JPH10501791A - クラスimhcペプチドによる細胞傷害性t細胞リンパ球(「ctl」)活性の調節 - Google Patents

クラスimhcペプチドによる細胞傷害性t細胞リンパ球(「ctl」)活性の調節

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JPH10501791A JP7525947A JP52594795A JPH10501791A JP H10501791 A JPH10501791 A JP H10501791A JP 7525947 A JP7525947 A JP 7525947A JP 52594795 A JP52594795 A JP 52594795A JP H10501791 A JPH10501791 A JP H10501791A
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Abstract

(57)【要約】 クラスIHLA抗原ドメインの多型性ドメイン由来のフラグメントを用いてT細胞活性を調整する。ペプチドはα1-またはα2-ドメイン(特にHLA-A、およびB抗原の)由来である。このペプチドは他の化合物に結合され得、診断および治療において使用される。このペプチドは溶解、CTL増殖をブロックし得、または他の調節効果を有し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 クラスIMHCペプチドによる細胞傷害性T細胞リンパ球(「CTL」)活性の調節 関連出願への交差参照 本出願は、1992年3月2日に出願された出願番号第844,716,号の一部継続出願 であり、第844,716,号は、1991年9月3日に出願された出願番号第755,584,号の 一部継続出願であり、第755,584,号は、1991年3月19日に出願され、今や放棄さ れた出願番号第672,147,号の継続出願であり、第672,147,号は、1987年1月30日 に出願され、今や放棄された出願番号第008,846,号の一部継続出願である。 序論 技術分野 本発明の分野は、クラスIMHCペプチド由来のペプチドフラグメントを用いる 細胞傷害性Tリンパ球の制御である。背景 細胞傷害性T細胞、特に細胞傷害性Tリンパ球(「CTL」)は、標的細胞表面上の 特異的組織適合性遺伝子複合体(「MHC」)抗原、およびMHC抗原の裂溝中に結合し たペプチドを認識することによりそれらの活性において拘束される。外来抗原は 、同種異系の宿主の移植、ウイルス感染、変異、新形成などの結果であり得る。 MHCタンパク質の関与は、外来抗原を含む細胞に対するCTLによる攻撃に必須のよ うである。外来抗原の存在をモニターすることにより、CTLは細胞を破壊し得、 それは、そうでなければ増殖し得、病原体または新形成細胞の増殖を生じ得る。 外来抗原の存在をモニターして、CTLはまた、同種または異種宿主由来の器官 、組織および細胞の移植物を認識する。CTLから移植物を防御するために、種々 の免疫抑制手順が用いられている。これらの手順は、大部分において、免疫系全 体を阻害する免疫抑制薬物の使用を含み、患者を日和見感染に対するリスクに置 く。さらに、この処置を、しばしば患者の生涯の間に特定のレベルで維持しなけ れば ならず、疾病にかかりやすいことに加えて、患者を薬物の有害な影響に曝す。さ らに、この手順が移植物を維持するために十分に防御的でないことがしばしば見 出されている。 増大した移植成功の機会およびCTL活性を調整することを目的とする他の状況 の提供における非常に大きな目的の見地から、CTL活性を調整することを含む現 在の治療処置を改善する新たな技法を開発する実質的な機会が存在している。関連文 献 Ciaybergerら、J.Exp.Med.(1985)11:1709-1714は、HLA-Aw68およびAw69と比較 してHLA-A2抗原を記載する。Townsendら、Cell,(1986)44:959-968は、CTLがヘル パーT細胞と同様の方法で変性または分解タンパク質のセグメントエピトープを 認識することを示唆している。HolmesおよびParham,EMBO J.,(1985)4:2849-2 854は、HLA-A2、Aw68およびAw69の関係を記載する。CTL標的特異性は、ヒトクラ スI分子の構造における変化に極度に感受性であることが教示されている(Durna およびPease、Trasplantation,(1986)41:279-285:Biddisonら、J.Immunol.,( 1980)124:548-552:Spitsら、Immunogenetics,(1982)16:503-512:Gastonら、J .Exp.Med. (1983)158:280-293)。 CTLによる認識に影響する変異がマウス(Nathensonら、Ann.Rev.Immunol.)(198 6)4:471-502:Schulzら、Proc.natl.Acad.Sci.USA(1983)80:2007-2011)および ヒト(Krangel,Biochemistry(1982)21:6313-6321:Krangelら、J.Immunol.(1983) 130:1856-1862:Cowanら、J.Immunol.(1985)135:2835-2841:Taketaniら、同上( 1984)133:816-821;およびVegaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)82:7394-7398 )において研究されている。 これらの報告は、残基147と157との間の領域にかなりの注意を向けているが、 その他の領域もまた機能的差異を生成し得る(Ezquerraら、J.Immunol.(1985)134 :2727-2733)。可変性のクラスターか第1の細胞外ドメインのカルボキシ末端お よび第2の細胞外ドメインのアミノ末端で報告されている(Waysら、J.Biol.Chem . (1985)26:11924-11933)。すべてのクラスI分子の残基105-108間の配列は、フ ィブロネクチン結合テトラペプチドの配列に関連しており(AuffrayおよびNovotn y, J.Human Immunology (1986)15:381-390)、このテトラペプチドは、いずれの方向 でも細胞接着特性を有することが見出されている(PierschbacherおよびRuoslaht i,Nature(1984)309:30-33;YamadaおよびKennedy,J.Cell.Biol.(1985)28:99- 104)。単一のモノクローナル抗体で規定されるHLA-A2のエピトープに影響する10 7位における置換がSalterら、J.Exp.Med.(1987)166:283-288により報告されてい る。 発明の要旨 クラスI抗原α1-およびα2-ドメイン、特にα1-ドメイン、およびより特定す ればアミノ酸75〜84を含むα1−ドメインの配列に基づく方法および組成物が提 供される。このフラグメントは、少なくとも、クラスI抗原の55位と120位との 間のアミノ酸の部分を含み、そして細胞傷害性Tリンパ球分化および/または標的 細胞の溶解の調整に用いられる。異なるペプチドが、CTLまたはCTLのサブセット に関して異なる効果を引き出し得る。 特に目的とするのは、限定された期間、準治療的な(subtherapeutic)量の免 疫抑制剤の所定のレジメと組み合わせてペプチドを投与することによる器官移植 物の結果を改善するためのペプチドまたはペプチドオリゴマーの使用である。 本発明はまた、本発明のペプチドの結合標的として供される分子量70および74 を有する精製タンパク質を含む。 図面の簡単な説明 図1は、HLA-A2特異的CTLによる細胞溶解の阻害に必要なペプチド配列の最小 サイズを示す。 図2は、HLA-A2特異的CTLによる細胞溶解の阻害に対するCTLおよび標的細胞の 前処理の効果を示す。 図3は、CTLによる標的細胞の細胞溶解の間のセリンエステラーゼを含む顆粒 の放出に対するペプチドA2.98-113の効果を示す。 図4は、クラスIHLA分子のα1、α2およびα3領域を構成するペプチドのコン センサス配列、および異なる特異的HLA分子におけるこれら配列の変化を示す。 図5は、異なる特異性のCTLによる標的細胞の細胞溶解に対する異なるHLA-A2 エピトープからのペプチドの効果を示す。 図6は、ペプチドA2.56-69により引き起こされるクローンA2/B17細胞による細 胞溶解に対するHLA-Aw69標的細胞の感作を示す。 図7は、標的細胞またはクローンA2/B17細胞のペプチドA2.56-69とのインキュ ベーションの感作に対する効果を示す。 図8は、異所性心臓同種異系移植の生存性を示す。ACIラットを、Lewドナー由 来の腹部異所性心臓同種異系移植片のためのレシピエントとして用いた。移植片 を毎日触診し、そして触診可能な脈がなかったときに拒絶されたとして記録した 。(A)動物を第2日にB7.75-84および/またはCsAの単回用量で処置した。処置を 受けなかった動物(n=6)は、10日間の移植片生存性の中央値を有していた。手術 の前第-7日および第-1日に20mgのB7.75-84で(n=6)、第-14日、第-12日、第-10 日および第-7日に10mgのB7.75-84で(n=11)、または第2日に20mg/kg CsAで(n=1 7)処置した動物は、それぞれ、8、14、および14日の生存時間の中央値を有して いた。第-7日および第-1日に20mgのB7.75-84およびその後の移植後第2日の20 mg/kgのCsAの組み合わせの処置(n=7)は、13日の生存時間の中央値を有していた 。手術前の第-14日、第-12日、第-10日、および第-7日に10mgのB7.75-84で、お よび第2日に20mg/kgのCsAで処置した動物(n=7)における移植片生存性の中央 値は、200日であった。(B)動物をB7.75-84および/またはCsAの5用量で処置した 。動物を、手術前の第-7日および第-1日に20mg/kgのB7.75-84で(n=6)、第0〜 4日に10mgのB7.75-84で(n=9)、または第0〜4日に10mg/kgCsAで(n=18)処置し 、それぞれ8、14、10および18日の移植片生存性の中央値を有していた。第-7 日および第-1日のCsAの5用量+20mgのB7.75-84の組み合わせ(n=7)、または第 0〜4日のCsA+10mgのB7.75-84の組み合わせ(n=11)、または第-14日、第-12日 、第-10日、および第-7日のCsA+10mgのB7.75-84の組み合わせでの処置はすべ て、>200日の移植片生存性の中間値を有していた。(C)動物を(B)と同一のレジ メを用いて、B2702.75-84および/またはCsAの5用量で処置した。第-14日、第-1 2日、第-10日、および第-7日に20mgのB2702.75-84で(n=10)、または第0〜4日 に10mgのCsAで(n=18)で処置した動物は、それぞれ8および18日の移植片生存性 の中間 値を有していた。第-7日および第-1日のCsA+20mgのB2702.75-84の組み合わせ (n=8)、第-14日、第-12日、第-10日および第-7日のCsA+10mgのB2702.75-84 の組み合わせ(n=10)、または第0〜4日のCsA+10mgのB2702.75-84の組み合わせ (n=8)での処置は、それぞれ、17、19および13日の移植片生存性の中間値を有し ていた。 図9は、同種異系移植拒絶を防ぐB7.75-84の経口投与の効果を示す。B7.75-84 を水中で強制飼養により与えたことを除いて図8に関して記載したように、動物 を処置および移植した。第0〜4日に10mg/kgのCsA単独て処置した動物は(n=18) 、18日の移植片生存性の中間値を有していた。第0〜4日に経口的にCsA+10gの B7.75-84の組み合わせ(n=12)で、または第-14日、第-12日、第-10日および第-7 日に経口的に10mgのB7.75-84(n=12)で処置した動物は、>200日の移植片生存性 の中間値を有していた。