JP2000507597A - ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents

ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FTase)及びガン遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化を阻害する化合物に関するものである。更に、本発明は、本発明の化合物を含む化学療法剤組成物、及び、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ及びガン遺伝子タンパク質Rasのファルネシル化を阻害する方法に関するものである。

Description

【発明の詳細な説明】 ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤 発明の背景 Rasタンパク質(Ha−Ras、Ki4a−Ras、Ki4b−Ras、及 びN−Ras)は、細胞増殖を開始する核シグナルに細胞表面成長因子受容体を 連接するシグナル伝達経路の一部である。Rasの作用に関する生物学的及び生 化学的研究により、RasはG−調節タンパク質の如き機能を果たすことが示さ れている。Rasは、不活性な状態においては、GDPに結合しているが、成長 因子受容体が活性化すると、RasはGDPをGTPに変換するよう誘導され、 構造上の変化が生じる。GTP−結合型のRasは、このタンパク質を不活性な GDP結合型に戻すRasの内在GTPase活性によりそのシグナルが終結す るまで、成長刺激シグナルを伝達する(D.R.Lowy および D.M.W illumsen、Ann.Rev.Biochem.62巻:851−891 頁(1993年))。突然変異したras遺伝子(Ha−ras、Ki4a−r as、Ki4b−ras、及びN−ras)が、結腸直腸癌や、外分 泌性膵臓癌、及び骨髄性白血病を含む多くのヒトの癌で発見されている。これら の遺伝子のタンパク質産物にはGTPase活性がないため、これらのタンパク 質産物は本質的に成長刺激シグナルを伝達し続ける。 Rasは、機能が正常な場合も腫瘍原性の場合もどちらも、原形質膜に局在し ているものと考えられている。Rasの膜局在化には少なくとも3つの翻訳後修 飾が関わっており、これら3つの修飾はすべてRasのC末端で起こる。Ras のC末端は、「CAAX」または「Cys−Aaa1−Aaa2−Xaa」ボック スと呼ばれる配列モチーフを含んでいる(ここで、Cysはシステインであり、 Aaaは脂肪族アミノ酸であり、Xaaはいずれかのアミノ酸である)(Will umsen ら、Nature 310巻:583−586頁(1984年)) 。このモチーフは、その特定の配列に応じて、それぞれC15またはC20イソプレ ノイドによるCAAXモチーフのシステイン残基のアルキル化を触媒する酵素フ ァルネシルタンパク質トランスフェラーゼまたはゲラニルゲラニル−タンパク質 トランスフェラーゼに対するシグナル配列として機能する(S.Clarke、 Ann.Rev.Biochem.61巻: 355−386頁(1992年);W.R.Schafer および J.Ri ne、Ann.Rev.Genetics 30巻:209−237頁(199 2年))。幾つかのタンパク質が翻訳後にファルネシル化されることが知られて いるが、Rasタンパク質もそのうちの1つである。他のファルネシル化された タンパク質としては、RhoのようなRas関連GTP結合タンパク質や、菌類 交配因子、核ラミン、及びトランスデューシンのガンマサブユニットを挙げるこ とができる。Jamesら(J.Biol.Chem.269巻、14182頁 (1994年))は、ファルネシル化されているペルオキシソーム関連タンパク 質Pxfを確認した。また、Jamesらは、上記に示した以外にも、構造や機 能が未知のファルネシル化されたタンパク質が幾つか存在することも示唆してい る。 ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害は、軟寒天中でRas−形 質転換細胞の成長を遮断し、形質転換表現型の他の性質を変化させることが知ら れている。また、特定のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、 細胞内におけるRas腫瘍タンパク質のプロセシングを選択的に遮断することが 示されている(N.E.Kohl ら、Science、 260巻:1934−1937頁(1993年) および G.L.James ら、Science、260巻:1937−1942頁(1993年))。最 近、ある種のファルネシルタンパクトランスフェラーゼ阻害剤がヌードマウスの ras−依存性腫瘍の成長を遮断することが示され(N.E.Kohl ら、P roc.Natl.Acad.Sci U.S.A.、91巻:9141−91 45頁(1994年))、また、rasトランスジェニックマウスの乳癌及び唾 液腺癌の退縮を誘導することが示された(N.E.Kohl ら、Nature Medicine、1巻:792−797頁(1995年))。生体内におい て、ロバスタチン(Merck & Co.、Rahway、NJ)及びコンパ クチン(Hancock ら、ibid;Casey ら、ibid;Scha fer ら、Science 245巻:379頁(1989年))によるファ ルネシルタンパク質トランスフェラーゼの間接的な阻害が報告されている。これ らの薬剤は、ファルネシルピロリン酸を含むポリイソプレノイドを生成するため の律速酵素であるHMG−CoAレダクターゼを阻害するものである。ファルネ シルタンパクトランスフェラーゼは、RasのCAAXボックスの Cysチオール基をファルネシル基で共有結合修飾するためにファルネシルピロ リン酸を利用する(Reiss ら、Cell、62巻:81−88頁(199 0年);Schaber ら、J.Biol.Chem.、265巻:1470 1−14704頁(1990年);Schafer ら、Science、24 9巻:1133−1139頁(1990年);Manne ら、Proc.Na tl.Acad.Sci USA、87巻:7541−7545頁(1990年 ))。HMG−CoAレダクターゼを阻害することによるファルネシルピロリン 酸生合成の阻害は、培養細胞におけるRasの膜局在化を遮断するものである。 しかし、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの直接的な阻害はもっと特 異的であり、イソプレン生合成の一般的な阻害剤を必要な用量で用いたときに生 じる副作用よりも、副作用が少ないものと思われる。 ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FPTase)阻害剤は、2つ の一般的なクラスで特性が記述されている。1つ目のクラスはファルネシル二リ ン酸(FPP)の類似体であり、阻害剤の2番目のクラスは、酵素のタンパク質 基質(例えばRas)に関係するものである。これまでに特性が記述さ れているペプチド由来阻害剤は、一般的に、タンパク質のプレニル化に対するシ グナルであるCAAXモチーフに関係したシステイン含有分子である(Scha ber ら、ibid;Reiss ら、ibid;Reiss ら、PNAS 、88巻:732−736貞(1991年))。これらの阻害剤は、ファルネシ ルタンパク質トランスフェラーゼの代替基質として機能しつつ、タンパク質のプ レニル化を阻害するか、あるいは純粋な競合阻害剤として作用するものと考えら れる(米国特許第 5,141,851号、University of Te xas;N.E.Kohl ら、Science、260巻:1934−193 7頁(1993年);Graham ら、J.Med.Chem.37巻、72 5頁(1994年))。一般的に、CAAX誘導体からチオールが欠失すると、 その化合物の阻害能力が劇的に低減することが示されている。しかし、チオール 基は、薬物動力学や薬理学及び毒性に関して、潜在的に、FPTase阻害剤を 治療薬として用いる上での制限をもたらす可能性があり、従って、チオールの機 能的な置換が望まれている。 最近、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤は、 血管平滑筋細胞増殖の阻害剤であり、従って、動脈硬化症や糖尿病性血管障害の 予防及び治療に有用であることが報告されている(JP H7−112930) 。 また、最近、ピペリジン成分を随意に有する特定の三環系化合物がFPTas eの阻害剤であることが開示されている(WO95/10514、WO 95/ 10515 および WO95/10516)。また、イミダゾールを含有する ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤も開示されている(WO 9 5/09001 および EP 0675112A1)。 従って、本発明の目的は、チオール成分を持たず、ファルネシルタンパク質ト ランスフェラーゼを阻害し、従ってタンパク質の翻訳後ファルネシル化を阻害す る擬ペプチド化合物を開発することである。また、本発明の更なる目的は、本発 明の化合物を含有する化学療法剤組成物を開発することと、本発明の化合物を製 造する方法を開発することである。発明の要約 本発明は、生体内においてファルネシル化により修飾されるRasタンパク質 のCA12Xモチーフの類似体を包含する。これらのCA12X類似体はファル ネシルタンパク質トラン スフェラーゼを阻害する。更に、これらのCA12X類似体は、これまでにその 特性が開示されているファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害剤とは 異なり、チオール成分を持っていない。チオールを持っていないことにより、動 物体内における薬物動力学的作用が改善され、急速な自己酸化や内在性チオール とのジスルフィド形成のようなチオール依存性化学反応が予防でき、全身毒性が 低減するといった独特な利点が得られる。また、本発明の化合物は、モチーフの A2位置に環状アミン成分を取り込んでいる。更に、本発明の化合物はカルボン 酸を含んでおらず、従って、細胞透過性を改善するためのプロドラッグエステル を必要としない。本発明には更に、これらのファルネシルトランスフェラーゼ阻 害剤を含有する化学療法剤組成物や、それらの製造方法も含まれる。 本発明の化合物の化学式を以下に示す: 発明の詳細な説明 本発明の化合物は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する。 本発明の第1の態様において、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害 剤は、式I: [式中、 R1aおよびR1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、R10O −,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C (NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102、ま たはR11OC(O)NR10−、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、R10O −、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、 CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換 のC1−C6アルキル; R2およびR3は独立して下記a)−d)から選択される: a)天然アミノ酸の側鎖、 b) i)メチオニンスルホキシド、または ii)メチオニンスルホン である天然アミノ酸の側鎖の酸化体、および c)置換または非置換の、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3− C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、Cl 、Br、N(R102、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR1 0 −、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102 −、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1−C20アルキル から選択される)、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルか ら選択される非置換のまたは置換された基により置換されたC1−C6アルキル; または R2およびR3は組み合わされて−(CH2S−を形成し; または R2およびR3はR6と組み合わさって下記:であるように環を形成する: R4a、R4b、R7aおよびR7bは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素、 b)アルケニル、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN 、N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、 −N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換の C1−C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−,R11S( O)m−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されたC1−C6アルキル; R5aおよびR5bは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)置換または非置換の、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3− C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、Cl 、Br、(R102NC(O)−、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C (O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CO N(R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−およびC1−C20 アルキルから選択される)、 d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されたC1−C6アルキル;または R5aおよびR5bは組み合わされて−(CH2S−を形成す る(ここで、炭素原子の一つは要すればO、S(O)m、−NC(O)−、およ び−N(COR10)−から選択される成分により置換されている); R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフ ルオロアルキル、F、Cl、Br、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O) NR10−、CN、NO2、R10 2N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON( R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、および c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフ ルオロアルキル、F、Cl、Br、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O) NH−、CN、H2N−C(NH)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102またはCON(R102NH−により置換されたまたは非置換 のC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アルケニル、アルキニル、ペルフルオロアルキル、F、Cl、Br、R10 O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N− C−(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102 、またはR11OC(O)NR10−、および c)ペルフルオロアルキル、F、Cl、Br、R10O−,R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)− 、CON(R102−、N3、−N(R102またはR11OC(O)NR10−によ り置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; A1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、−NR10C(O)−、O、−N(R10)−、−S(O)2 N(R10)−、−N(R10)S(O)2−、またはS(O)mから選択される; Qは置換または非置換の窒素含有C4−C9単環式または二環式環系である(こ こで、窒素非含有環はC5−C7飽和環であり得る); Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、S、およびNか ら選択されるヘテロ原子により置き換えられている) e)C2−C20アルケニル ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはヘテロ環である; X、YおよびZは独立してH2またはOである; mは0,1または2; nは0,1,2,3または4; pは0,1,2,3または4; rは0〜5であるが、但しVが水素である場合rは0である; sは4または5; tは3,4または5;および uは0または1である] で示される化合物、または、薬学的に許容できるその塩、結晶形態、水和物およ び異性体である。 