【発明の詳細な説明】
HIV-1陽性であるヒトにおけるデラビルジンおよび
プロテアーゼ・インヒビターの使用
発明の背景 1. 発明の分野
本発明は、HIV-1に感染したヒトを治療するためのデラビルジンとプロテアー
ゼ・インヒビター(群)との使用に関する。
2.関連技術の説明
デラビルジン(delavirdine)は知られている。PCT 出願番号 PCT/US90/07390
号に基づく国際公開番号WO91/09849号を参照されたし。
以下のプロテアーゼ・インヒビターは、HIV-1 陽性であるヒトを治療するのに
有用であることが知られている。
サクイナビル(saquinavir)は知られている。米国特許第5,196,438号、実
施例2を参照されたし。
(単独または組合せのいずれかの)非常に僅かな剤しか、世界中の規制当局に
よって、HIV-1陽性個人治療用に認可されていない。これらの剤には、AZT(ZDV)
、ddI、ddC、サクイナビル、dT4および3TCが含まれ、これらは全てヌクレオシド
剤である。さらに、プロテアーゼ・インヒビターであるサクイナビルはHIV-1陽
性個人治療用に認可されている。デラビルジンおよび/またはその代謝物がイン
・ビボ(in vivo)で代謝酵素P-450 3Aを阻害することが知られている。1995年7
月23-27日にスイス、チューリッヒで開催された9th International Conferenceo
n Cytochrome P450における「Mechanism-Based Inactivation of Rat And Human
Cytochrome P450 3A By Delavirdine」および1995年11月6-10日にマイアミで開
催された Ninth Meeting of the American Association of PharmaceuticalScie
ntists における「Correlation Between ERMBT and Oral Exposure to
Delavirdine」を参照されたし。
サクイナビルがP-450 3Aによって代謝されることは知られている。1995年7
月6-9日にイタリア、サルジニアで開催されたFourth International Workshop
on HIV Drug Resistanceにおけるアブストラクト番号68、H.Jacobsenらによる
「ReducedsensitivitytoSaquinavir:AnupdateongenotypingfromPhaseI/11trials
」、ならびに発表後のディスカッションを参照されたし。
J.InfectiousDiseases, 171, 61-7(1995)は、DLVがペプチドプロテアーゼ・
インヒビターと相乗的な抗ウイルス効果を有することを開示している。
発明の概要
HIV-1ウイルスに感染したヒトに、HIV-1有効量のデラビルジンまたはその医薬
上許容される塩とHIV-1有効量の1種または2種以上のプロテアーゼ・インヒビ
ターとを投与することを特徴とする、当該治療を要するHIV-1ウイルスに感染し
たヒトを治療する方法を開示する。
発明の詳細な説明
本発明は、HIV-1ウイルスに感染したヒトに、HIV-1有効量のデラビルジンまた
はその医薬上許容される塩とHIV-1有効量の1種または2種以上のプロテアーゼ
・インヒビターとを投与することを特徴とする、当該治療を要するHIV-1ウイル
スに感染したヒトを治療する方法である。プロテアーゼ・インヒビターはサクイ
ナビルを包含する抗-HIV-1剤の1クラスである。
デラビルジンは実施例1−3記載の方法によって製造する。デラビルジンはアミ
ン塩基であるため、これらのアミン塩基の塩を如何にして調製するかは当業者に
知られている。該アミン塩基は、充分な強さの酸と反応した場合には酸付加塩を
形成して、対応する塩を生成する。塩はより水溶性および結晶性が高い化合物を
生成するため、遊離アミンよりも好ましい。医薬上許容される塩には、無機酸お
よび有機酸の双方の塩が包含される。好ましい医薬上許容される塩には以下の酸:
メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン
酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、CH3-(CH2)n-COOH(ここにnは0〜4)、HOOC-(CH2)n-COOH(ここにnは前記
定義に同じ)、の塩が包含される。