第0〜4日に経口的にCsA+10mgのB2702.75-84(n=9)で 処置した動物の移植片生存性の中間値は22日であった。 特定の実施態様の説明 本発明によれば、宿主由来のまたは宿主とは外来の、1つまたはより多くのク ラスI主要組織適合性遺伝子複合体抗原の多形性領域の配列を患者に投与するこ とにより、患者におけるCTL活性が調整され、特に阻害される。CTLの標的へのCT Lの結合を阻害するペプチドもまた提供される。ここで、この効果は、CTLの分化 の阻害および/またはCTLによる標的細胞の溶解の阻害に起因し得る。 多形性領域は、α1-およびα2-ドメインを含み、ここでα1-ドメインを特に目 的とし、より詳細には、アミノ酸75〜84を含むα1-ドメインを特に目的とする。 ヒトのクラスI抗原は、A、B、およびCと称され、ここで他の動物は類似のク ラスを有し、その中でAおよびB抗原を特に目的とする。より詳細には、CTL活 性の調整を提供することにおいて標的細胞のクラスIMHCに比較的非特異的であ ることが見出されている特異的なペプチドを目的とする。従って、結合するクラ スIMHCに関して比較的特異的であるペプチド配列と、広範囲のクラスIMHC抗原 を有するCTLに比較的非特異的に結合するペプチドとを区別し得る。本発明のペ プチドは、モノマーとして、オリゴマーとして用いられ得、または広範な分子に 結合して、増大した生理学的安定性、多機能的特性、投与の容易さなどの特定の 特徴を提供し得る。 CTL活性の調整に加えて、本発明のペプチドは種々の他の方法で用いられ得る 。本発明のペプチドを用いて、このペプチドに結合する特定のCTLを同定し得る ;それらは、T細胞組成物またはその部分からCTLまたはCTLのサブセットを除去 するために用いられ得る;それらは匹敵する活性を有する薬剤を検出するための アッセイで用いられ得、ここでこの薬剤を用いて、競合アッセイにおいてペプチ ド標的について本発明のペプチドと競合させ得る;それらは、目的の特定の構造 を規定するための合理的薬剤設計で用いられ得る;など。ほとんどの場合、本発 明の組成物は、少なくとも8つのアミノ酸、より通常には、少なくとも10のアミ ノ酸、通常は少なくとも12のアミノ酸のペプチドの純粋な組成物または処方され た組成物を含み、このペプチドは以下の伸長配列内の配列および完全伸長配列ま でを有する、または通常2つを超えない置換、通常1つを超えない置換であって 、この置換がCTL活性の調整に影響しない部位にある本発明の組成物の変異体を 含み: ここで、 aa55はEまたはK、特にEであり; aa62はG、Q、EまたはR、特にRまたはGであり; aa63は酸性アミノ酸またはそのアミド、特にEであり; aa65はQ、R、またはG、特にQまたはRであり; aa65はI、N、またはK、特にIまたはKであり; aa67は脂肪族中性またはYアミノ酸、特にC、S、VまたはYであり; aa69は脂肪族中性または塩基性アミノ酸、特にA、RまたはTであり; aa70はQ、H、S、NまたはKであり; aa71は脂肪族中性アミノ酸、特にA、L、SまたはTであり; aa74はD、YまたはHであり; aa76はEまたはVであり; aa77はD、SまたはNであり; aa79はRまたはGであり; aa80はT、IまたはNであり; aa81は脂肪族非極性アミノ酸、特にAまたはLであり; aa82はRまたはLであり; aa83はGまたはRであり; aa94はTまたはIであり; aa95は5〜6の炭素原子の非極性脂肪族アミノ酸であり; aa97は脂肪族アミノ酸またはWであり; aa99は芳香族アミノ酸であり; aa103は5〜6の炭素原子の非極性脂肪族アミノ酸であり; aa105はPまたはSであり; aa1O7はGまたはWであり; aa109はLまたはFであり; aa113はYまたはHであり; aa114はH、Q、D、NまたはRであり; aa116はY、D、S、FまたはHであり;ここで本発明のペプチドはCTL活性を 調整する。 特に目的とするペプチドのサブセットは以下の伸長配列内にある: ここで: aa94はTまたはIであり; aa95は5〜6の炭素原子の非極性脂肪族アミノ酸であり; aa97は脂肪族アミノ酸またはWであり; aa99は芳香族アミノ酸であり; aa103は5〜6の炭素原子の非極性脂肪族アミノ酸であり; aa105はPまたはSであり; aa107はGまたはWであり; aa109はLまたはFであり; aa113はYまたはHであり; aa114はH、Q、D、NまたはRであり; aa116はY、D、S、FまたはHである。 特に目的とする上記の伸長配列内にある配列の別のサブセットは以下の伸長配 列内にある配列である: ここで: aa55はEまたはK、特にEであり; aa62はG、Q、EまたはR、特にRまたはGであり; aa63はEおよびNを含む酸性アミノ酸またはそのアミド、特にEであり; aa65はQ、RまたはG、特にQまたはRであり; aa66はI、NまたはK、特にNまたはKであり; aa67はV、M、S、CおよびYを含む脂肪族中性アミノ酸、特にVであり; aa69はA、TおよびPを含む脂肪族中性アミノ酸、特にAであり; aa70はQ、H、S、NまたはK、特にQまたはHであり; aa71はS、AおよびTを含む脂肪族中性アミノ酸、特にSであり; aa74はD、YまたはH、特にDまたはHであり; aa76はEまたはVであり; aa77はD、SまたはN、特にDであり; aa79はRまたはG、特にGであり; aa80はT、IまたはN、特にTまたはIであり; aa81はLまたはAを含む脂肪族非極性アミノ酸、特にLであり; aa82はRまたはL、特にRであり; aa83はGまたはR、特にGである。 特に目的とする、少なくとも8つのアミノ酸、通常少なくとも約10のアミノ酸 のペプチドの別のシリーズは以下の伸長配列内にある; 目的とする8アミノ酸フラグメントが由来する他の伸長配列は以下の配列を含 む: 特に目的とするのは以下のより短い配列である: これら配列の中で、α1-ドメイン内の配列、即ち55〜85位由来の、より特定す れば55〜80位または70〜85位の、望ましくは配列内にテトラペプチド を含むアミノ酸配列を目的とする。α2-ドメインについては、90〜112位、より 特定すれば94〜116位、望ましくは配列内にテトラペプチド または を含むアミノ酸配列を目的とする。 レセプター結合ペプチドとして供される目的のペプチドは、少なくとも8つの アミノ酸、通常少なくとも10のアミノ酸、より通常には少なくとも12のアミノ酸 を有し、しばしば15またはより多くのアミノ酸、そして通常には約30のアミノ酸 を超えない、より通常には約24を超えないアミノ酸を有し、望ましくは約12〜21 のアミノ酸を有する。このアミノ酸配列は、通常、天然に存在する配列と、2つ を超えるアミノ酸置換、または変異(例えば、欠失または挿入)で異ならず、より 通常には、約1のアミノ酸より多くは異ならない。用いられる配列は、通常、MH C拘束性T細胞の宿主のMHC抗原(特にHLA-Aまたは-Bグループの抗原)のα1ドメ インのC末端側半分またはα2ドメインのN末端側半分の多形性領域由来であり 、ここでこのペプチドは、同じMHC抗原または実質的に相同な抗原を有する細胞 でのみ活性であり、または異なる宿主または変異配列由来であり、ここでこの配 列は、異なるクラスIMHC抗原を有する宿主由来の所定の範囲のT細胞と作用す る。これらの配列(異なるクラスIMHC抗原(特にAおよびB、より特定すればB )を有する多くの宿主にわたって作用する)は、汎配列(pan-sequence)と考えら れ得る。 以下の配列の少なくとも8つのアミノ酸の配列または配列フラグメントを特に 目的とする: 同じ部位に示された2つまたはより多くのアミノ酸がある場合、示されたアミ ノ酸のいずれもが存在し得る。 特に目的とする領域は、アミノ酸位置110〜116の領域である。 本発明のペプチドは広範な方法で改変され得る。このペプチドは、ペプチドに 沿って都合の良い任意の部位で、異なる目的のために種々の他の化合物に共有結 合により結合され得る。従って、このペプチドは、抗体産生のための免疫化のた めに宿主に投与するための免疫原に連結され得、または合成、合成遺伝子の発現 などにより特定のMHC抗原の非隣接MHC配列に連結され得;脂質またはポリアルキ レンオキシ基に連結され得;糖類に連結され得;または核酸に連結され得る。特 に目的とするのは、本発明のペプチドを、合成または合成遺伝子の発現により他 のペプチドに連結することであり、ここでこの他のペプチドは、宿主に投与され るときに、本発明のペプチドの増加した安定性を提供する。免疫グロブリン定常 領域(例えばIgG Fc)のような種々のペプチドを使用し得る。あるいは、本発明の ペプチドは、特に、細胞への結合鎖の結合を阻害するように、結合鎖が除去され るかまたは不活性化されている場合、ジフテリア毒素、リシン、アブリンなどの ような毒素に連結され得る。 特に目的とするのは、HLA-B7または-27、より特定すれば−2702由来のペプチ ドであり、ここで1またはより多くのアミノ酸は置換され得るが、CTL調整活性 を保持している。B7とB2702とは、部位77、80、81、82および83で異なり、部位7 5、76、78、79、および84で同一性を有する。さらに、部位77および81でのアミ ノ酸がCTL調整活性を損失することなく置換され得ることが見出されている。従 って、コンセンサス配列は、REX1LRX2X3X4X5Yであり、ここでX1は任意のアミノ 酸、極性または非極性、好ましくは極性、荷電または非荷電のいずれかであり得 ;X2は、好ましくは、極性または非極性であり得る少なくとも5つの炭素原子の アミノ酸、特にアスパラギンおよびイソロイシンであり;X3は任意の、特に2〜 6、より特定すれば3〜5の炭素原子の非極性の脂肪族のアミノ酸であり得;X4 は任 意のアミノ酸、特に脂肪族の、荷電または非荷電のいずれかの、好ましくは少な くとも約5の炭素原子の、アルギニンおよびロイシンのようなアミノ酸であり得 ;X5は任意のアミノ酸、好ましくは脂肪族の、荷電または非荷電の、極性または 非極性の、特にグリシンおよびアルギニンであり得る。好ましくは、X1-5は、そ れぞれ、S、N、L、R、GまたはN、1、A、L、Rであり、ここで、1つの グループにおけるアミノ酸の1つは、同一部位で他のグループのアミノ酸に置換 され得る。 互いに結合されていることの他に(結合またはポリペプチド架橋のいずれかに より)(約1〜30のアミノ酸の、より通常には約1〜20のアミノ酸の)、本発明 のペプチドは、骨格に結合した複数の本発明のペプチドを有するように、多官能 性の骨格に連結し得、ここで本発明のペプチドはアミノ酸以外により連結され得 る。従って、種々の結合基が使用され得、ここで本発明のポリペフチドは改変さ れて結合に便利な官能基を提供し得る。本発明のペプチドを合成することにより 、チオール、カルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、ホスフェートなどの種々の官能 基が導入され得、ここでこれらの基は、次いで、通常約1〜30の、より通常には 、約1〜20の炭素原子を有する、脂肪族基、芳香族基、脂環式基、またはヘテロ 環式基への連結のために使用され得る。従って、ポリビニルアルコール、アクリ ル酸、多糖などが使用されて、本発明のオリゴペプチドが結合する便利な骨格を 提供し得る。 通常、本発明のペプチドのオリゴマーにおいては、少なくとも2つのそして約 20を超えない、通常約10を超えないオリゴマーが存在する。保存的置換を考慮す ると、アミノ酸の分類は以下のように称される: 脂肪族 非極性G、A、P、L、I、V 極性 中性C、S、T、M、N、Q 酸性D、E 塩基性K、R 芳香族 F、H、W、Y ほとんどの場合、単一の線上に示されたアミノ酸は保存的置換であるが、通常 、保存的置換は、置換するアミノ酸とは3つより少ない炭素原子だけ異なる。