本発明のより好ましい態様において、Rasファルネシルトランスフェラーゼ 阻害剤は、式I:[式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−,N(R102またはア ルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N (R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R2およびR3は独立して下記a)−d)から選択される: a)天然アミノ酸の側鎖、 b) i)メチオニンスルホキシド、または ii)メチオニンスルホン である天然アミノ酸の側鎖の酸化体、 c)置換または非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3−C1 0 シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、Cl、B r、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、(R10 2N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R1 02、R11OC(O)NR10−、およびC1−C20アルキルから選択される)およ び d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルか ら選択される非置換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキ ル;または R2およびR3は組み合わされて−(CH2s−を形成する; または R2およびR3はR6と組み合わされて下記: である様に環を形成する; R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)アルケニル、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN 、N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、 −N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換の C1−C6アルキル c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−,R11S( O)m−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R4bおよびR7bは水素である; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換または非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3− C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、Cl 、Br、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102 NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON (R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1−C20 アルキルから選択される、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6 ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6 ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O) NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CO N(R102−、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m− 、R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O) −、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置 換されているかまたは置換されていないC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; Qは次の基から選択される: 1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10) −、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエ ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、SおよびNから 選択されるヘテロ原子で置き換えられている)および e)C2−C20アルケニル、 ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選 択されるヘテロ環である; X、YおよびZは独立してH2またはOである; mは0,1または2; nは0,1,2,3または4; pは0,1,2,3または4; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3、4または5;および uは0または1である] で示される化合物、または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態およ び異性体である。 本発明の一層好ましい態様において、Rasファルネシルトランスフェラーゼ 阻害剤は、式II: [式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−,N (R102またはアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N (R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R2およびR3はR6と組み合わされて下記: である様に環を形成する; R4は独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)アルケニル、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN 、N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、 −N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換の C1−C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−,R11S( O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)− 、R10C(O)−、C ON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、およ び d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R4bおよびR7bは水素である; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換または非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3− C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、Cl 、Br、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102 NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON (R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1−C20 アルキルから選択される)、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6 ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキ ル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、R10C( O)−、CON(R102−、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、 および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m− 、R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O) −、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置 換されているかまたは置換されていないC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; Qは次の基から選択される: 1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10) −、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエ ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、SおよびNから 選択されるヘテロ環で置き換えられている)、および e)C2−C20アルケニル ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選 択されるヘテロ環である; X、YおよびZは独立してH2またはOである; mは0,1または2; nは0,1,2,3または4; pは0,1,2,3または4; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3、4または5;および uは0または1である] で示される化合物、または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態また は異性体である。 本発明のより一層好ましい態様において、Rasファルネシルトランスフェラ ーゼ阻害剤は、式1V:[式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−,N (R102またはアルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N (R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル、 R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される; a)水素 b)アルケニル、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN 、N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、 −N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換C1 −C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−,R11S( O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)− 、R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC (O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R4bは水素である; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換されたまたは非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、 Cl、Br、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、C ON(R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1− C20アルキルから選択される)および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アル キニル、C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)N R10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON (R102−、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキ ル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m− 、R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O) −、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置 換さ れているかまたは置換されていないC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; Qは次の基から選択される: 1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10)−、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエ ニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜より4個の炭素原子がO、SおよびN から選択されるヘテロ原子で置き換えられている)および e)C2−C20アルケニル、および ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選 択されるヘテロ環である; Zは独立してH2またはOである; mは0、1または2; nは0,1,2,3または4; pは0,1,2,3または4; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3,4または5;および uは0または1である] で示される化合物、または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態また は異性体である。 本発明のより好ましい態様において、Rasファルネシルトランスフェラーゼ 阻害剤は、式V: [式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−,N(R102またはアル ケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N( R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される; a)水素 b)アルケニル、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O) NR10−、CN、N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON (R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたま たは非置換のC1−C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−,R11S( O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)− 、R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC (O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換または非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3− C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、Cl 、Br、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102 NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON (R102−、N3、−N(R102、R11 OC(O)NR10−、およびC1−C20アルキルから選択される)、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置 換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6 ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキ ル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)− 、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換 されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; A1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10)−、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、リドニル、2− オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエニ ルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、SおよびNから選 択されるヘテロ原子により置き換えられている)、および e)C2−C20アルケニル、 ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2− オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選択 されるヘテロ環である; mは0,1または2; nは0,1,2,3または4; pは0,1,2,3または4; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3,4または5;および uは0または1である] で示される化合物、または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態また は異性体である。 