JP2000504020A - HER2/neuを過剰発現するガン細胞の化学療法剤に対する感作 - Google Patents

HER2/neuを過剰発現するガン細胞の化学療法剤に対する感作

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、neuオンコジーンの遺伝子産物であるp185neuチロシンキナーゼを阻害するための方法に関する。neoオンコジーンの過剰発現は、化学耐性を導く。開示される方法は、ガンを処置するための化学療法剤と組み合わせてのエモジンの新規の使用を含む。さらに、エモジンは化学療法剤の抗腫瘍効果を驚くほど増強する。本発明者らは、エモジンがガン細胞を感作し、その結果それらが化学療法剤による処置になじむようになることを提唱する。

Description

【発明の詳細な説明】 HER2/neuを過剰発現するガン細胞の化学療法剤に対する感作発明の背景 A.発明の分野 本発明はガンの処置に関する。いくつかの局面において、本発明はHER-2/neu( neu)オンコジーン(ヒトにおいて多くのガン型と相関付けられているオンコジー ン)によって媒介される発ガンの抑制に関する。薬物組合せを用いるneu媒介ガ ンの処置のための方法および組成物が開示される。 B.関連分野の背景 乳ガンは、女性におけるガン死の主要な原因のままである。1年の期間にわた り、180,000の新たな乳ガンの症例が診断されそして46,000人の女性が合衆国の みにおいて乳ガンで亡くなると予想される。従って、乳ガンの診断、予後予防、 および治療のための新規の薬剤を開発することが緊急に必要である。 肺ガンはまた合衆国におけるガン死の主要な原因である(Sllverbergら、1988) 。肺ガンは通常臨床的および生物学的基準によって2つの群に分けられる:(1 )非小細胞肺ガン(NSCLC)(Boringら、1994)、および(2)小細胞肺ガン(SCLC) 。ほとんどの小細胞肺ガンは、化学療法に感受性であるが、一方NSCLCは通常診 断の時点で化学療法に抵抗性である(Minnaら、1989)。従って、NSCLCはほとんど の肺ガン死の原因である(Boringら、1994)。肺ガンのためのより効果的な治療剤 を同定するために、肺ガンにおける特定の遺伝子変化を特徴づけるための、そし てそれらの遺伝子を標的化する治療を開発するための集中的な努力がなされてき た。 1つ以上の遺伝子の過剰発現かまたは異常なもしくは変異の遺伝子の発現を生 じる遺伝子の異常によって、少なくとも部分的には、種々のガンが引き起こされ ることは十分に確立されている。例えば、多くの場合、オンコジーンの発現は、 ガンの発達を生じることが知られている。「オンコジーン」は、変異した発現産 物はなぜか正常な細胞機能または制御を破壊する遺伝子的に変更された遺伝子で ある(Spandidosら、1989)。 現在までに研究されたほとんどのオンコジーンは、発現されたタンパク質産物 におけるアミノ酸置換を生じる正常細胞遺伝子(すなわち「プロトオンコジーン 」)コード領域における変異(しばしば点変異)の結果、「活性化される」こと が見出されている。この変化した発現産物は、新生物のプロセスに参加する異常 な生物学的機能を示す(Travaliら、1990)。基礎となる変異は、種々の手段(例 えば、化学変異誘発または電離放射線)によって生じ得る。多数のオンコジーン およびオンコジーンファミリー(ras、myc、neu、raf、erb、src、fms、jun、お よびablを含む)が現在同定され、そして種々の程度まで特徴付けされている(Tr avaliら、1990; Bishop,1987)。 公知のオンコジーンの約3分の1が、他のタンパク質のチロシン残基をリン酸 化するタンパク質をコードする。これらの酵素はチロシン特異的タンパク質キナ ーゼとして公知である。これらが触媒する反応は、ATPの末端ホスホリル基の、 タンパク質のチロシン残基の水酸化基への移動である。オンコジーンのこのファ ミリーに含まれるのは、src、yes、fps、fes、abl、ros、fgr、erbB、fms、mos 、raf、およびneuである。 neu遺伝子(HER-2/neuまたはc-erb-2としても知られる)は、上皮増殖因子レ セプターに相同性を有する185kDaの膜貫通チロシンキナーゼ(pl85neu)をコード する(Hungら、1986; Coussensら、1985; Schechterら、1984; Sembaら、1985;Ya mamotoら、1986)。neuの増強された発現は、多くのヒトガン(NSCLCを含む)に 関与することが知られており、そしてNSCLCにおいて患者の低い生存率に相関す ることが示されている(Kernら、1990; Schneiderら、1981; Weinerら、1990)。 細胞および動物研究はneuチロシンキナーゼ活性の増加が悪性表現型を増大させ ることが示されている(Mullerら、1988; Hudziakら、1987; Muthuswamyら、1994 ; Yuら、1991; Yuら、1993; Hungら、1989; Sistonenら、1989; Yuら、1994)。 neuオンコジーンは、最初にトランスフェクション研究(ここで、NIH 3T3細胞 が化学的に誘導されたラットの神経膠芽細胞腫からのDNAでトランスフェクトさ れた)において同定された(Shihら、1981)。neuによってコードされたp185タン パク質は、細胞外、膜貫通、および細胞内ドメインを有し、そしてそれゆえ増殖 因子レセプターの構造と一致する構造を有する(Schechterら、1984)。ヒトneu遺 伝子は、v-erbBおよびEFG-rプローブとのその相同性により最初に単離された(Se mbaら、1985)。 neuオンコジーンは、発ガンにおいて重要な役割を果たす。遺伝子は、原発性 乳ガンの約30%において増幅される。形質転換された3T3細胞におけるneuオンコ ジーンの増幅された発現は、悪性の形質転換を誘導する。 増幅の潜在力(proliferative potential)の増強とともに、neu媒介ガンは、 宿主防御機構に対して耐性であるようである。トランスフェクトされた細胞にお けるneuオンコジーンの過剰発現は、マクロファージ媒介腫瘍細胞傷害性におけ る主要なエフェクター分子である腫瘍壊死因子に対して耐性を生じる。 neu発現はまた、卵巣ガンにおいて検出されておりそしてそれが過剰発現する と予後が悪くなる。ヒト腫瘍細胞におけるneuオンコジーンの発現は、いくつか の宿主細胞傷害性機構に対する耐性を誘導する。 それゆえ、neuオンコジーン発現は、ヒトの乳房および女性の生殖器官のガン の発生率と相関する。さらに、この遺伝子の増幅/過剰発現はヒト乳ガンにおけ る再発および生存と直接相関づけられている(Slamonら、1987; 1989)。それゆえ 、neuオンコジーンに関する情報、特にこの遺伝子の存在または活性化によって 誘発されたと思われるオンコジーンの進行を逆行させるかまたは抑制させること に適用させ得る情報を発展させることは重要である。不運にも、neuオンコジー ンのようなオンコジーンの存在と関連するオンコジーン表現型を抑制するように 進行し得る様式については、これまでほとんど知られていない。 さらに、NSCLCのneu過剰発現は、生存の短縮化と関連している。インビトロ実 験モデルは、マウス細胞NIH 3T3においてオンコジーンは薬物耐性を増大すると いう証拠を提供した。さらに、Tsaiら、1993および1995は、NSCLCモデルを用い て、オンコジーンの活性化がヒト悪性細胞における生来の化学耐性と定量的に関 連していることを実証した。この耐性は、構造的に関連せず、そして異なる標的 におよび/または異なる機構によって作用する種々の薬物で観察された。従って 、 neuオンコジーンの増大された発現は広範な種々の化学療法剤(Tsai,1993)(シ スプラチン、ドキソルビジン、およびVP16(Tsaiら、1993; Tsaiら、1995)を含む )に対する化学耐性を増強する。ガン細胞におけるneu過剰発現の悪性表現型お よび化学耐性との関連は、neu過剰発現腫瘍を有する患者についての不良な臨床 結果についての最もらしい解釈を提供する。 最初期の臨床期(0期、Ia期)で診断された乳ガンは、高度に根治的であるが 、より進行した段階についての治癒率は、現代的な組合せ処置の後でさえ、急激 に降下する。転移性の乳ガンは、化学療法およびホルモン療法の両方に応答し、 そしてほとんどの患者は1〜3年の通常の生存の間適切に軽減される。しかし、 転移性の乳ガンは、無慈悲な死亡率によって示されるように、利用される処置の 様式に関わらず治癒不能であると考えられている。正しく選択された患者のため の前線の化学療法またはホルモン療法プログラムは、50%〜70%の患者において 客観的な応答を生成するが、応答の中央持続(median duration)は通常1年未 満である。第2線処置後の応答の割合は、かなり低く(20%〜50%)、そして応答 の持続は平均で6ヶ月である。 卵巣ガンもまた、その最初期の段階で高度に根治性であるが、圧倒的多数の患 者がIII期およびIV期で診断される。化学療法に対して応答性であるが、進行し た卵巣ガンを有するほとんどの患者は、再発し、そしてその病気のために死亡す る。いくつかの新たな細胞傷害性薬剤(タキサン、ビノレルビン(vinorelbine) 、白金誘導体)の導入により、第2線治療後にいくらかの応答が観察されるが、 この状況での治癒は、捉えどころのない目標のままである。 それゆえ、これらの型のガンのための新規の抗ガン剤を開発することが緊急に 必要である。発明の要旨 本発明は、先行技術の固有のこれらおよび他の欠点を、ガン細胞を化学療法剤 に対して感作させる薬剤を投与することによって克服することを追求する。 本発明のいくつかの実施態様は、細胞の形質転換、いくつかの特定の実施態様 においては細胞のオンコジーン媒介形質転換を阻害する方法を包含する。一般に 、 これらの方法は細胞をエモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法 剤と形質転換した表現型を阻害するのに有効な量で接触させる工程を包含する。 好ましい実施態様において、阻害される形質転換は、neuオンコジーン媒介形質 転換である。また好ましくは、形質転換が阻害される実施態様は、neuによって コードされるチロシン特異的タンパク質キナーゼを包含する。もちろん、本発明 はまた、他のオンコジーン媒介形質転換事象(たとえば、ras、 src、 yes、 fp s、fes、abl、ros、 fgr、erbB、fms、 mos、rafなどによる形質転換)を阻害す る方法に適用する。 本発明のエモジン様チロシンキナーゼインヒビターは、チロシンキナーゼ阻害 およびneu媒介形質転換の阻害に関してエモジンの特徴と類似の特徴を示す化合 物である。このようなエモジン様チロシンキナーゼインヒビターの代表例は、表 1の化合物に同一または類似の化学構造を有するアントラキノンである。もちろ ん、本発明は、これらのインヒビターの使用に限定されず、そしてエモジンの構 造的および/または機能的特性を有する他のインヒビターが使用され得る。いく つかの好ましい実施態様において、エモジン様チロシンキナーゼインヒビターは 、アントラキノンチロシンキナーゼインヒビターである。エモジン様チロシンキ ナーゼインヒビターは、例えば、エモジン、エモジン8-0-D-グルコシド、クリソ ファン酸(chrysophanic acid)、グルコクリソファン酸(gluco-chrysophanic acid)、フィシオン(physcion)、またはフィシオン(physcion)-8-0-D-グル コシドであり得、または表1中の他の構造のいずれか(例えば、DK-III-8; DK-II I-19; DK-III-47; DK-III-48; DK-III-13; DK-III-11; DK-II-1; DK-II-2; DK-I V-1; DK-V-47; DK-V-48; DK-III-52)であり得る。1つの好ましい実施態様にお いて、neuチロシンキナーゼインヒビターは、DK-V-47である。最も好ましい実施 態様において、neuチロシンキナーゼインヒビターは、エモジンである。 本発明のいくつかの実施態様において、細胞は、約0.5mg/kg全重量と500mg/kg 全重量との間のエモジン様チロシンキナーゼインヒビターと接触させられる。い くつかの特定の実施態様において、細胞は、約0.5mg/kg全重量と500mg/kg全重量 との間のエモジンで接触させられる。なお他の実施態様において、細胞は、約0. 5mg/kg全重量と500mg/kg全重量との間のエモジン様チロシンキナーゼインヒビタ ーと接触させられる。さらに他の実施態様において、細胞は、約10〜約100μMの 間のエモジンまたは約20と80μMの間、または約30と70μMとの間;あるいは約40 と60μMとの間または約50μMのエモジンと接触させられる。全重量は、培養中の 細胞の全重量として、または動物(ヒトを含む)の体重として定義され得る。 本発明のいくつかの実施態様は、化学療法剤を含む。これらは、抗ガン活性の 何らかの形態を示す化合物である。いくつかの好ましい実施態様において、化学 療法剤はアルキル化剤、植物アルカロイド、抗生物質、または抗腫瘍剤である。 化学療法剤がアルキル化剤である本発明の実施態様において、アルキル化剤は 、例えば、メクロレサミン(mechlorethamine)、シクロホスファミド、イホス ファミド、クロランブシル、メルファラン、ブスルファン、チオテパ、カルムス チン、ロムスチン、またはシュレプトゾイン(shreptozoin)である。化学療法 剤が植物アルカロイドを含む実施態様において、この植物アルカロイドは、例え ば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、またはタキソールである。好ましい実施 態様において、植物アルカロイドは、タキソールである。化学療法剤が抗生物質 である本発明の実施態様において、この抗生物質は、例えば、ダクチノマイシン 、ダウノルビシン、イダルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、またはド キソルビシンである。最も好ましい実施態様において、抗生物質はドキソルビシ ンである。化学療法剤が抗腫瘍剤を含む他の実施態様において、好ましい抗腫瘍 剤は、例えば、シスプラチン、VP16、およびTNFである。 本発明の特定の実施態様において、エモジンまたはエモジン様チロシンキナー ゼインヒビターは、化学療法剤の投与前に細胞に投与される。本発明の他の局面 において、化学療法剤はエモジンまたはエモジン様チインヒビターの投与前に細 胞に投与される。あるいは、エモジンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒ ビターおよび化学療法剤は、同時に投与される。 本発明のいくつかの実施態様において、細胞は動物内に位置し、そしてエモジ ンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤の有効量が 動物に投与される。本発明の特定の実施態様において、化学療法剤およびエモジ ンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターは、薬理学的に受容可能な処 方物中に適切に分散される。細胞が動物細胞である特定の好ましい実施態様にお いて、細胞はヒト細胞である。他の好ましい実施態様において、細胞は肺ガン細 胞、卵巣ガン細胞、または乳ガン細胞である。 本発明のいくつかの好ましい実施態様において、細胞はエモジンまたはエモジ ン様チロシンキナーゼインヒビターを化学療法剤と組み合わせて含む単一の組成 物と接触させられる。このような場合、組成物は薬理学的に受容可能な処方物中 に適切に分散され得る。 本発明は、ガン細胞を化学療法剤に感作させることを包含する実施態様を意図 する。これらの実施態様は、細胞をエモジンまたはエモジン様の有効量に曝露す ることを包含する。いくつかのこのような実施態様において、neu媒介ガンの阻 害はエモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤の有効な組合せ とガンを有するかまたは有すると思われる動物にガンを阻害するのに有効な量で 投与することにより達成される。組成物が動物に投与される実施態様において、 動物は代表的には哺乳動物である。このような場合、本発明は、ヒトにおけるne u媒介形質転換の処置および予防に特に有用である。 本発明の特定の実施態様は、動物に治療有効量のエモジン様チロシンキナーゼ インヒビターを注射する工程、および該動物に化学療法剤を接触させる工程を包 含する。好ましい実施態様において、エモジン様チロシンキナーゼインヒビター はエモジンである。本発明の特定の実施態様において、ガン部位は動物に化学療 法剤を含む治療有効量の薬学的組成物を投与することによって化学療法剤と接触 させられる。ここでこの化学療法剤は、例えば、シスプラチン、ドキソルビジン 、VP16、タキソール、またはTNFである。 本発明はまた、エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤を 薬理学的キャリア中に含む薬学的組成物の生成を可能にする。当業者は、本明細 書の教示および現在の当該分野における知識に基づいてこのような薬理学的キャ リアの性質を理解する。本発明の薬学的組成物は、本明細書中先にまたはどこか に記載したあるいは当業者に公知のエモジン様チロシンキナーゼインヒビターお よび化学療法剤のいずれかを含み得る。好ましい薬学的組成物において、化学療 法剤は、シスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、タキソール、またはTNF である。いくつかの好ましい実施態様において、エモジン様チロシンキナーゼイ ンヒビターはエモジンである。 本発明はまた、エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤を 含む薬学的組合せを包含する。特定の好ましい組合せにおいて、チロシンキナー ゼインヒビターはエモジンである。化学療法剤は本明細書中どこかに列挙したか または現在もしくは将来当業者に公知の任意のものであり得る。本発明の薬学的 組成物中での使用のために代表的な化学療法剤は、シスプラチン、ドキソルビシ ン、エトポシド、タキソール、およびTNFである。本発明の特定の実施態様にお いて、薬学的組合せはエモジンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビター および化学療法剤を同じ薬学的組成物中に含み得る。他の実施態様において、薬 学的組合せは、エモジンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび 化学療法剤の各々について別々の薬学的組成物を含む。これらの別々の組成物は 薬学的組合せを作製するために体の内部または外部で組み合わせられ得る。 本発明の他の実施態様は、適切な容器中にエモジン様チロシンキナーゼインヒ ビターの薬学的処方物、化学療法剤の薬学的処方物、および/またはエモジンま たはエモジン様化合物および化学療法剤の両方を含む薬学的処方物を含む治療キ ットを含む。このキットはまた、キットの薬学的処方物を単独でかまたはキット からは別個に得られ得る処方物と組み合わせて動物に投与する方法についての説 明書を含み得る。キットはまた、キットを用いる方法を説明するがキットの容器 とは別に提供される説明書を含み得る。キットはエモジンまたはエモジン様チロ シンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤を単一の容器内に存在して含み得る か、または代わりにキットは、エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび /または化学療法剤を異なる容器内に存在して含み得る。 本発明のいくつかの実施態様は、細胞のオンコジーン媒介形質転換を阻害する 方法であって、細胞をエモジンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビター と接触させる工程を包含する方法に関する。これらの化合物は本明細書中に十分 に記載される。好ましい実施態様において、オンコジーン媒介形質転換は、neu オンコジーン媒介形質転換である。また、好ましくは形質転換が阻害される実施 態様は、neuによってコードされるチロシン特異的タンパク質キナーゼを含む。 本発明はまた、neu媒介形質転換を阻害するための、薬学的組成物およびエモジ ンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターを含むキットを意図する。も ちろん、本発明はまた、他のオンコジーン媒介形質転換事象(例えば、ras、src 、yes、fps、fes、abl、ros、fgr、erbB、fms、mos、rafによる形質転換を阻害 する方法を適用する。図面の簡単な説明 以下の図面は、本明細書の一部を形成し、そして本発明の特定の局面をさらに 実証するために含まれる。本発明は、本明細書中に提示される特定の実施態様の 詳細な説明と組み合わせたこれらの図面の1つ以上への参照によってより良く理 解され得る。 図1Aおよび図1B.ヒト乳ガンMDA-MB453細胞でのneuのチロシンリン酸化および 発現に対するエモジン処理の用量依存および時間経過の効果。図1A、無血清培地 中の細胞を、エモジンを伴わずに(0)または伴って(10または40μM)37℃に て24時間インキュベートした。図1B.細胞を、処理せずに(−)またはエモジン (40μM)と(+)37℃にて種々の時間インキュベートした。細胞抽出物を、抗p 185neu抗体(抗-neu)によって免疫沈降し、次いで実施例1に記載のように抗ホ スホチロシン抗体(抗-PY)または抗p185neu抗体のいずれかでウェスタンブロッ トした。 図2Aおよび図2B.ヒトneu過剰発現乳ガン細胞におけるneuのチロシンリン酸化 および発現に対するエモジンの効果。無血清培地中の細胞を、40μMエモジンを 伴わずに(−)または伴って(+)37℃にて24時間インキュベートし、次いで細胞 溶解物を、抗p185neu抗体で免疫沈降し、そして実施例1に記載のように抗リン 酸化チロシン抗体(図2A)または抗p185neu抗体(図2B)でブロットした。 図3Aおよび図3B.MDA-MB453乳ガン細胞におけるP185neuの自己リン酸化および トランスリン酸化に対するエモジンの効果。図3Aは、細胞をエモジン(40μM) を伴わずに(レーン1)または伴って(レーン2)37℃にて24時間インキュベー トし、次いで細胞溶解物(500μg)を免疫沈降し、そしてキナーゼ活性を[γ-32 P]ATPおよびエノラーゼとのインキュベーションによって測定したことを示す。 