ま た、多くの場合、荷電または極性はサイズほど重要ではなく、L、I、V、N、 Q、E、KおよびRは一方を他方に、即ち1つの脂肪族グループを別の脂肪族グ ループに置換し得る。 このペプチドは種々の方法で調製され得る。簡便には、それらはBeckman、App lied Biosystem Inc.,または他の有用なペプチド合成装置のような自動合成機を 用いる従来技術により合成され得、また手動で合成され得る。あるいは、特定の ペプチドをコードするDNA配列が調製され得、そしてクローン化および発現され て所望のペプチドを提供し得る。この例においては、メチオニンが最初のアミノ 酸であり得る。 ペプチドはまた、天然供給原から単離され得、そして例えばイオン交換物質で のクロマトグラフィー、サイズによる分離、免疫アフィニティークロマトグラフ ィーおよび電気泳動を含む公知の技法により精製され得る。本明細書で使用され る用語「ペプチド化合物の実質的に純粋な調製物」は、通常、このポリペプチド が天然に会合している物質を約70%以上含まない、そして好ましくはこれら物質 を約80%以上含まないペプチドの調製物を意味する;しかし、これらの物質は、 ペプチドが薬学的組成物の調製において混合され得る物質を除外する。配列は、 それらの最終的な目的に依存して、種々の方法で改変され得る。異なるN末端ま たはC末端基が導入され得、このペプチドの固体基質または他分子への連結を可 能にする。合成手順においては、任意の分子がN末端またはC末端に導入され得 、これはペプチドが調製される目的に依存して、次の反応を可能にし得る。 診断目的のために、広範な標識が末端に連結され得、それは直接的または間接 的に検出可能なシグナルを提供し得る。例えば、蛍光物質が末端、または蛍光物 質、酵素、粒子などのような標識への連結を提供する他の分子に導入され得る。 例えば、ビオチンなどの連結が末端に導入され得、酵素または蛍光物質とのアビ ジン結合体に結合し得る。あるいは、種々の反応性部位が、粒子、固体基質、巨 大分子などへの連結のために末端に導入され得る。例えば、保護された中間側鎖 基を有する固体基質に結合した成長鎖の内部アミノ部分は、メチルジチオ安息香 酸(MDTB)と結合され得る。次いで、遊離のメルカプタン基を用いて活性化オレフ ィンと結合させ得る。従って、血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシア ニン、ウシβグロブリンなどのようなタンパク質がペプチドと結合して、イムノ アッセイにおいて、アフィニティークロマトグラフィーのためになどの使用のた めのペプチドに対する抗体を産生すための免疫原を提供し得る。あるいは、ペプ チドは、目的の結合性ペプチドを含む融合タンパク質を提供するように、タンパ ク質のN末端、C末端または中間にペプチドを有するDNA配列を調製することに より別のポリペプチドに結合され得る。この方法においては、目的のペプチドに 結合する例えば抗体などの巨大分子により調整され得る酵素活性を有する融合タ ンパク質が産生され得る。従って、本発明のペプチドは、生物学的活性をなお保 持しながら、種々の最終目的のために広範な方法で改変され得る。 本発明のペプチドはまた、CTLを活性化するために、目的の抗原性ペプチドま たはタンパク質と組み合わせて用いられ得る。従って、本発明のポリペプチドは 、CTLがそれに結合して活性化され得るCTLに対する2つのエピトープを提示し得 るように、直接的または間接的に、タンパク質に結合され得る。特に目的とする のは、他の決定部位を提供するペプチドまたはタンパク質と組み合わせてリポソ ームまたは脂質二重層膜に本発明のペプチドを結合し得る場合である。 脂質、特にリン脂質に、ペプチドまたはタンパク質を結合するために種々の技 法が利用可能であり、リポソーム表面上でのペプチドまたはタンパク質の存在を 提供する。ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンまたは他の 脂質が、MBSE、グルタルアルデヒド、メチルジチオ安息香酸などのような二官能 性連結剤とともに用いられ得る。結合されたタンパク質を有するリポソームの形 成は、文献中に十分な支持を見出し、例えば、米国特許第3,887,698号;第4,261 ,975号および第4,193,983号を参照のこと。改変されたペプチドまたはタンパク 質は、水性媒体中で脂質と組み合わされ、そして音波処理されて所望のリポソー ムを提供する。次いでリポソームは回収され、そして示された方法で使用され得 る。 本発明のペプチドは、それ自体で、または他のペプチドまたはタンパク質と組 み合わせて、本発明のペプチド、あるいは本発明のペプチドと他のペプチドまた はタンパク質との組み合わせに結合するCTLの存在を診断するために用いられ得 る。この方法においては、本発明のペプチドと抗原性ペプチドまたはタンパク質 との結合体は、先に記載のような連結剤を用いることにより調製され得る。ある いは、本発明のペプチドおよび抗原性ペプチドは、粒子、コンテナー表面などの ような固体表面に結合され得る。所望であれば、本発明のペプチドおよび抗原性 ペプチドまたはタンパク質は、蛍光性である粒子またはタンパク質に結合され得 る。粒子またはタンパク質の結合は、蛍光活性化細胞分取装置における分取およ び計数を可能にする。 本発明のペプチドは、哺乳動物宿主におけるCTL活性を調整するために、特にC TL活性を阻害するために用いられ得る。この調整効果はインビボまたはエクスビ ボで、例えば、患者の血液を患者から引き抜き、そして血液と混合してCTL活性 を阻害するために生理学的に受容可能な媒体中にペプチドが存在するデバイスを 通じてこの血液を循環させるアフェレーシスを用いて達成され得る。あるいは、 ペプチドは、このデバイスを通して循環されている血液からCTLを除去するよう にアフィニティークロマトグラフィーの様式で用いられ得る。ペプチドは、ペプ チドが提供される特定の形態(例えば、モノペプチド、オリゴマーペプチド、特 定の連結基など)に依存して任意の便利な方法により投与され得る。特に、ペプ チドは、動脈内または静脈内のいずれかて血管内投与され得、CTLの調整を提供 する。投与されるペプチドの量は、それが投与される形態、それが投与される目 的、投与の頻度などで変化し得る。 阻害ペプチドの例を以下に呈示し(実施例2および9を参照のこと)、それらは HLA-A2のα1およびα2ドメインの両方に由来する。各々の場合において、阻害ペ プチドの配列は、CTLのエピトープ特異性と相関する。さらに、実施例4に示さ れるように、阻害はオクタペプチドにより媒介され、標的細胞へではなくCTLへ のペプチドの結合により生じる(実施例5を参照のこと)。個々のペプチドの阻害 能力は、CTL特異性と相関するので、これらのペプチドは、種々のT細胞レセプ ターへの結合によって阻害するようである。 アロ反応性CTLによる、HLAクラスIを有する標的細胞の細胞溶解を刺激するペ プチドの例を以下の実施例10に呈示する。実施例10〜12における結果の最も単純 な解釈は、HLA-A2/B17特異的CTLが、拘束エレメントとして、HLA-Aw69に関連し てA2 56-69ペプチドを認識するということである。 ペプチドの種々の活性は適切なアッセイにより測定され得る。ペプチドによる CTLの阻害は、標的HLAを有する標的細胞株における特定のHLAに特異的なCTL株を 使用することにより測定され得る。標的細胞株は、例えば、51Crを用いて標識さ れる。これらの細胞は、適切な培地中で組み合わされ、そして標識の放出が、細 胞溶解の程度の指標として測定される。ペプチドは細胞が一緒にされたときと同 時に添加され得、CTLとともにインキュベートされ得、または標的細胞とともに インキュベートされ得、ペプチドの作用様式を調査し得る。 外因性のマーカーを用いる代わりに、ペプチドとともにCTLおよび標的細胞を 組み合わせる際にセリンエステラーゼ活性の放出を測定し得る。セリンエステラ ーゼ活性の存在は顆粒の放出に関連し得る。 既に示したように、ペプチドは、それ自体で、または抗原との組み合わせで存 在し得、それによって目的の異なる決定部位を提供し得る。本発明のペプチドの みが含まれるか、または他のペプチドとの組み合わせで本発明のペプチドが含ま れるかに依存して、活性化または阻害が達成され得る。不可逆的な阻害が所望さ れる場合、本発明のペプチドと抗原との結合体が細胞傷害性薬剤に結合され得、 細胞傷害性薬剤を含むリポソームに結合され、あるいは特異的なモノクローナル 抗体または免疫グロブリンに結合し、それによって結合体のCTLへの結合が、CTL の補体媒介性溶解を生じる。 さらに、特異的ペプチドをまた、特異的または非特異的であり得るCTLの分化 をブロックするために供し得る。本発明のペプチドはまた、CTL活性を調整する ために用いられ得、ここで調整は細胞溶解活性を阻害することを含み、この阻害 は可逆的または不可逆的であり得る。いくつかの例においては、本発明のペプチ ドは、MHC拘束性CTLの特定のセットまたはサブセットの存在を測定するために用 いられ得る。 これらの種々の能力が、所望の特性を提供するに十分な量のペプチドと、CTL を含む細胞性組成物とを組み合わせることにより達成され得る。分離が所望され る場合は、アフィニティーカラム、結合ビーズ(例えば磁性ビーズ)、またはその 他の技法が用いら得、ここでペプチド結合細胞が、結合していないまたは非特異 的に結合しているのいずれかの他の細胞から分離され得る。 先に示したように、特定のペプチドが、広範なクラスIMHC抗原を有するCTLに 対して作用する。これらの化合物は、レジメを提供することにより移植拒絶に対 する防御において特定の用途を見い出し、ここでペプチドは、ボーラス、徐放、 デポー、連続注入または投薬の他の形態、投与様式(経口、非経口、吸息など)、 投与のために選択された特定の回数、ドナーとレシピエントとの間の移植抗原の 差異の程度などに依存して、種々の回数て、そして種々の期間で投与される。ペ プチドの投与は、移植日に先立って、移植日に、および移植日後、またはそれら の組み合わせであり得る。種々のレジメが効果的に使用され得、特定のレジメは 特異的に規定され得ないことが見出された。ペプチドが移植に先立って投与され る場合、投与は移植の少なくとも3日前、好ましくは少なくとも約5日前、そし てより好ましくは移植の少なくとも約7〜20日前に開始すべきであり、一方、ペ プチドが移植の開始時にまたは移植後に投与される場合、好ましくは投与は移植 後1日以内に、好ましくは移植日に開始され、そして移植過程の間に投与され得 る。通常は複数投与があり、通常は約10回より多くなく、より通常は約6回より 多くなく、一般には少なくとも約2回であり、しばしば約2〜6回の投与であり 、ここで投与は毎日、隔日であり得、通常約3日より多くなく、好ましくは2日 間隔より多くない。毎日の複数回投薬が与えられ得るが、1日あたり単回用量が 十分であることが見出されている。従って、全体では、レジメは移植手術に先立 って20日の期間の間の投与、および移植手術の後の約10日間までの投与を含む。 通常、初期用量は、第-20〜+1日の期間中に始まり、ここで0を手術の日として 、(-)は手術の日の前であることを示し、そして(+)は手術の日の後であることを 示す。好ましくは、この投与が主に手術の前である場合、初期用量は手術の7日 前よりは早くなく、そして初期用量が手術後である場合、手術の1日後よりは遅 くない。非経口的に投与される場合、移植片はまた、通常は患者の用量に関連す る濃度で、ペプチドを含む生理学的に受容可能な媒体中に浴され得る。 レジメの一部分として、一般に移植の際または後に、それ自体、または特に、 ペプチドが移植後投与される場合ペプチドと組み合わせて免疫抑制薬物もまた投 与され得る。準治療的用量の免疫抑制化合物が使用され、ここで免疫抑制剤は単 一の薬剤または薬剤の組み合わせであり得、ここで組み合わせは準治療的用量以 下である。準治療的用量は、ペプチドの非存在下では、移植片が大部分の患者に おいて、100日以内、通常には30日以内、そしてより通常には20日以内に拒絶さ れることを意図する。