本発明の化合物の例を以下に示す: N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN −(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN −メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]−3(S)−エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)− エチル−プロリンN−(3−クロロフエニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾ ール−5−イルアセチル]−3(S)−エチルピロリジン−2(S)−イルメチ ル]−3(S)−エチル−プロリンN−メチル−N−(3−クロロフェニルメチ ル)−アミド、 N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−ピロリ ジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N −(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−3(S )−エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン −N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−(1−(1−ファルネシル)−1H−イミダゾール−5−イルアセ チル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン− N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−(1−(1−ゲラニル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル )−ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N− メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−[1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル アセチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン −N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−[1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル アセチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン −N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−[1−(2−ナフチルメチル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン− N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 N−[1−[1−(2−ナフチルメチル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン− N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド または、それらの薬学的に許容できる塩。 本発明の化合物の特別な例は以下の通りである: N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピ オニル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−ープロリ ン−N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN −(3−クロロフェニルメチル)−アミド N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル] −3(S)−エチル−プロリンN−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル) −アミド または、それらの薬学的に許容できる塩。 本発明において開示するアミノ酸は、従来通り3文字と以下に示す1文字の省 略形で表される: アラニン:Ala:A アルギニン:Arg:R アスパラギン:Asn:N アスパラギン酸:Asp:D アスパラギンまたはアスパラギン酸:Asx:B システイン:Cys:C グルタミン:Gln:Q グルタミン酸:Glu:E グルタミンまたはグルタミン酸:Glx:Z グリシン:Gly:G ヒスチジン:His:H イソロイシン:Ile:I ロイシン:Leu:L リジン:Lys:K メチオニン:Met:M フェニルアラニン:Phe:F プロリン:Pro:P セリン:Ser:S トレオニン:Thr:T トリプトファン:Trp:W チロシン:Tyr:Y バリン:Val:V 本発明の化合物は、不斉中心を有し得、ラセミ化合物やラセミ混合物、及び個 々のジアステレオマーの形態で存在し得、光学異性体を含むあらゆる可能な異性 体も本発明に含まれる。 ここで用いる「アルキル」という用語は、特定の数の炭素原子を持つ分枝型及 び直鎖型の両タイプの脂肪族飽和炭化水素基 を含むものとする。 ここで用いる「シクロアルキル」という用語は、特定の数の炭素原子を持つ非 芳香族環状炭化水素基を含むものとする。シクロアルキル基の例は、シクロプロ ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を含む。 「アルケニル」基は、特定の数の炭素原子を持ち、1つもしくは幾つかの二重 結合を有する上記基を含む。アルケニル基の例は、ビニル、アリル、イソプロペ ニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、シクロプロペニル、シクロブテニ ル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2 −メチル−2−ブテニル、イソプレニル、ファルネシル、ゲラニル、ゲラニルゲ ラニル等を含む。 ここで用いる「アリール」という用語は、各環が7員以下である安定な任意の 単環式、二環式、または三環式炭素環であって、その中の少なくとも1つの環が 芳香族である炭素環を含むものとする。アリール基の例は、フェニル、ナフチル 、アントラセニル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、フェナン トレニル等を含む。 ここで用いる「複素環(ヘテロ環)」または「複素環式(ヘ テロ環式)」という用語は、飽和または不飽和のいずれかであって、炭素原子と 、N、O及びSからなる群から選択される1個から4個のヘテロ原子からなる5 〜7員の安定な単環式複素環、または8〜11員の安定な二環式複素環、あるい は11〜15員の安定な三環式複素環を表わし、上記定義によるいずれかの複素 環がベンゼン環に縮合している任意の二環式基を包含する。複素環は安定な構造 となるように、いずれかのヘテロ原子または炭素原子で結合し得る。これらの複 素環成分の例は、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、 ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、べンゾフリル、ベン ゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニ ル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラ ニル、ジヒドロベンゾチオ−ピラニルスルホン、フリル、イミダゾリジニル、イ ミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イ ソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソ チアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキ ソアゼピニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニ ル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピリジル N−オキシド、ピリドニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリミ ジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノリニルN− オキシド、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル 、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド 、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、及びチエニルを 含むが、これらに限定されるものではない。 ここで用いる「置換アリール」、「置換複素環」、及び「置換シクロアルキル 」という用語は、F、Cl、Br、CF3、NH2、N(C1−C6アルキル)2、 NO2、CN、(C1−C6アルキル)O−、−OH、(C1−C6アルキル)S( O)m−、(C1−C6アルキル)C(O)NH−、H2N−C(NH)−、(C1 −C6アルキル)C(O)−、(C1−C6アルキル)OC(O)−、N3、(C1 −C6アルキル)OC(O)NH−、及びC1−C20アルキルを含む(これらに限 定するものではない)群から選択される1つもしくは2つの置換基で置換された 上記環状基を含むものとする。 以下の構造式: は、フェニル環またはシクロヘキシル環に随意に縮合していてよい5〜6員の環 状アミン成分を表している。このような環状アミン成分の例は、これらに限定す るものではないが、以下の特定な構造を含んでいる: また、この環状アミン成分のR8a及びR8bによる置換は、異なる炭素原子で起こ ってもよく、あるいは同一の炭素原子で起こってもよいことは理解される。 R3及びR4が一緒になって−(CH2s−を形成すると、環状成分が形成され る。このような環状成分の例は、これらに限定するものではないが、以下のもの を含む: ここで用いる、本発明の成分「Q」を定義する「窒素含有C4,−C9単環式ま たは二環式環系(ここで、窒素非含有環はC5−C7飽和環であり得る)」という 表現は、これらに限定するものではないが、以下の環系を含む: 本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、例えば、無毒性な無機酸または有 機酸から形成されるような、本発明化合物の慣用の無毒性塩を含む。例えば、そ のような慣用の無毒性塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸 、硝酸等の無機酸から誘導される塩:および、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、 グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、 クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェ ニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセト キシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジ スルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸から調製さ れる塩を含む。 ある分子の特定の位置における任意の置換基または可変成分(例えば、R10、 Z、n、等)の定義は、その分子に関する他のそれらの定義とは無関係なものと する。従って、−N(R102は、−NHH、−NHCH3、−NHC25等を表 す。本発明の化合物の置換基及び置換パターンは、以下に述べる方法の他、当分 野で知られている技術により容易に合成できる化学的に安定な化合物を供給する ために、当業者により選択される。 好ましくは、R1aとR1bは、水素、−N(R82、R8C(O)NR8−から独 立に選択されるか、または−N(R82、R8O−もしくはR8C(O)NR8− により置換された、もしくは置換されていないC1−C6アルキルから独立に選択 される。 好ましくは、R2はグリシンの側鎖である(水素)。 また、好ましくは、R3は以下のものから選択される: a)天然アミノ酸の側鎖、 b)置換された、または置換されていないC1−C20アルキルであって、置換 基が、F、Cl、Br、N(R102、NO2、R10O−、R11S(O)m−、R1 0 C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、C ON(R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、及びC1−C20 アルキルから選択されたもの、及び c)アリール、複素環、及びC3−C10シクロアルキルから選択される置換さ れた、または置換されていない基で置換されたC1−C6アルキル;あるいは R3は、R6と一緒にピロリジニル環を形成している。 好ましくは、R4a、R4b、R7a、及びR7bは、水素、C1−C6アルキル、アリ ール、及びベンジルから独立に選択される。 R5a及びR5bは、好ましくは、水素、置換されていないまたは置換されたC1 −C6アルキル、アリールから独立に選択されるか、あるいは、アリールまたは 複素環から選択される置換されたあるいは置換されていない基で置換されたC1- 3 アルキルから独立に選択される。 好ましくは、R6は水素であるか、R3と一緒にピロリジニル環を形成している 。 好ましくは、R8は、水素、ペルフルオロアルキル、F、Cl、Br、R10O −,R11S(O)m−、CN、NO2、R10 2N−C(NR10)−、R10C(O) −、CON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC(O)NR10− 、及びC1−C6アルキルから選択される。 好ましくは、R9は水素である。 R10は、好ましくは、H、C1−C6アルキル、及びベンジルから選択される。 好ましくは、R12はC1−C6アルキル、及びベンジルから選択される。 好ましくは、A1及びA2は、結合、−C(O)NR10−、−NR10C(O)− 、O、−N(R10)−、−S(O)2N(R10)−、及び−N(R10)S(O)2 −から独立に選択される。 好ましくは、Qはピロリジニル環である。 好ましくは、Vは水素、複素環、及びアリールから選択される。 n、p、及びrは、好ましくは、独立に、0、1、または2である。 好ましくは、tは3である。 本発明の化合物の薬学的に許容できる塩は、塩基性成分を含む本発明の化合物 から従来の化学的な方法により合成することができる。一般的に、これらの塩は 、イオン交換クロマトグラフィーで調製されるか、適当なある溶媒または種々の 溶媒の組み合わせ条件下において、遊離塩基を、化学量論的な量もしくは過剰量 の適切な塩形成無機酸または有機酸と反応させることにより調製される。 本発明の化合物は、従来のペプチド合成法や、以下に示すその他の方法により 、その構成成分であるアミノ酸から合成することができる。例えば、標準的なペ プチド合成法は以下の文献に開示されている:Schroeder ら、「Th e Peptides」、 Vol.I、Academic Press 1965年、また はBodanszkyら、「Peptide Synthesis」、 Interscience Publishers、1966年、 または McOmie(ed.)「Protective Groups in Organic Chemistry」、 Plenum Press、1973年、または Barany ら、 「The Peptides:Analysis、Synthesis、 Biology」2、Chapter 1、Academic Press、1980年、または Stewart ら、「Solid Phase Peptide Synthesis」、Second Edition、Pierce Chemical Company、 1984年。これらの文献の教示は参照によりにここに援用する。 化学的作用の記述及び以下に記載する例で使用する省略形は以下の通りである : Ac2O:無水酢酸; BoC:t−ブトキシカルボニル; DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデク−7−エン; DMAP:4−ジメチルアミノピリジン; DME:1,2−ジメトキシエタン; DMF:ジメチルホルムアミド; EDC:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩 酸塩; HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物; Et3N:トリエチルアミン; EtOAC:酢酸エチル; FAB:高速原子衝撃質量分析法; HOOBT:3−ヒドロキシ−1,2,2−ベンゾトリアジン−4(3H)−オ ン; HPLC:高速液体クロマトグラフィー; MCPBA:m−クロロペルオキシ安息香酸; MsCl:メタンスルホニルクロリド; NaHMDS:ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド; Py:ピリジン: TFA:トリフルオロ酢酸; THF:テトラヒドロフラン。 