JP2000510199A

JP2000510199A - メラミン樹脂繊維を基礎とする不燃性布地

Info

Publication number: JP2000510199A
Application number: JP09539510A
Authority: JP
Inventors: ベルブナー，ハインツ; エッケル，エギディウス; アイヒホルン，ハンス―ディーター; オト，カール
Original assignee: BASF SE
Current assignee: BASF SE
Priority date: 1996-05-02
Filing date: 1997-04-30
Publication date: 2000-08-08
Also published as: DE59704875D1; EP0896644B1; TW389807B; IL126615A0; ES2166080T3; TR199802194T2; US20020034906A1; AU2889397A; NO985060L; US6297178B1; ATE206776T1; EP0896644A1; ID17249A; DE19617634A1; CN1090257C; CZ348298A3; CA2253194A1; DK0896644T3; NO313594B1; KR20000010704A

Abstract

(57)【要約】本発明は、メラミン樹脂繊維を基礎とする不燃性布地、これから作製される耐火性ブランケットおよび衣服、およびその、消火のためのおよび人、物を火、燃焼生成物および／または消火剤から防護のための用途に関する。

Description

【発明の詳細な説明】メラミン樹脂繊維を基礎とする不燃性布地本発明は、メラミン樹脂繊維を基礎とする耐火性布地、これから製造された不燃性ブランケットおよび衣類、ならびにその、消火のための、また人および物を火、燃焼物および／または水、消火剤から保護するための用途に関する。これまでの不燃性ブランケットないし「火災ブランケット」は、一般的に空気遮断による消火で小火災に対処するためのものである。公知の耐火性ブランケットおよび耐火性衣服は、主としてグラスファイバー布地から成る。しかしながら、このようなブランケット、衣服は、極めて脆く、容易に溶融する欠点を有する。従って、このような材料から成るブランケット、衣服は、火災の場合、火が透過する危険があった。またアラミド繊維を基礎とする不燃性ブランケットも公知であるが、このブランケットは依然として高価である。さらにアラミド繊維布地の難燃性自体が、未だに不満足なものである。また不燃性衣服の着ごこちはよくない。しかしながら、消火用ブランケットとしてではなく、人または物を火、熱、燃焼物、たとえばススまたは水、消火剤から保護するための不燃性ブランケットに対する需要も存在する。このような不燃性ブランケットは、例えば教会、美術館など、かけがえのない美術品を多数所蔵し、しかも火に対して充分に防護されていない場所において、従って火災の場合、火の直接の結果、すなわち熱およびススに対して、また水などの消火手段に対してことに有効である。しかしながら、従来の不燃性ブランケットは、このような特殊の目的には不適当である。これが極めて重く、著しく剛直であり、あるいは微細粉もしくは水に対して極めて透過性であるからである。そこで本発明の目的は、火、水を含む消火剤および／または燃焼によりもたらされる熱、水、汚染物および／または油に対して有効な保護をもたらす不燃性ブランケットないし衣類用の不燃性布地を提供することである。しかるに、この目的は、布地総重量に対して（ａ）４．９から９５重量％のメラミン樹脂繊維、（ｂ）０から９０．１重量％の、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、不燃性化ウール繊維、不燃性化ビスコース繊維の中から選ばれる不燃性繊維、および（ｃ）０から２０重量％の充填剤、さらに（ｄ）４．９から９５重量％の通常の燃焼性繊維および／または（ｅ）０．１から２０重量％の、少なくとも１種類の熱、油、汚染物および／または水分に対する耐性をもたらす仕上剤を含有する不燃性布地により達成され得ることが本発明者らにより見出された。