シクロスポリンA、FK506、移植片拒絶に関連する形質膜 タンパク質に対する抗体(例えば、CD4、CD8、CD2、LFA-1、ICAM-1、CD28などに 対する抗体)のような種々の免疫抑制剤が公知である。準治療的用量は、治療的 用量の約5%より少なくなく、通常には約10%より少なくなく、より通常には約 25%より少なくなく、そして通常には約75%を超えず、より通常には約60%を超 えない。組み合わせが用いられる場合、準治療的用量は、主に、有意な副作用を 有する薬物に対するが、免疫系に対する影響を最小にすることが実質的な目的で ある。本発明のレジメが移植の短期間内で終了し、本発明のレジメが毎日または 毎日より少なく、そして他のレジメは繰り返しの毎日の投与を含み得る場合、直 接比較は困難なので、準治療的用量というときはボーラス量を意図する。言うま でもないが、患者の生涯にわたる他の免疫抑制剤レジメとは対照的に、本発明の レジメは移植の約20日以内、通常には移植の約10日以内で終了し得る。 一般に、投与されるペプチドの量は、約0.1〜50mg/kg宿主、より通常には約1 〜25mg/kgである。この量は、ペプチド化合物の半減期が6時間より少ない、よ り特定すれば4時間より少なくそして1時間より大きい場合のペプチド化合物の ために用いられる。この範囲のより低い部分の用量およびさらにより低い用量が 用いられ得るペプチドは、増大した半減期を有するかまたは例えばコラーゲンマ トリックス、実質的に連続的な速度で持続する期間にわたってペプチドを連続的 に侵出するポンプの使用などの、持続する期間にわたってペプチドを維持するマ トリックス中に導入される、粒子を含む徐放組成物のような、デポーとして提供 される。 移植に先立ってペプチドが投与される時間に依存して、免疫抑制剤レジメは変 化し得る。例えば、ペプチドが第-7日および第-1日に投与される場合、シクロス ポリンAの単回準治療的用量は、有意でない防御能力を有することが見出された が、一方、第0〜4日に、毎日投与すると、防御を有することが示された。第-1 4、-12、-10および-7日にペプチドを、次いで移植後第0〜4日にシクロスポリ ンAを投与するレジメもまた、実質的な防御効果を有することが見出された。あ るいは、移植後第0〜4日の準治療的用量のシクロスポリンAおよびペプチドの 組み合わせ投薬を用いることにより、移植片の保持がおおいに増大した。 移植は、心臓、腎臓、肺、眼、肝臓、腸、血管、または他の器官のような任意 の器官に関し得、ここで器官は同種異系または異種であり、特に1つまたはより 多くのクラスIMHC抗原がレシピエントと比較してドナーにおいて異なっている 。 別の適用においては、本発明のペプチドは、ゲル電気泳動において70および74 kDのバンドとして現れる形質膜のタンパク質に結合することが見出されている。 これらのバンドは、ポリメチレンビオチンとアミノ末端で結合されているペプチ ドを用いることにより観察され得、ここでメチレンの数は約2〜15の範囲、より 通常には約6〜15であり得る。次いで、例えばフィコエリスリンまたはアロフィ コシアニンなどのフィコビリタンパク質のような、アビジン(ストレプトアビジ ンを含む)−蛍光性結合体を用いることにより、ゲル中で分離したタンパク質を 、ビオチン標識ペプチドを用い、次いでアビジン-蛍光物質結合体と接触させ、 そして非特異的結合標識を洗浄して検出し得る。あるいは、表面にタンパク質を 有する細胞を、細胞をペプチドと組み合わせ、非特異的に結合したペプチドを洗 浄し、細胞を蛍光結合体と組み合わせ、非特異的に結合した蛍光結合体を洗浄し 、そして蛍光活性化細胞分取装置において細胞を検出することにより検出し得る 。 70および74kDタンパク質をゲルから単離し得、従来法に従った順序でさらに精 製し得る。あるいは、タンパク質は、特異的タンパク質に対する抗血清を産生す ために哺乳動物宿主を免疫化するための免疫原として用いられ得る。あるいは、 例えばマウスなど適切な哺乳動物宿主では、脾臓を取り出し、脾臓細胞を不死化 し、そして得られる不死化脾臓細胞を70および/または74kDタンパク質に特異的 な抗体の産生についてスクリーニングし得る。次いでこれらの抗体を用いて、CT Lの溶解活性を阻害するように、CTL上に存在する70および/または74kdタンパク 質への結合を阻害し得る。 本発明のペプチドは、それ自身でまたは結合体として、生理食塩水、PBS、水 性エタノールおよびグルコースなどの生理学的に受容可能な媒体中の処方物とし て、または適切な賦型剤中の固型処方物として、その濃度が特定の目的について の従来手順に従って経験的に決定される、一般的に製薬学的に有効な用量で調製 され得る。この処方物は、殺菌剤、安定剤、緩衝液などを含み得る。宿主に投与 される量は、投与されるもの、予防または治療などの投与の目的、阻害または活 性化のいずれが所望されるか、宿主の状態、投与の方法、投与の数および投与間 隔などに依存して変化する。本発明のペプチドまたは本発明のペプチド結合体の 半減期を増大させるために、ペプチドはカプセル化され得、リポソームの間隙中 に導入され得、コロイドとして調製され得、またはペプチドの延長された寿命を 提供する他の従来技法が用いられ得る。 以下の実施例は例示であり、そして制限を意図するものではない。 実施例 実施例1 HLA-A2 由来のペプチドの調製 4つのペプチドを、標準的な固相法を用いる従来の合成法により調製した。本 明細書に参考として援用される、EricksonおよびMerrifield:The Proteins 第 2巻、第3版(Neurath,H.およびHill,R.L.編)、255-527頁(Academic Press,N .Y.1970)を参照のこと。3つのペプチドは、α2ドメイン由来のアミノ酸を有し 、そして1つのペプチドは、HLA-A2抗原のα2ドメイン由来のアミノ酸を有して いた。4つのペプチドは以下の組成と名称を有した: 名称は、ペプチドが由来する主要組織適合性抗原および抗原中のアミノ酸の位置 を示す。実施例2 HLA-A2.98-113 およびHLA-A2.94-112由来のペプチドによるHLA-A2特異的CTLの阻 実施例1におけるように調製したペプチド、即ち、HLA-A2.56-69、HLA-A2.94- 112、HLA-A2.98-113およびHLA-Aw68.98-113に対応するペプチドを、103CPMの51C r標識Bリンパ芽球様細胞標的細胞を添加する前に、30分間、1〜3×103のCTL とプレインキュベートした。次いで、Claybergerら、J.Exp.Med.(1984)162:1709 -1714;およびReissら、Proc .Natl.Acad.Sci.USA(1980)77:5432-5436(これ らは参考として本明細書に援用される)に記載されているように、細胞傷害性ア ッセイを行った。 最初の研究においては、CTL細胞株は、HLA-A2に特異的な長期CD8+CTL株である AJYであり、そして標的細胞は、Bリンパ芽球様細胞の細胞株であるJY(HLA-A2, B7)であった。第2の研究においては、CTLはHLA-B17に対して反応性を有するバ ルク培養物であるPWSBであり、そして標的は、HLA-A1、A32、B17を発現するFMB であった。それぞれの場合において、ペプチドの非存在下で得られた特異的放出 の百分率を測定した。第2の研究におけるより低い量の特異的放出は、潜在的に 、細胞溶解を阻害に対してより感受性にした。PBS中1mg/mlのペプチドのストッ クを希釈して、表1に示すようなアッセイ中の最終濃度とした。コントロールイ ンヒビターとして、HLA-A、B、6分子の単一型決定基に対するモノクローナル抗 体PA2.6を用いた(Reissら、前出:McMichael,J.Exp.Med.(1980)152:195-203)。 使用したペプチドはA2.98-113、A2.94-112、Aw68.94 112およびA2.56-69であっ た。以下の表に結果を示す。 第1の事例では、ペフチドの非存在下で得られた%特異的放出は約54であり、 一方、第2の事例では約28であった。 HLA-A2抗原により拘束されているCTLを用いた上記の結果は、特異的細胞傷害 性の阻害を示す。A2により拘束されていないCTLを用いる場合、ペプチドの非存 在下で得られた標準的な特異的放出に近い結果で、ランダムな標的細胞の溶解が 生じる。これらの結果は、107位のトリプトファンが重要であり得ることを示唆 する。ペプチドA2.98-113とペプチドAw68.98-113とは、この位置でのトリプトフ ァンのグリシンへの置換を除いて相同である;この置換はHLA-A2特異的CTLによ る細胞溶解の阻害の損失を生じる。 異なるプロテアーゼ、即ちトリプシンまたはキモトリプシンでのペプチドA2.9 8-113の処理の結果は、108位のアルギニンが重要であるが、ペプチド109-113は 重要でないことを示唆する。トリプシンおよびキモトリプシンの主要な作用部位 は、それぞれ、Arg、Lys、およびTrp、Phe、Tyrである。キモトリプシンによる ペプチドの切断は阻害活性を減少させたがトリプシン処理では減少させなかった (結果は示さず)。実施例3 HLA 由来ペプチドにより引き起こされる細胞溶解の阻害に対するCTLおよび標的細 胞の特異性の効果 多くの異なるCTL細胞株を研究し、ここで細胞株の特異性は変化した。表2に 示す結果は、CTLおよび標的細胞がA2特異性を共有する場合にのみA2由来ペプチ ドが阻害を提供することを示す。 実施例4 HLA-A2 特異的CTLの阻害に必要とされる最小ペプチド配列 HLA-A2特異的CTLによる細胞溶解の阻害に必要とされる最小のペプチド配列を 阻害におけるサイズの効果を調べることにより決定した。HLA-A2またはHLA-Aw68 の98〜104位で始まり、そして108位で終わる一連のペプチドを合成した。17個の 異なるHLA-A特異株またはクローンによるJY細胞(HLA-A2、B7、DR4、6)の細胞 溶解におけるこれらのペプチドの効果を試験した。HLA-A2特異株またはクローン を、Claybergerら(上記)に記載されるように作製した。ペプチド(200mg/ml) を1〜3×103CTLと30分間プレインキュベートした後、103CPMの51Cr-標識標的 細胞を添加した。ペプチドは細胞傷害性アッセイ中存在していた。本明細書中に 参考として援用するClaybergerら(上記)、およびKrenskyら、Proc .Natl.Sci .USA 79:2365(1982)の記載に従って実施した。ペプチドは、リン酸緩衝化生理 食塩水中で1mg/mlのストック溶液として調製され、完全培地(10%仔ウシ血清 を補充したMEN)で希釈して使用する最終濃度にした。 CTL-A2による細胞溶解の阻害に対する結果を図1Aに示す。ここで、阻害は、(1 −[ペプチド存在下での特異的細胞溶解/ペプチド非存在下での特異的細胞溶解] )×100として表現わされる。 図で見られるように、ペプチド104-108は阻害せず、ペプチド102-108および10 3-108は弱い阻害を引き起こし、そして他のペプチドは細胞溶解の良好な阻害を 引き起こした。従って、残基101-108を含有するオクタペプチドは阻害効果を引 き起こすには十分であった。阻害効果における大きな減少が101位でのシステイ ンの欠失で引き起こされた。この喪失は、システイン101が存在しない場合、2 つのペプチド分子のジスルフィド架橋結合の欠失によるためである。実施例5 ペプチドA2.98-113の作用の位置 ペプチドA2.98-113が(CTLおよび/または標的細胞と)相互作用してHLA-A2特 異的CTL介在性細胞溶解における阻害効果を引き起こす位置を、以下のようにし て決定した。 CTL(1×106CTL-A2)および/または標的細胞(57Cr標識JY標的細胞)を100 μgのA2.98-113と30分間37℃で、あるいは、コントロールペプチド(Aw68.98-11 3)とともにインキュベートした。これらのペプチドの配列を実施例1に示す。 付加的なコントロールとして、細胞をペプチドを含まない完全培地でインキュベ ートした。