JP2000500427A - 無機樹脂組成物、その製造方法及びその使用 - Google Patents

無機樹脂組成物、その製造方法及びその使用

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JP2000500427A JP9-519242A JP51924297A JP2000500427A JP 2000500427 A JP2000500427 A JP 2000500427A JP 51924297 A JP51924297 A JP 51924297A JP 2000500427 A JP2000500427 A JP 2000500427A
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(57)【要約】 金属ホスフェート水溶液、オキシボロン化合物、ウォラストナイト化合物及び他の添加剤の組み合わせを含む無機樹脂、上記組成物から得られる、充填材及びガラスファイバーを含む繊維によって強化された無機材料物品及び製品、及び上記製品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】 無機樹脂組成物、その製造方法及びその使用 発明の背景 技術分野 本発明は、無機金属ホスフェート、オキシボロン化合物及びウォラストナイト 化合物の水溶液の組成物における無機樹脂;上記組成物用の種々の添加剤;上記 樹脂及び樹脂製品の製造方法;上記樹脂組成物及び上記方法により製造された製 品に関する。本発明のユニークな特徴は、硬化反応の際の新鮮な樹脂のポットラ イフ及びレジンの上昇温度を制御でき、故にそのポットライフが数分から数時間 又はそれ以上の大きさのオーダーまでになり得ることである。しかし、硬化した 樹脂及び樹脂製品は良好な材料特質、及び広範囲の利用法を有する。気泡及び非 気泡構造の両方が得られる。 本発明の樹脂は、接着剤及びバインダーとして用いられる。性質に関しては、 本発明の無機樹脂及びその製品は、ポルトランドセメント等の性質、及び工業用 セラミックの性質の間に位置する。樹脂の新鮮な混合物は低い粘度を有し、低温 での貯蔵性があり、用いるのが容易である。また、硬化した樹脂は強力で、耐久 性、緩酸の作用に対する耐性、耐火性及び高温における安定性を有する。それは 、低温及び高温の両方で用いられる、接着剤、バインダー、コーティング、及び 充填剤及び全てのガラスファイバーを含む繊維によって強化された無機組成物を 製造するのに適しているが、これらの製造に限定されない。 関連分野の開示 ウォラストナイトは、リン酸セメント組成物における一次材料として、それほ ど長くない時間用いられてきた。これまでは、この分野においていくつかの組成 物が知られており、それらは全て即硬性の性質を有する。これらの組成物の硬化 は、通常、周囲条件でセメントの形成後数分から約10〜20分で起こり、複合 材料の形成等の応用に用いるのは実質的に不可能である。 多量の熱生成は、材料の内部に欠点を生成し材料特性にネガティブに影響する、 従来のホスフェートセメントの他の典型的な現象である。ウォラストナイトを組 成物中で一次材料として用いた場合、急硬化は、硬化過程の間にウォラストナイ ト中に含まれる方解石(CaCO3)の分解により生成するCO2の形成による材料 の構造中に余分な空間及びひびを形成することとなり、さらに材料の強度及び耐 久性を害する。C.E.Semlerに対して与えられた1974年4月16日付の米 国特許第3,804,651号明細書は、ホスフェート溶液及びウォラストナイ トの急硬化ゲルバインダーを開示している。該効果バインダーは良好な機械的強 度及び耐久性を有するが、その新鮮な混合ゲルは急速に硬化し、急速硬化組成物 として特許請求されている。Jeffery L.,Barrall らに対して与えられた1 983年3月1日付の米国特許第4,375,516 号明細書は、リン酸アルミニウム溶 液の組成物中の材料及びウォラストナイトを含む固体成分を開示している。この 組成物は、通常4〜25℃の範囲の温度で数分で硬化する。Jeffery L.,Bar rallらに対して与えられた1988年12月20日付の米国特許第4,792,359 号 明細書は、急速硬化に利用される、圧力下で約85℃でホスフェートセメント及 び変化した繊維の混合物をホットプレスすることによる複合材料の調製方法が開 示されている。 要約として、これらの無機ホスフェート組成物は本発明と関係ないように思わ れる。組成物に関しては、オキシボロン化合物は上記ホスフェートセメント組成 物のポットライフを延長するために用いられない。硬化時間に関しては、利用で きる全ての組成物は急速な硬化時間を有する。混合物が流動可能に保たれる間の ポットライフに関しては、おそらく、急速な硬化のための情報は利用できない。 応用に関しては、すべての利用できる組成物は急速な硬化を要する目的に用いら れる。 本発明の無機樹脂は、新鮮な状態で制御可能なポットライフ及び温度上昇を有 し、硬化樹脂のための良好な材料特質、例えば、良好な機械的強度、耐久性、緩 酸の作用に対する耐性、高いひっかき強度、耐火性、高温耐性、ガラスファイバ ーを含む繊維等の他の材料との良好な接着性等を有する。発明の要約 本発明の無機樹脂は、基本的に、それぞれ物理的に分離されるか混合されるか 、又はそれらの組み合わせである、3成分の反応によって製造される。成分Aは 、金属ホスフェートの水溶液であり、好ましくは、リン酸アルミニウム、リン酸 ジルコニウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸鉄 、それらの誘導体及びそれらの混合物からなる群から選択される。