JP2000507916A - アミノフェニルスルホニル尿素の製造法およびその方法のための中間体 - Google Patents

アミノフェニルスルホニル尿素の製造法およびその方法のための中間体

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Abstract

(57)【要約】 化合物(I) (式中、A=Hまたはアシルであり、R1、R2、R3、R、n、X、YおよびZは請求項1に定義した通りである)の製造方法において、化合物(II)(所望によりその塩)のハロゲン化および転位によって化合物(III)を得、a)(III)の(IV)へのアンモノリシス、ニトロ基の還元および式Ar-OCO-N(M)-Het(式中、Ar=フェニル、M=Hまたは陽イオン,Het=式(I)からの異項環)のカルバメート(塩)(VI)との反応により式(I)(A=H)の化合物を得るか、またはb)(III)の(IV)へのアンモノリシス、カルバメート(塩)(VI)との反応および得られた化合物(VII)のNO2基の還元により式(I)(A=H)の化合物を得るか、またはc)(III)をシアナートおよび式HNR3Hetのアミンと反応させ、得られた化合物(VII)のNO2基の還元により式(I)(A=H)の化合物を得て、ついでAがH以外である場合には必要に応じてアシル化する方法。式(I)(A=H)、(III)、(IV)、(V)、(VI)(M=陽イオン)および(VII)の化合物も新規である。

Description

【発明の詳細な説明】 アミノフェニルスルホニル尿素の製造法および その方法のための中間体 本発明は除草剤または植物成長調節剤の製造法の技術分野に関連する。 異項環で置換され、フェニル環にアミノ基または官能化されたアミノ基をもつ フェニルスルホニル尿素が除草作用および植物成長調節作用を有することは既知 である[EP-A-1515;EP-A-7687(=US-A-4,383,113);EP-A-30138(=US-A-4,3 94,506);US-A-4,892,946;US-A-4,981,509;EP-A-116518(=US-A-4,664,695; US-A-4,632,695);WO94/10154]。さらにドイツ特許出願P4415049.0(WO 95/2 9899)にはアシルアミノスルホニル尿素が除草剤として提案されている。引用さ れた文献にはスルホニル尿素の製造方法の記載も含まれている。フェニル環に遊 離のアミノ基を有する化合物は、それら自体が除草活性成分であるか、または置 換アミノ基をもつ化合物の製造のための出発化合物として適当である。 分子内の多数の反応性官能基により、アミノフェニルスルホニル尿素の製造は 収率が低いか純度の劣る方法でしか実施できないことが多い。他の欠点は、多く の方法が、たとえばスルホンアミドの場合にはtert-ブチル基のような保護基の 使用に基づき、その除去に特殊な取扱の難しい試薬たとえばトリフルオロ酢酸を 必要とすることである。しかも、スルホニル尿素化合物の既知の製造方法の大部 分は多段工程法であり、したがって一般に中程度の総収率しか得られない。 本発明の目的は、したがって、アミノフェニルスルホニル尿素系の比較的多く の大群の除草剤の製造に適当で、上述の欠点の多くを回避できる方法を提供する ことにある。 本発明は、式(I) [式中、 (R)nはハロゲン、アルキルおよびルコキシよりなる群からのn個の同種または異 種の基であり、 nは0、1、2または3、好ましくは0または1,とくに0であり、 Aは水素またはアシル基であり、 R1は水素、または1〜6個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有す る非置換もしくは置換炭化水素または炭化水素オキシ基であり、 R2は水素、または総計1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を 有する非置換もしくは置換炭化水素基であるか、 基NR1R2は非置換または置換された3〜8個の環内原子を有し、基NR1R2の窒素 原子を環内ヘテロ原子として含み、さらにN、OおよびSよりなる群からの1個 または2個の環内ヘテロ原子を含有していてもよい異項環であり、 R3は水素またはC1〜C4−アルキルであり、 XおよびYは、互いに独立にハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキ シ、C1〜C6−アルキルチオ(後3者の基は非置換またはハロゲン、C1〜C4−アル コキシおよびC1〜C4−アルキルチオよりなる群からの1個もしくは2個以上の基 で置換されている)、C3〜C6−シクロアルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6− アルキニル、C3〜C6−アルケニルオキシまたはC3〜C6−アルキニルオキシであり 、 ZはCHまたはNである]の化合物およびそれらの塩の製造方法におい て、 1(段階1):式(II) の化合物またはその塩をハロゲン化剤の存在下に反応させて、そのカルボニルハ ライドの形成およびその転位により式(III)の化合物を形成させ、 2(段階2):ついで a)化合物(III)をSO2Cl基においてアンモノリシスに付して式(IV) の化合物とし、ついで化合物(IV)のニトロ基を還元して式(V) の化合物を得、ついで化合物(V)を式(VI) (式中、Arは非置換または置換フェニルであり、MはH、C1〜C4−アルキ ルまたは金属陽イオンである)のカルバメートまたはカルバメート塩と反応させ 、式(I)においてR3は、式(VI)中のMに一致し、H、C1〜C4−アルキルまた は、Mが金属陽イオンである場合にはR3は水素原子であり、A=Hである化合物 を得るか、または b)式(III)の化合物をSO2Cl基においてアンモノリススに付して上述の式( IV)の化合物を得、ついで、化合物(IV)を上述の式(VI)のカルバメートまた はカルバメート塩と反応させて式(VII) (式中、R3は、式(VI)中のMに一致し、H,C1〜C4−アルキルまたは、Mが金 属陽イオンである場合には水素原子である)の化合物を得、式(VII)の化合物 のニトロ基を還元して式(I)においてA=Hである化合物を得るか、または c)式(III)の化合物をシアナートおよび式(VIII) (式中、R3は、式(I)において定義した通りである)の異項環アミンと反応さ せて式(VII)のスルホニル尿素を得、このニトロ基を還元し式(I)においてA はHである化合物を得、ついで 3(段階3):式(I)の最終生成物におけるAが水素ではなくアシル基である 場合は、段階2において得られた式(I)のAがHである化合物をアシル化する ことからなる方法を提供する。上記式(II)〜(VIII)中、(R)n, R1,R2、X、YおよびZは式(I)の最終生成物について定義した通りである 。 式(I)〜(VIII)中および以下に用いられる式中、アルキル、アルコキシ、 ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルアミノおよびアルキルチオならびにそ れらの非置換および/または置換対応部分の炭素骨格は、それぞれの場合、直鎖 状または分岐状である。とくに指示がなければ、これらの基の場合、低級炭素骨 格たとえば1個〜4個の炭素原子を有する基、不飽和基の場合、2個〜4個の炭 素原子を有する基が好ましい。