JP2000510686A - アポトーシスに関連した蛋白bbk - Google Patents

アポトーシスに関連した蛋白bbk

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離されたBbk蛋白、この蛋白をコードし発現を調節しているヌクレオチド配列、この蛋白に対する抗体、およびこの蛋白の配列をコードし発現を調節する遺伝子配列を含んでいる組み換えベクターおよび宿主細胞に向けられたものである。本発明はまた、Bbk蛋白の配列をコードしているゲノムDNA、cDNA、およびRNAと、対応するアンチセンスRNA配列にも向けられている。抗体は、例えばヒト組織検体を含む生物学的標本においてBbkを検出するために使用することができる。本発明はさらに、不適切な細胞増殖または不適切な細胞死に特徴づけられる退行性の病気の治療法にも向けられている。本発明はさらに、不適切な細胞増殖または不適切な細胞死に特徴づけられる退行性の病気の診断法、ならびにこのような退行性の病気の進行を測定する方法にも向けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 アポトーシスに関連した蛋白BBK 技術分野 本発明は、全体的には細胞生理学の分野に関し、特にアポトーシスに関する。 さらに詳しくは、本発明はアポトーシスに関連した新規な蛋白BbK;蛋白BbKをコ ードしている塩基配列;クローニングに関する産物および工程;BbKをコードし ている遺伝子およびヌクレオチド配列の調製および発現;Bbkに対する特異性の ある抗体;および上記のものの診断および治療への使用に関する。 背景技術 「アポトーシス」は活発な生理学的経過による細胞自殺に関係する(Kerr,J .F.等、Br.J.Cancer 26:239‐257(1972);Wyllie,A.H.Nature 284:55 5‐556(1980)。アポトーシスで死ぬ細胞は、細胞の萎縮と核の凝縮および断片化 とを含む特徴的な形態変化を受ける。アポトーシスは、形態形成、免疫系の成熟 、および組織中の細胞分裂により絶えず新生している細胞数を制限している組織 ホメオスタシスなどの発生過程に重要な役割を果たす(Ellis,R.E.等、Annu.R ev.Cell,Biol.7:663‐698(1991);Oppenheim,R.W.等、Neurosci.14:4 53‐501(1991);Cohen,J.J.等、Annu.Rev.Immunol.10:267‐293(1992);R aff,M.C.,Nature 356:397‐400(1992))。アポトーシスは腫瘍形成に対する 重要な細胞防護装置である(Williams,G.T.、Cell 65:1097‐1098(1991);Lan e,D.P.Nature 362:786‐787(1993))。アポトーシス経路における欠点は、悪 性疾患の開始または進行の一因となることである。ある条件の下では、細胞は、 発癌遺伝子または細胞を増殖させる他の遺伝子の強行な発現に反応してアポトー シスになる(Askew,D.等、Oncogene 6:195‐1922(1991);Evan,G.I.等、Cell 69:119‐128(1992);Rao,L.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7742‐774 6(1992);Smeyne,R.J.等、Nature 363:166‐169(1993))。種々の退行性の病 気は異常なアポトーシスを含み、未熟または不適切な細胞死を生じることがある (Barr,P.J.等、Biotec hnology 12:487‐493(1994))。ある種のウイルスによる増殖性感染は、アポト ーシスに対抗するウイルス遺伝子産物による宿主細胞の死の抑制によるといって よく(Rao,L.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:7742‐7746(1992);Ray,C .A.等、Cell 69:597‐604(1992);White,E.等、Mol.Cell.Biol.12:2570 ‐2580(1992);Vaux,D.L.等、Cell 76:777‐779(1994))、アポトーシスの阻 害はウイルス感染の進行(すなわち細胞溶解性対潜伏感染性)を変えることがで きる(Levine,B.等、Nature 361:739‐742(1993)。HIV感染が引き金となるTリ ンパ球の広範なアポトーシスは、少なくとも一部は、AIDSに関連した免疫系の機 能不全によるといってよい(Gougeon,M.等、Science 260:1269‐1270(1993))。 正常および病理学的な細胞周期事象におけるアポトーシスの役割は、Holbrook, N.J.等編の、Cellular Aging and Cell Death(細胞の加齢と細胞死)ワイリ・ リス(Wiley‐Liss)有限出版社、ニューヨーク(1996))に総説されている。 bcl‐2遺伝子産物は、アポトーシスによる細胞死の有力なサプレッサーとして 徹底的に研究されてきた。bcl‐2遺伝子は最初、ヒトB細胞のろ胞性リンパ腫に 頻発するt(14:18)転座中断点において同定された(Bakhshi,A.等、Cell 41:8 99‐906(1985);Cleary,M.L.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82(1985):Tsu jimoto,Y.等、Science 229:1390‐1393(1985))。この転座は、免疫グロブリ ンH鎖の遺伝子座との並置によるbcl‐2遺伝子発現の構造的な活性化をもたらす 。この病気においてbcl‐2は、通常ではこれらの細胞の蓄積を制限するはずのア ポトーシスを不当に抑制することにより発癌遺伝子として機能する(McDonnell, T.J.等、Cell 57:79‐88(1989);Hockenbery,D.等、Nature 348:334‐336(1 990))。その結果B細胞は、リンパ腫の不活性な段階の間に、制御されない増殖と いうよりはむしろ死の失敗により蓄積する。 Bcl‐2の抗アポトーシス活性はB細胞に限らない。Bcl‐2の異所性の発現が、 多数の細胞系統において種々の刺激により引き起こされるアポトーシスを抑制す ることができることを、数多くの研究が証明した(Vaux,D.L.等、Nature 335 :440‐442(1988);Sentman,C.L.等、Cell 67:879‐888(1991);Strasser,A .等、Cell 67:889‐899(1991);Hockenbery,D.M.等、Cell 75:241‐251(1993)。Bcl‐2は、成長因子の除去、DNAの損傷、発癌遺伝子の発 現、酸化性のストレス、およびウイルス感染により誘導される細胞死を妨げる。 殆どすべての系においてBcl‐2がアポトーシスを妨げる能力は、Bcl‐2が、死の プログラムを実行するための機構と密接に結びついていることを示唆する。この 考え方は、種にまたがるBcl‐2機能の保存によってさらに支持される。線虫C. エレガンス(C.elegans)におけるced9遺伝子は、発生中の虫のある種の細胞系統 におけるプログラムされた死を抑制する機能がある(Ellis,H.M.等、Cell 44 :817‐829(1986))。Bcl‐2は遺伝子導入された虫においてCed9を補足するため 、Ced9はBcl‐2と機能的に相同物であると思われる(Vaux,D.L.等、Science 2 58:1955‐1957(1991))。Bcl‐2は、バキュロウイルス感染により誘導されたア ポトーシスを抑制するBcl‐2の能力によって証明されたように、昆虫細胞でも同 様に機能することができる(Alnemri,E.S.等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89 :7295‐7299(1992))。Bcl‐2が細胞死を妨げる分子機構はよくわかっていない 。 Bcl‐2と有意の配列相同性を示すその他の細胞遺伝子も同定されており、調べ た限りでは、これらの遺伝子もまたアポトーシスによる細胞死のレギュレーター として機能するらしい。Bcl‐2の関連物の一つであるBcl‐Xは、Bcl‐2遺伝子に 対するDNAハイブリッド形成の低い厳格性により単離された(Boise,L.H.等、C ell 74:597‐608(1993))。Bcl‐XのRNAは特異的にスプライスされ、Bcl‐XLと 命名された長い型と、短い内部欠損を持つBcl‐XSと命名されたより短い型とを 産生する。Bcl‐XLはBcl‐2とよく似ており、細胞死を抑制する機能があるが、 欠損した型のBcl‐XSは、Bcl‐2による防御を阻害することができ、「優性ネガ ティブ」な種類として機能するのかもしれない。第二のBcl‐2の関連物であるBa xは、Bcl‐2との免疫共沈降物中に見い出される蛋白として生化学的に同定され た(Oltvai,Z.N.等、Cell 74:609‐619(1993))。対応するcDNAの単離は、Bax 蛋白がBcl‐2と実質的に同一の配列を示すことを明らかにした。BaxはBcl‐2と ヘテロダイマーを形成し、アポトーシスを誘導し、Bcl‐2機能の負のレギュレー ターとして機能するらしい。Baxの異所性の発現が、Bcl‐2の発現によりもたら されるアポトーシスへの防御を妨げることが示された。 二つの付加的な細胞性のBcl‐2関連物、Mcl‐1およびAl(Kozopas,K.M.等、P roc.Natl.Acad.Sci.USA 90:3516‐3520(1993);Lin,E.Y.等、J.Immunol .151:1979‐1988(1993))は、最初、特異的な刺激に対する反応、すなわちホル ボールエステルで誘導した骨髄性白血病細胞(Mcl‐1)の分化、およびネズミ骨髄 細胞のGM‐CSF処理(A1)おいて誘導されたmRNAとして単離された。Mcl‐1また はA1のどちらがアポトーシスを調整することができるのかはまだわかっていない 。 これらの細胞性のBcl‐2関連物に加えて、DNAウイルスにコードされている多 数のBcl‐2相当物が同定された。エステンバーウイルスBHRF‐1の遺伝子産物は 、Bcl‐2と相同な配列を含むことが知られ、続いてアポトーシスのサプレッサー として機能することが示された(Henderson等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90 :8479‐8488(1993))。同様に、豚コレラウイルスLMW5‐HL遺伝子は、Bcl‐2と 構造的に類似した蛋白をコードしている(Neilan,J.G.等、J.Virol.67:4391 ‐4394(1993))。アデノウイルスElbの19kDの蛋白は、Bcl‐2と機能的には同等で あるらしいが、一次配列の相同性は非常に限定されている(White,E.等、Mol.C ell.Biol.12:2570‐2580(1992))。これらの遺伝子は感染された細胞のアポト ーシスを防ぐことにより、ウイルスDNAの複製を確実にする機能があるらしい。 関連のないDNAウイルスが、見かけ上Bcl‐2の活動を模して機能する遺伝子を進 化させたという発見は、Bcl‐2がアポトーシスの重要なレギュレーターの代表で あるという結論を支持する。 bakと命名したBcl‐2の関連遺伝子の単離および特性決定は、1994年10月11日 出願の同時係属米国出願第08/321,071号に記載されており、それは1994年8月9 日出願の米国出願第08/287,427号の一部継続出願であり(そこではbakはbcl‐y と言及されている)、その開示は本文中に参考文献として取り入れられている。 異所性Bakの発現は、サイトカインの除去によるIL‐3依存性細胞株の死を加速し 、Bcl‐2によって与えられるアポトーシスに対する防護に対抗する。さらに、Ba kの強制的な発現は、血清を除去された線維芽細胞のアポトーシスを誘導するに 十分であり、Bakが細胞死の機構を直接活性化するか、またはそれ自体が細胞死 の機構の一成分である可能性を高めている。 細胞性Bcl‐2に関連した周知の遺伝子は、分析された限りでは別の発現パター ンを有しており、従って異なる組織において機能するのかもしれない。細胞死の プログラムは全ての組織において適切な位置にあり、異なるBcl‐2関連遺伝子に 調整されているかもしれない。Bcl‐2の発現は成熟した免疫系の維持に必要では あるが、他の系においてアポトーシスによる細胞死を支配するかもしれない他の 遺伝子を同定することが望ましい。薬学発展の見地から、臨床上の設定に応じて アポトーシスを活性化または抑制する薬剤を同定または開発することが望ましい であろう。 発明の開示 本発明者は驚くべきことに新規物質の組成物を発見し、単離および特性決定し 、かつ本文中の数多くの態様に記載した。本文中では「Bbk」と命名されている が、それはBcl‐2群の一員と考えられ、特に、細胞にアポトーシスを誘導するこ とができ、細胞においてBcl‐2および関連した細胞死のサプレッサーの機能に対 抗することができる。完全な長さのヒトBbkのcDNAの単離は、推測されたBbkのア ミノ酸配列がBcl‐2と相同性を共有することを示した。BbkのmRNAはヒトの一次 組織に広く発現されていると考えられる。Bbkはヒトの組織および/または腫瘍 細胞におけるアポトーシスの重要なレギュレーターである。 Bbkの発現は、正常なラット線維芽細胞(Rat1)および、HeLa細胞およびBT549 細胞を含むヒト腫瘍細胞株において発現された場合には、アポトーシスを促進す る。Rat1細胞におけるBakとBbkとの共同した発現はアポトーシスの誘導を妨げず 、それらが互いに結合する能力はアポトーシスを促進する能力を阻害しないこと を示唆している。それらの共同発現は、細胞死の協同の誘導をもたらすといって よい。Bbkのアポトーシス機能は周知の生存蛋白、Bcl‐2、Bcl‐xL、およびエス テンバーウイスルBHRF 1の協同発現により逆転することが可能である。生存蛋白 に対するBbkの比を増やすと、アポトーシスを促進する蛋白、Blkを用いて先に示 されたように、アポトーシスを取り戻すかもしれない。 本発明は、従って、アポトーシスに関連した蛋白、Bbk、クローニングに伴う 産物および工程、Bbk遺伝子の調整および発現;Bbkに特異性をもつ抗体;および Bbkのヌクレオチド配列かまたはその部分に対応するヌクレオチドプローブに関 する。 Bbkポリペプチドは、それ自身に対しての抗体産生に有用である。抗体およびプ ローブは、例えば、心臓組織、肺組織、腫瘍細胞、胎盤、肝臓、骨格筋、腎臓、 および膵臓を含むヒトの全ての組織からの細胞を含めた生物学的標本における、 Bbkの検出および単離に有用である。 本発明はさらに、Bbkの、種の相同関係およびウイルスの相同関係に関する。 本発明は、cDNAとヒト細胞に存在するBbkをコードするゲノム断片との同定、 特徴決定、および配列決定に関する。 本発明によれば、Bbkをコードしている遺伝学的配列が提供される。本発明は また、かかる遺伝学的配列を含んでいる発現ベクター、かかる発現ベクターによ り形質転換された宿主、および遺伝子工学によるかまたは組み換えによるBbkの 産生法を提供する。 本発明はまた、Bbkを特異的に認識する抗体を提供する。 BbkのcDNAおよび組み換え蛋白は、Bbkを特異的に認識する抗体の作成のために 有用である。かかる抗体は、生物学的標本におけるBbkの検出および単離に有用 である。このBbk蛋白はまた、アポトーシスのレギュレーターとしても有用であ る。 EBVで形質転換したB細胞の株から小さなcDNAが単離された。Bbk蛋白のアミノ 酸配列は、Bcl‐2領域と配列の相同性を共有する。 本発明はさらに、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)クローニングを用いての、種 々のヒト腫瘍細胞株からのBbkの部分的なクローンの単離法に関する。 本発明はさらに、不適切な細胞増殖または不適切な細胞死によってそれぞれ特 徴づけられる退行性の病気に苦しんでいる個体において、アポトーシスを誘導ま たは抑制するための方法に向けられる。不適切な細胞増殖によって特徴づけられ る退行性の病気は、例えば炎症性の症状、リンパ腫を含む癌、遺伝子型による腫 瘍、等を含む。不適切な細胞死によって特徴づけられる退行性の病気は、例えば 自己免疫疾患、後天性免疫不全疾患(AIDS)、放射線療法または化学療法による 細胞死、等を含む。 本発明はまた、Bbk蛋白の存在を検出するための方法および、退行性の疾患の 診断のための方法に関しており、これらの疾患は、正常な細胞集団において期待 されるBbkの発現レベルと比較して、Bbkの発現または突然変異のレベルの増減を 伴う。 本発明はさらに、Bbkの発現を監視することによって、Bbkの発現レベルの増減 に関連した退行性の病気の進行を監視する方法に向けられる。 本発明はまた、病気/退行性の病気が、Bbkの異常な発現と関連しているかど うかを決定するための方法および、遺伝子導入マウスおよび/または同型接合ヌ ルマウスのような動物モデルにおいて、Bbkの過発現または発現の損失の影響を 測定するための方法に関する。病気/退行性の病気がBbkの異常な発現と関連し ているかどうかを決定するための方法は、例えばノーザンおよび/またはウエス タンブロットや、当業者等に容易に選択され使用される他の分析法により、病気 の組織におけるBbkの発現を正常な組織と比べて分析する方法を含む。 本発明は、治療用に使用するためのBbkのハイブリッドに関する。 本発明はまた、各々不適切な細胞増殖の安定化(すなわちアポトーシスの誘導 )のため、または不適切な細胞死の安定化(すなわちアポトーシスの抑制)のた め、および/またはいずれの場合でも正常な細胞行動を取り戻すために、不適切 な細胞増殖またな不適切な細胞死を特徴とする退行性の病気を患っている個体に 、このBbk蛋白、突然変異蛋白、またはハイブリッドを与えることにより、アポ トーシス効果を調整する方法に関する。第3図は、胎児および成体の健康な種々 の組織において発現された、BbkのmRNAのレベルを示す。 本発明はさらに、例えばBH1およびBH2のようなペプチドを含んでいるBbkの機 能的な断片や、本発明者によってBbkと、Bcl‐2およびBaxを含む他のアポトーシ ス関連蛋白との間に認められた、他の相同な領域を含めた、機能上の等価物に関 する。 一つの特別の局面においては、本発明はBbk分子の中央部の短い部分配列に同 定されマッピングされた、新規な蛋白領域に向けられる。本発明者が「Bbk BH3 領域」と命名したこの新規な蛋白領域は、BbkのBakとの相互作用およびBbkの細 胞を殺す機能のいずれにも本質的なものである。先を切断された、Bbk BH3領域 を含んでいるBbk種は、それ自体がトランスフェクション分析において、細胞を 殺すに十分である。 Bbk BH3領域は、1995年5月12日出願の米国出願第08/440,391号に記載され たBakにおいて最初に記載されたGD領域と、25%より少ない同一性しか共有しない (そこではBH3がGD領域として命名されている)。しかしながらGD領域についてB akで観察されたように、BbkにおけるBbk BH3領域エレメントの突然変異は、細胞 を殺す機能および蛋白と結合する機能を弱める。従って、Bbk BH3領域は、多数 の細胞死調節分子の活動に対し、鍵となる重要な蛋白/蛋白相互作用の調整に責 を担っている。 従って一つの局面において本発明は、Bbk BH3領域を含んでいるペプチドの精 製および単離と、その分子構造および/または機能を模し、細胞のアポトーシス の状態を誘導または調整するために有用な分子とに向けられている。Bbk BH3領 域の機能を混乱させる化合物には、アポトーシス調整薬剤としての実用性がある 。従って、もう一つの局面において、本発明はBbk BH3領域の機能を混乱させる ことのできる薬剤に向けられている。かかる薬剤は、Bbk BH3領域に結合する分 子、Bbk BH3領域と他の蛋白との相互作用を妨げる分子、および何らかの方法で 変化させたBbk BH3領域を含んでいる分子を含むが、それらに限定されない。本 発明は、Bbk BH3領域の機能を混乱させることによりアポトーシスを調整する分 子の同定法を提供するが、それには付加的な期待される態様が含まれる。 他の局面においては、本発明はBbk BH3領域を含んでいるペプチドのクローニ ング、調製、および発現;Bbk BH3領域に対する特異性のある抗体;およびBbk B H3領域またはその部分をコードしているヌクレオチド配列、に関係する産物およ び方法に関する。Bbk BH3領域を含んでいるペプチドは、それらに対する抗体の 製造に有用である。かかる抗体は、例えば、心臓組織、肺組織、腫瘍細胞、脳組 織、胎盤、肝臓、骨格筋、腎臓、および膵臓などのヒトの全ての組織からの細胞 を含む生物学的標本における、Bbk BH3領域を含んでいる蛋白の検出および単離 や、かかる生物学的標本中のおよび標本からのBbk BH3領域を含んでいる蛋白の アポトーシス活性の調整に有用であり、本発明の付加的な局面を構成している。 もう一つの局面において本発明は、遺伝配列を含んでいる発現ベクター、かか る発現ベクターで形質転換した宿主、および本発明の組み換えBbk BH3領域ペプ チドを産生するための方法を提供する。 本発明はさらに、それぞれ不適切な細胞増殖または不適切な細胞死によって特 徴づけられる退行性の病気を患っている個体の、細胞および/または組織におけ るアポトーシスの誘導または抑制のための方法に向けられている。不適切な細胞 増殖によって特徴づけられる退行性の病気は、例えば、炎症性の症状、前立腺過 形成のようなリンパ腫を含む癌、遺伝子型腫瘍等を含む。