JP2000504221A - アラキドン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する経腸調合乳又は栄養補充剤 - Google Patents

アラキドン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する経腸調合乳又は栄養補充剤

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マコームズ,チヤールズ・エイ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、経腸栄養剤又は栄養強化剤における、アラキドン酸(AA)及びドコサヘキサン酸(DHA)を含む脂肪エステル部分含有トリグリセリドの使用に関する。これらのトリクリセリドは高レベルのステロール及びリンを有する脂質混合物から誘導される。本発明の好ましい実施態様は、卵黄由来の脂質源を含む乳児用若しくは経腸栄養剤又は栄養強化剤である。卵黄由来の脂質源をエステル交換又は加水分解にかけ、混合物を蒸留し、グリセリンでエステル化して、所望の脂肪酸AA及びDHAを含み、ステロールやリンは殆ど又は全く含まないトリグリセリドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】アラキドン酸及びドコサヘキサエン酸を含有する経腸調合乳又は栄養補充剤 発明の分野 本発明は、本発明に開示された方法によって製造された、トリグリセリドを含 有する経腸栄養調合乳及び栄養補充剤に関する。この経腸調合乳は、乳児用調合 乳として又は成人用栄養剤として使用することができる。本発明はまた、母性補 充物(maternal supplements)のような、アラキドン酸及 びその他の長鎖多不飽和脂肪酸を含有する栄養補充剤に関する。 発明の背景 人乳の組成は、乳児用調合乳を改良するための価値のある基準物として機能す る。人乳に類似する乳ベースの乳児用調合乳を製造することに、多くの努力が向 けられた。 より多くの研究を受ける人乳の一つの成分は、脂肪組成物である。人乳脂肪に は、乳児発育に於いて役割を演じ得る長鎖多不飽和脂肪酸が含有されている。多 くの乳児用調合乳には、ア ラキドン酸(C20:4w6)(本明細書に於いて、AAとも言う)、エイコサ ペンタエン酸(本明細書に於いて、EPAとも言う)及びドコサヘキサエン酸( C22:6w3)(本明細書に於いて、DHAとも言う)のような長鎖多不飽和 脂肪酸を有する脂質は含有されていない。これらの脂肪酸の許容できる成分源は 限定されており、それで乳児用調合乳及び成人用栄養剤中のこのような酸が不足 する。 多不飽和酸、特にAA、DHA及びEPAのような長鎖酸は、多数の食品の天 然の構成成分である。しかしながら、これらの酸は、コレステロール、リン化合 物のような望ましくない成分と密接に組み合わさっているか又はそれらの機能形 での食品適用のために適当でない。 親リノール酸及びAAのような高級誘導体をベースとする多不飽和脂肪酸のn −6群は、人及び動物栄養素中の必須成分として長い間確立されてきた。更に最 近、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)のよう な親リノレン酸及び高級誘導体をベースとする多不飽和脂肪酸のn−3群の栄養 的重要性についての証拠が蓄積されてきた。これらの多不飽和酸は、プロスタグ ランジン及びエイコサノイドのため の前駆体であり、この化合物の強力なグループは、低濃度に於いて種々の生理学 的作用をもたらす。プロスタグランジンは、とりわけ、血液凝固、炎症性応答及 び抗炎症性応答、コレステロール吸収、気管支機能、高血圧、乳児の視力及び脳 発達並びに胃分泌に影響を与えることが知られている。 卵黄脂質には、AA(アラキドン酸)及びDHA(ドコサヘキサエン酸)が含 有されており、子供及び成人の両方の食物中に広く消費されている。卵黄から単 離された脂質は、マイナスの世論を受ける高レベルのコレステロール及び厄介な レベルのリンのために、乳児用調合乳に使用することは許容できないと思われる 。AA及びDHAは、主としてリン脂質として卵黄脂質の中に存在している。そ れで、卵黄脂質で強化された乳児用調合乳は、母乳中に存在するこのような栄養 物のレベルを遥かに越えるコレステロール及びリン脂質のレベルを示す。 典型的に、卵黄中の脂質の量は、乾燥物質の約65重量%(wt%)である。 このような脂質に於いて、脂質の約66重量%はトリグリセリドであり、その約 30重量%はリン脂質であり、約4重量%はコレステロールである。この脂質の リン含有量は、約1重量%〜2重量%である。 数種の市販の卵脂質成分が、現在入手可能である。第一のオボシン(OVOT HIN)120は、62526、イリノイ州、デケイター(Decatur)、 イースト・ピシアン・アベニュー(East Pythian Ave.)76 5のルーカス・メイヤー(Lucas Meyer)によって供給される全卵黄 脂質抽出物であり、オボシン120にはトリグリセリド、リン脂質及びコレステ ロールが含有されている。60085、イリノイ州、ウェウケガン(Weuke gan)、グレン・ロック・アベニュー(Glen Rock Ave.)12 19のサンスティール・ラボラトリーズ社(Psanstiehl Labor atories,Inc.)によって供給される第二の成分は、90%リン脂質 である卵黄抽出物である。また、精製された卵リン脂質は、02139、マサチ ューセッツ州、ケンブリッジ(Cambridge)、ワン・ケンディル・スク エア(One Kendill Square)のゲンジム社(Genzyme Corporation)から入手できる。残念ながら、上記の成分の全ては 、人乳中のAA及びDHAの含有量に近づくAA及びDHA目標レベルに達する ために、適切な強化レベルで使用するとき、乳児用調合乳のリンレベル にマイナスの影響を与える。適切な強化には、乳児用調合乳中の脂肪の約7〜9 重量%が、リン脂質から構成されることが必要である。人乳脂肪には、1〜3重 量%のリン脂質が含有されている。更に、オボシン120を使用すると、乳児用 調合乳中のコレステロールが、人乳中に見出されるレベルよりも上に増加する。 脂質混合物からリン脂質を回収するための多数の方法が、文献中に存在してい る。例えば、米国特許第4,698,185号には、粗製植物性トリグリセリド 混合物からリン脂質を分離する方法が開示されている。この方法には、加熱し又 は加熱することなく、そしてクエン酸又はリン酸を共添加し又は共添加すること なく、脂質混合物中に存在するリン脂質の質量にほぼ等しい質量比で水を添加し て、リン脂質を水和させ、そして第二の相の中に分離させることが含まれる。 しかしながら、このようなゴム質除去(degumming)方法は、粗製植 物性トリグリセリドから1〜2重量パーセントのリン脂質を除去するために設計 されており、卵黄脂質中のリン脂質のレベルはもっと高い(30〜40重量%) ので、卵黄脂質のような他の天然脂質混合物の精製に直接適用することは できない。大量のリン脂質が存在して、水のリン脂質に対する1:1の質量比の 添加により、相分離を妨害する安定なエマルジョンの形成が起こる。更に、ステ ロールは、リン脂質相とトリグリセリド相との両方の間に分配する傾向がある。 コレステロール及びその他のステロール化合物(これらの多くは、コレステロ ール又はその誘導体に代謝させることができる)を、種々の食品から抽出し、そ れによってこのような食品の低コレステロール形を製造することができる方法を 提供することが望ましい。しかしながら、この方法は、一般的に食品中に使用す るために安全であるとして認可されていないどのような物質も、食品の中に含有 させてはならない。更に、この方法は、食品から、コレステロール自体のみなら ず、コレステロール誘導体及び体内でコレステロール又はその誘導体に代謝され ることができ、それで体内のコレステロールレベルに影響を与える他のステロー ル化合物も除去しなくてはならない。更に、この方法は、元の高いコレステロー ル食品のものにできるだけ近い形で食品を残さなくてはならない。最後に、この コレステロール除去方法は、ビタミン及び食品の他の重要な栄養素を除去しては ならない。 これらの厳しい規準に合致するコレステロール除去方法を提供するために、従 来多数の試みがなされてきた。米国特許第4,692,280号には、油を超臨 界二酸化炭素で抽出して、悪臭があり揮発性の不純物と一緒にコレステロールを 除去する、魚油の精製方法が開示されている。しかしながら、このような二酸化 炭素抽出方法は、この方法を、二酸化炭素を超臨界相中に保持するための圧力下 で扱わなくてはならず、これは必要な装置の費用を増加させるという欠点を有す る。更に、このような二酸化炭素抽出方法は、コレステロールの除去に非常に選 択的ではなく、それで食品の価値のある構成成分を除去する。更に、幾らかの食 品の性質が、超臨界二酸化炭素と接触することによって不利に変化するかもしれ ない。例えば、ある場合には、二酸化炭素は、処理される食品の味及び臭いに影 響を与える風味及び芳香成分を除去する。 米国特許第5,091,117号には、液体混合物を活性炭と接触させること によって、少なくとも1種のステロール化合物及び少なくとも1種の飽和脂肪酸 を、液体混合物から除去するための方法が開示されている。しかしながら、米国 特許第5,091,117号には、第12欄第4〜19行に、この炭 上へのタンパク質及びその構成成分アミノ酸の顕著な吸着が起こるので、コレス テロールとタンパク質との組合せを含有する卵黄のような物質からコレステロー ルを除去するために、この方法を使用してはならないことが記載されている。 英国特許第1,559,064号には、蒸留によってバタートリグリセリドか らコレステロールを除去するための方法が開示されている。しかしながら、ラン ザニ(Lanzani)ら[J.Am.Oil Chem.Soc.71巻、( 1994年)、609頁]は、最終製品の品質に重大な影響を与えることなく、 英国特許第1,559,064号に開示された方法を使用して、コレステロール の僅か90%を除去できたことを決定した。より完全なコレステロール除去のた めに必要な高い温度での過剰の時間は、多不飽和脂肪酸のシス−トランス異性化 を起こすことが見出された。多不飽和脂肪酸のトランス形は、食品製品中で望ま しくないと考えられる。 卵黄は、多不飽和脂肪酸がリン脂質中で優先的に結合し、高レベルのコレステ ロールを含有する、AA及び(全てシス)−4,7,10,13,16,19− ドコサヘキサエン酸(DHA)を含有する多不飽和脂肪酸に富んだ脂質混合物の 例である。 その中に含有される必須の多不飽和脂肪酸のシス−トランス異性化を起こすこと 無く又はこのような脂肪酸及びエステル混合物を使用して製造した食品の味及び 風味を劣化させること無しにコレステロール及びリン残留物を除去する、多不飽 和脂肪酸が高い卵誘導脂肪酸及び脂肪酸エステルの製造方法を提供することが望 ましい。更に、この脂肪酸及びエステル混合物の製造方法は、食品で使用すべき 最終製品のための米国食品薬品局の一般的に安全として認定された(Gener ally Recognized As Safe)(GRAS)リストに掲載 されている物質を使用すべきである。 1987年6月2日付けのエム.クランジニン(M.Clandinin)へ の米国特許第4,670,285号には、乳児用調合乳中に卵黄から抽出された 脂質を使用することが開示されている。クランジニン文献の脂質には、C:20 又はC:22 w6及びC:20又はC:22 w3脂肪酸のような人乳中に存 在する多不飽和脂質が含有されている。クランジニンの脂質には、許容できない レベルの、元の卵黄物質のコレステロール及びリンが含有されている。 森永乳業(Morinaga Milk)への1987年9 月2日のJP第62198351号のアブストラクトには、エタノールで卵黄か ら抽出された卵黄脂質を含有する代用母乳組成物が開示されている。この脂質は 好ましくは、100gの乳組成物に68mgのコレステロールが含有されるよう に組み合わされる。しかしながら、この68mgのコレステロールは、平均的組 成の人乳中に存在するものの4倍より大きい約680mg/L(リットル)に換 算される。 ピー・タング(P.Tang)らへの1992年5月12日の米国特許第5, 112,956号には、タンパク質を、低級アルコール、水及び酸からなる抽出 混合物で、タンパク質からコレステロール及び脂質を抽出するために選択された 濃度で、タンパク質を処理することによる、卵黄中のもののようなタンパク質物 質からの脂質及びコレステロールの除去方法が開示されている。この文献の好ま しい低級アルコールはエタノールであり、主たる目的は、人消費のために適した タンパク質を得ることである。 1989年11月30日のPTC公開第WO89/11921号には、原料油 をアルカリ性加水分解に付し、このようにして生成した石鹸を水溶液中で鉱酸で 酸性化し、得られた混合物を 石油エーテルで抽出し、そして洗浄及び濃縮した後、一緒にした抽出物を、所望 の生成物の全範囲を得るために圧力及び温度パラメーターを適当に変化させて、 1回又は2回以上の蒸留工程に付すことによる、動物及び/又は植物起源の油か らのEPA及びDHA並びにこれらのエステルの製造方法が開示されている。 