JP2000509248A - 腫瘍血管新生および転移の分子診断方法 - Google Patents

腫瘍血管新生および転移の分子診断方法

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JP2000509248A JP09533491A JP53349197A JP2000509248A JP 2000509248 A JP2000509248 A JP 2000509248A JP 09533491 A JP09533491 A JP 09533491A JP 53349197 A JP53349197 A JP 53349197A JP 2000509248 A JP2000509248 A JP 2000509248A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、異常血管新生によって特徴付けられる疾患の分子段階を評価する方法に関する。より具体的には、本発明は、特異的分子マーカーの存在を測定することによって腫瘍の転移可能性を決定する方法に関する。本発明は、一部は、腫瘍の結果としておこる転移を決定するための主要マーカーが血管内皮増殖因子であるという発見に基づくものである。腫瘍状態に存在する特定のマーカーについての知識によって、医師は、癌治療を調整し、疾患状態を管理することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】 腫瘍血管新生および転移の分子診断方法 1.序論 本発明は、患者の適切な治療を計画するために癌の状態を分子的に病期分類す る方法に関する。具体的には、本発明は、転移性固形腫瘍の全ての型に共通の分 子マーカー、具体的には血管内皮増殖因子およびそのコグネイト受容体、ならび にその他の予後分子マーカーを使用することによって癌の血管新生表現型を評価 するためのアッセイに関する。 2.発明の背景 腫瘍の転移可能性を知ることは、患者の生存期間および生活の質を最大にする 癌治療の開発において重要である。最も攻撃的な治療養生法は、急速な腫瘍増殖 および転移の危険が非常に高い患者に対して取っておくべきである。したがって 、癌の転移可能性に特有のマーカーを同定することに非常に多くの努力が集中し ている。 癌の転移病期分類のためのマーカーの1つの型は、癌遺伝子対立遺伝子の存在 である。例えば、乳癌および卵巣癌の30%以上に関連する遺伝子は、neu/HER2 /c-erbB2原癌遺伝子として同定されている。原癌遺伝子の増幅およびそのタン パク質産物の過剰発現の程度は、疾患の重篤度および乏しい予後徴候に相関する ことがわかった。Slamonら,Science244:707-712(1989)を参照されたい。さらに 、rasおよびmyc遺伝子ファミリーの異常対立遺伝子は、ヒト癌の進行に関与して いることがわかっており、何人かの研究者はそれらが予後指標として有用である と推測している(Field.J.K.ら,Anticancer Res.10:1-22(1990))。さらに 、レシピエント細胞にH-rasファミリー癌遺伝子および突然変異体p53対立遺伝子 をトランスフェクトすることにより、転移可能性が誘発される(Liotta,L.A. ら,Cell 64:327-36(1991))。 しかしながら、これらの癌遺伝子マーカーの使用に伴う主な問題は、これらの 因子が腫瘍の全ての型の前兆ではないということである。それどころか、これら のマーカーは、それらが発生した組織または腫瘍の型に特異的であり、転移性癌 の全ての型に対する広い適用可能性を有していそうにはない。 増大している一連の証拠は、血管新生が癌の進行に必須であるということを示 すものである。血管新生は、それ以前に存在する血管からの新しい毛管の発生で ある。通常、哺乳類の血管新生は、生殖系、胚形成および発達、ならびに損傷後 の修復に限られる。しかしながら、血管新生は、癌、網膜新生血管形成、アテロ ーム斑における新生血管形成、血管腫、関節炎および乾癬などの病的状態におい ても生じ得る。Folkman,J.New England J.of Med.333:1757-63(1995)を参照 されたい。 血管形成がない場合、腫瘍は、小さい(2〜3ミリメートル未満)無症候性病 巣として何年もの間そのままの状態で存在し得る。Weidnerら,New England J. of Med.324:1-8(1991)を参照されたい。血管形成に至る腫瘍には、灌流によっ て多くの酸素と栄養分が供給される。したがって、血管形成される腫瘍は、成長 し、増殖することができる。腫瘍は、成長を続けるために新しい毛細血管の増殖 を絶えず刺激しなければならない。さらに、血管新生は、宿主動物の循環系に腫 瘍細胞を侵入させる。新しい血管は、腫瘍細胞に、循環に入って遠隔の部位に転 移するための通り口を提供するものである。Folkman,J.Natl.Cancer Inst.8 2:4-6(1990);KlagsbrunnおよびSoker,Current Biology 3:699-702(1993);Fol kman,J.,J.Natl.,Cancer Inst.82:4-6(1991);Weidnerら,New Engl.J.M ed.324:1-5(1991)を参照されたい。 実際、新生血管形成の程度は、原発性(primary)乳癌、膀胱癌、前立腺癌、非 小細胞肺癌、皮膚黒色腫、および子宮頚癌における転移と強く相関している。Fe rrara,N.,Breast Cancer Research and Treatment 36:127-137(1995)の概説を 参照されたい。これらの研究においては、腫瘍標本が組織学的に分析され、微小 水疱の数は手で数えられている。腫瘍塊血管形成の程度は、転移可能性の独立予 測物であり、その他の予後マーカーよりも信頼性が高いということがわかった。 これらの結果より、研究者らは、腫瘍血管形成が転移の予測のための診断ツー ルとして用いられ得ることを予測するようになった。しかしながら、腫瘍標本中 の微小水疱の計数は、大きな労働力を要することに加えて、定性的な技術である 。この方法には、信頼性および再現性のある結果を得るためにかなり技術的な訓 練が必要である。いくつかのグループは、この方法を再現するのは困難であると 報 告している。Wiedner,N.Amer.J.Path.147:9-19(1995)を参照されたい。さ らに、組織学のための標本を調製し、微小水疱を計数するプロセスは時間がかか る。そのため、この技術の適用は、一般的に、研究目的に限定されている。 したがって、腫瘍血管形成を評価することにより腫瘍の移転可能性を予測する ために、診療所で一般的に使用することができる迅速で客観的な技術が必要とさ れている。 何人かの研究者は、血管新生タンパク質の存在を定量することによって患者に おける血管新生活性を測定することが可能であり得ると推測した。その存在によ って潜在的に血管新生の存在を示す12個の血管新生タンパク質が知られている。 Folkman J.New England J.of Med.333:1757-63(1995)を参照されたい。