成分Aの溶液 なる用語は、本明細書において広く用いられ、水性反応混合物を含み、本明細書 における金属ホスフェートの誘導体なる用語は、ポリホスフェート及びジヒドロ ゲンホスフェート等の、全てのタイプのホスフェートを含むものと理解される。 成分Bは、オキシボロン化合物を含み、その水和物を含む。成分Cはウォラスト ナイト化合物を含む。充填材及びガラスファイバーを含む繊維が、材料特性を向 上させるために本発明の無機樹脂に導入される。無機樹脂の気泡構造は、発泡剤 及び界面活性剤を用いて製造される。 混合する等の方法により、全ての成分を接触させて製造することにより、本発 明の新鮮な樹脂は、数分から数時間のオーダー又はそれ以上の範囲内で調整し得 るポットライフ、相対的に周囲温度で数分から数時間の範囲の硬化時間を有し、 硬化反応の際の制御された温度上昇を有し、硬化した樹脂は非常に良好な材料特 性を有する。本発明の組成物は相互作用し、外部からの熱の作用を用いることな しに硬化し得る。上記組成物及び延長されたポットライフ等のユニークな特徴は 、関連分野における他の従来のホスフェートセメントから区別される。本発明の 硬化した樹脂は、三次元ネットワーク構造を有する。この性質のために、本発明 の無機樹脂は基本的に強固で、耐久性があり、酸性雨等の周囲の作用に対する耐 性、不燃性、及び高温での安定性を有する。 本発明の無機樹脂は繊維との良好な接着力を有し、一方でガラスファイバーを 含む繊維に対する攻撃を示さない。従って、適格な無機複合物は本発明によって 製造され得る。本発明の無機樹脂によって製造された製品は、繊維強化複合製品 、気泡及び非気泡構造における成形配置、熱的、電気的及び/又は音響的絶縁材 、バインダー及び接着剤コーティング又は界面活性剤、パ ッチング組成物等の広い範囲において有機樹脂、従来のセメント及びセラミック をベースとする、少なくとも一部の現在知られている製品と置換され得る。更に 、典型的な有機樹脂又はセラミックに比較して安価な材料及び加工容易性の使用 は、同じ応用を予定する多くの有機樹脂及びセラミックを超えた多くの長所を提 供する。 従って、本発明の1つの目的は、上述した特徴及び利点を有する無機樹脂組成 物を提供することである。 本発明の他の目的は、上記樹脂組成物及び樹脂製品の製造方法及びそれらの使 用を提供することである。 本発明の上記及び他の目的は、非限定的な実施例によって本明細書に記載され る詳細な説明より明らかになるであろう。 発明の詳細な説明 本発明の無機樹脂は、基本的には物理的に分離されるか混合されるか組み合わ せの3成分の間の反応によって製造される。成分Aは、金属ホスフェートの水溶 液であり、好ましくはリン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、リン酸マグネ シウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸鉄、それらの誘導体及び混合物 からなる群から選択される。成分Aの溶液なる用語は本明細書において水性反応 混合物を含み広く用いられ、本明細書における金属ホスフェートの誘導体なる用 語は、ポリホスフェート及びジヒドロゲンホスフェート等の全てのタイプのホス フェートを意味するものとする。成分Bは、オキシボロン化合物及びその水和物 を含む。成分Cは、か焼された又はか焼されていない状態において天然及び合成 ウォラストナイトを含むウォラストナイト化合物を含む。充填材及びガラスファ イバーを含む繊維が、材料特性を向上させるために本発明の無機樹脂に導入され 得る。無機樹脂の気泡構造は、発泡剤及び界面活性剤を用いて製造される。均一 に混合することにより、上記成分が制御された方法で相互作用し、故にデザイン されたポットライフ及び硬化時間を得ることができる。上記無機樹脂の硬化工程 は一般に発熱性であるが、反応の際の樹脂の温度上昇を制御し得る。本発明の無 機樹脂は、外部からの熱を与えることなしに、周囲温度で強固で耐久性のあるモ ノリシ ックな塊を形成する。 本発明によれば、成分Aを調整するための最も重要な成分は例えば、単独で又 は組み合わせで用いられるオルトリン酸、ピロリン酸及びポリリン酸等のリン酸 水溶液を含むが、これらに限定されない。リン酸は、オルトリン酸を最も一般の 濃度85重量%を含むものが市販されている。酸をベースとする他のリン酸も、 本発明を実施するのに十分であり、反応系の全水分含有量が高くないことを与え る。一般的なルールとして、成分C中のウォラストナイトの100重量部につい て14〜135重量部の範囲、好ましくは24〜86重量部で、P25で表現さ れるリンを含む場合、リン酸が適当であろう。 本発明を実施するためには、相対的に水に不溶性の金属ホスフェートが成分A に用いられるために好ましい。リン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、リン 酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸鉄、それらの誘導体及 びそれらの混合物からなる群から選択される金属ホスフェートが好ましい。成分 C中の100重両部のウォラストナイトについて、金属ホスフェート中に得られ る等価の金属酸化物、例えば酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネ シウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム及び酸化鉄の適当な量は2〜65重量部の範 囲であり、5〜47重量部が好ましい。 本発明によれば、成分A中で用いられる水分量は慎重に制御すべきである。