デラビルジンはメシラート塩であるのが好ましい。さらに、デラビルジンメシ
ラート塩は「S」または「T」結晶形として存在するのが好ましく、「T」形とし
て存在するのがより好ましい。これらの塩は下記のように調製する。デラビルジ
ンの(VIII形としても知られている)「S」結晶形は、「S」形以外のデラビルジ
ンモノメタンスルホン酸塩で出発し、メタノール、エタノール、アセトニトリル
、ジメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミドよりなる群から選択される
溶解用溶媒またはそれらの混合液(溶解溶媒はメタノールであるのが好ましい)
にそれを溶解することによって生成する。遊離アミンで出発する場合には、好ま
しくはメタノールとの共溶解溶媒として塩化メチレンを用いることができるが、
それ単独では出発物質をあまり溶解しないであろう。溶解溶媒中の塩の溶液に、
充分量の結晶化溶媒またはその混合液を添加し、該結晶化溶媒は、アセトン、ア
セトニトリル、イソプロパノール、n-プロパノール、メチルt-ブチルエーテル
、トルエン、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸i-プロピル、テトラヒドロフ
ラン、トルエンまたはキシレン、ヘキサンもしくはヘプタンのいずれかの異性体
よりなる群から選択され;結晶化溶媒はアセトンであるのが好ましい。目的の「
S」形の結晶化を促進するためには、非常に少量の目的の結晶形を添加するのが
好ましい。デラビルジンモノメタンスルホン酸塩が結晶化した後は、当業者に知
られているのと同様にしてそれを濾過し、乾燥させる。デラビルジンモノメタン
スルホン酸塩の「S」結晶形が望ましい場合には、デラビルジンモノメタンスル
ホン酸塩をメタノールに溶解して約化合物1g/メタノール5mlの濃度とするのが好
ましい。ついで、この混合液を還流によって約1モルの濃度まで大気圧下で濃縮
する。還流を維持しつつ、短時間、例えば5または10分間にアセトンを添加する
(約4ml/gデラビルジンモノメタンスルホン酸塩)。この時点で少量の「S」結晶形
を種晶として結晶化に供するのが望ましく、また好ましい。結晶化が起こるまで
混合液を還流温度にて攪拌する。混合液は、高温のままでも冷却したものでも濾
過
することができる。別法では、デラビルジン遊離塩基で出発し、結晶化と同時に
メタンスルホン酸塩が生成される。これは本発明を大スケールで実施するのに好
ましい方法である。実施例6および12を参照されたし。小スケール(研究室サイ
ズまたはベンチサイズ)および稀に行う場合には、実施例5、8および10記載の
プロセスが好ましい。遊離塩基と溶解溶媒としてのアセトニトリルで出発するこ
とが望ましい場合には、40℃未満の温度で溶媒和結晶形が生成する。乾燥時にア
セトニトリルが固体生成物から除去され、脱溶媒和結晶形が生じる。遊離塩基と
溶解溶媒としてのメタノールとで出発し、結晶化溶媒としてイソプロパノールを
用いる場合には、アセトニトリルおよび低温で生じる望ましくない結晶形は全く
生じないが、結晶が凝集し、それを乾燥させるのがより困難となり得る。結晶化
溶媒としてアセトンを用いる場合には、凝集問題は発生しない。デラビルジンモ
ノメタンスルホン酸塩の(XI形としても知られている)「T」結晶形は、「T」形
以外のデラビルジンモノメタンスルホン酸塩で出発し、(前記に定義した)溶解溶
媒から再結晶化させることによって生成する。(前記に定義した)結晶化溶媒の使
用は任意である。「T」形のデラビルジンモノメタンスルホン酸塩は、「S」結晶
形について前記したのと同様にして、遊離塩基またはメシラート塩の異なる結晶
形のいずれかから生成させることができる。「T」形を得るためには、特に溶解溶
媒がメタノールである場合には、約化合物1g/ml溶解溶媒の濃度を有するのが好
ましい。「T」結晶形を生成する場合には、先に得た「T」結晶を種晶として反応
混合液に供するのが好ましい。
サクイナビルは、HIV-1 陽性である個人を治療するのに有用であることが知ら
れている(米国特許第5,196,438号、実施例2)。HIV-1陽性である個人をいかに
して治療するのかという議論に関しては米国特許第5,196,438号を参照された
し。
本発明の方法は、HIV-1 に感染したヒトを治療するためのデラビルジンと1種
または2種以上のプロテアーゼ・インヒビターとの使用である。該デラビルジン
およびプロテアーゼ・インヒビターは双方とも経口服用することが好ましい。該