本発明の化合物は、文献により知られていたり、実験により例証されているエ ステルの加水分解や保護基の開裂のような他の標準的な処理の他、以下の反応図 式A−Jに示されている反応を用いて調製される。幾つかのキーとなる結合形成 反応及びペプチド修飾反応を以下に示す: 反応A.標準的な溶液法または固相法によるアミド結合の形 成及び保護基の間裂。 反応B.シアノホウ水素化ナトリウムまたは他の還元剤を用いたアルデヒドに よるアミンの還元的アルキル化による還元ペプチドサブユニットの調製。 反応C.還元ペプチドサブユニットの脱保護。 反応D.標準的な溶液法または固相法によるアミド結合の形成及び保護基の開 裂。 反応E.アミド成分のボラン還元による還元サブユニットの調製。 反応図式A−Eは、非環状ペプチドユニットを取り込む結合形成反応とペプチ ド修飾反応を示している。図示されている試薬及び化合物の−NHC(RA)− 成分を以下の成分で置き換えても、それらの反応が同等に有用であることが広く 理解されている: 本発明の化合物を生成するためにこれらの反応を線形配列で用いてもよく、また 、反応図式に開示されている反応により後に接合されるフラグメントを合成する ためにこれらの反応を用いてもよい。反応図式A 反応A:アミド結合を形成するための残基のカップリング。 反応図式B 反応B:還元的アルキル化による還元ペプチドサブユニットの調製。 反応図式C 反応C:還元ペプチドサブユニットの脱保護。 反応図式D 反応D:アミド結合を形成するための残基のカップリング。 反応図式E 反応E:ペプチドからの還元ジペプチドの調製。 ここで、RAは、先に定義した、R2、R3、R5a、またはR5bであり;R4a及び R4bは先に定義したとおりであり;また、Rは、カルボン酸の適当な保護基であ る。 反応図式F−Mは、本発明の化合物のN末端にあるスルフヒドリル非含有成分 を、本発明の化合物を生成するために更に合成反応に付すことができる非環状ペ プチドユニットに結合させる反応を示している。図示されている試薬及び化合物 の−NHC(RA)−成分を以下の成分で置換しても、それらの反応が同等に有 用であることが広く理解されている: 本発明の化合物を生成するためにこれらの反応を線形配列で用いてもよく、また 、反応図式A−Eに開示されている反応により後に接合されるフラグメントを合 成するためにこれらの反応を用いてもよい。 その合成過程が反応図式A及びCに図示されている中間体を、反応図式Fに示 されているように、Iのような様々なアルデヒドで還元的にアルキル化すること ができる。それらのアルデヒドは、O.P.Goel、U.Krolls、M. Stier、及びS.Kestenが「またはganic Syntheses 」、1988年、67巻、69−75頁で述べているような標準法により、適当 なアミノ酸から調製することができる(反応図式F)。還元的アルキル化は、ジ クロロエタン、メタノール、またはジメチルホルムアミドのような溶媒中におい て、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムやシアノ水素化ホウ素ナトリウムの ような様々な還元剤を用い、pH5−pH7で達成することができる。生成物II を塩化メチレン中においてトリフルオロ 酢酸で脱保護することにより、最終化合物IIIを得ることができる。最終生成物I IIは、例えば、特にトリフルオロ酢酸塩、塩酸塩、あるいは酢酸塩のような塩の 形態で分離される。更に、ジアミン生成物IIIを選択的に保護することにより生 成物IVを得、次いで生成物IVを第2のアルデヒドで還元的にアルキル化すること により生成物Vを得ることができる。保護基の除去、及びジヒドロイミダゾールV IIのような環状構造生成物への転換は、文献に開示されている方法により達成す ることができる。 代替的に、保護されたジペプチジル類似中間体を、1−トリチル−4−カルボ キシアルデヒドまたは1−トリチル−4−イミダゾリルアセトアルデヒドのよう な他のアルデヒドで還元的にアルキル化し、VIII(反応図式G)のような生成物 を得ることもできる。生成物VIIIからそのトリチル保護基を取り除いて生成物IX を得ることも可能であり、また、代替的に、生成物VIIIをまずハロゲン化アルキ ルで処理し、その後に脱保護することによりアルキル化されたイミダゾールXを 得ることもできる。更に、また代替的に、標準的な方法によりジペプチジル類似 中間体をアシル化またはスルホニル化することも できる。 イミダゾール酢酸XIは標準的な方法により酢酸塩XIIIに転換することがで き、生成物XIIIをまずハロゲン化アルキルと反応させ、次いで還流メタノール で処理することにより位置特異的にアルキル化されたイミダゾール酢酸エステル XIVを得ることができる。加水分解及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)− 3−エチルカルボジイミド(EDC)のような縮合剤の存在下における保護され たジペプチジル類似中間体との反応により、XVのようなアシル化された生成物 が得られる。 保護されたジペプチジル類似中間体が、反応図式Iに図示されているXVIのよ うなやはり保護されたヒドロキシル基を持つアルデヒドで還元的にアルキル化さ れる場合には、その後、それらの保護基を除去することによりヒドロキシル基を アンマスキングすることができる(反応図式I及びJ)。そのアルコールを標準 的な条件下で酸化することにより例えばアルデヒドを得ることができ、その後、 このアルデヒドをグリニャール試薬のような様々な有機金属試薬と反応させるこ とにより、XXのような第二級アルコールを得ることができる。更に、完全に脱 保護されたアミノアルコールXXIを(先に説明した条件下において)様々なア ルデヒドで還元的にアルキル化することにより、XXII(反応図式K)のような 第2級アミンまたは第3級アミンを得ることができる。 Boc保護されたアミノアルコールXVIIIを用いてXXIII(反応図式L)の ような2−アジリジニルメチルピペラジンを合成することもできる。XVIIIを、 ジメチルホルムアミドのような溶媒中において、1,1’−スルホニルジイミダ ゾール及び水素化ナトリウムで処理することにより、アジリジンXXIIIが形成 された。このアジリジンは、チオールのような求核試薬の存在下において塩基の 存在で反応し、開環生成物XXIVを生成した。 更に、保護されたジペプチジル類似中間体を、標準的な方法により、O−アル キル化チロシンのようなアミノ酸から誘導されるアルデヒドと反応させることに より、反応図式Mに示されているXXXのような化合物を得ることができる。R ’がアリール基の場合には、まずXXXを水素化してフェノールをアンマスキン グし、次いで酸でアミン基を脱保護することにより、XXXIを得ることができ る。代替的に、XXXのアミン保護基 を取り除き、XXXIIのようなO−アルキル化フェノール性アミンを生成するこ ともできる。 反応図式B−Eにその合成過程が示されているもののような他のペプチジル類 似中間体を用いて、反応図式F−Mに示されているのと同様な方法を利用するこ ともできる。 反応図式N−Rは、可変成分Wがピリジル成分として存在している場合におけ る、本発明の化合物の合成に有用な適切に置換されたアルデヒドの合成過程を示 している。また、可変成分Wに別な複素環成分を取り込むアルカノールを調製す るための同様な合成方法も、当分野において良く知られている。反応図式F 反応図式F(続き) 反応図式G 反応図式H 反応図式I 反応図式J 反応図式J(続き) 反応図式K 反応図式L 反応図式M 反応図式M(続き) 反応図式N 反応図式P 反応図式Q 反応図式R 反応図式S 反応S:アミドのアルキル化。 本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒト用の薬剤として有用である。これらの 化合物は、癌を治療するために患者に投与することができる。本発明の化合物で 治療することができる癌のタイプの例は、これらに限定するものではないが、結 腸直腸癌、外分泌性膵臓癌、骨髄性白血病、及び神経系腫瘍を含む。そのような 腫瘍は、ras遺伝子そのものの突然変異や、Rasの 形成を調節することができるタンパク質(即ち、ニューロフィブロミン(NF− 1)、neu、scr、abl、lck、fyn)の突然変異、あるいは他の機 構により発生し得る。 本発明の化合物は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ、及びガン遺 伝子タンパク質Rasのファルネシル化を阻害する。また、本発明の化合物は、 腫瘍の血管形成を阻害し、それにより腫瘍の成長に影響を及ぼすことができる( J.Rakら、Cancer Research、55巻:4575−4580 頁(1995年))。本発明の化合物のそのような抗血管形成特性は、網膜の血 管新生に関連する特定の形態の視覚消失症の治療にも有用であると思われる。 また、本発明の化合物は、良性か悪性かに関わらず、他の遺伝子におけるガン 遺伝子突然変異の結果としてRasタンパク質が異常に活性化されている(即ち 、Ras遺伝子そのものは突然変異によりガン遺伝子の形態に活性化されていな い)他の増殖性疾患の抑制にも有用であり、この場合、そのような治療が必要な 哺乳動物に、本発明の化合物を有効量投与することにより該抑制が達成される。 例えば、NF−1の1つは良性の増殖性疾患である。 更に、本発明の化合物は、特定のウイルス感染の治療、特に肝炎デルタウイル ス及び関連ウイルスによる感染の治療にも有用である(J.S.Glennら、 Science、256巻:1331−1333頁(1992年))。 また、本発明の化合物は、新血管内膜形成を阻害することにより、経皮経管的 冠動脈形成術後の再発狭窄症の予防にも有用である(C.Indolfiら、N ature medicine、 1:541−545(1995))。 更に、本発明の化合物は、多嚢胞性腎疾患の治療及び予防にも有用である(D .L.Schaffnerら、American Journal of Pa tho1ogy、142巻:1051−1060頁(1993年)および B. Cowley,Jr.ら、FASEB Journal、2巻:A3160頁( 1988年))。 本発明の化合物は、単独で、もしくは、好ましくは、標準的な製薬法に従い製 薬上の組成において薬学的に許容できる担体や希釈剤あるいは随意的にミョウバ ンのような既知のアジュバントと組み合わせて、哺乳動物、好ましくはヒトに投 与することができる。本化合物は、経口投与、あるいは、静脈注射や、筋肉注射 、腹腔内注射、皮下注射、直脳適用、及び局所適用の ような投与経路を含む非経口適用により投与することができる。 本発明の化学療法剤化合物を経口的に使用する場合、その選択された化合物は 、例えば、錠剤やカプセル剤の形態で投与してもよいし、あるいは水性溶液や懸 濁液として適用することもできる。錠剤の形態で経口的に使用する場合、一般に 使用される担体はラクトース及びコーンスターチを含み、また、通常ステアリン 酸マグネシウムのような潤滑剤が添加される。カプセル剤の形態で経口的に使用 する場合、有用な希釈剤はラクトース及び乾燥コーンスターチを含む。水性懸濁 液として経口的に使用する必要がある場合には、その活性成分を乳化剤及び懸濁 剤と合わせる。所望により、特定の甘味剤及び/又は香味剤を加えてもよい。筋 肉注射、腹腔内注射、皮下注射、及び静脈注射により本化合物を使用する場合、 一般に、活性成分の滅菌溶液が調製され、その溶液のpHを適切に調整し、緩衝 能を持たせなければならない。静脈注射で使用する場合、溶質の総濃度は、調製 液が等張液になるように管理しなければならない。 本発明は、また、薬学的に許容できる担体や希釈剤の有無に関わらず、本発明 の化合物を治療上有効な量で投与することを包含する、癌の治療に有用な薬剤の 組成物を包含する。本発明 の適当な組成物は、本発明の化合物と、あるpHレベル、例えばpH7.4の例 えば生理的食塩水のような薬理学的に許容できる担体とを含む水性溶液を包含す る。この溶液を、例えば、局所的なボーラス注射により、患者の筋肉内の血流中 に導入することができる。 本発明の化合物をヒト患者に適用する場合、その一日当たりの用量は、一般的 に、患者の症状の重度の他、患者の年齢、体重、及び個々の患者の応答に応じて 異なり、通常処方する医師が決定する。 適用の一例としては、癌の治療を受ける哺乳動物に適当量の化合物が投与され る。投与は、1日当たり、約0.1mg/kg(体重)から約20mg/kg( 体重)の間の量で行われ、好ましくは、1日当たり、0.5mg/kg(体重) から約10mg/kg(体重)の間の量で行われる。 また、本発明の化合物は、ある組成物中におけるファルネシルタンパク質トラ ンスフェラーゼ(FPTase)の存在及び量を迅速に決定する検定法の成分と しても有用である。この場合、試験すべき組成物を2つに分け、分けた2つの部 分を、既知のFPTase基質(例えば、アミン末端にシステインを持 つテトラペプチド)とファルネシルピロリン酸、及び(一方の混合物のみ)本発 明の化合物からなる混合物と接触させる。これらの検定混合物を当分野で良く知 られているように充分な時間インキュベートし、FPTaseで基質をファルネ シル化させた後、これらの検定混合物の化学的内容を、良く知られている免疫学 的分析法や放射化学分析法、あるいはクロマトグラフィーで決定することができ る。本発明の化合物はFPTaseの選択的な阻害剤であるため、本発明の化合 物を含んでいない検定混合物中における基質の不在もしくは定量的な量の低減を 、本発明の化合物を含んでいる検定混合物中における変化しなかった基質の存在 量と比較することにより、この試験すべき組成物中に含まれているFPTase の存在量の指標が得られる。 当業者にとって、以上に説明したような検定法がファルネシルタンパク質トラ ンスフェラーゼを含有する組織サンプルの同定や、その酵素の定量に有用である ということは、容易に理解されよう。従って、本発明の強力な阻害剤化合物を活 性部位滴定分析に用いることにより、サンプル中の酵素を定量的に決定すること ができる。未知量のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを含有する組織 抽出物のアリコートからなる一連の サンプルと、過剰量の既知のFPTase基質(例えば、アミン末端にシステイ ンを持つテトラペプチド)、及びファルネシルピロリン酸を、様々な濃度の本発 明の化合物の存在下において、適当な時間インキュベートする。サンプルの酵素 活性を50%阻害するのに必要な十分な能力を有する阻害剤(即ち、検定容器中 の酵素濃度よりも実質的に小さいKiを持つ阻害剤)の濃度は、その特定のサン プルの酵素濃度のほぼ半分の濃度に等しい。 実施例 以下に示す実施例は、本発明を一層理解しやすくするために挙げたものである 。使用した特定の材料や種及び条件は、本発明の更なる例証として挙げたもので あり、本発明の合理的な範囲を制限するものではない。 これらの例において適用される標準的な後処理は、溶媒抽出と、10%クエン 酸、10%重炭酸ナトリウム、及び適当な場合にはブラインによる有機溶液の洗 浄に関するものである。溶液は硫酸ナトリウムで乾燥し、回転蒸発器で減圧蒸発 させた。実施例1 N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−ピロリジ ン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N− (3−クロロフェニルメチル)アミドの調製工程A:1−アセチル−5−ヒドロキシ−3−エチルピロリジン−2,2−ジカ ルボン酸ジエチル ナトリウム(4.02g、0.175モル)を、アルゴン下で、環境温度にお いて、無水EtoH(1.4L)中のアセトアミドマロン酸ジエチル(235. 4g,1.19モル)の攪拌溶液に溶解した。その反応混合物を0℃に冷却し、 反応温度が<5℃になるように維持しながら、トランス−2−ペンテナール(1 00g、1.08モル)を1滴ずつ添加した。添加後、反応液を室温にまで暖め 、4時間攪拌した後、酢酸(28mL)でクエンチした。その溶液を減圧濃縮し 、その残留分をEtOAc(1.5L)に溶解した後、10%NaHCO3溶液 (2×300mL)、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させた。この溶液 を濾過し、700mLまで濃縮した後、加熱して還流させ、ヘキサン(1L)で 処理した。その後、冷却し て融点が106℃−109℃の標記化合物を沈殿させ、収集した。 工程B:1−アセチル−3−エチルピロリジン−2,2−ジカルボン酸ジエチル アルゴン下におけるCH2Cl2(3L)中の1−アセチル−5−ヒドロキシ− 3−エチルピロリジン−2,2−ジカルボン酸ジエチル(287g、0.95モ ル)とトリエチルシラン(228mL、1.43モル)の溶液にトリフルオロ酢 酸(735mL、9.53モル)を、氷浴上で内部温度を25℃に維持し、攪拌 しながら1滴ずつ添加した。23℃で3時間攪拌した後、その溶液を減圧濃縮し 、残留分をCH2Cl2(1.5L)で希釈した後、溶液が塩基性になるまで勢い よく攪拌しながらH2O(1L)と固体Na2CO3で処理した。有機層を分離し 、乾燥(Na2SO4)させ、濾過した後、濃縮し、黄色い油状の標記化合物を得 た。以降の工程では、この化合物を、更に精 製することなく、使用した。工程C:3−エチルプロリン塩酸塩(シス:トランス混合物) 1−アセチル−3−エチルピロリジン−2,2−ジカルボン酸ジエチル(37 3g、0.95モル)を6NのHCl(2L)とHOAc(500mL)に懸濁 させ、20時間還流により加熱した。その後、反応混合物を冷却し、EtOAC (1L)で洗浄した後、減圧濃縮してオイルを得た。その後、このオイルをエー テルによる摩砕で結晶化させ、標記化合物を得た。 工程D:N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]シス:トランス−3− エチルプロリンメチルエステル 3−エチルプロリン塩酸塩(シス:トランス混合物)(20g、0.11モル )をCH3OH(200mL)に溶解し、その溶液をHClガスで飽和させた後 、23℃で24時間攪拌した。過剰なHClを取り除くため、その溶液にアルゴ ンガスをバブリングした。その溶液をNaHCO3(>84g)で処理 してpH8にした後、CH3OH(20mL)中に溶解している二炭酸ジ−te rt−ブチル(25.1g、0.115モル)をゆっくり添加した。