JP2000509299A - 吸収物品のためのせん孔されたカバーシート及びカバーシートの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明はせん孔された繊維材料を含む、おむつ（４０１）、失禁保護体（５０１）、衛生ナプキン（２０１）などの吸収物品の液体透過性カバーシート（２）に関する。本発明は、カバーシート（２）が多数の穴（４）を有し、各穴が実質的に液密の縁（６）によって囲まれていることを特徴とする。更に本発明は、本発明のカバーシート（２０２；４０２，５０２）を伴う吸収物品を含む。本発明は加熱された針が少なくとも１つの熱可塑性成分を含む繊維材料層を貫くことによりカバーシートを製造する方法も含む。

Description

【発明の詳細な説明】 吸収物品のためのせん孔されたカバーシート及びカバーシートの製造方法 技術分野： 本発明はせん孔された繊維材料を含む、おむつ、失禁保護帯、衛生ナプキン又 は類似物品などの吸収物品のための液体透過性カバーシートに関する。また、本 発明はカバーシートを与えられた吸収物品、及びカバーシートの製造方法に関す る。 発明の背景： 使用中に使用者の体に接触することを意図される、この種の吸収物品のための 液体透過性カバーシートに対して、柔らかさはもちろんドライ感がより求められ ている。 しかし、カバー層が吸収物品上に使用される時、繰り返される湿潤後でも乾い た状態を保つ、柔らかくて編織布のような表面を伴う液体透過性カバー層を達成 することは困難であった。 不織繊維布（いわゆる不織布材料）の使用が、吸収物品上に柔らかくて滑らか な表面を作るために長い間公知である。表面材料を通って下にある吸収材料層ま で更に素早く液体を移すために、不織布材料に穴が与えられることも公知である 。穴を作る時、不織布材料の繊維間の空間よりも大きな開口が材料に作られる。 このようなせん孔された不織布材料が既にＥＰ２３５３０９から公知である。 せん孔された不織布材料は疎水性繊維を多く含むスパンレース材料からなる。ス パンレース工程において、非常に高い圧力で材料に対して吹き付けられる水噴射 によって材料を処理することにより繊維材料に穴が開けられる。スパンレース材 料は表面材料積層体の２つの層のうちの１つを構成し、使用中に使用者に一番近 い層であることが意図される。その目的は、スパンレース材料の穴を通って下に ある層まで液体を導くことである。スパンレース材料は表面積層体の下にある材 料層よりも疎水性繊維を多く含有する。最上のスパンレース層の繊維は７０％の 疎水性繊維と３０％の親水性繊維からなるが、下にある材料層は同量の疎水性繊 維と親水性繊維からなる。従って下にある層はこのように上方層から液体を徐々 に排出する能力を有する。 しかし、ＥＰ２３５３０９に記述された材料の問題点は、水噴射によって形成 された穴の大きさと形がともに不揃いであり、穴のまわりや中に穴の縁から突き 出た繊維を有することである。これらの突き出ている繊維は穴の領域を減らし、 毛管効果により穴の間の材料内へ液体を吸い込む。突き出ている繊維先端や不揃 いな穴の大きさ及び形は湿潤後に液体が層に残る危険をかなり増やす。表面材料 が濡れていると認識されるにはごく少量の液体で十分なので、もちろんこれは公 知の表面材料の重大な欠点である。 類似の表面材料がＥＰ２７２６８３に記述されている。この公報も不織布材料 のせん孔されたカバー層に関する。不織布材料に穴を開けることによって形成さ れた穴の付近には、いわゆるメルトブローン（meltblown）型の下にある不織布 層まで液体を移す管（canal）として機能することを意図される比較的自由な繊 維がある。穴のある層の繊維が下にある層の方へ液体を導くように配置されてい る限り、記述された表面材料は機能する。