【発明の詳細な説明】
プロテアーゼ、及びペプチドプロテアーゼインヒビターを
融合したそれらの変種
技術分野
本発明は、様々なクリーニング組成物で有用な新規プロテアーゼ/プロテアー
ゼインヒビター融合タンパク質、それらの組成物及びそれらの製造方法に関する
。これらの融合タンパク質は、有利なことに、望ましいプロテアーゼの収率を改
善し、インヒビター/プロテアーゼの化学量論をコントロールし、より安定なプ
ロテアーゼ、ひいてはより安定な処方物を生産し、同時にクリーニングプロセス
中に活性プロテアーゼを供する。
背景
酵素は最大クラスの天然タンパク質を構成している。各クラスの酵素は通常異
なる種類の化学反応を触媒する(即ち、消費されずに反応を促進する)。プロテ
アーゼとして知られる1クラスの酵素は、化合物を2以上のより簡単な化合物に
加水分解(即ち、分解)するそれらの能力について知られている。タンパク質を
加水分解するこの能力は、洗濯洗剤製品への添加物として天然およびタンパク質
工学処理プロテアーゼを配合することにより活用されてきた。様々な酵素が用い
られているが、衣類上の多くの汚れはタンパク質であり、広域特異性プロテアー
ゼはこのような汚れの除去性を実質的に改善することができる。
これらのプロテアーゼは生物源に由来しており、結果としてそれらがみられる
生物環境から分離されねばならない。
ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列がそのペプチドまたはタンパク質の
特徴を決定している。例えば、1つのアミノ酸の変化でさえ、アミノ酸配列にお
ける変化の位置および性質に応じて、酵素を不活化させることがある。プロテア
ーゼの野生型アミノ酸配列を変えてそれらの性質を改善させるいくつかの試みが
行われてきた。
プロテアーゼの性質が重要になる1つの状況はクリーニング組成物においてで
ある。例えば、クリーニング組成物(例えば、洗濯洗剤)がプロテアーゼ、リパ
ーゼ、アミラーゼ、ペルオキシダーゼおよび/またはセルラーゼのような多くの
酵素を含有しているならば、より大きなクリーニング性能が達成できる。このよ
うなプロテアーゼ含有クリーニング組成物に伴う1つの問題は、組成物中に存在
するプロテアーゼが他の酵素とそのプロテアーゼ自体を貯蔵中に分解させてしま
うことである。
クリーニング組成物中のプロテアーゼインヒビター
組成物中でプロテアーゼによる酵素分解の問題は、このような組成物中におけ
るプロテアーゼインヒビターの使用を含めて、いくつかの手法でアプローチされ
てきた。ときには、可逆性プロテアーゼインヒビターが、このような貯蔵関連分
解を防ぐために、組成物の処理中またはプロテアーゼの処理中に加えられる。し
かしながら、当業者は、組成物の貯蔵中にプロテアーゼを阻害して、クリーニン
グ環境下でプロテアーゼを活性にしておけるインヒビターを提供しなければなら
ない必要性を認識している。
プロテアーゼインヒビターを含有したプロテアーゼ含有クリーニング組成物は
、例えば以下の明細書に記載されている:1986年1月28日付で発行された
Brunoらの米国特許第4,566,985号(ベンズアミジンヒドロハライドを
含有した液体クリーニング組成物);1990年7月4日付で公開された
Cardinaliらの欧州特許公開第376,705号(低級脂肪族アルコール、低級
カルボン酸の塩、主にノニオン性である界面活性剤系を用いる);1990年8
月8日付で公開されたAronsonらの欧州特許公開第381,262号(反応しう
るポリオールおよびホウ素化合物の混合物を用いる);1992年10月30日
付で公開されたWO92/19707(m-置換ボロニン酸を含有した液体洗濯
洗剤);1990年3月13日付で発行されたHesselらの米国特許第4,908
,150号;1990年11月14日付で公開された欧州特許出願第90/87
0212号;1993年1月12日付で発行されたEstellの米国特許第5,17
8,789号(ズブチリシンの存在下で酵素を安定化させるために、可逆性イン
ヒビターとして、酵素と結合するインヒビター、例えば七面鳥オボムコイドを用
いた液体洗剤);FederおよびKochavi(FR2084751)は洗剤の存在下で
第二酵素を安定化させると言われる可逆性アルカリプロテアーゼインヒビターに
ついて開示している;1991年8月13日付で発行されたEstellの米国特許第
5,039,446号(ある解離定数を有するインヒビターを用いた液体洗剤)
;および、Panandikerら(米国特許第5,422,030号)は洗濯洗剤で酵素
を安定化させる芳香族ボレートエステルを開示している。
タンパク質性プロテアーゼインヒビター
タンパク質性プロテアーゼインヒビターは、典型的には、プロテアーゼの活性
部位と結合してその活性を阻害する長いペプチド(多くは28アミノ酸より大き
い)である。これらのインヒビターは一次アミノ酸配列ホモロジーに基づきいく
つかのファミリー(ファミリーI-IX)に分類されている(Laskowski,M.,Jr.お
よびI.Kato,"Protein Inhibitors of Proteinases"(プロテイナーゼのタンパク
質インヒビター),ANN.REV.BIOCHEMISTRY(1980)49:593-626)。これらのイン
ヒビターにはファミリーVIインヒビターと一般的に称されるものが含まれ、この
ようなインヒビターにはエグリン(eglin)および大麦キモトリプシンインヒビタ
ー、ファミリーIIIインヒビター、例えばStreptomycesズブチリシンインヒビタ
ー(SSI)、およびプラスミノストレプチンがある。
例えば、MikkelsenのWO92/03529(Novo Nordisk)はSSIおよび
大麦キモトリプシンインヒビターを含めたタンパク質性プロテアーゼインヒビタ
ーについて開示しており、Mikkelsenの処方では室温で数日間にわたりタンパク
質分解からリパーゼおよびセルラーゼを安定化させると言われている。しかしな
がら、当業者であれば、Mikkelsenの場合のように、阻害された複合物が洗濯機
中への希釈時に解離しないほど高い親和性をプロテアーゼに対して多くの天然イ
ンヒビターが有していることをわかっている。Mikkelsenは、プロリンに対する
インヒビター親和性を低下させると言われ、ひいてはプロテアーゼに対するイン
ヒビター親和性も低下させると言われる、ファミリーVIインヒビターのP4〜P
3’位の変化について開示しているが、その主張を支持するデータは示されてい
ない。
HalkierらのWO93/20175(Novo Nordisk)は、P1およびP4位に
プロリン、P2およびP3位に様々なアミノ酸残基を用いた、ファミリーVIイン
ヒビターについて開示している。これらの変化は、インヒビターでそれらのアミ
ノ酸を変化させた結果として、プロテアーゼに対する親和性を低下させたと言わ
れている。Kd値が多くのこのような変種について示されている。
別な例として、Nielsenら(WO93/17086)は、プロテアーゼに対す
るインヒビター親和性を低下させると言われる、P1位のプロリンを含めた、フ
ァミリーIIIインヒビターのP6〜P3’位の変化について開示している。
Nielsenは下記ズブチリシンプロテアーゼ:Novo、Carlsberg、BPN’、309
、147および168についても一般的に開示している。アミノ酸配列の変化が
阻害とどのように関連しているのかという相関関係は開示されていない。
プロテアーゼの作製
洗剤組成物に有用なものを含めたプロテアーゼ酵素の作製には、それ自体の独
特な問題を有している。例えば、プロテアーゼ生産は発酵または精製プロセス中
の自己タンパク質分解により制限されることがある。
クリーニング組成物、発酵ブロスまたは精製混合物へのプロテアーゼインヒビ
ターの添加には、しばしばプロテアーゼの加水分解が既に始まった作製プロセス
の時点において、過剰のインヒビターの購入および添加を要する。
発酵ステップの添加例として、Nagase & Co.により出願されて、1971年1
2月30日付で公開されたドイツ特許明細書第2,131,451号では、アル
カリプロテアーゼの生産プロセスについて開示している。このプロセスはインヒ
ビターとして0.1〜12%の水溶性ボレートの添加を要すると言われている。
これらのボレートはロ過活性、ひいては酵素収率を高めると言われている。しか
しながら、あるレベルにおいて、ボレートは酵素の生産を現実に遅らせることが
知られている。
発酵ステップで添加のもう1つの例として、1989年11月30日付で公開
された日本特許公開第J01-296987号明細書では、プロテアーゼに親和
性を示す物質を含有した培地でプロテアーゼを生産しうる微生物を培養する方法
について開示している。
最後に、Novo Nordisk A/Sにより1993年7月8日付で公開された
JoergensenらのWO93/13125号明細書は、生産段階中に不活化に対して
タンパク質を“継続的かつ可逆的に防御し”、その後タンパク質を脱保護して、
タンパク質産物を回収することによる、液体牢産培地における“不活化をうけや
すいタンパク質”の生産方法について開示している。用いられたインヒビターは
SSIおよびエグリンであると言われている。そのプロセスは、タンパク質を可
逆的に不活化することで高収率のタンパク質を得るために有用であると言われて
いる。
これらのプロセスでは、高価で効果のない外来物質の添加を要し、更に追加処
理も要して、そのプロセスのコントロールを難しくさせている。関連業界ではプ
ロテアーゼをin vivoで阻害する必要性について扱っていなかった。
更に最近になり、当業界ではインヒビターおよびプロテアーゼの双方をin
vivoで生産したいという要望を開示しているが、このような方法の実施例は当業
界でみられない。インヒビターおよびプロテアーゼの双方をin vivoで生産する
ことに伴い、いくつかの危険性がある。例えば、インヒビターの発現がプロテア
ーゼと同様のコントロール要素によりコントロールされる場合に、プロテアーゼ
およびインヒビターの発現が同レベルで思いがけずに生じるかもしれないが、し
かしながらそれは予想外である。当業界では、そのプロセスがたとえ実験室規模
でうまくいったとしても、スケールアップ(例えば、商業用)は簡単ではない、
と理解されていることを示している。第一に、発現コントロール要素(それらは
同じDNA配列を有しているため)は、特にその遺伝子がプラスミド由来である
ならば組換えを起こして、遺伝子の一方を欠損させ、正味の化学量論を変えてし
まうことがある。第二に、他方に対する一方の遺伝子の位置は、一方を他方より
も容易に発現させてしまう。第三に、遺伝子中の特定ヌクレオチド配列、プロテ
アーゼまたはインヒビターは遺伝子の翻訳を“加速”または“遅延”させて、発
現レベルの差異に影響を与えることがある。第四に、2つの異なる(および可能
であれば競合する)遺伝子の高レベル発現は他の難題を生じる:多量の2つの異
なる転写物が必要とされ、各転写物はRNAポリメラーゼおよびσ因子のような
それ自体の正の調節タンパク質を要する。更に、多くの系において、2種タンパ
ク質の各々が細胞分泌装置から高レベルで分泌されねばならない。そのため、前
記理由から、このアプローチはむしろ予想外である。
コスト削減および収率増加は、天然インヒビターがその場で得られるならば実
現できるであろう。このようなプロテアーゼ牢産生物がプロテアーゼと同時に適
量(化学量論量)のインヒビターを生産するならば、自己タンパク質分解は減少
または消失するであろう。
意外にも、本発明の方法はプロテアーゼとインヒビターとを化学量論的に同時
生産して、当業界で提起された問題を克服できることがわかった。
発明の目的
本発明の目的は、プロテアーゼ酵素を含んでなる組成物を製造するための改善
された方法を提供することである。
本発明の目的は、高い収率および/またはより高い純度および/またはより容
易な精製および/または組成物のより安定なプロテアーゼ調製物を得るようにプ
ロテアーゼを作製するための方法を提供することである。
本発明の目的は、組成物の製造、パッケージングおよび/または貯蔵に際して
だけでなく、in vivoでもプロテアーゼ:プロテアーゼインヒビターの化学量論
をコントロールする方法を提供することである。
本発明の目的は、適量(化学量論量)のインヒビターをプロテアーゼと共に供
して、自己タンパク質分解を減少または消失させるプロテアーゼ生産生物を提供
することである。
好ましくは翻訳後できるだけ早く、プロテアーゼ酵素インヒビターによりin
vivoで既に安定化されたプロテアーゼを作製することも目的とする。
本発明の別な目的は、プラスミドまたは発現系の組換えまたは不安定化の可能
性を減少させた発現系および遺伝子を提供することである。
本発明の別な目的は、他方よりも高い割合で発現されるインヒビターまたはプ
ロテアーゼの多くの潜在的危険性を避けられる融合タンパク質を提供することで
ある。
本発明の別な目的は、プロテアーゼがクリーニングプロセス中に活性になるよ
うに、in vivoでプロテアーゼおよびプロテアーゼインヒビターを1つのタンパ
ク質として提供することである。
本発明の別な目的は、液体および顆粒洗濯洗剤および洗剤添加物を含めた液体
および固形クリーニング組成物に有用な融合タンパク質を提供することである。
本発明のこれらおよび他の目的は、以下の詳細な記載から容易に明らかとなる
であろう。
要旨
本発明は、第一部分としてプロテアーゼ、好ましくはズブチリシン、更に好ま
分としてタンパク質性酵素インヒビター、好ましくはSSI、エグリン、七面鳥
オボムコイド、CMTIおよび/またはそれらの変種、更に好ましくはプロテア
ーゼ部分に特異的なインヒビター;および任意の第三部分としてプロテアーゼお
よびインヒビター間のペプチドリンカーを含んでなる融合タンパク質に関する。
本発明は、このような融合タンパク質をコードする遺伝子、このような遺伝子
および/またはこのような融合タンパク質を含有した細胞と、このような遺伝子
、融合タンパク質、および/または融合タンパク質および/または遺伝子を含有
した細胞の作製方法にも関する。
本発明はこのような融合タンパク質および/またはそれらの変種を含有した組
成物、好ましくはクリーニング組成物にも関する。
説明
新規なプロテアーゼ/インヒビター融合タンパク質は、商業的に興味ある2つ
のタンパク質を含んでいる。これらの融合タンパク質は、プロテアーゼおよびイ
ンヒビタータンパク質の二重発現に通常伴ういかなる予想外の化学量論も最少に
抑えるかまたは避ける。
本発明は、Bacillus種由来のものを含めた、いくつかの微生物プロテアーゼに
あてはまる。後者には、Savinase、ズブチリシンBPN’、Alcalaseおよびそれ