23℃で1 8時間攪拌した後、その混合物を濾過した。得られた濾液を濃縮し、その残留分 をEtOAcですりつぶした後、再び濾過し、濃縮して油状の標記化合物を得た 。工程E:N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−トランス−3−エチ ルプロリン及びN−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−シス−3−エ チルプロリンメチルエステル N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−シス,トランス−3−エチ ルプロリンメチルエステル(29.1g、0.113モル)を0℃に冷却しなが らCH3OH(114mL)に溶解した後、1NのNaOH(114mL)で処 理した。23℃で20時間攪拌した後、その溶液を濃縮してCH3OHを除去し 、次いで、EtOAc(3×)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥(MgSO4 )させ、濾過し、濃縮して、12.8gの油状のN−[(tert−ブチルオ キシ)カルボニル]−シス−3−エチルプロリンメチルエステルを得た。水 性層は固体クエン酸で酸性化し、EtOAc(2×)で抽出した。抽出後の有機 層を合わせて、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して油状のN−[(te rt−ブチルオキシ)カルボニル]−トランス−3−エチルプロリンを得た。 工程F:3(S)−エチル−2(S)−プロリン塩酸塩 N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−トランス−3−エチルプロリ ン(15.5g、0.064モル)、S−α−メチルベンジルアミン(9.03 mL、0.070モル)、HOBT(10.73g、0.70モル)、及びN− メチルモルホリン(8mL、0.076モル)を氷−H2O浴中で攪拌しながら CH2Cl2(150mL)に溶解した後、EDC(13.4g、0.070モル )で処理し、23℃で48時間攪拌した。反応混合物をEtOAcと10%クエ ン酸溶液間で分配した後、有機層を飽和NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、 乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮してオイルを得た。こ のオイルを最少量のエーテル(10mL)に溶解し、融点が118℃−121℃ の所望のS,S,Sジアステレオマー(4.2g)を結晶化させた。8NのHC l(87mL)と氷酢酸(22mL)中のこの生成物の溶液を還流により1晩加 熱した。その溶液を回転蒸発器で濃縮し、残留分をH2O中に採取した後、エー テルで抽出した。水性層を濃縮乾固し、3(S)−エチル−2(S)−プロリン 塩酸塩とα−メチルベンジルアミンの1対1混合物を得た。 α−メチルベンジルアミンを含有する3(S)−エチル−2(S)−プロリン (2.0g、0.0128モル)を、0℃に冷却し攪拌しながらジオキサン(1 0mL)及びH2O(10mL)に溶解した。N,N−ジイソプロピルエチルア ミン(2.2mL、0.0128モル)と二炭酸ジ−tert−ブチル(2.7 9g、0.0128モル)を添加し、23℃で48時間攪拌し続けた。その反応 混合物を、EtOAc(60mL)とH2O(30mL)間で分配した後、有機 層を0.5NのNaOH(2×40mL)で洗浄した。水性層を合わせて、Et OAc(30mL)で洗浄した後、この層を0.5NのNaOH(30mL)で 逆抽出した。水性層を合わせて、0℃ において、1NのHClでpH3に慎重に酸性化した。この混合物をEtOAc (3×40mL)で抽出した後、有機成分を合わせて、乾燥(MgSO4)させ 、濾過し、濃縮して、無色な油状のN−[(tert−ブチルオキシ)カルボニ ル−3(S)−エチル−2(S)−プロリンを得た。N−[(tert−ブチル オキシ)カルボニル−3(S)−エチル−2(S)−プロリンをEtOAc(5 0mL)に溶解し、その溶液を、氷−H2O浴中で冷却しながら、HClガスで 飽和させた。その溶液に栓をし、0℃で3時間攪拌した。過剰なHClを取り除 くため、アルゴンガスを溶液中にバブリングさせ、その溶液を濃縮乾固し、3( S)−エチル−2(S)−プロリン塩酸塩を得た。工程G:N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イル メチル]−3(S)−エチル−プロリン 3(S)−エチル−2(S)−プロリン塩酸塩(実施例1の工程Fから得たも の)(2.33g、0.013モル)をCH3OH(20mL)に溶解し、3A 分子ふるい(2g)とKOAc(1.27g、0.013モル)で処理して反応 混合物のpHを4.5−5に調整した後、N−[(tert−ブチルオキシ) カルボニル−プロリナール(Pettitら、J.Org.Chem.(199 4年)59、[21]6287−95頁)(3.36g、0.017モル)を添 加し、その混合物を室温で16時間攪拌した。その反応混合物を濾過し、水性飽 和NaHCO3(5mL)でクエンチした後、濃縮乾固した。次いで、その残留 分をCHCl3で抽出した。得られた抽出物を乾燥(MgSO4)させ、濾過し、 濃縮して、標記化合物と無機塩を得た。工程H:N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イル メチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3−クロロフェニルメチル)ア ミド N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル] −3(S)−エチル−プロリン(0.50g、1.53ミリモル)、EDC(0 .293g、1.53ミリモル)、HOBT(0.243g、1.53ミリモル )、及び3−クロロベンジルアミン(0.187mL、1.53ミリモル)をD MF(5mL)に溶解し、N−メチル−モルホリン(0.51mL、4.6ミリ モル)でpHを7に調整した後、その反応混合物を環境温度で18時間攪拌した 。減圧により溶媒を除去し た後、その残留分をEtOAcと5%水性NaHCO3間で分配した。有機層を ブラインで洗浄した後、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して、クロマト グラフィー(SiO2、EtOAc対ヘキサン、2対3)後、標記化合物を得た 。工程I:N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イル メチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N−(3−クロロフェニ ルメチル)アミド N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル] −3(S)−エチル−プロリン−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド(0 .175g、0.39ミリモル)をアルゴン下において0℃で攪拌しながら乾燥 DMF(4mL)に溶解した後、NaH(鉱油中に60%分散、0.023g、 0.58ミリモル)で処理し、その15分後にヨードメタン(0.029mL、 0.47ミリモル)で処理した。その反応混合物を25℃で2時間攪拌した後、 蒸発乾固させ、EtOAcと水性飽和NaHCO3溶液間で分配した。有機層を 分離した後、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮乾固さ せて標記化合物を得た。工程J:(ピロリジン−2(S)−イルメチル)−3(S)エチル−プロリン− N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル] −3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル )アミド(0.150g、0.32ミリモル)をEtOAc(15mL)に溶解 した後、−20℃に冷却し、HClガスで飽和させた。その溶液を0℃で1時間 攪拌した後、25℃で1時間攪拌し、次いで、濃縮乾固し、(ピロリジン−2( S)−イルメチル)−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N−(3−ク ロロフェニルメチル)アミドを得た。以降の工程では、この生成物を更に精製す ることなく使用した。工程K:N−[1−(3−[IH−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)− ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3 −クロロフェニルメチル)アミド (ピロリジン−2(S)−イルメチル)−3(S)−エチル−プロリン−N− メチル−N−(3−クロロフェニルメチル) アミド(0.070g、0.162ミリモル)、(1H−イミダゾール−4−イ ル)プロピオン酸塩酸塩(0.057g、0.324ミリモル)、EDC(0. 062g、0.324ミリモル)、HOBT(0.050g、0.324ミリモ ル)、及びN−メチルモルホリン(0.288mL、 1.30ミリモル)を2 5℃でDMF(5mL)に溶解し、72時間攪拌した。その反応混合物をEtO Acと5%Na2CO3溶液間で分配し、有機層を分離してブラインで洗浄した後 、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮乾固して標記化合物を得、分取RP HPLC(Vydacカラム、0.1%TFA/CH3CN対0.1%TFA/ H2O、95対5から5対95までの勾配)及び凍結乾燥後、TFA塩として標 記化合物を得た。 元素分析(C263652Cl・1.9CF3CO2H・2.0H2O) 計算値:C48.45;H5.72;N9.48; 実測値:C48.53;H5.76;n9.08。 FAB MS 486(M+1)実施例2 N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−3(S) −エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン− N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミドの調製工程A:N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−3(S)−エチル− 2(S)−プロリノール α−メチルベンジルアミンを含有する3(S)−エチル−2(S)−プロリン 塩酸塩(実施例1の工程Gで得たもの)(2.0g、0.0128モル)を0℃ に冷却し攪拌しながらジオキサン(10mL)とH2O(10mL)に溶解した 。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.2mL、0.0128モル)と二 炭酸ジ−tert−ブチル(2.79g、0.0128モル)を添加し、23℃ で48時間攪拌し続けた。その反応混合物をEtOAc(60mL)とH2O( 30mL)間で分配した後、有機層を0.5NのNaOH(2×40mL)で洗 浄した。水性層を合せて、EtOAc(30L)で洗浄した後、この層を0.5 NのNaOH(30mL)で逆抽出した。水性層を合わせて、1NのHClによ り0℃でpH2に慎重に 酸性化した。この混合物をEtOAc(3×40mL)で抽出した後、有機層を 合わせて、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、濃縮して無色の油状のN−[(t ert−ブチルオキシ)カルボニル]−3(S)−エチル−2(S)−プロリン を得た。以降の工程では、この生成物を精製することなく使用した。 N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−3(S)−エチル−2(S )−プロリン(1.6g、6.58ミリモル)を乾燥THF(10mL)に溶解 した後、0℃で2時間攪拌しながらボラン(THF中1M、12.5mL、 1 2.5ミリモル)で処理し、次いで23℃で1時間攪拌した。その溶液を0℃に 冷却した後、H2O(20mL)で処理し、EtOAc(2×30mL)で抽出 した。有機成分をブライン、飽和NaHCO3、H2Oで洗浄した後、乾燥(Mg SO4)させ、濾過し、濃縮して粘性のオイルを得た。そのオイルをCH2Cl2 に溶解し、乾燥SiO2を通じて濾過し、濾液を濃縮して油状の標記化合物を得 た。 工程B:N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−3(S)−エチル− 2(S)−プロリナール N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−3(S)−エチル−2(S )−プロリノール(0.638g、2.78ミリモル)とEt3N(1.4mL 、9.74ミリモル)を−10℃に冷却し攪拌しながら乾燥CH2Cl2(10m L)に溶解した後、反応混合物の温度を<0℃に維持したまま乾燥DMSO(5 mL)中のSO3・pyr(1.33g、8.35ミリモル)の溶液を1滴ずつ加 えて処理した。その混合物を0℃で20分間攪拌した後、5℃で20分間攪拌し 、更に15℃で1時間攪拌した後、氷で冷却した0.5NのHClに注ぎ、層を 分離した。水性層をCH2Cl2(3×20mL)で抽出し、有機成分は合わせて H2O、水性飽和NaHCO3溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)させ た。その後、濾過及び濃縮乾固により標記化合物を得た。以降の工程では、この 生成物を精製することなく使用した。工程C:N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−3(S)−エチルピロリジン −2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−2(S)−プロリナールを N−[(tert−ブチルオキシ)カルボニル]−3(S)−エチル−2(S) −プロリナールに置き換える以外は実施例1の工程Gで概説されている手順に従 って、標記化合物を調製した。工程D:N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)− 3(S)−エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プ ロリン−N−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド 実施例1で説明した手順を利用し、標記化合物を調製する。 実施例3 1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル]ピ ロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル −N−(3−クロロ−フェニルメチル)アミドの調製 工程A:1H−イミダゾール−4−酢酸メチルエステル塩酸塩 メタノール(100ml)中に1H−イミダゾール−4−酢酸塩酸塩(4.0 0g、24.6ミリモル)を含む溶液を塩化 水素気体で飽和させた。得られた溶液を室温で18時間放置した。溶媒を減圧下 に蒸発させて標記化合物を白色固形物として得た。 工程B:1−(トリベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル酢酸メチルエステル ジメチルホルムアミド(DMF)(115ml)中に1H−イミダゾール−4 −酢酸メチルエステル塩酸塩(24.85g、0.141モル)を含む溶液に、 トリエチルアミン(57.2ml、0.412モル)およびトリベンジルブロミ ド(55.3g、0.171モル)を添加し、懸濁液を24時間攪拌した。この 時間後、反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)(1L)および水(350ml )で希釈した。有機相を飽和NaHCO3水溶液(350ml)で洗浄し、乾燥 (Na2SO4)し、減圧下に蒸発させた。残さをフラッシュクロマトグラフィー (SiO2、ヘキサン中0−100%酢酸エチル;勾配溶離)で精製して標記化 合物を白色固形物として得た。 工程C:1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]酢酸メチルエス テル アセトニトリル(70ml)中に1−(トリベンジル)−1H−イミダゾール −4−イル酢酸メチルエステル(8.00g、20.9ミリモル)を含む溶液に 、ブロモ−p−トルオニトリル(4.10g、20.92ミリモル)を添加し、 55℃で3時間加熱した。この時間後、反応液を室温に冷却し、得られたイミダ ゾリウム塩(白色沈殿)を濾過により集めた。濾液を55℃で18時間加熱した 。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下に蒸発させた。残さにEtOAc(70 ml)を添加し、得られた白色沈殿を濾過により集めた。沈殿したイミダゾリウ ム塩を併せ、メタノール(100ml)中に懸濁させ、30分間加熱還流した。 この時間後、溶媒を減圧下に除去し、得られた残さをEtOAc(75ml)中 に懸濁させ、固形物を濾過により単離し、洗浄した(EtOAc)。固形物を飽 和NaHCO3水溶液(300ml)およびCH2Cl2(300ml) で処理し、室温で2時間攪拌した。有機層を分離し、乾燥(MgSO4)し、減 圧下に蒸発させて標記化合物を白色固形物として得た。 工程D:[ 1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]酢酸 THF(100ml)および1M水酸化リチウム(17.4ml、17.4ミ リモル)中に[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル]酢 酸メチルエステル(4.44g、17.4ミリモル)を含む溶液を室温で18時 間攪拌した。1M HCl(17.4ml)を添加し、THFを減圧下に蒸発さ せることにより除去した。水溶液を凍結乾燥して、白色固形物として塩化リチウ ム含有標記化合物を得た。 