デラビルジンおよびプロテアーゼ・インヒビター(群)の投与は、1の投与単位
か、または別々の投与単位で行うことができる。異なる投与単位を用いる場合に
は、その日に同時にまたは異なる時間にそれらを投与することができる。重要な
ことは、HIV-1有効量のデラビルジン(またはその医薬上許容される塩)とHIV-1
有効量のプロテアーゼ・インヒビターとを患者に24時間の期間内に服用させるこ
とである。デラビルジンとプロテアーゼ・インヒビターとを別々に投与すること
の利点は、他のことを変動させなくても各々の投与量を変動させることができる
ことである。加えて、DLV およびサクイナビルは、認可され推奨される用量のZD
V、ddI、ddCまたはD4Tのごとき逆転写酵素インヒビター(reverse transcriptase i
nhibitors,RTIs)と組合せて用いることができる。
HIV-1 陽性個人を治療するためのDLVおよびサクイナビル単独の使用は双方と
も知られている(各々、国際公開番号 W091/09849 号および米国特許第5,196,4
38号を参照されたし)。本発明の方法は、サクイナビルの投与と同時か、または
その前にDLVを投与することによって実施する。本特許出願の方法によりデラビ
ルジンとサクイナビルとを一緒に用いる場合には、以下のようにしてデラビルジ
ンおよびサクイナビルを投与することが好ましい。患者を治療する間は、2種の
薬剤、DLVおよびサクイナビルを双方とも毎日該患者に投与する。DLVは、約100
〜約1,000mgを1日当たり1〜4回、好ましくは約100〜約3,000mg/日、より好
ましくは約500〜約2,000mg/日、なおより好ましくは約400mgを1日当たり3回
投与する。サクイナビルは、約200〜約800mgを1日に1〜4回、好ましくは約20
0〜約3,200mg/日、より好ましくは約1,000〜約2,000mg/日、なおより好まし
くは約600mgを1日当たり3回投与する。DLVは食事と一緒に、または食事なしに
服用することができるが、サクイナビルは食事とともに最良に吸収される。
HIV-1 陽性であるヒトを治療することにおいて、本発明の方法によりデラビル
ジンとサクイナビルとを一緒に用いる場合には、患者が無症候性であるか症候性
であるか、およびCD4カウントが500/mm3以下であるか500/mm3を超えるかにかか
わらず、同様に用いる。デラビルジンとサクイナビルとは、同時に、またはその
日の間の異なる時間に服用することができる。それらは、同一頻度の投与で服用
する必要はない。例えば、デラビルジンは1日当たり3回、サクイナビルは1
日当たり4回投与することができる。しかしながら、デラビルジンおよびサクイ
ナビルの双方の投与頻度は同一、好ましくは1日当たり3または4回とすること
が好ましい。
多くのHIV-1陽性個人は、認可され推奨される用量のZDV、ddI、ddC、3TCまた
はd4Tのごとき他の抗-HIV-1剤と組合せたDLV、サクイナビルで治療されるであろ
う。
デラビルジンおよびプロテアーゼ・インヒビターの正確な投与量および投与頻
度は、用いる特定のプロテアーゼ・インヒビターならびに他の因子に依存する。
また、デラビルジンおよびプロテアーゼ・インヒビターの正確な用量は、特定の
患者のHIV-1感染の程度、年齢、体重、一般的な身体的状態、当業者によく知ら
れているような個人が施され得る他の薬物療法にも依存する。この用量は、用い
たデラビルジンおよび特定のプロテアーゼ・インヒビター(群)の血中レベルま
たは濃度を測定することによっても決定することができる。デラビルジンおよび
プロテアーゼ・インヒビター(群)の正確な用量は、HIV-1 に感染した個人を治
療する医者に知られているCD4およびウイルス負荷のごとき種々の代用マーカー
を測定することによってより正確に決定することもできる。当該治療に対する患
者の応答性に依存して用量を調整することも重要である。
定 義
デラビルジンとは、DLVとしても知られている1-[5-メタンスルポンアミドイン
ドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン
をいう。
サクイナビルとは、CAS番号127,779-20-8であり、N-tert-ブチルデカヒドロ-
2-[2(R)-ヒドロキシ-4-フェニル-3(s)-[[N-(2-キノリルカルボニル)-L-アスパラ
ギニル]アミノ]ブチル]-(4aS,8aS)-イソキノリン-3(S)-カルボキシアミドとし