NIOFへの1989年6月23日のJP第1160989号(出願)のアブ ストラクト。脂質を抽出し、最終的にドコサヘキサエン酸含有ホスファチジルコ リンを単離するために、新鮮な魚卵が、酸素の無い条件下で蒸留水、メタノール /クロロホルム、アセトン、エーテルの溶媒で抽出される。 ハン・シー・ケイ(Han,C.K.)らによるHan’gukCh’uks an Hakhoechi、1991年、33巻(8)、602−6頁のアブス トラクト。卵黄がトリクロロメタン及びメタノールと共に粉砕された。脂質抽出 物が、三フッ化ホウ素及びメタノールによるエステル交換反応によりメチルエス テルに転換された。このメチルエステルが、種々の脂肪酸について分析された。 C20−22多不飽和酸が、全体の4.3%を占めた。 本発明において、卵黄由来のグリセリド組成物は、本明細書において、簡単に 、加工された天然成分とも云うが、典型的には、加工された天然成分の重量に基 づけば、約4重量%のAA、および、約1.5重量%のDHAを含むものが調製 され、また、リンの量は、加工された天然成分の約0.002重量%(20pp m)よりも低い量に抑えられ、コレステロールの量は、約0.1重量%よりも低 く抑えられている。好ましくは、少なくとも95%、特には、少なくとも98% のコレステロール、ならびにその他のステロール、およびリン化合物が、脂質混 合物である出発材料、例えば、本発明の処理における卵黄から取り除かれており 、このように高度に精製された脂肪酸、または、そのエステルは、本明細書にお いて、「実質的に、コレステロール、ステロール、およびリン化合物を含まない 」といわれる。加工された天然成分は、モノ−、ジ−、およびトリグリセリドと 、それらの混合物でもよい。 本文中で、別途示されたない限り、以下の用語は、以下の意味をもつ。すなわ ち、 「AA」とは、アラキドン酸(C20:4w6)である。 「アルカリ金属」とは、アルカリ土類金属、または、カルシ ウム、マグネシウム、ナトリウム、もしくはカリウムなどのアルカリ金属である 。 「DHA」とは、ドコサヘキサエン酸(C22:6w3)である。 「卵由来のトリグリセリド」とは、加工された天然成分(下で定義される)の 一つであって、大部分、好ましくは、グリセリドの重量で、少なくとも約75% 、特には、少なくとも90%のグリセリドが、卵黄由来のトリグリセリドである 。 「エステル経路」とは、脂質の脂肪酸を低級の脂肪酸アルキルエステルにエス テル交換反応することによる、脂肪酸エステルの調製を含む処理である。 「実質的に、コレステロール、ステロール、およびリン化合物を含まない」と は、少なくとも95%、好ましくは、少なくとも98%のコレステロール、なら びにその他のステロール、およびリン化合物が、脂質混合物である出発材料から 、本発明の方法によって取り除かれていることを意味する。 「FAP」とは、脂肪酸のプロフィールのことである。 「FAME」とは、脂肪酸メチルエステルのことである。 「遊離脂肪酸経路」とは、天然の脂質を遊離脂肪酸に加水分 解することによって、遊離脂肪酸、及び/又は、そのエステルを産生することを 含む処理のことである。 「GC」とは、ガスクロマトグラフィーのことである。 「低級アルカン」とは、1個から4個の炭素原子をもつアルカンのことである 。 「低級アルキル」とは、1個から4個の炭素原子をもつアルキルのことである 。 「低級アルカノール」とは、1個から4個の炭素原子をもつアルカノールのこ とである。 「低級アルコキシド」とは、ナトリウムメトキシドのように、1個から4個の 炭素原子をもつアルキルオキシド基のことである。 「mL」とは、ミリリットルの意味である。 「N/AP」は、応用できないという意味である。 「N/D」は、検出できないという意味である。 「N/R」は、報告されていないという意味である。また、 「加工された天然成分」とは、グリセロールを遊離脂肪酸、または、それの低 級アルキルエステルと、本発明の処理過程において反応させることによって調製 されたグリセリドを含む組 成物である。 「TLC」とは、薄層クロマトグラフィーのことである。図面の簡単な説明 図1は、“トリグリセリド変換への卵リン脂質のエステル経路”という題のフ ロー模式図であり、エステル経路による卵黄固形体からの脂質のための抽出溶媒 としてのメタノールの使用による、加工天然成分のトリグリセリド組成物の好適 製造方法の重要な工程を示す。 図2は、“トリグリセリド変換への卵リン脂質の遊離脂肪酸経路”という題の フロー模式図であり、遊離脂肪酸経路による卵黄固形体からの脂質のための抽出 溶媒としてのメタノールの使用による、加工天然成分のトリグリセリド組成物の 好適製造方法の重要な工程を示す。 発明の開示 本発明は、栄養製品又は栄養補助製品におけるトリグリセリドの使用であって 、トリグリセリドを本明細書開示の方法により製造することを特徴とする該使用 に関する。本方法により、多不飽和脂肪酸に富み、本質的にコレステロール及び 他のステロール、並びにリンを含有せず、天然の脂質混合物のような脂 質混合物から得られるトリグリセリドが製造される。脂質混合物に含まれる必須 の多不飽和脂肪酸又はそのエステルを分解せずに、又はシス−トランス異性化を 引起さずに、あるいはこのような脂質混合物を用いて製造される食品の味や香味 を分解せずに、ステロールやリン化合物が除去される。更に、本発明の方法では 、米国食品医薬品局の“一般的に安全と認められる(GRAS)”のリストにあ る原料を使用する。 本発明の一面では、本方法は広く、 (A) リン脂質、トリグリセリド、及びコレステロールなどのステロールを含 有する脂質混合物に、(1)加水分解して、遊離脂肪酸相と、水、グリセロール 、及びリン化合物からなる水相を形成させること;(2)低級アルカノールによ るアルカリエステル交換反応を行って、低級アルキル脂肪酸エステル及びステロ ールからなる低級アルキル脂肪酸エステル相と、水、グリセロール、及びリン化 合物からなる水相を産生させること;からなる群から選択される処理を行うこと ; (B) 工程(A)で生成される、(1)脂肪酸相生成相;又は(2)低級アル キル脂肪酸エステル相生成相;から水相を分離すること; (C) 温度が少なくとも100℃で工程(B)の脂肪酸又はそのエステルを蒸 留し、蒸留液中で(1)遊離脂肪酸又は(2)脂肪酸の低級アルキルエステルを 分離し、回収すること(ここで、該脂肪酸又はそのエステルでは、脂質混合物に 対しコレステロールや他のステロール、及びリン化合物の濃度が減少している) ;及び (D) 工程(C)からの(1)精製遊離脂肪酸又は(2)精製低級アルキルエ ステルに、(1)精製脂肪酸とC1−C10の一価又は多価アルコールを反応さ せて、脂肪酸エステルを製造すること;あるいは(2)工程(C)で得られた精 製低級アルキルエステルの、C1−C10の一価又は多価アルコールによるエス テル交換反応を行ない、該C1−C10アルコールの脂肪酸エステルを製造する こと(ここで、該アルコールは、工程(A)のエステル交換反応で用いるものと は異なる数の炭素原子を有する);からなる群から選択される処理を行うこと; の各工程を含む。 本発明の化学的合成法の特定の工程の選択により、腸用組成物の製造に有用な 経済的及び効率的に加工天然成分が得られる。 本発明の別の面では、高濃度のAAを有するリン脂質は、天 然の脂質源、例えば卵黄、好ましくは卵黄固形体を、本質的にメタノールからな る溶媒と温度約20〜60℃で接触させて製造される。 本発明の別の面では、低級アルカノールは脂質混合物に含まれ、混合物が、リ ン脂質、ステロール及びアルコールを含む上層と、トリグリセリド及びステロー ルを含む下相に分離されるのを助け、又は分離されることを引起す。次に、上層 を次の加工に使用する。 本発明の更に別の面では、遊離脂肪酸経路が含まれ、該方法は、 (A) リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂質混合物を加水分解 して、遊離脂肪酸とステロールを含む脂肪酸相と、水、グリセロール及びグリセ ロールリン酸エステルを含む水相を含む二相生成相を形成させること; (B) 工程(A)で生成した二相生成相において、脂肪酸相から水相を分離す ること; (C) 温度150〜250℃で、工程(B)からの脂肪酸相において、脂肪酸 をステロールと反応させること;及び (D) 温度130〜250℃、圧力1×10-3〜0.5333 kPaで、工程(C)で生成したステロール脂肪酸エステルを蒸留して、本質的 にコレステロール、ステロール及びリン化合物を含有しない精製脂肪酸を回収す ること;及び場合によっては (E) 工程(D)で製造した精製脂肪酸を、一価又は多価アルコールと、脂肪 酸1〜2モルとアルコールの各ヒドロキシ当量のモル比で反応させ、脂肪酸エス テルを製造すること; の工程を含む。 本発明の更に別の面では、卵黄は低級アルキルアルコールで抽出し、次なる加 工は、エステル経路又は脂肪酸経路のために上記の加工と同一工程による(ここ で、卵黄脂質は出発原料である)。脂質を抽出するためにメタノールの使用は、 特に温度約20℃〜メタノールの沸点、即ち68℃で好都合である。何故ならば 、抽出したAA量は、エタノール又はプロパノールのような他のアルコールの使 用と比較して、予期しないほど大きい。更に、メタノールは、食品成分の製造に おける使用が認められた溶媒である。 本発明の更なる面では、精製遊離脂肪酸、脂肪酸の低級アルキルエステル、又 はそれらの混合物は、エステル化工程に進め ずに、蒸留工程から回収される。 本発明の更に更なる面は、AAやDHAのような脂肪酸を濃縮する分画技術を 含む。 本発明の更なる面は、組成物IL当りタンパク質約10〜35g;組成物IL 当り60〜110gの食物繊維の炭水化物を含んでもよい炭水化物;及び組成物 IL当り約20〜45gの脂肪(脂肪は、腸用組成物中の全脂肪に基づきAAが 約0.1〜2.0重量%、好ましくは約0.1から1重量%、及び組成物中の全 脂肪に基づきDHAが約0.05〜0.5重量%を含むエステル基を有するトリ グリセリドを提供するために十分な量で卵由来トリグリセリドを含み、該卵由来 トリグリセリドは、卵由来トリグリセリドの重量に基づき、0.1重量%未満、 好ましくは0.05%未満のリン、及び1重量%未満、好ましくは0.5%未満 のコレステロールしか含まない)を含む腸用組成物のような液体又は粉末腸用組 成物に関する。単純な形態での腸用組成物は、アミノ窒素、炭水化物、食用脂肪 及び卵由来トリグリセリドの栄養的に十分な源を含む。AAとDHAが本明細書 開示の方法で製造されることを特徴とする腸用組成物も開示する。AAやDHA を含有する腸用組成物の製造方法は、 本発明の更に別の面である。 幼児用組成物のような腸用組成物における使用に適した経済的且つ実用的な方 法で、AAやDHAのグリセリドを得るために幾つかの技術を試したが不成功で あった。不成功技術の一つは、熱クラッキングであった。卵黄脂質と水を混合し て加熱したとき、重大な泡形成問題が起った。水を、リン脂質に基づき1当量に 限定する場合、泡形成は制御できた。溶媒無しで、250℃で5分後、TLC( 薄層クロマトグラフィー)は、トリグリセリドとジグリセリド及び出発原料(リ ン脂質)の混合物を示した。しかし、反応混合物は非常に黒ずんだ色で、不均一 であった。黒ずんだ色は分解を示していた。温度を200℃に30分間下げても 明白な利点は得られなかった。 本発明の更に別の利点は、約250℃までの温度が、AAやDHA又はそれら のメチルエステルの分解又は目に見える黒ずみ無くして、方法のいくつかの工程 で使用できるという知見である。このことは予期できないものと考えられる。何 故ならば、オレイン酸メチルで行った試験では約75℃で黒ずみ始めたからであ る。発明の詳細な説明 多不飽和脂肪酸を豊富に含む天然の脂質混合物は、動物質および植物質から得 られる。脂質混合物の材料には、例えば、サバ、イワシ、カマス(Macker el pike)、およびニシンなどの青魚のような海洋動物、サケ、タラの肝 油、オキアミや様々なエビ様ガイアシ類などの動物性海洋プランクトン、卵、ホ ウレンソウ、ブロッコリ、およびスベリヒユなどの緑葉野菜、ダイズ、ヒマワリ 、アマ、キャノーラ、ナタネ、および綿実などの油料種子が含まれる。多不飽和 脂肪酸を豊富に含む天然の脂質混合物の材料は、いかなるものでも、本発明の処 理において用いることができる。 脂質混合物は、アルコール、または炭化水素などの溶媒による抽出、または浸 出によって、動物、または、植物性脂肪、もしくは油脂から分離される。脂質を 浸出、または抽出するための溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソ プロパノールなど、1個から4個の炭素原子をもつ低級アルカノール、ヘキサン などの炭化水素、石油エーテル、およびジエチルエーテルなどのエーテル、3個 から4個の炭素原子をもつ、加圧下にある低級アルカン、例えば、トリクロロメ タン、およびジク ロロメタンなどのハロゲン置換された低級アルカン、アセトンなどのケトン類、 また、上記の混合物を挙げることができる。