JP2000504931A - ウトロピン遺伝子の発現 - Google Patents

ウトロピン遺伝子の発現

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Abstract

(57)【要約】 ウトロピン機能を有するポリペプチドが発現され得る核酸、特にミニ−遺伝子及びキメラ構造体が供給される。発現は、動物モデルにおいてジストロフィー筋肉表現型の重度を有意に減じ、これは筋ジストロフィーの処置に有用であることを示す。核酸及びコードされたポリペプチドはまた、アクチン及び/又はジストロピンタンパク質複合体に結合するウトロピンを変性するための物質についてのスクリーニングにおいても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 ウトロピン遺伝子の発現 本発明は一般的に、ウトロピン(utrophin)機能を有するポリペプチドを発現 させ得る核酸、特にミニ−遺伝子及びキメラ構造体の提供に関する。ウトロピン トランスジーンの発現は、動物モデルにおいてジストロフィー筋肉表現型の重症 度を有意に減じる。 重度の筋消耗障害、Duchenne筋ジストロフィー(DMD)及び低い消耗性のBecker 筋ジストロフィー(BMD)は、ジストロピン(dystrophin)遺伝子における突然変 異によるものである。ジストロピンは、筋細胞膜、神経筋接合部(NMJ)及び筋鍵 接合部(MTJ)の細胞質表面に位置する大きな細胞骨格タンパク質である。前記タ ンパク質は次の4つのドメインから構成される:アクチン−結合ドメイン(アク チンを結合することがインビトロで示されている)、3個のらせん形反復体を含 む棒状ドメイン、システインに富む(CR)ドメイン、及びカルボキシ−末端(CT )ドメイン。CRCTの大部分は、筋細胞膜にわたる、タンパク質及び糖タンパク質 の複合体(ジストロピンタンパク質複合体、DPCと呼ばれる)に結合する。この 複合体は、細胞骨格シントロピン及びジストロブレビン、トランスメンブラン、 β−ジストログリカン、α−,β−δ−,γ−サルコグリカン及び細胞外α−ジ ストログリカンから成る。DPCは、細胞外マトリックスにおけるラミニン−α2 (メロシン)に、及び細胞内のジストロピンを通してアクチン細胞骨格に結合す る。ジストロピン機能の欠失、又は障害によるDPCの統合の分解は、筋肉退化及 びDMD表現型を導びく。ジストロピンの構造及びDPC内のタンパク質相互作用は最 近、総説されている〔1,2,3〕。 DMDの遺伝子療法のために採用され得る種々のアプローチが存在する。それら は、筋芽細胞トランスファー、レトロウィルス感染、アデノウィルス感染、及び プラスミドDNAの直接的な注入を包含する。ほとんどの場合、その実験に使用さ れるジストロピン遺伝子は、完全な大きさのタンパク質の大きさの約半分が切断 されたタンパク質を生成する。このジストロピンミニ遺伝子は、ひじょうに軽い Becker患者において同定される天然の突然変異に基づいてモデル化された〔4〕 。この切断されたミニ遺伝子のクローン化されたバージョンは、ジストロピン欠 失mdxマウスにおいて病理学的表現型を逆転することができ〔5,6,7〕、そ してウィルスベクターによりmdx筋肉に供給される場合、制限された成功をもた らした〔8,9,10〕。いくらかの進歩は、モデルシステムとしてmdxマウスを 用いて、それらの個々の分野においてなされているが、ジストロピンを陽性にす る筋肉細胞の数、遺伝子の発現のレベル、及び発現の期間に関する問題が存在す る〔11〕。取り組まれるべきもう1つの問題は、免疫学的不耐性のために、ジス トロピンを発現する細胞の拒絶であり、すなわちそれらの細胞内のジストロピン が、ほとんどのDMD患者がジストロピンを決っして発現していない場合、宿主免 疫系に対して外来性になるであろう〔12,13〕。 それらの問題のいくつかを回避するためには、関連するタンパク質、すなわち ウトロピンを用いてジシトロピン損失を補足する可能性が調査された。 ウトロピンは、染色体6q24上に位置する遺伝子によりコードされる395kDaのタ ンパク質であり、そしてジストロピンに対して強い配列類似性を有することが示 されている〔14〕。ジストロピン及びウトロピンのアクチン結合ドメインは85% の類似性を有し、そしてDPC結合領域は88%の類似性を有する。それらのドメイ ンの両者は、 インビトロで予測されるように機能することが示されている。その構造及び可能 性あるタンパク質の相互作用は、総説に詳細に記載されている〔1,2,3〕。 ウトロピンが筋細胞膜に局在化することができることを示す実質的な一連の証 拠が存在する。正常な胎児の筋肉成長の間、それぞれヒト及びマウスにおける18 週及び20日間の妊娠まで、筋細胞膜に局在化する、高められたウトロピン発現が 存在する。この時期の後、ウトロピン筋細胞膜染色が、ウトロピンがNMJ及びMTJ にほとんど独占的に局在化する出生の直前、有意に低い成人レベルまで一定して 低下する〔15,16,17〕。ウトロピン発現の低下は、ジストロピンの高められた 発現と同時発生する〔17〕。多くの研究は、ウトロピンがDMD及びBMD患者におけ る筋細胞膜に結合されていることを示している。しかしながら、筋細胞膜に局在 化されるウトロピンのレベルは、報告ごとに異なっている〔18,19,20,21〕。 他のいくつかの非Xp21筋障害においては、ウトロピン及びジストロピンは、成人 の骨格筋の筋細胞膜に同時に結合されている〔22〕。 高レベルのウトロピンが、ジストロピン欠失の結果から筋肉を保護することが できる。Matsumaraなど.〔23〕は、mdxマウスからの精製された膜がウトロピン 及びDPCの複合体を含むことを示した。それらのマウスからの四頭筋(壊死を示 す)がイムノブロットにより分析される場合、ウトロピンのレベルはほぼ同じに 存続したが、しかしながら、α−ジストログリカンのレベルは激的に減じられた 。心筋(病理学を示さない)においては、ウトロピンのレベルは4倍、高められ 、そしてα−ジストログリカンの損失は存在しなかった。また、病理学を有さな い他のmdx小内径骨格筋(眼球外及び足指)の免疫細胞学的分析は、高められた ウトロピン発現及び通常レベルのα−サルコグリカンを示す。この結果は、高め られたレベ ルのウトロピンが、筋細胞膜でDPC(又は抗原的に関連する複合体)と相互作用 し、そして前記複合体の損失を妨げ、従ってそれらの細胞の構造体は正常のまま 存続することを示す。mdxマウスにおいては、筋肉におけるウトロピンレベルは 、正常なマウスと比較して、生後すぐに高められたまま存続し;しかしながら、 ウトロピンレベルが成人レベル(生後、約1週目)に低下するとすぐに、筋繊維 壊死の最初の徴候が検出される〔15,16〕。 従って、ある環境下で、ウトロピンは、たぶんシストロピン、すなわちアクチ ン及びDPCと同じ結合部位で筋細胞膜に局在化することができる。ウトロピンの 発現が十分に高い場合、それはDPCを維持することができ、そして従ってDMD表現 型を緩和する。そのような外部アップレギュレーションが確実に制御され、細胞 内のウトロピンのレベルを可能性ある高レベルに高めることはありそうもない。 しかしながら、これは、Coxなど.〔24〕が、トランスジェニックmdxマウスの筋 肉におけるジストロピンの全体的過剰発現が、明白な有害副作用を伴わないで、 筋肉病理学を正常に転じることを示しているので、問題ではないかも知れない。 本発明は、種々の種からのウトロピン及びそのフラグメントをコードする核酸 のクローニングから発生する。最初の目的は、ヒトウトロピンをコードする核酸 をクローン化することであったが、しかし主要問題が遭遇した。これまでの文献 (14)は、オーバーラップするcDNAのクローニングにより得られる、ウトロピン (いわゆる、“ジストロピン関連タンパク質”)のアミノ酸配列を報告している 。しかしながら、アミノ末端アクチン結合ドメインのまわりの2つの領域が、そ れらのクローンに表わされなかった。それらの領域は、PCRにより増幅され、そ して配列決定されたが、しかしそれらをクローン化することは可能でないことが わかった。それらの領域を 含むべきであったいづれかのクローンが再配列され(制限マッピングにより決定 されるように)、又は単純に、クローンは、高い組換え欠失性E.コリ宿主株(S URE及びSTBL2)が使用される場合でさえ、単離されなかった。配列におけるギャ ップが、公開されたヒトジストロピン配列とウトロピンcDNAから生成された配列 とを比較することによって同定された。追加のウトロピンクローンが単離される 場合、それらの2つのギャップは少しも広がらなかったことが明らかになった。 ヒトcDNAのアミノ末端から得られた配列の情報がプローブを企画するために使 用され、そしてラット及びマウスcDNAライブラリーがスクリーンされた。ラット cDNAはまた、ヒト配列におけるクローン化できない領域に対応する領域において 不安定性であり、又は再配置されなかった。それらの領域を包含するいくつかの 大きなラットクローンが得られたが、しかしサブクローンを生成するためのすべ ての試みは、制限マッピングにより決定される場合、挿入体の再配列のために失 敗した。驚くべきことには、ヒト及びラット配列に関する困難性を考慮して、問 題の領域を包含する、マウスライブラリーからのcDNAは、安定性であり、且つ、 より小さなサブクローンの生成を包含するさらなる操作を行いやすいことが見出 された。 