランテーション後5日目に開始する同一の化合物を用いた治療 は、グラフト生存を9.2±0.4日に延長した(n=5;p<0.02)。このことは、目的 の組成物が、進行中の拒絶発症において有用であり得ることを示している。亜治 療用量のシクロスポリンA(2.7mg/kg/日;ip;0〜4日)と組み合わせて、目 的のペプチドは、シクロスポリンA単独治療を受けた動物における14日の中央値 のグラフト生存に比較して、グラフト生存を少なくとも45日間延長した(4つの グラフトのうち3は依然鼓動している)。したがって、B2702.75-84は、マウス において高度に効果的である。 B2702.75-84をD異性体として調製し(全てのアミノ酸がD型である)、そし てマウスグラフトレシピエントに10mg/kg/日で投与した場合(ip;0〜10日)、 グラフト生存は、5匹の動物のうちの4匹において22日を超えて延長された(5 つのうち4つが依然鼓動している)。これらのデータから、D異性体は、インビ ボでL異性体よりも強力であるようである。 これらの結果から、実質的な優位性が、生理学的安定性を増強するために、非 天然のDアミノ酸で1つ以上のアミノ酸を置換することによって起こることは明 白である。 さらなる一連の実験において、B2702.84-75/75-84を、移植片対宿主病(GVHD )のマウスモデルにおいて試験した。ドナー/レシピエントマウスは、その主要 組織適合性複合体位置で整合するが、少数の位置で非整合である。これは、90% の骨髄グラフトレシピエントの状況に密接に近い状況である。レシピエントマウ スを、致死的に照射し(900R)、そしてドナー動物由来の骨髄および脾臓細胞の 組合せを与えた。B2702.84-75/75-84処置の非存在において、全ての動物は、30 日以内にGVHDの証拠を示した。しかし、このペプチドで100μg/マウス/ipで35日 間毎日処置されたマウスは、GVHDをこのときに示さなかった。しかし、その後の 20日間に、これらのマウスのいくつかは、GVHDを発症させた。この結果は、ペプ チドと亜治療用量のシクロスポリンAの投与を組み合わせることによって改善さ れると予想される。 本発明の化合物は、それら自身によってか、または他の薬物(特に免疫抑制剤 薬物)との組合せによってのいずれかで、グラフトの受容を大きく増強させるた めに使用され得る。CTLの活性を調節する能力は、多くの機会をインビトロお よびインビボでの溶解の阻害のために提供する。 本明細書中で引用される全ての出版物および特許出願は、各々の個々の出版物 または特許出願が、特別に、および個々に参考として援用されることが示されて いるかのように、本明細書中で参考として援用される。 上記の発明がいくらか詳細に例示および実施例によって、理解の明確化のため に記載されたが、当業者には、特定の変更および改変が添付の請求の範囲の精神 および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、本発明の教示に照らして容 易に明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 5/00 C07K 7/00 7/00 16/00 16/00 17/00 17/00 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/08 5/10 C12N 5/00 A 15/02 A61K 37/02 C12P 21/08 C12N 5/00 B 15/00 C (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 クレンスキー,アラン エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94305, スタンフォード,メイフィールド アベニ ュー 812

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.30アミノ酸までの、N末端アシル化ならびにC末端アミド化およびエステ ル化形態を含む、ペプチドタイプ化合物またはその改変体もしくはフラグメント である、免疫調節活性を有する化合物であって、ここで該ペプチドタイプ化合物 が以下の式を含む: (a)Raa76-77Laa79-84 または (b) aa84-79Laa77-76R ここで、 aa76は、EまたはVであり; aa77は、D、SまたはNであり; aa79は、RまたはGであり; aa80は、IまたはNであり; aa81は、小さいまたは疎水性のアミノ酸であり; aa82は、RまたはLであり; aa83は、GまたはRであり;そして aa84は、小さいまたは疎水性のアミノ酸であり; ここで、該化合物において、 アミノ酸の少なくとも1つは、D異性体である。 2.aa80がIである、請求項1に記載の化合物。 3.前記アミノ酸の全てがD異性体である、請求項1に記載の化合物。 4.式(a)または(b)のアミノ酸配列、式aa79-84、aa84-79、L−aa79-84 、aa84-79−L、aa77−L−aa79-84、aa84-79−L−aa77、aa76-77 −L−aa79-84、またはaa84-79−L−aa77-76のそのフラグメントか らなるアミノ酸配列を有する、請求項1に記載の化合物。 5.aa79がRである、請求項1に記載の化合物。 6.aa81がAまたはLである、請求項1に記載の化合物。 7.aa82がLである、請求項1に記載の化合物。 8.aa83がRである、請求項1に記載の化合物。 9.aa84がYである、請求項1に記載の化合物。 10.RIALRY、RILLRY、YRLAIR、YRLLIR、RENLR IALRY、YRLAIRLNER、RENLRILLRY、YRLLIRLN ER、REDLRIALRY、YRLAIRLDER、REDLRILLRY、 またはYRLLIRLDERである、請求項1に記載の化合物。 11.RIALRY、RILLRY、YRLAIR、YRLLIR、RENLR IALRY、YRLAIRLNER、RENLRILLRY、YRLLIRLN ER、REDLRIALRY、YRLAIRLDER、REDLRILLRY、 またはYRLLIRLDERである、請求項3に記載の化合物。 12.MHC非適合ドナーからのトランスプラントのレシピエントによる受容期 間を延長するための方法であって、 所定のレジメに従って、該ドナーに、該トランスプラントの受容期間を延長す るに有効な量で、請求項1に記載の化合物を投与する工程であって、これにより 、該トランスプラントの受容期間が延長される、工程 を包含する、方法。 13.前記化合物が、亜治療投与量の免疫抑制剤と組み合わせて投与され、そし て前記受容期間が、該化合物の非存在下で該亜治療投与量としての該免疫抑制剤 の投与から生じる期間に比べて長い、請求項12に記載の方法。 14.請求項1に記載の化合物および亜治療投与量の免疫抑制剤を、生理学的に 受容可能な媒体中に、哺乳動物におけるトランスプラント拒絶を阻害するに十分 な量で共に含む組成物。 15.ペプチドであり、かつ該ペプチド中のすべてのアミノ酸残基が遺伝子でコ ードされている、請求項1に記載のペプチドタイプ化合物の部分。 16.請求項15に記載の部分をコードするヌクレオチド配列を含むDNA分子 。 17.前記DNA分子が宿主細胞中に含まれるとき、請求項15に記載の部分を 産生するための発現系を含むDNA分子。 18.請求項17に記載のDNA分子を含むように改変されている、組換え宿主 細胞。 19.請求項15に記載の部分を調製する方法であって、 前記ペプチドの産生のための発現系を含むDNA分子を含む組換え宿主細胞を 、該ペプチドが産生される条件下で培養する工程;および 該ペプチドを該培養から回収する工程 を含む、方法。 20.請求項1に記載の化合物と特異的に免疫反応性である抗体。
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