工程E:1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル]ピ ロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル −N−(3−クロロフェニルメチル)アミド ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メ チル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド(0.070g、0.162ミ リモル)(実施例1、工程J)、[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダ ゾール−5−イル]酢酸・LiCl(0.093g、0.324ミリモル)、E DC(0.062g、0.324ミリモル)、HOBT(0.050g、0.3 24ミリモル)、およびN−メチルモルホリン(0.288mL、1.30ミリ モル)を25℃でDMF(5mL)に溶解し、72時間攪拌した。反応混合物を EtOAcと5%Na2CO3溶液とに分け、有機層を分離し、ブラインで洗浄し 、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮乾固して標記化合物を得、分取RP H PLC(Vydacカラム、0.1%TFA/CH3CN:0.1%TFA/H2 O、95:5から5:95の勾配)および凍結乾燥後に標記化合物をTFA 塩として得た。 実施例4 1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル] ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3 −クロロフェニルメチル)アミドの調製 工程A:(ピロリジン−2(S)-イルメチル)−3(S)−エチル−プロリン−N−( 3−クロロフェニルメチル)アミド N−[(t−ブチルオキシカルボニル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル] −3(S)−エチル−プロリン−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド(実 施例1、工程H)(0.175g、0.39ミリモル)をEtOAc(15mL )に溶解し、−20℃に冷却し、HCl気体で飽和させた。溶液を0℃で1時間 攪拌し、次に25℃で1時間攪拌し、次に濃縮乾固してピロリジン−2(S)− イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3−クロロフェニルメチル )アミドを得、さらに精製することなく用いた。 工程B:1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル]ピ ロリジン−2(S)-イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3−ク ロロフェニルメチル)アミド ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−( 3−クロロフェニルメチル)アミドを工程Eにおけるピロリジン−2(S)−イ ルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N−(3−クロロフェ ニルメチル)アミドの代わりに用いる以外は実施例3に記載の手順により標記化 合物を調製した。 実施例5 1−[1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル]ピ ロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル −N−(3−クロロフェニルメチル)アミドおよび1−[1−(4−ニトロベン ジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル]ピロリジン−2(S)−イル メチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N−(3−クロロフェニ ルメチル)アミドの調製 工程A:1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル酢酸メチルエステ ルおよび1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル酢酸メチ ルエステル(3:1混合物) ジメチルホルムアミド(2ml)中に水素化ナトリウム(鉱油中60%、99 mg、2.5ミリモル)を含む0℃に冷却された溶液に、カニューレを通して、 ジメチルホルムアミド(3ml)中に1H−イミダゾール−4−酢酸メチルエス テル塩酸塩(200mg、1.13ミリモル)を含む溶液を添加した。この懸濁 液を0℃で15分間攪拌した。この懸濁液に4−ニトロベンジルブロミド(24 4mg、1.13ミリモル)を添加 し、室温で2時間攪拌した。この時間後、混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液 (15ml)および水(20ml)でクエンチし、塩化メチレン(2×50ml )で抽出した。合わせた有機抽出液をブライン(20ml)で洗浄し、乾燥(M gSO4)し、濾過し溶媒を減圧下に蒸発させた。残さを、溶離剤としてアセト ニトリルを用いてフラッシュクロマトグラフィーにより精製して標記化合物を黄 色油状物として得た。 工程B:1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル酢酸塩酸塩および 1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル酢酸(3:1混合 物) メタノール(3ml)およびテトラヒドロフラン(3ml)中に1−(4−ニ トロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イル酢酸メチルエステルと1−(4 −ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル酢酸メチルエステルとの混 合物(3:1混合物、216mg、0.785mmol)を含む溶 液に、アルゴン下に1.0M水酸化ナトリウム(1.18ml、1.18ミリモ ル)を添加し18時間攪拌した。この時間後、1.0N塩酸(2.36ml、2 .36ミリモル)を添加し、混合物を減圧下に蒸発させて標記化合物を得た。 工程C:1−[1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−4−イルアセチル] ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチ ル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミドおよび1−[1−(4−ニトロベ ンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル]ピロリジン−2(S)−イ ルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3−クロロフェニルメチル) アミド 実施例3および4に概略した手順を用いて標記化合物を調製した。 以下の化合物は類似の方法において調製した: 1−(1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−4 −イルアセチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロ リン−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 1−[1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル] ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3 −クロロフェニルメチル)アミド、 1−(1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル )ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メ チル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 1−(1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル )ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−( 3−クロロフェニルメチル)アミド、 1−(1−(2−ナフチルメチル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル) ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチ ル−N−(3−クロロフェニルメチル)アミド、 1−(1−(2−ナフチルメチル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル] ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−(3 −クロロフェニルメチル)アミド。 実施例6 1−(1−(1−ファルネシル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル)ピ ロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル −N−(3−クロロフェニルメチル)アミドの調製 工程A:1−(1−ファルネシル)−1H−イミダゾール−5−イル酢酸メチルエステル アセトニトリル(5ml)中に1−(トリベンジル)−1H−イミダゾール− 4−イル酢酸メチルエステル(200mg、0.523ミリモル)を含む溶液に トランス,トランス−ファルネシルブロミド(156μl、0.575ミリモル )を添加し、55℃で16時間加熱した。この時間後、反応液を80℃で3時間 加熱し、次に、反応混合物を減圧下に蒸発させた。残さをメタノール(5ml) に溶解し、30分間加熱還流し、次 に、減圧下に蒸発させた。残さをフラッシュクロマトグラフィー(2−4%メタ ノール/塩化メチレン勾配溶離)により精製して標記化合物を得た。工程B:1−(1−(1−ファルネシル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル)ピ ロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル −N−(3−クロロフェニルメチル)アミド 工程Aに記載の1−ファルネシル−1H−イミダゾール−5−イル酢酸メチル エステルを1−(4−ニトロベンジル)−1H−イミダゾール−5−イル酢酸メ チルエステルの代わりに用いる以外は実施例5に記載の手順に従い標記化合物を 得た。 1−(1−(1−ゲラニル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル)ピロリ ジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N −(3−クロロフェニルメチル)アミドを同様の方法により調製する。実施例7 rasファルネシルトランスフェラーゼの生体外阻害 ファルネシルタンパクトランスフェラーゼのアッセイ。部分精製したウシFP TaseおよびRasペプチド(Ras−CVLS、Ras−CVIMおよびR AS−CAIL)を、Schaberら著,J.Biol.Chem.第265 巻:14701−14704頁(1990年)、Pomplianoら著,Bi ochemistry第31巻:3800頁(1992年)およびGibbsら 著,PNAS U.S.A.第86巻:6630−6634頁(1989年)に それぞれ記載のように調製した。ウシFPTaseを、100mM N−(2− ヒドロキシエチル)ピペラジン−N‘−(2−エタンスルホン酸)(HEPES ),pH7.4、5mM MgCl2、5mMジチオトレイトール(DTT)、 100mM[3H]ファルネシルジホスフェート([3H]−FPP;740CBq/ ミリモル、New England Nuclear製)、650nM Ras −CVLSおよび10μg/ml FPTaseを含む100μl容量中で31 ℃で60分間アッセイした。反応をFPTaseにより開始し、エタノール中1 .0M HCL(1ml)で停 止した。沈殿をTomTecMachII細胞回収機を用いてフィルターマット上 に収集し、100%エタノールで洗浄し、乾燥し、LKB β−プレートカウン ターで計数した。アッセイは、両方の基質、FPTase水準および時間につい て線形であった。反応期間中、10%より少ない[3H]−FPPを利用した。精 製した化合物を100%ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、アッセイ において20倍に希釈した。阻害%は、試験化合物の不存在下における取り込み 量と比較した、試験化合物の存在下における放射能の取り込み量により測定する 。 ヒトFPTaseを、Omerら著,Biochemistry第32巻:5 167−5176頁(1993年)に記載されたように調製した。ヒトFPTa se活性を、0.1%(w/v)ポリエチレングリコール20000, 10μ M ZnCl2および100nM Ras−CVIMを反応混合物に添加する以 外は前述のようにしてアッセイした。反応を30分間行い、エタノール中30% (v/v)トリクロロ酢酸(TCA)100μlを用いて停止し、ウシ酵素につ いて前述したように処理した。 本発明の化合物を、前述のアッセイによりヒトFPTase に対する阻害活性について試験し、IC50<10μMであることが分かった。 実施例8 生体内rasファルネシル化アッセイ このアッセイで用いた細胞系は、ウイルスHa−ras p21を発現するR atlまたはNIH3T3細胞から誘導されるv−ras系である。アッセイは 、本質的にDeClue,J.Eら著、Cancer Research第51 巻:712−717頁(1991年)に記載のように行う。50−75%の集密 度の10cm皿中の細胞を試験化合物で処理する(溶媒であるメタノールまたは ジメチルスルホキシドの最終的濃度は0.1%)。37℃で4時間後、10%レ ギュラーDMEM、2%ウシ胎児血清および400mCi[35S]メチオニン(1 000Ci/ミリモル)を加えたメチオニン非含有DMEM3ml中で細胞を標 識化する。さらに20時間後、細胞を溶解緩衝液(1%NP40/20mM H EPES、pH7.5/5mM MgCl2/1mM DTT/10mg/ml アプロチネン/2mg/mlロイペプチン/2mg/mlアンチペイン/0.5 mM PMSF)1ml中に溶解し、溶解物を100,000xgで45分間遠 心分離することにより清澄化する。等数の酸沈殿性カウントを含む溶解物のアリ コートをIP緩衝液(DTTを含まない溶解緩衝液)で1mlにし、ras特異 的モノクローナル抗体Y13−259(Furth,M.Eら著,J.Viro l.第43巻:294−304頁(1982年))で免疫沈降させる。4℃で2 時間抗体をインキュベーションした後、ウサギ抗ラットIgGで被覆したプロテ インA−セファローズの25%懸濁液200mlを45分かけて添加する。免疫 沈降物を、SDS−PAGEサンプル緩衝液中で沸騰させたIP緩衝液(20n MHEPES,pH7.5/1mM EDTA/1%TritonX−100. 0.5%デオキシコレート/0.1%/SDS/0.1M NaCl)で4回洗 浄し、13%アクリルアミドゲル上にローディングする。色素先端部が底部に達 したら、ゲルを固定し、Enlighteningに浸し、乾燥して、オートラジオグラフィ ーにかける。ファルネシル化および非ファルネシル化rasタンパク質に相当す るバンドの強度を比較して、タンパク質へのファルネシル転移の阻害%を決める 。実施例9 生体内成長阻害アッセイ FPTase阻害の生物学的重要性を決めるために、v−ras、v−raf 、またはv−mosガン遺伝子により形質転換されたRatl細胞の足場非依存 性成長への本発明の化合物の効果を試験する。v−Rafおよびv−Mosによ り形質転換された細胞を、Ras誘発細胞形質転換に対する本化合物の特異性を 評価するための分析に含めてもよい。 v−ras、v−raf、またはv−mosにより形質転換されたRatl細 胞を、底部アガロース層(0.6%)の上の培地A(10%ウシ胎児血清を加え たDulbecco修飾Eagle培地)中の0.3%上部アガロース層中に1 ×104細胞/プレート(直径35mm)の密度で植え付ける。いずれの層も0 .1%メタノールまたは適当な濃度の本発明化合物(アッセイで用いられる最終 濃度として1000倍でメタノールに溶解)を含む。細胞には、0.1%メタノ ールまたは該濃度の本発明化合物を含む培地A0.5mlを1週間に2回与える 。培地の接種後16日に顕微鏡写真を撮り比較する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61K 31/00 635 43/00 643D A61K 31/4178 31/415 612 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU, CZ,EE,GE,HU,IL,IS,JP,KG,K R,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MD,MG ,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,RO,RU, SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,U S,UZ,VN,YU