本発明は、また本発明による上述布地から作製される耐火性のブランケットおよび衣服に関する。本発明は、さらにこのような耐火性ブランケットの、対象を、火、熱、燃焼物および／または消火剤から保護するための用途および消火のための用途に関する。上述した組成分（ａ）、（ｂ）、（ｃ）および（ｄ）を含有する難燃性布地は、従来のようにヤーンから織成され、あるいは繊維ないし混紡繊維からの不織布の形態で形成され得る（ウルマンの「エンツィクロペディー、デル、テヒニッシェン、ヘミー」第４版、２３巻、「テクスティルテヒューク」の項参照）。次いで組成分（ｅ）が適用される。あるいはまた、仕上げ剤（ｅ）で、繊維（ａ）、（ｂ）および（ｄ）を、あるいはこれら繊維から紡糸されたヤーンを処理し、次いでこれらの繊維またはヤーンを織成その他の処理で本発明布地にすることもできる。あるいは、本発明布地は約４．９から９５重量％の、好ましくは約５から５０、ことに約１０から４５重量％の、通常の燃焼性繊維、例えばウール、綿花、ポリアミド、ポリエステル、ビスコース繊維を含有していてもよい。ただし、その量は布地の難燃性に悪影響を及ぼしてはならない。通常の燃焼性繊維の添加は多くの利点をもたらす。例えば綿繊維または他の対比し得る繊維を組成分として使用するとき、吸水性の高い布地をもたらすことができる。通常の燃焼性繊維の添加は、この不燃性布地から衣服を作る場合、その着心地をよくし得る。この添加はまたメラミン樹脂繊維を基礎とする不燃性布地のコストを著しく低減させることになる。本発明による布地は、上述の通常の燃焼繊維の代わりに、またはこれと共に、０．１から２０重量％、好ましくは約０．５から１０重量％の、耐熱、耐油、耐汚染、耐水分仕上げ剤を含有してもよい。布地はこの仕上げ剤で含浸され、あるいはコーティングされる。本発明に関連して使用に適する仕上げ剤は、例えば布地の一方面または両面に施こされるアルミニウムである。このようなコーティング金属は、例えば５から２００μｍ、ことに１０から１００μｍの厚さに施こされ、布地の可撓性に悪影響を及ぼすことなく火、熱、ことに輻射熱の作用、ススおよび消火剤、例えば水、気泡剤、粉末剤に対して防護作用を果たす。暫定的ヨーロッパ規格（ｐｒＥＮ１４８６）に適合する金属被覆繊維は、重度の消火任務および熱保護に適する防護服の作製に適する。布地は、通常、真空蒸着によりコーティングされる。（上述ウルマンの文献第３版、１５巻、２７６頁および引用文献参照）。また金属の薄い箔を布地に接着させることも可能である。このような箔は一般的に金属薄膜が接着されたポリマー担持フィルムを有する。ポリエステルを基礎とするフィルムが好ましい。この金属箔をＴＬ８４１５−０２０３（ＴＬ＝ドイツ国防軍の技術供給基準）、例えば接着または加熱カレンダー処理により、本発明による布地の一方面または両面に施こし得る。このような金属箔は布地コーティングのために多くの製造業者（例えば米国ペンシルバニア州、カーボンデイルのジエンテクス社、独国ハイデンハイム（Ｄ−８９５２２）のＣ．Ｆ．プロウケット社、ヴェーゼル（Ｄ−４６４８５）のダルムシュテーテル社）で使用されている。さらに、本発明の布地は、金属被覆されたヤーンないし繊維から製造され得る。ヤーンは１０から１００μｍの範囲の厚さでアルミニウムコーティングされているのが好ましいが、繊維の金属コーティングの厚さは０．０１から１μｍである。このようなヤーンないし繊維の製造は、例えば西独特願公告２７４３７６８号、同３８１０５９７号、欧州特願公開５２８１９２号各公報に記載された方法で行なわれ得る。本発明に関連して使用するのに適当な仕上げ剤は、布地の両面もしくは一方面に施こされる撥水性の疏水性層である。このような層は、ポリウレタン含有材料および／またはポリテトラフルオロエチレン含有材料から構成されるのが好ましい。このようなコーティングは、布地の耐候性を高めるものとして公知である（例えばウルマンの上述文献第５版、Ａ２６巻、３０６−３１２頁および「レキシコン、フュール、テクスティルフェルエーデルング」１９５５年、２１１頁以降参照）。このコーティングは、水蒸気は該層を透過して拡散できるが、液状の水ないしこれに類する消火剤および燃焼生成物はほとんど透過しないように形成され得る。このコーティングは、ポリマーフィルムとして生地上に接着されるかカレンダー処理により附着され得る。