これ らの因子の中で、最も一般的に腫瘍と関連していることがわかっているものは塩 基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、インス リン増殖因子2、血小板由来増殖因子、およびコロニー刺激因子である。血管新 生および転移マーカーの候補となるその他の因子は、ウロキナーゼ型プラスミノ ーゲンアクチベーターおよびプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1、 ならびに種々のコラゲナーゼおよびウロキナーゼである。Wiedner,N.,Amer.J .Path.147:9-19(1995)を参照されたい。 しかしながら、血管新生および転移に一般的に適用可能なマーカーを選択する ためには、このプロセスにおける主要因子を同定するのが望ましい。現在のとこ ろ、腫瘍血管新生を引き起こす因子または因子群は未だ決定されていない(前述 の文献参照)。bFGFおよびVEGFは相乗作用するものと推測されている( 前述の文献参照)。bFGFのレベルは、広範な癌患者の約37%の尿中で上昇し ていた。同様に、bFGFはかかる患者の10%の血清中でも上昇していた。最大 レベルのbFGFは、転移性疾患の患者において観察された。Folkman J.New E ngland J.of Med.333:1757-63(1995)の概説を参照されたい。bFGFは、脳 腫瘍の小児の脳脊髄液中でも異常に高く、これらの高レベルは腫瘍標本における 微細血管の密度と相関していた(前述の文献参照)。 一方、別の研究者は、黒色腫細胞系にVEGF発現プラスミドをトランスフェ クトしてマウスに注射した場合、それらの増殖、血管新生および転移能力が増大 するということを見出した。Claffey,K.ら,Cancer Res.56:172-81(1996)を参 照されたい。腫瘍標本中の免疫反応性VEGFタンパク質の半定量的レベルと、 微小水疱発達および転移可能性の程度との相関関係が、結腸癌患者において観察 された。Takahashi,Y.ら,Cancer Res.55:3964-68(1995)を参照されたい。こ の研究は、単に、組織化学切片におけるVEGF染色のレベルを主観的に評価し たものである。さらに、それらのデータには一定の矛盾があるので、これらの実 験者らは、VEGFが常に血管新生の原因となる因子であり得るとは限らないと 仮定するに至った。別のグループによる研究においては、マウスにヒト腫瘍細胞 を実験的に異種移植したところ、高レベルの血管形成およびVEGF RNAが 、生存率の低い患者から誘導されたそれらの異種移植腫瘍中で観察されるという ことが示された。Berger,D.P.ら,Annals.of Oncology 6:817-825(1995)を参 照されたい。しかしながら、この研究は、陰性対照を含んでおらず、ヌードマウ ス中で連続的に最大8〜12回継代させた(よって腫瘍の特徴が変化する可能性が 高まる)腫瘍細胞の回想的分析であった。 最後に、何人かの研究者は、腫瘍血管新生の発達の原因となる機構または因子 はないと主張している。腫瘍は血管新生分子を放出し得るが、その研究者らはこ れらの因子の放出が非血管新生細胞といかに異なるかは不明であると主張してい る。それどころか、これらの研究者は、血管新生活性の開始は存在している因子 のバランスによって決定されると考えている。Folkman,J.およびShing,Y.J .Biol.Chem.267:10931-34(1992)を参照されたい。 よって、どれが腫瘍血管新生および転移可能性の最も優れたマーカーであるか という論争が存在する。せいぜい、固形組織癌の全ての型に全般的に適用可能で あるマーカーまたはマーカー群に関する論争があるくらいである。本発明は、こ の論争の解決を提供するものであり、腫瘍標本の面倒な組織学的分析の必要性を 完全に排除し、患者の固形組織癌の転移可能性を決定するための一般的に適用可 能で迅速な方法を提供するものである。 3.発明の概要 したがって、本発明の目的は、異常な血管新生が関与する疾患の状態の進行を 特徴付けし、病期分類するための客観的な分子診断ツールを提供することである 。 本発明の好ましい実施態様においては、癌の状態は、ヒト被検者の特定の分子 マーカーの発現をアッセイすることによって監視される。しかしながら、網膜新 生血管形成、アテローム斑における新生血管形成、血管腫、関節炎および乾癬な どの異常血管新生によって特徴付けられる疾患は全て、本発明の方法を用いて分 子的に病期分類され得る。この診断ツールによって取得した情報は、これらの疾 患の状態を治療し、管理するための治療プロトコルを計画するために医師によっ て用いられる。 本発明の一つの態様においては、癌状態のヒトにおけるVEGF発現のレベル が検出され、監視される。腫瘍によるVEGFの発現の異常な増大が血管新生の 開始のきっかけとなるので、VEGFのレベルが癌の状態の進行についての分子 マーカーである。VEGFの存在は、生体組織検査によって体液中で、または外 科的デバルキング(debulking)によって得られた組織標本中でアッセイされ得る 。 本発明の別の態様においては、VEGFおよびその他の因子に応答する、腫瘍 と関連した内皮細胞における受容体タンパク質の発現も検出され、監視される。 これらの受容体タンパク質としては、限定するものではないが、KDR/flk-1、flt -1、および/またはtek/tie-2が挙げられる。VEGFとこれらの受容体タンパ ク質のどれかの同時発現も、増殖および転移が増大し得る腫瘍の指標となる。血 管新生経路に関与する特定の受容体の同定は、どの治療が血管新生の阻害に最も 効果的で選択的であるかを決定することにおいて重要である。 本発明のさらなる態様は、疾患の進行の指標となる種々のその他の分子マーカ ーの存在をアッセイすることである。例えば、VEGFまたはKDR/flk-1発現の 不在下での腫瘍部位における低酸素由来因子(HIF)の発現は、その腫瘍が血 管新生阻害因子による治療が必要である段階まで進行していないことを示すもの である。一方、癌遺伝子および/または腫瘍抑制遺伝子における突然変異に関連 したVEGFおよびKDR/flk-1の発現によって悪性腫瘍が規定され、より攻撃的 な治療養生法が指示される。 4.発明の詳細な説明 4.1 癌進行中の形態学的および分子的事象 腫瘍は、細胞が急速に分裂しているが、細胞の死滅速度が細胞増殖の速度と等 しい小さな無症候性癌として何年もの間存続し得る。壊死腫瘍塊内では、間質圧 力の増大および低酸素状態が生じる。最近、低酸素状態が、VEGFの発現に関 与する細胞転写因子である低酸素由来因子(HIF)の発現を誘導することがわ かった。HIF−1は、ヘテロダイマーDNA結合タンパク質としてクローニン グされ、同定されている。Wang,G.L.ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:551 0-14(1995)(これは、参照により本明細書に含まれるものである)を参照された い。 転移性腫瘍の発達中、腫瘍塊中のいくつかの細胞は、血管新生表現型に「スイ ッチ」し、新生血管形成が起こる。この「スイッチ」は、一部は、低酸素および HIFの誘導によるものである。