しかし、不織布材料が特定の方向へ配 置することが困難な、不揃いに形成された繊維からなるということは公知の事実 である。これは下にある層へ液体を移すことを意図された繊維毛管が不織布材料 の表面にわたって水平方向に液体を広げることも意味する。この理由により、湿 潤後多少の液体が表面材料に残り、表面材料を与えられた物品の使用者が肌に対 して濡れて不快である物品の表面を経験することになるであろう。 上述の不織布材料の更なる問題点は、特定のはっきりとした穴の大きさを達成 することが困難であることである。例えばＥＰ４０９５３５から公知のように、 穴のある材料の穴の寸法は液体のための最適な透過性を達成するためには極めて 重要である。密集した繊維構造の領域と粗い繊維構造の領域を有する不織布材料 において、これは均一な穴の大きさを得ることが困難であることを意味する。こ れは密集した繊維領域の穴が多くの繊維によって囲まれているので小さくなると いうことによる。 更に、既に公知の表面材料の穴のある不織布材料は比較的低い引張強度を有す る。これは記述された穴作成工程が材料を弱めるからである。穴の作成工程中、 吸収物品の製造中又は完成された吸収物品の使用中のいずれかに材料が破れると いう危険をなくすために材料の強度が重要なので、明らかに公知の材料の弱化は 問題である。 ＥＰ２１４６０８では、材料の融点より少し低い温度で不織布材料を加熱する 温かい針を使用して不織布材料に穴が開けられる。このようにして材料に作られ た穴は密集された繊維構造を伴う縁によって囲まれている。このように作られた 穴を有する材料によって穴の大きさの変化と材料の弱化という上述の問題はある 程度解決された。しかし、液体が不織布材料に広がり、その繊維構造内に残るの を避けるという問題がまだ残っている。穴を囲む密集した繊維構造は、更に穴を 通って液体を下にある材料層へ吸い込むことにより液体を吸収することを意図さ れる。しかし、穴のまわりの密集した親水性繊維構造内に多少の液体が残る危険 がある。液体は不織布材料の繊維毛管を経て不織布材料の平面に水平に広がるこ とができる。使用中の不織布材料が使用者の肌に直接触れているので、もちろん これは非常に望ましくない。 発明の概要： 表面層が肌に対して柔らかくて快適であるが、高い表面ドライ感がまだある吸 収物品のための液体透過性表面層を達成するための問題が本発明により本質的に 解決される。 従って本発明により、使用中の使用者の肌を濡らすという危険を非常に減らす 、不織布材料のせん孔されたカバー層が達成される。 本発明の不織布材料のせん孔されたカバー層は繊維材料が多数の穴を有し、各 穴が実質的に液密の縁によって囲まれていることを主に特徴とする。 本文において、“繊維材料”とは例えば綿、レーヨン、ポリプロピレン、ポリ エステル、ポリエチレン、二成分繊維などの天然又は合成紡織繊維から製造され た層形状の材料を意味する。 好適な具体例によると、穴を囲んでいるカバー材料は溶融された熱可塑性材料 を含み、従って液密縁を形成する。 穴は温かい針を使用して作られることができ、その場合穴のまわりの液密縁が 穴と同時に作られる。 他の具体例では、カバー層の穴は代わりに超音波によって作られる。 穴が液密で突き出している繊維のない溶融された縁によって囲まれているので 、はっきりとした穴の大きさを得ることができる。最適な穴の大きさは表面層の 使用によって異なる。例えば月経液と尿は完全に異なった表面エネルギー及び異 なった流動性質を有し、これは表面層の設計をそれ相応に適合させなければなら ないことを意味する。しかし本発明のカバー材料では、穴の形及び大きさはカバ ー材料の意図される使用に関して決定される意図された最適な形及び大きさから の逸脱が最小限である。その結果本発明により、多くの異なった吸収用途のため に高い精度と反復性を伴う高性能なカバー材料を作ることができる。 