ても知られている、(S)-N-[(αS)-α-[(1R)-2-[(3S,4aS,8aS)-3-(tert-ブチル
カルバモイル)オクタヒドロ-2(1H)-イソキノリル]-1-ヒドロキシエチル]フェネ
チル]-2-キナルドアミド スクシンアミドをいう。
インジナビルとは、[1(1S,2R),5(S)]-2,3,5-トリデオキシ-N-(2,3-ジヒ
ドロ-2-ヒドロキシ-1H-インデン-1-イル)-5-[2-[[(1,1−ジメチルエチル)アミ
ノ]カルボニル]-4-(3-ピリジニルメチル)-1-ピペラジニル]-2-(フェニルメチル
)-D-エリスロペンタンアミドをいう。
医薬上許容されるとは、組成物、処方、安定性、患者の許容性および生物学的
利用能に関して、薬理学的/毒素学的見地より患者に対して、および物理学/化学
的見地から製薬化学者に対して許容される特性および/または物質をいう。
医薬上許容されるアニオン性塩には以下の酸:メタンスルホン酸、塩酸、臭化
水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイ
ン酸、CH3-(CH2)n-COOH(ここにnは0〜4)、HOOC-(CH2)n-COOH(ここにnは前記
定義に同じ)の塩が包含される。
NNNNNN-NN-NとはChemical Abstracts Service社(CAS,Columbus, Ohio)登録
番号をいい、ここに各「N」は0〜9の整数であるが、番号の6桁部分の最初の0
は省かれている。登録番号はCAS基準によって特定の化学化合物に割当てられる
が、但し存在することが判明し、何らかの方法で特徴付けられている化合物であ
る。ほぼ1967年から現在に至るまでに公開された化合物は公開登録されており、
かかる登録化合物については該登録番号がCASデータベース中の参照を見つけ出
す鍵となる。CASデータベースは、STN International 社、System DevelopmentC
orporation(SDC)0rbit Search Service社、Lockheed Dialog社、BibliographicR
etrieva1 Systems社、Questrel社ほか、のごとき幾つかのデータベース提供業者
から公然に入手可能である。登録されている幾つかの化合物については、そのCA
S登録番号を実施例中に含ませている。
実施例
さらに説明するまでもなく、当業者であれば、前記の説明を用いて本発明をそ
の最大限の範囲で実施し得ると思われる。以下の詳細な実施例は本発明の種々の
化合物をいかにして調製し、および/または種々のプロセスをいかにして行うか
を説明しており、単なる例示を目的とするものであって、いかなる場合において
も
前記の開示に限定されることを意図するものではない。当業者であれば、反応物
および反応条件の双方としての方法ならびに技術から適当な変形を直ちに認識す
るであろう。
調製例1 1−[5-メトキシインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(エチルアミノ)-2-
ピリジニル]ピペラジン塩酸塩
1-(エチル)-3-(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(1.25g)をTHF(15ml)
中の1-(3-エチル-2-ピリジニル)ピペラジン(1.12g)の溶液に添加した。その反応
物を20−25℃にて3時間攪拌し、ついでそれをクロロホルム(50ml)に溶解し、
飽和重炭酸ナトリウム水溶液、塩溶液で抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し
、減圧下にて濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(200gシリカ)に付
し、酢酸エチル/ヘキサン(50/50)で溶出し、適当なフラクションをプールし、
濃縮することによって精製して標題化合物を得た。この生成物を加熱しつつメタ
ノール(150ml)に溶解し、20−25℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン(4.70
ミリモル)を添加した。その混合物を半分の容量まで濃縮し、濁るまでエーテル
を添加し、そのフラスコを0℃にて一晩保存した。濾過によってその塩酸塩を得
た。
融点194-195℃;
CMR(300MHz,CDCl3)165.2,155.9,146.1,144.8,133.4,130.5,128.9,125.