図1は、それぞれのタンパク質のアミノ末端部分の一部をコードする、ヒト、 ラット及びマウスウトロピンヌクレオチド配列間の比較を示す。ヒト遺伝子のヌ クレオチド領域は、下線が引かれている。 このクローニング操作は、ウトロピン機能を有するポリペプチドが発現され得 る核酸分子の構成を最初に可能にする。 さらに、ジストロピンミニ−遺伝子(これから、ジストロピンの切断されたバ ージョンが発現される)により達成される好結果との 類似性のために、本発明は、“ウトロピンミニ−遺伝子”及びそれによりコード されるポリペプチドを供給する。ヒトウトロピン遺伝子配列の領域の非クローン 化性の問題を克服するために、本発明は、ウトロピン機能を有するポリペプチド の発現を提供するためにキメラ構造体におけるマウスウトロピン遺伝子に由来す るヌクレオチドの配列を使用することが可能であることを実現した。 本発明の第1の観点によれば、ウトロピン機能を有するポリペプチドをコード するヌクレオチドの配列を含んで成る核酸分子が供給される。 ウトロピン機能を有するポリペプチドは、アクチンを結合することができ、そ してジストロピンタンパク質複合体(DPC)を結合することができる。 ウトロピン機能を有するポリペプチドは一般的に、ジストロピンポリペプチド から免疫学的に区別できる。たとえば、それらは、ジストロピンに見出されない 少なくとも1つのエピトープを含んで成る。ウトロピン機能を有するポリペプチ ドは、ジストロピンと交差反応しない特定のポリクローナル又はモノクローナル 抗体を用いて同定され得る。ポリペプチドがアクチンを結合することができ、そ してジストロピンタンパク質複合体を結合することができ、そして少なくとも1 つの抗体が、ジストロピンを結合することができないポリペプチドを結合するこ とができる場合、前記ポリペプチドはウトロピン機能を有する。好ましい態様に おいては、ポリペプチドは、ウトロピンを結合するが、しかしジストロピンを結 合しない抗体により結合され得、換言すれば、ポリペプチドは、そのエピトープ がジストロピンに見出されないウトロピンと少なくとも1つのエピトープを共有 する。もう1つの態様においては、ポリペプチドは、ジストロピンを結合する抗 体により結合されないように、ジストロ ピンに見出されるエピトープを含まない。そのような場合、ジストロピンを結合 する抗体により認識されるエピトープは、ウトロピンに見出され得ない。ポリペ プチドは、ジストロピンに見出されるエピトープを含むことができない。免疫学 的比較が、特にウトロピン機能を有するポリペプチドがヒト使用のために意図さ れる場合、ヒトウトロピン及び/又はジストロピンにより、又はその使用が意図 される種、たとえばマウスのウトロピン及び/又はジストロピンにより行なわれ 得る。マウスモノクローナル抗体MANCHO7及びMANNUT1〔31〕が、本明細書に記載 される研究に使用された。標準のインビトロ結合アッセイが、ポリペプチドの免 疫学的交差−反応性を評価するために使用され得る。 従って、ポリペプチドは、アクチン−結合ドメイン及びジストロピンタンパク 質複合体(DPC)−結合ドメイン、並びに、たとえば免疫学的に決定される場合、 ジストロピン様分子に対立するものとしてウトロピン様分子を含んで成る。 好ましくは、コード配列は、ヒト配列、すなわちヒト細胞のゲノムから得られ る配列を含んで成る。 種々のアミノ酸配列の比較は、次の%類似性(Winsconsin Package vB,Genet ics Computer Group,575 Science Drive,Madison,Wisconsin 53711,USAから のGAPプログラムを用いて行なわれる、Needleman and Wunsch(1974)J.Mol.Bio l.48:443-453の方法を用いて計算された)及び同一性を示す: −十分な長さのヒトジストロピン対ヒトウトロピン、69%の類似 性、50.7%の同一性; −十分な長さのヒトウトロピン対ラットウトロピン、93.2%の類 似性、87.1%の同一性; −十分な長さのヒトジストロピン対マウスジストロピン、95.4% の類似性、91.2%の同一性; −ヒトジストロピンC−末端対ヒトウトロピンC−末端、84.1% の類似性、73.6%の同一性。 示されるように、本発明は、“ジストロピン様”分子ではなく、“ウトロピン 様”分子のみに関する。従って、本発明のポリペプチド(たとえば、本発明の核 酸によりコードされるような)は、完全な長さに対して取られる場合、図3のア ミノ酸配列又は図9のアミノ酸配列に対して約75%以上の類似性、好ましくは約 80%、約85%、約90%、約95%又は約98%以上の類似性を有するアミノ酸配列を 有することができる。前記ポリペプチドは、完全な長さに対して、約55%以上の 同一性、好ましくは、約60%以上の同一性、約70%、約80%、約90%、約95%又 は約98%の同一性のアミノ酸同一性を有することができる。類似性及び/又は同 一性のレベルは、C−末端CDP−結合ドメイン外で低いが、但し前記DPC−結合ド メインは、図3又は図9のDPC−結合ドメインアミノ酸配列に対して約85%以上 の類似性、好ましくは約90%以上、約95%又は約98%の類似性を有し、又は図3 又は図9のDPC−結合ドメインアミノ酸配列に対して、約80%以上、好ましくは 約85%以上、約90%、約95%又は約98%の同一性を有する。特定のアミノ酸配列 変異体又は誘導体は、1個のアミノ酸、2,3,4,5〜10,10〜20,20〜30, 30〜50,50〜100,100〜150、又は150個以上のアミノ酸の1又は複数の挿入、付 加、置換又は欠失により、図3又は図9の配列とは異なる配列を有することがで きる。 この核酸は、単離体であり、あるいは単離された及び/又は精製された形態で あり、それが天然に存在する環境中にはなく、その天然環境から取り出されてい る。それは、例えば、他のポリペプチドをコードする同一種から得られる他の核 酸を含有しない。 核酸分子は、天然に見出されない分子であり得る。たとえば、ヌクレオチドの 配列は、下記でさらに論ぜられるように、クローニングベクター及び/又は発現 ベクターの一部を形成することができる。ヌクレオチドの配列は、天然の配列に 対して1又は複数のヌクレオチドの付加、挿入、欠失及び/又は置換を含んで成 ることによって、天然に存在する配列の変異体又は誘導体を表わすことができる が、但し、好ましくは、コードされたポリヌクレオチドは特定の特徴を有する。 1又は複数のヌクレオチドの付加、挿入、欠失及び/又は置換は、遺伝子コード に依存して、コードされたアミノ酸配列における変更に影響されても又はされな くても良い。 好ましくは、核酸分子は、“ミニ−遺伝子”であり、すなわちコードされるポ リペプチドは、完全な長さのウトロピンに対応しないが、しかしむしろ、より短 い切断されたバージョンである。たとえば、ポリペプチドがアクチン−結合ドメ イン及びDPC−結合ドメインを含んで成るが、しかし天然に存在するウトロピン よりも短いように、棒状ドメインの一部又はすべてを失うことができる。完全な 長さのウトロピン遺伝子においては、アクチン−結合ドメインはヌクレオチド1 〜739によりコードされるが、しかしDPC−結合ドメイン(CRCT)はヌクレオチド 8499−10301によりコードされる(ここで、1は翻訳の開始を表わす;図2A) 。本発明のミニ−遺伝子によりコードされるポリペプチドにおけるそれぞれのド メインは、完全な長さのコード配列におけるそれらのヌクレオチドにコードされ るアミノ酸に対応するアミノ酸を含むことができる。 ジストロピンミニ−遺伝子は、動物モデルにおいて活性的であることが示され た(論ぜられるように)。完全な長さのウトロピン分子又はその誘導体をコード する配列に対するミニ−遺伝子の利点は、供給及び発現のために、ベクター、た とえばアデノウィルス及び レトロウィルスベクターにおいてより容易な操作及び封入を包含する。 特定の特徴を有するポリペプチドをコードする、さらに好ましい天然に存在し ない分子はキメラ構造体であり、ここでそのコード配列は、1種の哺乳類、好ま しくはヒト(“ヒト配列”)から得られる配列、及び他の哺乳類、好ましくはマ ウス(“マウス配列”)から得られる配列を含んで成る。そのようなキメラ構造 体はもちろん、それが由来する親哺乳類配列に関して、1又は複数のヌクレオチ ドの付加、挿入、置換及び/又は欠失を含んで成る。好ましくは、アクチン結合 ドメインをコードするコード配列の一部は、マウス又は他の非ヒト哺乳類から得 られるヌクレオチドの配列、又はマウス、又は他の非ヒト哺乳類から得られる配 列に由来するヌクレオチドの配列を含んで成る。 好ましい態様において、ポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列は、残 基331−337で配列GAGGCAC、及び/又は残基1453−1475で配列GATTGTGGATGAAAACA GTGGG(開始コドンATGからの従来の番号づけを用いて)、及びヒトから得られる 配列を含んで成る。 核酸分子は、図1に示されるアミノ酸の配列をコードするヌクレオチド配列を 含んで成る。論ぜられるように、そのコード配列は、キメラ性であり、すなわち 異なった種からのヌクレオチドの配列、たとえばヒトからか、又はヒトに由来で きる配列、及びマウス又は他の非ヒト哺乳類からか又はそれに由来できる配列を 含んで成る。 本発明の配列をコードするキメラ性ミニ−遺伝子は図3に示されている。