本発明により、スパンボンド型の不織布材料が表面材料として特によく機能す ることが証明される。“スパンボンド”とは無数のランダムな繊維の熱結合材料 を意味する。しかし他のタイプの不織布材料を使用することもできる。材料の縦 方向よりも横方向の強度が少し弱い、あまり強くない他のタイプの不織布材料（ 例えば、カーディングされた材料）が使用されてもよい。なぜならば穴のまわり で連続する縁が強化された引張強度を材料に与えるからである。従って本発明に よると、カーディングされた不織布材料、メルトブローン材料などを使用するこ とができる。メルトブローン材料は押し出された溶融されたプラスチックを表面 に吹き付けることによって形成された不織布材料である。更に、様々な織られた 、編まれた、かぎ針編みされた又は編組された繊維材料を本発明において使用す ることができる。 本発明の一具体例によると、カバー層は異なった大きさの穴を有する。穴はカ バー層の表面にわたって均等に分布される、又は一定の領域においてより近接し て配置されることができる。 本発明の他の具体例によると、カバー層は少なくとも２つの材料層を含む。 そのような用途において、第１材料層は好ましくはカバー層の第２材料層より も親水性である。もしカバー層の穴のまわりの液密縁が第１材料層にのみ与えら れるならば、更に有益であることができる。 更に他の具体例によると、カバー層は穴のない液体移動層に積層されることが でき、前記液体移動層はカバー層が吸収物品に付けられている時、カバー層と物 品の吸収体の間の液体移動手段として役立つ。 本発明は少なくともカバーの部分がせん孔された繊維材料の液体透過性カバー 層を含む、カバーの中に囲まれた吸収体を含む吸収物品（例えば衛生ナプキン、 おむつ、失禁保護体など）も含む。本発明の物品はせん孔されたカバー層におい て多数の穴を有し、各穴が液体不透過性縁によって囲まれていることを主に特徴 とする。 一具体例において、物品は２つの端部分とその端部分の間に位置された股部分 を有し、液体透過性カバー層はカバー層に作られたいずれかの端部分の穴より大 きな表面積を有する股部分に配置された穴を与えられる。 他の具体例において、物品は２つの縦方向側縁を有し、各側縁に沿った縁領域 は物品の股部分の縁領域の内側に配置された穴よりも小さな寸法を有し、かつ／ 又はまばらに配置された穴を与えられる。 更に、本発明はせん孔された編織布カバー層を形成する方法を含み、これは加 熱された針が少なくとも１つの熱可塑性成分を含む繊維材料層を貫くように配置 され、その工程中の針の温度が熱可塑性成分の溶融温度を超えるものである。こ の方法の主な特徴は、熱可塑性成分が繊維材料層の材料を少なくとも５５重量％ 含むこと、及び加熱された針が針のすぐ近くにおいて熱可塑性成分を溶融するよ うに配置された後、針が除かれ、溶融された材料が作られた各穴のまわりで実質 的に液体不透過性の縁を形成するために凝固されることである。 本発明のカバー材料はせん孔された繊維材料の強化された引張強度を得る。従 って、せん孔されたカバー材料製造のための出発原料を既に公知の穴のある不織 布材料で可能だったものよりも更に自由に選ぶことができる。 穴のまわりの防液縁は、液が不織布材料の繊維毛管を通って穴から水平方向に 広がることができないことも意味する。カバー材料が吸収体に付けられる時、液 体は代わりに穴を通り、物品の吸収体によって吸収されることができる。 図面の簡単な説明： 本発明は添付の図面に示される具体例を参照して更に詳しく以下に記述される 。 図１は穴のまわりの溶融された縁を伴うせん孔された不織布材料を示す。 図２は使用中に使用者に面することを意図された側から見た、本発明の液体透 過性カバー層を伴う衛生ナプキンを示す。 図３は図２の衛生ナプキンの断面図を示す。 図４は使用中に使用者に面することを意図された側から見た、本発明の液体透 過性カバー層を伴うおむつを示す。 