しかしながら、HIFの産生だけではVEGF の発現のきっかけとなるのには不十分である。腫瘍はHIFを産生し得るが、V EGFは産生せず、休止したままである。本発明は、一部は、VEGFが腫瘍転 移の主要分子マーカーとして用いられ得るという発見に基づくものである。低酸 素およびHIFの産生に応答してVEGFを産生することができる腫瘍のみが増 殖し続け、最終的に転移することができるのである。したがって、HIFではな くVEGFが、腫瘍が血管新生表現型にスイッチされるかどうかの主要な決定因 子である。 VEGFは、約45kDのヘパリン結合性のホモダイマー糖タンパク質である。V EGFは、種々の起源および細胞系から単離されており、その遺伝子は、ヒト細 胞ならびにその他の種の細胞からクローニングされている。Tisher,E.ら,J.B iol.Chem.266:11947-54(1991)およびHouck,K.A.ら,Mol.Endocrinol.5:1 806-14(1991)(いずれの論文も参照により本明細書に含まれるものである)を参 照されたい。VEGF遺伝子転写産物は、121、165、189および206アミノ酸から なる少なくとも4つの異なる分子種のいずれかにスプライシングされる。VEG F165が最も一般的な形であり、組換え技術によって産生されたタンパク質産物 として市販されている(R&D Systems,ミネアポリス、ミネソタ州)。この産物 の生化学的特性は、天然源から単離されたVEGF165のものとよく一致してい る。 腫瘍塊によるVEGFの放出は、隣接する内皮細胞における血管新生を刺激す る。通常、毛管内皮細胞は、非常にゆっくりと(何千日かけて)交代し、血管周 囲細胞と呼ばれる特殊細胞との接触によって休止状態を維持する。VEGFが腫 瘍塊によって発現されると、VEGF+腫瘍細胞に近接する内皮細胞が、VEG F受容体分子KDR/flk-1および/またはflt-1の発現をアップレギュレートする 。 KDR/flk-1およびflt-1は両方とも、VEGFに対して高い特異性を有する受 容体チロシンキナーゼタンパク質である。それらのリガンドが結合すると、これ らの受容体はダイマー化し、チロシンリン酸化によって細胞内シグナルを伝達す る。KDR/flk-1受容体チロシンキナーゼは、ヒト細胞およびMatthews,W.ら,Pr oc.Natl.Acad.Sci.USA 88:9026-30(これは、参照により本明細書に含まれ るものである)に報告されているcDNAからクローニングされている。そのす ぐ後に、同様の受容体をマウス細胞中で同定し、特徴付けしたところ、KDR/flk- 1受容体に対するリガンドはVEGFと同定された。同時係属中の、1994年2月 9日に出願した米国特許出願第08/193,829号(参照により本明細書に含まれるも のである)を参照されたい。 VEGFはflt-1受容体に対するリガンドでもある。ヒトflt-1タンパク質の ヌクレオチド配列は、Shibuya,M.ら,Oncogene 5:519-24(1990)(参照により本 明細書に含まれるものである)に報告されている。 内皮細胞においてVEGFがそのコグネイトVEGF受容体に結合すると、シ グナル伝達を通してこれらの細胞における走化性作用が開始される。新しい毛管 が内皮脈管からVEGF+腫瘍細胞の方へ発生する。血管新生中、内皮細胞は最 大5日毎に分裂することによって急速に増殖する。 VEGFがそのコグネイト受容体に結合することによって内皮細胞の刺激が生 じた後すぐに、オーファン受容体tek/tie-2が新しい毛管に発達している内皮細 胞によって発現される。tek/tie-2は侵入性毛管の先端およびより発達した血管 中で発現し、この受容体は、移動、増殖および新しい毛管細胞の維持に関係する と考えられる。実際、発達中のマウス脳における血管新生中のチロシンキナーゼ 受容体発現の分析によって、KDR/flk-1受容体発現の約12時間後にtek/tie-2の 発現が示された。tek/tie-2についてのヒト遺伝子のクローニングは、Zieg1er ,S.F.ら,Oncogene 8:663-70(1993)(参照により本明細書に含まれるもので ある)に記載されている。 血管新生中に観察されたその他の受容体は、かかるプロセスにおけるその役割 は依然として不明確であるが、flk-4受容体、線維芽細胞増殖因子受容体、血小 板由来増殖因子β受容体、上皮増殖因子受容体、およびMet癌遺伝子である。Tu ija,M.およびAlitalo,K.,J.Cell Biol.129:895-898の概説を参照されたい 。 本発明は、癌の転移段階を評価し、適切な治療を案出するための方法において 、上記で概説したような血管新生の開始と関連した分子事象の知識を用いるもの である。特に、本発明の方法の鍵は、VEGFを発現する腫瘍のみが増殖および 転移する能力を有するという認識である。 本発明の一つの態様においては、ヒト由来の腫瘍の試料が、下記の技術を用い て、VEGFメッセンジャーRNAまたはタンパク質の存在について分子的に特 徴付けられる。また、同様の技術を用いて、試料は、因子HIF−1、KDR/flk- 1、flt-1、および/またはtek/tie-2の発現についても特徴付けられる。さら なる血管新生因子および受容体の存在、ならびに癌遺伝子対立遺伝子の存在も評 価され得る。試料は、生検、針生検によって、または外科的デバルキング後に得 られるものであり、組織学的に、または細胞溶解物として分析され得る。あらゆ るVEGFの存在が血管新生活性の指標となるが、グルユース-6-リン酸デヒド ロゲナーゼなどの対照マーカー、またはその他の任意の「ハウスキーピングタン パク質」もしくはRNA種に対するVEGFのレベルが、正常な組織試料におけ るVEGFのレベルと比較され得る。 本発明の主な利点は、試料中の血管を手動で計数することの必要性が排除され る(それは、今でも行い得るが)ということである。HIF−1の発現は、腫瘍 塊中および腫瘍塊付近で生じる低酸素に対するマーカーである。したがって、H IF−1は、腫瘍の壊死性低酸素部分が得られているという指標として使用され 得る。VEGFも存在する場合、このことによって腫瘍が血管新生表現型に「ス イッチ」され、転移が起こり得るということが示されたことになる。血管新生に 関与するさらなる受容体チロシンキナーゼの存在は、腫瘍によって生じた血管新 生の段階および治療的処置の可能性のあるターゲットに関するさらなる情報を提 供するものである。 また、試料は、限定するものではないが、ABL、ERBB-1、NEU、GTP、GSP、MYC 、L-MYC、H-RAS、K-RAS、N-RAS、RET、ROS、K-SAM、SIS、SRC、およびTPKを含む 、癌に関与していることが知られている多数の癌遺伝子のいずれかの発現につい ても分析され得る。Bishop,J.M.Cell 64:235-48(1991)(これは、参照により 本明細書に含まれるものである)の概説を参照されたい。さらに、RB1、p53、WT 1、DCC、NFL1、FAP、およびMEN-1などの腫瘍抑制遺伝子の発現も評価され得る。 本発明の別の態様においては、体液、例えば血液、血清、尿、リンパ液、およ び/または脳脊髄液が、VEGFの濃度上昇についてアッセイされる。