JP2000503837A - エコー測度を計算する方法および装置 - Google Patents
エコー測度を計算する方法および装置Info
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Abstract
(57)【要約】
近端信号中の遠端信号のエコー測度を計算する方法と装置において、これら近端信号と遠端信号の周波数スペクトルの時間について展開したものを比較して、エコー測度を計算する。この遠端信号の遠端スペクトルと近端信号の近端スペクトルは、複数の連続する時間間隔ごとに決定される。複数のスペクトル・ペア各々に対して、個々の相関測度が決定され、各スペクトル・ペアは、個々の近端スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、個々の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対応している。この相関測度を比較することで、最大相関測度が決定され、この最大相関測度がエコー測度として使われる。エコー測度の計算技術は、特にデジタル・セルラ電話システムのエコー・サプレッサに使用するのに適しているが、他にも応用できる。
Description
【発明の詳細な説明】発明の名称
エコー測度を計算する方法および装置発明の分野
本発明は、電気通信システムにおけるエコー測度を計算する方法および装置に
関するものである。背景技術
エコー(反響)は、電気通信システムに共通の問題である。エコーは、特に、
衛星通信システムやセルラ無線通信システムのような、伝送遅延が比較的長いシ
ステムにおいて、非常に煩わしいものとなる。そのため、エコーを抑圧する方法
が、いくつか開発されてきた。
公知のエコー抑圧技術の1つには、受信信号を最初に処理して、エコーの存在
を判定するものがある。エコーが検出されれば、受信信号にエコーの抑圧処理が
なされ、エコーが検出されなければ、エコーの抑圧処理は行われない。
従来のエコー検出技術は、遠端(送信)信号と近端(受信)信号の信号エネル
ギの測度に依存するものであり、それによって、エコーの存在を判定している。
残念ながら、これらのエコー検出技術は、いくつかのアプリケーションにおいて
、良好な性能を提供する程、精度の良いものではない。発明の概要
本発明の目的は、電気通信システムにおけるエコー測度を計算する新規な方法
および装置を提供することである。
本発明の一態様は、近端信号中の遠端信号のエコー測度を計算する方法を提供
する。この方法は、
(1)複数の連続する時間間隔ごとに、上記遠端信号の遠端スペクトルを決定す
る工程
(2)複数の連続する時間間隔ごとに、上記近端信号の近端スペクトルを決定す
る工程
(3)複数のスペクトル・ペア各々に対して、上記近端スペクトルと遠端スペク
トルの個々の相関測度を決定する工程であって、各スペクトル・ペアは、個々の
近端スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、
個々の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対
応している、当該工程
(4)上記相関測度を比較して、最大相関測度を決定する工程
からなる。
本発明に係る方法は、近端信号と遠端信号の周波数スペクトルの時間について
展開したものを比較することで、エコー測度を計算する。
最大相関測度と所定値を比較して、その最大相関測度が所定値を超えたとき、
エコーが検出されたことを宣言する。あるいは、この最大相関測度を、そのエコ
ーの非2進測度として使うこともできる。
これら近端および遠端スペクトルは、近端および遠端スペクトル・エンベロー
プの場合があり、例えば、離散フーリエ変換(DFT)により発生された時間平
均スペクトルによって生成される、平滑化されたスペクトルである。
あるいは、前記遠端信号は、LPC符号化された通話信号であり、また、上記
遠端スペクトル・エンベロープを決定する工程が、複数の連続する時間間隔ごと
に上記決定を行う工程であり、この遠端スペクトル・エンベロープを、上記連続
する時間間隔ごとに、上記LPC符号化された通話信号のLPC係数と励起パラ
メータより取り出す工程を備えるようにしてもよい。同様に、上記近端信号は、
LPC符号化された通話信号であり、また、上記近端スペクトル・エンベロープ
を決定する工程が、複数の連続する時間間隔ごとに上記決定を行う工程であり、
この近端スペクトル・エンベロープを、上記連続する時間間隔ごとに、上記LP
C符号化された通話信号のLPC係数と励起パラメータより取り出す工程を備え