図５は使用中に使用者に面することを意図された側から見た、本発明の液体透 過性カバー層を伴う失禁用おむつを示す。 図１に示される液体透過性カバーシート２はカバーシート２を一緒に形成する １つ又はいくつかの層からなる。カバーシート２の異なった層は異なったタイプ 又は構造の不織布材料であることができるが、プラスチックフィルム、ネット材 料、織られた又は編まれた繊維材料などの１つ又はいくつかの層を使用すること もできる。もしカバーシート２が１以上の層からなるならば、吸収物品の液体透 過性表面シートとしてカバーシート２の（使用中に使用者に面することを意図さ れた）少なくともその層が繊維材料からなることが本発明の必要条件である。 可能な繊維材料の例として、織布又はメリヤス生地、いわゆる不織布材料（す なわち不織繊維織物）がある。簡潔にするために、あたかもカバーシート２が１ つの編織布性質を有する層のみからなるかのように以下に記述されるが、カバー シート２が１以上の材料層からなってもよいことは記述されるすべての具体例に 関して理解されるべきである。 繊維材料はカバーシート２にざらざらしていない又は肌を刺激しない柔らかく て快適な表面を与える。繊維材料は少なくとも１つの熱可塑性成分を含み、前記 成分は繊維全体の形態で又はいわゆる二成分繊維の一成分としての形態であるこ とができる。この目的のための好適な熱可塑性材料はポリエチレン、ポリプロピ レン又はポリエステルである。熱可塑性成分は本発明において少なくとも穴を開 けられる領域で繊維材料の少なくとも５５重量％を構成する。好ましくは熱可塑 性成分は繊維材料の少なくとも７０重量％を構成する。更に熱可塑性材料のみか らなる繊維材料を使用することもできる。 更にカバーシート２は加熱された針がシート２を貫くことによって作られた多 数の貫通穴４を有する。この工程中、針の温度は繊維材料の熱可塑性成分の溶融 温度を超えたものになっている。貫通中に溶融するカバー層の材料量は穴のまわ りの実質的に液体不透過性の縁６を完成材料に与えるのに十分なぐらい多い。液 密縁６はカバー層の引張強度を強め、カバー層２の表面にわたって穴の縁６から 液体が広がることを防止する。この液体防壁効果は液体を捕らえ、毛管効果によ って穴４から離れた間違った方向へ液体を吸い上げる、穴のまわりの自由繊維端 がないという事実による。 穴４のまわりの材料がカバーシート２の少なくとも第１層で溶融されるので、 これは穴の内側の穴の縁６が少なくともカバーシート２の材料の厚みの一部にわ たって比較的滑らかである。この理由により、穴の縁６は既に公知の穴の開いた 不織布材料のカバー層を伴う場合よりもカバーシート２を通る液体の流れの影響 をあまり制限しない。本発明のカバーシート２を通る液体の通行は素早くかつ比 較的妨げられずに行うことができる。 図２及び３の衛生ナプキン２０１は本発明の第１液体透過性カバーシート２０ ２、液体不透過性カバーシート２０３及びカバーシート２０２，２０３の間に囲 まれた吸収体２０５を含む。液体不透過性カバーシート２０３は液密プラスチッ クフィルム、液体不透過性材料を被覆された不織布層又は液体の浸透に対して抵 抗性のある他の可撓性材料層からなってもよい。液体不透過性カバーシート２０ ３がある程度の通気性を有する（すなわちカバーシートが水蒸気の通行を許す） ことは一般的に有利である。２つのカバーシート２０２，２０３は吸収体２０５ よりも幾分大きな広がりを平面に有し、吸収体２０５の縁の幾分外側に、吸収体 ２０５の全周囲にわたって広がる。表面シート２０２，２０３は例えば糊付け又 は熱や超音波での溶接によって突き出している部分２０７内へ接続される。 通常、吸収体２０５はセルロース繊維（例えばけば立ったセルロースパルプ） の１つ又はいくつかの層からなる。