【発明の詳細な説明】
放射線活性化サイトトキシン療法
本発明は、癌療法に関する。特に、薬物を活性化し、低酸素微小環境内で細胞
毒性種を形成する電離放射線の使用、新生物疾患の治療法、このような治療で使
用するための新規クラス化合物およびこれらの化合物の調製法に関する。
発明の背景
電離放射線は、新生物疾患の治療に広く使用されているが、その有効性は、腫
瘍内の放射線耐性低酸素細胞の存在によって制限される事がしばしばあるようだ
。現在、これらの低酸素腫瘍細胞を除去するために一般に有用な方法はない。現
在、臨床で評価されている1つの方法は、低酸素条件下で細胞に選択的に毒性を
示す化合物の使用である。最も重要なこの種の化合物は、低酸素条件下で酵素的
還元によって代謝活性化され、細胞毒性生成物を形成することから、生体内還元
薬物(BD)として知られている。一般に、低酸素細胞へのこれらの化合物の選
択性は、初期1電子還元生成物の二酸素による再酸化の結果であり、酸素化組織
において無用に酸化還元循環することとなり、並びに、真の還元が抑制されるこ
ととなる。
大半のBDの活性化メカニズムは、次の通りである:
しかし、BDは、臨床使用に2種類の主な制限があると思われる。
この第1は、BDの酵素的活性化が腫瘍の低酸素環境だけに限定されるのでは
なく、そのため、これらの薬物は、正常な十分な酸素化組織に対して何らかの毒
性作用を持つという点である。特に、酸素−非感受性経路による還元的活性化(
偏性二電子還元、O2−感受性中間体を迂回する)が、時に、制限因子となり得
る。
第2のBDの制限は、有効とするために、生体還元薬物を活性化できる酵素を
腫瘍内に高レベルで発現しなければならない点である。これは、全腫瘍が満たす
条件ではない。
プロドラッグの活性化に関する別の方法は、Nishimoto らによって、J .Med. Chem
.35:2712-2715(1992)で報告された。この方法では、5-フルオロウラシル(
5-FU)二量体の放射線分解活性化が、マウスにおいて、放射線感作法として提言
された。しかし、報告された5-FU二量体の放射線分解活性化は、サイトトキシン
の収率が低過ぎる(使用した放射線量(20Gy)で約2μmol/kg程度が理論的最大収
率)ので、臨床的には有効で
ないようだ。
発明の要約
そのため、BD療法の制限の対象とならない、新生物疾患を有効に治療する方
法を提供すること、あるいは、少なくとも、有用な選択を大衆に提供することが
本発明の目的である。
従って、第1の様態で、本発明は、次の段階から成る新生物疾患の治療法を提
供する:
(a) 低毒性であり、水の放射線分解によって生成される還元剤(アコ化電
子および/または水素ラジカル)で還元でき、還元時、腫瘍細胞を殺傷するのに
十分な細胞毒性能のある十分量のエフェクターを放出する放射線−活性化サイト
トキシンプロドラッグ(RACP)をこのような治療を必要とする患者に有効量投与し
;
および
(b) 前述の腫瘍細胞に放射線照射し、前述の細胞毒性エフェクターを放出
するため、前述の腫瘍細胞の遺伝子座に位置するプロドラッグを還元する。
RACPは一般式Iとなることができ R1はHか、水酸基、エーテル基、アミノ基、メチルアミノ基またはジメチル
アミノ基で任意に置換されるC1−C4アルキル基を表し;
nは0、1または2で、各MはNO2、CF3、CH2OR1、COR1、CON
HR1、OR1、NR1R1SO2R1から別個に選択し、R1は上述の通りであり;
芳香族は単一のベンゼン環か、O、SおよびNから別個に選択する1つまたは2
つの異種原子を含有する5員または6員芳香族複素環で;
L-は薬理学的に受け入れられる対イオンであることができ;
KはHまたはMeであり;
およびR2は:
(i) 一般式IIのラジカルで
XがハロゲンかOSO2R1(R1は上述の通り)で;
AとBが、それぞれ、Hであるか、任意に置換された縮合ベンゼンまたはピロー
ル環系を合わせて表し;
WはSO2R1(R1は上記の通り)および構造式IIa およびIIb から選択され、;
DはCHかNで;
EはNHかOで;
各Qは別個にOR1およびNR1R1から選択され、
R1は上段で規定した通りで;
nは0、1、2または3で;および
HETは5員または6員炭素環か、O、SおよびNから別個に選択された1つか
2つの異種原子を含有する複素環であるラジカル;
(ii)一般式III のラジカルで
X、A、B、Qおよびnが上記の通りで;
各Dが別個にCHかNで;および
各Eが別個にNHかOであるラジカル;
(iii) 一般式IVのラジカルで
NHR1(R1は上記の通り)で;
nが0、1、2または3で;および
各YがMeおよびOMeから別個に選択されるラジカル;
あるいは、
(iv)一般式Vのラジカルで
各Jが別個にHかOHで;および
TがNMe2か次式の成分で、
n、M、arom、KおよびR1が上記一般式Iに規定した通りであるラジカル
で表される。
一般式Iで表される化合物の好ましいサブセットは、一般式Ia で表され、
ここでのR2とL-は一般式Iで規定した通りで、MはH、CF3、CH2OR1、
COR1、CONHR1、OR1、NR1R1またはSO2R1の内の1つで、R1はH
、あるいは、水酸基、エーテル基、アミノ基、メチルアミノ基またはジメチルア
ミノ基で任意で置換したC1−C4アルキルである。
代替法として、前記RACPは、一般式VIである
ことができ、
この場合、各R1は別個に上述の通りで、
UとVは、共に、CH2CH2Clで、UはHで、Vは上記の通り、一般式IIか一
般式III の化合物であり、およびL-はいずれかの製剤学的に受け入れられる陰
イオンである。
別の代替法では、RACPは一般式VII であることができ、
ここで、M、n、aromおよびL-は、一般式Iの場合と同様に規定される。
別の代替法では、RACPは一般式VIIIであることができ、ここでは、YとZは一般式IVについて規定した通りであり、TはCo(III) かCr(I
II) で、nは2−6、mは2または3、R3、R4、R5、R6は、それぞれ、CN
、ハロゲン、5CN、H2O、NHR1から別個に選択し、R1は上述の通りであ
るか、あるいは、3−R7アセトニルアセトネート(R7はH、Me、NO2、C
N、SCNまたはSph(Ph は、Me、OMe、NO2およびNMe2から別個に選
択された2種類までの基で任意に置換されたベンゼン環である))を表す。
上記規定の全てにおいて、エナンチオマーまたはジアステレオマ−型が可能な
場合、このような可能な全
部の型を含む。
さらに次の様態では、本発明は、上記の通りの一般式IのRACP化合物を提
供する。
別の様態では、本発明は、上記の通りの一般式VIIIのRACP化合物を提供す
る。
なおかつ、別の様態では、本発明は、一般式I、VI、VII またはVIIIのRAC
P化合物、並びに、そのための製剤学的に受入れられる担体またはビヒクルを含
む、上記通りの新生物疾患の治療法での使用に適した医薬組成物を提供する。
最終様態で、本発明は、上記の通りの一般式IまたはVIIIの化合物の調製法を
提供する。このような方法を以下に述べる。
図面の説明
本発明は、大まかには上記の通りであるが、以下に述べる特定の実施態様も含
むことを当業者に理解されるだろう。これらの特定の実施態様を、下記の添付図
と合わせて説明する
図1は、ギ酸ナトリウム中および培地中の化合物1(ビス(3−メチル−2,
4−ペンタンジオネート)(N,N−ビス(2−クロロエチル)エチレンジアミ
ン)コバルト(III)塩化物)(50μM)の放射線分解還元の作用を示す。化合物1
の損失とCo(II)(H2O)6 2+およびDCE(2)の形成を、ここで述べる通りにHP
LCによって測定した。黒の記号は脱酸素溶液を表し、
白の記号は空気で平衡化されている。
図2は、HPLC/生物検定法で証明した場合の脱酸素ギ酸塩溶液中の化合物
1の放射線分解によるDCE(2)の形成を表す。
図3は、ギ酸ナトリウム中の化合物3(N,N−ビス(2−クロロエチル)−
N−メチル−N−[(1−メチル−4−ニトロ−5−イミダゾリル)メチル]ア
ンモニウム塩化物))(50μM)の放射線分解還元の作用を示す。化合物3の損失
と細胞毒性生成物4(HN2)の形成を、ここで述べる通りにHPLCによって
測定した。
図4は、ここで述べる様に、96穴平板中のUV4細胞に対する生物検定法で実
証した通り、100 Gyの線量、無酸素条件下での放射線照射後の3(100 μM、αM
EM 培地中)の溶液の細胞毒性の増加を示す。
標準の4(HN2)の細胞毒性も示す。
図5は、好気的条件(白の記号)または無酸素条件(黒の記号)下での、3の
溶液(αMEM 中100 μM)の細胞毒性の放射線量依存性と放出された細胞毒性エ
フェクター(4、HN2)の推定濃度を示す。放射線照射溶液中の4の濃度は、
ここに述べる方法を使って算出した。
発明の詳細な説明
上記の通り、本発明は、電離放射線を使用して、還元によってRACP化合物
を活性化し、腫瘍内により
毒性の強い種を形成する癌療法(放射線活性化サイトトキシン療法、RACT)
へのアプローチを提供する。活性化メカニズムは次の通りと考えられる:
見て分かるように、水の放射線分解は3ケの一級ラジカル種(アコ化電子eaq -
、水素ラジカルH.及び水酸ラジカルOH)を生成し、その中の、eaq -とHは
強力な還元剤である。これらの放射線−誘発還元物質は、酵素的還元の基質では
なく、そのために、放射線領域外では活性化されない低還元能のプロドラッグを
還元できる。
しかし、水の放射線分解で発生する還元種の収率は、非常に低い(約 0.33
μmol/kg/Gy と同等の還元剤の
総濃度に相当する)。OH が二次的に還元ラジカルを引き起こす(例、飽和炭
素原子からのH の引き抜きを経て)場合、これが理論的上限を0.62μmol/kg/
Gy の総ラジカル収率まで上昇させると思われるが、収率の低さによって、この
メカニズムによって生成できる活性化サイトトキシン量の上限が定まる。
そのため、BD療法に伴う欠点を回避しながら新生物疾患の本治療法において
臨床的に有効であるために、RACP化合物は、多数の普遍的基準を満たさなけ
ればならない。これらの基準は、放射線照射によって活性化されない限り、患者
に低毒性を示す;水の放射線分解によって発生する還元剤によって還元されるこ
とができる (アコ化電子、および/または、水素ラジカル、および/または、O
H から誘導される二次還元ラジカル); 還元時に、十分量のエフェクターを
放出する、という点である。エフェクターの高い細胞毒性力は、エフェクター放
出が低収率であり得ることを代償する助けになるので、普遍的必要条件のうち、
最も重要であると思われる。
これらの一般的基準の他に、RACP化合物が、酵素的還元の効率的な基質で
はないという別の必要条件を満たすことが好ましい。
少なくとも3つの一般的基準を満たすプロドラッグの例は、上述の通りの一般
式I、VI、VII およびVIIIの化合物である。これらの化合物のうち、一般式Iお
よびVIIIのものは新規であるが、一般式VIおよびVIIの化合物は、既知である。
一般式VIおよびVII の既知化合物は、文献中のそれらの調製について述べる方
法のいずれかによって調製できる。例えば、一般式VII の既知化合物は、遊離塩
基のN,N-ビス(2- クロロエチル)-エチレンジアミンを活性炭の存在下でtrans-N
a[Co(Me-acac)2(NO2)2](Me-acac は、3-アルキルペンタン-2,4-ジオネートアニ
オン) と反応させ、陽イオン交換クロマトグラフィーで精製することによって調
製できる(Ware, Palmer,Wilson,Denny,J .Med.Chem., 36: 1839-1846,1
993)。
次の例として、一般式VII の既知化合物は、適当なニトロベンジルクロリドを
CH3CN中、N-メチルジエタノールアミンで処理した後、生じた四級ジオールを室
温、SOCl2でハロゲン化することによって調製できる(Tercel,Wilson,Denny,J .Med,Chem
,36:2578-2579,1993,J .Med.Chem.39:1084-1094,1996)。
一般式Iの新規化合物(うち、R2は、一般式II−Vから選択する)は、適当
な置換型ハロメチル−置換芳香族または複素芳香族化合物を適当な三級脂肪族ア
ミン(R2が一般式IVおよびVのものである一般式Iの化合物に関して)と直接
反応させるか、適当な置換型芳香族または複素芳香族アルデヒドを適当な一級脂
肪族アミンと反応させた後、水素化シアノホウ素ナト
リウムで還元し、最初は水素化シアノホウ素ナトリウム/ホルムアルデヒドで、
次に、テトラフルオロホウ素酸トリメチルオキソニウムなどの活性メチル化剤で
段階的メチル化することによって調製できる(一般式Iの化合物、うち、R2は
、一般式IIおよびIII のものである)。
スキーム1の方法は、R2が一般式IIおよびIII のものである一般式Iの化合
物を調製するのに使用できる:
スキーム1
スキーム2の典型的方法は、R2が一般式IVのものである一般式Iの化合物を
調製するのに使用できる: スキーム3の典型的方法は、R2が一般式Vのそれである一般式Iの化合物の
調製に使用できる。 スキーム4の方法は、一般式VIIIの新規化合物の調製に、一般に使用できる。
スキーム4
スキーム4の出発物質(47として表示)は、一般式VIIIの化合物中のY、Z、
nおよびmの望みの値に応じて変えることができる点は理解される。同様に、T
がCr(III) である一般式 VIII の化合物を望む場合は、Cr(Meacac)2[(OH)2]+
(Abe,Y; Shoji,M.Inorg .Chem.1988,27,986 に従って調製)を試薬とし
てCo(Meacac)3に代用できる。
本発明の治療法で使用するためのRACP化合物は、一般式I、VI、VII の化
合物であっても、一般式VIIIの化合物であっても、経口投与剤や注射剤などの製
剤学的に適切な剤形で投与できる。このような剤形は、従来の製剤学的に受け入
れられるビヒクル、担体や付
形剤を含むことができる。
本発明の好ましい実施態様において、RACP化合物は、注射で投与する。本
発明のこの剤形では、RACPの投与可能な剤形は、無菌、再構成可能、(凍結
乾燥、水溶性)粉末から成っていてもよい。
臨床投与計画は、次の通りに説明できる:
RACP化合物は、適切な用量を患者に投与する。望ましい用量は、約0.01
−100 mg/kg 患者体重の範囲であることが期待される。
臨床的に有用な放射線療法は、どれも、腫瘍中でRACPを活性化するのに使
用できる。例えば、従来の1日分割照射(光子または電子)を使用でき、この場
合、担癌容積に約2−2.5 Gyの線量を、毎日、数週間照射し、総線量を約50 Gy
程度にする。RACPは、照射時にプロドラッグが腫瘍内で最大濃度に達する
ようなタイミングで、各程度量照射の直前に投与する。
酸素の放射線分解消費が、低酸素領域での残存酸素を枯渇させ、これらを完全
に無酸素にするのに十分な速さであるように(電子ビームを使って達成できる)
高線量放射線を使用するのが有利であると思われる。
ここで、次の実施例と関連付けて本発明を説明する。しかし、提示する実施例
が説明のためのみであり、制限するものではないことが、当業者に理解されるだ