未処理細胞からの細胞溶解物を免疫沈降し、次いで[γ-32P]ATP、エノラーゼお よび種々の濃度のエモジンと室温にて20分間インキュベートした(図3B)、反応 物を7.5% SDS-PAGE上で分離させた。実施例1に記載のようにリン酸化産物を乾 燥し、そしてオートラジオグラフィーによって可視化した。 図4Aおよび図4B.種々のレベルのneuを発現するヒト乳ガン細胞の増殖に対す るエモジンの効果。neuを過剰発現するMDA-MB453、AU-565、BT-483細胞および正 常レベルのneuを発現するMCF-7、MDA-MB23、HBL-100細胞を、種々の濃度のエモ ジンを伴わずにまたは伴って37℃にて72時間インキュベートした(図4A)。細胞 増殖に対する効果をMTTアッセイによって調べ、そして細胞増殖の割合をエモジ ンの処理を伴わない細胞の吸収を100%として定義することによって計算した。M DA-MB453細胞をエモジン(40μM)を伴わずに(コントロール)または伴って37 ℃にて種々の時間インキュベートし、そして細胞を洗浄し、そして血球計数器( hemacytometer)を用いてトリパンブルー排除によって計数した(図4B)。全て の測定は、3連でなされた。結果は平均±SDである。 図5.軟アガロース中のヒト乳ガン細胞コロニー成長に対するエモジンの効果 。細胞(1×103細胞/ウェル)を、40μMエモジンを有するかまたは有しない0. 7%アガロース層上に、0.35%アガロースを含有する培養培地で24ウェルプレー トに播種し、そして37℃にて3週間インキュベートした。コロニーを、p-ヨー ドニトロテトラゾリウムバイオレット(p-iodonitrotetrazolium violet)で染 色し、そして計数し、エモジン非存在下でのコロニーの数を100%として定義す ることによってコロニー形成の割合を計算した。全ての測定は、4回なされた。 結果は平均±SDである。 図6Aおよび図6B.ヒト肺ガン細胞におけるneuのチロシンリン酸化および発現 に対するエモジンの効果。図6Aおよび図6Bは、ヒト肺ガン細胞におけるneuのチ ロシンリン酸化および発現に対するエモジンの効果を示す。細胞を無血清培地中 で増殖させ、30μMエモジンを伴わずに(−)または伴って(+)37℃にて24時 間インキュベートし、次いで細胞溶解物を6.5%SDS-PAGEによって分離し、そし て実施例1に記載のように抗ホスホチロシン(抗PY)抗体または抗p185neu(抗 neu)抗体を用いてブロットした。図6Aは、MTTアッセイによって測定したNCI-H1 435およびNCI-H226におけるチロシンリン酸化に対する30μMエモジンの効果を示 す。図6Bは、MTTアッセイによって測定したNCI-H460、H460.neo、H460eB2および H460eB3細胞中のチロシンリン酸化に対する30μMエモジンの効果を示す。 図7Aおよび図7B.ヒト肺ガン細胞の増殖に対するエモジンの効果。ヒト肺ガン 細胞を種々の濃度のエモジンを伴ってまたは伴わずに37℃にて72時間インユベー トした。細胞増殖に対する効果をMTTアッセイによって調べ、そして細胞増殖の 割合をエモジンの処理を伴わない細胞の吸収を100%として定義することによっ て計算した。全ての測定を6回繰り返した。結果は平均±SDである。図7Aは、MT Tアッセイによって測定されたNCI-H1435およびNCI-H226の増殖に対するエモジン の効果を示す。図7Bは、MTTアッセイによって測定されたNCI-H460、H460.neo、H 460eB2、およびH460eB3の増殖に対するエモジンの効果を示す。 図8A、図8Bおよび図8C.ヒト肺ガン細胞の増殖に対する、シスプラチン、ドキ ソルビシン、およびVP16単独またはエモジンと組合せたシスプラチン、ドキソル ビシン、およびVP16の効果。NCI-H1435、HCI-H226、HCI-H460、H460.neo、H460e B2、およびH460eB3細胞の細胞増殖に対する効果を、MTTアッセイによって調べ、 そして細胞増殖の50%を阻害するに必要とされる薬物濃度(IC50)を計算した。 細胞を、薬物と37℃にて72時間インキュベートした。図8Aは、NCI-H1435、HCI-H 226、HCI-H460、H460.neo、H460.eB2、およびH460.eB3細胞におけるシスプラチ ンついてのIC50を示す。図8Bは、NCI-H1435、HCI-H226、HCI-H460、H460.neo、H 460.eB2、およびH460.eB3細胞におけるドキソルビシンについてのIC50を示す。 図8Cは、NCI-H1435、HCI-H226、HCI-H460、H460.neo、H460.eB2、およびH460.eB 3細胞におけるVP16についてのIC50を示す。 図9A、図9B、図9C、図9D、図9E、図9F、図9Gおよび図9H.細胞増殖に対する薬 物組合せの効果。全ての細胞を30μMエモジン単独でまたは種々の薬物と組み合 わせたエモジンで37℃にて72時間処理した。細胞増殖に対する効果を、MTTアッ セイによって調べ、そして細胞増殖の割合をエモジンで処理していない細胞の吸 収を100%として定義することによって計算した。阻害効果を、100%から細胞増 殖の割合を引くことによって計算した。全ての測定を6回繰り返した。結果は 平均±SDである。実施例1に記載のように評価した相乗効果を示す。図9Aは、NC I-H1435細胞に対する50μMシスプラチン、1.0μMドキソルビシン、または1.0μM VP16が存在する薬物処理の効果を示す。図9Bは、NCI-H226細胞に対する薬物処理 の効果を示す。これらの細胞を、5μMシスプラチン、0.5μMドキソルビシン、 または0.1μM VP16で処理した。図9Cは、NCI-H460に対する薬物処理の効果を示 す。これらの細胞を、5μMシスプラチン、0.1μMドキソルビシン、または0.1μ M VP16で処理した。図9Dは、H460.neoに対する薬物処理の効果を示す。これらの 細胞を、5μMシスプラチン、0.1μMドキソルビシン、または0.1μM VP16で処理 した。図9EはH460.eB2に対する薬物処理の効果を示す。これらの細胞を、75μM シスプラチン、0.5μMドキソルビシン、または0.5μM VP16で処理した。図9Fは 、H460.eB3に対する薬物処理の効果を示す。これらの細胞を、5μMシスプラチ ン、0.5μMドキソルビシン、または0.5μM VP16で処理した。図9Gは、MDA-MB361 ヒト乳ガン細胞に対するエモジン、タキソール、およびTNFαの効果を示す。こ れらの細胞を、20μMエモジン単独または10nMタキソールおよび0.5nM TNFαと組 合せた20μMエモジンで処理した。図9Hは、MDA-MB435ヒト乳ガン細胞に対するエ モジン、タキソール、およびTNF−αの効果を示す。これらの細胞を、20μMエモ ジン単独または0.1nMタキソールおよび0.1nM TNF-αと組合せた20μMエモジンで 処理した。 図10A、図10B、図10C、図10D、図10E、および図10F.軟寒天中での細胞増殖に 対する薬物組合せの効果。細胞(1×103細胞/ウェル)を、0.7%アガロース層 上に、0.35%アガロースを含有する培養培地で24ウェルプレートに播種した。コ ロニーを、p-ヨードニトロテトラゾリウムバイオレット(p-iodonitrotetrazol ium violet)で染色し、そして計数し、コロニー形成の割合をエモジン非存在下 でのコロニーの数を100%として定義することによって計算した。全ての測定は 、4回なされた。結果は平均±SDである。図10Aは、NCI-H460細胞の細胞増殖に 対する30μMエモジン単独または5μMシスプラチン、0.1μMドキソルビシン、も しくは0.1μM VP16と組み合わせた30μMエモジンの効果を示す。図10Bは、軟寒 天中のNCI-H460.neo細胞の細胞増殖に対する30μMエモジン単独または5μMシス プラチン、0.1μMドキソルビシン、もしくは0.1μM VP16との組み合わせた30 μMエモジンの効果を示す。図10Cは、軟寒天中のH460.eB2細胞の細胞増殖に対す る30μMエモジン単独または75μMシスプラチン、0.5μMドキソルビシン、もしく は0.5μM VP16との組み合わせた30μMエモジン効果を示す。図10Dは、軟寒天中 のH460.eB3細胞の細胞増殖に対する30μMエモジン単独または75μMシスプラチン 、0.5μMドキソルビシン、もしくは0.5μM VP16との組み合わた30μMエモジンの 効果を示す。図10Eは、軟寒天中のNCI-H226細胞の細胞増殖に対する30μMエモジ ン単独または5μMシスプラチン、0.1μMドキソルビシン、もしくは0.1μM VP16 と組み合わた30μMエモジンの効果を示す。図10Fは、軟寒天中のNCI-H1435細胞 の細胞増殖に対する30μMエモジン単独または50μMシスプラチン、1μMドキソ ルビシン、もしくは1μM VP16と組み合わた30μMエモジンの効果を示す。 図11.軟アガロース中のヒト乳ガン細胞(A)および活性化HER-2/neu形質転 換3T3細胞(B)のコロニー成長に対するエモジンの効果。細胞(1×103細胞/ ウェル)を、種々の濃度のエモジンまたはDK-V-47を有するかまたは有さない、0 .7%アガロース層上に、0.35%アガロースを含有する培養培地で24ウェルプレー トに播種し、37℃にて3週間インキュベートした。コロニーをp-ヨードニトロテ トラゾリウムバイオレット(p-iodonitrotetrazolium violet)で染色し、そし て数え、コロニー形成の割合をエモジンおよびDK-V-47の非存在下でのコロニー の数を100%として定義することによって計算した。全ての測定は4回なされた 。結果は平均±SDである。 図12.活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞におけるp185neuの自己リン酸化およ びトランスリン酸化に対するエモジンおよびDK-V-47の効果。未処理細胞からの 細胞溶解物を免疫沈降し、次いで[γ-32P]ATP、エノラーゼ、ならびに種々の濃 度のエモジンおよびDK-V-47と共に室温にて20分間インキュベートした。反応物 を、7.5% SDS-PAGE上で分離した。リン酸化産物を乾燥し、そしてオートラジオ グラフィーによって可視化した。 図13.活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞の増殖に対するエモジンの効果。細胞 を、種々の濃度のエモジンまたはDK-V-47を伴わずにかまたは伴って37℃にて72 時間インキュベートした。細胞増殖に対する効果をMTTアッセイによって調べ、 そして細胞増殖の割合を、エモジンおよびDK-V-47の処理を伴わない細胞の吸収 を100%として定義することによって計算した。全ての測定は3連でなされた。 結果は平均±SDである。 図14.エモジンおよびDK-V-47は、活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞のゼラチ ン分解活性を減少する。細胞を様々な濃度のエモジンおよびDK-V-47で一晩処理 したかまたは処理せず、培養上清を収集し、そしてゼラチン包埋SDS-PAGEを使用 してザイモグラフィーによって分析した。ゼラチン分解酵素をクーマシーブルー 染色ゲルの青いバックグラウンド上の透明なバンドとして検出した。92kDaおよ び68kDaゼラチナーゼの位置を示す。 図15.エモジンおよびDK-V-47は、Matrigel層を介してチロシンキナーゼ活性 を増大させた活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞の侵襲を阻害する。インビトロ侵 襲を、フィルター上部に薄く、連続的な層を形成するMatrigelでコートされた8m m孔ポリカーボネートフィルターを有する24ウェルトランスウェルユニット(tra nswell unit)を使用することによって測定した。下部の区画は、0.6mlのラミニ ン(20mg/ml)を化学誘引物質として含んだ。活性化HER-2/neu形質転換細胞(5 ×104)を、上部区画に配置し、そしてエモジンまたはDK-V-47で3日間処理した かまたは処理しなかった。次いで、トランスウェルユニットからのフィルターの 下部表面をPBS中の3%グルタールアルデヒドで固定し、そしてGiemsa溶液で染 色した。化学侵襲活性を、顕微鏡下でフィルターの下側に移動した細胞を数える ことによって測定した。全ての実験を3連で行った。 図16Aおよび図16B.軟アガロース中のヒト乳ガン細胞コロニー成長に対するタ キソール単独またはエモジンと組合せたタキソールの効果。細胞(1×103細胞 /ウェル)を、タキソールもしくはエモジンのいずれか、またはエモジン+タキ ソールを有するかまたは有さない0.7%アガロース層上に、0.35%アガロースを 含有する培養培地で24ウェルプレートに播種し、そして37℃にて3週間インキュ ベートした。全ての細胞を20μMエモジン単独で処理するかまたはタキソールと 組み合わせて処理した。種々のガン細胞を処理するために使用するタキソール用 量は、MDA-MB 361細胞については1μM(図16A);MDA-MB 435細胞については0.1 nM(図16B)である。コロニーをp-ヨードニトロテトラゾリウムバイオレット(p -iodonitrotetrazolium violet)で染色し、そして計数し、コロニー形成の 割合を薬物の非存在下におけるコロニーの数を100%として定義することによっ て計算した。全ての測定は4回なされた。縦線は、SD。 図17Aおよび図17B.図17A.HER-2/neu過剰発現乳ガンを有するマウスにおける 腫瘍増殖(n=10)。HER-2/neu過剰発現MDA-MB361細胞(5×107)を、雌-/-マウ スの皮下に注入した。3週後、触知できる固形腫瘍を検出した場合、マウスに、 偽薬、エモジン(40mg/kg体重)、もしくはタキソール(10mg/kg体重)、または エモジン(40mg/kg体重)+タキソール(10mg/kg)のいずれかをを8週間、週に 2回、i.p.注射によって投与した。腫瘍容積を、8週間、週に一度モニターした 。マウスを300日まで生存している間、観察した。図17B.HER-2/neu過剰発現乳 ガンを有するマウスにおける生存。好適な実施態様の詳細な説明 本発明は、ガンに対する抗腫瘍剤の効力を増大するための新規処置法、組成物 およびキットを提供することによって、先行文献が有する欠点を克服することを 探求する 本発明は、neuチロシン活性を阻害するエモジンおよび/またはエモジン様化合 物を用いて処置する方法を提供する。本発明の方法は、一般に、エモジンおよび /またはエモジン様化合物単独であるいはガン細胞を処置するのに有効な別の抗 ガン剤と組み合わせて用いることに関する。 1つの好ましい実施態様において、本発明は、抗ガン剤と組み合わせた、エモ ジン、例示的なエモジン様チロシンキナーゼインヒビターがneu媒介ガン(通常 、化学耐性である)の増殖を阻害することにおいて相乗的効果を有することを見 出した。 本発明の方法、組成物およびキットは、タンパク質チロシンキナーゼ活性を少 なくとも部分的に阻害する活性な種(active species)または代謝産物を有する 任意のエモジン様薬物と組み合わせて用いられ得る。このようなエモジン様イン ヒビターはそれ自身が「活性な種」である。エモジン、クリソファン酸、フィス シオンおよびとりわけこれらの化合物のグルコシドは、エモジン様インヒビター アナログのこの群の例である。あるいは、エモジン様化合物または薬物は、neu 媒介ガンに関してエモジンと類似の特性を示すか、または身体内で代謝されて活 性な種または代謝産物を提供するものである。 エモジンおよびアントラキノンに基づくエモジン様化合物の構造的特性 エモジン(3−メチル-1,6,8トリヒドロキシアントラ-キノン)は、表1に示さ れるアントラキノンの構造に構造的に基づく化合物の群に属する。ここで種々の R基が付加され得る。広範な種々のアントラキノンが天然に存在する(Yehら、1 988; KupchanおよびKarim,1976; Jayasuriyaら、1992)。表1の構造式Bはエ モジン自身であり;Cはエモジン-8-0-D−グルコシドであり;Dはクリソファン 酸であり;Eはグルコ-クリソファン酸であり;Fはフィスシオンであり;そし てGはフィスシオン-8-D−グルコシドである。構造式A、CおよびD〜Gのエモ ジン様化合物は、本発明において用いられるエモジン様化合物の例示的形態に過 ぎない。種々の他のエモジンアナログが、表1に示され、そしてYehら、1988;K upchanおよびKarim、1976;Jayasuriyaら、1992によって記載されるように利用 可能である。さらに、本発明者らは、Purdue University,West LafayetteのChi ng-Jer Changの研究グループによって最近開発されたさらなるエモジン様化合物 を調査し、そして最初の徴候は、これらの化合物がエモジン自身と同様にまたは それ以上に働くことである。 第1群(群A:表1および表2)は、エモジンに構造的に関連した化合物(エ モジンのC3のCH3基が異なる他の基で置換されただけである)からなり、それら のp185neuのチロシンリン酸化の阻害活性は、以下の順番、CH3>C=NOCH3>CHNOH >CH2OH>CONH2>COOHであり、そして細胞の増殖に対する阻害活性はCH3>CHNOH >CONH2>C=NOCH3>CH2OH>CH2OH>COOHである。これらの結果は、エモジンのC3 位置のCH3基がチロシンリン酸化および増殖におけるエモジンの阻害活性を残存 するために非常に重要であることを示す。 第2群(群B:表1および表2)もまた、エモジンに構造的に関連し、エモジ ンのC6位置のOH基がHまたはOCH3基のいずれかで置換されただけである。しかし 、エモジンと比較して、p185neuのチロシンリン酸化および細胞の増殖に対する 阻害活性はエモジンよりも5倍低い。 第3群(群C)(エモジンのC1、C6およびC8のOH基ならびにC3のCH3基を除去 した後に、エモジンのC1およびC2にNH2基を付加した)もまた、エモジンの活性 を減少している。第5群(群E)(C10からケトン基を除去された)もまた、エ モジンの活性を減少させる。 第4群(群D)は、C9ケトンがp-アセチルアミドベンゾメチル基(DK-V-47) またはp-アミノベンゾメチル基(DK-V-48)のいずれかで置換された以外は第3 群に構造的に類似する。DK-V-47は、p185neuのチロシンリン酸化および細胞の増 殖を阻害することに関してエモジンよりも高い活性を有するが、DK-V-47のCOCH3 をH基で置換すると(DK-V-48)、DK-V-48はDK-V-47の活性を減少させる。これ らの結果は、DK-V-47のCOCH3がDK-V-47の活性を保持するのに重要であることを 示唆する。 表1 エモジン様化合物の構造 エモジンおよびエモジン様化合物の機能的特性 エモジン(polygonum cuspidatumから最初に単離された)は、タンパク質チロ シンキナーゼp56lckのインヒビターであることが示されている(Jayasuriyaら; 1992)。本発明において、エモジンは、neuチロシンキナーゼ活性を阻害し、そ し てneu-過剰発現乳ガン細胞のトランスフォーメーション能力および増殖速度を優 先的に抑圧することを示される。エモジンは、インビトロでATPの結合を阻止す ることによってp56lckキナーゼの活性を制限するチロシンキナーゼインヒビター であることが報告されている(Jayasuriyaら、1992)。エモジンはまた、未知の 機構によって、リンパ性白血病(Kupchanら、1976)、HL-60ヒト白血病細胞(Ye hら、1988)、およびrasトランスフォームしたヒト気管支上皮細胞(Chanら、19 93)を含むガン細胞の増殖を阻害し得る。 本発明者らは、そのような細胞を化学療法剤に対して増感させることによって 、neu過剰発現ガン細胞の化学耐性を克服することにおいてエモジンおよびエモ ジン様化合物が補助することを見出した。チロシンリン酸化、増殖および形態学 におけるエモジンの影響を調査して、本発明者らは、ガン細胞におけるneuのチ ロシンリン酸化における影響を調査し、そしてこれらの細胞の増殖におけるエモ ジンと化学療法剤との組み合わせの効果を試験した。本発明者らは、エモジンが neuのチロシンリン酸化を抑制し、驚くべきレベルにまでneu発現肺ガン細胞の増 殖を優先的に阻害し、そしてこれらの細胞を化学療法剤に対して増感させること を見出した。チロシンリン酸化のこの抑制は、エモジン様化合物の機能的特徴で ある。 本発明者らは、エモジンおよびエモジン様化合物がneu過剰発現ヒト乳ガン細 胞のチロシンキナーゼ活性を抑制し、それらのトランスフォーメーション能力を 抑制し、そしてそれらの分化を誘導することを示した。さらに、本発明者らは、 エモジンがまた、肺ガン細胞においてチロシンリン酸化を抑制し、そしてこれら の細胞の増殖を優先的に阻害することを見出している。さらに本発明は、エモジ ンが、neuを過剰発現する肺ガン細胞を化学療法剤シスプラチン、ドキソルビシ ン、およびVP16に対して増感させ得ることを示す。これらの結果は、p185neuチ ロシンキナーゼ活性がneu過剰発現ガン細胞の化学耐性表現型のために必要とさ れることを示唆する。それ故、本発明は、化学療法措置にエモジンを付加するこ とが、それらの効率を非常に改善することを示す。 エモジンおよびエモジン様化合物の治療有効量 処置において第2の因子と組み合わされるエモジン様チロシンキナーゼインヒ ビターの治療有効量は、処置される宿主および投与の特定のモードに依存して変 化する。本発明の1つの実施態様において、用いられるエモジン様チロシンキナ ーゼインヒビターの用量範囲は、約0.5mg/kg体重〜約500mg/kg体重である。用語 「体重」は、動物が処置される場合に適用可能である。単離された細胞が処置さ れる場合には、本明細書中で用いられる「体重」は、「全細胞重量」を意味する と読まれるべきである。用語「全重量」は、単離された細胞および動物処置の両 方に適用されるように用いられ得る。本出願の「体重」または単に「kg」と表さ れる全ての濃度および処置レベルはまた、類似した「体重」および「全重量」濃 度を含むと考えられる。しかし、当業者は、種々の投薬量範囲の利用性を認識す る。これは例えば、1mg/kg体重〜450mg/kg体重、2mg/kg体重〜400mg/kg体重、3m g/kg体重〜350mg/kg体重、4mg/kg体重〜300mg/kg体重、5mg/kg体重〜250mg/kg体 重、6mg/kg体重〜200mg/kg体重、7mg/kg体重〜150mg/kg体重、8mg/kg体重〜100m g/kg体重、または9mg/kg体重〜50mg/kg体重である。