らの誘導体と、SSIおよび他のstreptomycesズブチリシンインヒビター、エグ
リン、大麦キモトリプシンインヒビターおよびそれらの変種を含めたいくつかの
インヒビターがある。
本発明は、原核および真核双方の微生物と植物を含めたいくつかの宿主;例え
ば他のBacillus種、Saccharomyces cereviseae、Pichia pastoris、
Aspergillus;および植物、例えば大麦、トマト、ポテト、大豆、アルファルフ
ァ、タバコ、トウモロコシまたはその他にもあてはまる。好ましくは、遺伝子発
現要素は最大発現のために宿主に合わせて調整されるが、これは当業者の実施範
囲内に属する。用語の定義
本明細書で用いられる“クリーニングプロセス”または“クリーニング”とは
物品、表面などをきれいにするために用いられる方法またはプロセスを意味する
。そのため、自動洗濯機で衣類を洗浄することはクリーニングプロセスである;
クリーニング組成物をバケツに入れて希釈し、表面をモップ、スポンジまたはク
ロスできれいにすることはクリーニングプロセスである;手で洗うことはクリー
ニングプロセスである;クリーニング組成物と水入りのシンクに衣類を浸すこと
はクリーニングプロセスである;クリーニング組成物を便器にいれて、後からト
イレを洗い流すことはクリーニングプロセスである;このリストは例示であって
、全部ではない。読者は多くの他のクリーニングプロセスを想定しうる。
本明細書で用いられる“化学量論”とはモル比に関する。この比率は、モル比
として表示すると、1:1(等モル)、2:1、3:2、1:3またはいずれか
他の比率である。このように、“化学量論的な”融合タンパク質は、その比率の
数値にかかわらず、インヒビター対タンパク質の固定“モル比”を有していると
考えられる。
本明細書で用いられる“遺伝子”、“ベクター”、“プラスミド”、“ゲノム
”または“染色体”はそれらの業界で認識されている意味を有している。しかし
ながら、プラスミドなどを用いて発現系をどのように使うかの開示があれば、そ
れ
らがゲノム、プラスミドベースなどであるか、それらが原核または真核生物に用
いられるのか、異種宿主が細菌、真菌、植物などであるかどうかに応じた他の系
の使い方を当業者に教えるために十分であることを、当業者はわかるであろう。
本明細書で用いられる“変種”とは、野生型の場合とは異なるアミノ酸配列を
有した酵素を意味する。
本明細書で用いられる“遺伝子”とは、特定のタンパク質または融合タンパク
質についてコードしている遺伝子を意味する。
本明細書で用いられる“融合タンパク質”という用語は、その業界で認識され
ている意味を有しており、即ち2つのタンパク質が、典型的には1つの調節要素
のコントロール下で、1つのアミノ酸鎖として発現される。例えば、融合タンパ
ク質はこの数年間にわたり多数の分野で用いられてきた(Sambrook,J.,E.F.Fri
tsch and T.Maniatis,MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second Edition
,1989,Cold Spring Harbor Press)。現在、発現ベクターは、融合技術を用いて
興味あるタンパク質を生産するために市販されている(Cf.Sigma Catalog,Sigm
a-Aldrich Corp.,Chicago,III.1996)。
融合タンパク質によれば、一方のタンパク質が他方よりも高い割合で発現され
る潜在的危険性を最少に抑えられるかまたは避けられる。融合タンパク質があれ
ば、特に選択されたモル量のプロテアーゼおよびインヒビターを株で同時に合成
させることができる。例えば、融合タンパク質は等モル量のプロテアーゼおよび
インヒビター、またはプロテアーゼと比較して2倍モル量のインヒビターを供す
る、などのように構築される。こうして、最も早い可能な時期に、in vivoで翻
訳直後に、自己加水分解からのプロテアーゼの防御を最大にすることが可能であ
る。
追加プロテアーゼおよび/またはプロテアーゼインヒビターが、融合タンパク
質に加えて、融合タンパク質遺伝子と同じプラスミドで、細胞に共存する異なる
プラスミドで、融合タンパク質遺伝子が染色体にあるプラスミドで、または細胞
の染色体の一部として、同細胞により作られることも考えられる。加えて、プロ
テアーゼを異なるプロテアーゼに特異的なインヒビターと共に、またはプロテア
ーゼをそのプロテアーゼに特異的なインヒビターと共に、融合タンパク質で生産
してもよい。融合タンパク質は同一または異なる1以上のプロテアーゼ部分を含
み、しかも同一または異なる1以上のインヒビター部分を含んでいてもよいが、
但し融合タンパク質は少くとも1つのプロテアーゼ部分と少くとも1つのインヒ
ビター部分とを含んでいなければならない。
別記されないかぎり、本明細書で提示されたすべてのパーセンテージは重量に
より、すべての測定は25℃で行われる。引用されたすべての文献は、参考のた
めそれら全体で本明細書に組み込まれる。プロテアーゼ
本発明プロセスにより作製されるプロテアーゼは、動物、植物または微生物起
源である。起源は特に重要でなく、それらの活性が問題である。公知のセリンプ
ロテアーゼは、ズブチリシンファミリーと、例えばキモトリプシンおよびエラス
ターゼを含むトリプシンファミリーに通常分類される。このような各酵素の作製
に用いられるプロテアーゼインヒビターは、半産される酵素のこれらタイプの各
々について適宜に選択することができる。このようなプロテアーゼは、起源にか
かわらず、異種宿主での発現用に作製できる。このような宿主には動物、植物ま
たは微生物があり、好ましくはそれらは植物または微生物、更に好ましくは微生
物である。
公知のセリンプロテアーゼが好ましい。特に好ましいのは、Bacillus
subtilisおよび/またはBacillus licheniformisから得られる細菌セリンプロテ
アーゼ酵素である。
このような好ましいプロテアーゼの非制限例には、Novo Industries A/Sの
(Delft,Netherlands)と、Sigma Chemical Company市販のズブチリシンBPN
およびBPN'がある。参考のため本明細書に組み込まれる、1988年1月7
日付で公開されたWellsらの欧州特許出願第251,446号明細書に記載され
た、Genencor International.,Inc.(South San Francisco,California)製の“
プロテアーゼB”と称されるような修飾細菌セリンプロテアーゼ;1991年7
月9日付で発行されたVenegasの米国特許第5,030,378号明細書に記載
された“プロテアーゼA”と称される修飾細菌セリンタンパク質分解酵素;19
95年4月20日付で公開されたGenencor InternationalのWO95/1061
5に記載されたプロテアーゼも、好ましいプロテアーゼである。好ましいプ
AおよびプロテアーゼB、WO95/10615(上記)に記載されたプロテア
ーゼと、それらの混合物からなる群より選択される。これらのタンパク質とそれ
らの遺伝子配列は当業界で示されている。例えば、ズブチリシンCarlsbergのア
ミノ酸配列は、参考のため本明細書に組み込まれる、Smith,E.L.,Delange,R.J.
Evans,W.H.,Landon,M.and Markland,F.S.,L.BIOL.CHEM.,Vol.243,pp.2184-2191
(1968)で更に記載されている。
このため、本発明の好ましい態様は、酵素についてコードする様々なヌクレオ
チド配列を変異させて、その酵素のアミノ酸配列を変えることにより修飾された
ものを含めて、第一部分としてズブチリシン酵素を含んでなる融合タンパク質に
関する。本発明の修飾されたズブチリシン(以下、“ズブチリシン変種”)は、
野生型ズブチリシンと比較して、改善された性質を有している。プロテアーゼ酵素インヒビター
本明細書で用いられる“ペプチドプロテアーゼ酵素インヒビター”という用語
は、in vivoでプロテアーゼに融合されうる、プロテアーゼ酵素のタンパク質分
解活性のポリペプチドまたはタンパク質可逆性インヒビターを意味する。典型的
には、このようなインヒビターは25を超えるアミノ酸を含んでおり、そのため
タンパク質をそれ独自に命名しうるほど十分長い。
インヒビター部分は対応プロテアーゼによるタンパク質分解に対して抵抗性で
あることが好ましい。
意外にも、プロテアーゼへの約1×10-4未満のKi値のプロテアーゼインヒ
ビターの融合は、プロテアーゼ部分の改善された性質と改善された製造方法とを
供する。こうしたプロテアーゼおよびインヒビターの“同時生産”では、おそら
く細胞に対して低毒性でありながら、融合タンパク質生産生物にプロテアーゼを
なおも生産させる。理論に拘束されることなく、“同時生産された”インヒビタ
ーはプロテアーゼの自己分解(即ち、自己破壊)を制限し、および/または生物
でプロテアーゼの破壊および/または他の破壊影響もおそらく制限するようであ
る。
好ましいインヒビターは、約1×10-4M未満、好ましくは約1×10-5M未
満、最も好ましくは約1×10-6MのKiを有するものである。Ki値は公知の
操作により決定される。例えば、プロテアーゼズブチリシンBPN’の潜在的イ
ンヒビターは、ズブチリシンBPN’に類似したプロテアーゼ、キモトリプシン
についてDelMarにより記載されたようなサクシニル-Ala-Ala-Pro-Ph
e-p-ニトロアニリドの加水分解を阻害する能力に基づき評価される
〔DelMar et al.,ANALYTICAL BIOCHEMISTRY(1979)99,316-320〕。Michaelis M
enten条件に従う速度は、Ki値を決めるために、A.Goldstein(J.GEN.PHYSIOL.,
27:529-580(1944),"The Mechanism of Enzyme-Inhibitor-Substrate Reactions"
(酵素-インヒビター-基質反応のメカニズム))の方法により分析される。
本明細書で用いられる“可逆性インヒビター”という用語は、例えば、参考の
ためそれら全体で本明細書に組み込まれるMahler et al.,BIOLOGICAL
CHEMISTRY,Second Edition(Harper & Rowにより1971年に公表),pages 295
-299で詳細に記載されたような競合、非競合および未競合インヒビターを含めて
、それらに限定されないが、プロテアーゼ酵素から放出されてタンパク質分解活
性を回復させうるプロテアーゼインヒビターを意味する。
選択されたプロテアーゼ酵素に応じて、プロテアーゼ酵素インヒビターは公知
の方法を用いて選択できる。現存するプロテアーゼは、セリン、カルボキシ、シ
ステインおよびメタロプロテアーゼに分けることができる。これらのクラスの中
には、細分類もある。例えば、セリンプロテアーゼにはトリプシン、ズブチリシ
ン、キモトリプシンおよび“エラスターゼタイプ”プロテアーゼがある。このよ
うな各酵素の作製に用いられるプロテアーゼ酵素インヒビターは、生産される各
酵素について適宜に選択することができる。
ズブチリシンおよびズブチリシン変異体がプロテアーゼとして好ましいため、
好ましいインヒビターは上記好ましい範囲内のプロテアーゼを阻害する。そのた
め、より好ましい酵素インヒビターにはオボムコイド、エグリン、SSIなどが
ある。これらの好ましいインヒビターは下記参考文献に開示されており、すべて
参考のため本明細書に組み込まれる;S.Obata,S.Taguchi,I.Kumagai and K.
Miura,"Molecular Cloning and Nucleotide Sequence Determination of Gene
Encoding Sterptomyces Subtilisin Inhibitor(SSI)"(Sterptomycesズブチリシ
ンインヒビター(SSI)コード遺伝子の分子クローニングおよびヌクレオチド
配列決定),J.BIOCHEMISTRY,105:367-371(1989);H.Rink,M.Liersch,P.Sieber
and F.Meyer,"A Large Fragment Approach to DNA Synthesis of a Gene
for the Protease Inhibitor Eglin C from the Leech Hirudo medicinalis and
its expression in E.coli"(ヒルHirudo medicinalisのプロテアーゼインヒビ
ターエグリンCの遺伝子のDNA合成のための大断片アプローチおよびE.coliで
のその発現),NUCLEIC ACIDS RESEARCH,12:6369-6387(1984);M.W.Empie and
M.Laskowski,Jr.,"Themodynamics and Kinetics of Single Residu
Replacements in Avian Ovomucoid Third Domains:Effect on Inhibitor
Interactions with Serine Proteinases"(トリオボムコイド第三ドメインにお
ける単一残基置換の熱力学および動力学::セリンプロテイナーゼとのインヒビ
ター相互作用に対する効果),BIOCHEMISTRY,21:2274-2284(1982)
しかしながら、他のプロテアーゼインヒビターも公知であり、プロテアーゼと
結合することが知られたより短いペプチドを用いて容易に作られる。これらは、
プロテアーゼの活性部位にインヒビターを位置させるために、適切な長い任意の
リンカーで結合させてもよい。短いペプチドインヒビターが用いられるならば、
融合タンパク質はその繰返し単位を含んでいても、あるいは同一または異なる1
以上のタンパク質ペプチドインヒビターが融合タンパク質に存在していてもよい
。
加えて、下記インヒビターが本発明に有用である:カボチャトリプシンインヒ
ビターCMTIIは29アミノ酸からなり、トリプシンおよびズブチリシンのイ
ンヒビターである(J.Otlewski,T.Zbyryt,I.Krokoszynska and T.Wilusz,
"Inhibition of Serine Proteinases by Squash Inhibitors"(カボチャインヒビ
ターによるセリンプロテイナーゼの阻害),BIOL.CHEM.,Hoppe-Seyler,371:589-59
4(1990))。CMTIおよび他のこのようなインヒビターも、プロテアーゼ特異
性を付与するために使用または変更してよい(J.Rozycki,G.Kupryszewski,K.