不適切な細胞死によっ て特徴づけられる退行性の病気は、例えば、自己免疫疾患、後天性免疫不全疾患 (AIDS)、放射線療法または化学療法による細胞死、アルツハイマー病およびパ ーキンソン病のような神経退化疾患等を含む。 本発明はまた、Bbk BH3領域ペプチドの存在を検出する方法や、退行性の病気 の診断、すなわち、どの病気がBbk BH3領域を含んでいる蛋白の発現レベルの増 減と関連しているかを、かかる蛋白の正常細胞集団において期待される発現レベ ルと比較する、診断方法に関する。 本発明は、Bbk BH3領域を含んでいるペプチドの治療用の使用に関する。 本発明はまた、各々不適切な細胞増殖を安定化させる(すなわちアポトーシス の誘導)または不適切な細胞死の安定化(すなわちアポトーシスの抑制)のため に、及び/又はそれぞれの場合に細胞の正常な行動を回復するために、それぞれ 不適切な細胞増殖または不適切な細胞死によって特徴づけられる退行性の病気を 患っている個体への、Bbk BH3領域ペプチドを含んでいるペプチドまたはそれら の突然変異体の投与による、細胞のアポトーシス状態の調整法に関する。 本発明はまた、Bbkの存在を測定するため、並びに種同族体およびウイルス同 族体を含めた同族体の同定および単離のために使用できる、ヌクレオチドプロー ブに向けられている。 本発明のこれらの目的と局面とは、以下の説明から当業者らには明らかであろ う。 図面の簡単な説明 第1図:酵母の二ハイブリッド系(クロンテク(Clontech)マニュアルより改変) の特徴。 第1(A)図:GAL1上流活性化配列(UAS)と相互作用するDNA結合領域(bd)および 転写を刺激する転写活性化領域(ad)を示す酵母GAL4蛋白の概略説明図。 第1(B)図:蛋白Xと融合したGAL4 bdは、GAL1 UASに結合することができるが、 活性化領域を欠くため転写を刺激することはできない。蛋白Yと融合したGAL4 ad も、プロモーターに局在することができないため転写を刺激することはできない 。 第1(C)図:GAL4 bd/蛋白X融合体とGAL1 UASとの相互作用および、それとGAL4 a d/蛋白Yとのさらなる相互作用が、GAL4機能の再構成および転写の刺激を可能に する。 第2図:クローンBbkのヌクレオチド配列および推定読み取り枠(ORF)。[配列 番号:9‐μ]矢印は、二ハイブリッド分析により単離されたいくつかの関連ク ローンの開始点を示す。いくつかのクローンで同定されたAAGの挿入位置も示す 。 第3図:ヒト胎児および成体の組織のノーザンブロット分析(クロンテク)。ブ ロットを、32Pで標識したBbk DNA(上のパネル)および対照としてのβ‐アクチ ンDNAとハイブリッド形成させた。大きさのマーカーは製造業者の規定どおりで ある。 第4図:Bbk蛋白の発現。 第4(A)図:ウサギ網状赤血球溶解物における35Sで標識したBbkのin vitroにお ける翻訳。ルシフェラーゼ蛋白の翻訳を含む対照を、SDSゲル電気泳動により回 収し、オートラジオグラフィーにより視覚化した。染色前の蛋白分子量マーカー (アマーシャム(Amersham))のゲル移動度を示す。 第4(B)図:トランスフェクトした細胞におけるBbkの発現。ヘマグルチニン(HA) エピトープを付けたBaxまたはBbkの発現プラスミドを、COS7細胞へトランスフェ クトした。トランスフェクトの48時間後に溶解物を調製した。トランスフェクト されていないCOS7細胞の溶解物がネガティブコントロールとして含まれている。 蛋白を、SDSゲル電気泳動および抗HAモノクローナル抗体12CA5(ベーリンガー・ マンハイム)を用いた細胞溶解物のウエスタンブロットにより検出した。Baxお よびBbk蛋白を矢印で示す。 第5図:Rat1細胞の生存能力に対するBbk発現の影響。細胞を、β‐ガラクトシ ダーゼの発現プラスミドで表示したプラスミドを(pRcCMV/β‐gal、0.16μg )用いてトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後に細胞を染色 し、β‐ガラクトシダーゼを発現している生細胞および死細胞を同定した。三重 実験からの値を平均し、SEMを表すエラーバーと共にプロットした。 第5(A)図:Rat1細胞における、ベクター(0.42μg pRcCMV)、Bak(0.21μg pcDNA1/HABak+0.21μg pRcCMV)、Bbk(0.21μg pcDNA3/HABbk+0.21 μg pRcCMV)、またはBak+Bbk(0.21μg pcDNA3/HABak+0.21μg pcDNA 3/HABbk)の過渡的発現の影響。 第5(B)図:Rat1細胞におけるアポトーシスのBbk誘導に対する、生存蛋白Bcl‐2 (0.21μg pcDNA3/HABbk+0.21μg pRcCMV/Bcl‐2)、Bcl‐xL(0.21μg pcDNA3/HABbk+0.21μg pRcCMV/Bcl‐xL)、またはエステンバーウイルス BHRF1(0.21μg pcDNA3/HABbk+0.21μg pRcCMV/BHRF1)の影響。 第6図:HeLa細胞およびBT549細胞の生存能力に対するBbk発現の影響。 第6(A)図:HeLa細胞を、pRcCMV/βgal(0.16μg)に、ベクター(0.42μg p RcCMV)、Bak(0.21μg pcDNA1/HABak+0.21μg pRcCMV)、またはBbk(0. 21μg pcDNA3/HABbk+0.21μg pRcCMV)を加えてトランスフェクトした。 染色された細胞を記録し、第5図に記したようにプロットした。 第6(B)図:BT549細胞をパネル(A)に記したようにトランスフェクトした。 第7図:BbkとBcl‐2群のメンバーとの相互作用。BbkのグルタチオンS‐トラン スフェラーゼ(GST)融合蛋白を大腸菌において産生し、グルタチオンアガロー スで精製した。精製したBbkまたはCST対照蛋白を、35Sで標識したin vitroで翻 訳した(IVT)HAを付けたBak、Bax、Bik、またはFlagを付けたBcl‐xLとインキ ュベートした。複合体をグルタチオンアガロースゲル上に捕獲し、SDSゲル電気 泳動にかけ、オートラジオグラフィーにより視覚化した。捕獲された複合体を、 投入されたIVT物質のアリコートと比較した。 第8図:BbkとBcl‐2群のメンバーのBH2およびBH3領域の配列の位置合わせ。 第8(A)図:Bak[配列番号13]、Bax[配列番号14]、Bik[配列番号15]、Bcl‐2[配列 番号16]、およびBcl‐xL[配列番号17]のBH2領域の配列が、Bbk[配列番号12]の 相当する領域と位置合わせされている。少なくとも三つの蛋白で同一または保存 されている残基を囲んである。黒色の囲みは同一の残基を示し、灰色の囲みは保 存された残基を示す。番号づけは、各々の配列の最初に示したアミノ酸の位置を 示す。 第8(B)図:Bak[配列番号19]、Bax[配列番号20]、Bik[配列番号21]、 Bcl‐2[配列番号22]、およびBcl‐xL[配列番号23]のBH3領域の配列が、Bbkの相 当する領域と位置合わせされている。濃淡および番号づけはパネル(A)に記し た通りである。 第9図:Rat1細胞におけるBbk[配列番号18]の欠損および点突然変異の分析。 第9(A)図:Rat1細胞を、pRcCMV/βgal(0.16μg)に、ベクター(0.42μg p RcCMV)、完全な長さのBbk(0.42μg pcDNA3/HABbk)、またはBbkの欠損突然 変異体(0.42μg pcDNA3/HAΔ1‐105、または0.42μg pcDNA3/HAΔ142‐249 )を加えてトランスフェクトした。染色された細胞を記録し、第5図に記したよ うにプロットした。 第9(B)図:Bbk BH3領域のアラニン点突然変異体(PM‐LVLEE[配列番号25]、PM‐ V[配列番号26]、PM‐L[配列番号27]、PM‐EE[配列番号28])を、野性型のBbk BH 3領域[配列番号24]と比較した。アラニンの置換は輪郭を描いた箱で示してあり 、濃淡は第8図に記した通りである。 第9(C)図:パネル(B)に示したアラニン点突然変異体(各々0.42μgのpcDNA3 /HAPM‐LVLEE、pcDNA3/HAPM‐V、pcDNA3/HAPM‐L、pcDNA3/HAPM‐EEに0.16 μgのpRcCMV/βgalを加えたもの)をRat1細胞にトランスフェクトし、パネル (A)に記したようにベクター対照プラスミドまたは野性型Bbkでトランスフェク トした細胞と比較した。染色された細胞を記録し、第5図に記したようにプロッ トした。 第10図:Rat1細胞の生存能力に対するBbk BH3領域の発現の影響。Rat1細胞を、p RcCMV/bβgal(0.16mg)に、ベクター(0.42mg pRcCMV)、完全な長さのBbk( 0.42mg pRcCMV/HABbk)、またはBbk BH3領域(0.42mg pRcCMV/HABbkBH3)を 加えたものでトランスフェクトした。染色された細胞を記録し、第5図に記した ようにプロットした。 第11図:酵母の二ハイブリッド系で分析したBbkの点突然変異体とBakとの相互作 用。Bakのおとりプラスミド(pAS2/BakΔC)を、Bbkのアラニン点突然変異体( pACT/PM‐LVLEE、pACT/PM‐V、pACT/PM‐L、pACT/PM‐EE)および野性型Bbk (pACT/Bbk)のGal4活性化領域融合体を発現しているプラスミドと共に、酵母 に同時形質転換した。ポジティブな対照として、p53のおとり(pVA3)およびSV40 T抗原(pTD1)を発現している、製造業者(クロンテク)の供給によるプラスミ ド を、上記のように同時形質転換した。ネガティブな対照として、pACT/Bbkを、 おとりとしてGal4活性化領域のみを発現するpAS2と同時形質転換した。製造業者 (クロンテク)により記述されている液体培養分析法を用い、各形質転換より三 つの別個のコロニーを、β‐ガラクトシダーゼ活性について三重に分析した。三 つのコロニーの各々の三重の測定値の平均の、さらに平均を取り、相互に作用す る蛋白の各組について一つの値を出した。データを、β‐ガラクトシダーゼの単 位として(Miller,J.H.,Experiments in Molecular Genetics(分子遺伝学実 験)、コールドスプリングハーバーラボラトリー出版、プランビュー(Planview )、ニューヨーク(1972))、SEMを表すエラー バーと共にプロットした。 発明の詳細な説明 ここで用いる技術的および科学的の用語は、別段の定義をしない限り、当業者 によって普通に理解される意味をもつものとする。当業者に公知のいろんな方法 論についてここで参照が行われる。参照が行われたそのような公知の方法論を記 載した刊行物およびその他のものは、その全文が記載されたものとしてそれら全 体が参照により本特許に包含される。組み換えDNA技術の一般的原則を記載した 標準的文献はたとえば次のようである。Sambrook,J.,et al.,Molecular Clon ing:A Laboratory Manual ,2d Ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Pl anview,New York (1989);McPherson,M.J.,Ed.,Directed Mutagenesis:A Pr actical Approach .IRL Press,Oxford(1991);Jones,J.,Amino Acid and Pept ide Synthesis ,Oxford Science Publications,Oxford(1992);Austen,B.M.a nd Westwood,O.M.R.,Protein Targeting and Secretion,IRL Press,Oxfor d(1991)。当業者に公知の適当な材料及び/又は方法は、如何なるものでも本発 明を実施するのに使用することができる。ただし好ましい材料及び/又は方法を 述べることとする。以下の説明や例で参照される材料、試薬などは、別段の記載 のない限り商業的に入手可能である。 本発明は最も一般的には、Bak蛋白と特異的に結合し不死化ヒト腫瘍細胞を死 滅させる能力にもとづいて「Bak結合死滅剤(Bak binding killer)」蛋白または 「Bbk」とよばれる新規な蛋白に関するものである。したがって本発明は、Bbkま たは Bbk突然変異体のアミノ酸配列、そのようなアミノ酸配列をコードする遺伝子配 列、その遺伝子配列、それと形質転換した宿主および組み換えBbkを含む発現ベ ヒクル、ならびにそのような形質転換宿主発現で得られたアンチセンスRNAを含 むものである。さらに本発明はBbk及び/もしくはそのフラグメントまたはBbk突 然変異体に対する抗体をも包含するものである。 本発明によれば、そのような蛋白配列の遺伝子工学的方法は、ペプチドをコー ド化する能力がある遺伝子配列のクローニングにより、およびそのような遺伝子 配列の発現により行われる。ここで用いたような「遺伝子配列」という用語は、 核酸分子(好ましくはDNA)を表わすものと意図されている。蛋白をコード化で きる遺伝子配列は、種々の原料から誘導される。これらの原料にはゲノムDNA、c DNA、合成DNAおよびそれらの組み合わせが含まれる。ゲノムDNAまたはmRNAの好 ましい原料は、ヒトの組織たとえば心臓、肺、腫瘍細胞、胎盤、肝臓、骨格筋お よび膵臓である。ついでmRNAは、公知の技術によってcDNAを製造するために用い ることができる。プローブは、公知の方法でBbkのヌクレオチド配列にもとづい て合成することができる。 本発明のBbk蛋白またはゲノムDNAは、天然に存在するイントロンを含んでいて もいなくてもよい。さらにそのようなゲノムDNAは、Bbk蛋白配列の5'プロモータ ー領域及び/又は3'転写末端領域との会合によって得ることができる。またその ようなゲノムDNAは、Bbk蛋白mRNAの5'‐非翻訳領域をコード化する遺伝子配列及 び/又は3'‐非翻訳領域をコード化する遺伝子配列との会合で得ることもできる 。宿主細胞が、mRNAと蛋白の発現と関連した転写の及び/又は翻訳の調節シグナ ルを認識できる限り、天然の遺伝子の5'及び/もしくは3'‐非転写領域ならびに/ 又はmRNAの5'‐及び/もしくは3'‐非翻訳領域は保持されそして転写と翻訳調節 に用いることができる。Bbk蛋白遺伝子DNAは、公知の方法(たとえばBerger,S .L.,et al.,Eds.,Guide to Molecular Cloning Techniques,Academic Pres s(1987)参照)によってヒトの組織から抽出し精製することができる。 またmRNAは、蛋白を生産し発現するどんな細胞からも単離することが可能であ り、公知の方法(たとえばBerger,S.L.,et al.,Eds.,Guide to Molecular Cloning Techniques ,Academic Press(1987)参照)によってcDNAの製造に用いる ことができる。用いられるmRNA試料は、好ましくは、大量の蛋白を生産する細胞 からの単離により天然に、または特定の配列のmRNA試料を精製するのに通常用い られる技術たとえば蔗糖勾配遠心分離やPCRを含めた技術により試験管内で、そ のようなBbk蛋白をコード化するmRNAに精製されるであろう。ついでcDNAは、た とえば逆転写により製造することができる。このcDNAはついで適当なプライマー を用いるPCRにより増幅することができる。 ベクターの中へクローニングするために、そのような適当なDNA試料(ヒトの ゲノムDNAかまたはcDNA)はそれぞれランダムにシアリングされるかまたは酵素 で分解され、そして適当なベクターに連結されて組み換え遺伝子(ゲノムまたは cDNA)ライブラリーとなる。Bbk蛋白またはその機能的均等物をコード化するDNA 配列は、たとえば平滑末端連結またはスタッガー末端連結、適当な末端を得るた めの制限酵素消化、好ましからぬ結合を避けるための適当なアルカリホスファタ ーゼ処理としての付着末端の装填、適当なリガーゼによる連結、のような通常の 技術によりDNAベクターの中へ挿入することができる。そのような操作の技術は たとえばSambrook,J.,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d E d.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Planview,New York(1989)に開示 されており、当業者によく知られている。 Bbk蛋白クローンを含むライブラリーはスクリーニングすることができ、そし てBbkクローンはBbk蛋白DNAを特異的に選択する如何なる手段、たとえば(a)この 蛋白のDNAに特異的な配列を含む適当な核酸プローブとのハイブリダイゼーショ ン、(b)問題のクローンとハイブリダイゼーションをおこなう天然のmRNAが試験 管内で翻訳されるハイブリッド‐選択翻訳分析とそれにつづく翻訳生成物の特性 化、または(c)もしクローン化した遺伝子配列それ自体がmRNAを発現可能であれ ば、翻訳Bbkまたはクローン含有宿主により生産されたフラグメント生成物の免 疫沈殿、のような手段で同定することができる。 クローンをこの蛋白と同定するのに使用可能な蛋白に特異的なオリゴヌクレオ チドプローブは、Bbk蛋白のアミノ酸配列の知識からデザインすることができる 。本明細書におけるペプチド中のアミノ酸残基の配列は、一般に使用されている 3文字コードまたは1文字コードを用いて表示する。これらの3文字コードや1文字 コー ドは教科書、たとえばBiochemistry,2ed.,Lehninger,A.,Worth Publishers ,New York,NY(1975)に記載されている。アミノ酸配列を水平式に表示するとき は、アミノ末端を左端としカルボキシ末端を右端とする。ペプチド中のアミノ酸 残基はハイフンで分離してある。このハイフンは、単に配列の表示を明らかにす るためのものである。 遺伝暗号は縮退的であるため、特定のアミノ酸を暗号化するのに1つよりも多 いコドンを用いることができる(Watson,J.D.,In:Molecular Biology of the Gene,3rd Ed.,W.A.Benjamin,Inc.,Menlo Park,CA(1977),pp.356‐357 )。ペプチドフラグメントを分析して、最低の縮退度をもつオリゴヌクレオチド によってコード化できるアミノ酸の配列を同定する。これは好ましくは、単一の コドンだけでコード化されているアミノ酸を含有する配列を同定することにより 達成される。 時にはアミノ酸配列が単一のオリゴヌクレオチド配列によってのみコード化さ れることもあるが、アミノ酸配列はしばしば1セットの類似のオリゴヌクレオチ ドでコード化される。重要なことは、このセットの構成要素のすべてが同一のペ プチドフラグメントをコード化可能であるようなオリゴヌクレオチド配列を含ん でおり従ってそのペプチドフラグメントをコード化する遺伝子と同じオリゴヌク レオチド配列を潜在的に含んでいるにもかかわらず、このセットの中のただ1つ の構成要素だけが遺伝子の配列をコード化するエクソンと同等のヌクレオチド配 列を含んでいるのである。この構成要素は当該セットの中に存在しそして例えセ ットの中の他の構成要素が存在してもDNAとハイブリッド化可能であるので、ペ プチドをコード化する遺伝子をクローン化するために単一のオリゴヌクレオチド を用いるといった同様の方法で未分画のオリゴヌクレオチドのセットを用いるこ とが可能である。 遺伝暗号を用いて(Watson,J.D.,In:Molecular Biology of the Gene,3rd Ed.,W.A.Benjamin,Inc.,Menlo Park,CA(1977))1つまたはそれ以上のオ リゴヌクレオチドをアミノ酸配列から同定することができ、その各々は存在する Bbkまたはフラグメント蛋白をコード化することができる。特定のオリゴヌクレ オチドが実際に配列をコード化した現実の蛋白を構成する可能性は、特定のコド ンが真核生物細胞中で(特定のアミノ酸をコード化するために)現実に用いられ るような異常な塩基対関係および頻度を考慮することにより予測可能である。そ のような「コドン使用頻度の規則」はLathe,et al.,J.Molec.Biol.,183:1 ‐12(1985)に開示されている。Latheの「コドン使用頻度の規則」を用い、Bbk蛋 白配列をコード化可能な理論的に「もっとも可能な」ヌクレオチド配列を含む単 一のオリゴヌクレオチド配列または1セットのオリゴヌクレオチド配列が同定さ れる。 (そのような単一オリゴヌクレオチドまたは1セットのオリゴヌクレオチドと 相補的な)Bbk蛋白遺伝子のフラグメントをコード化可能な適当な単一オリゴヌ クレオチドまたは1セットのオリゴヌクレオチドは、当業者によく知られている 方法で合成することができ(たとえばS.A.Narang,Ed.,Synthesis and Appli cation of DNA and RNA ,Academic Press,San Diego,CA参照)、そして当業者 に公知の技術でクローン化Bbk蛋白遺伝子を同定し単離するためのプローブとし て用いることができる。核酸のハイブリダイゼーションとクローンのハイブリダ イゼーションは、次の文献に開示されている。