過 剰な水は、樹脂を薄い混合物に変換し、ウォラストナイト等の固体粒子の沈殿を 引き起こし、劣等品となる。不十分な水は乾燥粒子を適当に湿潤させず、必要な 化学反応を許容する。水の量は反応成分の濃度に影響し、その結果として樹脂の ポットライフ及び硬化工程に影響を及ぼす。水の最適量は、成分Aにおいて用い られる金属、及び本発明の乾燥粒子の成分の物理的特性、例えば吸光度、表面積 等に非常に依存する。しかし、それは好ましい混合物を形成するために、ウォラ ストナイト及び充填材及び/又は繊維等の乾燥粒子を適当に湿潤するのに十分で あるに違いない。この水の最適量は、配合物ごとを基準に決定し得る。成分C中 のウォラストナイト100重量部についての、用いられる水の量は約8〜150 重量部であり、好ましくは11〜95重量部である。計算の目的のために、成分 A中の水は、成分A、B及びC中の化合物からの水和水を含むべきである。 本発明によれば、成分Aは、基本的に、リン酸水溶液中で金属及び/又は金属 酸化物及び/又は金属ホスフェート、それらの水和物及びそれらの誘導体を、少 なくとも半透明溶液を形成するのに十分な温度及び時間混合することにより製造 される。時々、長い混合の後、原材料中に含まれる不純物等により、粒子−液体 懸濁液のみが得られる。次いで、溶液から1μmを超える粒子の不溶部分をのぞ くためにろ過工程が必要である。もし、上記成分の所望量が含まれれば、本発明 を実施するためにろ過液が用い得る。粒子分散のない分子レベルにおける均一な 透明な溶液が好ましい。用いられる金属に依存して色があるか又はないかもしれ ない。 一般に、本発明の成分Aは、例えば、オルトホスフェート、ピロホスフェート 、及びポリホスフェート等を種々のタイプのホスフェートの1種又はそれらの組 み合わせ(これらに限定されない)から構成される。異なるホスフェート構造の 正確な分布は、方法及び溶液を製造するために用いられる原材料、及び溶液の年 齢に依存する。しかし、20℃で3ヶ月の年齢の透明な溶液が本発明を実施する ためには一般に十分であることが当業者にはわかる。成分Aは1つの液体として 全て一緒に調製されるか、又は分離して調製され、次いで1つの液体として一緒 に混合され、又は使用前に分離して調製され分離して維持される。 本発明によれば、本発明の成分Bは、オキシボロン化合物及びその水和物から 構成される。上記オキシボロン化合物は活発に硬化反応に関与し、ポットライフ が制御され得る本発明の新鮮な樹脂の真の構造の結果となる。 本発明において用いられるオキシボロン化合物は、少なくとも1つのホウ素− 酸素結合を含むホウ素化合物であり、以下本明細書においてオキシボロン化合物 と称する。上記オキシボロン化合物は、本発明において延長されたポットライフ の生成、硬化の際の硬化拡大及び樹脂のオーバーヒートの回避(すなわち、煮沸 した組成物中に水がないと100℃を越える温度上昇)の観点から有効である。 上記化合物は、例えば、ホウ酸等の1以上のホウ素原子を含むホウ素のオキシ酸 ;そのような酸の塩、例えばそれらのアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例 えばホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等の、それらのア ミンまたはアンモニウム塩;そのような 酸のエステル、例えば、ホウ酸トリメタル等のホウ酸トリアルコキシ及びホウ酸 トリアリルオキシ等を含む。成分Aのホスフェート溶液と接触してオキシボロン 添加剤を産生するホウ素含有出発物質は、現場でオキシボロン化合物を生成する ために用いることができる。好ましいオキシボロン化合物は、ホウ酸、ホウ酸の アルカリ金属及びアルカリ土類金属塩、例えばホウ酸ナトリウム、ホウ酸カルシ ウム及びその水和物等を含む。上記オキシボロン化合物は、乾燥粉末、又は、水 またはリン酸に溶解させることにより溶液として用いることができる。本発明の 組成物中で用いられる成分Bの量は、所望の遅延の度合い及び温度上昇に より 変化させることができる。一般には、成分C中の100重量部のウォラストナイ トに関して、混合物中の上記オキシボロン化合物は、無水を基準として計算し、 約0.2〜50重量部の範囲であり、好ましくは約2〜20重量部が適当である 。 本発明によれば、成分Cはか焼された又はか焼されていない状態で天然又は合 成ウォラストナイトを含む、ウォラストナイト化合物である。通常は、市販され ているウォラストナイトは48.3重量%CaO及び51.7重量%SiO2の理 論組成を有する針状構造の天然ケイ酸カルシウム(CaSiO3)の鉱物である。こ のウォラストナイトは、低アスペクト比及び高アスペクト比の2つのカテゴリー に分類することができる。一般には10未満、約1のアスペクト比も含む、低ア スペクト比のウォラストナイトは、主にセラミック、治金、建築及びコーティン グの応用においてフラックス及び充填材として用いられる。一般に10〜20の アスペクト比を有する高アスペクト比のウォラストナイトは、補強効果を得るた めの繊維として用いられる。本発明の無機樹脂の挙動に影響を及ぼすウォラスト ナイトの最も重要な性質は、燃焼(LOI)、アスペクト比、粒度測定(granuomet ry)及びウォラストナイトにおけるそれらの消失である。上記特性は、その鉱物 起源、地質歴及びウォラストナイトを得るための加工技術に依存して、1つのウ ォラストナイトを他に変換することができる。本発明の無機樹脂の硬化工程は、 ウォラストナイトの地質学的歴史、製造方法及び不純物等の因子を広く含む、ウ ォラストナイトの性質によって何らかの影響を受ける。 