ろう。実施例1
一般式VIのコバルト(III) −ナイトロジェンマスタード錯体の電離線
による活性化
コバルト(III) −ナイトロジェンマスタード化合物(1) (一般式VIの例)は
、培養において低酸素哺乳類細胞に対して選択的に毒性を有する生物還元的薬剤
である(Ware,D.C.,Palmer,B.D.,Wllson,W.R.およびDenny,W.A.J .Med.Chem.,36,
1839-1846,1993; Wilson,W.R.,Moselen,J.W.,Cli
lle,S.,Denny,W.A.およびWare,D.C.Int .J.Radlat.Oncol.Biol.Ph ys
.,29,323-327,1994)。生物還元的活性化の提案された機構は、相当する
Co(II)化合物への一電子還元および後者の解離を伴って放出し、それによって
配位されたナイトロジェンマスタード配位子DCE(2)を活性化するが、以下の
通りである。
本実施例は、化合物(1) の還元的活性化が、生物還元系よりも電離線を用いて
達成され得ることを示す。
化合物(1) の溶液(0.1Mギ酸ナトリウム、0.085Mリン酸水素ナトリ
ウム中50μM、8.5%オルトリン酸でpH7.0に調節された)を排気によ
って脱気し、コバルト−60源を用いて50Gy/分の線量率で照射した。生成
物を4−(2−ピリジルアゾ)レソルシノールによる誘導体形成(derivatisatlo
n)後、HPLCで分析して、Co(II)(H2O)6 2+を検出し、ジエチルジチオカ
ルバメート(DDC)による誘導体形成後、DCEを検出した。親錯体の損失な
らびにCo(II)(H2O)6 2+およびDCEの生成は、表1に放射線量の関数とし
て示される。
これらの曲線の最初の傾きは、一電子還元に予想されるものに相当する(ギ酸
塩緩衝液中での還元体の収率=0.62μmol・L-1・Gy-1;このように一
電子還元は、この実験で81Gyの放射線量を必要とする)。この系中での化合
物(1) の消費ならびにDCE(2) およびCo(II)(H2O)6 2+の生成は酸素によ
って抑制される(図1)。照射による化合物(1) からのDCE(2) およびCo(I
I)(H2O)6 2+の放出も培地中で観察された(αMEM)(図1)。
生物検定実験は、化合物(1) の溶液中での細胞毒性活性が、照射によって質的
かつ量的に変化することを証明する。化合物(1) のギ酸ナトリウム溶液を1還元
当量に相当する線量まで照射し、生成物をHPLCで分析した。カラム溶出液を
96穴プレート中で増殖する対数増殖期UV4細胞に対して生物検定した。この
結果は、親錯体に相当する領域での生物活性の損失および保持時間において標準
のDCEに相当する生物活
性の新しいピークの出現を示す(図2)。実施例2
一般式VII の(ニトロイミダゾリル)メチル第4級アンモニウムナイ
トロジェンマスタード誘導体の電離線による活性化
(ニトロイミダゾリル)メチル第4級アンモニウムナイトロジェンマスタード
(3) の電離線による還元的活性化の提案された機構は、細胞毒性種としてのメク
ロロエタミン((4) ,HN2)の放出に至るが、以下に示される。
1,5−ジメチル−4−ニトロイミダゾールおよび二量体(5) の生成は、同様
に同定され、定量されたが、提案された一電子還元経路の正当な標識である。
化合物(3) の溶液(0.1Mギ酸ナトリウム/0.085Mリン酸水素ナトリ
ウム中50μM、pH7.0)をコバルト−60源(約40Gy/分)を用いて
無酸素条件下、線量の範囲で照射し、ジエチルジチオカルバメート(DDC)で
インキュベートし、放出されたNH2を誘導体にし、HPLCで分析した(図3
;値は平均値で、誤差は2つの独立した実験の範囲である)。還元されたプロド
ラッグ1.16モル/発生した放射線分解還元体1モルの化学量論に相当する、
約0.72μM/Gyの初めのG値を伴って、化合物(3)の損失が観察された。
((4) ;HN2)とDDCとの間の付加体が検出され、その同一性は、標準合成
DDC−HN2ジアダクトとの比較(保持時間およびスペクトル)によって確認
された。HN2生成の初めのG値は0.76μM/Gyであり、(1還元当量に
相当する放射線量における)最高収率はプロドラッグの初濃度の91%であった
。上記スキームに一致する他の2つの生成物(1,5−ジメチル−4−ニトロイ
ミダゾールおよび二量体(5) )は、標準化合物との比較によって同定された。こ
れらの生成物によって説明されるメチルイミダゾリルラジカルの合計収率((5)
の収率の2倍+1,5−ジメチル−4−ニトロイミダゾールの収率)は40.6
μM(81%)であった。プロドラッグの損失およびHN2の生成の化学量論が
一単位より僅かに大きいことが観察されることは、CO2 ・-
ラジカルおよび1,5−ジメチル−4−ニトロイミダゾールを発生する、メ
チルイミダゾリルラジカルのギ酸塩による還元のような短いラジカル連鎖反応を
示唆している。この解釈は、(3) が0.1Mブタノール/水中での放射によって
還元され、(4) および(5) を高収率で生じ、一方、1,5−ジメチル−4−ニト
ロイミダゾールは極微量しか存在しなかった別個の実験によって支持された。
無酸素条件下での照射の結果としての(3) の溶液の細胞毒性の増加は、図4で
証明される。この実験で(3) の溶液(αMEM中200μM)を5%CO2/9
5%N2のバブリングによって脱酸素し、直線加速器(100Gy)を用いて4
MeVの電子を照射した。次いで溶液を96穴プレート中で対数増殖期のUV4
細胞に対して滴定した。細胞を好気条件下(CO2インキュベーター、37℃)
で4時間、照射された溶液に晒した。次いで穴を新しい培地で洗浄し、メチレン
ブルーによる染色で細胞密度を決定する前に、細胞をさらに4日間培養した。照
射された溶液の細胞毒性(見かけのIC500.11μM、照射前の(3) の濃度に
基づく)は、未照射の(3) (IC503.0μM)と標準の(4) (IC500.05
5μM)との中間であった。このタイプの実験における見かけのIC50の放射線
量による変化ならびにプロドラッグおよびエフェクターのIC50値との比較を図
5Aに示す。
照射されたプロドラッグの溶液中の細胞毒性エフェクターの濃度を見かけのI
C50から見積もる方法を以下に述べる。この方法を用いて、(3) (αMEM中1
00μM)の照射された溶液中のHN2の濃度を図5Aに示されるIC50値から
見積もった。これらの計算は、見かけのHN2濃度の線量によるほぼ直線的な増
加(図5B)を、無酸素条件下での0.32μM/Gyのエフェクター(G(+
E))の放出のためのG値とともに示す。酸素の存在下での照射(照射の間5%
CO2/95%O2の連続的バブリング)は0.013μM/GyのG(+E)値
を与えた。このことは酸素による効果的な抑制を示す。
ニトロベンジル第4級アンモニウムナイトロジェンマスタード類似体(6-10)(
それぞれ塩化N,N−ビス(2−クロロエチル−N−メチル−N−(2−ニトロ
ベンジル)アンモニウム、塩化N,N−ビス(2−クロロエチル−N−メチル−
N−(3−ニトロベンジル)アンモニウム、塩化N,N−ビス(2−クロロエチ
ル−N−メチル−N−(4−ニトロベンジル)アンモニウム、塩化N,N−ビス
(2−クロロエチル−N−メチル−N−(4−メチルスルホニル)ベンジル)ア
ンモニウムおよび塩化N,N−ビス(2−クロロエチル−N−メチル−N−ベン
ジルアンモニウム)は、そのうちのいくつかが、培養において低酸素細胞に対し
て撰択的毒性を有する既知の生物還元的薬剤であり(Ter
cel,M.,Wilson,W.R.およびDenny,J .Med.Chem.,36,2578-2579,1993
; Denny,W.A.,Wilson,W.R.,Tercel,M.,van Zijl,P.およびPullen
,S.M.,Int .J.Radiat.Oncol.Biol.Phys.,29,317-321,1994)、電離
線に晒すと同様に(4) を放出する。実施例3
式I,VI,VII およびVIIIの種々の化合物からの細胞毒性エフェクタ
ーの放射線分解放出の証明
上記の方法は、表1に示す化合物の溶液の照射による細胞毒性エフェクターの
放出を証明するために使用されてきた。2つの異なる検定法を用いた。
検定法1:ギ酸緩衝液中でのプロドラッグ(50μM)の照射、HPLCによる
生成物の分析
プロドラッグを水に溶解し(典型的には約2mM)、濃度を分光測光により決
定した。この原液を0.1Mギ酸ナトリウム、0.085MのNa2HPO4中で
50μMの最終濃度まで希釈した(8.5%オルトリン酸でpH7.0に調節し
た)。5または10mlの試料をガラス管中で排気して、総線量の範囲(典型的
には20.25、40.5、60.75、81、162および243Gy)まで
ガンマ源(コバルト−60、線量率40〜50Gy/分)を照射した。照射直後
、空気を導入し、試料をHPLCで分析した。脂肪族マスタードエフェクター(2
) (DCE)および(4) (HN2)をHPLCの前に、水中で100mMの原液
(新しく調製した)からジエチルジチオカルバメート
(DDC)を加えることにより、DDCで誘導体を形成し、2.5mMの最終濃
度となった。試料を37℃で30分(4) または90分(2) インキュベートした。
次いで(4) の場合、等しい体積のMeOHを加え、生成物を再溶解した。HPL
C分析では、pH4.5の0.45Mギ酸アンモニウム中でMeCNの適当な直
線の傾きからなる移動相を有するWaters C 18 μ bondapakカラム(8×100
mm)を使用した(流速1.8ml/分)。検出は二極管配列 (dlode array)吸
光度(Hewlett Packard 1040A)で行った。各エフェクターの標準合成品は同定(
保持時間およびスペクトル)および定量の基準として使用した。エフェクター生
成のG値、G(+E)は、放射線量に対するエフェクター濃度のプロットの最初
の傾きから計算した。エフェクター(12)、(37)(DACA)および(46)(AMA
C)は、誘導体を形成することなくHPLCで直接検出するのに十分安定であっ
た。図1および3はこの検定法を例証する。検定法2:プロドラッグの組織培地(αMEM)中での照射、照射された溶液の
UV4細胞に対する生物検定
プロドラッグの溶液を、有機溶媒を用いずに培地(αMEM)中で調製し、濾
過滅菌した。この溶液中のプロドラッグ濃度を分光測光またはHPLCで決定し
た。小さいガラス試験管中の試料(0.5ml)に、18ゲージ針を用いてゴム
セプタムを通して湿った5%CO2/95%N2または5%CO2/95%O2を5
分間(200ml/分)(乱流混合を起こすために)激しく吹き込んだ。針を引
き上げた直後、(Fricke線量計に対して検定された)電荷収集板を用いて、必要
な線量まで試料を照射し(直線加速器を用いて4MeV電子)、実際の放出され
る線量を決定した。95%O2を用いる実験では、放射線分解による酸素の消費
を最小限にするために、ガス抜きを照射の間続けた。ほとんどの実験では、線量
/パルスは約3Gyであり、パルス周波数は約30/分であった。照射された試
料を極低温びん(cryogenic vial)に移し、照射の終りの45秒以内に液体窒素中
で凍結させた。これらの試料は生物検定まで−80℃で貯蔵された。
24時間前に種をまいた96穴プレート中のUV4細胞の対数増殖器の培養を
用いて生物検定を行った(穴当たり5%子ウシ血清を含む50μlaMEM中
300細胞)。薬剤試料を37℃の水浴中で急速に解かし、子ウシ血清を最終濃
度が5%になるまで加え、必要に応じて希釈し、二重反復試験(duplicate) また
は三重反復試験(triplicate)において連続する2または3倍の希釈を用いて96
穴プレートを横切って滴定した。融解と滴定の間の経過時間は10分未満であっ
た。プレートを好気条件下(5%CO2インキュベーター)37℃で4時間イン
キュベートし、穴を新しい培地で3回洗浄し、細胞を5%FCSを用いて150
μlaMEM中でさらに4日間増殖させた。細胞をメチレンブルーまたはスホル
ホダミン(suphorhodamine)Bで染色し、吸光度をプレートリーダーを用いて決定
した。同じプレート上で吸光度をコントロールの50%に低下させるのに必要な
薬剤濃度としてIC50値を計算した。照射された溶液のIC50をプロドラッグの
開始濃度について表した(例えば未照射のプロドラッグのIC50が10μMで、
見かけの細胞毒性が照射後10倍増加したならば、得られたIC50を1μMと記
述した)。
下記のコントロールを各生物検定実験でインキュベートした:
1.生物検定の直前に新しく溶解、または凍結した原液から希釈したプロドラッ
グ。
2.照射された試料と同様にガスが吹き込まれ、かつ処理されていた(凍結され
かつ融解されていた)未照
射のプロドラッグ。
3.生物検定の直前に新しく溶解、またはその中で安定であることが知られてい
る凍結した原液から希釈したエフェクター。
4.αMEM中に希釈し、すぐに液体N2中で凍結させたエフェクター。
コントロール1および2、または3および4の間には一貫した相異はなく、試
験した化合物はいずれも凍結および融解の間、重大な化合物の損失がなく、かつ
ギ酸塩緩衝液中で重大な非放射線分解活性化がないことを示した。
照射された薬剤溶液中のエフェクターの濃度[E]を下記の関係式を用いて、
照射された混合物の見かけのIC50、すなわちIC50,M(ここで濃度をプロド
ラッグの初濃度について表す)から計算した:
式中IC50,Eは標準エフェクターのIC50値であり、IC50,Pは(未照射の
)プロドラッグのIC50であり、かつ[P0]は照射された溶液中のプロドラッ
グの初濃度である。
上記の関係式の誘導から、エフェクターの細胞毒性がプロドラッグによって修
飾されず、かつプロドラッ
グ自体の毒性が重要であるとき(低い放射線量でプロドラッグのエフェクターへ
の低い割合の転換しか起こらなかったとき)、結合した毒性に加成性があるとい
う仮定が生じる。特に我々は、プロドラッグ濃度がエフェクターの等価な濃度と
して表され得ると仮定する。上記の式は、エフェクター生成の化学量論(生成し
たエフェクターのモル/減少したプロドラッグのモル)が一単位であることも仮
定する。図5はエフェクターの収率を見積もるための上記の式の使用を証明する
。検定法の解釈
上記の検定法は異なった情報を与える。検定法1は、プロドラッグが放射によ
って還元されるとき、目的のエフェクターがプロドラッグから放出されるかどう
かを確証する。検定法2は、照射に続いてプロドラッグ溶液の細胞毒性がどの程
度増加するかを試験する。このことは、(検定法1によって測定されたように)
還元されたプロドラッグからのエフェクター放出の効率に依存するであろう。し
かしながらこのことは、培地中の捕捉種の存在下、放射によるプロドラッグ還元
の効率、およびプロドラッグとエフェクターとの間の細胞毒性効力の相異にも依
存するであろう。
検定法2において、照射された溶液中の細胞毒性エフェクターの濃度は、溶液
の測定されたIC50から計算され得る。ただし、一定の仮定に出会い(上記参照
)、従ってエフェクター放出のG値(G(+E))は計
算され得る。しかしながら、プロドラッグ還元の効率が培地中の競争する電子受