すなわちManiatis,et al.,Mole cular Cloning ,A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratories,Col d Spring Harbor,NY,(1982);Berger,et al.,Eds.,Guide to Molecular Clo ning Techniques ,Academic Press,San Diego,CA,(1988);Sambrook,J.,et al.,Molecular Cloning;A Laboratory Manual.2d Ed.,Cold Spring Harbor L aboratory Press,Planview,New York(1989);およびHames,et al.,Eds.,Nuc leic Acid Hybridization ,A Practical Approach .IRL Press,Washington,DC .(1985)。これらの文献は参照により本明細書に包含される。ついで、このよう なハイブリダイゼーションが可能であることが見出されている上記の遺伝子ライ ブラリーの構成要素は、それらが含んでいる配列をコード化するBbk蛋白の程度 と性質を決定するために分析される。 所望のBbkまたは配列をコード化したフラグメント蛋白DNAの検出を促進するた めに、上記のDNAプローブを検出可能基または標識で標識化する。そのような検 出可能な基または標識は、検出可能な物理的または化学的性質をもつ如何なる物 質であってもよい。そのような物質は核酸ハイブリダイゼーションの領域でよく 開発されており、一般的にそのような方法で有用な標識のほとんどが本発明にお い て使用可能である。特に有用なものは、たとえば12P、3H、14C、35S、125I、な どのような放射性標識である。適切なシグナルを与えそして充分な半減期をもつ 放射性標識であれば、如何なるものでも用いることができる。オリゴヌクレオチ ドはたとえば「ニックトランスレーション」によるか、たとえばRlgby,et al. ,J.Mol.Biol.113:237(1977)に記載の良く知られている方法によるか、また はたとえばDeen,et al.,Anal.Biochem.135:456(1983)に記載のT4 DNAポリメ ラーゼ置換合成により、放射性標識化することができる。 あるいはポリヌクレオチドはまた、ビオチンのような非放射性マーカー、酵素 または蛍光性もしくは化学発光性の基で標識化したときは、核酸ハイブリダイゼ ーションプローブとして有用である。たとえば次を参照。Leary,et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.,USA 80:4045(1983);Renz,et al.,Nucl.Acids Res.12: 3435(1984);およびRenz,M.,EMBO J.6:817(1983)。 すなわちBbk蛋白配列の実際の同定は、そのようなペプチドをコード化可能な 理論的に「もっとも可能性のある」DNA配列またはそのような配列の1セットの同 定を可能ならしめるものである。この理論的配列と相補的なオリゴヌクレオチド を構成することにより(または「もっとも可能性のある」オリゴヌクレオチドの 1セットと相補的なオリゴヌクレオチドの1セットを構成することにより)、Bbk 蛋白遺伝子を含むクローンの同定と単離のためのプローブとして機能することの できるDNA分子(または1セットのDNA分子)を得ることができる。 Bbk蛋白遺伝子をクローンする別の方法において、発現ベクターを使用しDNA( または更に望ましくはBbk蛋白を発現可能な細胞からつくったcDNA)を発現ベク ターの中へクローニングすることによって、ライブラリーが作製される。ついで このラブラリーを、たとえばBbk蛋白に対する抗体でライブラリーをスクリーニ ングすることによってBbk蛋白を発現する構成要素のためにスクリーニングする 。 したがって上記の方法は、Bbk蛋白またはそのフラグメントをコード化できる 遺伝子配列を同定することが可能である。それらの遺伝子配列をさらに特性化す るために、そして組み換え蛋白を製造するためには、これらの配列がコード化す る蛋白を発現することが望ましい。そのような発現は、Bbk蛋白の特性をもつ蛋 白を発現するこれらのクローンを同定する。そのような特性は、抗体をBbk蛋白 に特異 的に結合させる能力、およびBbk蛋白に結合可能な抗体の生産を引き出す能力を 包含できる。 Bbk蛋白もしくは機能的均等物またはそれらの突然変異体の発現には、適当な 宿主により認識できる転写または翻訳シグナルが必要である。たとえば上記の方 法で得られた配列をコード化したクローン化Bbk、好ましくは二本鎖の形のもの は、発現ベクター中の転写発現を制御する配列に機能的に結合し、そして原核生 物または真核生物の宿主細胞の中へ導入されて組み換えBbk蛋白またはその機能 的均等物を生成する。配列をコード化するBbkの何れの鎖(ストランド)が転写 発現を制御する配列と機能的に結合するかによって、BbkアンチセンスRNAまたは その機能的均等物を発現することも可能である。 異なる宿主におけるBbkの発現は、そのBbkの性質を変化させ得るところの異な る翻訳後の修飾をもたらす。本発明は、原核生物または真核生物におけるBbk蛋 白もしくはその機能的均等物またはBbk突然変異体の発現を含むものであり、特 に真核生物発現が好ましい。 好ましい原核生物宿主は、E.coli,Bacillus,Streptomyces,Pseudomonas, Salmonella,Serratiaなどの細菌を含む。もっとも好ましい原核生物宿主はE.c oliである。その他の腸内細菌たとえばSalmonella typhimuriumやSerratia marc escensおよび種々のPseudomonas種もまた用いることができる。そのような条件 下では、蛋白はグリコシル化されないであろう。原核生物宿主は、レプリコンと 両立が可能であり、かつ発現プラスミド内の配列の制御が可能でなければならな い。 原核生物細胞(たとえばE.coli,B.subtilis,Pseudomonas,Streptomyces など)の中でBbk蛋白(もしくはその機能的均等物)またはBbk突然変異体を発現 するためには、Bbkコード化配列を機能的原核生物プロモーターに機能的に連結 することが必要である。そのようなプロモーターは、構成的であるかまたは更に 好ましくは調節可能(すなわち誘導可能または抑制可能)である。構成的プロモ ーターの例としては、バクテリオファージラムダのintプロモーター、pBR322の β‐ラクタマーゼ遺伝子のblaプロモーター、およびpBR325のクロラムフェニコ ールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモーターなどがあげられる。 誘導的原核生物プロモーターの例としては、バクテリオファージラムダの主要な 右と左のプ ロモーター(PLおよびPR)、E.coliのtrp,recA,lacZ,lacIおよびgalプロモ ーター、B.subtilis(Gilman,M.Z.,et al.,Gene 32:11‐20(1984))のα‐ア ミラーゼ(Ulmanen,I.,et al.,J.Bacteriol.162:176‐182(1985))ならびに シグマ‐28‐特異的プロモーター、Bacillus(Gryczan,T.J.,The Molecular B iology of the Bacilli ,Academic Press,Inc.,N Y(1982))ならびにStreptomy cesプロモーター(Ward,J.M.,et al.,Mol.Gen.Genet.203:468‐478(1986) )があげられる。原核生物プロモーターは、Glick,B.R.,(J.Ind.Microbiol .1:277‐282(1987));Cenatiempo,Y.(Biochimie 68:505‐516(1986));およびG ottesman,S.(Ann.Rev.Genet.18:415‐442(1984))によって総説が発表され ている。 原核生物細胞における適切な発現はまた、遺伝子コード化配列のリボソーム結 合部位上流の存在が必要とされる。そのようなリボソーム結合部位は、たとえば Gold,L.,et al.,(Ann.Rev.Microbiol.35:365‐404(1981))に開示されてい る。 特に好ましい真核生物宿主は、生体内、動物内または組織培養内における哺乳 動物の細胞を含む。哺乳動物細胞培養の一般原則は公知であり、たとえばButler ,M.and Dawson,M.,Eds.,Cell Culture LabFax, Bios Scientific Publishe rs Ltd.,Oxford,UK and Academic Press,Inc.,San Diego,CA,Publishers( 1992)およびそこで引用された参照文献に記載されている。 真核生物宿主におけるBbkの発現には、そのような宿主における機能調節領域 、好ましくは真核生物調節系を用いることが要求される。真核生物宿主の性質に 応じて、広範な種類の転写および翻訳調節配列が用いられる。転写および翻訳調 節シグナルもまた、アデノウイルス、ウシパピローマウイルス、シミアンウイル ス、ヘルペスウイルスなどのような真核生物細胞に感染するウイルスのゲノム配 列から誘導することができる。好ましくはこれらの調節シグナルは、宿主細胞中 の高いレベルの発現が可能な特定の遺伝子と関連している。 転写が翻訳と連結していない真核生物においては、そのような調節領域は、ク ローニングした配列がそのようなメチオニンを含むか否かに応じて開始メチオニ ン(AUG)コドンを供給するか又はしない。一般にそのような領域は、宿主細胞 内のRNA合成の開始を行わせるに充分なプロモーター領域を含んでいる。翻訳可 能なmRNA生成物をコード化する異種の哺乳動物の遺伝子からのプロモーターが好 まし く、そしてアクチン、コラーゲン、ミオシン、などのプロモーターのような強力 なプロモーターが、もし宿主細胞内でもプロモーターとして機能するならば、特 にそれらのプロモーターが用いられる。好ましい真核生物プロモーターはたとえ ば次のようである。すなわちマウスのメタロチオネインI遺伝子のプロモーター( Hamer,et al.,J.Mol.Appl.Gen.1:273‐288(1982);ヘルペスウイルスのTK プロモーター(McKnight,S.,Cell 31:355‐365(1982));SV40初期プロモーター( Benoist,et al.,Nature(London)290:304‐310(1981);およびHCMVプロモータ ー(Boshart,et al.,Cell 41:521(1985));イーストにおけるイーストgal4遺伝 子プロモーター(Johnston,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6971‐697 5(1982));Silver,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5951‐5955(1984) または解糖遺伝子プロモーターが用い得る。 広く知られているように真核生物mRNAの翻訳は、最初のメチオニンをコード化 するコドンで開始される。この理由により、Bbk蛋白またはその機能的均等物を コード化するDNA配列と真核生物プロモーターの間の連結は、メチオニンをコー ド化することができる介在コドンを全く含んでいないことが確実であることが好 ましい。そのようなコドンの存在は、もしAUGコドンが、DNA配列をコード化する Bbkと同じリーディングフレーム内にあるならば融合蛋白の、そしてもしAUGコド ンが配列をコード化するBbkと同じリーディングフレーム内にないならばフレー ムシフト突然変異の生成をもたらす。 もし所望ならば、Bbkの融合生産物を構成することができる。たとえばBbkまた はそのフラグメントをコード化する配列は、特定の宿主の中からの蛋白の分泌ま たは蛋白の画分化をおこさせるシグナル配列と連結することができる。そのよう なシグナル配列は、該シグナル配列がその次の削除を受け入れるように、特定の プロテアーゼ部位と共にまたはそれなしにデザインすることができる。 転写開始調節シグナルは、抑制化または活性化を行わせるように選択可能であ り、したがって機能的に連結した遺伝子の発現を調整することができる。温度に 敏感な、すなわち温度の変化により発現が抑制もしくは開始されるような、また は代謝物質のような化学的調整が行われるような調節シグナルは興味あるもので ある。さらに、Bbkm RNAおよびアンチセンスRNAが転写可能な形で、ただし異な る プロモーターまたはその他の転写調節要素と共につぎのように、すなわちBbk mR NA発現の誘導がアンチセンスRNA発現の抑制を伴い及び/又はBbk mRNA発現の抑制 がアンチセンスRNA発現の誘導を伴うようにして、行われる構築もまた興味ある ものである。 BbkアンチセンスRNA配列の発現が望ましいときは、翻訳シグナルは必要でない 。 もし所望ならば、Bbk蛋白をコード化する配列への非転写及び/又は非翻訳3'領 域は、上記のクローニング方法によって得ることができる。この3'‐非転写領域 は、その転写末端調節配列要素のために保持することができ;この3'‐非翻訳領 域は、その翻訳末端調節配列のために又は真核生物細胞でのポリアデニル化を行 うこれらの要素のために保持することができる。自然の発現調節シグナルが宿主 細胞内で充分に機能しないときは、宿主細胞内の配列機能部分は置き換えること ができる。 本発明のベクターはさらに、たとえばエンハンサー配列のような他の機能的に 連結する調節要素、または機能的連結遺伝子において組織もしくは細胞タイプの 特異的発現をおこなうDNA要素をも含む。 哺乳動物細胞の本発明のDNA構築物による形質転換のためには、Bbk DNA構築物 を宿主細胞染色体DNAの中へ挿入するのが望ましいかまたは染色体外の形で存在 させるようにするのが望ましいのかによって、多くのベクター系がある。 もし配列をコード化したbbk DNAおよび機能的に連結したプロモーターが、自 律的複製不能な直線的分子または閉鎖共有環状分子であり得るところの非複製DN A(またはRNA)分子として真核生物細胞受容体の中へ導入されたならば、そのと きはBbk蛋白の発現は導入配列の経過的な発現によって起こり得る。 遺伝子的に安定な形質転換体はベクター系または形質転換系と共に構築され、 それによってbak DNAが宿主染色体の中へ組み込まれる。そのような組み込みは 細胞内で新たにおこるか、または好ましい態様においては、たとえば染色体内へ のDNA配列の組み込みを促進するレトロウイルスベクター、トランスポゾンその 他のDNA要素と一緒に宿主染色体の中へ機能的にそれ自体を挿入するベクターと 共に形質転換によって援助をうける。哺乳類宿主細胞染色体の中へ所望の遺伝子 配列の組み込みが可能なベクターが用いられる。 導入されたDNAを染色体の中へ安定して組み込まれた細胞はまた、染色体内に 発現ベクターを含む宿主細胞の選択のできる1つまたはそれより多いマーカーの 導入によっても選択される。たとえばそのようなマーカーは生物致死剤抵抗たと えば抗生物質や銅そのほかの重金属に対する抵抗性を提供することができる。選 択可能なマーカー遺伝子は、発現されるべきDNA遺伝子配列へ直接連結するか、 または共トランスフェクションにより同じ細胞の中へ導入することができる。 他の実施態様においては、導入された配列は、受容体宿主内での自律的複製が 可能なプラスミドまたはウイルスベクターの中へ取り込まれる。この目的のため には、以下に示すように広範囲の種類のベクターの何れもが使用できる。 特定のプラスミドまたはウイルスベクターを選択するときの重要な因子は、た とえば次のようである。すなわち、ベクターを含有する受容体が、ベクターを含 まない受容体細胞を容易に認識可能かつそれから選択可能であること;特定の宿 主で必要なベクターのコピーの数;および異なる種の宿主細胞の間でベクターが 「往復運動」できることが望ましいか否か。 好ましい真核生物プラスミドはたとえば、ウシのパピローマウイルス、ワクシ ニアウイルス、SV40から導かれたものや、酵母では2‐ミクロンサークルなどを 含むプラスミドまたはそれらの誘導体などがある。そのようなプラスミドは当業 者に公知であり[Botstein,et al.,Miami Wntr.Symp.19:265‐274(1982);Br oach,J.R.,The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces:Life Cycle and Inheritance ,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY ,pp.445‐470(1981);Broach,J.R.,Cell 28:203‐204(1982):Bollon et al .,J.Clin.Hematol.Oncol.10:39‐48(1980);Maniatis,T.,"Gene Expresslo n".In:Cell Biology:A Comprehensive Treatise,Vol.3,Academic Press,NY ,pp.563‐608(1980)]、商業的に入手可能である。たとえば、クローンされた 遺伝子の発現を始動するためにMSV‐LTRを用い、そしてプラスミドコピー数を増 幅させかつプラスミドの宿主細胞染色体内へ組み込ませるためにヘルパーウイル スと共トランスフェクションが可能な哺乳動物発現ベクター系が文献に記載され ている(Perkins,et al.,Mol.Cell Biol.3:1123(1983),Clontech.Palo Alt o,California)。 構築物を含んだベクターまたはDNA配列がひとたび発現のために製造されたな らば、そのDNA構築物はたとえばトランスフェクションのような種々の適当な手 段の何れかにより適当な宿主細胞の中へ導入される。ベクターの導入後は、ベク ター含有細胞の生育のために選択された選択的培地の中で受容体を生育させる。 クローン化した遺伝子配列の発現は、Bbk蛋白の生産、またはこの蛋白のフラグ メントの生産をもたらす。発現は、形質転換細胞中で連続的に行われるか、また は制御的たとえば後で形質転換細胞の分化を誘発するような発現(たとえば神経 芽細胞腫細胞などへのブロモデオキシウラシルの投与による)が行われる。 発現蛋白は、たとえば抽出、沈殿、クロマトグラフィー、アフィニティークロ マトグラフィー、電気泳動、などの通常の条件を用いて単離され精製される。 Bbkは、当業者に公知の適当な条件下で形質転換宿主細胞を生育させて精製す ることができる。その細胞を採取し崩壊させて全細胞蛋白を抽出する。ついでこ の細胞をたとえば、セファローズやアガロースのようなサイジングカラムの上に おき、正確な分子量の蛋白を採取する。Bbkの予測分子量は26.7kDであり、それ はSDSポリアクリルアミドゲルでの約37kDの分子量の延長線上にある。 抗Bbk抗体を用いることにより更に精製を行うことができる。そのような抗体 は、正確なおよその分子量の細胞蛋白のセットからBbk蛋白を免疫沈殿するのに 用いることができる。そのような抗体はたとえば、図2に示すような配列やその 配列のサブ配列にしたがって合成したポリペプチドに対して生育することができ る。その他にこの抗体は、他の蛋白の配列と同様にBbk配列を含む溶融蛋白に対 して生育することもできる。免疫沈殿後にBbk蛋白を抗体から取出して、実質的 に純粋なBbk蛋白の試料を得る。 アンチセンスRNA配列はペプチド核のmRNAを転写した鎖の反対側の鎖にみられ る配列なので、本発明のbbk DNAコード化配列はBbkアンチセンスRNA遺伝子配列 を得るのに用いることができる。アンチセンスDNA鎖はまた発現ベクター内のプ ロモーターと機能的に連結でき、それによりこのベクターとの形質転換は形質転 換細胞の中のBbkアンチセンスRNAの発現ができる宿主を生じる。アンチセンスRN Aとその発現は、高度に特異的なやりかたでbbk遺伝子の転写または翻訳を阻害ま たは抑制するような方法で内在性bbk DNAまたはRNAと相互作用させるのに用いる ことがで きる。遺伝子発現をブロックするためにアンチセンスRNAプローブを用いること はたとえばLichtenstein,C.,Nature 333:801‐802(1988)に記載されている。 Bbk BH3領域を含むBbkフラグメント組成物の同定、評価及び用途 Bbkの公知の生物学的活性のために必要にして充分と考えられるBbk分子内の新 規な領域が同定されている。ここに「Bbk BH3領域」として表示されるこの領域 は細胞致死機能を仲介するのに充分であり、またBakとの物理的相互作用のため にも充分であろう。Bbk BH3領域配列の突然変異は、Rat1線維芽細胞内のBbk蛋白 のアポトーシス活性を減少させることが示されている。これらの実験は、Bbk BH 3領域はBbk蛋白の細胞致死およびBbk結合活性のために必要であることを示して いる。これらの観察は、Bbk BH3領域を含むメカニズムによりアポトーシスを調 整または調節することを示唆している。本発明に通暁しているものならば分かる ように、Bbk BH3領域を含む配列は細胞内でのアポトーシスの調整に有用である 。同様に、Bbk BH3領域と結合可能な化合物や組成物は、細胞内のアポトーシス 活性の調整用の薬剤として有用である。 ここで用いられているように、「Bbk BH3領域」とは、BbkとBakの相互作用お よびBakの細胞致死機能に必須であることが示されBbk内で最初に同定された蛋白 領域であり、そしてその構造及び/又は機能を模倣できるペプチド及び/又は分子 である。好ましい実施態様においては、本発明はつぎのアミノ酸配列をもつペプ チドを含む。これは125‐137Bbkのアミノ酸残基およびその機能的均等物と対応している。