ウォラストナイトの燃焼における消失は、ウォラストナイトと密接に関連 する方解石(CaO3)が高温でCO2及びCaOに分解する時のCO2の遊離のため である。本発明を実施するために、関連する方解石の少ない量が達成され、ウォ ラストナイトがより好ましい。しかし、現実的な理由として、所定量の、約5重 量%までのCaCO3含有量が市販のウォラストナイト中に存在する。ウォラスト ナイト中に含まれる大量の方解石は好ましくない。なぜなら、混合及び反応段階 で過剰のCO2が生成し、内部欠損及び機械的強度の損失となるからである。ウ ォラストナイトの高濃度の方解石も、均一な混合を達成するために長い混合時間 を導き、従って、材料加工の困難を増加させるだろう。組成物中に存在する大量 の方解石は、成分Aの方解石及びホスフェート溶液の高い反応性による本発明の 3種の成分反応を妨害し、好ましくない反応及び弱い構造を導く。方解石を完全 に除去するための1つの方法は、市販のウォラストナイトを、方解石がCaO及 びCO2に分解するまで550〜1000℃の範囲に加熱することである。か焼 反応は、本発明においてか焼されたウォラストナイトを用いることによる有害な 影響を及ぼさないように思われる。本発明を実施するために、20〜1000℃ のLOI値の範囲は3重量%を越えるべきでない。か焼された、又はか焼されて いないウォラストナイトを用いることが、LOI値を完全に制御することができ るので好ましい。 ウォラストナイトの粒度測定は、本発明の無機樹脂のポットライフ及び効果時 間の制御において重要な役割を果たす。粒径が非常に小さい場合、樹脂は非常に 反応性であり、短いポットライフを導くだろう。しかし、粒径が非常の大きい場 合、ウォラストナイトの一部のみが反応に関与することができ、故に構造のバッ クボーンを形成するために必要な構成は不十分である。粗ウォラストナイトも、 その大きい特異的な重量(約2.9)のために樹脂混合物から粒子沈殿を引き起 こすだろう。しかし、従来のホスフェートセメントに比べ、本発明は延長された ポットライフのために相対的に大きい粒径を有するウォラストナイトを使用する ことを可能にし、その間にウォラストナイトは十分な程度まで分解されるだろう 。本発明を実施するために、一次反応体として用いられるウォラストナイトは1 50μmを越えないことが好ましい。粒径分布の範囲は、好ましい性質を有する 製品に関して与えられる。150μmを越える粒径のウォラストナイトも、樹脂 製品の性質を向上させる ために組成物中で反応充填材及び/又は繊維として用いられる。 本発明によれば、一次反応体として用いられるウォラストナイトのアスペクト 比は、混合の際にウォラストナイト繊維の絡み合いを防止し混合を困難にするこ とを防止するため、高くすべきでない。好ましいアスペクト比は約10未満であ り、金属ホスフェート溶液中で好ましいレオロジー及びウォラストナイト溶解性 を実現することができる。市販のウォラストナイト製品のウォラストナイト含有 量は90重量%を越えないことが好ましい。約10未満のアスペクト比、及び/ 又は約90重量%未満の純度のウォラストナイトは、一般に本発明の無機樹脂を 補強するために反応性充填材及び/又は繊維として含まれる。 本発明によれば、本発明の無機樹脂は包装され、使用するまでは3つの包装シ ステム中に分離して保存される。しかし、液相及び固相を含む2つの包装システ ムが好ましい。本発明によれば、上記液相は成分A及び成分Bから構成され、上 記固相は成分Cから構成される。また、ウォラストナイト化合物は成分A、又は 成分A及び成分Bの混合物と部分的に混合される。ウォラストナイト化合物の残 りの部分は、使用するまで分離して保存される。上記2包装システムを実施する ために、成分A及び成分Bの混合は、オキシボロン化合物が溶解し上記金属ホス フェートに導入されるのに十分な温度及び時間で実施することができる。時々大 きい粒子懸濁液が得られ、次いで、全ての必要な上記成分が存在する溶液から1 μmを越える粒子を除去するための濾過工程が必要である。 本発明によれば、本発明の無機樹脂の硬化工程は、液体/固体重量比、成分A の水分含有量、ウォラストナイトの粒度測定等を調整することにより制御するこ とができる。上記パラメーターの1又はそれらの組み合わせの変更方法は、所望 の製品のタイプ及び/又は用いられる装置のタイプに依存する。本発明によれば 、硬化工程は硬化時間によっても調整することができる。高温は樹脂の反応性を 増加、硬化工程を短くし、さらなる発熱を生成する。一方、低温は樹脂の反応性 を減少し、硬化工程を延長するだろう。これは、エンジニアに本発明の無機樹脂 をベースとする複合材料のデザイン及び製造のための大きい機会を提供するが、 従来のホスフェートセメントでは可能では ない。本発明の真の範囲及び精神は新鮮な混合物の制御可能なポットライフ及び 硬化樹脂の良好な材料特性を有するユニークな組成物を提供することであること が示される。これは、迅速な硬化及び延長された硬化の両方を含む。数分の硬化 時間は迅速な修復機能を可能とし、延長されたポットライフは種々の利用可能な 加工技術を用いた複合材料の製造を可能とする。 本発明によれば、無機樹脂組成物は、有限の期間内に周囲温度で完全に硬化す る。例えば、本発明の樹脂は、発達した強度及び構造安定性に関して、20℃で 3日以内に完全に硬化する。しかし、例えば樹脂が最終的に硬化した場合、成型 品の取り出し(demoulding)は、より早く実施される。樹脂は、開放条件又は閉鎖 条件、又はそれらの組み合わせにおいて硬化される。通常は、周囲条件で硬化し た場合は樹脂はほとんど硬化収縮を示さず、複雑な構成のプロフィールが複写さ れ、樹脂製品は良好な表面仕上を有する。