例えば、卵黄粉末を、メタノールの ような低級アルカノールと混合すると、液体状になったリン脂質、トリグリセリ ド、およびステロール、ならびに、固体の蛋白質材料を含む脂質混合物が得られ る。固体の蛋白質材料は、濾過、または遠心分離など、当技術分野において既知 の方法によって、脂質混合物から容易に分離することができる。 好ましい脂質材料は卵黄である。本発明において用いられる卵黄は、一般的に は、ニワトリ、七面鳥など、さまざまな鳥類から、好ましくは、ニワトリに由来 する。しかし、例えば、サケなどの魚の卵、また、カメの卵など、その他の動物 の卵を用いることができる。 シムら(Sim,J.S.ら)の卵の利用と加工技術の120ページに書いて ある、ニワトリの卵黄の典型的な組成は、重量に基づいた百分率で示すと以下の 通りである。 (a)水 47.5%、脂質 33.0%、蛋白質 17.4%、炭水化物( 遊離)0.20%、無機元素 1.1%、および、その他0.8%; (b)脂質組成物に関しては(全脂質から)、トリグリセリドが71〜73% 、コレステロールが4〜6%、リン脂質が23〜25%、レシチンが(リン脂質 中)70〜77%、C16〜C18脂肪酸 99.5%、飽和脂肪酸 44%、 単不飽和脂肪酸 44%、および、多不飽和脂肪酸が10.2%。その前になさ れた卵黄分析のおける、C16およびC18脂肪酸に関する限り、出願人らには 、分析が長鎖の脂肪酸の原因とは思えない。 卵黄は、液状、凍結状態、または、固形で、シリカ流動剤(silica f low agent)のような、従来からある添加剤を入れたり、入れなかった りというような、様々に異なった形状でありうる。卵黄の固形は、噴霧乾燥卵黄 、凍結乾燥など、従来からの様々な方法によって、卵から得ることができる。卵 黄の固形は、典型的には、最大5%の水分量、6.5±3のpH、最低56.0 重量%の脂肪成分を持つ。本発明における、卵黄の好ましい形状は卵黄固体であ る。 AA、およびDHAのような長鎖不飽和脂肪酸が卵黄脂質中、主に、リン脂質 画分中に見られる。本発明の卵黄脂質のメタノール溶液中で、関連する脂肪酸プ ロフィールによって判定され たところによると、脂質の量は、典型的には、約38重量%であり、AAの量は 約4重量%、DHAの量は約1.5重量%である。しかし、これらの脂質成分の 量は、動物の生物種、その食餌、時季などによって異なりうる。 加工された天然成分に含まれるリンとコレステロールの量は非常に低い。一般 的に、リンの量は、加工された天然成分からすると、約0.1重量%から0.0 001重量%まで変化しうる。リンの量は、加工された天然成分の0.1重量% よりも低いこと、特に、0.01重量%よりも低いことが好ましい。加工された 天然成分の重量からすると、コレステロールの量は、0.5重量%よりも低いこ と、特に、0.1重量%よりも低いことが好ましい。本発明に係る、蒸留された 遊離脂肪酸と蒸留された低級アルキルエステルは、また、加工された天然成分に 関して上記された、低いリン量と低いコレステロール量とを持つ。本発明の脂肪 酸、およびエステル産物は、実質的には、コレステロール、ステロール、および リン化合物を含まないことが好ましい。 脂質材料から脂質を抽出するために用いられる有機溶媒の量は、脂質を溶解す るのに充分な範囲で、大きく変化しうる。卵 黄固形の場合、そのような量は、卵黄固形100グラム(g)あたり、40 m lから800 ml以上まで、さまざまに変化しうる。より多量のメタノールを 使用することもできるが、後のステップで除去する必要があるため、メタノール を多量に使用しても有効なメリットは殆どない。 本明細書の実施例4から明らかなように、約20℃〜68℃、好ましくは30 ℃〜65℃の温度範囲において、メタノールを用いて卵黄から脂質を抽出するこ とにより、卵脂質抽出物に予期せぬ高濃度のAAが得られる。 メタノールで卵黄を抽出することにより、リン脂質に富む卵脂質抽出物が得ら れる。抽出されたこのリン脂質には卵黄の殆どのAA及びDHAが含まれている 。メタノール以外の溶媒を用いて脂質を抽出する場合、抽出温度は、約0℃から 溶媒の沸点までの温度を利用することができる。これらメタノール以外の有機溶 媒の使用量は、メタノールを使用する場合と同様である。 温度を20℃〜68℃、好ましくは30℃〜65℃に維持している場合、脂質 源から脂質を抽出する際に低級アルカノールを付加するか、加水分解またはエス テル交換反応前に、トリグリ セリドがリン脂質から分離していない脂質混合物に単に低級アルカノールを加え ることにより、2つの液相が形成される。上の相はリン脂質、ステロール、及び アルコールから成り、下の相はトリグリセリドとステロールから成る。トリグリ セリド相はデカンテーション等の技術上周知の方法で除去する。AA、DHA、 及びEPA等の多不飽和脂肪酸がトリグリセリドにではなく主にリン脂質に結合 している卵黄等の脂質混合物の場合は、アルコールを付加することにより、トリ グリセリドの除去及び残存する脂質混合物における多不飽和脂肪酸の濃縮を便利 且つ安価に行うことができる。低級アルカノールを付加しても、以降の加水分解 反応やエステル交換反応に干渉することはなく、リン脂質の脂肪酸部分のエステ ル交換反応に必要な低級アルカノールを提供することができる。相分離のための 低級アルカノールとしてメタノールを使用する場合、メタノールは、卵黄固形物 等の脂質源に、好ましくはアルコール1に対して約0.5〜3の質量比で加えら れる。この範囲を外れた割合のメタノールを付加すると、2相混合液が形成され なかったり、それらの個々の相へのトリグリセリド及びリン脂質の分配がうまく ゆかなくなる。水を加えることにより分離を補助することができる。 加える水の量は、卵黄固形物等の脂質源に基づき、約1wt%から約100wt %まで等、広い範囲に渡って変わり得る。 以下にエステル経路に関わる本発明の好適な実施態様を簡単に説明する。メタ ノールを用いて卵黄固形物等の脂質源から脂質を抽出する;脂質を、脂質源に含 まれる蛋白質及び他の不溶性成分から分離する;脂質のメタノール溶液をアルカ リ性エステル交換反応に掛け、次いで中和し、脂質グリセリドの脂肪酸を脂肪酸 メチルエステルに転換する。このとき、反応媒体には、脂質やエステル交換反応 及びその後の中和反応に由来するグリセリン、リン、及び他の産物の他、コレス テロール等のステロールも含まれている;沈殿法または相分離等により、前記の メチルエステル及びステロールを、グリセリン及び幾分かのメタノールの他、脂 質、主にはリン脂質に由来するリンを含んでいる水相から分離する;メチルエス テルを蒸留し、メチルエステルからステロールを分離する;そして、グリセロー ルの存在下でメチルエステルをエステル化反応、特にはエステル交換反応に掛け 、次いで、反応生成物を中和もしくはクエンチングし、卵黄脂質から脂肪酸の卵 由来のトリグリセリドを生成する。このようにして得られるトリグリセリドには 高濃度のAA及びD HAエステル群が含まれており、また、この卵誘導トリグリセリドに含まれるコ レステロール及びリンの量は低減されている。 脂質をメタノールまたは他の有機溶媒に溶解した後、蛋白質等の不溶性卵黄成 分を脂質のメタノール溶液から分離する。この処理は、フィルタープレスや遠心 分離、または減圧濾過等の様々な従来技術により行うことができる。 卵黄をメタノールで抽出する場合、抽出物は、好ましくは、水の付加及び遠心 分離によりトリグリセリド相とリン脂質相に分離される。脂質を抽出するための 溶媒としてメタノールを用いたサンプルを分析したところ、トリグリセリド相に は検出可能なレベルのリンが存在せず、コレステロールのレベルも低いことが明 らかになった。また、このサンプルを脂肪酸分配アッセイしたところ、トリグリ セリド相には、AAが0.37%とDHAが0.13%しか含まれていないこと が示された。これは、リン脂質がトリグリセリド画分から明らかに分離されたこ とを示している。リン脂質相の分離及び単離により、大部分のトリグリセリドを 除去し、精製遊離脂肪酸や低級アルキル脂肪酸エステル、及び加工天然成分等の 最終産物を、DHA及びAA等の高濃度の多不飽和酸と共に調製することができ る。 加水分解やエステル交換反応の前に、上記の如くリン脂質をトリグリセリドか ら分離するのが有利であるが、大半のコレステロールもリン脂質層に分離するの が分かった。従って、この反応混合物または以降の反応混合物からコレステロー ル及び他のステロールを除去するための有効な手段を講じる必要がある。 エステル経路において、脂質源から不溶性材料を除去した後、卵黄トリグリセ リドから分離したもの等の脂質溶液、好ましくはリン脂質溶液は、次いで、低級 アルカノール及び触媒量のアルカリ金属低級アルコキシドでエステル交換反応の 準備が為される。脂質を低級アルカノールに溶解しない場合は、エステル交換反 応のために低級アルカノールを添加する必要がある。低級アルカノール以外の脂 質溶媒は、好ましくは、このステップで除去すべきである。卵黄脂質は典型的に は僅かに酸性を呈するため、この段階で中和が必要になることがある。エステル 交換反応触媒のアルコキシドのアルカリ金属部分は、カルシウム、マグネシウム 、ナトリウム、あるいはカリウム等のアルカリ土類金属またはアルカリ金属であ ってよい。好適なアルカリ金属はナトリウムまたはカリウムであり、特にはナト リウムである。低級アルキルオキシド、即ちアルコキシドは、例えば、メチル、 エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル等の1個から4個の炭素 原子、及び、好適には1個から2個の炭素原子を持つことができる。アルカリ金 属低級アルコキシドの例証として、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ ド、ナトリウムn−プロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、 その他同種類のものを挙げることができる。 アルカリ金属低級アルコキシド触媒の量は、脂質の脂肪酸の対応する低級アル キルエステルへの低級アルカノールの脂質のエステル交換反応をもたらすために 必要な触媒量を提供すると共に、脂質の低級アルカノール溶液を中和するのに充 分な量でありさえすれば広い範囲に渡って様々な量で使用することができる。代 替的に、脂質のアルコール溶液の酸性度を酸化カルシウム等の他の塩基性材料で 中和することもできる。この場合、アルカリ金属低級アルコキシドは、脂質の重 量に基づき、例えば約0.4wt%のナトリウムメトキシド等、触媒量で使用さ れる。 AAまたはDHA等の脂肪酸の低級アルキルエステルへの脂質のエステル交換 反応のための温度は、約20℃から低級アルカノールの沸点、例えばメタノール の場合68℃まで、及び好 適には約50℃から低級アルカノールの沸点までのある温度等、広い範囲の温度 を利用することができる。 対応する脂肪酸の低級アルキルエステルへの脂質のエステル交換反応の後、反 応媒質は、好適には、エステル交換反応で従来行われているのと同様に、酸で中 和される。しかし、このような中和処理は必ずしも必要ではない。使用可能な酸 の例証として、酢酸その他同種類のもの等の有機酸の他、リン酸、塩酸、硫酸等 の無機酸を挙げることができる。 脂質のエステル交換反応により、一般的に沈殿物として得られるリン化合物、 及び低級アルカノールと低級グリセリンを含む水相が生じる。また、脂肪酸エス テル及びコレステロール等のステロールを含有する低級アルキルエステル相も生 成される。沈殿物を含む水相材料を、脂肪酸及びコレステロールの低級アルキル エステルを含有する相から分離する。沈殿物は、好適には、濾過または遠心分離 により分離し、一方、液性材料は、デカンテーションや遠心分離等の手段により 分離することができる。大部分の低級アルカノールがこの段階で除去されるが、 粗製低級アルキルエステル画分の約5wt%から10wt%は低級アルカノール である。この低級アルカノールは蒸発手段によ り除去することができる。このようにして、エステル交換反応の中和後、性質の ことなる2つの層が形成される(即ち、相分離)。上の層は主に脂肪酸の粗製低 級アルキルエステルであるが、この層には、例えば約2%から20%等、幾らか の量の低級アルカノールが含まれている。この低級アルカノールは、卵黄脂肪酸 のアルキルエステルを蒸留する前に、蒸発あるいは蒸留により除去される。上記 の相は分離され、主として(茶色がかった)暗い色を呈している下の層は大半の アルカノールを含んでいる。長期間静置するか幾分かのアルカノールを除去する ことにより、更なる量の粗製低級アルキルエステルを単離することができ、従っ て、有効収率を増大させることができる。 次に、分子蒸留器あるいは短路蒸留器などを用いて減圧下に蒸留により、コレ ステロールから脂肪酸の粗製低級アルキルエステルを分離する。AAやDHAの 様な不飽和脂肪酸はそれらが分解する温度に感受性あり、特にトランスアイソマ ーを形成する温度に感受性があるため、100℃から約250℃の温度で蒸留す るのが好ましい。蒸留装置は、低い温度と減圧下で蒸留が可能である、分子蒸留 器あるいは短路型蒸留器を用いることが好ましい。