「機 能的均等物」とは、Bbk BH3領域と実質的に類似の生物学的活性または免疫学的特 性をもつペプチドを意味するもので、そのような活性や特性をもった「フラグメ ント」、「変異体」、「類似体」、「同族体」、または「化学的誘導体」を含む ことを意図している。なおBbk BH3領域の機能的均等物は同じアミノ酸配列をも っておらず、そして通常のまたは通常でないアミノ酸の同類または非同類のアミ ノ酸配列が可能である。 ここで「同類(conservative)」のアミノ酸置換として述べたことは、類似の側鎖 をもつアミノ酸残基との相互交換性を意図するものである。たとえばグリシン、 アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンは脂肪族側鎖をもつアミノ酸を 構成し、セリンおよびスレオニンは脂肪族ヒドロキシル側鎖をもつアミノ酸を構 成し、アスパラギンおよびグルタミンはアミド含有側鎖をもつアミノ酸を構成し 、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプロファンは芳香族側鎖をもつアミノ 酸を構成し、リジン、アルギニンおよびヒスチジンは塩基性の側鎖をもつアミノ 酸を構成し、アスパラギン酸およびグルタミン酸は酸性の側鎖をもつアミノ酸を 構成し、そしてシステインおよびメチオニンは含硫側鎖をもつアミノ酸を構成す る。特定のグループのうちの1つのアミノ酸を、同じグループの他のアミノ酸と 交換することは、同類の置換とみなされる。好ましい同類置換グループは、アス パラギン‐グルタミン、アラニン‐バリン、リジン‐アルギニン、フェニルアラ ニン‐チロシン、およびバリン‐ロイシン‐イソロイシンを含む。 本発明の追加的実施態様においては、つぎのアミノ酸配列をもつペプチドが提 供される。 これらは図9に示すアラニンの点突然変異体に対応し、それらもまた顕著なBbk細 胞致死機能を示す。ここに開示したBbk BH3領域はユニークにもBbkのBak結合活 性と細胞致死作用の両方をもっている。 Bbk BH3領域の機能的重要性は、他のBcl‐2ファミリーメンバーまたはそれ以 外のまだ同定されてない細胞蛋白との1つまたはそれより多い蛋白‐蛋白相互作 用を仲介する能力に関連しているようである。本発明者は特定の理論に拘束され るものではない。しかしながらその作用メカニズムとは無関係に、Bbk内のBbk B H3領域はこれらの蛋白‐蛋白相互作用を仲介するために中心的な重要性がある。 Bbk BH3領域仲介蛋白‐蛋白相互作用を仲介する能力のある薬剤は、Bbk BH3領 域を含むペプチド、さらにはBbk BH3領域を含む蛋白またはBbk BH3領域の突然変 異体を包含するであろう。ここで用いた「突然変異体」は、天然に存在するペプチ ド やアミノ酸の配列とは少なくとも一つのアミノ酸が異なっているところのアミノ 酸配列をもつペプチドを意味する。突然変異体は、天然に存在するBbk BH3領域 ペプチドまたは天然に存在する蛋白と同様の生物学的および免疫学的活性をもつ であろう。しかしながら、突然変異体の生物学的および免疫学的活性は異なって いるかまたは欠如しているかも知れない。たとえば、Bbk BH3領域突然変異体は 、天然に存在するBbk BH3領域ペプチドに特徴的な生物学的活性を欠如している かも知れないが、しかしBbk BH3領域に対する抗体を育成するかもしくはBbk BH3 領域に対する抗体の検出や精製をするための抗原として有用であり得るし、ある いは天然に存在するBbk BH3領域ペプチドの機能のアゴニスト(拮抗的または非 拮抗的)、アンタゴニストもしくは部分的アゴニストとして有用であり得る。 Bbk BH3領域仲介の蛋白‐蛋白相互作用の調整はまた、Bbk BH3領域ペプチドの アゴニストまたはアンタゴニストによっても行われ得る。Bbk BH3領域を含む蛋 白の機能のアゴニストまたはアンタゴニストを同定するペプチドライブラリー、 化合物ライブラリー、およびその他の情報バンクのスクリーニングは、たとえば Bbk BH3領域のホモ二量化またはヘテロ二量化を結合するBbk BH3領域を阻害また は増大させる潜在的アゴニストまたはアンタゴニストの能力を検出するための検 査によって達成される。 たとえば高処理能力スクリーニングアッセイが、Bbk BH3領域の蛋白結合機能 を調節する化合物を同定するために用いることができる。そのようなスクリーニ ングアッセイは、Bbk BH3領域で仲介される蛋白/蛋白相互作用に影響を与えるこ とによるアポトーシスを加速しまたは阻害する化合物の同定を促進する。たとえ ば、Bbk BH3領域とBakの相互作用を阻害する化合物の試験管内スクリーニングは 、試験をおこなう1つ以上の化合物の存在下に標識Bbk BH3領域ペプチドプロー ブで培養を行ったBakで被覆したマルチウエルプレートを含む。相互作用を特異 的に中断させる分子は原則として、Bbk BH3領域の「リガンド」またはBak内の「レ セプター」と結合できる。どちらの種類の化合物も、アポトーシス調節剤の候補 となるであろう。 すなわち本発明は、マルチプレートウエルをBakで被覆し、その被覆したマル チプレートウエルを、検査すべき薬剤の存在下に標識Bbk BH3領域ペプチドプロ ーブ で培養することから成るところのアポトーシスの調整可能な薬剤のスクリーニン グ方法を提供するものである。ここでBakとBbk BH3領域の相互作用の中断は、そ の薬剤がアポトーシスを調整可能であることを示す。この方法で同定された薬剤 もまた本発明が意図する実施態様である。 適当な標識は、たとえば酵素、放射性同位元素、蛍光化合物、化学発光化合物 、生物発光化合物のような検出可能標識を含む。当業者はこれ以外の適当な標識 を知っているであろうし、また通常の実験を用いてそれらを確かめることが可能 であろう。さらにまた、これらの標識をペプチドへ結合することは当業者にとっ て標準的な技術を用いて行う。 Bbk BH3領域へ直接結合する薬剤の高速スクリーニングは、固定化したまたは 「タグをつけた」組み合わせライブラリーを用いることができる。そのようなラ イブラリーと特異的に結合する薬剤は、Bbk/Bak相互作用をブロックする能力を テストするための候補である。上述のように、そのような薬剤は、Bbk(及び/又 はBbk/Bak)機能を直接阻害することにより、または内在性のBcl‐2(またはそ の他のBcl‐2ファミリーメンバー)の効果的活性を増大することによりアポトー シスの抑制剤として機能するであろう。そのような薬剤は、「退行性の疾患」(d egenerative disorder)やその後の虚血性傷害における異常なアポトーシスの抑 制に有用であろう。 本発明のBbk BH3領域ペプチドに対する抗体は、蛋白のBbk BH3領域ファミリー のメンバーであり得る構造的に関連する免疫交差反応性蛋白をコード化したcDNA 含有クローンを同定するためのcDNA発現ライブラリーをスクリーニングするため に用いることができる。cDNAおよびmRNA発現ライブラリーのスクリーニングは当 業界で公知である。同様に、Bbk BH3領域ペプチドに対する抗体は、この領域に 関連する免疫交差反応性蛋白を同定もしくは精製するために、または患者から得 られたたとえばリンパ球のような組織もしくは細胞中の細胞群もしくは細胞内に Bbk BH3領域を含む蛋白の量を検出もしくは決定するために用いられる。そのよ うな測定方法のための公知の方法としては、細胞抽出物を免疫沈殿させついで免 疫組織化学的方法でPAGE in situ検出を行うことやELISA方法が含まれ、これら の全ては当業界で公知である。 本発明によるアポトーシスの調整は、ここで開示するBbk BH3領域を含む蛋白 をコード化したヌタレオチド配列の全部もしくは一部に相補的な特定のアンチセ ンスポリヌクレオチドを用いる方法を含む。そのような相補的アンチセンスポリ ヌクレオチドは、標的配列への特定のハイブリダイゼーションの持続を提供する ヌクレオチド付加、削除、置換および転位を含む。Bbk BH3領域を含む蛋白をコ ード化したmRNA種に特異的にハイブリッド化可能な、そしてmRNA種の転写及び/ 又はコード化されたポリペプチドの翻訳を防ぐような可溶性のアンチセンスRNA またはDNAオリゴヌクレオチドは、本発明の相補的アンチセンスポリヌクレオチ ドとして期待される。Bbk BH3領域を含む蛋白の製造は、本発明によるアンチセ ンスポリヌクレオチドによって阻害され、そしてそのようなアンチセンスポリヌ クレオチドはアポトーシス、老化などを阻害しそして/又は形質転換表現型の細 胞を逆転させることができる。外因性の発現カセットは、トランスフェクション 化物またはトランスジェニック細胞のアンチセンスポリヌクレオチドを製造する のに用いることができる。アンチセンスポリヌクレオチドはまた、試験管内での 細胞の培養培地または生体内での腸液(たとえば循環器系を経由して)のような 標的細胞の外部環境への可溶性オリゴヌクレオチドとして投与することができる 。アンチセンスポリヌクレオチドとその用途は当業者に公知であり、たとえばMe lton,D.A.,Ed.Antisense RNA and DNA,Cold Spring Harbor Laboratory Pr ess,Cold Spring Harbor,New York(1988)に記載されている。 本発明によって同定された薬剤の予測される生物学的活性は、Bbk/Bak機能の メカニズムに関して行われた仮定に応じて変化する。たとえば、Bbk BH3領域と 強固に結合する薬剤は、Bbk(および多分Bbk/Bak)機能を阻害するものと予測さ れる。Bbk(及び/又はBbk/Bak)が活性細胞死滅の調節分子であると仮定すれば 、Bbk BH3領域と強固に結合する薬剤はBbk機能を阻害するであろう。したがって そのような薬剤は、Bbkが実際のアポトーシス効果をもつような条件下では抗ア ポトーシス活性を示すであろう。このグループの薬剤は、たとえば虚血からおこ る神経変性疾患や傷害を含めた過剰のもしくは不適切な細胞死滅で特徴づけられ る疾患の治療に有用であろう。 Bbk BH3領域ペプチドの疑似ペプチド(Peptidomimetics)もまた本発明により 提供され、Bbk BH3領域を含む蛋白の機能をブロックし、またはBbk BH3領域仲介 の相互作用を阻害することによるアポトーシスの調整のための薬物として機能す ることができる。薬化学において疑似ペプチドとは、模倣されたペプチドと同様 の性質をもつ非ペプチド薬物として一般に理解されている。疑似ペプチドデザイ ンの原則と実際は当業界で公知であり、たとえばFauchere,J.,Adv.Drug Res .15:29(1986);およびEvans,et al.,J.Med.Chem.30:1229(1987)に記載され ている。治療的に有用なペプチドと構造的に類似する疑似ペプチドは、同等の治 療的または予防的効果を生じるものとして使用することができる。そのような疑 似ペプチドは典型的には、生体内での化学的な故障に対する抵抗性のような望ま しい性質に変換可能な結合で任意に置き換えられた1つ以上のペプチド結合をも っている。そのような結合としては‐CH2NH‐,‐CH2S‐,‐CH2CH2,‐CH=CH‐ ,‐COCH2,‐CH(OH)CH2および‐CH2SO‐のようなものが含まれる。疑似ペプチ ドは優れた薬理学的性質(生物学的半減期、吸収率など)、異なる特異性、高い 安定性、生産経済性、少ない抗原性などをもっており、これらは治療剤としての それらの用途をとくに望ましいものとする。 Bbk BH3領域単独を含むかまたは公知の方法によるアジュバントとの結合状態 のペプチドにより動物の免疫すると、Bbk BH3領域ペプチドに特異的な抗体を生 産することができる。通常の製法で得られた抗血清は、この目的のために利用で きる。たとえばウサギのような哺乳動物は、Bbk BH3領域を含むペプチドで免疫 することができ、その結果それに対するポリクローナル抗体の形成を誘発する。 モノクローナル抗体もまた公知の方法を用いて生成することができる。そのよう な抗体は、本発明によってBbk BH3領域を含むペプチドの存在と量を調べるため に用いることができる。 本発明のBbk BH3領域ペプチドは、放射線免疫検定法および酵素免疫検定法を 含む標準的なアッセイによりBbkやその他の蛋白の検出に用いることができる。 Bbk BH3領域を含むペプチドの精密な化学構造が、多くの因子に応じて変化す ることは当業者により認められている。たとえば、特定の蛋白はその分子内にイ オン化可能なカルボキシル基およびアミノ基があるので、酸性もしくは塩基性の 塩または中性の状態で得ることができる。そこで本発明の目的のためには、天然 に 存在するペプチドの治療的および診断的活性を保持するところのBbk BH3領域を 含むペプチドは如何なるタイプのものでも本発明の範囲内にあるものと意図され ている。 ここで使った「実質的に相同(substantially homologous)」という用語は、た とえば約65℃の温度で約0.1倍のクエン酸ナトリウム‐塩化ナトリウム緩衝液(S SC)という厳しい条件下で、Bbkをコード化した第一のDNA配列を、前者をコード 化した第二のDNA配列にハイブリダイズする能力を意味するものである。「実質的 に純粋」という用語は、用いる蛋白や分子が如何なる他の検出可能な生物学的構 成成分も本質的に含有してないことを意味している。Bbkのような分子の「フラグ メント」とは、Bbk蛋白の生物学的活性をもつ分子の如何なる変種をも表わすこと を意味するものである。分子の「変種(variant)」とは、構造が実質的に類似し ているかまたは分子全体もしくはそのフラグメントに対する生物学的活性もしく は免疫学的特性が実質的に類似している分子を表わすことを意味している。すな わち、もし二つの分子が類似の活性をもっているときは、たとえそれら分子の組 成または二級、三級もしくは四級構造が他で見られるものと同一でなくても、さ らにたとえアミノ酸残基の配列が同一でなくても、それらの分子は本明細書で該 用語を使っているように変種であるとする。分子の「類似体(analog)」とは、分 子全体かまたはそのフラグメントが機能において実質的に類似している分子を表 わすことを意味するものである。ここで用いているように、ある分子がもし通常 はその分子の一部分でない追加的な化学的部分(chemical moieties)を含んでい るときは別の分子の「化学的誘導体」と呼ばれる。そのような部分は、分子の溶 解性、吸収性、生物学的半減期、などを改善することがある。これらの部分はま た分子の毒性を軽減したり、分子の望ましからぬ副作用を低減もしくは弱化した りすることがある。そのような効果を仲介する部分はたとえばRemington's Phar maceutical Sciences(1980)に記載されている。そのような部分を分子に結合さ せる方法は当業界において公知である。「調整する(modulate)」という用語は、本 発明の目的のための以下のようなことを意図するものである。すなわち、本発明 のBbk蛋白やその活性フラグメントやその機能的均等物の投与によるアポトーシ スの誘発及び/又は、不適当な細胞増殖もしくは不適当な細胞死を安定化するた め、好ましく は正常な細胞の性質を保持するために、たとえばT細胞の死滅をもたらすAIDSを 含めた不適当な細胞死で特徴づけられるところの不適当な細胞成長たとえばリン パ腫、遺伝子型腫瘍、ガンもしくは不全を招来するいろんな退行性の疾患に罹患 している個体の特定の細胞に対するBbkハイブリッドもしくはBbk突然変異体の投 与または上述のいずれかをコード化したcDNA含有のベクターの投与によるアポト ーシスの抑制もしくは誘発を意図するものである。 「投与」という用語は、治療薬剤が細胞膜を通って所望の細胞の中へ到達する ような投与形態の何れをも表わすものとする。投与部位と細胞は、治療すべき特 定の退行性の疾患の理解に基づいて当業者に公知のものの中から選択される。ま た投与量、投与頻度および治療コースの長さは、治療すべき特定の退行性の疾患 に基づいて当業者によって決定され最適化することができる。投与の特定の態様 もまた当業者により容易に選択することができ、治療剤が細胞膜を経由するとい う必要性によりたとえば経口、静脈内、皮下、筋肉内、などが含まれる。本発明 の治療剤は、Bbk蛋白及び/又はその機能的均等物及び/又はBbkハイブリッドまた はBbk突然変異体及び/又は上述のものをコード化したcDNA含有ベクターであるこ とができる。「治療剤」という用語は、これらのBbk蛋白、フラグメント機能的 均等物及び/又はそれらのハイブリッドや突然変異体さらには上述のものの何れ かをコード化するcDNA含有ベクターを表わすものとする。本発明の治療剤は単 独で、またはその他の適当な薬物及び/又は治療コースと配合して及び/又は同時 に投与することができる。「退行性の疾患」という用語は、不適当な細胞増殖ま たは不適当な細胞死または場合によりその両方によって特徴づけられるあらゆる 疾患を、本発明の目的のために意味する。「不適当な細胞増殖」という用語は、正 常の集団における特定細胞型の増殖とくらべて、細胞の数が統計的に顕著に増大 することを意味している。細胞が、たとえば急性の肺障害後の肺組織の線維芽細 胞の存在のように不適当な場所に存在及び/又は持続するような不全もまたここ に含まれる。たとえばそのような細胞は、滲入と転位という性質をもち高度に逆 生性(anaplastic)であるガン細胞をも含むものである。そのような細胞はたとえ ば腫瘍細胞のようなガン細胞を含むが、但しそれらに限定されるものではない。「 不適当な細胞死」という用語は、正常の集団における特定細胞型の存在とくらべ て、細胞の数が 統計的に顕著に減少することを意味している。そのような不十分な表現は、たと えば不適当なT細胞の死をもたらすAIDS(HIV)や、不適当な細胞死で特徴づけられ る自己免疫疾患を含めた特定の退行性の疾患に起因するようである。「自己免疫 疾患」という用語は、自己抗原に対する免疫応答に起因する疾患を表わすものと する。そのような疾患は、自己抗原を含有する組織内の免疫複合体や免疫的に有 効な細胞でひきおこされる炎症障害と結合した自己抗原に対する細胞仲介免疫や 循環性自己抗体の存在により特徴づけられる。そのような疾患は、全身製エリテ マトーデス(SLE)や関節リュウマチを含むものである。 「抑制」という用語は、不適当な細胞死で特徴づけられる退行性の疾患に罹患し ている個体におけるアポトーシスを抑制するために効果的なBbkハイブリッドま たはそのBbk突然変異体を含有する治療剤の一定量の投与で得られる結果を、本 発明の目的のために意味するものとする。アポトーシスの抑制は、特定の影響を 受けた細胞のタイプの数が安定しているかまたは正常の細胞集団で観察される範 囲内の水準まで数が増大するときに得られる。「安定」という用語は、統計的に顕 著な細胞数の減少が、治療コースの開始時に観察された細胞数とくらべて治療中 の個体においてはもはや観察されないといった状態を表わす。「誘発」という用語 は、本発明の目的のために、不適当な細胞増殖で特徴づけられる退行性の疾患に 罹患している個体の細胞内でアポトーシスを誘発するのに効果的な本発明のBbk を含有する治療剤の一定量の投与で選られる結果を意味するものである。アポト ーシスの誘発は、細胞数が安定しているかまたは正常な細胞集団で観察される範 囲内の水準まで細胞数が減少するときに得られる。当業者は、アポトーシスの誘 発が得られているか否かを容易に決定することができる。 「Bbkハイブリッド」という用語は、本発明の目的のために、本発明のBbk蛋白、 そのフラグメント、及び/又はその機能的均等物または突然変異体と、Bbk単独の 活性とくらべて高いか、低いかまたは中間のアポトーシス誘発または抑制活性を もつ蛋白を製造するため、たとえばBcl‐2、Bax、c‐myc、LMW5‐HL、Bbk、Bcl ‐XL、Bcl‐XS、BHRF‐1、Mcl‐1、A1およびced9、それらのフラグメント及び/ 又はそれらの機能的均等物を含む遺伝子でコード化した他のアポトーシス関連蛋 白とのハイブリッド蛋白である蛋白を意味するものである。そのようなハイブリ ッドはたと えば、bbk cDNAのコード化領域の前半とcDNAのコード化領域の後半をbcl‐2、ba x、bcl‐xL、bcl‐xSまたはそれらの逆と融合することによって製造することが できる。さらには、bcl‐2、bax、bcl‐xL、またはbcl‐xSのセグメントをbbk c DNAへ付加しまたは置き換えることによって、治療価値のあるキメラ遺伝子産物 を製造することができる。当業者は、公知の方法を使ってこれらのハイブリッド を容易に製造しかつ用いることができる。当業者は、公知のスクリーニング方法 や本明細書に記載の方法を使って、特定のハイブリッドが増大、減少もしくは中 間のアポトーシス誘発を示すかまたは抑制活性を示すかを容易に決定することが できる。本発明の目的のために、「正常な細胞の性質」という用語は、アポトーシ スが正常に進行しているような細胞を意味している。正常な細胞の性質は、器官 機能を阻害したり腫瘍に発展し得るような老化、損傷または異常細胞を除去する ことができる生体において観察される。正常に進行するアポトーシスは、直ちに は致死的でない侵害刺激に対する共同細胞応答を表わす。 本発明の目的のために、「患者」または「個体」という用語は、退行性の疾患に 罹患しているところのヒトや哺乳動物を含めた動物を意味する。本発明の目的の ために、「Bbk突然変異体」という用語は、一つ以上のアミノ酸または対応するヌ クレオチドの置換による本発明のBbk蛋白の逆(アポトーシス抑制)活性をもつB bkの変異体をあらわす。