さらに、当業者は種々の異 なる用量レベルが有用であることを認識する。これは例えば、1mg/kg、2mg/kg、 3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、12.5mg/kg、15mg/kg、17.5mg/kg 、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、60mg/kg 、70mg/kg、80mg/kg、90mg/kg、100mg/kg、120mg/kg、140mg/kg、150mg/kg、160 mg/kg、180mg/kg、200mg/kg、225mg/kg、250mg/kg、275mg/kg、300mg/kg、325mg /kg、350mg/kg、375mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/k g、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、900mg/kg、1000mg/kg、1250mg/kg、1500mg/ kg、1750mg/kg、2000mg/kg、2500mg/kg、および/または3000mg/kgである。もち ろん、これらの用量の全ては例示であり、そしてこれらの点の間の任意の用量が また、本発明において有用であること、そして同様に任意の2つのこれらの点に よって規定される任意の範囲の用量が有用であることが予期される。任意の上記 の用量範囲または用量レベルが、エモジン単独または抗ガン剤と組み合わせたエ モジンについて用いられ得る。 「治療有効量」は、レシピエント動物または患者に有益な結果を産生するのに 効果的な量である。このような量は、刊行された文献をレビューすることにより 、 インビトロ試験を行うことにより、または健康な実験動物において代謝研究を行 うことにより最初に決定され得る。臨床的設定において使用する前に、動物モデ ル(好ましくは処置されるべき特定の疾患の広範に受容された動物モデル)にお いて確証研究を行うことは有益であり得る。所定の実施態様のおける使用に好ま しい動物モデルは齧歯類モデルである。それらは使用するのに経済的であり、得 られる結果は臨床価値の予測であるとして広範に受容されているので好ましい。 当該分野で周知であるように、任意の特定の患者に対する活性化合物(例えば 、エモジンおよびエモジン様化合物)の特定の用量レベルは、用いられる特定の 化合物の活性、年齢、体重、全身の健康性、性、食餌、投与の時間、投与の経路 、排泄の割合、薬物組み合わせ、および治療を受ける特定の疾患の重症度を含む 種々の因子に依存する。投与の責任者は、個々の被検体について適切な量を決定 する。さらに、ヒト投与のために、調製物は、FDA Office of Biologics基準に より要求される無菌性、発熱性(pyrogenicity)、一般的安全性および純度基準 を満たすべきである。 本発明の組成物は、代表的には、所望されるような、標準的な、非毒性の薬理 学的に受容可能なキャリアー、アジュバント、およびベヒクルを含有する投薬単 位処方物で経口的または非経口的に投与される。本明細書中で用いられる用語「 非経口的」は、皮下注射、静脈内、筋肉内、動脈内注射、または注入技術を含む 。 いくつかの実施態様において、エモジンまたはエモジン様化合物は、第2の薬 剤と組み合わされる。以前に引用された毒性レベルを超過しない第2の薬剤の用 量が必要とされない限り、第2の薬剤の有効量は、エモジン様薬剤と組み合わさ れて動物に投与された場合にガン増殖を減少するのに有効な量として単純に規定 され得る。これは、動物または患者をモニターし、そして所定の処置の成功を示 す健康および疾患の物理的および生化学的パラメータを測定することによって容 易に決定される。このような方法は、動物試験および臨床的実行において日常的 である。 エモジンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターとともに用いられ得 る第2の薬剤の例は抗腫瘍剤である。これらの例は、シスプラチン;ドキソルビ シン(Mechetner&Roninson,1992)およびアナログ(例えば、ドキソルビシン の14-0-ヘミエステル;エトポシド;ビンクリスチン(Shiraiら、1994;Fricheら 、1993); ビンビンブラスチン(Bear,1994; McKinney&Hosford,1993); アクチ ノマイシンD(McKinney&Hosford,1993); ダウノマイシン(Bear,1994);ダウノ ルビシン(Mullerら、1994); タキソテール(Hunterら、1993); タキソール(Meche tner&Roninson,1992); およびタモキシフェン(Trumpら、1992))である。当業 者は、当該分野で実施される化学療法剤の用量範囲について「Physicians Desk Reference」第15版に向けられる。用量におけるいくつかの変動は、処置される べき被検体の状態に応じて必然的に生じる。 処置法は、一般的に、ガンを有する動物(ヒト患者を含む)に、エモジンおよ び/またはエモジン様チロシンキナーゼインヒビター単独またはneu媒介ガンにお いて過剰発現されるneuタンパク質チロシンキナーゼの活性における減少により 例証されるneu媒介ガン増殖を処置するのに効果的である1以上の第2の薬剤と 組み合わせた治療的に有効な組み合わせを投与することを含む。第2の薬剤は、 上に列挙されたもの、およびそれらの機能的等価物の内のいずれかであり得る。 本発明において使用するためのさらなるエモジン様チロシンキナーゼインヒビタ ーに関するアッセイ 所定の実施態様において、本発明は、neuタンパク質チロシンキナーゼインヒ ビター(「エモジン様化合物」である)をさらに同定する方法に関する。このス クリーニング技術は、例示的エモジン様チロシンキナーゼインヒビターに類似す る様式でneuタンパク質チロシンキナーゼを阻害する目的で働く任意の化合物の 一般的同定において有用であることを証明することが意図される。 このことについて有用な化合物は、エモジンに限定されない。実際、スクリー ニングアッセイの適用による同定のために最も有用である薬学的化合物は、エモ ジンに構造的に関連した化合物である。活性化合物は、天然に存在する化合物の フラグメントまたは一部を含み得るか、または公知の化合物の活性な組み合わせ としてのみ(そうでなければ不活性である)見い出され得る。しかし、ヒトまた は動物モデルにおけるこのような化合物の試験の前に、潜在性を有することを決 定するために種々の候補物を試験する必要がおそらくある。 従って、neuタンパク質チロシンキナーゼ活性を阻害する薬剤を同定するため のスクリーニングアッセイにおいて、天然の供給源(例えば、動物、細菌、真菌 、葉および樹皮を含む植物供給源、ならびに海のサンプル)から単離される化合 物が、潜在的に有用な薬剤の存在に関する候補物としてアッセイされ得ることが 提案される。スクリーニングされるべき薬剤はまた、化学組成物または人造化合 物から誘導または合成され得ることが理解される。 これらの実施態様において、本発明は、チロシンキナーゼアッセイを阻害する ための候補物質の能力を決定する方法に関し、この方法は一般に以下の工程を含 む: (a)チロシンをリン酸化し得るチロシンキナーゼ、好ましくはneuチロシンキ ナーゼを含む酵素組成物を得る工程; (b)候補物質と酵素組成物とを混合する工程;および (c)候補物質のチロシンリン酸化を阻害する能力を測定する工程。 タンパク質リン酸化を阻害し得る候補物質を同定するために、目的のタンパク 質上のチロシン残基をリン酸化し得る酵素組成物を最初に入手する。当然、添加 される候補物質の非存在下でチロシンキナーゼ組成物のリン酸化活性を測定また は決定する。次いで、候補物質をチロシンキナーゼ組成物に添加し、候補物質の 存在下で試験タンパク質上のチロシン残基をリン酸化するチロシンキナーゼ組成 物の能力を再決定する。それの非存在下における活性と比較して、チロシンキナ ーゼ組成物のリン酸化活性を減少する候補物質は、インヒビター能力を有する候 補物質であることを示す。 候補スクリーニングアッセイは、準備および実行するのに非常にシンプルであ り、そして酵素活性を決定することについて上記で考察されたアッセイに多くの 点で関連する。従って、天然または組換え供給源のいずれかから酵素の比較的精 製された調製物を取得した後に、インヒビター物質を含んでいなければ酵素にチ ロシンリン酸化機能を実行させる条件下で候補物質と酵素調製物とを混合する。 この様式で、候補物質の存在下でチロシンリン酸化活性を比較的減少させる候補 物質の能力を測定し得る。 所定の環境における「有効量」は、それらの通常のレベルと比較して、neuチ ロシンキナーゼ活性を再現性良く減少させるか、またはneu媒介ガン細胞の増殖 を減少させるのに有効な量である。活性において有意な適切な変化を達成する化 合物が用いられる。所望であれば、本発明において使用するための第2の薬剤を 同定するために化合物のバッテリーがインビトロでスクリーニングされ得る。 チロシンリン酸化における有意な減少(例えば、抗リン酸化抗体を用いるイム ノブロッティング技術を用いて測定されるような)は、少なくとも約30%〜40% のタンパク質リン酸化レベルにおける減少によって、そして最も好ましくは、少 なくとも約50%(より高い値ももちろん可能である)の減少によって示される。 チロシンリン酸化を測定するチロシンキナーゼアッセイは、当該分野で公知であ り、そしてインビトロまたはインビボで行われ得る。 ガン細胞の増殖の阻害は、MTTアッセイによって測定され得る。増殖における 有意な阻害は、阻害されていないものと比較して、少なくとも約30〜40%、そし て最も好ましくは約50%(より顕著な減少もまた可能である)の減少によって示 される。MTTアッセイによって測定されるような増殖アッセイは当該分野で周知 である。アッセイは、Mosmannら、1983; Rubinsteinら、1990(参考として本明 細書中に援用される)により記載されるように行われ得る。それ故、候補物質が このタイプの研究において阻害を示す場合、本発明における使用に適切な化合物 でありそうである。 定量的インビトロ試験は本発明に必要とされるものではない。なぜなら、第2 の薬剤が、それらの既知の特性に基づくか、または本明細書中に開示される薬剤 との構造的および/または機能的な比較によってしばしば選択されると一般に考 えられるからである。それ故、有効量は、例えば、本明細書中に開示されるよう に、しばしば、別の文脈において動物の投与に安全であると提案される量である 。本発明は、本発明者らの所定の代謝的および生理的事象の発見、および本発明 者らの驚くべき成分の組み合わせに部分的に起因するので、第2の薬剤単独の使 用および用量において利用可能な考慮すべき情報が存在する。この情報は、今や 本発明とともに利用可能であり得る。 もちろん、本発明の全てのスクリーニング方法は、有効な候補が見い出され得 ないという事実に妨げられることなく、基本的に有用である。本発明は、そのよ うな候補物を見出す方法のみならず、それらをスクリーニングする方法を提供す る。 さらなる実施態様において、本発明は、エモジン様インヒビター(例えば、上 記で考察された化合物のファミリーの1つ)の有効な濃度に酵素neuチロシンキ ナーゼキナーゼを供することを含む、neuチロシンキナーゼキナーゼ活性を阻害 する方法、または候補スクリーニングアッセイ実施態様に従って同定される候補 物質に関する。もちろん、neuチロシンキナーゼ活性を阻害することによって、n euの過剰発現により引き起こされるneu媒介ガンの種々の局面を処置し得ると考 えられる点で、これは本発明の重要な局面である。neuチロシンキナーゼ活性を ブロックするこのようなエモジン様インヒビターの使用は、neu媒介ガンを処置 するのに貢献する。本発明者らは、neu媒介ガン細胞(代表的には、化学耐性で ある)が、化学療法剤に対して増感され得ることを見出した。エモジン様チロシ ンキナーゼインヒビターはそういうものとして、他の化学療法と組み合わせるこ とにおいて有用である。 B.化学療法剤 広範な種々の化学療法剤が、本発明のエモジンまたはエモジン様チロシンキナ ーゼインヒビターと組み合わせて使用され得る。これらは、例えば、DNAを直接 架橋する薬剤、DNAにインターカレートする薬剤、ならびに核酸合成を行うこと により染色体および有糸分裂異常に導く薬剤であり得る。 核酸、特にDNAを直接架橋する薬剤は、本明細書中で直視されかつ示され、共 力作用抗腫瘍性結合に導くDNA損傷を生じる。シスプラチンおよび他のDNAアルキ ル化剤のような薬剤が使用され得る。 DNAに損傷を与える薬剤はまた、DNA複製、有糸分裂、および染色体分離と干渉 する化合物を含む。これらの化合物の例は、アドリアマイシン(ドキソルビシン としても知られている)、VP-16(エトポシドとしても知られている)、ベラパ ミル、ポドフィロトキシンなどを含む。腫瘍の処置のための臨床セッティングに 広範に使用されるこれらの薬剤は、アドリアマイシンについて21日間隔で25〜75 mg/m2からエトポシドについて静脈内または経口で35〜100mg/m2までの範囲の用 量でボーラス注射により静脈内投与される。 抗生物質 ドキソルビシン ドキソルビシン塩酸塩、5,12-ナフタセンジオン、(8s-cis)-10-[(3-アミノ-2, 3,6-トリデオキシ-a-L-リキソ-ヘキソピラノシル)オキシ]-7,8,9,10-テトラヒド ロ-6,8,11-トリヒドロキシ-8-(ヒドロキシアセチル)-1-メトキシ-塩酸塩(ヒド ロキシダウノルビシン塩酸塩、アドリアマイシン)は、広範な抗腫瘍性スペクト ルに使用される。ドキソルビシンはDNAに結合し、そして核酸合成を阻害し、有 糸分裂を阻害し、そして染色体異常を促進する。 単独で投与される場合、ドキソルビシンは、甲状腺腺腫および原発性肝臓細胞 ガンの処置のための第1の選択薬物である。ドキソルビシンは、卵巣、子宮内膜 および胸部腫瘍、気管支原性燕麦細胞ガン、非小細胞(non-small cell)肺ガン 、腸腺ガン、網膜芽腫、神経芽腫、ポリープ状真菌症、膵臓ガン、前立腺ガン、 膀胱ガン、骨髄腫、びまん性細網肉腫、ウィルムス腫瘍、ホジキン病、副腎腫瘍 、骨原性肉腫軟組織肉腫、ユーイング肉腫、横紋筋肉腫およびリンパ性白血病の 処置のための31の第1の選択組合せの成分である。ドキソルビシンは、島細胞、 頸部、精巣および副腎皮質ガンの処置のための別の薬物である。ドキソルビシン はまた、免疫抑制剤である。 ドキソルビシンは、あまり吸収されず、そして代表的には静脈内投与される。 薬物動力学は多区分(multicompartmental)である。分布相は、12分および3.3 時間の半減期を有する。放出半減期は約30時間である。40〜50%は胆汁に分泌さ れる。残りの大部分は肝臓で代謝され、一部は活性代謝物(ドキソルビシノール )に代謝されるが、数パーセントは尿に排泄される。肝臓障害の存在下では、用 量は減少させるべきである。 適切な用量は、静脈内、成人、21日間隔で60〜75mg/m2あるいは3または4週 間隔の繰り返しで2または3日連続でそれぞれ25〜30mg/m2または1週に一度20m g/m2である。最低用量は、以前の化学療法または腫瘍性骨髄侵襲により生じた以 前の骨髄低下がある場合、または薬物が他の骨髄造血抑制剤と組み合わされる場 合、年輩の患者に使用されるべきである。用量は、血清ビリルビンが1.2mg/dLと 3mg/dLとの間にある場合50%、および血清ビリルビンが3mg/dLを越える場合75% 減少させるべきである。生涯総用量は、正常な心臓機能を有する患者では550mg/ m2、縦隔照射を受けた患者では400mg/m2を越えないべきである。あるいは、3日 連続でそれぞれ30mg/m2が4週毎に繰り返された。例示的な用量は、10mg/m2、20 mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、100mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/m2、225mg/m2 、250mg/m2、275mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、425mg/m2、450mg/m2 、475mg/m2、500mg/m2であり得る。もちろん、これらのすべての用量は例示であ り、これらの点間の任意の投薬もまた、本発明の使用が予想される。 本発明において、本発明者らは、エモジンを例示的なエモジン様インヒビター として使用し、ガンの処置におけるドキソルビシンの抗腫瘍効果を相乗作用的に 促進した。当業者は、例示のものがある範囲の異なるneu-媒介ガンにおけるドキ ソルビシンの効果を可能にするように本発明を使用することができる。 ダウノルビシン ダウノルビシン塩酸塩、5,12-ナフタセンジオン、(8S-cis)-8-アセチル-10-[( 3-アミノ-2,3,6-トリデオキシ-a-L−リキソ-ヘキサノピラノシル)オキシ]-7,8,9 ,10-テトラヒドロ-6,8,11-トリヒドロキシ-10-メトキシ-塩酸塩は、セルビジン とも呼ばれ、Wyethから入手可能である。ダウノルビシンは、DNAにインターカレ ートし、DNA指向RNAポリメラーゼをブロックし、そしてDNA合成を阻害する。ダ ウノルビシンは、核酸合成に干渉しない用量で細胞分割を予防し得る。 他の薬物との組合せにおいて、ダウノルビシンは、成人における急性骨髄性白 血病(緩解の誘発に対して)、急性リンパ性白血病および慢性骨髄性白血病の急 性期の第1の選択化学療法に含まれる。経口吸収は乏しく、静脈内に与えられな ければならない。分布の半減期は45分であり、放出の半減期は約19時間である。 その活性代謝物(ダウノルビシノール)の半減期は、約27時間である。ダウノル ビシンは、大部分が肝臓中で代謝され、胆汁にも分泌される(約40%)。投薬は 肝臓または腎不全において減少されなければならない。 適切な用量は、(塩基等価物)、静脈内、60才より若い成人、3または4週間 毎に1、2または3日間45mg/m2/日(60才より年輩の患者については30mg/m2) あるいは3または4週間毎に3〜6日間0.8mg/kg/日である;胸部照射がある場 合のわずか450mg/m2を除いて、生涯で550mg/m2にすぎない;子供、年齢が2才未 満であるかまたは身体表面が0.5m未満である以外は、1週に一度25mg/m2、この 場合、体重基準の成人スケジュールが使用される。注射可能投薬形態(塩基等価 物)において、20mg(塩基等価物として塩酸塩21.4mgまで)が利用可能である。 例示的な用量は、10mg/m2、20mg/m2、30mg/m2、50mg/m2、100mg/m2、150mg/m2、 175mg/m2、200mg/m2、225mg/m2、250mg/m2、275mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、40 0mg/m2、425mg/m2、450mg/m2、475mg/m2、500mg/m2であり得る。もちろん、これ らのすべての用量は例示であり、これらの点間の任意の投薬もまた、本発明の使 用が予想される。 ミトマイシン ミトマイシン(ムタノマイシンおよび/またはミトマイシン−Cとしても知ら れている)は、Streptomyces caespitosusブロスから単離された抗生物質であり 、抗腫瘍活性を有することが示されている。この化合物は、熱安定であり、高融 点を有し、そして有機溶媒に無条件に可溶である。 ミトマイシンは、デオキシリボ核酸(DNA)の合成を選択的に阻害する。グア ニンおよびシトシン含有量は、ミトマイシン誘導架橋の程度に関連する。高濃度 の薬物では、細胞RNAおよびタンパク質合成もまた、抑制される。 ヒトにおいて、ミトマイシンは、静脈内投与後に血清から迅速に取り除かれる 。30mgのボーラス注射後に血清濃度を50%減少させるのに必要な時間は、17分で ある。30mg、20mg、または10mgのI.V.注射後、最大血清濃度は、それぞれ2.4mg/ mL、1.7mg/mL、および0.52mg/mLであった。クリアランスは、主として肝臓での 代謝により行われるが、代謝は同様に他の組織で起こる。クリアランスの速度は 、分解経路の飽和のために(考えられる)最大血清濃度に反比例する。 ミトマイシンの用量の約10%は、尿中に変化しないまま排泄される。代謝経路 は比較的低用量で飽和されるので、尿中に排泄される用量の割合は、用量が増加 するにつれて増加する。子供において、静脈内投与したミトマイシンの排泄は類 似する。 アクチノマイシンD アクチノマイシンD(ダクチノマイシン)[50-76-0];C62H86N12O16(1255.43) は、DNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する抗腫瘍剤である。アクチノマイシンD は、絨毛ガン、胎児性横紋筋肉腫、精巣腫瘍およびウィルムス腫瘍の処置のため の第1の選択組合せの成分である。全身性処置に応答しない腫瘍は、時として局 所的灌流に応答する。ダクチノマイシンは放射性治療を増強する。ダクチノマイ シンは第2の(遠心性)免疫抑制剤である。 アクチノマイシンDは、一次外科手術、放射性治療、および他の薬物(特に、 ビンクリスチンおよびシクロホスファミド)と組み合わせて使用される。抗腫瘍 活性は、ユーイング腫瘍、カポジ肉腫、および軟組織肉腫においてもまた注目さ れている。ダクチノマイシンは、絨毛ガンの進行病症を伴う婦人に有効であり得 る。ダクチノマイシンはまた、転移性精巣ガンを有する患者においてクロラムブ シルおよびメトトレキセートと組み合わせて一致した応答を生じる。応答は、時 としてホジキン病および非ホジキンリンパ腫を有する患者において観察され得る 。ダクチノマイシンはまた、免疫学的応答(特に、腎臓移植の拒絶)を阻害する ために使用されている。 用量の半分は、胆汁に無傷で排泄され、そして10%は尿に排泄される;半減期 は約36時間である。薬物は、血液脳関門を通過しない。アクチノマイシンDは、 凍結乾燥粉末として供給される(各バイアル中に0/5mg)。通常の日用量は、10 〜15mg/kgである;これは5日間静脈内に与えられる;毒性の発現に遭遇しない 場合、さらなるコースが3〜4週間隔で与えられ得る。100〜400mgの毎日注射が 、10〜14日間子供に与えられる;他の養生法において、3〜6mg/kg(合計125mg /kgに対して)および7.5mg/kgの毎週維持用量が使用される。薬物を静脈内灌流 のチューブに投与することがより安全であるが、皮下反応を防止するためにバイ アルから薬物を引き抜くために使用される針の廃棄に用心しながら、直接的静脈 内注射が与えられる。