Rolka,U.Ragnarsson,T.Zbyryt,I.Krokoszynska and T.Wilusz,"Analogues of
Cucurbita maxima Trypsin Inhibitor III(CMTI-III)with Elastase
Inhibitory Activity"(エラスターゼ阻害活性を有するCucurbita maximaトリプ
シンインヒビターIII(CMT I-III)のアナログ),BIOL.CHEM.,Hoppe-Seyl
er,375:289-291(1994))。インヒビターおよびプロテアーゼ間の任意連結ペプチド
加えて、インヒビターは加水分解性連結アミノ酸鎖でプロテアーゼに結合させ
て、プロテアーゼをインヒビターから離しておくことが好ましい。
当業者は、多くの異なる目的を果たすために、プロテアーゼとインヒビターと
の間にリンカー配列を構築することができる。例えば、アミノ酸残基はタンパク
質分解にとり良い基質となるようにデザインでき、更にアミノ酸の配列はプロテ
アーゼおよびインヒビターの翻訳後分離を促進するか、またはプロテアーゼの結
合または活性部位に対してインヒビターの位置を最適とするようにデザインでき
る。
この任意連結ペプチドは長さ20以内のアミノ酸であることが好ましい。好ま
しくは、この連結ペプチド部分はプロテアーゼで容易に開裂される。作製方法-発現
本発明では、プロテアーゼとインヒビターとを化学量論的に同時生産するため
に、タンパク質融合技術を用いる。1組の遺伝子発現シグナルが、融合遺伝子の
発現を指示して、プロテアーゼおよびインヒビターからなる融合タンパク質を翻
訳させるために用いられる。
本発明はこのような融合タンパク質についてコードする遺伝子にも関する。好
ましくは、融合タンパク質遺伝子は相同的組換えの能力を有する同一遺伝子要素
を含まない。同一遺伝子コントロール下で2種のタンパク質(プロテアーゼおよ
びインヒビター)を同時生産したいと希望する業界とは異なり、本発明では追加
のコントロール要素を避けており、その理由はこれがインヒビターおよびプロテ
アーゼ生産の量に差異のつく機会をもっと多くして、ゲノム、プラスミドまたは
ベクターを再配列させることがあるためである。
プロテアーゼおよびインヒビターをコードする遺伝子は、天然でもまたは合成
で得てもよい。例えば、その遺伝子配列の所定の、だが小さなセグメントであれ
ば、PCRを用いて、そのタンパク質を発現するように遺伝子を位置させてクロ
ーニングしてもよい。加えて、大きな遺伝子をそれら各部分のクローンから作る
ための方法も知られている。本明細書で用いられる“小さな”および“大きな”
とは、DNA配列または遺伝子の長さに言及しているとき、その配列または遺伝
子を確実に作る上での困難性に関する。そのため、“小さな”配列は標準技術を
用いて誤りなく確実に作られる。典型的には、“小さな”遺伝子はPCRを用い
て作られる:その全体遺伝子はいくつかの異なるステップなしに確実にコピーさ
れる。しかしながら、“大きな”配列または遺伝子は単純な技術を用いたのでは
確実には作られず、遺伝子のいくっかのセグメントのPCRおよび結合を通常要
するが、その理由はそれが1つのPCRステップを用いたのでは確実に作れない
からである。
ベクター、プラスミド、染色体またはゲノムは2以上の融合タンパク質遺伝子
を含んでいてもよい;それは融合タンパク質領域以外に1以上の追加プロテアー
ゼまたはインヒビター遺伝子を含んでいてもよい。それは融合タンパク質とプロ
テアーゼ、あるいは融合タンパク質とタンパク質性インヒビターを含んでいてよ
い。好ましくは、それは融合タンパク質とタンパク質性インヒビターを含んでい
る。
完全な遺伝子またはその一部の変異誘発も当業界で知られている。変異誘発の
方法を記載したいくつかの参考文献が当業者に容易に入手しうる。
融合タンパク質に関連した遺伝子の発現の調節が、本発明にとり特に重要であ
る。例えば、遺伝子調節配列を含めた各個別タンパク質の完全遺伝子を含むよう
に微生物を遺伝子工学処理してもよい。これらの遺伝子調節配列は、興味あるプ
ロテアーゼおよびインヒビター遺伝子、または他の遺伝子に由来する。
好ましくは、発現の調節は、全体遺伝子の発現を指示する上で、同様の遺伝子
調節要素による。1組の遺伝子発現シグナルが、融合遺伝子の発現を指示して、
プロテアーゼおよびインヒビターからなる融合タンパク質を翻訳させるために用
いられる。
本発明を発現する遺伝子は、公知の出発物質から公知の方法により作られる。
例えば、出発物質として用いられる多くのプラスミドは市販されている。例えば
、M13はpUC19およびその他多くのように市販出発物質である(Cf.Sigm
a Catalog,Sigma-Aldrich Corp.,Chicago,III.1996)。加えて、クローニングお
よびPCRプロトコールに関するハンドブックは、興味ある遺伝子の作製作業を
容易にする上で当業者に役立つ。
更に、興味あるタンパク質の変異体も変異誘発のKunkel法のような標準方法を
用いて容易に作られる。作製方法-作製/精製
本発明の方法では、プロテアーゼ/プロテアーゼインヒビターを含んでなる融
合タンパク質を作製および単離する。
好ましくは、インヒビター部分は約1×10-4未満のKi値を有している。プ
ロテアーゼインヒビターおよびプロテアーゼを含んでなる融合タンパク質を供す
る方法が好ましい。好ましい態様において、好ましい化学量論は1:1〜約3:
1(インヒビター:プロテアーゼ)、好ましくは3:2〜約3:1(インヒビタ
ー:プロテアーゼ)、更に好ましくは約2:1(インヒビター:プロテアーゼ)
である。
融合タンパク質の作製方法では、好ましくは、融合タンパク質を生産する微生
物を用いる。微生物を伴う作製では、典型的には、発酵ブロスを利用して微生物
を増殖させ、その後1以上の精製ステップでプロテアーゼ酵素/インヒビターを
単離する。融合タンパク質は、用いられる生物のタイプおよび発酵条件に応じて
、発酵ブロスまたは微生物から集められる。用いる単離方法の決定は、当業者の
範囲内に属する。
好ましい方法では、栄養培地でBacillus subtilisおよび/またはBacillus li
cheniformis細菌の発酵を用いる。場合により、発酵ブロスにプロテアーゼイン
ヒビターを含有させて、その後に酵素精製プロセスステップで(発酵ブロスから
のキャリーオーバーおよび/または別な添加による)プロテアーゼインヒビター
を用いてもよい。しかしながら、これは本発明の実施にとり必須ではない。
プロテアーゼを作製するための本発明の方法は、好ましくは:
(a)プロテアーゼ酵素/インヒビター融合タンパク質を発現する生物を発酵
ブロスで増殖させ;および
(b)ステップ(a)で生産されたプロテアーゼ酵素/インヒビターを濃縮す
るために、上記プロテアーゼ酵素/インヒビターを1以上のステップで精製する
ことからなる。
更に好ましいプロセスでは、少くとも約1:1のプロテアーゼ対インヒビター
の“モル比”で融合タンパク質を用いる。
好ましい方法では、ステップ(a)の発酵ブロスでプロテアーゼ酵素/インヒ
ビターを生産するためにBacillus subtilis細菌を用いる。
本発明のプロセスにより作製される乾燥または濃縮液体形態でのプロテアーゼ
酵素/インヒビターの生産も好ましい。例
当業者であれば、過度の実験または特許請求の精神および範囲からの逸脱なし
に、この開示、下記例および請求の範囲に基づいて、プロテアーゼ、プロテアー
ゼインヒビターおよび融合タンパク質を代えることができることから、下記例は
例示であって、本発明を制限するためではない。むしろ、その開示と下記例は本
発明の作製および使用方法についての指針を当業者に与えている。
多くの公知の出発物質がこれらの例に用いられている。これら物質のうち一部
は市販されている。例えば、CJ236およびJM101は公知E.coli株であり
、
pUB110は公知プラスミドであり、変異誘発のKunkel法も当業界で周知であ
る(例えば、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,J.
Sambrook,E.F.Fritsch and T.Maniatis,Cold Spring Harbor Laboratory Press,
1989参照)。
本発明の融合タンパク質は発現系によりおよび様々な宿主で様々な方法により
作られ、これらの方法は分子生物学、生化学または他のバイオテクノロジー関連
技術の点で業者の実施範囲内にある。
融合タンパク質の作製 例1.合成エグリン遺伝子の作製
下記M13mp19の誘導体、mPG296を、合成エグリン遺伝子用のクロ
ーニングベクターとして用いる。M13mp19からmPG296への変換は単
なる便宜上の出発物質の問題であって、当業者が出発物質としてM13mp19
を用いてこの例を繰り返してもよいと思われる。
mPG296は、下記オリゴヌクレオチドを用いて、M13mp19のオリゴ
ヌクレオチド特異性変異誘発により構築する:
5’ TAA ACA ACT TTC AAC AGT CTC GAG
ACT AGT TTC AGC GGA GTG AGA ATA 3’(配
列番号1)
これは、mPG296に存在する、成熟ファージタンパク質pIIIの第二および
第三アミノ酸残基のコード配列間に、SpeIおよびXhoI部位をおいている
。
エグリン遺伝子は3サイクルのPCR(その後mPG296DNAへの結合)
により組み立てる。最初に、PCRを下記配列のオリゴヌクレオチドで行う:
5’ TAC TTC ACT CTG CAT TAC CCG CAG
TAC GAC GTT TAC TTC CTG CCG GAA GGT
TCT CCT GTT ACT CTG GAC CTG CGT TAC
3’(配列番号2)
および
5’ CAG AGT AAC AGG AGA ACC TTC CGG
CAG GAA GTA AAC GTC GTA CTG CGG GTA
ATG CAG AGT GAA GTA TTC ACG AGC 3’(配
列番号3)
94℃で1分間の変性、45℃で1分間のアニーリング、および72℃で1分間
の伸長からなる、25サイクルのPCRを行う。
PCR産物10μlを下記2つのオリゴヌクレオチドを含有した第二の100
μl PCRに用いる:
5’ AA TTC ACT GAA TTT GGT TCT GAA
CTG AAA TCT TTC CCA GAA GTT GTT GGT
AAA ACT GTT GAC CAG GCT CGT GAA 3’(配
列番号4)
および
5’ G ATC CTA ACC AAC ATG CGG AAC ATG
GTT AAC AAC GTT AGT ACC TGG GTT GTA
GAA AAC ACG AAC ACG GTT GTA ACG CAG
GTC 3’(配列番号5)
この操作では、遺伝子の5’および3’末端の双方を含むように、DNAを伸長
させる。
これらのオリゴヌクレオチドはそれらの末端に全制限部位を含んでいないため
、第三ラウンドのPCRを、下記オリゴヌクレオチドでEcoRIおよびBam
HI部位を加えるために用いる(こうすると遺伝子のサブクローニングを行える
):
5’ GAT TAC GAA TTC ACT GAA TTT GGT
TCT GAA 3’(配列番号6)
および
5’ TCT AGA GGA TCC TAA CCA ACA TGC
GGA 3’ (配列番号7)
このPCR産物をプロテイナーゼK10μgで処理し、フェノール/クロロホ
ルム混合液で2回抽出し、酵母tRNA10μg、pH6の300mM酢酸ナト
リウムおよび21/2倍容量のエタノールを用いて沈降させる。このDNAを水に
再懸濁し、EcoRIおよびBamHIで切断する。
この切断物をフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノール沈降させ、水に
再懸濁する。次いで、得られたDNAを適切に精製されたEcoRI、
BamHI切断mPG296DNAに結合させる。この結合ミックスを用いて、
E.coli JM101を形質転換させる。イソプロピルチオ-β-ガラクトシド(I
PTG)およびX-galをプレートに含有させて、青色(Lac+)と透明(L
ac )のプラークを区別する。
透明プラークを、HpaI部位含有インサートを含んだDNAの存在について
スクリーニングする。いくつかの陽性ファージDNAがみられる。DNA配列分
析によりエグリンDNAの存在を確認する。1つのこのようなファージは、以下
でmPG1023と称する。
例2.合成エグリン遺伝子の別な構築
例1に記載されたアプローチの代替法として、第二PCRでオリゴヌクレオチ
ド(配列番号4、5)を下記配列に代えてもよい:
5’ GAT TAC GAA TTC ACT GAA TTT GGT
TCT GAA CTG AAA TCT TTC CCA GAA GTT
GTT GGT AAA ACT GTT GAC CAG GCT CGT
GAA 3’(配列番号8)
および
5’ TCT AGA GGA TCC TAA CCA ACA TGC
GGA ACA TGG TTA ACA ACG TTA GTA CCT
GGG TTG TAG AAA ACA CGA ACA CGG TTG
TAA CGC AGG TC 3’(配列番号9)
この方法では例1に記載された第三ラウンドのPCRを避ける。ここで記載さ
れたPCR産物を例1と同様に精製、切断および結合させると、同様の組換えフ
ァージが同定できる。
例3.合成SSI遺伝子の構築
成熟SSIをコードする合成遺伝子もPCRを用いて構築する。SSI遺伝子
はエグリン遺伝子よりも大きいため、その遺伝子は下記オリゴヌクレオチドを用
いて2つのPCR断片でクローニングする:
5’ TCC GAC GAA TTC GAT GCT CCT TCT
GCA CTT TAT GCA CCT TCA GCA TTA GTT
TTA ACA GTT 3’(配列番号10)
5’ CCT GAA AGA GCA GTA ACT CTT ACA
TGT GCT CCA GGC CCT TCT GGT ACA CAT
CCA GCA GCT 3’(配列番号11)
5’ ACC TCC TAC TGC AGC TAA ATC TGC
ACA TGC AGA GCC AGC TGC TGG ATG TGT
3’(配列番号12)
5’ TAC TGC TCT TTC AGG TGC AGC TGT
CGT AGC GCT AAC TCC TTT ACC AAC TGT
TAA AAC TAA 3’(配列番号13)
5’ GAT TTA GCT GCA GTA GGA GGT GAC
TTA AAC GCA TTA ACA CGT GGT GAA GAC
GTT ATG TGT 3’(配列番号14)
5’ GTT GAT GGA GTT TGG CAA GGT AAA
CGC GTA TCT TAT GAA CGT GTA TTT TCA
AAT GAA TGT 3’(配列番号15)
5’ TGT CCA AAG CTT GGA TCC TTA AAA
TGC AAA TAC AGA AGA GCC ATG AGC GTT
CAT TTC ACA TTC ATT TGA AAA 3’(配列番号1
6)
5’ CCA AAC TCC ATC AAC AGT CAG TAA
TAC AGG ATC ATA AAC CAT TGG ACA CAT
AAC GTC TTC 3’(配列番号17)
オリゴヌクレオチドは4つの異なるPCRでペア方式に用いる:
配列番号10と配列番号13
配列番号11と配列番号12
配列番号14と配列番号17、および
配列番号15と配列番号16
各々10.6μlの第一の2つのPCR産物をミックスし、100μl PCR
に用いる。十分量のDNAを得るために、8つのこれらPCRチューブを調製す
る。第三および第四PCRのPCT産物も同様に処理する。PCT産物をプロテ
イナーゼKで処理し、フェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールを用いて
沈降させる。
配列番号10〜13の産物をEcoRIおよびPstIで切断し、配列番号
14〜17の産物をPstIおよびHindIIIで切断する。フェノール/クロ
ロホルム抽出およびエタノール沈降後に、これらのDNAを、同制限酵素で切断
されたpUC19DNAに結合させる。その結合ミックスを用いてE.coli TG
1を形質転換させ、XGALおよびIPTGを含有したアンピシリンプレートで
選択する。
白色コロニーをDNA調製用に培養する。DNAを制限分析およびDNA配列
決定により特徴付ける。プラスミドpPG1364は、オリゴヌクレオチド配列
番号10〜13によりコードされた合成SSI部分遺伝子を含んでいる。プラス