本発明の目的のために、「アポトーシス関連蛋白」という 用語は、たとえば腫瘍細胞および確立されたヒトの細胞系を含むヒトの組織なら びに哺乳動物を含むその他の動物からの特にアポトーシス誘発を示すところの天 然に存在するもの並びに単離された組換え生産による蛋白(すなわち合成Bbk) の両方を表わす。この用語は、本明細書に開示されるポリペプチドの生物学的ま たは免疫学的特性を保持した、天然または合成のBbkの部分的フラグメントのよ うな天然に存在するアミノ酸数より少ない数をもつフラグメントを含む単離され た天然のBbkの類似体、同族体、突然変異体または誘導体の如何なるものをも包 含する。この用語はまた、本発明のBbk蛋白の生物学的および免疫学的特性を保 持している1つ以上のフランキングアミノ酸と共に、単離された天然存在Bbk蛋 白またはその類似体もしくは同族体の配列を含んでいる如何なるペプチドをも包 含するものである。 Bbkやその機能的均等物、フラグメント、ハイブリッド、または突然変異体に対 して生育された抗体の構築と同定 以下の記載において、免疫学での当業者のよく知られている種々の方法論につ いて参照が行われる。免疫学の一般原則を述べた標準的な参考文献は、たとえば 次のようなものである。Catty,D.,Antibodies ,A Practical Approach,Vol. 1,IRL Press,Washington,DC(1988);Klein,J.,Immunology:The Science of Cell ‐Noncell Discrimination ,John Wiley & Sons,New York(1982);Kennett ,et al.,Monoclonal Antibodies ,Hybridoma:A New Dimension in Biological Analyses ,Plenum Press,New York(1980);Campbell,A.,“Monoclonal Antib ody Technology”In:Burdon,R.,et al.,Eds.,Laboratory Techniques in Bi ochemistry and Molecular Biology ,Vol.13,Elsevier,Amsterdam(1984);お よびEisen,H.N.,In:Davis,B.D.,et al.,Microbiology,3d ed.,Harper & Row,Philadelphia(1980)。 抗体は、もしそれが分子と特異的に反応可能であってそこで分子と抗体が結合 するならば、分子と「結合可能」であるといわれる。「エピトープ」という用語は 、抗体により認識され結合されることのできるハプテンの該部分を表わすと定義 される。抗原は1つまたはそれ以上のエピトープをもつことができる。「抗原」 は、その抗原のエピトープと結合可能な抗体を生産するために動物に誘発するこ とができる。上に示した特定の反応とは、抗原は、他の抗原によって喚起される かもしれない多くの他の抗体とではなく、対応する抗体と高度に選択的な状態で 反応することを示すことを意味するものである。 ここで使った「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab)という用語は、 抗原と結合可能な完全な分子やそのフラグメント(たとえばFabやF(ab)2フラグ メント)を含むものを意味する。FabおよびF(ab)2フラグメントは、完全な抗体 のFcフラグメントを欠如しており、循環から一段と迅速にクリアされ、そして完 全な抗体の非特異的組織結合が少ない(Wahl,et al.,J.Nucl.Med.24:16‐3 25(1983))。 本発明の抗体は、Bbkペプチド上に存在する1つ以上のエピトープまたはこのBb k上のイディオタイプに対する特異性をもっている。本発明の抗体は、もし免疫 原として本発明のBbkポリペプチドまたはそのフラグメントと共に作製されるの ならばポリクローナルまたはモノクローナルであってよい。これらの両方のタイ プの抗体は、ここに記載の用途に利用することができる。 本発明の抗体は、ヒトの組織標本中のこのBbk蛋白の存在の検出にもちいるこ とができる。このBbk蛋白は、標本をこの検出可能的に標識した適当な抗体の画 像化有効量と接触させそして標識を検出することにより標本内のBbk蛋白の存在 を確認することで検出することができる。検出は生体内での画像化(imaging)に より行うことができる。このBbk蛋白はまた、本発明にしたがった適当な抗体を 用いることによりたとえばRIAやELISAなどの公知の免疫アッセイ技術によって検 出することもできる。 本発明の抗体は、種々の公知方法のいずれかによって製造される。たとえばBb k蛋白を発現する細胞は、Bbk蛋白と結合可能なポリクローナル抗体を含有する血 清の生産を誘発するために動物に投与することができる。たとえばBbk蛋白やそ のフラグメントは、化学的に合成しHPLCで精製して、不純物を実質的に含まない ようにする。ついでその製品は、高度の特異的活性のポリクローナル抗血清を製 造するために動物に導入される。 ポリクローナル抗体は、たとえばマウス、ウサギもしくはヤギのような適当な 動物のいずれかの中で生成させることができる。Bbk免疫原的ペプチドまたはそ のフラグメントは、それ自体を、またはKeyholeのリンペットヘモシアニン(KLH )のような適当な免疫活性担体と連結させたものを注射することができる。つぎ を参照のこと。Catty,D.,Ed.,Antibodies ,A Practical Handbook,Vols.I and II,IRL Press,Washington,DC(1988)。 モノクローナル抗体は、当業者がよく理解している技術を使用し種々の方法で 製造することができる。たとえばモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を もちいて製造することができる。Kohler,et al.,Nature 256:495(1975);Kohle r,et al.,Eur.J.Immunol.6:511(1976);Kohler,et al.,Eur.J.Immunol .6:292(1976);Hammerling,et al.,In:Monoclonal Antibodies and T ‐Cell Hybridomas ,Elsevier,N.Y.,pp.563‐681(1981);Roger,H.Kennett,et al. ,Eds.,Monoclonal Antibodies −Hybridomas:A New Dimension in Biological Analysis ,Plenum Press,(1980)。一般にこのような方法は、動物をBbk蛋白ま たはそのフラグメントで免疫化することを含むものである。そのような動物の脾 臓細胞を抽出し、そして適当な骨髄腫細胞系と融合させる。いかなる適当な骨髄 腫細胞系も本発明において用いることができる。融合の後は、得られたハイブリ ドーマ細胞はHAT培地で選択的に保持し、ついでWands,et al.,Gastroenterol .80:225‐232(1981)に記載のようにして限定希釈によってクローン化する。つ ぎにそのような選択で得られたハイブリドーマ細胞を、Bbk蛋白と結合可能な抗 体を分泌するクローンを同定するためにアッセイを行う。 上述の方法を用いることにより、このBbk蛋白のエピトープを認識する抗体を 製造することが可能な追加の細胞系を得ることができる。 たとえば、このBbk蛋白を検出可能なモノクローナル抗体を生産する追加的の ハイブリドーマが容易に製造できそして最小のスクリーニングで単離できる。こ のBbk蛋白上で見られるエピトープに特異的なモノクローナル抗体を生産するハ イブリドーマは、まずたとえばBalb/cマウスのようなハイブリドーマ生産可能動 物をフロインドのアジュバントで最初の皮下注射により免疫化し、ついで数日の 間にブースター注射をおこなうことによって最も効果的に製造される。融合は当 業者に公知の技術のいずれかを用いて行うことができる。このペプチドに特異的 なモノクローナル抗体を製造するのはどちらのハイブリドーマであるかを決める ためのスクリーニングは、単純明解でありかつ標準的なELISAまたはRIA形式で行 うことができる。たとえばRIAスクリーニング形式においては、モノクローナル 抗体を製造するハイブリドーマからの腹水液または培養上澄み液を125Iと反応さ せる。ここで述べたものと同様な特異性のmAbsを分泌する他のハイブリドーマの 単離は、抗イディオタイプスクリーニングの技術により行われる。Potocmjak,e t al.,Science 215:1637(1982)。簡単に言えば、抗イディオタイプ(anti‐Id )抗体とは、抗体の抗原結合部位と一般的に関連したユニークな決定因子を認識 する抗体である。Id抗体は、mAbの原料として同一の種と遺伝子タイプ(すなわ ちマウス株)の動物を、抗Idが製造されたBbk蛋白またはそのフラグメントに対 して生育させたm Abで免疫化することで製造できる。免疫化された動物は、これらのイディオタイ プ決定因子(抗Id抗体)への抗体を製造することにより免疫化抗体のイディオタ イプ決定因子を認識しそれに応答するであろう。 このmAbでのイディオタイプ決定因子に特異的な抗Id抗体を用いることにより 、そのイディオタイプを所有する他のB細胞やハイブリドーマクローンを同定す ることが可能である。2つのクローンの抗体生産物間のイディオタイプの同等性 は、2つのクローンの抗体生産物が同様の抗原エピトープを認識するので、高い 可能性がある。 抗Id抗体はまた、他の動物においても免疫応答を誘発する「免疫原」として用 いることができ、いわゆる抗‐抗Id抗体を生産する。この抗‐抗Idは、抗Idを誘 発するもとのmAbとエピトープ的に同等である。 すなわちmAbのイディオタイプ的決定因子への抗体を用いることによって、同 等の特異性のある抗体を発現するその他のクローンを同定することができる。 したがってこのBbk蛋白に対して生産されるmAbsは、たとえばBALB/cマウスの ような適当な動物における抗Id抗体を誘発するのに用いられる。そのように免疫 化されたマウスからの牌臓細胞は、抗Id mAbsを分泌する抗Idハイブリドーマを 製造するのに用いられる。さらに抗Id mAbsは、キーホールリンペットヘモシア ニン(KLH)のような担体とカップリング可能であり、別のBALB/cマウスの免疫 化に用いることができる。これらのマウスからの血清は、抗原エピトープに特異 的なもとのmAbの結合性質をもつ抗‐抗Id抗体を含有しているであろう。すなわ ち抗Id mAbsは、評価されるエピトープと構造的に類似したところの該抗Id mAbs 自身のイディオタイプのエピトープあるいは「イディオトープ」をもっている。 複製のためには、本発明のハイブリドーマ細胞を試験管内または生体内で培養 する。高力価のmABsの生体内生産による製造は、現在のところ好ましい製造法で ある。簡単に言えば、個々のハイブリドーマからの細胞を、プリスタン処理した (pristane‐primed)BALB/cマウスに腹腔内注射して、所望のmAbsを高濃度で含有 する腹水液を得る。IgMやIgGアイソタイプのMAbsは、当業者によく知られている カラムクロマトグラフィーを用いて、その腹水液または培養上澄み液から精製す ることができる。 本発明において特に興味のあるものは、ヒトから生産した抗体、またはヒトで は抗原的でないかもしくは長期間にわたって受容体の循環系血清に保持されてい るような組換えもしくはその他の技術によって「ヒト化した」(すなわちヒトに おいては非免疫原的な)ところの抗体である。 ヒト化された抗体はたとえば、抗体の免疫原的部分を、対応はしているが但し 非免疫原的の部分(すなわちキメラ抗体)で置き換えることによって製造するこ とができる[Robinson,et al.,International Patent Publication PCT/US86/0 2269;Akira,et al.,European Patent Application 184,187;Taniguchi,M.,E uropean Patent Application 171,496;Morrison,et al.,European Patent App lication 173,494;Neuberger,et al.,PCT Application WO86/01533;Cabilly, et al.,European Patent Application 125,023;Better,et al.,Science 240: 1041‐1043(1988);Liu,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 84:3439‐3443( 1987);Liu,et al.,J.Immunol.139:3521‐3526(1987);Sun,et al.,Proc.N atl.Acad.Sci.,USA 84:214‐218(1987);Nishimura,et al.,Canc.Res.47: 999‐1005(1987);Wood,et al.,Nature 314:446‐449(1985);Shaw,et al.,J .Natl.Cancer Inst.80:1553‐1559(1988)]。「ヒト化」されたキメラ抗体につ いての一般的な総説はMorrison,S.L.(Science 229:1202‐1207(1985)およびOi ,et al.,BioTechniques 4:214(1986)に記載がある。 適当な「ヒト化」された抗体はまた次の文献の記載により製造することができ る。Jones,et al.,Nature 321:552‐525(1986);Verhoeyan,et al.,Science 234:1534(1988);およびBeidler,et al.,J.Immunol.141:4053‐4060(1988)。 本発明のBbk蛋白、そのフラグメント、そのハイブリッド、Bbk突然変異体また はそれらの抗体は、ヒトの組織標本におけるBbk蛋白の検出のためのイムノアッ セイにおいて用いることができる。たとえば、本発明のBbkに対する抗体は、ヒ トの組織標本におけるBbk蛋白の検出のために使用できる。このイムノアッセイ は競合的でもサンドイッチ的でもよくまたは公知のものでもよく、それらのすべ ては抗体‐抗原免疫複合体の形成に依存している。これらのアッセイは当業者に よく知られている。 アッセイの目的のために、抗体や抗原を免疫化したり標識化したりすることが できる。固定化のために抗体/抗原を結合可能でかつ本発明で使用可能な多くの 担体がある。よく知られている担体としてはガラス、ポリスチレン、ポリプロピ レン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然および修飾セ ルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、および磁鉄鉱などがあるがこれに 限定されるものではない。本発明の目的のためには、担体の性質はある程度まで 可溶性であるかまたは不溶性であることができる。当業者は、日常の実験手段を 用いて抗体や抗原を結合させるに適当な多くの他の担体を知っているであろうし 、また確認することができるであろう。 本発明の特定の実施態様によっては、1つ以上の抗体または抗原ペプチドを、 たとえば酵素、放射性同位元素、蛍光化合物、化学発光化合物、または生物発光 化合物のような検出可能な標識とカップリングさせる。 当業者ならば、抗体もしくは抗原ペプチドと結合するための他の適当な標識を 知っているであろうし、または通常の実験手段を用いてそれらを確認することが できるであろう。さらにはこれら標識の抗体や抗原との結合は、当業者に通常知 られている標準的技術を用いて行うことができる。 抗体あるいは抗原ペプチドは酵素と結合することができる。逆にこの酵素は、 あとでその基質に露出させておくと、たとえば分光光度的または蛍光光度的手段 によって検出可能な化学的部分を生じるような方法で基質と反応する。検出可能 的に標識するために使用可能な酵素の例としては、アミレートデヒドロゲナーゼ 、スタフィロコッカルヌクレアーゼ、デルタ‐5‐ステロイドイソメラーゼ、酵 母アルコールデヒドロゲナーゼ、α‐グリセロ燐酸デヒドロゲナーゼ、トリオー ス燐酸イソメラーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコース オキシダーゼ、β−ガラクトーシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタ ラーゼ、グルコース‐6‐燐酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼ、およびア セチルコリンエステラーゼなどがある。 抗体または抗原の存在はまた、放射性同位元素で抗体や抗原を標識することに よって検出することができる。放射性同位元素の存在は、ガンマーカウンターや シンチレーションカウンターの使用といった手段によって決定することができる 。特に有用な同位元素は3H,125I,32P,35S,14C,51Cr,36Cl,57Co,59Fe,75Se、およ び152 Euである。 蛍光化合物で抗体または抗原を標識することによって抗体または抗原の存在を 検出することができる。蛍光的に標識された抗体または抗原ペプチドを適当な波 長の光に露出すると、色素の蛍光のためにその存在が検出できる。最もふつうの 蛍光標識化合物は、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエ リスリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o‐フタールアルデヒドおよ びフルオレスカミンである。 抗体または抗原が検出可能に標識できる他の方法は、化学発光化合物とカップ リングさせることである。化学発光物質でタグされた抗体または抗原ペプチドの 存在は、化学反応の経過において生じる化学発光の存在を検出することで決定さ れる。特に有用な化学発光標識化合物の例は、ルミノール、イソルミノール、芳 香族アクリジニウムエステル、イミダキソール、アクリジニウム塩、および蓚酸 エステルである。 同様に、生物発光化合物もまた、抗体または抗原ペプチドの標識に用いること ができる。生物発光は、生物学系に見られそして触媒蛋白が化学発光反応の効率 を増進させる特殊なタイプの化学発光である。生物発光結合パートナーの存在は 、発光の存在を検出することで決定される。標識の目的のために重要な生物発光 化合物はルシフェリン、ルシフェラーゼおよびアクオリンである。 本発明のアッセイに用いられる抗体または抗原ペプチドは、キットの作製のた めに理想的に組み合わされる。そのようなキットは、バイアルやチューブのよう な1つ以上の容器を密閉して受け入れる仕切りのある担体手段から成り、各々の 容器はこの方法で使用される別々の要索の1つから成っている。 たとえば、容器の一つは、不溶性かまたは部分的可溶性の担体に結合した第一 の抗体から成っている。第二の容器は、凍結乾燥の形態または溶液の第二の検出 可能的に標識した第二の抗体から成っている。容器はまた、凍結乾燥の形態また は溶液の第三の検出可能的に標識した第三の抗体から成っている。そのようなキ ットはサンドイッチアッセイで用いることができる。 さらに担体もまた、複数の容器を含んでおり、各々の容器は異なるそして所定 量のBbkペプチドを含んでいる。後者は、未知量のBbk蛋白を含む標本から得られ た結果を訂正するために用い得る標準曲線をつくるのに用いることができる。 画像化は、試験管内または生体内で行うことができる。試験管内での画像化は 、既に述べた標識で行うことができる。生体内での画像化は、診断的に有効な標 識化抗体で行うことができる。「診断的に有効」という用語は、検出可能なよう に標識した抗体の投与量が、背景のシグナルと比較してBbkの蛋白存在部位の検 出ができるのに充分であることを意味する。 一般的に、診断のために検出可能に標識した抗体または抗原の用量は、個々の 医師によって調節されるべき患者の年齢、状態、性、病気の程度状態、ときには 逆適応症(counterindication)その他の要因などを考慮することにより変動す る。用量は0.01mg/kgから2,000mg/kg、好ましくは0.1mg/kgから1,000mg/kgと変 動し得る。 「診断的に標識された」という用語は、診断的に検出可能な標識が抗体に付着 していることを意味する。 当業者に公知の、多くの異なった画像標識および標識方法がある。本発明で用 いられる標識のタイプの例としては、放射性同位元素や常磁性同位元素がある。 診断的な生体内画像化のためには、入手可能な検出器具のタイプが、与えられ た放射性核種を選択するための重要な因子である。選ばれた放射性ヌクレオチド は、与えられたタイプの器具について検出可能である崩壊のタイプをもっている ことが必要である。一般的にいって、診断画像を可視化するどんな普通の方法も 、本発明では用いることができる。 生体内診断法のための放射性核種を選択するときのもう一つの重要な因子は、 放射性ヌクレオチドの半減期が、標的によって最大限に摂取されるときでもなお 検出可能なくらいに充分長いこと、そして宿主に対する有害な放射が最小限にな るように充分短いことでる。理想的には、生体内画像化に用いる放射性核種は、 粒子の放出がなく、ただし通常のガンマーカメラで容易に検出できる140‐200ke Vの範囲という多数の光子を生じることである。 生体内診断のためには、放射性ヌクレオチドは、中間の機能基を用いて直接ま たは間接的に抗体または抗原と結合することができる。