さらに耐火性ブランケットによりもたらされる防護作用の改善のための手段は、繊維ないし布地を、水、油および／または汚染物をはじく作用を有する化合物（疏水性、疏油性仕上げ剤）で処理する方法である。このような化合物の使用は繊維製品助剤として公知である（同じくウルマンの文献、第５版、Ａ２６巻、３０６−３１２頁参照）。撥水性化合物の例としては、金属石鹸、シリコーン、有機弗素化合物、例えば過弗素化カルボン酸塩、過弗素化アルコールのポリアクリラート（欧州特願公開３６６３３８号公報およびこれに引用されている文献参照）またはテトラフルオロエチレン重合体である。後二者の重合体は、また疏油性の撥油性仕上げ剤としても使用される。本発明に関連して使用されるメラミン樹脂繊維は、例えば欧州特願公開９３９６５号、同２２１３３０号、同４０８９４７号、独国同２３６４０９１号各公報に記載されている方法により製造され得る。ことに好ましいメラミン樹脂繊維は、単量体構成ブロックとして、（Ａ）本質的に３０から１００モル％、好ましくは５０から９９、ことに８５から９５、なかんずく８８から９３モル％のメラミン、および０から７０モル％、好ましくは１から５０、ことに５から１５、なかんずく７から１２モル％の置換メラミン（Ｉ）もしくは置換メラミン（Ｉ）の混合物を９０から１００モル％を含有する。さらに他の単量体構成ブロック（Ｂ）として、ことに好ましいメラミン樹脂繊維は、単量体構成ブロック（Ａ）と（Ｂ）の合計モル数に対して、０から１０モル％、好ましくは０．１から９．５、ことに１から５モル％のフェノールまたはフェノールの混合物を含有する。ことに好ましいメラミン樹脂繊維は、構成分（Ａ）および（Ｂ）と、ホルムアルデヒドもしくはホルムアルデヒド形成化合物とを、メラミン対ホルムアルデヒドのモル割合が１：１．１５から１：４．５、ことに１：１．８から１：３．０となるように反応させ、次いで紡糸することにより得られる。上述した置換メラミン樹脂（Ｉ）は、下式で表わされ、かつ式中のＸ¹、Ｘ²、Ｘ³が、それぞれ−ＮＨ₂、−ＮＨＲ¹、−ＮＨＲ¹Ｒ²のいずれかを意味するが、これらのすべてが−ＮＨ₂を意味してはならず、Ｒ¹、Ｒ²がそれぞれヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₁₀アルキル、ヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₄ アルキル−（オキサ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル）_n（ｎは１から５の数値である）、アミノ−Ｃ₂−Ｃ₁₂アルキルのいずれかを意味する場合の化合物である。上記ヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₁₀アルキル、好ましくはヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₆アルキルは、例えば２−ヒドロキシエチル、３−ヒドロキシ−ｎ−プロピル、２−ヒドロキシイソプロピル、４−ヒドロキシ−ｎ−ブチル、５−ヒドロキシ−ｎ−ペンチル、６−ヒドロキシ−ｎ−ヘキシル、３−ヒドロキシ−２，２−ジメチルプロピル、ことに２−ヒドロキシエチル、３−ヒドロキシ−ｎ−プロピル、２−ヒドロキシイソプロピル、４−ヒドロキシ−ｎ−ブチル、なかんずく２−ヒドロキシエチル、２−ヒドロキシイソプロピルである。上記ヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル−（オキサ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル）_n（ｎは１から４、ことに１または２であるのが好ましい）は、例えば５−ヒドロキシ− ３−オキサペンチル、５−ヒドロキシ−３−オキサ−２，５−ジメチルペンチル、５−ヒドロキシ−３−オキサ−１，４−ジメチルペンチル、５−ヒドロキシ−３−オキサ−１，２，４，５−テトラメチルペンチル、８−ヒドロキシ− ３，６−ジオキサオクチルである。上記アミノ−Ｃ₂−Ｃ₁₂アルキル、ことにアミノ−Ｃ₂−Ｃ₈アルキルは、２− アミノエチル、３−アミノプロピル、４−アミノブチル、５−アミノペンチル、６−アミノヘキシル、７−アミノペンチル、８−アミノオクチル、ことに２−アミノエチル、６−アミノヘキシル、なかんずく６−アミノヘキシルであるのが好ましい。