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記式Iで示されるRasファルネシルトランスフェラーゼを阻害する化合 物: [式中、 R1aおよびR1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素、 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、R10O− 、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C( NR10)−、R10C(O)−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、 または−C(O)N(R102、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、R10O− 、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、 CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、N3、−N(R102ま たはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル ; R2およびR3は独立して下記a)−d)から選択される: a)天然アミノ酸の側鎖、 b) i)メチオニンスルホキシド、または ii)メチオニンスルホン である天然アミノ酸の側鎖の酸化体、 c)置換されたまたは非置換の、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリール、またはヘテロ環式基(ここで、置換基はF 、Cl、Br、N(R102、NO2、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O )NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、N3、−N (R102、R11OC(O)NR10−、C(O)N(R102−、およびC1−C2 0 アルキルから選択される)、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されたC1 −C6アルキル;または R2およびR3はR6と組み合わさって下記: であるように環を形成する; R4a、R4b、R7aおよびR7bは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素、 b)アルケニル、R10O−,R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、 N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、C(O)N(R102− 、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換 のC1−C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O )m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、 R10C(O)−、−C(O)N(R102、N3、−N(R102、またはR11O C(O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されたC1−C6アルキル; R5aおよびR6bは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)置換されたまたは非置換の、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、 Cl、Br、(R102NC(O)−、NO2、R10O−,R11S(O)m−、R1 0 C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、− CON(R102、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1− C20アルキルから選択される)、 d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されたC1−C6アルキル;または R5aおよびR5bは組み合わされて−(CH2s−を形成する(ここで、炭素原 子の一つは要すればO、S(O)m、−NC(O)−、および−N(COR10) −から選択される成分 により置き換えられている); R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフル オロアルキル、F、Cl、Br、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)N R10−、CN、NO2、R10 2N−C(NR10)−、R10C(O)−、−C(O) N(R102、N3、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、ペルフル オロアルキル、F、Cl、Br、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)N H−、CN、H2N−C(NH)−、R10C(O)−、N3、−N(R102また はR10OC(O)NHにより置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アルケニル、アルキニル、ペルフルオロアルキル、F、Cl、Br、R10O −、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C (NR10)−、R10C(O)−、−C(O)N(R102、N3、−N(R102 、またはR11OC(O)NR10−、および c)ペルフルオロアルキル、F、Cl、Br、R10O−、R11S(O)m−、R1 0 C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、− C(O)N(R102、N3、−N(R102またはR11OC(O)NR10−によ り置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; A1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、−NR10C(O)−、O、−N(R10)−、−S(O)2 N(R10)−、−N(R10)S(O)2−、またはS(O)mから選択される; Qは置換されたまたは非置換の窒素含有C4−C9単環式ま たは二環式環系(ここで、窒素非含有環はC5−C7飽和環であり得る)である; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子が0、S、およびNから 選択されるヘテロ原子により置き換えられている)、 e)C2−C20アルケニル ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはヘテロ環である; X、YおよびZは独立してH2またはOである; mは0、1または2である; nは0、1、2、3または4である; pは0、1、2、3または4である; rは0〜5であるが、但しVが水素である場合rは0であ る; sは4または5である; tは3、4または5である;および uは0または1である] または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態、もしくは異性体。 2.式IIにより示される請求項1に記載の化合物: [式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R102またはア ルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N( R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R2およびR3は独立して下記a)−d)から選択される: a)天然アミノ酸の側鎖、 b) i)メチオニンスルホキシド、または ii)メチオニンスルホン である天然アミノ酸の側鎖の酸化体、 c)置換されたまたは非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリール、またはヘテロ環式基(ここで、置換基はF 、Cl、Br、NO2、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、C N、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1−C20アルキルから選択 される)、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されている C1−C6アルキル;または R2およびR3はR6と組み合わされて下記: であるように環を形成する; R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)アルケニル、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、 N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換のC1 −C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O )m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、 R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC( O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから 選択される非置換のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル ; R4bおよびR7bは水素である; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換されたまたは非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、 Cl、Br、NO2、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、− CON(R102、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1− C20アルキルから選択される)、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択され る; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペ ルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N (R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R10 2N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキル 、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N( R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)− 、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換 されているかまたは置換されていないC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; Qは次の基から選択される: 1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10)−、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ビロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、 ピリドニル、2−オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニ ル、およびチエニルから選択されるヘテロ環、c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、SおよびNから選 択されるヘテロ原子で置き換えられている)、および e)C2−C20アルケニル、 ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選 択されるヘテロ環である; X、YおよびZは独立してH2またはOである; mは0、1または2である; nは0、1、2、3または4である; pは0、1、2、3または4である; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3、4または5である;および uは0または1である] または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態もしくは異性体。 3.式IIで示される請求項1に記載の化合物: [式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R102またはア ルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N( R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R2およびR3はR6と組み合わされて下記:であるように環を形成する; R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)アルケニル、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、 N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換のC1 −C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O )m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、 R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC( O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R4bおよびR7bは水素である; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換されたまたは非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、 Cl、Br、NO2、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、C ON(R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1− C20アルキルから選択される、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペ ルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N (R102、またはR11OC(O)NR10−、およびc)C1−C6ペルフルオロ アルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R102N−C(NR10)−、 R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10 −により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキル 、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N( R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、(R102 N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102また はR11OC(O)NR10−により置換されているかまたは置換されていないC1 −C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; Qは次の基から選択される:1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10)−、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2− オキソピペリジニル、インドリル、キノリニ ル、イソキノリニル、およびチエニルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、SおよびNから選 択されるヘテロ原子で置き換えられている)、および e)C2−C20アルケニル ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選 択されるヘテロ環である; X、YおよびZは独立してH2またはOである; mは0、1または2である; nは0、1、2、3または4である; pは0、1、2、3または4である; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3、4または5である;および uは0または1である] または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または異性体。 4.