容体によって減少しなくても、G値が培地中で、酸化OH・ラジカルが定量的に
還元CO2 ・-ラジカルに転換されるギ酸塩中より低くなることが予想されること
に注目すべきである。OHは水中での一次ラジカル収率の約半分を表すので、(
OH・が培地中の成分と反応して還元ラジカルを生じないならば)培地中の放射
線分解で発生した還元体の理論収率は、ギ酸塩中の約半分である。
好ましいRACPを同定する際に、我々は高いG(+E)値および低いIC50
,E値を有する化合物を探し求める。理想的には、プロドラッグの放射線分解活
性化は、臨床的に適切な2Gyの放射線量を用いて、IC50,Eに比べて高いエ
フェクター濃度を与えるべきである。我々は比R2をこのように計算する。
ここでR2=[E]2/(IC50,E)
および[E]2はG(+E)から計算される、2Gyにおけるエフェクター濃度
である。
我々は、プロドラッグの還元等価体を競争的に捕捉する能力がプロドラッグ濃
度と共に増加することが予想されるので、捕捉剤が存在するとき、G(+E)が
プロドラッグ濃度に無関係でなさそうであることに注目する。このように、2つ
のプロドラッグが、同じ機構によって同じエフェクターを放出するが、(照射な
しで)異なるIC50値を有するならば、より毒性の低
い類似体が生物系においてより高いプロドラッグ濃度の使用を許し、かつより高
いプロドラッグ/エフェクター毒性の差と同様に、細胞内でより高いG(+E)
を与えることが期待されるであろう。このように、高いR2値を有するプロドラ
ッグの探求に加えて、我々は高いIC50,P値を有するプロドラッグも探し求め
る。結果
上記2つの検定法の結果を表1にまとめる。プロドラッグおよびエフェクター
のIC50値をUV4およびSKOV3細胞系に対して決定した。UV4細胞系は
DNAアルキル化剤に過敏であり(Hoyら、Mutation Research ,130: 321-332,
(1984))、一方、SKOV3細胞系(ヒトの卵巣癌に由来する)はその感受性を
より象徴していると考えられる。従って、SKOV3細胞系にとって最も重要な
選別(screening) パラメータはIC50,PおよびR2である。 脚注:a
図1〜3およびスキーム1〜4に示す構造式。b
示されたエフェクターの同一性を標準(合成)品とのHPLCの保持時間およ
び吸光スペクトルの比較によってギ酸緩衝液中での放射性分解(検定法1)の生
成物として確認した。c
エフェクターの収率。d
検定法1:ギ酸ナトリウム中での放射性分解還元、エフェクター生成のHPL
Cによる分析。詳細は本文参照。2つの値が示してある場合、これらは別々の実
験からのものである。e
検定法2:αMEM中での放射性分解還元、UV4細胞に対する生物検定法に
よって見積もられたエフェクター生成。詳細は本文参照。誤差が示してある場合
、値は別々の実験の平均値およびsemである(同じ照射された溶液の反復した
生物検定法を別々の実験として数えない)。括弧内の値は照射された溶液中のプ
ロドラッグの濃度である。f
示された細胞系に対する未照射プロドラッグのIC50゜好気条件下で薬剤を4時
間晒した。値は別々の実験の平均値±SEMである。g
示された細胞系に対する(カラム2で同定された)標準エフェクターのIC50゜
好気条件下で薬剤を4時間晒した。値は別々の実験の平均値±SEMである。h
[E]2/(IC50,E)、式中[E]2は2Gy
でのエフェクター濃度であり、αMEM中のG(+E)から計算された(検定法
2)。i
−線量のみで照射された(81Gy)。実施例4a
一般式Iの3−(クロロメチル)−6−[N,N−ジメチル−N−
(4−ニトロベンジル)−アンモニオ]−1−[(5´,6´,7´−トリメト
キシインドール−2´−イル)カルボニル]インドリン塩化物(化合物13)のス
キーム1に示された方法による調製
6−アミノ−3−(クロロメチル)−1−[(5´,6´,7´−トリメトキ
シインドール−2´−イル)カルボニル]インドリン(32)[調製については実施
例8を参照](464mg、1.12mmol)、4−ニトロベンズアルデヒド
(202mg)1.34mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物(21m
g、0.1mmol)の混合物をベンゼン(30ml)中で加熱還流して、15
分以上かけてベンゼンの大部分を留去した。残りの混合物を蒸発乾固し、残渣を
THF(30ml)およびMeOH(10ml)に溶解した。水素化シアノホウ
素ナトリウム(0.14g)2.23mmol)、次いで2N HCl(0.3
ml)を加え、混合物を20℃で25分間攪拌し、次いで蒸発させた。残渣を食
塩水で希釈し、EtOAcで抽出(×2)し、抽出物を乾燥(Na2SO4)し、
蒸発させた。乾式カラムクロマトグラフィーでEtOAc
/石油エーテル(2:3)で溶出して3−(クロロメチル)−6−[N−(4−
ニトロベンジル)アミノ]−1−[(5´,6´,7´−トリメトキシインドー
ル−2´−イル)カルボニル]インドリン(33)を黄色がかった橙色オイルとして
得た(545mg、89%)。1
H NMR(CDCl3)δ 9.56(s,1 H,インドールNH),8.15(d,J = 8.7 Hz
,2 H,NO2に対してo ArH),7.77(d,J = 1.8 Hz,1 H,H-7),7.50(d
,J = 8.7 Hz,2 H,NO2に対してm ArH),7.02(d,J = 8.2 Hz,1 H,H-4
),6.94(d,J = 2.4Hz,1 H,H-3´),6.85(s,1 H,H-4′),6.26(d
d,J = 8.2,2.2 Hz,1 H,H-5),4.63-4.56(m,1 H,H-2),4.48(s,
2 H,NCH2Ar),4.42(dd,J = 10.8,4.2 Hz,1 H,H-2),4.05(s,3 H,
OCH3),3.93(s,3 H,OCH3),3.90(s,3 H,OCH3),3.78-3.69(m,2
H,CHCH2 Cl),3.54-3.46(m,1 H,CHCH2Cl);13C NMR δ 160.3(CO),
150.1,148.3,147.2,147.1,144.8,140.5,138.8,129.9,125.5,
123.6,120.6(芳香族C),127.7,123.8(NO2に対してo,m),124.7,108
.5,106.4,103.1,97.6(C-4,5,7,3′,4′),61.5,61.1,56.2(
3 x OCH3),54.8(C-2),47.5,47.3(CH2Cl,NCH2Ar),43.1(C-3).MS
(DEI,35Cl)m/z 550(50%,M+),234(100%); HRMS(FAB)calcd.for C2 8
H27ClN4O6(M + H)551.1697,found 551.1690
水素化シアノホウ素ナトリウム(0.12g)1.9mmol)、次いで2N
HCl(1.0ml)を上記インドリン(33)(545mg、0.96mmol
)およびホルムアルデヒド(40%w/v水溶液の0.87ml、12mmol
)のTHF(20ml)およびMeOH(15ml)溶液に加え、混合物を20
℃で50分間攪拌した。混合物をNaHCO3水溶液で希釈し、EtOAcで抽
出(×2)し、抽出物を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。乾式シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーでEtOAc/石油エーテル(2:3)で溶出して3−
(クロロメチル)−6−[N−メチル−N−(4−ニトロベンジル)アミノ]−
1−[(5´,6´,7´−トリメトキシインドール−2´−イル)カルボニル
]インドリン(34)を黄色がかった橙色オイルとして得た(348mg、62%)
。試料を黄色針状晶としてEtOAc−Et2Oから結晶化した。
mp 178-179℃.1H NMR(CDCl3)δ 9.46(s,1 H,インドール NH),8.16(d
,j = 8.7 Hz,2 H,NO2に対してo ArH),7.88(d,J = 1.7 Hz,1 H,H-7
),7.39(d,J = 8.7 Hz,2 H,NO2に対してm ArH),7.09 (d,J = 8.4H
z,1 H,H-4),6.95(d,J=2.3Hz, 1 H,H-3′),6.86(s,1 H,H-4′
),6.41(dd,J =8.4,2.5 Hz,1 H,H-5),4.66(s,2 H,NCH2Ar),4
.61(dd,J = 10.8,8.7 Hz,1 H,H-2),4.44(dd,J = 10.8,4.2 Hz
,1 H,H-2),4.04(s,3 H,OCH3),3.93(s,3 H,OCH3),3.90(s,3
H,OCH3),3.81-3.72(m,2 H,CHCH2Cl),3.56-3.48(m,1 H,CHCH2Cl
),3.11(s,3 H,NCH3);13C NMR δ 160.3(CO),150.1,150.0,147
.1,146.8,145.0,140.5,138.8,129.9,125.5,123.6,119.8(芳
香族 C), 127.4,123.9(NO2に対してo,m),124.6,108.4,106.5,102
.4,97.6(C-4,5,7,3′,4′),61.5,61.1,56.3(3 x OCH3),56.6(N
CH2Ar),54.9(C-2),47.3(CH2Cl),43.0(C-3),39.3(NCH3).Anal
.Calculated for C29H29ClN4O6:C,61.7; H,5.2; N,9.9.Found: C,61
.9; H,5.4; N,9.8%.
トリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.21ml、1.9mmol)およ
び2,6−ジ−t−ブチルピリジン(0.42ml、1.9mmol)を上記イ
ンドリン(34)(352mg、0.62mmol)の無水CH2Cl2(6ml)溶
液に加え、混合物を20℃で3日間放置し、次いで蒸発させた。残渣をCH2C
l2に溶解し、水で洗浄(×2)し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。Et2
Oによる摩砕(×5)によって残りの全てのジ−t−ブチルピリジンを除去した
。生じた淡黄色の粉末をMeOH(5ml)および水(2.5ml)に溶解し、
塩化物型のBiorad AGl-X4イオン交換樹脂(10g)のカラムに通し、Me
OH−H2O(2:1、20ml)で溶出した。溶出液を蒸発させ、残渣をCH2
Cl2に溶解し、乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。EtOAc−Et2O、次
いでEtOAc−CH2Cl2による摩砕によって3−(クロロメチル)−6−[
N,N−ジメチル−N−(4−ニトロベンジル)−アンモニオ]−1−[(5´
,6´,7´−トリメトキシインドール−2´−イル)カルボニル]インドリン
塩化物(化合物13)を淡黄色固体として得た(126mg、33%)。
mp 124-125℃.1HNMR[(CD3)2SO]δ 11.56(d, J = 1.7 Hz,1 H,インド
ール NH),8.53(s,1 H,H-7),8.20(d,J = 8.8Hz,2 H,NO2に対してo
ArH),7.70(s,2 H,H-4,5),7.48(d,J = 8.8 Hz,2H,NO2に対してm
ArH),7.12(d,J = 2.1 Hz,1 H,H-3′),6.96(s,1 H,H-4′),5.2
9(s,2H,NCH2Ar),4.82-4.74(m,1 H,H-2),4.41(dd,J = 10.8,4
.4 Hz,1 H,H-2),4.12-4.02(m,3 H,CHCH2Cl),3.92(s,3 H,OCH3
),3.82(s,3 H,OCH3), 3.79(s,3 H,OCH3),3.68(s,6 H,NMe2)
;C NMR δ 160.6(CO),149.2,148.4,145.0,144.2, 140.2,139.0
,135.1,134.5,130.0,129.9,123.1(芳香族 C),134.0,123.4(NO2
に対してo,m),125.7,117.2,109.7,106.9,98.0(C-4,5,7,3′,
4′),70.1(NCH2Ar),61.0,60.9,55.9(3 x OCH3),54,3(C-2),5
3.1,52.8(NMe2),47.3(CH2Cl),4
1.5(C-3).Anal.Calculated for C30H32Cl2N4O6.H2O: C,56.9; H,5.4;
N,8.8.Found: C,57.2; H,5.4; N,8.9%.実施例4b
一般式Iの3−(クロロメチル)−6−[N,N−ジメチル−N−
(2−ニトロベンジル)−アンモニオ]−1−[(5´,6´,7´−トリメト
キシインドール−2´−イル)カルボニル]インドリン塩化物(化合物14)のス
キーム1に示された方法による調製
(32)と2−ニトロベンズアルデヒドとの同様な反応により、3−(クロロメチ
ル)−6−[N−(2−ニトロベンジル)アミノ]−1−[(5´,6´,7´
−トリメトキシインドール−2´−イル)カルボニル]インドリン(35)を黄色
オイルとして得た(72%)。
1H NMR(CDCl3)δ 9.45(s,1 H,インドール NH),8.07(dd,J = 8.2
,1.2 Hz,1 H,NO2に対してoArH),7.78(d,J = 1.8 Hz,1 H,H-7),7
.68(dd,J = 7.7,0.9 Hz,1 H,ArH),7.57(td,J = 7.5,1.3 Hz,1
H,ArH),7.41(td,J = 7.7,1.4 Hz,1 H,ArH),7.00(d,J = 8.3
Hz,1 H,H-4),6.94(d,J = 2.4 Hz,1 H,H-3′),6.85(s,1 H,H-4
′),6.23(dd,J = 8.3,2.2 Hz,1 H,H-5),4.75(s,2H,NCH2Ar),
4.62-4.55(m,1 H,H-2),4.42(dd,J = 10.7,4.2 Hz,1 H,H-2),4
.07(s,3 H,OCH3),3.94(s,3 H,OCH3),3.90(s,3 H,OCH3),
3.78-3.68(m,2 H,CHCH2Cl),3.53-3.44(m,1 H,CHCH2Cl):13C NMR
δ 160.2(CO),150.1,148.4,148.2,144.8,140.5,138.8,135.4
,129.9,125.4,123.6,120.5(芳香族 C),133.7,130.0,128.1,12
5.2,124.7,108.3,106.4,103.1,97.6(芳香族 CH),61.5,61.1,
56.3(3 x OCH3),54.8(C-2), 47.3(CH2Cl),45.8(NCH2Ar),43.1
(C-3).MS(DEI,35Cl)m/z 550(50%,M+),234(100%); HRMS(FAB)cal
cd.for C28H27ClN4O6(M + H)551.1697,found 551.1690.