ミドpPG1366はオリゴヌクレオチド配列番号14〜17によりコードされ
たSSI部分遺伝子を含んでいる。
成熟SSIをコードする完全合成遺伝子を構築するために、pPG1364を
EcoRI、BglIおよびPstIで切断する。pPG1366はEcoRI
、PstIおよびXbaIで切断する。DNAを結合させる。プラスミドpPG
1371は組み立てられた合成SSI遺伝子を有して、pPG1366の大きな
PstI EcoRI断片とpPG1364の小さなEcoRI PstI断片
とを含んでいる。pPG1371は後の作業に用いる。
例4.ズブチリシン遺伝子ベース発現プラスミドの構築
発現プラスミドはpPG580から誘導され、次のように作る:pPG580
はヒト副甲状腺ホルモンの34アミノ酸残基断片の生産に用いられるプラスミド
の誘導体である(ヒト副甲状腺ホルモンの34アミノ酸断片のBacillus
subtilisからの分泌向けのシグナル配列開裂部位の最適化、Saunders et al.,
GENE,102:277-282(1991))。pPG580は4つの部分から作られている。
第一に、pPG580はHindIII部位に隣接してBacillus
amyloliquefaciensズブチリシン遺伝子を含んでおり、下記オリゴヌクレオチド
でPCRを用いて作る。
配列番号18 5’ AGA TCC AAG CTT TTC CGC
AAT TAT ATC ATT 3’
および
配列番号19 5’ GGA TTC AAG CTT TGC TCA
GTT TTG CTT CTG 3’
pPG580は、Vasanthaらにより示されたような、第一塩基対を除くすべての
ズブチリシン遺伝子配列を含んでいる(Bacillus amyloliquefaciensからのアル
カリプロテアーゼおよび中性プロテアーゼの遺伝子はシグナル配列および成熟タ
ンパク質についてコードする領域間に大きなオープンリーディングフレームを含
む;J.BACTERIOLOGY,159:811-819,1984)。
第二に、ズブチリシン遺伝子の3’末端には、HindIII部位からpBS+X
baI部位への約3.2kbpにわたるpBS+(Stratagene,La Jolla,CA市
販)の断片(即ち、その始めの部分)が隣接している。
第三に、このXbaI部位に隣接して、pUB110の大きな断片が挿入され
ている(pUB110のヌクレオチド配列:複製とその調節に関する一部の顕著
な特徴;McKenzie et al.,PLASMID,15:93-103,1986)。この断片はpUB110
XbaI部位からそのHindIII部位への4.3kbpにおよぶ。そのため
、BamHI部位からXbaI部位に戻るまでのpUB110の324bp断片
は、pPG580に存在していない。
第四に、pUB110のBamHI部位はもはや元のままでないが、Saunders
らにより記載された32bp合成配列のBglII部位に融合されている(ヒト副
甲状腺ホルモンの34アミノ酸断片のBacillus subtilisからの分泌向けのシグ
ナル配列開裂部位の最適化、Saunders et al.,GENE,102:277-282(1991))。こ
の32bp配列は以下に示されている:
配列番号20 5’ AAG CTT CAG GAT GTT CAT
AAT TTT TAA AGA TC 3’
こうしてプラスミドpPG580を供する。
pPG580を更なる使用のために修飾する。BamHI部位およびEcoR
I部位をEcoRIおよびBamHI切断で除去する。次いでこの切断物をリガ
ーゼ緩衝液の存在下でT4DNAポリメラーゼおよびデオキシリボヌクレオチド
三リン酸と共にインキュベートする。得られたプラスミドは以下でpPG130
1と称するが、これはBamHIまたはEcoRI制限部位を欠いており、
E.coli JM101を形質転換させるために用いる。一本鎖DNAをpPG13
01含有CJ236宿主から調製し、これをPG1229株と称する。
pPG1301をオリゴヌクレオチド特異性変異誘発により修飾して、シグナ
ル配列コード領域後にEcoRI部位および翻訳停止コード領域後にBamHI
部位を作る。変異誘発は下記オリゴヌクレオチドで行う:
5’ GCC CAG GCG GCA GGG GAA TTC AAA
TCA AAC GGG GAA 3’(配列番号21)
および
5’ GCG GCA GCT CAG TAA GGA TCC AAC
ATA AAA AAC CGG C 3’(配列番号22)
双方のオリゴマーによる変異誘発からの修飾を有するプラスミドはpPG131
5と称する。配列番号21のみがプラスミドを変異誘発させた場合(このため、
BamHI部位のみを組み込んでいる)、得られたプラスミドは以下でpPG1
306と称する。
変異誘発はKunkel法を用いて行う(MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,
Second Edition,J.Sambrook,E.F.Fritsch and T.Maniatis,Cold Spring Harbor
Laboratory Press,1989)。プラスミドpPG1315はEcoRIおよびBa
mHI部位を双方とも含んでいる。pPG1315は合成SSI遺伝子が挿入さ
れた発現ベクターである。例5.融合タンパク質としてズブチリシンおよびSSIを生産するB.subtilis株
プラスミドpPG1306にEcoRI制限部位を挿入して修飾し、ズブチリ
シンの最終アミノ酸残基をコードする配列の後に挿入する。この修飾によりズブ
チリシンと共に融合タンパク質生産を行える。下記オリゴヌクレオチドを標準変
異誘発に用いる:
5’ GTA CAG GCG GCA GCT CAG GAA TTC
TAG TAA GGA TCC AAC ATA A 3’ (配列番号23
)
得られたプラスミドはpPG1391と称する。pPG1371のEcoRI、
BamHI SSI遺伝子含有断片をEcoRI、BamHI切断pPG139
1中にサブクローニングして、プラスミドpPG1509を得る。
例6.エグリン‐ズブチリシン融合タンパク質をコードする遺伝子
例1からのmPG1023のサブクローン(エグリン遺伝子含有BamHIE
coRI断片を含有したファージDNA)をpPG1315のBamHIとEc
oRI部位との間にサブクローニングし、プラスミドpPG1317を作製する
。次いでpPG1317からのEcoRI、BamHIエグリン遺伝子含有断片
をEcoRI、BamHI切断pPG1391中にサブクローニングして、プラ
スミドpPG1500を得る。pPG1500はズブチリシン/エグリン遺伝子
融合体であって、双方の成熟タンパク質をコードしている。このプラスミドを用
いてコンピテントPG632を形質転換させ、融合タンパク質を発現する細菌を
得る。この株はPG1604と称する。
下記表では例中に記載されたプラスミドおよび発現系をまとめている。そのリ
ストは限定的なものではなく、業者が明細書を読む上での単なる指針である。
表1 例におけるプラスミドおよびBacillus株のまとめ *E.coli中のこのプラスミドはATCC寄託#98025として寄託されている
例7.融合タンパク質の発酵および精製
融合タンパク質は下記のように作製する。細胞をカナマイシン(50μg/ml)
含有2×YT培地(1.6%トリプトン、1%酵母エキス、0.5%塩化ナトリ
ウム)中で一夜培養する。細胞をペレット化し、上澄を集める。サンプル1ml
をトリクロロ酢酸を用いて沈降させる。タンパク質をSDSゲル電気泳動により
分離して、熱変性ズブチリシンに対する抗血清を用いたWesternブロット分析用
にブロットする。その抗血清は、PG1198およびPG1604双方からのサ
ンプル中にあるズブチリシンより大きなタンパク質を認識する。このような結果
は融合タンパク質について予測される。加えて、抗血清により認識されるズブチ
リシンサイズタンパク質もある。この結果は、融合タンパク質が何らかのタンパ
ク質分解に付されて、インヒビター部分からズブチリシン部分を分離させたこと
を示唆している。
タンパク質を標準方法により精製する(Cf.S.Hirono,K.T.Nakamura,Y.Iitaka
and Y.Mitsui,"Crystal Structure of the Complex of Subtilisin BPN' with
its Protein Inhibitor Streptomyces Subtilisin Inhibitor"(ズブチリシンB
PN’とそのタンパク質インヒビターStreptomycesズブチリシンインヒビターと
の複合体の結晶構造),J.MOL.BIOL.,131:855-869(1979);複合体を精製するゲ
ルロ過について示している)。
例8.融合タンパク質阻害の特徴付け
融合タンパク質を含有したBacillus発酵上澄を、プロテアーゼ活性およびプロ
テアーゼインヒビター活性について試験する。
A.SSIはズブチリシンBPN’およびBPN’のY217L誘導体を阻害
する。コントロールでは、SSIをプロテアーゼとミックスし、室温で15分間
インキュベートする。次いでプロテアーゼ活性をDelMar,E.G.,C.Largman,J.W.
Brodrick and M.C.Geokas,ANAL.BIOCHEM.,Vol.99,pp.316-320(1979)の方法を用
いて測定する。0.1M Tris,pH8.6、10mM CaCl2溶液を加えて
、容量を990μlにする。N‐サクシニル‐Ala‐Ala‐Pro‐Phe
‐
p‐ニトロアニリド(20mg/ml)10μlの添加で反応を始める。反応速度を4
10nmの吸光度増加により測定する。
PG1198およびPG1604の培養上澄をBPN’のY217L誘導体を
阻害する能力について試験する。いずれの場合にも、有意な阻害はない。阻害量
は、もしあるとすれば、単一タンパク質としてSSIを作るPG1181でみら
れる場合の10%未満である。
PG1198およびPG1604の培養上澄を、プロテアーゼを生産する能力
についても試験する。いずれの場合にも、有意なプロテアーゼ活性はない。プロ
テアーゼ活性の量は、もしあるとしても、単一タンパク質としてズブチリシンを
生産するPG1106で観察される場合の1/100である。
有意インヒビター活性およびプロテアーゼ活性の欠如は、インヒビター部分お
よびプロテアーゼ部分が互いの活性を打ち消し合うように作られたプロテアーゼ
/インヒビター融合タンパク質と一致する。この解釈は、融合タンパク質が作ら
れたことを示すWesternブロット結果(上記)により補強される。
B.融合タンパク質を洗濯製品中に配合することが望まれるため、洗濯機環境
下での安定性も試験する。
融合タンパク質の安定性は、プロテアーゼ活性を経時的に測定することにより
モニターする。プロテアーゼおよびインヒビター活性が安定であるならば、プロ
テアーゼ活性のレベルは経時的に一定である。しかしながら、インヒビターが融
合タンパク質のプロテアーゼにより加水分解されたならば、プロテアーゼ活性は
上昇する。PG1198およびPG1604培養上澄を下記処方に従い作られた
液体洗剤組成物とミックスする: この組成物は全サンプル容量の1/3を占める。サンプル15μlを0.1MT
ris HCl,pH8.6、0.01M CaCl2 975μlとミックスする。
この希釈液を室温で3分間インキュベートする。インキュベート後に基質を加え
て、プロテアーゼの量を測定する。
例9.貯蔵安定性
標準洗剤処方物の存在下31℃で1日以内に、PG1198のプロテアーゼ活
性はPG1106コントロールのプロテアーゼ活性の15%まで上昇する。プロ
テアーゼ活性はPG1604だともっとゆっくり上昇し、SSIがこれらの条件
下でエグリンよりも安定であるわれわれの観察と一致する。しかしながら、31
℃で14日間後に、PG1604のプロテアーゼ活性はPG1106のプロテア
ーゼ活性の14%である。このように、PG1198およびPG1604は初期
に非常に少量のプロテアーゼ活性を含んでいるだけである。洗剤の存在下におけ
るインキュベートで、インヒビター部分は不安定になり、測定しうるほどのプロ
テアーゼ活性となる。このことも、融合タンパク質が、デザインどおりに、互い
の活性を打ち消し合うプロテアーゼおよびインヒビター部分を含むように作られ
たという結論を補強している。
例10.CMTIタイプインヒビター融合タンパク質
A.上記方法を用いて、ズブチリシンプラスミドにCMTI融合タンパク質の
発現用のCMTI‐I(インヒビター)遺伝子を組み込んだ。
B.変異誘発をそのプラスミドのCMTI‐I部分で行って、P1アミノ酸を
バリンに変える。
例11.CMTI IIIタイプインヒビター融合タンパク質
A.上記方法を用いて、ズブチリシンプラスミドにCMTI融合タンパク質の
発現用のCMTI-III(インヒビター)遺伝子を組み込んだ。
B.変異誘発をそのプラスミドのCMTI-III部分で行って、P1アミノ酸を
バリンに変える。
いかなる理論にも拘束されることなく、データは下記のように考えることがで
きる:融合タンパク質が作られており、活性データはプロテアーゼおよびインヒ
ビター部分が適正に結合しているらしいことを示している。更に、これらのデー
タはプロテアーゼがインヒビターを経時的に加水分解していることと一致する。
これらのデータは、SSIがプロテアーゼおよび洗剤の存在下でエグリンよりも
安定であることを示す、我々の他の結果とも一致する。
こうして、融合タンパク質として発現されないとき、同様のプロテアーゼおよ
びインヒビターと比較して、融合タンパク質であるという事実にもかかわらず、
融合タンパク質は天然プロテアーゼおよびインヒビターと同様に働いて作用する
ことがわかった。
例12.他の変異
融合タンパク質では、融合タンパク質のプロテアーゼ部分またはインヒビター
部分に変更を加えてもよい。例えば、ここではSSIがインヒビターであって、
上記標準方法を用いて下記変種を作る。本発明の変種は下記表で例示されている
。
特定の変異を記載するときには、融合タンパク質ではなくてむしろインヒビタ
ーの配列が示されている。これは天然インヒビターに存在する元のアミノ酸に対
して変異の実際の位置を調べる際に便利である。こうして、この例では、天然野
牢型のアミノ酸が最初に、位置番号が第二に、置換されたアミノ酸が第三に示さ
れている。こうすると、M73Dは、天然インヒビターで73番目のアミノ酸(
73位)として存在するメチオニン(M)がアスパラギン酸(D)で置き換えら
れたことを意味する。これらのバリエーションはインヒビターを安定化させ、お
よび/またはそのKiを最良にする。その番号付けはSSIについて常用される
ものに相当し(Obata et al,前掲)、この特許出願に記載されたSSI“野生型
”様変種およびSSI変種のアミノ末端に存在する4つの追加アミノ酸残基を無
視している。 これらの有用な変種は、これらの例と当業界の開示を用いて、興味あるプロテ
アーゼに合わせて他の変種を作ろうとする当業者への方向づけを与える。
この目的のため、当業者が本発明の融合タンパク質に対する抗体を作ろうと思
うことも考えられる。これらの抗体は公知の方法を用いて作れる。
例えば、本発明の融合タンパク質はマウス、ウサギなどのような適切な哺乳動
物に注入される。適切なプロトコールでは、血清中で抗体の生産を増強させるス
ケジュールに従い、アジュバントの存在下で免疫原の反復注射を行う。免疫血清
の力価は、抗原として本発明化合物を用い、現在当業界の標準であるイムノアッ
セイ操作を用いて、容易に測定することができる。
得られた抗血清は直接用いても、あるいは免疫動物の末梢血リンパ球または脾
臓を集めて、抗体生産細胞を不死化させ、その後標準イムノアッセイ技術を用い
て適切な抗体生産株を同定することによりモノクローナル抗体を得てもよい。
ポリクローナルまたはモノクローナル調製物は、標準試験法を用いて本発明の
発現をモニターする上で有用である。そのため、発現レベルなどを調べるために
用いる分野向けに、キットがこれらの抗体を用いて製造されることも考えられる
。
このような抗体は、標準カップリング法を用いてシンチグラフィー標識、例え
ばTc‐99またはI‐131のような標識、または蛍光標識にカップリングさ
せてもよい。標識された抗体は、Kiを求めるために用いられる動力学的アッセ
イのような競合アッセイでも用いることができる。
V.クリーニング組成物
本発明のもう1つの態様において、有効量の1種以上の融合タンパク質がペプ
チド汚れ除去の必要な様々な表面をクリーニングするために有用な組成物中に含
有されている。このようなクリーニング組成物には、形態上制限されない、硬質