あるいは 、VEGFに特異的な放射性標識された抗体、またはVEGF受容体分子の細胞 外ドメインを含む標識タンパク質などの検出可能なように標識されたVEGFに 対するリガンドをヒトの身体に導入して、標識リガンドの局在が、CATスキャ ン、MRI、ガイガーカウンター、またはその他の同等の装置などの標準手順に よって検出される。 本発明の方法を用いて腫瘍の分子プロフィールを測定すれば、医師は、癌治療 の有効性および患者の生活の質の両方を最適化するための適切な治療を計画する ことができる。したがって、本発明の方法によって得られた知識を用いることに よって、急性死亡性疾患を慢性状態に変換するために、癌の状態の管理を改良し 得る。 4.2 血管新生中の分子事象についてのアッセイ 腫瘍血管新生および転移の診断および予後評価、ならびにそのような状態に対 する疾病素質を有する被検者の同定には、種々の方法を用いることができる。 そのような方法は、例えば、本明細書に記載するように、VEGFヌクレオチ ド配列およびVEGF抗体などの試薬を利用し得る。具体的には、そのような試 薬は、例えば、(1)非発癌性組織状態に対するVEGF mRNAの存在または過 剰発現の検出;(2)非発現性組織状態に対するVEGFタンパク質の過剰発生量 の検出;(3)腫瘍塊における低酸素状態の検出;(4)隣接内皮組織におけるVEG Fチロシンキナーゼ受容体およびその他の血管新生受容体の発現の検出;および (5)癌遺伝子の発現の検出のために用いられ得る。 本明細書に記載する方法は、例えば、本明細書に記載する少なくとも1種の特 異的VEGFヌクレオチド配列またはVEGF抗体試薬を含む予めパッケージさ れた診断キットを利用することによって行い得るものであり、例えば、臨床状況 において腫瘍血管新生および転移の危険のある患者を診断するために都合よく用 いられ得る。 VEGF遺伝子発現の検出のために、VEGF遺伝子が発現するあらゆる細胞 型または組織、例えば腫瘍細胞などが利用され得る。VEGFタンパク質の検出 のために、VEGF遺伝子が発現するあらゆる細胞型または組織、ならびに内皮 細胞などのVEGF受容体を発現することが知られているあらゆる細胞が使用さ れ得る。さらに、VEGFタンパク質の存在は、腫瘍塊に連通したあらゆる体液 においてアッセイされ得る。例えば、脳腫瘍の場合においては、好ましくは髄液 が利用され得る。その他の種の腫瘍に対しては、血液、血清、および/または尿 が分析され得る。 核酸に基づく検出技術は、下記の4.2.1節に記載する。ペプチド検出技術は、 下記の4.2.2節に記載する。これらの技術は全て、本発明の方法に用いられる主 要マーカーであるVEGF発現の検出に関して記載されているが、これらの技術 は全て、血管新生に関連したその他のあらゆる分子マーカーの検出にも用いられ 得る。例えば、これらの技術は、HIF−1および受容体タンパク質KDR/flk-1 、flt-1、およびtek/tie-2、ならびにその他の血管新生タンパク質の発現パタ ーンおよび発現レベルを測定するのに用いられ得る。 さらに、異なる癌遺伝子対立遺伝子の発現が、これらの方法を用いて評価され 得る。その他のマーカーの発現に関して得られたさらなる情報は、特定の患者に おける癌の分子段階に適した血管新生および/または腫瘍増殖を阻害するための 適切な治療を計画する助けになる。 4.2.1 VEGF遺伝子および転写物の検出 VEGF遺伝子発現のレベルは、VEGF転写を検出および測定することによ ってアッセイすることができる。あらゆる細胞由来の核酸がそのようなアッセイ 技術の出発点として用いられ、この核酸は当業者によく知られた標準核酸調製手 順にしたがって単離され得る。例えば、VEGF遺伝子を発現すると推測される 腫瘍標本由来のRNAが、単離され、下記のようなハイブリダイゼーションまた はPCR技術を用いて試験され得る。単離細胞は、細胞培養物または患者から誘 導することができる。培養から得られた細胞の分析は、VEGF遺伝子の発現に おける化合物の効果を試験するのに有用であり得る。そのような分析によって、 VEGF遺伝子発現の活性化または不活性化を含む、VEGF遺伝子の発現パタ ーンの定量的および定性的局面の両方が明らかになり得る。 そのようなVEGF遺伝子転写物を検出する診断方法には、例えば、試料から 得られたRNAまたはRNAから作製されたcDNAなどの核酸を、組換えDN A分子またはin vitroで転写したアンチセンスRNAプローブを含む1以上の標 識化核酸試薬と、これらの試薬がVEGF遺伝子内の相補配列へ特異的にアニー リングするのに適した条件下で接触させ、インキュベートすることが含まれ得る 。好ましくは、これらの核酸試薬の長さは、少なくとも15〜30ヌクレオチドであ る。インキュベート後、アニールされていない全ての核酸を、核酸:VEGF分 子ハイブリッドから除去する。次いで、ハイブリダイズした核酸の存在は、その ような分子が存在する場合、検出される。このような検出スキームを用いて、目 的の細胞型または組織由来の核酸は、例えば、膜などの固体支持体、またはマイ クロタイタープレートまたはポリスチレンビーズの表面などのプラスチック表面 に固定することができる。この場合、インキュベート後、5.1節に記載したタイ プのアニールされていない標識化核酸試薬は容易に除去される。残ったアニール された標識化VEGF核酸試薬の検出は、当業者によく知られた標準技術を用い て行なわれる。VEGF遺伝子発現が存在するか否かを測定するために、標識化 VEGF遺伝子配列が試料にアニールした度合いを、正常な細胞または組織から 予測したアニーリングパターンと比較することができる。 患者の試料またはその他の適当な細胞ソースにおいてVEGF遺伝子特異的核 酸分子を検出する別の診断方法には、例えば、PCR(Mullis,K.B.,1987, 米国特許第4,683,202号に記載された実験態様)によってそれらの分子を増幅し た後、当業者によく知られた技術を用いて増幅分子を検出することが含まれ得る 。VEGF遺伝子発現がアップレギュレートされたか否かを測定するために、得 られた増幅配列を、増幅されたその核酸が正常なレベルのVEGF遺伝子転写物 の みを含む場合に予測されるものと比較することができる。 そのような検出スキームの1つの実施態様においては、cDNAは目的のRN Aから(例えば、RNA分子をcDNAに逆転写することによって)合成される 。次いで、cDNA内の配列を鋳型として用いて、PCR増幅反応などの核酸増 幅反応を行う。この方法の逆転写工程および核酸増幅工程において合成開始試薬 (例えばプライマー)として用いられる核酸試薬は、VEGF核酸配列の中から 選択される。そのような核酸試薬の好ましい長さは、少なくとも9〜30ヌクレオ チドである。増幅産物の検出のために、核酸増幅は放射性または非放射性標識化 ヌクレオチドを用いて行なわれ得る。また、標準臭化エチジウム染色またはその 他の適当な核酸染色方法を利用して視覚化し得るように十分な増幅産物が作られ 得る。 さらに、核酸精製の必要がないように、「in situ」にて、すなわち生検また は切除から得られた患者の組織の組織切片(固定および/または凍結したもの) に対して直接、そのようなVEGF遺伝子発現アッセイを行うことも可能である 。