上記インドリン(35)と水素化シアノホウ素ナトリウムおよびホルムアルデヒド
との上記のような反応により、3−(クロロメチル)−6−[N−メチル−N−
(2−ニトロベンジル)アミノ]−1−[(5´,6´,7´−トリメトキシイ
ンドール−2´−イル)カルボニル]インドリン(36)を橙色オイルとして得た(
72%)。
1H NMR(CDCl3)δ9.41(s,1 H,インドール NH),8.14(dd,J = 8.1
,1.2 Hz,1 H,NO2に対してoArH),7.88(d,J = 2.0 Hz,1 H,H-7),7
.56(td,J = 7.5,1.2 Hz,1 H,NO2に対してp ArH),7.45-7.67(m,2H
,ArH),7.06(d,J = 8.4 Hz,1 H,H-4),6.95(d,J = 2.3 Hz,1 H,
H-3′),6.86(s,1H,H-4′),6.32(dd,J = 8.4,2.5 Hz,1 H,H-5)
,4.95(s,2 H,NCH 2 Ar),4.61(dd,J = 10.8,8.7
Hz,1 H,H-2),4.44(dd,J = 10.8,4.2 Hz,1 H, H-2),4.05(s,3
H,OCH3),3.93(s,3 H,OCH3),3.90(s,3 H,OCH3),3.80-3.72(m
,2 H,CHCH2Cl),3.55-3.47(m,1 H,CHCH2Cl),3.12(s,3H,NCH3);13
C NMR δ 165.8(CO),150.1,150.0,148.1,145.0,141.0,140.5
,138.8,135.1,129.9, 123.6,119.5(芳香族C),133.9,128.5,12
7.8,125.5,124.6,108.1,106.4,101.9,97.6(芳香族CH),61.5,
61.1,56.3(3 x OCH3),55.2,54.9(NCH2Ar,C-2),47.3(CH2Cl),4
3.1(C-3),39,1(NCH3).MS(DEI,35Cl)m/z 564(30%,M+),429( 60%
,M - C7H5NO2),234(100%);HRMS calcd. for C29H29CIN4O6564.17756,f
ound 564.17897
上記インドリン(36)とトリフルオロメタンスルホン酸メチルおよび2,6−ジ
−t−ブチルピリジンとの上記のような反応、およびイオン交換クロマトグラフ
ィー、続いて熱CH2Cl2による摩砕により、3−(クロロメチル)−6−[N
,N−ジメチル−N−(2−ニトロベンジル)アンモニオ]−1−[(5´,6
´,7´−トリメトキシインドール−2´−イル)カルボニル]インドリン塩化
物(化合物14)を灰色がかった白色固体として得た(28%)。
mp 105-106℃ 1HNM[(CD3)2SO]δ11.56(d,J = 2 Hz,1 H,インドールNH
),8.52(s,1 H,H-7),
7.98-7.93(m,1 H,ArH),7.79-7.74(m,2 H,ArH),7.62(d,J = 8
.6 Hz,1 H,H-4),7.52-7.47(m,2 H,ArH),7.11(d,J = 2.1 Hz,1
H,H-3′),6.96(s,1 H,H-4′),5.44(s,2 H,NCH2Ar),4.76(dd
,J = 10.4,9.4 Hz,1 H,H-2),4.41(dd,J =10.8,4.6 Hz, 1 H,H-
2),4.09-3.96(m,3 H,CHCH 2 Cl),3.91(s,3 H,OCH3 ),3.82(s
,3 H,OCH3),3.79(s,3 H,OCH3),3.67(s,6 H,NMe2).Anal.Calcu
lated for C30H32Cl2N4O6.3H2O: 53.8; H,5.7; N,8.4.Found: C,54.1;
H,5.5; N,8.3%.実施例4c
一般式Iの3−(クロロメチル)−6−[N,N−ジメチル−N−
(4−ニトロベンジル)−アンモニオ]−1−(メタンスルホニル)インドリン
塩化物(化合物11)のスキーム1に示された方法による調製
6−アミノ−3−(クロロメチル)−1−(メタンスルホニル)インドリン(2
9)[Tercel,M.,Denny,W.A.およびWilson,W.R.,Bioorg.Med.Chem.L
ett.,1996、印刷中](73mg、0.28mmol)、4−ニトロベンズア
ルデヒド(51mg、0.34mmol)およびトルエンスルホン酸一水和物(
5mg、0.3mmol)の混合物をベンゼン(30ml)中で加熱還流して、
40分以上かけてベンゼンの大部分をゆっくり留去した。残りの橙色がかった茶
色の溶液
を蒸発乾固し、残渣をMeOH(20ml)に懸濁した。水素化シアノホウ素ナ
トリウム(35mg、0.56mmol)、次いで2N HCl(0.5ml)
を加え、混合物を20℃で40分間攪拌し、次いで蒸発させた。残渣を水で希釈
し、EtOAcで抽出(×2)し、抽出物を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた
。乾式カラムクロマトグラフィーでEtOAc/石油エーテル(1:2)で溶出
して3−(クロロメチル)−1−(メタンスルホニル)−6−[(4−ニトロベ
ンジル)アミノ]インドリン(30)を黄色オイルとして得た(96mg、87%)
。
1H NMR(CDCl3)a 8.19(d,J = 8.8 Hz,2 H,NO2に対してo ArH),7.52
(d,J = 8.8 Hz,2 H,NO2に対してm ArH),7.00(d,J = 8.2 Hz,1 H,H
-4),6.73(d,J = 2.2 Hz,1 H,H-7),6.22(dd,J = 8.2,2.2 Hz,1
H,H-5),4.47(s,2 H,NCH2Ar),4.03(dd,J = 10.8,8.8 Hz,1 H,
CHHN),3.92(dd,J = 10.8,4.6 Hz,1 H,CHHN),3.69(dd,J = 10.4
,4.1 Hz,1 H,CHHCl),3.67-3.60(m,1H,H-3),3.53(dd,J = 10.4
,7.9 Hz,1 H,CHHCl),2.83(s,3 H,NSO2CH3).13C NMR a 148.7,147
.2,146.8,143.4,119.9(C-6,8,9,1,4),127.8,123.9(C-2およ
び6,3および 5),125.7,107.9,98.6(C-4,5,7),54.6(C-2),47.
5,46.8(CH2Cl,NCH2Ar),41.9(C-3),34.5(SO2CH3).MS(DEI,35
Cl) m/z 395(35%,M+),346(100%,M−CH2Cl): HRMS calcd.for C17 H18
ClN 3 O 4 S 395.07066,found 395.06880.
水素化シアノホウ素ナトリウム(40mg、0.64mmol)、次いで2N
HCl(0.5ml)を(30)(96mg、0.24mmol)およびホルムア
ルデヒド(40%w/v水溶液の0.18ml、2.4mmol)のMeOH(
15ml)およびTHF(5ml)溶液に加え、混合物を20℃で45分間攪拌
した。溶媒を蒸発させ、残渣を水で希釈し、CH2Cl2で抽出(×2)し、抽出
物を乾燥(Na2SO4)し、蒸発させた。乾式カラムクロマトグラフィー(1:
2のEtOAc:石油エーテルで溶出)により3−(クロロメチル)−1−(メ
タンスルホニル)−6−[N−メチル−N−(4−ニトロベンジル)アミノ]イ
ンドリン(31)を得た(73mg、73%)。
mp(ベンゼン−石油エーテル)138-139℃.1H NMR(CDCl3)a8.18(d,J=8.8
Hz,2H,N02に対してo ArH),7.39(d,J = 8.8Hz,2 H,N02に対してm ArH
),7.05(d,J = 8.4Hz,1 H,H-4),6.82(d,J = 2.4Hz,1 H,H-7),
6.35(dd,J = 8.4,2.4 Hz,1 H,H-5),4.63(s,2 H,NCH2Ar),4.04
(dd,J = 10.8,8.8 Hz,1 H,CHHN),3.93(dd,J = 10.8,4.7Hz,1 H
,CHHN),3.71(dd,J = 10.4,4.1 Hz,1 H,CHHCl),3.68-3.61(m,1
H,H-3),3.55
(dd,J = 10.4,7.8 Hz,1 H,CHHCl),3,11 (s,3H,NCH3),2.81(s
,3H,NS02 CH3).13C NMR a150.3,147.1,146.5,143.5,118.9(C−6
,8,9,1,4),127.4,123.9(C-2および6,3および5),125.5,107.7,
97.9(C-4,5,7),56.5,54.7(C-2,NCH2Ar),46.9(CH2 Cl),41.8
(C-3),39.5(NCH3),34.5( S02 CH3 ).Anal.Calculated for C18 H20
CIN3 04 S):C,52.8;H,4.9;N,10.3;Cl,8.7.Found:C,52.6:H,5.
1:N,10.1:Cl, 8.9%.
(31)(79mg、0.19mmol)とテトラフルオロホウ素酸トリメチル
オキソニウム(105mg)0.71mmo1)の混合物をCH2Cl2 (5m
l)中で密栓し、20℃で4日間攪拌した。水を加え、油状固体の大部分が溶解
するまで混合物を攪拌した。分離された有機層を乾燥(Na2SO4)し、蒸発さ
せ、乾式カラムクロマトグラフィーでEtOAc/石油エーテル(1:2)で溶
出して回収された原料を得た(24mg、30%)。水相を残りの油状固体と一
緒にして、蒸発させ、残渣をMeOHで抽出した。生じた未精製のアンモニウム
塩をDowex 50 WX8樹脂(1.5ml)上でのイオン交換クロマトグラフィーによ
り塩化物型に転換した。試料をMeOH:水(1:1)中で充填し、溶出液が中
性になるまで洗浄し、次いで1:1MeOH:2N HCl(10ml)で、続
いてMeOH/4N HCl(1:1)(10m1)で
溶出した。合わせた溶出液を蒸発させ、3−(クロロメチル)−6−[N,N−
ジメチル−N−(4−ニトロベンジル)−アンモニオ]−1−(メタンスルホニ
ル)インドリン塩化物(11)を白色泡として得た(87mg)。
1H NMR ( CD3 0D) a 8.17(d, J= 8.2Hz, 2H,ArH),7.63(br d,J
= 8.3 Hz,1 H,H-4または5),7.57(br d, J = 8.3Hz,1 H,H-4または5
),7.51(s,1 H,H-7),7.41(d,J = 8.2 Hz,2 H,ArH),5.22(s,2
H,NCH2Ar),4.32-4.25(m,1 H,4.06-4.01(m,2 H),3.96-3.93(m
,2 H),3.75(s,6 H,NMe2),3.02(s,3H,NS02CH3).13C NMR a 150.
7,146.0,145.8,136.1,135.7(C-6,8,9,1,4),135.3,124.8(C-
2および6,3および5),128.2,117.9, 107.6 (C-4,5,7),73.1(NC
H2Ar),55.3(C-2),54.6(NMe2),47.8(CH2Cl),42.8(C-3),36.4
(S02CH3).実施例5a
. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-[N-(アクリジン-4
-イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-4-ニトロベンジルアンモニウ
ム臭化物(化合物15)の調製。
N-[(ジメチルアミノ)エチル] アクリジン-4-カルボキシアミド(DACA)
(37)の遊離塩基[Atwell,Rewcastle, Baguley and Denny, J .Med.Chem
.,30「664-669, 1987](1.13 g) 3.86 mmol )と臭化4-ニトロベンジル(
1.84 g、 8.50 mmol )の無水ベンゼン(100 ml)中の混合物を還流下に19時
間加熱し、次に冷却した。得られた沈澱物をろ別し、ジクロロメタンで数回洗浄
して2-[N-(アクリジン-4-イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-4-ニ
トロベンジルアンモニウム臭化物(化合物15)(2.0g、100%)を得た。
mp 170-172℃(dec.). 1H NMR[(CD3)2S0] d 11.63(t,J = 5.8Hz
,1H,D2O と交換し得る,NH),9.38(s,1 H,H-9), 8.77(dd,J = 7
.1,1.5 Hz,1H,H-3),8.45(dd,J = 8.4,1.5Hz,1 H,H−1),8.4
2(dd,J = 8.8,1.0 Hz,1 H,H-5),8.38(br d,J = 8.7Hz,2 H,フ
ェニル H),8.28(dd,J = 8.3,1.0Hz,1 H,H-8),7.90(ddd,J = 8.
8,6.6,1.0 Hz,1 H,H-6),7.95(br d,J=8.7 Hz,2 H,フェニル,7.