るようにしてもよい。この場合、エコー測度の計算技術は、通話信号そのものに
は何らアクセスはないが、LPC符号化された通話信号にアクセスがある、電気
通信システム内のポイントで使用できる。その結果、他に復号化動作や符号化動
作を必要とすることなく、通話符号化器や通話復号化器以外の位置においても、
このエコー測度の計算技術を適用できる。そのため、この技術は、電気通信シス
テムのネットワーク部分で、符号化された信号だけにアクセスがある、セルラ無
線通信システムのコーデック・バイパス構成において特に利点がある。
さらに、本発明の上記変形は、ほどんど複雑化しないで実施できる。それは、
既に使えるLPC係数が、近端信号と遠端信号に関する必要な周波数ドメイン情
報を含んでいるからである。
本方法は、さらに、エコーを検出すると、上記相関測度の最大値に対応する上
記遅延を決定することによって、エコー遅延を推定する工程を備えるようにする
こともできる。
本方法はまた、さらに、エコーを検出すると、近端信号エネルギの値と遠端信
号エネルギの値の比を決定することによって、エコー・リターン・ロスを推定す
る工程であって、この近端信号エネルギの値は、第1の時間間隔に関連し、上記
遠端信号エネルギの値は、第2の時間間隔に関連しており、この第2の時間間隔
は、上記第1の時間間隔に関連したエコー遅延分、この第1の時間間隔より遅れ
ている、当該工程を備えるようにもできる。
推定されたエコー遅延とエコー・リターン・ロスを使って、エコーを最も効率
的に抑圧する信号処理を決定することができる。
本発明の他の態様によれば、近端信号中の遠端信号のエコー測定を計算する装
置が提供される。この装置は、プロセッサとメモリから構成され、そのメモリは
、プロセッサが実行する命令を格納している。この命令は、
(1)複数の連続する時間間隔ごとに、上記遠端信号の遠端スペクトルを決定す
る命令
(2)複数の連続する時間問隔ごとに、上記近端信号の近端スペクトルを決定す
る命令
(3)複数のスペクトル・ペア各々に対して、上記近端スペクトルと遠端スペク
トルの個々の相関測度を決定する命令であって、各スペクトル・ペアは、個々の
近端スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、
個々の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対
応している、当該命令
(4)上記相関測度を比較して、最大相関測度を決定する命令
からなる。
さらに、本発明の他の態様によれば、プロセッサによって実行可能な命令を格
納するプロセッサ可読格納媒体が提供される。この格納媒体は、
(1)複数の連続する時間間隔ごとに、遠端信号の遠端スペクトルを決定する命
令
(2)複数の連続する時間間隔ごとに、近端信号の近端スペクトルを決定する命
令
(3)複数のスペクトル・ペア各々に対して、上記近端スペクトルと遠端スペク
トルの個々の相関測度を決定する命令であって、各スペクトル・ペアは、個々の
近端スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、
個々の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対
応している、当該命令
(4)上記相関測度を比較して、最大相関測度を決定する命令
とからなる命令セットを格納する。図面の簡単な説明
本発明の実施の形態を、下記の添付図面を参照して、以下に例示する。
図1は、本発明の実施の形態に係るエコー測度の計算装置を含む電気通信シス
テムのブロック図である。
図2A,図2B,図2Cは、本発明の実施の形態に係るエコー測度の計算方法
における工程を示すフローチャートである。
図3は、エコー抑圧を適用する方法における工程を示すフローチャートである発明の実施の形態
図1は、本発明の実施の形態に係るエコー測度の計算装置100を含む電気通
信システムのブロック図である。
この計算装置100は、プロセッサ110と、プロセッサ110が実行する命
令を格納するメモリ120の形をとる、プロセッサ可読の格納媒体とによって構
成される。プロセッサ110は、LPC符号化された近端信号を受信する近端信
号入力ポート112と、LPC符号化された遠端信号を受信する遠端信号入力ポ
ート114とを有する。また、プロセッサ110は、メモリ120に格納された
命令を実行して、近端信号と遠端信号を処理し、以下に説明するように、近端信
号中の遠端信号のエコー測度を計算する。