例示的な用量は、100mg/m2、150mg/m2、175mg/m2、200mg/ m2、 225mg/m2、250mg/m2、275mg/m2、300mg/m2、350mg/m2、400mg/m2、425mg/m2、45 0mg/m2、475mg/m2、500mg/m2であり得る。もちろん、これらのすべての用量は例 示であり、これらの点間の任意の投薬もまた、本発明の使用が予想される。 ブレオマイシン ブレオマイシンは、Streptomyces verticillus株から単離された細胞毒性糖ペ プチド抗生物質の混合物である。ブレオマイシンは水に無条件に可溶である。 ブレオマイシンの作用の正確な機構は知られていないが、利用可能な証拠は、 作用の主要な様式が、RNAおよびタンパク質合成のより小さな阻害のいくつかの 証拠を伴うDNA合成の阻害であることを示すようである。 マウスにおいて、高濃度のブレオマイシンが、皮膚、肺、腎臓、腹膜、および リンパ管に見出される。皮膚および肺の腫瘍細胞は、造血組織に見出される低濃 度と対照的に、高濃度のブレオマイシンを有することが見出されている。骨髄に 見出される低濃度のブレオマイシンは、その組織に見出される高レベルのブレオ マイシン分解酵素に関連し得る。 1分あたり35mLより多いクレアチニンクリアランスを有する患者において、ブ レオマイシンの血清または血漿末期放出半減期は約115分である。1分あたり35m L未満のクレアチニンクリアランスを有する患者において、血漿または血清末期 放出半減期は、クレアチニンクリアランスが減少するにつれて指数関数的に増加 する。ヒトにおいて、投与した用量の60%〜70%は、活性ブレオマイシンとして 尿中に回収される。 ブレオマイシンは、待期的処置を考慮すべきである。ブレオマイシンは、単一 の薬物として、または他の認可された化学療法剤との証明された組合せのいずれ かで鱗状細胞ガン(例えば、頭部および首(口、舌、扁桃腺、鼻咽頭、口腔咽頭 部、洞、口蓋、唇、口内粘膜、歯肉、喉頭蓋、喉頭を含む)、皮膚、ペニス、頸 部、および外陰)において以下の新生物の取り扱いに有用であることが示されて いる。ブレオマイシンはまた、リンパ腫および精巣ガンの処置に使用されている 。 アナフィラキシー様反応の可能性のため、リンパ腫患者は、最初の2回の用量 について2以下のユニットで処置されるべきである。急性反応が起こらない場合 、 規則的な投薬スケジュールに従い得る。 ホジキン病および精巣腫瘍の改善は即座であり、2週間以内に示される。この 時間までに改善が見られない場合、改善は見込みがない。鱗状細胞ガンは、より ゆっくりと応答し、時として改善が示される前に3週間を必要とする。 ブレオマイシンは、筋肉内、静脈内、または皮下経路により与えられ得る。 種々の薬剤 シスプラチン シスプラチンは、ガン(例えば、転移性精巣または卵巣ガン、進行性膀胱ガン 、頭部または首のガン、頸部ガン、肺ガンまたは他の腫瘍)を処置するために広 範に使用されている。シスプラチンは、単独でまたは他の薬剤と組み合わせて使 用され得、合計3つのコースで、3週毎に5日間15〜20mg/m2の臨床用途で有効 用量が使用される。例示的な用量は、0.50mg/m2、1.0mg/m2、1.50mg/m2、1.75mg /m2、2.0mg/m2、3.0mg/m2、4.0mg/m2、5.0mg/m2、10mg/m2であり得る。もちろん 、これらのすべての用量は例示であり、これらの点間の任意の投薬もまた、本発 明の使用が予想される。 シスプラチンは、経口で吸収されず、従って、静脈内、皮下、腫瘍内または腹 膜内注射により送達されなければならない。 本発明の特定の局面において、シスプラチンは、非小細胞肺ガンの処置におい てエモジンまたはエモジン様化合物と組み合わせて使用される。しかし、シスプ ラチンとエモジンおよびまたはエモジン様化合物との組合せは、任意の他のneu- 媒介ガンの処置に使用され得たことは明らかである。 VP16 VP16は、エトポシドとしても知られ、主として精巣腫瘍の処置のためにブレオ マイシンおよびシスプラチンと組み合わせて、ならびに肺の小細胞ガンのために シスプラチンと組み合わせて使用される。VP16はまた、非ホジキンリンパ腫、急 性非リンパ性白血病、乳房ガン、および後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連す るカポジ肉腫に対して活性である。 VP16は、静脈内投与について溶液(20mg/ml)として、そして経口使用につい て50mgの液体充填カプセルとして利用可能である。肺の小細胞ガンについて、静 脈内用量(組合せ治療において)は、多くて100mg/m2程度、または少なくて2mg /m2程度であり得、日常的に4日間毎日35mg/m2〜5日間毎日50mg/m2もまた使用 される。経口で与えられる場合、用量は2回(double)であるべきである。従っ て、小細胞肺ガンについての用量は、200〜250mg/m2程度であり得る。精巣ガン についての静脈内用量(組合せ治療において)は、5日間毎日50〜100mg/m2、ま たは隔日で100mg/m2の3回用量である。治療の周期は、通常、3〜4週毎に繰り 返される。薬物は、低血圧および気管支痙攣(これらは、おそらく、処方物に使 用される溶媒による)を避けるために30分〜60分の灌流の間にゆっくりと投与さ れるべきである。 腫瘍壊死因子 腫瘍壊死因子[TNF;カケクチン]は、特定の種類のガン細胞を死滅させ、サイ トカイン産生を活性化し、マクロファージおよび内皮細胞を活性化し、コラーゲ ンおよびコラゲナーゼの産生を促進し、炎症性メディエーター、そしてまた敗血 性ショックのメディエーターであり、そして異化、発熱および睡眠を促進する糖 蛋白である。いくつかの感染性因子は、TNF産生の剌激を介して腫瘍後退を引き 起こす。TNFは、有効用量で単独で使用される場合、極めて毒性であり得、その 結果、最適養生法は、おそらく他の薬物と組み合わせて低用量でTNFを使用する 。その免疫抑制作用は、γ−インターフェロンにより可能にされ、その結果、潜 在的に組合せは危険である。TNFとインターフェロン−αとのハイブリッドはま た、抗ガン活性を有することが見出されている。 植物アルカロイド タキソール タキソールは、実験的抗有糸分裂剤であり、トネリコ木(Taxus brevifolia) の樹皮から単離される。タキソールは、チューブリンに(ビンカアルカロイドに より使用される部位とは異なる部位で)結合し、そして微小管のアセンブリを促 進する。タキソールは、現在臨床的に評価されている;タキソールは、悪性黒色 腫および卵巣ガンに対して活性を有する。最大用量は、5日間1日あたり30mg/m2 または3週毎に1回210〜250mg/m2である。もちろん、これらのすべての用量は 例示であり、これらの点間の任意の投薬もまた、本発明の使用が予想される。 ビンクリスチン ビンクリスチンは、有糸分裂をブロックし、そして分裂中期停止を生じる。こ の薬物の生物学的活性の大部分は、チューブリンに特異的に結合する能力および 微小管に重合するタンパク質の能力をブロックする能力により説明され得るよう である。有糸分裂器官の微小管の破壊により、細胞分割は分裂中期で停止する。 有糸分裂の間に正確に染色体を分離できないことにより、おそらく細胞死に至る 。 ビンクリスチンは正常な骨髄細胞および上皮細胞に対して比較的毒性が低いの で、この薬剤は抗腫瘍薬物の中でも普通ではなく、しばしば他の骨髄抑制剤との 組み合わせに含まれる。 ビンブラスチンまたはビンクリスチンの経口投与後の予想できない吸収が報告 されている。通常の臨床用量で、血漿中の各薬物のピーク濃度は約0.4mMである 。 ビンブラスチンおよびビンクリスチンは、血漿タンパクに結合する。それらは 、血小板にて広範囲に、そして白血球および赤血球においてより低い程度に濃縮 される。 ビンクリスチンは、血漿からのクリアランスの多相(multiphasic)パターン を有する;末期半減期は約24時間である。薬物は、肝臓中で代謝されるが、生物 学的に活性な誘導体は同定されていない。用量は、肝機能障害を有する患者にお いて減少させるべきである。血漿中のビリルビン濃度が3mg/dl(約50mM)より高 い場合、少なくとも50%の用量の減少が示される。 硫酸ビンクリスチンは、静脈内注射用の溶液(1mg/ml)として入手可能であ る。コルチコステロイドと共に使用されるビンクリスチンは、現在、選択処置で あり、幼年期白血病において緩解を誘起する;これらの薬物の最適用量は、ビン クリスチン、静脈内、身体表面積1m2あたり2mg、毎週、およびプレドニゾン、 経口、40mg/m2、毎日のようである。ホジキン病または非ホジキンリンパ腫を有 する成人患者は、通常、複合プロトコルの一部としてビンクリスチンを受ける。 MOPP養生法で使用される場合、ビンクリスチンの推奨用量は1.4mg/m2である。成 人よりも白血病を有する子供が、高用量のビンクリスチンに対しより抗薬力があ るようである。この子供は、激しい神経学的毒性を経験し得る。7日毎よりも頻 繁かまたはより高用量での薬物の投与は、応答速度を比例的に改善することなく 毒性発現を増加させるようである。予防薬もまた、ビンクリスチンの静脈内投与 の間の血管外遊出を避けるために使用されるべきである。ビンクリスチン(およ びビンブラスチン)は、匹敵する毒性を有する静脈内投与され得る用量よりも数 倍多い用量で腫瘍の動脈血液供給源に灌流され得る。 ビンクリスチンは、ホジキン病および他のリンパ腫に有効である。ビンクリス チンは、ホジキン病において単独で使用される場合、ビンブラスチンよりもいく らか有益ではないようであるが、メクロレタミン、プレドニゾン、およびプロカ ルバジンと共に使用される場合(いわゆるMOPP養生法)、この疾患の進行期(II IおよびIV)のための好適な処置である。非ホジキンリンパ腫において、ビンク リスチンは、特に、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ドキソルビシン、お よびプレドニゾンと共に使用される場合、重要な薬剤である。ビンクリスチンは 、リンパ性白血病においてビンブラスチンよりもより有用である。有益な応答は 、種々の他の新生物、特にウィルムス腫瘍、神経芽腫、脳腫瘍、横紋筋肉腫、な らびに乳房、膀胱、および男性および女性生殖系のガンを有する患者において報 告されている。 ビンクリスチンの使用用量は、個々の患者の必要性に従って臨床医により決定 される。0.01〜0.03mg/kgまたは0.4〜1.4mg/m2が投与され得るか、あるいは1.5 〜2mg/m2もまた投与され得る。あるいは、0.02mg/m2、0.05mg/m2、0.06mg/m2、0 .07mg/m2、0.08mg/m2、0.1mg/m2、0.12mg/m2、0.14mg/m2、0.15mg/m2、0.2mg/m2 、0.25mg/m2が、一定の静脈内灌流として与えられ得る。もちろん、これらのす べての用量は例示であり、これらの点間の任意の投薬もまた、本発明の使用が予 想される。 ビンブラスチン 細胞がビンブラスチンとインキュベートされる場合、微小管の溶解が生じる。 ビンブラスチンまたはビンクリスチンの経口投与後に予想できない吸収が報告さ れている。通常の臨床用量で、血漿中の各薬物のピーク濃度は、約0.4mMである 。ビンブラスチンおよびビンクリスチンは、血漿タンパクに結合する。それらは 、血小板にて広範囲に、そして白血球および赤血球においてより低い程度に濃縮 される。 静脈内注射後、ビンブラスチンは、血漿からのクリアランスの多相パターンを 有する;分布後、薬物は、約1時間および20時間の半減期で血漿から消失する。 ビンブラスチンは、肝臓中で生物学的に活性な誘導体であるデスアセチルビン ブラスチンに代謝される。投与した用量の約15%は、尿中で無傷で検出され、約 10%は胆汁排泄後に糞便中に回収される。用量は、肝機能障害を有する患者にお いて減少させるべきである。血漿中のビリルビン濃度が3mg/dl(約50mM)より高 い場合、少なくとも50%の用量の減少が示される。 硫酸ビンブラスチンは注射用調製物中に利用可能である。この薬物は、静脈内 に与えられる;皮下の血管外遊出に対して、特別に注意するべきである。なぜな ら、これは有痛性の刺激および潰瘍形成を引き起こし得るからである。この薬物 は、循環に障害のある四肢に注射されるべきではない。0.3mg/kg体重の単回投薬 の後、骨髄抑制は最大7〜10日で達する。中程度レベルの白血球減少症(約3000 細胞/mm3)が達成されない場合、1週当たりの用量は、0.05mg/kg体重の増分に より漸進的に増加され得る。精巣ガンを治療するために設計された養生法におい て、ビンブラスチンは、血球数または毒性に無関係に3週間毎に0.3mg/kg体重の 用量で使用される。 ビンブラスチンの最も重要な臨床的使用は、転移性の精巣ガンの治療的療法に おいてブレオマイシンおよびシスプラチンを伴うことである。有益な応答は、種 々のリンパ腫、特にホジキン病について報告されており、そこでは、有意な改善 が、症例の50〜90%において注目され得る。その疾患がアルキル化剤に対して耐 性である場合、高比率のリンパ腫におけるビンプラスチンの効力は減少しない。 それはまた、カポジ肉腫、神経芽細胞腫、およびレテラージーヴェ病(組織球増 殖病X)、ならびに女性の乳ガンおよび絨毛ガンにおいて活性である。 使用のためのビンブラスチンの用量は、個々の患者の必要に応じて医者により 決定される。0.1〜0.3mg/kg体重が投与され得るか、または1.5〜2mg/m2もまた投 与され得る。あるいは、0.1mg/m2、0.12mg/m2、0.14mg/m2、0.15mg/m2、0.2mg/m2 、0.25mg/m2、0.5mg/m2、1.0mg/m2、1.2mg/m2、1.4mg/m2、1.5mg/m2、2.0mg/m2 、2.5mg/m2、5.0mg/m2、6mg/m2、8mg/m2、9mg/m2、10mg/m2、20mg/m2が与えられ 得る。もちろん、これらの投薬量の全てが典型的であり、そしてこれらの点の中 間のいかなる投薬量もまた本発明における使用が予想される。 アルキル化剤 カルムスチン カルムスチン(滅菌カルムスチン)は、特定の新生物疾患の処置に使用される ニトロソ尿素の1種である、それは、1,3ビス(2-クロロエチル)-1-ニトロソ尿素 である。それは、淡黄色フレークに凍結乾燥されるか、または分子量214.06を有 するマスに凝結される。それは、アルコールおよび脂質にかなり溶解性であり、 そして水への溶解性は乏しい。カルムスチンは、推奨されるように再構築された 後静脈内注入により投与される。この構造式は以下の通りである: 無菌カルムスチンは、一般的に、凍結乾燥物質の100mg単回用量バイアルで利 用可能である。 カルムスチンがDNAおよびRNAをアルキル化することが一般的に受け入れられて いるが、他のアルキレーター(alkylator)と交差抵抗性ではない。他のニトロ ソ尿素に関して、それはまた、タンパク質のアミノ酸のカルバモイル化により、 いくつかの鍵酵素的プロセスを阻害する。 カルムスチンは、脳腫瘍(例えば、神経膠芽細胞腫(glioblastoma)脳幹神経 膠腫、髄芽細胞腫、星状細胞腫、脳室上衣細胞腫、および転移性脳腫瘍)におけ る、単独薬物としての対症療法として、または他に認可された化学療法剤との確 立された組み合わ治療において指示される。それはまた、多発性骨髄腫を処置す るためにプレドニゾンと組み合わせて使用されている。カルムスチンは、ホジキ ン病の処置において、および非ホジキンリンパ腫において、一次的治療で処置さ れる間に再発した患者または一次的治療に応答しない患者における、他の承認薬 物と組み合わせての二次的治療として有用であることが証明されている。 未だ未処置の患者における単独薬物としてのカルムスチンの推奨用量は、6週 間毎に静脈内的に150〜200mg/m2である。これは、単回用量としてまたは1日の 注射量に分割(例えば、2日連続で75〜100mg/m2)で与えられ得る。カルムスチ ンが、他の骨髄抑制剤と組合せて、または骨髄の貯蔵が枯渇した患者に使用され る場合、その用量は、状況に応じて調整されるべきである。初期の用量に続いて の用量は、先行する用量に対する患者の血液学的応答に応じて調整されるべきで ある。本発明で他の用量が、例えば、10mg/m2、20mg/m2、30mg/m2、40mg/m2、50 mg/m2、60mg/m2、70mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2が使用され得ることは もちろん理解される。当業者は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」第1 5版、第61章により指示される。投薬量のいくつかの改変は、処置される被験者 の病状に依存して必然的に生じる。投与の責任を担う人が、いずれにしても、個 々の被験者に適切な用量を決定する。 メルファラン アルケラン、L-フェニルアラニンマスタード、フェニルアラニンマスタード 、L-PAM、L-サルコリシンとしても知られるメルファランは、窒素マスタードの フェニルアラニン誘導体である。メルファランは、二官能性アルキル化剤であり 、選択的なヒト新生物疾患に対して活性である。それは、4-[ビス(2-クロロエチ ル)アミノ]-L-フェニルアラニンとして化学的に知られる。 メルファランは、この化合物の活性L-異性体であり、これは1953年、Bergelお よびStockにより最初に合成された;メドファランとして知られるD-異性体は、 に対して特定の動物の腫瘍に対してほとんど活性がなく、染色体への効果を生じ るに必要な用量は、L-異性体について要求される用量より多い。ラセミ(DL-) 形態は、メルファランまたはサルコリシンとして知られる。メルファランは、水 に不溶であり、約2.1のpKa1を有する。メルファランは、経口投与のために錠剤 形態で利用可能であり、多発性骨髄腫を処置するために使用されている。 利用可能な証拠は、多発性骨髄腫患者の1/3〜1/2が、この薬物の経口投与に対 する好ましい応答を示すことを示唆する。 メルファランは、上皮卵巣ガンの処置に使用されている。卵巣ガンの処置のた めの一般的に使用される1つの養生法は、1コースとして、1日0.2mg/kgの用量 で5日間、メルファランを投与することであった。コースは、血液学的耐性に依 存して、4〜5週毎に繰り返される(SmithおよびRutledgw(1975);Youngら、 1978)。あるいは、使用されるメルファランの用量は、0.05mg/kg/日程度に低い かまたは3mg/kg/日程度に高いかまたはこれらの用量もしくは上記の用量の間の 任意の量あり得る。投薬量のいくらかの変更は、処置される被験者の病状に依存 して必然的に生じる。投与の責任を担う人が、いずれにしても、個々の被験者に 適切な用量を決定する。 シクロホスファミド シクロホスファミドは、2H-1,3,2-オキサザホスホリン-2-アミン、N,N-ビス(2 -クロロエチル)テトラヒドロ-、2-オキシド、一水和物であり;Cytoxanと呼ばれ Mead Johnsonから市販される;Adriaから入手可能なNeosar。シクロホスファミ ドは、3-アミノ-1-プロパノールとN,N-ビス(2-クロロエチル)ホスホルアミド二 塩化物[(ClCH2CH2)2N--POCl2]とを、ジオキサン溶液中、トリエチルアミンの触 媒的影響下で縮合することにより調製される。この縮合は、重複され(double) 、ヒドロキシル基およびアミノ基の両方に関連し、従って環化する。 他のβ-クロロエチルアミノアルキレーターとは異なり、それは肝酵素により 活性化されるまで活性エチレンイモニウム(ethyleneimonium)形態へと、容易 に環化しない。従って、この物質は、胃腸管において安定であり、十分許容であ り、そして経口および非経口経路により効果的であり、さらに、局所発泡、壊死 、静脈炎、または痛みさえも起こらない。 成人に適切な用量は、経口的に、胃腸許容性に依存して1〜5mg/kg/日(通常 組み合わせて);あるいは1〜2mg/kg/日;静脈内的に、2〜5日の期間にわた って分割された量で初期に40〜50mg/kgまたは7〜10日毎に10〜15mg/kgまたは週 に2回3〜5mg/kgまたは1.5〜3mg/kg/日を包含する。250mg/kg/日の用量が抗 腫瘍剤として投与され得る。胃腸への有害な影響のために、静脈内経路がローデ ィングのために好ましい。メンテナンスの間、3000〜4000/mm3の白血球数が通常 望まれる。この薬物はまた、時に、浸潤または体腔内へ筋肉内投与される。それ は、100、200、および500mgの注射用の投薬形態ならびに25および50mgの錠剤で 利用可能であり、そして当業者は、投与の用量に関する詳細について、「Reming ton's Pharmaceutical Sciences」第15版、第61章(本明細書中に参考として援 用される)を参照する。 クロラムブシル クロラムブシル(ロイケランとしても知られる)は、1953年、Everettにより 最初に合成された。それは、選択されたヒト新生物疾患に対する活性が見出され ている窒素マスタードタイプの二官能性アルキル化剤である。クロラムブシルは 、4-[ビス(2-クロロエチル)アミノ]ベンゼンブタン酸として化学的に知られる。 クロラムブシルは、経口投与のために錠剤形態で利用可能である。それは、胃 腸管から迅速かつ完全に吸収される。0.6〜1.2mg/kgの単回経口投薬の後、1時 間以内でピーク血漿クロラムブシルレベルに達し、親薬物の末期の半減期は、1. 5時間と見積もられる。0.1〜0.2mg/kg/日または3〜6mg/m2/日、あるいは0.4mg /kgが、抗腫瘍処置のために使用され得る。処置養生法は、当業者に周知であり 、本明細書中で参照される「Physician Desk Reference」および「Remingtons P harmaceutical Sciences」において見出され得る。 クロラムブシルは、慢性リンパ性白血病(lymphatic(lymphocytic)leukemia )、リンパ肉腫を含む悪性リンパ腫、巨大濾胞性リンパ芽球腫、およびホジキン 病の処置において指示される。それは、これらの任意の疾患において治癒的では なく、臨床的に有用な痛みの緩和(palliation)を生じ得る。 ブスルファン ブスルファン(マイレラン(myleran)としても知られる)は、二官能性のア ルキル化剤である。ブスルファンは、1,4-ブタンジオールジメタンスルホネート として化学的に知られる。 ブスルファンは、窒素マスタードの構造的アナログではない。ブスルファンは 、経口投与のために錠剤形態で利用可能である。それぞれスコアされた錠剤は、 2mgのブスルファンおよび不活性成分ステアリン酸マグネシウムおよび塩化ナト リウムを含む。 ブスルファンは、慢性骨髄性(骨髄球(myeloid、myelocyte)、顆粒球)白血 病の痛みの緩和処置について指示される。治療剤ではないが、ブスルファンは、 総顆粒球マスを低減し、疾患の症状を救い、そして患者の臨床状態を改善する。 