80(dd,J = 8.4,7.1 Hz,1 H,H-2),7.74(ddd,J = 8.3,6.6,1.0
Hz,1 H,H-7),4.8
9(s,2 H,CH2),4.17(q,D2O後t になる,J = 6.4 Hz,2 H,NHCH2),3
.74(t,J = 6,4 Hz,2H,NHCH2CH2),3.21(s,6 H,CH3).Anal.Calcul
ated for *CRL7459.実施例5b
. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-[N-(アクリジン-4
-イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)−(5-ニトロ-2-チエニル)メ
チンモニウム塩化物(化合物16)の調製。
DACA(37) (0.21 g、 0.70 mmol)の遊離塩基と2-クロロメチル -5- ニト
ロチオフェン[Newcombe P. J.and Norris R. K. Aust. J. Chem.1979,
32,2647-58](0.12 g、 0.67 mmol)のベンゼン(20 ml)中の混合物を還流
温度で53時間攪拌した。混合物を室温まで冷却して2-[N-(アクリジン -4- イル
)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-(5- ニトロ -2- チエニル)メチル
アンモニウム塩化物(化合物16) (0.27 g、86 %)を得て、これを集めてCH2
CH2で洗浄した。
mp 180-182℃(dec.)1H NMR [(CD3)2S0]δ 11.64(t,J = 6.0 Hz,1
H,D20と交換し得る,NH),9.38(s,1 H,H-9),8,76(dd,J = 7.0,1.
4 Hz,1H,H-3),8.46(d,J = 8.0 Hz,1 H,H-5),8.44(dd,J = 8.O
,1.4Hz,1 H,H-1),8.27(br s,J = 8.0 Hz,1 H,H-8),8.22(d,J
= 4.2Hz,チエニル H-4),8.00(td,J = 8.0,1.0 Hz,1 H,H-6),7.
80(dd,J = 8.0,7.0 Hz,1 H,H-2),7.74(t,J = 8.0
Hz,1 H,H-7),7.63(d,J = 4.2 Hz,チエニル H-3),5.12(s,2 H,チ
エニル- CH2),4,16(q,J = 6.0 Hz,2 H,D2 0後 t になる,NHCH2),3.
77(t,J = 6.0 Hz,2 H,NHCH2CH2),3.27(s,6 H,CH3).Anal.Calcula
ted for C23H23ClN403S: C,58.7; H,4.9; N,11.9; C1,7.5.Found;
C,58.2; H,5.3;N,11.5;Cl,7.6%.実施例5c
. スキーム2 に概説された方法による一般式Iの2-[N-(9-アミノ -5
- メチルアクリジン -4- イル)カルボニル]アミノエチルー(ジメチル) -4-
ニトロベンジルアンモニウム臭化物(化合物17)の調製。
(N,N- ジメチルアミノエチル)-9-アミノ -5- メチルアクリジン -4- カル
ボキシアミド(AMAC)(38)の遊離塩基(調製についてはRewacastle,Atwell,
Chambers, Baguley and Denny, J .Med. Chem.,29, 472-477, 1986
を参照されたい)と無水ベンゼン中の臭化4-ニトロベンジルとの(実施例5aの方
法を用いる)反応により2-[N-(9-アミノ -5- メチルアクリジン -4- イル)カ
ルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-4-ニトロベンジルアンモニウム臭化物(
化合物17)が95% の収率で得られた。
mp 197-199℃(dec.).1H NMR [(CD3)2S0)]δ 12.95(t,J = 6.0Hz,
1 H,D2Oと交換し得る,CONH),4.10(br q,D20 後t になる,J = 7.0 Hz
,2 H,CONHCH2),3.66(t,J = 7.0 Hz,2 H,CONHCH2
CH2),8.66(d,J = 7.5 Hz,2 H,H-1,3),8.37(br d,J = 8.8 Hz,2
H,ArH),8.33(d,J = 8.6 Hz,1 H,H-8),8.23(br s,2 H,D20と交換
し得る,NH2),7.93(br s,J = 8.8 Hz,2 H,ArH),7.69 (d,J = 6.
7 Hz,1 H,H-6),7.47(t,J = 7.5 Hz,1H,H-2),7.32(dd,J = 8.6
,6.7 Hz,1 H,H-7),4.83(s,2 H,ArCH2),3.15(s,6 H,NCH3),2.
74(s,3 H,ArCH3).Anal.Calcd.for C26H28BrN5 0 3 .H2 0: C,56.1; H
,5.4; N,12.6. Found: C,56.6 H, 5.4,N, 12,4%.
実施例5d. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-[N-(9-アミノ -
5- メチルアクリジン -4- イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-2-ニ
トロベンジルアンモニウム塩化物(化合物18)の調製。
AMAC(38)(0.15 g、 0.47 mmol)と塩化2-ニトロベンジル(0.19 g) 1
.12 mmol)のMeCN(10 ml )中の混合物を3日間還流下に攪拌した。次に、この
混合物を室温まで冷却して、オレンジ色の固体をろ別し、CH2 Cl2で洗浄し、乾
燥して、純粋な(HPLCで98% の)2-[N-(9-アミノ -5- メチルアクリジン -4-
イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-2-ニトロベンジルアンモニウム
塩化物(化合物18)(0.22 g、 94%)が得られた。mp 264-266℃。MeOH/Et 2 0
またはMeOH/EtOAcから再結晶を繰り返すことにより、純度99+%の物質を得た
。1H NMR[(CD3) 2 S0]δ12.94(t, J = 6.0Hz,1H,D2Oと交換し得る,C
ONH),8.69-7.31(m,10 H,ArH),8.25(s,2 H,D2 0と交換し得る,NH2
),5.05(s,2 H,べンジル CH 2 ),4.07(br q,J = 6.0 Hz,2 H,D 2 0
後t になる,J = 6.9Hz,CONH CH 2),3.74(t,J = 6.9Hz,2 H,CONHCH2
CH2),3.12(s,6 H,NCH3),2.74(s,3 H,CH3).Anal. Calculated for
C26 H28 ClN5 03:C,63.2:H,5.7;N,14.2;Cl,7.2.Found C, 63.3; H,
5.5;N, 14.4; Cl, 7.5%.
実施例5e. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-[N-(9-アミノ -5-
メチルアクリジン -4- イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-5-ニト
ロ-2- チエニルメチルアンモニウム塩化物(化合物19)の調製。
[上記SN 26208の調製で記載されたように]16時間の還流下にAMAC(38)(0
.16 g、 0.50 mmol)と2-クロロメチル -5- ニトロチオフェン[調製について
はNewcombe,P.J.and Norris, R.K.Aust.J.Chem.1979,32,2647-2658を
参照されたい](0.18 g、1.00mmol )との反応により2-[N-(9-アミノ -5-
メチルアクリジン -4- イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-5-ニト
ロ -2- チエニルメチルアンモニウム塩化物(化合物19)が塩酸塩(0.21 g、78
% )として得られた。
mp 205℃(dec).1H NMR [(CD3)2 S0]δ14.32(s,1 H,D2 0と交換し得る
),HCl),10.38-10.34(2s,2 H,D2 0と交換し得る,NH2),10.10(br.
t,J = 5.5Hz,1 H,D2 0 と交換し得る,CONH),9.02(d,J = 8.0 Hz,1
H,H-3),8.83(d,J = 8.0 Hz,1H,H-1),8.61(d,J = 8.5 Hz,1 H
,H-8),8.21(d,J = 4.2 Hz,1 H,チエニル H-4),7.98(d,J = 7.1
Hz,1 H,H-6),7.76(t,J = 8.0 Hz,1 H,H-2),7.62(d,J = 4.2Hz
,1 H,チエニル H-3),7.58(dd,J = 8.5,7.1 Hz,1 H,H-7),5.08(
s,2 H,チエニル CH2 ),3.98(br q,J = 5.5Hz,D2 0 後t になる,2 H,
J = 6.4 Hz,CONHCH2),3.73(t,J = 6.4 Hz,2 H,CONHCH2 CH2),3.23
(s,6 H,NCH 3),2,69(s,3 H,ArCH3).Anal.Calculated for C24 H26
CIN5 03 S.HCl.C,53.7: H,5.1:N,13.1.Found: C, 53.5; H, 5.8
: N, 12.8%.実施例5f
. スキーム2 に概説された方法による一般式I の2-[N-(9-アミノ
-5- メチルアクリジン -4- イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-2-
[4- モルホリノ -5- ニトロ -4- チアゾリルメチル]アンモニウム塩化物(化合
物20)の調製。
2-(4- モルホリノ)-5-ニトロチアゾール(39)(調製についてはLee,H.H
.; Palmer,B.D.; Boyd,M.and Denny, W.A.,J .Heterocycl. Chem.
lnpressを参照されたい)(6.57 g、 30.6 mmol)とtert- ブ
チル2,2-ジクロロアセテート(8.50 g、 45.9 mmol )のDMF(50 ml)中の溶
液をtert- ブトキシドカリウム(12.0g、 107 mmol)と無水DMF( 50 ml )の
攪拌混合物に−40℃、N2下にゆっくりと加えた。混合物をさらに1.5時間攪拌
しながら、温度を徐々に−10℃まで上昇させた。これを次に過剰な1%のHCl水溶
液に注ぎ、EtOAc で抽出した。有機層よりオレンジ色の固体を得て、これをMe0H
/H 2 O(1:3)でばらばらにし、次にろ別、乾燥してtert- ブチル-2- クロ
ロ-2-[2-(4- モルホリノ)-5-ニトロ-4- チアゾリル]酢酸塩(40)(10.7g、
95%)が得られた。
mp(EtOAc)163-165℃.1H NMR(CDCl3)δ6.15(s,1 H,CH),3.9-3.5(m
,(8 H,モルホリンH),1.48(s,9 H,CH 3).Anal.Calculated for C13
H18 CIN3 O5 S.C,42.9; H,5.0; N,11.6;Cl,9.7.Found: C,42.6; H
, 5.2; N, 11.6:Cl, 10.0%
上記の酢酸塩(40)(10.7g)29.3 mmol)のAc0H(300 ml)中の溶液を還流
下に1.5時間加熱し、次に冷却し、減圧下に約50mlまで濃縮し、氷水に注いだ。
EtOAc による抽出およびシリカゲルを用いた粗製生成物のEtOAc/石油エーテル
(1:4)による溶出のクロマトグラフィーにより4-クロロメチル-2-(4-モル
ホリノ)-5-ニトロチアゾール(41)(2.99 g、 39%)が得られた。
mp(EtOAc/石油エーテル)119-121℃.1H NMR(CD
Cl3)δ 4.87(s,2 H, CH2 Cl). 4.0-3.5(m,8 H,モルホリン H).Anal
.Calculated for C 8 H 10 ClN3 0 3 S: C,36.4; H,3.8; N,15.9; C1,
13.4.Found: C,36.7;H,3.7;N,15.8;Cl.13.6%.
上記の塩化物(41)(0.40 g、 1.50 mmol )とAMAC(31)(0.16 g、 0.
50 mmol )との混合物を上記の方法を用いて3 日間還流下に加熱し、粗製生成物
を得て、これをシリカゲルの短いカラムによるクロマトグラフィーにかけた。CH
Cl3/MeOH/Et3 N (5 :1 :2)による溶出で、2-[N-(9-アミノ -5- メチルア
クリジン-4- イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)-2-[4- モルホリノ
-5- ニトロ -4- チアゾリルメチル]アンモニウム水酸化物(化合物20)(0.2
7 g、95% )が得られた。
mp(MeOH/Et 2 0)133 ℃(dec.).1H NMR [(CD3)2 S0]δ 12.97(t,J =
5.8 Hz,1 H,D2 0と交換し得る,CONH),7.3-8.6(m,6 H,ArH),8.19
(s,2H,D2 Oと交換し得る,NH2),6.58(s,1 H,D2Oと交換し得る,0H),
5.01(s,2H,チアゾリル CH 2),3.50-4.20(m,12 H,CH2 CH2 およびモ
ルホリン H),3.45(s,6 H,NCH3),2.63(s,3 H,ArCH3).Anal.Calcu
lated for C27 H33 N7 05 S.0.5H2 0: C,56.2; H,5.9; N,17.0.Foun
d: C,56.3;H,6.6; N,17.0%.上記水酸化物のMeOH溶液を過剰の濃H
Clで処理することにより塩酸塩を得た
(化合物16)。mp 244-246℃(dec.).実施例5g
. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-[N-(9-アミノ -
5- メチルアクリジン -5- イル)カルボニル]アミノエチル-(ジメチル)[1-
メチル-5- ニトロ -2- ピロリル]メチルアンモニウム塩化物(化合物21)の調
製。
固体NaBH4(0.19g、 5.03mmol)を1-メチル-5-ニトロ -2- ピロールアルデ
ヒド(42)(調製についてはFournari, P. Bull .Soc. Chim. Fr., 88,
488-491, 1963を参照されたい)(0.78 g、 5.07 mmol)のMe0H(40 ml )中
の攪拌溶液に室温でN2下に滴下により添加した。添加が完了した後、反応混合物
をさらに20分間攪拌し、次に水(40 ml)を加え、混合物を固体K2 CO3で飽和し
た。Et0Ac による抽出で2-ヒドロキシメチル -1- メチル -5-ニトロピロール(4
3)(0.T7 g、 97 %)が得られた。
mp(EtOAc/石油エーテル)76-77 ℃.1H NMR(CDCl3)δ7.16(d,J = 4.3Hz
,1 H,H-4),6.17(d,J = 4.3Hz,1 H,H-3),4.68(s,2 H, CH2),
4.02(s,3 H,CH3).Anal.Calculated for C 6 H 8 N2 0 3:C,46.1;
H,5.2; N,17.9.Found: C,46.1; H,5.1; N,17.6%.
上記のアルコール(43)(0.13 g、 0.83 mmol)の無水CH2 CI2(5ml)中
の0 ℃の攪拌溶液を塩化メタンスルホニル(0.36 g、1.25 mmol)で処理し、
次に
Et3 N(0.50 ml )で処理した。0 ℃で15分間攪拌した後に、混合物を減圧下に
室温で蒸発乾固し、得られた褐色の固体を水とEtOAc 間に分配した。有機層より
粗製生成物を得て、これをシリカゲルによるクロマトグラフィーにかけた。CH2
Cl2/石油エーテル(1 :1)による溶出で1-メチル-2-クロロメチル-5-ニトロピ
ロール(44)(0.13 g) 88%)が得られた。
mp(EtOAc/石油エーテル)82.5-83.5℃. 1H NMR(CDCl3)δ7.16(d,J =
4.4Hz,1 H,H-4),6.26(d,J = 4.4Hz,1 H,H-3),4.60(s,2 H,CH2
Cl,)4.02(s,3 H,CH 3).Anal.Calculated for C6H7 ClN2 O2:C,41.3
; H,4.0; N,16.0.Found:C, 41.4; H, 4.0;N, 15.9%.