図2A,図2B,図2Cは、メモリ120に格納された命令に従ってプロセッ
サ110が実行し、近端信号中の遠端信号のエコー測度を計算する工程を示すフ
ローチャートである。
プロセッサ110は、連続する20msの時間間隔ごとに、近端信号に対する
、LPC符号化された情報のフレームと、遠端信号に対する、LPC符号化され
た情報のフレームを受信する。このプロセッサ110は、格納された命令を実行
して、符号化情報の各フレームより、一組のLPC係数と一組の励起パラメータ
を
取り出す。
プロセッサ110は、さらに、格納された命令を実行して、約100Hz〜2
kHzの間にあるfiについてのM個の値に対する近端スペクトルSN(fi,k
)を計算する。このスペクトルは、時間kに対応する近端信号のフレームに対す
るLPC係数と励起パラメータより、時間kに対応するフレームに対して計算さ
れる。同様に、プロセッサ110は、格納された命令を実行して、約100Hz
〜2kHzの間にあるfiについてのM個の値に対する遠端スペクトルSF(fi
,k)を計算する。このスペクトルの計算は、時間kに対応する遠端信号のフレ
ームに対するLPC係数と励起パラメータより、時間kに対応するフレームに対
して行われる。Mの典型的な値は、8〜12である。以下の計算に使用するため
に、過去L20msの時間間隔の遠端スペクトルが、メモリに格納される。Lは
、エコー遅延の予測値に従つて選択される。例えば、予測されるエコー遅延が2
40ms〜360msの場合、Lは、少なくとも18である。(LPC係数と励
起パラメータからスペクトルを取り出すために使う方法は、使用する特定のLP
C符号体系に依存し、それは、LPC符号化技術における当業者には、公知の方
法である。)
プロセッサ110はまた、格納された命令を実行して、時間kに対応する近端
信号のフレームに対して、LPC係数と励起パラメータより近端信号エネルギRN
(k)を、また、時間kに対応する遠端信号のフレームに対して、LPC係数
と励起パラメータより遠端信号エネルギRF(k)を計算する。所定のフレーム
数(その代表的な値は、2あるいは3である)に渡って、近端信号エネルギの平
均値が求められる。遠端信号エネルギの値も、所定のフレーム数に渡って、その
平均が求められる。過去L20msの時間間隔の遠端信号エネルギの平均値は、
メモリ120に格納され、以下の計算に使われる。(LPC係数と励起パラメー
タから信号エネルギを取り出すのに使う方法は、使用する特定のLPC符号体系
に依存するが、その方法は、LPC符号化技術における当業者には公知である。
)
プロセッサ110は、格納された命令を実行し、以下の式に従って、近端スペ
クトルと遠端スペクトルの指数平均を計算する。
λ1の代表的な値は、0.5である。
以下の式に従って、相互スペクトル成分の指数平均も計算される。
ここで、1は遅延を示し、L0は、最小予測エコーパス遅延、Lは、最大予測エ
コーパス遅延である。これらの量それぞれが、20msの時間間隔についての整
数を表わす。
プロセッサ110はさらに、格納された命令を実行し、以下の式に従って、近
端スペクトルと遠端スペクトルの分散を計算する。 過去L20msの時間間隔の遠端信号についての分散は、以下の計算に使用す
るため、メモリ120に格納される。
遠端信号の分散は、2つのグループに分けられる。グループAは、200Hz
〜920Hzの周波数の副バンドに対して計算された分散を含む。この周波数領
域は、一般的に通話信号の第1ホルマント周波数を含む。グループA内の分散を
比較して、最大分散を決定し、この最大分散に対応する周波数をfAと呼ぶ。グ
ループBは、1160Hz〜1800Hzの周波数の副バンドに対して計算され
た分散を含む。この周波数領域には、一般的に通話信号の第2ホルマント周波数
が含まれる。グループB内の分散を比較して、最大分散を決定し、この最大分散
に対応する周波数をfBと呼ぶ。
プロセッサ110はさらに、格納された命令を実行し、以下の式に従って、最
小エコー遅延L0と最大エコー遅延Lの範囲内の遅延ごとに、周波数fA,fB各
々における共分散を計算する。
プロセッサ110はさらに、格納された命令を実行し、以下のように、上記2
つの周波数における共分散の平均を求めて、L0とLの間の各遅延に対する平均
共分散を取り出す。
そして、プロセッサ110は、格納された命令を実行して、平均共分散の最大
値を決定する。遅延10は、平均共分散の最大値に対応する。この平均共分散の最
大値は、近端信号中の遠端信号のエコー測度であり、以下のように使用される。
プロセッサ110はさらに、命令を実行して、平均共分散の最大値と所定値(