例えば、硬化した樹脂は、寸法安定性 及び化学抽出に関して水に対して耐性であり、水に浸した場合、水のpH値は中 性に保たれ、樹脂及び水の両方は味がない。上記性質は樹脂をベースとする有機 ポリマーのものと同じであり、故に有機及び/又はセメント複合材料のための現 存の加工技術は本発明をベースとする無機複合材料製品を製造するために用いら れる。 原則として、得られる樹脂製品は熱硬化を必要とせず、逆効果なしに沸騰水中 に置くことができる。本発明の無機樹脂は所望の配置内に置くことができ、上記 成分は相互作用し所望の形状のモノリシスな塊へ硬化する。しかし、樹脂製品が 高温及び/又は高圧での利用が予定されている場合、高温及び高圧での硬化及び /又は後硬化は、樹脂を最終構造に変換するために推奨される。一般に、後硬化 工程は、無機樹脂の材料特性をさらに向上させる。 本発明の新鮮な混合物の硬化時間は、硬化時間を遅らせるために十分に低い温 度で、有意に延長されるように思われ、故に混合物は粘性及び/又はゲル様又は 硬化していないスラリーとして残る。例えば周囲温度まで徐々に加熱し、本発明 の樹脂はその反応性を回復し、その材料特性上のネガティブな影響なしで硬化す るだろう。この性質を実施するための好ましい方法は、樹脂混合物を混合し、次 いで新鮮な混合物又はスラリーを低温で維持すること である。この性質は、新鮮な樹脂を後における使用のために貯蔵する方法を提供 し、消費を減少し、樹脂の扱いを容易にする。ウォラストナイト化合物をホスフ ェート溶液中でオキシボロン化合物と十分に長い時間接触させることにより、ウ ォラストナイトの大きい固体粒子が分解され、より小さい固体粒子を含むか、又 は分散した固体粒子のないスラリーになる。全ての反応を阻止するための十分低 い温度でスラリーとして処理される無機樹脂が繊維強化複合材料又はプレプレグ を製造するためのマトリックス材料として用いられ、繊維は適当に含浸される。 実際に、次いで、上記スラリー又は上記プレプレグは、それぞれ上記スラリー又 は上記プレプレグを支持し得る表面上に導かれ、スラリーは無機樹脂又は上記プ レプレグの造形品として硬化するために反応する。 本発明の無機樹脂は、他の材料、例えば金属、ポルトランドセメントをベース とするコンクリート等の有機及び無機材料との非常に良好な接着力を有する。ま た、それは、炭素繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維、岩綿等の鉱物繊維、金 属繊維、E−ガラスファイバー等のガラスファイバー等の繊維との間の良好な接 着力を有する。繊維とマトリクスとの良好な接着力はマトリクスから繊維への荷 重を感じない(impass)ために本質的であり、従って、複合材料の強度及び安定性 が向上する。上記利点により、本発明の無機樹脂はガラスファイバー等の繊維に よって強化された複合材料を製造するために用いることができる。 材料特性にネガティブな影響を与えない限り、凝集塊及び耐火物、好ましくは 、ムライトの等級づけられた砂、シリカ、マイカ、菫青石、炭化ケイ素を、性能 を向上させ樹脂製品のコストを減少させるために、樹脂コンクリートを製造する ための充填材として制御された量で乾燥配合物に加えることができる。充填材は 、一般に硬化樹脂製品の強度を向上させる。充填材の使用量は全組成物に約90 重量%までである。用いることのできる他の材料は、花崗岩、玄武岩、ドロマイ ト、アンセサイト(ansesite)、長石、角閃石、輝石、カンラン石、斑糲岩、流紋 岩、閃長岩、閃緑岩、輝緑岩、カンラン岩、粗面岩、黒曜石等の構成成分の岩又 は岩形成鉱物;及びスラグ、破砕した石炭のフライアッシュ、及びコランダム生 産物からのフライアッシュ、ガラス くず、ウッドホイップ(wood whip)、及び金属繊維、ガラス繊維有機繊維及び天 然繊維等の繊維を含む。高温で用いられる場合は、耐火性充填材、例えば、酸化 アルミニウム、酸化鉛、酸化クロム、酸化ジルコニウム、又はケイ酸塩、シリカ 、炭化ケイ素、窒化チタン、ケイ化モリブデン等の耐火性酸化物、カーバイド、 窒化物及びケイ化物、グラファイト等の炭素質材料が用いられる。一般に、上記 充填材は異なる粒子サイズでよく、気泡構造及び非気泡構造のどちらでもよい。 所望の場合は、金属及びセラミックの混合物を含む充填材の混合物が用いられる 。 特徴的には、本発明の硬化樹脂コンクリートは強固であり耐久性がある。樹脂 製品の強さは、繊維を加えることにより達成される。本発明の樹脂製品は、樹脂 製品の機械的強度及び寸法安定性に関して、凍結(−20℃)/解凍(20℃) サイクル等の環境の作用に対して良好な耐性を有する。本発明の樹脂製品は、p H=1.5のH2SO4等の酸の作用に対しても良好な耐性を有する。無機樹脂自身の 軟化点は1100℃以上である。 驚くことに、炭化ケイ素、炭化ホウ素、コランダム、ガーネット、エメリー、 シリカ及びそれらの混合物等の耐摩耗性の充填材を用いた場合、本発明の無機樹 脂をベースとする物品が非常に高い表面ひっかき強度を有することが発見された 。樹脂自身の表面ひっかき硬度は、湿潤及び乾燥状態で約6Mohであるが、無機 樹脂組成物に砥粒を含ませた場合、乾燥状態で8.5Moh以上に有意に上昇し、湿 潤状態では8Moh以上に上昇し得る。 本発明によれば、発砲剤及び界面活性剤等の添加剤が新たに無機樹脂に添加さ れ、そのために異なるかさ密度を有する気泡構造を有する造形品が製造され得る 。一般に、他の発泡剤も良好な結果を与えるが、カーボネートが本発明の無機樹 脂の均一気泡を形成するのに適した種である。気泡は、カーボネートが酸性ホス フェート溶液と接触したときに分解されるCO2によって引き起こされる。