【発明の詳細な説明】
アミノチアゾール誘導体、その製造方法およびそれを含有してなる医薬組成物
本発明の主題は、新しいチアゾールの分枝アミノ誘導体、その製造方法および
それを含有してなる医薬組成物である。これらの新規チアゾール誘導体は、CR
F(コルチコトロピン放出因子)拮抗活性を有しており、したがって、医薬組成
物における活性成分を構成することができる。
コルチコトロピン放出因子(CRF)は、1981年にVale W.et al.(Sci
ence,1981,213,1394-1397)により41アミノ酸からなる配列が特徴付けられ
たペプチドである。CRFは、視床下部下垂体副腎軸の調節(副腎皮質刺激ホル
モン:ACTHの放出)およびその病状ならびにそれにより生じる抑鬱症候群に
関係する主要な内因性因子である。CRFは、また、β−エンドルフィン、β−
リポトロピンおよびコルチコステロンを分泌させる。したがって、CRFは、副
腎皮質刺激ホルモン(ACTH)およびより一般的にはプロオピオメラノコルチ
ン(POMC)から誘導されたペプチド分泌の生理的調節物質である。CRFは
、その視床下部局在化に加えて中枢神経系ならびに副腎および精巣などの神経外
組織においても分布している。CRFの存在は、また、炎症の進行の間にも見ら
れた。
多くの動物実験は、CRFの中枢投与により、一般に行動の改変:例えば、ラ
ットにおける、新奇恐怖症、性的受容性の低下、食物消費の減少および睡眠に手
間取るなどの種々の不安を起こす作用を生じる。CRFの脳室内注射もまた、し
ばしば動物において不安の状態を伴う、青斑のノルアドレナリン作動性ニューロ
ンの興奮を増加させる。ラットでは、CRFまたは関連ペプチド(例えば、ウロ
コルチン(urocortin)、ソーバジン(sauvagin))の中枢または末梢投与によ
り、覚醒状態および周囲に対する情動反応性の増加などの中枢作用に加えて、空
腹、胃酸分泌、腸通過および排便における改変ならびに緊張作用を誘発する。C
RFは、また、一方、ある動物モデルにおける炎症前の役割と共に、他方、炎症
に続く血管透過性の増加により誘発される作用の抑制物質として、炎症性応答
の複雑な調節にも関係している。
ペプチド拮抗物質、アルファー螺旋CRF(9−41)(ah−CRF)、ま
たは特異的抗体の使用(Rivier J.et al.,Science,1984,224,889-891)に
より、これらの作用の全てにおいてこのペプチドの役割を確認することができる
。また、これらの実験では、神経内分泌、内臓および行動の観点から生理的、精
神的または免疫的ストレスの間に観察される複雑な応答が一体となる点において
もヒトにおけるCRFの重要な役割も確認された(Morley J.E.et al.,Endocr
ine Review,1987,8,3,256-287;Smith M.A.et al.,Horm.Res.,1989,31
,66-71)。さらに、臨床データは、ストレスの状態から生じる多くの障害にお
けるCRFの有効な関与を支持している(Gulley L.R.et al.,J.Clin.Psychi
atry,1993,54,1,(suppl.),16-19):例えば、
ヒトにおけるCRFをベースとする試験(静脈内投与)の存在により、抑鬱患
者におけるACTH応答の改変を示すことができる(Breier A.et al.,Am.J.
Psychiatry,1987,144,1419-1425);
ある病状における内因性CRFの過剰分泌の発見、例えば、薬物治療していな
い患者、抑鬱患者またはアルツハイマー病タイプの痴呆症に罹患している患者に
おける脳脊髄液中の高CRFレベルの発見(Nemeroff C.B.et al.,Science,1
984,226,4680,1342-1343;Regul.Pept.,1989,25,123-130)、または、自
殺者の皮質中のCRF受容体の減少した密度(Nemeroff C.B.et al.,Arch.Gen
.Psychiatry,1988,45,577-579)の発見;
CRF依存性ニューロンの機能不全は、アルツハイマー病、パーキンソン病、
ハンティングトン舞踏病および筋萎縮性側索硬化症などの重い病状においても示
唆されている(De Souza,E.B.,Hospital Practice,1988,23,59)。
多くの動物種におけるCRFの中枢投与は、ストレス状態のヒトにおいて得ら
れるものと同様の行動的影響を生じる。それらが繰り返されると、これらの影響
は、疲労、高血圧症、心臓障害、空腹における改変、排便の改変(大腸炎、過敏
性結腸)、胃酸分泌における改変、高血糖症、発育不良(retarded growth)、
食欲不振、新奇恐怖症、生殖障害、免疫抑制(炎症の進行、多重感染および癌)
および種々の神経精神医学的障害(鬱病、神経性食欲不振および不安)などの
種々の病状の原因となり得る。
対照ペプチド拮抗物質、ah−CRFの脳室内経路による注射は、外因性CR
Fの投与か、または内因性CRFレベルの増加をそれら自体で誘発することがで
きるストレス誘発因子(エーテル、圧迫、騒音、電気ショック、アルコール禁断
症状、手術)の使用のいずれかにより得られる影響を予防する。これらの結果は
、CRFに構造的に関係し、ah−CRFに比べて持続した作用時間を有する多
くの拮抗ペプチド分子の研究により確認される(Rivier J.et al.,J.Med.Ch
em.,1993,36,2851-2859;Menzaghi F.et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,
1994,269,2,564-572;Hernandez J.F.et al.,J.Med.Chem.,1993,36,2
860-2867)。かかるCRF拮抗性ペプチド化合物は、例えば、米国特許5,109,11
1、5,132,111および5,245,009ならびにPCT出願WO 92/22576およびWO96/19499に
記載されている。
さらに、予備研究は、三環抗鬱薬が脳におけるCRFレベルおよびCRF受容
体の数を調節することを示した(Grigoriadis D.E.et al.,Neuropsycho-pharm
acology,1989,2,53-60)。同様に、ベンゾジアゼピン抗不安薬は、CRFの
作用を逆転させ得るが(Britton K.T.et al.,Psychopharmacology,1988,94
,306)、これらの物質の作用機序は、完全には説明されない。これらの結果は
、必要により、CRF受容体の非ペプチド拮抗物質分子の必要性増大を増強して
いる。
また、免疫抑制、生殖能力障害および糖尿病発症の慢性ストレス状態の3つの
起こり得る結果を報告することも重要である。
CRFは、多くの種(マウス、ラットおよびヒト)の下垂体および脳、ならび
に、心臓、骨格筋(ラット、マウス)および妊娠中の子宮筋層および胎盤におい
て特徴付けられた特異的膜受容体と相互に作用し合うことによりかかる作用を発
揮する。
すでに多くの2−アミノチアゾール誘導体が知られている。ヨーロッパ特許出
願462 264には、2位の第三アミンが、1つのアミン誘導体を含む各々少なくと
も1つのヘテロ原子を有する2つの置換基を有してなる2−アミノチアゾール誘
導体が開示されている。これらの化合物は、血小板活性化因子の拮抗物質(PA
F−acether)であり、喘息、あるアレルギーもしくは炎症性症状、心臓血管病
、高血圧症、および種々の腎臓病の治療における用途、または、避妊薬としての
用途を有する。
英国出願2 022 285には、免疫応答を調節する活性を有し、抗炎症性を有する
化合物が記載されている。それらは、2位が第二アミン基で置換されているチア
ゾール誘導体である。
ヨーロッパ特許出願432 040には、いくつかの2−アシルアミノチアゾール誘
導体が記載されている。これらの化合物は、コレシストキニンおよびガストリン
の拮抗物質である。
抗炎症性を有する2−アミノ−4,5−ジフェニルチアゾール誘導体もまた知
られている(日本特許出願01 75 475)。
2,2−ジアリールクロメノチアゾール誘導体の製造のための合成中間体とし
て有用である2−アミノ−4−(4−ヒドロキシフェニル)チアゾール誘導体もま
た知られている(ヨーロッパ特許出願205 069)。
2−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)チアゾール誘導体もまたJ.Chem.Soc
.Perkin,Trans 1,1984,2,147-153およびJ.Chem.Soc.Perkin,Trans 1,
1983,2,341-347に記載されている。
PCT出願WO 94/01423には、一般式:
[式中、R3aはアルキルを表すことができ、R4aは、置換フェニルを表すこと
ができる]
で示される2−アミノチアゾール誘導体が記載されている。殺虫薬として用いら
れるこれらの化合物は、複素環の5位に置換基を持っていない。
同様に、PCT出願WO 96/16650には、一般式:[式中、R2bは、置換フェニルを表し、R1bは、アルキルを表し、R3bは、
アルキルを表し、R4bは、スルホニルまたはアシルを表す]
で示される化合物が記載されている;これらの化合物は、抗生物質として用いら
れる。
ヨーロッパ特許出願283 390には、他のチアゾール誘導体のうち、式:
[式中、mは、0ではない]
で示される2−(N−アルキル−N−ピリジルアルキルアミノ)チアゾール誘導体
が記載されている。
2位のアミンが非分枝ピリジルアルキル基で置換されているこれらの誘導体は
、特に、中枢コリン作動性伝達刺激活性を有する。従って、それらは、ムスカリ
ン受容体の作用物質として用いることができ、記憶障害および老人性痴呆症の治
療における用途を提供する。
ヨーロッパ特許出願576 350および659 747には、2位のアミンが分枝アルキル
またはアラルキル置換基を有する第3アミンである2−アミノチアゾール誘導体
がCRF受容体に対して結合性を有すると記載されている。これらの化合物には
、チアゾール環の2位の第三アミンの置換基として置換フェニルを有する化合物
はない。
米国特許5,063,245には、イン・ビトロで1マイクロモルに近い濃度でCRF
のその特異的受容体への結合を置換することが可能であるCRFの拮抗物質が記
載されている。その後、非ペプチド分子に関する多くの特許出願が公開された。
例えば、PCT出願WO 94/13643、WO 94/13644、WO 94/13661、WO 94/13676、WO 94
/13677、WO 94/10333、WO 95/00640、WO 95/10506、WO 95/13372、WO 95/33727
、WO 95/33750もしくはWO 95/34563またはヨーロッパ特許出願691 128もしくは7
29 758。
本発明の主題であるいくつかのチアゾールの分枝アミノ誘導体がCRF受容体