式IVで示される請求項3に記載の化合物: [式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R102またはア ルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N( R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される: a)水素 b)アルケニル、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、 N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換のC1 −C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O )m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2、(R102N−C(NR10)−、 R10C(O)−、CON(R102−、N3、−N(R102、またはR11OC( O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R4bおよびR7bは水素である; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換されたまたは非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、 Cl、Br、NO2、 R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−(R102NC(O)−、C N、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1−C20アルキルから選択 される)、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペ ルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N (R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O) NR10−、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102− 、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6 アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキル 、F、Cl,R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N( R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)− 、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換 されているかまたは置換されていないC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; Qは次の基から選択される: 1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、− C(O)NR10−、O、−N(R10)−またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2− オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエニ ルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子が0、SおよびNから選 択されるヘテロ原子で置き換えられている)、および e)C2−C20アルケニル、 ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、 A1が結合、nが0且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2 −オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選 択されるヘテロ環である; Zは独立してH2またはOである; mは0、1または2である; nは0、1、2、3または4である; pは0、1、2、3または4である; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3、4または5である;および uは0または1である] または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または異性体。 5.式Vにより示される請求項4に記載の化合物: [式中、 R1aは独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R1bは独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、R10O−、−N(R102またはア ルケニル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−または−N( R102により置換されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R4aおよびR7aは独立して下記a)−d)から選択される; a)水素 b)アルケニル、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、 N3、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、− N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換されたまたは非置換のC1 −C6アルキル、 c)アリール、ヘテロ環、シクロアルキル、アルケニル、R10O−、R11S(O )m−、R10C(O)NR10−、CN、N O2、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、N3 、−N(R102、またはR11OC(O)NR10−、および d)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5aは下記a)−b)から選択される: a)置換されたまたは非置換の、C1−C10アルキル、C2−C10アルケニル、C3 −C10シクロアルキル、アリールまたはヘテロ環式基(ここで、置換基はF、 Cl、Br、NO2、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、(R102NC(O)−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、C ON(R102−、N3、−N(R102、R11OC(O)NR10−、およびC1− C20アルキルから選択される、および b)アリール、ヘテロ環およびC3−C10シクロアルキルから選択される非置換 のまたは置換された基により置換されているC1−C6アルキル; R5bは下記a)−b)から選択される: a)水素、および b)C1−C3アルキル; R6は独立して水素またはC1−C6アルキルから選択される; R8は独立して下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペ ルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N (R102、またはR11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、R10O−、R10C(O)NR10−、(R10 2N−C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102 またはR11OC(O)NR10−により置換されているC1−C6アルキル; R9は下記a)−c)から選択される: a)水素 b)C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、C1−C6ペルフルオロアルキル 、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、R10C(O)NR10−、CN、NO2 、(R102N− C(NR10)−、R10C(O)−、CON(R102−、−N(R102、または R11OC(O)NR10−、および c)C1−C6ペルフルオロアルキル、F、Cl、R10O−、R11S(O)m−、 R10C(O)NR10−、CN、(R102N−C(NR10)−、R10C(O)− 、CON(R102−、−N(R102またはR11OC(O)NR10−により置換 されたまたは非置換のC1−C6アルキル; R10は独立して水素、C1−C6アルキル、ベンジルおよびアリールから選択さ れる; R11は独立してC1−C6アルキルおよびアリールから選択される; A1およびA2は独立して結合、−CH=CH−、−C≡C−、−C(O)−、 −C(O)NR10−、O、−N(R10)−、またはS(O)mから選択される; Vは下記a)−e)から選択される: a)水素 b)ピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2− オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、およびチエニ ルから選択されるヘテロ環、 c)アリール d)C1−C20アルキル(ここで、0〜4個の炭素原子がO、SおよびNから選 択されるヘテロ原子により置き換えられている)、および e)C2−C20アルケニル、 ただし、A1がS(O)mである場合、Vは水素ではなく、A1が結合、nが0 且つA2がS(O)mである場合、Vは水素でない; Wはピロリジニル、イミダゾリル、ピリジニル、チアゾリル、ピリドニル、2− オキソピペリジニル、インドリル、キノリニル、またはイソキノリニルから選択 されるヘテロ環である; mは0、1または2である; nは0、1、2、3または4である; pは0、1、2、3または4である; rは0〜5であるが、ここでVが水素の場合rは0である; tは3、4または5である;および uは0または1である] または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または異性体。 6.以下の化合物であるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する 化合物: N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN−(3 −クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN−メチ ル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]−3(S)−エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル −プロリンN−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]−3(S)−エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル −プロリンN−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニ ル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N −メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−3(S)− エチルピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN− メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−(1−(1−ファルネシル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル)−ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N −メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−(1−(1−ゲラニル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチル) −ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メ チル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセ チル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N− (3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(4−メトキシベンジル)−1H−イミダゾ−ル−5−イルア セチル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N −メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(2−ナフチルメチル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−( 3−クロロフェニルメチル)−アミド、 N−[1−[1−(2−ナフチルメチル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メ チル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド、 または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または異性体。 7.以下の化合物であるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する 請求項5に記載の化合物: N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−ピロリジン −2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N−( 3−クロロフェニルメチ ル)−アミド N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN−(3 −クロロフェニルメチル)−アミド N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3 (S)−エチル−プロリンN−メチル−N−(3−クロロフェニルメチル)−ア ミドまたは、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または光学異性体。 8.以下の化合物であるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する 請求項5に記載の化合物: N−[1−(3−[1H−イミダゾール−4−イル]プロピオニル)−ピロリジ ン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−メチル−N− (3−クロロフェニルメチル)アミド または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形質または光学異性体。 9.以下の化合物であるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害する 請求項5に記載の化合物: N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリン−N−( 3−クロロフェニルメチル)−アミドまたは、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または光学異性体。 10.以下の化合物であるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害す る請求項5に記載の化合物: N−[1−[1−(4−シアノベンジル)−1H−イミダゾール−5−イルアセチ ル]ピロリジン−2(S)−イルメチル]−3(S)−エチル−プロリンN−メチ ル−N−(3−クロロフェニルメチル)−アミド または、薬学的に許容できるその塩、水和物、結晶形態または光学異性体。 11.医薬担体及び該担体中に分散された治療有効量の請求項1に記載の化合物 を含む医薬組成物。 12.医薬担体及び該担体中に分散された治療有効量の請求項2に記載の化合物 を含む医薬組成物。 13.医薬担体及び該担体中に分散された治療有効量の請求項5に記載の化合物 を含む医薬組成物。 14.Rasタンパク質のファルネシル化を阻害する方法であって、治療有効量 の請求項1の組成物を、該阻害を必要として いる哺乳動物に投与することを含んでなる方法。 15.Rasタンパク質のファルネシル化を阻害する方法であって、治療有効量 の請求項2の組成物を、該阻害を必要としている哺乳動物に投与することを含ん でなる方法。 16.Rasタンパク質のファルネシル化を阻害する方法であって、治療有効量 の請求項5の組成物を、該阻害を必要としている哺乳動物に投与することを含ん でなる方法。 17.治療有効量の請求項1の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、ガンを治療する方法。 18.治療有効量の請求項2の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、ガンを治療する方法。 19.治療有効量の請求項5の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、ガンを治療する方法。 20.治療有効量の請求項1の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、ニューロフィブロミン良性増殖性疾患を治療する方法。 21.治療有効量の請求項1の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、網膜の血管新生に関連する失明を治療する方法。 22.治療有効量の請求項1の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、肝炎デルタウイルスおよび関連ウイルスによる感染症を 治療する方法。 23.治療有効量の請求項1の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、再発性狭窄症を防止する方法。 24.治療有効量の請求項1の組成物を、治療を必要としている哺乳動物に投与 することを含んでなる、多嚢胞性腎疾患を治療する方法。
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