この目的のための好適な吸収構造の例がＷＯ ９４／１０９５６に記述されており、この公報には予め解繊すること及びマット 形成することなしに走行材料ウェブから切られた吸収体が記述されている。材料 は完成した吸収体の表面ドライ感を強め、これは液体透過性カバー層２０２が使 用者に一番近い繊維材料層を有する時、特に有益である。 セルロース繊維に加え、吸収体２０５は超吸収材料（いわゆる繊維、粒子、顆 粒、フィルムなどの形状の材料）も含んでもよく、前記超吸収材料は超吸収材料 の数倍の重さに相当する液体を吸収する能力を有する。超吸収材料は吸収した液 体に結合し、そうすることにより水性ゲルを形成する。更に吸収体２０５は結合 剤、形状安定成分などを含んでもよい。更に吸収特性を改良した吸収層が、例え ば異なった種類の液体吸上挿入物又は材料層に使用されてもよい。吸収体２０５ は吸収特性を変えるために化学的又は機械的に処理されてもよい。例えば、吸収 体２０５において液体の流れを導くために圧縮された部分を吸収層に与えること はよくあることである。更に他のタイプの吸収材料がそれだけで又はセルロース 繊維と超吸収材料の組み合わせで使用されてもよい。可能な吸収材料の例として 、吸収不織布材料、フォームなどがある。 液体不透過性カバーシート２０３の外側に、自己粘着糊の２つの領域２１２の 形の取り付け要素が配置されている。使用前には、糊領域２１２は剥離剤で処理 された紙又はプラスチックフィルムの剥離可能な保護層で好ましくは覆われてい る。保護層は図に示されてない。もちろん示された糊パターンよりも多くのもの が考えられ、同様に他の種類の取り付け要素（例えばヴェルクロ固定手段、押ボ タン、ガードル、特殊下着など）も考えられる。図２及び３に示される種類の衛 生ナプキンは使用中に普通の下着の内側に取り付けられる。本明細書において、 取り付け要素は使用中に下着の定位置に衛生ナプキンを固定する。もちろん取り 付け要素は下着にダメージを与えずに下着から衛生ナプキンを取り除くことがで きる種類のものであるべきである。 衛生ナプキン２０１は広い端部分２１４，２１６と端部分２１４，２１６の間 の狭い股部分２１８を伴う砂時計型である。股部分２１８は使用中に使用者の股 に位置されることを意図され、衛生ナプキンに分泌される体液を受け取る表面と して機能する部分である。更に、衛生ナプキンは２つの横方向端縁２２０，２２ ２と端縁２２０，２２２の間に広がる縦方向側縁２２４，２２６を有する。 更に衛生ナプキン２０１は２つのカバーシート２０２，２０３によって形成さ れ、股部分２１８で衛生ナプキン２０１の側縁２２４，２２６から突き出た固定 フラップ２２８，２３０を有する。衛生ナプキンの使用中に、固定フラップ２２ ８，２３０は使用者の下着の脚縁のまわりで折り畳まれ、下着の外側へ取り付け られることを意図される。この目的のために、固定フラップ２２８，２３０は液 体不透過性カバーシート２０３の取り付け要素２１２と同じ方法で選択されても よい特別な取り付け要素２３２を与えられる。 液体透過性カバーシート２０２は第１材料層２０８と第２材料層２０９からな る。第１材料層は多数の貫通する穴２０４を有する。穴は端縁２２０，２２２の 間に広がる、衛生ナプキンの股部分２１８において吸収体２０５の幅に相当する 幅を有する帯状の領域において縦方向に衛生ナプキン２０１上に配置される。 第１材料層２０８は衛生ナプキンの使用中に使用者の体に接触することを意図 された繊維材料である。繊維材料は織布又はメリヤス生地からなつてもよいが、 好ましくはスパンボンド型の不織布材料である。材料層２０８は熱溶融可能な材 料を少なくとも一部含有する。材料層２０８に穴２０４を作る間、熱溶融材料は 各穴２０４のすぐ近くの領域で溶融される。溶融された材料が穴作成工程後に凝 固する時、それは穴２０４の全周囲のまわりで連続した、実質的に液密の縁２０ ６を形成する。