6,122.6,116.7,113.9,106.5,103.3,56.3,39.1および14.2δ
メシラート塩は、該遊離塩基をメタノールに溶解し、メタンスルホン酸(1当
量)をそれに添加することによって形成した。その溶液を、塩が溶液から晶析す
るまでジエチルエーテルで希釈した。その結晶を収集し、乾燥させて標題化合物
のメシル塩を得た。
融点215-216℃
CMR(300MHz,CD3OD)165.22,156.03,146.23,141.75,133.35,130.6,129.0
,125.7,123.5,122.5,166.6,113.9,106.5,103.2,56.2,45.7,39.7,39.
0および14.1δ
実施例1 1-[5-ニトロインドリル−2−カルボニル]−4−[3-(1-メチルエチルア
ミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン
5-ニトロインドール-2-カルボン酸(0.86g)、1-[3-(N-イソプロピル)アミノ)-2
-ピリジニル]ピペラジン(0.43g)、1-(エチル)-3-(ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(0.45g)およびTHF(4ml)で出発する以外は重要でない変形を施し、調
製例1の一般的方法に従って標題化合物を得た。
融点153-154℃
実施例2 1-[5-アミノインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミ
ノ-2-ピリジニル]ピペラジン
1-[5-ニトロインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリ
ジニル]ピペラジン(実施例1、1.0g)をエタノール(60ml)およびTHF(60ml)に溶解
し、炭素パラジウム(10%、0.l5g)を添加した。その反応物を40psiにて14時間水
素化し、ついでセライトを通して濾過し、減圧下にて濃縮した。フラッシュクロ
マトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘキサン(50/50→75/25)で溶出し、適当な
フラクションをプールして濃縮することによって精製して標題化合物を得た。
融点212-214℃
実施例3 1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチ
ルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン
1-[(5-アミノインドリル-2-カルボニル)]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピ
リジニル]ピペラジン(実施例2、0.075g)を塩化メチレン(0.4m1)に溶解し、
ピリジン(0.016g)を添加し、その反応物を0℃まで冷却した。ついで、塩化メ
タンスルホニル(0.023g)を添加した。攪拌2.5時間後に、その反応物をクロロ
ホルムで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、塩溶液で洗浄し、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥し、減圧下にて濃縮した。その濃縮物を最小限量のクロロホルム
に溶解し、シリカゲルの小プラグ(plug)を通し、ついでそれを酢酸エチル/ヘキ
サンから再結晶化させて標題化合物を得た。
融点226-228℃
実施例4 1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチ
ルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンメシラート塩
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン(実施例3、90mg、0.197ミリモル)をアセト
ニトリル1.0mlに溶解し(IMI)し、メタンスルホン酸(12.8μl)添加した。そ
の混合物を固形物が溶解するまで水蒸気浴上で加熱した。水蒸気浴を取り除くと
直ちに油性物が形成されたが、ついでこの油性物は放置すると結晶化した。その
形成された結晶を、下記のスケールアップした方法において種晶として用いた。
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン(5.63g、12.3ミリモル)をアセトニトリル(70ml
)中に懸濁し、メタンスルホン酸(1当量)を添加した。固形物が溶解するまで
、その混合物を水蒸気浴上で加熱し超音波処理した。ついで、その混合物を徐々
に冷却し、種晶を添加した。濾過し、90℃、減圧下にて乾燥させて標題化合物を
得た。
融点 162-165℃;
IR(鉱油)3349,3302,3007,1635,1628,1603,1559,1532cm-1;
NMR(300MHz,CD3OD)7.63,7.55,7.46-7.40,7.17,6.89,4.16,3.79,3.43
,2.90,2.70および1.32δ;
CMR(300MHz,CD30D)164.9,146.3,140.9,136.0,131.9,131.5,128.9,125