インキュベーションの後、細胞を完全培地で3回洗浄し、そして51Cr 放出アッセイ(実施例2を参照のこと)で試験をした。 結果を図2に示す。ここで、標的細胞ではなくCTLをA2.98-113で前処理した場 合、溶解の阻害が見られ得た。CTLまたは標的細胞をコントロールペプチド(Aw6 8.98-113)で前処理した場合、阻害効果は観測されなかった。実施例6 CTL 生存性に対するA2.98-113の効果によるCTLの阻害の機構 CTLが、A2.98-113により誘導される自己溶解により阻害されるかどうかを決定 するために、51Cr標識CTL-A2細胞または未標識CTL-A2細胞のいずれかを完全培地 中で6時間37℃でペプチドと6時間インキュベートした。6時間のインキュベー ション後、トリパンブルー排除または51Cr放出により判断される細胞生存性の減 少は検出できなかった(結果を示さず)。実施例7 セリンエステラーゼ含有顆粒の放出に対するA2.98-113の効果によるCTLの阻害の 機構 CTLによる標的細胞の細胞溶解の過程におけるセリンエステラーゼ含有顆粒の 放出に対するA2.98-113の効果は、以下のようにして測定した。 放出の特異性を、3×105のHLA-A2特異的CTLをJY細胞(HLA-A2;B7;Dr4、6) またはIBW4細胞(HLA-A3;B35;DR1)とともに2時間V底マクロタイターウェル 中でインキュベートすることにより測定した。CTL:標的細胞の比は、1:0.01、1 :0.05、1:0.10、1:0.5、および1:1であった。インキュベーション後、プレート を2分間1000RPMで回転させ、そして上清を、本明細書中で参考として援用され るYoungら、Cell 47:183(1986)の記載に本質的に従ってセリンエステラー ゼ活性についてアッセイした。反応混合物は、20μlの上清+200μlの基質(2 ×10-4M N-ベンジルオキシカルボニル-L-リジンチオベンジルエステル、2.2×10-4 Mニトロ安息香酸、0.1M Tris-HCl、pH 8.0)であった。37℃で30分後、吸光 度を410nmで測定した。全セリンエステラーゼ活性を、0.01% Triton X-100を刺 激細胞の代わりに用いて測定した。図3Aに示す結果は、顆粒の放出が起こるのは 、HLA-A2特異的CTLをJY細胞とインキュベートした時(黒丸)であるが、HLA-A2 特異的CTLをIBW4細胞とインキュベートした時(黒四角)でないことを示す。 セリンエステラーゼ含有顆粒の放出に対するペプチドA2.98-113の効果を、HLA -A2特異的CTLを100μgのペプチド(A2.98-113またはAw68.98-113のいずれか)、 あるいは完全培地のみと30分間37℃でプレインキュベートした後、1:0.01、1:0. 05、1:0.1、1:0.5および1:1のCTL:標的細胞の比でJY標的細胞を添加した以外は 、同様に測定した。 図3Bに示すように、エステラーゼ放出の完全阻害が、1:0.1のエフェクター対 標的比において100μg/mlのA2.98-113を用いたときに見られた(黒四角)。コン トロールペプチドAw68.98-113はエステラーゼ放出について全く効果を有さなか った(黒三角)。なぜなら、この場合における放出は、完全培地でプレインキュ ベートしたコントロール細胞を用いて得られた放出と等しかったからである(黒 丸)。 実施例5における結果と合わせて、これらの結果は、A2.98-113ペプチドはCTL に直接結合することによるT細胞活性化の初期に起こる事象を阻止することを示 す。この結合は、抗原レセプターに対してのものであり得る。実施例8 HLA-A2 およびHLA-B17により共有されるエピトープに対して、HLA-B17に対して、 およびHLA-A2に対して特異的なCTLの単離 種々の特異性を有するCTLを、正常ドナー(HLA-A3;B7;DR6)の末梢血リンパ 球より誘導したが、それは、本質的にClaybergerら(1985)(上記)の記載に従っ た。HLA-A2およびHLA-B17間で共有されるエピトープに対して特異的なCTLについ て、細胞を、放射線照射した(10,000R)B-リンパ芽球様細胞株Mag(HLA-A26,3 3;B17,51)を用いる初代培養において刺激し、ついでSB細胞株(HLA-A1,2;B17 ,44;DR2,6)を刺激細胞(stimulator)として用いてクローン化した。B17に対し て特異的なCTLを同一の初代培養より誘導したが、刺激細胞としてSH細胞株(HLA -A3,w33;B7,17(w57))を用いてクローン化した。HLA-A2特異的CTLを、初代培養 においてJY細胞株で刺激した細胞より誘導し、そして刺激細胞としてHerluff細 胞株(HLA-A2;B12,35;DR4,7)を用いてクローン化した。これらのCTLクローン の詳細な特異性を、HLA-B17を発現する11個の標的、HLA-A2を発現する8個の標 的および無関連なHLA分子を有する15個の標的からなるパネルを用いて評価した 。所望の特異性の複数のクローンを得た。HLA-A2型標的細胞およびHLA-B17型標 的細胞の両方の細胞溶解を引き起こす独立したクローンをクローンA2/B17と称し た。クローンA2/B17の標的細胞の細胞溶解は抗体MA2.1により阻害された。すべ てのHLA-B17標的細胞を溶解したが、他を全く溶解しなかった第2のクローンをB 17と称した。すべてのHLA-A2標的細胞を溶解したが、他を全く溶解しなかった第 3のクローンをCTL-A2と称した。 クローンA2/B17の標的特異性およびこのクローンによる細胞溶解はモノクロー ナル抗体MA2.1により阻止されるという発見は、クローンA2/B17の細胞はHLA-A2 およびHLA-B17により共有されるエピトープを認識することを示す。実施例9 異なる特異性のCTLによる標的細胞の細胞溶解に対する異なるHLA-A2エピトープ 由来のペプチドの効果 上記実施例2〜7は、α2ドメイン中のトリプトファン107周辺の領域に由来す るペプチドの効果に関連する。βプリーツシートの2つのストランド間の折れ曲 りに存在するこの残基(Bjorkmanら、(1987)、上記)は、HLA-A2の主要な血清学 的エピトープに対して重要である。Salterら、J .Exp.Med. 166:283(1987);L ayetら、J .Immunol. 138:2197(1987)。 もう一つの重要なエピトープはα1ドメインのαヘリックス領域の残基62-65を 含有する(Bjorkmanら、上記)。このエピトープは、本来、モノクローナル抗体 MA2.1により明らかにされ(McMichaelら、Hum .Immunol. 1:121(1980))、そ してHLA-A2およびHLA-B17のすべての公知のサブタイプにより共有される(Wayお よびParham、Biochem .J. 216:423(1983))。HLA-A2およびHLA-B17および8個 の他のHLA-A,B,Cタンパク質のアミノ酸配列の比較の結果は、62位でのグリシン 残基のみが独特であることを示し、この残基が共有する決定基に寄与することを 示唆する(Waysら、J .Immunol. 137:217(1986))。 上記の2領域由来のペプチドを、異なるHLA特異性を有するCTL(すなわち、ク ローンA2/B17、クローンCTL-A2、およびクローンB17(実施例8を参照のこと、 上記))による標的細胞の細胞溶解に対する阻害効果について試験した。CTLを 以下のペプチド:A2.56-69、Aw68.56-69、A2.69-113、またはAw68.98-113とイン キュベートした。 検討したエピトープおよびこの研究で使用したペプチドを図4に示す。ここで 、8個のHLA-A,B分子の3つの細胞外ドメイン(α1、α2およびα3)におけるタ ンパク質配列を標準的な1文字アミノ酸コードを用いて示す。HLA-B17のHLA.Bw5 8サブタイプの配列はWaysら、J .Biol.Chem. 260:11924(1985)からであり、HL A-A3.1の配列はStrachenら、EMBO J. 3:887(1984)からであり、そしてHLA-A2/2 8ファミリーの残りの配列はHolmesら、J .Immunol. 139:936(1987)からである 。ペプチドA2.56-69およびAw68.56-69、ならびにA2.98-113およびAw68.98-113( これらは、それぞれα1およびα2より誘導される)を、クロスハッチで示す。HL A-A2およびHLA-B17のサブタイプ(グリシン62)およびサブタイプのHLA-A2およ びHLA-Aw69(トリプトファン107)により共有されるエピトープに対して重要で あると見出される2つの残基を、点を付しそして垂直の矢により示す。コンセン サス配列は、23個のHLA-A,B,C配列の全体に由来した。 CTLを100μg/ml、200μg/ml、または300μg/mlの濃度のペプチドとインキュベ ートした。コントロールサンプルをペプチドの非存在下でインキュベートした。 100μg/mlでアッセイにおいて使用したペプチドの最終モル濃度は、A2.98-113で は4.9×10-5Mであり:Aw68.98-113では5.2×10-5Mであり;A2.56-69では5.9× 10-5Mであり;およびAw68.56-69では5.9×10-5Mであった。CTL細胞を20分間ペ プチドとインキュベートした後、10351Cr標識T7529細胞(HLA-Aw33:B17(w58) ;DR6)またはJY細胞(HLA-A2;B17;DR4,6)を添加した。すべての場合にお いて、エフェクター:標的比は1:1であった。 標的細胞からの51クロム酸放出により測定された細胞傷害性に対する結果を図 5に示す。図5Aおよび5BにクローンA2/B17の細胞に対するペプチドの効果の結果 を示す;図5CにクローンB17の細胞に対する効果を示す、そして図5DにCTL-A2に 対する効果を示す。ペプチドを以下に示す:(白丸)A2.56-69;(白四角)Aw68 .56-69;(白三角)Aw.98-113;および(黒四角)Aw68.98-113。共有される血清 学上のエピトープを包含するペプチドA2.S6-69は、クローンA2/B17細胞によるHL A-A2およびHLA-B17の両方を発現する標的細胞の死滅を特異的に阻害した。対照 的に、このペプチドは、クローンB17細胞によるHLA-B17発現細胞の溶解に対して 全く効果を有しなかった。クローンA2/B17細胞は、HLA-Aw68.1の残基56-69に由 来するペプチド、または一連の無関係のペプチドにより阻害されなかった。A2.9 8-113ペプチドはクローンA2/B17細胞によるHLA-B17発現標的細胞の溶解に影響し ないが、HLA-A2を発現する標的で高濃度においていくらかの阻害が観測された。 この差異は、クローンA2/B17細胞により認識されるHLA-A2およびHLA-B17のエピ トープが全く同一というわけではないことを示す。 これらの結果は、アロ反応性CTLを阻害するペプチドの能力はα2ドメインの残 基101-108を含有する領域に拘束されないこと、およびそれらがHLA-A2の第2の エピトープから誘導され得ることを示す。 クローンA2/B17を用いてペプチドA2.56-69で達成される結果、およびこのペプ チドの阻害効果に関するPWSB細胞株での結果の不一致(表2を参照のこと)は、 PWSB細胞のポリクローナル特性により説明され得る。すなわち、PWSB株は恐らく 、HLA-A2またはHLA-B17に特異的な別々のクローンを含有するCTLの混合物である 。実施例10 HLA-A2 由来ポリペプチドにより引き起こされるCTLに対する標的細胞の感作 クローンA2/B17をペプチドA2.56-69および51Cr標識標的細胞と5:1のエフェ クター対標的比で5時間インキュベートし、その後放出される51クロム酸を測定 した。ペプチドの濃度は10、30、100、および300μg/mlであった。クローンA2/B 17細胞による標的細胞の特異的溶解の百分率に及ぼすペプチドの効果の結果を図 6に表す。