本発明にことに適する置換メラミンは、２−ヒドロキシエチルアミノ置換メラミン、例えば２−（２−ヒドロキシエチルアミノ）−４，６−ジアミノ−１，３，５−トリアジン、２，４−ジ−（２−ヒドロキシエチルアミノ）−６−アミノ −１，３，５−トリアジン、２，４，６−トリス（２−ヒドロキシエチルアミノ）−１，３，５−トリアジン、２−ヒドロキシイソプロピルアミノ置換メラミン、例えば２−（２−ヒドロキシイソプロピルアミノ）−４，６−ジアミノ−１，３，５−トリアジン、２，４−ジ−（２−ヒドロキシイソプロピルアミノ）−６ −アミノ−１，３，５−トリアジン、２，４，６−トリス（２−ヒドロキシイソプロピルアミノ）−１，３，５−トリアジン、５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ置換メラミン、例えば２−（５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ）−４，６−ジアミノ−１，３，５−トリアジン、２，４，６−トリス−（５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ）−１，３，５−トリアジン、２，４−ジ（５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ）−６−アミノ−１，３，５−トリアジン、６−アミノヘキシルアミノ置換メラミン、例えば２−（６−アミノヘキシルアミノ）−４，６−ジアミノ−１，３，５−トリアジン、２，４− ジ（６−アミノヘキシルアミノ）−６−アミノ−１，３，５−トリアジン、２，４，６−トリス（６−アミノヘキシルアミノ）−１，３，５−トリアジン、あるいはこれら化合物の混合物、例えば１０モル％の２−（５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ）−４，６−ジアミノ−１，３，５−トリアジン、５０モル％の２，４−ジ（５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ）−６−アミノ− １，３，５−トリアジン、および４０モル％の２，４，６−トリス（５−ヒドロキシ−３−オキサペンチルアミノ）−１，３，５−トリアジンの混合物である。適当なフェノール（Ｂ）は、１もしくは２個のヒドロキシル基を有するフェノール、例えば非置換フェノール、Ｃ₁−Ｃ₉アルキルまたはヒドロキシルにより置換されたフェノール、さらには２もしくは３個のフェノール基で置換されたＣ₁ −Ｃ₄アルカン、ジ（ヒドロキフェニル）スルホンまたはこれらの混合物である。好ましいフェノールの具体例は、フェノール、４−メチルフェノール、４−ｔ −ブチルフェノール、４−ｎ−オクチルフェノール、４−ｎ−ノニルフェノール、ピロカテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェノール）プロパン、ビス（４−ヒドロキシフェニル）スルホン、ことにフェノール、レゾルシノール、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）プロパンである。ホルムアルデヒドは、例えば４０から５０重量％濃度の水溶液の形態で、または（Ａ）および（Ｂ）との反応の過程でホルムアルデヒドを形成する化合物、例えば固体状のホルムアルデヒドオリゴマーまたはポリマー、例えばパラホルムアルデヒド、１，３，５−トリオキサン、１，３，５，７−テトラオキサンの形態で使用される。ことに好ましいメラミン樹脂繊維は、メラミン、選択的に置換メラミン、選択的にフェノールを、ホルムアルデヒドもしくはホルムアルデヒド生成化合物と重縮合させることにより得られる。これら構成分すべてが最初から存在していてもよく、あるいは少しづつ反応させて、得られる初期重縮合物を徐々に新たなメラミン、置換メラミンまたはフェノールと混合反応させてもよい。重縮合は慣用の態様（欧州特願公開３５５７６０号公報、「ホウベン／ワイル」１４／２巻、３５７頁以降参照）で行なわれる。反応温度は、２０から１５０ ℃ことに４０から１４０℃であり、圧力は臨界的ではないが、１００から５００ｋＰａ、ことに大気圧下に行なわれる。