上記の実施例5aに記載されたように上記塩化物(44)( 0.18 g、 1.00 mmo
l )とAMAC(38)(0.16 g) 0.50mmol )の反応により2-(N-[9-アミノ -5-
メチルアクリジン -5- イル]カルボニル)アミノエチル(ジメチル)[1−メチ
ル -5- ニトロ -2- ピロリル]メチルアンモニウム塩化物(化合物21)が定量的
な収率で得られた。
mp(MeOH/EtOAc)188-190 ℃(dec).1H NMR [(CD3)2 S0]δ 12.98(t,J
= 6.0 Hz,1 H,D2 0と交換し得る,CONH),8.69(d,J = 8.5 Hz,1 H,H-
3),8.65(d,J = 7.2 Hz,1 H,H-1),8.35(d,J = 8.6Hz,1 H,H-8
),8.28(s,2 H,D2 Oと交換し得る,NH2),7.69(d,J = 6.8 Hz,1 H,
H-6), 7.46(dd,J
= 8.5,7.2 Hz,1 H,H-2),7.36 (d,J = 4.5 Hz,1 H,ピロリル H-4
),7.32(dd,J = 8.6,6.8Hz,1 H,H-7),6.74(d,J = 4.5 Hz,1 H,
ピロリルH-3),4.89(s,2 H,ピロリル CH2 ),4.08(q,J = 6.0 Hz,D 2
O後t になる,J = 6.8Hz, 2 H,CONHCH2 ),4.01(s,3 H,ピロリルCH3),
3.72(t,J = 6.8 Hz,2 H,CONHCH2 ),3.16(s,6 H,NCH3),2.75(s,3
H,ArCH3).Anal.Calculated for C25H29 CIN6 O3 .0.5H2 O:C, 59.3;
H,6.0; N,16.6.Found: C, 59.4; H,6.7; N,16.6%.実施例5h
. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-(N-[9-アミノ -5
- メチルアクリジン -4- イル]カルボニル)アミノエチル-(ジメチル)−(1-
メチル-4- ニトロ -5- イミダゾリル)メチルアンモニウム塩化物(化合物22)
の調製。
上記の実施例5aに記載されたように1-メチル-4- ニトロ -5- イミダゾリル)
メチル塩化物(調製についてはM. Makosza and M. Bialecki,Synlett ., 18
1-182,1991 を参照されたい)(0.35 g、1.00 mmol )とAMAC(38)(0.16 g
、 0.50 mmol)の還流下に3日間の反応により2-(N-[9-アミノ -5- メチルアク
リジン -4-イル]カルボニル)アミノエチル-(ジメチル)- (1-メチル -4- ニ
トロ -5- イミダゾリル)メチルアンモニウム塩化物(化合物22)(0.20 g、 8
0%)が得られた。
mp(MeOH/Et0Ac)245℃(dec.).1H NMR[(CD3) 2
S0]δ13.0(t,J=6.0 Hz,1 H,D2 O と交換し得る,CONH2),8.66(m,2
H,H-1,H-3),8.33(d,J = 8.6 Hz,1 H,H-8),8.24(s,2 H,D2 Oと交
換し得る,NH2),8.12(s,1 H,イミダゾリル H-2),7.70(d,J = 6.7 Hz
,1 H,H-6),7.46(dd,J = 8.3,7.4 Hz,1 H,H-2),7.32(dd,J = 8
.6,6.7 Hz,1 H,H-7),4.09(q,J=6.0 Hz,tになる,J = 6.5 Hz,2
H,COHNCH2 ),3.89(t,J = 6.5 Hz,2H,CONHCH2 CH2 ),3.87(s,3 H,
イミダゾリルCH3 ),3.20(s,6 H,NCH3),2.76(s,3 H,ArCH3).Anal.Ca
lculated for C24 H28 ClN7 03.H2 0:C,55.9; H,5.9; N,19.0. Foun
d:C, 56.4;H,6.3;N,19.1%.実施例5i
. スキーム2に概説された方法による一般式Iの2-(N-[9-アミノ -
5- メチルアクリジン -4- イル]カルボニル)アミノエチル-(ジメチル)-(3-ニト
ロ-2-チエニル)メチルアンモニウム塩化物(化合物23)の調製。
AMAC(38)(0.16 g、 0.50 mmol)と2-ブロモメチル -3- ニトロチオフェ
ン(0.17 g、 0.75 mmol)のMeCN(10 ml )中の混合物を還流下に21時間加熱
してオレンジ色の沈澱物を得た。混合物を室温に冷却し、沈澱物を集めて、Et0A
c で洗浄し、次にMe0H/水(1 :)に溶解し、過剰なB1orad AG 1-X4イオン交換
樹脂(Cl−型)で2時間処理した。濾過および濾液の蒸発によ
り2-(N-[9-アミノ-5-メチルアクリジン-4-イル]カルボニル)アミノエチル-(
ジメチル)-(3-ニトロ-2-チエニル)メチルアンモニウム塩化物(化合物23)(0
.25 g、 100%)が得られた。
mp(Me0H/EtOAc)190℃(dec.)1H NMR [(CD3)2SO]δ14.31(s,1H,D2 O
と交換し得る),Hcl),10.50(s,1H,D2 Oと交換し得る),NH2),10.44
(s,1H,D2 Oと交換し得る,NH2),10.21(t,J=5.4 Hz,D2 O後tになる,1
H,CONH),9.08(t,J=8.4 Hz,1H,H-3),8.86(d,J=7.1 Hz 1 H,H-1
),8.66(d,J=8.5 Hz,1 H,H-8)8.06(d,J=5.7 Hz,1H,チエニル H-5
),7.97(d,J=7.0Hz,1H,H-6),7.86(d,J=6.7Hz,1H,チエニル H-4
),7.74(dd,J=8.4,7.1 Hz,1H,H-2),7.56(dd,J=8,5,7.0 Hz,1
H,H-7),5.33(s,2H,CH2),3.97(br q,J=5.4 Hz,D2 O後tになる)
,2H,CONHCH2),3.87(t,J=5.5 Hz,2H,CONHCH2CH2),3.27(s,6H,N
(CH3)2),2.69(s,3 H,ArCH3).実施例6a
. スキーム3に概説された方法による一般式Iの1,4-ビス[((2-(
4-ニトロベンジル)ジメチルアンモニウム)-エチル)アミノ]-9,10-アントラセ
ンジオン二塩化物(化合物24)の調製。
1,4-ビス(2- ジメチルアミノエチルアミノ)-9,10-アントラセンジオン(45
)(調製についてはZee-Cheng and Cheng, J.Med.Chem.1978,21,291-294
を参
照されたい)(0.19 g、0.50 mmol)と塩化4-ニトロベンジル(86 mg、0.50
mmol)のアセトニトリル(50ml)中の混合物を攪拌下に30時間攪拌し、次に減圧
下に蒸発乾固した。得られた濃い青色の固体をアセトニトリル/水/AcOH(10:
1 :1)による溶出を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにかけた。適当
なフラクションを集めて蒸発し,残渣をEtOAc/MeOH(10:1)で抽出し、濾過し
た。放置して、濾液から1,4-ビス[((2-(4-ニトロベンジル)ジメチルアンモニ
ウム)エチル)アミノ]-9,10-アントラセンジオン二塩化物(化合物24)(132
mg、 36%)を沈澱させた。
mp 245℃(dec.).1H NMR [(CD3)2S0]δ10.66(t,J=6.0 Hz,2 H,D2
Oと交換し得る,NH),8.39(d,J = 8.8 Hz,2 H,ArH),8.24(m,2 H,
H-5,8),7.91(d,J = 8.8 Hz,2 H,ArH),7.85(m,2 H,H-6,7),7
.62(s,2 H,H-2,3),4.85(s,2 H,CH2),4.10(q,J = 6.0 Hz,4 H
,D2 O後tになる,NHCH2),3.71(t,J =6.0 Hz,4 H,NHCH2CH2 ),3.10(
s,12 H,NCH3).Anal.Calculated for C36H40Cl2N6O6.H20:C,58.3; H,5
.7; N,11.3;Cl,9.6.Found: C,58.8; H,5.9; N,11.2; Cl,9.
8%.実施例6b
. スキーム3に概説された方法による一般式Iの1-(2-(4-ニトロ
ベンジル)ジメチルアミノエチルアンモニウム)-4-(2-ジメチルアミノ)エチ
ルアミ
ノ-9,10-アントラセンジオン酢酸塩(化合物25)の調製。
実施例6aにおいてカラムから溶出した後の方のフラクションも集めて蒸発し、
残留物をEtOAc/CH2 Cl2(2 :1 )で抽出し、濾過した。冷却して、濾液から1-
(2-(4-ニトロベンジル)ジメチルアミノエチルアンモニウム)-4-(2-ジメチ
ルアミノエチルアミノ-9,10-アントラセンジオン酢酸塩(化合物25)(117 mg
)38%)を沈殿させた。
mp 124-125℃.1H NMR[(CD3)2SO]δ 10.65(m,3 H,D2 Oと交換し得る,N
Hおよび CO0H),8.39(d,J = 8.7 Hz,2 H,ArH),8.25(m,2 H,H-5,8
),7.92(d,J = 8.7 Hz,2 H,ArH),7.85(m,2 H,H-6,7),7.69(d
,J = 9.8 Hz,1 H,H-3),7.62(d,J =9.8 Hz,1 H,H-2),4.12(q,J
= 6.5 Hz,2 H,D2O後t になる,NHCH2),3.94(q,J = 6.5 Hz,2 H,D2
O後t になる,NHCH2),3.71(t,J = 6.5 Hz,2 H,CH2N),3.15(s,6 H
,NCH3),2.84(s,6 H,NCH3),2.49(s,3 H,CH3 CO).Anal.Calculat
ed for C31H37N5O6.0.5H20: C,63.7; H,6.6; N,12.0.Found: C,63.
9; H,7.1; N,12.0%.実施例6c
. スキーム3に概説された方法による一般式Iの1,4-ビス[(2-(
4-ニトロベンジル)ジメチルアンモニウム)エチルアミノ]-5,8-ジヒドロキシ-
9,10-アントラセンジオン二塩化物(化合物26)の調製。
ロイコ-1,4,5,8-テトラヒドロキシアントラキノンを市販の1,5-ジアミノ-
4,8-ジヒドロキシアントラキノンから発表された方法[Chang,P.and Cheng,
C.C.Synth .Comm.,25,1893-1900,1995]により調製し、これを1,4-ビス
[(2-ジメチルアミノ)-エチルアミノ]-5,8-ジヒドロキシ-9,10-アントラセ
ンジオン(46)へ発表された方法[Murdock,K.C.,Wallace,R.E., Durr
,F. E., Childs,R. G., Cltrella,R. V., Fabio, F. B. and A
ngler,R.B., J .Med. Chem., 22,1024-1030,1979を参照されたい]で
変換した。(46)(0.824g、 2.00 mmol)と塩化4-ニトロベンジル(3.44 g)
10.0mmol)のMeCN(280 ml)中の混合物を還流温度で7日間攪拌した。次に、
この溶液を減圧下に蒸発乾固して残留物を、MeCN/水/AcOH(10:1 :1)に
よる溶出を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製した。適当なフラ
クションを集め、蒸発して残留物を得て、これをEtOAc/MeOH(10:1)で抽出
し、濾過した。冷却して濾液から1,4-ビス[(2-(4- ニトロベンジル)ジメチ
ルアンモニウム)エチルアミノ]-5,8-ジヒドロキシ-9,10-アントラセンジオン
二塩化物(化合物26)(0.34 g、 23%)を沈殿させた。mp(EtOAc/MeOH)227-2
29℃.1H NMR[(CD3)2SO]δ13.44(s,2 H,D2 Oと交換し得る,OH), 1
0.45(br s,2 H,D2 Oと交換し得る,NH),8.39(d,J= 8.6 Hz,4 H,ArH
),7.92(d,J = 8.6 Hz,4 H,A
rH),7,70(s,2 H,H-6,7),7.25(s,2 H,H-2,3),4.86(s,4 H,C
H2Ar),4.15(br q,4 H,D2 O後t になる,J = 6.0 Hz,NHCH2),3.73(t
,J = 6.0 Hz,4 H,CH2N),3.15(s,12 H,CH3).Anal.Calculated for
C36H48C12N6O8.H2 O:C,55.9;H,5.5;N,10.9;Cl,9.2.Found:C,55
.9;H,5.4;N,10.5;Cl,9.2%.実施例6d
. スキーム3に概説された方法による一般式Iの1-[(2-(4-ニトロ
ベンジル)ジメチルアンモニウム)エチルアミノ]-4-[(2-ジメチルアミノ)エ
チルアミノ]-5,8-ジヒドロキシ-9,10-アントラセンジオン塩化物(化合物27)
の調製。
実施例6cにおいてカラムの連続溶出により1-[(2-(4-ニトロベンジル)ジメ
チルアンモニウム)-エチルアミノ]-4-[(2-ジメチルアミノ)エチルアミノ]-5,
8-ジヒドロキシ-9,10-アントラセンジオン塩化物(化合物27)(0.73 g、 62%
)が得られた。
mp(EtOAc/MeOH)136-138℃.1H NMR(CD3OD)δ8.40(brs,2 H,ArH),7.89
(brs,2 H,ArH),7.43(s,2 H,H-6,7),7.12(s,2 H,H−2,3),4.
13(brs,2 H,NHCH2),3.77(brs,2 H,NHCH2),3.62(brs,2 H,CH2N)
,3.25(s,6 H,CH3),2.78(brs,2 H,CH2N),2.43(s,6 H,CH3).A
nal.Calculated for C29H35Cl2N506:C,56.1;H,5.7;N,11.3;Cl,11.