好ましくは、蒸留は130℃ から230℃の温 度で実施する。圧力は1×10-3kPaから0.533kPaの範囲で変えるこ とができ、その範囲で蒸留により精製された脂肪酸低級アルキルエステルを回収 することができる。 脂肪酸の低級アルキルエステルを蒸留した後、そのエステルを別のエステル、 例えば、低級アルカノールを取り除き、好ましくはアルカリ金属低級アルキル酸 化物を触媒当量の存在下でエステル交換反応して得るグリセリドの様な別のエス テルに転換する。 エステル交換反応では、一価あるいは多価アルコールでエステル交換反応され た脂肪酸の低級アルキルエステルの精製(蒸留)物は、一般に各アルコールの水 酸基当量に対する低級アルキルエステルのモル比が1から2である。トリグリセ リド中に調製されるモノ−及びジグリセリドの量を最小にするために、卵由来ト リグリセリドの調製におけるグリセロールの量が、トリグリセリドの形成に必要 な化学量論的量のおよそ95%以下であることが好ましい。 多価不飽和脂肪酸中にある二重結合は温度に感受性であり、シスからトランス アイソマーに転換してしまうことから、脂肪酸の低級アルキルエステルのエステ ル交換反応に用いる温度は、 約250℃以下であり、好ましくは20℃以下である。従って、エステル交換反 応温度は広範囲に変えることが可能であり、例えば約75から250℃の範囲で 、好ましくは約150から200℃の範囲で変えることができる。アルカリ金属 低級アルコキシドは再び触媒量でグリセリド及び他のエステルへのエステル交換 反応に使用される。 上記のエステル交換反応では脂肪混合物あるいはリン脂質から脂肪酸の低級ア ルキルが形成されることから、エステル交換反応によりグリセリドあるいはその 他のエステルが形成された後に、酸を用いて反応媒体を中和する。それから中和 した反応媒体を処理して廃物を取り除き、例えばグリセリドの様なエステル、例 えばAAやDHAを含む卵黄脂肪酸の様な脂肪源、即ち加工天然成分を含む成分 を回収する。この精製には従来の方法、例えば中和した反応媒体を水で洗浄し、 その後で脂肪を加熱し、真空又はその両方により乾燥させる方法が利用できる。 加工天然成分には約1重量%から10重量%のAAで、少なくとも1重量%のA Aと約0.1重量%から5重量%のDHAで、少なくとも0.1%のDHAを含 み、好ましくは0.01%未満のリンと0.5重量%未満のコレステロールが含 まれる。 グリセリドから廃物を取り除き、グリセリドを乾燥させた後、グリセリドを活 性炭と接触させ、それから例えば濾過プレスを用いて固形物を取り除き、AAと DHAのグリセリドと、少量のコレステロールと更に少量のリンを含む加工天然 成分を回収することで、これを任意に脱色することもできる。さらに脱色したグ リセリドは遊離脂肪酸、あるいはその低級アルキルエステル、残留溶媒の様な揮 発性成分を除いて脱臭することもできる。この様な工程は食用グリセリド油の生 産によく用いられる。 遊離脂肪酸経路 遊離脂肪酸経路では、脂肪酸、脂肪酸エステル、及びその混合物は多価不飽和 脂肪酸の形で調製される。エステル経路における様に、脂肪は天然の脂肪混合物 から由来し、また本発明による酸、エステルおよびその混合物は低レベルのコレ ステロール、ステロール、及びリン化合物を含んでおり、これらは前記の如くコ レステロール、ステロール、ならびにリン化合物を含まないことが好ましい。本 発明の遊離脂肪酸経路は最大5段階から成る。これらの段階について、本発明の 詳細な説明の中の遊離脂肪酸経路の局面において記載する。遊離脂肪酸経路はエ ステル経路と同一の出発物質より始まる。 第一段階ステップ(A)では、リン脂質、トリグリセリドとステロールを含む 脂肪混合物を水の中で加水分解して、遊離脂肪酸とステロールから成る脂肪酸層 と水、グリセロールとグリセロールリン酸エステルから成る水相とから構成され る2相生成物を得る。 ステップ(A)に於ける脂肪混合物の加水分解は、酸あるいは塩基の付加によ り触媒される。ステップ(A)の脂肪混合物の加水分解は、塩基により触媒され た加水分解反応を用いて行うことが好ましい。その様な塩基−触媒型加水分解反 応は一般には鹸化反応として知られている。好適な塩基触媒は水酸化物、炭酸塩 、炭酸水素塩のナトリウム、リチウム、カルシウム、及びカリウム塩を含む水性 アルカリである。塩基触媒を組み合わせても使用できる。 ステップ(A)の加水分解反応は平衡律速反応である。塩基触媒反応はそれぞ れの脂肪酸の金属塩が形成されて終了する。塩基触媒を少なくとも脂肪混合物に 含まれる脂肪酸群の当量を基本として2倍量の化学量論的な量を加える。脂肪混 合物に含まれる脂肪酸群の同等の1.1から1.5倍量加えることが好ましい。 塩基触媒加水分解では、加水分解中にできた脂肪酸の金属塩を鉱酸で酸性化し てpHを4以下にして、遊離脂肪酸とステロールから成る脂肪酸層と、水、グリ セロール、グリセロールリン酸エステル残基から成る水相より構成される2相生 成物を形成させる。 脂肪酸の金属塩の酸性化に有用な鉱酸は脂肪酸のpKaより低いpKaを持つ ものである。好適な鉱酸には、硫酸、硝酸、塩酸、リン酸がある。鉱酸を組み合 わせて使用することもできる。鉱酸は、少なくとも塩基触媒量を基にした化学量 論的な量で加える。鉱酸は希釈しても、あるいは濃縮した形態でも加えることが できる。好適な鉱酸は塩酸液である。 ステップ(A)で適切量の低級アルカノールが存在しないと、未反応のリン脂 質と加水分解されたリン脂質残基が表面活性剤として作用し、ステツプ(A)の 脂肪酸と水相形成に干渉する。ステップ(A)の脂肪混合物に適当量の低級アル コールは含まれていない場合には、低級アルコールを加えてステップ(A)の生 成物を加水分解し、2相形成を助ける。アルコールは脂肪酸を溶かし、表面活性 剤残基を水相に分配することを助ける。アルコールを、ステップ(A)に加える 脂肪混合物に存在する アルコール対リン脂質の質量比が0.5:1から3:1、好ましくは1.5:1 になるように加える。2相形成を助けるのに好適な低級アルコールとしては、メ タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブタノールとブ タノールがある。上記の例以外の低級アルコールを加えても2相混合物は形成さ れず、トリグリセリドとリン脂質がそれぞれ相に十分に分配されることはない。 第2段階、ステップ(B)では、ステップ(A)で形成された2相生成物の水 相を脂肪相から分離する。水相はデカンテーションのような当業者公知の方法で 取り除くことができる。酸性pHでは脂肪酸はステップ(A)で場合によって加 えられている低級アルコールと脂肪酸アルコールエステルを形成できることは重 要なことである。脂肪酸アルコールエステルは脂肪酸の収率を悪くすることから 望ましくない。従って、次のことが望ましい:(1)ステップ(A)で形成され た2相生成物は低温に維持しエステル化を起こさないようにするが、脂肪酸が水 相を維持できる温度は、35℃から55℃、好ましくは40℃から50℃の間で なければならない;そして(2)水相は可能な限り早く2相生成物から取り除く 。 第3段階、ステップ(C)では、ステップ(B)からの脂肪酸相を150℃か ら250℃の温度に、好ましくは170℃から230℃の温度に加熱し、脂肪酸 がステロールと反応しステロール脂肪酸エステルと水を形成できるようにする。 任意に、水を反応物から取り除いて、平衡をステロール、脂肪酸エステル形成に 傾かせる。脂肪酸ステロールエステルができると、混合物中のパーセンテージを 基にした多価不飽和脂肪酸の統計的分布も含め、各脂肪酸の1モル当たりに各ス テロールエステルが1モル形成されるなど脂肪酸の収率が悪くなる。この収率の 損失はステロールを脂肪酸化から容易に分離できるステロールエステルに転換す るために必要である。 必要であればエステル化触媒をステップ(C)に加え、ステロール脂肪酸エス テル形成速度を早めることができる。好適なエステル化触媒としては:ジブチル スズ酸化物、リン酸、酸化亜鉛、塩酸そしてブチル亜スズ塩がある。 第4段階、ステップ(D)では、ステップ(C)で形成された脂肪酸とステロ ールエステルを130℃から250℃の温度、1×10-3kPaから0.533 3kPaの圧で蒸留して精製脂肪酸を回収する。蒸留は180℃から220℃の 間の温度で、 1×10-3kPaから0.067kPaの間の圧で行うことが好ましい。脂肋酸 は比較的揮発性であり、完全に蒸留するのに対してステロール脂肪酸エステルは 揮発性でなく、残査が残る。グリセリド産物に由来する脂肪酸残査の分子量分布 は蒸留によって調節できる。例えば、低分子脂肪酸は低沸点脂肪酸である傾向が あり、蒸留の第一分画に濃縮される:高分子酸はより高い沸点の分画に存在する 。こうして得た脂肪酸はステロールは基本的にはステロール成分とリン含有残基 を含んでいない。さらに蒸留段階を重ねることで、軽酸や濃縮されたAA、DH A、そしてEPAの様な重多価不飽和酸を除くことかできうる。 本発明では、ステロール脂肪酸エステルを形成させることは、ステロールやス テロールエステルを含まない脂肪酸を高収率に回収する上で重要である。AA, DHA,やEPAの様な高分子多価不飽和脂肪酸とステロールエステルの間の揮 発性の差は比較的大きい。従って、ワイプフィルム蒸留器、落下フィルム蒸留器 、短路蒸留器、遠心分子蒸留装置を含む既存の単平衡段階型の非灌流型高圧蒸留 装置を用いることで、多価不飽和脂肪酸をステロールエステルから明確に分離す ることができる。 あるいは、遊離ステロールやAA、DHAやEPAの様な高 分子多価不飽和脂肪酸の揮発性の差は比較的小さい。従って、単平衡ステージ型 、非灌流型高圧蒸留法で遊離ステロールを高分子多価不飽和脂肪酸から明確に分 離することはできない。 遊離ステロールと脂肪酸の様な揮発性が相対的に低い物質を明確に分離するこ とができる灌流器のついた多段階分画型蒸留装置は、多段階あるカラム間の移行 時に大きく圧力が低下するために、高圧下で、さらに続いて高温度条件で操作し なければならない。多段階型蒸留に必須な高温での操作は、不飽和脂肪酸の不要 な熱による分解やシス−トランスアイソマー化を引き起こす。 結晶化法あるいは超臨界抽出法の様なステロールを分離する他の方法は、操作 が難しく、また高価である。ステロールと脂肪酸の融点は重なっており、そのた め両者を明確に分離するためには複雑で、高価な分画結晶化装置と冷凍機が必要 となる。 超臨界抽出法では、超臨界条件下に抽出物を維持するために高価な高圧装置が必 要となる。 必要に応じてステップ(D)で得た、ステロールやリン含有残査が残っていな い精製した脂肪酸をC1−C10アルキル1価アルコールあるいは多価アルコー ルと混合し、加熱してアル コールの脂肪酸エステルを作っても良い。ステップ(E)。好適な1価アルコー ルとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタ ノールがある。好適な多価アルコールには、例えばグリセリン、プロピレングリ コール、エチレングリコール、ソルビトール、ショ糖、エリトリトール、ペンタ エリトリトール マンニトール、果糖、グルコース、キリシリトールおよびラク チトールがある。1価あるいは多価アルコールを、各水酸基当量に対して脂肪酸 のモル比が1から2モルになる様に、好ましくは各水酸基当量に対して脂肪酸の モル比が1.1から1.3モルになる様に加える。必要に応じて、エステル化反 応時に水を除いてエステル産物に平衡状態を傾けることもできる。 脂肋酸経路中の加工天然成分はエステル経路の場合と同様にして、エステル化 反応からグリセリドを分離した後に得る。必要であれば加工天然成分を脱臭、脱 色等行い精製することもできる。加工天然成分はグリセロールでエステル化反応 して得たグリセリド成分、もしくは好ましくは遊離脂肪酸経路とエステル経路で 精製したグリセリド成分である。 遊離脂肪酸経路とエステル経路の両方に於いて、飽和脂肪酸 あるいはその低級アルキルエステルに対する不飽和脂肪酸あるいはその低級アル キルエステルの比を大きくすることが望まれることがしばしばある。これは実施 例5,6,および7に示す様に、溶媒分画法や冷圧技術の様な固相分画法等の様 々な分画技術で達成できる。この様な分画は、卵黄飽和脂肪酸やそのエステルと 、不飽和型卵黄脂肪酸とそのエステルとの間の融解点あるいは凝固点温度の違い を利用して実施できる。この分画法は、蒸留段階前の粗製脂肪酸あるいはその低 級アルキルエステルもしくは蒸留後の精製遊離脂肪酸あるいはその低級ルキルエ ステルに適用可能である。 エステル経路もしくは遊離酸経路のいずれから得た加工天然成分でもそのグリ セリドの濃度は、加工天然成分の重量で少なくともおよそ60%、好ましくは7 0%、特に好ましくは少なくとも85%から90%の間である。残りは通常は様 々な反応物や中間産物、そして本発明の方法に使用した溶媒であり、これに少量 のコレステロールとリンが混入している。この様な物質にはアルカノールや様々 なその他の溶媒と不飽和型脂肪酸あるいはその低級アルキルエステルが含まれる 。 卵由来のトリグリセリド中に含まれる、トリグリセリドのよ り重要な個々の脂肪酸の幾つかについて、典型的な脂肪酸プロフィールを表Aに 示した。 