既に述べたように、連続した縁２０６はカバー材料２０２の引張 強度を強める。更に、縁２０６は液体が穴２０４からカバーシート２０２へ広が るのを防ぐ。その代わり、衛生ナプキン２０１に当たる体液がカバー層２０２を 通ってカバーシートの内側に位置された吸収体２０５へ送られる。 液体透過性カバーシート２０２の第２材料層２０９は第１材料層２０８の内側 に配置される。従って第２材料層２０９は第１材料層２０８と衛生ナプキンの吸 収体２０５の間に位置される。第２材料層２０９は第１材料層２０８より更に親 水性の材料からなり、これにより２つの材料層２０８，２０９の間の液体の移動 を衛生ナプキンの吸収体２０５に向かう方向へ行う。好適な材料の例として、様 々なタイプの不織布材料、エアレイ式(air laid)又はウエットレイ式(wet laid) セルロース層、様々な種類の綿詰、フォーム材料などがある。 液体透過性カバー層２０２と吸収体２０５の間の液体の移動を促進するために 、第２材料層２０９は好適には吸収体２０５と直接接触している。好ましくは材 料層は糊付け、溶接、縫い付けなどによって吸収体に接続される。 図３は吸収体２０５と同じ幅を伴う別の層としての第２材料層２０９を示す。 カバーシート２０２の２つの材料層２０８，２０９は、例えば糊付け、超音波又 は縫い付けによって好ましくは互いに接続される。もし材料層２０８，２０９が 縫い付けによって接続されるならば、これは第１材料層２０８の穴を作るのと同 時に行われることが好ましい。 第２材料層２０９が第１材料層２０８より狭い衛生ナプキンの広がりを持つ別 の層として示されているが、もちろん同じ広がりを持つ２つ以上の材料層から液 体透過性カバーシート２０２を代わりに作ることも可能である。そのようなカバ ーシートは問題の層を積層することにより形成されてもよく、又は結合された層 構造を伴う単一の材料層からなってもよい。 衛生ナプキンの異なった領域に異なった大きさの穴２０４を伴う、又は異なっ た領域に異なった数の穴を伴う液体透過性カバーシート２０２を作ることは有益 であるかもかもしれない。例えば、排泄された体液によって最初に湿潤される衛 生ナプキン２０１の領域の穴が比較的大きいことは有益である。このように、大 量の液体が短時間で衛生ナプキンに吸収されることができる。更にカバーシート ２０２は月経液に現れる高粘度成分及びタンパク質粒子を通す能力を有する。簡 潔にするために、最初に湿潤される衛生ナプキンの部分は衛生ナプキンの股部分 ２１８内のどこかであると一般的に考えられる。大きな穴は減少された遮蔽能力 を有する、又は衛生ナプキンによって吸収された月経液の視覚的印象を少なくと も減退するので、できるだけ大きな穴２０４を伴う領域を制限することが望まし い。この理由のため、ほんの少しの量の液体が端部分２１４，２１６で衛生ナプ キン内へ送られると推測されるので、これらの部分２１４，２１６内のカバーシ ート２０２は股部分２１８よりも小さい穴２０４を有することが好適である。衛 生ナプキンの側縁２２４，２２６に沿って配置される穴２０４が中央に配置され た穴２０４より少ない及び／又は狭い領域を有することは更に好適である。これ は吸収材料が飽和状態の場合、衛生ナプキンによって吸収された体液が側縁２２ ４，２２６で穴を通って出る危険を減らす。 図４のおむつは図２及び３の衛生ナプキンと実質的に同じ主要構造を有する。 従って、おむつ４０１は２つのカバーシート４０２，４０３の間に囲まれた吸収 体４０５を有する。 吸収体４０５は従来の種類のどんなものでもよい。よく使用される吸収材料の 例として、けば立ったセルロースパルプ、ティッシュ層、高吸収ポリマー、吸収 フォーム材料、吸収不織布材料などがある。材料の混合、異なった種類の材料層 及び異なった特性や異なった形状から構成される吸収体なども可能である。 