表面をクリーニングするための洗剤組成物(例えば、液体および顆粒);形態上
制限されない、布帛をクリーニングするための洗剤組成物(例えば、顆粒、液体
および固形処方);皿洗い組成物(形態上制限されない);形態上制限されない
オーラルクリーニング組成物(例えば、歯磨剤、練歯磨剤および洗口液処方);
形態上制限されない義歯クリーニング組成物(例えば、液体、錠剤);形態上制
限されないコンタクトレンズクリーニング組成物(例えば、液体、錠剤)がある
。
クリーニング組成物は、前記融合タンパク質に加えて、プロテアーゼインヒビ
ターと適合する1種以上のクリーニング組成物物質も含んでいる。本明細書で用
いられる“クリーニング組成物物質”という用語は、望まれるクリーニング組成
物の具体的タイプおよび製品の形態(例えば、液体、顆粒、固形、スプレー、ス
ティック、ペースト、ゲル)について選択されるあらゆる液体、固体または気体
物質を意味し、しかもその物質は組成物で用いられる融合タンパク質と適合して
いる。クリーニング組成物物質の具体的選択は、クリーニングされる表面物質、
使用中(例えば、洗浄洗剤使用中)のクリーニング条件にとり組成物の望ましい
形態について考慮することにより容易に行われる。
本発明で用いられる“非布帛クリーニング組成物”には、硬質表面クリーニン
グ組成物、皿洗い組成物、オーラルクリーニング組成物、義歯クリーニング組成
物およびコンタクトレンズクリーニング組成物がある。
A.インヒビター
本明細書で用いられる“適合性”という用語は、プロテアーゼが通常の使用状
況下で望まれているほど有効でなくなる程度までには、クリーニング組成物物質
が融合タンパク質のタンパク質分解活性を減少させないことを意味する。具体的
なクリーニング組成物物質は以下で詳細に例示されている。
本明細書に記載される“融合タンパク質の有効量”とは、特定のクリーニング
組成物に必要な酵素活性を発揮させるために必要な融合タンパク質の量に関する
。このような有効量は当業者により容易に確認され、用いられる具体的な融合タ
ンパク質、クリーニング適用例、クリーニング組成物の具体的組成と、液体また
は乾燥(例えば、顆粒、固形)組成物が必要かどうかなどのような多くのファク
ターに基づいている。好ましくは、クリーニング組成物は約0.0001〜約1
0%、更に好ましくは約0.001〜約1%、更に一層好ましくは約0.01〜
約0.1%の1種以上の本発明の融合タンパク質を含んでいる。融合タンパク質
が用いられた様々なクリーニング組成物のいくつかの例が、以下で更に詳細に記
載されている。本明細書で用いられるすべての部、パーセンテージおよび比率は
、別記されないかぎり重量による。
本発明の融合タンパク質は様々な洗剤組成物に用いることができる。このため
、融合タンパク質は、完全に処方された硬質表面クリーナー、皿洗い組成物、布
帛洗濯組成物などを提供するために、様々な慣用成分と共に用いることができる
。このような組成物は液体、顆粒、固形などの形態をとることができる。このよ
うな組成物は、30〜60重量%もの界面活性剤を含有した最新の“濃縮”洗剤
として処方してもよい。
B.界面活性剤
本クリーニング組成物は、場合により、好ましくは、様々なアニオン性、ノニ
オン性、双極性などの界面活性剤を含有することができる。このような界面活性
剤は、典型的には組成物の約5〜約35%のレベルで存在する。
1.アニオン性界面活性剤
利用できるアニオン性界面活性剤の1タイプは、アルキルエステルスルホネー
トからなる。これらは再生可能な非石油資源で作られることから望ましい。アル
キルエステルスルホネート界面活性剤成分の製造は技術文献に開示された公知方
法に従い行える。例えば、C8‐C20カルボン酸の直鎖エステルは"The Journal
of the American Oil Chemists Society",52(1975),pp.323-329に従い気体SO3
でスルホン化することができる。適切な出発物質には、獣脂、パームおよびココ
ナツ油などから誘導されるような天然脂肪物質がある。
特に洗濯適用向けに好ましいアルキルエステルスルホネート界面活性剤には、
アルキルエステルスルホネート界面活性剤がある。適切な塩には、金属塩、例え
ばナトリウム、カリウムおよびリチウム塩と、置換または非置換アンモニウム塩
、例えばメチル、ジメチル、トリメチルおよび四級アンモニウムカチオン、例え
ばテトラメチルアンモニウムおよびジメチルピペリジニウムと、アルカノールア
ミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノール
アミンから誘導されるカチオンがある。好ましくは、界面活性剤はC10‐C16ア
ルキルとメチル、エチルまたはイソプロピルを含んでいる。C14−C16アルキル
を有するメチルエステルスルホネートが特に好ましい。
アルキルサルフェート界面活性剤が本発明で使用上重要なアニオン性界面活性
剤のもう1つのタイプである。これらの界面活性剤は、ポリヒドロキシ脂肪酸ア
ミド(下記参照)と併用されたときに優れた全体的クリーニング能力と、広範囲
の温度、濃度および洗浄時間にわたり良好な脂肪/油クリーニング性を示す。こ
れらの界面活性剤、またはそれらの水溶性塩もしくは酸は、式ROSO3Mであ
って、ここでRは好ましくはC10‐C24ヒドロカルビル、好ましくはC10‐C20
アルキル部分を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル、更に好ましくはC12
‐C18アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、MはHまたはカチオン、例え
ばアルカリ金属カチオン(例えばナトリウム、カリウム、リチウム)、置換また
は非置換アンモニウムカチオン、例えばメチル‐、ジメチル‐およびトリメチル
‐アンモニウムと、四級アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウ
ムおよびジメチルピペリジニウムと、エタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミンのようなアルカノールアミンから誘導されるカチオン、お
よびそれらの混合物などである。典型的には、C12‐C16のアルキル鎖は低い洗
浄温度(例えば約50℃以下)で好ましく、C16‐C18アルキル鎖は高い洗浄温
度(例えば約50℃以上)で好ましい。
アルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤が有用なアニオン性界面活性
剤のもう1つのカテゴリーである。これらの界面活性剤は典型的には式RO(A
)mSO3Mの水溶性塩または酸であって、ここでRは非置換C10‐C24アルキル
またはC10‐C24アルキル部分を有するヒドロキシアルキル基、好ましくはC12
‐C20アルキルまたはヒドロキシアルキル、更に好ましくはC12‐C18アルキル
またはヒドロキシアルキルであり、Aはエトキシまたはプロポキシ単位であり、
mはゼロより大きく、典型的には約0.5〜約6、更に好ましくは約0.5〜約
3であり、MはHまたはカチオン、例えば金属カチオン(例えばナトリウム、カ
リウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム等)、アンモニウムまたは置換ア
ンモニウムカチオンである。アルキルエトキシル化サルフェートとアルキルプロ
ポキシル化サルフェートが本発明では考えられる。置換アンモニウムカチオンの
具体例には、メチル、ジメチル、トリメチル‐アンモニウムおよび四級アンモニ
ウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム、ジメチルピペリ
ジニウムと、アルカノールアミン、例えばモノエタノールアミン、ジエタノール
アミンおよびトリエタノールアミンから誘導されるカチオンと、それらの混合物
がある。例示される界面活性剤はC12‐C18アルキルポリエトキシレート(1.
0)サルフェート、C12‐C18アルキルポリエトキシレート(2.25)サルフ
ェート、C12‐C18アルキルポリエトキシレート(3.0)サルフェートおよび
C12‐C18アルキルポリエトキシレート(4.0)サルフェートであり、Mは便
官トナトリウムおよびカリウムから選択される。
目的にとり有用な他のアニオン性界面活性剤も本組成物中に含有させることが
できる。これらには、石鹸の塩(例えばナトリウム、カリウム、アンモニウムお
よび置換アンモニウム塩、例えばモノ、ジおよびトリエタノールアミン塩を含む
)、C9‐C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート、C8‐C22一級または二級ア
ルカンスルホネート、C8‐C24オレフィンスルホネート、例えば英国特許明細
書第1,082,179号明細書に記載されたようにアルカリ土類金属シトレー
トの熱分解産物のスルホン化により製造されるスルホン化ポリカルボン酸、アル
キルグリセロールスルホネート、脂肪アシルグリセロールスルホネート、脂肪オ
レイルグリセロールサルフェート、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテ
ルサルフェート、パラフィンスルホネート、アルキルホスフェート、アシルイソ
チオネートのようなイソチオネート、N‐アシルタウレート、メチルタウリドの
脂肪酸アミド、アルキルサクシナメートおよびスルホサクシネート、スルホサク
シネートのモノエステル(特に飽和および不飽和C12‐C18モノエステル)、ス
ルホサクシネートのジエステル(特に飽和および不飽和C6‐C14ジエステル)
、N‐アシルサルコシネート、アルキルポリグルコシドのサルフェートのような
アルキル多糖のサルフェート(ノニオン性非サルフェート化合物は以下で記載さ
れている)、分岐一級アルキルサルフェートと、式
RO(CH2CH2O)kCH2COO~M+(RはC8‐C22アルキルであり、
kは0〜10の整数であり、Mは可溶性塩形成カチオンである)のようなアルキ
ルポリエトキシカルボキシレート、およびイセチオン酸でエステル化されて水酸
化ナトリウムで中和された脂肪酸がある。トール油中に存在するか、またはそれ
から誘導される、ロジン、水素添加ロジンと、樹脂酸および水素添加樹脂酸のよ
うな、樹脂酸および水素添加樹脂酸も適切である。更に、例はSURFACE ACTIVE A
GENTS AND DETERGENTS(Vol.I and II,Schwartz,Perry and Berch)に示されてい
る。様々なこのような界面活性剤は、1975年12月30日付で発行されたLa
ughlinらの米国特許第3,929,678号明細書の第23欄58行目〜第29
欄23行目でも一般的に開示されている(参考のため本明細書に組み込まれる)
。
2.ノニオン性洗剤界面活性剤
適切なノニオン性洗剤界面活性剤は、参考のため本明細書に組み込まれた19
75年12月30日付で発行されたLaughlinらの米国特許第3,929,678
号明細書の第13欄14行目〜第16欄6行目でも一般的に開示されている。有
用なノニオン性界面活性剤の例示非制限クラスは以下に掲載されている。
1.アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブチレン
オキシド縮合物。一般的に、ポリエチレンオキシド縮合物が好ましい。これらの
化合物には、直鎖または分岐鎖配置で炭素原子約6〜約12のアルキル基を有す
るアルキルフェノールとアルキレンオキシドとの縮合産物がある。好ましい態様
において、エチレンオキシドは、アルキルフェノール1モル当たり約5〜約25
モルのエチレンオキシドに相当する量で存在する。このタイプの市販ノニオン性
界面活性剤には、GAF Corporationから販売されているIgepalRCO‐630
と、すべてRohm & Haas Companyから販売されているTritonRX‐45、X‐11
4、X‐100およびX‐102がある。これらの界面活性剤はアルキルフェノ
ールアルコキシレート(例えば、アルキルフェノールエトキシレート)と通常
称される。
2.脂肪族アルコールと約1〜約25モルのエチレンオキシドとの縮合産物。
脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖または分岐、一級または二級であり、通常
約8〜約22の炭素原子を有している。炭素原子約10〜約20のアルキル基を
有するアルコールと、アルコール1モル当たり約2〜約18モルのエチレンオキ
シドとの縮合産物が特に好ましい。このタイプの市販ノニオン性界面活性剤の例
には、双方ともUnion Carbide Corporationから販売されているTergitolR15‐
S‐9(C11‐C15直鎖二級アルコールとエチレンオキシド9モルとの縮合産物
)、TergitolR24‐L‐6NMW(C12‐C14一級アルコールとエチレンオキ
シド6モルとの、狭い分子量分布の縮合産物);Shell Chemical Companyから販
売されているNeodolR45‐9(C14‐C15直鎖アルコールとエチレンオキシド
9モルとの縮合産物)、NeodolR23‐6.5(C12‐C13直鎖アルコールとエ
チレンオキシド6.5モルとの縮合産物)、NeodolR45‐7(C14‐C15直鎖
アルコールとエチレンオキシド7モルとの縮合産物)、NeodolR45‐4(C14
‐C15直鎖アルコールとエチレンオキシド4モルとの縮合産物);The Procter
& Gamble Companyから販売されているKyroREOB(C13‐C15アルコールとエ
チレンオキシド9モルとの縮合産物)がある。このカテゴリーのノニオン性界面
活性剤は通常“アルキルエトキシレート”と称される。
3.プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合により形成される疎
水性ベースとエチレンオキシドとの縮合産物。これら化合物の疎水性部分は好ま
しくは約1500〜約1800の分子量を有して、非水溶性を示す。この疎水性
部分へのポリオキシエチレン部分の付加は全体的に分子の水溶性を増加させる傾
向があり、産物の液性はポリオキシエチレン含有率が縮合産物の全重量の約50
%のところまでに留められ、これは約40モル以内のエチレンオキシドとの縮合
に相当する。このタイプの化合物の例には、BASFから販売されている、ある
種の市販PluronicR界面活性剤がある。
4.プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応から得られる産物とエチ
レンオキシドとの縮合産物。これら産物の疎水性部分はエチレンジアミンと過剰
プロピレンオキシドとの反応産物からなり、通常約2500〜約3000の分子
量を有する。この疎水性部分は、縮合産物が約40〜約80重量%のポリオキシ
エチレンを含んで、約5000〜約11,000の分子量を有する程度まで、エ
チレンオキシドと縮合される。このタイプのノニオン性界面活性剤の例には、B
ASFから販売されている、ある種の市販TetronlcR化合物がある。
5.半極性ノニオン性界面活性剤は、炭素原子約10〜約18の1つのアルキ
ル部分と炭素原子約1〜約3のアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる
群より選択される2つの部分とを有した水溶性アミンオキシド;炭素原子約10
〜約18の1つのアルキル部分と炭素原子約1〜約3のアルキル基およびヒドロ
キシアルキル基からなる群より選択される2つの部分とを有した水溶性ホスフィ
ンオキシド;炭素原子約10〜約18の1つのアルキル部分と炭素原子約1〜約
3のアルキルおよびヒドロキシアルキル部分からなる群より選択される部分とを
有した水溶性スルホキシドを含めた、特定カテゴリーのノニオン性界面活性剤で
ある。
半極性ノニオン性洗剤界面活性剤には、炭素原子約8〜約26のアルキル、ヒ
ドロキシアルキル、アルキルフェニル基またはそれらの混合を有したアミンオキ
シド界面活性剤;約1〜約3のエチレンオキシド基を有するヒドロキシアルキレ
ン基またはポリエチレンオキシド基がある。このような基は、例えば酸素または
窒素原子を介して互いに結合されて、環構造を形成していてもよい。
これらのアミンオキシド界面活性剤には、特にC10‐C18アルキルジメチルア
ミンオキシドとC8‐C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド
がある。
6.約6〜約30の炭素原子、好ましくは約10〜約16の炭素原子をもつ疎
水基と、約1.3〜約10、好ましくは約1.3〜約3、最も好ましくは約1.