表 A 本発明の卵黄由来トリグリセリドの分析脂肪酸プロフィール 総脂肪酸中の相対量 C16:0 29.5 C18:0 11.0 C18:1 40.3 C18:2 15.6 C20:4w6(AA) 2.9 C22:6w3(DHA) 0.8 合計 100.1 卵由来のその他の成分 トリグリセリド 量(mg/100g) コレステロール 50未満 リン 10未満 本発明の経口調整品は通常次の方法により調製できる。適当 量の蛋白質を十分量の水あるいは油に分散させて溶解するか懸濁し、蛋白液/蛋 白懸濁液を作る。典型的なこの蛋白質源は未変性のミルクあるいは大豆蛋白質と /あるいは加水分解されたミルクか大豆蛋白質である。炭水化物源は、一種類以 上のコーンシロップ、ラクトース、マルトデキソトリンやショ糖であり、これを 水に溶解して炭水化物液を作る。ポリサッカライドの様な食物繊維も加えること ができる。適当なミネラルを水、炭水化物液あるいは油に溶解してミネラル液を 作る。 これらの調整後、3種類の液(蛋白、炭水化物、ミネラル)に適当量の油、特 に簡易加工して得た油と油性ビタミンを混ぜる。その溶液を熱加工して、均質化 する。続いて水溶性ビタミン、鉄、コリンやその他の栄養分を加え、それから核 酸も加えることができる。この液をさらに水で希釈して適当なカロリー密度、お よそ1リッター当たり670−725kcalとする。それから、この処方品を 容器に分注して、市販品としての滅菌あるいは包装を通常の技術と装置を用いて 行う。こうして調整された物は、本明細書のデータの様な小児処方に従った適切 な栄養素を含んでいる。また、本発明の特徴的な処方は粉末もしくは濃縮液の形 でも調整することができる。 本経口調整品はまたアミノ窒素、水酸化物、食用脂肋、ミネラル、あるいはビ タミンといった栄養源に卵黄由来の本発明のトリグリセリドを混ぜて簡単に得る こともできる。好ましくは、卵由来のトリグリセリドはおよそ0.1重量%から およそ2重量%の範囲にあって、典型的にはおよそ小児処方の総脂質量の1重量 %になるAAと小児処方中の総脂肋のおよそ0.05重量%からおよそ0.5重 量%のDHAを提供する。 本発明の経口調整品の処方を表Bに示す。表 B 本発明による調合乳 卵誘導トリグリセリド由来のトリグリセリドのパーセンテージは、上掲表に示 した好ましい本発明の経小腸調合乳では2〜20%であるが、他の脂質の量を減 らすことにより卵誘導トリグリセリド由来のトリグリセリドを脂質の約2〜95 %とすることが可能である。乳児用調合乳中の卵由来トリグリセリドの量は通常 、調合乳11当たり約36g未満とする。 本発明は、丸剤またはカプセル剤の形態とし得るヒト及び動物用補充栄養剤中 への卵由来トリグリセリドの使用も提供する。本発明による補充栄養剤は特に、 妊娠した、及び/または授乳中の女性によって用いられ得る。 本発明を、以下の実施例によって詳述する。本出願明細書中、実施例を始めど こに示した部及びパーセンテージも総て重量に基づく。室温もしくは周囲温度と は、文脈から別の温度が示されないかぎり23℃である。実施例1 エステル経路による卵由来トリグリセリドの調製 この実施例では、14334 Industrial Road, Omah a NEのHenningsen Foods, Inc.のY−1型卵黄固体 を用いた。この卵黄固体は 次のような化学的及び物理的標準特性を有する: 含水量0.5%以下; pH 6.5±0.3; 脂肪含量56%以上;タンパク質含量30%以上; 40 〜60ppmのβ−カロテンで着色; その100%がU.S.S.S. #1 6スクリーンを通過するように顆粒化。Henningsen Foods Y −1型卵黄固体(455.7g)をメタノール(11)と共にビーカー(2l容 )に入れ、60℃に加熱し、磁気攪拌棒で攪拌した。黄色のスラリーを1時間攪 拌し、短時間の冷却後に固体を真空濾過によって濾別した。不溶性の卵黄成分を 漏斗に入れ、追加のメタノール(2×200ml)で洗浄した。濾液を三首丸底 フラスコ(1l容)に入れ、11容のフラスコが全濾液を収容できるようにメタ ノールの一部を蒸留により除去した。メタノール−脂質混合物の酸含量を滴定分 析測定法で測定し、等モル数のナトリウムメトキシドを添加して酸を中和した。 追加のナトリウムメトキシド(1g)を添加し、これを、卵脂質がメチルエステ ルに変換されるエステル交換反応のための触媒として機能させた。約1時間後、 反応を完了させてそれを、総ての卵脂質がメチルエステルに変換されたことを示 すTLC(薄層クロマトグラフィー)によって確認した。反 応はリン酸(0.7g)の添加によって停止させた。酸の添加によって沈澱物が 生じた。冷却後、沈澱物を真空濾過によって除去した。濾液は2相に分離した。 橙色の上方層はメチルエステルの大部分と少量のメタノール溶媒とを含有した。 暗色の下方層は幾分かのメチルエステルとメタノールのほとんどとを含有した。 下方層はほぼ水中分散性であった。下方層から過剰なメタノールを除去した後、 粗なメチルエステルを更に単離することができた。一つに合わせた粗なメチルエ ステル(82.4g)を短路型ガラス蒸発器(UIC Inc.; KDL−4 ユニット)において、0.045mmHgの真空及び100℃のジャケット温度 で蒸留した。精製された卵由来メチルエステルから成る透明無色の留出物(60 .4g)は、0.46重量%のコレステロール及び5ppm未満のリンを含有し た。精製メチルエステル(45g)を三首丸底フラスコ(100ml容)内でグ リセリン(4.6g)と混合した。フラスコを窒素でパージし、窒素雰囲気を終 始維持した。非混和性混合物を磁気攪拌棒で激しく攪拌した。混合物を高温で乾 燥後、ナトリウムメトキシド(0.5g)を反応混合物にゆっくり添加した。加 熱を110〜170℃で24時間継続した。TLCは反応が 緩慢に進行していることを示した。追加のナトリウムメトキシド(0.2g)を 添加し、加熱を更に24時間継続した。その後、反応混合物を冷却し、85%リ ン酸(0.5g)の添加によって中和した。混合物を水(5×20ml)で洗浄 し、真空下に加熱乾燥した。得られた油を短路型ガラス蒸発器で脱臭し、それに よって未反応のメチルエステルを含めたあらゆる揮発成分を除去して卵黄由来ト リグリセリドを得た。 表 1 この表に、実施例1で調製した卵由来トリグリセリドの組成を示す。メタノー ルに溶解させた卵粉末から抽出した脂質を「抽出物」と呼称し、脱色及び脱臭し た卵由来トリグリセリドを「精製トリグリセリド」と呼称する。この表には、単 に「粗生成物」と呼称する脱臭及び脱色前の粗なトリグリセリドに関して本発明 の方法を含む別の実験で得られた脂肪酸及びコレステロールの量も示す。定量結 果は試料100g中のグラム数で示してある。記号「N/D」は当該物質の量が 検出不能であることを意味し、「N/R」は報告されていないことを意味する。 実施例2 エステル経路による卵由来トリグリセリドの調製 卵黄粉末(500gずつ8バッチ、即ち合計で4,000g)をメタノール( 1,000mlずつ8バッチ、即ち合計で 8,000ml)と混合し、攪拌下に50〜60℃に加熱した。卵粉末はメタノ ール中に自由に分散せず、卵粉末の塊をへらで壊さなければならなかった。抽出 時間を平均で約45〜60分とし、その後スラリーをブフナー漏斗で濾過した。 卵タンパク質をきわめて急速に濾別し、更に200ml(1バッチ当たり)のメ タノールを用いて不溶性卵黄成分を洗浄した。 別の実験で抽出物を単離したところ、該抽出物の酸値は約12であった。エス テル交換反応に用いるナトリウムメトキシドの量を減らすべく、21.6gの酸 化カルシウムを添加した。抽出物の重量が卵粉末の重量の50%であると仮定す れば、12の酸値の中和には上記量の酸化カルシウムで十分であった。後に、卵 粉末からの抽出物は約33重量%であったと椎定され、従って用いた酸化カルシ ウムの量はおそらく過剰であった。 エステル交換反応を開始させるべく、室温においてメタノール中の25%ナト リウムメトキシド36mlをメタノール溶液に添加した。反応は1時間以内にほ ぼ完了したが、便宜上反応混合物を一晩攪拌した。反応フラスコの底部に通常予 測されるようなグリセロール層は存在しなかったが、混合物中にカルシウム塩が 懸濁した。酢酸(9.45g)を添加してナトリウム メトキシドを中和してからメタノールを除去した。メタノールの除去は、反応混 合物を温度75℃まで加熱し、かつ最後に真空下に加熱することによる蒸留によ って行なった。 残留物を遠心瓶に注ぎ入れ、これを室温において4,000rpmで15分間 作動するように設定された遠心機に設置した。遠心後、瓶内に二つの相が生じ、 暗い橙色の上方層をデカンテーションによってカルシウム塩残留物から分離した 。カルシウム塩残留物の重量は382gであった。橙色の上方層は全体に均質で なかった。コレステロールが晶出していたと考えられる。 橙色の上澄み液(decantate)を、予め卵黄リン脂質から単離した約 275gのトリグリセリド油で稀釈した。上澄み液のコレステロール濃度が高い ので、不揮発性の前記トリグリセリド油の添加によってPope蒸留器のロータ ーを潤滑した。上澄み液を蒸留器に添加した。1mmHgの真空下に、蒸留を2 00±20℃の温度で行なった。前記温度はPope蒸留器に取り付けられた外 部加熱マントルの設定温度であり、メチルエステルが実際に蒸留される温度では ない。 上記蒸留によって820gの蒸留メチルエステルを得た。こ のメチルエステルは、GC(ガスクロマトグラフィー)アッセイによれば0.3 %のコレステロールを含有しており、留出物を放置したところ半固体となった。 残留物の重量は489gであった。このように単離した諸生成物から、次のよう な結果が得られる。 カルシウム塩残留物 382g 蒸留メチルエステル 820g 蒸留残留物 489g トリグリセリド稀釈剤 −275g 添加した酸化カルシウム −21g ナトリウムメトキシド −10g 酢酸 −10g 総単離重量 1375g 上記単離重量は、抽出物重量が卵粉末重量の約30%であったことを示してい る。 約741gの蒸留メチルエステルを用いて最後のエステル化を行なった。前記 留出物を82gのグリセロール及び10mlの25%ナトリウムメトキシドと混 合した。エステル化反応を75℃で開始させ、その後温度を徐々に高めた。開始 温度をこ のように低く設定したのは、オレイン酸メチルで得られる類似のエステル化物が この温度で黒ずみ始めるからである。反応混合物は150℃まで黒ずまなかった 。その後、温度を170℃に上昇させてから反応を停止させた。7日間常に加熱 した後も大部分が分解した徴候は認められず、生成物の色は非常に明るかった。 反応混合物を75℃に冷却し、4.5gの85%リン酸を添加してナトリウムメ トキシド触媒を中和し、その後熱水(400ml)を添加して洗浄し、酸塩を除 去した。更に2回の熱水洗浄を用いて塩を除去した。熱水は乳濁液の形成を低減 するのに必要であった。次に、生成物を真空下に95℃に加熱し、それによって 試料を脱気及び乾燥した。このようにして得られた、本明細書中「卵由来トリグ リセリド」と呼称する生成物の重量は711gであったが、これは正確な収量で はなく、なぜなら反応の進行を分析するための試料採取において反応混合物から 多くの部分を取り去ったからである。 上記最終生成物を少量取り分けて加熱し、メチルエステルを液化した。試料を 脱色するべく活性炭で処理し、その後セライト層で濾過した。炭素処理によって 色が僅かに改善された。 約120gの脱色生成物を分子蒸留器に添加して未反応のメ チルエステルを除去し、それによって該生成物を脱臭した。脱臭後、87.6g のトリグリセリド残留物及び12.6gのメチルエステルを単離した。20gの 損失はここに述べた方法に特徴的なものではなく、小規模蒸留後に発生するホー ルドアップ及び損失に過ぎない。しかし、失われた20gのほとんどはメチルエ ステルである。この実施例2の方法で得られた生成物を分析したところ、AA及 びDHAが予測したより大量に存在することが判明した。このメチルエステル生 成物は著しく安定であり、グリセロールエステル化反応の間明白な分解もしくは 黒ずみは起こらなかった。脱色及び脱臭したトリグリセリドは蒸留の間に僅かに 黒ずんだように見えた。脱色は不要の場合も有るが、行なうなら最後に行なうべ きであると考えられる。 次の表2に、実施例2で得られた様々な組成物の脂肪酸含量を、表中に示した 様々な組成物の脂肪酸メチルエステル(FAME)を分析することにより得られ る総脂肪酸比率(%)として示す。 実施例3 様々な溶媒を用いる脂質の卵粉末からの抽出 標記抽出を、実施例1に述べた抽出と同様にして行なった。上掲表からは、ト リクロロメタンとメタノールとの混合物を用いた場合には全脂肪が高収率で得ら れたが、脂肪中のAAの量は2%にしかならなかったことが知見され得る。メチ ルアルコールを用いた場合は、全脂肪は比較的低収率でしか得られなかったが脂 肪中のAAの収率はきわめて高かった。イソプロピルアルコール、並びに50〜 60℃及び22℃の2種の温度で用いた場合のエチルアルコールは全脂肪を比較 的高収率でもたらすが、脂肪中のAAは低収率でしかもたらさない。エチルアル コールを4℃で用いた場合は、全脂肪の収率は最低となったが脂肪中のAAの収 率は比較的高かった。