相対 的に不溶性のホスフェートを生成する、MgCO3、CaCO3、ZnCO3、Li2C O3、及びそれらの混合物等のカーボネートが用いられ、CaCO3及びMgCO3 が好ましい。相対的に可溶性のホスフェート塩を生成するNa2CO3及びK2CO3 等の他のカーボネートも用いられ、湿潤状態における生成物からのホスフェー トの浸出は問題とならない。しかし、気泡剤は、本発 明の新鮮な樹脂に硬化前のどのような時期にでも添加することができ、それらは 、本発明の成分Cと予備混合される。気泡は徐々に生成されるので、完全な気泡 が形成される前に硬化されるのは好ましくない。この理由により、本発明は、延 長された硬化による気泡構造を生成する従来のホスフェートセメントを越えた利 点を有する。さらに、延長されたポットライフのために、本発明は無機樹脂の新 鮮な混合物を複合鋳型構成に配置するための十分な時間を残し、故に形成された 良好な表面仕上げを有する樹脂製品が得られる。 本発明によれば、リン酸に影響を及ぼされない界面活性剤が、気泡構造を作る 場合の気泡安定性を促進するために樹脂に添加される。上記界面活性剤は本発明 の成分Cと予備混合されるか、気泡剤を加える前に新たに形成された樹脂混合物 に添加され、そのために上記界面活性剤は組成物の全容量を通じて均一に分散す ることができる。上記界面活性剤は、例えばステアリン酸亜鉛(zinc stereate) である。 リン酸により着色硬化に影響を及ぼさず、本発明の無機樹脂にネガティブな効 果を与えない範囲で、種々の有機及び無機顔料を、着色樹脂製品を得るために樹 脂に加えることができる。上記顔料は、粉末又は液体、又はその混合物として用 いることができる。 一般に、本発明の無機樹脂は、低温及び高温の両方でバインダーとして用いる ことができる。複合材料の分野において、制御されたポットライフ及び硬化工程 により、繊維強化複合材料が、樹脂を繊維及び/又は繊維マットに含浸し、繊維 強化製品を形成する、手積み成形、噴霧工程、押出し、引き抜き成形等の、利用 できる材料工程を用いて生成され得る。本発明の無機樹脂をベースとする製品は 、樹脂及び繊維の機能の両方に対して強固かつ強靭であることができる。本発明 は、一般に製造するための無機バインダーとして、例えば、高強度及び低浸出等 の特性を有する、耐火性及び耐食性等のコーティング及び/又は界面活性剤とし て、例えば、金属及び/又は木材を結合するための接着剤、例えば歯科材料等の 特別なセメント及びコンクリート等として適用可能であるが、これらに限定され ない。 本発明の無機樹脂は、屋内及び屋外において、自動車道、貯蔵倉庫(storageya rd)、倉庫及び工場の床を固めること、損傷した表面を修繕及び修復するこ とに応用することができる。上記樹脂は、道路建築、道路のつぎはぎ、建物の修 繕又は他の耐力目的の分野において用いることができる。形成された特定のコン クリート構造の特性は、種々の化合物の重量比、用いた凝集塊の性質、硬化条件 及びその他の因子によって決まる。本発明の無機樹脂と、ポルトランドセメント 等をベースとする、他のセメント製品との良好な接着力のために、上記無機樹脂 は、スラブ中の構造クラックをうめ、ハイウェイ中央バリアーウォールの修復に 用いることができる。また、上記樹脂は、一般に迅速かつ持続的なコンクリート の修復が必要な場合にも用いることができる。上記樹脂は、その防湿性、高い誘 電特性及び気泡構造のために、気泡及び非気泡構造におけるパイプ及びダクト; 熱的、電気的及び/又は音響的絶縁体;軽量製品等の製造に用いることもできる 。 以下の実験は、本発明の種々の態様を示す。種々の成分の量は、重量部で示す 。本明細書又は本明細書に記載された本発明の実施例を考慮し、他の態様はこの 分野の通常の当業者に明らかであろう。明細書及び実験は、例としてのみ意図さ れ、本発明の真の範囲及び精神は、請求の範囲により示される。 例として、本発明による添加剤を含まない基本的な樹脂組成物を表1に示す。 分析結果 酸化物分析に従って酸化物によって表現される成分Aを、Fe23、Zr(OH)4 、粒状試薬グレード亜鉛金属、及び超純粋品質のアルミニウムペレットを、8 5%オルトリン酸溶液中に、バランス量の水とともに溶解し、透明な溶液が得ら れるまで約90℃で混合することにより製造する。この溶液は、使用前に約20 ℃の周囲温度で6ヶ月間保存できる。成分Bは、Na247.10H2Oで あり、通常、ホウ砂として知られている。それは、超純粋品質の、70μm未満 の粒子サイズの乾燥粉末である。成分Cのウォラストナイトは約5のアスペクト 比を有し、上記ウォラストナイトの99.5重量%は約70μm以下である。ウ ォラストナイトの一部は800℃でか焼され、全てのCaCO3がCaO及びCO2 に分解するのに十分な時間、800℃に維持される。 本発明を実施するために、成分A及び成分Bを機械的ミキサーにより最初に予 備混合し、約90℃に約24時間加熱し、水溶液を得る。また、成分C中のウォ ラストナイト及びか焼ウォラストナイトを予備混合し、次いで、上記溶液に加え 、約20℃でプラネタリーミキサーで混合し、本発明の新鮮な樹脂を得る。本発 明の樹脂組成物及び製造方法は、後述する基本樹脂組成物及び基本製造方法に言 及されるだろう。 実施例1 制御されたポットライフ及び初期硬化時間を表2に示す。 樹脂が流動可能である時間 新鮮な樹脂は、上記基本樹脂組成物及び基本製造方法により製造される。上記 樹脂の硬化は、覆われた条件で約20℃の周囲温度で行われる。表2に示された 結果は、樹脂のポットライフが制御でき、従って、成分Bを加えることにより樹 脂の迅速な硬化及び延長された硬化が得られることを示す。本明細書におけるポ ットライフは、新鮮な樹脂が流動可能である時間を意味する。 