アルキル基は、単独でもまたアルコキシ、ハロア ルキル等の複合基の定義中でもたとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプ ロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチルもしくは2−ブチル、ペンチル 類、ヘキシル類たとえばn−ヘキシル、イソヘキシルおよび1,3-ジメチルブチル 、ならびにヘプチル類たとえばn−ヘプチル、1−メチルヘキシルおよび1,4-ジ メチルペンチルであり;アルキル基に相当する可能な不飽和基の意味を有するア ルケニルおよびアルキニル基の場合は、アルケニル基はたとえばアリル、1−メ チルプロパ−2−エン−1−イル、2−メチルプロパ−2−エン−1−イル、ブ タ−2−エン−1−イル、ブタ−3−エン−1−イル、1−メチルブタ−3−エ ン−1−イルおよび1−メチルブタ−2−エン−1-イル;アルキニル基はたと えばプロパルギル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−3−イン−1−イル、1 −メチルブタ−3−イン−1−イルである。ハロゲンはたとえばフッ素、塩素、 臭素またはヨウ素である。ハロアルキル、ハロアルキニルおよびハロアルキニル は、ハロゲン、好ましくは、フッ素、塩素および/または臭素、とくにフッ素ま たは塩素によって部分的にまたは完全に置換されたそれぞれアルキル、アルケニ ルおよびアルキニル、たとえばCF3、CHF2、CH2F、CF3CF2、CH2FCHCl、CCl3、CHC l2。 CH2CH2Clであり;ハロアルコキシはたとえばOCF3、OCHF2、OCH2F、CF3CF2O、OCH2 CF3およびOCH2CH2Clであり;相当する注釈はハロアルケニルおよび他のハロゲ ン置換基にも適用される。 炭化水素基は直鎖状、分岐状または環状および飽和または不飽和脂肪族または 芳香族炭化水素基であり、たとえばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロ アルキルまたはアリール、好ましくは12個までの炭素原子を有するアルキル、ア ルケニルもしくはアルキニル、5もしくは6個の環内原子を有するシクロアルキ ル、またはフェニルであり、相当する注釈は炭化水素オキシ基にも適用される。 異項環基または環は飽和、不飽和または異項芳香環とすることが可能で、1個 または2個以上の、好ましくはN,OおよびSよりなる群からの環内ヘテロ原子 を含有し、好ましくは5または6員であり、1,2または3個の環内ヘテロ原子 を含有する。これらの基はたとえば上に定義したような異項環基もしくは環であ るか、または部分的に水素化された基、たとえばオキシラニル、ピロリジニル、 ピペリジル、ピペラジニル、ジオキソラニル、モルホリニルおよびテトラヒドロ フリルである。置換異項環基に適当な置換基は以下に挙げる基であり、同じくオ キソである。オキソ基の場合はまたたとえばNおよびSの様々な酸化状態で存在 できる環内ヘテロ原子上にあってもよい。 置換炭化水素基のような置換された基、たとえば置換アルキル、アルケニル、 アルキニル、アリール、フェニルおよびベンジル、または置換ヘテロアリール、 置換三環性基もしくは環、または芳香族成分をもつもしくはもたない置換二環性 基は、たとえば非置換母体構造に由来する置換された基であり、置換基はたとえ ば1個または2個以上の好ましくはハロゲン、アルコキシ、ハロアルコキシ、ア ルキルチオ、ヒドロキシル、アミノ、ニ トロ、シアノ、アジド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル 、カルバモイル、モノおよびジアルキルアミノカルボニル、置換アミノたとえば アシルアミノ、モノおよびジアルキルアミノ、ならびにアルキルスルフィニル、 ハロアルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、ハロアルキルスルホニルおよ び、環状基の場合にはまたアルキルおよびハロアルキル、ならびに上述の飽和炭 化水素含有基に相当する不飽和脂肪族基たとえばアルケニル、アルキニル、アル ケニルオキシ、アルキニルオキシ等よりなる群からの1,2または3個のである 。炭素原子を含有する基の場合は、1〜4個の炭素原子を有する基、とくに1ま たは2個の炭素原子を有する基が好ましい。一般的に、ハロゲンたとえばフッ素 および塩素、C1〜C4−アルキル好ましくはメチルまたはエチル、C1〜C4−ハロア ルキル好ましくはトリフルオロメチル、C1〜C4−アルコキシ好ましくはメトキシ またはエトキシ、C1〜C4−ハロアルコキシ、ニトロおよびシアノよりなる群から の置換基が好ましい。この場合、置換基、メチル、エチルおよび塩素がとくに好 ましい。 置換または非置換フェニルは、好ましくは非置換フェニル、または1個もしく は2個以上、好ましくは3個までの同種または異種の置換基、ハロゲン、C1〜C4 −アルキル、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−ハロアルコ キシおよびニトロよりなる基で置換されたフェニル基であり、たとえば、o−, m−およびp−トリル、ジメチルフェニル、2−、3−および4−クロロフェニ ル、2−、3−および4−トリフルオロおよび−トリクロロフェニル、2,4−、3 ,5−、2,5−および2,3−ジクロロフェニル、ならびにo−、m−およびp−メト キシフェニルよりなる群からの基である。 アシル基は、有機酸の基、たとえばカルボン酸の基およびそれらから誘 導される基たとえばチオカルボン酸、非置換もしくはN−置換イミノカルボン酸 の基であるかまたは非置換もしくはN−置換カルバミン酸のカルボン酸モノエス テル、スルホン酸、スルフィン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸の基である。アシ ルは、たとえばホルミル、アルキルカルボニルたとえば(C1〜C4−アルキル)−カ ルボニル、フェニル環がたとえば上に示したように置換されていてもよいフェニ ルカルボニル、アルキルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジ ルオキシカルボニル、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、N−アルキ ル−1−イミノアルキルおよび有機酸の他の基である。 