本発 明の好ましい態様は、アクチン−結合ドメイン及びDPC−結合ドメインを有し、 そして図3に示されるヌクレオチドの配列によりコードされるアミノ酸配列を含 んで成るポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列を含んで成る核酸分子、 1又は複数の アミノ酸の付加、置換、挿入及び/又は欠失によるそのようなポリペプチドの変 異体、対立遺伝子又は誘導体をコードするヌクレオチドの配列を含んで成る核酸 分子、及び図3に示されるヌクレオチドの配列によりコードされるアミノ酸配列 に対してそのコードされたアミノ酸配列の変更を伴って又は変更を伴わないで、 1又は複数のヌクレオチドの付加、置換、挿入及び/又は欠失による、図3に示 される配列の変異体、対立遺伝子又は誘導体であるヌクレオチドの配列を含んで 成る核酸分子を包含する。但し、コードされたポリペプチドは、たとえば論ぜら れるように免疫学的に決定される場合、“ジストロピン様”であるよりもむしろ “ウトロピン様”である。 図3の配列の1つの特定の変異体又は誘導体は、図3のミニ−遺伝子に包含さ れない棒状ドメイン配列を含む、“完全な長さ”のウトロピン構造体である、図 9に示されるような配列を有する。 図3及び図9の配列は、正確な残基が未決定のまま残されているいくつかの位 置を含む(ヌクレオチド配列においては“N”及びアミノ酸配列においては“X ”により示される)。この領域におけるヒト、マウス及びラットウトロピン配列 の比較(図10)は、ヒト及びラットアミノ酸配列がここに絶対的に保存されてい ることを示す。従って、図3及び9における12個の“X′”は、アミノ酸配列DK KSIIMYLTSLを表わすことができる。代わりに、本明細書における変異体及び誘導 体の議論によれば、本発明のポリペプチド(本発明の核酸によりコードされるよ うな)は、図3及び9におけるX’により示される位置において、配列DKKSIIMY LTSLの1又は複数のアミノ酸の1又は複数の挿入、付加、置換又は欠失による変 異体又は誘導体配列を包含することができる。 本発明の核酸は、図1,3又は9に示される配列の情報に基づいて企画された 配列を有する1又は複数のオリゴ−又はポリ−ヌクレ オチドにより、標的細胞(たとえば、ヒト、マウス、ラット)の核酸をハイブリ ダイズすることによって得られる。従って、完全なマウス配列、又は図3及び図 9におけるX’により示される領域における配列は、本明細書に提供される配列 の情報(たとえば図1)を用いて、プロービング又はPCRにより得ることができ る。 本発明の核酸は、コドン使用法又は統計学的分析に基づいて、図1,3又は9 に示される核酸配列の1又は複数のフラグメント、特に比較的まれな配列のフラ グメントによりハイブリダイズするよう企画された1又は複数のオリゴヌクレオ チドプローブ又はプライマーを用いて得ることができる。提供されるアミノ酸配 列情報は、変性プローブ/プライマ一又は“長い”プローブの企画に使用され得 る。核酸配列のフラグメントとハイブリダイズするよう企画されたプライマーは 、標的核酸がクローン化されているクローニングベクターにおける、又はライブ ラリーにおけるcDNAがオリゴヌクレオチドリンカーに連結され、そしてPCRが、 図に示される配列とハイブリダイズするプライマー及びオリゴヌクレオチドリン カーにハイブリダイズするプライマーを用いて実施される、いわゆる“RACE”(c DNA末端の急速な増幅)における、配列にハイブリダイズするよう企画された1又 は複数のオリゴヌクレオチドと共に使用され得る。 1又は複数の細胞(たとえばヒト、マウス)から単離され、そして/又は精製 された核酸、又は細胞から単離され、そして/又は精製された核酸に由来する核 酸ライブラリー(たとえば、細胞から単離されたmRNAに由来するcDNAライブラリ ー)は、選択ハイブリダイゼーションのための条件下でプローブされ、そして/ 又は特定の核酸増幅反応、たとえばポリメラーゼ鎖反応(PCR)にゆだねられ得る 。 方法は、標的核酸への1又は複数(たとえば2種)のプローブ又 はプライマーのハイブリダイゼーションを包含することができる。核酸が二本鎖 DNAである場合、一本鎖DNAを生成するためには、変性が一般的にハイブリダイゼ ーションを先行するであろう。ハイブリダイゼーションは、PCR方法の一部とし て、又はPCRを包含しないプロービング方法の一部として存在することができる 。典型的な方法は、PCR及び低い緊縮性のハイブリダイゼーションの組合せであ る。当業者に入手できる多くの方法から選択されたスクリーニング方法は、好結 果をもたらすハイブリダイゼーション現象及び単離された、ハイブリダイズされ た核酸を同定するために使用される。 プロービングは、標準のサザンブロット技法を用いることができる。たとえば 、DNAが細胞から抽出し、そして異なった制限酵素により消化され得る。次に、 制限フラグメントが、アガロースゲル上での電気泳動により分離され、その後、 変性され、そしてニトロセルロースフィルター上に移される。ラベルされたプロ ーブがフィルター上でDNAフラグメントにハイブリダイズされ、そして結合決定 され得る。プロービングのためのDNAは、細胞からのRNA調製物から調製され得る 。 予備実験が、制限酵素により消化されたDNAのサザンブロットに種々のプロー ブを低い緊縮条件下でハイブリダイズすることによって行なわれ得る。適切な条 件は、多数のハイブリダイズするフラグメントが得られ、且つバックグラウンド ハイブリダイゼーションが低い場合に達成される。それらの条件を用いて、核酸 ライブラリー、たとえば発現された配列を表わすcDNAライブラリーが研究され得 る。 完全な長さのコード配列を生成するためには、連結されるべき1又は複数の遺 伝子フラグメントが必要である。また、完全な長さのコード核酸分子が得られて いない場合、その完全な分子の一部を表 わすより小さな分子が、完全な長さのクローンを得るために使用され得る。挿入 体は、部分的なcDNAクローンから調製され、そしてcDNAライブラリーをスクリー ンするために使用され得る。 当業者は、要因、たとえばオリゴヌクレオチドの長さ及び塩基組成、温度及び 同様のものを考慮して、選択ハイブリダイゼーションのための所望する緊縮性の 適切な条件を十分に使用することができる。 種々の異なった宿主細胞におけるポリペプチドのクローニング及び発現のため のシステムは良く知られている。適切な宿主細胞は、細菌、哺乳類細胞、酵母及 びバキュロウィルス系を包含する。異種ポリペプチドの発現のために当業界にお いて入手できる哺乳類細胞系は、チャイニーズハムスターの卵巣細胞、HeLa細胞 、子供のハムスター腎細胞及び多くの他の細胞を包含する。通常の好ましい細菌 宿主は、E.コリである。 本発明の核酸は、クローニングベクター、及び/又はコードされたポリペプチ ドが発現され得るべクターの一部を形成することができる。適切な、及び適切に 位置する調節配列、たとえばプロモーター配列、ターミネーターフラグメト、ポ リアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及び適切な他の配列を含 む適切なベクターが選択され、又は構成され得る。ベクターは、適切な場合、プ ラスミド、ウィルス、たとえばファージ、又はファージミド(phargemid)であり 得る。さらなる詳細のためには、たとえば、Molecular Cloning:a Laboratory Manual:2nd edition,Sambrookなど.,1989,Cold Spring Horbor Laboratory Pressを参照のこと。たとえば核酸構造体の調製、突然変異誘発、配列決定、細 胞中へのDNAの導入及び遺伝子発現、及びタンパク質の分析における核酸の操作 のための多くの既知の技法及びプロトコールは、Short Protocols in Molecular Biology,Second Edition,Ausubelなど.eds.,John Wiley & So ns,1992に詳細に記載されている。Sambrookなど.及びAusubelなど.の開示は 、引用により本明細書に組込まれる。 従って、本発明のさらなる観点は、本明細書に開示されるような核酸を含む宿 主細胞を提供する。さらに追加の観点は、そのような核酸を宿主細胞中に導入す ることを含んで成る方法を提供する。前記導入は、いづれの利用できる技法でも 使用できる。真核細胞のためには、適切な技法は、レトロウィルス、又は他のウ ィルス、たとえばワクシニアを用いて(又は昆中細胞のためには、バキュロウィ ルスを用いて)の、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-Dextran、エ レクトロポレーション、リポソーム−介在トランスフェクション及びトランスダ クションを包含することができる。細菌細胞のためには、適切な技法は、バクテ リオファージを用いての、塩化カルシウム形質転換、エレクトロポレーション及 びトランスフェクションを包含することができる。 導入に続いて、たとえば遺伝子の発現のための条件下で宿主細胞を培養するこ とによって、核酸からの発現が引き起こされ又は可能にされる。 1つの態様において、本発明の核酸は、宿主細胞のゲノム(たとえば染色体) 中に組込まれる。組込みは、標準の技法に従って、前記ゲノムとの組換えを促進 する配列の包含により促進され得る。 