更におむつ４０１は２つの縦方向側縁４２４，４２６、前方端縁４２０と後方 端縁４２２を有し、前方部分４１４、後方部分４１６、前方部分４１４と後方部 分４１６の間の狭い股部分４１８を有する。 更に、弾性要素４３４，４３６がおむつの股部分４１８の側縁４２４，４２６ に沿って配置される。おむつの使用中、弾性要素４３４，４３６は使用者の脚ま わりでおむつの密着状態を保つために機能する。更なる弾性要素４３８が後方終 端４２２に沿って配置され、ある程度の弾性をおむつ４０１に与えること及び使 用者の腰まわりでおむつのための封止手段として機能することを意図される。 テープタブ４４０，４４２は後方終端４２２に近いところで、各側縁４２４， ４２６に付けられる。テープタブ４４０，４４２はおむつが閉じられることを可 能にするおむつ４０１のための閉じ手段を構成し、かくしてそれはパンツと同じ ように、使用者の胴の下の部分を包む。テープタブ４４０，４４２は前方部分４ １４でおむつ４０１の液体不透過性カバーシート４０３上の受け取り領域４４４ と共に働く。受け取り領域４４４は例えば液体不透過性カバーシート４０３に積 層された補強材料の形であることができる。補強のおかげで、おむつ４０１はテ ープタブ４４０，４４２の接着を損なわずに又は液体不透過性カバーシート４０ ３を破ることなしに閉じられたり再度開けられたりすることができる。 もちろん、多くの他のタイプの閉じ手段が記述されたテープタブ４４０，４４ ２の代わりに使用されてもよい。他の閉じ手段の例として、ヴェルクロファスナ ー、押しつけ飾りボタン（press studs）、結ぶためのリボンなどがある。 上述された衛生ナプキンを伴った液体透過性カバーシート４０２は本発明の穴 のある繊維材料を含む。しかし、カバーシート４０２はおむつの中央に配置され た長方形の領域内でのみ穴を開けられる。 図５は液体透過性カバーシート５０２と液体不透過性カバーシート５０３を有 する失禁保護体５０１を示し、これらカバーシートは吸収体５０５を一緒に囲み 込む。 図２及び３の衛生ナプキン２０１と同様に、失禁保護体５０１は広い端部分５ １４，５１６と狭い股部分５１８を伴う砂時計型である。失禁保護体は内側に曲 がった側縁５２４，５２６と外側に曲がった終端５２０，５２２によって平面に おいて制限される。 その代わり、失禁保護体５０１は使用中に通常の下着の内側に着用される。下 着の内側の失禁保護体を固定するために、失禁保護体５０１は液体不透過性カバ ーシート５０３に配置された自己接着性糊の縦方向長方形領域５１２を与えられ る。 液体透過性カバーシート５０２は本発明のカバーシートであり、従って多数の 貫通する穴５０４を有し、各穴は連続する液密縁によって囲まれている。穴５０ ４は失禁保護体の全表面にわたって、しかし端部分５１４，５１６よりも失禁保 護体の股部分５１８内において高い密度で分布されている。このように、失禁保 護体は失禁保護体に分泌される体液のほとんどを受け取ることを意図された部分 内に高い液体透過性を有する。 本発明は上述の具体例に制限されず、更なる多くの変形及び修正が添付の請求 の範囲の範疇内で可能である。 本発明は記述された具体例のすべての可能な組み合わせを含むと見なされるべ きである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. せん孔された繊維材料を含む、おむつ（４０１）、失禁保護体（５０１） 、衛生ナプキン（２０１）又は類似物品などの吸収物品のための、液体透過性カ バーシート（２）において、繊維材料が少なくとも１つの熱可塑性成分を含み、 カバーシート（２）が多数の穴（４）を有し、各穴が少なくとも熱可塑性成分の 部分溶融によって形成された実質的に液体不透過性の縁（６）によって囲まれて いることを特徴とする液体透過性カバーシート（２）。 