に対して優れた結合性を示すことを見出した。さらにまた、それらの構造から、
これらの分子は、薬理活性を与える、治療で一般的に用いられる溶媒および溶液
中での良好な分散性および/または溶解性を有し、また、それが、これらの経口
および非経口生薬形態の調製を容易にする。
本発明の主題は、式:
[式中、
R1およびR2は、同一または異なっており、各々独立して、ハロゲン原子;(
C1−C5)ヒドロキシアルキル;(C1−C5)アルキル;アラルキル(ここで、ア
リール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1−C4)である);(C1
−C5)アルコキシ;トリフルオロメチル基;ニトロ基;ニトリル基;
基−SR(ここで、Rは、水素、(C1−C5)アルキル、またはアラルキル(ここ
で、アリール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1−C4)である)
を表す);基−S−CO−R(ここで、Rは、(C1−C5)アルキル基、またはア
ラルキル(ここで、アリール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1
−C4)である)を表す);基−COORa(ここで、Raは、水素または(C1−
C5)アルキルを表す);基−CONRaRb(ここで、Raおよび
Rbは、Raについての前記定義と同じである);基−NRaRb(ここで、R
aおよびRbは、Raについての前記定義と同じである);
基−CONRcRdまたは−NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それらが
結合している窒素原子と一緒になって5員〜7員の複素環を構成する);または
、
基−NHCO−NRaRb(ここで、RaおよびRbは、Raについての前記定
義と同じである)を表し;
R3は、水素を表すか、または、R1およびR2についての前記定義と同じであ
り;
R4は、(C1−C5)アルキル;ヒドロキシメチル基;ホルミル基;またはハロ
ゲン原子を表し;
R5は、(C1−C5)アルキル;シクロアルキルアルキル基(ここで、シクロア
ルキルは、(C3−C7)であり、アルキルは、(C1−C5)である);炭素原子3〜
6個のアルケニル;(C1−C5)ヒドロキシアルキル;アルキルカルボニルオキシ
アルキル基(ここで、アルキルは、(C1−C5)である);または炭素原子3〜6
個のアルキニル基を表し;
R6は、以下に定義する置換基Z 1個以上で置換されているフェニル;以下
に定義する基Z 1個以上で置換されているC5−C7単環式ヘテロ芳香族基;ま
たは、所望により環中にO、NおよびSから選択されるヘテロ原子1個以上を含
有していてもよいシクロアルキル基と縮合した、所望によりO、NおよびSから
選択されるヘテロ原子1個以上を含有していてもよい芳香族単環からなるC9−
C10二環式基(該二環式基は、以下に定義する置換基Z 1個以上で置換されて
おり、芳香族環により式中の窒素に結合されている)を表し、ただし、R6は、
置換インダンを表さず、置換基Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基
、トリフルオロメチル基、(C1−C5)アルキル、(C1−C5)チオアルキル、
基−NRaRb(ここで、RaおよびRbは、Raについての前記定義と同じで
ある)、(C1−C5)ヒドロキシアルキル、(C1−C5)アルコキシ、トリフルオロ
メチルオキシ基、アルコキシアルキル(ここで、アルキルは、(C1−C5)である
)、基−COORa (ここで、Raは、前記定義と同じである)、
基−CONRaRb(ここで、RaおよびRbは、Raについての前記定義と同
じである)、カルボキシ(C1−C5)アルキル、アルコキシカルボニルアルキル
(ここで、アルキルは、(C1−C5)である)、(C1−C5)アルキルカルボニル、
アルキルカルボニルアルキル(ここで、アルキルは、(C1−C5)である)、モル
ホリノカルボニルまたはモルホリノカルボニル(C1−C5)アルキル基、または、
基−NRaCOORb(ここで、RaおよびRbは、前記定義と同じである)、
基−NHCORc(ここで、Rcは、(C1−C8)アルキルを表す)、シクロアル
キルカルボニル(ここで、シクロアルキルは、(C3−C6)である)、シクロアル
キルアルキルカルボニル(ここで、シクロアルキルは、(C3−C6)であり、アル
キルは、(C1−C3)である)、ベンゾイル、フェニル(ここで、該フェニルは、
非置換であるか、または、(C1−C5)アルキル、(C1−C5)アルコキシ、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、もしくは、トリフルオロメチル基で置換さ
れている)から選択される基を表す]
で示される化合物、それらの立体異性体、それらの付加塩、それらの水和物およ
び/またはそれらの溶媒和物である。
単環式ヘテロ芳香族基は、特に、アゼピニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリ
ダジニル、ピリミジル、トリアジニル、フリルおよびチエニルから選択される基
を表す。
C9−C10二環式基の例は、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルならびにN、
OおよびSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有してなる基であり、例え
ば、1,2,3,4−テトラヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノ
リル、1,2,3,4−テトラヒドロフタラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロキ
ナゾリニル、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリニル、1,2,3,4−テトラ
ヒドロシンノリニル、1,2,3,4−テトラヒドロベンゾトリアジニル、クロマ
ニル、イソクロマニル、インドリニル、イソインドリニル、2,3−ジヒドロイ
ンダジル、2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、1,2−ジヒドロベンゾトリア
ゾリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾチエニル、2
,3−ジヒドロベンゾイソチアゾリル、2,3−ジヒドロベンゾチアゾリル、2,
3−ジヒドロベンゾイソオキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾオキサゾリル、
1,2−ジヒドロベンゾオキサジニル、1,2,3,4−テトラヒドロフタリジニル
、
8,9−ジヒドロプリニルが挙げられる。これらの二環式基は、1個以上の前記
定義の置換基Zで置換されている。
5員〜7員の複素環の例としては、モルホリン、ピペリジンまたはピロリジン
が挙げられる。
本明細書では、アルキル基またはアルコキシ基は、直鎖状または分枝鎖状であ
る。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。
本発明の有利な化合物は、R6が式(I)についての定義と同じ置換基Z 1個
以上で置換されているフェニル基またはテトラヒドロナフチル基を表し、R1、
R2、R3、R4およびR5が式(I)についての定義と同じである化合物、それらの
立体異性体、それらの塩、それらの水和物および/またはそれらの溶媒和物であ
る。
これらの化合物うち、特に好ましくは、R4がメチルを表し、R1、R2、R3お
よびR5が式(I)についての定義と同じである化合物、それらの立体性異性体、
それらの水和物および/またはそれらの溶媒和物である。
これらの化合物のうちさらに好ましくは、R1および/またはR2がハロゲン、
トリフルオロメチル、(C1−C5)アルキルまたは(C1−C5)アルコキシを表し、
R4がメチルを表し、R6が少なくとも2位が式(I)についての定義と同じ置換基
Zで置換されているフェニルを表し、R3およびR5が式(I)についての定義と同
じである化合物、それらの立体異性体、それらの塩、それらの水和物および/ま
たはそれらの溶媒和物である。
かくして、最も好ましくは、以下の化合物:
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−エト
キシカルボニル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−トリ
フルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−
ジクロロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジクロロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−クロ
ロ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−クロ
ロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−クロ
ロ−5−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−エトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジメトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−ジクロロフ
ェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−アセ
チル−2−メトキシフェニル)−N-プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−(メ
トキシ)−5−(フェニル)フェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−
ジメトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−6−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メトキシ−6
−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−エチ
ル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−ブロ
モ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−o−トリルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4,6−トリクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−2,5−ジトリ
フルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−ジトリフル
オロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−ニトロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−ジクロロ−
5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メトキシ−6
−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロロ−2−
メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチル−2−[N
−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシ−5−メチルフェニル)−5−メチル−2−[
N−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メチ
ルチオ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロ−5−メチルフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−
メトキシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−
メトキシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メチルフェニル)−N−プロパ−2−イニルアミノ]チアゾール、
それらの立体異性体、それらの塩、それらの水和物および/またはそれらの溶
媒和物である。
遊離形態の本発明化合物は、一般に、塩基性特性を示す。しかしながら、置換
基の性質によっては、酸性特性を示すものもある。
式(I)で示される化合物の医薬上許容される酸または塩基との塩(可能な場合
)が好ましい塩であるが、式(I)で示される化合物を単離することができ、特に
、それらを精製することができるか、または、純粋な異性体を得ることができる
塩もまた本発明の主題を形成する。
式(I)で示される化合物の付加塩の製造のための医薬上許容される酸としては
、塩酸、リン酸、フマル酸、クエン酸、シュウ酸、硫酸、アスコルビン酸、酒石
酸、マレイン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ラクトビオニン酸、グルコン
酸、グルカル酸、コハク酸、スルホン酸およびヒドロキシプロパンスルホン酸が
挙げられる。
式(I)で示される化合物が酸性特性を有する場合に式(I)で示される化合物と
の付加塩の製造のための医薬上許容される塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムが挙げられる。
本発明化合物およびそれらの製造に有用な中間体は、当業者によく知られてい
る方法に従って、特に、ヨーロッパ特許出願576 350および659 747に従って、製
造される。
以下の反応スキームは、式(I)で示される化合物の合成のための製造プロセス
を示す。
スキーム1 別の態様によると、本発明の主題は、また、式(III):
[式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)についての定義と同じであり、Hal
は、ハロゲン原子、好ましくは、臭素原子または塩素原子を表す]
で示されるアルファ−ハロゲン化誘導体、好ましくは、アルファ−臭素化または
アルファ−塩素化誘導体を
式:[式中、R6は、式(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路A)、式(II):
[式中、R1、R2、R3、R4およびR6は、式(I)についての定義と同じである
]
で示される化合物を得、次いで、これをアルキル化反応に付して、式(I)で示さ
れる化合物を得るか、または
式:
[式中、R5およびR6は、式(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路B)、直接、式(I)で示される化合物を
得、
所望により、次いで、得られた式(I)で示される化合物をそれらの起こり得る
立体異性体に分離するか、および/または、塩化して対応する塩を形成すること
を特徴とする式(I)で示される化合物の製造方法である。
前記プロセスで用いられるアルキル化反応は、塩基、好ましくは水素化ナトリ
ウムの存在下、例えばハロゲン化アルキルなどの適当なアルキル化剤の作用によ
り当業者によく知られている通常の条件下で行われる。
式(III)で示される誘導体は、式:
[式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)についての定義と同じである]
で示される対応する非ハロゲン化ケトンから、(i)酢酸、四塩化炭素またはジ
エチルエーテルなどの適当な有機溶媒中、臭素の作用により、または(ii)Bull
.Chem.Soc.Japan,1987,60,1159-1160および2667-2668に記載の方法に従っ
て第四アンモニウムトリブロミドの作用により、または(iii)J.Org.Chem.1
964,29,3451-3461に従ってクロロホルムおよび酢酸エチルの混合物などの有機
溶媒中、臭化銅(II)の作用により、得ることができる。変形例として、式(II)で
示される化合物は、フリーデル−クラフツ反応により、式:
で示される置換ベンゼンに対する2−ブロモプロピオニルブロミドの作用により
得ることができる。
前記ケトンは、一般に知られているか、または、市販の製品である。これらの
化合物は、当業者によく知られている方法に従って、ルイス酸の存在下、フリー
デル−クラフツ反応により製造することができる。
チオ尿素誘導体(IVa)および(IVb)は、式:
[式中、Protは、保護基、例えば、ベンゾイルまたはピバロイルを表し、R5お
よびR6は、式(I)についての定義と同じである]
で示される化合物から、好ましくはアンモニア、水酸化ナトリウムまたはヒドラ
ジンを用いて室温から反応混合物の還流温度までの範囲の温度で塩基性処理する
ことにより、または、好ましくは塩酸を用いて酸性処理することにより得られる
。
式(Va)および(Vb)で示される化合物は、公知の方法に従って、イソチオシ
アナート、例えば、イソチオシアン酸ベンゾイルまたはイソチオシアン酸ピバロ
イルを、式(VIa)および(VIb):
[式中、R5およびR6は、式(I)について定義したと同じである]
で示される対応するアミンと反応させることにより、製造される。
第二アミン(VIb)は、式:
R6−NH2 (VIa)
で示される第一アミンを、
式R'5−CHO(式中、R'5は、直鎖状アルキル部分が炭素原子1個だけ短い
式(I)についての定義と同じR5を表す)で示されるアルデヒドと反応させ、次
いで、室温で、アルカノール中、好ましくはエタノールまたはメタノール中、該
イミンを水素化アルカリ金属で、例えばNaBH4で還元することにより、または、
試薬および溶媒の両方として作用する式R'5COOHで示される酸と反応させる
ことにより(水素化アルカリ金属の添加の間にin situでアルデヒドが形成され
る)、または
プロトン受容体、好ましくはトリエチルアミンの存在下、ジクロロメタンなど
のハロゲン化炭化水素から選択される有機溶媒中、酸ハロゲン化物または酸無水
物と反応させることにより、製造される。次いで、この反応から誘導されたアミ
ドを、ジエチルエーテル型の有機溶媒中、AlLiH4などの水素化アルカリ金属で還
元する。
前記式(I)で示される化合物は、また、水素原子または炭素原子1個以上がそ
れらの放射性同位体、例えば、トリチウムまたは炭素−14により置換された化
合物を包含する。かかる標識化合物は、調査、代謝もしくは薬物動態研究におい
て、または、受容体リガンドとして生化学試験において、有用である。
本発明化合物を生化学的および薬理学的研究の主題とした。それらは、非常に
有利な薬理特性を有する。E.B.De Souzaにより記載された方法(J.Neurosci.
,1987,7,1,88-100)に従って、本発明化合物は、10μm未満の濃度でCR
Fまたはヨウ素化関連ペプチド(ウロテンシン(urotensin)、ソーバジン(sau
vagin))の動物(ラット、マウス)またはヒト脳の膜上または培養細胞に存在
する特異的受容体への結合を置換する。
本発明化合物の構造と類似の構造の化合物は、この結合を有意には置換しない
ので、このことは、驚くべきことであり、意外なことである。CRFは、視床下
部下垂体腎臓軸の活性を制御する神経ペプチドである。この因子は、ストレス関
連内分泌物および行動応答に関与する。
実際、CRFは、自律神経系のある機能のような行動を調節することができる
ことが示されている(G.F.Koob,F.E.Bloom,Fed.Proc.,1985,44,259;M.
R.Brown,L.A.Fisher,Fed.Proc.,1985,44,243)。特に、CRFは、コル
チコトロピン(ACTH)、β−エンドルフィンおよびプロオピオメラノコルチ
ン由来の他のペプチドの分泌を誘発する(A.Tazi et al.,Regul.Peptides,1
987,18,37;M.R.Brown et al.,Regul.Peptides,1986,16,321;C.L.Will
iams et al.,Am.J.Physio1.,1987,G 582,253)。
したがって、本発明化合物は、これらの内因性物質の分泌の調節に有用である
。それらは、特に、ストレスに対する応答(行動、情動状態、胃腸および心臓血
管障害、免疫系障害)を軽減するための薬剤の活性成分としての用途、および、
さ
らに一般的には、例えば、精神医学的障害、不安、鬱病、神経性食欲不振、性的
行動および生殖能力障害、アルツハイマー病などのCRFに関係する病状におけ
る用途を提供する。
本発明化合物は、非常に安定であり、したがって、薬剤の活性成分を構成する
のに特に適している。
本発明は、また、所望により1種類以上の適当な不活性賦形剤と組み合わせて
、活性成分として式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩の一を
含有してなる医薬組成物にも及ぶ。
各投与単位では、式(I)で示される活性成分は、所定の日用量に適する量で存
在する。各投与単位は、好適には、用量および例えば、錠剤、ゼラチンカプセル
剤など、サシェ、アンプル、シロップ剤など、滴剤、経皮もしくは経粘膜パッチ
などの所望の投与のタイプに従って、投与単位が活性成分0.5〜200mgを含