本発明はまた、提供されるような宿主細胞を含んで成る、哺乳類、たとえばヒ ト、霊長類、ゲッ歯動物、好ましくはラット又はマウス、及びそのような哺乳類 の生成及び使用方法を提供する。哺乳類は、非ヒトであり得る。トランスジェニ ック動物、特にマウスは、いづれかの利用できる技法を用いて生成され得る。ジ ストロピン性 表現型を有するmdxマウス又は他の動物が、研究のために特に適切である。 核酸によりコードされるポリペプチドは、インビトロ、たとえば細胞フリーの システム又は培養された細胞において、又はインビボにおいて前記核酸から発現 され得る。インビトロ発現は、アクチン及び/又はDPCに結合するポリペプチド の能力を決定することにおいて有用であり得る。これは、それらの結合活性の1 つ又は両者を調節することができる物質についての試験又はスクリーニングにお いて有用であり得る。特に、ポリペプチドのアクチン及び/又はDPC結合を高め ることができる物質は、可能性ある医薬/治療活用のために利用できる分子のレ パートリーに添加するであろう。そのためのコードする核酸からのポリペプチド の発現に続いて、ポリペプチドの結合活性の1つ又は両者のモジュレーターとし て同定されるそのような物質がさらに研究され、そして製造され、そして/又は 続いて個人に投与され得る、薬剤、医薬組成物又は薬物の調製に使用され得る。 インビボ発現は、下記においてさらに論ぜられる。 本発明のさらなる観点によれば、ウトロピン機能(ウトロピン自体以外の)を 有するポリペプチドが供給される。そのようなポリペプチドは、アクチン−結合 ドメイン及びDPC−結合ドメインを含んで成り、そしてジストロピン様よりもむ しろウトロピン様として免疫学的に認識でき、すなわち論ぜられるように、天然 に存在するポリペプチドではない。そのポリペプチドは、本発明の核酸によりコ ードされるものとして上記で論ぜられたいづれかのものであり得る。特に、ポリ ペプチドは、たとえば、棒状ドメインのすべて又は一部を欠くことにより天然に 存在する完全な長さのウトロピンよりも短い。アクチン−結合及びDPC−結合ド メインは、ヒト、マウス又は他の非ヒトウトロピンのものに対応することができ 、又は1又は 複数のアミノ酸の付加、置換、挿入及び/又は欠失によりそれらに由来すること ができる。ポリペプチドは、論ぜられるように、異なった種、たとえばヒト及び マウスからの又はそれに由来するアミノ酸の配列を含んで成るキメラ性であり得 る。 本発明のポリペプチドを生成するための便利な手段は、それをコードする核酸 を発現することである。従って、コード核酸からの発現によりそのようなポリペ プチドを製造するための方法は、インビトロ、たとえば細胞フリーシステムにお いて、又は発現のための適切な条件下で宿主細胞を培養することにより、又はイ ンビボにおいて、本発明により提供される。 本発明のポリペプチド及び核酸は、ポリペプチド、筋ジストロフィー及びその 治療の研究のためのモデルとして、個人、たとえば筋ジストロフィーを有するヒ ト又は非ヒト哺乳類、たとえばマウスへの供給のための、薬剤、組成物、たとえ ば医薬製剤、及び薬物の製造に使用され得る。 たとえば、本発明に従ってヒト又は動物本体に対して実施される処理方法は、 本明細書に開示されるようなポリペプチドをコードする核酸の個人への投与を含 んで成る。核酸は、個人の細胞内での発現を可能にする構造体の一部を形成する ことができる。核酸は、レトロウィルスベクター、好ましくは細胞を形質転換し ないであろうベクターを用いて、又はリポソーム技法を用いて、細胞中に導入さ れ得る。 投与は、好ましくは、“治療的有効量”で存在し、これは患者に対する有益性 を示すために十分な量である。そのような有益性は、少なくとも1つの徴候の少 なくとも改善であり得る。投与される実際の量、及び投与の速度及び時間は、処 理されるものの性質及び重度に依存するであろう。処置の処方、たとえば用量等 の決定は、一 般的な開業医及び他の医師の責任内にある。 組成物は、単独で又は他の処置と組合して、処置されるべき条件に依存して、 同時に又は連続的に投与され得る。 本発明の及び本発明に従って使用するための医薬組成物は、活性成分の他に、 医薬的に許容できる賦形剤、キャリヤー、緩衝液、安定剤又は当業者に良く知ら れている他の材料を含むことができる。そのような材料は、非毒性であるべきで あり、そして活性成分の効能を妨害すべきではない。キャリヤー又は他の材料の 正確な性質は、経口、又は注射、たとえば皮膚、皮下又は静脈内注射であり得る 、投与の経路に依存するであろう。 経口投与のための医薬組成物は、錠剤、カプセル、粉末又は液体形で存在する ことができる。錠剤は、固体キャリヤー、たとえばゼラチン又はアジュバントを 含むことができる。液体医薬組成物は一般的に、液体キャリヤーたとえば水、石 油、動物又は植物油、鉱油又は合成油を含んで成る。生理食塩水、デキストロー ス又は他の糖溶液、又はグリコール、たとえばエチレングリコール、プロピレン グリコール、又はポリエチレングリコールが含まれ得る。 静脈内、皮膚又は皮下注射、又は病巣の部位での注射のためには、活性成分は 、発熱物質を有さず、そして安定したpH、等張性及び安定性を有する、非経口的 に許容できる水溶液の形で存在することができる。当業者は、たとえば等張ビー クル、たとえば塩化ナトリウム注射剤、リンガー注射剤、乳酸塩化されたリンガ ー注射剤を用いて適切な溶液を十分に調製することができる。保存剤、安定剤、 緩衝液、酸化防止剤及び/又は他の添加剤が、必要に応じて含まれ得る。 注射は、疾病部位に核酸を供給するために使用され得る。内部的には、適切な 画像化装置が、所望する部位に注射針を案内するため に使用され得る。 本体から細胞を除去し、それらを処理し、次に本体にそれらを戻すこと、又は 個人から除去された細胞に由来する細胞を投与することが所望される。これは、 たとえば、筋肉幹細胞が単離され得る場合、適切であり得る。筋肉前駆体細胞( “mpc”)は、mdxマウスにおける細胞治療に使用されて来ており、ここで正常な mpcの移植が実質的な量のジストロピンを生ぜしめた〔25,26,27〕。免疫抑制 は、細胞移植方法の成功を高める〔13〕。筋芽細胞が、組織培養における増殖す る筋原細胞中にミニ−ジストロピン構造体を導入するために複製−欠損性レトロ ウィルスベクターを用いて示されたように、成長又は修復の間、筋繊維中に遺伝 子を導入するために使用され得る〔28〕。 従って、培養における細胞は、患者における筋肉中に細胞が移植される前、そ れらの中に導入された本発明の核酸を有することができる。ドナー中への細胞の 戻し移植は、遺伝的に正しくされた自己由来の移植片の利点を有する。核酸は、 トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、 リポソーム、リポフェクチング、又は裸のDNA又はRNAを用いて、又はいづれか他 の適切な技法を用いて、細胞中に局部的に導入され得る。 レトロウィルスベクターはまた、ジストロピン−陽性繊維を生成するためにmd xマウスの自発的に再生する筋肉の筋芽細胞中にジストロピンミニ−遺伝子を導 入するためにも使用されて来た〔8〕。組換え複製欠損性アデノウィルスは、持 続した発現のために骨格筋繊維中に構造体を導入する効果的な手段として特に効 果的であるように見える〔29〕。筋芽細胞に基づく遺伝子療法のレビューのため には、参照文献11を参照のこと。 アデノウィルス、レトロウィルス又は他のウィルスベクターは、 筋肉細胞中への本発明のウトロピン配列の導入のために都合良く使用され得る。 インビボトランスダクションが増殖する又は再生する筋肉繊維に制限されても、 レトロウィルス的に導入された構造体は、宿主細胞のゲノム中に組込まれるよう になる利点を有し、すなわち終生の発現を潜在的に付与する。 リポソームは、骨格働への核酸構造体の供給のためのビークルとして使用され 得る。カチオン性リポソームにおける構造体の静脈内注射は、骨格筋を含むほと んどの組織の広いトランスフェクションをもたらして来た〔30〕。免疫原性の欠 失は、反復された投与を可能にし、そして組織特異性の欠失は、発現を駆動する ための筋肉−特異的プロモーターを選択することによって適応され得る。 ジストロピン及び関連するポリペプチドとウトロピン機能を有するポリペプチ ドとを区別することへの使用のためには、抗体は当業界において標準である技法 を用いて得られる。抗体を生成するための方法は、前記タンパク質又はそのフラ グメント、又は前記タンパク質又はフラグメントを発現する細胞又はウィルスに より哺乳類(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、馬、ヤギ、羊又はモンキー) を免疫化することを包含する。標的ポリペプチドをコードするDNAによる免疫化 はまた、可能である(たとえば、Wolff、など.Science 247:1465-1468(1990 );Tang、など.Nature 356:152-154(1992);Ulmer J B,など.Science 259 :1745-1749(1993)を参照のこと)。抗体は、当業界において知られている種々 の技法のいづれかを用いて、免疫化された動物から得られ、そして好ましくは、 興味ある抗原に対する抗体の結合を用いて、スクリーンされ得る。たとえば、ウ ェスターンプロット技法又は免疫沈澱法が使用され得る(Armitageなど.1992, Nature 357;80-82)。 モノクローナル抗体の生成は、当業界において十分に確立されて いる。