抗体または抗原に金属イ オンとして存在する放射性同位元素と結合するためにしばしば使用される中間機 能基は、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)およびエチレンジアミンテト ラ酢酸(EDTA)である。免疫グロブリンに結合可能な金属イオンの代表例は99mTc,123 I,111In,131I,97Ru,67Cu,67Ga,72As,89Zrおよび201Tlである。 本発明の方法で用いられる抗体はまた、生体内診断の目的のために常磁性同位 元素で標識することもできる。この方法のために(磁気共鳴画像[MRI]技術にお けるように)特に有用な元素は157Gd,55Mn,162Dy,52Crおよび56Feである。 投与のための画像化抗体の製剤としては、滅菌した水性または非水性溶液、懸 濁液および乳濁液などがある。非水性溶媒の例としては、プロピレングリコール 、ポリエチレングリコール、植物油たとえばオリーブ油、および注射可能な有機 のエステルたとえばオレイン酸エチルエステルがある。水性の担体の例としては 水、アルコール/水溶液、乳濁液もしくは懸濁液、たとえば食塩水や緩衝化した 媒体、非経口的なベヒクル、たとえば食塩溶液、リンゲルのデキストロース、デ キストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸塩化したリンゲルまたは固定化した油 がある。 静脈内用のベヒクルの例としては、液状で栄養的な補充液、電解質補充液たと えばリンゲルのデキストロースをベースとしたもの、その他がある。保存剤やそ の他の添加物もまた存在してもよく、たとえば抗微生物剤、抗酸化剤、キレート 化剤、不活性のガス、その他がある。一般的にはつぎを参照のこと。Remington' s Pharmaceutical Science,16th ed.,Mac Eds.1980。 もちろん発現されたBbkは細胞内蛋白である。したがって当業者は、本発明の 抗体を用いる生体内診断および治療方法は、そのような抗体が細胞の中のBbkを 検出できるなんらかのメカニズムを必要とすることを認識するであろう。そのよ うな方法の1つは、抗体またはそのフラグメントを、細胞膜を通して細胞自体の 中へ導入することである。これはたとえば、標的細胞が受容体部位を含んでいる リガンドへ抗体を付着させることにより達成できる。すなわち抗体は、リガンド と一緒に細胞膜を通ってかまたは細胞膜の中へ輸送することができる。適当なリ ガンドの例としては、レセプター結合で受容体依存性のサイトカインや成長因子 などがある。適当な成長因子の例としては、上皮成長因子(EGF)、腫瘍成長因子 アルファー(TGF‐α)、線維芽細胞成長因子(FGF)、インスリン、ならびにイン スリン様成長因子1および2(IGF‐1およびIGF‐2)がある。適当なサイトカイ ンの例とし ては、G‐CSF、GM‐CSF、エリスロポエチン、IL‐1およびIL‐2がある。栄養素 やビタミン類を細胞の中へ運ぶレセプターがあることもまた知られている。これ らの栄養素は、本発明においてリガンドとしての用途に適当であり、その例とし ては葉酸塩、ジヒドロ葉酸塩、テトラヒドロ葉酸塩およびビタミンB12がある。 担体リガンドの選択は、当業者に知られている種々の因子に依存するであろう 。その例としては、リガンドの動力学とそのレセプター、および全輸送のそれが あり、これは活性的に輸送されるリガンドに好ましいように受動的または活性的 なものが含まれる。抗体をリガンドに付着させる手段もまた一定の限度内で変化 し、そしてそのような付着はリガンドーレセプターの親和性を損なうようには変 えてはならないことを留意して、たとえば共有結合またばイオン結合であり得る 。 そのような応用のために適当なレセプターの例としては、レセプターエンドサ イトーシスに必要なすべての情報を含んでいることが知られている低密度リポ蛋 白(LDL)のレセプター(Davis,et al.,J.Cell Biol.107(613):Abstr.No.3 112(1988))そして公知の脳に特異的のレセプター、たとえばドーパミンのレセプ ターがある。この点に関して、リガンドそれ自体は、本発明の抗体が結合したレ セプターに特異的なフラグメントまたは抗体であり得ることは認められるであろ う。 さらに当業者は、リガンドーレセプター相互作用をあまり阻害せず、そして細 胞膜を通ってより容易に輸送され得る本発明の抗体フラグメント(たとえばFab またはF(ab')2フラグメント)を用いることが特に望ましいことを見出すであろ う。単一鎖の抗体は、当業者ならば認めるようにこれらおよびその他の理由によ って好ましいことが証明され得る。 抗体が上述のように細胞膜の中へまたは細胞の中へ輸送されるとき、Bbk蛋白 上の抗原部位に抗体が結合するときに標識が比較的一段と効果的になるような方 法で抗体を診断的または治療的に標識することが好ましい。これはたとえば、抗 原‐抗体複合体の生成の結果として活性または検出可能となる標識を用いること によって達成され得る。あるいは、抗体それ自体は、抗原‐抗体複合体生成が抗 体で配座の変化を誘発するような方法で標識化して、これまで未露出かまたは充 分に露出してない標識を露出するかまたはもっと充分に露出することができる。 上記の 判定基準のすべておよびその他のものは、本発明の内容を実施する上で当業者に とって認識されるであろう。 抗体を標的地帯へ特異的に到達させるために、膜の中に本発明の抗体をもつリ ポソームを用いることもまた可能である。これらのリポソームは、抗体のほかに 、標的部位で作用するもの、たとえば薬剤のような治療剤、放射性同位元素、レ クチンおよび毒素を含有するように作製することができる。 医薬組成物 治療的に有効な量の本発明のBbk蛋白やその機能的均等物、フラグメント及び/ 又はハイブリッド及び/又は突然変異体、ならびに上記の1つ以上をコード化した cDNAを含有するベクターは、不適切な細胞死または不適切な細胞増殖で特徴づけ られる退行性の疾患に罹患している患者の治療に有用である。 Bbkのハイブリッドは種々のBbkハイブリッド、たとえばBcl‐2,ced‐9,Bcl ‐XL,Bcl‐XS,Bax,Mcl‐1,c‐myc,LMW5‐HL,BHRF‐1,Bak,BikおよびA1 を含む。そのようなハイブリッドは、Bbk単独の活性と比較すると、高いか、低 いか、または中間のアポトーシス誘発または抑制活性をもっている。これらのハ イブリッドは、当業者により容易に選択され、製造され、そして利用される。す なわち、本発明による医薬組成物は、治療的に有効な量の本発明のBbk蛋白やそ の機能的均等物、フラグメント及び/又はハイブリッド及び/又は突然変異体を含 有するものであり、そして当業者に公知の医薬的に許容される担体及び/又は賦 形剤の1つ以上を任意に含有することができる。投与、用量および頻度、ならび に投与期間の長さは、当業者によって、特定の患者のために容易に最適化するこ とができる。たとえば、本発明の医薬組成物は、上述のように滅菌した水性また は非水性の懸濁液または乳濁液、たとえば静脈投与のための溶液として処方する ことができる。 治療上の応用 プログラムされた細胞死とは、細胞が健康な組織や臓器の正常な発達において 核の縮合やフラグメント化をうけるプロセスをいう。このプロセスは、新しい細 胞の成長と古い細胞の除去の間のバランスを保つために必須のもである。アポト ーシスが適切に行われない時は、細胞を早期に死滅させるかまたは予定した時期 に死から防ぐかによって、様々な疾患が発展する。 本発明のアポトーシス関連Bbk蛋白やその機能的均等物、フラグメント及び/又 はハイブリッド及び/又は突然変異体、また前記のものをコード化したcDNAを含 むベクターは、不適切な細胞死や不適当な細胞増殖で特徴づけられる退行性の疾 患の治療に有用である。特定の疾患は、あるタイプの細胞ではアポトーシスを誘 発するのに望ましく、いっぽう他のタイプのものではアポトーシスを抑制すると いったような異なるタイプの細胞を含むことができる。たとえば、本発明のBbk 突然変異体蛋白を投与することにより(または肺組織細胞にそのBbk突然変異体 蛋白の発現をおこすことにより)急性の肺傷害に罹患している患者の肺組織細胞 内のアポトーシスを抑圧し、いっぽうでは本発明のBbk蛋白の投与による(また は線維芽細胞にBbk蛋白発現を生じさせることによる)炎症応答に起因するとこ ろの肺に存在するであろう線維芽細胞内でアポトーシスを誘発することは望まし いことであろう。 本発明の治療剤は、それが細胞膜を通過せねばならぬという要件とともに上述 のようにして投与することができる。この治療剤は単独で投与することも可能で あるし、または特定の疾患の治療のために当業者に公知の他の治療剤と共にもし くはその治療の途中に投与することも可能である。たとえば本発明の治療剤は、 たとえば放射線治療、化学療法、ならびにたとえばトポイソメラーゼ阻害剤、ア ルキル化剤、抗代謝剤およびやホルモンアンタゴニストのような抗ガン剤による 治療といった古典的な治療もまた受けているガン患者にアポトーシスを誘発させ るために投与することができる。さらに本発明の治療剤はまた、遺伝子治療と併 せて投与することも可能である。たとえば本発明の治療剤は、ニュートロフィン ホルモン(neutrophic hormones)を補充するための遺伝子治療を併用して受けて いる患者であって、中枢神経系の退行性の疾患に罹患している患者に投与するこ とができる。 早期移行アポトーシス(不適切な細胞死)は、たとえばAIDS、化学療法および照 射、ならびに組織の萎縮を含めた退行性の疾患に関連する多くの障害の原因とな る。AIDSの患者においては、リンパ細胞はHIV感染の無症候期においてすら活性 化され、そしてこれらの細胞はアポトーシスによって早期に死滅する。このよう な疾患は、Bbk突然変異体蛋白の投与によて治療することができる。 上述したような特定の標的細胞または組織への本発明の種々の蛋白の投与は、 種々の公知の方法によりそして本明細書の教示にしたがってこれらの蛋白をコー ド化したヌクレオチド配列の標的細胞または組織による発現とおなじく蛋白それ 自体の投与をも含むことを意図していることは当業者は認めるであろう。 不適切な細胞増殖により特徴づけられる退行性の疾患は、ガン、自己免疫不全 、組織肥大そしてたとえば肺傷害を含めた急性の組織傷害からおこる炎症を含め ての炎症性疾患を包含するものである。これらの疾患は、本発明のBbk蛋白また はその機能性均等物の投与によって治療することができる。 ガンは、DNA内の変化が細胞の異常蓄積をおこさせたときに発生する。細胞分 裂と細胞死を比べた速度が、ガンがどれだけ早く成長するかを決定する。あるガ ン細胞は正常細胞よりもゆっくりと分裂するが、ガンは長い細胞生命期間のため になおも増大することができる。アポトーシスは遺伝子的障害のある細胞を除去 するので、悪性の変換を防ぐための効果的な方法である。欠損アポトーシスは、 分裂細胞を蓄積させることにより、そしてまた高い悪性ポテンシャルの遺伝子突 然変異体の除去を阻害することによってガンの発達を促進することができる。本 発明のBbk蛋白やその機能的均等物、フラグメントおよびハイブリッドを含めた 本発明の治療剤、ならびに1つ以上の前述のものをコード化したcDNAを含むベク ターは、アポトーシスを誘発させるために患者に投与することができる。 多くのタイプのガン、すなわちガン腫、肉腫および白血病/リンパ腫、たとえ ば胸部、大脳、頭部、頚部などを含めた臓器のガン腫瘍、扁平上皮ガン腫、アデ ノガン腫のようなガン腫;軟骨肉腫、メラノ肉腫、などの肉腫;ならびに急性リン パ腫白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、B 細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、などのリンパ腫瘍および白血病を、本発明の治 療剤の投与によって治療することができる。本発明の治療剤をもちいて治療でき る他のものとしてはたとえば真菌性感染症がある。 本発明の治療剤は、自己免疫性疾患の治療にもちいることができる。ランダム な遺伝子組替えや体細胞超突然変異は、自己反応性のTおよびBリンパ球をその生 涯を通じて潜在的に生成することができる。正常な条件下では、自己抗原と結合 した未熟なリンパ球はアポトーシスにより死滅する。しかしながら、これらリン パ球の除去の不足は、自己免疫の素因となる。 本発明の治療剤は、自己免疫不全に罹患している患者に投与して、たとえばエ リテマトーデスにかかっている患者の自己反応性Tリンパ球にアポトーシスを誘 発させることができる。本発明の治療剤の投与によりアポトーシスを抑制または 誘発させて治療できる他の自己免疫性疾患としてはたとえば、慢性関節リュウマ チ、重症筋無力症、グレーブス病、橋本甲状腺炎、インスリン抵抗性糖尿病、ア レルギー性鼻炎、喘息、機能性自律神経異常症、若年性インスリン依存性糖尿病 、アジソン病、特発性副甲状腺機能低下症、自然性不育症、早発卵巣障害、天疱 瘡、水疱性類天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小 板減少製紫斑病、特発性好中球減少症、グッドパスチャー症候群、慢性関節リュ ウマチ、およびシェーグレン症候群がある。 本発明の治療剤は、アポトーシス誘発による急性肺傷害から生じる炎症の治療 にもちいることができる。この疾患のプロセスは、肺胞壁における爆発的炎症応 答で始まる。生じた組織破壊の余波において、線維芽細胞、毛管およびそれらの 結合組織産物を含む肺胞空間の広範囲の繊維増殖がおこる。Fukuda,Y.,et al. ,Am.J.Pathol.126:171‐182(1987)。前述の全身性除去の重要なメカニズム はアポトーシス、すなわちプログラムされた細胞死である。 本発明の治療剤はまた、臓器の機能障害や疾患をもたらす老化途中の早期のま たは過剰な細胞損失に起因する退行性の疾患を治療するのに用いることができる 。そのような退行性の疾患は、ニューロンの死滅をもたらす老化やその他の因子 による中枢神経系の退行性の疾患を含む。Bbk突然変異体蛋白またはそのハイブ リッドを含有する本発明の治療剤は、そのような退行性の疾患に罹患している患 者に投与してアポトーシスを抑制することができる。さらに本発明の治療剤は、 たとえば神経成長因子を含んでいる神経栄養性ホルモンをコード化している遺伝 子を提供するために、遺伝子治療と同時に投与することができる。本発明の治療 剤を 利用しての治療に適合した他の健康条件としては、たとえばアルツハイマー病が ある。 当業者は、本発明の治療剤を用いて治療できる不適切な細胞死または不適当な 細胞増殖またはその両方で特徴づけられるその他の退行性の疾患を容易に同定す ることができる。本発明の治療剤は、標的細胞に投与されるBbk蛋白それ自体な らびにそのフラグメント、機能的均等物及び/又はハイブリッド及び/又は突然変 異体を含むことができる。あるいは、本発明の治療剤は、前述のものの1つ以上 をコード化したcDNAを含むベクターで標的細胞を感染させることによって投与す ることもできる。本発明の治療剤は、所望の標的細胞タイプに特異的な標的細胞 表面上のレセプターを選択することなどによって下記のような所望標的細胞に投 与することができる。本発明の治療剤は、単独かまたは他の許容される薬物療法 と併用して投与することができる。本発明の治療剤はさらに、治療している特定 の退行性の疾患に特異的な他の許容される療法と併用して投与することもできる 。たとえば、本発明の治療剤は、化学療法剤、遺伝子治療、などと併用して投与 することができる。それがBbk蛋白それ自体であっても、又はその蛋白をコード 化したベクターであっても、本発明の治療剤は細胞膜を通過しなければならない 。 Bbk蛋白またはそのフラグメントを細胞膜または細胞自体へ導入するための1方 法は、標的細胞がレセプター部位を含んでいるリガンドへ蛋白を付着させること によるものでる。このようにして蛋白は、リガンドと共に細胞膜の中へまたは細 胞膜を通過して輸送されることができる。 担体リガンドの選択は、ここに記載しそして当業者には公知のように、種々の 因子に依存するであろう。適当な組織特異的なレセプターはたとえば次のようで ある。脳:神経成長因子レセプター(NGF‐R);胸:プロラクチンレセプター;胃:ガ ストリンレセプター;皮膚:メラニン形成細胞刺激ホルモンレセプター(MSH‐R) ;肝臓:アシアログリコプロテインレセプター;甲状腺:甲状腺刺激ホルモンレセプ ター(TSH‐R);卵巣:黄体化ホルモンレセプター(LH‐R);睾丸:ヒト絨毛ゴナ ドトロピンレセプター(hCG‐R);T細胞:T細胞レセプター;B細胞:CD19;肺ヒアルロ ン酸レセプターCD44イソ型4V(J.Cell.Biol.124,7182,1994)。これに関し 該リガンドは、本発明のBbk蛋白が抱合されているであろうレセプターに特異的 な抗体または フラグメントであることが認められるであろう。 リガンドとレセプターの相互作用をあまり阻害せず、そして細胞膜を通しても っと容易に輸送されるところの、本発明による活性Bbkフラグメントを用いるこ とが望ましいであろう。 上記のように蛋白が細胞膜を通してまたは細胞の中へ輸送され、そしてリガン ドが抗体であるときは、たとえばここに抗体輸送の文章の中で述べたのと類似の 手段によって蛋白が結合したときに標識が比較的にもっと効果的になるような方 法で蛋白を診断的または治療的に標識することが好ましいであろう。 標的地帯へ本発明のBbk蛋白を特異的に伝達するため、膜内に本発明の蛋白を もつリポソームを利用することもまた可能である。これらのリポソームは、Bbk 蛋白に加えて、標的部位で遊離される薬物、放射性同位元素、レクチンおよびト キシンを含む他の治療剤をも含有するように製造することができる。 診断または治療目的のために、ヌクレオチド配列(およびそれらの機能的均等 物及び/又はハイブリッド及び/又は突然変異体)をコード化したBbkを投与する ために好ましい方法は、ウイルスベクターを用いることである。遺伝子の導入の ための適当なウイルスベクターの例は、たとえばヒト免疫不全ウイルス(HIV)、 アデノウイルス誘導体(たとえば次を参照:Erzurum,et al.,Nucleic Acids Re s.21:1607‐12(1993);Zabner,et al.,Nat.Genet.6:75‐83(1994);Davidson ,et al.,Nat.Genet.3:219‐223(1993))、アデノ関連ウイルス(AAV)(すな わち次を参照:Flotte,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10613‐7(1993 ))およびヘルペスウイルスベクター(すなわち次を参照:Andersen,et al.,Ce ll.Mol.Neurobiol.13:503‐15(1993))のようなレトロウイルス(総説はMille r,et al.,Methods Enzymol.217:581‐599(1993)に記載)である。その他の適 当なウイルスは、当業者によって容易に選択され使用することができる。DNA伝 達の他の方法はたとえば、リポソーム仲介遺伝子導入(Alton,et al.,Nat.Gen et.5:135‐42(1993);Nabel,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:11307‐ 11(1993))である。 哺乳動物細胞の中へ遺伝子を導入するためのウイルスベクターの使用の総説も 、たとえば次のようなものがある。Varmus,Science 240(4858):1427(1988);Egl itis,et al.,BioTechniques 6,7:608(1988);Jaenisch,Science 240(4858):14 68(1988);およびBernstein,et al.,Genet.Eng.(N.Y.)7:235(1985)。 本発明の目的のために、弱毒ウイルスまたはレトロウイルス株を用いることは 好ましいであろう。すなわち、たとえばCD4依存メカニズムによって神経細胞へ 入る(Funke,et al.,J.Exp.Med.165:1230(1987))ところのHIV‐2ST(Kong ,et al.,Science 240(4858):1525(1988))またはHIV‐2UCl(Evans,et al.,Sc ience 240(4858):1523(1988))のような弱毒化細胞変性をもつ本発明のレトロウ イルスのDNA配列のためのベクターとして用いることができる。HIV感染の神経生 物学はたとえば、Johnson,et al.,FASEB J.2(14):2970(1988)に記載されてい る。当業者は、通常の方法でウイルスに公知の罹患性をもつところの異なる細胞 集団を標的することができる。たとえばCD4は、前脳内の最高濃度で(Maddon,et al.,Cell 47:333(1986))ヒトの脳内に変異転写産物をもつことが知られている 。特定の細胞タイプへのレトロウイルス遺伝子発現を標的する可能な方法は、Bo ris‐Lawrie and H.Temin Curr.Opin.Genet.Dev.vol.3,p.102‐9(1993) に総説がある。 理想的には遺伝子伝達系の選択は、いかなる副作用もなしに、組織に適切な方 法で適切なレベルの遺伝子発現と共に、効果的かつ安定した遺伝子導入という目 的を念頭において、当業者により行われるであろう。たとえば次を参照のこと。 Wolff,et al.,Rheum.Dis.Clin.North Am.14(2):459(1988)。中枢神経系標 的への伝達に関しては、たとえばHIVのような多くのウイルスベクターが、血液 と脳のバリヤーを通過できるという長所をもっている(Johnson,et al.,FASEB J.2(14):2970(1988))。 