これらのことから、脂質中に抽出されるAAのパーセンテ ージに関し、約20℃よ り高い温度ではメタノールが他の溶媒より優れていたことが判る。エタノールの 場合、4℃で用いると他の温度で用いた時より脂肪中のAAの収率が上昇したが 、4℃のエタノールによって得られた全脂肪の収率もAAの収率もメタノールに よって得られた収率よりは低かった。実施例4 蒸留脂肪酸の溶媒分画 蒸留した卵由来脂肪酸の試料(1g)を室温でヘキサン(4ml)に溶解させ た。試料を温度約5℃の冷蔵庫に入れた。2日間冷却後、白色の固体が沈澱した 。透明な上清の一部を取り分け、FAP(脂肪酸プロフィール)を得た。結果を 次表に示す。表中、記号「FAME」は脂肪酸メチルエステルを意味し、「S. M.」は出発物質、即ち蒸留した卵由来脂肪酸を意味し、「Prod.」は透明 な上清を意味する。酸は単に当該酸の炭素原子の数、及び当該酸に関する不飽和 基の数(コロンの後)によって示してある。 上述の実施例4の結果から、蒸留脂肪酸の溶媒分画によって不飽和脂肪酸の濃 度が上昇したことが判る。固体沈澱物はそのほとんどが飽和脂肪酸であったと考 えられる。即ち、ここに述べた操作によってAA及びDHAなどの不飽和脂肪酸 の濃度が上昇し、その結果経小腸調合乳において所望のAA及びDHAレベルの 達成に必要な卵由来トリグリセリドの量は減少する。実施例5 メチルエステルの溶媒分画 コレステロールを除去する蒸留の前に卵黄からメタノールで抽出した卵黄メチ ルエステルの試料をヘキサン(4ml)に溶解させた。試料を温度約−20℃の 冷凍庫に入れた。2日間冷却後、固体沈澱物が生じた。上清の一部を取り分け、 FAPを得た。次表で用いた略号は実施例4と同じ意味を有する。この実施例か らも、分画によってAA及びDHAなどの不飽和脂肪 酸の濃度が上昇したことが判る。 実施例6 メチルエステルの低温分画 蒸留した卵黄由来メチルエステルの試料(1g)を、少量の綿で端部を塞いだ シリンジ(5ml容)に入れた。シリンジのプランジャーを挿入し、シリンジ本 体から空気を完全に排除した。試料を収容したシリンジを温度約5℃の冷蔵庫に 入れた。2日間冷却後、シリンジの中味全体が白色の塊状固体となったように見 えた。シリンジを冷蔵庫から取り出し、プランジャーに素早く加圧して透明な液 体画分を単離した。透明液体のFAPを得た。結果を次表に示す。表中、略号の 意味は実施例4と同じである。ここに述べた操作によってもAA及びDHAなど の不飽和脂肪酸の濃度が上昇することは明らかである。 実施例7 液状卵黄(M. G. Waldbaum, Gaylord, Minne sotaの「Easy Eggs」; 292.5g)を11容ビーカー内でエ タノール(690ml)と混合し、磁気攪拌棒で攪拌した。混合物をホットプレ ートで沸騰するまで加熱した。沸騰を10分間持続させた。混合物を数分間冷却 し、その後ブフナー装置で濾過した。不溶性卵黄成分を、まずエタノール(10 0ml)で濯ぎ、次いで漏斗から取り出し、追加のエタノール(250ml)に 加えて室温で5分間攪拌した。再び固体物質を濾別し、エタノール(100ml )で洗浄した。一つに合わせたエタノール溶液を単式分液漏斗に入れ、一晩静置 した。相分離が起こり、大部分がトリグリセリドである下方層を除去した。卵リ ン脂質のエタノール溶液を三首丸底フラスコ(1l容)に入れた。溶液を機械的 に攪拌 し、これに水酸化ナトリウムペレット(2.56g)を添加した。加熱を開始し 、エタノールを単純な蒸留によって除去した。約250mlのエタノールを蒸留 により除去した後のTLCでは、反応混合物が有意量のエチルエステルを含有す ることが示された。追加の水酸化ナトリウムペレット(1.5g)を添加し、エ タノール蒸留を継続した。更に125mlのエタノールを除去してから行なった TLCでは、反応混合物がエチルエステルを含有せず、元の卵リン脂質抽出物の 脂肪酸のみを含有することが判明した。フラスコから熱を取り去り、数分間冷却 後に混合物に濃縮HCl(6ml)を添加して塩基を中和した。冷却した混合物 に水を添加し、その後全溶液をヘキサン(2×400ml)で抽出した。一つに 合わせたヘキサン抽出物を硫酸ナトリウムで脱水し、ヘキサンを減圧下に除去し た。暗い橙色味を帯びた油(14.65g)を得た。この油を再びヘキサン(5 0ml)に溶解させ、温度0〜5℃の冷蔵庫に入れて一晩放置した。ヘキサン溶 液から固体画分が沈澱し、これを濾過によって単離した。ヘキサン濾液を冷凍庫 (−20℃)に入れ、6時間放置した。再び固体沈澱物が生じ、これを濾過によ って単離した。濾液に減圧下にストリッピングを施して溶媒を除去 し、それによって暗い橙色の油(6.68g)を得た。様々な画分のGC分析は 、固体物質が主に飽和遊離脂肪酸であること、及び液体画分の不飽和脂肪酸濃度 が次第に高くなることを示している。後出の表7A及び7Bに、本実施例の様々 な試料の相対的脂肪酸プロフィールを示す。表中、 「Folch Ext.」とも表記した試料Aは液状卵黄のFolch抽出物で あり、 「EtOH Trigl.」とも表記した試料Bはエタノール抽出物から単離し たトリグリセリド画分であり、 「EtOH酸」とも表記した試料Cは粗な脂肪酸から成る最初の画分であり(低 温/溶媒分画未実施)、 「0C Liq. Frac.」とも表記した試料Dは0〜5℃ヘキサン分画に よって得られた液体画分であり、 「−20C Liq. Frac.」とも表記した試料Eは−20℃ヘキサン分 画によって得られた液体画分であり、 「0C固体Frac.」とも表記した試料Fは0〜5℃ヘキサン分画によって得 られた固体沈澱物画分であり、 「−20℃固体Frac.」とも表記した試料Gは−20℃ヘキサン分画によっ て得られた固体沈澱物画分である。 ヘキサンでの抽出前に先に述べたように調製した遊離脂肪酸は、蒸留すればコ レステロールから、好ましくは加熱により該脂肪酸とのコレステロールエステル が生成した後に分離することができる。精製された遊離脂肪酸から成る留出物を グリセロールでエステル化することによって、本発明の卵由来トリグリセリドを 調製し得る。 表 7A 相対的FAP 表 7B 相対的FAP 表7Bから、ヘキサン中の脂肪酸の分画結晶化によって不飽和脂肪酸の濃度が 上昇し、一方飽和脂肪酸の量は劇的に減少することが判る。実施例8 遊離脂肪酸経路によるトリグリセリドの調製 機械的攪拌機、還流冷却器、添加漏斗、サーモウェル、加熱マントルを具備し 、窒素雰囲気を供給される500ml容の三首フラスコに、粉末状卵黄からメタ ノールで浸出して得た154gの脂質混合物、193gのメタノール及び28g の水を入れた。添加漏斗を介して水酸化ナトリウム(50%稀釈液;80g)を 添加した。得られた混合物を64℃で145分間加 熱した。塩酸(12N; 84ml)を5分掛けて添加した。更に14mlのH Clを、pHが2となるまで徐々に添加した。攪拌を停止し、相を分離した。分 離した水性相(底相)は0.58%のリンを含有した。有機相は重量128gで 、6%のモノグリセリド、2%の脂肪酸メチルエステル、5%のコレステロール 、及び遊離脂肪酸を含有した。 124gの遊離脂肪酸を、機械的攪拌機、水トラップ、サーモウェル、加熱マ ントル及びスパージ管を具備した300ml容の三首フラスコに入れた。混合物 を170℃で4時間、100ml/分での窒素スパージ下に加熱した。残留メタ ノール(14g)及び反応水を回収し、得られた生成物を膜拭き取り式蒸発器に おいて245℃及び0.5Torr(0.0667kPa)で蒸留して、83g の留出物及び16gの残留物を得た。留出物(脂肪酸)は0.13%のコレステ ロールを含有したが、検出可能なリンは含有しなかった。残留物は主に脂肪酸の コレステロールエステルを含有した。 留出脂肪酸の試料(67g)を、機械的攪拌機、水トラップ、サーモウェル、 加熱マントル、還流冷却器及びスパージ管を具備した300ml容の三首フラス コに入れた。試料を110℃ に加温し、窒素下に6.6gのグリセリンを添加した。温度を160℃に高めた 。得られた混合物を100ml/分での窒素スパージ下に29時間加熱した。得 られた生成物を0.4Torr及び220℃において膜拭き取り式蒸発器に通し 、過剰な脂肪酸を除去した。脂肪酸留出物の重量は8g、トリグリセリド残留物 の重量は50gであった。トリグリセリドの分析によって、96%がトリグリセ リド、4%がジグリセリドであることが判明した。コレステロールの総量は0. 13%未満であった。実施例9 遊離脂肪酸経路によるトリグリセリドの調製 5kgの粉末状卵黄から91のメタノールで60℃で3時間浸出して得た77 33gのメタノール含有相を221容の反応容器に入れた。混合物を加熱還流さ せ、5.71のメタノールを蒸留によって除去した。得られた混合物に2.51 の水、次いでNaOHの50%溶液750gを添加した。得られた混合物を攪拌 下に還流温度(65〜70℃)で2.5時間加熱した。熱を取り去り、785m lの濃縮HClを、混合物の温度を50℃より高く維持しながらゆっくり添加し た。攪拌を停止し、 相を分離した。分離した底相は重量5764gで、0.31%のリンを含有した 。脂肪酸相は重量1350gで、5.2%のコレステロール、0.17%のリン 及び5.5%の脂肪酸メチルエステルを含有した。脂肪酸相を、N2(窒素ガス )スパージ管及び水トラップを具備した31容フラスコに入れ、約11/分のス パージ速度の下で7時間170℃に加熱した。この間に総量83gのメタノール /水混合物を回収した。生成物は重量1216gで、0.02%のコレステロー ルを含有した。 生成物を、膜拭き取り式蒸発器での蒸留によって精製した。180℃及び0. 5Torrでの蒸留によって215gの留出物が得られ、この留出物は13%の 脂肪酸メチルエステル、41%のパルミチン酸及び24%のオレイン酸を含有し た。残留物を280℃で再蒸留して、745gの留出物及び151gの残留物を 得た。残留物は主にコレステロールエステルを含有した。留出物は、粗物質に比 べてより大きい分子量の脂肪酸の画分をより大量に含有した。 N2スパージ管及び水トラップを具備した21容フラスコに、280℃で得ら れた留出物708gと71gのグリセリンとを入れた。得られた混合物を160 ℃で24時間加熱した。得ら れた生成物を膜拭き取り式蒸発器に移し、280℃及び0.5Torrで蒸留し て、155gの脂肪酸留出物及び480gのトリグリセリド生成物を得た。トリ グリセリド生成物は90%のトリグリセリドと、9%のジグリセリドとを含有し た。実施例10 遊離脂肪酸経路によるグリセリドの調製 機械的攪拌機、水トラップ及びN2スパージ管を具備した300ml容フラス コに、実施例9で回収した脂肪酸留出物80.5gと7.82gのグリセリンと を入れた。得られた混合物をN2スパージ下に230℃で3時間加熱した。混合 物は86%のトリグリセリドと12%のジグリセリドとを含有した。実施例11 遊離脂肪酸経路による脂肪酸の調製 実施例9に述べた操作を踏襲し、ただしメタノールは鹸化ステップからNaO H添加後まで蒸留しなかった。脂質混合物のメタノール溶液6060gを750 gの50% NaOHと混合した。得られた混合物を還流温度で150分間加熱 し、その際混合物から21のメタノールを蒸留した。200mlの水を混合物に 再添加し、加熱を更に30分間継続した。混合物をp H2に酸性化し、2時間掛けて60℃に冷却し、相を分離した。脂肪酸相は重量 771gで、20%の脂肪酸メチルエステルを含有した。実施例12 遊離脂肪酸経路における脂肪酸の相分離 500ml容フラスコに83gのメタノール無含有卵脂質混合物と、122m lの水と、NaOHの50%溶液39gとを入れた。得られた混合物を71℃で 3時間加熱した。濃縮HCl(41ml)を5分掛けて添加し、その際僅かな発 熱が起こった。HClの添加により、生成物が粘稠な固体相として生じ、この固 体相は水性相から完全に分離できなかった。混合物に122gのメタノールを、 60℃において攪拌下に添加した。得られた混合物を加温した分液漏斗に移し、 相を分離した。水性相の重量は343g、脂肪酸相の重量は65.6gであった 。脂肪酸生成物は2%未満の脂肪酸メチルエステルを含有した。実施例13 遊離脂肪酸経路におけるコレステロールエステルの分離 コレステロールをエステル化するべく処理した脂肪酸の試料1213gを、蒸 気ジャケットを具備した添加漏斗に入れた。 前記物質をRodney−Hunt膜拭き取り式分子蒸留器に5ml/分の速度 で供給した。蒸留器の温度を150℃に維持し、圧力は0.5Torrとした。 総量215gの留出物を回収した。この留出物は41%のパルミチン酸、24% のオレイン酸、13%の脂肪酸メチルエステル及び0.5%未満のC20脂肪酸 を含有した。残留物を添加漏斗に入れて分子蒸留器に3.5ml/分の速度で供 給し、その際蒸留器の温度を230℃に維持し、かつ圧力を0.4Torrとし た。 得られた留出物は重量547gで、45%のオレイン酸、1%未満の脂肪酸メ チルエステル、及び3%より多量のC20以上の高級脂肪酸を含有した。この分 画で得られた残留物を添加漏斗に入れて分子蒸留器に3.5ml/分の速度で供 給し、その際温度を250℃に維持し、かつ圧力を0.35Torrとした。