4.Found;C,55.6;H,
6.1;N,11.0;Cl,11.2%.実施例7a
. スキーム4に概説された方法による一般式I のビス(3- メチル-2
,4-ペンタンジオネート)(N-[3-[(2-アミノエチル)-アミノ] プロピル]
アクリジン-4-カルボキシアミド)コバルト(III)過塩素酸塩(化合物28)の調
製。
N-[3-[(2-アミノエチル)アミノ] プロピル] アクリジン-4- カルボキシ
アミド三塩酸塩(47)[調製に関してはLee HH,Pa1mer BD,Baguley BC,Chln
M,McFadyen WD,Wickham,G,Thorsbourne-PalmerD,Wakelin LPG and Denny W
A., J .Med.Chem., 35, 2983-2987,1992を参照されたい](0.200g) 0
.445 mmol)を、MeOH(5 ml)に溶解したCo(Mccac)3(0.177g、 0.445 mmo
l)を含有する溶液に懸濁した。MeOH中のK0Hの1.0M溶液(1.33 ml )3当量)
を加え、すぐに木炭(0.100g)を加えた。混合物を周囲温度で2時間攪拌し、
次にCeliteで濾過し、この集めた木炭をMeOHの一部で洗浄した。一緒にした濾液
と洗浄液とを3M NaClO4水溶液と一緒にし、CH2 Cl2で抽出(3 ×)した。赤紫の
有機相を蒸発乾固してシリカゲルによるクロマトグラフィーにかけた。アセトン
/CH2 Cl2(50%アセトンになるまで徐々に高める濃度)による溶出で2 つの近く
分割された赤紫バンドを溶出した。それぞれの場合で、溶媒を減圧下に除去して
紫色の残留物(第一バンド=36 mg、第二バンド=140
mg)が得られた。これらの化合物は二つのジアステレオマー(鏡像対:ビス(3-
メチル-2,4-ペンタンジオネート)(N-[3-[(2-アミノエチル)アミノ] プ
ロピル]アクリジン-4-カルボキシアミド)コバルト(III)過塩素酸塩(化合物
28)(176 mg、56.1%)のΔ(S )、Λ(R )およびΔ(S )、Λ(R))であ
る。
1H NMR(CDCI3)δ 11.91(br t,1 H,NHCO,J= 6.0 Hz),8.93(s,1H
,H-9),8.71(d-d,1H,H-5,J = 7.0,1.2 Hz),8.22(d,1 H,H-1),8
.19(d,1 H,H-8),8.06(d,1 H,H-3,J=8.4 Hz),7.89(t-d,1 H,H-
6,J = 7.0,1.1Hz),7.66(t,1 H,H-7,J = 7.7 Hz),7.63(t,1 H,H
-2,J = 7.6 Hz),4.95(br,1H,NH),4.07(br q,1H,NH,J = 7.3 Hz)
,3.91,3.60(m,1H,CH2 NHCO),3.39(br d,1H,NH,J= 8,2 Hz),3.0
3(m,2H,CH2 NHR),2.97,2.80(m,1H,CH2NHR),2.87(m,2H,CH2NH2
),2.31,2.19,2.10,1.82(s,3H,CH3CO),2.25,2.07(m,1H,CH2
CH2CH2),1.67,1.63(s,3H,CH3-C).13CNMR(CDCI3)δ 188.79, 2x 1
88.01,187.66(CO),166.92(CONH),147.61,145.96(C-12,13),13
8.16(C-9),135.08,132.96(C-1,8),131.90(C-5),128.91,128.17(C-3
,6),127.32,126.04(C-11,14),126.70,125.08(C-2,7),101.82,1
01.78(C-CH3),51.67,(CH2NHCO),43.95,43.09(CH2NHR),35.80(
CH2NH2), 26.72, 26.55, 26.22, 25.83(CH
3
CO),26.51(CH2CH2CH2),15.15,15.00(CH3-C).HRMS(FAB+)Calc.f
or C31H40N4O5Co;607.2331.Found 317.607.2354.実施例8.
シクロプロピリンドール前駆体32の調製 1,2-ジクロロエタン(15
0 ml)中の4-クロロ-3-ニトロ安息香酸(10.03g、50 mmol)、S0Cl2(4.4ml
、60 mmol)およびDMF (4 滴)の溶液を還流下に14時間攪拌し、冷却し、蒸発
した。得られた粗製酸塩化物をTHF(100 ml)に溶解し、0 ℃に冷却し、t-ブト
キシドカリウム(5.57 g、50 mmol)のTHF(150ml)溶液を30分間にわたって窒
素下で滴下して加えた。混合物をさらに15分間、0 ℃で攪拌し、NaHCO3 水溶液
で希釈し、EtOAcで抽出し(×2 )、抽出物を乾燥し(Na2 S04)、蒸発した。シ
リカゲル(石油エーテル/EtOAc ;30:1 )による残留物のフラッシュクロマ
トグラフィーによりt-ブトキシ4-クロロ-3-ニトロ安息香酸塩が白色の結晶固体
(11.45g、89%)として得られた。
mp(石油エーテル)70-71℃.1H NMR(CDCl3)d8.42(d,J = 2.0 Hz,1 H,H
-2),8.11(dd,J = 8.4,2.0 Hz,1 H,H-6),7.61(d,J = 8.4 Hz,1
H,H-5),1.61(s,9 H,t-Bu).Anal.Calculated for C11H12ClNO4:51.3;
H,4.7;N,5.4;Cl,13.8.Found−C,51.6;H,4.8;N,5.4;Cl,14
.0%.
水素化ナトリウム(オイル中の60%分散物の13.5g、
.34 mol)を窒素下に石油エーテルで洗浄し(×3 )、無水THF(400 ml)に懸
濁した。マロン酸ジメチル(40.4ml 、 0.35 mol)のTHF(50 ml)中の溶液を
、水槽で冷却して30℃以下の内温を保ちながら45分間にわたって滴下により加え
、得られたゲルをさらに無水THF(300 ml)でばらばらにした。上記のt-ブチル4
-クロロ-3- ニトロ安息香酸塩(21,7g、84 mmol )を加えて、混合物を窒素下
還流で15時間攪拌した。その赤褐色の溶液を冷却し、水に注ぎ、HCl 水溶液(2
規定、約60 ml )を、赤いニトロネート色が消えるまでゆっくりと加えた。THF
を蒸発させ、その水性相をCH2 Cl2で抽出し(×3 )、抽出物を乾燥し(Na2 S04
)、蒸発した。蟻酸(100 ml)を残留物に加え、混合物を50℃で4時間攪拌した
(このときTLC 分析は残留するt-ブチルエステルを示さなかった)。蟻酸を蒸発
させ、残留物をEtOAc に取り込み、水で洗浄した(×3 )。有機層をNaHCO3 水
溶液で抽出し(×2 )、その水性相を酸性とし(濃HCl)、CH2 Cl2で抽出した(
×2 )。有機層を乾燥し(Na2 S04)、蒸発し、得られたクリーム色の固体をベ
ンゼン(約250 ml)から再結晶し、ジメチル(4- カルボキシ-2- ニトロフェニ
ル)マロン酸塩がクリーム色の角柱として得られた(21.8g、87%)。
mp 147-149℃.1H NMR ((CD3)2S0)d 13.77 (brs,1 H,CO2 H),8.52(d
,J = 1.7Hz,1 H,H-3),
8.28(dd,J = 8.1,1.7 Hz,1 H,H-5),7.70(d,J= 8.1 Hz,1 H,H-6)
,5.62(s,1 H,ArCH),3.71(s,6 H,CO2 Me):13C NMR((CD3)2S0)d 166
.9,165.1,148.2,134.0,133.1,132.3,132.1,125.5(CO2Me,C-1
,2,3,4,5,6),54.3(ArCH),52.9(0Me).Anal.Calculated for C12 H11
N08;C,48.5;H,3.7;N,4.7.Found:C,48.7;H,3.5;N,4.7%.
1,2-ジクロロエタン中の(60 ml )の上記マロン酸塩(3.44g、11.6 mmol
)、S0Cl2 (1.0 ml、13.9 mmol )およびDMF(4 滴)の溶液を還流下に1時間
攪拌し、冷却し、蒸発させた。残留物をMe2 CO(30 ml )に溶解し、アジ化ナトリ
ウム(2.26 g、35 mmol)の0 ℃の水(30 ml)とM アセトン(100 ml)中の激
しく攪拌された溶液に10分間にわたって滴下して加えた。さらに、EtOAc(100 m
l)を0 ℃で30分にわたって加えた後に、Me2 COのほとんどを蒸発させ、EtOAc
層を水で洗浄し、乾燥し(Na2 S04)、蒸発させた。残留物を無水トルエン(35
ml )に溶解し、還流で40分間攪拌した。ベンジルアルコール(2.2ml、21 mmol
)をその冷却された溶液に加え、混合物を[TLCプレートにスポットされた試料
が黄色のジメチル(4- アミノ-2 -ニトロフェニル)マロン酸塩の形成を示さな
くなるまで]20℃で2時間攪拌した。次に、混合物を蒸発させ、残留物をKugelr
ohr(1 mmHg、90℃)で蒸留し
て過剰なベンジルアルコールを除去した。石油エーテル/EtOAc(3 :1 )で溶
出させるシリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィーによりジメチル[4-(
ベンジルオキシカルボニル)アミノ-2- ニトロフェニル]マロン酸塩が黄色のオ
イルとして得られた(3.77 g)81 %)。1
H NMR(CDCl3)8.16 (d,J = 2.3 Hz,1 H, H-3),7.59(dd,J = 8.5,2
.3 Hz,1 H,H-5),7.42-7.33(m,6 H,H-6および Ph),7.11(s,1 H,NH
),5.25(s,1 H,ArCH),5.22(s,2 H,OCH2 Ph),3.78(s,6 H,CO2Me
);13C NMR(CDCl3)d167.9,(CO2Me),152.8(NCO2),149.0,139.1,
135.4,131.9,128.7,128.6,128.4,122.7,21.9,114.6(芳香族 C
),67.6(OCH2Ph),53.5(ArCH),53.2(OMe);MS(DEI)m/z 402(2%,
M+),91(100%,C7H7); HRMS calcd.for C19H18N2O8 402.10631,found 402
.10594.
THF(80 ml )中の上記の2-ニトロフェニルマロン酸塩(3.12 g、7.75 mmol
)の溶液を、(内温を−7から0 ℃に保っている)冷塩浴中で冷却しながら、窒
素下でTHF(100 ml)中の水素化ジイソブチルアルミニウム(ヘキサン中の1 M溶
液93 ml 、93 mmol)の溶液に30分間にわたって滴下により添加した。混合物を2
0℃まで1時間にわたって温め、次に氷冷HCl水溶液(3 規定、260 ml)に注いだ
。THF を蒸発させ、水
性残留物をEtOAc で抽出し(×3 )、そして抽出物を乾燥し(Na2 S04 )、蒸発
させた。EtOAc/石油エーテル(1:3、次に1:1、次に2:1)で溶出させ
るシリカゲルによるドライカラムクロマトグラフィーにより、ジメチル[4-(ベ
ンジルオキシカルボニル)アミノ-2- ニトロフェニル]マロン酸塩(0.42 g、13
%)と2-[4-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-2-ニトロフェニル]プロパン-
1,3-ジオールが淡い褐色のフォームとして回収された(1.35 g、50%)。後者
の試料を CHCl3 から結晶化して淡い黄色のフレークが得られた。
mp 119-121℃.1H NMR((CD3)2S0)d 10.15(s,1 H,NH),7.97(d,J = 2
.2 Hz,1 H,H-3),7.60(dd,J = 8.6,2.2 Hz,1 H,H-5),7,49(d,J
= 8.6Hz,1 H,H-6),7.45-7.33(m,5 H,Ph),5.18(s,2 H,OCH2 Ph),
4.67(t,J = 5.3 Hz,2 H,OH),3.73−3.66(m,2 H,CHHOH),3.63-3.
56(m,2 H,CHHOH),3.23(p,J = 6.4Hz,1 H,ArCH):13C NMR((CD3)2 SO
)d 153.3(NCO2),150.9,137.8,136.2,129.0(C-1,2,4およびPhのi
C),129.9,121.7,112.3(C-3,5,6),128.4,128.11,128.09,(Ph
のo,m,p C),66.1( OCH2 Ph),61.8( CH2 OH),44.1(ArCH). Anal.
Calculated for C17 H18 N2 O6;C,59,0;H,5,2;N,8.1.Found;C,58
.9;H,5.4;N,8.3%.
pt02(0.12 g)を有するEtOH(80 ml )中の上記ニトロジオール(1.02 g、
2.9mmol)の溶液を50psi、20℃で、50分間水素添加し、セライトで濾過し、蒸
発させた。EtOAc/MeOH(20:1 、次に10:1 )で溶出させるシリカゲルによる
ドライカラムクロマトグラフィーにより、2-[2-アミノ-4-(ベンジルオキシカル
ボニル)アミノフェニル]プロパン-1,3-ジオールが非常に淡い黄色のオイルと
して回収された(0.88 g)94%)。1
H NMR((CD3)2SO)d 9.36(s,1 H,NH), 7.43-7.30(m,5H,Ph),
6.82(d,J = 2 Hz,1 H,H-3),6.81(d,J = 8.3 Hz,1 H,H-6),6.58
(dd,J = 8.3,2.1 Hz,1 H,H-5), 5.12(s,2 H,OCH2 Ph),4.82(
s,2 H,NH2 またはOH),4.50(s,2 H,NH2またはOH),3.69-3.62(m,2
H,CHHOH),3.54-3.46(m,2 H,CHHOH),2.83(p,J = 6.2Hz,1 H,Ar
CH); 13C NMR((CD3)2S0)d153.2(NCO2),146.8,137.2,136.8,120.4
(C-1,2,4およびPhのiC),128.3,127.92,127.86(Phのo,m,pC),127.
0,107.2,105.2(C-3,5,6),65.3(OCH2 Ph),62.3(CH20H),43.2
(ArCH): MS(DEI) m/z 316(30%,M+),285(30%,M−CH2 0H),91(100%
,C 7 H7 ); HRMS calcd. for C17 H20 N2 O4 316.14231,found 316.14182
.