標的細胞は以下のとおりであった:(黒四角)、IBW4(HLA-A3; B35; DRI);(黒三角)、LB(HLA-Aw68.1; B40,DR6);(黒丸)、Pally(HLA-Aw68 .2,26; B14,38; DRI,4)または(白菱形)、IDF(HLA-Aw69,26; B15,38,DR5) 。 ペプチドの非存在下において、クローンA2/B17細胞はHLA-Aw69、HLA-Aw68.1、 およびHLA-Aw68.2を発現する標的を溶解しない(データは示さず)。クローンA2 /B17細胞がこれらの標的を溶解し得ないことは、62位周辺の重要な残基がHLA-A2 およびHLA-B17において見出される残基と異なることに起因する。しかし、ペプ チドA2.56-69が細胞傷害性アッセイ中に含まれた場合、A2/B17細胞によりHLA-Aw 69を発現する標的が有意に溶解された(図5)。対照的に、HLA-Aw68.1、HLA-Aw 68.2または無関係なHLA-A3分子を発現する標的は溶解されなかった。 ペプチドA2.56-69の存在下でのクローンA2/B17細胞によるHLA-Aw69細胞の溶解 は、標的細胞のHLA-Aw69にのみ結合するモノクローナル抗体DRII-351によりブロ ックされた。対照的にモノクローナル抗体MA2.1は溶解を阻害しなかった(結果 は示さず)。MA2.1は残基56〜69により形成されるHLA-A2およびHLA-B17のエピト ープに結合するが、HLA-Aw69またはペプチドA2.56-69には結合しない。これらの 結果はHLA-Aw69分子のペプチドA2.56-69による感作における関与を示す。 A2.98-113ペプチドのHLA-A2を発現しないB細胞株への添加は、種々のHLA分子 を発現する標的細胞を使用した場合、溶解に対する感作を引き起こさなかった。 このことは広範囲のペプチドの濃度(0.1μg/mlから300μg/mlを使用した)を通 しても真であった。 A2.56-69の結合において、HLA-Aw69分子はHLA-A2の天然構造を模倣するエピト ープを提示し得る。HLA-A2/28ファミリーの他のメンバーではなくHLA-Aw69が感 作され得ることは興味深い。HLA-Aw69はHLA-Aw6B由来のα1ならびにHLA-A2.1由 来のα2およびα3を有する組換え分子である(HolmesおよびParham,EMBO J. 4: 2849(1985))。従って、HLA-2.1およびHLA-Aw69はわずか6アミノ酸のみ異なる が、それはすべてα1ドメイン中にあり、ならびに3残基はA2.56-69ペプチド中 に存在する。実施例11 感作におけるペプチド相互作用の位置 感作がCTLまたは標的のペプチドとの相互作用から生じたかどうかを評価する ために、細胞をA2.56-69で前処理し、洗浄し、そして次に細胞溶解について試験 した。より詳細には、1×106のクローンA2/B17細胞または51Cr標識IDF(HLA-Aw 69,26; B18,38; DR5)を100μgのペプチドまたは培地と30分間37℃でインキュベ ートし、3回洗浄し、そして51クロム酸の放出により測定される細胞傷害性を測 定した。 図7に表す結果から見られるように、HLA-Aw69を発現する標的細胞は、CTLで はなく標的をA.56-69で前処理した場合に溶解した。実施例1 2セリンエステラーゼ含有顆粒の放出に対するペプチドA2.56-69の効果 A2/B17細胞とHLA-Aw69発現細胞との共存培養の間のセリンエステラーゼ含有顆 粒の放出に対するペプチドA2.56-69の効果は、CTLがクローンA2/B17由来であり 、標的細胞がHLA-Aw69発現標的細胞であり、そして細胞をペプチドA.2.56-69の 存在下または非存在下で共存培養すること以外は、本質的に前出の実施例7に記 載のとおりに測定し得る。実施例13 種々のアミノ酸60〜84のHLAペプチドおよびHLA-B2702/05.145-169の溶解に対す る効果 ペプチドを合成し、そしてそれらは以下の配列を有した: 上記の配列のHLA-A2、-B2705、-Bw46、-Bw62、およびCw4に特異的な長期CTLの 溶解に対する効果を実施例2および3に記載のように測定し、そしてHLA-B27お よびHLA-Cw4に特異的なCTLもまた含んだ。B2702.60-84ペプチドを除いていずれ のペプチドも溶解を阻害または増強しなかった。このペプチドはすべてのCTLに よる溶解をそのHLA特異性にかかわらずブロックした。この効果は、前処理実験 (実施例5におけるように)により示されるように、標的ではなくCTLとの相互 作用に起因した。 これらのペプチドをCTL前駆体からのCTLの分化に対する効果について限界希釈 アッセイにおいて試験した。手順をSkinnerおよびMarbrook(J .Exp.Med. 143: 1562; 1976)から以下のように改変した:正常HLA型のドナー由来のPBLをFicoll -Hypaqueで精製し、そして丸底マイクロタイターウェル中で目的のHLA対立遺伝 子を発現する照射(10,000 R)EBVトランスフォームBリンパ芽球と共存培養し た。応答個体PBLをウエルあたり3000、6000、10000および30000細胞で添加し、 一方、刺激細胞(stimulator)をウェルあたり6000細胞で添加した。20〜4の複 製物を、10%ウシ胎児血清+L-グルタミンを補充したRPMI-1640培地中の応答細胞 の各々の濃度について設定した。プレートを6日間5% CO2/95%空気湿潤インキ ュベーター中でインキュベートし、この時各々のウェルの内容物をマルチチャン ネルピペットを用いて5回ピペッティングすることにより混合した。50μlのア リコートをV底マイクロタイターウェルに移し、そこに既知のHLA型の1000の51C r標識標的を添加した。溶解を4時間の細胞傷害性アッセイ(実施例2)にて測 定した。特異的溶解が>10%であった場合にウェルを陽性であるとした。CTL前駆 体頻度を、コンピュータープログラムを用いて直線回帰解析により決定した。 B2702.60-84、Bw46.60-84およびBw62.60-84ペプチドはすべてCTLの分化をブロ ックしたが、他のペプチドは効果を有さなかった。 限界希釈分析により測定されるCTL前駆体頻度に対する HLA 領域に対応するペプチドの効果 正常ドナー(HLA-A3; B-7,38; Cw4; DR4,6)由来のPBLを10〜100μg/mlペプ チドの存在下でJY(HLA-A2; B7; DR4,6)またはHOM2(HLA-A3; B27)とともに培 養した。6日後、溶解をHLA-A2.1またはHLA-B2705のいずれかを発現する51Cr標 識CIR細胞で試験した。結果をHLA-A2特異的溶解について示すが、同様な結果がH LA-B27特異的溶解について得られた。 効果は対立遺伝子特異的ではなかった。というのは多数の異なるHLA分子に特 異的なCTLの分化が阻害されたからである。いずれのペプチドもクラスII拘束性 応答(混合リンパ球応答およびマイトジェン誘導性増殖を含む)に影響しなかっ た。 正常ドナー由来のPBLを、10%ウシ胎児血清およびL-グルタミンを補充したRPMI -1640中、丸底マイクロタイターウェル当たり5×105細胞で培養した。培養物に 5×103の照射(10,000 R)EBVトランスフォームBリンパ芽球または10μg/mlフ ィトヘマグルチニンP(phytahemagglutinin P)(PHA-P)のいずれかを補充し た。細胞をPHA-Pについては37℃で3日間、そしてアロ抗原については5日間イ ンキュベートし、この時点で3Hチミジンを添加した(2μCi/ウエル)。16時間 後にウェルを回収し、そして3Hチミジン取り込みをシンチレーションカウンター により測定した。実施例14 溶解および分化に対する短縮配列の効果 B2702.60-84ペプチドとB2705.60-84ペプチドとは3アミノ酸だけが異なるので 、これらの差異の効果を調査するためにさらにペプチドを調製した。3つのさら なるペプチドを合成した: 実施例13に記載の手順に従うと、HLA-B2702/05の残基60〜69に対応するペプチ ドは、上記のアッセイにおいて効果を有さなかった。HLA-B2702の残基75〜84に 対応するペプチドは、すべてのクラスI特異的CTL応答をブロックしたが、他方H LA-B2705と同じ領域に対応するペプチドはブロックしなかった。 どの残基が阻害効果を媒介したかを決定するために、3つのさらなるペプチド を合成した。この中で残基77、80および81のそれぞれの位置で、単一のアミノ酸 変化を導入し、B2702の配列をB2705の配列に変換した。B2702.75-84(D)ペプチド およびB2702.75-84(L)ペプチドはなおCTLの存在による溶解およびプレCTLの分化 をブロックしたが、他方、B2702.75-84(T)ペプチドは阻害活性を有さなかった。 従って、80位のイソロイシンが阻害に必要である。 以下のアッセイによりB2702.60-84、B38.60-84およびB2702.75-84が、プラス チックに予め結合された場合、細胞を結合させたことも見出された。他のどのペ プチドもこの効果を有することが見いだせなかった。しかし、B2702.60-84ペプ チドを残基67のシステインを介してウシ血清アルブミンまたはビーズに結合させ た場合、ブロッキング効果および細胞をプラスチックに結合させる能力は消失し た。 プラスチック結合手順は以下のとおりであった:ペプチド(100μg/ml)をPBS に溶解し、そして50μlを丸底マイクロタイターウェルに添加するかまたは5〜1 0μlをペトリディッシュに添加した。37℃で60分間または4℃で一晩の後、溶液 を取り除き、そしてプレートを10%ウシ血清アルブミンを補充したRPMI-1640中で 2回洗浄した。細胞を添加し、そして4℃で30分間インキュベートした。ペトリ ディッシュへの結合を、ディッシュを緩やかに撹拌して顕微鏡下で検査すること により測定した。マイクロタイターウェルへの結合は、500 rpm、3分間の遠心 分離を行って測定した。結合しなかった細胞はウェルの底に小さなペレットを形 成したが、結合した細胞はペレットを形成しなかった。 結合は4℃、25℃、または37℃で等しく生じ、そして外因的に添加した2価の カチオンに依存しなかった。というのはEDTAを含有する培地において結合が観察 されたからである。しかし、細胞を1% NaN3とプレインキュベートするかまたは パラホルムアルデヒドで固定した場合には、結合は観察されなかった。このこと は生存細胞および恐らくATPの生成が必要であることを示す。実施例15 ペプチドオリゴマーの調製 多数のペプチドオリゴマーを、B2702.75-84配列およびその変異体を含んで調 製した。ここでこの配列中のイソロイシンをスレオニンに置換した。このオリゴ マーは対および配列(84-75/75-84)の「反転ダイマーペプチド(inverted dime r peptide)」、尾部から頭部(tail-to-head)または「後方向(backward)」 配列(84-75/84-75)ならびに8つの分枝を有するポリリジンに共有結合された ペプチド(MAP802.75-84)を有するダイマーを含んだ。 以下の表は種々の配列を示す: MAPは、ペプチドが共有結合されている分枝リジン骨格からなる多抗原性ペプ チドである。本発明者らは8つの分枝リジンを用いた。 結合アッセイは、アミノ末端で-(CH2)12-ビオチンと結合したペプチドに基づ いた。次いでストレプトアビジン−フィコエリトリン結合体を蛍光活性化細胞分 取装置(FACS)における検出に使用した。沈殿もまたビオチン化化合物の使用に 基づいているが、ストレプトアビジン−アガロースを用いて目的のペプチドが結 合したタンパク質を単離した。(この手順は供給者であるPierceの推奨に従った )。カルシウム流入の測定は、Grynkiewiczら、1985,J Biol Chem 260(6):3440 -50に記載される手順に従って実施した。