有するように調節され、毎日、0.5〜800mgが投与されるのが好ましい。
本発明化合物は、また、例えば、抗不安剤、抗鬱薬または食欲不振誘発剤など
の所望の治療に有用な別の活性成分と組み合わせて用いることもできる。
式(I)で示される化合物は、全く毒性がない;それらの毒性は、前記障害およ
び疾患の処置薬としてのそれらの使用に適している。
式(I)で示される化合物は、前記疾患の処置のためのヒトを含む哺乳動物への
投与のための医薬組成物に製剤化することができる。
かくして得られた医薬組成物は、好都合には、例えば注射用または経口溶液剤
、糖衣錠、裸錠またはゼラチンカプセル剤などの種々の形態で提供される。活性
成分として式(I)で示される化合物の少なくとも1つまたはその塩の一を含有す
る医薬組成物は、ストレス関連疾患の予防目的または治療目的の処置のために、
および、さらに一般には、CRFに関連する病状:例えば、クッシング病、神経
精神医学的障害、例えば、鬱病、不安、パニック、強迫障害、気分障害、行動障
害、攻撃性、食欲不振、病的飢餓、高血糖症、発育不良(retarded growth)、
睡眠障害、全てのタイプの癲癇および鬱病;アルツハイマー病、パーキンソン病
;ハンティングトン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;血管、心臓および脳障害;性
的行動および生殖能力障害;免疫抑制(immunodepression)、免疫抑制
(immunosuppression)、炎症の進行、多重感染、慢性関節リウマチ、変形性関
節症、ブドウ膜炎、乾癬および糖尿病;癌、胃腸障害およびそれに由来する炎症
(過敏性および炎症性結腸、下痢);痛みの知覚における障害、睡眠障害に関係
するかまたは無関係の線維筋肉痛、疲労、片頭痛;(アルコール)依存症および
薬物禁断症状に関係する症状などの処置において、特に有用である。
用量は、患者の年齢、体重および健康状態、症状の性質および重篤度、ならび
に投与経路に従って広範囲に変わることができる。この投薬は、1日約0.5mg
〜200mg、好ましくは1日約0.5〜800mgの用量を1回以上投与すること
からなる。
経口投与、舌下投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、経皮投与、経粘膜
投与、局所投与または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、活性成分
は、慣用的な医薬担体と混合した投与のための単位形態で動物およびヒトに投与
される。投与のための適当な単位形態は、錠剤、ゼラチンカプセル剤、粉末剤、
顆粒剤および経口溶液剤または懸濁剤などの経口形態、舌下投与および経口投与
のための形態、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、鼻内投与または眼内投与の
ための形態ならびに直腸投与のための形態からなる。
錠剤の形態の固体組成物を調製する場合、主要活性成分を、ゼラチン、デンプ
ン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガムなどの医薬
ビヒクルと混合する。該錠剤は、スクロースまたは他の適当な物質で被覆するこ
とができるか、または、別法として、それらは、持続型または遅延型活性を有す
るように、かつ、活性成分を予め決定された量て連続的に放出するように処理す
ることができる。
ゼラチンカプセル剤の調製物は、活性成分を希釈剤と混合し、得られた混合物
をゼラチン軟カプセルまたはゼラチン硬カプセル中に注ぐことにより得られる。
シロップ剤またはエリキシル剤の形態の調製物は、甘味剤(好ましくはカロリ
ーフリー)、防腐剤としてのメチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびに
風味増強剤および適当な着色剤と一緒に活性成分を含有する。
水分散性粉末剤または顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、またはポリビニルピロ
リドンのような懸濁化剤、および甘味剤または矯味矯臭剤との混合物の形態で活
性成分を含有する。
直腸投与のためには、直腸温度で溶融する結合剤、例えば、カカオ脂またはポ
リエチレングリコールを用いて調製される坐剤が用いられる。
非経口投与、鼻内投与または眼内投与のためには、生理学上適する分散剤およ
び/または湿潤剤、例えば、プロピレングリコールまたはブチレングリコールを
含有する水性懸濁剤、等張性生理食塩水溶液剤または無菌の注射用溶液剤が用い
られる。
経粘膜投与のためには、エンハンサー、例えば胆汁酸塩、親水性ポリマー、例
えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
デキストラン、ポリビニルピロリドン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、カゼイ
ン、アクリル酸、アクリル酸エステルおよびその共重合体、ビニルポリマーまた
は共重合体、ビニルアルコール、アルコキシポリマー、ポリエチレンオキシドの
ポリマー、ポリエーテルまたはその混合物の存在下、活性成分を製剤化する。
活性成分は、また、所望により1種類以上の担体または添加剤を用いて、マイ
クロカプセルの形態で製剤化することができる。
活性成分は、また、シクロデキストリン、例えば、α−、β−もしくはγ−シ
クロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンまたはメ
チル−β−シクロデキストリンとの複合体の形態で提供される。
以下の実施例は、本発明を限定するものではなく、説明するものである。
製造例には、本発明化合物を得ることができる種々の中間体の合成方法を記載
する。これらの中間体は、全て、当業者によく知られている方法に従って得られ
る。
れる。
式(I)で示される化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H NMR)は、
場合によって、200MHzまたは100MHzで記録した。化学シフトは、pp
mで示され、結合定数は、ヘルツで示される。
本発明化合物は、理論値によるパーセンテージ分析を示す。
表1に示す本発明化合物もまた、それらの構造に従ったNMRスペクトルを有
する。
製造例
式(III)で示されるケトンの製造
製造例1
2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オン(化合物1
−1)
室温で、1−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オン7gのジクロロメ
タン420mlおよびメタノール140mlの混合物中溶液にテトラブチルアンモニ
ウムトリブロミド17.4gを添加する。24時間後、該反応混合物を真空濃縮す
る。残留物を水に溶解させ、酢酸エチルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾
燥させ、真空蒸発させ;次いで、残留物を溶離液としてシクロヘキサン/酢酸エ
チル20/1(v/v)混合物を用いてシリカゲルカラム上で精製して、油状物
を得る。
同様の方法で適当なケトンを用いて以下の化合物を得る:2−ブロモ−1−(
2−クロロ−4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン(化合物1−2)。
製造例2
2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)プロパン−
1−オン(化合物2−1)
段階1:不活性雰囲気下、0℃で、3−クロロ−4−シアノベンゾトリフルオ
リド19.5gのエーテル250ml中溶液にエチルマグネシウムのジエチルエーテ
ル中溶液(3M)63mlを添加する。室温で4時間反応させた後、該反応混合物
を再度0℃に冷却する。塩酸(10N)5mlを添加する。添加完了後、該混合物
を還流させながら(60℃)1時間加熱する。室温に戻した後、水性相をエーテ
ルで抽出し、次いで、ジクロロメタンで抽出する。有機相をNaCl飽和溶液で洗浄
した後、硫酸ナトリウムで乾燥させる。真空蒸発後、残留物をシリカゲル上で精
製する;溶離液:シクロヘキサン/酢酸エチル20/1(v/v);収率=92
%。
1H NMR(DMSO):1.10(t,3H);2.94(q,2H);7.8
4
(s,2H);7.92(s,1H)。
段階2:室温で、前記で得られた生成物11.8gのジクロロメタン500ml中
溶液にテトラブチルアンモニウムトリブロミド26gを添加する。次いで、該混
合物を35−40℃で3時間加熱する。再度、室温で、有機相を水で洗浄し、次
いで、NaCl飽和溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させる。次いで、真空
蒸発させる;収率=97%。
1H NMR(CDCl3):0.89(d,3H);5.16(q,1H);7.6
1(m,2H);7.67(m,1H)。
製造例3
2−ブロモ−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)エタン−1−オン(化合物
3−1)
アルゴン下、0℃で、1,3,5−トリクロロベンゼン31.1gの溶液にブロモ
アセチルブロミド15.2mlを添加し、次いで、塩化アルミニウム23.3gを少
量に分けて(2時間かけて)添加する。次いで、該反応混合物を80℃で8時間
加熱する。室温に戻した後、ジクロロメタンで希釈し、次いで、0℃で塩酸(1
N)を添加する。水性相をジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせ、水で洗浄
し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発残留物をシリカ上で精製する;
収率=70%。
1H NMR(DMSO):4.77(s,2H);7.85(s,2H)。
このプロセスの変形例は、CH2Cl2溶媒を用いること、および、10℃付近
の温度で操作することからなる。1,3−ジクロロ−4−メチルベンゼンで出発
して、2−ブロモ−1−(2,4−ジクロロ−5−メチルフェニル)エタン−1−
オン(化合物3−2)を得る。
同様の方法で2−ブロモ−1−(2−クロロ−4,5−ジメチルフェニル)エタ
ン−1−オン(化合物3−3)を製造する。
アミンの製造
製造例4
6−アミノ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(化合物
4−1)
段階1:無水酢酸100mlに7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフ
タレン12.0mlを溶解させ、次いで、無水酢酸10mlに溶解させた発煙硝酸3.