その典型的な値は、約0.1である)とを比較する。平均共分散の最大値が、こ
の所定値より大きい場合、プロセッサ110は、近端信号のフレームkにエコー
が含まれると宣言する。
近端信号のフレームkがエコーを含むとされた場合、プロセッサ110はさら
に、格納された命令を実行し、以下の式に従って、平均共分散の最大値に対応す
る遅延10の指数平均
を計算して、エコー遅延D(k)を推定する。λ2の代表的な値は、約0.9〜
0.95である。
フレームkがエコーを含むとされた場合、プロセッサ110はまた、さらに、
格納された命令を実行して、連続するエコー・フレームをカウントする。平均共
分散の最大値が所定値を越える場合(この最大値は、まず第1にエコーがあるこ
とを宣言するのに使用される上記所定値を超えることで、エコーの存在について
、より高い確実性が与えられる)、連続するエコー・フレームの数は、所定の最
小数(その代表的な値は、2あるいは3)を超え、また、エコー遅延の分、現在
の時間間隔から遅れている時間間隔における平均遠端信号のエネルギは、所定の
閾値を超えることになる。上記計算された平均信号エネルギより、以下の式に従
って、エコー・リターン・ロス(ERL)が推定される。
ギの平均値である。
エコー遅延D(k)とエコー・リターン・ロスERL(k)を使って、さらに
プロセッサ110を動作させ、図3に示すように、最も効果的なエコー抑圧処理
を決定する。エコー遅延D(k)が、閾値の遅延(その代表的な値は、10ms
ecである)より小さければ、何らエコー抑圧を行わない。エコー・リターン・
ロスERL(k)が、閾値損失より大きい場合(この閾値損失は、50msec
より大きなエコー遅延に対して、45〜50dBという代表的な値をとる)、エ
コー抑圧をしない。しかし、エコー遅延D(k)が遅延閾値を超え、かつ、エコ
ー・リターン・ロスERL(k)が閾値損失より小さい場合には、プロセッサ1
10は、格納された命令を実行して、フレームkの信号を快適なノイズに置き換
える。より高度な実行手段では、この閾値損失は、現在のフレームに対するエコ
ー遅延D(k)の関数となる。
平均共分散の最大値が所定値を越えない場合、プロセッサ110は、近端信号
のフレームkにはエコーがないとして、その近端信号のフレーム内のエコー抑圧
、エコー遅延の計算、あるいはエコー・リターン・ロスの計算をするための処置
を何ら行わない。
上記の実行手段は、本発明の原理から逸脱することなく改良が可能である。例
えば、時間についての平均計算、近端スペクトルと遠端スペクトルの計算、近端
スペクトルと遠端スペクトルの相関量の計算に使用した、上記例示した特定パラ
メータ値や特定の方法は、他のパラメータ値と方法で置き換えることができる。
実際、このような改良の少なくともいくつかは、本発明を別のLPC符号体系に
適用したときに適切となる、という場合もある。上記のパラメータは、IS−5
4標準に規定されたVSELPコーデックに最も適していると言える。
上述した実施の形態では、計算されたエコー測度を使ってエコー抑圧を駆動し
ている。しかし、この計算されたエコー測度は、疎らなエコー消去(これに限定
される訳ではない)を含む、エコー測度が有用となる他の様々な応用にも使用で
きる。
上述した実施の形態では、平均共分散の最大値と所定値とを比較して、検出で
きるようなエコーが存在するかどうかを決定している。平均共分散の最大値を、
複数の所定値と比較して、エコーの相対的なレベルを推定できる。そこで、この
エコーの相対的なレベルを使って、さらにどのような信号処理工程が適切である
かを判断し、異なるエコーのレベルに対して、異なる信号処理を実行する。実際
、平均共分散の最大値そのものを、エコーのレベル測度として使用可能である。
上記の実施の形態では、共分散の最大値が、第1および第2のホルマント周波
数を含む2つの周波数の副バンドより選択され、平均値が求められている。この
方法によって、信号対雑音比が最大になると推定される周波数で測定された特性
を強調することで、計算の複雑さが適度なレベルにおいて、この技術のロバスト
性が増す。さらに多くの周波数副バンドを使って、他のホルマント周波数におけ
る特性を得ることができる。
これら、および他の変形例は、以下の請求項のいくつか、あるいは全てによっ
て規定されているように、本発明の範囲を逸脱するものではない。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),BR,CA,CN,J
P,MX
(72)発明者 ラビポア・ラフィ
カナダ国,エイチ4ダブリュー 2ティー