FACSを用いて検出された結合およびタ ンパク質の沈殿の両方において、結合が非結合ペプチドで阻害され得ることが見 出された。 実施例16 ラットモデルにおける同種異系移植片防御 材料および方法 動物 成熟雄性で特定の病原体を有さないACI(RT1a)、PVG(RT1c)、Brown Norway (BN)(RT1n)、およびLewis(Lew)(RT1l)ラット、体重200〜250gをこれら の研究において使用した。動物をBantin and Kingman,Fremont,CA(PVG)また はCharles River,Boston,MA(ACI、BNおよびLew)から購入した。ACIラットを BNまたはLewドナーからの心臓または皮膚の同種異系移植片のレシピエントとし て供した。動物をFalk Cardiovascular Research Buildingにおいて研究所の指 針に従って標準的な条件下で維持した。 ペプチド ペプチドを、Protein and Nucleic Acid Facility,Beckman Center,Stanfor d University School of Medicineにおいて、またはMultiple Peptide Systems (San Diego,CA)によりFmoc化学を用いて自動化ペプチド合成機によって合成 した。ペプチドを調製用逆相HPLCにより精製し、そして分析用逆相HPLCにより> 98%均質であることが示された。アミノ酸組成をアミノ酸分析により確認した。 リンパ節増殖アッセイ ACIまたはPVGラット(200g)に生理食塩水中に溶解した2mgのB7.75-84を第0 日に静脈内注射した。その後示した日に、3匹の動物の左の後ろ足に同系ドナー 由来の5×106の脾臓細胞を注射し、そして右の後ろ足に同種異系Lewドナー由来 の5×106の脾臓細胞を注射した(Moellerら、1993.Transplantation,55:650 )。足注射の7日後に、動物を屠殺し、そして膝窩リンパ節を取り出した。単一 細胞懸濁液を調製し、そして細胞数を血球計算板を用いて測定した。 CTL前駆体についての限界希釈アッセイ 限界希釈分析を本質的に前記のとおりに行った(Moellerら、1993、前出;Ski nnerおよびMarbrook.1976.J.Exp.Med.143:1562)。簡単に記載すると、脾 臓を未処置の動物または少なくとも60日前に同種異系移植片を受けた動物から取 り出し、そして次に単一細胞懸濁液に細片化した。応答細胞をウェル当たり1000 〜40,000細胞(1濃度当たり24の複製物)で10%ウシ胎児血清(Hyclone,Logan ,UT)、2mM L-グルタミン、5×10-5M β-メルカプトエタノール、100 U/mlペ ニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、Concanavalin A活性化ラット脾臓細 胞由来20%上清、および50μ Mα-メチルマンノシドを補充したRPMI 1640中、丸 底マイクロタイターウェル中にプレートした。次いで5×105の照射(2000 rad )刺激細胞を各々のウェルに添加し、そしてプレートを湿潤CO2インキュベータ ー中でインキュベートした。5日後、アリコートを取り出して51Cr標識Concanav alin A活性化芽細胞の溶解について試験した。上清のアリコートをガンマカウン ターで計数し、そしてCTL前駆体頻度を直線回帰により決定した(Skinnerおよび Marbrook.1976、前出)。特異的放出が>10%であった場合にウェルを陽性であ るとした。 器官移植 血管化した心臓同種異系移植片を異所的にレシピエントラットの腹部に、Ono およびLindsay(OnoおよびLindsey.1969.J.Thorac.Cardiovasc.Surg.57:2 25)の技術を改変して用いて移植した。腹部同種異系移植片を移植片機能を評価 するために毎日触診し、そして触診可能な心室収縮が停止したときに拒絶が完了 したとみなした。 完全厚の皮膚移植片をBillinghamおよびMedawar(1951.J,Exp.Biol.28:38 5)に記載の技術を改変して用いて実施した。ドナーおよびレシピエントの両方 の毛を剃り、そしてドナーの皮膚を標準的な2×2cm片に切断し、そして皮下脂 肪を外科手術的に除去した。単一のドナーから複数の移植片を得、冷生理食塩水 中に保存し、そして同じ日に移植した。ドナー移植片と同じサイズの皮膚片をレ シピエントの側腹から取り出し、そして疎性結合組織を筋膜から外科手術的に取 り除いた。次いで同種異系移植片を4-0 vicryl縫合糸を用いてレシピエント筋膜 に適合させた。1層の粗いガーゼおよび8層の細かいガーゼスポンジをレシピエ ントの皮膚および移植片の周辺の筋膜に2-0 vicryl縫合糸を用いて縫いつけ、確 実にドナー皮膚をレシピエント筋膜に固定し、そして移植片を血管再生させた。 手術後6日目に包帯を除去し、そして次に同種異系移植片を毎日、拒絶の証拠に ついて検査した。拒絶は、紅斑、連続的な漿液浸出、潰瘍または移植片壊死によ り表された。 免疫抑制 オリーブ油中に溶解したシクロスポリンA(CsA,Sandoz Pharmaceuticals Co rporation,Base,Switzerland)を強制飼養チューブを通して所定の用量で経口 で与えた。ペプチドを水または生理食塩水中に溶解し、そして示すように静脈内 でまたは強制飼養により与えた。 統計的解析 スチューデントt検定を、Graphpad InSat統計プログラムを用いて計算して異 なる群における異種移植片生存性を比較した値がp<0.05であった場合に差を有 意であるとした。 結果 インビボでペプチドの単回投与により免疫したラット由来の細胞はインビボま たはインビトロにおいて同種異系チャレンジに対して非応答性である。 最初の研究は、A2.75-84ペプチドでもなく、またMHCクラスI分子、RT1a、由 来の同じ残基に対応するペプチドでもなく、B7.75-84およびB2702.75-84ペプチ ドの両方が、インビボでのラット脾臓細胞のアロ特異的CTLへの分化をブロック した(示さず)。それゆえ本発明者らはインビボにおいてペプチドで処置したラ ットから得た脾臓細胞がエクスビボにおいてCTLに分化し得るかどうかを試験し た。予備的実験において、ラット中でのB7.75-84ペプチドの半減期は2〜3時間 であると決定した。従って、本発明者らは用量当たり2〜20 mgのペプチド(6 〜60 mg/kg)を投与することを選択した。この量は11ペプチド(undecapeptide )CsAの用量(10〜20 mg/kg)に匹敵する。PVG(RT1c)またはACI(RTa)ラッ トを生理食塩水あるいは2mgのA2.75-84、B7.75-84、B2702.75-84、またはRT1a. 75-84ペプチドの単回静脈内注射で処置した。処置したラットの脾臓をペプチド 処置後の異なる日に取り出し、限界希釈条件下で5日間Lew(RT1l)刺激細胞と ともに培養し、そして51Cr標識Lew芽細胞の溶解についてアッセイした(表5) 。生理食塩水、A2.75-84ペプチド、またはRT1a.75-84ペプチドのいずれかで処置 したPVGラットから単離した脾臓細胞中のLew特異的細胞の前駆体頻度は、脾臓を 取り出した日にかかわらず55,000中約1であった。同じ頻度が、摘脾の日または 24時間前にB7.75-84またはB2702.75-84ペプチドのいずれかで処置した動物由来 の脾臓において見出された。しかし、B7.75-84またはB2702.75-84ペプチドで摘 脾の7〜10日前に処置した動物から得た脾臓細胞は、Lew特異的CTLの前駆体頻度 において8〜10倍の減少を示した。 ペプチドがインビボにおいてアロ反応性に影響し得るかどうかを評価するため に、足への非自己脾臓細胞の注射後の排出リンパ節中の細胞の蓄積に対するペプ チドの効果について試験した(Moellerら、1993,前出;TwistおよびBarnes.19 73.Transplantation,15:182; Fanslowら、1990.Science 248:739)。PVGまた はACIラット(1群当たり3匹)に4つ各々のペプチドの2mgまたは生理食塩水 の単回静脈注射を与えた。処置の日に、あるいは処置の1、7または10日後に、 右の足に5×106の同系脾臓細胞を注射し、そして左の足に5×106の同種異系Le w脾臓細胞を注射した。足の注射の7日後に、排出リンパ節を取り出し、単一細 胞懸濁液を調製し、そして細胞数を測定した。同種異系細胞で注射した側から回 収された細胞数対同系細胞で注射した側から回収された細胞数の比は、生理食塩 水、A2.75-84ペプチド、またはRt1a.75-84ペプチドで処置した動物において約3 :1であった。同様な比が、足への注射の24時間以内にB7.75-84またはB2702.75 -84ペプチドで処置した動物から得られた。しかし、足のチャレンジの7または1 0日前にB7.75-84ペプチドで処置した動物において1:1に下がった。足のチャ レンジの7または10日前にB2702.75-84ペプチドで処置した動物における比は約 2:1であり、このことはこれがラットのアロ抗原に対するインビボでの応答の 抑制において幾分より有効でなかったことを示す。 これらのペプチドのいずれもが可溶性タンパク質抗原であるキーホールリンペ ットヘモシアニン(KLH)に対する抗体応答を調整し得なかった。KLHでの免疫の 前、同時、または後のペプチドの投与は、7または14日後に得た血清において検 出された抗KLH抗体の力価を変化させなかった(示さず)。 心臓同種異系生存性はB7.75-84ペプチド+CsAの短期コースの静脈内投与によ り誘導される。 B7.75-84およびB2702.75-84ペプチドがインビボにおいて細胞性免疫をブロッ クしたので、本発明者らは同種異系移植片の生存性に対するペプチドの効果を検 討した。ACI(RT1a)レシピエントに、Lewドナー由来の腹部異所性心臓同種異系 移植片を与えた(Moellerら、1993,前出;OnoおよびLindsey.1969,前出)。 移植片の機能を毎日の腹部の触診によりモニターし、そして触診可能な心室収縮 が停止したときに拒絶が完了したと記録した。移植片は治療を受けていないコン トロール動物において9〜12日生存した(図8)。同種異系移植片生存性は、移 植の2週間前または4日後のいずれかに2〜5用量noB7.75-84で処置したレシピ エントにおいて同様(7〜13日)であった(図8aおよび8b)。それゆえ、ペプチ ド治療とCsAの準治療的(subtherapeutic)レジメとを併用することを選択した 。CsAを移植の2日後に単回用量(20 mg/kg)として投与した場合、17匹中16匹 の動物が第23日までにその移植片を拒絶した(図8a)。しかし、外科手術の2週 間前の10 mgのB7.75-84での4回の処置および外科手術の2日後のCsAの単回用量 を受けた7匹の動物中4匹が、それらの移植片無期限に保持した(>200日)(C sA単独と比較してp = .0023)。移植前第-7日および第-1日に20 mgのB7.75-84 で処置し、そして次に外科手術後の第2日に単回用量のCsAで処置したすべての 動物は、第16日までにそれらの移植片を拒絶した。与えたB7.75-84の総用量は2 つの群において同じであったので、この結果はペプチド投与のタイミングが重要 であることを示す。 動物に外科手術後第0〜4日にCsA(10 mg/kg)を毎日与えた別の処置プロト コル(図8b)もまた評価した。これらの移植片の大部分(14/17)は移植後第30 日までに拒絶された。移植前第-7および-1日に20 mgのB7.75-84で処置した動物 の50%(4/8)はそれらの移植片を>200日保持した(CsA単独と比較してp = .08 49)。これは、第2日にCsAの単回用量と併用して同じペプチドレジメを与えた 動物がそれらの移植片を第16日までに拒絶したという知見とは対照的である(図 8b)。