反応は溶媒を使用し、または使用することなく行なわれ得るが、ホルムアルデヒド水溶液を使用する場合には、一般に溶媒を使用せず、また固体状のホルムアルデヒド生成化合物を使用する場合には、溶媒として水を使用する。その量割合は、使用される単量体の全量に対して５から４０、ことに１５から２０重量％である。なお、重縮合は、７以上のｐＨ値、好ましくは７．５から１０．０、ことに８から９のｐＨ値で行なわれる。反応混合物は、少量の慣用添加剤、例えばアルカリ金属亜硫酸塩、ことにナトリウムピロ亜硫酸塩、亜硫酸ナトリウム、蟻酸ナトリウムのようなアルカリ金属蟻酸塩、くえん酸ナトリウムのようなアルカリ金属くえん酸塩、さらにはそのホスファート、ポリホスファート、ウレア、ジシアンジアミド、シアナミドを含有していてもよい。これらは個々の化合物として、または混合物として、溶媒の不存在下、または水溶液として、縮合反応前、その間またはその後に添加され得る。その他の添加剤は、アミン、アミノアルコール、例えばジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、２−ジエチルアミノエタノールである。適当な充填剤として、繊維状、粉末状の無機補強剤ないし充填剤、例えばガラス繊維、金属粉末、金属塩、珪酸塩、例えばカオリン、タルク、バーライト、石英、チョーク、さらに顔料、染料が挙げられる。乳化剤として、慣用の長鎖アルキル基を有する非イオン、アニオンまたはカチオン有機化合物が使用される。重縮合は、慣用の態様でバッチ式で、または例えば押出機で連続的に（欧州特願公開３５５７６０号公報参照）行なわれる。本発明に使用されるメラミン樹脂繊維は、硬化剤、通常、蟻酸、硫酸のような酸、またはアンモニウムクロリドを添加した後、室温においてロータ紡糸装置で紡糸することにより、あるいは加熱空気中において紡糸し、同時に溶媒として使用された水を蒸散させ、硬化させることにより製造される。このような方法は西独特願公開２３６４０９１号公報に詳細に記載されている。繊維には、必要に応じて、２５重量％、好ましくは１０重量％までの充填剤、ことに珪酸塩を主体とする充填剤、例えば雲母、染料、顔料、金属粉末をあらかじめ添加してもよく、次いで耐火性のブランケットないし不織布に加工処理される。耐火性ブランケットは、一般的に、繊維を慣用の態様、例えば紡毛法（「ウルマンス、エンツィクロペディー、デル、テヒニッシェン、ヘミー」第４版、２３巻、「テクスティルテヒニーク」参照）によりヤーンに転化することにより製造される。このヤーンは１００から２００、ことに１４０から１６０ｔｅｘの線密度を有するのが好ましい。このヤーンを、慣用の態様で、７０から９００、ことに１２０から５００ｇ／ｍ²の坪量を有する織成体に織上げる。本発明の耐火性ブランケットは、また繊維不織布から形成され得る。不織布は、一般的にウェバー上の繊維に交叉層を重ねることにより形成される。これは、３０から６００、ことに５０から４５０ｇ／ｍ²の坪量を有するのが好ましい。本発明においては、４．９から９５重量％、好ましくは２５から９０、ことに４０から７５重量％のメラミン樹脂繊維と、０から９０．１重量％、好ましくは５から７０、ことに１５から５０重量％の不燃性繊維との繊維ブレンドから耐火性ブランケットを形成することもできる。また、すでに言及したように、この繊維ブレンドは、４．９から９５重量％、好ましくは５から５０重量％、ことに５から４５重量％の通常の燃焼性繊維、例えば、ウール、綿、ポリアミド、ポリエステル、ビスコース繊維を含有してもよい。この不燃性繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、不燃性化ウール繊維、不燃性化ビスコース繊維、ことにアラミド繊維であるのが好ましい。アラミド繊維は、イソもしくはテレフタル酸または塩化物のようなその誘導体と、パラもしくはメタフェニレンジアミンとの重縮合物を、Ｎ−メチルピロリドン、ヘキサメチル燐酸アミド、濃硫酸のような溶媒、またはこれらの混合溶媒中に溶解させた溶液を紡糸することにより有利に製造され得る。形成される連続フィラメント繊維を切断して、５から２５μｍの太さのステープルファイバーにする。ことにポリ−ｐ−フェニレンテレフタルアミド繊維が好ましい。