4.1節に記載したような核酸試薬を用いることによってinsitu手順のためのプ ローブおよび/またはプライマーを設計し得る(例えば、Nuovo,G.J.,1992, 「PCR in situハイブリダイゼーション:プロトコルおよび応用」,Raven Pr ess,NYを参照されたい)。 また、十分な量の適当な細胞が得られ得る場合、標準ノーザン分析を行って、 VEGF遺伝子のmRNA発現レベルを測定することができる。 4.2.2 VEGFタンパク質の検出 VEGFタンパク質、またはその保存変異体もしくはそのペプチド断片に特異 的な抗体を、本明細書に記載するように、腫瘍血管新生および転移の診断および 予後として用い得る。そのような診断方法を用いて、VEGF遺伝子発現のレベ ルでの異常、またはVEGFの構造および/または一時性(temporal)、組織、細 胞または細胞下の位置における異常を検出し得るものであり、そのような診断方 法は、例えば生検組織などでin vivoまたはin vitroで行い得るものである。ま た、抗体は、異常なVEGF活性の阻害方法としても用いられ得る。したがって 、そのような抗体は癌治療法の一部として利用され得る。 本発明の方法に用いられ得る抗体としては、限定するものではないが、ポリク ローナル抗体、モノクローナル抗体(mAbs)、ヒト化もしくはキメラ抗体、 単鎖抗体、Fab断片、F(ab')2断片、Fab発現ライブラリーによって産生された断 片、抗イディオタイプ(抗−Id)抗体、および上記のいずれかのエピトープ結合 断片が挙げられる。 抗体の産生のために、VEGF、末端切断したVEGFポリペプチド、および VEGF融合タンパク質の注射によって種々の宿主動物を免疫し得る。VEGF は、よく知られた技術を用いて天然ソースから単離されるか、組換え的に産生さ れ得る。組換えVEGFは、R&D Systems(ミネソタ州)から市販されている。 VEGFの融合タンパク質は抗原にも適している。ほぼあらゆる遺伝子に由来 するコード配列を用いた融合タンパク質の産生になじみやすいよく知られたシス テムは、pGEXベクター(Pharmacia,ピスカタウェイ(Piscataway),ニュー ジャージー州)を用いるシステムである。選択したコード領域を、グルタチオン -S-トランスフェラーゼ(GST)をコードするオープンリーディングフレーム のフレーム内および下流にある細菌発現ベクターに挿入する。得られたベクター をE.coliに形質転換する。ベクターから発現を誘導することによってグルタチオ ンアガロースビーズ(Pharmacia,ピスカタウェイ,ニュージャージー州)上の 細胞溶解物から容易に精製され得るGST−融合タンパク質が産生された。精製 融合タンパク質は抗原として直接用いられ得るものであり、または融合タンパク 質および免疫原として用いられる挿入配列によってコードされるペプチドからG ST部分は切断され得る。 抗体の産生のための宿主動物としては、限定するものではないが、少し名前を 挙げるとすると、ウサギ、マウスおよびラットが挙げられ得る。免疫応答を高め るために宿主種に依存して種々のアジュバントが用いられ得、限定するものでは ないが、フロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムなどの鉱物ゲル 、リゾレシチン、プルロニックポリオール(pluronic polyols)、ポリアニオン、 ペプチド、油性エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフ ェノール、およびBCG(カルメット−ゲラン杆菌)およびコリネバクテリウム パルブム(Corynebacterium parvum)などの潜在的に有用なヒトアジュバントが挙 げられる。ポリクローナル抗体は、免疫化動物の血清から誘導される抗体分子の 不均一集団である。 モノクローナル抗体は、特定の抗原に対する抗体の均一集団であるが、培養に おいて連続細胞系により抗体分子を産生させる技術によって得られ得る。そのよ うな技術としては、限定するものではないが、KohlerおよびMilstein(1975,Nat ure 256:495-497;および米国特許第4,376,110号)のハイブリドーマ技術、ヒト B細胞ハイブリドーマ技術(Kosborら,1983,Immunology Today 4:72;Coleら,1 983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:2026-2030)、およびEBV−ハイブリド ーマ技術(Coleら,1985,Monclonal Antibodies And Cancer Therapy,Alan R. Liss,Inc.pp.77-96)が挙げられる。そのような抗体は、IgG、IgM、Ig E,. IgA,. IgD、およびそれらのサブクラスを含むあらゆる免疫グロ ブリンクラスに含まれるものであり得る。本発明のmAbを産生するハイブリド ーマは、in vitroまたはin vivoで培養され得る。高力価のmAbのin vivo産生 によりこれは現在のところ好ましい産生方法である。 さらに、適切な抗原特異性を有するマウス抗体分子由来の遺伝子を適切な生物 学的活性を有するヒト抗体分子由来の遺伝子とともにスプライスすることによっ て「キメラ抗体」(Morrisonら,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6 855;Neubergerら,1984,Nature,312:604-608;Takedaら,1985,Nature,314:4 52-454)を産生するために開発された技術を用いることができる。キメラ抗体は 、マウスmAbおよびヒト免疫グロブリン定常領域から誘導された可変領域を有 するものなどの、種々の部分が異なる動物種から誘導された分子である。 また、単鎖抗体の産生について記載された技術(Bird,1988,米国特許第4,94 6,778号;Science 242:423-426;Hustonら,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883;およびWardら,1989,Nature334:544-546)を用いてVEGFタ ンパク質に対する単鎖抗体を産生することができる。単鎖抗体は、アミノ酸架橋 を介してFv領域のH鎖断片とL鎖断片を結合して単鎖ポリペプチドにすること によって形成される。 特異的エピトープを認識する抗体断片は、公知の技術によって作製され得る。 例えば、そのような断片としては、限定するものではないが、抗体分子のペプシ ン消化によって産生され得るF(ab')2断片およびF(ab')2断片のジスルフィド架橋 を還元することによって作製され得るFab断片が拳げられる。また、Fab発現ライ ブラリーを構築することによって(Huseら,1989,Science,246:1275-1281)、所 望の特異性を有するモノクローナルFab断片を迅速且つ容易に同定することが可 能であり得る。 