式(I)の化合物またはそれらの塩の新規な製造方法において、 (R)nはハロゲン、C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシよりなる群か らのn個の同種または異種の基であり、 nは0または1,とくに0であり、 Aは、Hまたは1〜8個の炭素原子とくに1〜4個の炭素原子を有するアシル であり、 R1はH、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C1〜 C6−アルコキシ、C2〜C6−アルケノキシ、C2〜C6−アルキノキシまたはC5〜C6 −シクロアルキル[後7者の基はそれぞれ非置換またはハロゲン、C1〜C4−アル コキシ、C1〜C4−ハロアルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、モノおよびジ−(C1 〜C4-アルキル)−アミノ、シアノ、アジド、ホルミル、(C1〜C4−アルキル)−カ ルボニル、(C1〜C4−アルコキシ)−カルボニル、C1〜C4−アルキルスルフィニル およびC1〜C4−アルキルスルホニルよりなる群からの1個または2個以上の基で 置換された基である]、または非置換またはハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜 C4−アルコキシ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−ハロアルコキシおよびニトロ よりなる群から の基で置換されたフェニルであり、 R2は、H、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニルまたはC2〜C6−アルキニル [後3者の基はそれぞれ非置換またはハロゲン、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4− ハロアルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、モノおよびジ−(C1〜C4−アルキル)− アミノ、シアノ、アジド、ホルミル、(C1〜C4−アルキル)−カルボニル、(C1〜C4 −アルコキシ)−カルボニル、C1〜C4−アルキルスルフィニルおよびC1〜C4−ア ルキルスルホニルよりなる群からの1個または2個以上の基で置換されている] であるか、または 基NR1R2は、NおよびOよりなる群からのさらに2個までのヘテロ原子を含有 し、非置換またはC1〜C4−アルキルよりなる群からの1個または2個以上の基で 置換されていている4、5または6環内原子の異項環であり、 R3はHまたはCH3であり、 基XおよびYの一方はハロゲン、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、C1 〜C2−アルキルチオ(後3者の基はそれぞれ、非置換またはハロゲン、C1〜C2− アルコキシ、C1〜C2−アルキルチオよりなる群からの基、好ましくはハロゲン、 メチルまたはメトキシ1個もしくは2個以上で置換されている)、またはモノも しくはジ−(C1〜C4−アルキル)−アミノであり、 基XおよびYの他方は、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−ハロアルキル、C1〜C2− アルコキシ、C1〜C2−ハロアルコキシまたはC1〜C2−アルキルチオ、好ましくは メチルまたはメトキシであり、 ZはCHまたはN,好ましくはCHである方法はとくに興味がある。 式(I)の化合物またはそれらの塩の新規な製造方法において、 Aは、水素、ホルミル、(C1〜C4−アルキル)−カルボニル(非置換また はハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシよりなる群からの1個または2個以上の基 で置換されている)、または(C1〜C4−アルコキシ)−カルボニル、フェノキシカ ルボニル、フェニルカルボニル、フェニル−(C1〜C4−アルキル)−カルボニルま たはフェニル−(C1〜C4−アルキル)−カルボニル(後4者の基それぞれのフェニ ルは非置換または置換されている)であり、Aは好ましくはホルミル、アセチル 、プロピオニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンゾイルまたは ベンジルオキシカルボニルであり、とくにホルミル、(C1〜C4−アルキル)−カル ボニルまたは(C1〜C4−アルコキシ)−カルボニルである方法がとくに好ましい。 式(I)の化合物またはそれらの塩の新規な製造方法において、 R1はH、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、非置換またはハロゲン、C1 〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、C1〜C2−ハロアルキルおよびC1〜C2−ハ ロアルコキシよりなる群からの1個または2個以上の基で置換されているフェニ ル、とくにメチルまたはエチルであり、 R2は、H、またはC1〜C2−アルキル、とくにメチルまたはエチルであるか、ま たは 基NR1R2は、NおよびOよりなる群からのさらに1個までの環内ヘテロ原子を 含有し、非置換またはC1〜C2−アルキル1個または2個以上の基で置換されてい ている5または6環内原子の異項環、とくにピロリジニルまたはピペリジルであ り、 R3はHまたはCH3、とくにHである方法がとくに好ましい。 本発明の新規な方法中で、式(I)において、フェニル基上の式NH2の基は基C O-NR1R2に対してパラ位に、SO2基に対してメタ位に存在する化合物である方法が とくに好ましい。 本発明はさらに、全過程の新規な個々の段階およびそれらの新規な中間 体、とくに段階1ならびに段階2aおよび2bのカルバメート塩(VI)(式中、M は陽イオンである)との反応に関する範囲までを提供する。 化合物(II)の化合物(III)に対する反応は、カルボニルクロリドの製造の ための慣用のハロゲン化剤、たとえばチオニルクロリドまたはチオニルブロミド により達成できる。この目的では、ニトロ−o−スルファモイル安息香酸(II) を非プロトン性の有機溶媒中で過剰のハロゲン化剤と反応させ、ついで転位反応 が起こる温度に加熱する。適当な有機溶媒は反応原料に対し不活性な(不活性溶 媒という)非プロトン性の沸点が転位反応に必要な温度より高い有機溶媒でる。 反応原料をたとえば均一もしくは不均一混合物(たとえば懸濁液中)として反応 させると、所望の生成物が得られる。たとえば反応は、ハロゲン化または非ハロ ゲン化芳香族炭化水素たとえばトルエン、キシレン、クロロベンゼンまたはクロ ロトルエン中で実施することができる。このハロゲン化の反応温度は、約50〜10 0℃であり、転位のための反応温度は、100℃以上から非プロトン性溶媒の沸点、 たとえば110〜160℃である。場合により、転位はもっと低い温度たとえば70℃で もその程度は不適当ではあるが起こることがある。チオニルクロリドは、たとえ ば安息香酸1モルに対して等モル量または過剰に使用することができる。安息香 酸誘導体に代えて相当する塩、たとえばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属 塩(たとえばNa,K,Li,MgおよびCa塩)をハロゲン化剤、たとえばチ オニルクロリドと反応させ、相当する2−クロロスルホニル安息香酸アミド誘導 体(III)を得ることができる。 非置換または単純なアルキル基またはフェニル環を有する2−(N,N−ジアル キル−アミノスルホニル)−安息香酸を、ベンゼン、ジクロロメタンまたはクロ ロホルム中室温(25℃)で4〜8倍過剰のチオニルクロリドまたはチオニルブロ ミドと反応させるとそれぞれN,N−ジアルキル−2 −(クロロまたはブロモスルホニル)−安息香酸アミドが得られることは既に知ら れている(K.Hoviusら,Tetrahedron Lett.1983,3137-3140参照)。N,N−ジア ルキル−o−スルファモイルニトロ安息香酸(II)の相当する反応はこれまで知 られていなかったし、これらの条件下では起こらなかった。温度および溶媒に関 する既知の条件の変更のみでは、試験したニトロ安息香酸(II)では同様に反応 は進行しない。 必要な式(II)の化合物は別の方法で製造できる。たとえば、式(IX) の化合物のメチル基の酸化により式(II)の化合物が導かれる。