診断上の応用 本発明のBbk蛋白やそのフラグメント、機能的均等物、またはハイブリッドも しくは突然変異体に対して育成された抗体は、ヒトの組織標本中のBbk蛋白を検 出したりBbk蛋白の発現と関連する退行性の疾患を診断するために用いることが できる。このような抗体はまたさらに、Bbk蛋白の発現に関連した退行性の疾患 の進行を監視するために用いることもできる。 ヒト細胞のいかなる源も、本発明の診断試験での使用に適当である。これらの 細胞は、たとえば心臓、肺、腫瘍細胞、脳、胎盤、肝臓、骨格筋、腎臓や膵臓の ような如何なるヒトの組織からでも単離することができる。細胞標本からの蛋白 の抽出は、当業者に公知の多くの方法の如何なるものによっても行うことができ る。たとえば細胞を、機械的手段により洗浄剤で溶菌することができる。所望に 応じ、酵素的消化によるまたは沈殿による細胞製剤から、核酸を除去することが できる。そのような手段は当業者に公知である。 抗体は、ここに記載の方法によりBbk蛋白と免疫反応性なものが製造できる。 ついで適切な抗体を、bbkの天然遺伝子生産物を用いてスクリーニングすること ができる。 細胞標本から抽出した蛋白は、抗体‐抗原複合体形成に適当な条件下に抗体と 接触させることができる。一般にそのような条件は、生理的条件である。蛋白抽 出物は、ニトロセルロース濾紙またはミクロタイタープレートのような固形の支 持体と結合することができる。 抗体は一般に、適切な条件下にたとえば呈色反応生産物を生成するような酵素 複合体、蛍光標識または放射性標識といった標識をもっている。抗体や抗体標識 は、本明細書に記載されておりそして当業者に公知である。または、もし抗体が 標識されないときは、第一の抗体と反応する別の種からの第二の抗体によって検 出することができる。適当なアッセイ技術、標識および検出手段は本明細書に記 載されている。 試験標本に並行した標本を、対照として用いる。対照標本は、好ましくは試験 標本と同じようにして細胞から抽出した当量の蛋白から成っている。蛋白の量は 、たとえばローリーまたはブラッドフォード法のような公知の技術を用いて容易 に決定することができる。対照標本の製造に用いる細胞は、試験標本を採取した ヒト間が罹患していた退行性の疾患には罹患してない正常人から単離した試験細 胞と同じ細胞タイプの細胞、確立された正常細胞系から単離した試験標本と同じ 細胞タイプの細胞、および試験細胞の細胞タイプとは異なる細胞タイプの試験さ れている人間からの細胞の中から選択することができる。 試験標本はまた、公知の方法にしたがってbbk遺伝子から転写した高いレベル の mRNAに対してスクリーニングすることもできる。たとえばB細胞から抽出したRNA を用いてもよいし、または全細胞RNAからmRNAを単離してもよい。このmRNAは、 たとえば大抵のmRNAの3'末端のポリ(A)領域に結合するオリゴ(dTセルロース)上 のアフィニティークロマトグラフィーによって精製してもよい。当業者には公知 のように、製造およびアッセイの間はリボヌクレアーゼ活性を最小にすることが 必須である。 DNAプローブは、bbk遺伝子の配列をコードした如何なる蛋白からも選択するこ とができる。好ましくは、RNAが検出できるように、遺伝子の5'または第一エク ソンの配列からプローブを選択する。そのプローブは、好ましくはbbk配列のす くなくとも15個のヌクレオチドをもっている。ハイブリダイゼーションを行うた めには、一本鎖のプローブが望ましい。すなわち、もしもプローブが二本鎖であ れば、変性をおこなって一本鎖にすべきである。変性方法は公知であり、たとえ ばアルカリまたは加熱処理がある。ついでプローブを、ホモローガスなRNA‐DNA ハイブリッドが形成され安定であるような条件下に細胞標本から誘導したRNAと 接触させることができる。そのような条件は、当業者に公知である。ハイブリッ ドの検出手段はたくさんあって良く知られているが、大抵は一本鎖のDNAを分解 するヌクレアーゼと放射性標識したプローブを用いている。公知方法以外の方法 もまた用いることができる。 対照標本は、抗体診断試験に用いる上記の細胞源の何れからでも誘導すること ができる。好ましくは、標本および対照は、類似の条件下で並行して製造される べきである。 本発明の診断方法および組成物は、疾患ないし退行性の疾患がBbk突然変異体 の発現のために異常Bbk発現と連結しているかどうかを決定し、またたとえばト ランスジェニックマウス及び/又はホモ接合体のないマウスのような実験動物に おけるBbkの発現の損失または過剰発現の効果を決定するのに有用である。疾患 ないし退行性の疾患が異常Bbk発現と連結しているかどうかを決定する方法とし ては、たとえばノーザン及び/又はウエスタンブロット法によって、または当業 者が容易に選択かつ使用可能な他のアッセイ法によって、正常組織とくらべての 疾患組織内のBbk発現の分析などがある。疾患ないし退行性の疾患が異常Bbk発現 と連結してい ることがいったん決定されたならば、その疾患ないし退行性の疾患は個人個人で 診断可能である。 以下の例は説明のために提供されるものであり、限定のためではない。 実施例 A.材料と方法 1.酵母菌二ハイブリッド分析.酵母菌二ハイブリッド系の各成分はClon tech Laboratories(カタログナンバー:K1605‐1、K 1605‐D、HL4006AE)から入手した。これらには、GAL4結合領 域融合ベクターpAS2、酵母菌株Y190とY187及びヒトリンパ球cDN A活性化領域ライブラリーが含まれていた。Bakを、標準プロトコール(Sa mbrook.J.等、Molecular Cloning:A Labor atory Manual ,2d Ed.,Cold Sprinng Harbor Laboratory Press、Planview、NY(1989))を 用いてこのpAS2ベクター内にサブクロン化した。Bakとのフレーム内融合 を引き起こすために、pAS2ベクターを、Ndelで熟成し、DNAポリメラ ーゼIのクレノウ断片により断端を鈍化し、次に再結合して改質した。このBa k遺伝子をpcDNAI/amp(1994年8月9日に出願されたの米国特許 出願第08/287,427号(bakはここではbcl‐yと称している)の 一部継続として、1994年10月11日に出願された同時係属中の米国出願特 許第08/321,071号に記載されている)から、BamHIとEcoRI で熟成し、DNAポリメラーゼIのクレノウ断片により鈍化し、次にSmalで 熟成され子ウシ腸ホスファターゼで処理され末端燐酸塩を除去しておいた改質p AS2ベクターに結合することで除去した。このBak/Gal4結合領域融合 ベクター(pAS2/BakΔC)は、GAL4リーディングフレームがクロン 化接合点を介してBakオープンリーディングフレーム内に保持されていること を実証するために、クローン化融合点に沿いDNA配列させた。二ハイブリッド 分析、β‐ガラクトシダーゼ フィルター検定及び疑似ポジティブの検出を、 製造業者の使用説明書に従い、Bak/GAL4結合領域おとり、リンパ球cD NA GAL4活性化領域ライブラリーを用いて実施した。正のクローンからの プラスミドDNAsを、製造業者の説明にあるように単離し、大腸菌内に形質転 換させた。バクテリアのクローンは更に制限酵素分析法とDNA配列化により解 析した。 2.付加的なプラスミド構築物 すべてのプラスミド構築物を、標準プロトコール(Sambrook.J.等 、Molecular Cloning:A Laboratory Manu al ,2d Ed.,Cold Sprinng Harbor Labora tory Press、Planview.NY(1989))を用いて作製し た。pcDNA3/HAを発生させるために、インフルエンザ赤血球凝集素(H A)エピトープ タグ(MGYPYDVPDYASLS)をポリリンカー クロ ーン化領域のHindIIIとXhoIとの間に挿入して哺乳類発現プラスミド、 pcDNA3(Clontech)の改質形を作製した。この二ハイブリッドス クリーン(pACT/Bbk)で得られたBbk遺伝子をXhoI断片上のGA L4活性化領域プラスミドから除去し、上記のpcDNA3/HAベクターのX hoI位内にサブクローン化してpcDNA3/HABbkを引き出した。これ により、HAタグを有するBbkと、BbkのN‐末端にHAタグが生ずるHA タグとBbkのフレーム内融合をもたらす。 欠失突然変異体、Δ1‐105はこの二ハイブリッドスクリーンから直接的に 得られ、完全な長さのBbkに類似した手法でサブクローン化してpcDNA3 /HAΔ1‐105を作製した。突然変異体、pcDNA3/HAΔ142‐2 49を、pcDNA3/HABbkをPflMI及びXbaIで熟成することに よりヌクレオチド338‐958の間の配列を除去し、続いてこの欠失した配列 を、Bbkヌクレオチド338‐476に相当する、ポリメラーゼ連鎖反応(P CR)発生のPflMIからXbaIのDNA断片で置換することにより作製し た。アミノ酸141の後にフレーム内終止遺伝暗号が組み入れられた。 アラニン点突然変異体、pcDNA/HAPM‐LVLEE(A残基で置換さ れたL125129132134135)、pcDNA/HAPM‐V(V129はA残基 で置換されている)、pcDNA/HAPM‐L(L132はA残基で置換されて いる)、pcDNA/HAPM‐EE(E134135はA残基で置換されている) を、ヌクレオチド338‐476(PflMI断片)間の野生型Bbk配列を、 指定の位置にアラニン遺伝暗号を組み入れたPCR発生PflMI断片で置換す ることで作成した。アラニン点突然変異性を所有するBbk遺伝子類をpcDN A/HAベクターから除去し、再度pACTのXhoIポリリンカーにクローン 化してpACT/PM‐LVLEE、pACT/PM‐V、pACT/PM‐L 及びpACT/PM‐EEを作製した。これらのプラスミドは、Bbk突然変異 体と酵母二ハイブリッド分析に使用するGal4活性化領域との間にフレーム内 融合を発生する。 Bbkアミノ酸残基117‐166を発現し、Bbk BH3領域を包囲する プラスミド、pRcCMV/HABbkBH3は、以下に述べるようにして構成 した。アミノ酸残基117‐166をコード化するBbk遺伝子の断片を、PC R(アミノ酸166の後に終止遺伝暗号を組み入れる)と、DNAポリメラーゼ のクレノウ断片により鈍化されたpcDNA3/HA(上記参照のこと)のXh oI位へのクローン化により作製した。次にこのHAタグ/Bbk BH3融合 遺伝子をHindIII/XbaI断片上で除去し、pRcCMV(Clonte ch)のHindII/XbaI位内にサブクローン化した。このクローン化の結 果、HAタグと哺乳類細胞移入に使用するBbk BH3領域のフレーム内融合 が生じる。野生型Bbkをコード化した対象プラスミドを、同時にpcDNA3 /HABbkからHindIII/XbaI断片を除去(上を参照のこと)し、続 いてpRcCMVのHindII/XbaI位内にサブクローン化することで構成 した。 BbkのグルタチオンS‐転移酵素融合(GST‐Bbk)を、BbkのEc oRI断片に対するBglIIをプラスミドpGEX2TK(Pharmacia )のEcoRI位に対するBamHI内にサブクローン化することで作製した。 BbkのEcoRI断片に対するこのBglIIを数段階で作製した。まずBbk の開始メチオニンを、pcDNA3/HABbkのBsu36I断片に対するB glIIを二重鎖オリゴヌクレオチド接着体で置換することにより除去した。この 改質pcDNA3/HABbkプラスミドのXbaI位を、次にEcoRIリン カーを用いてEcoRI位に転換した。 Bak、Bik、Bax、Bcl‐xL、Bcl‐2及びエプステインバーウ イルスBHRFIを発現する他のプラスミド類は既に記載されている(Boyd .J.M.等、Oncogene 11:1921(1995):Chitte nden.T.、EMBO J.14(22):5589(1995):199 4年8月9日に出願された米国特許出願第08/287,427号の(bakは ここではbcl‐yと称している)一部継続であり、1994年10月11日に 出願された米国特許出願第08/321,071号同)。 3.ノーザンブロット分析法 ヒト胎児及び成人の多因子組織ノーザンブロットをClontech Lab oratoriesから購入し、供給者のプロトコールに従い、Bbk及びβ‐ アクチンの全コード化領域を取り囲む32P‐標識化プローブに逐次ハイブリッド した。 4.生体外翻訳 35S‐メチオニン標識化蛋白を、製造業者の手順に従い、TnT T7/T3 と連結した網状赤血球溶解物系(Promerga)を用いて生体外で合成した 。翻訳生成物をSDSポリアクリルアミド電気泳動にかけた。このゲルを固定化 し、X線蛍光撮影増進溶液(Amplify、Amersham)中でインキュ ベートし、乾燥し、−70℃でオートラジオグラフィーにかけた。 5.ウエスタンブロット分析法 COS7細胞を10%ウシ胎児血清とL‐グルタミンを加えたDMEM中で培 養した。細胞にLipofectAMINE(Gibco/BRL)を用いてプ ラスミドDNAを2μgをトランスフェクトし、トランスフェクション後24時 間で細胞溶解物を作製した。この細胞の抽出物の一部(約100mg)をSDS ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動し、標準法(Harlow.E.et a l.,Antibodies:A Laboratory Manual(19 88))によりナイロン膜に移行させた。このブロットを抗‐HAエピトープモ ノクロナール抗体12CA5(Klodzicj.P.A.et al.,Me th.Enzymol、194:508‐519(1991))で培養し、次に ECL系(Amersham)を用いて二次抗体で検出した。 6.過渡的トランスフェクション分析. Rat1、HeLa及びBT549細胞を10%のウシ胎児血清、4nMのL ‐グルタミン、50単位/mlのペニシリン及び50μg/mlのストレプトマ イシンを含むDMEM中で37℃、7%CO2下で培養した。トランスフェクシ ョンの24時間前に細胞を、24ウエルの組織培養皿内に3.5×104細胞/ ウエルの割合で塗布した。大腸菌β‐ガラクトシドをコード化するプラスミド( pRcCMV/βgal、0.16μg)を図形説明で定義したように、対象の プラスミドの全体量0.42μgと混合した。このプラスミド混合物を25μl のOPTIMEM(Gibco/BRL)に加え、続いて27μlのLipof ectAMINE溶液(25μlのOPTIMEMで希釈した2μlのストック 溶液)と混合した。室温で30分インキュベートした後、このプラスミド混合物 を200μlのOPTIMEMで希釈し、OPTIMEMで一度リンスしておい た細胞に加えた。通常の成長条件下に4時間置いた後、この細胞に250μlの DMEM、20%のウシ胎児血清、4mMのL‐グルタミンを供給してから、通 常の条件下に24時間成長させた。次に細胞を燐酸緩衝の食塩水(PBS)で洗 浄し、0.2%グルタルアルデヒド、2%のパラフォルムアルデヒド、49.2 mMの燐酸ナトリウム(pH7.3)により4℃で5分間固定化し、PBSで2 回洗浄した。80mMのNa2HPO4、20mgのNaH2PO4、1.3mMの MgCl2、1mg/mlのX‐Gal(ヂメチルホルムアミドで調合した20 mg/mlストック溶液から希釈)、3mMのK3Fe(CN)6、3mMのK4 Fe(CN)6/3H2Oによる1‐4時間のインキュベーション後に、β‐ガラ クトシド発現細胞を青色細胞として同定した。死滅した青色細胞が円形であるの に対し、生きてる青色細胞は平らな形態を保持するものとして同定される。 7. 生体外蛋白相互作用. BbkのグルタチオンS‐トランスフェラーゼ融合蛋白(GST‐Bbk)を 、プラスミドpGEX2TK‐Bbkからの大腸菌内に発現させ、グルタチオン アガロースを使用した親和性クロマトグラフィ(Smith.D.B.とJoh nson.K.S.、Gene 67:31‐40(1988))により精製に した。35S‐メチオニン標識HA‐エピトープを付けBak、Bax、Bik及 びFlag‐エピトープ(Kodak)付加のBcl‐xLを、ウサギ網状赤血 球溶解物(Promega)中に転写/翻訳連結系を用いて生体外発現させた。 標識化蛋白類を、0.25%のNP‐40、142.5mMのKCl、5mMの MgCl2、1mMのEGTA(緩衝液A)を含有する10mMのHEPES緩 衝液(pH7.2)の中で、10%のグルタチオン アガロースにより透明化の 前処理を行った。GST‐Bbkを加え(最終濃度が1‐3μM)、この混合物 を4℃で60分間インキュベートした。蛋白複合体を10%のグルタチオン ア ガロースで捕捉し、緩衝液Aで2回、NP‐40を含有しない緩衝液Aで1回洗 浄した。蛋白を、SDS‐PAGE試料緩衝液中、100℃で5分間インキュベ ートしてビーズから溶出させ、4‐20%のSDS‐ポリアクリルアミド ゲル (Novex)に載荷した。電気泳動に続いて、ゲルを固定化し、X線蛍光撮影 増強溶液(Amplify Amersham)中でインキュベートした。ゲル を乾燥し、−70℃でオートラジオグラフィにかけた。 8.液体培養β‐ガラクトシダーゼ検定法. Bbk/Bakと突然変異体Bbk/Bakの相互作用の親和性を、製造業者 のプロトコール(Clontech)により記述されるように、o‐ニトロフェ ニルガラクトシド(ONPG)を基質とした液体β‐ガラクトシダーゼ検定法を 用いて定量化した。分析に使用するプラスミドは、図示説明に述べているとおり ものである。 B.結果 1. 酵母二ハイブリッド分析によるBak‐相互作用性蛋白の同定. Bakは多くの細胞中に発現されているのが知られている(1994年8月9 日に出願された米国特許出願第08/287,427号(bakはここではbc l‐yと称している)の米国特許出願の一部継続出願であり、1994年10月 11日に出願された米国特許出願第08/321,071号:Kiefer.M .C.et al.,Nature 374:736(1995))。Bakの 過剰発現は、アポトーシス(apoptosis)による死を誘発する。アポト ーシスのレギュレーターまたはエフェクターがBakに結合すると考えられた。 それ故、Bakと相互作用する蛋白を、酵母二ハイブリッド系を使用して同定化 した(U.S特許 No.5,283,173)。この方法論の原理は図1に要 約されている。 GAL4は、二つの明確な領域、すなわちDNA結合領域及び転写活性化領域 (図1A)を有す酵母転写性活性化蛋白である。DNA結合性領域はGAL4プ ロモーター中の特定のDNA配列要素に結合するので、転写を刺激する機能のあ るこのプロモーターに近接する転写活性化領域を引き寄せる。、これらの領域は 分離可能であることが証明されており、二つの領域が分離した場合は転写を刺激 する機能が働らかない。しかし、この二つの分離した領域間にリンクが生じると 、転写性活性化を回復できる。相互作用を起こすことが知られている非相同蛋白 (図1のB、Cの蛋白X及びY)にこれらの領域が融合しているハイブリッド蛋 白としてGAL4領域を発現することにより、このようなリンクを形成すること ができる。図1に示すシナリオでは、GAL4結合性領域は、蛋白XをGAL4 プロモーターに近付ける役割を果たし、それに続く蛋白Yとの相互作用により、 転写を刺激できるプロモーターにGAL4活性化領域を近付ける。GAL4プロ モーター、即ちGAL4 DNA配列要素を含有するプロモーターは、選択性の マーカー遺伝子(HIS3のような)及びリポーター遺伝子(lacZのような )の転写を指示するのに使用できる。 上述の、新規の相互作用性蛋白の同定と単離、並びにそれと相互作用すること が知られている蛋白の相互作用の研究に利用できる。前者の場合、対象蛋白をG AL4結合性領域に融合し、GAL4活性化領域融合として発現される相互作用 性蛋白を捕捉する"おとり(bait)"として使用する。ここに記述する実験では、G AL4 DNA‐結合性領域/Bak融合蛋白を、エプスタイン・バールウイル ス‐形質転換化ヒトBリンパ球(Clontech)のcDNAライブラリーか ら作成したGAL4活性化領域融合として発現されたBak‐相互作用性蛋白を 単離するおとりとして使用した。二ハイブリッド分析、相互作用するクローンの 選択、β‐ガラクトシダーゼ フィルター検定及び疑似ポジティブの確認は、製 造業者(Clontech)の仕様書に従って実施した。 2.高結合力のBak‐結合クローン、bbkの配列解析 最も強力に結合する11種のクローン(β‐ガラクトシダーゼ フィルター検 定の青色の強度から判定)を、同遺伝子の様々の長さのクローンになるようにD NA配列化することで確定した。制限酵素分析を使用して、これらクローンの近 似サイズを確定した。クローンbbkはこれらクローンの内で最大であったので 、頂部と底部の双方の鎖を選択して網羅的にDNA配列を決定した。クローンb bkの配列を図2に示す。11種のクローンの内6種はbbkと同じ配列開始点 を有するが、他方では様々の長さ(クローンbbkのヌクレオチド33、151 、178、242及び364まで)の欠失がある5種のクローンも存在する。1 1種のクローンの内の3種は、ポリアデニル化(ポリA)末端の存在により決定 された完全な3'末端を有す。その他のクローン中にポリA末端が存在しないこ とは、この領域でのこの遺伝子のATリッチ特性によりcDNA合成中に異常な プライミングが生じるせいのように思える。それでも、残りのクローンは、真の 3'末端の30の塩基内にある3'末端を持つ(10の塩基を欠くクローンbbk を含む)。 