次いで、VEGFに対する抗体を利用して、当業者によく知られた技術を用い てVEGFを「模倣」する抗イディオタイプ抗体を作製することもできる(例えば 、GreenspanおよびBona,1993,FASEB J.7(5):437-444;ならびにNissinoff,19 91,J.Immunol.147(8):2429-2438を参照されたい)。例えば、VEGFに結合 し、VEGFがVEGF受容体に結合するのを競合的に阻害する抗体を用いるこ とによって、VEGFを「模倣」して受容体を結合および中和する抗イディオタイ プ抗体を作製することができる。そのような中和抗イディオタイプまたはそのよ うな抗イディオタイプのFab断片を治療養生法に用いて、VEGF活性を中和し 、血管新生を阻害することができる。 さらに、その存在が検出され得るVEGF受容体融合タンパク質またはVEG F受容体複合タンパク質を投与することができる。好ましくは、膜貫通および細 胞内キナーゼドメインが欠けている内因的にコードされたsflt-1受容体などのV EGF受容体の可溶性細胞外ドメインが用いられ得る。Kendall R.およびThoma s,K.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:10705-10709(1993)。例えば、放射線不 透過性化合物またはその他の適切な化合物で標識されたVEGF受容体融合また は複合タンパク質を投与して、標識抗体について上記したように、in vivoで視 覚化することができる。さらに、そのようなVEGF受容体融合タンパク質は、 in vitro診断手順に利用することができる。 VEGFに特異的な抗体をin vivoで用いることにより、身体におけるVEG Fの発現のパターンおよびレベルを検出することができる。そのような抗体は、 例えば、X線、CATスキャンまたはMRIなどの標準方法を用いて身体におい て発現したVEGFへの結合を視覚化するために、放射性不透過性の化合物また はその他の適切な化合物で標識されて、被検者に注射することができる。標識化 抗体断片、例えば、抗原結合領域の最小部分を含むFabまたは単鎖抗体は、血液 脳関門を横切ることを促進する目的にとって好ましい。 また、上記のようなイムノアッセイまたは融合タンパク質検出アッセイを生検 および検死試料においてin vitroで利用して、VEGFの発現パターンを評価す ることができる。そのようなアッセイは、VEGFを規定する抗体の使用に限ら れず、HIF-1、KDR/flk-1、flt-1およびtek/tie-2のドメインのいずれかのエ ピトープに特異的な抗体の使用が含まれ得る。これらの標識化抗体のそれぞれま たは全てを使用することにより、腫瘍発達の段階に関する有用な情報が得られる 。 分析される組織または細胞型には、概して、腫瘍細胞、VEGFタンパク質に 対する結合部位を含む内皮細胞、および体液などのVEGF遺伝子を発現すると 推測されるものが含まれる。体液中のVEGFの定量に適したVEGFアッセイ についての記載は、Baker,P.D.ら,Obstetrics & Gynecology 86:815-821(199 5)(この内容全体が参考として本明細書に援用される)にある。本明細書で用い るタンパク質単離方法は、例えば、HarlowおよびLaneに記載された方法である( Harlow,E.およびLane,D.,1988,「抗体:実験マニュアル」,Cold Spring H abor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,ニューヨークを参照されたい。 この内容全体が参考として本明細書に援用される)。単離細胞は、細胞培養物ま たはヒトから誘導することができる。培養物から得られた細胞の分析は、VEG F遺伝子の発現における化合物の効果を試験するのに有用であり得る。 本発明において有用な抗体(もしくはその断片)またはVEGF受容体融合も しくは複合タンパク質は、さらに、VEGFタンパク質またはその保存変異体も しくはペプチド断片のin situ検出のために、免疫蛍光検査法、免疫電子顕微鏡 検査法、または非免疫アッセイにおいても組織学的に用いられ得る。 in situ検出は、患者由来の組織学的標本を取り出し、それを本発明の標識化 抗体または融合タンパク質と接触させることによって行なわれ得る。抗体(もし くは断片)または融合タンパク質は、好ましくは、標識抗体(または断片)を生 物学的試料上にのせることによって適用される。そのような手順を使用すること によって、VEGFタンパク質の存在のみならず、検査される組織におけるVE GFタンパク質の分布も測定することができる。当業者は、本発明を用いて、そ のようなin situ検出を行うために広範な組織学的方法(染色手順など)のいず れかを変更することができるということに容易に気づくであろう。 VEGFタンパク質またはその保存変異体もしくはペプチド断片についてのイ ムノアッセイおよび非イムノアッセイには、典型的には、生体液、組織抽出物、 新たに採取した細胞、または細胞培養中でインキュベートした細胞の溶解物など の試料を、VEGFタンパク質またはその保存変異体もしくはペプチド断片を同 定することができる検出可能なように標識化された抗体の存在下でインキュベー トし、当該分野において周知の多くの技術のいずれかによって結合抗体を検出す ることが含まれる。 生物学的試料を、ニトロセルースなどの固相支持体または担体、または細胞、 細胞粒子もしくは可溶性タンパク質を固定することができるその他の固体支持体 上に接触させ固定することが可能である。次いで、支持体を、適切な緩衝液で洗 浄した後、検出可能に標識化されたVEGF抗体またはVEGF受容体融合タン パク質で処理し得る。その後、固相支持体を緩衝液で再度洗浄し、非結合抗体ま たは融合タンパク質を除去し得る。次に、固体支持体上の結合標識の量を通常の 手段によって検出し得る。 「固相支持体または担体」とは、抗原または抗体を結合する能力のあるあらゆ る支持体を意味する。周知の支持体または担体としては、ガラス、ポリスチレン 、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然 および修飾セルロース、ポリアクリルアミド、ガブロス(gabbros)、ならびに磁 鉄鉱が挙げられる。担体の性質は、本発明の目的のためには、ある程度まで可溶 または不溶のいずれでもあり得る。支持体材料は、実質的には、結合した分子が 抗原または抗体に結合することができるかぎり、どのような構造的外形を有して いてもいてもよい。したがって、支持体の外形は、ビーズのような球形、または 試験管の内表面もしくは棒の外表面のような円筒形であり得る。また、その表面 は、シート、試験ストリップなどのように平坦であり得る。好ましい支持体とし ては、ポリスチレンビーズが挙げられる。当業者は、抗体または抗原を結合する のに適したその他多くの担体を知っており、または常套的な実験によりそれらを 突きとめることができるであろう。 所与の群のVEGF抗体の結合活性は、周知の方法によって測定され得る。当 業者は、常套的な実験によって各測定についての有効かつ最適な条件を決定する ことができるであろう。 