酸化はたとえば トルエンから安息香酸の製造について既知の方法と類似の方法によって実施でき る。式(IX)のトルエン誘導体は式(X) のスルホクロリドを式NHR12のアミンと反応させることによって得ることが できる。 化合物(II)を得るさらに他の方法には、スルホクロリド(XI) (式中、Raはアルキル基たとえばメチルまたはエチルである)の式NHR1R2のアミ ンによるアンモノリシスによってスルホンアミドを得て、ついで得られた化合物 のカルボキシエステル基を加水分解する方法がある。個々の 反応は同型の既知の方法と同様にして実施できる。たとえば、エステル基はアル カリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物たとえばLiOH、NaOH、KOH、M g(OH)2、Ca(OH)2を使用して、様々な極性溶媒、たとえばメタノール、エタノー ル、イソプロパノール、クロロベンゼン、クロロトルエン、テトラヒドロフラン 、1,2−ジメトキシエタン(DME)、ジグライム、ジメチルホルムアミド(DMF) ,N,N−ジメチルアセトアミド(DMA),N−メチルピロリドン(NMP)もしくは 水または適当な溶媒の混合物中、たとえば−20℃〜150℃、好ましくは−10℃〜1 00℃の温度で加水分解することができる。 式(IV)のスルホンアミドは、スルホクロリド(III)をアンモニアと反応さ せることによって(アンモノリシス)高収率で得ることができる。この反応は一 般に−20℃〜150℃、好ましくは−10℃〜100℃の温度で実施することができる。 適当な溶媒は反応条件下に不活性な有機溶媒、たとえば −双極性非プロトン性溶媒たとえばDMF、DMA、NMP、アセトニトリル −エーテル類たとえばtert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン(DM E),THF,ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル −エステル類たとえば酢酸エチル、酢酸ブチル −塩素化または非置換炭化水素たとえばトルエン、o−クロロトルエン、クロ ロベンゼン −アルコールたとえばメタノール、エタノール、イソプロパノール −水、または −不活性溶媒の混合物 である。 とくに好ましい溶媒はアセトニトリルのようなニトリル、ジエチルエーテル、 tert−ブチルメチルエーテル、THFもしくはジメトキシエタン(D ME)のようなエーテル、酢酸エチルおよび酢酸ブチルのようなエステルまたは トルエン、クロロベンゼンおよびクロロトルエンのような塩素化もしくは非置換 炭化水素である。 式(IV)の化合物中のニトロ基の還元は、たとえば接触水素化によって実施す ることができる(段階2、セクションa)。多くの一般的な市販の触媒たとえば 白金、パラジウムまたはラネ−ニッケルが水素化に適当であり、標準技術と同様 にして使用できる。反応条件下に不活性な適当な有機および無機溶媒の例は、 −双極性非プロトン性溶媒、たとえばDMA,DMF,NMPもしくはCH3 CN; −エステル類、たとえば酢酸エチルまたは酢酸ブチル: −エーテル類、たとえばDME,ジグライム、テトラグライム、THFもしく はジエチルエーテル; −アルコール、たとえばメタノールもしくはエタノール; −有機酸、たとえば酢酸もしくはプロピオン酸; −水、または −適当な不活性溶媒の混合物 である。 反応温度は、たとえば−20℃〜150℃、好ましくは−10℃〜100℃で変動させる ことができる。同様に、水素圧も広い限界内でたとえば1bar〜200bar,好まし くは1bar〜100bar,とくに1bar〜50barで変動させることができる。 化合物(V)の式(IV)のカルバメートとの反応は、フェニル基上の別のアミ ノ基ではなく、スルホンアミド基に優先的にまた実質的に選択的に起こるように 意図される。化合物(V)を式(VI)のカルバメートと標準 技術に従い、たとえばアセトニトリル中、立体障害のある塩基たとえば1,8−ジ アザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の存在下に反応させると、スルホ ンアミド機能とアミノ機能の反応性は類似し、すなわち反応の化学選択性は全く 不満足なものである。たとえば、5−アミノ−2−ジメチルアミノカルボニルベ ンゼンスルホンアミドの4,6−ジメトキシ−2−フェノキシカルボニルアミノピ リミジンとのDBUの存在下における反応は2:1での2種類の生成物、すなわち 5−アミノ−2−ジメチルアミノカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン −2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミドと5−[(4,6−ジメトキシ ピリミジン−2−イル)アミノカルボニルアミノ]−2−ジメチルアミノカルボニ ル−N−[(4,6-ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンス ルホンアミド(副生成物)を導く(比較例参照)。 しかしながら驚くべきことに、カルバメート塩との反応の場合には、反応を選 択的に実施することができる。本発明によれば、カルバメート塩(IV)(式中、 Mは陽イオンである)たとえばカルバメートのナトリウム塩またはカリウム塩を 使用することにより、たとえば式(XI)(式中、Mは水素である)のカルバメー トとの反応の場合よりも優れた選択性が達成される。 この反応では、たとえばカルバメート(IV)(M=H)を、適当な溶媒中、ま ず適当な塩基、たとえばアルカリ金属およびアルカリ土類金属水酸化物たとえば LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2、Ca(OH)2、またはテトラアルキルアンモニウムヒド ロキシドたとえばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、またはアルカリ金属 もしくはアルカリ土類金属水素化物たとえばNaH、KH、CaH2、またはアルカリ金 属もしくはアルカリ土類金属アルコラートたとえばNaOCH3、NaOC2H5、ナトリウ ムイソプロピレート、ナトリウ ムtert−ブチレート、または塩基の混合物と反応させて、式(IV)(M=陽イオン) の塩を形成させる。適当な溶媒は不活性有機溶媒、好ましくは非プロトン性非極 性または非プロトン性極性溶媒たとえばエーテル類(たとえばTHF,DME, ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、tert−ブチルメチル エーテル)、アミド(たとえばDMF,DMA,NMP),非ハロゲン化もしく はハロゲン化芳香族炭化水素たとえばトルエン、クロロトルエンもしくはクロロ ベンゼンである。 アルカリ金属およびアルカリ土類金属塩についてはさらに、アルコール類たと えばメタノール、エタノール、イソプロパノールまたは溶媒混合物がより適当な 溶媒である。 アルカリ金属、アルカリ土類金属塩およびテトラアルキルアンモニウムヒドロ キシドについては、さらに水も適当な溶媒または溶媒成分である。とくに好まし い溶媒はエーテル類たとえばTHF,DMEまたはジオキサンである。 得られる式(IV)(M=陽イオン)の塩は溶液中に調製するのが有利であり、 単離することなく、次の反応に使用される。