6mlを添加する。該反応混合物を室温で1時間攪拌する。
氷を添加した後、該混合物を10N水酸化ナトリウムで中和し、次いで、酢酸
エチルで抽出する。得られた溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、蒸発乾
固させる。得られた残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付し、
酢酸エチル/ヘキサン10/90(v/v)混合物で溶離することにより精製し
て、2つの異性体を分離する。所望の生成物3.3gを黄色の結晶の形態で得る。
段階2:酢酸60mlおよび濃塩酸30mlに前記で得られた生成物3.2gを溶解
させ、次いで、SnCl2・H2O 10gを添加し、該反応混合物を還流させながら3時
間加熱する。次いで、蒸発させ、得られた残留物を炭酸ナトリウム飽和溶液に溶
解させ、酢酸エチルデ抽出する。得られた溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次
いで、蒸発乾固させる。所望の生成物2.65gを結晶の形態で得る;収率97%
。
1H NMR(CDCl3):1.74−1.80(m,4H,−CH2−CH2−)
;2.64−2.68(m,4H,−CH2−CH2−CH2−CH2);3.67(m,
2H,−NH2);3.68(s,3H,−OCH3);6.46(s,1H,H1);6
.51(s,1H,H4)。
製造例5
N−プロピル−2,4−ジクロロアニリン(化合物5−1)
段階1:アルゴン下、0℃で、2,4−ジクロロアニリン9.2gの無水塩化メ
チレン100ml中溶液にトリエチルアミン9.5mlを添加し、次いで、塩化プロ
ピオニル5.9mlを滴下する。次いで、反応混合物の温度を室温まで上昇させる
。有機相を水で洗浄し、次いで、NaCl飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
させ、真空下、蒸発乾固させる。加熱しつつジクロロメタンに得られた残留物を
溶解させた後、イソプロピルエーテルを添加する。
所望の生成物9.6gを白色の結晶の形態で得る;収率=80%;融点=121
℃。
段階2:アルゴン下、前記で得られた生成物9.6gのテトラヒドロフラン80
ml中溶液に水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン中1M溶液50ml
をゆっくりと添加する。該反応混合物を還流させながら2時間加熱する。0℃で
、水を添加し、次いで、水酸化ナトリウムを添加することにより、過剰の水素化
アルミニウムリチウムを注意深く分解する。沈殿物を除去した後、真空下、有機
溶液を蒸発乾固させる。得られた残留物をジエチルエーテルに溶解させ、次いで
、塩酸の1N溶液で抽出する。水性相をpH=12に調節し、ジクロロメタンで
抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、蒸発させる。所望の生
成物7.5gを油状物の形態で得る;収率=84%。
1H NMR(CDCl3):0.99(t,2H);1.57(m,2H);3.0
1(t,2H);4.27(1H);6.4−7.2(m,3H)。
前記製造例5について示した方法を行うことにより、かつ、原料として適当な
第一アミンを用いることにより、以下の化合物を製造する:
N−プロピル−2−クロロアニリン(化合物5−2)
N−プロピル−3−クロロアニリン(化合物5−3)
N−プロピル−2−メチルアニリン(化合物5−4)
N−プロピル−2−メトキシアニリン(化合物5−5)
N−プロピル−2−トリフルオロメトキシアニリン(化合物5−6)
N−プロピル−2,6−ジクロロアニリン(化合物5−7)
N−プロピル−2,5−ジクロロアニリン(化合物5−8)
N−プロピル−2−クロロ−5−トリフルオロメチルアニリン(化合物5−9
)
N−プロピル−2−クロロ−5−メトキシアニリン(化合物5−10)
N−プロピル−5−クロロ−2−メトキシアニリン(化合物5−11)
N−プロピル−5−クロロ−2−エトキシアニリン(化合物5−12)
N−プロピル−2,5−ジメチルアニリン(化合物5−13)
N−プロピル−2−メトキシ−5−メチルアニリン(化合物5−14)
N−プロピル−2−メトキシ−5−トリフルオロメチルアニリン(化合物5−
15)
N−プロピル−2,5−ジメトキシアニリン(化合物5−16)
N−プロピル−2,4,6−トリクロロアニリン(化合物5−17)
N−プロピル−2,6−ジメトキシアニリン(化合物5−18)
製造例6
N−プロピル−5−ブロモ−2−メトキシアニリン(化合物6−1)
段階1:Simada T.(Sci.Pap.Inst.Phys.Chem.Res.Jpn.,Vol.35,No
.884,pp 365-371,1938)による方法を行うことにより、4−ブロモ−2−ニ
トロフェノールから5−ブロモ−2−メトキシニトロベンゼンを得る。
1H NMR(CDCl3):3.94(s,3H);7.06(d,1H);7.6
4(dd,1H);8.23(d,1H)。
段階2:エタノール−水混合物中、鉄および濃塩酸の存在下、前記で得られた
生成物を還元する。製造例5の記載に従って、得られた5−ブロモ−2−メトキ
シアニリンをアシル化し、次いで、還元する。
1H NMR(CDCl3):1.00(t,3H);1.66(m,2H);3.0
5(t,2H);3.81(s,3H);4.25(m,1H);6.55−6.74
(m,3H)。
製造例7
N−プロピル−2−メトキシ−6−メチルアニリン(化合物7−1)
段階1:2−メトキシ−6−メチルアニリンを用いて出発して、前記方法(製
造例5、段階1)に従って、N−プロピオニル−2−メトキシ−6−メチルアニ
リンを得る。
1H NMR(CDCl3):1.29(t,3H);2.21(s,3H);2.4
8(q,2H);3.78(s,3H);6.70−6.83(m,3H);7.06
−7.14(m,1H)。
段階2:アルゴン下、0℃で、四塩化チタンのジクロロメタン中1M溶液18
0ml(2当量)にホウ水素化ナトリウム11.9g(3.5当量)を添加する。該
反応混合物の温度が5〜15℃であるようにゆっくりと、該反応混合物にN−プ
ロピオニル−2−メトキシ−6−メチルアニリン19gのジメトキシエタン10
0ml中溶液を添加する。添加完了後、該混合物を約65℃に加熱する。次いで、
0℃で、該混合物を非常にゆっくりと加水分解させ、次いで、水酸化ナトリウム
によりアルカリ性にする。水性相をジクロロメタンで抽出する。
有機相を水で洗浄し、次いで、NaCl飽和溶液で洗浄した後、硫酸ナトリウムで
乾燥させ、真空蒸発させる;収率=58%。
1H NMR(CDCl3):0.95(t,3H);1.57(m,2H);2.2
7(s,3H);3.00(t,2H);3.77(s,3H);6.65−6.80
(m,3H)。
製造例8
N−プロピル−2−メトキシ−5−メトキシカルボニルアニリン(化合物8−
1)
アルゴン下、室温で、プロピオン酸500mlに2−メトキシ−5−メトキシカ
ルボニルアニリン15gを溶解させ、ホウ水素化ナトリウム15.7gを少量に分
けて添加する。該反応混合物を2時間攪拌し、次いで、温度を20℃以下に維持
しつつ、加水分解させ、10N水酸化ナトリウムでアルカリ性にする。次いで、
ジクロロメタンで抽出し、有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、次いで、
真空蒸発させる。所望の生成物を定量的収率で油状物の形態で得る。
前記製造例8に記載した方法を行うことにより、かつ、適当な第一アミンを用
いて、以下の化合物を製造する:
N−プロピル−2,5−ジトリフルオロメチルアニリン(化合物8−2)
N−プロピル−2−クロロ−5−メチルアニリン(化合物8−3)
N−プロピル−2−メトキシ−5−フェニルアニリン(化合物8−4)
N−プロピル−5−エチル−2−メトキシアニリン(化合物8−5)
N−プロピル−5−クロロ−2,4−ジメトキシアニリン(化合物8−6)
N−プロピル−4−クロロ−2,5−ジメトキシアニリン(化合物8−7)
N−プロピル−2−クロロ−5−メトキシ-4−メトキシカルボニルアニリン
(化合物8−8)
N−プロピル−2−チオメチル−5−トリフルオロメチルアニリン(化合物8
−9)
N−プロピル−2−メチル−5−メトキシカルボニルアニリン(化合物8−1
0)
チオ尿素の製造
製造例9
N−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−6−イル)チオ尿素
(化合物9−1)
アセトン30mlにチオシアン酸アンモニウム1.45gを溶解させ、塩化ベンゾ
イル2.2mlを添加した後、該反応混合物を還流させながら15分間加熱する。
アセトン20mlに溶解させた6−アミノ−7−メトキシ−1,2,3,4−テトラ
ヒドロナフタレン(化合物4−1)2.6gを添加し、次いで、該混合物を還流さ
せながら30分間加熱する。次いで、蒸発乾固させ、得られた残留物を最少量の
エタノールに溶解させ、30%水酸化アンモニウム50mlを添加し、該混合物を
還流させながら20時間加熱する。得られたチオ尿素を冷却し、濾過し、水で洗
浄し、次いで、酢酸エチル/ヘキサン25/75(v/v)混合物で洗浄する。
所望の生成物2.8gをベージュ色の粉末の形態で得る;収率=80%。
製造例10
N−(2,4−ジクロロフェニル)−N−プロピルチオ尿素(化合物10−1)
段階1:アルゴン下、0℃で、無水アセトン80ml中のチオシアン酸アンモニ
ウム3.4gに塩化ベンゾイル5.1mlを添加し、該反応混合物を15分間攪拌す
る。無水アセトン60ml中のN−プロピル−2,4−ジクロロアニリン(化合物
5−1)7.48gを添加し、該反応混合物を室温で2時間攪拌する。次いで、蒸
発乾固させ、得られた残留物をジクロロメタンに溶解させ、水で洗浄し、乾燥さ
せる。所望の生成物13.5gを油状物の形態で得る;収率=82%。
段階2:前記で得られた生成物13.5gのメタノール150ml中溶液にヒドラ
ジン3.6mlを添加する。該反応混合物を室温で12時間放置する。メタノール
を蒸発させ、得られた残留物をジクロロメタンに溶解させ、次いで、該混合物を
水で洗浄し、蒸発乾固させる。残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィ
ーに付し、酢酸エチル/シクロヘキサン1/3(v/v)混合物で溶離すること
により精製する。所望の生成物6.9gを結晶の形態で得る;収率=71%;融点
=121℃。
製造例10の段階1に記載した方法を行うことにより、かつ、N−プロピル−
2−メトキシ−5−メトキシカルボニルアニリン(化合物8−1)を用いること
により、N'−ベンゾイル−N−(2−メトキシ−5−メトキシカルボニルフェニ
ル)−N−プロピルチオ尿素(化合物10−2)を製造する。
製造例11
N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)チオ尿素(化合物11−1)
段階1:チオシアン酸アンモニウム5.9gの無水アセトン130ml中溶液に塩
化ベンゾイル8.9mlを添加する。該反応混合物を還流させながら15分問加熱
し、次いで、冷却後、5−クロロ−2−メチルアニリン10gを添加する。該反
応混合物を還流させながら2時間加熱し、真空蒸留によりアセトンを除去する。
得られた残留物をジクロロメタンに溶解させる。該混合物を水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥させ、真空蒸発させる。所望の生成物を定量的収率で油状物の形
態で得る。
段階2:5%水酸化ナトリウム溶液300mlの存在下、前記で得られた生成物
を90℃で16時間加熱する。冷却後、塩酸の1N溶液の添加により、反応混合
物をpH=7に調節する。生成物が沈殿し、所望の生成物10.53gを黄色の結
晶の形態で得る;収率=74%;融点=137℃。
製造例12
N−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルチオ尿素(化合
物12−1)
製造例10に従って方法を行うことにより、かつ、過剰の水酸化ナトリウムを
用いてチオ尿素の脱保護に加えてエステルを鹸化することにより、N'−ベンゾ
イル−N−(2−メトキシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−N−プロピルチ
オ尿素(化合物10−2)から所望の生成物を得る。
前記製造例1〜12に従って方法を行うことにより、適当な出発物質を用いて
、本発明の式(I)で示される化合物を合成させる中間体を製造する。
実施例1
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(7−メト
キシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−6−イル)−N−プロピルアミノ]チ
アゾール・塩酸塩
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
段階1:メタノール50mlに2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−メトキシフ
ェニル)−プロパン−1−オン(化合物1−2)1.4gを溶解させ、次いで、N
−(7−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタ−6−イル)チオ尿素(化
合物9−1)を添加する。該反応混合物を還流させながら12時間加熱し、蒸発
乾固させ、次いで、得られた残留物を炭酸ナトリウム飽和溶液に溶解させる。得
られた溶液を酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる
。残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘキ
サン25/75(v/v)混合物で溶離することにより精製する。得られた沈殿
物を石油エーテルに溶解させ、次いで、濾過する。
所望の生成物1.3gを白色の粉末の形態で得る(収率=62%)。
1H NMR(CDCl3):1.78−1.82(m,4H,−CH2−CH2);2
.24(s,3H,−CH3);2.73−2.75(m,4H,−CH2−CH2−);
3.85(s,3H,OCH3);3.86(s,3H,−OCH3);6.58(s,1
H,H4);6.87(dd,J=2.5,J=8.4,1H,H5);7.02(d,J=
2.5,1H,H3);7.35(d,J=8.7,1H,H6);7.46(s,1H,H6
);7.46(s,1H,H1);7.47(s,1H,−NH−)。
段階2:前記で得られた生成物1.0gを無水ジメチルホルムアミド20mlに溶
解させ、これを水素化ナトリウム0.17gのジメチルホルムアミド20ml中懸濁
液に添加する。ブロモプロパン0.44mlを添加し、次いで、該反応混合物を室