未だ未処置の慢性骨髄性白血病を有する成人の約90%が、ブスルファンの使用後 に臓器肥大の退行または安定化を伴う血液学的緩解を得る。ヘモグロビンレベル の寿命(survival time)および維持に関し、脾臓の照射より優れていること、 および巨脾腫の制御に照射に等しいことが示されている。 ロムスチン ロムスチンは、特定の新生物疾患の処置に使用されるニトロソ尿素の1つであ る。それは、1-(2-クロロエチル)-3-クロロヘキシル-1-ニトロソ尿素である。C9 H16ClN3O2の経験式および233.71の分子量を有する黄色粉末である。ロムスチン は、10%エタノール(1mL当たり0.05mg)および無水アルコール(1mL当たり70 mg)に溶解性である。ロムスチンは、比較的、水に非溶解性である(1mL当たり <0.05mg)。それは、生理学的pHで比較的イオン化されない(unionized)。ロ ムスチンカプセル中の不活性成分は以下である:ステアリン酸マグネシウムおよ びマンニトール。 ロムスチンがDNAおよびRNAをアルキル化することが一般的に受け入れられてい るが、他のアルキレーターと交差抵抗性である。他のニトロソ尿素に関して、そ れはまた、タンパク質のアミノ酸のカルバモイル化により、いくつかの鍵酵素的 プロセスを阻害する。 ロムスチンは経口的に与えられる。30mg/m2〜100mg/m2の範囲の用量での放射 活 性ロムスチンの経口投与後、与えられた放射活性の約半分が、24時間以内に分解 生成物の形態で排出された。 代謝の血漿半減期は、16時間〜2日の範囲である。組織レベルは、静脈内投与 後15分で血漿レベルに匹敵する。 ロムスチンは、原発性脳腫瘍および転移性脳腫瘍の両方において、他の処置様 式に加えて単独の薬剤として、または他の承認化学療法剤との確立された組合せ 治療において、既に適切な外科手術および/または放射線治療手順を受けた患者 に有用であることが示されている。一次的治療で処置される間に再発した患者ま たは一次的治療に応答しない患者における、他の承認薬物と組み合わせてのホジ キン病に対する二次的治療に有用であることもまた証明されている。 未だ未処置の患者における単独薬物として成人および子供に推奨されるロムス タチンの用量は、6週間毎に単回経口用量として130mg/m2である。易感染性骨髄 機能を有する個体において、その用量は、6週間毎に100mg/m2に減じるべきであ る。ロムスチンが、他の骨髄抑制剤との組合せて使用される場合、その用量は、 状況に応じて調整されるべきである。例えば、20mg/m2、30mg/m2、40mg/m2、50m g/m2、60mg/m2、70mg/m2、80mg/m2、90mg/m2、100mg/m2、120mg/m2または医者に よって処置される個体に必要であると決定されるようなこれらの値(figure)の 間の任意の用量を他の用量として使用し得ることは理解される。 C.薬学的組成物および投与経路 本発明の水性組成物は、有効量のエモジンまたはエモジン様化合物を単独で、 または上で例示したような化学療法剤である有効量の化合物(第2薬剤)と組み 合わせて有する。このような組成物は、一般的に、薬学的に受容可能なキャリア または水性媒体中に溶解されるかまたは分散される。 用語「薬学的または薬理学的に受容可能な」は、動物または適切にはヒトに投 与された場合に、有害な、アレルギー性の、または他の不適切な反応を生じない 分子実在物または組成物をいう。本明細書中で使用される「薬学的に受容可能な キャリア」は、任意または全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤およ び抗菌剤、等張性および吸収遅延剤などを含む。薬学的に活性な物質のためにこ れらの媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。任意の従来の媒体また は薬剤が活性成分と不適合である場合以外は、治療組成物中でのその使用が意図 される。補充活性成分(例えば、他の抗ガン剤)もまたこの組成物に組み込まれ 得る。 非経口(例えば、静脈内または筋肉内注射)投与用に処方された化合物に加え て、他の薬学的に受容可能な形態は、例えば、錠剤または経口投与用の他の固体 ;時間放出カプセル;および現在使用される任意の他の形態(クリーム、ローシ ョン、マウスウォッシュ、吸入などを含む)を含む。 非経口投与 本発明の活性化合物は、しばしば非経口投与用に処方される(例えば、静脈内 、筋肉内、皮下、または心膜内経路でさえも介した注射用に処方される)。水性 組成物(これは、エモジンまたはエモジン様化合物を単独でまたは活性成分とし て第2薬物と組み合わせてを含む)の調製は、本発明の開示を考慮すれば当業者 には公知である。代表的には、このような組成物は、注射可能な、液体溶液また は懸濁液いずれかで調製され得る;注射前の液体の添加時に溶液または懸濁液を 調製するのに用いるのに適切な固体形態が調製され得る;そして調製物はまた乳 化され得る。 遊離塩基または薬学的に受容可能な塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキ シプロピルセルロースのような界面活性剤と、水中で適切に混合されて調製され 得る。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびこれ らの混合物中で、ならびに油中で調製され得る。保存および使用の通常条件下で は、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。 注射可能な用途に適切な薬学的形態は、無菌水溶液または分散液;ゴマ油、ピ ーナッツ油、または水性プロピレングリコールを包含する処方物;および無菌注 射溶液または分散液の即時調製物用の無菌粉末を含む。全ての場合において、こ の形態は、無菌でなければならず、そして容易にシリンジアビリティー(syring ability)が存在する程度の流体でなければならない。それは、製造および保存 の条件下で安定であるべきであり、かつバクテリアおよび真菌の様な微生物の汚 染作用に対抗して保存されなければならない。 活性化合物は、中性または塩形態で組成物に処方され得る。薬学的に受容可能 な塩は、そして無機酸(例えば、塩酸またはリン酸)または有機酸(例えば、酢 酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸)などと共に形成される酸付加塩(タンパク 質の遊離アミノ基と形成される)を含む。遊離カルボキシル基と形成される塩も また、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニ ウム、水酸化カルシウム、または水酸化第一鉄)および有機塩基(例えば、イソ プロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン、プロカイン)などから誘導さ れ得る。 キャリアもまた、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロ ピレングリコール、および液体プロピレングリコールなど)、これらの適切な混 合物、および植物油を含む溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例 えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散剤の場合に必要な粒子 サイズのメンテナンスにより、および界面活性剤の使用により維持され得る。微 生物の作用の防止は、種々の抗細菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロ ロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなど)により達成される 。多くの場合、等張剤(例えば、糖または塩化ナトリウム)を含むことが好まし い。注射可能な組成物の延長された吸収は、組成物における、吸収を遅延する薬 物(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の使用により達成 され得る。 無菌注射溶液は、活性化合物を、必要であれば上で列挙された種々の他の成分 と共に、適切な溶媒中に必要量組み込み、次いで濾過滅菌(filterd sterilizat ion)により調製される。一般的に、分散液は、種々の無菌化された活性成分を 、塩基性分散媒体および上で列挙されたものからの要求される他の成分を含む無 菌ビヒクルに組み込むことにより調製される。無菌注射溶液調製用の無菌粉末の 場合には、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これによ り、活性成分、および先に無菌濾過された溶液由来の任意の所望の追加成分の粉 末を生じる。 特定の場合には、本発明の治療処方物はまた、局所投与に適した形態(例えば 、 クレームおよびローション)としても調製され得る。これらの形態は、種々の肉 腫のような皮膚関連疾患を処置するために使用され得る。 処方時に、溶液は、投薬形態に適した様式、かつ治療的に有効な量で投与され る。処方物は、処方物は、種々の投薬形態(例えば、上記の注射溶液のタイプ、 使用可能な薬物放出カプセルなどでさえ用いて)で、容易に投与される。 水性溶液での非経口投与のために、例えば、その溶液は、必要ならば、最初に 十分な生理食塩水またはグルコースで等張化された液体希釈剤を用いて適切に緩 衝されるべきである。これらの特定水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投 与、および腹腔内投与に特に適切である。この関係において、使用され得る無菌 水性媒体は、本発明の開示を考慮すれば当業者に公知である。例えば、1つの投 薬量は、等張性NaCl溶液1mLに溶解され、そして1000mLの皮下注入流体を添加す るかまたは提案された注入部位で注入され得る(例えば、「Remington's Pharma ceutical Science」、第15版、1035〜1038頁および1570〜1580頁を参照のこと) 。投薬量のいくらかの変更は、処置される被験者の病状に依存して必然的に生じ る。投与の責任を担う人が、いずれにしても、個々の被験者に適切な用量を決定 する。 D.キット 腫瘍細胞増殖を阻害するために必要とされる全ての必須の材料および試薬は、 キット中に共にアセンブリされ得る。キットの成分が1つ以上の液体溶液で提供 される場合、液体溶液は、好ましくは水溶液であり、滅菌水溶液が特に好ましい 。 インビボ使用について、エモジンまたはエモジン様化合物は、単独でまたは化 学療法剤と組合わせて、単一または別々の薬学的に受容可能な注射可能な組成物 に処方され得る。この場合、容器手段自体は、吸入器、注射器、ピペット、点眼 器、または他のこのような器具であり得、これらから処方物は身体の感染領域( 例えば、肺)に適用されるか、動物に注入されるか、またはキットの他の成分に さらに適用されそしてそれと混合される得る。 キットの成分はまた、乾燥形態または凍結乾燥形態で提供され得る。試薬また は成分が乾燥形態で提供される場合、一般的に、再構成は適切な溶媒の添加によ るものである。溶媒はまた別の容器手段中に提供され得ることが構想される。本 発明のキットはまた、エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび/または 化学療法剤の投与を規定する説明書を含み得る。 本発明のキットはまた、商業的な販売のための密封制限におけるバイアルを含 む手段(例えば、注射または吹き込み形成プラスチック容器)を含み得、これに 所望のバイアルが保持される。容器の数または型に関係なく、本発明のキットは また、最終的な複合体組成物の動物の身体への注射/投与または配置を補助する ための器具を含み得るか、またはそれと共にパッケージされ得る。このような器 具は、吸入器、注射器、ピペット、ピンセット、計量スプーン、点眼器、または 任意のこのような医療認可された送達ビヒクルであり得る。 ★★★ 実施例1 方法論 本実施例は、本発明において使用される方法に関する。当業者は、これらの方 法を、このような系の特定の必要条件に適合させ得る。 細胞株および培養.ヒト乳ガン細胞株MDA-MB453、BT-483、MDA-MB231、MCF-7 、および不死化乳房細胞株HBL-100を、アメリカンタイプカルチャーコレクショ ン(Rockville,MD)から入手した。AU-565細胞を、Naval Bioscience Laboratory (Oakland,CA)から入手した。MDA-MB453、BT483、およびAU-565細胞はneuを過剰 発現するが、MDA-MB231、MCF-7、およびHBL-100細胞は基底レベルのneuを発現す る。 ヒト肺ガン細胞株NCI-H226、NCI-H226、NCI-H1435、およびNCI-H460もまた、 アメリカンタイプカルチャーコレクション(Rockville,MD)から入手した。NCI-H 1435細胞はneuを過剰発現するが、NCI-H226およびNCI-H460細胞は非常に低レベ ルのneuを発現する(Taiら、1994)。H460.eB2、H460.eB3、およびH4-60.neoは、N CI-460細胞(Yuら、1994)に由来する安定な形質転換体である。H460.eB2およびH4 60.eB3は、高レベルのneu発現ベクターを発現する。H460.neoは、pSV-neo薬物選 択プラスミドを含み、そして本研究においてコントロールとして作用する(Yu ら、1994)。 全ての細胞は、10%ウシ胎児血清およびゲンタマイシン(50mg/ml)を補充した 、ダルベッコ改変イーグル培地/Fl2(GIBCO,Grand island,NY)中で増殖させた 。細胞を、空気中5%CO2下37℃で加湿インキュベーターにおいて増殖させた。 イムノブロッティング.既に記載されたように(Yuら、1990)、エモジンの存在 下または非存在下、および血清の非存在下で一晩処理した細胞を、PBSで3回洗 浄し、次いで溶解緩衝液(20mM Na2PO4、pH7.4;150mM NaCl;1%Triton X-100 ;1%アプロチニン;1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド;10mg/mlロイ ペプチン;100mM NaF、および2mM Na3VO4)中で溶解した。タンパク質含有量を 、Bio-Radタンパク質アッセイキット(Bio-Rad Laboratories,Hercules,CA)を 用いて標準化コントロールに対して決定した。計500mgのタンパク質を6%SDS-P AGEにより分離し、そしてニトロセルロース濾紙(Schleicher&Schuell,Inc.,K eene,NH)に移した。ニトロセルロース濾紙上での非特異的結合を、脱脂粉乳( 5%)、およびPBS中のTween 20(0.1%、v/v)(PBS/Tween 20)を含むブロッ キング緩衝液で最小化した。処理した濾紙を、一次抗体(p185neuの検出用の抗p 185neu抗体c-neu[Ab-3]またはホスホチロシンの検出用の抗ホスホチロシン抗体[ UBI,Lake Placid,NY])とインキュベートし、そしてHRP-ヤギ抗マウス抗体(1 :1000希釈) (Boehringer Mannheim Corp.,Indianapolis,IN)とインキュベー トした。バンドを、増強Chemiluminescenceシステム(Amersham Corp.,Arlingto n Heights,IL)を用いて視覚化した。 免疫複合体キナーゼアッセイ.免疫複合体キナーゼアッセイを、以前に記載さ れたもの(Kiyokawaら、1995)から改変した。簡単には、細胞を、40μMエモジ ンを使用してまたは使用せずに24時間処理し、次いでPBSで3回洗浄した。次い で、細胞を回収し、そして溶解緩衝液中で溶解した。細胞溶解物(500mg)を、 モノクローナル抗p185neu抗体c-neu(Ab-3)と共に4℃で1時間インキュベートし 、次いで50mlのプロテインA結合アガロース(Boehringer Mannheim)で4℃30 分間沈降させ、そして0.5M LiClを含む0.5mM Tris-HCl緩衝液(pH 7.5)で3回 およびアッセイ緩衝液(50mM Tris-HCl(pH 7.5)、10mM MnCl2)で1回洗浄し た。40mlのビーズ(プロテインA結合アガロース)に、10μCiの[γ-32P]ATP(Am ersa m)および10mlのエノラーゼ(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)を添加し、そ して室温で20分間インキュベートした。反応物を7.5%SDS-PAGEにより分離した 。ゲルを乾燥し、そしてオートラジオグラフィーにより視覚化した。 増殖アッセイ.細胞をトリプシン処理により剥離させ、そして96ウェルマイク ロタイタープレート中で一晩2×104細胞/mlで播種し、次いで種々の濃度の試験 サンプルで処理し、そしてさらに72時間インキュベートした。エモジン、シスプ ラチン、ドキソルビシン、またはVP16の単独または組み合わせにおける細胞増殖 に対する効果を、MTTアッセイ(Mosmannら、1983;Rubinsteinら、1990)により 試験した。簡単には、20μlのMTT溶液(5mg/ml)(Sigma Chemical Co.,St.Klou ism,MO)を各ウェルに添加し、そして37℃で4時間インキュベートした。上清を 吸引し、そして代謝的生存細胞により形成されたMTTホルマザンを、150μlのジ メチルスルホキシドに溶解し、次いで590nmの波長で、マイクロプレートリーダ ー(Dynatech MR 5000 fluorescence,Dynatech Corp.,Burlington,MA)によ りモニターした。 軟アガロースにおけるコロニー形成.以前に記載したように(Yuら、1993)、 細胞(1×103細胞/ml)を、0.7%アガロース層を超える0.35%アガロース(FMCC orp.,Rockland,ME)を含む培養培地の24ウェルプレートに播種し、そして37℃ で3週間インキュベートした。次いで、コロニーをp-ヨードニトロテトラゾリ ウムバイオレット(1mg/ml)で染色し、そして100mMより大きなコロニーを計数 した。各測定を4回行った。 脂質視覚化.以前に記載したように(Sheehanら、1980)、プロピレングリコ ール法における改変オイルレッドOを、中性脂質を視覚化するために使用した(B acusら、1992;Bacusら、1990)。 薬物組み合わせの評価.2つの薬物の組み合わせ効果を評価するために、観察 された値を、式c=a×b/100(ここで、aおよびbは、単一の薬剤での生存値 を示す)(Webb、1963;Hataら、1994)から算出した予想値(c)と比較した。 予想値の70%未満の観察値を、相乗作用的であるとみなした。 ゼラチン溶解(gelatinolytic)活性のザイモグラフィー.以前に記載したよう に(YuおよびHung、1991)、細胞をトリプシン処理により剥離させ、2×106細 胞/ウェルで6ウェルプレートに播種し、そして1%FBSを補充したDMEM/F12培地 中で一晩培養し、PBSで細胞を洗浄し、無血清DMEM/F12培地を添加し、次いで種 々の濃度の試験サンプルで処理し、そしてさらに24時間インキュベートした。培 養上清を回収し、800×gで10分間、次いで18,000×gで10分間遠心分離した。上 清(150μl)を、以前に記載された手順(YuおよびHung,1991)に従って調製し た1.5%ゼラチンを含むSDS-PAGEを用いてザイモグラフィーにより分析した。 インビトロ化学侵入(chemoinvasion)アッセイ.インビトロ侵入性を、改変を 加えた以前に記載された手順(Yusaら、1990;1994)に従って行った。簡単には 、8μm孔サイズポリカーボネートフィルターを有する24ウェルTranswellユニッ ト(Costar Corp.,Cambridge,MA)を、冷DMEM/F12培地中の1:30希釈(48μg/フ ィルター)のMatrigel(Yusaら、1990;Yuら、1994)の0.1mlでコートし、次いで これらのフィルターを室温で風乾し、そしてフィルターの上部に薄い連続層を形 成させた。下部区画は、化学誘引物質として0.6mlのラミニン(20mg/ml,Becton Dickinson)またはネガティブコントロールとしてDMEM/F12培地を含んだ。細胞( 1×105細胞/0.1%ウシ血清アルブミンを含むDMEM/F12の0.1ml)を、上部区画に 入れ、そしてエモジンまたはDK-V-47のいずれかの存在下または非存在下で、37 ℃で72時間、加湿95%空気、5%CO2中でインキュベートした。インキュベーシ ョン後、フィルターを、PBS中の3%グルタルアルデヒドで固定し、そしてギム ザ染色し、次いでフィルターの下側に遊走した高倍率視野(×200)あたりの細 胞の数を計数した。 実施例2 neuを過剰発現する乳ガン細胞における チロシンリン酸化に対するエモジンの効果 タンパク質チロシンキナーゼp56lckのチロシンキナーゼインヒビターであるエ モジン(Jayasuriyaら、1992)がneuチロシンキナーゼも阻害し得るかどうか試 験するために、p185neuを過剰発現するヒト乳ガン細胞MDA-MB453を使用して、p1 85neuのチロシンリン酸化に対するエモジンの効果を試験した。 細胞を、異なる濃度のエモジンで37℃で24時間処理し、次いでp185neuのタン パ ク質レベルおよびそのチロシンリン酸化について分析した。p185neuを抗p185neu 抗体により最初に免疫沈降させ、次いで、免疫沈降物を、ホスホチロシンの検出 用に抗ホスホチロシン抗体またはp185neu検出用に抗p185neu抗体を用いてブロッ トした。 40μMの濃度のエモジンは、チロシンリン酸化のレベルにおいて著しい減少を 誘導した(図1A)が、p185neuタンパク質レベルに対する効果は有さなかった。 減少したp185neuのチロシンリン酸化を、12時間後に容易に検出し得た(図1B) 。 エモジンによるチロシンリン酸化の減少がp185neuの一般的な現象であること をさらに確認するために、他のneu過剰発現乳ガン細胞株もまた試験し、そして 類似の結果を得た(図2)。これらの細胞株は、BT-483、AU-565(図2)、SKBr -3、およびMDA-MB361を含む。 基底レベルのp185neuタンパク質を発現するMCF-7細胞を同様に試験した場合、 p185neuのリン酸化レベルは実験条件下でほとんど検出不可能であった。これに より、MCF-7細胞におけるp185neuでのリン酸化レベルに対するエモジンの効果を 比較することは意味のないことである。 