この目的では、塩は、たとえば溶液 中で式(V)のスルホンアミドと−40℃〜150℃、好ましくは−40℃〜80℃、とく に−20℃〜85℃の温度で反応させる。反応溶液を酸、たとえばギ酸もしくは酢酸 のような有機酸または塩酸もしくは硫酸のような無機酸で酸性にしたのち、式( I)(A=H)[=化合物(I')]のスルホニル尿素を標準方法で単離することがで きる。スルホンアミド(V)とカルバメート塩(VI)のモル比1:0.7〜1:1.5 で一般に好ましい収率が達成される。 好ましい変法は、アルカリ金属水酸化物またはアルコラートたとえばKOH、NaO CH3、KOCH3、ナトリウムtert−ブチレートもしくはカリウム tert−ブチレート、ナトリウムイソプロパレートもしくはカリウムイソプロパレ ート、とくに立体的に嵩高いアルカリ金属アルコラートと、双極性非プロトン性 溶媒たとえばTHF,ジオキサン、DMF,DMA,とくにTHF,DMEもし くはジオキサン中、式(VI)のカルバメート(M=H)の反応である。 スルホニル尿素(I')[=式(I),A=H]への別経路は上述の変法2b によって提供される。この変法によれば、化合物(III)はまず段階2a)の工 程1の場合と同様にアンモノリシスによって反応させ、式(IV)のニトロベンゼン スルホンアミドを得、ついで、これを式(VI)のカルバメート塩と塩基たとえば 有機窒素塩基たとえばDBUもしくはトリエチルアミン、アルカリ金属もしくは アルカリ土類金属水酸化物たとえばLiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)2もしくはCa(OH)2 またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属アルコラートたとえばNaOCH3、KO CH3、NaもしくはKイソロピレート、NaもしくはK tert−ブチレートの存在下 に標準条件と同様に反応させ式(VII)のニトロスルホニル尿素を形成させる。 反応物の比率は、各場合1当量のスルホンアミド(IV)に基づいて、好ましくは カルバメート(IV)0.7〜1.5当量ならびに塩基0.7〜2.2当量である。 化合物(IV)の化合物(VII)に対する反応は、不活性溶媒中、たとえば非プ ロトン性溶媒たとえばエーテル類(たとえばTHF,DME,ジオキサン、ジエ チルエーテル)、アセトニトリル、DMF,DMA,NMP,アルコール、エス テルたとえば酢酸エチルもしくは酢酸ブチル、塩素化脂肪族もしくは芳香族炭化 水素たとえばジフルオロメタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンもしくはo −クロロトルエン、またはプロトン性溶媒たとえばメタノール、エタノール、イ ソプロパノールもしくは水、または適当な溶媒混合物中で、−20℃〜100℃、好 ましくは−10℃〜約70℃の温 度において行われる。 式(VII)のニトロスルホニル尿素はまた、式(VI)(M=陽イオン)のカル バメート塩と式(V)のスルホンアミドの上述の反応と同様の反応によって得る ことが可能で、式(IV)(M=陽イオン)のスルホンアミドとカルバメート塩( M=陽イオン)(VI)の反応によってスルホニル尿素(I')[=式(I),A=H ]が得られる。 ニトロスルホニル尿素(VII)はついで接触水素化により反応させて、式(I )においてAがHであるアミノスルホニル尿素(I')を得ることができる。 水素化は標準技術に従い、式(IV)の化合物の上述の水素化の場合と同様に実 施できる。水性メジウムを溶媒として用いる場合は、pH5〜13,好ましくは7〜1 1を有する塩基性溶液または緩衝水溶液がとくに適している。 別法として、中性のニトロスルホニル尿素(VII)に代え、水素化にそれらの 塩を用いることもできる。式(VII)のスルホニル尿素陰イオンに対合する適当 な陽イオンの例はたとえばLi+、Na+、K+、Cs+、Mg2+、Ca2+またはアンモニウム 陽イオンたとえばNH4 +、HN(CH3)3 +、N(CH3)4 +、N(C2H5)4 +、HN(C2H5)3 +、(DBU-H )+またはこれらの陽イオンの混合物である。 シアナートたとえばナトリウムシアナートまたはカリウムシアナートおよび異 項環アミン(VIII)とスルホクロリド(III)の反応により化合物(VII)を得る 方法(変法2c)は原理的には上述の文献、たとえば、ドイツ特許出願P441504 9.0(WO95/29899)に記載されている。次のニトロ基の還元は、化合物(IV)の 場合と同様に、慣用方法たとえば化合物(VII)について既に上述したように好 ましくは接触還元によって実施できる。 第3段階においては、第2段階で得られた式(I)においてAがHであ る化合物(I')をアシル化して、式(I)においてAがアシル基である除草活性 成分(I")を得る。驚くべきことに、アシル化は、慣用のアシル化剤を用いてフ ェニル環に結合したアミノ基に極めて選択的に起こる。アシル化はたとえば非プ ロトン性有機溶媒中で達成され慣用のアシル化剤を用いて実施できる。アシル化 剤の例は無水物、カルボニルハライド、活性化されたエステル(活性エステル) たとえば炭酸エステルおよびクロロ炭酸エステル、スルホニルクロリド等である 。たとえば、ある範囲の極めて適切な標準技術が、式(I)においてAはHである スルホニル尿素(I')のアミノ官能基のホルミル化に利用できる。すなわち、ア ミノ基は式(XII) H-CO-O-CO-R (XII) (式中、Rはアルキルである)の混成酸無水物またはギ酸を用いてホルミルアミ ノ基に変換することができる。 混成酸無水物は文献既知の方法によって、ギ酸およびカルボン酸無水物たとえ ば酢酸無水物からまたはギ酸の塩たとえばギ酸ナトリウムおよびカルボニルクロ リドたとえば酢酸クロリドもしくはピバロイルクロリドから調製できる。 新規な方法の個々の中間体は新規であり、本発明はまたそれらを包含する。 上述の全過程の個々の反応段階は、均一な溶液中もしくは過飽和すなわち反応 速度論的に安定な溶液または不均一懸濁液中、それぞれの場合について有利な空 間的一時間的収率が得られるように実施することができる。このような操作で、 一般に極めて良好な収率および純度を得ることができる。各段階の巧妙な組合せ により、式(I)のスルホニル尿素、好ましくはカルボキシアミド基に対してパ ラ位置にアシルアミノ基を有する化合物を文献(DE44l5049,WO95/29899)記 載の収率よりも優れた総収率で得 ることができる。 反応条件の巧妙な選択により、さらに、2またはそれ以上の段階を組合せて、 1容器反応もしくは連続反応を形成することも可能である。この手段によって、 収率および空間的−時間的収率の両者を著しく改善できる場合がある。 式(I)においてnが0であり、R3がHであり、フェニル基上のアミノ基がカ ルボキシアミド基に対してパラ位置、SO2基に対してメタ位置にある化合物[ =化合物(Ia)]の調製が好ましい。 本発明の新規方法およびその各段階に伴うとくに好ましい選択は、式(IIa) (式中、R1およびR2は式(I)について定義した通りである)の化合物をハロ ゲン化剤の存在下に反応させて酸ハライドの形成および転位により式(IIIa)の化合物を形成させ、ついで、これをアンモニアにより式(IVa) のアミドに変換し、ついで、このニトロ基を還元して式(Va) の化合物を形成させ、続いてこれを式(VIa) のカルバメート塩と反応させて化合物(Ia)を得る方法である。 