得 られた留出物は重量193gで、47%のオレイン酸及び4%より多量のC20 以上の高級脂肪酸を含有したが、脂肪酸メチルエステルは含有しなかった。残留 物は重量151gで、主に脂肪酸ステロールエステルを含有し、かつ2%未満の 遊離脂肪酸を含有した。実施例14 メタノールでの脂質の抽出、及び脂質からのトリグリセリドの相分離 機械的攪拌機、冷却器、窒素供給手段及び真空システムを具備した1,000 gal.容のガラスライニング付き反応容器に1,000lb.の卵黄粉末及び 300gal.のメタノールを入れた。得られた混合物を65℃に加熱し、3時 間攪拌した。タンパク質残留物を濾別し、メタノールで洗浄した後、メタノール ー脂質濾液を1,000gal.容反応容器に戻し、攪拌下に45℃に加熱した 。攪拌を停止し、温度を40〜45℃に維持しつつ混合物を1時間放置した。相 分離が自然に起こった。底相をデカンテーションによって取り出し、試料化し、 かつ重量を測定した。分析により、底相が重量96lb.で、94.9%のトリ グリセリド及び509ppmのリンを含有し、かつアラキドン酸0.6%及びD HA 0%の相対的脂肪酸分布を有することが判明した。頂相は、ストリッピン グによってメタノールを除去すると重量245lb.となり、4%のトリグリセ リド及び3.63%のリンを含有し、かつアラキドン酸6.5%及びDHA 2 .0%の相対的脂肪酸分布を有した。 本発明の加工天然成分は、経小腸調合乳、補充栄養剤、非経 口調合乳に用いることができ、またモノ及びジグリセリド(DHTEM)、スク シニル化モノ及びジグリセリド並びにアシル化モノ及びジグリセリドのジアセチ ル酒石酸エステルなどの様々な可食乳化剤のための出発物質として有用であり得 る。卵黄脂質から調製した遊離脂肪酸、または脂肪酸の低級アルキルエステルも 、ポリグリセロールエステル、プロピレングリコールエステル、ソルベートエス テル等といった他の様々な可食脂質成分の調製用の出発物質として有用であり得 る。 ここまでの詳細な説明に照らして、当業者には多くの変形が示唆されよう。そ れらの明白な変形は総て請求の範囲各項の、十全に想定された範囲の内に有る。
【手続補正書】 【提出日】1998年7月27日(1998.7.27) 【補正内容】 請求の範囲 1. 脂質混合物から遊離脂肪酸を単離する方法であって、 (A) コレステロール、リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂 質混合物を加水分解にかけて、脂肪酸及びステロールを有する脂肪酸相と、水、 グリセロール及びリン化合物を有する水性相とを含む2相生成物を形成するステ ップ; (B)脂肪酸相から水性相を分離するステップ; (C) ステップ(B)由来の脂肪酸相の脂肪酸とステロールを反応させて、 ステロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成するステップ; (D) ステップ(C)で形成されたステロール脂肪酸エステルから脂肪酸を 蒸留して、留出物中で遊離脂肪酸〔該酸は、ステップ(A)の脂質混合物よりコ レステロール及び他のステロール並びにリン化合物の濃度が低下している〕を分 離・回収するステップ を含む方法。 2. 蒸留した遊離脂肪酸を、脂肪酸とC1−C10アルキル一価又は多価アルコ ールと反応させることからなる処理にかけ て脂肪酸エステルを生成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。 3. 脂質混合物から脂肪酸エステルを製造する方法であって、 (A) リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂質混合物を、低級 アルカノールを用いたアルカリ性エステル交換反応にかけ、低級アルキル脂肪酸 エステル及びステロールからなる低級アルキル脂肪酸エステル相と、水、グリセ ロール及びリン化合物からなる水性相とを含む2相生成物を形成するステップ; (B) ステップ(A)で形成された低級アルキル脂肪酸エステル相から水性 相を分離するステップ; (C) ステップ(B)の低級アルキル脂肪酸エステル相から低級アルキル脂 肪酸エステルとステロールを約100℃以上の温度で蒸留して、留出物中で脂肪 酸の低級アルキルエステル〔該エステルは、ステップ(A)の脂質混合物よりコ レステロール及び他のステロール並びにリン化合物の濃度が低下している〕を分 離・回収するステップ;及び (D) 蒸留した低級アルキルエステルを、C1−C10アルキル一価又は多価 アルコール〔該アルコールは、ステップ (A)のエステル交換反応に用いたものとは異なる炭素数を有する〕の存在下に 、ステップ(C)由来の低級アルキルエステルのエステル交換反応にかけて、前 記C1−C10アルコールの脂肪酸エステルを生成するステップ を含む方法。 4. 低級アルカノールがメタノールである、請求項3に記載の方法。 5. 前記C1−C10アルキル一価又は多価アルコールがグリセリンであり、そ れによってトリグリセリドエステルを生成する、請求項2又は3に記載の方法。 6. 得られたトリグリセリド含有組成物が、該組成物の1.0重量%未満のリ ンと5.0重量%未満のコレステロールを含み、AAとステロールの重量比が1 .0以上である、請求項5に記載の方法。 7. ステップ(A)の脂質混合物がAA及びDHAを有する卵黄脂質を含み、 得られたトリグリセリドエステルが、前記脂質混合物のトリグリセリド画分より 高い比率のAA及びDHAを含む、請求項5に記載の方法。 8. 低級アルカノール有機溶媒を用いて卵から前記脂質を抽 出するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。 9. 先ず、脂質混合物をリン脂質相とトリグリセリド相に分離し、次いで、リ ン脂質相をステップ(A)に用いる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方 法。 10. ステップ(A)の脂質混合物が天然脂質混合物である、請求項1から6 のいずれか一項に記載の方法。 11. 脂質混合物が雌鶏の卵黄由来のものである、請求項10に記載の方法。 12. 請求項1に記載の方法により生成した遊離脂肪酸。 13. 請求項2又は3に記載の方法により生成した脂肪酸エステル。 14. 請求項5に記載の方法により生成したトリグリセリド。 15. 請求項13に記載のトリグリセリド組成物を含む経腸調合乳。 16. 請求項13に記載のトリグリセリド組成物を含有する栄養強化剤であっ て、該トリグリセリド組成物が、該組成物の1.0重量%未満のリンと約5.0 重量%未満のコレステロールを含む栄養強化剤。 17. 経腸調合乳であって、 (A) タンパク質(調合乳1L当たり10〜35gの濃度)、 (B)炭水化物(調合乳1L当たり60〜110gの濃度の総食物繊維由来の 炭水化物を含む)、 (C)脂肪(調合乳1L当たり20〜45gの濃度であり、卵由来の成分を含 み、該成分は、調合乳中の脂肪の約0.05〜0.5重量%のDHAと約0.1 〜2重量%のAAを構成するに十分な量のエステル部分を有するトリグリセリド を含み且つ約0.1重量%未満のリンと約5.0重量%未満のコレステロールを 含む) を含む調合乳。 18. 前記卵由来成分が、グリセロールと精製脂肪酸又は脂肪酸の精製低級ア ルキルエステル〔該脂肪酸は、(a)卵のリン脂質を加水分解してリン化合物及 びコレステロールと結合した遊離脂肪酸としてリン脂質の脂肪酸部分を放出させ る方法、及び(b)卵のリン脂質から脂肪酸をエステル交換して、リン化合物及 びコレステロールと結合した脂肪酸の低級アルキルエステルを得る方法からなる 群から選択された方法により得られる〕とを反応させ、 次いで、低級アルカノールの存在下に相分離によりリン化合物を除去して脂肪 酸又はその低級アルキルエステルを精製し、 次いで、蒸留によりコレステロールを除去する ことにより製造されたトリグリセリド組成物である、請求項16に記載の経腸調 合乳。 19. 卵由来成分のトリグリセリド中のAA含有量が前記成分の約1〜15重 量%である、請求項16に記載の経腸調合乳。 20. 卵由来成分のトリグリセリド中のDHA含有量が前記成分の0.1〜5 重量%である、請求項16に記載の経腸調合乳。 21. トリグリセリド組成物を含む栄養強化剤であって、該トリグリセリド組 成物は該組成物の1.0重量%未満のリンと約5.0重量%未満のコレステロー ルを含み、該組成物は、 (A) リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂質混合物を、(1 )遊離脂肪酸及びステロールからなる脂肪酸相と、水、グリセロール及びリン化 合物からなる水性相とを含む2相生成物を形成するための加水分解、又は(2) 低級アルキル脂肪酸エステル及びステロールからなる低級アルキル脂肪酸エステ ル相と、水、グリセロール及びリン化合物からなる水 性相とを含む2相生成物を形成するための低級アルカノールを用いてアルカリ性 エステル交換反応からなる群から選択される処理にかけるステップ; (B)ステップ(A)で形成された(1)ステロールを含む脂肪酸相又は(2 )低級アルキル脂肪酸エステル相から水性相を分離するステップ; (C) ステップ(B)由来の脂肪酸相中の脂肪酸とステロールを反応させて 、ステロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成するステップ; (D) ステップ(B)の(1)脂肪酸相から脂肪酸及びステロール脂肪酸エ ステルを、又は(2)低級アルキル脂肪酸エステル相から低級アルキル脂肪酸エ ステル及びステロールを、約100℃以上の温度で蒸留して、留出物中で、(1 )遊離脂肪酸又は(2)脂肪酸の低級アルキルエステルを分離・回収するステッ プ;及び (E) ステップ(D)由来の前記遊離脂肪酸又はエステルを、(1)グリセ ロールの存在下のエステル化、又は(2)グリセロールの存在下のエステル交換 反応にかけて、前記遊離脂肪酸又は低級アルキルエステルの脂肪酸部分のトリグ リセリド を含む組成物を生成するステップ からなる方法により得られる栄養強化剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バーニツキー,スコツト・デイ アメリカ合衆国、テネシー・37660―4798、 キングスポート、オーダム・コート・1017 (72)発明者 サムナー,チヤールズ・エドワン,ジユニ ア アメリカ合衆国、テネシー・37664―2876、 キングスポート、オレバンク・ロード・ 4280 (72)発明者 フイリツプス,ジエイムズ・シー アメリカ合衆国、オハイオ・43064、プレ ーン・シテイー、ウエスト・メイン・スト リート・510 (72)発明者 マコームズ,チヤールズ・エイ アメリカ合衆国、テネシー・37663―3088、 キングスポート、アンドーバー・プレイ ス・459

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 経腸調合乳であって、 (A)タンパク質(調合乳1L当たり10〜35gの濃度)、 (B)炭水化物(調合乳1L当たり60〜110gの濃度の総食物繊維由来の 炭水化物を含む)、 (C)脂肪(調合乳1L当たり20〜45gの濃度であり、卵由来の成分を含 み、該成分は、調合乳中の脂肪の約0.05〜0.5重量%のDHAと約0.1 〜2重量%のAAを構成するに十分な量のエステル部分を有するトリグリセリド を含み且つ約0.1重量%未満のリンと約5.0重量%未満のコレステロールを 含む) を含む経腸調合乳。 2. 前記卵由来の成分が、グリセロールと、精製脂肪酸又は脂肪酸の精製低級 アルキルエステル〔該脂肪酸は、(a)卵のリン脂質を加水分解してリン化合物 及びコレステロールと結合した遊離脂肪酸としてリン脂質の脂肪酸部分を放出さ せる方法、及び(b)卵のリン脂質から脂肪酸をエステル交換して、リン化合物 及びコレステロールと結合した脂肪酸の低級アルキルエ ステルを得る方法からなる群から選択される方法により得られる〕とを反応させ 、 次いで、低級アルカノールの存在下に相分離によりリン化合物を除去して脂肪 酸又はその低級アルキルエステルを精製し、 次いで、蒸留によりコレステロールを除去する ことにより製造されたトリグリセリド組成物である、請求項1に記載の調合乳。 3. 卵由来成分のトリグリセリド中のAA含有量が、前記成分の約1〜15重 量%である、請求項1に記載の調合乳。 4. 卵由来成分のトリグリセリド中のDHA含有量が前記成分の0.1〜5重 量%である、請求項1に記載の調合乳。 5. 