繊維ブレンドは、例えばゲオルク、チーメ、フェルラーク社刊の「フリースシュトフェ」に記載されているような慣用の繊維ブレンド装置において、慣用の態様で形成される。好ましい実施態様においては、通常、１から２０ｃｍ長さのステープルファイバーを出発材料とする。繊維は一般的にコンベアにより静止トップカードに給送され、ここで予備ブレンドされ、次いでローラトップカードにおいてフェルト状ウエブを得ることによりブレンド処理を完了し、このウエブをほぐしてヤーンないし不織布にする。布地、すなわち織成布または不織布を、用途に応じて適宜の寸法に切断してブランケットとする。その周線は通常縫製処理するのが好ましい。繊維または完成布地上に直接施こされた金属コーティングを有する耐火性ブランケットは、熱の透過、伝導が鈍化されることを特徴とし、従って防護されるべき人、物を火の熱から有効的に保護し得る。さらに他の実施態様において、繊維には、塩素、好ましくは珪酸塩、ことにマグネシウム、アルミニウムシリカート、あるいは気泡形成物質が、浸漬法、ブラシコーティング法などにより施され得る。本発明による耐火性ブランケットは、消火、人、物を火災から防護するために使用される。本発明による布地は、さらに人、物を、遮蔽して、火、消火剤および／または燃焼生成物から防護するための耐火性ブランケットを製造するために使用される。本発明の耐火性ブランケットは、また美術作品および／または歴史的に重要な物品を防護するのに適当である。このブランケットは、さらに、家屋自体、および可燃性物質を収納しているトラック、列車、船舶用コンテナー、コンピュータ、端末器、制御パネルなどの電気的、電子的機器を防護するためにも使用され得る。本発明の不燃性布地は、また自動車、航空機、鉄道車輌等における座席の難燃化カバーとしても使用され得る。本発明の耐火性ブランケット、不織布の利点は、加熱に際し、あるいは火ないし火焔との直接接触に際して溶融せず、従って熱の作用下にもこの不燃性布地が原形を維持し得ることである。さらに本発明による不燃性布地の利点は、水その他の消火剤およびススのような燃焼生成物に対しても有効な防護作用を果たし得ることである。（実施例）実施例１６０重量％のメラミン樹脂および４０重量％のｐ−アラミド繊維から成るヤーンで構成され、２２０ｇ／ｍ²の坪量を有する布地を、３０ｇ／ｌのＰｅｒｓｉｓｔｏｌ^RＯ（ＢＡＳＦ社の市販フルオロカルボン酸仕上げ剤）および３ｇ／ｌの硫酸アルミニウム、さらに１ｇ／ｌの６０％濃度酢酸から成る液で浸漬飽させた。液の吸収割合は７０重量％であった。この布地を１３０℃で乾燥させ残存水分を６から８重量％とし、さらに１５０℃で４分間加熱した。この布地の疏水性をＡＡＴＣＣ２２による噴霧テストに附し、７０の評価を達成した。耐油性については、ＡＡＴＣＣ１１８によるテストで６の評価を達成した。難焼性テスト英国規格、ＢＳ５８２：１９９０、第３項、クリブ５またはクリブ７、「燃焼液をいぶし、発火させることによる、詰物をした座席の燃焼性の評価」に従ってテストした。その目的から、上記の布地を、難燃化剤（約９５重量部のポリオール、５０重量部のメチレンジイソシアナート、５重量部の水および触媒）を含まない市販の可撓性ポリウレタン発泡体ブロック上に展張し、クリブ５の燃焼源に被曝した。燃焼源が燃焼し続けている間（約８から１０分）にも、発泡体は燃焼もせず、いぶることもなく、赤熱することもなかった。同様のテストを、本発明生地で被覆することなく反覆したところ、ポリウレタン発泡体は直ちに発火し、炎上して完全に焼尽した。さらに他のテストにおいて、３０秒後に燃焼源を水で消火したが、本発明による布地で被覆されていたポリウレタン発泡体には痕跡量の水も認め得なかった。実施例２６０重量％のメラミン樹脂繊維と、４０重量％のｐ−アラミド繊維から成るヤーンで構成された布地をテストで試料として使用した。この布地の両面をさらに、高真空下にアルミニウム蒸着したポリエステルフィルムで被覆した。難燃性テスト実施例１と同様に上述の本発明による布地を、可撓性ポリウレタン発泡体ブロック上に展張し、クリブ７の燃焼源に被曝した。長時間にわたる被曝にもかかわらず、発泡体は燃焼せず、いぶることも赤熱することもなかった。同様のテストを反覆したが、このテストでは３０秒後に、市販の消火剤の泡により上記燃焼源を消火した。