以下の製造例において、量および百分率は、とくに他の指示がない限り 重量に基づくものであり、「m.p.」は融点を意味する。 製造例 実施例1 2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリド 40mLのチオニルクロリドを800mlのクロロベンゼン中N,N−ジメチル−2−カ ルボキシ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド195.2gの懸濁液に加える。この混 合物をついで激しく攪拌しながら徐々に70〜75℃に加熱する。さらに120mlのチ オニルクロリドを加えたのち、反応混合物を沸点に加熱する。反応終了後、反応 混合物を減圧下に濃縮すると、所望の生成物209gが得られ、これは以下の反応 に用いるのに十分純粋である。 m.p.:129〜131℃。 実施例2 2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロベンゼンスルホンアミド 77.8gの2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリ ドおよび780mlのテトラヒドロフランの混合物を攪拌しながら、これに5℃で37m lの濃アンモニア溶液(濃度33%)を滴下する。混合物を続いて、反応が終了す るまで攪拌する。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を少量の水と攪拌する。 乾燥すると所望の生成物66.9gが得られる。 m.p.:159〜160℃。 実施例3 5−アミノ-2-ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホンアミド 250mlのメタノール中12.5gの2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロベン ゼンスルホンアミド溶液に湿ったラネーニッケル1gを加え、50barの水素圧下に 60℃で完全に攪拌する。水素の吸収が停止したのち、触媒を 分離し、ろ液を濃縮すると、所望の生成物11.0gが得られる。 実施例4 5−アミノ−2−ジメチルアミノカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン −2−イル)−アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド 方法A: 128.4gの4,6−ジメトキシ−2−(フェノキシカルボニルアミノ)ピリミジンを 0℃で1250mlのTHF(テトラヒドロフラン)に加える。44.8gのナトリウムtert −ブチレートを添加したのち、この溶液を0〜2℃で、1250mlのTHF中108.1 gの5−アミノ−2−ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホンアミドの混合物 に滴下する。反応終了後、反応混合物を濃縮する。残留物を1500mlの水と780ml の石油エーテルの間に分配し、濃塩酸(100ml)で注意深く酸性にする。沈殿した 固体を石油エーテルおよび酢酸エチルで洗浄する。乾燥すると所望の生成物、m. p.:192〜193℃(分解)186.9.gが得られる。 方法B: a)5.3gの2−アミノ−4,6−ジメトキシピリミジンおよび10gの2−ジメチルア ミノカルボニル−5−ニトロベンゼンスルホニルクロリドを、3.78gのナトリウ ムシアナート、4.7mLのピリジンおよび100mlのアセトニトリルの懸濁液中に、順 次添加する。混合物をついで室温で反応が完了するまで攪拌し、ついで冷却した 希塩酸中に導入する。得られた粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(CH2 Cl2/CH3OH=95:5)によって精製すると所望の生成物、m.p.:182〜186℃ (分解)3.1gが得られる。 b)1.4gの2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロ−N−[(4,6−ジメト キシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミドを25mlの 水に懸濁し、5.5mlの1N水酸化ナトリウム溶液を加える。 0.1gの10%パラジウム-炭(50%水)を添加したのち、混合物を水素雰囲気下(1 bar)に室温で激しく攪拌する。反応終了後、触媒をろ過して分離し少量の水で洗 浄する。水相を濃塩酸で酸性にすると所望の生成物m.p.:192〜193℃(分解)1. 1gが得られる。 実施例5 N,N−ジメチル−2−メトキシカルボニル−5−ニトロベンゼンスルホンアミ ド 202.8gの2−メトキシカルボニル−5−ニトロベンゼンスルホクロリドならび に65.1gのジメチルアミン塩酸塩のアセトニトリル1000ml中の混合物を5℃で激 しく攪拌しながら、これに250.6gの炭酸カリウムを加える。反応終了後、固体 をろ過して分離し、酢酸エチルで洗浄する。有機相を合わせ、ついで減圧下に濃 縮すと206.7gの所望の生成物、m.p.:93〜96℃が得られる。 実施例6 N,N−ジメチル−2−カルボキシ−5−ニトロベンゼンスルホンアミド 1500mlのメタノール中206.7gのN,N−ジメチル−2−メトキシカルボニル−5 −ニトロベンゼンスルホンアミドの溶液に60.2gの水酸化リチウム一水和物を加 える。ついで、混合物を50℃で、変換が完了するまで攪拌する。反応混合物を減 圧下に濃縮したのち、残留物を水に取り、0℃において濃塩酸により処理する( pH=1)。吸引ろ過したのち乾燥すると所望の酸が得られる。収量:162.9g ;m.p.:160〜163℃。 実施例7 2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロ−N−[(4,6−ジメトキシピリミジ ン−2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド 方法1: 31.7gの4,6−ジメトキシ−2−(フェノキシカルボニルアミノ)ピリミジンを0 ℃で400mlのTHFに取る。11.08gのナトリウムtert−ブチレートを加えたのち 、この溶液を0℃で30.0gの2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロベンゼン スルホンアミドと400mlのTHFの混合物中に滴下する。反応終了後、反応混合 物を濃縮し、500mlの水と250mlの石油エーテルの間に分配し、濃塩酸で酸性にす る。得られた固体を石油エーテルおよび酢酸エチルで洗浄する。乾燥すると43.4 gの所望の生成物、m.p.:182〜186℃(分解)が得られる。 方法2: 20mlの水に5.0gの2−ジメチルアミノカルボニル−5−ニトロ−ベンゼンスル ホンアミドを懸濁し、室温で激しく攪拌しながらこれに、18.6mlの1N水酸化ナ トリウム溶液を滴下する。ついで5.04gの4,6−ジメトキシ−2−フェノキシカル ボニルアミノピリミジンを加える。反応混合物を約50〜60℃に加熱し、この温度 で変換が完了するまで攪拌する。水相をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濃塩 酸で酸性にする(pH=2〜3)。沈殿した固体を分離し、水で洗浄し、乾燥す ると、所望の生成物7.6gが得られ、その純度は以後の反応に十分である。 