エモジンおよびその誘導体の化学構造と、それらのHER-2/neuのチロシンリン 酸化およびHER-2/neu過剰発現乳ガン細胞の増殖に対する阻害活性との間の関係 を試験するために、表1に示した12のエモジン誘導体を合成し、そしてエモジン の異なる構造位置での置換基に従って、これらの誘導体を5つの群に分けた。p1 85neuを過剰発現するヒト乳ガンMDA-MB 453細胞を、種々の濃度のエモジンおよ び12の誘導体を用いて、37℃で24時間処理し、次いでp185neuのタンパク質レベ ルおよびそのチロシンリン酸化について、ホスホチロシンの検出用に抗ホスホチ ロシン抗体(抗PY)またはp185neu検出用に抗p185neu抗体でのイムノブロッティ ングを用いて分析した。 表2に示すように、試験された全ての化合物において、エモジンの炭素9(C9) 群置換基(DK-V-47と名付けた)は、p185neuのチロシンリン酸化を抑制するのに 最も有効であり、親化合物エモジンはDK-V-47ほど効果的ではなかった。チロシ ンリン酸化の50%阻害活性に必要とされるエモジンおよびDK-V-47の濃度は、そ れぞれ21μMおよび17μMである。同じ条件下で、エモジンおよびその誘導体は、 p185neuのタンパク質レベルに影響しなかった。本明細書中以下に列挙された多 くの他のインヒビターはまた、細胞の増殖に対して著しい阻害性を有した。 表2.エモジンおよびその誘導体の化学構造とneuのチロシンリン酸化およびM DA-MB 453細胞の増殖に対する阻害活性との間の関係.無血清培地中の細胞を、3 7℃で24時間エモジンまたはその誘導体(0、10、20、30、40、60、80、および1 00μM)とインキュベートし、次いで抗ホスホチロシン抗体でブロットし、そし て密度スキャナープログラムを用いて定量した;(b)細胞を異なる濃度のエモ ジンまたはその誘導体で72時間処理した。細胞増殖に対する効果をMTTアッセイ により試験し、そして細胞増殖の割合を、エモジンおよび誘導体の処理なしの細 胞の吸収を100%として規定することにより計算した。全ての測定を3連で行っ た、結果は平均±SDである。 本明細書中の他の場所で示される結果は、エモジンが、HER-2/neuのチロシン 活性を効果的に抑制し、そしてHER-2/neu過剰発現ヒト乳ガン細胞(Zhangら、19 95もまた参照のこと)の増殖を阻害することを示す。本発明者らはまた、MDA-MB 453細胞の増殖に対するエモジンおよびその誘導体の効果を試験した。細胞を、 異なる濃度のエモジンおよび12の誘導体の存在下または非存在下で37℃で72時間 処理し、次いでMTTアッセイを用いて試験した。表2に示すように、試験された 全ての化合物において、DK-V-47は、これらの細胞増殖に対して最も効果的であ る。エモジンは、細胞増殖を阻害するために、DK-V-47より5倍少ない活性を有 した。エモジンおよびその誘導体のp185neuのチロシンリン酸化に対する抑制は 、細胞増即の阻害に対するこれらの化合物の効果と相関する(表2)。 これらの結果は、C3位でのCH3基、ならびにC1、C6、およびC8位でのOH基が、H ER-2/neuのチロシンリン酸化を抑制するための、およびHER-2/neu過剰発現乳ガ ン細胞の増殖をブロックするための、エモジンの阻害活性の維持に非常に重要で あることを示唆する。しかし、p-エチルニトロ-べンゼン-メチル-基により置換 される(DK-V-47)C10でのケトンの酸素原子は、p185neuのチロシンリン酸化の 阻害活性およびHER-2/neu過剰発現乳ガン細胞の増殖の両方の阻害活性について エモジンより効果的であることを示す。興味深いことに、DK-V-47のエチルニト ロ基がニトロ基で置換される場合(DK-V-48)、この化合物は、DK-V-47と比較し てわずかな活性を示す。これらの結果は、DK-V-47のCOCH3基は、p185neuのチロ シンリン酸化に対するDK-V-47阻害活性および乳ガン細胞の増殖の維持に重要な 役割を果たすことを示唆する。 実施例3 自己リン酸化の抑圧およびインビボでのエモジンによるトランスリン酸化 実施例2からの結果は、p185neuのホスホチロシンレベルがエモジンにより抑 圧されることを示す。このチロシンリン酸化の減少がp185neuのチロシンキナー ゼ活性に影響するかどうか調べるために、免疫複合体キナーゼアッセイを使用し た。 MDA-MB453細胞をエモジンで24時間処理した場合、これらの細胞由来のp185neu の自己リン酸化能力は阻害される。さらに、エノラーゼのp185neuのトランスリ ン酸化能力、チロシンキナーゼの内因性基質はまた、未処理細胞と比較して著し く減少した(図3A)。それ故、細胞のエモジン処理は、p185neuの低減したホス ホチ ロシンレベルをもたらし、次いでより低いチロシンキナーゼ活性を示す(図1お よび図3A)。 エモジンがp185neuの内因性チロシンキナーゼ活性を阻害するかどうかをさら に扱うために、p185neuを未処理MDA-MB453細胞から免疫沈降した。沈降物を、異 なる濃度のエモジンで処理し、そしてキナーゼ活性を測定した。p185neuの自己 リン酸化およびトランスリン酸化の両方についてのチロシンキナーゼ活性を、用 量依存様式でエモジンにより阻害する(図3B)。これらの結果は、エモジンがp1 85neuの内因性チロシンキナーゼ活性を抑圧することを結論的に示す。従って、 エモジン処理によるp185neuにおける低減したホスホチロシンレベルは、p185neu チロシンキナーゼ活性の阻害にいより恐らく引き起こされる。 活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞は、p185neuの高いチロシンキナーゼを有す るので(Sternら、1986;BargmannおよびWeinberg、1998)、エモジンおよびDK- V-47が活性化HER-2/neuのチロシンキナーゼ活性化を直接阻害し得るかどうかを 扱うために、p185neuを、未処理の活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞から免疫沈 降させmそしてキナーゼ活性を測定した。p185neuの自己リン酸化能力およびエ ノラーゼのトランスリン酸化能力の両方についてのチロシンキナーゼ活性を、用 量依存様式でエモジンおよびDK-V-47により阻害した(図12)。エモジンと比較 して、DK-V-47は、エモジンより効果的である(図12)。これらの結果は、エモ ジンおよびDK-V-47が活性化p185neuのチロシンキナーゼ活性を阻害することを結 論づける。従って、活性化HER-2/neu形質転換3T3の抑圧された形質転換は、p185neu チロシンキナーゼ活性の阻害により恐らく引き起こされる。 実施例4 ヒト乳ガン細胞の増殖に対するエモジンの効果 エモジンは、細胞増殖に重要なp185neuのチロシンキナーゼ活性を効果的に阻 害するので、エモジンが、p185neuを過剰発現する乳ガン細胞の細胞増殖を阻害 し得るかどうかを調べることは必要である。この問題を扱うために、6つの細胞 株をさらなる研究のために選択した。 MDA-MB453、BT-483、およびAU-565細胞は、前に述べられたようにneu過剰発現 乳ガン細胞株であり、MCF-7およびMDA-MB231は、基底レベルのp185neuを発現す る2つのヒト乳ガン細胞株である。HBL-100細胞株は、SV40ラージT抗原により 形質転換された正常ヒト乳房組織に由来し、そして基底レベルのp185neuを発現 する。図4に示すように、これらの細胞の増殖を、用量依存様式で(しかし異な る程度で)エモジンにより阻害した。p185neuのチロシンキナーゼ活性を効果的 に阻害した40μMの濃度で(図1、図2、および図3)、エモジンは、MDA-MB453 、BT-483、AU-565細胞において、それぞれ増殖の68%、72%、および84%をブロ ックした。しかし、同じ条件下で、MCF-7およびMDA-MB 231細胞において、それ ぞれ増殖の37%および23%しか阻害しなかった。 エモジンは、80μMの濃度までHBL-100乳房細胞においてわずかな効果を有した 。差別的な増殖効果は、細胞を10μMエモジン処理した場合、明らかではなかっ た。この濃度のエモジンは、p185neuのチロシンキナーゼ活性に影響しなかった 。これらの結果は、エモジンがneu過剰発現乳ガン細胞の増殖を抑制することを 示し、そして差別的な抑制効果はp185neuチロシンキナーゼの抑圧によるらしい 。 40μM濃度のエモジンはp185neuチロシンキナーゼ活性を阻害し(図1、図2、 および図3)、そしてp185neuを過剰発現する乳ガン細胞の増殖を著しく抑制し た(図4)ので、40μM濃度のエモジンによるMDA-MB453細胞増殖における時間経 過の効果を測定したことを示唆する。 エモジンはガン細胞増殖を完全に阻害したが、一方、細胞の生存をトリパンブ ルーアッセイにより測定し、90%を超える細胞は生存することが見出された(図 4B)。結果は、細胞増殖の阻害を引き起こす機構が主に、増殖の抑圧によるもの であり、この条件下の細胞死の誘導によるものではないことを示す。 さらなる研究において、優先的に活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞に対する細 胞増殖エモジンおよびDK-V-47効果を試験した。NIH 3T3親細胞株およびその活性 化HER-2/neu形質転換細胞を使用した。図13に示されるように、活性化HER-2/neu 形質転換3T3細胞の増殖を、用量依存様式で(しかし種々の程度まで)エモジン およびDK-V-47により阻害した。80μM濃度で、エモジンおよびDK-V-47は、それ ぞれ活性化HER-2/neuの増殖の55%および83%をブロックする。しかし、同じ条 件下で、エモジンおよびDK-V-47の両方は、親NIH 3T3細胞に対してわずかな効果 を有した。これらの結果は、エモジンおよびDK-V-47は、活性化HER-2/neu形質転 換細胞を優先的に抑制することを示し、そして差別的な抑制効果が、p185neuチ ロシンキナーゼ活性の阻害により生じることを示唆した。 実施例5 エモジンは、乳ガン細胞の分化を誘導する エモジンが乳ガン増殖を阻害し、そして有意な細胞死が観察されなかったので (図4B)、エモジンが乳ガン細胞の分化を誘導するかどうかを調べることは興味 深い。MDA-MB453細胞をエモジン(40μl)で24時間処理した場合に、細胞は、中 程度に接着性の丸い形態を有する未処理細胞と比較して、分化に特徴的なより大 きな核および増大した細胞質を有する平らな形態を示す(Plowmanら、1993)。 乳房細胞の成熟は、乳成分である脂質滴の存在により特徴づけられる。中性脂 質を含む大きな滴は、エモジン処理細胞において容易に検出可能であり、対照的 に、大きな脂質滴は未処理細胞において観察されない。エモジン処理細胞の90% を超えて大きな脂質滴を生じるが、2〜5%の未処理細胞しか脂質滴を含まず、 そしてこれらはサイズが非常に小さい。これらの結果は、エモジンが、neu過剰 発現乳ガン細胞の分化を優先的に誘導することを証明した。これは、p185neuの 増強したチロシンキナーゼ活性が分化から乳ガン細胞を防ぎ得ることを示唆する 。 実施例6 乳ガン細胞の形質転換に対するエモジンの効果 形質転換状態の1つの証拠は、足場非依性増殖を示す細胞の能力である。エモ ジンが、乳ガン細胞においてこの特性に影響するかどうかを決定するために、細 胞を軟アガロースに播種し、そしてコロニー形成をモニターする(図5)。40μ Mのエモジンを含む軟アガロースにおける、neu-過剰発現乳ガン細胞(MDA-MB453 、BT483、およびAU565)のコロニー形成活性は、劇的に抑制される。しかし、同 じ条件下で、基底レベルのp185neuを発現する細胞、すなわち、MCF-7、MDA-MB23 1、およびHBL-100は、有意な数のコロニーをさらに形成する。neu-過剰発現乳ガ ン細胞についての軟アガロースにおける増殖能力の減少は、図4に示されるより 遅 い増殖速度を単純には反映しない。なぜなら、さらに3週間長いインキュベーシ ョンが、コロニーの数を増加させないからである。さらに、細胞が、p185neuの チロシンキナーゼ活性を阻害しない濃度である10μMのエモジンを含有する軟ア ガロースにおいて増殖する場合、コロニー形成活性における有意な変化は観察さ れない(図1および図3B)。 ひとまとめにして考えてみると、この結果は、エモジンがneu-過剰発現ガン細 胞の形質転換能力を優先的に抑制することを示し、そしてエモジンによる形質転 換抑制が、p185neuのチロシンキナーゼ活性を阻害する能力を介して媒介され得 ることを示唆する。 細胞が、足場非依性増殖を示す能力を有するかどうかは、形質転換状態の細胞 を検出するための一つの証拠である。エモジンが、軟アガロースにおけるヒト乳 ガンコロニー形成を阻止するため(上記およびZhangら、1995を参照のこと)、 本発明者らは、DK-V-47もまた、乳ガンにおいてこの特性に影響し得るかどうか を試験することを決定し、細胞を軟アガロースに播種し、そしてコロニー形成に ついてモニターした。図11Aに示されるように、異なる濃度のDK-V-47またはエモ ジンを含む軟アガロースにおける、HER-2/neu-過剰発現乳ガンMDA-MB-453細胞の コロニー形成能力は、用量依存性様式で阻止された。しかし、同じ条件下で、基 底レベルのp185neuを発現するMCF-7細胞は、有意な数のコロニーをさらに形成し た。興味深いことに、DK-V-47は、エモジンがp185neuのチロシンリン酸化および MDA-MB 453細胞の増殖を阻害するよりわずかに高い有効性を示すが(表2)DK-V -47は、エモジンが軟アガロースにおけるこれらの細胞のコロニー形成能力を阻 止するよりかなり高い有効性を示す(図11A)。活性化HER-2/neu形質転換3T3細 胞は、高いチロシンキナーゼ活性を有し、そして軟アガロースにおける増殖能力 を有する(Sternら、1986;BargmannおよびWeinberg,1988)。エモジンおよびD K-V-47が、活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞のコロニー形成を阻止し得るかどう かに取り組むために、活性化形質転換3T3細胞を、異なる濃度のエモジンおよびD K-V-47を含む軟アガロースに播種した。次いで、これらの細胞のコロニー形成を 試験した。エモジンおよびDK-V-47は、用量依存性様式でコロニー形成能力を阻 止する。DK-V-47は、エモジンより非常に効果的であった(図11B)。これらの結 果 は、DK-V-47ならびにエモジンが、活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞のコロニー 形成を阻止(これは3T3細胞におけるp185neuのチロシンキナーゼ活性の抑制を介 して媒介され得る)することを示す。 実施例7 ヒト肺ガン細胞のチロシンリン酸化および細胞増殖に対するエモジンの効果 この実施例は、肺ガン細胞におけるエモジンのneuチロシンキナーゼ阻害活性 に関する。エモジンは、上記の実施例2〜6に見られるように、乳ガン細胞にお いてneuチロシンキナーゼを阻害する。エモジンがヒト肺ガン細胞においてもneu チロシンキナーゼを阻害するかどうか試験するために、本発明者らは、NCI-H143 5およびNCI-H226細胞におけるp185neuのチロシンリン酸化に対するエモジンの効 果を試験した。 細胞を、エモジンで、血清の非存在下において37℃で24時間処理し、次いで、 p185neuおよびそのチロシンリン酸化のレベルを分析する。30μMの濃度で、エモ ジンは、NCI-H435細胞においてチロシンリン酸化のレベルを顕著に減少するが( 図6A)、これらの細胞中のp185neuのレベルには影響しない。 本発明者らはまた、NCI-H460およびそのトランスフェクタントを試験した(Yu ら、1994)。予想されたように、親NCI-H460および有460.neoコントロール細胞 は、非常に低いレベルのp185neuを発現する。他の2つのトランスフェクタント は、より高レベルのp185neuを発現し、それらのp185neuのチロシンリン酸化は、 エモジンによって阻害された。これらの結果は、エモジンが、ヒト肺ガン細胞に おいてp185neuのチロシンリン酸化を阻害することを示す。 実施例8 エモジンはneu-過剰発現ヒト肺ガン細胞の増殖を優先的に阻害する エモジンは、細胞増殖にとって重大なp185neuのチロシンキナーゼ活性を阻害 し、そしてneu-過剰発現乳ガン細胞の増殖を優先的に阻害する(上記の実施例2 〜6)。エモジンが、肺ガン細胞において同様の抗増殖活性を有するかどうか試 験するために、NCI-H1435、NCI-H226、およびNCI-H460細胞、ならびにNCI-H460 ト ランスフェクタントを、異なる濃度のエモジンで3日間処理する。 図7Aおよび図7Bに示すように、NCI-H1435、NCI-H226、およびNCI-H460細胞、 ならびにNCI-H460細胞の増殖は、用量依存性様式で、しかし異なる程度に、エモ ジンによって阻害される。p185neuのチロシンリン酸化を効果的に阻害する30μM の濃度で(図6)、エモジンは、NCI-H1435細胞の増殖の67%を阻止する(図7A )。しかし、エモジンは、同じ条件下で、NCI-H226細胞の増殖の25%のみを阻害 する(図7A)。同様の結果が、NCI-H460およびそのトランスフェクタントで得ら れる。エモジンは、H470.eB2およびH460.eB3の増殖の48%および52%を阻害した が、親NCI-H460細胞およびH460.neoコントロール細胞の増殖をそれぞれ30%およ び43%のみ阻止する(図7B)。 これらの結果は、エモジンが、neu-過剰発現肺ガン細胞の増殖を優先的に抑制 し、そしてこの抑制効果の差違が、p185neuチロシンリン酸化の抑制を介して媒 介されることを示す。 実施例9 エモジンはneu-過剰発現肺ガン細胞をシスプラチン、ドキソルビシン、 およびVP16に対して感受性にした エモジンは、neuのチロシンリン酸化を抑制し(図6Aおよび図6B)、そして過 剰発現neuは、化学療法剤に対する耐性を誘導する(Tsaiら、1993;Tsaiら、199 5)ので、エモジンが、化学療法剤に対してneu-過剰発現肺ガン細胞を感受性に するかどうかを研究することが必要である。この可能性を調査するために、本発 明者らは、NCI-H1435、NCI-H226、およびNCI-H460トランスフェクタントの増殖 に対する、化学療法剤とのエモジンの組み合わせの効果を試験した。 これらの組み合せ治療の最適な条件を同定するために、これらの細胞の化学療 法剤であるシスプラチン、ドキソルビシン、およびVP16に対する感受性を決定し た。neu-過剰発現NCI-H1435細胞は、低レベルのneuを発現するNCI-H226細胞より も、シスプラチンに対しては43倍高い化学耐性(図8A)、ドキソルビシンに対し ては8.6倍高い耐性(図8b)、およびVP16に対しては8.5倍高い耐性(図8C)を示 す。neu-媒介化学耐性はまた、NCI-H460トランスフェクタントにおいて明らかで あるが、親NCI-H460細胞またはコントロールH460.neo細胞において明らかではな い。H460.eBトランスフェクタントは、試験した薬物に対して12倍〜15倍の範囲 の化学耐性を示す(図8A、図8B、および図8C)。これらの結果は、neu発現が薬 物耐性を誘導するという観察と一致する。 実施例10 NCI-H1435、NCI-H226、およびNCI-H460細胞、 ならびにNCI-H460トランスフェクタントの増殖に対する エモジンおよび化学療法剤の組合せの効果 エモジン、シスプラチン、ドキソルビシン、またはVP16単独で処理したNCI-H1 435細胞の増殖は、それぞれ、38%、19%、24%、および22%のみ阻害される。 エモジンと、シスプラチン、ドキソルビシン、またはVP16との組合せは、これら の化学療法剤の細胞増殖阻害活性を、それぞれ87%、92%、および100%に増大 させる(図9A)。しかし、このような相乗効果は、低レベルのneuを発現するNCI- H226細胞においては観察されない(図9B)。相乗効果はまた、neu-過剰発現H460 .eB2およびH460.eB3細胞において観察される(図9Eおよび図9F)。しかし、親NC I-H460およびコントロールH460.neo細胞において、有意な相乗的抗増殖効果は見 られない(図9Cおよび図9D)。 これらの結果は、エモジンが、neu-過剰発現肺ガン細胞に対するシスプラチン 、ドキソルビシン、およびVP16の相乗的抗増殖活性を誘導することを示す。 実施例11 軟寒天におけるヒト肺ガン細胞コロニー成長に対するシスプラチン、 ドキソルビシン、およびVP16単独またはエモジンとの組合せの効果 30μM エモジン(E)、5μM シスプラチン(Cis)、0.1μM ドキソルビシン (DO)、または0.1μM VP16単独で処置したNCI-H460細胞の増殖は、それぞれ、3 2%、40%、30%、および18%のみ阻害される。エモジンと、シスプラチン、ド キソルビシン、またはVP16との組合せは、これらの化学療法剤の細胞増殖阻害活 性を、それぞれ、70%、40%、および52%に増大させる(図10A)。同様に、H46 0.neo細胞の増殖は、30μM エモジン単独で50%、0.1μM ドキソルビシン単独で 25%、5μM シスプラチンで48%、および0.1μM VP16で0%阻害された。しか し、エモジンと、シスプラチン、ドキソルビシン、およびVP16との組合せは、こ れらの化学療法剤の増殖阻害活性を、それぞれ、72%、80%、および63%に増大 させる(図10B)。H460.eB2細胞の増殖は、30μM エモジン単独で55%、0.5μM ドキソルビシン単独で48%、75μM シスプラチンで70%、および0.5μM VP16で5 8%阻害された。しかし、エモジンと、シスプラチン、ドキソルビシン、およびV P16との組合せは、これらの化学療法剤の増殖阻害活性を、どの場合においても 、95%以上に増加する(図10C)。H460.eB3も同様に、30μM エモジンは52%増 殖を阻害し、0.5μM VP16は54%増殖を阻害し、0.5μM ドキソルビシンは60%増 殖を阻害し、および75μM シスプラチンで65%増殖を阻害した。しかし、エモジ ンとの組合せにおいて、これらの化学療法剤の阻害効果は、どの場合においても 、95%以上に増加する(図10D)。H226の増殖は、30μM エモジンで30%、5μM シスプラチンで30%、0.1μM ドキソルビシンで25%、および0.1μM VP16で28 %阻害される。しかし、エモジンとの組合せにおいて、これらの化学療法剤の阻 害活性は、それぞれ、55%、45%、および50%に増加する(図10E)。