3〜約2.7の糖単位をもつ多糖、例えばポリグリコシド親水基とを有する、1
986年1月21日付で発行されたLlenadoの米国特許第4,565,647号
明細書に開示されたアルキル多糖。5または6つの炭素原子を有する還元糖も使
用でき、例えばグルコース、ガラクトースおよびガラクトシル部分がグルコシル
部分の代わりに使用できる(場合により、疎水基が2、3、4位などに結合され
て、グルコシドまたはガラクトシドに対するものとしてグルコースまたはガラク
トースを与える)。例えば、追加糖単位の1つの位置と先の糖単位の2、3、4
および/または6位との間に、糖間結合が存在していてもよい。
場合により、望ましくはないが、疎水部分と多糖部分とを結合させるポリアル
キレンオキシド鎖が存在してもよい。好ましいアルキレンオキシドはエチレンオ
キシドである。典型的な疎水基には、約8〜約18、好ましくは約10〜約16
の炭素原子を有する、飽和または不飽和、分岐または非分岐のアルキル基がある
。好ましくは、アルキル基は直鎖飽和アルキル基である。アルキル基は約3以内
のヒドロキシ基を含み、および/またはポリアルキレンオキシド鎖は約10以内
、好ましくは5未満のアルキレンオキシド部分を含むことができる。適切なアル
キル多糖はオクチル、ノニル、デシル、ウンデシルドデシル、トリデシル、テト
ラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルおよびオクタデシル、ジ
‐、トリ‐、テトラ‐、ペンタ‐およびヘキサグルコシド、ガラクトシド、ラク
トシド、グルコース、フルクトシド、フルクトースおよび/またはガラクトース
である。適切な混合物では、ココナツアルキル、ジ‐、トリ‐、テトラ‐および
ペンタグルコシドと、タローアルキルテトラ‐、ペンタ‐およびヘキサグルコシ
ドを含有している。
好ましいアルキルポリグリコシドは、アルキル、アルキルフェニル、ヒドロキ
シアルキル、ヒドロキシアルキルフェニルおよびそれらの混合からなる群より選
択されるキャップ基を有しており、ここでアルキル基は約10〜約18、好まし
くは約12〜約14の炭素原子を有する;nは2または3、好ましくは2である
;tは0〜約10、好ましくは0である;xは約1.3〜約10、好ましくは約
1.3〜約3、最も好ましくは約1.3〜約2.7である。グリコシルは、好ま
しくはグルコースから誘導される。これらの化合物を製造するためには、アルコ
ールまたはアルキルポリエトキシアルコールが最初に形成され、その後グルコー
スまたはグルコース源と反応させてグルコシド(1位に結合)を形成させる。追
加グリコシル単位も、それらの1位と先のグリコシル単位の2、3、4および/
または6位、好ましくは主に2位との間で結合させてよい。
7.約7〜約21(好ましくは約9〜約17)の炭素原子をもつアルキル基を
好ましくは有した脂肪酸アミド界面活性剤。好ましいアミドはC8‐C20アンモ
ニアアミド、モノエタノールアミド、ジエタノールアミドおよびイソプロパノー
ルアミドである。
3.カチオン性界面活性剤
カチオン性界面活性剤も本発明の洗剤組成物に含有させることができる。カチ
オン性界面活性剤には、アルキルジメチルアンモニウムハロゲナイドのようなア
ンモニウム界面活性剤と、アルキル、アルキルアリールまたはアリール側鎖、ヒ
ドロキシル化または酸化側鎖を有する界面活性剤があり、好ましくは約1000
未満の分子量を有する他の糖または糖様部分のセルロースのポリマーを含み、X
はいずれかの適合性アニオンである。
本発明で有用な他のカチオン性界面活性剤は、参考のため本明細書に組み込ま
れる1980年10月14日付で発行されたCambreの米国特許第4,228,0
44号明細書にも記載されている。
4.他の界面活性剤
両性界面活性剤も本発明の洗剤組成物中に配合できる。これらの界面活性剤は
、二級または三級アミンの脂肪族誘導体、あるいはヘテロ環式二級および三級ア
ミンの脂肪族誘導体として広く記載することができるが、脂肪族基は直鎖でもま
たは分岐鎖でもよい。脂肪族置換基の1つは少くとも約8つの炭素原子、典型的
には約8〜約18の炭素原子を有し、少くとも1つはアニオン性水溶性基、例え
ばカルボキシ、スルホン酸、硫酸基を有している。両性界面活性剤の例について
は、1975年12月30日付で発行されたLaughlinらの米国特許第3,929
,678号明細書の第19欄18〜35行目参照(参考のため本明細書に組み込
まれる)。
双極性界面活性剤も本洗剤組成物中に配合できる。これらの界面活性剤は、二
級および三級アミンの誘導体、ヘテロ環式二級および三級アミンの誘導体、ある
いは四級アンモニウム、四級ホルホニウムまたは三級スルホニウム化合物の誘導
体として広く記載することができる。双極性界面活性剤の例については、197
5年12月30日付で発行されたLaughlinらの米国特許第3,929,678号
明細書の第19欄38行目〜第22欄48行目参照(参考のため本明細書に組み
込まれる)。
両性および双極性界面活性剤は、1種以上のアニオン性および/またはノニオ
ン性界面活性剤と通常併用される。
本発明の液体洗剤組成物は、“酵素性能増強量”のポリヒドロキシ脂肪酸アミ
ド界面活性剤も含有してよい。“酵素増強”とは、組成物中に配合させて洗剤組
成物の酵素クリーニング性能を改善しうるポリヒドロキシ脂肪酸アミドの量を組
成物の業者が選択しうることを意味する。一般的に、常用レベルの酵素では、約
1重量%のポリヒドロキシ脂肪酸アミドの配合が酵素性能を高める。
本洗剤組成物は少くとも約1重量%ベースのポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面
活性剤、好ましくは少くとも約3〜約50%、最も好ましくは約3〜約30%の
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドを典型的に含む。
ポリヒドロキシ脂肪酸アミド界面活性剤は下記式を有する:
上記式中R1はH、C1‐C4ヒドロカルビル、2‐ヒドロキシエチル、2‐ヒド
ロキシプロピルまたはそれらの混合、好ましくはC1‐C4アルキル、更に好まし
くはC1またはC2アルキル、最も好ましくはC1アルキル(即ち、メチル)であ
る;R2はC5‐C31ヒドロカルビル、好ましくは直鎖C7‐C19アルキルまたは
アルケニル、更に好ましくは直鎖C9‐C17アルキルまたはアルケニル、最も好
ましくは直鎖C11‐C15アルキルまたはアルケニル、またはそれらの混合である
;Zは直鎖ヒドロカルビル鎖とその鎖に直接結合された少くとも3つのヒドロキ
シルとを有するポリヒドロキシヒドロカルビル、またはそのアルコキシル化(好
ましくは、エトキシル化またはプロポキシル化)誘導体である。Zは好ましくは
還元アミノ化反応で還元糖から誘導され、更に好ましくはZはグリシチルである
。適切な還元糖にはグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラ
クトース、マンノースおよびキシロースがある。原料として、高デキストロース
コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップおよび高マルトースコーンシロ
ップも、上記の個別な糖以外に利用できる。これらのコーンシロップはZについ
て糖成分の混合であってもよい。他の適切な原料を排除する意味では決してない
ことが理解されるべきである。Zは好ましくは‐CH2‐(CHOH)n‐CH2
OH、‐CH(CH2OH)‐(CHOH)n-1‐CH2OH、‐CH2‐(CHO
H)2(CHOR’)(CHOH)‐CH2OHおよびそれらのアル
コキシル化誘導体からなる群より選択され、ここでnは3〜5の整数であり、R
’はHあるいは環式または脂肪族単糖である。最も好ましいのは、nが4である
グリシチル、特に‐CH2‐(CHOH)4‐CH2OHである。
式(I)において、R’には例えばN‐メチル、N‐エチル、N‐プロピル、
N‐イソプロピル、N‐ブチル、N‐2‐ヒドロキシエチルまたは、N‐2‐ヒ
ドロキシプロピルがある。
R2‐CO‐N<には、例えばコカミド、ステアラミド、オレアミド、ラルラ
ミド、ミリストアミド、カプリカミド、パルミトアミド、タローアミドなどがあ
る。
Zには、1‐デオキシグルシチル、2‐デオキシフルクチチル、1‐デオキシ
マルチチル、1‐デオキシラクチチル、1‐デオキシガラクチチル、1‐デオキ
シマンニチル、1‐デオキシマルトトリオチチルなどがある。
ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの製造方法は当業界で知られている。一般的に、
それらは、還元アミノ化反応でアルキルアミンを還元糖と反応させて対応N‐ア
ルキルポリヒドロキシアミンを形成させ、その後縮合/アミド化ステップでN‐
アルキルポリヒドロキシアミンを脂肪脂肪族エステルまたはトリグリセリドと反
応させて、N‐アルキル、N‐ポリヒドロキシ脂肪酸アミド産物を形成させるこ
とにより作られる。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドを含有した組成物の製造方法は
、例えば1959年2月18日付で公開されたThomas Hedley & Co.,Ltd.のG.
B.特許明細書第809,060号、1960年12月20日付で発行されたE.
R.Wilsonの米国特許第2,965,576号、1955年3月8日付で発行され
たAnthony M.Schwartzの米国特許第2,703,798号、1934年12月2
5日付で発行されたPiggottの米国特許第1,985,424号明細書に開示さ
れており、それら各々が参考のため本明細書に組み込まれる。
本発明で有用な界面活性剤の非制限例には、C11‐C18アルキルベンゼンスル
ホネートと一級およびランダムアルキルサルフェート、式CH3(CH2)x(C
HOSO3 -M+)CH3およびCH3(CH2)y(CHOSO3 -M+)CH2CH3の
C10-C18二級(2,3)アルキルサルフェート(式中xおよび(y+1)は少
くとも約7、好ましくは少くとも約9の整数であり、Mは水溶性カチオン、特に
ナトリウムである)、C10-C18アルキルアルコキシサルフェート(特に、EO
1〜5エトキシサルフェート)、C10-C18アルキルアルコキシカルボキシレー
ト(特に、EO1〜5エトキシカルボキシレート)、C10-C18アルキルポリグ
リコシドおよびそれらの対応サルフェート化ポリグリコシド、C12-C18α-スル
ホネート化脂肪酸エステル、C12-C18アルキルおよびアルキルフェノールアル
コキシレート(特に、エトキシレートおよび混合エトキシ/プロポキシ)、C12
-C18ベタインおよびスルホベタイン(“スルタイン”)、C10-C18アミンオキ
シドなどがある。アルキルアルコキシサルフェート(AES)およびアルキルア
ルコキシカルボキシレート(AEC)が本発明では好ましい(このような界面活
性剤と前記アミンオキシドおよび/またはベタインまたはスルタイン界面活性剤
との併用も、業者の希望に応じて好ましい)。他の慣用的で有用な界面活性剤は
標準テキストに掲載されている。特に有用な界面活性剤には、参考のため本明細
書に組み込まれる1993年3月16日付で発行されたConnorらの米国特許第5
,194,639号明細書に開示されたC10-C18N-メチルグルカミドがある。
他の活性成分、キャリヤ、ヒドロトロープ、加工助剤、染料または顔料、液体
処方用溶媒などを含めて、洗剤クリーニング組成物に有用な様々な他の成分も本
組成物に含有させることができる。起泡性の一層の増加が望まれるならば、C10
-C16アルコールアミドのような起泡増強剤が典型的には約1〜約10%レベル
で組成物中に配合できる。C10-C14モノエタノールおよびジエタノールアミド
がこのような起泡増強剤の典型的クラスにある。このような起泡増強剤と前記の
アミンオキシド、ベタインおよびスルタインのような高起泡性補助界面活性剤と
の併用も有利である。所望であれば、MgCl2、MgSO4などのような可溶性
マグネシウム塩が、更に起泡性を出すために、典型的には約0.1〜約2%のレ
ベルで添加できる。
C.プロテアーゼおよび他の酵素
業者は、典型的には約0.001〜約1重量%のレベルで、このような組成物
中にセルラーゼ、リパーゼ、アミラーゼおよびプロテアーゼのような様々な追加
酵素を用いようとするかもしれない。様々な布帛ケア酵素が洗濯洗剤業界で周知
である。
本発明で好ましい組成物は、性能増強量の洗剤適合性第二酵素を更に含む。
“洗剤適合性”とは、界面活性剤および洗浄ビルダーのような、液体洗剤組成
物の他成分との適合性を意味する。これらの第二酵素は、好ましくはリパーゼ、
アミラーゼ、セルラーゼおよびそれらの混合物からなる群より選択される。“第
二酵素”という用語には前記プロテアーゼを含まず、そのため各組成物は少くと
も1種のプロテアーゼを含めて少くとも2種類の酵素を含有している。組成物に
用いられる第二酵素の量は、酵素のタイプに応じて変わる。一般的に、
約0.0001〜0.3、更に好ましくは約0.001〜0.1重量%のこれら
第二酵素が用いられることが好ましい。同種の酵素(例えば、リパーゼ)または
2種以上の酵素(例えば、セルラーゼおよびリパーゼ)の混合物も用いてよい。
精製または非精製形の酵素が用いられる。
液体洗剤組成物で使用に適したいかなる脂肪分解酵素もこれらの組成物に用い
ることができる。本発明で使用に適したリパーゼ酵素には細菌および真菌起源の
ものがある。
適切な細菌リパーゼには、参考のため本明細書に組み込まれる英国特許第1,
372,034号明細書に開示されたPseudomonas stutzeri ATCC 19.
154のようなPseudomonas属の微生物により生産されるものがある。適切なリ
パーゼには、微生物Pseudomonas fluorescent IAM1057により生産された
リパーゼの抗体と陽性の免疫交差反応を示すものがある。このリパーゼおよびそ
の精製方法は、1978年2月24日付で公開された日本特許出願第53-20
487号明細書に記載されている。このリパーゼは商品名Lipase P”Amano”と
して日本、名古屋のAmano Pharmaceutical Co.Ltd.から市販されており、以下”
Amano-P”と称される。このようなリパーゼは、Ouchterlony(Acta.Med.Scan.
,133,pages 76-79(1950))による標準および周知の免疫拡散操作を用いると、A
mano-P抗体と陽性の免疫交差反応を示すはずである。これらのリパーゼと、Ama
no-Pとの免疫交差反応の方法も、参考のため本明細書に組み込まれる1987
年11月17日付で公開されたThomらの米国特許第4,707,291号明細書
に記載されている。その典型例は、Amano-Pリパーゼ、リパーゼ ex
Pseudomonas fragi FERM P1339(商品名Amano-Bで市販)、リパーゼ ex
Pseudomonas nitroreducens var.lipolyticum FERM P 1338(商品名Amano-CESで
市販)、リパーゼ ex Chromobacter viscosum、例えば日本、田方の東洋醸造社
から市販のChromobacter viscosum var.lipolyticum NRRLB 3673;USAのU.S.