実施例8 N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−アミノカルボニル]−2−ジメ チルアミノカルボニル−5−アセチルアミノベンゼンスルホンアミド 0.64gのN−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−5 −アミノ−2−ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホンアミドおよび10mlの ジメチルアセトアミドの混合物に0.13mlのアセチルクロリドを徐々に滴下する。 反応終了後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を 水および酢酸エチルで洗浄すると、0.45gの所望の生成物が高純度で(>92%, HPLC)得られる。 実施例9 N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−5−ホルミ ルアミノ−2−ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホンアミド 1.9gのN−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−5 −アミノ−2−ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホンアミドおよび10mlの ジクロロメタンの溶液を、0.5mlのギ酸と1.0mlの無水酢酸から標準方法によりイ ンシトゥで調製した混成酸無水物に滴下する。反応終了後、反応混合物を濃縮し 、残留物を水および酢酸エチルで洗浄すると、1.8gの所望の生成物が、純度>9 2%(HPLC)で得られる。 実施例10 N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−ジメチ ルアミノカルボニル−5−プロピオニルアミノベンゼンスルホンアミド 0.64gの5−アミノ−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−アミノ カルボニル]-2-ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホンアミドおよび10mlの ジメチルアセトアミドの混合物に0.13mlのプロピオニルクロリドを徐々に滴下し て加える。反応終了後、反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を水および酢酸エ チルで洗浄すると、0.45gの所望の生成物が高純度で(>92%,HPLC)得ら れる。 実施例11(比較例) 5−アミノ−2−ジメチルアミノカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジ ン−2−イル)−アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミド 1.0gの5−アミノ−2−ジメチルアミノカルボニルベンゼンスルホン アミドならびに1.1gの4,6−ジメトキシ−2−(フェノキシカルボニルアミノ) −ピリミジンの10mlアセトニトリル中懸濁液を攪拌しながら、これに0℃で0.6m lの1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を加える。混合 物を完全に反応が起こるまで再び攪拌する。揮発性の成分を蒸留して除去したの ち、残留物を少量の水に取り、ジエチルエーテルにより洗浄する。ついで、水相 を濃塩酸で酸性にする(pH=2〜3)。沈積した固体をジイソプロピルエーテルで 洗浄し、ついで乾燥すると、5−アミノ-2-ジメチルアミノカルボニル−N−[(4 ,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−アミノカルボニル]-ベンゼンスルホン アミドならびに5−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル アミノ]−2−ジメチルアミノカルボニル−N−[(4,6−ジメトキシピリミジン −2−イル)アミノカルボニル]ベンゼンスルホンアミドの2種の化合物約2:1 からなる固体1.4gのが得られる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1997年10月21日(1997.10.21) 【補正内容】 請求の範囲 8.請求項1記載の式(III)、(IV)または(VII)の化合物。 9.請求項1記載の式(V)において、R1はHであり、R2はHであり、アミノ基NH2 は式CO-NR1R2のカルボキシアミド基に対してオルト位置であり、(R)nはカルボ キシアミド基に対してパラ位置の塩素原子である場合を除く式(V)の化合物。 10.請求項1記載の式(VI)においてMは陽イオンである化合物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 239/52 C07D 239/52 251/16 251/16 G 251/46 251/46 G (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),AL,AM,AU,AZ,BA,BB,B G,BR,BY,CA,CN,CU,CZ,EE,GE ,HU,IL,IS,JP,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MK,M N,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ヴイルムス,ロタール ドイツ連邦共和国デー−65719 ホーフハ イム.ケーニヒシユタイナーシユトラーセ 50

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式(I) [式中、 (R)nはハロゲン、アルキルおよびルコキシよりなる群からのn個の同種また は異種の基であり、 nは0、1、2または3であり、 Aは水素またはアシル基であり、 R1は水素、または1〜6個の炭素原子を有する非置換もしくは置換炭化水素 もしくは炭化水素オキシ基であり、 R2は水素、または総計1〜10個の炭素原子を有する非置換もしくは置換炭化 水素基であるか、あるいは 基NR1R2は非置換または置換された3〜8個の環内原子を有し、基NR1R2の窒 素原子を環内ヘテロ原子として含み、さらにN、OおよびSよりなる群からの1 個または2個の環内ヘテロ原子を含有していてもよい異項環であり、 R3は水素またはC1〜C4−アルキルであり、 XおよびYは、互いに独立にハロゲン、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコ キシ、C1〜C6−アルキルチオ(後3者の基は非置換またはハロゲン、C1〜C4−ア ルコキシおよびC1〜C4−アルキルチオよりなる群からの1個もしくは2個以上の 基で置換されている)、C3〜C6−シクロアルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6 −アルキニル、C3〜C6−アルケニルオ キシまたはC3〜C6−アルキニルオキシであり、 ZはCHまたはNである]の化合物およびそれらの塩の製造方法において、 