温で1時間攪拌する。次いで、塩化アンモニウム飽和溶液を添加し、該混合物を
酢酸エチルで抽出し、次いで、有機相をNaCl飽和溶液で洗浄する。
硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固させる。残留物をシリカゲルカラム上で
クロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘキサン10/90(v/v)混合物
で溶離することにより精製する。所望の生成物0.89gを無色の油状物の形態で
単離する。該生成物を予めジエチルエーテルに溶解させ、これに石油エーテルを
添加し、次いで、塩の全沈殿物を得るまで塩化水素ガスで飽和したジエチルエー
テルを添加することにより塩酸塩を得る;融点=101℃。
1H NMR(CDCl3):0.85(t,J=7.3,3H,−CH2−CH3);
1.46−1.57(m,2H,−CH2−CH3);1.72(m,4H,−CH2−C
H2−);1.99(s,3H,−CH3);2.65−2.77(m,4H,−CH2−
CH2−);3.73−3.83(m,3.78(s,3H,−OCH3)および3.8
3(s,3H,−OCH3)を含む;2H,−N−CH2−CH2);6.96(s,1
H,H1);7.04(dd,J=2.5,J=8.4,1H,H5);7.15(s,1H
,H4);7.20(d,J=2.5,H3);7.43(d,J=8.4,1H,H6)。
実施例2
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,4−ジクロロフ
ェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=Cl;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
エタノール6ml中のN−(2,4−ジクロロフェニル)−N−プロピル−チオ尿
素(化合物10−1)1.07gにトリエチルアミン1mlを添加し、次いで、2−
ブロモ−1−(2,4−ジクロロフェニル)プロパン−1−オン(化合物1−1)
1.3gを滴下する。該反応混合物を78℃で3時間加熱し、蒸発乾固させ、次い
で、残留物をジクロロメタンに溶解させる。有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させ、真空下、蒸発乾固させる。
残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付し、シクロヘキサン/
酢酸エチル3/1(v/v)混合物で溶離することにより精製する。所望の生成
物1.31gを、ペンタン中、結晶の形態で得る;収率=72%;融点=90℃。
実施例3
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−カル
ボキシ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
実施例2の方法に従って、かつ、2−ブロモ−1−(2−クロロ−4−メトキ
シフェニル)プロパン−1−オン(化合物2−1)およびN−(2−メトキシ−5
−カルボキシフェニル)−N−プロピルチオ尿素(化合物12−1)を用いるこ
とにより、所望の生成物を白色の結晶の形態で得る;収率=70%;融点=10
9℃。
実施例4
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−エト
キシカルボニル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩
酸塩
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
アルゴン下、室温で、ジメチルホルムアミド3mlに4−(2−クロロ−4−メ
トキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−カルボキシ−2−メトキシフェ
ニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール1gを溶解させ、次いで、Cs2CO3 0.6
6gおよびヨウ化エチル0.5mlを添加する。該反応混合物を1時間攪拌し、次い
で、酢酸エチルで希釈する。水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発乾固
させる。残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付し、シクロヘキ
サン/酢酸エチル5/1(v/v)混合物で溶離することにより精製する。所望
の生成物を無色の油状物の形態で得る。
次いで、ジクロロメタンに溶解させ、塩酸のイソプロパノール中0.1N溶液
を添加する。濾過後、所望の生成物を塩酸塩の形態で得る;融点111℃。
実施例5
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル)−2−[N−(2−メ
トキシ−5−モルホリノカルボニルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
ジメチルホルムアミド19mlに4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5
−メチル−2−[N−(5−カルボキシ−2−メトキシフェニル)−N−プロピル
アミノ]チアゾール(実施例3)1gを添加し、次いで、アルゴン下、−10℃で
、トリエチルアミン0.31mlおよびクロロギ酸イソブチル0.32mlを添加する
。該反応混合物を10分間攪拌し、モルホリン0.8mlを添加する。該混合物を
室温で2時間攪拌し続ける。次いで、該反応混合物を酢酸エチル中で希釈し、水
で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで、真空蒸発させる。残留物をシリ
カゲルカラム上でクロマトグラフィーに付し、シクロヘキサン/酢酸エチル1/
1(v/v)混合物で溶離することにより精製する。所望の生成物を粉末の形態
で得る;融点=62℃。
実施例6
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−アセ
チル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
不活性雰囲気下、0℃で、ジエチルエーテル30mlに4−(2−クロロ−4−
メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−カルボキシ−2−メトキシフ
ェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール2gを溶解させる。該エーテル性溶液
にメチルリチウム(3当量)をゆっくりと添加する。添加完了後、該反応混合物
を室温にする。2時間後、酢酸エチルで希釈し、次いで、加水分解させる。有機
相を水で洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発後、残留物をシリ
カゲル上で精製する。所望の生成物を粉末の形態で得る;融点=50℃。
実施例7
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−シク
ロプロピルカルボニル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾー
ル
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3; リチウムシクロプロパンを用いて出発し、実施例6の方法を用いて、所望の生
成物を粉末の形態で得る;融点=69℃。
実施例8
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−イソ
ブチリル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
段階1:不活性雰囲気下、ジメチルホルムアミド130mlに4−(2−クロロ
−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−カルボキシ−2−メト
キシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール6.5gを溶解させる。該混合物
の温度を0℃にし、トリエチルアミン7.5mlを添加し、クロロギ酸イソブチル
2.8ml(1.5当量)を添加する。15分後、N−メトキシ−N−メチルアミン
2.84g(2当量)を添加する。該反応は、実際に、室温で2時間以内に完了す
る。
次いで、該反応混合物を酢酸エチルで希釈する。水、次いで、NaCl飽和溶液で
数回洗浄した後、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発後、生成物をシリ
カゲル上で精製する;溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル95/5(v/v)
;収率=72%。
1H NMR(CDCl3):0.91(t,3H);1.59(m,2H);2.0
4(s,3H);3.37(s,3H);3.58(s,3H);3.81(s,3H
);3.85(m,2H);3.88(s,3H);6.81−6.87(dd,1H
);6.97−7.06(m,2H);7.33−7.38(d,1H);7.78−
7.82(m,2H)。
段階2:不活性雰囲気下、0℃で、前記で得られた生成物650mgのテトラヒ
ドロフラン2ml中溶液をイソプロピルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラ
ン中溶液(2M)1.4mlにゆっくりと添加する。室温で2時間の反応時間後、
該反応混合物を再度冷却した後、1N塩酸で酸性にする。水性相をジエチルエー
テルで抽出する。次いで、有機相を重炭酸ナトリウム飽和溶液で洗浄し、次いで
、塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄する。
残留物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させた後、シリカゲル上で精
製する;溶離液:シクロヘキサン(3)、酢酸エチル(1)。生成物を塩酸塩の
形態で得る;融点=114℃。
実施例9
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−ヒド
ロキシメチル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
不活性雰囲気下、0℃で、テトラヒドロフラン11mlに4−(2−クロロ−4
−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−カルボキシ−2−メトキシ
フェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール1.5gを溶解させる。混合物の温度
が10℃を超えないようにゆっくりと水素化アルミニウムリチウムのテトラヒド
ロフラン中1M溶液5mlを添加する。室温で2時問後、該反応混合物を氷浴によ
り冷却し、次いで、ゆっくりと加水分解させる。粗製物質をアルカリ性にした後
、硫酸ナトリウムで濾過する。真空蒸発後、シリカゲル上で精製することにより
生成物を得る;溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル95/5(v/v);収率
=87%。所望の生成物は、粉末の形態である;融点=115℃。
実施例10
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メトキシメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
不活性雰囲気下、0℃で、ジメチルホルムアミド0.7mlに4−(2−クロロ−
4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−ヒドロキシメチル−2−
メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール320mgを溶解させる。水
素化ナトリウム(油中50%)70mgを添加する。5分後、ヨウ化メチル0.2
4mlを添加する。室温で12時間後、該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、次い
で、加水分解させる。有機相を水で数回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥させ
る。シリカゲル上で精製した後、所望の生成物をジクロロメタンに溶解させる。
次いで、塩酸のイソプロパノール中0.1N溶液を添加する。真空蒸発後、所望
の生成物を塩酸塩の形態で得る;融点=71℃。
実施例11
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−ク
ロロ−2−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール・塩酸塩
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3; 段階1:エタノール25ml中のN−(5−クロロ−2−メチルフェニル)チオ尿
素(化合物11−1)3gにエタノール25ml中の2−ブロモ−1−(2−クロロ
−4−メトキシフェニル)−プロパン−1−オン(化合物1−2)5gおよびトリ
エチルアミン4.2mlを添加する。該反応混合物を還流させながら2時間加熱し
、真空下で減少させる。かくして得られた残留物をジクロロメタンに溶解させる
。得られた溶液を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。所望の
粗製生成物5.09gが得られる。
1H NMR(CDCl3):2.14(s,3H);2.23(s,3H);3.8
0(s,3H);6.80−7.34(m,6H);9.02(m,1H)。
段階2:無水ジメチルホルムアミド70mlに前記で得た粗製生成物5.09gを
溶解させ、アルゴン下、水素化ナトリウム1.08gを添加する。15分間攪拌し
た後、ヨウ化プロピル4.4gを添加し、該反応混合物を75℃で2時間加熱する
。次いで、蒸発させ、得られた残留物を加水分解させ、水性相を酢酸エチルで抽
出する。有機相をNaCl飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空蒸発
させる。残留物をシリカゲルカラム上でクロマトグラフィーに付し、シクロヘキ
サン/酢酸エチル20/1(v/v)混合物で溶離することにより精製する。
得られた生成物をジクロロメタンに溶解させ、塩酸のイソプロパノール中0.