.8,124.4,122.5,121.9,116.7,113.8,106.5,39.7,38.7および22.1δ
実施例5 異なる結晶形からの1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボ
ニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノ
メタンスルホン酸塩の「S」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメタンスルホン酸塩(結晶形XI、25g)を
還流させることによりメタノール(125m1)に溶解させた。その混合物を40-45ml
まで大気圧下で濃縮した。還流しつつ温アセトン(100ml)を5分間にわたって
添加した。その混合物を還流温度に維持すると、30分間以内に結晶が認められた
。そのスラリーを還流温度にて合計60分間攪拌し、ついで濾過した。その濾過ケ
ーキをアセトン(100ml)で洗浄し、乾燥させて標題化合物を得た。
融点228-232℃
実施例6 遊離塩基からの1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニ
ル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ビリジニル]ピペラジンモノメ
タンスルホン酸塩の「S」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン(THF溶媒和物、100g、0.18モル)をメタノー
ル中にてスラリー化し、それにメタンスルホン酸(19.6g、0.20モル)を添加し
た。その混合物を40℃まで加温し、イソプロパノール(325ml)を添加した。そ
の混合物を37-42℃に維持すると、2-3時間以内に結晶が認められた。そのスラリ
ーを15℃まで2時間にわたって冷却し、濾過した。そのケーキをイソプロパノー
ル(100ml)およびメチルt-ブチルエーテル(250ml)で洗浄し、ついで乾燥させて
標題化合物を得た。
融点221-228℃
実施例7 遊離塩基からの 1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニ
ル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメ
タンスルホン酸塩の「S」結晶形
メタノール(501)および塩化メチレン(1501)中の1-[5-メタンスルホンアミド
インドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラ
ジン(THF溶媒和物、6.58kg、12.77モル)を0.6μフィルターを通して濾過し、
ついで塩化メチレン(501)で濯いだ。その混合物を10℃、減圧下にて101まで濃
縮し、アセトニトリル(160kg)で希釈し、101まで濃縮した。ついでその残渣
をアセトニトリル(2401)中でスラリー化し、その混合物を63℃まで加熱し、メタ
ンスルホン酸(1.29kg、13.4モル)を添加した。その混合物をさらに70-75℃ま
で加熱し、その温度にて4.5時間攪拌した後、それを32℃まで冷却した。その生
成物をフィルター上に収集し、アセトニトリル(501)で濯ぎ、乾燥させて標題化
合物を得た。
融点222-229℃
実施例8 結晶形VIIIからの1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボ
ニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノ
メタンスルホン酸塩の「T」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメタンスルホン酸塩(結晶形VIII)25.0g、
0.045モル)を還流温度にてメタノール(25ml)に溶解した。還流温度にて1時間
後に、結晶が認められた。そのスラリーを冷却することなく濾過し、乾燥させて
標題化合物を得た。
融点213-233℃
実施例9 遊離塩基からの1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニ
ル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメ
タンスルホン酸塩の「T」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン(THF溶媒和物、100.0g、0.18モル)をメタノー
ル(250ml)中にてスラリー化し、それにメタンスルホン酸(19.0g、0.21モル)を
添加した。溶解するまでその混合物を加熱還流し、ついで150ml容量まで大気圧
下で濃縮した。その混合物に、先に単離した「T」結晶形10mg を種晶として供
して、結晶化が認められるまで還流を続けた。そのスラリーを還流温度にて16時
間保持し、冷却することなく濾過し、乾燥させて標題化合物を得た。
実施例10 結晶形VIIIからの1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カル
ボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモ
ノメタンスルホン酸塩の「T」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメタンスルホン酸塩(結晶形VIII)104.9g
、0.19モル)を還流させることによってメタノール(150ml)に溶解した。その溶液
を175ml容量まで大気圧下で濃縮した。還流を維持しつつ、温アセトン(100ml)を
15分間にわたって添加した。結晶が30分間以内に認められ、その時点でさらなる
アセトン(175ml)を70分間にわたって添加した。そのスラリーを還流温度にて合
計2時間攪拌し、15℃まで冷却し、濾過した。その濾過ケーキをアセトン(200ml)
で洗浄し、乾燥させて標題化合物を得た。
融点212-228℃
実施例11 結晶形VIIIからの1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カル
ボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモ
ノメタンスルホン酸塩の「T」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメタンスルホン酸塩(結晶形VIII、25.0g
、0.045モル)をメタノール/アセトン(1/1、50m)の混合液中、還流温度にてス
ラリー化した。そのスラリーに、先に単離した「T」結晶形10mgを種晶として供
した。2-3時間還流した後に、そのスラリーを15℃まで冷却し、濾過し、アセト
ン(50ml)で洗浄し、乾燥させて標題化合物を得た。
融点213-228℃
実施例12 1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メ
チルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンモノメタンスルホン酸
塩の「T」結晶形
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジン(遊離塩基、THF溶媒和物、100.0g、0.18モル
)をメタノール(250ml)中でスラリー化し、それにメタンスルホン酸(17.65g、0.
18モル)を添加した。溶解するまでその混合物を加熱還流し、ついで約300ml容量
まで大気圧下で濃縮し、その時点で、先に単離した1-[5-メタンスルホンアミド
インドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピペラ
ジンモノメタンスルホン酸塩「T」結晶形10-15mgを種晶として加えた。大気圧
下での濃縮は200ml容量まで続けた。還流を維持しつつ、アセトン(175ml)を約10
分間にわたって添加した。その混合物に、先に単離した1-[5-メタンスルホンア
ミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチルアミノ)-2-ピリジニル]ピ
ペラジンモノメタンスルホン酸塩「T」結晶形10-15mgを再度種晶として加え、
還流温度にて保持した。30分間以内に結晶が認められ、そのスラリーを還流温度
にてさらに30分間維持した。その時点で、一定容量に維持されるように、大気圧
下での蒸留を再出発させアセトンを添加した。アセトン250mlを添加した後に蒸
留を終了し、その混合物を15℃まで冷却した。約2時間そのスラリーを攪拌した
後に、それを濾過し、その濾過ケーキをアセトンで洗浄した。その生成物を乾燥
させて標題化合物88.96gを得た。
融点214-227℃
実施例13 デラビルジンおよびサクイナビルの使用
体重70kg、22歳、HIV-1陽性である無症候性の男性は、800/mm3のCD4カウント
を有していた。デラビルジン400mgを毎日3回とサクイナビル600mgを毎日3回、
彼に投与した。サクイナビルは、デラビルジンと同時に患者に投与するか、また
は服用させた。
実施例14 デラビルジンおよびサクイナビルの使用
体重62kg、31歳、HIV-1陽性である症候性の女性は、220/mm3のCD4カウントを
有していた。デラビルジン400mgを毎日4回とサクイナビル800mgを毎日3回、彼
女に投与した。サクイナビルは、デラビルジンの2時間後に患者に投与するか、
または服用させた。チャートA
1-[5-メタンスルホンアミドインドリル-2-カルボニル]-4-[3-(1-メチルエチル
アミノ)-2-ピリジニル]ピペラジンは下記の化学構造式を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,
CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G
E,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR
,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,
MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,P
L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK
,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,
VN