ホウ砂を含まない組成物は、たった10分のポットライフを有し、これは、あ まりに短すぎ、他の充填材又は繊維を添加することができない。その一方で混合 物の温度は反応の間100℃を越えて上昇し、ほとんど瞬間のように見える。一 方、本発明の樹脂はわずかな温度上昇を引き起こし、徐々に硬化 することができる。一般に、より多くの成分Bを用いると、温度上昇は少なくな り、多くの延長されたポットライフ及び長い初期硬化時間となる。さらに、本発 明の無機樹脂は良好な表面仕上げを有する。 実施例2 無機樹脂は上記基本無機樹脂組成を有し、上記基本製造方法で製造される。こ の樹脂は、20℃の覆われた条件で、約2.5時間のポットライフ及び約17時 間の初期硬化時間を有する。上記樹脂は反応の際に、フリーの水の遊離によりわ ずかに暖かくなり、顕著な硬化時間の減縮及び延長は認められない。覆われた条 件における20℃で3日間の硬化により、試料は、破壊され、機械的試験の前に さらなる乾燥及び湿潤にさらされる。3点配合試験は、上記樹脂が20℃で3日 間乾燥した場合に18.4Mpa の曲げ強さ、13.8Gpa の曲げ弾性率、20℃で3日 間水に含浸した場合に12.3Mpa の曲げ強さ、12.0Gpa の曲げ弾性率を有するこ とを示す。 実施例3 2つの積層を、手積み積層により製造した。第一の積層のマトリクスは、上記 基本樹脂組成物及び上記基本製造方法により製造された樹脂であり、第2積層の マトリクスはポリエステルである。それぞれの積層は、同一の一方向性E−ガラ スファイバーマットから構成される。積層は、覆われた条件の約20℃の周囲温 度で24時間で硬化され、次いで後硬化は、覆われていない条件で60℃で24 時間である。 本発明の無機樹脂 引張試験の結果を表3に示す。ここで、緊張は試料の両側でひずみゲージによ り測定した緊張の平均値であり、Vfは繊維の体積分率であり、Efはガラス繊維 の弾性率であり、Effは、Ef=76Gpa と仮定して計算した。両方の積層にお いて、マトリクスの破損の後にひびが繊維方向に対して横断して均一 に広がり、繊維の最終的な破裂の前に薄片に裂けることが起こらないことが観察 された。 実施例4 樹脂は、上記基本組成を有し、上記基本製造方法で製造される。硬化した樹脂 を凍結(−20℃)/解凍(20℃)サイクルに30回さらし、試料は、顕著な 寸法の変化及びひびを示さなかった。 実施例5 樹脂は、上記基本組成を有し、上記基本製造方法で製造される。0〜0.5mmの 付加的なムライト200重量部を充填材として添加した。硬化を、20℃の周囲 温度で覆われた鋳型内で7日間行い、次いで破壊し、覆われていない周囲環境中 に3日間放置した。硬化樹脂のカットした表面のひっかき硬度は約8.5であり、p H=1.5のH2SO4溶液に14日間浸漬した場合に、顕著なひび又は寸法の変化は 認められなかった。 実施例6 樹脂は、上記基本組成を有し、上記基本製造方法で製造される。新鮮な樹脂を 約20℃の周囲温度で製造し、次いで直ちに−20℃に放置した。数日間は流動 性を残し、次いで−20℃で硬化することなしにゲルになった。 実施例7 本発明の気泡のある樹脂の組成を表4に示し、それは上記基本製造方法で製造 された。界面活性剤はステアリン酸亜鉛であり、樹脂はE−ガラスファイバーで ある。他の成分を混合した後、MgCO3を樹脂に加えた。この組成の混合物は徐 々に気泡を生じ、外部からの熱を加えることなく、20℃で硬化した。気泡のあ る樹脂は強固で、約 350kg/m3のかさ密度を有し、均一な気泡構造を有する。 分析結果
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AT,AT,AU,BB,BG,B R,BY,CA,CH,CN,CZ,CZ,DE,DE ,DK,DK,EE,EE,ES,FI,FI,GB, GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG ,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SK,T J,TM,TT,UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 金属ホスフェート(成分A)の水溶液、オキシボロン化合物(成分B)及 びウォラストナイト化合物(成分C)を組み合わせて含有する、無機樹脂組成物 。 2. 上記金属ホスフェートが、リン酸アルミニウム、リン酸ジルコニウム、リ ン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸鉄、それらの誘導体 及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求の範囲第1項記載の組成物 。 3. 上記オキシボロン化合物が、ホウ酸、ホウ酸のアルカリ金属及びアルカリ 土類金属塩、ホウ酸のアミン及びアンモニウム塩、それらの水和物及びそれらの 混合物からなる群から選択される、請求の範囲第1項又は第2項記載の組成物。 4. 上記オキシボロン化合物が、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アンモニ ウム、ホウ酸カルシウム、それらの水和物及びそれらの混合物からなる群から選 択される、請求の範囲第3項記載の組成物。 5. 上記オキシボロン化合物が粉末又は液体である、請求の範囲第3項又は第 4項記載の組成物。 6. 上記ウォラストナイト化合物は、か焼された、又はか焼されていない状態 における天然又は合成ウォラストナイトであるか、又はそれらの混合物であ る 、請求の範囲第1項記載の組成物。 7. 