抗体について、VEGF抗体を検出可能なように標識し得る方法の1つは、こ の抗体を酵素に結合し、酵素イムノアッセイ(EIA)において使用するもので ある(Voller,A.,「酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)」,19 78,Diagnostic Horizons 2:1-7,Microbiological Associates Quarterly Publ ication,ウォーカースヴィル(Walkersville),メリーランド州);Voller,A. ら,1978,J.Clin.Pathol.31:507-520;Butler,J.E.,1981,Meth.Enzymol .73:482-523;Maggio,E.(編),1980,Enzyme Immunoassay,CRC Press,ボ ッカレイトン(Boca Raton),フロリダリダ州Ishikawa,E.ら(編),1981,Enzyme Immunoassay,Kgaku Shoin,東京)。例えば、スペクトル分光法、蛍光光度法、 または視覚化手段によって検出することができる化学部分を産生することができ るような手法で、抗体に結合する酵素を、適当な基質、好ましくは色素産生基質 と反応させる。検出可能なように抗体を標識化するために用いられ得る酵素とし ては、限定するものではないが、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌性ヌク レアーゼ、δ-5-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、 α−グリセリンリン酸、デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西 洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グル コースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、 カタラーゼ、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよび アセチルコリンエステラーゼが挙げられる。検出は、酵素に対する色素産生基質 を用いる比色分析法によって行なうことができる。また、検出は、基質の酵素反 応の程度を、同様に調製した標準物質と視覚的に比較することによっても行い得 る。 また、検出は、種々のその他のイムノアッセイのいずれかを用いても行い得る 。例えば、抗体または抗体断片を放射性標識することによって、ラジオイムノア ッセイ(RIA)を用いてVEGFを検出することができる(例えば、参考のた めにその全体が援用されるWeintraub,B.,Principles of Radioimmunoassays, S eventh Training Course on Radioligand Assay Techniques,The Endocrine So ciety,1996年3月を参照されたい)。放射性同位体は、ガンマカウンターもし くはシンチレーションカウンターまたはオートラジオグラフィーを用いるような 手段で検出することができる。 抗体を蛍光化合物で標識することも可能である。蛍光標識抗体を適当な波長の 光に曝すと、その存在が蛍光により検出され得る。最も一般的に用いられている 蛍光標識化合物には、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコ エリトリン、フィコシアニン(phycocyanin)、アロフィコシアニン(allophycocya nin)、o-フタルデヒド(o-phthaldehyde)およびフルオレサミン(fluorescamine) がある。 また、抗体は、152Eu、またはランタニド系列のその他の金属などの蛍光放出 金属を用いて検出可能に標識することもできる。これらの金属は、ジエチレント リアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などの 金属キレート団を用いて抗体に結合させることができる。 また、抗体は、抗体を化学ルミネッセンス化合物に結合することによって検出 可能に標識することもできる。この場合、化学ルミネッセンス標識化抗体の存在 は、化学反応過程に生じるルミネッセンスの存在を検出することによって測定さ れる。特に有用な化学ルミネッセンス標識化合物としては、例えば、ルミノール 、イソルミノール、テロマティックアクリジニウムエステル(theromatic acridi nium ester)、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルが挙げ られる。 さらに、生物ルミネッセンス化合物を用いて本発明の抗体を標識することも可 能である。生物ルミネッセンスは、生体系に見とめられる化学ルミネッセンスの 1種であり、触媒タンパク質が化学ルミネッセンス反応の効率を増大させる。生 物ルミネッセンスタンパク質の存在は、ルミネッセンスの存在を検出することに よって測定される。標識目的に重要な生物ルミネッセンス化合物は、ルシフェリ ン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。 4.3 癌および転移に関連したさらなる分子マーカーの検出 上記のように、腫瘍中のVEGFの存在を分析するための上記に詳述した核酸 およびタンパク質検出技術はまた、HIF、KDR/flk-1、flt-1、tek/tie-2、また は血管新生に関与する種々の受容体チロシンキナーゼのいずれかをこれらに限定 されることなく含む、血管新生表現型に関連した種々のその他の因子の発現につ いてアッセイするために使用してもよい。さらに、上記で詳述した技術を用いて 、癌遺伝子対立遺伝子の発現または腫瘍抑制遺伝子産物の皆無についてアッセイ してもよい。 VEGFタンパク質を検出するための上記で詳述した方法の改変において、検 出可能に標識、またはその存在が容易に測定され得るタンパク質に融合されたV EGFを用いることによって、KDR/flk-1および/またはflt-1などのVEGF 受容体タンパク質の存在を検出し得る。例えば、VEGFは、組換え合成中に、35 S−含有アミノ酸で放射性標識され得る。また、VEGFは、当業者に周知の 技術を用いて、免疫グロブリン定常ドメインを含む融合タンパク質として組換え 的に産生され得る。 KDR/flk-1、flt-1、tek/tie-2ならびにその他の受容体チロシンキナーゼ受 容体を含む、試料中に存在する受容体チロシンキナーゼ受容体の完全なプロフィ ールは、その開示全体が参考として本明細書に援用される1995年5月5日に出願 された同時係属中の米国特許出願第08/436,065号に完全に記載される転写物画像 化技術を用いて決定され得る。 4.4 癌治療を設計し、血管新生阻害剤を選択するための腫瘍の分子プロファ イリング 上記詳述した本発明の方法から得られた情報を用いて、医師は、患者の癌の状 態の分子段階に適合した適切な治療を設計することができる。癌の第一段階にお いては、細胞は急速に増殖し始める。