bbkの配列を、NCBI BLASTプログラムを用いてGenbankデ ータデースと比較した。この解析により、bbkに対して有意な相同性(毒性合 計P(N)値が5.5e‐26以下)を持つ発現化配列タッグ(EST)cDN A(受け入れナンバー:H26516、H42839、H59025、H598 96、H59897、H72004、H72005、H89857、H9070 2、R02556、R02674、R07849、R07901、R36543 、 R38463、R58365、R78883、R78977、R85622)が 確定された。また、これらのcDNAはbbkの終点のいくつかの塩基内で開始 し、終了するので、bbkはほぼ完全の長さのクローンであることが示唆される 。 Bbkは、ヌクレオチドナンバー51で始まりヌクレオチドナンバー799で 終わる249のアミノ酸のオープンリーディングフレーム(ORF)をコード化 している。このORFは、BbkにN‐末端融合したGAL4活性化領域により 予測されるそれと同じ枠にある。予測される開始メチオニン遺伝暗号を囲むこの 配列は、Kozakのコンセンサス配列(Kozak.M.Nucleic A cids Res.15:8125(1987))に一致し、Gal4活性化領 域とBbk ORFの間に存在する非翻訳化bbk配列内に追加的なメチオニン またはフレーム内終止遺伝暗号は存在しない。従って、Bbk遺伝子の真のOR Fは同定されたと考えられる。数種のESTクローン並びに二ハイブリッド分析 により単離された数種のクローンは、Bbkのヌクレオチド157と158の間 にBbkでは認められない3種の付加的ヌクレオチド(AAG)を有すことは注 目に価する。これらのヌクレオチドは、交互スプライス部位の使用の結果として 、導入されるのであろう。この推定コード領域にこれら3種のヌクレオチドが加 わったことで、予測されたオープンリーディングフレームは保持され、36位置 にアルギニン残基を導入するのに役立つことになろう。推定Bbk ORFを用 いる蛋白データベースの解析により、限定された相同性のみの配列が確定された 。このように、アポトーシス関連蛋白Bakと相互作用する新規な蛋白を、二ハ イブリッド系を使用して同定することができる。 3.胎児及び成体の組織におけるBbk mRNAの発現. ノーザンブロット分析を実施して、Bbkメッセンジャ‐mRNAの発現パタ ーンとサイズを決定した。Bbkをプローブとした胎児及び成体の組織のノーザ ンブロット(図3)は、Bbkが約0.8‐1.2kbの単一mRNA種である ことを示している。このメッセンジャーサイズは、完全な長さのクローンが単離 されたという見解と一致する。またノーザンブロット分析は、BbkはBakの 分布(Kiefer.M.C.et al.,Nature 374:736 (1995))に大体において類似した分布をもって多種多様な組織内に発現さ れることを示しており、BbkとBakが細胞内で一緒に複合化されるという考 えを支持している。 4.生体外及びトランスフェクトされた細胞におけるBbkの発現 Bbkの推測されるアミノ酸配列は、MW26.7kDの蛋白を予測する。B bkクローンを、T7プロモーターを用いた生体外発現用及びヒトのシトメガロ ウイルス即時型早期プロモーターを用いた哺乳類発現用に、酵母菌二ハイブリッ ドベクターからpcDNA3(Clontech)内にサブクローン化した。こ の蛋白を検出するために、Bbk配列を、そのアミノ末端において、インフルエ ンザ赤血球凝集素抗体(HA)から誘導した14アミノ酸分節に融合した。この 短いペプチドは、モノクロナール抗体12CA5(Boehringer Ma nnheim)が"付加された"蛋白の免疫学的的検出を可能とする、特徴が良く 知られたエピトープを提供する。ウサギ網状赤血球溶解物中のBbkクローンの 生体外転写/翻訳により、cDNA配列プラスHAタグとクローン化で導入され る非特異性アミノ酸との概念的翻訳から予測されるサイズと近似的に一致する約 37kDの分子量に(図4A)相当し、SDSポリアクリルアミドゲル上で電気 泳動可動性を有する蛋白が作製される。HA‐付加Bbkを発現するこのpcD NA3ベクターをCOS7細胞内にトランスフェクトした。細胞溶解物をトラン スフェクション後48時間で調合し、抗‐HAモノクロナール抗体によるウエス タンブロットによって分析した。適度のサイズのHA‐付加Bbk蛋白がCOS 7細胞抽出物中に検出された(図4B)。この結果は、単離されたBbk cD NAによりコード化されたこの蛋白は生体外及び生体内のいずれでも発現できる ことを証明している。 5.Bbkの発現はRat1、HcLa及びBT549細胞内で細胞死を加速 する pcDNA3ベクターから発現されたHA‐付加Bbkクローンを、β‐ガラ クトシダーゼを発現するプラスミドと共に正常ラット線維芽細胞(Rat1細 胞)及びヒト腫瘍系統HcLaとBT549内に共トランスフェクトして、細胞 生存能力に及ぼすBbk発現の効果を決定した。このような細胞死滅検定は既に 記載されており(Miura.M.et al.,Cell 75:653(1 993):Boyd.J.M.et al.,Oncogene 11:192 1(1995):Chittenden,T.et al.,EMBO J.1 4(22):5589(1995):1995年5月12日に出願された同時係 属米国特許出願第08/440,391号)、細胞内への対象の遺伝子をトラン スフェクション体用マーカーとしてのβ‐ガラクトシダーゼ遺伝子と共トランス フェクションすることからなる。細胞生存能力に及ぼすトランスフェクトされた 遺伝子生成物の効果は、トランスフェクション24時間後のベクター対照細胞に 対する青色細胞(β‐ガラクトシダーゼがポジティブ)を計算することにより測 定する。不活性または抗‐アポトーシス遺伝子生成物はベクター対照の細胞に似 た平坦な(生きてる)青色細胞の数で明示されると同時に、損傷遺伝子生成物は 青色細胞数の全体的減少または円形(死滅した)の青色細胞の頻度増加として観 察できる。図5Aの結果は、Rat1細胞にBbk発現プラスミドがトランスフ ェクトされた時の、青色細胞の数の減少を明確に示している。即ち、結合相手の Bakと同様に、Bbkは細胞の死滅を誘発できるように思われる。BakとB bkのいずれも、Rat1細胞に単独に発現された時、アポトーシスを誘発でき る。特定の理論に束縛される意図はないが、このことは、Bak/Bbk相互作 用はアポトーシスの誘発に必ずしも必要ではないか、またはヒト蛋白と機能的に 相互作用できるBak及びBbkのラット相同体が存在すること、を示唆してい る。あるいは、これら二つの蛋白間の相互作用が調節機能に作用して、それらの アポトーシス ポテンシャルを調整できるのかもしれない。図5Aのデータは、 BakとBbkの共発現はアポトーシスの誘発を妨げないことを証明しており、 その相互結合能力はアポトーシスを促進する能力を阻害しないことを示唆してい る。しかし、BakとBbkはそれぞれ細胞死滅の有力なプロモーターであるの で、それらの共発現が結果としてアポトーシスの協力的誘発をもたらすか否かを 検定で決定することはできなかった。 Bbkのアポトーシス機能は、周知の生存蛋白、Bcl‐2、Bcl−XL及び エプスタイン・バールウイルスBHRF1の共発現により逆転されることがある (図5B)。アポトーシス関連蛋白、Bak及びBikにより促進された細胞死 滅の程度も、同様に、生存蛋白(図示していない)の存在下において減少する。 これらの生存蛋白に対するアポトーシス‐促進蛋白、Bikの比率を増加すると 、Bik細胞毒性を回復できる。この観察は、アポトーシス促進蛋白を適切に設 定すれば生存蛋白の作用を実際に抑制できることを示唆している。従って、この 細胞死滅促進蛋白を用いて、生存がBcl‐2関連細胞生存蛋白類の一つの作用 に依存しているような細胞内では、アポトーシスを誘発することができるであろ う。 アポトーシスを誘発するBbkの性能は、腫瘍細胞系統、HeLa及びBT5 49においても明白である(図6A、B)。Bbkにより誘発されるアポトーシ スの程度は、BT549細胞内のBakのそれと匹敵するが、HeLa細胞では Bbkは細胞死滅の誘発の面でBakより若干有効性は低い。Bbkは細胞死滅 を誘発できるが、ヒト腫瘍細胞はBbkのアポトーシス機能に対して様々な程度 の感受性が変化を表すように思われる。しかし、Bbk‐誘発アポトーシスに対 して感受性が低い細胞は、Bbkによる治療後の通常の抗癌療法に対してより鋭 敏になる。従って、Bakとに結合し、種々の細胞型においてアポトーシスを誘 発する新規蛋白がここに確認された。 6.BbkはBak、Bax、Bcl‐XLと生体外で相互作用を起こす Bcl‐2系統の細胞生存メンバーによるBbk誘発アポトーシスの逆転は、 これらの蛋白がBbkと相互作用できることを示唆している。BbkがBakの みと相互作用するのか、またはこれがアポトーシスに関与することが知られてい る他の蛋白にも結合できるのかを決めることが望まれた。グルタチオンS‐転移 酵素(GST)‐Bbk融合蛋白を大腸菌内に発現し、グルタチオン‐アガロー ス上で精製した。FLAGエピトープ(Kodak)を付加したBcl‐XL並び にHA‐付加のBak、Bax及びBikを生体外翻訳により放射性に標識化し 、続いてGST‐BbkまたはGSTのみとインキュベートした。複合体類をグ ルタチオン‐アガロース上に単離し、SDS‐PAGEで解析した。図7は、B bkはBak、Bcl‐XL及びBaxと相互作用するがBikとはしないことを 明 確に示している。GST単独では生体外で翻訳した材料の何れとも複合化しない ので、これら相互作用は特異的なものである。従って、BbkはBcl‐2系統 のいくつかのメンバーと相互作用できるようである。Bbkは細胞死滅プロモー ター、Bakとの相互作用により単離されるという事実はあるが、Bcl‐XLと のその相互作用により立証されるように、BbkはBcl‐2系統の細胞死滅誘 発メンバーと独占的には相互作用する様子は見られない。しかし、BH3領域を Bcl‐2系統メンバーと共有する新規の死滅誘発蛋白であるBik(Boyd .J.M.等、Oncogene 11:1921(1995))とBbkが相 互作用できないことは注目に値する。 7.BbkはBcl‐2蛋白系統と配列相同性を共有する BbkがBcl‐2系統の内の数種と相互作用し、かつBbkがアポトーシス に関係する機能を共有するという観察結果により、Bbkはさらに配列相同性も 共有し得るという可能性が示唆された。上記の実施したデータベース検索ではB cl‐2系統メンバーに対していかなる配列相同性も明らかにならなかったが、 細心の視覚的検査によりBcl‐2及び関連系統メンバーのBH2領域に対して 高度に相同性であるモチーフが確認された(図8A)。アンカーとしてBH2領 域を使用したBbk ORFのBcl‐2系統メンバーに対するアライメントで は、Bcl‐2のBH1領域に対してなんら相同性が現れなかったが、新規に定 義したBH3領域(1995年5月12日に出願された同時係属米国特許出願第 08/440,391号(この中でBH3はここではGD領域と称されている) )に対してはある相同性(図8B)を示す。従って、BbkはBcl‐2蛋白系 統の新規の死滅促進メンバーであるように思われる。 8.Bbk誘発アポトーシスはそのBH3様領域により媒介される BakのBH3領域が細胞死滅の誘発にとって必要かつ十分であることは既に 示されている(1995年5月12日に出願された同時係属米国特許出願第08 /440,391号(この中でBH3はGD領域と称されている))。Bbkは Bak BH3領域に対して弱い相同性を共有するので、この領域がBbkに同 様な機能を提供するか否かを決定することが望まれた。この理論を試験するため に、推定BH3領域に侵入する一連の削除を実施し、それをRat‐1細胞死滅 検定で試験した。図9Aの結果は、これら突然変異体の二つ、△1‐105(ア ミノ酸残基106に対するN‐末端の欠失)、△142‐249(アミノ酸残基 142で始まるC‐末端の欠失)、は依然としてアポトーシスを誘発する性能を 保持することを示している。これらの結果は、Bbk分子の多くの部分(BH2 領域を含む)はBbkの細胞毒活性にとり欠くことができないことを示唆してい る。更にこれらのデータは、アミノ酸106から141の間の領域を、Bbkが 細胞死滅を誘発するのに必要なものとして確定している。興味あることに、この 領域は推定BH3領域(残基125‐137)と一致している。この領域がBb kの細胞毒性にとり必要であることを明確に証明するために、維持されたいくつ かの残基を突然変異させたのアラニン スキャニング突然変異体(図9B)を4 種作製し、Rat1細胞中でアポトーシスを誘発させる能力を試験した。図9C に示す結果は、BH3要素に五つのアラニン置換を含むPM‐LVLEEはその アポトーシス誘発能力を完全に消失していることを明示している。PM‐LVL EEにおける細胞毒性の廃止が合成の失敗によるものではないことを証明するた めに、野生型Bbkのレベルに比較できる発現レベルで作製されたCOS7細胞 において、その発現を確認した。従って、BbkのBH3領域はそのアポトーシ ス機能にとり絶対的に必要であることを、このデータは支持している。残りの突 然変異体、PM‐V、PM‐L及びPM‐EEは、Bbk‐誘発アポトーシスに 要求されるBH3残基をより正確に定めるように構成された一または二重のアラ ニン突然変異性である。図9Cのデータは、これらの置換の各々は細胞死滅の誘 発を減少するが廃止はしないことを論証しており、突然変異を受けた残基の全て がBbk細胞毒性にとって部分的に必要であることを指摘している。ここでも、 これら突然変異体の各々は、野生型Bbkのレベルに比肩できるレベルでCOS 7内に発現されていた。 また、Bbk BH3領域がアポトーシスを誘発するに十分であるのか否かを 決定するために、Bbkのアミノ酸117‐166のみを発現しているプラスミ ド(残基125‐137の間にBbk BH3領域を含む)をRat1細胞にト ランスフェクトした。図10の結果は、Bbk BH3領域を取り囲むこの50 のアミノ酸ペプチドの発現はアポトーシスを誘発するに充分であること示してい る。従って、BbkのBH3領域は、アポトーシスの誘発にとり必要かつ充分な ものであるという点でBak BH3領域の機能と類似性があるようである。 9.Bbkによるアポトーシス誘発はBakに結合するその能力に相関する1 995年5月12日に出願された同時係属米国特許出願第08/440,391 号では、Bbk BH3領域がその細胞毒性、並びにBcl‐2系統の抗‐アポ トーシス メンバーであるBcl‐xLに結合する能力を支配していることが立 証されている。Bbk BH3領域はBak BH3領域に類似した様式でアポ トーシス機能を誘発する能力を共有しているように見えるので、Bbk BH3 領域がBbk/Bak相互作用を媒介するか否かを決定することは興味深いこと であった。この可能性を試験するために、Bbkのアポトーシス誘発領域を確定 するのに上記に使用したアラニン突然変異体(PM‐LVLEE、PM‐V、P M‐L、PM‐EE)を、おとりとしてBakを含む、酵母二ハイブリッド系で 使用するために、Gal4活性化領域に融合した。この検定では、β‐ガラクト シダーゼの発現レベルが、この二つの蛋白の間の相互作用の親和性及び/または 安定性の尺度であり、高レベルであれば強い相互作用を示し、低いレベルであれ ば弱い相互作用を示す。図11は、アポトーシスを誘発する能力を喪失したBb k突然変異体であるPM‐LVLEEが、低レベルのβ‐ガラクトシダーゼ(ネ ガティブ参照値に比較できる)により立証されるように、Bakに結合する能力 も喪失していることを示している。中位レベルのアポトーシス ポテンシャルを 保持した突然変異体(PM‐V、PM‐L、PM‐EE)はBakとの中位レベ ルの相互作用を保持している。Bbk細胞毒性とBakに対するBbkの結合性 との間の直接的相関性は、更に、アポトーシスの誘発にとりBbk/Bak相互 作用が必要であるという仮説をも支持するものである。言い替えれば、Bbkの BH3領域と相互作用も起こして細胞死滅を遂行するBbkの更なる結合相手が 存在する可能性が残っている。 この明細書で言及した全ての刊行物は、個々刊行物のそれぞれが特別に及び個 別に参照文献に含めるように指摘されたかのような程度まで、参照することによ り本明細書に組み入れられる。本発明は更なる改変が可能であり、本出願は、本 発明が関係する技術範囲内において周知または通例の実施の内に入るような本明 細書からの新らしい発展を含む発明のいかなる変形、使用法または採用をもカバ ーするものであり、添付した請求の範囲の請求項のみにより限定されるべきもの であることは言うまでもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 48/00 48/00 C07K 7/00 C07K 7/00 14/47 14/47 16/18 16/18 C12P 21/02 C C12N 5/10 21/08 15/02 C12N 5/00 B C12P 21/02 15/00 C 21/08 A61K 37/02

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.単離されたBbk蛋白。 2.前記蛋白がヒトの蛋白である、請求項1に記載の単離されたBbk蛋白。 3.前記蛋白が本質的に第2図に示したアミノ酸配列から成る、請求項2に記載 の単離されたBbk蛋白。 4.前記蛋白が第2図に示したヌクレオチド配列によってコードされている、請 求項2に記載の単離されたBbk蛋白。 5.Bbk蛋白をコードしている単離されたヌクレオチド配列。 6.前記配列が第2図に示したものである、請求項5に記載の単離されたヌクレ オチド配列。 7.前記配列がゲノムDNAを含む、請求項5又は6のいずれか1項に記載の単離 されたヌクレオチド配列。 8.前記配列がcDNAを含む、請求項5又は6のいずれか1項に記載の単離された ヌクレオチド配列。 9.前記配列がRNAを含む、請求項5又は6のいずれか1項に記載の単離された ヌクレオチド配列。 10.本質的にBbk蛋白をコードしているヌクレオチド配列から成る単離された組 み換えDNA。 11.前記ヌクレオチド配列が第2図に示したものである、請求項10に記載の 単離された組み換えDNA分子。 12.前記分子がベクターである、請求項10に記載の単離された組み換えDNA 分子。 13.本質的にBbk蛋白をコードしている組み換えDNA分子から成るベクターであ って、前記ベクターが前記組み換えDNA分子中のBbkをコードしている配列を発現 するベクター。 14.Bbk蛋白をコードしている組み換えDNA分子を含むベクターであって、前記 ベクターが前記組み換え分子中のアンチセンスRNAを発現するベクター。 15.前記組み換えDNA分子が本質的に第2図に示したヌクレオチド配列から成 る、 請求項13に記載のベクター。 16.請求項13又は15のいずれか1項に記載のベクターで形質転換された宿 主細胞。 17.前記宿主細胞が哺乳類の細胞である、請求項16に記載の宿主細胞。 18.単離されたBbkポリペプチドを産生するための方法であって、 (a) 請求項13に記載のベクターを構築する工程; (b) 工程(a)の前記ベクターで適当な宿主細胞を形質転換する工程; (c) 工程(b)の宿主細胞を、前記宿主細胞による前記Bbkポリペプチドの発 現を可能にする条件下に培養する工程;および (d) 工程(c)の宿主細胞により発現された前記Bbkポリペプチドを単離する 工程; を含み、単離された実質的に純粋なポリペプチドが産生される方法。 19.前記宿主細胞が哺乳類の細胞である、請求項18に記載の方法。 20.請求項4に記載のBbk蛋白に対する抗体。 21.前記抗体が、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗イディオタイ プ抗体、および抗‐抗イディオタイプ抗体から成る群より選択されたものである 請求項20に記載の抗体。 22.前記抗体が検出可能に標識されている、請求項21に記載の抗体。 23.前記抗体が、放射性標識、酵素標識、補因子標識、蛍光標識、常磁性標識 、化学発光性標識、および金属標識から成る群より選択された検出可能な標識に より標識されたものである、請求項22に記載の抗体。 24.請求項4に記載のBbk蛋白を特異的にコードしている第二のヌクレオチド 配列に対し、実質的に相補的な第一のヌクレオチド配列を含む、検出可能に標識 されたヌクレオチドプローブ。 25.請求項4に記載のBbk蛋白および製薬上許容できる担体を含む医薬組成物 。 26.非アポトーシス細胞に、アポトーシスを前記細胞に誘導するために有効な 量の請求項4に記載のBbk蛋白を導入することを含む、細胞にアポトーシスを誘 導する方法。 27.前記Bbk蛋白が、Bbkをコードしているヌクレオチドの発現によって前記非 アポトーシス細胞へ導入される、請求項26に記載の方法。 28.Bbk BH3領域を含むペプチド。 29.請求項28に記載のペプチドであって、 から成る群から選択されたアミノ酸配列を有し、トランスフェクトされたRat1細 胞にアポトーシスを誘導するペプチド。 30.請求項28又は29に記載のペプチドをコードする、単離されたヌクレオ チド配列。 31.請求項30に記載のヌクレオチド配列を含むベクター。 32.請求項31に記載のベクターで形質転換された宿主細胞。 33.前記宿主細胞が哺乳類の細胞である請求項32に記載の宿主細胞。
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