2,ケベック,コート エスティー ルー
ク,ブラッサム ストリート 5745
(72)発明者 フーディーイ・マジド
カナダ国,エイチ2ダブリュー 2ケイ
7,ケベック,モントリオール,ヘンリ
ジュリエン 4325
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 近端信号中の遠端信号のエコー測度を計算する方法において、 複数の連続する時間間隔ごとに、前記遠端信号の遠端スペクトルを決定する工 程と、 複数の連続する時間間隔ごとに、前記近端信号の近端スペクトルを決定する工 程と、 複数のスペクトル・ペア各々に対して、前記近端スペクトルと遠端スペクトル の個々の相関測度を決定する工程であって、各スペクトル・ペアは、個々の近端 スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、個々 の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対応し ている、当該工程と、 前記相関測度を比較して、最大相関測度を決定する工程とを備えることを特徴 とする方法。 2. さらに、前記相関測度の最大値が所定値を超えたとき、エコーが検知され たと宣言する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の方法。 3. 前記遠端スペクトルを決定する工程は、遠端スペクトル・エンベロープを 決定する工程を備え、 前記近端スペクトルを決定する工程は、近端スペクトル・エンベロープを決定 する工程を備え、 前記相関測度を決定する工程は、前記近端スペクトル・エンベロープと遠端ス ペクトル・エンベロープの相関測度を決定する工程を備えることを特徴とする請 求項1記載の方法。 4. 前記遠端信号は、LPC符号化された通話信号であり、また、前記遠端ス ペクトル・エンベロープを決定する工程は、複数の連続する時間間隔ごとに前記 決定を行う工程であり、この遠端スペクトル・エンベロープを、前記連続する時 間間隔ごとに、前記LPC符号化された通話信号のLPC係数と励起パラメータ より取り出す工程を備え、 前記近端信号は、LPC符号化された通話信号であり、また、前記近端スペク トル・エンベロープを決定する工程は、複数の連続する時間間隔ごとに前記決定 を行う工程であり、この近端スペクトル・エンベロープを、前記連続する時間間 隔ごとに、前記LPC符号化された通話信号のLPC係数と励起パラメータより 取り出す工程を備えることを特徴とする請求項3記載の方法。 5. 前記近端スペクトルと遠端スペクトルの個々の相関測度を決定する前記各 工程は、複数の周波数副バンドそれぞれに対して、前記近端スペクトルと遠端ス ペクトルの相互共分散を決定する工程を備えることを特徴とする請求項1記載の 方法。 6. 前記近端スペクトルと遠端スペクトルの個々の相関測度を決定する前記各 工程は、前記相互共分散の平均を求める工程を備えることを特徴とする請求項5 記載の方法。 7. 前記近端スペクトルと遠端スペクトルの相互共分散を決定する前記各工程 は、これら近端スペクトルと遠端スペクトルの時間についての平均を求める工程 を備えることを特徴とする請求項5記載の方法。 8. さらに、エコーを検出すると、前記相関測度の最大値に対応する前記遅延 を決定することにより、エコー遅延を推定する工程を備えること請求項2記載の 方法。 9. 前記エコー遅延を推定する工程は、さらに、このエコー遅延の時間につい ての平均を求める工程を備えることを特徴とする請求項8記載の方法。 10. さらに、エコーを検出すると、近端信号エネルギの値と遠端信号エネル ギの値の比を決定することによって、エコー・リターン・ロスを推定する工程を 備え、この近端信号エネルギの値は、第1の時間間隔に関連し、前記遠端信号エ ネルギの値は、第2の時間間隔に関連しており、この第2の時間間隔は、前記第 1の時間間隔に関連したエコー遅延分、この第1の時間間隔より遅れていること を特徴とする請求項2記載の方法。 11. 前記近端信号エネルギの値は、前記第1の時間間隔に先行する複数の時 間間隔について近端信号エネルギの平均を求めることによって決定され、 前記遠端信号エネルギの値は、前記第2の時間間隔に先行する複数の時間間隔 について遠端信号エネルギの平均を求めることによって決定されることを特徴と する請求項10記載の方法。 12. 前記近端信号エネルギの値と遠端信号エネルギの値の比を決定する工程 は、この遠端信号エネルギの値が所定値を超える時間間隔に対してのみ実行され ることを特徴とする請求項10記載の方法。 