純粋なケイ酸カルシウムをベースとして計算された上記ウォラストナイト 化合物の100重量部当たり、上記成分Aが、上記金属ホスフェート中に五酸化 リンが14〜135重量部含まれ、上記金属ホスフェート中に金属酸化物が2〜 65重量部含まれる、請求の範囲第1項〜第6項のいずれか1項に記載の組成物 。 8. 上記成分Aが、五酸化リンが24〜86重量部含まれ、金属酸化物が5〜 47重量部含まれる、請求の範囲第7項記載の組成物。 9. 上記組成物の全水分含有量が、純粋なケイ酸カルシウムをベースとして計 算された上記ウォラストナイト化合物の100重量部当たり、8〜 150重量部である、請求の範囲第1項〜第8項のいずれか1項に記載の組成物 。 10. 上記組成物の全水分含有量が11〜95重量部である、請求の範囲第9項 記載の組成物。 11. 無水を基準として計算した上記オキシボロン化合物が、純粋なケイ酸カル シウムをベースとして計算された上記ウォラストナイト化合物の100重量部当 たり、0.2〜50重量部存在する、請求の範囲第1項〜第10項のいずれか1 項に記載の組成物。 12. 無水を基準として計算した上記オキシボロン化合物が、2〜20重量部存 在する、請求の範囲第11項記載の組成物。 13. 上記ウォラストナイトの粒径及びアスペクト比が、それぞれ150μm、 及び10を超えない、請求の範囲第6項〜第12項のいずれか1項に記載の組成 物。 14. 繊維、充填材、発泡剤、界面活性剤及び顔料の1又は組み合わせ等の添加 剤を含む、請求の範囲第1項〜第13項のいずれか1項に記載の組成物。 15. 上記界面活性剤がステアリン酸亜鉛である、請求の範囲第14項記載の組 成物。 16. 上記発泡剤が、粉末又は水溶液で用いられる炭酸カルシウム、炭酸マグネ シウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム又はそれらの組み合わせからなる群から 選択される炭酸塩である、請求の範囲第14項又は第15項に記載の組成物。 17. 上記充填材が、シリカ又はその誘導体である、請求の範囲第14項〜第1 6項のいずれか1項に記載の組成物。 18. 上記繊維が、金属繊維、有機繊維、及びガラスファイバーを含む無機繊維 からなる群から選択される、請求の範囲第14項〜第17項のいずれか1項に記 載の組成物。 19. 請求の範囲第1項〜第18項のいずれか1項に記載の上記組成物の金属ホ スフェートの上記水溶液の製造方法であって、ホウ酸水溶液中の金属及び/又は 金属酸化物及び/又は金属ホスフェート、それらの水和物 及び誘導体を、少なくとも半透明溶液を形成するのに十分な温度及び時間混合す る方法。 20. 以下の工程を含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の無機樹脂組成 物生産物の製造方法。 上記金属ホスフェート水溶液を、上記オキシボロン化合物と、水溶液を形成 するのに十分な温度及び時間混合し; 上記ウォラストナイト化合物及び任意の1以上の上記添加剤を上記水溶液と 接触させスラリーを形成し;及び 上記スラリーを、上記スラリーを少なくとも部分的に支持することのできる 表面に導き、上記スラリーが無機樹脂組成物の造形品として硬化するために 反応させる。 21. 以下の工程を含む、請求の範囲第1項〜第19項のいずれか1項に記載の 上記無機樹脂組成物のプレプレグ製品の製造方法。 上記成分A、上記成分B、上記成分C及び任意の1以上の添加剤を混合して スラリーを形成し; 繊維を上記スラリーに浸漬し; プレプレグと呼ばれる浸漬された繊維を、硬化反応を阻止するのに十分に 低い温度に維持し、 上記プレプレグを、上記プレプレグを支持することのできる表面に導き、上 記スラリーが上記プレプレグの造形品として硬化するために反応させる。 22. 上記スラリーを、上記支持表面に導く前に硬化反応を遅延させるのに十分 に低い温度に維持する、請求の範囲第20項又は第21項に記載の方法。 23. 上記支持表面が、無機、有機及び/又は金属繊維を含む繊維を含む、請求 の範囲第20項〜第22項のいずれか1項に記載の方法。 24. 上記スラリーが、上記支持表面の繊維を含浸し、繊維強化製品を形成する 、請求の範囲第20項〜第23項のいずれか1項に記載の方法。 25. 上記支持表面が、金属、有機又は無機材料で製造されている、請求の範囲 第20項〜第22項のいずれか1項に記載の方法。 26. 請求の範囲第1項〜第19項のいずれか1項に記載の無機樹脂組成物及び /又は請求の範囲第20項〜第25項のいずれか1項に記載の方法で製造された 無機樹脂組成物の造形品の、バインダー、コーティング、表面活性剤、接着剤、 結合剤としての使用。 27. 上記造形品が気泡構造を有する、請求の範囲第26項記載の使用。
JP9-519242A 1995-11-17 無機樹脂組成物、その製造方法及びその使用 Pending JP2000500427A (ja)

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WO2013154070A1 (ja) * 2012-04-11 2013-10-17 日本インシュレーション株式会社 断熱材用組成物、断熱材用成形体及びそれらの製造方法

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WO2013154070A1 (ja) * 2012-04-11 2013-10-17 日本インシュレーション株式会社 断熱材用組成物、断熱材用成形体及びそれらの製造方法
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