2. 穴（４）が加熱された針によって形成されること、及び穴（４）のまわり の液体不透過性縁（６）が穴（４）と同時に形成されることを特徴とする請求の 範囲１記載の液体透過性カバーシート（２）。 3. カバーシート（２）の穴（４）が超音波によって作られることを特徴とす る請求の範囲２記載の液体透過性カバーシート（２）。 4. 繊維材料が不織布材料であることを特徴とする請求の範囲１〜３のいずれ か記載の液体透過性カバーシート（２）。 5. カバーシート（５０２）が異なった大きさの穴（５０４）を有することを 特徴とする請求の範囲１〜４のいずれか記載の液体透過性カバーシート（５０２ ）。 6. カバーシート（２）の異なった領域が異なった密度で穴を有することを特 徴とする請求の範囲１〜５のいずれか記載の液体透過性カバーシート（２）。 7. せん孔されていない液体移動層に積層されていることを特徴とする請求の 範囲１〜６のいずれか記載の液体透過性カバーシート（２）。 8. カバーシートが少なくとも２つの材料層を含むことを特徴とする請求の範 囲１〜７のいずれか記載の液体透過性カバーシート（２０２）。 9. 第１材料層（２０８）と第２材料層（２０９）を含み、第２材料層（２０ ９）が第１材料層（２０８）より親水性であることを特徴とする請求の範囲８記 載の液体透過性カバーシート（２０２）。 10．カバーシート（２０２）を通る穴（２０４）が第１材料層（２０８）のみ において液体不透過性縁（２０６）を有することを特徴とする請求の範囲９記載 の液体透過性カバーシート（２０２）。 11．カバーシート（２０２，２０３；４０２，４０３；５０２，５０３）に囲 まれた吸収体（２０５；４０５；５０５）を含む、衛生ナプキン（２０１）、お むつ（４０１）、失禁保護体（５０１）などの吸収物品であって、カバーシート の少なくとも一部がせん孔された繊維材料の液体透過性カバーシート（２０２； ４０２；５０２）からなる場合において、繊維材料が少なくとも１つの熱可塑性 成分を含むこと、及びせん孔されたカバーシート（２０２；４０２；５０２）が 多数の穴（２０４；４０４；５０４）を有し、各穴が液体不透過性縁（２０６） によって囲まれ、液体不透過性縁（２０６）が穴（２０４；４０４；５０４）を 囲む熱可塑性成分を少なくとも部分的に溶融することにより形成されることを特 徴とする吸収物品。 12．吸収物品が２つの端部分（２１４，２１６；４１４，４１６；５１４，５ １６）、及び端部分（２１４，２１６；４１４，４１６；５１４，５１６）の間 の股部分（２１８；４１８；５１８）を有し、液体透過性カバーシート（２０２ ；４０２；５０２）が股部分（２１８；４１８；５１８）に配置された穴（２０ ４；４０４；５０４）を有し、その穴が端部分（２１４，２１６；４１４，４１ ６；５１４，５１６）のいずれかでカバーシート（２０２；４０２；５０２）に 作られた穴（２０４；４０４；５０４）より大きな表面積を有することを特徴と する請求の範囲１１記載の吸収物品。 13．吸収物品が２つの縦方向側縁（２２４，２２５）を有し、各側縁（２２４ ，２２６）に沿った縁領域が縁領域の内側で吸収物品の股部分（２１８）に配置 された穴（２０４）より小さい寸法及び／又はまばらに配置された穴（２０４） を有することを特徴とする請求の範囲１１又は１２記載の吸収物品。 14．加熱された針が少なくとも１つの熱可塑性成分を含む繊維材料層を貫くこ とによりせん孔された繊維材料カバーシート（２）を製造する方法において、針 の温度が熱可塑性成分の溶融温度を超えること、及び熱可塑性成分が繊維材料層 の材料の少なくとも５５％を構成し、加熱された針が針に最も近い熱可塑性成分 を溶融した後、針が抜かれ、溶融された材料が貫通によって形成された各穴（４ ）のまわりで実質的に液体不透過性の縁（６）に凝固することを特徴とする方法 。