モノクローナル抗体は、元の抗体の特異性を保持する他の抗体又はキメラ 分子を生成するために組換えDNA技術の技法にゆだねられ得る。そのような技法 は、不変領域に対する抗体の、免疫グロブリン可変領域、又は相補的決定領域(C DR)、又は異なった免疫グロブリンの不変領域及び骨格領域をコードするDNAを導 入することを包含する。たとえば、EP184187A,GB2188638A又はEP-A-0239400を 参照のこと。モノクローナル抗体を生成するハイブリドーマは、生成される抗体 の結合特異性を変更することができるか又は変更することができない、遺伝子突 然変異又は他の変更を受けやすい。 ペプチドによる哺乳類の免疫化の他の手段又は補足物として、タンパク質に対 して特異的な抗体は、それらの表面上で機能的な免疫グロブリン結合ドメインを 示すλバクテリオファージ又は線状バクテリオファージを用いて、発現された免 疫グロブリン可変ドメインの組換え的に生成されたライブラリーから得られる; たとえばWO92/01047を参照のこと。ライブラリーは純粋であり、すなわち標的 物により免疫化されていない生物から得られた配列から構成され得、又は興味あ るもの(又はそのフラグメント)の抗原に対して暴露された生物から得られた配 列を用いて構成され得る。 抗体は、多くの手段により修飾され得る。実際、用語“抗体”とは、必要とさ れる特異性を有する結合ドメインを有するいづれかの特定の結合物質を包含する ものとして構成されるべきである。従って、これは、抗体フラグメント、抗体の 誘導体、機能的同等物、及び相同性の、たとえば免疫グロブリン結合ドメインを 含んで成るいづれかのポリペプチド(天然又は合成のいづれかの)を包含する。 従って、もう1つのポリペプチドに融合される免疫グロブリン結合ドメイン又は 同等物を含んで成るキメラ分子が包含される。キメラ抗体のクローニング及び発 現は、EP-A-0120694及びEP-A-0125023に 記載されている。 結合抗原の機能は完全な抗体のフラグメントにより実施され得ることが示され ている。典型的な結合フラグメントは、(i)VL,VH,CL及びCH1ドメインから なるFabフラグメント;(ii)VH及びCH1ドメインから成るFdフラグメント;(i ii)単一抗体のVL及びVHドメインから成るFvフラグメント;(iv)VHドメインか ら成るdAbフラグメント(Ward,E.S.など.Nature 341,544-546(1989));(v )単離されたCDR領域;(vi)F2(ab’)2フラグメント、すなわち2つの結合され たFabフラグメントを含んで成る二価フラグメント;(vi)VHドメイン及びVLド メインが、抗原結合部位を形成するために2種のドメインの会合を可能にするペ プチドリンカーにより連結されている、一本鎖Fv分子(scFv)(Birdなど.Science ,242,423-426,1988;Hustonなど.PNAS USA,85,5879-5883,1988);(vii i)二特異的一本鎖Fvダイマー(PCT/US92/09965);及び(ix)遺伝子融合により 構成される“ジアボディズ(diabodies)”多価又は多特異的フラグメント(WO94/ 13804;P.Holligerなど.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448,1993)で ある。 本発明のさらなる観点及び態様、及び本明細書に開示される観点及び態様に対 する修飾は、当業界に明らかであろう。 次の図が本明細書に添付される: 図1:図1aは、第1のアミノ酸から出発し、そしてアクチン結合ドメイン及 び棒状ドメインの開始を包含する、マウス(Moutro)、ラット(ratutro)及びヒ ト(humutro)のヌクレオチド配列のその対応する部分を示す。濃い線は、ラット 及びヒトにおけるクローン化できない領域を示す。図1bは、第2のクローン化 できない領域の配列を示す。 図2は、PCR6.0のクローニングエ程の図である。図2A:太字の 数字は、Kbでのウトロピン転写体を表わし、そしてその線下の数字は問題のヌク レオチド位置を表わし、ここで1は翻訳の開始であり;図2BはPCRのための鋳 型として使用されるcDNAを表わし;図2CはPCR6.0を形成するために生成された 2種のPCRフラグメントを表わす。 図3は、本発明の“ウトロピン ミニ−遺伝子”のヌクレオチド配列(両鎖) を示し、そして完全な構成が本明細書に記載されている。 図4は、種々のドメイン、及び完全な長さの分子の一部のみを含んで成る“ミ ニ−遺伝子”を示す、ジストロピン及びウトロピンポリペプチドの表示である。 図5:ウトロピントランスジーン構成及び発現、A,ジストロピン、ウトロピ ン及び2種の切断されたトランスジーンの縮尺表示。反復されたスペクトリン様 反復体(R)及び可能性あるヒンジ部位(H)が示されている。B,ウトロピン トランスジーンベクター、ウトロピンのN−及びC−末端部分が、鋳型としてオ ーバーラップするcDNAを用いてPCR生成物としてクローン化された。使用される 領域は、点線により示される。PCR生成物は、2.2Kbのヒト骨格α−アクチン(HSA )プロモーター及び調節領域20,21及びSV40の大きなTポリA部位を含むベクタ ー中にクローン化された。クローニング部位は、トランスジーンが第2のHSA非 翻訳エキソンの開始近くに位置するように存在し、そしてAsp715/NotI部位は完 全なフラグメントを生成するために使用された。C,ウトロピントランスジェニ ック系F−3及び非−トランスジェニックC(57BL/10同腹子からの筋肉のイム ノブロット。M,骨格筋;H,心臓;D,横隔膜。 図6:トランスジェニックmdxマウスにおける血清CKレベル及び中心集中され た筋原繊維の低下。A.ウトロピントランスジーンを 発現する雄mdxマウスにおける血清クレアチンキナーゼレベル。生後5週目のマ ウスからの血清クレアチンキナーゼレベルは、雌mdxにより支配された雄のトラ ンスジェニックマウスに起因する4匹の−腹子から生成された。子孫は、雄のヘ ミ結合性mdx(M mdx),雄のウトロピントランスジェニックmdx(M Tg mdx)及 びヘテロ接合性雌(F mdx)から成った。雌のヘテロ接合体は野生型とは有意に 異ならず、その結果、正常な対照として使用され得る。個々のグループにおける マウスの数(n)は括弧で示されており、そして平均SEはT−バーにより示され る。B.中心集中された核を含有する筋繊維の比率、平均SEはT−バーで示され る。 図7:他の切断されたウトロピントランスジェニックmdx系(Gerald,George, Grant,Gavin)、正常(n)及びmdx(mdx)からの横隔膜及びTA筋における中心集 中された核の低下。平均SEは、T−バーにより示される。 図8:他のウトロピントランスジェニック系、正常(n)及びmdx(mdx)からの 血清クレアチンキナーゼの低下。個々のグループにおけるマウスの数は、括弧で 示される。 図9:完全な長さのウトロピンコード配列及びコードされるアミノ酸配列。 図10:ヒト、マウス及びラット ウトロピンのN−末端領域についての一連の アミノ酸配列。 引用されるすべての文書は、引用により本明細書に組込まれる。例1 ウトロピンミニ遺伝子のクローニング ヒトウトロピン転写体の後方半分を包含する4種のcDNAを、オーバーラッピン グ制限エンドヌクレアーゼ部位を用いて一緒に連結し た。アミノ末端領域を、安定したマウスcDNAクローン、すなわちJT1に通常のEco RI制限部位により連結されるヒト92.2cDNAを用いて再構成した。次に、それら の2種の構造体を、PCR増幅のための鋳型として使用した(図2B)。プライマ ーを、ウトロピンコード配列の最初の約2Kb及び最後の約4kbを含むウトロピン ミニ遺伝子を生成するために読取り枠を整合して連結され得る未翻訳領域を含ま ない2種のフラグメント、すなわちPCR2.0及びPCR4.0を生成するよう企画した( 図2C)。 2種のPCRフラグメントを、HpaI部位を用いて一緒に連結した。6.0Kbのミニ 遺伝子の完全なDNA配列が図3に示されている。その完全な6Kbのミニ遺伝子を ベクターから切断し、そして真核性発現ベクター中に連結した。SV40−pAは、エ キソン1に連結されるSV40初期プロモーター、及びいづれかのクローン化された 挿入体のスプライシングを促進するためのウサギβグロビンのエキソン2(イン トロンを含む)の部分から成る。これは、構造体がトランスジェニック系を生成 するために使用される予定である場合に特に重要である。クローニングのための 単一のユニークブラント制限部位の挿入の後、SV40の小TポリAシグナル配列が 存在する。SV40プロモーターは、すべての組織においてミニ遺伝子を発現するで あろう。HSA−PA構造体は、類似するが、但し、ヒト骨格のアクチンプロモータ ー、及び骨格筋においてのみミニ遺伝子生成物の発現を指図するであろう組織特 異的調節配列の使用を除く。 発現ベクター中にクローン化されるとすぐに、ユニークHpaI部位が、ウトロ ピン棒状ドメインの残りを含むPCR生成されたフラグメントにおいてクローン化 するために使用された。本発明者は現在、切断された及び完全な長さのウトロピ ンコード配列を含む発現ベクターを有する。 ユニークHpaI制限部位が、また、mycタンパク質に対する特異的な抗体により 認識されるアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドにおいてクローン 化するために使用されている。