H1435の増 殖は、30μM エモジンで40%、50μM シスプラチンで25%、1μM ドキソルビシ ンで35%、および0.1μM VP16で32%阻害される。しかし、エモジンとの組合せ において、これらの化学療法剤の阻害活性は、どの場合においても、95%以上に 増加する(図10F)。 上記の結果は、エモジンが、HER-2/neuトランスフェクトヒト肺ガン細胞にお けるHER-2/neuのチロシンリン酸化を阻害し、そしてHER-2/neu過剰発現肺ガン細 胞の増殖に対する化学療法剤(シスプラチン、ドキソルビシン、およびVP16)の 阻害効果を感作したことを実証した(ZhangおよびHung,1996)。同様の結果が また、ヒト乳ガン細胞から得られ(図16Aおよび図16B)、エモジン、またはタキ ソール単独のいずれかを含む軟アガロースにおける、HER-2/neu過剰発現ガン細 胞MDA-MB361(図16A)のコロニー形成能力は、それぞれ、28%および31%抑制さ れた。エモジンのタキソールとの組合せは、それらの阻害活性を96%に、相乗的 に増加させた(図16A)。このような相乗効果は、低レベルのHER-2/neuを発現す るMDA-MB435細胞においては観察されなかった(図16B)。これらの結果は、エモ ジンが、HER-2/neu過剰発現乳ガン細胞に対して、タキソールの相乗阻害活性を 誘導することを示す。 これらの結果は、HER-2/neuのチロシンキナーゼ活性は、HER-2/neu過剰発現ガ ン細胞の化学耐性のために必要とされ;そしてエモジンの追加は、化学療法養生 法の有効性を改良し得ることを示した。 HER-2/neu過剰発現ヒト乳ガン細胞は、無胸腺症BALB/cヌードマウスにおいて 、腫瘍を形成し得る。エモジンが、HER-2/neu過剰発現ガン細胞を有するマウス における腫瘍の発達を抑制するかどうかを試験するために、腫瘍を、HER-2/neu 過剰発現ヒト乳ガンMDA-MB361細胞(5×107細胞/0.1ml/マウス)を皮下(s.c .)に注入することによって誘導した。次いで、3週間後に、固形腫瘍が触知で きるようになった場合に、マウスをエモジン(40mg/kg体重)もしくはタキソー ル(10mg/kg体重)、またはエモジン+タキソール(0.2ml/マウス、腹腔内)の いずれかで、1週間につき3日のスケジュールで8週間処置した。次いで、10カ 月まで生存したマウスを観察した。偽薬(クレモフォア(cremophor):DMSO:生 理食塩水、1:2:7)で処置したマウスは、腫瘍を発達し続け、結局2〜5カ 月の間に腫瘍で死んだ。エモジンまたはタキソール単独のいずれかは、ヌードマ ウスにおいて、HER-2/neu過剰発現ヒト乳ガン腫瘍増殖を阻害し(図17A)、そし てMDA-MB361腫瘍保有動物の寿命を有意に長期化した(図1B)。しかし、エモジ ン+タキソールで処置したマウスは、腫瘍が徐々に縮小し、最終的には5匹のマ ウスのうちの2匹の腫瘍がなくなる(図17Aおよび図17B)。エモジン単独または エモジン+タキソールのいずれかも、コントロールマウスと比較して、体重の減 少を誘導しなかった。これらの結果は、エモジンが、HER-2/neu過剰発現ヒト乳 ガン細胞の増殖を相乗的に抑制し、HER-2/neu過剰発現腫瘍マウスの寿命を延長 したことを示し、そしてチロシンキナーゼインヒビターエモジンが、HER-2/neu 過剰発現ヒト乳ガンを、タキソールのようなHER-2/neu耐性薬物に対して感作す るための治療剤として使用され得ることを示唆する。 インビボでの腫瘍に対する治療効果が、エモジンによって抑制されるHER-2/ne uチロシンキナーゼのリン酸化によるものかどうかを調べるために、各群の1匹 のマウスからの腫瘍におけるHER-2/neuのチロシンリン酸化を、チロシンリン酸 化またはp185neuに対する抗体を用いる免疫組織化学染色およびウエスタンブロ ットによって分析した。エモジン処理した腫瘍におけるチロシンリン酸化レベル は、ほとんど消失されたが、コントロール腫瘍と比較して、エモジン処理した腫 瘍におけるp185neuタンパク質レベルは、有意には変化しなかった。これらの結 果は、エモジンが、HER-2/neuチロシンキナーゼのリン酸化を阻害することを介 してヌードマウスにおけるHER-2/neu過剰発現腫瘍の増殖を抑制することを示し た。 実施例12 エモジンおよびDK-V-47は、活性化HER-2/neu形質転換細胞の転移関連特性を 抑制する 腫瘍転位は、連続的な一連の重要な工程を含む複雑なプロセスである(Liotta ,1986;Nicolson,1988;1991)。血液-骨転位の間の重要な工程は、微小循環に おける腫瘍細胞の分割およびそれに続く血管基底膜の侵襲である。ゼラチナーゼ (IV型コラゲナーゼ)は、腫瘍細胞侵襲および転位の間の基底膜コラーゲンの溶 解における重要な関与物であることが示されている(Jayasuriyaら、1992)。本 発明者らは以前の研究で、活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞は、ヌードマウスに おいて転位を誘導し得、そして高いゼラチナーゼ活性を有し得ることを実証した (YuおよびHung,1991)。エモジンおよびDK-V-47が、活性化HER-2/ne細胞にお いて分泌されたプロテアーゼ(ゼラチナーゼ、コラゲナーゼIV)を減少し得るか どうか試験するために、活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞中の基底膜分解ゼラチ ナーゼに対するエモジンおよびDK-V-47の効果を、ザイモグラフ分析で調べた。 図14Aおよび図14Bで示すように、エモジンおよびDK-V-47の両方は、92kDaおよび 68kDaのゼラチナーゼのゼラチン分解(gelatinolytic)活性を阻害する。阻害は 、漸増濃度のDK-V-47(図14B)またはエモジン(図14A)のいずれかで増強され る。DK-V-47は、10μM濃度で、ゼラチナーゼについての有意な阻害活性を示すが 、エモジンは、40μMの濃度で、ゼラチナーゼ活性に対してDK-V-47と同様の弱さ を有する。これらの結果は、DK-V-47が、ゼラチナーゼ分泌の阻害に対してエモ ジンよりも、より効果的であることを示す。 血液由来の悪性腫瘍細胞は、循環から遊出し、基底膜に侵襲し、転位されるべ き離れた部位をコロニー化するはずである。従って、ガン細胞侵襲は、転位事象 において、非常に重要である。活性化HER-2/neu形質転換3T3細胞は、侵襲性であ ることが示されている(YuおよびHung,1991)。エモジンおよびDK-V-47が、活 性化HER-2/neu形質転換細胞の侵襲特性を消失し得るかどうかを調べるために、 インビトロ侵襲アッセイを行い、エモジンおよびDK-V-47の効果をモニターした 。図15に示されるように、エモジンおよびDK-V-47は、未処置の細胞と比較して 、Matrigel層を貫通するための活性化HER-2/neu形質転換細胞の能力をほとんど 消失し得る(図15、ポジティブコントロール)。しかし、DK-V-47は、25μM濃度 で、エモジンより効果的に活性化HER-2/neu形質転換細胞の浸襲活性を抑制する 。これらの結果は、エモジンおよびDK-V-47が、インビトロでの活性化HER-2/neu 形質転換3T3細胞の浸襲活性を完全に阻害し得ることを実証する。エモジンおよ びDK-V-47が、68kDaおよび92kDaのゼラチナーゼ産生を有意に減少させ(図14) 、そしてMatrigelに浸襲するHER-2/neu形質転換3T3細胞の能力をほとんど消失し た(図15)という結果は、エモジンおよびDK-V-47が、p185neuチロシンキナーゼ 活性の抑制を介して転位を抑制し得ることを示唆する。 実施例13 HER-2/neuレセプターのチロシンキナーゼ活性の阻害によるインビボでの 乳房腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍の発症のインビボ予防 インビボでの試みの最初のラウンドにおいて、本発明者らは、ヒトにおいて見 られる組織学的特徴および転位潜在性疑似腫瘍を有するヒトガンのマウスモデル を使用し(Katsumataら、1995)、そしてこれらの動物を、エモジンおよびまた はエモジン様化合物とともに、腫瘍の発症の抑制を実験するために処置する。 これらの研究は、エモジンがneuチロシンキナーゼレセプターのインヒビター であり、neu-過剰発現ガン細胞の腫瘍サプレッサーでとして機能するという発見 に基づいている(実施例2〜6)。上記の実施例は、エモジンがneu-媒介ガン細 胞の増殖を阻害し、さらに化学療法剤に対するneu-媒介ガン細胞を感作すること をさらに示す。この実施例は、両方のneuチロシンキナーゼインヒビター(例え ば、エモジン単独またたは化学療法剤との組合せ)を使用し、neu-過剰発現ガン を有する患者のための、有用な予防および治療養生法、を提供する。 適切なガンモデルのマウスの2つの群を、エモジンまたはエモジン様化合物の 単独または抗ガン剤との組合せの用量で6週齢で処置を開始して、処置する。い くつかのエモジン、エモジン様化合物、および抗ガン剤の組合せならびに濃縮物 を試験する。コントロールマウスを、緩衝液のみで処置する。 乳房腫瘍の発症におけるエモジンまたはエモジン様化合物の効果を、腫瘍サイ ズの実験、p185neuチロシンキナーゼ活性(IPウエスタンブロット分析を用いる )、および乳組織の組織病理学的な試験(乳房組織を切除し、ヘマトキシリンお よびエモシンで染色する)によって、コントロール群と比較する。腫瘍を発症す るマウスのコントロール群とは異なる、エモジンまたはエモジン様化合物の化学 防御性潜在性を有するマウスの試験群は腫瘍の発症に対して耐性であることが予 測される。 乳ガンモデル 例示的な研究において、エモジンを、マウスにおいて、40mg/kgで1週間に3 日2週間試験したが、体重の減少は全く見られなかった。ヒトガン細胞は、マウ スガン細胞と異なるにもかかわらず、本発明者らは、HER-2/neu過剰発現ヒト乳 ガンを有する動物を処置するための同様のアプローチを使用する。エモジン投薬 量は、40mg/kgから、60mg/kg、80mg/kg、および100mg/kgに段階的に増大させる 。これを達成するために、マウスを、m.f.pで、0.1ml(1〜10×106)の腫瘍化乳 ガン細胞懸濁液(HER-2/neu過剰発現MDA-MB 361およびBT 474細胞;通常のレベ ルのHER-2/neu発現を発現するMDA-AB 435およびMDA-AB 231細胞)を注入する。 マウスを、6マウス/群(各細胞株について、全30マウス)の、未処理のコント ロール(1群)および薬物処理群(4群)にランダムに割り当てる。動物を、毎 週体重測定し、腫瘍容量を処方物を用いてノギスで測定する:容量(mm)3=幅 (mm)2×長さ(mm)/2(Giovanellaら、1982)。触知可能な腫瘍小結節(2m m3より大きいもの)を検出し得る場合、腫瘍保有マウスを0.2mlの偽薬(クレモ フォア/DMSO/生理食塩水(1:2:7))またはエモジンで、腹腔内で処 置する:(a)40mg/kg、(b)60mg/kg、(c)80mg/kg、(d)100mg/kgの投薬量 で3週間の投与量。ウサギにおけるエモジンの薬物動態学は、最近報告された: エモジンの排出半減期は、227分であり、そしてエモジンの経口投与は、非常に 遅い血清濃度を生じた。マウスは、エモジン代謝においてウサギとは異なり得る にもかかわらず、腹腔内投与が好ましい投与方法である。なぜなら、以前の研究 において効果的であったからである。動物の腫瘍容量を、1週間に1回モニター し、そして生存曲線を描く。エモジンに対する応答を、腫瘍容量における変化と して定量する。処置した動物およびコントロール動物において得られる正曲線を 用いて、統計学的な重要性を、Wilcoxon rank sum test(Dawson-Saundersおよ びTrapp,1990)によって測定する。全般的な毒性を、体重減少および死亡の割 合として測定する。2つの乳房腫瘍系(すなわち、HER-2/neu過剰発現または非 過剰発現)におけるエモジンの腫瘍阻害効果を比較する。従って、これらの研究 は、最大抗腫瘍活性および最低毒性を有するエモジンの最適な用量の決定を可能 にする。このスケジュールおよび用量を、任意の後の投与に使用する。 上記の本発明者らの予備研究において、MDA-MB-361(HER-2/neu過剰発現)お よびMDA-MB-435(正常レベルのHER-2/neu)の両方の細胞株は、m.f.pへの注射後 に自発性転位を産生した。これらの2つの乳ガン細胞株を、マウスのm.f.pへ注 射する(各株につき15マウス、全30マウス)。3カ月後、各細胞株を注射した3 匹のマウスを屠殺し、転位性腫瘍の形成を試験する。各細胞株を注射した残りの マウスを、2群(6マウス/群)に分ける。1つの群を、上記で得られた最適な 条件でエモシンで処置する;コントロール群には、同じ条件下で偽薬を与える。 処置を、さらに3週間続け、次いでマウスを屠殺し、離れた腫瘍部位を試験する 。 卵巣ガンモデル ヒト卵巣ガンを有するマウスを得る目的で、-/-マウスに、例えば、2×106p1 85neu過剰発現SKOV-3ヒト卵巣ガン生細胞を腹腔内注射し得る。処置後5日に殺 したマウスは、このような処置から得られる腫瘍を示す。 p185過剰発現細胞で処置した5日後に、マウスを、コントロールおよび実験群 へ分け得る。一方の群のマウスを、未処置のままにする。他方の群を処置する。 活性化合物を、リン酸緩衝化生理食塩水中の処置群に供給し得る。一方の処置群 を、緩衝化生理食塩水のみで処置する。他方の処置群は、適切な投薬量のエモジ ンまたはエモジン様化合物単独での処置を受け得る。第3の処置群を、適切な投 薬量の抗ガン剤単独で処置し得る。最後の群を、適切な投薬量のエモジンまたは 抗ガン剤と組み合わせたエモジン化合物で処置し得る。処置を、腹腔内に与え得 る。 マウスを、腫瘍サインおよび徴候について試験し得、そして消滅が現れた場合 に屠殺し得る。エモジンまたはエモジン様化合物+抗ガン剤で処置したマウスは 、より長い生存期間を有することが予想される。 小細胞肺ガンモデル ヒト肺細胞ガンを有するマウスを得るために、-/-マウスに、例えば、細胞株H 82由来の2×106のneu過剰発現ガン生細胞を腹腔内注射として与え得る。注射に 続く腫瘍形成の5日後、マウスを、処置を開始する群へ分割し得る。一方の群の マウスは、適切な投薬量のエモジンまたはエモジン様化合物単独で処置し、別の 群は適切な投薬量の抗ガン剤単独で処置し得る。第3の群を、適切な投薬量のエ モジンまたはエモジンと組み合わせたエモジン様化合物で、連続して3日、次い で1週間に1回、2カ月間処置し得る。 実施例14 インビトロおよびインビボでのHER2/neu過剰発現乳ガンに対するエモジンおよ び化学療法剤の効果を試験するためのモデル 現在、パクリタキセル、シクロホスファミド、およびドキソルビシンのような 薬物が乳ガンの処置のために使用されているが、これらの薬物は、HER-2/neu過 剰発現乳ガンを有する患者にはあまり効果的ではない。本発明者らは、エモジン またはエモジン様化合物との組み合わせ処置によって乳ガン細胞株の化学感受性 についてパクリタキセルを試験する。なぜなら、パクリタキセルは、進行した転 移性乳ガンを有し、そして以前の化学療法に失敗した患者のために使用されてお り(Chevalierら、1995;Klaassenら;Giannaら、1994;Changら、1995)、そし てHER-2/neu過剰発現が、インビトロでパクリタキセル耐性に影響される(Yuら 、1996)からである。 インビトロでの、乳ガン細胞MDA-MB 361,BT 474、MDA-MB 435、およびMDA-MB 231の増殖に対するエモジンとパクリタキセルとの組合せにおける効果。この研 究のために、肺ガン細胞で使用した類似のプロトコル(ZhangおよびHung、1996 )を使用する。乳ガン細胞を、最初に、種々の濃度(1、10、20、40、60、80、 および100μM)のエモジン単独またはパクリタキセル単独(1、10、および100n M、1、10、50、および100μM)で12、24、48、および72時間処置する。細胞増 殖率をMTTアッセイ(Zhangら、1995)によって決定し、そして生存細胞の数をト リパンブルー染色および血球計数器におけるサンプルの視覚的計数(visual cou nting)(Zhangら、1991)によって決定する。各時点および薬物処置について、 3つのプレートの最小値を計数する。さらに、これらの細胞のDNA合成の比を[3H ]チミジン組み込みアッセイ(Zhangら、1994)によって平行プレートにおいて決 定する。エモジンおよびパクリタキセルの乳ガン細胞の軟性寒天(soft agar) 上のコロニーを形成する能力に対する能力を、軟性寒天アッセイ(Zhangら、199 5)によって決定する。結果を用いて、用量応答曲線を確立し、そして種々の曝 露時間で、薬物の最小毒性用量範囲および引き続く研究のための最も効果的な処 置の保持時間を決定的に決定する。したがって、各薬物についての種々の阻害濃 度(IC)を、決定し得る。組合せが相乗作用を発揮するかどうかを決定するため に、異なる比のエモジンおよびパクリタキセルを、特定の阻害レベル(例えば、 IC25+IC25、IC50+IC50、およびIC12.5+IC75(両方の組合せ))で同時に添加し た。2つの薬物の組合せ効果を評価するために、実測値を、式[c]=[a]×[b]/100 (ここで、[a]および[b]は、単一の薬剤を用いる生存値を示す)から計算される 推測値[c]と比較する;推測値の70%未満の実測値が、相乗効果であると思われ る(ZhangおよびHung、1996;Hataら、1994)。 次いで、前臨床動物実験を用いて、エモジンおよびエモジン様化合物の治療効 果を測定する。上記の正所性の乳ガンモデル(m.f.p.腫瘍モデル、MDA-MB 361, BT 474、MDA-MB 435、およびMDA-MB 231を用いて、BALB/cヌードマウスのm.f.p. での腫瘍を誘導する)を用いて、パクリタキセルを感作するエモジンの能力を試 験する。明確な腫瘍小結節(2mm3以上)が検出され得る場合、腫瘍保有マウス に、エモジンを1週間当たりi.p.で3日間与え、効率を最大にしかつ毒性を最小 にするエモジンの最小用量は、実施例13からの結果に基づく。パクリタキセルは 、それぞれ以下の条件で皮下ヒト中皮腫(Leeら、1995)およびヒト肺ガンMV 52 2異種移植片(Kelnerら、1995)を保有するヌードマウスにおける腫瘍成長を阻 害することが示されている:30mg/kgのi.p.注射で、週当たり3回(Leeら、1995 )、および10mg/kgのi.p.注射で、週当たり5日を3サイクル(Kelnerら、1995 )。これに基づいて、本発明者らは、パクリタキセル(5、10、20、および30mg /kg体重;コントロールとして、同容積の偽薬)を単独で用いる週当たり3回のi .p.注射で乳房腫瘍を有するマウス(6マウス/群)を試験する。次いで、パク リタキセルの20%、50%、および70%腫瘍阻害用量を、エモジン(実施例13の研 究から得られた至適用量)と組合せ、そして週当たり3回乳房腫瘍保有マウスに i.p.で投与する。腫瘍サイズおよびマウスの体重を、週1回測定し、腫瘍容量お よび相乗効果の計算ならびに効果および毒性の全体的な評価を、実施例13に記載 の方法を用いて行う。これらの評価から、本発明者らは、エモジンと組み合わせ た場合、パクリタキセル単独の容量より有意に低いHER-2/neu過剰発現動物なら びにエモジンによりパクリタキセルに感作しないHER-2/neu低発現動物における 腫瘍容積を減少させるために必要とされるパクリタキセル用量を予測する。 なおさらなる研究において、本発明者らは、エモジンおよびエモジン様化合物 がneuトランスジェニックマウスを使用することにより乳房腫瘍の発達を予防す るかどうかを決定することを提案する。乳房上皮細胞におけるHER-2/neuオンコ ジーン(neuT)を発現し、そして4平均4週齢(ヒトの中年に匹敵する)の平均 年齢で乳房腫瘍が発達するトランスジェニックマウス(トランスジェニックFVB/ N-TgN(MMTVneu)202)を、Jackson Laboratory(Bar Harbor,Marion)から購 入し、そしてこれを用いて、エモジンが乳房腫瘍の発達を抑制するかどうかを試 験する。6週齢で開始して、これらのマウス(15マウス/群)を、エモジンを用 いる週当たり3回の5つの異なる用量(20mg/kg体重で開始し、次いでそれぞれ4 0mg/kg、60mg/kg、80mg/kg、および100mg/kgに増大させる)のi.p.注射によって 処置する。コントロールのトランスジェニックマウスを、偽薬のみで処置する。 乳 房腫瘍の発達に対するエモジンの効果を、腫瘍サイズ、p185neuチロシンキナー ゼ活性(免疫複合体アッセイを用いる)、p185neuのチロシンリン酸化レベル( 免疫沈降−ウェスタンブロット分析を用いる)(Zhangら、1995)、および組織 病理学的試験(乳房組織を切断し、そしてヘマトキシリンおよびエオシンで染色 する)を試験することによって処置群とコントロール群とを比較する。本発明に 従って、試験群が乳房腫瘍の発達を阻止する場合、エモジンの化学防御潜在性が 明らかになる。 実施例14 抗ガン剤と組み合わせるかまたは単独でのエモジン様チロシンキナーゼインヒ ビターでのヒト処置 本実施例は、エモジンもしくはエモジン様チロシンキナーゼインヒビター単独 または抗ガン剤との組合せを用いるneu媒介ガンの処置を容易にするたのプロト コルを記載する。 neu媒介性ガンを提示する患者を、以下のプロトコルを使用して処置し得る。n eu過剰発現を、下記の免疫組織化学法を用いて検出し得る。患者は、化学的、照 射、または遺伝子治療処置を受け得るがその必要はない。最適には、患者は、適 切な骨髄機能(2,000/mm3より多いの末梢の顆粒球絶対数および100,000/mm3の血 小板数として定義する)、適切な肝機能(ビリルビン1.5mg/dl)、および適切な 腎機能(クレアチニン1.5mg/dl)を示す。腫瘍におけるneu過剰発現のモニタリング 代表的には、neuの発現を、治療の前、間、および後にモニターする。以下の アッセイを用いて、neu過剰発現をモニターし得る。原発性腫瘍および細胞塊(c ell block)調製物の3〜4mm厚の切片を切断し、キシレン中で脱パラフィンし 、そして低い等級(100〜70%)のエタノールで再水和する。内因性のペルオキ シダーゼ活性を、メタノール中の3%過酸化水素でブロックする。蒸留水および リン酸緩衝化生理食塩水で数回洗浄した後、切片を、バックグラウンド染色を最 小化するために、1:10希釈の正常なウマ血清とインキュベートする。