栄養上適切なアミノ窒素、炭水化物及び食用脂源を含む経腸調合乳であっ て、調合乳中の総食用脂の約0.1〜2重量%のAAと約0.05〜0.5重量 %のDHAを構成するのに十分な量のトリグリセリド組成物を含み、該トリグリ セリド組成物が、該組成物の約0.1重量%未満のリンと約0.5重量%未満の コレステロールを含み、該組成物が、 (A)リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂質混合物を、(1) 遊離脂肪酸及びステロールからなる脂肪酸相 と、水、グリセロール及びリン化合物からなる水性相とを含む2相生成物を形成 するための加水分解、又は(2)低級アルキル脂肪酸エステル及びステロールか らなる低級アルキル脂肪酸エステル相と、水、グリセロール及びリン化合物から なる水性相とを含む2相生成物を形成するための低級アルカノールを用いたアル カリ性エステル交換反応からなる群から選択される処理にかけるステップ; (B)ステップ(A)で形成された(1)ステロールを含む脂肪酸相又は(2 )低級アルキル脂肪酸エステル相から水性相を分離するステップ; (C)ステップ(B)由来の脂肪酸相中の脂肪酸とステロールを反応させて、 ステロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成するステップ; (D)ステップ(B)の(1)脂肪酸相から脂肪酸とステロール脂肪酸エステ ルを、又は(2)低級アルキル脂肋酸エステル相から低級アルキル脂肪酸エステ ルとステロールを、約100℃以上の温度で蒸留して、留出物中で(1)遊離脂 肪酸又は(2)脂肪酸の低級アルキルエステルを分離・回収するステップ;及び (E)ステップ(D)由来の前記遊離脂肪酸又はエステルを、(1)グリセロ ールの存在下のエステル化、又は(2)グリセロールの存在下のエステル交換反 応からなる群から選択される処理にかけて、前記遊離脂肪酸又は低級アルキルエ ステルの脂肪酸部分のトリグリセリドを含む組成物を生成するステップ からなる方法により得られることを特徴とする経腸調合乳。 6. 低級アルカノールがメタノールである、請求項5に記載の調合乳。 7. 脂質混合物を低級アルカノールと接触させてリン脂質及びステロールを含 む相とトリグリセリド及びステロールを含む相とに分離し、トリグリセリド相か らリン脂質相を分離して、リン脂質相を、その後の請求項5のステップ(A)の 加水分解又はエステル交換反応に用いる、請求項5に記載の調合乳。 8. ステップ(A)の脂質混合物が天然脂質混合物である、請求項5に記載の 調合乳。 9. 脂質混合物が雌鶏の卵由来のものである、請求項5に記載の調合乳。 10. ステップ(A)の処理が、前記脂質の低級アルキル脂肪酸エステルを生 成する、低級アルカノールを用いた脂質のア ルカリ性エステル交換反応である、請求項5に記載の調合乳。 11. 栄養上適切なアミノ窒素、炭水化物及び食用脂源を含む経腸調合乳であ って、調合乳中の総食用脂の約0.1〜2重量%のAAと約0.05〜0.5重 量%のDHAを構成するのに十分な量のトリグリセリド組成物を含み、該組成物 が、該組成物の約0.1重量%未満のリンと約0.5重量%未満のコレステロー ルを含み、該組成物が、 (A)AA、DHA及びステロールを含むリン脂質を、(1)遊離脂肪酸及び ステロールを含む遊離脂肪酸相と、水、グリセロール及びリン化合物を含む水性 相とからなる2相生成物を形成するための加水分解、又は(2)低級アルキル脂 肪酸エステル及びステロールを含む低級アルキル脂肪酸エステル相と、水、グリ セロール及びリン化合物を含む水性相とからなる2相生成物を生成するための低 級アルカノールを用いたアルカリ性エステル交換反応からなる群から選択される 処理にかけるステップ; (B)ステップ(A)で形成された(1)脂肪酸相又は(2)低級アルキル脂 肪酸エステル相から水性相を分離するステップ; (C)ステップ(B)由来の脂肪酸相中の脂肪酸とステロールを反応させて、 ステロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成するステップ; (D)(1)ステップ(C)の脂肪酸相から脂肪酸とステロール脂肪酸エステ ルを、又は(2)ステップ(B)の低級アルキル脂肪酸エステルを蒸留して、留 出物中で(1)遊離脂肪酸又は(2)脂肪酸の低級アルキルエステルを分離・回 収するステップ;及び (E)ステップ(C)由来の(1)蒸留遊離脂肪酸又は(2)脂肪酸の蒸留低 級アルキルエステルを、(1)前記遊離脂肪酸のトリグリセリドを含む組成物を 生成するための脂肪酸とグリセロールとの反応、及び(2)脂肪酸のトリグリセ リドを含む組成物を生成するためのグリセロールを用いた脂肪酸の低級アルキル エステルのエステル交換反応からなる群から選択される処理にかけるステップ からなる方法により得られることを特徴とする経腸調合乳。 12. 栄養上適切なアミノ窒素、炭水化物及び食用脂源を含む経腸調合乳であ って、調合乳中の総食用脂の約0.1〜2重量%のAAと約0.05〜0.5重 量%のDHAを構成するの に十分な量のトリグリセリド組成物を含み、該トリグリセリド組成物が、該組成 物の約0.1重量%未満のリンと約0.5重量%未満のコレステロールを含み、 該組成物が、 (A)リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂質混合物を加水分解 して、遊離脂肪酸及びステロールからなる脂肪酸相と、水、グリセロール及びグ リセロールリン酸エステルからなる水性相を含む2相生成物を形成するステップ ; (B)ステップ(A)で形成された2相生成物の脂肪酸相から水性相を分離す るステップ; (C)ステップ(B)由来の脂肪酸相中の脂肪酸とステロールを150〜25 0℃の温度で反応させて、ステロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成す るステップ; (D)ステップ(C)で形成されたステロール脂肪酸エステルを130〜25 0℃の温度及び1.0×10-3kPa〜5.3×10-1kPaの圧力下に蒸留し て、精製脂肪酸を回収するステップ;及び (E)ステップ(D)で調製した精製脂肪酸とグリセロールとを、1:1〜1 :2モルの脂肪酸:グリセロールの各ヒドロキシル当量のモル比で反応させて、 前記脂肪酸のトリグリセリ ド組成物を生成するステップ からなる方法により得られることを特徴とする経腸調合乳。 13. 精製脂肪酸がコレステロール及び他のステロール並びにリン化合物を実 質的に含まない、請求項12に記載の調合乳。 14. 水酸化物、炭酸塩及び重炭酸塩のナトリウム、カルシウム、リチウム及 びカリウム塩からなる群から選択される水性アルカリにより加水分解を塩基触媒 して、脂肪酸の金属セッケンを形成する、請求項12に記載の調合乳。 15. 少なくとも脂質混合物中に含まれる脂肪酸基の当量の2倍の化学量諭量 までの化学量論量で水性アルカリを加える、請求項12に記載の調合乳。 16. 鉱酸を添加して、ステップ(A)の塩基触媒加水分解により形成された 脂肪酸の金属セッケンを4未満のpHに酸性化して遊離脂肪酸を得る、請求項1 5に記載の調合乳。 17. ステップ(A)の加水分解産物が、0.5:1〜3:1のアルコール: 天然脂質混合物に含まれるリン脂質の質量比で1〜4個の炭素原子を有する低級 アルキルアルコールをさらに含む、請求項12に記載の調合乳。 18. 低級アルキルアルコールが、1:1のアルコール:天 然脂質混合物中に含まれるリン脂質の質量比で存在する、請求項17に記載の調 合乳。 19. 低級アルキルアルコールがメタノールである、請求項18に記載の調合 乳。 20. 0.5:1〜3:1のアルコール:脂質の質量比で低級アルカノールを 天然脂質混合物に加えて、トリグリセリド相とリン脂質相を形成する、請求項1 2に記載の調合乳。 21. 加水分解する前にデカンテーションを行って、リン脂質相からトリグリ セリド相を分離する、請求項20に記載の調合乳。 22. ステップ(C)でエステル化触媒を添加する、請求項12に記載の調合 乳。 23. 栄養上適切なアミノ窒素、炭水化物及び食用脂源を含む経腸調合乳であ って、調合乳中の総食用脂の約0.1〜2重量%のAAと約0.05〜0.5重 量%のDHAを構成するのに十分な量の卵黄由来のトリグリセリド組成物を含み 、該トリグリセリド組成物が、該組成物の約0.1重量%未満のリンと約0.5 重量%未満のコレステロールを含み、該組成物が、 (A)30〜65℃の温度で、乾燥卵黄に低級アルカノール を加えて、リン脂質、ステロール及びアルコールを含むリン脂質相と、トリグリ セリドを含むトリグリセリド相とを形成するステップ(但し、該アルコールは、 0.5:1〜3:1のアルコール:乾燥卵黄の質量比で加える); (B)トリグリセリド相をデカントするステップ; (C)水性アルカリの存在下にリン脂質相を加水分解してセッケンを形成する ステップ; (D)鉱酸を加えてセッケンのpHを4未満に酸性化して、脂肪酸及びステロ ールからなる脂肪酸相と、水、グリセロール及びグリセロールリン酸エステルか らなる水性相とを含む2相生成物を形成するステップ; (E)2相生成物の脂肪酸相から水性相を分離するステップ; (F)脂肪酸相の脂肪酸とステロールを150〜250℃の温度で反応させて 、ステロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成するステップ; (G)130〜250℃の温度及び1.0×10-3kPa〜5.3×10-1k Paの圧力下にステロール脂肪酸エステルを蒸留して、コレステロール及び他の ステロール並びにリン 化合物を含まない精製脂肪酸を回収するステップ;及び (H)ステップ(G)で調製した精製脂肪酸をグリセロールと反応させて、ト リグリセリド組成物を生成するステップにより得られることを特徴とする調合乳 。 24. 精製脂肪酸が、コレステロール及び他のステロール並びにリン化合物を 実質的に含まず、前記グリセロールと精製脂肪酸とを1:1〜1:2モルの脂肪 酸:グリセロールの各ヒドロキシル当量のモル比で反応させて、トリグリセリド 組成物を生成する、請求項23に記載の調合乳。 25. 栄養上適切なアミノ窒素、炭水化物及び食用脂源を含む経腸調合乳であ って、調合乳中の総食用脂の約0.1〜2重量%のAAと約0.05〜0.5重 量%のDHAを構成するのに十分な量の卵黄由来のトリグリセリド組成物を含み 、該トリグリセリド組成物が、該組成物の約0.1重量%未満のリンと約0.5 重量%未満のコレステロールを含有し、該組成物が、 (A)メチルアルコールを用いて卵黄からステロール、トリグリセリド及びリ ン脂質を含む脂質を抽出して、脂質のメチルアルコール溶液を得るステップ; (B)脂質溶液から不溶性卵黄成分を分離するステップ; (C)溶液中で脂質と触媒量のアルカリ金属低級アルコキシドとのアルカリ性 反応媒質を形成し、脂質の脂肪酸グリセリドを前記脂肪酸のメチルエステルにエ ステル交換して、エステル及びステロールからなるエステル相と、水、グリセロ ール及びグリセロールリン酸エステルからなる水性相とを含む2相生成物を生成 するステップ; (D)酸を加えてアルカリ性反応媒質を中和するステップ; (E)ステロール及び前記脂肪酸のメチルエステルから水性相を分離するステ ップ; (F)ステロールから前記脂肪酸のメチルエステルを蒸留分離して、留出物中 で前記エステルを回収するステップ; (G)蒸留エステルにグリセリンとアルカリ金属低級アルコキシドを加えてア ルカリ性反応媒質を形成するステップ;及び (H)グリセリンを含むアルカリ性反応媒質をエステル交換反応にかけ、AA 及びDHAのエステル基を含む前記卵黄脂肪酸のエステル基を有するトリグリセ リドを含む組成物を形成するステップ により得られることを特徴とする調合乳。 26. トリグリセリド組成物を含む栄養強化剤であって、該 トリグリセリド組成物は、該組成物の1.0重量%未満のリンと約5.0重量% 未満のコレステロールを含み、該組成物は、 (A)リン脂質、トリグリセリド及びステロールを含む脂質混合物を、(1) 遊離脂肪酸及びステロールからなる脂肪酸相と、水、グリセロール及びリン化合 物からなる水性相とを含む2相生成物を形成するための加水分解、又は(2)低 級アルキル脂肪酸エステル及びステロールからなる低級アルキル脂肪酸エステル 相と、水、グリセロール及びリン化合物からなる水性相とを含む2相生成物を形 成するための低級アルカノールを用いたアルカリ性エステル交換反応からなる群 から選択される処理にかけるステップ; (B)ステップ(A)で形成された(1)ステロールを含む脂肪酸相又は(2) 低級アルキル脂肪酸エステル相から水性相を分離するステップ; (C)ステップ(B)の脂肪酸相中の脂肪酸とステロールを反応させて、ステ ロール脂肪酸エステルと水を含む混合物を形成するステップ; (D)ステップ(B)の(1)脂肪酸相から脂肪酸とステロール脂肪酸エステ ルを、又は(2)低級アルキル脂肪酸エス テル相から低級アルキル脂肪酸エステルとステロールを、約100℃以上の温度 で蒸留して、留出物中で(1)遊離脂肪酸又は(2)脂肪酸の低級アルキルエス テルを分離・回収するステップ;及び (E)ステップ(D)由来の前記遊離脂肪酸又はエステルを、(1)グリセロ ールの存在下のエステル化、又は(2)グリセロールの存在下のエステル交換反 応からなる群から選択される処理にかけて、前記遊離脂肪酸又は低級アルキルエ ステルの脂肪酸部分のトリグリセリドを含む組成物を生成するステップからなる 方法により得られる栄養強化剤。 27. 妊娠及び/又は授乳女性に投与する、請求項26に記載の栄養強化剤。
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