1)式(II)の化合物またはその塩をハロゲン化剤の存在下に反応させて、そのカルボニルハ ライドの形成およびその転位により式(III) の化合物を形成させ、 2)ついで a)化合物(III)をSO2Cl基においてアンモノリシスに付して式(IV) の化合物とし、ついで化合物(IV)のニトロ基を還元して式(V) の化合物を得、ついで化合物(V)を式(VI) (式中、Arは非置換または置換フェニルであり、MはH、C1〜C4−アルキルまた は金属陽イオンである)のカルバメートまたはカルバメート塩と反応させ、式( I)においてR3は、式(VI)中のMに一致し、H、C1〜C4−アルキルまたは、Mが 金属陽イオンである場合には水素原子であり、A=Hである化合物を得るか、ま たは b)式(III)の化合物をSO2Cl基においてアンモノリススに付して上述の式(IV) の化合物を得、ついで、化合物(IV)を上述の式(VI)のカルバメートまたはカルバ メート塩と反応させて式(VII) (式中、R3は、式(VI)中のMと同様に、H、C1〜C4−アルキルまたは、Mが金属 陽イオンである場合には水素原子である)の化合物を得、式(VII)の化合物のニト ロ基を還元して式(I)においてAはHである化合物を得るか、または c)式(III)の化合物をシアナートおよび式(VIII) (式中、R3は、式(I)において定義した通りである)の異項環アミンと反応させ て式(VII)のスルホニル尿素を得、このニトロ基を還元し式(I) においてAはHである化合物を得、ついで 3)式(I)の所望の最終生成物におけるAが水素ではなくアシル基である場合 は、段階2において得られた式(I)のAがHである化合物をアシル化することか らなる方法(上記式(II)〜(VIII)中、(R)n、R1、R2、X、YおよびZは式(I)の 最終生成物について定義した通りである)。 2.(R)nはハロゲン、C1〜C4−アルキルおよびC1〜C4−アルコキシよりなる群か らのn個の同種または異種の基であり、 nは0または1であり、 Aは、Hまたは1〜8個の炭素原子を有するアシルであり、 R1はH、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニル、C2〜C6−アルキニル、C1 〜C6−アルコキシ、C2〜C6−アルケノキシ、C2〜C6−アルキノキシまたはC5〜C6 −シクロアルキル(後7者の基はそれぞれ非置換またはハロゲン、C1〜C4−アル コキシ、C1〜C4−ハロアルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、モノおよびジ−(C1 〜C4−アルキル)−アミノ、シアノ、アジド、ホルミル、(C1〜C4−アルキル)-カ ルボニル、(C1〜C4−アルコキシ)-カルボニル、C1〜C4−アルキルスルフィニル およびC1〜C4−アルキルスルホニルよりなる群からの1個または2個以上の基で 置換された基である)、または非置換またはハロゲン、C1〜C4−アルキル、C1〜 C4−アルコキシ、C1〜C4−ハロアルキル、C1〜C4−ハロアルコキシおよびニトロ よりなる群からの基で置換されたフェニルであり、 R2は、H、C1〜C6−アルキル、C2〜C6−アルケニルまたはC2〜C6−アルキニ ル(後3者の基はそれぞれ非置換またはハロゲン、C1〜C4−アルコキシ、C1〜C4 −ハロアルコキシ、C1〜C4−アルキルチオ、モノおよびジ−(C1〜C4−アルキル) -アミノ、シアノ、アジド、ホルミル、(C1〜C4−アルキル)−カルボニル、(C1〜 C4−アルコキシ)-カルボニル、C1〜C4 −アルキルスルフィニルおよびC1〜C4−アルキルスルホニルよりなる群からの1 個または2個以上の基で置換されている)であるか、または 基NR1R2は、NおよびOよりなる群からのさらに2個までのヘテロ原子を含 有し、非置換またはC1〜C4−アルキルよりなる群からの1個または2個以上の基 で置換されていている4,5または6環内原子の異項環であり、 R3はHまたはCH3であり、 基XおよびYの一方はハロゲン、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、 C1〜C2−アルキルチオ(後3者の基はそれぞれ、非置換またはハロゲン、C1〜C2 −アルコキシおよびC1〜C2−アルキルチオよりの1個または2個以上の基で置換 されている)またはモノもしくはジ-(C1〜C4−アルキル)-アミノであり、 基XおよびYの他方はC1〜C2−アルキル、C1〜C2−ハロアルキル、C1〜C2− アルコキシ、C1〜C2−ハロアルコキシまたはC1〜C2−アルキルチオであり、 ZはCHまたはNである請求項1記載の方法。 3.Aは、水素、ホルミル、非置換もしくはハロゲンおよびC1〜C4−アルコキシ よりなる群からの1個または2個以上の基で置換されている(C1〜C4−アルキル) −カルボニル、または(C1〜C4−アルコキシ)-カルボニル、フェノキシカルボニ ル、フェニルカルボニル、フェニル-(C1〜C4−アルキル)-カルボニルまたはフェ ニル-(C1〜C4−アルコキシ)-カルボニル(後4者の基それぞれのフェニルは非置 換または置換されている)であり、 R1はH、C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、非置換またはハロゲン、 C1〜C2−アルキル、C1〜C2−アルコキシ、C1〜C2−ハロアルキル およびC1〜C2−ハロアルコキシよりなる群からの1個または2個以上の基で置 換されているフェニルであり、 R2は、H、またはC1〜C2−アルキルであるか、または 基NR12は、NおよびOよりなる群からのさらに1個までの環内ヘテロ原 子を含有し、非置換またはC1〜C2−アルキル1個または2個以上で置換されてい る5または6環内原子の異項環であり、 R3はHまたはCH3である請求項1または2記載の方法。 4.式(III) (式中、R、n、R1およびR2は請求項1〜3のいずれかに記載の式(I)におい て定義した通りである)の化合物を製造する方法において、式(II) (式中、R、n、R1およびR2は式(III)において定義した通りである)の化 合物またはその塩をハロゲン化剤の存在下に反応させてカルボニルハライドの形 成およびその転位により式(III)の化合物を形成させる方法。 5.式(I') (式中、R、R1、R2、X、Y、Zおよびnは請求項1〜3のいずれかに記載の 式(I)について定義した通りである)の化合物を製造する方法において、式(V) (式中、R、R1、R2よびnは式(I)において定義した通りである)の化合物を 式(VI) (式中、X、Y、Zおよびnは式(I)において定義した通りであり、Arは非置 換または置換フェニルであり、Mは金属陽イオンである)のカルバメート塩と反 応させて式(I')の化合物を得る方法。 6.式(I") (式中、R、n、R1、R2、R3、X、YおよびZは請求項1〜3のいずれかに記 載の式(I)について定義した通りであり、Aはアシル基である) の化合物を製造する方法において、式(I")においてAがHである化合物をアシ ル化することからなる方法。 7.請求項1記載の式(I)において、AがHである化合物。 8.請求項1記載の式(III)、(IV)、(V)、または(VI)の化合物。 9.請求項1記載の式(VI)においてMは陽イオンである化合物。
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