第-14、-12、-10、および-7日の10 mgのB7.75-84およびそれに続く移植後 第0〜4日のCsAでの動物の処置は、23/29の動物の寛容を生じた(CsA単独と比 較してp<.0001)。最後に、移植後第0〜4日にB7.75-84ペプチドおよびCsAで 同時に処置した7/11の動物は、それらの移植片を>200日保持した(CsA単独と比 較してp = .0090)。まとめると、これらの結果は、準治療的用量のCsAと併用 した場合、B7.75-84ペプチドが寛容を誘導し得たことを示す。ペプチド処置は、 移植の前または後の期間において投与した場合、有効であった。 同種異系生存性に対するCsAおよびペプチドの相乗効果は、ペプチド配列に依 存した:移植前の2週間の期間または外科手術後4日間、第0〜4日にCsAと併 用したB2702.75-84ペプチドで処置した動物における移植物は、CsA単独で処置し た動物における同種異系移植片と同様に拒絶された(図8c)。 B7.75-84ペプチド+準治療的用量のCsAで処置した動物は、ドナー特異的寛容 を示した。 B7.75-84+CsAの併用で処置した動物の大部分はそれらの移植片を拒絶しなか ったが、この動物が寛容でなかった可能性も残っている。処置が一般的な免疫抑 制状態を生じ得たか、あるいは移植片が抗原提示機能を消失したかまたはMHCを ダウンレギュレートし得た。寛容とこれらの他の可能性を区別するために、少な くとも100日間それらの移植片を保持した動物に、第1の移植片の近傍に第2の 腹部心臓同種異系移植片を再移植した。さらなるペプチドまたはCsA処置を与え なかった。Brown Norway(BN)(RT1n)ドナー由来の心臓同種異種移植片を受け た動物(n=4)は、第14日までにBN同種異種移植片を拒絶したが、一方もとの ドナーと同じ系統由来の第2の心臓移植片を受けた動物(n=3)は第2の同種 異系移植片を無期限に受容した。この寛容の組織特異性を評価するために、それ らの心臓移植片を>100日維持した動物に、完全厚腹部皮膚同種異系移植物を与 えた(n=4):左側の移植片はBNドナー由来であり、そして右はLewドナー由 来であった。再び、さらなるペプチドまたはCsAを投与しなかった。BN皮膚移植 片は第11日に拒絶されたが、Lew皮膚移植片拒絶の徴候を示さなかった(>200日 )。興味深いことに、第2の同種異系移植片(心臓または皮膚)の拒絶は、もと の心臓同種異系移植片の機能に影響しなかった。 経口投与したB7.75-84ペプチドは特異的不応答性を誘導する。 薬物が与えられる経路はしばしばその効力に影響し得る。Carpenterおよびそ の共同研究者らは、ラットMHCクラスII分子の非ヘリックス領域に対応する合成 ペプチドの胸腺内注射が血管化した同種異系移植片の生存性を延長したことを報 告した(Sayeghら、1993.Transplant Proc.25:357)。対照的に、Fabreおよび 共同研究者らは、完全フロイントアジュバント中で投与した場合、RT1Aa分子の 残基57-80に対応する合成ペプチドが寛容原性よりむしろ免疫原性であったこと を見出した(Fangmannら、1993.Transplant Proc.25:183)。本発明者らはB7. 75-84ペプチドの経口での投与が同種異系移植片に対して寛容を誘導するかどう かを求めた。ペプチド単独で処置した動物は通常の反応速度でそれらの移植片を 拒絶した(図9)。しかし、移植前第-14、-12、-10、および-7日に経口でペプ チドを与えた8/12の動物ならびに外科手術後第0〜4日間CsAと併用して第0〜 4日処置した9/12の動物はそれらの移植片を>200日間維持した(図9)(CsA単 独と比較して、それぞれp = .005および.0007)。さらに、それらの心臓同種異 系移植物を保持していた動物にドナーおよび第3者由来の次の皮膚同種異系移植 片を与えた場合、それらは第3者移植片を拒絶したがドナー皮膚移植片を拒絶し なかった。従って、B7.75-84ペプチドの免疫調節効果は、経口投与または静脈内 投与のいずれによっても達成し得た。 アネルギーがB7.75-84ペプチドにより誘導される寛容に関与する。 それによってB7.75-84ペプチドがアロ抗原に対する応答を改変した機構を調査 するために、いくつかの免疫学的パラメーターを検討した。蛍光活性化細胞分取 装置分析は、ペプチド処置した動物から単離した胸腺または脾臓中のCD4+および CD8+サブセットの細胞の絶対数または百分率は、未処置の動物に対して差がない ことを示した。ペプチド処置動物から得た脾臓細胞のマイトジェンまたはアロ抗 原誘導性増殖は、コントロールの増殖と同じであった。さらに、寛容性動物由来 の脾臓細胞は、未処置の動物におけるアロ応答を直接抑制し得なかった。このこ とは「サプレッサー」細胞が含まれていなかったことを示す。しかし、ドナー反 応性細胞は寛容性動物において示され得た。限界希釈分析を用いて、本発明者ら は、未処置のACI動物から得た脾臓細胞におけるLew特異的CTLの前駆体頻度は、 303,611中1であったことを見出した。100日より多くLew心臓同種異系移植片を 維持したACIラットから得た脾臓細胞におけるLew特異的CTL前駆体の頻度は、98, 646中1であった。これらの結果は、アネルギー性ドナー反応性細胞がインビボ において存在し、そしてこれらの細胞がインビトロで限界希釈培養物に添加した 外 因性サイトカインによりアネルギーから開放されたことを示唆する(Jenkinsお よびMiller.1992.Faseb J.6:2428; Atteisら、1991.J.Exp.Med.175:491 )。ラットMHCクラスI分子について利用可能な唯一の配列はRT1A分子(これはB 7.75-84の10アミノ酸中7つが同一であり、このことはRT1A配列の10残基(RT1A. 75-84(配列番号52))中5つのみ同一であるB2702.75-80ペプチドとは対照的で ある)であることに留意するべきである。 上記の結果から、クラスIMHC抗原の多型性領域のフラグメントの、種々の目 的のために、特にCTL誘導性疾患または移植物のCTL誘導性拒絶を阻害するために 、CTL活性の調整における使用を見出すことが明らかである。特に、本発明の組 成物は異なるMHC抗原を有するCTLの広範なスペクトラムにわたって使用され得、 そして防御効果を提供し得る。さらに、本発明の組成物は、宿主内に存在する他 の細胞に比較して、CTLに関して薬剤の効果を濃縮することが所望される場合、 分子をCTLに指向させるために使用し得る。あるいは、本発明の組成物を目的の 抗原に結合させて、CTLを活性化してCTLにより認識される抗原以外の抗原を有す る細胞を溶解させ、そして従ってCTLを誘導して宿主に対して潜在性である抗原 を有する細胞を溶解させ得る(新形成における寄生病のように)。本発明の化合 物はウイルス性疾患の処置における使用を見出し得る。あるいは、本発明の化合 物を使用して、CTLのサブセットを単離する、CTLの特定のサブセットの存在を同 定する、自己免疫疾患を阻害するなどのために、本発明のペプチドの一方または 他方に特異的に結合するT細胞を同定し得る。 特定のペプチド化合物の包括的なブロッキング能力は、宿主のスペクトラムに わたるそれらの一般的な使用を可能にし、そして免疫系を全体的に衰弱させるこ となく、移植レシピエントを防御するための別の手順を提供する。さらに、この 処置は時間が限定されており、その結果、防御は免疫抑制レジメが終了した後長 く持続する。特定の特異性を有するCTLの精製に対するペプチド化合物の特異的 な効果は、ドナー特異的応答の発達をブロックしながら、記憶応答をさせないこ とを可能にする。 本明細書中に引用したすべての出版物および特許出願は、各々の出版物または 特許出願が特定して個別に参考として援用されることが示されるのと同様に本明 細書中に参考として援用される。 上記の発明は、理解を明確さの目的のために例示および実施例により幾分詳細 に記載したが、添付の請求項の精神または範囲から逸脱することなく特定の変化 または改変がそれらになされることが、本発明の教示の観点から当業者に容易に 明らかであることが理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 14/74 ZNA 9356−4H C07K 14/74 ZNA (72)発明者 クレンスキー, アラン エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94305, スタンフォード, メイフィールド ア ベニュー 812 (72)発明者 パーヘム, ピーター アメリカ合衆国 カリフォルニア 94305, スタンフォード, アルバラード コー ト 734

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.MHC不適合性ドナー宿主由来の移植物の、レシピエント宿主による受容の期 間を延長する方法であって、以下の工程: 該ドナー宿主に所定のレジメに従って、該移植物の受容の期間を延長するに有 効な量で、(1)該レシピエント宿主のクラスIB75-84 MHC抗原配列由来のアミノ 酸配列、その変異配列(ここで天然配列から3つより少ない変異が存在する)、 または移植拒絶を阻害することにおいて該レシピエント宿主に対して活性なクラ スIB75-84 MHC抗原配列を有するペプチドを含む化合物;および(2)準治療的用 量での免疫抑制剤の組み合わせを投与する、工程; これにより該移植物の受容の期間が、該ペプチドの非存在下での該準治療的用 量での免疫抑制剤の投与から生じた期間に比較して延長される、 を包含する、方法。 2.前記投与する工程が前記移植の第-20日から第+1日の期間内に開始し、そし て少なくとも2回別の日に投与する工程を包含する、請求項1に記載の方法。 3.前記投与する工程が第-7日から第-14日の期間または第0日に開始する、請 求項2に記載の方法。 4.前記免疫抑制剤がシクロスポリンAである、請求項1に記載の方法。 5.前記ペプチドがHLA-B7.75-84の配列を有する、請求項1に記載の方法。 6.MHC不適合性ドナー宿主由来の移植物の、レシピエント宿主による受容の期 間を延長する方法であって、以下の工程: 該ドナー宿主に所定のレジメに従って、該移植物の受容の期間を延長するに有 効な量で、(1)HLA B75-84抗原配列由来のアミノ酸配列またはその変異配列(こ こで天然配列から3つより少ない変異が存在する)を有するペプチドを含む化合 物;および(2)準治療的用量での免疫抑制剤の組み合わせを投与する、工程; これにより該移植物の受容の期間が、該ペプチドの非存在下での該準治療的用 量での免疫抑制剤の投与から生じた期間に比較して延長される、 を包含する、方法。 7.前記化合物が少なくとも2コピーの前記ペプチドを含む、請求項6に記載の 方法。 8.前記投与する工程が経口である、請求項6に記載の方法。 9.前記投与する工程が血管内である、請求項6に記載の工程。 10.前記投与する工程が前記移植の第-20日から第+1日の期間内に開始し、そ して少なくとも2回別の日に投与する工程を包含する、請求項6に記載の方法。 11.前記投与する工程が第-7日から第-14日の期間または第0日に開始する、 請求項10に記載の方法。 12.前記免疫抑制剤がシクロスポリンAである、請求項6に記載の方法。 13.1〜10コピーの以下のアミノ酸配列、 RESLRNLRGY(配列番号50)、 を有するペプチドを含む化合物:ただし、1コピーのみである場合は、該ペプチ ドは天然のHLA-B7配列以外に結合している。 14.前記化合物が2コピーの前記ペプチド配列を有し、ここで該コピーが直列 に任意の方向にある、請求項13に記載の化合物。 15.2〜10コピーの以下のアミノ酸配列、 RENLRIALRY(配列番号13) を有するペプチドを含む化合物:ただし80位以外で該配列中に2つまでの変異が 存在し得る。
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