この消火剤の泡は布地を透過せず、これにより被覆されていたポリウレタン発泡体には、火の作用、消火の作用の痕跡も見出されなかった。実施例３（対比例）２００ｇ／ｍ²の坪量を有するｍ−アラミドのニードル突刺フェルトで被覆したポリウレタン発泡体ブロックを、クリブ７の燃焼源に被曝した。３０秒後に水で燃焼源を消火した。水はニードル突刺フェルトを透過し、発泡体には著しい水の痕跡が認められた。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項【提出日】平成１０年６月２６日（１９９８．６．２６）【補正内容】請求の範囲１．布地総重量に対して、（ａ）４．９から９５重量％のメラミン樹脂繊維、（ｂ）０から９０．１重量％の、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、不燃性化ウール、不燃性化ビスコース繊維の中から選ばれる不燃性繊維、および（ｃ）０から２０重量％の充填剤を含有し、さらに（ｄ）必要に応じて４．９から９５重量％の通常の燃焼性繊維および（ｅ）０．１から２０重量％の、少なくとも片面もしくは両面の金属コーティングを含む、少なくとも１種類の熱、油、汚染物および／または水分に対する耐性をもたらす仕上剤を含有することを特徴とする布地。２．上記の通常の燃焼性繊維がウール繊維、綿繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ビスコース繊維のいずれかであることを特徴とする、請求項１の布地。３．上記金属コーティングが主成分としてアルミニウムを含有することを特徴とする、請求項１または２の布地。４．仕上剤として撥水剤を含有することを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。５．仕上剤として撥油剤を含有することを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。６．上記メラミン樹脂繊維が、（Ａ）（ａ）３０から１００モル％のメラミンと、（ｂ）０から７０モル％の、下式Ｉで表わされ、かつ式中のＸ¹、Ｘ²、Ｘ³がそれぞれ−ＮＨ₂、ＮＨＲ¹、ＮＲ¹Ｒ² のいずれかを意味するが、すべてが−ＮＨ₂を意味してはならず、このＲ¹、Ｒ² がそれぞれヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₂₀アルキル、ヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル− （オキサ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル）_n（ｎは１から５の数値）、アミノ−Ｃ₂−Ｃ₁₂アルキルのいずれかを意味する場合の置換メラミンまたは置換メラミンＩの混合物とから実質上構成される混合物を９０から１００モル％、および（Ｂ）非置換フェノール、またはＣ₁−Ｃ₉アルキル、ヒドロキシル、２もしくは３個のフェノール基で置換されたＣ₁−Ｃ₄アルカン、ジ（ヒドロキシフェニル）スルホンのいずれからにより置換されたフェノールまたはこれらフェノールの混合物を（Ａ）＋（Ｂ）に対して０から１０モル％含有する混合物と、ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成化合物とを、１：１．１５から１：４．５の範囲のメラミン対ホルムアルデヒドのモル割合で縮合させることにより得られることを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。７．成分（ｂ）として、イソもしくはテレフタル酸と、メタもしくはパラフェニレンジアミンとの重縮合により得られるアラミド繊維を含有することを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。８．請求項１から７のいずれかの布地を使用して作製される耐火性ブランケットまたは衣服。９．請求項８の耐火性ブランケットの、火および燃焼物を消火するための用途。１０．