これは、myc標識のそれらの発現及び抗体による 認識によりミニ遺伝子構造体の局在化を可能にするであろう。ウトロピンのため には、これは、内因性遺伝子がすべての細胞型に発現されるので、問題である。 標識の使用は、遺伝子療法プロトコールに供給される場合、ミニ遺伝子の存在を 示すであろう。フラッグエピトープ(IBI)、及び類似する態様で使用されるグリ ーン蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein)(Clontech)を包含する多くの 多の標識が入手できる。 生成されるウトロピンミニ遺伝子は、ジストロピンミニ遺伝子と同じドメイン 及び反復体から成る(図4)。ジストロピンミニ遺伝子は、軽いBecker筋ジスト ロフィー表現型を生ぜしめる天然に存在するジストロピン突然変異からインビト ロで初めてコピーされた。それは、可能性ある遺伝子療法路のために企画される 多くのウィルスベクターにおいて、及びmdxマウスにおける異常筋肉表現型を改 善するトランスジェニック系において都合良く使用されて来た。従って、ウトロ ピンミニ遺伝子は、可能性ある遺伝子療法工程において特定の組織発現のために 企画されたウィルスベクター中にクローニングするために適切であろう。 ミニ遺伝子の統合性の確認 突然変異を導入するためのTaq熱安定性ポリメラーゼの傾向が与えられる場合 、PCR生成されたたクローンにおける読取り枠の維持についてスクリーンするこ とが重要であった。PCR生成物を、クローン化された挿入体の転写及び翻訳を可 能にするRNAポリメラーゼ結合部位を有するベクター中にクローン化し、放射性 ラベルされたタンパク質を生成した。発現されたタンパク質が正しい分子量のも のであることが観察されたなら、PCR生成物が停止突然変異を有さないことが推 定された。次に、それらの生成物をウェスターンブロットし、それらがウトロピ ン抗体により認識されるかどうかを見出した。陽性結果は、発現されたタンパク 質が抗体により認識されるエピトープを生成するために正しい読取り枠で存在す ることを示した。PCR2.0及びPCR4.0の両者のための10種の異なったクローンを、 この態様でスクリーンした。すべての場合、完全な長さの発現が観察された。す べてのPCR2.0及びPCR4.0クローンを、MANNUT1〔31〕(アクチン結合ドメインを 認識する)及びMANCH01〔18〕(カルボキシ−末端の後者半分を認識する)によ りそれぞれ検出した。 ミニ遺伝子を、上記基準を満たす2種の異なったPCR2.0及び4.0クローンから 構成し、そして発現ベクター中にクローン化した。完結されたミニ遺伝子の統合 性を調べるために、COS細胞を、両SV40−PCR6.0ミニ遺伝子(A4及びB1)に より過渡的にトランスフェクトし、そしてその時点の後、収穫した。PCR6.0ミニ 遺伝子タンパク質の発現を、MANNUT1〔31〕及びMANCHO7〔18〕を用いて、ウェ スターンブロットにより同定した。 類似するトランスフェクションを、それらの構成体を用いて行ない、次に細胞 を固定し、そしてMANCHO7〔18〕を用いて免疫染色した。ミニ遺伝子の染色は、 結合された膜であるように見え、これはアクチン結合ドメイン又はCRCT、又は両 者が見出される染色パターンを説明するために機能的であることを示唆する。 myc標識エピトープをまた、ミニ遺伝子内のユニークHpaI部位中に読取枠を 整合してクローン化した。この構造体SV40−PCR6.0−mycをまた、COS細胞中にト ランスフェクトし、そしてmyc標識マウスモノクローナル抗体9E10を用いて免 疫局在化した。再び、膜局在化が観察され、これは、myc標識エピトープを構成 する10個の アミノ酸の導入がミニ遺伝子の性質に影響を及ぼすように見えないことを示す。例2 ウトロピン発現によるジストロフィー欠損のためのインビボ補償 本発明者は、ジストロピン欠失mdXマウスにおけるウトロピントランスジーン の発現を試験した。1つの結果は、骨格筋におけるウトロピントランスジーンの 高い発現がジストロフィー病理学を逆転することができることを示唆する。それ らのデータは、DMD患者におけるウトロピンの組織的アップレギュレーションが この破壊的な障害のための効果的処置の開発のためにひじょうに有望な手段であ るとを示唆する。 切断されたウトロピントランスジーンを、mdxマウスのジストロフィー表現型 を正すことが示されているBeckerジストロピントランスジーンに基づいて形に表 わした〔5,6〕(図5A)。高レベルの筋肉発現を生成するために、ウトロピ ントランスジーンを、ヒト骨格αアクチン(HSA)プロモーターにより駆動した( 図5B)。ウトロピントランスジーンを発現する多くのトランスジェニック系を 、異なったレベルのトランスジェニック発現で生成した。高レベルの発現を示す トランスジェニック系からの筋肉サンプルのイムノブロット分析が図5Cに示さ れている。複数のかすかバンドは、たぶん、高く発現されたトランスジーン生成 物のタンパク質加水分解による〔24〕。ライン347はまた、心臓におけるトラン スジーンの弱い発現を示す。F−3ラインの分析は、心臓、脳、腎臓、肺、肝臓 、腸、皮膚又は膵臓におけるトランスジーン発現の現象が観察されなかったこと を示す。ウトロピントランスジーンが筋細胞膜に局在化することを示すために、 骨格筋断片の免疫螢光を、ウトロピン及びジストロピン特異的抗体を用いて行な った。連続的な筋肉断片に おけるジストロピン及びウトロピントランスジーンの筋細胞膜局在化パターンの 試験は、それがインビボで同時局在化することができることを示した。成人骨格 筋におけるウトロピンの通常の局在化は、神経筋及び筋鍵接合部で及び毛細管及 び神経において独占的に存在する〔3,31〕。固定されていない8μmのTA筋肉 の低温断片の免疫染色を、G3(抗−ウトロピン)のl/25希釈溶液又はP6( 抗−ジストロピンの1/400希釈溶液により行なった〔33〕。まず、断片を、50m Mのトリス、150mMのNaCl(pH 7.5)(TBS)溶液中、10%の熱不活性化されたウシ胎 児血清においてブロックし、次に、TBSに希釈された一次抗体を添加し、そして 室温で1時間インキュベートした。スライドをTBSにおいて4度、それぞれ5分 間、洗浄し、次にTBSに希釈された1/1000希釈度のFITC接合された単抗−ウサ ギIgG(Sigma)と共に室温でさらに1時間インキュベートした。最終的に、スラ イドを前記のようにして洗浄し、VectaShield(Vector Labs)により固定し、そ してLeica DMRBE顕微鏡及び顕微鏡写真システムを用いて写真を取った。 ジストロピン欠失mdxマウスは単に軽く影響されるが、組織学的及び生理学的 分析は、筋繊維変性を包含するDMD患者と同じように多くの筋肉欠損を示し、血 清クレアチンキナーゼ(CK)の劇的な上昇、及び中心に位置する核を有するほと んどの繊維を伴って大規模な筋繊維再生の現象を生ぜしめた〔34〕。従って、血 清CKのレベル、及び中心集中された核の数の変化を用いて、mdxマウスにおける ジストロピントランスジーンを発現する多くのトランスジェニック系における筋 肉の病理学をモニターした〔5,6,7,24〕。ウトロピントランスジーンを担 持する親のトランスジェニックF−3マウスを、ジストロフィン欠失性雌mdxマ ウスにより交配し、そして得られる子孫を分析した(図6A)。生後5週目の雄 のトランスジ ェニックmdxマウスのCKレベルは、非トランスジェニックmdx雄同腹子の約1/4 に低下した。トランスジェニックであろうと又はなかろうと、雌は実質的に正常 なレベルの血清CKを有する。トランスジェニック雄mdx同腹子におけるCKの血清 レベルの低下は、それらのマウスの筋肉病理学の変化を示し、そして筋肉変性の 有意な低下が生じたことを意味する。図6Bは、トランスジェニック及び非トラ ンスジェニック雄mdxマウスのヒラメ筋及び脛側前部(TA)筋から凍結断片にお ける中心集中された核の数の比較を示す。中心集中された核を有する筋原繊維の 数は試験された2種のタイプにおいて著しく低下され、これは、繊維再生の量が 低められたことを示す。トランスジェニックmdx TA(約10%)とヒラメ筋(約30 %)との間の中心核の数の差異はたぶん、HSAプロモーターが、TAの早い単収縮 繊維に比較して、ヒラメ筋の中に実質的に存在する遅い単収縮繊維において遅い レベルで発現される事実により説明される。これは、それが、ウトロピントラン スジーンのレベルが筋肉表現型の改善のために重要であることを包含するので、 重要な観察である。 ジストロピンは、筋細胞膜に包含される大きなオリゴマータンパク質複合体( ジストロピンタンパク質複合体;DPC)に通常関係している〔3,35〕。DMD患者 及びmdxマウスにおけるジストロピンの損失はまた、筋細胞膜DPCの劇的な損失を もたらす〔36〕。完全な長さの及び切断されたジストロピントランスジーンを発 現するトランスジェニックmdxマウスにおいては、筋細胞膜でのDPCの成分の再確 立は、ジストロピントランスジーンによる筋肉強さの再生のための重要なマーカ ーである〔5,6,7,24〕。本発明者は、雄mdx、又はウトロピントランスジ ーンを発現するmdxからのTA筋肉におけるDPCの成分についての免疫染色の結果を 調べた。これは上記の通りであった。