Biochemical Corp.およびオランダのDisoynth Co.からのChromobacter
viscosumリパーゼ;リパーゼex Pseudomonas gladioliである。
適切な真菌リパーゼには、Humicola lanuginosaおよびThermomyces
lanuginosusにより生産されうるものがある。Humicola lanuginosaからの遺伝子
をクローニングして、欧州特許出願第0258068号明細書(Novo
Industries A/S)に記載されたようなAspergillus oryzaeでその遺伝子を発現さ
せることにより得られ、商品名LipolaseRでNovo Nordisk A/Sから市販されてい
るリパーゼが最も好ましい。
約10〜18000、好ましくは約60〜6000リパーゼ単位/g(LU/
g)のリパーゼがこれらの組成物で用いられる。リパーゼ単位とはpHスタット
で1分間当たりに1mmolの滴定しうる脂肪酸を生じるリパーゼの量のことであり
、その際にpHは9.0であり、温度は30℃であり、基質は5mmol/l Tris緩
衝液中13mmol/l Ca++および20mmol/l NaClの存在下における3.3
wt%のオリーブ油および3.3%のアラビアガムのエマルジョンである。
液体洗剤組成物で使用に適したいかなるセルラーゼもこれらの組成物に用いる
ことができる。本発明で使用に適したセルラーゼ酵素には、細菌または真菌起源
のものを含む。好ましくは、それらは5〜9.5の至適pHを有している。
約0.0001〜0.1重量%のセルラーゼが使用できる。
適切なセルラーゼは、参考のため本明細書に組み込まれる1984年3月6日
付で発行されたBarbesgaardらの米国特許第4,435,307号明細書に開示
されており、そこではHumicola insolensから生産された真菌セルラーゼを開示
している。適切なセルラーゼはGB-A-2,075,028、GB-A-2,09
5,275およびDE-OS-2,247,832にも開示されている。
このようなセルラーゼの例は、Humicola insolensの株(Humicola grisea var
.thermoidea)、特にHumicola株DSM1800により生産されるセルラーゼと
、Bacillus Nの真菌またはAeromonas属に属するセルラーゼ212生産真菌によ
り生産されるセルラーゼと、海洋軟体動物(Dolabella Auricula Solander)の肝
膵から抽出されるセルラーゼである。
液体洗剤組成物で使用に適したいかなるアミラーゼもこれらの組成物に使用で
きる。アミラーゼには、例えばB.licheniformisの特定株から得られるアミラー
ゼがあり、英国特許明細書第1,296,839号(Novo)で更に詳細に記載さ
れている。デンプン分解タンパク質には、例えばRapidaseR,International Bio-
Synthetics,Inc.およびTermamylR,Novo Industriesがある。
約0.0001〜0.55、好ましくは約0.0005〜0.1重量%のアミ
ラーゼが使用できる。
D.他の(任意)成分
本液体洗剤組成物は、キャリヤとして水および他の溶媒を含有することができ
る。メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールで例示され
る低分子量一級または二級アルコールが適切である。一価アルコールが界面活性
剤を溶解させる上で好ましいが、約2〜約6の炭素原子と約2〜約6のヒドロキ
シ基を含むようなポリオール(例えば、1,3-プロパンジオール、エチレング
リコール、グリセリンおよび1,2-プロパンジオール)も使用できる。組成物
は約5〜約90%、典型的には約10〜約50%のこのようなキャリヤを含有し
てもよい。
本洗剤組成物は、水性クリーニング操作で使用中に、洗浄水が約6.8〜約1
1.0のpHを有するように処方されることが好ましい。このため、最終製品は
典型的にはこの範囲で処方される。推奨される使用量レベルでpHをコントロー
ルするための技術には緩衝剤、アルカリ、酸などの使用があり、これは当業者に
周知である。
ペルカーボネート、ペルボレートなどのような様々な漂白化合物が、典型的に
は約1〜約15重量%のレベルでこのような組成物中に使用できる。所望であれ
ば、このような組成物はテトラアセチルエチレンジアミン、ノナノイルオキシベ
ンゼンスルホネートなどのようなブリーチアクチベーターも含有することができ
、これらも当業界で知られている。使用レベルは、典型的には約1〜約10重量
%の範囲である。
様々な汚れ放出剤、特にアニオン性オリゴエステルタイプ、様々なキレート化
剤、特にアミノホスホネートおよびエチレンジアミン二コハク酸、様々な土汚れ
除去剤、特にエトキシル化テトラエチレンペンタミン、様々な分散剤、特にポリ
アクリレートおよびポリアルパラテート、様々な増白剤、特にアニオン性増白剤
、
様々な起泡抑制剤、特にシリコーンおよび二級アルコール、様々な布帛柔軟剤、
特にスメクタイトクレーなどはすべて約1〜約35重量%範囲のレベルでこのよ
うな組成物に使用できる。標準処方集と公開特許には、このような常用物質の多
数の詳細な記載を含んでいる。
酵素安定剤もクリーニング組成物に用いてよい。このような安定剤にはプロピ
レングリコール(好ましくは、約1〜約10%)、ギ酸ナトリウム(好ましくは
、約0.1〜約1%)およびギ酸カルシウム(好ましくは、約0.1〜約1%)
がある。
本発明の硬質表面クリーニング組成物および布帛クリーニング組成物を処方す
る場合、業者は約5〜約50重量%のレベルで様々なビルダーを用いようとする
かもしれない。典型的ビルダーには、1〜10ミクロンゼオライト、ポリカルボ
キシレート、例えばシトレートおよびオキシジサクシネート、積層シリケート、
ホスフェートなどがある。他の慣用的ビルダーは標準処方集に掲載されている。
0〜約50重量%の洗浄ビルダーが本発明に使用できる。無機および有機ビル
ダーが使用できる。存在するとき、組成物は典型的には少くとも約1%のビルダ
ーを含んでいる。液体処方物は、好ましくは約3〜約30重量%、更に好ましく
は約5〜20%の洗剤ビルダーを含む。
無機洗剤ビルダーには、ポリホスフェート(トリポリホスフェート、ピロホス
フェートおよびガラス質ポリマーメタホスフェートで例示される)、ホスホネー
ト、フィチン酸、シリケート、カーボネート(ビカーボネートおよびセスキカー
ボネートを含む)、サルフェートおよびアルミノシリケートのアルカリ金属、ア
ンモニウムおよびアルカノールアンモニウム塩があるが、それらに限定されない
。ボレートビルダーと、洗剤貯蔵または洗浄条件下でボレートを生じうるボレー
ト形成物質を含有したビルダー(以下、包括して“ボレートビルダー”)も使用
できる。好ましくは、非ボレートビルダーは、約50℃未満、特に約40℃未満
の
洗浄条件下で用いられる本発明の組成物に用いられる。
シリケートビルダーの例は、アルカリ金属シリケート、特に1.6:1〜3.
2:1範囲のSiO2:Na2O比を有するものと、参考のため本明細書に組み込
まれる1987年5月12日付で発行されたH.P.Rieckの米国特許第4
,664,839号明細書に記載された積層ナトリウムシリケートのような積層
シリケートである。しかしながら、顆粒処方でクリスプニング(crispening)剤と
して、酸素ブリーチ用の安定剤として、および起泡コントロール系の成分として
働ける、例えばマグネシウムシリケートのような他のシリケートも有用である。
カーボネートビルダーの例は、1973年11月15日付で公開されたドイツ
特許出願第2,321,001号明細書に開示されたような、炭酸およびセスキ
炭酸ナトリウムと、それらと超微細炭酸カルシウムとの混合物を含めた、アルカ
リ土類およびアルカリ金属カーボネートであり、その開示は参考のため本明細書
に組み込まれる。
アルミノシリケートビルダーが本発明で有用である。アルミノシリケートビル
ダーはほとんどの現行市販重質顆粒洗剤組成物で非常に重要であり、液体洗剤処
方で重要なビルダー成分でもある。アルミノシリケートビルダーには下記実験式
を有するものがある:
Mz(zAlO2・ySiO2)
上記式中Mはナトリウム、カリウム、アンモニウムまたは置換アンモニウムであ
り、zは約0.5〜約2であり、yは1であり、この物質は無水アルミノシリケ
ートg当たり少くとも約50mg相当のCaCO3硬度のマグネシウムイオン交
換能を有している。好ましいアルミノシリケートは下記式を有するゼオライトビ
ルダーである:
Naz〔(AlO2)z(SiO2)y〕・xH2O
上記式中zおよびyは少くとも6の整数であり、z対yのモル比は1.0〜
約0.5の範囲であり、xは約15〜約264の整数である。
有用なアルミノシリケートイオン交換物質が市販されている。これらのアルミ
ノシリケートは構造上結晶でも非晶質でもよく、天然アルミノシリケートでもま
たは合成で誘導してもよい。アルミノシリケートイオン交換物質の製造方法は、
参考のため本明細書に組み込まれる1976年10月12日付で発行された
Krummelらの米国特許第3,985,669号明細書に開示されている。本発明
で有用な好ましい合成結晶アルミノシリケートイオン交換物質はゼオライトA、
ゼオライトP(B)およびゼオライトXという名称で市販されている。特に好ま
しい態様において、結晶アルミノシリケートイオン交換物質は下記式を有してい
る:
Na12〔(AlO2)12(SiO2)12〕・xH2O
上記式中xは約20〜約30、特に約27である。この物質はゼオライトAとし
て知られる。好ましくは、アルミノシリケートは直径約0.1〜10ミクロンの
粒度を有する。
ポリホスフェートの具体例は、アルカリ金属トリポリホスフェート、ナトリウ
ム、カリウムおよびアンモニウムピロホスフェート、ナトリウム、カリウムおよ
びアンモニウムピロホスフェート、ナトリウムおよびカリウムオルトホスフェー
ト、ナトリウムポリメタホスフェート(重合度は約6〜約21である)と、フィ
チン酸の塩である。
ホスホネートビルダー塩の例は、エタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホネー
トの水溶性塩、特にナトリウムおよびカリウム塩、メチレンジホスホン酸の水溶
性塩、例えば三ナトリウムおよび三カリウム塩、置換メチレンジホスホン酸の水
溶性塩、例えば三ナトリウムおよび三カリウムエチリデン、イソプロピリデン、
ベンジルメチリデンおよびハロメチリデンホスホネートである。前記タイプのホ
スホネートビルダー塩は、1964年12月1日付および1965年10月
19日付で発行されたDiehlの米国特許第3,159,581号および第3,2
13,030号;1969年1月14日付で発行されたRoyの米国特許第3,4
22,021号;1968年9月3日付および1969年1月14日付で発行さ
れたQuimbyの米国特許第3,400,148号および第3,422,137号明
細書に開示されており、上記開示は参考のため本明細書に組み込まれる。
本発明の目的にとり好ましい有機洗剤ビルダーには様々なポリカルボキシレー
ト化合物がある。本発明で用いられる“ポリカルボキシレート”とは、多数のカ
ルボキシレート基、好ましくは少くとも3つのカルボキシレートを有した化合物
に関する。
ポリカルボキシレートビルダーは通常酸形で組成物に加えられるが、中和塩の
形で加えてもよい。塩形で利用される場合には、ナトリウム、カリウムおよびリ
チウムのようなアルカリ金属、またはアルカノールアンモニウム塩が好ましい。
ポリカルボキシレートビルダーの中には、様々なカテゴリーの有用な物質が含
まれる。ポリカルボキシレートビルダーの1つの重要なカテゴリーには、エーテ
ルポリカルボキシレートを含む。いくつかのエーテルポリカルボキシレートが洗
剤ビルダー用として開示されている。有用なエーテルポリカルボキシレートの例
には、1964年4月7日付で発行されたBergの米国特許第3,128,287
号および1972年1月18日付で発行されたLambertiらの米国特許第3,63
5,830号明細書に開示されているようなオキシジサクシネートがあり、双方
とも参考のため本明細書に組み込まれる。
本発明でビルダーとして有用なエーテルポリカルボキシレートの特別なタイプ
には、下記一般式を有するものがある:
CH(A)(COOX)-CH(COOX)-O-
CH(COOX)-CH(COOX)(B)
上記式中AはHまたはOHである;BはHまたは-O-CH(COOX)-
CH2(COOX)である;XはHまたは塩形成カチオンである。例えば、上記
一般式AおよびBが双方ともHであるならば、その化合物はオキシジコハク酸お
よびその水溶性塩である。AがOHおよびBがHであるならば、その化合物はタ
ートレートモノコハク酸(TMS)およびその水溶性塩である。AがHおよびB
が-O-CH(COOX)-CH2(COOX)であるならば、その化合物はタート
レートジコハク酸(TDS)およびその水溶性塩である。これらビルダーの混合
物も本発明で使用上特に好ましい。約97:3〜約20:80のTMS対TDS
の重量比にあるTMSおよびTDSの混合物が特に好ましい。これらのビルダー
は、1987年5月5日付でBushらに発行された米国特許第4,663,071
号明細書に開示されている。
適切なエーテルポリカルボキシレートには、米国特許第3,923,679号
、第3,835,163号、第4,158,635号、第4,120,874号
および第4,102,903号明細書に記載されたような環式化合物、特に脂環
式化合物もあり、それらすべてが参考のため本明細書に組み込まれる。
他の有用な洗浄ビルダーには、下記構造で表されるエーテルヒドロキシポリカ
ルボキシレートがある:
HO−〔C(R)(COOM)−C(R)(COOM)−O〕n−H
上記式中Mは水素、または得られた塩が水溶性となるカチオン、好ましくはアル
カリ金属、アンモニウムまたは置換アンモニウムカチオンであり、nは約2〜約
15(好ましくはnは約2〜約10、更に好ましくはnは平均で約2〜約4)で
あり、各Rは同一であるかまたは異なり、水素、C1-4アルキルまたはC1-4置換
アルキルから選択される(好ましくはRは水素である)。
更に他のエーテルポリカルボキシレートには、無水マレイン酸とエチレンまた
はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン-
2,4,6-トリスルホン酸およびカルボキシメチルオキシコハク酸がある。
有機ポリカルボキシレートビルダーには、ポリ酢酸の様々なアルカリ金属、ア
ンモニウムおよび置換アンモニウム塩もある。例には、エチレンジアミン四酢酸
およびニトリロ三酢酸のナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムおよび
置換アンモニウム塩がある。
メリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン-1,
3,5-トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸およびそれらの可溶
性塩のようなポリカルボキシレートも含まれる。
シトレートビルダー、例えばクエン酸およびその可溶性塩(特にナトリウム塩
)は、重質液体洗剤処方で特に重要なポリカルボキシレートビルダーであるが、
顆粒組成物でも使用できる。
他のカルボキシレートビルダーには、参考のため本明細書に組み込まれる19
73年3月28日付で発行されたDiehlの米国特許第3,723,322号明細
書に開示されたカルボキシル化炭水化物がある。
本発明の洗剤組成物では、参考のため本明細書に組み込まれる1986年1月
28日付で発行されたBushの米国特許第4,566,984号明細書に開示され
た3,3-ジカルボキシ-4-オキサ-1,6-ヘキサンジオエート類と関連化合物
も適している。有用なコハク酸ビルダーにはC5-C20アルキルコハク酸とその塩
がある。このタイプの特に好ましい化合物はドデセニルコハク酸である。アルキ
ルコハク酸は、典型的には下記一般式:
R-CH(COOH)CH2(COOH)
即ち、コハク酸の誘導体であり、上記式中Rは炭化水素、例えばC10-C20、好
ましくはC12-C16アルキルまたはアルケニルであるか、またはRはヒドロキシ
ル、スルホ、スルホキシまたはスルホン置換基で置換されており、すべて上記特
許に記載されたとおりである。
サクシネートビルダーは、好ましくは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム
およびアルカノールアンモニウム塩を含めた水溶性塩の形で用いられる。
サクシネートビルダーの具体例には、ラウリルサクシネート、ミリスチルサク
シネート、パルミチルサクシネート、2-ドデセニルサクシネート(好ましい)
、2-ペンタデセニルサクシネート等がある。ラウリルサクシネートがこのグル
ープの好ましいビルダーであり、1986年11月5日付で公開された欧州特許
出願第86200690.5/0,200,263号明細書に記載されている。
有用なビルダーの例には、ナトリウムおよびカリウムカルボキシメチルオキシ
マロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、シス-シクロヘキサンヘキ
サカルボキシレート、シス-シクロペンタンテトラカルボキシレート、水溶性ポ
リアクリレート(約2000以上の分子量を有するこれらのポリアクリレートも
、分散剤として有効に利用できる)と、無水マレイン酸とビニルメチルエーテル
またはエチレンとのコポリマーもある。
他の適切なポリカルボキシレートは、参考のため本明細書に組み込まれる19
79年3月13日付で発行されたCrutchfieldらの米国特許第4,144,22
6号明細書に開示されたポリアセタールカルボキシレートである。これらのポリ
アセタールカルボキシレートは、重合条件下で、グリオキシル酸のエステルおよ
び重合開始剤を一緒にすることにより製造できる。次いで、得られるポリアセタ
ールカルボキシレートエステルは、アルカリ溶液中で急速な解重合に対してポリ
アセタールカルボキシレートを安定化させるために化学的に安定な末端基に結合
され、対応塩に変換されて、界面活性剤に加えられる。
ポリカルボキシレートビルダーは、参考のため本明細書に組み込まれる196
7年3月7日付で発行されたDiehlの米国特許第3,308,067号明細書に
も開示されている。このような物質には、マレイン酸、イタコン酸およびメチレ
ンマロン酸のような脂肪族カルボン酸のホモおよびコポリマーの水溶性塩がある
。
当業界で知られる他の有機ビルダーも使用できる。例えば、長鎖ヒドロカルビ
ルを有するモノカルボン酸およびその水溶性塩が利用できる。これらには“石鹸
”と通常称される物質がある。C10-C20の長鎖が典型的に用いられる。ヒドロ
カルビルは飽和でもまたは不飽和でもよい。
他の任意成分には、キレート化剤、土汚れ除去/再付着防止剤、ポリマー分散
剤、ブリーチ、増白剤、起泡抑制剤、溶媒およびエステチック剤がある。
VI.組成物の使用例
本洗剤組成物は、様々な組成物として、例えば洗濯洗剤と硬質表面クリーナー
または皿洗い組成物として処方できる。
1.硬質表面クリーニング組成物
本発明で用いられる“硬質表面クリーニング組成物”とは、床、壁、浴室タイ
ルなどのような硬質表面をクリーニングするための液体および顆粒洗剤組成物に
関する。本発明の硬質表面クリーニング組成物は、有効量の1種以上の本発明の
融合タンパク質、好ましくは組成物の約0.001〜約10重量%、更に好まし
くは約0.01〜約5%、更に一層好ましくは約0.05〜約1%の活性剤を含
有している。1種以上の融合タンパク質を含有することに加えて、このような硬
質表面クリーニング組成物は典型的には界面活性剤と水溶性金属イオン封鎖ビル
ダーを含有する。しかしながら、スプレーウィンドークリーナーのようなある特
殊製品では界面活性剤が時々用いられないが、その理由はそれらがガラス表面で
薄膜状/すじ状残留物を形成することがあるためである。
界面活性剤成分は存在するとき本組成物の0.1%と少ないが、典型的には組
成物は約0.25〜約10%、更に好ましくは約1〜約5%の界面活性剤を含有
している。
典型的には、組成物は約0.5〜約50%、好ましくは約1〜約10%の洗浄
ビルダーを含有する。
好ましくは、pHは約8〜12の範囲にあるべきである。水酸化ナトリウム、
炭酸ナトリウムまたは塩酸のような慣用的pH調整剤が、調整が必要ならば使用
できる。
溶媒も組成物に含有させてよい。有用な溶媒にはグリコールエーテル、例えば
ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘ
キシルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノブチルエーテルと、ジオール、例えば2,2,4-トリメチル-1,3
-ペンタンジオールおよび2-エチル-1,3-ヘキサンジオールがあるが、それら
に限定されない。用いられる場合、このような溶媒は典型的には約0.5〜約1
5%、好ましくは約3〜約11%のレベルで存在する。
加えて、イソプロパノールまたはエタノールのような高揮発性溶媒は、表面へ
の組成物の“フルストレンクス”適用後に表面が洗い落とされないとき、表面か
ら組成物の速い蒸発を促進するために、本組成物で用いることができる。用いら
れる場合、揮発性溶媒は典型的には組成物中に約2〜約12%のレベルで存在す
る。
本発明の硬質表面クリーニング組成物態様は、下記例で示されている。 *N-ジエチレングリコール-N,N-イミノ二酢酸二ナトリウム**
Na4エチレンジアミン二酢酸
***ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル****
すべての処方物はpH7に調整する
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 製品pHは約7である。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
2.皿洗い組成物
本発明のもう1つの態様において、皿洗い組成物は1種以上の本発明の融合タ
ンパク質を含んでいる。本発明で用いられる“皿洗い組成物”とは、限定されな
いが、顆粒および液体形態を含めて、皿をクリーニングするためのすべての形態
の組成物に関する。本発明の皿洗い組成物態様は下記例で示されている。 製品pHは7に調整する。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
3.布帛クリーニング組成物
本発明のもう1つの態様において、布帛クリーニング組成物は1種以上の本発
明の融合タンパク質を含んでいる。本発明で用いられる“布帛クリーニング組成
物”とは、限定されないが、顆粒、液体および固形を含めて、布帛をクリーニン
グするためのすべての形態の洗剤組成物に関する。好ましい布帛クリーニング組
成物は液体形態をとるものである。
a.顆粒布帛クリーニング組成物
本発明の顆粒布帛クリーニング組成物は、有効量の1種以上の本発明の融合タ
ンパク質、好ましくは組成物の約0.001〜約10重量%、更に好ましくは約
0.005〜約5%、更に好ましくは約0.01〜約1%の活性剤を含有してい
る。1種以上の融合タンパク質に加えて、顆粒布帛クリーニング組成物は典型的
には少くとも1種の界面活性剤、1種以上のビルダーと、一部の場合には漂白剤
を含む。
本発明の顆粒布帛クリーニング組成物態様は下記例で示されている。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合タ
ンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
b.液体布帛クリーニング組成物
本発明の液体布帛クリーニング組成物は、有効量の1種以上の本発明の融合タ
ンパク質、好ましくは組成物の約0.005〜約5重量%、更に好ましくは約0
.01〜約1%の活性剤を含有している。このような液体布帛クリーニング組成
物は、典型的にはアニオン性界面活性剤、脂肪酸、水溶性洗浄ビルダーおよび水
を更に含んでいる。
本発明の液体布帛クリーニング組成物態様は下記例で示されている。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
c.固形布帛クリーニング組成物
手洗い汚れ布帛用に適した本発明の固形布帛クリーニング組成物は、有効量の
1種以上の本発明の融合タンパク質を、好ましくは組成物の約0.001〜約1
0重量%、更に好ましくは約0.01〜約1%で含有する。
本発明の固形布帛クリーニング組成物態様は下記例で示されている。 *CaCO3、タルク、クレー、シリケートなどのような好都合な物質から選択す
ることができる
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 *CaCO3、タルク、クレー、シリケートなどのような好都合な物質から選択
することができる
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
B.追加クリーニング組成物
前記の硬質表面クリーニング、皿洗いおよび布帛クリーニング組成物に加えて
、1種以上の本発明の融合タンパク質も不溶性基質の加水分解が望まれる様々な
他のクリーニング組成物中に配合してよい。このような追加クリーニング組成物
にはオーラルクリーニング組成物、義歯クリーニング組成物およびコンタクトレ
ンズクリーニング組成物があるが、それらに限定されない。
1.オーラルクリーニング組成物
本発明のもう1つの態様において、製薬上許容される量の1種以上の本発明の
融合タンパク質が歯または義歯からペプチド汚れを除去する上で有用な組成物中
に含有される。本発明で用いられる“オーラルクリーニング組成物”とは、歯磨
剤、練歯磨剤、歯磨ゲル、歯磨粉、洗口液、マウススプレー、マウスゲル、チュ
ーインガム、ロゼンジ、小包、錠剤、バイオゲル、予防ペースト、デンタル処理
液などに関する。好ましくは、オーラルクリーニング組成物は組成物の約0.0
001〜約20重量%、更に好ましくは約0.001〜約10%、更に一層好ま
しくは約0.01〜約5%の1種以上の本発明の融合タンパク質と、製薬上許容
されるキャリヤとを含んでいる。本明細書で用いられる“製薬上許容される”と
は、その用語が表す薬物、薬剤または不活性成分が、妥当な利益/危険比で釣り
合って、過度の毒性、不適合性、不安定性、刺激、アレルギー反応などなく、ヒ
トおよびそれより下等の動物の組織と接触させる使用に適していることを意味す
る。
典型的には、オーラルクリーニング組成物のオーラルクリーニング成分の製薬
上許容されるオーラルクリーニングキャリヤ成分は、通常組成物の約50〜約9
9.99重量%、好ましくは約65〜約99.99%、更に好ましくは約65〜
約99%である。
本発明のオーラルクリーニング組成物に含有させてもよい製薬上許容されるキ
ャリヤ成分と任意成分は当業者に周知である。オーラルクリーニング組成物で有
用な様々な組成タイプ、キャリヤ成分と任意成分は、1992年3月17日付で
発行されたSeibelの米国特許第5,096,700号;1991年7月2日付で
発行されたSampathkumarの米国特許第5,028,414号;1991年7月2
日付で発行されたBenedict,BushおよびSunbergの米国特許第5,028,415
号明細書に開示されており、それらすべてが参考のため本明細書に組み込まれる
。
本発明のオーラルクリーニング組成物態様は下記例に示されている。
*PEG-6=600の分子量を有するポリエチレングリコール**
J.M.Huber供給のZeodent 119として特定される沈降シリカ***
B.F.Goodrich Chemical Company供給のCarbopol****
Hercules Chemical Company供給のIotaカラゲナン
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
*L.A.DreyfusCompany供給
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
2.義歯クリーニング組成物
本発明のもう1つの態様において、口腔外で義歯をクリーニングするための義
歯クリーニング組成物は1種以上の本発明の融合タンパク質を含有している。こ
のような義歯クリーニング組成物は、有効量の1種以上の融合タンパク質、好ま
しくは組成物の約0.0001〜約50重量%、更に好ましくは約0.001〜
約35%、更に一層好ましくは約0.01〜約20%の1種以上の融合タンパク
質と、義歯クリーニングキャリアとを含んでいる。発泡錠などのような様々な義
歯クリーニング組成物フォーマットが当業界で周知であり(例えば、参考のため
本明細書に組み込まれるYoungの米国特許第5,055,305号明細書参照)
、義歯からペプチド汚れを除去する上で1種以上の融合タンパク質の配合用に通
常適している。
本発明の義歯クリーニング組成物態様は下記例で示されている。 *テトラアセチルエチレンジアミン
上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
3.コンタクトレンズクリーニング組成物
本発明のもう1つの態様において、コンタクトレンズクリーニング組成物は1
種以上の本発明の融合タンパク質を含んでいる。このようなコンタクトレンズク
リーニング組成物は、有効量の1種以上の融合タンパク質、好ましくは組成物の
約0.01〜約50重量%、更に好ましくは約0.01〜約20%、更に一層好
ましくは約1〜約5%の1種以上の融合タンパク質と、コンタクトレンズクリー
ニングキャリアとを含んでいる。錠剤、液体などのような様々なコンタクトレン
ズクリーニング組成物フォーマットが当業界で周知であり(例えば、1989年
9月5日付で発行されたDavies、MeakenおよびReesの米国特許第4,863,6
27号、1988年5月24日付で再発行されたHuth、LamおよびKiraiの米国特
許Re.第32,672号、1986年9月2日付で発行されたSchaferの米国
特許第4,609,493号、1987年9月1日付で発行されたOgunbiyiおよ
びSmithの米国特許第4,690,793号、1986年9月30日付で発行さ
れたOgunbiyi、RiedhammerおよびSmithの米国特許第4,614,549号、1
981年8月25日付で発行されたOgataの米国特許第4,285,738号明
細書参照;それら各々が参考のため本明細書に組み込まれる)、コンタクトレン
ズからペプチド汚れを除去する上で1種以上の本発明の融合タンパク質の配合用
に通常適している。
本発明のコンタクトレンズクリーニング組成物態様は下記例で示されている。 上記例において、列挙されたまたは特許請求の範囲に記載されたいずれの融合
タンパク質も、実質上同様の結果で上記融合タンパク質に置き代わる。
例95
例7のように作製された1×10-8のKi値を有するインヒビターを、例61
による液体クリーニング組成物に用いる。組成物の特徴付けでは、その組成物が
1月後に85%以上のプロテアーゼ活性を有することを示している。
標準量と温水を用いた標準洗濯機での使用に際して、野生型インヒビターおよ
び標準プロテアーゼを用いた点のみが異なる同様の組成物と比較し、それは改善
された汚れ除去性を示す。
この出願で引用されたすべての参考文献は、参考のため本明細書に組み込まれ
る。
当業界で知られているように、DNAおよびアミノ酸配列決定法には時々誤り
がある。そのため、寄託物質でコードされた配列も参考のため本明細書の開示に
含まれ、本発明の記載でみられる配列に誤りがあれば訂正される。当業者であれ
ば、記載された開示から本発明者らの研究を再現しようとしたときに、ルーチン
技法を用いて配列決定エラーをみつけうることが、更に注記される。ATCCN
o.69954、69955および98025の寄託があったからといって、寄
託物質が本発明の実施にとり必須であることの承認としてみなされるわけではな
い。
本発明の具体的態様が記載されてきたが、本発明の様々な変更および修正が本
発明の精神および範囲から逸脱せずに行えることは当業者にとり明らかであろう
。本発明の範囲内に属するすべてのこのような修正を、添付された請求の範囲で
は包含していると考えられる。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
// C11D 3/386 C12N 15/00 ZNAA
(72)発明者 ジェームズ、マイケル、アームプライスタ
ー
アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チ
ェスター、インディアン、トレイル、コー
ト、6101
(72)発明者 ロバート、スコット、ヤンキスト
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
テニソン、ドライブ、11786