防護されるべき対象を、請求項８の耐火性ブランケットで被覆するために使用して、対象を火、熱、燃焼生成物および／または消火剤から防護する方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｄ０４Ｈ 1/42 Ｄ０４Ｈ 1/42 ＷＶＤ０６Ｍ 11/83 Ｄ０２Ｇ 3/04 // Ｄ０２Ｇ 3/04 Ｄ０６Ｍ 11/00 Ａ (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＭ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ，ＪＰ，ＫＧ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ (72)発明者アイヒホルン，ハンス―ディータードイツ国、Ｄ―67273、ヴァイゼンハイム、イム、フォーゲルザング、１ (72)発明者オト，カールドイツ国、Ｄ―68723、プランクシュタット、ヴィルヘルムシュトラーセ、14

Claims

【特許請求の範囲】１．布地総重量に対して、（ａ）４．９から９５重量％のメラミン樹脂繊維、（ｂ）０から９０．１重量％の、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、不燃性化ウール、不燃性化ビスコース繊維の中から選ばれる不燃性繊維、および（ｃ）０から２０重量％の充填剤を含有し、さらに（ｄ）４．９から９５重量％の、通常の燃焼性繊維および／または（ｅ）０．１から２０重量％の、少なくとも１種類の熱、油、汚染物および／または水分に対する耐性をもたらす仕上剤を含有することを特徴とする、不燃性布地。２．上記の通常の燃焼性繊維がウール繊維、綿繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ビスコース繊維のいずれかであることを特徴とする、請求項１の布地。３．片面または両面が仕上げ剤として金属コーティングされていることを特徴とする、請求項１または２の布地。４．上記金属コーティングが主成分としてアルミニウムを含有することを特徴とする、請求項３の布地。５．仕上剤として撥水剤を含有することを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。６．仕上剤として撥油剤を含有することを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。７．上記メラミン樹脂繊維が、（Ａ）（ａ）３０から１００モル％のメラミンと、（ｂ）０から７０モル％の、下式Ｉで表わされ、かつ式中のＸ¹、Ｘ²、Ｘ³がそれぞれ−ＮＨ₂、ＮＨＲ¹、ＮＲ¹Ｒ² のいずれかを意味するが、すべてが−ＮＨ₂を意味してはならず、このＲ¹、Ｒ² がそれぞれヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₂₀アルキル、ヒドロキシ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル− （オキサ−Ｃ₂−Ｃ₄アルキル）_n（ｎは１から５の数値）、アミノ−Ｃ₂−Ｃ₁₂アルキルのいずれかを意味する場合の置換メラミンまたは置換メラミンＩの混合物とから実質上構成される混合物を９０から１００モル％、および（Ｂ）非置換フェノール、またはＣ₁−Ｃ₉アルキル、ヒドロキシル、２もしくは３個のフェノール基で置換されたＣ₁−Ｃ₄アルカン、ジ（ヒドロキシフェニル）スルホンのいずれからにより置換されたフェノールまたはこれらフェノールの混合物を（Ａ）＋（Ｂ）に対して０から１０モル％含有する混合物と、ホルムアルデヒドまたはホルムアルデヒド生成化合物とを、１：１．１５から１：４．５の範囲のメラミン対ホルムアルデヒドのモル割合で縮合させることにより得られることを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。８．イソもしくはテレフタル酸と、メタもしくはパラフェニレンジアミンとの重縮合により得られるアラミド繊維を含有することを特徴とする、上記請求項のいずれかの布地。９．請求項１から８のいずれかの布地を使用して作製される耐火性ブランケットまたは衣服。１０．請求項９の耐火性ブランケットの、火および燃焼物を消火するための用途。１１．防護されるべき対象を、請求項９の耐火性ブランケットで被覆するために使用して、対象を火、熱、燃焼生成物および／または消火剤から防護する方法。