一次抗体は、α/β−ジストログリカンに 対する ヤギポリローナル血清〔37〕(FP-B,1/10)、α−サルコグリカンに対するウ サギポリクローナル血清〔38〕(1/5)及びγ−サルコグリカンに対する単ポ リクローナル血清〔39〕(1/10)であった。ヤギ、ウサギ及び羊に対するFITC 接合の二次抗体は、それぞれ1/50,1/200及び1/50に希釈された。ウトロ ピン特異的抗体によるすべての筋原繊維の筋細胞膜染色がトランスジェニック筋 肉に見出された。しかしながら、非トランスジェニックマウスにおいては、神経 筋接合部及びたぶん再生繊維を含む領域を除いて、筋細胞膜染色は実質的に存在 しない。α−サルコグリカン、γ−サルコグリカン及びα/β−ジストログリカ ンに対する特異的なポリクローナル抗体を用いるすべての場合、トランスジェニ ックTA筋肉の筋細胞膜での染色に著しい上昇が存在し、これは正しく局在化され た筋細胞膜結合DPCの上昇を示す。ヒラメ筋におけるそれらの成分の筋細胞膜染 色の上昇は、非トランスジェニックmdx雄よりも高いが、しかしTAにおいてはそ うではない。この結果は、高められたウトロピントランスジーン発現が筋細胞膜 結合DPCの上昇に相互関係していることを示す。 mdx横隔膜の分析は、この筋肉がDMD骨格筋に比較できるmdxマウスの寿命を通 しての変性、繊維増多及び機能損失の連続したパターンを表わすことを示してい る〔40〕。従って、ジストロピンを置換することができるウトロピンのためには 、この筋肉におけるウトロピンの過剰発現が、ジストロピントランスジェニック mdxマウスのために示されるのと類似する手段で病理学を変更すべきである〔5 ,6,7,24〕。ウトロピン抗体を用いての横隔膜断片の免疫染色は、正常マウ ス及び見られるmdxに比較してトランスジェニックmdxマウス(utro-tg mdx)に発 現されるウトロピントランスジーンの筋細胞膜局在化が、正常な横隔膜に類似す るレベルでトランスジ ェニックmdx横隔膜の筋細胞膜でのα−サルコグリカンの回復であることを示す 。正常な横隔膜に類似するトランスジェニックmdx横隔膜の筋細胞膜染色はまた 、α/β−ジストログリカン及びγ−サルコグリカンに対して特異的な抗体を用 いても見出される(データは示されていない)。従って、骨格筋におけるように 、横隔膜におけるウトロピントランスジーンの発現が筋細胞膜にDPCを再配置す る。mdx横隔膜のヘモトキシリン及びエオシン染色された断片の組織学的分析は 、繊維増多、細胞浸潤、及び中心集中された核を含む種々の筋原繊維サイズの多 数の領域を示す。しかしながら、ウトロピントランスジェニック横隔膜は、壊死 もなく、規則的な筋原繊維サイズを伴って、且つ中心集中された核を実質的に有 さない、正常な横隔膜と実質的に同じに見える。mdx横隔膜においては、より高 い倍率に基づいて、より組織学的に正常に見える、壊死を有さない領域において さえ、筋原繊維は、連続した再生の徴候である中心集中された核をしばしば含む 種々のサイズのものである。ウトロピントランスジェニック横隔膜においては、 高い倍率でさえ、全筋肉は正常に見える。DPCの通常の組織学及び確立への回帰 は、ジストロフィー表現型からのウトロピントランスジェニック横隔膜の主要回 復を予測するジストロピントランスジェニックマウス〔5,6,7,24〕に関し て見出されるような、2種の重要な観察である。 本発明者は、骨格筋及び横隔膜において高いレベルでウトロピン トランスジ ーンを発現することによって、mdxマウスのジストロフィー筋肉表現型の有意な 低下を示した。最初に、それらの結果は、ウトロピンがインビボでジストロピン を置換できることを強く示唆する。これは、ジストロピンの欠乏の結果を補足し 、そして従って緩和するために正常なウトロピン筋肉発現を高める小さな分子の 使用が、DMD療法のための有望な手段であることを包含する。この アプローチは、すべての筋肉を潜在的に標的化し、そして従って、呼吸及び心筋 肉を保存することによって寿命を長くするであろう。ウトロピンは、多くの組織 において発現され、その結果、一般化されたアップレギュレーションは有害な副 作用を有さない。本発明の実験動物モデルにおいては、ウトロピントランスジー ンを高レベルで発現する正常なマウスは、それらの骨格筋及び横隔膜筋において 有害な副作用を有さないように見える。胎児ヘモグロビンをアップレギュレーシ ョンするために酪酸塩を用いてそのような遺伝子療法アプローチについての先例 は、鎌状赤血球細胞疾患の臨床学的試験において好結果を有している〔41,42〕 。mdxマウスにおけるジストロフィー表現型を実質的に減少させるために、ジス トロフィンの野性型のレベルのわずか20〜30%が必要であった。類似するレベル のウトロピンがジストロフィー損失を補償するのに適切であるかどうかを決定す ることが興味の対称である。さらに、ウトロピンは筋肉を包含するすべての組織 において通常発現されるので、ウィルス又はリポソームを用いての従来の遺伝子 療法アプローチにおいてジストロピントランスジーンよりもむしろこのウトロピ ン トランスジーンの使用が、そのトランスジーンに対するいづれかの可能性あ る免疫学的応答を回避することができる。 トランスジェニックmdx及びmdxマウスからの筋肉を、インビトロでストレスを 与えた。実質的に、試験は、能動収縮の間、延長する力により生成される高い機 械的ストレスをモニターし、そして力の低下を測定する。その方法は、Deconinc kなど〔46〕により詳細に、実質的に記載される。悪化の測定は、筋力が適用さ れ得る力の低下である。この力の低下は、不可逆性であり、そして損傷を受けた 筋肉繊維の数と相互関係する。Mdx筋肉は、この試験に対して特に敏感であり、 そして非常に悪化する〔46〕。 本発明者のデータは、mdxマウスにおける力の低下が−55%であることを示す 。しかしながら、ウトロピン トランスジェニック同腹子においては、その力の 低下がわずか−20%であった。正常なマウスの筋肉は通常、−15%の力の低下を 有する。従って、mdxマウスにおけるウトロピントランスジーンの発現は、大き な機械的ストレスにより引き起こされる損傷を相当に低める。 方法 トランスジーンの構成及びマイクロインジェクション ウトロピンのアミノ−及びカルボキシ−末端部分を、鋳型としてオーバーラッ ピングcDNAを用いてPCR生成物としてクローン化し、そして次に、読取り枠を整 合して一緒に連結し、切断されたウトロピンcDNAを生成した。次に、PCR生成物 を、2.2kbのヒト骨格α−アクチン(HSA)プロモーター及び調節領域〔43,44〕、 並びにSV40の大TポリA部位を含むベクター中にクローン化した。そのクローニ ング部位は、トランスジーンが第2のHSA未翻訳エキソンの開始部分近くに位置 するように存在し、そしてAsp 718/NotI部位が完全なフラグメントを生成する ために使用された。トランスジェニックマウスを、C57BL/6×CBA/CA親からの F2ハイブリッド卵母細胞の前核中への精製されたHSAトランスジーン挿入体のマ イクロインジェクションにより生成した〔45〕。陽性トランスジェニックマウス を、ウトロピントランスジーンの中央部分に対するプローブを用いてサザンブロ ットすることによって同定した。多くの創始者F0雄を繁殖し、分析及び繁殖の ためにより多くの子孫を生成した。 タンパク質分析 全筋肉の抽出物を、1mlの抽出緩衝液(75mMのトリス、pH 6.8、3.8%のSDS、 4Mの尿素、20%のグリセロール、5%のβ−メル カプトエタノール)における均質化により調製し、次に、95℃で5分間、加熱し た。通常50μgの全タンパク質(Biorad DCタンパク質アッセイキットを用いて定 量化された)を、6%ポリアクリルアミドゲル上に負荷し、そしてニトロセルロ ースに移した。ウトロピントランスジーン発現を、マウス抗−ウトロピン モノ クローナル抗体(MANCHO7〔18〕)の1/200希釈溶液を用いて検定し、そして抗− マウスIgG-POD及び化学ルミネセンス(Boehringer)を用いて可視化した。断片 化のために、骨格筋サンプルを除去し、そしてOCT化合物(BDH)に含浸し、そして 液体窒素により冷却されたイソペンタンにおいて凍結した。横隔膜を除去し、半 分に切断し、次に縦にロールし、そしてOx肝臓間にサンドイッチし、延伸及びよ り容易な断片化を促進した。次に、そのサンドイッチを凍結した。固定されてい ない8μmの低温断片の免疫染色を、50mMのトリス、150mMのNaCl(pH 7.5)溶 液(TBS)中、10%の熱不活性化されたウシ胎児血清において断片をブロックする ことによって実施し、次にTBSに希釈された一次抗体を添加し、そして室温で1 時間インキュベートした。スライドをTBSによりそれぞれ5分間、4度、洗浄し 、次にTBSに希釈された接合される第2の抗体と共に室温でさらに1時間インキ ュベートした。最終的に、スライドを前記のようにして洗浄し、VectaShield(V ector Labs)により固定し、そしてLeica DMRBE顕微鏡、顕微鏡写真システムを 用いて写真を取った。 免疫螢光のために使用される抗体 抗体を次の希釈度で使用した。ウトロピン(G3、1/25)、ジストロピン( P6〔33〕、1/400)、β1−シントロピン(syn35、1/50)、α−サルコグリ カン(〔38〕、1/5)に対するウサギポリクローナル、α/β−ジストログリ カン(FP-B〔37〕、1/10)に対するヤギポリクローナル。