1N溶液を添加して、塩酸塩を得る;融点=69℃。
実施例12
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(3,5−
ジメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3; ヨウ化プロピルを導入した後の反応温度が室温である以外は同一の試薬を用い
て実施例11に従って方法を行うことにより、4−(2−クロロ−4−メトキシ
フェニル)−5−メチル−2−[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−プロピル
アミノ]チアゾールを得る。
得られた生成物は、粉末の形態である;融点=40℃。
実施例13
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−o−トリルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−ブロ
モ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール1gのエタノール
25mlおよび水0.8ml中溶液に水酸化バリウム1.96g、o−トリル−ホウ酸
0.52gおよび二酢酸パラジウム40mgを連続して添加する。該反応混合物を還
流させながら1時間加熱する;室温に戻した後、セライト上で濾過する。溶媒を
蒸発させた後、残留物をジクロロメタンに溶解させる。有機相を水で洗浄し、次
いで、硫酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発残留物をシリカゲル上で精製する;溶
離液:ジクロロメタン/シクロヘキサン9/1(v/v)。所望の生成物を粉末
の形態で得る;融点=55℃。
実施例14
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−ニトロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
実施例12に従って方法を行うことにより、かつ、2−ブロモ−1−(2−ク
ロロ−4−メトキシフェニル)プロパン-1−オン(化合物1−2)およびN−(
2−メトキシ−5−ニトロフェニル)−N−プロピルチオ尿素を用いることによ
り、所望の生成物を粉末の形態で得る;融点=97℃。
実施例15
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−アミ
ノ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
メタノール120mlに4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル
−2−[N−(2−メトキシ−5−ニトロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾ
ール13.5gを溶解させ、次いで、鉄粉末5.3gおよび濃塩酸18.5mlを添
加する。該混合物を還流させながら1時間30分加熱する。メタノールを真空蒸
発させ、残留物をジクロロメタンに溶解させた後、セライト上で濾過する。生成
物を1N塩酸で抽出する。次いで、酸性相を水酸化ナトリウムで中和した後、ジ
クロロメタンで抽出する。ジクロロメタンを蒸発させた後、粗製反応生成物をシ
リカゲル上で精製する;溶離液:ジクロロメタン/メタノール95/5(v/v
)。
所望の生成物は、固体である;融点=89℃。
実施例16
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−アセ
トアミド−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
(I):R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3;
不活性雰囲気下、0℃で、ジクロロメタン3.5mlに4−(2−クロロ−4−メ
トキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−アミノ−2−メトキシフェニル)
−N−プロピルアミノ]チアゾール1gを溶解させる。トリエチルアミン0.4ml
を添加し、次いで、臭化アセチル0.14mlを添加する。室温で1時間後、該反
応混合物をジクロロメタンで希釈する。有機相を水で洗浄し、次いで、硫酸ナト
リウムで乾燥させる。蒸発残留物をシリカゲル上で精製する;溶離液:シクロヘ
キサン/酢酸エチル1/1。
生成物をペンタン中で固化させる;収率=71%;融点=171℃。
実施例17
4−(2,4,6−トリクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−ジト
リフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]トリアゾール
(I): R1=Cl;R2=C1;R3=Cl;R4=CH3;
R5=−CH2CH2CH3; 段階1:実施例2に従って方法を行うことにより、2−ブロモ−1−(2,4,
6−トリクロロフェニル)−エタン−1−オン(化合物3−1)およびN−(2,
5−ジトリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルチオ尿素を用いて、4−(2
,4,6−トリクロロフェニル)−2−[N−(2,5−ジトリフルオロメチルフェニ
ル)−N−プロピルアミノ]チアゾールを得る;収率=33%。
1H NMR(CDCl3):0.87(t,3H,J=3.8);1.77(sext.,
2H,J=3.8,J=7.8);3.88(m,2H);6.51(s,1H);7.
36(s,2H)。
段階2:ジクロロメタン50mlに前記で得られた生成物を溶解させる。トリエ
チルアミン0.3mlを添加し、次いで、臭素0.11mlを添加する。該混合物を8
時間攪拌し、チオ硫酸ナトリウムの溶液を添加する。水性相をジクロロメタンで
抽出する。有機相を合わせ、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発残
留物をシリカ上で精製する;溶離液:ジクロロメタン/シクロヘキサン1/2。
1H NMR(CDCl3):0.92(t,3H,J=3.7);1.73(sext.,
2H,J=3.7,J=7.7);3.71(m,2H);7.38(s,2H);7.
72(s,1H);7.80(d,1H,J=4.2);7.96(d,1H,J=4.