13. 前記近端信号エネルギの値と遠端信号エネルギの値の比を決定する工程 は、エコーを含むと宣言された、所定数の連続する時間間隔の後にのみ実行され ることを特徴とする請求項10記載の方法。 14. 近端信号中の遠端信号のエコー測度を計算する装置であって、当該装置 は、プロセッサとメモリを備え、このメモリは、前記プロセッサが実行する命令 を格納し、この命令は、 複数の連続する時間間隔ごとに、前記遠端信号の遠端スペクトルを決定する命 令と、 複数の連続する時間間隔ごとに、前記近端信号の近端スペクトルを決定する命 令と、 複数のスペクトル・ペア各々に対して、前記近端スペクトルと遠端スペクトル の個々の相関測度を決定する命令であって、各スペクトル・ペアは、個々の近端 スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、個々 の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対応し ている、当該命令と、 前記相関測度を比較して、最大相関測度を決定する命令とからなることを特徴 とする装置。 15. 前記命令は、さらに、前記最大相関測度が所定値を超えたとき、エコー が検出されたと宣言する命令からなることを特徴とする請求項14記載の装置。 16. 前記遠端スペクトルを決定する命令は、遠端スペクトル・エンベロープ を決定する命令からなり、 前記近端スペクトルを決定する命令は、近端スペクトル・エンベロープを決定 する命令からなり、 前記相関測度を決定する命令は、前記近端スペクトル・エンベロープと遠端ス ペクトル・エンベロープの相関測度を決定する命令からなることを特徴とする請 求項14記載の装置。 17. さらに、LPC符号化された近端信号を受信できる近端信号入力ポート 、およびLPC符号化された遠端信号を受信できる遠端信号入力ポートと、LP C符号化された信号上で動作して、前記近端スペクトル・エンベロープと遠端ス ペクトル・エンベロープを決定できるエコー推定器とを備えることを特徴とする 請求項16記載の装置。 18. 前記命令は、さらに、エコーを検出すると、前記最大相関測度に対応す る遅延を決定することによって、エコー遅延を推定する命令からなることを特徴 とする請求項16記載の装置。 19. 前記命令は、さらに、エコーを検出すると、近端信号エネルギの値と遠 端信号エネルギの値の比を決定することによって、エコー・リターン・ロスを推 定する命令からなり、この近端信号エネルギの値は、第1の時間間隔に関連し、 前記遠端信号エネルギの値は、第2の時間間隔に関連しており、この第2の時間 間隔は、前記第1の時間間隔に関連したエコー遅延分、この第1の時間間隔より 遅れていることを特徴とする請求項16記載の装置。 20. プロセッサによって実行可能な命令を格納するプロセッサ可読格納媒体 において、この格納媒体は、 複数の連続する時間間隔ごとに、遠端信号の遠端スペクトルを決定する命令と 、 複数の連続する時間間隔ごとに、近端信号の近端スペクトルを決定する命令と 、 複数のスペクトル・ペア各々に対して、前記近端スペクトルと遠端スペクトル の個々の相関測度を決定する命令であって、各スペクトル・ペアは、個々の近端 スペクトルと個々の遠端スペクトルより構成され、この遠端スペクトルは、個々 の遅延分、この近端スペクトルに対応する時間間隔だけ遅れた時間間隔に対応し ている、当該命令と、 前記相関測度を比較して、最大相関測度を決定する命令とからなる命令セット を格納することを特徴とするプロセッサ可読格納媒体。 21. 前記命令は、さらに、前記最大相関測度と所定値とを比較する命令と、 この最大相関測度が前記所定値を超えたとき、この最大相関測度に対応する遅延 を決定することによって、エコー遅延を推定する命令とからなることを特徴とす る請求項20記載のプロセッサ可読格納媒体。 22. 前記命令は、さらに、前記最大相関測度と所定値とを比較する命令と、 この最大相関測度が前記所定値を超えたとき、近端信号エネルギの値と遠端信号 エネルギの値の比を決定することにより、エコー・リターン・ロスを推定する命 令であって、この近端信号エネルギの値は、第1の時間間隔に関連し、前記遠端 信号エネルギの値は、第2の時間間隔に関連しており、この第2の時間間隔は、 前記第1の時間間隔に関連したエコー遅延分、この第1の時間間隔より遅れてい る、当該命令とからなることを特徴とする請求項20記載のプロセッサ可読格納 媒体。
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