小さな腫瘍が形成される。成長している腫 瘍塊へのさらなる栄養素および酸素の一定の流れがなくなると、細胞は、腫瘍部 位で細胞分裂と同じくらい急速に死滅し始める。この段階においては、壊死腫瘍 塊内で低酸素状態が生じ、これはHIF−1の誘導によって検出することができ る。しかしながら、VEGFが存在しない場合、血管新生は生じず、腫瘍塊は小 さいままであり、循環系から隔離されたままである。この腫瘍由来の試料を本発 明の方法を用いてアッセイすると、細胞がHIF−1を発現していることがわか るであろうが、VEGFは発現していないであろう。この腫瘍段階は、血管新生 前であり、転移表現型まで進行していない。したがって、腫瘍の治療は、もしあ ったとしても腫瘍部位に限定されるべきであり、患者はその後定期的に検査され るべきである。 患者から単離された腫瘍細胞が本発明の診断方法を用いてVEGFを発現して いることがみとめられた場合、この患者は抗血管新生治療を受ける候補となる。 血管新生が阻害されると、腫瘍増殖および転移も阻害されるという証拠が相当蓄 積されている。例えば、Asano,M.ら,Cancer Research 55:5296-5301(1995);Ko ndo,S.ら,Biochem.Biophys.Res.Comm.194:1234-41;およびMillauer,B.ら ,Nature367:576-79(1994)を参照されたい。 適当な抗血管新生剤は、例えば、Folkman J.New England J.of Med.333:17 57-63(1995)に記載されているように、インターフェロン−α2a、サリドマイ ド、ミノサイクリン、フマギリン(fumagillin)TNP-470の合成類似体、インター ロイキン-12、メタロプロテアーゼ阻害剤、および血小板因子4などの血管新生 をほぼ阻害すると知られている、または考えられているものから選択され得る。 さらに、Asano,M.ら,Cancer Research 55:5296-5301(1995)に記載されている ようなVEGFを結合および中和する特異的モノクローナル抗体によって、また は膜貫通および細胞内キナーゼドメインが欠けている内因的にコードされたsflt -1受容体などの末端切断したVEGF受容体を用いることによって、VEGFの 活性は直接的に阻害され得る。Kendall R.およびThomas,K.,Proc.Natl.Aca d.Sci.USA 90:10705-10709(1993)を参照されたい。 さらに、VEGFに加えて、癌の状態に関与する特異的受容体に関する知識に よって薬剤治療のためにそれらの受容体を標的にすることができる。例えば、KD R/flk-1がその癌に関与することが知られている場合、参考としてその全体が援 用される1996年3月21日に出願した共願で同時係属中の米国特許出願代理人事件 登録簿第7683-114号に記載された化合物を利用することにより、KDR/flk-1受容 体を特異的に阻害し得る。 さらに、VEGFが存在する場合、このことは、腫瘍が、転移が生じ得る段階 まで進行していることを示している。得られた特定の腫瘍プロフィールに依存し て、医師は抗血管新生治療を化学療法などの積極的な全身治療と組み合わせるべ きである。公知の腫瘍癌遺伝子ならびに転移および増殖の予後指標の同定は、医 師によって選択される治療養生法の積極性の決定の助けとなる。均等物 前述の記載は、当業者が本発明を実施するために十分であると考えられる。実 際、本発明を実施するために分子生物学またはそれに関連する分野の当業者に明 らかな上記の方法の種々の改変が、以下の特許請求の範囲内に含まれるものであ る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU, CZ,EE,GE,GH,HU,IL,IS,JP,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T T,UA,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a)ヒトから細胞試料を取り出し; b)試料をVEGF転写活性についてアッセイし;そして c)VEGF転写活性の誘導によって特徴付けられる転移性疾患の存在を決 定する ことを含む、ヒトの転移性疾患を診断する方法。 2.前記細胞が腫瘍細胞である、請求項1に記載の方法。 3.前記腫瘍細胞が腫瘍の外科的デバルキングによって得られる、請求項2に記 載の方法。 4.前記転写活性を、標識された相補的な核酸に前記細胞由来のRNAをハイブ リダイゼーションさせることによって測定する、請求項1に記載の方法。 5.前記転写活性をポリメラーゼ連鎖反応によって測定する、請求項1に記載の 方法。 6.前記試料を、VEGFタンパク質の存在についてアッセイすることをさらに 含む、請求項1に記載の方法。 7.前記試料を、血管新生に関与するチロシンキナーゼ受容体の発現についてア ッセイすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。 8.前記チロシンキナーゼ受容体が、KDR/flk-1受容体、flt-1受容体、および /またはtek/tie-2受容体からなる群から選択される、請求項7に記載の方 法。 9.前記試料を、低酸素由来因子1の発現についてアッセイすることをさらに含 む、請求項1に記載の方法。 10.癌遺伝子の異常発現についてアッセイすることをさらに含む、請求項1に記 載の方法。 11.a)ヒトから組織または体液の試料を取り出し; b)該試料中のVEGFタンパク質の存在をアッセイし;そして c)VEGFタンパク質の存在によって転移性疾患の存在を決定する ことを含み、VEGFタンパク質の異常存在が転移性疾患の存在を示すもの である、ヒトの転移性疾患を診断する方法。 12.前記試料が腫瘍の外科的デバルキングによって得られる、請求項11に記載 の方法。 13.前記体液が血液である、請求項11に記載の方法。 14.VEGFの存在を、抗VEGF抗体を用いて決定する、請求項11に記載の 方法。 15.前記抗VEGF抗体をELISAアッセイに用いる、請求項14に記載の方 法。 16.前記試料を、血管新生に関与するチロシンキナーゼ受容体の発現についてア ッセイすることをさらに含む、請求項11に記載の方法。 17.チロシンキナーゼ受容体が、KDR/flk-1受容体、flt-1受容体、および/また はtek/tie-2受容体からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。 18.前記試料を、低酸素由来因子の発現についてアッセイすることをさらに含む 、 請求項11に記載の方法。 19.癌遺伝子の発現についてアッセイすることをさらに含む、請求項11に記載 の方法。 20.a)VEGFを特異的に認識するリガンドを検出可能なように標識し; b)標識リガンドをヒトに投与し;そして c)そのヒトにおける標識抗体または融合タンパク質の局在を検出する ことを含み、VEGFの異常局在化が転移性疾患を示すものである、ヒトの 転移を診断する方法。
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