2)。
段階3:テトラヒドロフラン40mlに段階2から誘導される生成物(1.05g
)を溶解させる。不活性雰囲気下、−70℃で、ブチルリチウム(ヘキサン中1
.6M)1.6mlを添加する。20分後、ヨウ化メチル0.7ml(6当量)を添加
する。該混合物を徐々に室温に戻した後、3時間攪拌する。次いで、該混合物を
低温で加水分解させる。水性相をジクロロメタンで抽出し、有機相を合わせ、硫
酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発残留物をシリカゲル上で精製する;溶離液:ジ
クロロメタン/シクロヘキサン1/2。生成物を粉末の形態で得る;融点=88
℃。
前記実施例1〜17に従って方法を行うことにより、同様の方法で、下記表1
に記載する実施例18〜75を製造する:
実施例76
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メチルフェニル)−N−プロパ−2−イニルアミノ]チアゾール・臭化水
素酸塩
(I): R1=Cl;R2=OCH3;R3=H;R4=CH3;
R5=−CH2−C≡CH;
段階1:段階2でヨウ化2−プロピニルを用いる以外は実施例11に従って方
法を行うことにより、4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−
2−[N−(5−クロロ−2−メチルフェニル)アミノ]チアゾールを得る。
段階2:アルゴン下、0℃で、ジメチルホルムアミド10mlに段階1で得られ
た生成物1.3gを溶解させる。水素化ナトリウム(油中50%)0.2gを添加す
る。15分後、臭化プロパルギルのトルエン中80%溶液0.8mlをゆっくりと
添加する。該反応混合物を攪拌する。該反応混合物を酢酸エチルで希釈し、加水
分解させる。
有機相を水で3回洗浄し、次いで、硫酸ナトリウムで乾燥させる。蒸発後、生
成物をシリカゲル上で精製する;溶離液:シクロヘキサン、ジクロロメタン/酢
酸エチル80/20(v/v)混合物。臭化水素酸のイソプロパノール中0.2
M溶液に前記で得られた生成物のジクロロメタン中溶液を添加することにより臭
化水素酸塩が得られる。蒸発後、白色粉末を得る;融点=101℃。
【手続補正書】
【提出日】1999年4月7日(1999.4.7)
【補正内容】
(1)明細書の記載を以下のとおり補正する。
(i)第6頁、下から4行、「−S−CO−R(ここで、R」とあるを「−
S−CO−R0(ここで、R0」と補正する。
(ii)第8頁、6行、「−NHCORc(ここで、Rc」とあるを「−NH
CORe(ここで、Re」と補正する。
(2)請求の範囲を別紙のとおり補正する。
補正した請求の範囲
1.式:
[式中、
R1およびR2は、同一または異なっており、各々独立して、ハロゲン原子;(
C1−C5)ヒドロキシアルキル;(C1−C5)アルキル;アラルキル(ここで、ア
リール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1−C4)である);(C1
−C5)アルコキシ;トリフルオロメチル基;ニトロ基;ニトリル基;
基−SR(ここで、Rは、水素、(C1−C5)アルキル、またはアラルキル(ここ
で、アリール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(C1−C4)である)
を表す);基−S−CO−R0 (ここで、R0 は、(C1−C5)アルキル基、または
アラルキル(ここで、アリール部分は、(C6−C8)であり、アルキル部分は、(
C1−C4)である)を表す);基−COORa(ここで、Raは、水素または(C1
−C5)アルキルを表す);基−CONRaRb(ここで、RaおよびRbは、
Raについての前記定義と同じである);基−NRaRb(ここで、Raおよび
Rbは、Raについての前記定義と同じである);
基−CONRcRdまたは−NRcRd(ここで、RcおよびRdは、それらが
結合している窒素原子と一緒になって5員〜7員の複素環を構成する);または
、基−NHCO−NRaRb(ここで、RaおよびRbは、Raについての前記
定義と同じである)を表し;
R3は、水素を表すか、または、R1およびR2についての前記定義と同じであ
り;
R4は、(C1−C5)アルキル;ヒドロキシメチル基;ホルミル基;またはハロ
ゲン原子を表し;
R5は、(C1−C5)アルキル;シクロアルキルアルキル基(ここで、シクロア
ルキルは、(C3−C7)であり、アルキルは、(C1−C5)である);炭素原子3〜
6個のアルケニル;(C1−C5)ヒドロキシアルキル;アルキルカルボニルオキシ
アルキル基(ここで、アルキルは、(C1−C5)である);または炭素原子3〜6
個のアルキニル基を表し;
R6は、以下に定義する置換基Z 1個以上で置換されているフェニル;以下
に定義する基Z 1個以上で置換されているC5−C7単環式ヘテロ芳香族基;ま
たは、所望により環中にO、NおよびSから選択されるヘテロ原子1個以上を含
有していてもよいシクロアルキル基と縮合した、所望によりO、NおよびSから
選択されるヘテロ原子1個以上を含有していてもよい芳香族単環からなるC9−
C10二環式基(該二環式基は、以下に定義する置換基Z 1個以上で置換されて
おり、芳香族環により式中の窒素に結合されている)を表し、ただし、R6は、
置換インダンを表さず、置換基Zは、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基
、トリフルオロメチル基、(C1−C5)アルキル、(C1−C5)チオアルキル、
基−NRaRb(ここで、RaおよびRbは、Raについての前記定義と同じで
ある)、(C1−C5)ヒドロキシアルキル、(C1−C5)アルコキシ、トリフルオロ
メチルオキシ基、アルコキシアルキル(ここで、アルキルは、(C1−C5)である
)、基−COORa(ここで、Raは、前記定義と同じである)、
基−CONRaRb(ここで、RaおよびRbは、Raについての前記定義と同
じである)、カルボキシ(C1−C5)アルキル、アルコキシカルボニルアルキル(
ここで、アルキルは、(C1−C5)である)、(C1−C5)アルキルカルボニル、ア
ルキルカルボニルアルキル(ここで、アルキルは、(C1−C5)である)、モルホ
リノカルボニルまたはモルホリノカルボニル(C1−C5)アルキル基、または、基
−NRaCOORb(ここで、RaおよびRbは、前記定義と同じである)、基
−NHCORe(ここで、Reは、(C1−C8)アルキルを表す)、シクロアルキ
ルカルボニル(ここで、シクロアルキルは、(C3−C6)である)、シクロアルキ
ルアルキルカルボニル(ここで、シクロアルキルは、(C3−C6)
であり、アルキルは、(C1−C3)である)、ベンゾイル、フェニル(ここで、該
フェニルは、非置換であるか、または、(C1−C5)アルキル、(C1−C5)アルコ
キシ、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、もしくは、トリフルオロメチ
ル基で置換されている)から選択される基を表す]
で示される化合物、それらの立体異性体、それらの付加塩、それらの水和物およ
び/またはそれらの溶媒和物。
2.R6が式(I)についての定義と同じ置換基Z 1個以上で置換されている
フェニル基またはテトラヒドロナフチル基を表し、R1、R2、R3、R4およびR5
が式(I)についての定義と同じである請求項1記載の式(I)で示される化合物
、それらの立体異性体、それらの塩、それらの水和物および/またはそれらの溶
媒和物。
3.R4がメチルを表し、R1、R2、R3およびR5が式(I)についての定義と
同じである請求項1記載の式(I)で示される化合物、それらの立体性異性体、そ
れらの水和物および/またはそれらの溶媒和物。
4.R1および/またはR2がハロゲン、トリフルオロメチル、(C1−C5)アル
キルまたは(C1−C5)アルコキシを表し、R4がメチルを表し、R6が少なくとも
2位が式(I)についての定義と同じ置換基Zで置換されているフェニルを表し、
R3およびR5が式(I)についての定義と同じである化合物、それらの立体異性体
、それらの塩、それらの水和物および/またはそれらの溶媒和物。
5.4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル-2−[N−(5−
エトキシカルボニル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール
、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−トリ
フルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−
ジクロロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジクロロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−クロ
ロ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−クロ
ロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−クロ
ロ−5−メトキシフェニル)−N-プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2-エトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−
ジメトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−ジクロロフ
ェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−アセ
チル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−(メ
トキシ)−5−(フェニル)フェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−
ジメトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−6−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メトキシ−6
−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−エチ
ル−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−ブロ
モ−2−メトキシフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−o−トリルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4,6−トリクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−2,5−ジトリ
フルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,5−ジトリフル
オロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−ニトロフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2,6−ジクロロ−
5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メトキシ−6
−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロロ−2−
メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(4−クロロ−2−トリフルオロメチルフェニル)−5−メチル−2−[N
−(5−クロロ−2−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシ−5−メチルフェニル)−5−メチル−2−[
N−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メチ
ルチオ−5−トリフルオロメチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2,4−ジクロロ−5−メチルフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−
メトキシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4,5−ジメチルフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−
メトキシ−5−メチルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(2−メト
キシ−5−メトキシカルボニルフェニル)−N−プロピルアミノ]チアゾール、
4−(2−クロロ−4−メトキシフェニル)−5−メチル−2−[N−(5−クロ
ロ−2−メチルフェニル)−N−プロパ−2−イニルアミノ]チアゾール
である化合物、それらの立体異性体、それらの塩、それらの水和物および/また
はそれらの溶媒和物から選択される請求項1記載の化合物。
6.式(III):[式中、R1、R2、R3およびR4は、式(I)についての定義と同じであり、Hal
は、ハロゲン原子、好ましくは、臭素原子または塩素原子を表す]
で示されるアルファ−ハロゲン化誘導体を
式:
[式中、R6は、式(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路A)、式(II):
[式中、R1、R2、R3、R4およびR6は、式(I)についての定義と同じである
]
で示される化合物を得、次いで、これをアルキル化反応に付して、式(I)で示さ
れる化合物を得るか、または
式:
[式中、R5およびR6は、式(I)についての定義と同じである]
で示されるチオ尿素と反応させて(経路B)、直接、式(I)で示される化合物を
得、
所望により、次いで、得られた式(I)で示される化合物をそれらの起こり得る
立体異性体に分離するか、および/または、塩化して対応する塩を形成すること
を特徴とする請求項1記載の式(I)で示される化合物の製造方法。
7.コルチコトロピン放出因子の作用の調節を必要とする疾患の処置において
用いることができる薬剤の調製のための、請求項1〜5のいずれか1項記載の式
(I)で示される化合物の使用。
8.医薬上許容される非毒性不活性賦形剤と組み合わせるかまたは混合して、
活性成分として請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物の少なくとも1つを塩
基の形態または医薬上許容される無機酸もしくは有機酸との塩の形態で含有して
なる医薬組成物。
9.活性成分が少なくとも1つの医薬賦形剤と混合される投与単位の形態の請
求項8記載の医薬組成物。
10.各投与単位が活性成分0.5〜800mgを含有する請求項9記載の組成
物。
11.各投与単位が活性成分0.5〜200mgを含有する請求項10記載の組
成物。
12.別の抗不安薬、抗鬱薬または食欲不振誘発剤と組み合わせて請求項1〜5
のいずれか1項記載の化合物を含有してなる医薬組成物。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/426 A61K 31/425 601
31/427 602
C07D 417/12 C07D 417/12
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),UA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP
,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,
LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M
W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,
TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW
(72)発明者 ロジェ,ピエール
フランス、エフ―78423モンティニュー・
ル・ブルトノー、リュ・ポール・ヴァレリ
ー6番
(72)発明者 ヴェルミュト,カミーユ・ジョルジュ
フランス、エフ―67100ストラスブール、
リュ・ドゥ・ラ・コート・ダジュール3番