その後、 こ れを一次抗体(Ab-3モノクローナル抗体、Oncogene Sciences,Uniondale,NY; 1:100)と室温で1時間インキュベートする。ペルオキシダーゼ染色手順には 、ABC Elite Kits(Vector Laboratories,Burlingame,CA)を利用する。免疫 染色反応を、3-アミノ-9-エチルカルバゾールを色素原として用いて視覚化する 。切片および/または細胞スピン(cytospin)調製物をトルイジンブルーで染色 し、そしてパーマウント(permount)にマウントする。陽性および陰性コントロ ールの免疫染色をまた調製する。 切片を、病理学者によって概観する。免疫応答の2つの特徴を、半定量的スケ ールを用いて記録する:陽性細胞の相対数(0%、<10%、10〜50%、および> 50%)および反応の強度(0〜3)。免疫染色のパターン(膜性、細胞質性)を 、別に記録する。任意の新生物細胞が細胞膜活性を示す場合、腫瘍はneu陽性で あると考えられる。細胞質染色は、非特異的であると考えられる。その強い陽性 膜染色で知られる乳ガンを、陽性コントロールとして使用する。 neu免疫染色の定量的測定を、Windowsベースのソフトウェアと融合したSAMBA4 000細胞画像分析システム(Image Products International,Inc.,Chantilly,V A)を用いるコンピュータ化画像分析を用いて行う。強く染色された腫瘍組織切 片を、陽性コントロールとして使用する。一次抗体を、陰性コントロールの閾値 (10の分野からの結果を平均する)を設定するために、イソタイプ適合非関連抗 体によって置換する。neu 媒介ガンの処置のためのプロトコル 代表的には、本発明の組成物を、所望のように標準的な周知の無毒性の生理学 的に受容可能なキャリア、アジュバント、およびビヒクルを含有する投薬単位製 剤を経口および非経口投与する。本発明中で使用される用語非経口は、皮下注射 、静脈内、筋肉内、動脈内の注射または注入技術を包含する。エモジンまたはエ モジン様化合物を、他の抗ガン剤の前、後、または同時に患者へ送達し得る。 代表的処置経路は、7〜21日間にわたって送達される約6用量を含み得る。臨 床家による選択の際、養生法を、3週間毎またはそれより低い頻度(月毎、2ケ 月毎、年4回など)を基礎として6投与量を継続し得る。勿論、治療のための例 示的な回数のみであり、当業者は、多くの他の経時が可能であることを容易に認 識する。 neu媒介ガンの臨床的腫瘍学における主要なチャレンジは、neuプロトオンコジ ーンを過剰発現する腫瘍細胞が化学療法治療に耐性であることである。本発明者 らの試みの1つの目的は、化学療法の効果を改善するための方法を見出すことで ある。本発明の文脈において、エモジンまたはエモジン様化合物を、任意の数の 従来の化学療法養生法と組合せ得る。 本発明に記載の方法および組成物を用いてneu過剰発現ガン細胞を死滅させる ために、一般に、標的細胞を、エモジンまたはエモジン様トリプシンキナーゼイ ンヒビターおよび少なくとも1つの化学療法剤(第2の薬剤)(その例を、上に 記載する)に接触させる。これらの組成物を、細胞を死滅させるかまたは細胞増 殖を阻害するために有効な組合せ量で提供する。このプロセスは、細胞を、エモ ジンまたはエモジン様化合物および第2の薬剤を同時に接触させる工程を包含し 得る。あるいは、このプロセスは、細胞を、単一の組成物もしくは両方の薬剤を 含む薬理学的処方物と接触させる工程、または細胞を、2つの別の組成物または 処方物に同時に接触させる工程を包含し、ここで、一方の組成物は、エモジンま たはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターを含み、他方は第2の薬剤を含む 。 あるいは、エモジンまたはエモジン様化合物投与は、第2の薬剤の数分から数 時間の範囲の間隔で先行するかまたは続き得る。エモジンまたはエモジン様チロ シンキナーゼインヒビターおよび第2の化合物が別に適用される実施態様におい て、各送達時間の間、有用な期間が終了しないことを確認し、その結果第2の薬 剤およびエモジンまたはエモジン様化合物がガンに対して組合せ効果をさらに有 利に発揮し得る。このような例において、細胞を両方の薬剤に互いに6時間〜1 週間以内に、より好ましくは互いに24〜72時間内に接触させることが意図される 。しかし、いくつかの状況において、処置のためにそれぞれの投与の間いくらか の日(2、3、4、5、6、7、またはそれ以上)からいくらかの週(1、2、 3、4、5、6、7、またはそれ以上)を経る期間を延長することが所望され得 る。 エモジンまたはエモジン様チロシンキナーゼインヒビターの領域送達は、臨床 的疾患を反作用させるために治療的有効用量を送達する効果的な方法である。同 様に、化学療法は、特に効果的な領域に指向され得る。あるいは、全身送達のい ずれかまたは両方の薬剤が適切であり得る。 本発明の治療組成物を、腫瘍部位で患者に直接投与する。本質的に、これはガ ン表面の局所的処置である。通常、組成物の容量は、腫瘍の全表面がエモジンま たはエモジン様化合物および第2の薬剤によって接触されていることを確認する のに十分であるべきである。 1つの実施態様において、投与は、治療組成物の腫瘍への注射を単に限定する 。別の実施態様において、カテーテルを、腫瘍部位に挿入し、そして所望の期間 、連続的に腔を灌流し得る。 臨床的応答を、受容可能な測定によって定義し得る。例えば、完全な応答を、 少なくとも1ケ月間全ての測定可能な疾患の消失によって定義し得る。それに対 して、部分的応答を、全ての評価可能な腫瘍小結節の垂直面の直径(perpendicu lar diameter)の産物の合計の50%以上の減少によるかまたは少なくとも1ケ月 で拡大が示される腫瘍を有さないことにより定義し得る。同様に、混合応答(mi xed response)を、1つ以上の部位における50%以上の進行によって全ての測定 可能な破壊の垂直面の直径の産物の減少によって定義され得る。 勿論、上記の処置養生法を、実施例14に記載のような臨床試験から得られる知 識によって変化し得る。当業者は、本明細書中で開示された情報を得、そして本 明細書中に記載された臨床試験に基づいて処置養生法を至適化し得る。 実施例16 Neu媒介ガンの処置における抗ガン剤と組み合わせるかまたは単独でのチロシ ンキナーゼインヒビターの使用の臨床試験 本実施例は、エモジンまたはエモジン様化合物単独か、または抗ガン剤と組み 合わせて使用するヒト処置プロトコルの開発に関する。エモジンまたはエモジン 様化合物および抗ガン剤処置は、形質転換されるかガン性の細胞が役割を果たす 種々のneu過剰発現ガンの臨床処置において有用である。このような処置は、抗 腫瘍治療(例えば、neu過剰発現によって媒介され、そして従来の化学療法養生 法に耐性である卵巣、乳房、および肺のガンを有する患者の処置)における特に 有用な手段である。 臨床試験(患者の処置およびモニタリングを包含する)を導く種々のエレメン トは、本開示に照らして当業者に公知である。以下の情報を、臨床試験において 、エモジンまたはエモジン様化合物単独または抗ガン剤との組合せを確立する使 用のための一般的な指針として提示する。 臨床研究のために選択した進行した、転移性の乳ガンおよび/または上皮卵巣 ガンを有する患者は、代表的には、従来の治療の少なくとも1つの経路に応答し ない。測定可能な疾患は必要とされないが、患者は、容易にアクセス可能な胸水 および/または腹水を有さなければならない。さらに、患者は、neuオンコジー ンを過剰発現する腫瘍を保有しなければならない。過剰発現を、上記のように免 疫組織化学によって染色される等級2または3として定義され得る。例示的な臨 床プロトコルにおいて、患者は、胸膜腔または腹腔において、Tenckhoffカテー テルまたは他の適切なデバイスの配置を受け得るか、または胸水/腹水の連続的 なサンプリングを受け得る。代表的には、胸膜腔または腹腔の既知の小房体形成 の非存在、2mg/dl以下であるクレアチニンレベル、および2mg/dl以下のビリル ビンレベルを決定することが所望される。患者は、正常なの凝固プロフィールを 示すべきである。 エモジンまたはエモジン様化合物および他の抗ガン剤の投与に関して、このよ うなデバイスが以前の手術で既に配置されていない場合、Tenckhoffカテーテル または代替のデバイスを、胸膜腔または腹膜腔に配置し得る。胸水または腹水の サンプルを得ることができ、その結果体液(CEA,CA15-3、CA125、p185)および 細胞(E1A、p185)におけるベースライン細胞性(baseline cellularity)、細 胞学、LDH、および適切なマーカーを評価し、そして記録し得る。 同一の手順において、エモジンおよびエモジン様化合物を、単独かまたは抗ガ ン剤と組み合わせて投与し得る。投与は、胸膜腔/腹膜腔中か、腫瘍に直接であ るか、または全身的手段においてであり得る。開始用量は、0.5mg/kg体重であり 得る。3人の患者を、等級3以上の毒性非存在において各用量レベルで処置し得 る。等級2の毒性を放出する薬物が検出されるまで、用量の増大を100%増大(0 .5mg、1mg、2mg、4mg)まで行い得る。その後、用量増大を25%増大まで進 行 させ得る。組み合わせたエンドトキシンレベルがエモジンまたはエモジン様化合 物の全部および所定の患者について5EU/kgを超える抗ガン剤の全てを決定する 場合、投与用量を6時間までに分離し、2つの注入物に均等に分画し得る。 エモジンまたはエモジン様化合物と抗ガン剤との組合せ物を、短い注入時間に わたるかまたはまたは7〜21日間にわたる安定な注入速度で投与し得る。エモジ ンおよび/またはエモジン様化合物の注入を、単独かまたは抗ガン剤と組み合わ せて投与し得る。任意の用量レベルで与えられた注入は、各々の後に達成された 毒性に依存する。従って、任意の単回注入後または安定な速度の注入のための特 定の期間で等級IIの毒性に到達する場合、さらなる用量を抑制すべきであるか、 または毒性が改善されない場合、安定な速度の注入を停止する。任意のカテゴリ ーにおいて約60%の患者が受容可能でない等級IIIまたはIV毒性を示すまで、エ モジンまたはエモジン様化合物単独かまたは抗ガン剤との組合せの漸増用量を患 者の群に投与する。この値の2/3である用量を安全用量として定義し得る。 勿論、処置前およびその後約3〜4週間後の間隔で物理的試験、腫瘍測定、お よび臨床検査を行うべきである。臨床試験は、CBC、鑑別(differential)およ び血小板数、尿検査、SMA−12-100(肝臓および腎臓機能試験)、凝結プロフィ ール、および疾患の範囲または症候群が存在する原因を決定するための他の適切 な化学試験を包含する。血清における適切な生物学的マーカー(例えば、乳ガン についてはCEA、CA 15-3、pp185およびp185neuチロシンリン酸化、および卵巣ガ ンについてはCA 125、p185、およびp185チロシンリン酸化)をまたモニターすべ きである。 疾患の経路をモニターし、そして抗腫瘍応答を評価するために、患者は4週間 毎に適切な腫瘍マーカーを試験されるべきであり、最初から異常である場合、CB Cを週当たり2回、鑑別および血小板数を4週間試験すべきである;次いで、骨 髄抑制が観察されている場合には週毎に試験すべきである。任意の患者が骨髄抑 制を延長している場合、髄の腫瘍侵入の可能性を除外するために汎血球減少とし て骨髄試験を勧める。凝血プロフィールを、4週間毎に得るべきである。SMA-12 -100を、週毎に行うべきである。胸水/腹水を、最初の用量の72時間後、その後 最初の2経路のために週毎、次いで、研究の進行または終了まで4週間毎にサン プリングし得る。体液(CEA、CA15-3、CA125、p185チロシンリン酸化)および細 胞(p185チロシンリン酸化)について、細胞性、細胞学、LDH、および適切なマ ーカーを評価し得る。評価プロフィールの例については、表3を参照のこと。測 定可能な疾患が存在する場合、4週間毎に腫瘍測定を記録する。腫瘍応答を評価 するために、適切な放射線学的研究を8週間毎に反復すべきである。肺活量測定 およびDLCOを、治療開始の4および8週間後に反復し得、そし研究と同時にその 関連を終了する。尿検査を、4週間毎に行い得る。 臨床応答を、受容可能な測定によって定義し得る。例えば、少なくとも1ヶ月 の全ての測定可能な疾患の消失によって、完全な応答を定義し得る。それに対し て、部分的応答を、全ての評価可能な腫瘍節の垂直面の直径の産物の合計の50% 以上の減少、または少なくとも1ケ月で増大を示さない腫瘍部位によって定義し 得る。同様に、混合応答を、1つ以上の部位での進行を有する50%以上の全ての 測定可能な破壊の垂直面の直径の産物の減少によって定義し得る。 表3 治療前または治療の間の評価 1 骨髄抑制が観察されない場合、最初に4週間、次いで、週毎。2 患者の症状によって示されるとして。3 最初に異常である場合、4週間毎に繰り返す。4 胸水を有する患者について、最初の用量の72時間後、次いで、各処置投与の 前に胸部X線を 行い得る。5 最初の用量の72時間後、最初の2経路について週毎、次いでその後4週間毎 に体液を評価し得る。6 最初の治療後4および8週間。 本明細書中で開示され、そして請求された全ての組成物および方法は、本発明 の開示に照らして不当な実験を用いずに作製され、そして実行され得る。本発明 の組成物および方法が好ましい実施態様によって記載されている一方で、変更が 、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく本明細書中に記載され た組成物、方法、および工程または方法の工程の配列に適用され得ることが当業 者に認識される。より詳細には、化学および生理学の両方に関連する所定の薬剤 が、本明細書中に記載の薬剤と置換され得る一方で、同一または類似の結果が達 成されることが明らかである。当業者に明らかなこのような全ての類似の置換お よび改変が、添付の請求の範囲によって定義されるような発明の精神、範囲、お よび概念の範囲内であると考えられる。 参考文献 以下の参考文献は、それらが本明細書中に記載したものを補充する代表的な手 順または他の詳細を提供するという程度に、本明細書中に参考として援用される 。 Bacus et al.,Differentiation of cultured human breast cancer cells(AU-56 5)andMCF-7) associated with loss of cell surface HER-2/neu antigen.Mol.Carcinog.,3: 350-362,1990. 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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/15 A61K 31/15 31/166 31/165 601 31/192 31/19 602 31/70 31/71 33/24 33/24 38/00 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR ,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV, MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ, VN 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.細胞の形質転換を阻害する方法であって、該細胞をエモジン様チロシンキナ ーゼインヒビターおよび化学療法剤と形質転換された表現型を阻害するのに有効 な量で接触させる工程を包含する、方法。 2.前記形質転換がneuオンコジーン媒介形質転換である、請求項1に記載の方 法。 3.前記細胞がneuによってコードされるチロシン特異的タンパク質キナーゼを 含む、請求項1に記載の方法。 4.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターが、表1に示すDK-III-8; DK -III-19; DK-III-47; DK-III-48; DK-III-13; DK-III-11; DK-II-1; DK-II-2; DK-IV-1; DK-V-47; DK-V-48; DK-III-52の化学構造を有する、請求項1に記載の 方法。 5.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターがアントラキノンチロシンキ ナーゼインヒビターである、請求項1に記載の方法。 6.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターがエモジンである、請求項1 に記載の方法。 7.前記細胞が約0.5mg/kg全重量と500mg/kg全重量の間のエモジン様チロシンキ ナーゼインヒビターで接触させられる、請求項1に記載の方法。 8.前記細胞が約0.5mg/kg全重量と500mg/kg全重量との間のエモジンで接触させ られる、請求項1に記載の方法。 9.前記化学療法剤がアルキル化剤である、請求項1に記載の方法。 10.前記アルキル化剤がメクロレサミン(mechlorethamine)、シクロホスフ ァミド、イホスファミド、クロランブシル、メルファラン、ブスルファン、チオ テパ、カルムスチン、ロムスチン、またはシュレプトゾイン(shreptozoin)で ある、請求項9に記載の方法。 11.前記化学療法剤が植物アルカロイドを含む、請求項1に記載の方法。 12.前記植物アルカロイドがビンクリスチン、ビンブラスチン、またはタキソ ールである、請求項11に記載の方法。 13.前記植物アルカロイドがタキソールである、請求項12に記載の方法。 14.前記化学療法剤が抗生物質である、請求項1に記載の方法。 15.前記抗生物質がダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、ブレ オマイシン、マイトマイシン、またはドキソルビシンである、請求項14に記載 の方法。 16.前記抗生物質がドキソルビシンである、請求項15に記載の方法。 17.前記化学療法剤が抗腫瘍剤である、請求項1に記載の方法。 18.前記抗腫瘍剤が、シスプラチン、VP16、およびTNFからなる群から選択さ れる、請求項17に記載の方法。 19.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤が実質的 に同時に投与される、請求項1に記載の方法。 20.前記細胞が動物内に位置し、そして有効量のエモジン様チロシンキナーゼ インヒビターおよび化学療法剤が該動物に投与される、請求項1に記載の方法。 21.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターが薬理学的に受容可能な処 方物中に適切に分散される、請求項1に記載の方法。 22.前記細胞がエモジン様チロシンキナーゼインヒビターを化学療法剤と組合 せて含む単一の組成物と接触させられる、請求項1に記載の方法。 23.前記組成物が薬理学的に受容可能な処方物中に適切に分散させられる適切 な組成物である、請求項22に記載の方法。 24.前記細胞がヒト細胞である、請求項1に記載の方法。 25.前記細胞が肺ガン細胞である、請求項24に記載の方法。 26.前記細胞が乳ガン細胞である、請求項24に記載の方法。 27.ガンを阻害する方法であって、ガンを有するかまたは有すると思われる動 物にエモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤の有効な組合せ を該ガンを阻害するための有効量で投与する工程を包含する、方法。 28.前記動物がヒトである、請求項27に記載の方法。 29.前記動物に治療有効量のエモジン様チロシンキナーゼインヒビターを注射 する工程、および該動物に化学療法剤を接触させる工程を包含する、請求項27 に記載の方法。 30.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターがエモジンである、請求項 27に記載の方法。 31.前記動物に治療有効量の化学療法剤を含む治療有効量の薬学的組成物を投 与することによってガン部位が化学療法剤と接触させられる、請求項27に記載 の方法。 32.前記化学療法剤がシスプラチン、ドキソルビジン、またはVP16である、請 求項27に記載の方法。 33.エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤を含む薬学的 組成物。 34.前記化学療法剤がシスプラチン、ドキソルビジン、VP16、タキソール、ま たはTNFである、請求項33に記載の組成物。 35.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターがエモジンである、請求項 33に記載の組成物。 36.エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤を含む薬学的 組合せ。 37.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターがアントラキノン様チロシ ンキナーゼインヒビターである、請求項36に記載の薬学的組合せ。 38.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターがエモジンである、請求項 36に記載の薬学的組合せ。 39.前記化学療法剤がシスプラチン、ドキソルビシン、VP16、タキソール、ま たはTNFである、請求項36に記載の薬学的組合せ。 40.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターおよび化学療法剤が同じ薬 学的組成物中に含まれる、請求項36に記載の薬学的組合せ。 41.エモジン様チロシンキナーゼインヒビターの薬学的処方物、および化学療 法剤の薬学的処方物を適切な容器中に含む、治療キット。 42.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターの薬学的処方物および化学 療法剤の薬学的処方物が同じ容器中に存在する、請求項41に記載のキット。 43.前記エモジン様チロシンキナーゼインヒビターの薬学的処方物および化学 療法剤の薬学的処方物が異なる容器中に存在する、請求項41に記載のキット。 44.細胞の形質転換を阻害する方法であって、該細胞をエモジン様チロシンキ ナーゼインヒビターと該形質転換表現型を阻害するのに有効な量で接触させ、こ こで該細胞が約0.5mg/kg全重量と約500mg/kg全重量との間のエモジン様チロシン キナーゼインヒビターまたはエモジンと接触させられる工程を包含する、方法。
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