THF(120 ml)と水(60 ml )中の上記アミノジオ
ール(0.70 g、2.21 mmol)、ジ-t- ブチルジカーボネート(0.53 g、2.4m
mol)およびNa2 CO3(0.26 g、2.4mmol)の溶液を20℃で攪拌した。十分なTHF
と水で単一層を保ちながら、さらに、ジ-t-ブチルジカーボネート(2 ×0.53
g)を5日後と8日後に加えた。14日後、THF を蒸発させ、水性層をEtOAc で抽
出し(×2 )、その有機抽出物を乾燥し(Na2 S04)、蒸発した。EtOAc/石油エ
ーテル(2 :1 、次に4 :1 )で溶出させるシリカゲルによるドライカラムクロ
マトグラフィーにより、2-[4-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-2-(t-ブチ
ルオキシカルボニル)アミノフェニル]プロパン-1,3-ジオールが白色フォーム
として得られた(0.78 g、85%)。1
H NMR [(CD3)2SO]d 9.67 (s,1 H, NH),8.62(s,1 H,NH),7.60(s,1
H,H-3),7.44-7.31(m,5 H,Ph),7.19(dd,J = 8.5,1.7Hz,1 H,H-
5),7.08(d,J = 8.5 Hz,1 H,H-6),5.14 (s,2 H,OCH2 Ph),4.84(t
,J = 4.7 Hz,2 H,OH),3.78-3.7O(m,2 H,CHHOH),3.54-3.45(m,2
H,CHHOH),2.98(p,J = 6.3 Hz,1 H,ArCH),1.45(s,9 H, t-Bu).13
C NMR d 153.3(D2 O交換で2本のピークに分解,2x NCO2 ),137.1,13
7.0,136.7,129.4(C-1,2,4およびPhのiC),128.4,127.91,127.87
(Phのo,m,pC),127.4,114.6,114.4(C-3,5,6),78.8(OCMe3 ),
65.5(OCH2 Ph),62.8(CH2 0H),43.9(A
rCH),28.1(C(CH3)3): MS(DEI)m/z 416(2%,M+),91(100%,C 7 H 7):
HRMS calcd.for C22 H28 N2 O6 416.19474,Iound 416.19544.
ジエチルアゾジカルボキシレート(0.47 ml、3.0mmol)を、THF(60 ml )
中の上記t-ブチルオキシカルボニルジオール(0.74 g) 1.78 mmol)およびトリ
フェニルホスフィン(0.84 g、3.2mmol)の溶液に窒素下に5 分間にわたって
滴下により加え、混合物を20℃で攪拌した。10分後、混合物をEtOAで希釈し、Na
Cl水溶液で洗浄し、有機相を乾燥し(Na2 S04)、蒸発した。EtOAc/石油エーテ
ル(1 :2 )で溶出させるシリカゲルによるドライカラムクロマトグラフィーに
より、還元ジエチルアゾジカルボキシレートと6-[(ベンジルオキシカルボニル
)アミノ]-1-(t-ブチルオキシカルボニル)-3-(ヒドロキシメチル)インドリン
とが重なっているバンドが得られた。生成物のごく一部のフラクションが純粋な
状態で非常に淡い黄色オイルとして得られた。
1H NMR ((CD3)2S0)d9.68 (s,1 H,NH),7.97(br s,1 H,H-7),7.
44-7.31(m,5 H,Ph),7.11(d,J = 8.1 Hz,1 H,H-4),6.98(br d,
J = 8 Hz,1 H,H-5),5.13(s,2 H,OCH2 Ph),4.90(t,J = 5.0 Hz,1
H,0H),3.94(見かけのt,J = 10.3 Hz,1 H,NCHH),3.75(dd,J = 11
.3,5.1 Hz,1 H,NCHH),3.61-3.54(m,D,O交換でdd,J = 10.2,4.7
Hzになる,1 H,CHHOH),3.41-3.28(m,2 H,ArCHCHH0H),1.51 (s,9 H,t
-Bu): 13C NMR ((CD3)2SO)d 153.2,151.6(2xNCO2),143(br),138
.6,136.7,126.4(C-6,8,9およびPhのiC),128.3,127.96,127.90(
Phのo,m,p C),124.4,112.1,105.0(C-4,5,7),79.7(OCMe 3),65.5
,63.9(OCH2 Ph,CH2 OH),51.4(C-2),41.2(C-3),28.0(C(CH3)3
);MS(DEI)m/z 398 (4%,M+):HRMS calcd.for C22 H26 N2 05 398.18417,
found 398.18402.
塩化メタンスルホニル(0.25 ml、3.2 mmol)を、前の反応から得られた混
合物(約1.8 mmolのアルコール)およびEt3 N(0.50 ml、3.6mmol)のCH2 Cl2
(60 ml )中の0 ℃の溶液に加え、混合物を15分間攪拌した。NaHCO 3 水溶液
を加え、混合物をCH2 Cl2で抽出し(×2 )、抽出物を乾燥し(Na2 S04)、蒸発
させた。CHCl3 .EtOAc(20:1 、次に10:1 )で溶出させるシリカゲルによる
フラッシュクロマトグラフィーにより、6-[(ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ]-1-(t- ブチルオキシカルボニル)-3-[(メタンスルホニル)メチル]イン
ドリンが白色フォームとして得られた(これらの2工程について0.79g、93%)
。
1H NMR(CDCl3)d 7.73(s,1 H,H-7),7.41-7.31(m,5 H,Ph),7.12
(d,J = 8.1 Hz,1 H,H-4),6.73(s,1 H,H-5),5.19(s,2 H,OCH2
Ph),4.32(dd,J = 9.9, 5.5 Hz,1 H,CHHOSO2 Me),4.18
(dd,J = 9.9,8.1 Hz,1 H,CHHOSO2 Me),4.11-4.02(m,1 H,NCHH)
,3.92-3.84(m,1 H,NCHH),3.72-3.62(m,1 H,H-3),2.96(s,3
H,OS02 Me),1.56 (s,9 H,t-Bu): 13C NMR(CDCl 3)d 153.2,152.1(
2xNCO2 ),143.9,138.7,136.0,123.6(C-6,8,9およびPhのiC),128
.6,128.3(br)(Phのo,m,p C),124.9,112.7,105.9(C-4,5,7),
81.2(OCMe3),71.0( CH2 OSO2 ),67.0(OCH2 Ph),51.1(C-2),39
.1(C-3),37.5(OS02 CH3),28.4(C( CH3) 3);MS(DEI)m/z 476 (5%
,M+),91(100%,C7 H7): HRMS calcd. for C23 H28 N2 O7 S476.16172,found
476.16070.
上記のベンジルオキシカルボニルアミノインドリン(306 mg、0.64 mmol)を
HClで飽和されたEtOAc(10 ml)中で、20℃、1時間(TLC が完全な反応を示す
まで)攪拌して、混合物を蒸発した。DMF (15ml)中の1-(3-ジメチルアミノプ
ロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCl、0.37 g、1.9mmol)および5,
6,7-トリメトキシインドール-2- カルボン酸塩[Y.Fukuda,Y.Itoh,K.Nakat
ani,and S.Terashima,Tetrahedron, 1994, 50, 2793-2808](161 mg
)0.64 mmol)を上記の粗製インドリン塩酸塩に加え、混合物を20℃で窒素下に
22時間攪拌した。DMF を蒸発し、残留物をEtOAc と水に溶解し、EtOAc でさらに
一
回抽出し、有機抽出物を乾燥し(Na2 SO4)、蒸発した。EtOAc/石油エーテル(
1 :1 )で溶出させるシリカゲルによる残留物のドライカラムクロマトグラフィ
ーにより、6-[(ベンジルオキシカルボニル)アミノ]-3-[(メタンスルホニル
オキシ)メチル]-1-[5′,6′,7′-トリメトキシインドール-2′-イル] カ
ルボニル]インドリンが淡いピンク色の結晶性固体として得られた(209 mg、53
%)。
mp(EtOAc/石油エーテル)153-154℃.1H NMR((CD3)2S0)d 11.44(s,1 H,
インドールNH),9.85(s,1H,カルバメート NH),8.38(s,1 H,H-7),7
.46−7.33(m,5H,Ph),7.33(d,J = 8.2 Hz,1 H,H-4),7.25(dd,J
= 8.2,1.8 Hz,1 H,H-5),7.03(d,J = 1.9 Hz,1 H,H-3′),6.95(s
,1 H,H-4′),5.15(s,2 H,OCH2 Ph),4.62(見かけのt,J= 10 Hz,1 H
,CH 2 ),4.45(dd,J = 9.8,5.1 Hz,1 H,CH 2 ),4.35(dd,J = 9.8
,7.2 Hz,1 H,CH2 ),4.27(dd,J = 10.9,5.3 Hz,1 H,CH2 ),3.93
(s,3 H,OCH 3 ),3.87-3.80(m,1 H,H-3),3.81(s,3 H,OCH 3),3.
80(s,3 H,OCH3),3.18(s,3 H,OSO2 Me).13C NMR d 160.1,153.3,1
49.1,144.0,139.8,139.1,139.0,136.6,130.8,124.6,123.1(C
-6,8,9,2′,5′,6′,7′,8′,9′,PhのiC,NCO,NCO2,1本のピーク
が観測されない), 128.4, 128.0,127.9(Phのo,m,p C),125.3,11
3.9,107.7,1
06.1,98.0(C-4,5,7,3′,4′),71.3(CH2 0S0 2),65.6(OCH2 Ph
),61.0,60.9,55.9(3xOCH3),53.0(C-2),39.3(C-3),36.5(0
SO2 CH3).Anal.Calculated for C30 H31 N3 09 S.0.5EtOAc:C, 58.8; H,5
.4; N,6.4.Found: C,58.7; H,5.3; N,6.6%.
蟻酸アンモニウム(0.24 g、3.8mmol)の水(12ml )中の溶液をTHF(50 ml
)中の上記の6-[(ベンジルオキシカルボニル)インドリン(233 mg、0.38 mmo
l )およびPd/C(5%、100 mg)に加え、混合物を20℃で攪拌した。さらにPd/
C (30 mg)を70分後に加え、(TLCが完全な反応を示す)100分後に該触媒をろ別
し、EtOAcで洗浄した。濾液をNaCl水溶液で希釈し、EtOAcで抽出し(×2)、そ
して抽出物を乾燥し(Na2 S04 )、蒸発した。(2 :1 EtOAc :石油エーテルで溶
出させる)ドライカラムクロマトグラフィーにより、6-アミノ-3-[(メタンスル
フォニルオキシ)−メチル]−1−[(5′,6′,7′- トリメトキシインドール-2
′-イル)カルボニル]インドリン(25)が淡い黄色フォームとして得られた(15
4 mg、85%)。このメシレート(150 mg、0.32 mmol)およびLiCl(0.13 g、3
.2 mmol)をDMF(5 ml)中で70℃、窒素下に80分間攪拌し、DMFを蒸発させた。
残留物をEtOAcと水に溶解し、EtOAcでさらに一回以上抽出し、有機抽出物を乾燥
し(Na2 SO4 )、蒸発した。EtOAc/石油エーテル
(1 :1 )で溶出させるドライカラムクロマトグラフィーにより、6-アミノ-3-
(クロロメチル)-1-[(5′,6′,7′-トリメトシキインドール-2′-イル)カ
ルボニル]インドリン(32)が得られた(87 mg、66%)。
mp(EtOAc/Et2O)173-174℃. 1H NMR[(CD3)2SO]δ 11.36(d,J = 1.6 Hz
,1 H,NH),7.44(br s,1 H,H-7),7.05(d,J = 8.0 Hz,1 H,H-4),6
.96(d,J = 2.1 Hz,1 H,H-3′),6.95(s,1 H,H-4′),6.30(dd,J =
8.0,2.2 Hz,1 H,H-5),5.18(s,2H,NH2 ),4.54(dd,J = 10.8,8
.7 Hz,1 H,NCHH),4.20(dd,J = 10.8,4.4 Hz,1 H,NCHH),3.93(s
,3 H,OCH3),3.91(dd,J = 9.9,3.5 HZ,1H,CHHCl),3.81(s,3 H,
OCH3),3.79(s,3 H, 0CH3),3.74−3.60(m,2 H,CHCHHCl).C NMR δ
159.9,149.0,144.2,139.6,139.0,131.2,125.1,123.1,118.8
(C-6,8,9,2′,5′,6′,7′,8′,9′,NCO,1本のピークが観測されな
い),124.7,109.5,105.6,102.9,98.0(C-4,5,7,3′,4′),61.
0,60.9,55.9(3 x OCH3),54.5(C-2),47.9(CH2 Cl),41.8(C-3
).Anal.Calculated for C21 H22 ClN3 04)C,60.7; H,5.3; N,10.1
.Found:C,60.7; H,5.4;N,9.8%.
工業上の適用
上記の説明と実施例から明らかであろうように、本発明はガン治療の改良方法
を提供する。本発明の利点
は主にRACPの選択および利用により達成される。
RACPは低酸素症の小環境のためにBDの選択性を保持するが、さらに以下の利点
を提供する:
(a)還元が放射領域に限定されて、全身毒性を大きく減少させる。この特徴は
照射領域輪郭への腫瘍の三次元での高精度マッチングを現在提供するコンピュー
タ化照射処置プラニングとデリバリーシステムにおける最近の技術的発展を利用
する。
(b)前進的還元が酸化症細胞中で抑制される。水の放射線分解により生じた主
要な還元種であるeaq -およびHとO2 との非常に速い反応によって、確実に、前
進的還元速度がO2 の存在下では大きく減少しよう。対照的に、生物還元酵素に
よる前進的還元速度は、おそらくほとんどの場合でO2 に感受性がなく、全還元
の抑制はO2 による逆行酸化のみによる。RAC機構については、02 は前進還元、
ならびに一電子生成物の再酸化を阻害することができるので、BDによるよりもO2
により高い阻害(高酸素症選択性)を提供することが期待される。
(c)放射線分解還元による競合二電子(O2 非感受性)還元は存在しない。な
ぜならばこれは酵素的活性化に比べて選択性をさらに高める必須な一電子プロセ
スなためである。
(d)活性化は腫瘍の還元性酵素発現の特性とは独立していよう。
(e)高線量率照射を用いてO2 濃度をさらに低下させることができよう。一部
のBDの(酵素)活性化は、微量のO2 により容易に阻害されるので、多くの照射
線生物学的に高酸素である細胞は感受性がないかもしれない。RACは微量のO2 に
少なくとも感受性であると期待されるが(上記の(b))、高線量率(約5Gy・
s-1)での照射は十分なO2 を補足して、照射線生物学的に高酸素である組織(
<1μM O2 )を照射中完全に低酸素としよう。
上記の具体的な説明は例示的なものにすぎず、本発明がそれらに限定されない
ことは当業者によって理解されよう。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/5375 A61K 31/535 605
41/00 41/00
C07C 225/34 C07C 225/34
225/36 225/36
C07D 209/10 C07D 209/10
209/42 209/42
219/04 219/04
401/12 207 401/12 207
235 235
409/12 219 409/12 219
417/12 219 417/12 219
C07F 15/06 C07F 15/06
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,
CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H
U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,
MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM
,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ウィルソン ウィリアム ロバート
ニュージーランド国 オークランド オネ
フンガ アルフレッド ストリート 102