ヤギに対するFITC接 合の二次抗体 (Sigma)及びウサギに対するCy3接合の二次抗体(Jackson Laboratories)を 、それぞれ1/50及び1/200に希釈した。 クレアチンキナーゼアッセイ 雌mdxにより交配された雄のトランスジェニックマウスに起因する4匹のF3− 腹子から生成された生後4〜5週目のマウスからの血清CKレベルをアッセイした 。尾の先端を切除し、そしてDNAをサザンブロットのために調製し、個々のマウ スのトランスジェニック状態を確立した。血液を同時に採血し、血餅形成を可能 にし、そして血清を除去した。血清クレアチンキナーゼレベルを、Boehringer N AC-CKキット及び5μlの血清を用いて測定した。1分当たりの割合を、4分に わたって平均化し、そしてU/lとして計算した。例3 ウトロピンの発現が再生の工程において筋肉に対して有益であるかどうかを見 るために、HSAプロモーター(HSA-PCR6.0-myc)の制御下でのmyc標識された、切 断ウトロピンミニ遺伝子を、mdx筋肉中に直接的に注射した。 本発明者のデータは、注射部位に隣接する繊維の大部分におけるウトロピンミ ニ遺伝子の筋細胞膜局在化を示す。ウトロピンミニ遺伝子を、myc標識エピトー プに対して特異的である抗体9E10を用いて検出した。重要なことには、9E10が局 在化される場合、α−及びγ−サルコグリカンの有意な染色が存在した。α−サ ルコグリカン染色は、他の繊維においては実質的に陰性であった。 ジストロピンタンパク質複合体の再確立は、筋肉回復のための重要なマーカー であることが示された〔5,6,7,24〕。この結果は、疾病工程がそれ自体明 白であり、すなわち変性及び再生がmdx筋肉に見られる場合でさえ、ウトロピン の発現は有益であることを 示唆する。これは、DMDにおいて、影響された本体の1/3が新規の突然変異で あることを考慮する場合に重要である。従って、DMDの最初の徴候が、生後2年 の後、それら自体明白である場合でのみ、診断が達成され得る。例4 ヒト一本鎖DNAからのフラグメントを生成するためにPCR方法を利用して、PCR6 .0をミッシングするヒトウトロピン配列の残りをクローン化した。そのフラグメ ントは、完全なウトロピンタンパク質を生成するためのすべてのアミノ酸コード 配列を含むクローンを生成するためのユニークHpaI制限部位(図2cを参照の こと)中への棒状ドメインのクローン化を可能にするプライマーを利用した。図 9は、標準の一文字コードを用いて上記に示されるアミノ酸配列を有する完全な 長さのウトロピン構造体のDNA配列を示す。 ウトロピンの完全な長さの構造体を、図5bに示される態様に類似する態様で 、ヒト骨格αアクチンプロモーター(HSA)発現構造体中にクローン化した。この 完全な長さのウトロピン発現構造体を用いて、マウス筋肉において完全な長さの ウトロピンタンパク質を発現することができるトランスジェニックマウスを生成 した。類似する実験が例2に記載のようにして実施され、mdxマウスにおける筋 肉病理学を改善することにおいて、切断されたウトロピンタンパク質と比較して 完全な長さのウトロピンタンパク質の有効性のいづれかの差異が同定され得る。 すべての組織における高レベルのウトロピン発現が、計画する治療プロトコー ルにおいて、及び組織−特異的発現と非特異的発現との間での特定の選択におい て助けるために有害であるかどうかを評価するために、マウスモデルを、完全な 長さのウトロピン構造体を用いて開発している。すべての組織において発現され るプロモータ ーの調節下で完全な長さのウトロピンタンパク質を発現するトランスジェニック マウスが創造されるであろう。第1の実験のために選択されるプロモーターは、 すべての組織において発現することが示されているヒトユビキチン−Cプロモー ターである。それらのマウスが完全な長さのウトロピントランスジーンを発現す ることが示されるとすぐに、それらは、絶対的に高いレベルのウトロピンにより 引き起こされるいづれかの可能性ある副作用を同定するためにモニターされるで あろう。 参考文献 1.Winderなど.(1995)FEBS Letts 369:27-33. 2.Blakaなど.(1994)Trand In Cell 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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 38/00 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 9622174.2 (32)優先日 平成8年10月24日(1996.10.24) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN (72)発明者 デイビス,ケイ,エリザベス イギリス国,オックスフォード オーエッ クス1 3キューユー,サウス パークス ロード,デパートメント オブ バイオ ケミストリー,ジェネティクス ラボラト リー

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  1. 【特許請求の範囲】 1.図3のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチドの配列 を有する核酸単離体。 2.前記ヌクレオチドの配列が図3のコードヌクレオチド配列である請求の範 囲第1項記載の核酸。 3.前記ヌクレオチドの配列が、図3のコードヌクレオチド配列の1又は複数 のヌクレオチドの1又は複数の付加、置換、挿入及び欠失による変異体又は誘導 体である請求の範囲第1項記載の核酸。 4.アクチンを結合することができ、そしてジストロピンタンパク質複合体を 結合することができ、図3のアミノ酸配列の1又は複数のアミノ酸の1又は複数 の付加、置換、挿入及び欠失による変異体又は誘導体であるアミノ酸配列を包含 し、そしてジストロピンと免疫学的に区別できるポリペプチドをコードするヌク レオチドの配列を有する核酸単離体。 5.前記ポリペプチドが図9のアミノ酸配列を包含する請求の範囲第4項記載 の核酸。 6.図9のコードヌクレオチド配列を有する請求の範囲第5項記載の核酸。 7.図9のコード配列の1又は複数のヌクレオチドの1又は複数の付加、欠失 、挿入又は置換による変異体又は誘導体であるコードヌクレオチド配列を有する 請求の範囲第5項記載の核酸。 8.ベクターに含まれる請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸。 9.前記ベクターが発現ベクターである請求の範囲第8項記載の核酸。 10.請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸、及び医薬的 に許容できる賦形剤を含む組成物。 11.請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸を含む細胞。 12.筋肉細胞である請求の範囲第11項記載の細胞。 13.前記ポリペプチドが発現される請求の範囲第11又は12項記載の細胞。 14.哺乳類に存在する請求の範囲第11〜13のいづれか1項記載の細胞。 15.請求の範囲第11〜13のいづれか1項記載の細胞を有する哺乳類。 16.請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸を含む哺乳類。 17.細胞中への請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸の導入を包含す る方法。 18.前記細胞が筋肉細胞である請求の範囲第17項記載の方法。 19.前記導入がインビトロで起こる請求の範囲第17又は18項記載の方法。 20.請求の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸のコードヌクレオチド配列 の発現を細胞において引き起こし又は可能にすることを包含する方法。 21.前記細胞が哺乳類の一部である請求の範囲第20項記載の方法。 22.前記発現生成物が、発現に続いて精製され、そして/又は単離される請求 の範囲第20項記載の方法。 23.前記発現生成物が、発現生成物の精製及び/又は単離に続いて、少なくと も1種の追加の成分を含む組成物中に配合される請求の範囲第22項記載の方法。 24.請求の範囲第1〜3のいづれか1項記載の核酸によりコード されるようなポリペプチド。 25.天然のウトロピンを除く、請求の範囲第4項記載の核酸によりコードされ るようなポリペプチド。 26.請求の範囲第24又は25項記載のポリペプチド、及び医薬的に許容できる賦 形剤を含む組成物。 27.哺乳類におけるジストロフィー表現型の1又は複数の徴候を改善するため の方法であって、請求の範囲第24項記載のポリペプチドを哺乳類の細胞に供給す ることを包含する方法。 28.哺乳類におけるジストロフィー表現型の1又は複数の徴候を改善するため の方法であって、請求の範囲第25項記載のポリペプチドを哺乳類の細胞に供給す ることを包含する方法。 29.前記ポリペプチドが、哺乳類に投与されるコード核酸からの発現により細 胞に供給される請求の範囲第27又は28項記載の方法。 30.哺乳類におけるジストロピン表現型を処置するための薬剤の製造への請求 の範囲第1〜9のいづれか1項記載の核酸の使用。
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